JP2016069294A - 昆虫忌避剤組成物およびスプレー式昆虫忌避剤 - Google Patents

昆虫忌避剤組成物およびスプレー式昆虫忌避剤 Download PDF

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祐輔 花木
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太一 後藤
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Abstract

【課題】忌避効果が高く、スプレー性が良好で、人体に使用した場合にノビや使用感が良好で、忌避効果の持続性が高い昆虫忌避剤組成物およびこれを用いたスプレー容器入り昆虫忌避剤を提供する。
【解決手段】下記の(A)、(B)及び(C)成分を含有することを特徴とする昆虫忌避剤組成物。
(A)数平均繊維径が2nm以上500nm以下のセルロース繊維であって、セルロース分子中の水酸基に置換基が導入されており、置換度が0.01以上0.5以下であり、I型及び/又はII型の結晶構造を有し、アスペクト比が50以上であるセルロース繊維。
(B)昆虫忌避成分
(C)水
【選択図】なし

Description

本発明は、昆虫忌避剤組成物およびスプレー式昆虫忌避剤に関するものである。
従来、昆虫忌避剤としては、スプレー剤、エアゾール剤、ゲル製剤等が市販されており、家庭用、産業用として利用されている。忌避対象害虫および、昆虫忌避剤を施用する対象物も様々であり、例えば、主に蚊を忌避するために人体に忌避剤を施用する場合に加え、住居内の不快害虫である蚊、蝿、ゴキブリやムカデなどを忌避するために住居内の床や壁に忌避剤を施用したり、屋外から不快害虫である蟻、蚊、蝿、蜂、アブ、カメムシなどの住居内侵入を防ぐために、外壁、網戸などに忌避剤を施用したり、屋外で作業やレジャーを実施する際に、蚊、蜂、蝿、アブなどの不快害虫を忌避するため、樹木や地面に忌避剤が施用される。
従来の忌避剤としては、例えば、害虫忌避剤と多孔質無機粉体とを含む害虫忌避エアゾール製品(特許文献1)、昆虫忌避剤、低級アルコール、ゲル基剤、水等からなるゲル状昆虫忌避製剤(特許文献2)、及び害虫忌避成分、展着成分として樹脂類、多価アルコール等を含有する網戸用害虫忌避剤(特許文献3)が提案されている。
特開2008−63317号公報 特開2003−171205号公報 特開2000−103702号公報
しかしながら、このような従来のスプレー式、エアゾール式の昆虫忌避剤にあっては、スプレーされる昆虫忌避剤組成物の粘度が低いため、施用対象物である人体、網戸にスプレーされ付着した昆虫忌避剤組成物が液ダレを起こし、有効に利用されない昆虫忌避剤組成物の割合が多く、忌避剤の薬剤利用効率が悪いため、昆虫忌避効果が低下するという問題があった(特許文献1、特許文献3)。
このような液ダレの問題を解決する目的で、増粘剤を添加して昆虫忌避剤組成物の粘度を上げると、今度はスプレーが困難になるという問題があった。
さらに、特許文献2に記載されている塗布型ゲル製剤の昆虫忌避剤にあっては、人体に塗布した場合、忌避剤のノビが悪かったり、べたついたりするという問題があった。
また、従来の昆虫忌避剤にあっては、有効成分は一般的に水に溶解せず、これを溶解させる目的でアルコール類や炭化水素などの溶剤を添加するため引火性や皮膚刺激性があり、人体に使用した場合には肌あれの原因となるという問題があった(特許文献1〜3)。
また、溶剤類の添加量を抑制し、有効成分を水に溶解または乳化分散させる目的で、界面活性剤や展着剤を添加すると、施用後の耐水性が低下するため人体に施用した場合は汗などの水分により、網戸や屋外に施用した場合は雨、露などの水分により、有効成分が流出して忌避効果が持続しないという問題があった(特許文献1〜3)。
すなわち、本発明は下記に掲げるに発明に関する。
〔1〕下記の(A)、(B)及び(C)成分を含有する昆虫忌避剤組成物。
(A))数平均繊維径が2nm以上500nm以下のセルロース繊維であって、セルロース分子中の水酸基に置換基が導入されており、置換度が0.01以上0.5以下であり、I型及び/又はII型の結晶構造を有し、アスペクト比50以上であるセルロース繊維。
(B)昆虫忌避成分
(C)水
〔2〕上記の昆虫忌避剤組成物を充填してなるスプレー容器入り昆虫忌避剤。
本発明の昆虫忌避剤組成物は、ゲル状であってスプレー噴霧可能な昆虫忌避剤の提供が可能となり、スプレー式、エアゾール式の昆虫忌避剤に応用した場合は、施用対象物にスプレーした後の液ダレが発生せず、薬剤利用効率が高いため、昆虫忌避性能が高く、昆虫忌避効果が長時間持続するという優れた効果を発揮する。
さらに、本発明の昆虫忌避剤組成物は、塗布型ゲル製剤の昆虫忌避剤に応用した場合は、人体に塗布した際のノビが良く、さらっとした感触で使用感に優れる。
さらに、本発明の昆虫忌避剤組成物は、スプレー式、エアゾール式、塗布型ゲル製剤の如何に関わらず、一般的に油性の忌避剤有効成分を溶解させるためのアルコール類や炭化水素類の溶剤を減量または無くすことができ、かつ、製剤の安定性に優れ、人体に対する安全性、使用時の安全性に優れた昆虫忌避剤の提供が可能となる。
さらに、本発明の昆虫忌避剤組成物は、スプレー式、エアゾール式、塗布型ゲル製剤の如何に関わらず、一般的に油性の忌避剤有効成分を乳化分散させるための界面活性剤や展着剤類の添加量を抑制または廃止できる。その結果、忌避剤施用後に界面活性剤や展着剤に起因する耐水性の低下が起こらず、人体に施用した場合は汗により、屋外に施用した場合は雨や露による有効成分の流出が起こらず、忌避剤効果が長期間持続するという効果を発揮する。加えて、上記特定のセルロース繊維自身が、乾燥により耐水性の皮膜を形成することも、耐水性の向上と効果の持続性に寄与している。
次に、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明の昆虫忌避剤組成物は、特定の(A)セルロース繊維と、(B)昆虫忌避成分と、(C)水とを用いて得ることができる。
本発明の(A)セルロース繊維は、数平均繊維径が2nm以上500nm以下であって、セルロース分子中の水酸基に置換基が導入されており、置換度が0.01以上0.5以下であり、I型及び/又はII型の結晶構造を有し、アスペクト比50以上である
上記数平均繊維径は2nm以上500nm以下であり、より好ましくは2nm以上150nm以下である。数平均繊維径が500nmを超えると、セルロース繊維が沈降するため、セルロース繊維を配合することによる機能性を発現することができない。
ここで、上記数平均繊維径の解析は、例えば、次のようにして行うことができる。すなわち、固形分率で0.05〜0.1質量%のセルロース繊維の水分散体を調製し、その分散体を、親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストして、透過型電子顕微鏡(TEM)の観察用試料とする。なお、本発明外の大きな繊維径の繊維を含む場合には、ガラス上へキャストした表面の走査型電子顕微鏡(SEM)像を観察してもよい。そして、構成する繊維の大きさに応じて5000倍、10000倍あるいは50000倍のいずれかの倍率で電子顕微鏡画像による観察を行う。その際に、得られた画像内に縦横任意の画像幅の軸を想定し、その軸に対し、20本以上の繊維が交差するよう、試料および観察条件(倍率等)を調節する。そして、この条件を満たす観察画像を得た後、この画像に対し、1枚の画像当たり縦横2本ずつの無作為な軸を引き、軸に交錯する繊維の繊維径を目視で読み取っていく。このようにして、最低3枚の重複しない表面部分の画像を、電子顕微鏡で撮影し、各々2つの軸に交錯する繊維の繊維径の値を読み取る(したがって、最低20本×2×3=120本の繊維径の情報が得られる)。このようにして得られた繊維径のデータにより、数平均繊維径を算出する。
上記置換基としては、セルロース分子中の水酸基との間にエーテル結合が生じる置換基であれば特に制限されない。具体的には、カルボキシメチル基、メチル基、エチル基、シアノエチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、エチルヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピルメチル基等があげられる。これらのうち、カルボキシメチル基が好ましい。
上記置換度は、無水グルコース単位1モル当たりの置換基のモル数の平均値を表している。
本発明の(A)セルロース繊維の置換度は0.01以上0.5以下であり、好ましくは0.01以上0.25以下である。置換度が0.01未満ではセルロース繊維の解繊が困難となり、0.5超では増粘性、分散安定性が低下し、本発明の効果を発現することができない。
本発明の(A)セルロース繊維はI型及び/又はII型の結晶構造を有する。結晶構造を有することは、例えば、広角X線回折像測定により得られる回折プロファイルにおいて、セルロースI型またはII型に典型的なX線回折パターン(I型:回折角2θ=12.1°、19.8°、22.0°、II型:回折角2θ=12.1°、19.8°、22.0°)をもつことから確認できる。
本発明の(A)セルロース繊維は、アスペクト比が50以上である。より好ましくは100以上である。アスペクト比が50未満の場合、ゲル状組成物がゲル状の性状を保持することが困難となる不具合が生じる。
上記セルロースのアスペクト比は、例えば以下の方法で測定することが出来る、すなわ
ち、セルロースを親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストした後、2%ウ
ラニルアセテートでネガティブ染色したTEM像(倍率:10000倍)から、セルロー
スの短幅の方の数平均幅、および長幅の方の数平均幅を観察した。すなわち、各先に述べ
た方法に従い、短幅の方の数平均幅、および長幅の方の数平均幅を算出し、これらの値を
用いてアスペクト比を下記の式(1)に従い算出した。
Figure 2016069294
本発明の(A)セルロース繊維を得るためには、下記に例示するセルロースを公知の方法を用いてアニオン変性させることが必要である。その一例として次のような製造方法をあげることができる。セルロースを原料とし、溶媒に重量で3〜20倍の低級アルコール、具体的にはメタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の単独、又は2種以上の混合物と水の混合媒体を使用する。なお、低級アルコールの混合割合は、60〜95質量%である。マーセル化剤としては、セルロースのグルコース残基当たり0.5〜20倍モルの水酸化アルカリ金属、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用する。セルロースと溶媒、マーセル化剤を混合してマーセル化処理を行う。このときの反応温度は0〜70℃、好ましくは10〜60℃であり、反応時間は15分〜8時間、好ましくは30分〜7時間である。その後、カルボキシメチル化剤をグルコース残基当たり0.05〜10.0倍モル添加してエーテル化反応を行う。このときの反応温度は30〜90℃、好ましくは40〜80℃であり、反応時間は30分〜10時間、好ましくは1時間〜4時間である。
本発明のセルロース原料は、晒又は未晒木材パルプ、精製リンター、酢酸菌等の微生物によって生産されるセルロース等の天然セルロースや、セルロースを銅アンモニア溶液、モルホリン誘導体等、何らかの溶媒に溶解し、改めて紡糸された再生セルロース、及び上記セルロース系素材の加水分解、アルカリ加水分解、酵素分解、爆砕処理、振動ボールミル処理等によって解重合処理した微細セルロース又は機械的に処理した微細セルロースが例示される。
本発明の(A)セルロース繊維は、アニオン変性したセルロースを高圧ホモジナイザー等によって解繊処理することで得ることができる。高圧ホモジナイザーとは、ポンプによって流体に加圧し、流路に設けた非常に繊細な間隙より噴出させる装置である。粒子間の衝突、圧力差による剪断力等の総合エネルギーによって乳化・分散・解繊・粉砕・超微細化を行うことができる。
本発明のホモジナイザーによる処理条件としては、特に限定されるものではないが、圧力条件としては、30MPa以上、好ましくは100MPa以上、さらに好ましくは140MPa以上である。また、高圧ホモジナイザーでの解繊・分散処理に先立って、必要に応じて、高速せん断ミキサーなどの公知の混合、攪拌、乳化、分散装置を用いて、アニオン変性されたセルロースに予備処理を施すことも可能である。
次に、本発明の昆虫忌避剤組成物には、上記(A)セルロース繊維とともに(B)昆虫忌避成分が用いられる。
上記(B)昆虫忌避成分としては特に限定されるものではなく、例えば桂皮、樟脳、レモングラス、クローバ、タチジャコウソウ、ジェラニウム、ベルガモント、月桂樹、松、アカモモ、ペニーロイアル、ユーカリおよびインドセンダンなどから得られる精油、抽出液など、ユーカリプトール、α−ピネン、ゲラニオール、シトロネラール、カンファー、リナロール、p−メンテン−3,8−ジオール、テルペノール、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、N,N−ジエチル−m−トルアミド、2−エチル−1,3−ヘキサジオール、ブチル3,4−ジヒドロキシ−2,2−ジメチル4−オキソ2H−ピラン−6カルボキシレート、n−ヘキシルトリエチレンググリコ−ルモノエーテル、メチル6−n−ベンチル−シクロヘキセン−1−カルボキシレート、ジメチルフタレート、3,7−ジメチル−6−オクテナル、ナフタレン、シトロネール酸、2−エチル−2−ブチル−1,3−プロパンジオール、2,3,4,5−ビス(Δ2 −ブチレン)テトラハイドロフルフラール、ジ−m−プロピルイソシンコメロネート、2−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル−3−フェノキシベンジルエーテル、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル−2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート、1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル−2,2−ジメチル−3−(2'−メチル−1'−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレートなどが挙げられる。これらは、2種類以上を併用しても良い。これらのうち特に好ましいのは、N,N−ジエチル−m−トルアミドである。
本発明の昆虫忌避剤組成物には、上記(A)セルロース繊維および(B)昆虫忌避成分に加えて、(C)水が用いられる。本発明の昆虫忌避剤組成物においては、(A)セルロース繊維と(B)昆虫忌避成分、下記の任意成分の含有量を除いた残量が(C)水含有量となる。
本発明の昆虫忌避剤組成物には、その効果を妨げない範囲内において、任意の成分を添加しても良い。
任意の成分は、次の通りである。すなわち、粘土鉱物類、充填剤;充填剤、顔料、染料;界面活性剤類;アルコール類、エステル類、ケトン類、エーテル類、炭化水素類、芳香族類等の水と混和し得る溶剤および水と混和しない溶剤類;ジオール化合物、グリセリンとその誘導体、ペンタエリスリトール、ソルビトール、キシリトール、ショ糖、ブドウ糖、果糖、等のグリコール類や糖類;天然水溶性高分子、合成水溶性高分子、セルロース誘導体、アクリル系ポリマー等の水溶性高分子類;シリコンオイル類、植物油、動物油、合成油、等のオイル類、保湿剤防腐剤、保存安定剤、無機塩類、紫外線遮蔽剤、ラテックス類、エマルジョン類、消泡剤、pH調整剤;香料類、消臭剤類;アミノ酸類、ビタミン類、生薬類等が挙げられる。
これらの任意の成分のうち、界面活性剤類については、昆虫忌避剤の耐水性を低下させるので、最少必要量での添加が好ましい。
これらの任意の成分のうち、溶剤類については、昆虫忌避剤の安全性と人体への刺激性の観点から、最少必要量での添加が好ましい。
これらの任意の成分のうち、水溶性高分子については、昆虫忌避剤のスプレー性を低下させる場合があるので、最少必要量での添加が好ましい。
任意の成分である粘土鉱物類としては、アルミナ、ジルコニア、蛙目粘土、カオリナイト、カオリン、カルシウムベントナイト、クロマイトサンド、けい砂、けい砂シリカ、珪酸ジルコニウム、けい石粉、珪藻土、窒化アルミニウム、炭酸バリウム、サポナイト、ダイヤモンド、コレマナイト、酸化ガドリニウム、酸化ランタン、シャモット、焼成珪藻土、シラス、シラスバルーン、シリコンカーバイド、ジルコン砂、ジルコン、ジルコンフラワー、水酸化アルミニウム、ゼオライト、石英ガラス粉、セリウム研磨剤、セリサイト、ソジウムベントナイト、ソジウムモンモリトナイト、炭化ホウ素、窒化珪素、長石粉、陶石、ハロサイト、硼砂、マグネシア、木節粘土、蝋石、パーライト、セメント等が挙げられる。
任意の成分である充填剤・顔料・染料としては、亜鉛華、亜酸化銅、一酸化鉛、ウィスカー状炭酸カルシウム、ウォッチングレッド、マイカ、塩素法酸化チタン顔料、オイルファーネスブラック、黄鉛、黄色酸化鉄、オキシサルファイド蛍光体、カオリンクレー、滑石、石筆石、石鹸石、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、燐酸カルシウム、ガラスビーズ、球状アルミナ、群青、硅灰石、ワラストナイト、蛍光顔料、軽質炭酸カルシウム、合成ハイドロタルサイト、合成マイカ、黒鉛、黒色酸化鉄、極微細炭酸カルシウム、コバルト青、コバルト緑、コバルト紫、胡粉、紺青、サーマルブラック、酸化クロム、酸化チタン(アタナース)、酸化チタン(ルチル)、酸化テルビウム、酸化銅、ジスアゾイエロー、重質炭酸カルシウム、焼成クレー、シルクパウダー、消石灰、赤色酸化鉄、セリナイト、造粒カーボンブラック、炭化ケイ素ウイスカー、炭酸カルシウム、炭素繊維(粉状)、窒化ケイ素ウイスカー、窒化ホウ素、茶色酸化鉄、チャンネルブラック、超微粒アルミナ、超微粒酸化亜鉛、超微粒子状酸化チタン、沈降性硫酸バリウム、鉄黒、天然黒鉛粉末、天然土状黒鉛、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン、ドロマイト粉末、ナイロン粉体、パーマネントレッド、バナデート蛍光体、表面処理硫酸バリウム、微粒子酸化チタン、微粒子硫酸バリウム、微粒子水酸化アルミニウム、ファストイエロー10G、フッ化カーボン、ベンガラ、ポリエチレンワックス、ホワイトカーボン、丸味状アルミナ、モリブデンレッド、有機ベントナイト、溶融シリカ、ロウ石、六方晶窒化ホウ素等が挙げられる。
任意の成分である界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
上記アニオン界面活性剤としては、アルキル(炭素数10〜15)ベンゼンスルホン酸塩、アルキル(炭素数6〜18)硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレン(付加モル数1モル〜30モル)アルキル(炭素数6〜18)エーテル硫酸エステル塩、脂肪酸(炭素数6〜18)塩、アルカン(炭素数6〜18)スルホン酸塩、オレフィン(炭素数8〜18)スルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩縮合物、アルキル(炭素数6〜18)スルホコハク酸エステル塩、ポリオキシアルキレン(付加モル数1モル〜30モル)アルキル(炭素数6〜18)エーテルスルホコハク酸塩 、アルキル(炭素数6〜18)リン酸エステル塩、ポリオキシアルキレン(付加モル数1モル〜30モル)アルキル(炭素数6〜18)エーテルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレン(付加モル数1モル〜30モル)アルキル(炭素数6〜18)エーテル酢酸塩等が挙げられる。上記の塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属、アンモニア、アルカノールアミンなどのアミン等が挙げられる。
上記非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン(付加モル数1モル〜50モル)アルキル(炭素数6〜18)エーテル、 ポリオキシアルキレン(付加モル数1モル〜50モル)アシル(炭素数6〜18)エステル、アルキル(炭素数6〜18)ジエタノールアミド、ポリオキシアルキレン(付加モル数1モル〜100モル)トリグリセリド(脂肪酸炭素数6〜18)エーテル、ソルビタン脂肪酸(炭素数6〜18)エステル、ショ糖脂肪酸(炭素数6〜18)エステル、ポリオキシアルキレン(付加モル数1モル〜50モル)ソルビタン脂肪酸(炭素数6〜18)エステル、アルキル(炭素数6〜18)ポリグリコシド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、モノアルキル(炭素数6〜18)アミン塩、ジアルキル(炭素数6〜18)アミン塩、トリアルキル(炭素数6〜18)アミン塩、アルキル(炭素数6〜18)トリメチルアンモニウム塩、ジアルキル(炭素数6〜18)ジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、アルキル(炭素数6〜18)ジメチルアミノプロピルアミド等が挙げられる。上記の塩としては、塩素、臭素等のハロゲンが挙げられる。
上記両性界面活性剤としては、アルキル(炭素数6〜18)ベタイン、脂肪酸(炭素数6〜18)アミドプロピルベタイン、2−アルキル(炭素数6〜18)−N−カルボキシルメチル−N−ヒドロキシエチル−イミダゾリニウムベタイン、アルキル(炭素数6〜18)ジエチレントリアミノ酢酸、ジアルキル(炭素数6〜18)ジエチレントリアミノ酢酸、アルキル(炭素数6〜18)アミンオキシド等が挙げられる。
本発明の昆虫忌避剤組成物は、上記(A)セルロース繊維、(B)昆虫忌避成分、および、濃度調整用の(C)水、その他の任意の添加物を混合・分散することにより昆虫忌避剤組成物を調整し、得られた昆虫忌避剤組成物を容器に充填することで得られる。
その混合方法に制約はないが、例えば、真空乳化装置、ディスパー、プロペラミキサー、ニーダー、湿式粉砕機、ブレンダー、ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミル、ビーズミル、サンドミル、高圧ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー等から選択して用いることができる。任意の添加剤の物理化学的性質に応じて、また目的とする組成物の物性が得られるように、混合・分散装置の種類と操作条件を選択する。
例えば、混合時に、超高圧ホモジナイザー等の分散力の強い装置を用いると、透明度の高い組成物が得られる。
本発明の昆虫忌避剤組成物における、(B)昆虫忌避成分の配合量は、昆虫忌避成分の種類によって異なるが、N,N−ジエチル−m−トルアミドの場合、通常1質量%以上30質量%以下、好ましくは5質量%以上20質量%以下の範囲内である。1質量%未満では、十分な昆虫忌避効果が得られず、30質量%超添加しても、添加量に見合うだけの昆虫忌避効果が得られない。
本発明の昆虫忌避剤組成物における、(A)セルロース繊維の配合量は、通常0.1%質量%以上5質量%以下、好ましくは0.2質量%以上3質量%以下の範囲内である。0.1質量%未満では昆虫忌避剤組成物の粘度が低く、液ダレが発生するので好ましくない。5質量%超では昆虫忌避剤組成物の粘度が高過ぎて、製造時のハンドリングが悪化するので好ましくない。
本名発明の昆虫忌避剤組成物の粘度としては、1,000mPa・s以上100,000mPa・s以下の範囲であり、好ましくは2,000mPa・s以上80,000mPa・s以下の範囲である。
ここでいう粘度とは、BH型粘度計を用い、25℃にて、ローター番号4番(粘度80,000mPa・s未満)またはローター番号5番(粘度80,000mPa・s以上)、2.5rpm、で180秒後に測定される粘度のことをいう。
本発明の昆虫忌避剤組成物の粘度を高くして、ゲル状やクリーム状に仕上げる場合には(A)セルロース繊維の添加量を多くすることで対応できる。逆に流動性を持たせたい場合には、液ダレが発生しない範囲内で、セルロース繊維の添加量を減らせば良い。
本発明の昆虫忌避剤組成物を充填する容器としては、何らの制限はなく、例えば、塗布機能やロールオン機能を有する塗布容器、スプレー・噴霧機能を有する容器、上部に蓋を有する壺状の容器、チューブ容器などが挙げられる。
本発明の昆虫忌避剤組成物をスプレー・噴霧機能を有する容器に充填することにより、スプレー容器入り昆虫忌避剤を得ることが出来る。
スプレー・噴霧機能を有する容器としては、本発明の昆虫忌避剤組成物を容易に充填でき、スプレーとして機能するものであればよいが、汎用性やスプレー精度の高さを考慮すると、特に以下の3つのスプレー容器(1)〜(3)であることが好ましい。
(1)噴霧可能なポンプ式ノズルを装着したディスペンサー式スプレー容器:本スプレー容器は、大気圧でスプレーでき、加圧ガスなどを必要とせず、かつ容器構造も比較的単純であるので安全性が高く、携帯用に向くスプレー容器である。構造は吸い上げ式のチューブを装着した押し出しポンプ式のノズルと、これを固定し、内容物を充填するねじ式容器からなる。ここでいうディスペンサー式スプレー容器には、スプレー機能を高めるためにポンプ式ノズルの孔径やポンプの1回あたりの押し出し体積等に依存するが、これらの条件は、施用対象物や忌避対象害虫に応じて選定、調整する。
(2)トリガー式スプレー容器:トリガー式スプレー容器は、内容物を充填する容器本体の口部にピストル状のトリガー式スプレー装置が装着されたものであり、大気圧でスプレーを操作でき、スプレー容器として汎用性の高いものである。ここでいうトリガー式スプレー容器には、スプレー機能を高めるために、トリガー式スプレー容器の一部を改良したものも全て含まれる。
(3)エアゾール式スプレー容器:エアゾール式スプレー容器は、容器内へ噴射剤を充填することによって、上記2つのスプレー装置では実現できない連続スプレーを可能とするものである。ここでいうエアゾール式スプレー容器には、エアゾール式容器の噴射装置部分に改良を施したもの等もすべて含まれる。一般的に本スプレー容器を用いたスプレーでは、大気圧下で実施する上記2つのスプレーに比べ、より細かな霧が可能となる。エアゾール式スプレー容器で使用する噴射剤としては、ジメチルエーテル、液化石油ガス、炭酸ガス、窒素ガス、アルゴンガス、空気、酸素ガス、フロンガス等を挙げることができ、これらは単独であるいは2種以上併用して用いられる。
本発明の昆虫忌避剤組成物の忌避対象害虫としては、何ら制約はなく、蚊、ブヨ、蝿、サシバエ、ダニ、ノミ、ナンキンムシ、蜂、アブ、蟻、ツツガムシ、ゴキブリ、ムカデ、コガネムシ等が挙げられる。
本発明の昆虫忌避剤の施用対象としては、何ら制約はなく、人体、衣類、台所、床、壁、家具、などの屋内;外壁、網戸、屋根、軒などの建築物;屋外の樹木や地面、構造物等が挙げられる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<グルコース単位当たりの置換度の測定方法>
セルロース繊維を0.6質量%スラリーに調製し、0.1M塩酸水溶液を加えてpH2.4とした後、0.05Nの水酸化ナトリウム水溶液を滴下してpHが11になるまで電気伝導度を測定し、電気伝導度の変化が緩やかな弱酸の中和段階において消費された水酸化ナトリウム量からカルボキシル基量を測定し、下式を用いて算出した。ここで言う置換度とは、無水グルコース単位1モル当たりの置換基のモル数の平均値を表している。
Figure 2016069294
<数平均繊維径の測定方法>
セルロース繊維に水を加えて2質量%のスラリーとして、ディスパー型ミキサーを用いて回転数8,000rpmで10分間微細化処理を行った。各セルロース繊維の最大繊維径および数平均繊維径を、透過型電子顕微鏡(TEM)(日本電子社製、JEM−1400)を用いて観察した。すなわち、各セルロース繊維を親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストした後、2%ウラニルアセテートでネガティブ染色したTEM像(倍率:10000倍)から、先に述べた方法に従い、数平均繊維径を算出した。
<結晶構造の確認方法>
X線回折装置(リガク社製、RINT−Ultima3)を用いて広角X線回折像を測定し、各セルロース繊維の回折プロファイルにセルロースI型またはII型に典型的なX線回折パターン(I型:回折角2θ=12.1°、19.8°、22.0°、II型:回折角2θ=12.1°、19.8°、22.0°)がみられる場合は結晶構造を有すると判断した。
<アスペクト比の測定方法>
セルロースを親水化処理済みのカーボン膜被覆グリッド上にキャストした後、2%ウラニルアセテートでネガティブ染色したTEM像(倍率:10000倍)から、セルロースの短幅の方の数平均幅、長幅の方の数平均幅を観察した。すなわち、各先に述べた方法に従い、短幅の方の数平均幅、および長幅の方の数平均幅を算出し、これらの値を用いてアスペクト比を前述の式(1)に従い算出した。
〔製造例1〕
撹拌機に、パルプ(LBKP、日本製紙(株)製)を乾燥質量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥質量で18g加え、パルプ固形分濃度が15%になるように水を加えた。その後、30℃で30分攪拌した後に70℃まで昇温し、モノクロロ酢酸ナトリウムを23g(有効成分換算)添加した。1時間反応した後に、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりの置換度0.01のアニオン変性されたセルロースを得た。その後、アニオン変性したパルプに水を添加して固形分濃度5%とし、高圧ホモジナイザーにより20℃、140MPaの圧力で5回処理し、数平均繊維径74nm、アスペクト比67で、結晶構造を有するセルロース繊維1の分散液を得た。
〔製造例2〕
水酸化ナトリウムを176g、モノクロロ酢酸ナトリウムを234g(有効成分換算)に変更した以外、製造例1と同様にしてセルロース繊維2の分散液を得た。なお、得られたセルロース繊維のグルコース単位当たりの置換度は0.10であり、数平均繊維径は10nm、アスペクト比140で、結晶構造を有していた。
〔製造例3〕
水酸化ナトリウムを308g、モノクロロ酢酸ナトリウムを410g(有効成分換算)に変更した以外、製造例1と同様にしてセルロース繊維3の分散液を得た。なお、得られたセルロース繊維のグルコース単位当たりの置換度は0.25であり、数平均繊維径は6nm、アスペクト比160で、結晶構造を有していた。
〔製造例4〕
水酸化ナトリウムを9g、モノクロロ酢酸ナトリウムを12g(有効成分換算)に変更した以外、製造例1と同様にしてセルロース繊維4の分散液を得た。なお、得られたセルロース繊維のグルコース単位当たりの置換度は0.005であり、数平均繊維径は620nm、アスペクト比18で、結晶構造を有していた。
〔製造例5〕
水酸化ナトリウムを476g、モノクロロ酢酸ナトリウムを632g(有効成分換算)に変更した以外、製造例1と同様にしてセルロース繊維5の分散液を得た。なお、得られたセルロースのグルコース単位当たりの置換度は0.6であり、数平均繊維径は測定できず、結晶構造はみられなかった。
〔製造例6〕
水酸化ナトリウムを308g、モノクロロ酢酸ナトリウムを410g(有効成分換算)、高圧ホモジナイザーによる処理を20回に変更した以外、製造例1と同様にしてセルロース繊維6の分散液を得た。なお、得られたセルロース繊維のグルコース単位当たりの置換度は0.25であり、数平均繊維径は測定できず、結晶構造はみられなかった。
〔製造例7〕
撹拌機に、パルプ(LBKP、日本製紙(株)製)を乾燥質量で200g、水酸化ナトリウムを乾燥質量で308g加え、パルプ固形分濃度が15%になるように水を加えた。その後、70℃で9時間攪拌した後に、モノクロロ酢酸ナトリウムを410g(有効成分換算)添加した。1時間反応した後に、反応物を取り出して中和、洗浄して、グルコース単位当たりの置換度0.28のアニオン変性されたセルロースを得た。その後、アニオン変性したパルプに水を添加して固形分濃度5%とし、高圧ホモジナイザーにより20℃、140MPaの圧力で5回処理し、セルロース繊維7の分散液を得た。数平均繊維径は測定できず、結晶構造はみられなかった。
<昆虫忌避剤組成物の評価>
(昆虫忌避剤組成物の製造)
〔実施例1〕
セルロース繊維1を固形分換算値で1.5質量部(以下「部」と略す)、および、昆虫忌避成分としてN,N-ジエチル-m-トルアミドを10部を計量し、水を加えて100部とした。次に、真空乳化装置で12000rpmで15分間処理して、昆虫忌避剤組成物を得た。
〔実施例2,3〕
セルロース繊維1をセルロース繊維2,3に変更した以外は実施例1と同様に製造を行い、昆虫忌避剤組成物を得た。
〔実施例4〕
セルロース繊維1を固形分換算値で1.5質量部(以下「部」と略す)、および、昆虫忌避成分としてN,N-ジエチル-m-トルアミド10部、メントール0.1部、1、3−ブチレングリコール5部、メチルパラベン0.1部を計量し、水を加えて100部とした。
次に、真空乳化装置で12000rpmで15分間処理して、昆虫忌避剤組成物を得た。
〔比較例1〜4〕
セルロース繊維1をセルロース繊維4ないし7に変更した以外は実施例1と同様に製造
を行い、昆虫忌避剤組成物を得た。
〔比較例5〕
セルロース繊維1をキサンタンガム(製品名:K-OB、五協産業株式会社製)に変更した以外は実施例1と同様に製造を行い昆虫忌避剤組成物を得た。
〔比較例6〕
セルロース繊維1をポリオキシエチレンラウリルエーテル(製品名:ノイゲンET−120、第一工業製薬株式会社製)に変更した以外は実施例1と同様に製造を行い昆虫忌避剤組成物を得た。
<昆虫忌避剤組成物の評価>
実施例1〜4、比較例1〜6で製造した昆虫忌避剤組成物を以下の評価基準に従って評価を行った。評価結果を下記表1に示す。
[流動特性]
昆虫忌避剤組成物の、コーン・プレート型回転粘度計(Rheosol−G2000、UBM社製)の測定による,1×10-3-1〜1×103-1を含むずり速度領域において,20℃で測定した粘度の最大値(ηmax )および最小値(ηmin )を求めた。
×:ηmax<1×104 mPa・s または ηmin >1×102 mPa・s である。
○:ηmax≧1×104 mPa・s かつ ηmin ≦1×102 mPa・s である。
[分散安定性]
25℃にて1週間静置した後、ゲルの様子を確認して下記の基準で評価した。
分離:分離がみられる。
× :流動性がある。
○ :流動性がない。
<昆虫忌避剤組成物のスプレー特性の評価>
実施例1〜4、比較例1〜4で製造した昆虫忌避剤組成物を、各々、50ml容量のフィンガースプレー容器に25ml充填した。ガラス板を垂直に立て、水平距離で10 cm の位置から噴霧し,噴霧状態と付着した液滴の液だれの有無を観察した。下記の基準に従い、スプレー特性(噴霧特性)の評価を行った。
[噴霧状態]
×:霧状に噴射されない、またはつまりが生じて噴射できない。
△:霧状に噴射されるものと霧状にならないものが混在する。
○:霧状に噴射される。
[液だれ]
×:噴霧から1分以内に液だれする。
○:噴霧から1分以上液だれしない。
[使用感]
昆虫忌避組成物を腕に塗布して使用した場合の使用感(べたつき、伸び)について、社内パネラー10名(男性、女性 各5名)による官能試験を行った。「べたつくorべたつかない」、「伸びがよいor伸びが悪い」で回答させてべたつきがない、伸びがよいと答えた人の割合で評価した。
○:8人以上
△:7〜5人
×:4人以下
Figure 2016069294
表1より、セルロース繊維1ないし3を使用した昆虫忌避剤組成物は流動特性、分散安定性、スプレー特性、使用感において優れていることが明らかとなった。これに対し、置換度の低いセルロース繊維4を使用した昆虫忌避剤組成物(比較例1)、セルロース繊維5ないし7を使用した昆虫忌避剤組成物(比較例2〜4)は流動性、分散安定性に劣り、これに起因して、スプレー特性、使用感がセルロース繊維1ないし3に劣る結果となった。また、既存の増粘剤であるキサンタンガムを使用した昆虫忌避剤組成物(比較例5)及び既存の分散剤であるポリオキシエチレンラウリルエーテルを使用した昆虫忌避剤組成物(比較例6)の分散安定性はセルロース繊維1ないし3を使用した昆虫忌避剤組成物(実施例1〜4)と同等であるが、流動特性が劣るため、これに起因してスプレー特性、使用感が劣る結果となった。
本発明の活用例として、家庭用、業務用、産業用の昆虫忌避剤として使用し得る。

Claims (2)

  1. 下記の(A)、(B)及び(C)成分を含有することを特徴とする昆虫忌避剤組成物。
    (A)数平均繊維径が2nm以上500nm以下のセルロース繊維であって、セルロース分子中の水酸基に置換基が導入されており、置換度が0.01以上0.5以下であり、I型及び/又はII型の結晶構造を有し、アスペクト比が50以上であるセルロース繊維。
    (B)昆虫忌避成分
    (C)水
  2. 請求項1の昆虫忌避剤組成物を充填してなるスプレー容器入り昆虫忌避剤。
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