JP2016070259A - エンジンシステムおよび鞍乗り型車両 - Google Patents

エンジンシステムおよび鞍乗り型車両 Download PDF

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Abstract

【課題】エンジンを適切に始動させることが可能なエンジンシステムおよび鞍乗り型車両を提供する。
【解決手段】エンジンの始動時には、逆回転始動動作を行うようにエンジンユニットが制御される。逆回転始動動作においては、クランク軸が逆方向に回転されつつ燃焼室に混合気が導入され、クランク軸が正方向に駆動されるように混合気の点火が行われる。逆回転始動動作において、エンジンのフリクションに対応する第1のパラメータに基づいて点火用しきい値が設定され、燃焼室内の圧力に対応する第2のパラメータが、設定された点火用しきい値に達したときに、燃焼室内の混合気に点火される。
【選択図】図8

Description

本発明は、エンジンシステムおよびそれを備えた鞍乗り型車両に関する。
自動二輪車等の鞍乗り型車両において、エンジンの始動動作の際には、クランク角が最初の圧縮上死点に対応する角度を超えるために大きなトルクが必要となる。そこで、エンジンの始動性を高めるため、クランク軸を逆方向に回転させる技術がある。
特開2014−77405号公報に記載されるエンジンシステムにおいては、エンジンの始動時に、クランク軸が逆方向に回転されつつ燃焼室内に混合気が導入される。燃焼室内で混合気が圧縮される状態で、点火装置による点火動作が行われる。それにより、混合気が燃焼され、燃焼のエネルギーによりクランク軸が正方向に回転駆動される。
特開2014−77405号公報
発明者らは、種々の実験および解析を行うことにより、上記の点火動作の際に、燃焼室内の圧力にばらつきが生じることを見出した。点火時における燃焼室内の圧力が適正でない場合、混合気が燃焼されても、十分なエネルギーが得られない。そのため、エンジンを適切に始動させることができない。
本発明の目的は、エンジンを適切に始動させることが可能なエンジンシステムおよび鞍乗り型車両を提供することである。
(1)第1の発明に係るエンジンシステムは、エンジンおよび回転駆動部を含むエンジンユニットと、エンジンのフリクションに対応する第1のパラメータを検出するフリクション検出部と、エンジンの燃焼室内の圧力に対応する第2のパラメータを検出する圧力検出部と、フリクション検出部により検出される第1のパラメータおよび圧力検出部により検出される第2のパラメータに基づいてエンジンユニットを制御する制御部とを備え、エンジンは、燃焼室に空気を導くための吸気通路内に燃料を噴射するように配置された燃料噴射装置と、燃焼室内の混合気に点火するように構成された点火装置と、吸気口を開閉する吸気バルブおよび排気口を開閉する排気バルブをそれぞれ駆動するように構成されたバルブ駆動部とを含み、回転駆動部は、クランク軸を正方向および逆方向に回転駆動するように構成され、制御部は、エンジンの始動時に逆回転始動動作を行うようにエンジンユニットを制御し、逆回転始動動作においては、クランク軸が逆方向に回転されつつ燃焼室に混合気が導入され、クランク軸が正方向に駆動されるように混合気の点火が行われ、制御部は、逆回転始動動作において、フリクション検出部により検出される第1のパラメータに基づいて点火用しきい値を設定し、圧力検出部により検出される第2のパラメータが、設定された点火用しきい値に達したときに点火が行われるように、点火装置を制御する。
このエンジンシステムにおいては、エンジンの始動時に、クランク軸が逆方向に回転されつつ燃焼室に混合気が導入され、導入された混合気に点火されることにより混合気が燃焼される。その燃焼によって生じるエネルギーにより、クランク軸が正方向に駆動される。
この場合、エンジンのフリクションに対応する第1のパラメータに基づいて点火用しきい値が設定され、エンジンの燃焼室内の圧力に対応する第2のパラメータが点火用しきい値に達したときに、点火装置による混合気の点火が行われる。これにより、燃焼室内の圧力がエンジンのフリクションに応じた適切な値であるときに、燃焼室内の混合気に点火することができる。したがって、混合気の燃焼により、クランク軸を正方向に駆動するための十分なエネルギーを得ることができる。その結果、エンジンを適切に始動させることができる。
(2)第1のパラメータは、エンジンの温度に対応する値であってもよい。エンジンの温度が高いほどエンジンのフリクションは小さいので、エンジンの温度に対応する値に基づいて、エンジンのフリクションに応じた適切な制御を行うことができる。
(3)第2のパラメータは、回転駆動部に流れる電流であってもよい。燃焼室内の圧力が大きくなると、回転駆動部に流れる電流が大きくなるので、回転駆動部に流れる電流に基づいて、燃焼室内の圧力が適切な値であるときに燃焼室内の混合気に点火することができる。
(4)第2のパラメータは、エンジンにおけるクランク角であってもよい。燃焼室内の圧力はクランク角に依存するので、クランク角に基づいて、燃焼室内の圧力が適切な値であるときに燃焼室内の混合気に点火することができる。
(5)制御部は、逆回転始動動作において、フリクション検出部により検出される第1のパラメータに基づいて回転駆動部により発生されるトルクを調整してもよい。
この場合、回転駆動部によって過剰に電力が消費されることなく、第2のパラメータが点火用しきい値に到達するように、効率良くクランク軸を逆回転させることができる。
(6)第2の発明に係る鞍乗り型車両は、駆動輪を有する本体部と、駆動輪を回転させるための動力を発生する上記のエンジンシステムとを備える。
この鞍乗り型車両においては、上記のエンジンシステムが用いられるので、エンジンを適切に始動させることができる。
本発明によれば、エンジンを適切に始動させることが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る自動二輪車の概略構成を示す模式的側面図である。 エンジンシステムの構成について説明するための模式図である。 エンジンユニットの通常動作について説明するための図である。 エンジンユニットの逆回転始動動作について説明するための図である。 逆回転始動動作でエンジンが適切に始動される場合について説明するための図である。 逆回転始動動作でエンジンが適切に始動されない場合について説明するための図である。 しきい値設定マップの一例を示す図である。 点火用しきい値の設定について説明するための模式図である。 駆動デューティ比設定マップの一例を示す図である。 目標クランク角の設定について説明するための模式図である。 エンジン始動処理のフローチャートである。 パラメータ設定処理のフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両の一例として、自動二輪車について図面を用いて説明する。
(1)自動二輪車
図1は、本発明の一実施の形態に係る自動二輪車の概略構成を示す模式的側面図である。図1の自動二輪車100においては、車体1の前部にフロントフォーク2が左右方向に揺動可能に設けられる。フロントフォーク2の上端にハンドル4が取り付けられ、フロントフォーク2の下端に前輪3が回転可能に取り付けられる。
車体1の略中央上部にシート5が設けられる。シート5の下方にECU(Engine Control Unit;エンジン制御装置)6およびエンジンユニットEUが設けられる。エンジンユニットEUは、例えば単気筒のエンジン10を含む。ECU6およびエンジンユニットEUによりエンジンシステム200が構成される。車体1の後端下部には後輪7が回転可能に取り付けられる。エンジン10により発生される動力により後輪7が回転駆動される。
(2)エンジンシステム
図2は、エンジンシステム200の構成について説明するための模式図である。図2に示すように、エンジンユニットEUは、エンジン10および始動兼発電機14を含む。エンジン10は、ピストン11、コンロッド(コネクティングロッド)12、クランク軸13、吸気バルブ15、排気バルブ16、バルブ駆動部17、点火プラグ18およびインジェクタ19を備える。
ピストン11はシリンダ31内で往復動可能に設けられ、コンロッド12を介してクランク軸13に接続される。ピストン11の往復運動がクランク軸13の回転運動に変換される。クランク軸13に始動兼発電機14が設けられる。始動兼発電機14は、スタータモータの機能を有する発電機であり、クランク軸13を正方向および逆方向に回転駆動しかつクランク軸13の回転により電力を発生する。正方向は、エンジン10の通常動作時におけるクランク軸13の回転方向であり、逆方向は、その逆の方向である。始動兼発電機14は、減速機を介することなく直接的にクランク軸13にトルクを伝達する。クランク軸13の正方向の回転(正回転)が後輪7に伝達されることにより、後輪7が回転駆動される。始動兼発電機14の代わりに、スタータモータおよび発電機が個別に設けられてもよい。
ピストン11上に燃焼室31aが形成される。燃焼室31aは、吸気口21を介して吸気通路22に連通し、排気口23を介して排気通路24に連通する。吸気口21を開閉するように吸気バルブ15が設けられ、排気口23を開閉するように排気バルブ16が設けられる。吸気バルブ15および排気バルブ16は、バルブ駆動部17により駆動される。吸気通路22には、外部から流入する空気の流量を調整するためのスロットルバルブTVが設けられる。点火プラグ18は、燃焼室31a内の混合気に点火するように構成される。インジェクタ19は、吸気通路22に燃料を噴射するように構成される。
ECU6は、例えばCPU(中央演算処理装置)およびメモリを含む。CPUおよびメモリの代わりに、マイクロコンピュータが用いられてもよい。ECU6には、メインスイッチ40、スタータスイッチ41、吸気圧力センサ42、クランク角センサ43、電流センサ44および温度センサ45が電気的に接続される。メインスイッチ40は、例えば図1のハンドル4の下方に設けられ、スタータスイッチ41は、例えば図1のハンドル4に設けられる。メインスイッチ40およびスタータスイッチ41は、運転者により操作される。吸気圧力センサ42は、吸気通路22内の圧力を検出する。クランク角センサ43は、クランク軸13の回転位置(以下、クランク角と呼ぶ)を検出する。電流センサ44は、始動兼発電機14に流れる電流(以下、モータ電流と呼ぶ)を検出する。温度センサ45は、エンジン10の温度に対応する値(以下、エンジン温度と呼ぶ)として、例えば、エンジン10内の水温もしくは油温、または機温を検出する。
メインスイッチ40およびスタータスイッチ41の操作が操作信号としてECU6に与えられ、吸気圧力センサ42、クランク角センサ43、電流センサ44および温度センサ45による検出結果が検出信号としてECU6に与えられる。ECU6は、与えられた操作信号および検出信号に基づいて、始動兼発電機14、点火プラグ18およびインジェクタ19を制御する。
(3)エンジンの動作
例えば、図2のメインスイッチ40がオンされかつスタータスイッチ41がオンされることによりエンジン10が始動され、図2のメインスイッチ40がオフされることにより、エンジン10が停止される。また、予め定められたアイドルストップ条件が満たされることによりエンジン10が自動的に停止され、その後に予め定められたアイドルストップ解除条件が満たされることによりエンジン10が自動的に再始動されてもよい。アイドルストップ条件は、例えば、スロットル開度(スロットルバルブTVの開度)、車速およびエンジン10の回転速度のうち少なくとも1つに関する条件を含む。アイドルストップ解除条件は、例えば、アクセルグリップが操作されてスロットル開度が0より大きくなることである。以下、アイドルストップ条件が満たされることによってエンジン10が自動的に停止された状態をアイドルストップ状態と呼ぶ。
エンジンユニットEUは、エンジン10の始動時に逆回転始動動作を行う。その後、エンジンユニットEUは、通常動作を行う。図3は、エンジンユニットEUの通常動作について説明するための図である。図4は、エンジンユニットEUの逆回転始動動作について説明するための図である。
以下の説明では、圧縮行程から膨張行程への移行時にピストン11が経由する上死点を圧縮上死点と呼び、排気行程から吸気行程への移行時にピストン11が経由する上死点を排気上死点と呼ぶ。吸気行程から圧縮行程への移行時にピストン11が経由する下死点を吸気下死点と呼び、膨張行程から排気行程への移行時にピストン11が経由する下死点を膨張下死点と呼ぶ。
図3および図4においては、クランク軸13の2回転(720度)の範囲における回転角度が1つの円で表される。クランク軸13の2回転は、エンジン10の1サイクルに相当する。図2のクランク角センサ43は、クランク軸13の1回転(360度)の範囲における回転位置を検出する。ECU6は、吸気圧力センサ42により検出された吸気通路22内の圧力に基づいて、クランク角センサ43により検出された回転位置が、エンジン10の1サイクルに相当するクランク軸13の2回転のうちいずれの回転に対応するかを判定する。それにより、ECU6は、クランク軸13の2回転(720度)の範囲における回転位置を取得することができる。
図3および図4において、角度A0は、ピストン11(図2)が排気上死点に位置するときのクランク角であり、角度A2は、ピストン11が圧縮上死点に位置するときのクランク角であり、角度A1は、ピストン11が吸気下死点に位置するときのクランク角であり、角度A3は、ピストン11が膨張下死点に位置するときのクランク角である。矢印R1は、クランク軸13の正回転時におけるクランク角の変化の方向を表し、矢印R2は、クランク軸13の逆回転時におけるクランク角の変化の方向を表す。矢印P1〜P4は、クランク軸13の正回転時におけるピストン11の移動方向を表し、矢印P5〜P8は、クランク軸13の逆回転時におけるピストン11の移動方向を表す。
(3−1)通常動作
図3を参照しながらエンジンユニットEUの通常動作について説明する。通常動作では、クランク軸13(図2)が正方向に回転する。そのため、クランク角が矢印R1の方向に変化する。この場合、矢印P1〜P4で示されるように、角度A0から角度A1までの範囲でピストン11(図2)が下降し、角度A1から角度A2までの範囲でピストン11が上昇し、角度A2から角度A3までの範囲でピストン11が下降し、角度A3から角度A0までの範囲でピストン11が上昇する。
角度A11において、インジェクタ19(図2)により吸気通路22(図2)に燃料が噴射される。正方向において、角度A11は角度A0よりも進角側に位置する。続いて、角度A12から角度A13までの範囲において、吸気バルブ15(図2)により吸気口21(図2)が開かれる。正方向において、角度A12は角度A11よりも遅角側でかつ角度A0よりも進角側に位置し、角度A13は角度A1よりも遅角側に位置する。角度A12から角度A13までの範囲が通常吸気範囲の例である。これにより、空気および燃料を含む混合気が吸気口21を通して燃焼室31a(図2)内に導入される。
次に、角度A14において、点火プラグ18(図2)により燃焼室31a(図2)内の混合気に点火される。正方向において、角度A14は角度A2よりも進角側に位置する。混合気に点火されることにより、燃焼室31a内で爆発(混合気の燃焼)が生じる。混合気の燃焼のエネルギーがピストン11の駆動力となる。その後、角度A15から角度A16までの範囲において、排気バルブ16(図2)により排気口23(図2)が開かれる。正方向において、角度A15は角度A3よりも進角側に位置し、角度A16は角度A0よりも遅角側に位置する。角度A15から角度A16までの範囲が通常排気範囲の例である。これにより、燃焼室31aから排気口23を通して燃焼後の気体が排出される。
(3−2)逆回転始動動作
図4を参照しながらエンジンユニットEUの逆回転始動動作について説明する。本例では、逆回転始動動作が行われる前に、クランク角が予め定められた逆転開始範囲に調整される。逆転開始範囲は、正方向において例えば角度A0から角度A2までの範囲にあり、角度A13から角度A2までの範囲にあることが好ましい。図4において、逆転開始範囲は、角度A30である。角度範囲A30は、角度範囲A13から角度A2までの範囲にある。
逆回転始動動作では、クランク角が逆回転開始範囲にある状態からクランク軸13が逆方向に回転される。それにより、クランク角が矢印R2の方向に変化する。この場合、矢印P5〜P8で示されるように、角度A2から角度A1までの範囲でピストン11が下降し、角度A1から角度A0までの範囲でピストン11が上昇し、角度A0から角度A3までの範囲でピストン11が下降し、角度A3から角度A2までの範囲でピストン11が上昇する。クランク軸13の逆回転時におけるピストン11の移動方向は、クランク軸13の正回転時におけるピストン11の移動方向と逆になる。
本例では、クランク軸13の逆回転時においても、正回転時と同様に、角度A13から角度A12までの範囲で吸気口21が開かれ、かつ角度A16からA15までの範囲で排気口23が開かれる。しかしながら、クランク軸13の逆回転時には、角度A13から角度A12までの範囲で吸気口21が開かれなくてもよく、また、角度A16から角度A15までの範囲で排気口23が開かれなくてもよい。
角度A23において、インジェクタ19(図2)により吸気通路22(図2)に燃料が噴射される。逆方向において、角度A23は、角度A0より進角側に位置する。また、角度A21から角度A22までの範囲において、吸気バルブ15(図2)により吸気口21(図2)が開かれる。角度A21から角度A22までの範囲は、始動吸気範囲の例である。逆方向において、角度A21,A22は、角度A0から角度A3までの範囲にある。角度A1から角度A0までの範囲では、ピストン11が上昇するので、角度A13から角度A12までの範囲で吸気口21が開かれても、燃焼室31aに空気および燃料がほとんど導入されない。一方、角度A0から角度A3までの範囲では、ピストン11が下降するので、角度A21から角度A22までの範囲で吸気口21が開かれることにより、吸気通路22から空気および燃料を含む混合気が吸気口21を通して燃焼室31a内に導入される。
続いて、角度A31aにおいて、点火プラグ18(図2)に接続される点火コイルへの通電が開始され、角度A31において、点火プラグ18(図2)により燃焼室31a内の混合気に点火される。逆方向において、角度A31aは角度A31より進角側に位置し、角度A31は角度A2より進角側に位置する。角度A31は、始動点火範囲の例である。本実施の形態では、図2の電流センサ44により検出されるモータ電流がしきい値に達したときに、点火プラグ18により混合気に点火される。点火制御の詳細については後述する。
また、角度A31において、クランク軸13の回転方向が逆方向から正方向に切り替えられる。この場合、混合気の燃焼によりクランク軸13の正方向のトルクが高められる。その後、エンジン10が図3の通常動作に移行する。
本実施の形態では、クランク軸13の逆回転が停止されるのと同時に、点火プラグ18により燃焼室31a内の混合気に点火されるが、クランク軸13を正方向に駆動することが可能であれば、クランク軸13の逆回転の停止と、点火プラグ18による点火とが同時でなくてもよい。
このように、本実施の形態では、エンジン10の始動時に、始動兼発電機14によりクランク軸13が逆回転されつつ燃焼室31aに混合気が導かれ、その後、ピストン11が圧縮上死点に近づいた状態で、燃焼室31a内の混合気に点火される。それにより、クランク軸13が正方向に回転するようにピストン11が駆動される。
(4)エンジンのフリクション
エンジン10の状態によってエンジン10のフリクションは変動する。例えば、エンジン温度が低いほど、エンジン10のフリクションが大きい。上記のように、逆回転始動動作では、モータ電流がしきい値(以下、点火用しきい値と呼ぶ)に達したときに、燃焼室31a内の混合気に点火される。点火用しきい値が一定である場合、エンジン10のフリクションの変動に起因して、上記の逆回転始動動作でエンジン10が適切に始動されない場合がある。
点火用しきい値が一定である場合の逆回転始動動作について説明する。図5は、逆回転始動動作でエンジン10が適切に始動される場合について説明するための図である。図6は、逆回転始動動作でエンジン10が適切に始動されない場合について説明するための図である。
図5の例では、例えばアイドルストップ状態からの再始動時であって、エンジン温度が比較的高い状態で、逆回転始動動作が行われる。この場合、エンジン10のフリクションが比較的小さい。一方、図6の例では、例えば、冷間始動時であって、エンジン温度が比較的低い状態で、逆回転始動動作が行われる。この場合、エンジン10のフリクションが比較的大きい。
図5(a)および図6(a)において、横軸はクランク角を示し、縦軸はクランク軸13の回転負荷を示す。図5(b)および図6(b)において、横軸はクランク角を示し、縦軸はモータ電流を示す。図5(c)および図6(c)において、横軸はクランク軸を示し、縦軸は、燃焼室31a内の圧力(以下、筒内圧と呼ぶ)を示す。
図5(a)の例では、クランク軸13の回転負荷が値V1以上値V2以下の範囲で変化する。クランク角が圧縮上死点に対応する角度A2において、クランク軸13の回転負荷が最大値V2となる。また、角度A1と角度A0との間において、吸気バルブ15の駆動のために、クランク軸13の回転負荷が大きくなる。また、角度A0と角度A3との間において、排気バルブ16の駆動のために、クランク軸13の回転負荷が大きくなる。
図5(b)に示すように、逆回転始動動作では、クランク角が角度A30にある状態で、モータ電流が正の値になる。それにより、始動兼発電機14によってクランク軸13が逆方向に駆動される。クランク軸13の逆回転の開始時には、モータ電流が一時的に大きくなった後、モータ電流が低下する。その後、クランク軸13の回転負荷の増大に伴い、始動兼発電機14に働く負荷が大きくなり、モータ電流が上昇する。具体的には、角度A1と角度A0との間および角度A0と角度A3との間において、モータ電流が上昇する。また、クランク角が圧縮上死点に対応する角度A2に近づくと、モータ電流が上昇する。モータ電流が一定の点火用しきい値Vtに達すると、燃焼室31a(図2)内の混合気に点火され、かつ始動兼発電機14によりクランク軸13が正方向に駆動される。本例では、モータ電流が点火用しきい値Vtに達したときに、クランク角は角度A31である。
図5(c)に示すように、クランク角が角度A31に達したときに、筒内圧がPsとなる。この状態で混合気に点火され、混合気が燃焼される。本例では、混合気の燃焼によって十分なエネルギーが得られる。それにより、図5(a)に示すように、クランク軸13が最初の圧縮上死点に対応する角度A2を超えることができる。
図6の例について、図5の例と異なる点を説明する。図6の例では、図5の例に比べて、エンジン10のフリクションが大きい。そのため、図6(a)に示すように、クランク軸13の回転負荷が値V3以上値V4以下の範囲で変化する。値V3は値V1より大きく、値V4は値V2より大きい。
これにより、クランク角の範囲全体において、始動兼発電機14(図2)に働く負荷が大きくなる。そのため、図6(b)に示すように、クランク角の範囲全体で、図5(b)の例に比べてモータ電流が大きくなる。
モータ電流が一定の点火用しきい値Vtに達すると、燃焼室31a(図2)内の混合気に点火され、かつ始動兼発電機14によりクランク軸13が正方向に駆動される。本例では、モータ電流が点火用しきい値Vtに達したときに、クランク角は角度A31sである。角度A31sは、逆方向において角度A31より進角側にある。
筒内圧は、クランク角に依存する。図6(c)に示すように、クランク角が角度A31sに達したときに、筒内圧は値Psaとなる。値Psaは、値Psより小さい。この状態で燃焼室31a内の混合気に点火され、混合気が燃焼される。混合気に点火されるときの筒内圧が低いほど、混合気の燃焼により得られるエネルギーが小さい。本例では、混合気の燃焼によって十分なエネルギーが得られない。そのため、図6(a)に示すように、クランク軸13が最初の圧縮上死点に対応する角度A2を超えることができない。
このように、エンジン10のフリクションが異なると、モータ電流と筒内圧との関係が異なる。そのため、点火用しきい値が一定であると、エンジン10のフリクションの変動に起因して、混合気に点火されるときの筒内圧にばらつきが生じる。
図6の例のように、筒内圧が十分に高まっていない状態で燃焼室31a内の混合気に点火されると、クランク軸13を正回転させるための十分なエネルギーが得られない。それにより、エンジン10を適切に始動させることができない。
(5)点火用しきい値の設定
混合気の燃焼によって十分なエネルギー得るためには、混合気に点火されるときの筒内圧を高い精度で調整する必要がある。そこで、本実施の形態では、エンジン10のフリクションに対応するように、点火用しきい値が適宜設定される。
例えば、図2のECU6のメモリに、エンジン温度と点火用しきい値との関係を表すマップ(以下、しきい値設定マップと呼ぶ)が記憶される。しきい値設定マップは、実験またはシミュレーション等により得られる。図7は、しきい値設定マップの一例を示す図である。図7において、横軸は、エンジン温度を示し、縦軸は、点火用しきい値を示す。
図7に示すように、しきい値設定マップにおいては、エンジン温度が高くなるにつれて点火用しきい値が小さくなるように、エンジン温度と点火用しきい値との関係が定められる。ECU6は、しきい値設定マップに基づいて、エンジン温度に対応する点火用しきい値を設定する。上記のように、エンジン温度とエンジン10のフリクションとの間には相関がある。そのため、エンジン10のフリクションが大きいほど、設定される点火用しきい値が大きくなる。この場合、エンジン10のフリクションが異なっても、混合気に点火されるときのクランク角が一定となるように、点火用しきい値が調整される。以下、混合気に点火されるべきクランク角の目標値を目標角度と呼ぶ。本例において、目標角度は、角度A31である。
図8は、点火用しきい値の設定について説明するための模式図である。図5(a)〜図5(c)および図6(a)〜図6(c)と同様に、図8(a)〜図8(c)において、横軸は、クランク角を示し、縦軸は、回転負荷、モータ電流および筒内圧をそれぞれ示す。
図8の例では、エンジン10のフリクションが図6の例と同じである。そのため、図8(a)に示すように、クランク軸13の回転負荷は、値V3以上値V4以下の範囲で変化する。図8の例が図6の例と異なるのは、以下の点である。
図8(b)に示すように、点火用しきい値がVtaに設定される。値Vtaは値Vtより高い。この場合、モータ電流が点火用しきい値Vtaに達したときに、クランク角は角度A31である。モータ電流が点火用しきい値Vtaに達すると、燃焼室31a内の混合気に点火され、かつ始動兼発電機14によりクランク軸13が正方向に駆動される。
図8(c)に示すように、クランク角が角度A31に達したときに、筒内圧が値Psとなる。この状態で燃焼室31a内の混合気に点火され、混合気が燃焼される。それにより、図5の例と同様に、混合気の燃焼によって十分なエネルギーが得られる。したがって、図8(a)に示すように、クランク角が最初の圧縮上死点に対応する角度A2を超えることができる。
(6)駆動デューティ比
始動兼発電機14により発生されるトルクは、始動兼発電機14に供給される電流のデューティ比(以下、駆動デューティ比と呼ぶ)に依存する。逆回転始動動作において、駆動デューティ比が低いと、クランク角を目標角度に到達させることができない可能性がある。特に、図6の例のように、エンジン10のフリクションが大きい場合には、クランク角が目標角度に到達する前に、クランク軸13の回転負荷によってクランク軸13の逆回転が停止される可能性がある。
一方、駆動デューティ比が高いと、クランク角を目標角度に到達させることは容易となるが、過剰に電力が消費される可能性がある。特に、図5の例のように、エンジン10のフリクションが小さい場合には、始動兼発電機14により発生されるトルクが小さくても、クランク角を目標角度に到達させることができる。そのため、駆動デューティ比が高いと、過剰に電力が消費される。
そこで、エンジン10のフリクションに対応するように駆動デューティ比が調整されてもよい。例えば、図2のECU6のメモリに、エンジン温度と駆動デューティ比との関係を表すマップ(以下、駆動デューティ比設定マップと呼ぶ)が記憶される。駆動デューティ比設定マップは、実験またはシミュレーション等により得られる。図9は、駆動デューティ比設定マップの一例を示す図である。図9において、横軸は、エンジン温度を示し、縦軸は、駆動デューティ比を示す。
図9に示すように、駆動デューティ比設定マップにおいては、エンジン温度が高くなるにつれて駆動デューティ比が低くなるように、エンジン温度と駆動デューティ比との関係が定められる。ECU6は、駆動デューティ比マップに基づいて、エンジン温度に対応する駆動デューティ比を設定する。この場合、エンジン10のフリクションが大きいほど、設定される駆動デューティ比が高くなる。
このように、エンジン10のフリクションに対応するように駆動デューティ比が調整されることにより、過剰に電力が消費されることを防止しつつ、クランク角を目標角度に調整することが可能となる。
(7)目標角度の調整
エンジン10のフリクションが異なると、クランク角が最初の圧縮上死点に対応する角度A2を超えるために必要なクランク軸13の正方向のトルクが異なる。エンジン10のフリクションが小さいほど、必要となるクランク軸13の正方向のトルクが小さい。
上記のように、逆回転始動動作によって得られるクランク軸13の正方向のトルクは、混合気が点火されるときの筒内圧に依存し、筒内圧は、クランク角に依存する。そこで、エンジン10のフリクションに対応するように、目標角度が調整されてもよい。
点火用しきい値を調整することにより、混合気に点火されるときのクランク角を調整することができる。図7のしきい値設定マップでは、エンジン10のフリクションが異なっても、目標角度が一定となるように、エンジン温度と点火用しきい値との関係が定められる。これに代えて、エンジン10のフリクションが小さいほど、目標角度が角度A2から遠ざかるように、エンジン温度と点火用しきい値との関係が設定されてもよい。
図10は、目標角度の調整について説明するための模式図である。図5(a)〜図5(c)および図6(a)〜図6(c)と同様に、図10(a)〜図10(c)において、横軸は、クランク角を示し、縦軸は、回転負荷、モータ電流および筒内圧をそれぞれ示す。
図10の例について、図5の例と異なる点を説明する。図10の例では、エンジン10のフリクションが図5の例よりも小さい。そのため、図10(a)に示すように、クランク軸13の回転負荷は、値V5以上値V6以下の範囲で変化する。値V5は値V1より小さく、値V6は値V2より小さい。
また、図10(b)に示すように、クランク角の範囲全体で、図5(b)の例に比べてモータ電流が小さくなる。点火用しきい値は、Vtbに設定される。値Vtbは値Vtより低い。この場合、モータ電流が点火用しきい値Vtbに達したときに、クランク角は角度A31tである。本例では、角度A31tが目標角度であり、逆方向において角度A31より進角側にある。モータ電流が点火用しきい値Vtbに達すると、燃焼室31a内の混合気に点火され、かつ始動兼発電機14によりクランク軸13が正方向に駆動される。
図10(c)に示すように、クランク角が角度A31tに達したときに、筒内圧が値Psbとなる。値Psbは、値Psより小さい。この状態で、燃焼室31a内の混合気に点火され、混合気が燃焼される。この場合、エンジン10のフリクションが小さいので、混合気の燃焼によって得られるエネルギーが図5の例に比べて小さくても、クランク軸13が最初の圧縮上死点に対応する角度A2を超えることができる。
このように、エンジン10のフリクションに対応するように目標角度が調整されることにより、逆回転始動動作において始動兼発電機14により消費される電力を低減しつつ、必要となるクランク軸13の正方向のトルクを得ることができる。
なお、モータ電流に基づいて点火制御が行われる代わりに、クランク角に基づいて点火制御が行われてもよい。具体的には、吸気圧力センサ42(図2)およびクランク角センサ43(図2)の検出結果から得られるクランク角が目標角度に達したときに、燃焼室31a内の混合気に点火されてもよい。
また、モータ電流に基づく点火制御と、クランク角に基づく点火制御とが組み合わされてもよい。例えば、エンジンのフリクションに対応するように、点火用しきい値および目標角度がそれぞれ設定され、電流センサ44により検出されるモータ電流が点火用しきい値に達するか、または、吸気圧力センサ42およびクランク角センサ43により検出されるクランク角が目標角度に達するかのいずれか一方の条件が満たされた時点で、燃焼室31a内の混合気に点火されてもよい。
(8)エンジン始動処理
ECU6は、予めメモリに記憶された制御プログラムに基づいて、エンジン始動処理を行う。図11は、エンジン始動処理のフローチャートである。エンジン始動処理は、例えば、図示しないメインスイッチがオンされる、またはエンジン10がアイドルストップ状態に移行した場合に行われる。
図11に示すように、ECU6は、予め定められた始動条件が成立したか否かを判定する(ステップS1)。エンジンユニットEUがアイドルストップ状態でない場合、始動条件は、例えば、スタータスイッチ41(図2)がオンされることである。エンジンユニットEUがアイドルストップ状態である場合、始動条件は、アイドルストップ解除条件が満たされることである。
始動条件が満たされていない場合、ECU6は、始動条件が満たされるまでステップS1の処理を繰り返す。始動条件が満たされた場合、ECU6は、パラメータ設定処理を行う(ステップS2)。パラメータ設定処理により、点火用しきい値および駆動デューティ比が設定される。パラメータ設定処理の詳細については後述する。続いて、ECU6は、クランク軸13が逆方向に回転されるように始動兼発電機14を制御する(ステップS2)。この場合、パラメータ設定処理によって設定された駆動デューティ比を用いて始動兼発電機14が制御される。
なお、エンジン始動処理の開始時に、クランク角が逆回転開始範囲(角度A30)にない場合、上記のように、クランク軸13が逆回転される前に、クランク角が逆回転開始範囲に調整されてもよい。
次に、ECU6は、燃料噴射条件が満たされたか否かを判定する(ステップS4)。例えば、燃料噴射条件は、吸気圧力センサ42(図2)およびクランク角センサ43(図2)の検出結果から得られるクランク角が、図4の角度A23に達することである。燃料噴射条件が満たされていない場合、ECU6は、ステップS3の処理を繰り返す。燃料噴射条件が満たされると、ECU6は、吸気通路22(図2)に燃料が噴射されるように、インジェクタ19(図2)を制御する(ステップS5)。この場合、クランク角センサ43からのパルス信号に応答してECU6がインジェクタ19を制御してもよい。
次に、ECU6は、通電開始条件が満たされたか否かを判定する(ステップS6)。例えば、通電開始条件は、吸気圧力センサ42(図2)およびクランク角センサ43(図2)の検出結果から得られるクランク角が、図4の角度A31aに達することである。通電開始条件が満たされていない場合、ECU6は、ステップS6の処理を繰り返す。通電開始条件が満たされると、ECU6は、点火コイルへの通電を開始する(ステップS7)。この場合、クランク角センサ43からのパルス信号に応答してECU6が点火コイルを制御してもよい。
次に、ECU6は、点火条件が満たされたか否かを判定する(ステップS8)。本例において、点火条件は、電流センサ44(図2)により検出されるモータ電流が、ステップS2のパラメータ設定処理において設定された点火用しきい値に達することである。
点火条件が満たされていない場合、ECU6は、ステップS8の処理を繰り返す。点火条件が満たされると、ECU6は、クランク軸13が正方向に回転されるように始動兼発電機14を制御するとともに(ステップS9)、燃焼室31a内の混合気に点火されるように点火プラグ18を制御する(ステップS10)。これにより、エンジン始動処理が終了する。
ステップS2のパラメータ設定処理について説明する。図12は、パラメータ設定処理のフローチャートである。図12に示すように、ECU6は、温度センサ45により検出されるエンジン温度を取得する(ステップS11)。
次に、ECU6は、取得されたエンジン温度に基づいて、点火用しきい値を設定する(ステップS12)。例えば、取得されたエンジン温度に対応する点火用しきい値が、図7のしきい値設定マップから取得される。この場合、図8の例のように、目標角度が一定となるように点火用しきい値が設定されてもよく、または図10の例のように、目標角度が異なるように点火用しきい値が設定されてもよい。
次に、ECU6は、取得されたエンジン温度に基づいて、駆動デューティ比を設定する(ステップS13)。例えば、取得されたエンジン温度に対応する駆動デューティ比が、図9の駆動デューティ比設定マップから取得される。このようにして、点火用しきい値および駆動デューティ比が設定され、パラメータ設定処理が終了する。
(9)効果
本実施の形態に係るエンジンシステム200においては、エンジン10の始動時に、クランク軸13が逆回転されつつ燃焼室31a内に混合気が導入され、モータ電流が点火用しきい値に達したときに燃焼室31a内の混合気に点火される。この場合、エンジン10のフリクションに対応するエンジン温度に基づいて点火用しきい値が設定されるので、筒内圧がエンジン10のフリクションに応じた適切な値であるときに、燃焼室31a内の混合気に点火される。したがって、混合気の燃焼により、クランク軸13を正方向に駆動するための十分なエネルギーが得られる。その結果、エンジン10を適切に始動させることができる。
また、温度センサ45により検出されるエンジン温度および電流センサ44により検出されるモータ電流を用いて点火制御が行われるので、構成の複雑化を抑制しつつエンジン10のフリクションに応じた適切な制御を行うことができる。
(10)他の実施の形態
上記実施の形態では、エンジン10のフリクションに対応するパラメータとしてエンジン温度が用いられるが、本発明はこれに限らず、エンジン10のフリクションに対応する他のパラメータが用いられてもよい。例えば、クランク軸13の回転負荷が検出され、その検出値がエンジン10のフリクションに対応するパラメータとして用いられてもよい。
また、上記実施の形態では、筒内圧に対応するパラメータとして、モータ電流およびクランク角が用いられるが、本発明はこれに限らず、筒内圧に対応する他のパラメータが用いられてもよい。例えば、筒内圧を検出する圧力センサが設けられ、その検出値が筒内圧に対応するパラメータとして用いられてもよい。
上記実施の形態は、本発明を自動二輪車に適用した例であるが、これに限らず、自動三輪車もしくはATV(All Terrain Vehicle;不整地走行車両)等の他の鞍乗り型車両に本発明を適用してもよい。
(11)請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各要素との対応の例について説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
上記実施の形態では、エンジンシステム200がエンジンシステムの例であり、エンジンユニットEUがエンジンユニットの例であり、エンジン10がエンジンの例であり、始動兼発電機14が回転駆動部の例であり、温度センサ45がフリクション検出部の例であり、電流センサ44が圧力検出部の例であり、ECU6が制御部の例であり、インジェクタ19が燃料噴射装置の例であり、点火プラグ18が点火装置の例であり、バルブ駆動部17がバルブ駆動部の例である。また、自動二輪車100が鞍乗り型車両の例であり、車体1が本体部の例であり、後輪7が駆動輪の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の要素を用いることもできる。
本発明は、種々のエンジンシステムおよび鞍乗り型車両に有効に利用可能である。
1 車体
2 フロントフォーク
3 前輪
4 ハンドル
5 シート
6 ECU
7 後輪
10 エンジン
11 ピストン
13 クランク軸
14 始動兼発電機
15 吸気バルブ
16 排気バルブ
17 バルブ駆動部
18 点火プラグ
19 インジェクタ
40 メインスイッチ
41 スタータスイッチ
42 吸気圧力センサ
43 クランク角センサ
44 電流センサ
45 温度センサ
100 自動二輪車
200 エンジンシステム
EU エンジンユニット

Claims (6)

  1. エンジンおよび回転駆動部を含むエンジンユニットと、
    前記エンジンのフリクションに対応する第1のパラメータを検出するフリクション検出部と、
    前記エンジンの燃焼室内の圧力に対応する第2のパラメータを検出する圧力検出部と、
    前記フリクション検出部により検出される第1のパラメータおよび前記圧力検出部により検出される第2のパラメータに基づいて前記エンジンユニットを制御する制御部とを備え、
    前記エンジンは、
    前記燃焼室に空気を導くための吸気通路内に燃料を噴射するように配置された燃料噴射装置と、
    前記燃焼室内の混合気に点火するように構成された点火装置と、
    吸気口を開閉する吸気バルブおよび排気口を開閉する排気バルブをそれぞれ駆動するように構成されたバルブ駆動部とを含み、
    前記回転駆動部は、クランク軸を正方向および逆方向に回転駆動するように構成され、
    前記制御部は、前記エンジンの始動時に逆回転始動動作を行うように前記エンジンユニットを制御し、
    前記逆回転始動動作においては、前記クランク軸が逆方向に回転されつつ前記燃焼室に混合気が導入され、前記クランク軸が正方向に駆動されるように混合気の点火が行われ、
    前記制御部は、前記逆回転始動動作において、前記フリクション検出部により検出される第1のパラメータに基づいて点火用しきい値を設定し、前記圧力検出部により検出される第2のパラメータが、設定された前記点火用しきい値に達したときに前記点火が行われるように、前記点火装置を制御する、エンジンシステム。
  2. 前記第1のパラメータは、前記エンジンの温度に対応する値である、請求項1記載のエンジンシステム。
  3. 前記第2のパラメータは、前記回転駆動部に流れる電流である、請求項1または2記載のエンジンシステム。
  4. 前記第2のパラメータは、前記エンジンにおけるクランク角である、請求項1または2記載のエンジンシステム。
  5. 前記制御部は、前記逆回転始動動作において、前記フリクション検出部により検出される第1のパラメータに基づいて前記回転駆動部により発生されるトルクを調整する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のエンジンシステム。
  6. 駆動輪を有する本体部と、
    前記駆動輪を回転させるための動力を発生する請求項1〜5のいずれか一項に記載のエンジンシステムとを備えた、鞍乗り型車両。
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