JP2016069874A - 小便器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、小便器のボウル面へ洗浄水を吐水するスプレッダ28であって、スプレッダ28は吐水開口部34と洗浄水を供給する供給通路38とを備え、吐水開口部は、前壁部34bと、吐水開口部のボウル面側の壁部を形成し且つボウル面と接するボウル面側後壁部34cと、を有し、前壁部とボウル面側後壁部との間にスリット状の通水路34lが形成され、水滴の表面がボウル面側後壁部34cの表面に接しやすいように通水路34lの幅が供給通路38の出口の下方において一部狭められている幅狭部34eが形成されている。
【選択図】図8
Description
このような従来のスプレッダにおいては、小便器の洗浄後即ち、スプレッダから吐出される洗浄水が止水された後に、主にスプレッダの内部の残留水がスプレッダの吐水口より水滴となって垂れ落ちる現象、いわゆる液垂れ現象を生じるといった問題があった。この様な液垂れ現象は、洗浄水が、小便器のボウル面を流下せず、直接小便器底部まで落下するため、洗浄水の飛び跳ねが生じ、また外観上も使用者に不快感を与える問題が生じていた。
また、スプレッダ本体内部の流路上にメッシュを設ける場合にも、メッシュを備える構造が必要となるため、スプレッダの構造が複雑になり、価格も高価なものとなってしまう問題が生じている。さらに、スプレッダ本体内部の流路上にメッシュを設けるので、小便器のボウル面の洗浄動作の際に洗浄水が受ける圧力損失が大きくなるという問題が生じている。
このように構成された本発明においては、小便器のボウル面への吐水終了後において、供給通路内に残存する残留水が、前壁部とボウル面側後壁部との間のスリット状の通水路から水滴となって落下するときに、成長した水滴の表面が幅狭部においてボウル面側後壁部の表面に接し、表面張力によりボウル面側後壁部を伝い、ボウル面側後壁部からボウル面に伝わって流下できる。従って、残留水の水滴が吐水開口部の前壁部からボウル面の底部に直接落下する液垂れを防止することができる。
また、小便器のボウル面の洗浄動作の際には、幅狭部はスリット状の通水路の一部に形成されているので、前壁部とボウル面側後壁部との間を通過する洗浄水が受ける圧力損失を抑制することができ、ボウル面を効率よく洗浄することができる。
このように構成された本発明においては、幅狭部は、ボウル面側後壁部に設けられた突出部により形成されているので、表面張力により突出部に伝って流下する洗浄水が、突出部からボウル面側後壁部に伝わることができ、より確実にボウル面に誘導される。また、洗浄水が突出部の側面に伝って流れ落ちる場合にも、表面張力により突出部に伝って流下する洗浄水が、突出部からボウル面側後壁部に伝わることができ、より確実にボウル面に誘導される。
このように構成された本発明においては、供給通路内に残存する残留水が、前壁部とボウル面側後壁部との間から水滴となって下降するときに、突出部が前壁部の下端より下方まで延びているので、水滴の表面が前壁部の下端から離れ、表面張力により、突出部に伝わって下方に流れることとなる。従って、水滴をより確実にボウル面側後壁部の突出部からボウル面に誘導できる。従って、残留水の水滴が吐水開口部の前壁部からボウル面の底部に直接落下する液垂れを防止することができる。
このように構成された本発明においては、突出部前面が小便器のボウル面に向って傾斜しているので、水滴が突出部前面からボウル面を伝って流下しやすくすることができる。
このように構成された本発明においては、突出部は、鉛直方向下方に延びるように形成されるので、水滴が自重により流れ落ちるときに突出部を伝うことができ、突出部からボウル面側後壁部に伝わることができ、より確実にボウル面に誘導される。
このように構成された本発明においては、水滴が吐水開口部の扇形形状に沿って下方に集まることができ、水滴がボウル面側後壁部の表面に接し、表面張力によりボウル面側後壁部を伝い、ボウル面側後壁部からボウル面に伝わって流下することができる。従って、残留水の水滴が吐水開口部の前壁部からボウル面の底部に直接落下する液垂れを防止することができる。
本発明のスプレッダを備えた小便器においては、小便器のボウル面の洗浄終了時における供給通路内に残存する残留水が、前壁部とボウル面側後壁部との間から水滴となって落下するときに、成長した水滴の表面が幅狭部においてボウル面側後壁部の表面に接し、表面張力によりボウル面側後壁部を伝い、ボウル面側後壁部からボウル面に伝わって流下できる。従って、残留水の水滴が吐水開口部の前壁部からボウル面の底部に直接落下する液垂れを防止することができる。また、小便器のボウル面の洗浄動作の際には、前壁部とボウル面側後壁部との間を通過する洗浄水が受ける圧力損失を抑制することができ、ボウル面を効率よく洗浄することができる。
給水管20に設けられる流量調整装置22と、給水管20に取り付けられ給水の供給及び停止を行う開閉弁24と、開閉弁24から後述するスプレッダに洗浄水を供給する供給通路26と、供給通路26の先端に取り付けられた吐水部であるスプレッダ28と、使用者の有無を検知する人体検知センサ30と、人体検知センサ30からの検知信号及び所定の制御プログラム等に基づいて開閉弁24等を制御することができる制御ユニット32と、を備えている。
制御ユニット32は、人体検知センサ30の使用者の有無の検知結果を受けて、開閉弁24を開閉させて小便洗浄動作の制御を実行できるようになっている。
ボウル面8の底部10は、その下方側において、鉢形状に形成され、流下する洗浄水を集めて排出口部12に導くように形成されている。
図2は本発明の実施形態によるスプレッダの前面のカバーを外した状態の概略斜視図であり、図3は本発明の実施形態によるスプレッダの前面のカバーを外した状態の概略正面図であり、図4は本発明の実施形態によるスプレッダの前面のカバーを外した状態の概略側面図であり、図5は図4のV-V線に沿って見た断面図であり、図6は図3のVI-VI線に沿って見た断面図であり、図7は図6の断面図の一部をさらに拡大して示す拡大部分断面図であり、図8は図7において示すスプレッダの拡大部分において、水滴が成長して大きくなる様子を示す図である。
スプレッダ28は、洗浄水をボウル面8に向けて吐水するように開口する吐水開口部34と、給水源から吐水開口部34に洗浄水を供給する円管形状のスプレッダ供給通路38とを備えている。
突出部側面34gは、ボウル面側後壁部34cと接続する角部34iを形成している。水滴の形態を含む洗浄水は、主に突出部前面34fを伝って下方に移動するが、突出部側面34g或いは突出部以外のボウル面側後壁部34cにおいて水滴などが生じ落下する場合には、角部34iに沿って流下されることができる。このとき、角部34iがボウル面側後壁部34c側に設けられているので、角部34iに沿って流下する水滴等をボウル面側後壁部34cからボウル面8に伝わって流すことができる。なお、角部34iは、緩やかに湾曲した湾曲部により構成されていてもよい。
幅狭部34eの間隔の大きさL2は、落下を開始するような水滴の直径の大きさよりも小さく形成されていてもよく、また、落下を開始するような水滴の直径の大きさよりも1.5倍程度まで大きく形成されていてもよい。具体的には、幅狭部34eの間隔の大きさL2は、その前後方向の大きさが1mm〜3mmの範囲に形成されている。幅狭部34eの間隔の大きさL2が、平均的な水滴の直径に近い大きさ以下の大きさに形成されることにより水滴が突出部前面34fに接しやすくなる。
従って、吐水開口部34及び/又はスプレッダ供給通路38内に存在する水分が、徐々に集合或いは分離する等して主に水滴として成長するとき、水滴が落下を開始するような大きさになると、ボウル面側後壁部34cの突出部前面34f、又は前壁部34b及び突出部前面34fに接触することになる。水滴が突出部前面34fに接触するので、表面張力により水滴は突出部前面34fを伝うように流下する(下方に移動する)ことになる。スプレッダ28内の残留水が水滴よりも大きな水塊若しくは水流となる場合にも、これらが突出部前面34fを伝わって同様にボウル面8に流下できる。
なお、本発明の実施形態によるスプレッダにおいては、突出部34d及びボウル面側後壁部34cは、前壁部34bより下方まで延びているが、他の実施形態によるスプレッダにおいては、突出部34d及びボウル面側後壁部34cは、スプレッダ28の正面側から見て、突出部前面34fの下端及びボウル面側後壁部34cの下縁34kが前壁部34bの下端34jとほぼ同じ高さ位置の同一平面上に配置されていてもよい。
なお、突出部34dが前壁部34b側に設けられている場合も通水路34lの幅が一部狭められている幅狭部34eを形成することができ、水滴の表面がボウル面側後壁部34cの表面に接しやすくすることができる。
先ず、本発明の実施形態によるスプレッダ28を備えた小便器1による洗浄動作の流れを説明する。
通常、使用者が小便器1の前に立つと、人体検知センサ30が使用者の存在を検出して検出情報を制御ユニット32に送り、制御ユニット32は使用者の存在を認識する。使用者が小便器1のボウル面8に放尿を終え、放尿を済ませた使用者が小便器1の前から立ち去り、人体検知センサ30が非検出状態となると、制御ユニット32は使用者が小便器1から立ち去ったと判断して、制御ユニット32が洗浄動作を開始する。他に、小便器1における洗浄動作には、制御ユニット32が配管等の設備保護のために必要と判断した場合に小便器1に洗浄水を流す洗浄動作を開始するいわゆる設備保護洗浄動作も含まれる。
スプレッダ28の吐水開口部34からの吐水が一定時間継続されると、制御ユニット32は、開閉弁24を閉止して、スプレッダ28からの吐水を終了させ、洗浄動作を終了させる。
制御ユニット32は、上述のような洗浄動作において、吐水開始から一定時間が経過し、吐水終了を判断して、スプレッダ28からの吐水を終了させる場合に、開閉弁24を閉弁させる。
開閉弁24が閉弁された直後は、開閉弁24より下流側のスプレッダ供給通路38及び吐水開口部34内は洗浄水で満たされている。この洗浄水が残留水として定義され、吐水開口部34から侵入する空気と徐々に置換されて吐水開口部34から徐々に流出する。
流出する残留水は、前壁部34bとボウル面側後壁部34cとの間から水滴となって流れ落ちる。例えば、図8に示すように、前壁部34bとボウル面側後壁部34cとの間において、水滴D0が生じ、水滴が結合する等により徐々に成長し、水滴がある程度の直径を有する大きさになると自重により落下する。図8において、落下を開始する直前の大きさに成長した状態の水滴の例を参照符号D1により示す。このとき、幅狭部34eにおいて、水滴の直径が自重により落下する程度の直径の大きさに成長すると、水滴がボウル面側後壁部34cの突出部前面34f、又は前壁部34b及び突出部前面34fに接触することになる。水滴の表面が突出部前面34fに接触すれば表面張力により、水滴が突出部前面34fに伝うように移動する。よって、水滴は突出部前面34f、又は前壁部34b及び突出部前面34fに沿って鉛直下方に移動する。
従って、上述のように、水滴が前壁部34bの下端34jの位置まで下降する場合に、水滴が前壁部34bの下端34jから鉛直方向下方にボウル面8の底部10に向かってボウル面8を伝わらずに滴状の液垂れとなって落下してしまうことを防ぐことができる。
上述した本実施形態によるスプレッダ28によれば、小便器1のボウル面8への吐水終了後において、供給通路26及び/又はスプレッダ供給通路38内に残存する残留水が、前壁部34bとボウル面側後壁部34cとの間のスリット状の通水路34lから水滴となって落下するときに、成長した水滴の表面が幅狭部34eにおいてボウル面側後壁部34cの表面に接し、表面張力によりボウル面側後壁部34cを伝い、ボウル面側後壁部34cからボウル面8に伝わって流下できる。従って、残留水の水滴が吐水開口部34の前壁部34bからボウル面8の底部10に直接落下する液垂れを防止することができる。
また、小便器1のボウル面8の洗浄動作の際には、幅狭部34eはスリット状の通水路34lの一部に形成されているので、前壁部34bとボウル面側後壁部34cとの間を通過する洗浄水が受ける圧力損失を抑制することができ、ボウル面8を効率よく洗浄することができる。
また、小便器1のボウル面8の洗浄動作の際には、前壁部34bとボウル面側後壁部34cとの間を通過する洗浄水が受ける圧力損失を抑制することができ、ボウル面8を効率よく洗浄することができる。
2 小便器本体
3 蓋
4 自動便器洗浄ユニット
6 収納室
7 前面
8 ボウル面
8a 正面部
8b 上端
8c 中央部
10 底部
12 排出口部
14 目皿板
16 排水トラップ管路
18 排水配管
20 給水管
22 流量調整装置
24 開閉弁
26 供給通路
28 スプレッダ
30 人体検知センサ
32 制御ユニット
34 吐水開口部
34a 吐水開口上壁
34b 前壁部
34c ボウル面側後壁部
34d 突出部
34e 幅狭部
34f 突出部前面
34g 突出部側面
34h 突出部下面
34i 角部
34j 下端
34k 下縁
34l 通水路
38 スプレッダ供給通路
38a 出口
A 破線矢印
D0 水滴
D1 水滴
D2 水滴
Claims (7)
- 小便器のボウル面に設けられて上記ボウル面へ洗浄水を吐水するスプレッダであって、
上記スプレッダは、
洗浄水を上記ボウル面に向けて吐水するように開口する吐水開口部と、
給水源から上記吐水開口部内に洗浄水を供給する供給通路と、を備え、
上記吐水開口部は、
上記吐水開口部の前方側の壁部を形成する前壁部と、
上記吐水開口部のボウル面側の壁部を形成し且つ上記ボウル面と接しているボウル面側後壁部と、を有し、
さらに、上記前壁部と上記ボウル面側後壁部との間においてスリット状の通水路が形成され、水滴の表面がボウル面側後壁部の表面に接しやすいように上記通水路の幅が上記供給通路の出口の下方において一部狭められている幅狭部が形成されていることを特徴とするスプレッダ。 - 上記吐水開口部の上記幅狭部は、上記ボウル面側後壁部に設けられた突出部により形成されている請求項1に記載のスプレッダ。
- 上記突出部は、上記前壁部より下方まで延びている請求項2に記載のスプレッダ。
- 上記突出部の前面は、上記小便器の上記ボウル面に向って傾斜している請求項1乃至3の何れか1項に記載のスプレッダ。
- 上記突出部は、鉛直方向下方に延びるように形成される請求項2乃至4の何れか1項に記載のスプレッダ。
- 上記吐水開口部は、扇形形状に形成される請求項1乃至5の何れか1項に記載のスプレッダ。
- 上記請求項1乃至6の何れか1項に記載のスプレッダを備えた小便器。
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