JP2016071419A - 変動データ管理システム及びその特異性検出方法 - Google Patents

変動データ管理システム及びその特異性検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】管理対象物の特異挙動を定量的に認識する。
【解決手段】変動データ管理システムは、時系列の変動データを管理する変動データ管理システムであって、変動データの基準となる母集団を定義し、その母平均と母分散を登録する登録部1と、変動データを取得する取得部2と、変動データに基づいて標本平均と標本分散を算出する第1の算出部3と、標本平均と標本分散が母平均と母分散から乖離している度合いを検定するための有意確率を算出する第2の算出部4と、有意確率を時系列にプロットして管理図を作成する作図部5とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、時系列の変動データを管理する変動データ管理システム及びその特異性検出方法であって、特に、設備管理や品質管理において管理対象物の正常/異常を見極めるための技術に関する。
従来、設備管理や品質管理を目的とした変動データの管理方法としては、図5に示すように、管理上の上限T1と下限T2を設定しておき、変動データがその閾値T1,T2を超えると、異常が発生している可能性があるものと判断する手法が一般的である。異常が発生している可能性がある場合は、生産を止めて調査に入り、メンテナンスを実施するなどのアクションを取る。さらにアクションが手遅れになるのを防止するために、上限T1と下限T2の内側に警告線(ワーニングライン)W1とW2を設け、危険な状態であることを事前に察知する手法も、よく用いられる管理手法である。
しかしながら、例え警告線W1,W2を設けたとしても、その警告線W1,W2を超えるか否かを単純に監視するだけでは、異常に気づくのが遅れがちになる。そこで、変動データの推移そのものを日々監視し、特異な挙動を示していないかどうかを検証する傾向管理を実施して、管理体制を補強するのが一般的である。傾向管理の手法は種々提唱されているが、代表的なものに特殊原因調査がある。
特殊原因調査の一例を図6に示す。管理すべき対象の母標準偏差(以下σで表わす)を定義し、±1σ、±2σ、±3σのライン(以後、傾向ラインとよぶ)を従来の管理図に付加するのが特徴である。データの推移が偶然性に基づくものであるならば、そのエラー成分は正規分布に従うことが知られている。従って、傾向ライン間で区画された任意の区間にデータが存在する確率も正規分布に従うはずで、その確率は決まった値を取る。計算された確率と実際の挙動から検証した確率が乖離していると、それは母集団が正規分布に従っていないことを意味しており、何らかの偏りを見せていることになる。即ち、異常の兆候を示している可能性があることになるのである。傾向管理は、この異常の兆候を見逃さないための施策であり、広く一般的に用いられている管理手法である。以下、図6に沿って検出すべき挙動を列挙する。
(検定1)1点が3σ線を超えている。
(検定2)連続する9点が中心線より上側、または下側に存在する。
(検定3)連続する6点が増加または減少している。
(検定4)連続する14点が増減を交互に繰り返している。
(検定5)連続する3点の内2点が2σ線と3σ線の間に存在する。
(検定6)連続する5点の内4点が1σ線と2σ線の間に存在する。
(検定7)連続する15点が中心線と1σ線の間に存在する。
(検定8)連続する8点が1σ線の領域内に存在しない。
上記の傾向管理においてσの定義が困難であることがしばしば起こる。新規に購入した設備や、新規のプロセスなど、過去の推移に関する情報が全く存在しない場合も少なくなく、この場合はσを決定できない。このような場合は、暫定的にσに代わる指標を定義して管理を開始することになる。メーカーなどの経験的データからσを試算できるのであれば、それを用いるのもひとつの手法である。σに関する情報が全く得られない場合に、一般的に採用されている手法は、標本から計算した不偏分散の平方根sをσの代わりに用いる方法である。不偏分散s2の期待値は母分散σ2に等しいため、不偏分散の平方根sをσの推定値として代用するのである。
図5で示した上限・下限管理も、図6で示した傾向管理も、何れも変動データの推移に対し何らかの閾値を設け、管理対象データの不健全性を検知することを目的としている。
特開2011−128781号公報
従来の管理方法および管理図は、その推移を視覚的に監視して管理するのに有効な手段ではあるが、何れもどの程度の特異な事象が発生しているかを定量的に認識するには不十分であり、異常と判定する根拠を明示することが困難な側面を有している。それ故に、例えば設備の劣化診断に用いた場合は、本当に使用限界に来ているのか否かを判定することが極めて困難であり、さらにこの操作を繰り返したとしてもその推定精度が一向に上がって行かないという大きな根本的課題を抱えている。
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、管理対象物の特異挙動を定量的に認識することができる変動データ管理システム及びその特異性検出方法を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明の実施形態における変動データ管理システムは、時系列の変動データを管理する変動データ管理システムであって、前記変動データの基準となる母集団を定義し、その母平均と母分散を登録する登録部と、前記変動データを取得する取得部と、前記変動データに基づいて標本平均と標本分散を算出する第1の算出部と、前記標本平均と前記標本分散が前記母平均と前記母分散から乖離している度合いを検定するための有意確率を算出する第2の算出部と、前記有意確率を時系列にプロットして管理図を作成する作図部とを備える。
さらに、本変動データ管理システムは、前記管理図における有意確率の推移から前記変動データの挙動の特異性を検出する検出部を備えてもよい。
また、前記第1の算出部は、前記変動データを任意の区間に分割し、各々の区間をそれぞれひとつずつの標本とみなし、その標本平均と標本分散を算出してもよい。
また、前記第1の算出部は、任意の区間を定義し、定義した区間における移動平均を標本平均とするとともに、定義した区間における移動分散を標本分散としてもよい。
また、前記第2の算出部は、z検定、t検定、χ2検定(カイ二乗検定)、F検定のうちの少なくとも1つを用いて前記有意確率を算出してもよい。
また、前記登録部は、任意の標本を母集団として登録することにより前記母集団を定義してもよい。
また、前記登録部は、前記取得部により取得された変動データそのものを随時登録して行くことにより前記母集団を定義してもよい。
また、前記作図部は、前記管理図において、横軸または縦軸に時系列を表すデータ群を取り、対する縦軸または横軸に前記有意確率を取ってもよい。
また、前記作図部は、前記管理図において、前記有意確率を表現する縦軸または横軸の基準線が確率1を表し、前記基準線より上方もしくは下方、または右方もしくは左方に上側有意確立をプロットする領域を設けるとともに、前記基準線より相対する方向に下側有意確率をプロットする領域を設けてもよい。
また、前記作図部は、前記管理図において、前記有意確率をプロットする縦軸または横軸として対数軸を用いてもよい。
前記課題を解決するために、本発明の実施形態における特異性検出方法は、時系列の変動データを管理する変動データ管理システムが前記変動データの挙動の特異性を検出する特異性検出方法であって、前記変動データの基準となる母集団を定義し、その母平均と母分散を登録する登録ステップと、前記変動データを取得する取得ステップと、前記変動データに基づいて標本平均と標本分散を算出する第1の算出ステップと、前記標本平均と前記標本分散が前記母平均と前記母分散から乖離している度合いを検定するための有意確率を算出する第2の算出ステップと、前記有意確率を時系列にプロットして管理図を作成する作図ステップと、前記管理図における有意確率の推移から前記変動データの挙動の特異性を検出する検出ステップとを備える。
本発明によれば、管理対象物の特異挙動を定量的に認識することができる変動データ管理システム及びその特異性検出方法を提供することが可能である。
本発明の実施形態における変動データ管理システムの構成図である。 本発明の実施形態における管理図の実施例を示す図である。 本発明の実施形態における有意確率の計算方法の説明図であり、(a)標準正規分布、(b)χ2分布。 本発明の実施形態における有意確率の計算方法の説明図であり、(a)t分布、(b)F分布。 従来の一般的な管理事例の説明図である。 従来の傾向管理事例の説明図であり、(a)検定1、(b)検定2、(c)検定3、(d)検定4、(e)検定5、(f)検定6、(g)検定7、(h)検定8。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための変動データ管理システムを例示するものであり、装置の構成やデータの構成等は、以下の実施形態に限定されるものではない。
(システム構成)
図1は、本発明の実施形態における変動データ管理システムの構成図である。この変動データ管理システムは、時系列の変動データを管理するシステムであって、図1に示すように、登録部1と、取得部2と、第1の算出部3と、第2の算出部4と、作図部5と、表示部6と、検出部7とを備える。
登録部1は、変動データの基準となる母集団を定義し、その母平均と母分散を登録する。取得部2は、変動データを取得する。第1の算出部3は、変動データに基づいて標本平均と標本分散を算出する。第2の算出部4は、標本平均と標本分散が母平均と母分散から乖離している度合いを検定するための有意確率を算出する。作図部5は、有意確率を時系列にプロットして管理図を作成する。表示部6は、管理図を表示する液晶ディスプレイ等の表示装置である。検出部7は、管理図における有意確率の推移から変動データの挙動の特異性を検出する。これらの各処理部は、例えば、コンピュータにプログラムを実行させることにより実現することができる。検出部7については、表示部6に表示されている管理図を見た人間の判断により実現することも可能である。
(実施例)
図2は、本発明の実施形態における管理図の実施例を示す図である。ここでは、コンプレッサーのドライヤー冷媒圧力管理に本発明を適用した場合の実施例について説明する。
丸い点を繋いだラインDataが実際に取得した冷媒圧力データ(変動データを意味する)の推移を表わしており、主軸(左軸)を見て値を読み取る。これに対し、四角の点を繋いだラインPLOT(pz)および三角の点を繋いだラインPLOT(pχ)は、各々、後述する標本平均の有意確率および標本分散の有意確率を表わしており、第2軸(右軸)を用いて値を読み取る。この有意確率は、標本平均(以後「エックス・バー」で表わす)および標本不偏分散(以後sで表わす)が基準としている母平均および母分散から乖離している度合いを表現している。
この実施例では、区関数を5とした移動平均と移動分散を時系列に求め、以下のプロセス1またはプロセス2を経て管理図に表記する。
(管理図表記方法のプロセス1)
このプロセス1は、母平均μと母分散σ2を直接定義する場合のプロセスである。具体的には、以下に説明する(1)〜(5)のプロセスを繰り返すようになっている。
(1)管理基準となる母平均μと母分散σ2を定義する。
(2)取得した変動データから移動平均(エックス・バー)と移動分散s2を求める。
(3)次式を用いてz値とχ2値を求める。z値は標準正規分布、χ2値はχ2分布に従う。
Figure 2016071419
(4)統計的検定手法であるz検定およびχ2検定を用いて有意確率を求める。
即ち、z値およびχ2値が、それぞれ正規分布およびχ2分布のどの領域に位置するかを有意確率(p値)として求める。この時、各々の値が基準に対して大きいか(上側に位置しているか)、小さいか(下側に位置しているか)によって、それぞれ上側有意確率および下側有意確率と区別して計算しておく。
有意確率(p値)の計算は、図3に示す確率分布曲線から求める。各々の確率分布表から読み取ることも可能であるし、表計算ソフトの統計関数で求めることも可能である。
(5)算出した有意確率を管理図にプロットする。
以上のプロセスを繰り返すことで、図2に示す管理図を取得することができる。
ここで、この有意確率の意味するところであるが、標本から計算された移動平均(エックス・バー)と移動分散s2から推定した母数μEおよびσ2 Eと、基準母集団のμおよびσ2とが「乖離していない」確率と表現することができる。即ち、母集団から取り出された標本が、計算された移動平均(エックス・バー)と移動分散s2の値を取り得る確率である。有意確率が1に近いほど十分有り得ることが発生していると判断し、有意確率が1から離れるに従ってより稀な現象が発生していると判断することになる。有意確率が極めて小さい値をとった場合は、「たまたまそのような値を取る珍しい現象が起こった」と判断するよりは、何らかの影響で母集団が変化した、即ち「特異な現象が発生した=異常が発生している可能性がある」と判断した方が理論的である。この有意確率に閾値を設けて常時監視することで、生データを眺めていただけでは判別できない潜在的な変動を捕えることが可能になる。
さらに、本実施例の管理図においては、第2軸(右軸)に特徴を持たせている。即ち、中心線が1で、上方に行っても下方に行っても値が小さくなる特異な座標軸に対してプロットしている。これは、前述のように、有意確率を上側有意確率と下側有意確率に分けてプロットしているためである。通常の有意確率は常に0〜1の値を取るために、それだけでは生データの推移が基準に対して上昇したのか下降したのかまでは判別できない。その点を改善するために、前述のように、有意確率を上側有意確率と下側有意確率に分けて算出し、上側有意確率を中心線より上側に、下側有意確率を中心線より下側にプロットすることで、データ推移の方向性を判別することを実現している。加えて、座標軸を対数軸にしていることで、有意確率が微小になる領域でもその挙動を視認し易くする効果をもたらしている。
次に、本発明の実施形態における変動データ管理システムを用いた場合の異常検出能力に関して説明する。例えば、図2の実施例で考察すると、生データであるDataを眺めているだけでは特段の変動が発生しているようには見えない。それに対し、分散成分の有意確率であるPLOT(pχ)を見ると、2/26頃から急激に上昇していることが見て取れ、最終的には0.001を切るまでに微小化していることが判る。この現象が意味するところは、「1,000回観測して1回しか起こらないような珍しい現象が起きている」ということになる。前述したように、珍しいことが起こったと考えるよりは、偶然では説明できない特異な現象が発生して母集団そのものの形状が変化したと考える方が理論的である。直ちに調査したところ、負荷変動に伴いドライヤーの冷媒温度上昇を防止する冷却ファンが回転し出したタイミングと一致していることが判明した。冷却ファン回転に伴う測定値の変動を捕えた事例である。
前述のように、本発明の実施形態における変動データ管理システムを用いると、生データを見ただけでは判別できない変動データの特異な挙動を敏感に検出することが可能である。この実施例においては、冷却ファン回転に伴う変動データの挙動変化を捉えることに成功している。冷却ファンが回転すること自体は、装置の設計上の機能であって異常ではない。設計された機能で正常で動作している状態であっても、本変動データ管理システムを用いて監視すると、明らかな変動を検出することができる。挙動が変動しているということは、少なからず設備に対して何らかのストレスを発生させている可能性がある。それが致命的であるかどうかは別として、例えば、冷却ファンを回転させるタイミングは現状のままで適切であるかどうかといった議論に踏み込むことが可能である。さらに、仮にタイミングを調整した場合は、同様の管理方法を継続することでその効果を定量的に把握することが可能である。即ち、設備管理体制を最適化する効果を有している。逆に、致命的な現象ではないため以後異常として検出したくない場合は、この変動領域も含めて基準母集団として定義することにより、検出の精度を相対的に鈍化させることが可能である。母集団のとり方によって所望するレベルに検出感度を合わせ込むことができる点は、本発明の特徴の一つである。
(管理図表記方法のプロセス2)
前述した例では、母平均と母分散を既知のものとして定義したが、母集団の定義方法はこれに限定されること無く、任意の標本を母集団として代用することも可能である。この場合、2標本の比較になるため、z検定の代わりにt検定、χ2検定の代わりにF検定を使用して有意確率を求めることになる。
以下、管理図表記方法のプロセス2について説明する。このプロセス2は、任意の標本を基準母集団として用いる場合のプロセスである。以下のように、使用する計算式はプロセス1と異なるが、有意確率を計算してプロットする手順はプロセス1と同一である。
(1)管理基準となる標本を母集団として定義する。以下、標本をA、母集団をBで表す。
(2)取得した変動データから移動平均(エックス・バー)と移動分散s2を求める。
(3)次式を用いてt値とF値を求める。t値は標準正規分布、F値はF分布に従う。
Figure 2016071419
(4)統計的検定手法であるt検定およびF検定を用いて有意確率を求める。
即ち、t値およびF値が、それぞれt分布およびF分布のどの領域に位置するかを有意確率(p値)として求める。この時、各々の値が基準に対して大きいか(上側に位置しているか)、小さいか(下側に位置しているか)によって、それぞれ上側有意確率および下側有意確率と区別して計算しておく。
有意確率(p値)の計算は、図4に示す確率分布曲線から求める。各々の確率分布表から読み取ることも可能であるし、表計算ソフトの統計関数で求めることも可能である。
(5)算出した有意確率を管理図にプロットする。
ここで、t値の検定に関してはStudentのt検定を用いたが、これに限定されること無く、例えば、以下の式で示されるWelchのt検定を用いることも可能である。
Figure 2016071419
自由度fは以下の式で求める。通常、fは整数とならないため、前後の整数の自由度でt値を求め、fの逆数で補間する。
Figure 2016071419
以上、本発明に係る実施例と有意確率の計算手順を説明した。母集団の定義に関しては直接母数を定義する方法と、任意の標本を母集団として定義する方法を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、取得したデータそれ自身を母集団として随時登録して行き、自身の任意区間の平均と分散を基準として、自身の推移を監視することも可能である。これは、例えると人の体温を管理する手順に類似している。即ち、絶対的な基準は存在しないが、日々測定する体温自体が基準となっており、その推移から逸脱する平均や分散を監視する方法となっている。
以上説明したように、本発明の実施形態における変動データ管理システムによれば、管理対象物の特異挙動を定量的に認識することができる。
すなわち、本発明の実施形態における変動データ管理システムは、時系列の変動データを管理する変動データ管理システムであって、変動データの基準となる母集団を定義し、その母平均と母分散を登録する登録部1と、変動データを取得する取得部2と、変動データに基づいて標本平均と標本分散を算出する第1の算出部3と、標本平均と標本分散が母平均と母分散から乖離している度合いを検定するための有意確率を算出する第2の算出部4と、有意確率を時系列にプロットして管理図を作成する作図部5とを備える。これにより、変動データの推移が基準としている母集団からどれだけ乖離しているかを定量的に把握できるため、深刻さの度合いを数値で管理することができる。しかも、従来の管理方法によれば、測定系が異常を来たして実際のデータよりも突然変動幅を小さく測定するような事象が発生したとしても、その異常を検出することができない。それに対し、本変動データ管理システムによれば、変動幅が小さくなる方向の特異性も認識することが可能であり、測定系の異常の見逃しを防止する効果も有している。
さらに、本変動データ管理システムは、管理図における有意確率の推移から変動データの挙動の特異性を検出する検出部7を備えてもよい。これにより、有意確率の遷移を自動的に監視し、管理対象物の特異挙動を自動的に検出することが可能である。
また、第1の算出部3は、変動データを任意の区間に分割し、各々の区間をそれぞれひとつずつの標本とみなし、その標本平均と標本分散を算出してもよい。各区間の標本数と閾値を最適化することによって、実態に即した限界線を設けることができるため、過剰メンテナンスおよびメンテナンス遅れを防止することが可能となる。
また、第1の算出部3は、任意の区間を定義し、定義した区間における移動平均を標本平均とするとともに、定義した区間における移動分散を標本分散としてもよい。すなわち、区間は必ずしも独立に区画して存在する必要はなく、重なり合ってもかまわない。移動平均や移動分散といった直近取得した指定点数のデータを標本としても、前述と同様に標本平均と標本分散の基準母数からの乖離度合いを有意確率で定義することが可能である。
また、第2の算出部4は、z検定、t検定、χ2検定、F検定のうちの少なくとも1つを用いて有意確率を算出してもよい。これにより、状況に応じた適切な方法で有意確率が算出されるため、より精度よく管理対象物の特異挙動を認識することが可能となる。
また、登録部1は、任意の標本を母集団として登録することにより母集団を定義してもよい。これにより、未知の装置から取得した変動データについても、適切に有意確率を算出することができる。
また、登録部1は、取得部2により取得された変動データそのものを随時登録して行くことにより母集団を定義してもよい。これにより、絶対的な基準は存在しない場合でも、適切に有意確率を算出することができる。
また、作図部5は、管理図において、横軸または縦軸に時系列を表すデータ群を取り、対する縦軸または横軸に有意確率を取ってもよい。これにより、有意確率の遷移を容易に視認することが可能となる。
また、作図部5は、管理図において、有意確率を表現する縦軸または横軸の基準線が確率1を表し、基準線より上方もしくは下方、または右方もしくは左方に上側有意確立をプロットする領域を設けるとともに、基準線より相対する方向に下側有意確率をプロットする領域を設けてもよい。これにより、上側有意確率を基準線より例えば上側に、下側有意確率を基準線より例えば下側にプロットすることで、データ推移の方向性を容易に判別することが可能である。
また、作図部5は、管理図において、有意確率をプロットする縦軸または横軸として対数軸を用いてもよい。これにより、有意確率が微小になる領域でもその挙動を視認し易くする効果がある。
なお、本発明は、設備管理や品質管理だけでなく、体調管理や株価管理などの様々な分野に応用することができる。すなわち、時系列の変動データを管理する必要がある分野であれば、本発明の利用可能性がある。
また、本発明は、変動データ管理システムとして実現することができるだけでなく、この変動データ管理システムが備える特徴的な処理部をステップとする特異性検出方法として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させる特異性検出プログラムとして実現したりすることも可能である。このようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのはいうまでもない。
(その他の実施形態)
本発明の実施形態を記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
1 登録部
2 取得部
3 第1の算出部
4 第2の算出部
5 作図部
6 表示部
7 検出部

Claims (11)

  1. 時系列の変動データを管理する変動データ管理システムであって、
    前記変動データの基準となる母集団を定義し、その母平均と母分散を登録する登録部と、
    前記変動データを取得する取得部と、
    前記変動データに基づいて標本平均と標本分散を算出する第1の算出部と、
    前記標本平均と前記標本分散が前記母平均と前記母分散から乖離している度合いを検定するための有意確率を算出する第2の算出部と、
    前記有意確率を時系列にプロットして管理図を作成する作図部と
    を備えることを特徴とする変動データ管理システム。
  2. さらに、前記管理図における有意確率の推移から前記変動データの挙動の特異性を検出する検出部を備えることを特徴とする請求項1に記載の変動データ管理システム。
  3. 前記第1の算出部は、前記変動データを任意の区間に分割し、各々の区間をそれぞれひとつずつの標本とみなし、その標本平均と標本分散を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の変動データ管理システム。
  4. 前記第1の算出部は、任意の区間を定義し、定義した区間における移動平均を標本平均とするとともに、定義した区間における移動分散を標本分散とすることを特徴とする請求項1または2に記載の変動データ管理システム。
  5. 前記第2の算出部は、z検定、t検定、χ2検定、F検定のうちの少なくとも1つを用いて前記有意確率を算出することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の変動データ管理システム。
  6. 前記登録部は、任意の標本を母集団として登録することにより前記母集団を定義することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の変動データ管理システム。
  7. 前記登録部は、前記取得部により取得された変動データそのものを随時登録して行くことにより前記母集団を定義することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の変動データ管理システム。
  8. 前記作図部は、前記管理図において、横軸または縦軸に時系列を表すデータ群を取り、対する縦軸または横軸に前記有意確率を取ることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の変動データ管理システム。
  9. 前記作図部は、前記管理図において、前記有意確率を表現する縦軸または横軸の基準線が確率1を表し、前記基準線より上方もしくは下方、または右方もしくは左方に上側有意確立をプロットする領域を設けるとともに、前記基準線より相対する方向に下側有意確率をプロットする領域を設けることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の変動データ管理システム。
  10. 前記作図部は、前記管理図において、前記有意確率をプロットする縦軸または横軸として対数軸を用いることを特徴とする請求項1から9の何れか1項に記載の変動データ管理システム。
  11. 時系列の変動データを管理する変動データ管理システムが前記変動データの挙動の特異性を検出する特異性検出方法であって、
    前記変動データの基準となる母集団を定義し、その母平均と母分散を登録する登録ステップと、
    前記変動データを取得する取得ステップと、
    前記変動データに基づいて標本平均と標本分散を算出する第1の算出ステップと、
    前記標本平均と前記標本分散が前記母平均と前記母分散から乖離している度合いを検定するための有意確率を算出する第2の算出ステップと、
    前記有意確率を時系列にプロットして管理図を作成する作図ステップと、
    前記管理図における有意確率の推移から前記変動データの挙動の特異性を検出する検出ステップと
    を備えることを特徴とする特異性検出方法。
JP2014196833A 2014-09-26 2014-09-26 変動データ管理システム及びその特異性検出方法 Active JP6459345B2 (ja)

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