JP2016068846A - 船舶 - Google Patents

船舶 Download PDF

Info

Publication number
JP2016068846A
JP2016068846A JP2014201615A JP2014201615A JP2016068846A JP 2016068846 A JP2016068846 A JP 2016068846A JP 2014201615 A JP2014201615 A JP 2014201615A JP 2014201615 A JP2014201615 A JP 2014201615A JP 2016068846 A JP2016068846 A JP 2016068846A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pump
pipe
reservoir
cylinder
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014201615A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6461541B2 (ja
Inventor
健治 長町
Kenji Nagamachi
健治 長町
岳夫 宇井
Takeo Ui
岳夫 宇井
信彦 杉山
Nobuhiko Sugiyama
信彦 杉山
崇嗣 安部
Takatsugu Abe
崇嗣 安部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=55863796&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2016068846(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Kawasaki Heavy Industries Ltd filed Critical Kawasaki Heavy Industries Ltd
Priority to JP2014201615A priority Critical patent/JP6461541B2/ja
Publication of JP2016068846A publication Critical patent/JP2016068846A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6461541B2 publication Critical patent/JP6461541B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/30Use of alternative fuels, e.g. biofuels

Landscapes

  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

【課題】二元燃料ディーゼルエンジンを搭載した船舶であって、昇圧装置にトラブルがあった場合にもガス運転を継続することができる船舶を提供する。【解決手段】船舶1Aは、液化ガスを貯留する貯留器11と、液化ガスを気化させる気化器12と、ガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジン13と、貯留器11から気化器12に液化ガスを導く第1配管31と、第1配管31に設けられた主ポンプ20とを備える。船舶1Aは、貯留器11から第1配管31における主ポンプ20の下流側部分31bにつながる第2配管33と、第2配管33に設けられた予備ポンプ50と、排出配管34とを更に備える。排出配管34は、主ポンプ20の稼働時に、貯留器11からシリンダ52内に供給された液化ガスがシリンダ52から排出されるように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、二元燃料ディーゼルエンジンを搭載した船舶に関する。
従来、船舶において、重油を燃料とするディーゼルエンジンが推進用主機として用いられていたが、近年、大気汚染や温暖化の観点から、燃料としてガスを使用するガス焚きディーゼルエンジンを推進用主機として用いた船舶が注目されている。ガス焚きディーゼルエンジンには、例えば、ガス専焼のディーゼルエンジンや、油とガスの両方を燃料として利用でき、油とガスを任意の割合で使用することのできる二元燃料ディーゼルエンジンがある。
推進用主機としてのガス焚きディーゼルエンジンを搭載した船舶には、例えば船上のタンクに極低温で貯蔵された液化ガス又はタンク内で液化ガスが蒸発して生じたボイルオフガスから高圧(例えば15〜30MPa)の燃料ガスを生成してエンジンに供給する高圧ガス供給システムが必要となる。例えば、特許文献1の図1には、昇圧装置として高圧ポンプを含む高圧ガス供給システムが開示されている。この高圧ガス供給システムは、液化ガスを貯蔵したタンクから導かれた液化ガスを高圧ポンプにて昇圧し、昇圧された液化ガスを気化器にて気化させ、気化されたガスをガス焚きディーゼルエンジンへと供給する。また、特許文献2の図7には、昇圧装置として高圧コンプレッサを含む高圧ガス供給システムが開示されている。この高圧ガス供給システムは、タンク内のボイルオフガスを高圧コンプレッサにて昇圧し、ガス焚きディーゼルエンジンへと供給する。
特開2013−209926号公報 特開平9−209788号公報
ところで、二元燃料ディーゼルエンジンを搭載した船舶においては、ガス供給システムの高圧ポンプ又は高圧コンプレッサにトラブルが生じた場合には高圧燃料ガスを供給できなくなることがある。例えば、極低温流体を昇圧する高圧ポンプでは、予想外にキャビテーションが発生して、ポンプ性能が低下してしまうことがある。このような場合、ガス運転を継続することができなくなるため、ガスのみ又はガスと油の両方を燃料とする運転(以下、単に「ガス運転」という)から油のみを燃料とする運転(以下、単に「油運転」という)に切り換えられる。しかし、大気汚染物質放出規制海域(ECA)における規制を満たすために、本船がガス運転を行う必要がある場合には、高圧ポンプ又は高圧コンプレッサにトラブルが生じた場合にも、油運転に切り換わることなくガス運転を継続する船舶が望まれる。
そこで、本発明は、二元燃料ディーゼルエンジンを搭載した船舶であって、昇圧装置にトラブルがあった場合にもガス運転を継続することができる船舶を提供することを目的とする。
昇圧装置として高圧ポンプを用いた船舶において、前記課題を解決するには、メインの高圧ポンプと並列に予備の高圧ポンプを備えておくことが考えられる。一般的に、極低温の液化ガスをディーゼルエンジンの噴射圧まで昇圧する高圧ポンプとしては、ピストンポンプ等のレシプロポンプが用いられている。しかしながら、このようなレシプロポンプは即時に起動することができず、使用前に十分な冷却が必要となる。なぜなら、レシプロポンプが冷却されていない状態で、そのシリンダに極低温の液化ガスを供給すると、液化ガスがシリンダ内で気化して、シリンダ内が気化したガスで充填されてしまう。このため、ピストンの往復によってシリンダ内のガスの圧縮と膨張が繰り返されるだけになり、所望の圧力まで液化ガスを昇圧するという高圧ポンプの役割が果たせなくなることが懸念される。請求項1に係る発明は、このような観点からなされたものである。
すなわち、本発明の一つの側面からの船舶は、液化ガスを貯留する貯留器と、前記液化ガスを気化させる気化器と、前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、前記貯留器から前記気化器に液化ガスを導く第1配管と、前記第1配管に設けられ、前記液化ガスを昇圧する主ポンプと、前記貯留器から前記第1配管における前記主ポンプの下流側部分につながる第2配管と、前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管とを備えることを特徴とする。
上記構成によれば、ガス運転時に通常稼働させる主ポンプと並列に予備ポンプが備えられている。予備ポンプは、十分に予冷をしなければ即時に稼働させることができないが、本発明の船舶では、主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるため、主ポンプによりガス運転が行われている間に予備ポンプを予冷することができる。このため、主ポンプにトラブルが生じた場合に予備ポンプを即時に稼働させることができ、その結果、油運転に切り換わることなく、ガス運転を継続させることができる。
前記排出配管は、前記貯留器に接続され、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記第2配管を介して前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから前記貯留器に流れるように構成されてもよい。この構成によれば、主ポンプの稼働時に、第2配管を介して予備ポンプのシリンダ内に予冷のために供給された液化ガスを貯留器に戻すため、貯留器内の液化ガスの減少を抑えることができる。
上記の船舶は、前記第2配管における前記予備ポンプの上流側部分に設けられた第1開閉弁と、前記排出配管に設けられた第2開閉弁とを更に備え、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁は、前記主ポンプの非稼働時に閉じられ、前記主ポンプの稼働時に開かれてもよい。この構成によれば、主ポンプの非稼働時には、第2配管及び排出配管を液化ガスが流れないため、予備ポンプの冷却を止めることができる。また、第2配管及び排出配管を液化ガスが流れないことにより、排出配管を介した貯留器への入熱を防ぐことができる。
また、昇圧装置として高圧コンプレッサを用いた船舶において、前記課題を解決するには、メインの高圧コンプレッサと並列に予備の高圧コンプレッサを備えておくことが考えられる。しかしながら、高圧コンプレッサは設置スペースを大幅にとってしまい、スペースに限りがある船舶においては、常用しない予備の高圧コンプレッサを搭載することは好ましくない。また、仮に予備の高圧コンプレッサを搭載したとしても、高圧コンプレッサの起動には時間がかかりすぎてしまう。このため、メインの高圧コンプレッサにトラブルが生じた場合に予備の高圧コンプレッサの起動を開始したとしても、予備の高圧コンプレッサが稼働するまでにエンジンへの供給ガス圧が下がってしまい、エンジンはガス運転から油運転に切り換わってしまう。請求項4に係る発明は、このような観点からなされたものである。
すなわち、本発明の別の側面からの船舶は、液化ガスを貯留する貯留器と、前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、前記貯留器から前記二元燃料ディーゼルエンジンにつながる第1配管と、前記第1配管に設けられた、前記液化ガスが蒸発した蒸発ガスを昇圧する高圧コンプレッサと、前記貯留器から前記第1配管における前記高圧コンプレッサの下流側部分につながる第2配管と、前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、前記第2配管における前記予備ポンプの下流側部分に設けられた、前記予備ポンプで昇圧された液化ガスを気化させる気化器と、を備えることを特徴とする。
上記構成によれば、ガス運転時に通常稼働させる高圧コンプレッサと並列に予備ポンプが備えられている。高圧ポンプは、高圧コンプレッサに比べてサイズが小さいため、船上の設置スペースを確保しやすく、また、高圧ポンプは、高圧コンプレッサよりも燃料を所望の圧力まで短時間で昇圧させることができる。
上記の船舶は、前記高圧コンプレッサの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管を更に備えてもよい。予備ポンプは、十分に予冷をしなければ即時に稼働させることができないが、この構成によれば、高圧コンプレッサの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるため、高圧コンプレッサによりガス運転が行われている間に予備ポンプを予冷することができる。このため、高圧コンプレッサにトラブルが生じた場合に予備ポンプを即時に稼働させることができ、その結果、油運転に切り換わることなく、ガス運転を継続させることができる。
前記排出配管は、前記貯留器に接続され、前記シリンダから前記貯留器に向かうにつれて上方に傾斜するように配置されてもよい。この構成によれば、前記シリンダから貯留器に液化ガスを流すための機器を使用することなく、自然対流により、前記シリンダから前記貯留器に液化ガスを流すことができる。
前記排出配管は、前記第2配管を介して前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが、前記第2配管における前記予備ポンプの上流側部分に設けられた排出用ポンプにより、前記シリンダから排出されるように構成されてもよい。この構成によれば、前記貯留器、前記第2配管における前記予備ポンプの上流側部分、前記シリンダ、及び前記排出配管の形状や配置に依存せず、排出用ポンプにより確実に前記シリンダから前記貯留器に液化ガスを流すことができる。
上記の船舶は、前記液化ガスが気化したガスを消費する機器と、前記貯留器と前記機器とを接続する低圧燃料供給配管と、前記低圧燃料供給配管に設けられた、前記気化器とは別の気化器と、を更に備え、前記排出配管は、前記別の気化器の上流側で前記低圧燃料供給配管に接続され、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから前記低圧燃料供給配管に排出されるように構成されてもよい。この構成によれば、予備ポンプのシリンダの冷却時に、シリンダから貯留器へと温められたLNG又はガスが戻されることがないため、シリンダ内の冷却による貯留器への入熱を防ぐことができる。
例えば、前記貯留器は、サクションドラムであってもよい。この構成によれば、排出配管が貯留器に接続されており、予備ポンプで温まった液化ガスが排出配管を流れたとしても、サクションドラムに熱が侵入するのみであるので、サクションドラムに液化ガスを供給する輸送タンク又は燃料専用タンクへの入熱を防ぐことができる。
本発明によれば、二元燃料ディーゼルエンジンを搭載した船舶において、昇圧装置にトラブルがあった場合にもガス運転を継続することができる。
本発明の第1実施形態に係る船舶の一部を示す概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係る船舶の一部を示す概略構成図である。 本発明の第3実施形態に係る船舶の一部を示す概略構成図である。 図3に示す船舶の変形例を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る船舶の一部を示す概略構成図である。 本発明の第5実施形態に係る船舶の一部を示す概略構成図である。
以下、本発明の実施形態について図を参照しながら説明する。以下では、全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同じ符号を付して、重複する説明は省略する。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、図1を参照しながら説明する。図1には、第1実施形態に係る船舶1Aが示されている。この実施形態において、船舶1AはLNG運搬船である。この実施形態に係る船舶1Aは、プロペラ14を駆動する推進用主機としてガス焚きディーゼルエンジン13(以下、単に「エンジン13」という)を搭載している。また、この実施形態に係る船舶1Aは、エンジン13に燃料としての高圧ガスを供給するためのガス供給システム10Aを備える。
この実施形態に係るエンジン13は、油とガスの噴射を電子制御することができる電子制御式ガスインジェクション(ME−GI)方式の二元燃料エンジンであって、2サイクル低速ディーゼルエンジンである。エンジン13は、電子制御により油のみを燃料として使用する運転(以下、「油運転」という)と、ガスのみ又は油とガスの両方を燃料として使用する運転(以下、「ガス運転」という)とを切り換えることができる。エンジン13は、油も燃料として使用できるため、船舶1Aは、ガス供給システム10Aに加え、エンジン13に燃料油を供給するための油供給システム16も備えているが、以下ではガス供給システム10Aについて説明し、油供給システム16については説明を省略する。
ガス供給システム10Aは、LNGを貯留する貯留器11と、LNGを気化させる気化器12と、貯留器11から気化器12にLNGを導く第1配管31と、第1配管31に設けられ、LNGを昇圧する主ポンプ20を備える。また、ガス供給システム10Aは、貯留器11から第1配管31における主ポンプ20の下流側部分31bにつながる第2配管33と、第2配管33に設けられた予備ポンプ50を更に備える。さらに、ガス供給システム10Aは、気化器12からエンジン13に気化器12で気化したガスを導く第3配管35を更に備える。
貯留器11は、例えば、船舶1Aの船長方向に配列された大型の輸送タンクの少なくとも1つである。輸送タンクと主ポンプ20との間にサクションドラムが設けられている場合には、貯留器11は、サクションドラムである。貯留器11は、LNGを大気圧下の約−162℃の液体状態で保持できるように、極低温状態を保持可能な防熱性能を有する。
気化器12は、例えば、蛇行したチューブがシェル内に配置された熱交換器であり、チューブの両端が第1配管31及び第3配管35に接続される。シェルは、図略の循環ラインに接続されており、シェル及び循環ラインを通じて、例えばグリコールなどの熱媒体が循環させられる。気化器12は、電気ヒーターであってもよい。
主ポンプ20及び予備ポンプ50は、気化器12で気化されたガスがエンジン13の噴射圧となるようにLNGを昇圧するレシプロポンプである。主ポンプ20は、エンジン13のガス運転時に稼働させて、気化器12に昇圧したLNGを供給する。予備ポンプ50は、例えば主ポンプ20にトラブルが生じて高圧燃料ガスを供給できなくなった場合など、主ポンプ20の非稼働時に稼働させて、エンジン2のガス運転を行うためのポンプである。主ポンプ20及び予備ポンプ50は、常温の環境下に配置されている。
主ポンプ20は、複数のシリンダ22と、それらに収容された複数のピストン21とを有する。主ポンプ20は、各シリンダ22内に、シリンダ22の内壁とピストン21の端面により形成された1つの液体室23を有する。液体室23は、シリンダ22内をピストン21が往復することによって容積が変化するように構成される。同様に、予備ポンプ50は、複数のシリンダ52と、それらに収容された複数のピストン51とを有する。予備ポンプ50は、各シリンダ52内に、シリンダ52の内壁とピストン51の端面により形成された1つの液体室53を有する。液体室53は、シリンダ52内をピストン51が往復することによって容積が変化するように構成される。図1及びそれ以降の図面において、図面を簡略化するために、複数のシリンダのうちの1つのみが図示され、他は省略されている。また、図1では主ポンプ20が予備ポンプ50の上方に描かれているが、主ポンプ20と予備ポンプ50は実際には横並びである。
第1配管31における主ポンプ20の上流側部分31aには、第1開閉弁41が設けられている。主ポンプ20には、LNGが主ポンプ20から貯留器11に逆流しないように逆止弁(図示せず)が設けられている。同様に、第2配管33における予備ポンプ50の上流側部分33aには、第1開閉弁44が設けられている。予備ポンプ50には、LNGが予備ポンプ50から貯留器11に逆流しないように逆止弁(図示せず)が設けられている。
主ポンプ20は、第1配管31における主ポンプ20の上流側部分31aから導かれたLNGを主ポンプ20のシリンダ22内に供給する供給口23aを有する。また、主ポンプ20は、主ポンプ20の稼働時に、主ポンプ20のシリンダ22からLNGを第1配管31における主ポンプ20の下流側部分31bに吐出する吐出口23cを有する。吐出口23cには、吐出口23cからシリンダ22内にLNGが逆流しないように逆止弁(図示せず)が設けられている。また、主ポンプ20は、シリンダ22内のLNGを排出する排出口23bを有する。
予備ポンプ50は、第2配管33における予備ポンプ50の上流側部分33aから導かれたLNGを予備ポンプ50のシリンダ52内に供給する供給口53aを有する。また、予備ポンプ50は、予備ポンプ50の稼働時に、予備ポンプ50のシリンダ52からLNGを第2配管33における予備ポンプ50の下流側部分33bに吐出する吐出口53cを有する。吐出口53cには、吐出口53cからシリンダ52内にLNGが逆流しないように逆止弁(図示せず)が設けられている。また、予備ポンプ50は、シリンダ52内のLNGを排出する排出口53bを有する。
ガス供給システム10Aは、貯留器11と主ポンプ20の排出口23bとを接続する第1排出配管32と、貯留器11と予備ポンプ50の排出口53bとを接続する第2排出配管(本発明の排出配管に相当)34とを更に備える。
第1配管31における主ポンプ20の上流側部分31a及び第1排出配管32は、主ポンプ20の非稼働時に、自然対流により、貯留器11からLNGが第1配管31における主ポンプ20の上流側部分31aを介してシリンダ22内に供給され、シリンダ22内に供給されたLNGが、排出口23bから貯留器11に流れるように構成されている。例えば、第1排出配管32は、主ポンプ20のシリンダ22の上部に位置する排出口23bから貯留器11に向かうにつれて上方に傾斜するように配置される。排出口23bは、供給口23aよりも上方に位置する。第1配管31における主ポンプ20の上流側部分31aの配置は、限定されるものではないが、貯留器11の下方に敷設されていることが望ましい。
同様に、第2配管33における予備ポンプ50の上流側部分33a及び第2排出配管34は、予備ポンプ50の非稼働時に、自然対流により、貯留器11からLNGが第2配管33における予備ポンプ50の上流側部分33aを介してシリンダ52内に供給され、シリンダ52内に供給されたLNGが、排出口53bから貯留器11に流れるように構成されている。例えば、第2排出配管34は、予備ポンプ50のシリンダ52の上部に位置する排出口53bから貯留器11に向かうにつれて上方に傾斜するように配置される。排出口53bは、供給口53aよりも上方に位置する。第2配管33における予備ポンプ50の上流側部分33aの配置は、限定されるものではないが、貯留器11の下方に敷設されていることが望ましい。
第1排出配管32には、第2開閉弁42が設けられており、第2排出配管34には、第2開閉弁45が設けられている。また、第1配管31における主ポンプ20の下流側部分31bであって、第1配管31と第2配管33との合流点より上流側部分には、第3開閉弁43が設けられており、第2配管33における予備ポンプ50の下流側部分33bには、第3開閉弁46が設けられている。上記の第1開閉弁41,44、第2開閉弁42,45、及び第3開閉弁43,46は、制御装置15によって開閉制御される。図1及びそれ以降の図面において、図面を簡略化するために、制御装置15により制御される各構成要素と制御装置15との間の制御線は一本のみが図示され、他は省略されている。
主ポンプ20は稼働させる前に、主ポンプ20のシリンダ22内を十分に冷却する必要がある。このため、主ポンプ20を稼働する直前であって主ポンプ20のシリンダ22内を冷却する際に、制御装置15により、第1開閉弁41及び第2開閉弁42が開かれ、第3開閉弁43は閉じられる。また、主ポンプ20の稼働時には、シリンダ22から気化器12にLNGを供給するために、制御装置15により、第1開閉弁41及び第3開閉弁43が開かれる。また、主ポンプ20の稼働時に、第2開閉弁42は、主ポンプ20の稼働中にシリンダ22内でLNGが気化したガスを貯留器11に戻すために開かれている。
予備ポンプ50は稼働させる前に、予備ポンプ50のシリンダ52内を十分に冷却する必要がある。このため、主ポンプ20の稼働中であって予備ポンプ50のシリンダ52内を冷却する際に、制御装置15により、第1開閉弁44及び第2開閉弁45が開かれ、第3開閉弁46は閉じられる。また、予備ポンプ50の稼働時には、シリンダ52から気化器12にLNGを供給するために、制御装置15により、第1開閉弁44及び第3開閉弁46が開かれる。また、予備ポンプ50の稼働時に、第2開閉弁45は、予備ポンプ50の稼働中にシリンダ52内でLNGが気化したガスを貯留器11に戻すために開かれている。
予備ポンプ50は、主ポンプ20にトラブルが生じた場合に即時に起動することができるように、少なくとも主ポンプ20の稼働時に、連続的に又は間欠的に、予備ポンプ50のシリンダ52内が予冷される。例えば、主ポンプ20の稼働開始時に、制御装置15により、第1開閉弁44と第2開閉弁45は開かれ、第3開閉弁46は閉じられる。このため、貯留器11のLNGは、第2配管33における予備ポンプ50の上流側部分33aを通って、供給口53aからシリンダ52内に供給される。予備ポンプ50では極低温状態を保持できないため、シリンダ52内に供給されたLNGの温度は上昇し、温まったLNGが、シリンダ52の上部に位置する排出口53bから第2排出配管34に入って貯留器11へと移動する。なお、予冷初期は、気化したガスのみ又はガスとLNGの混合体が、排出口53bから第2排出配管34に入って貯留器11へと排出されることもある。こうして、主ポンプ20の稼働中、貯留器11のLNGが第2配管33の上流側部分33a、シリンダ52、第2排出配管34の順に循環するため、シリンダ52内を冷却することができ、予備ポンプ50を即時に起動可能な状態にすることができる。
主ポンプ20にトラブルが生じた場合、すなわち、主ポンプ20が稼働しなくなった場合に、制御装置15により、第3開閉弁46は開かれ、予備ポンプ50は起動される。そして、上述の主ポンプ20と同様の動作により、シリンダ52内に流入されたLNGは吐出口53cから吐出されて、昇圧されたLNGが、第2配管33の下流側部分33bを介して気化器12に流入され、気化器12に流入されたLNGは、気化器12で気化されて、エンジン13へと供給される。
以上説明したように、この実施形態に係る船舶1Aでは、ガス運転時に通常稼働させる主ポンプ20と並列に、予備ポンプ50が備えられている。一般的に、予備の機器は、常用される機器にトラブルがあった場合に運航に支障がないように、稼働させずに設置するものである。このため、船舶において主ポンプとは別に予備ポンプを備えていたとしても、主ポンプにトラブルがない状態で稼働準備のために予備のポンプに液化ガスを循環させることはトラブルが常態的に起こることを想定する行為であることから通常は行わない。しかしながら、この実施形態に係る船舶1Aでは、主ポンプ20の稼働時に、第1開閉弁44及び第2開閉弁45を開いて、貯留器11のLNGを第2配管33の上流側部分33a、シリンダ52、第2排出配管34の順に循環させるため、主ポンプ20によりガス運転が行われている間に予備ポンプ50を予冷することができる。このため、主ポンプ20にトラブルが生じた場合に予備ポンプ50を即時に稼働させることができ、その結果、油運転に切り換わることなく、ガス運転を継続させることができる。
また、この実施形態に係る船舶1Aにおいて、主ポンプ20の稼働時に、貯留器11に接続された第2排出配管34を介して、シリンダ内に供給されたLNGを貯留器11に戻すため、予備ポンプ50の予冷に起因する貯留器11内のLNGの減少を抑えることができる。
さらに、この実施形態に係る船舶1Aにおいて、主ポンプ20の非稼働時に、第1開閉弁44及び第2開閉弁45を閉じれば、第2配管33及び第2排出配管34をLNGが流れないため、予備ポンプ50の冷却を止めることができる。また、第2配管33及び第2排出配管34をLNGが流れないことにより、主ポンプ20の非稼働時における第2排出配管34を介した貯留器11への入熱を防ぐことができる。
上記実施形態では、主ポンプ20の稼働時であって、予備ポンプ50の非稼働時に、予備ポンプ50のシリンダ52内を冷却しているが、貯留器11からシリンダ52内に供給されたLNGがシリンダ52から貯留器11に排出されるように、主ポンプ20の稼働時に、予備ポンプ50を最低回転数で稼働させてもよい。
<第2実施形態>
次に、図2を参照して、本発明の第2実施形態に係る船舶1Bについて説明する。この実施形態に係る船舶1Bのガス供給システム10Bでは、第1実施形態の構成に加えて、第1配管31における主ポンプ20の上流側部分31aに第1排出用ポンプ61が設けられており、第2配管33における予備ポンプ50の上流側部分33aに第2排出用ポンプ62が設けられている。第1排出用ポンプ61は、第1開閉弁41の上流側でも下流側でもよく、第2排出用ポンプ62は、第1開閉弁44の上流側でも下流側でもよい。また、第2実施形態においては、第1実施形態と異なり、第2配管33における予備ポンプ50の上流側部分33a及び第2排出配管34は、自然対流によりLNGが貯留器11に流れるように構成されている必要はない。このため、図2では、排出口53bから貯留器11に向かうにつれて上方に傾斜するようには示されていないが、第2実施形態の第2排出配管34も第1実施形態と同様の構成であってもよい。また、第1排出用ポンプ61及び第2排出用ポンプ62は、貯留器11の内でも外でもよい。
この実施形態では、主ポンプ20を稼働する直前であって主ポンプ20のシリンダ22内を冷却する際に、第1排出用ポンプ61の稼働を開始し、主ポンプ20の稼働開始時に、第2排出用ポンプ62の稼働を開始され、それ以外は第1実施形態と同様の制御がなされる。この実施形態は、第1実施形態と異なり、強制的に、第2排出用ポンプ62により、貯留器11のLNGを第2配管33の上流側部分33a、シリンダ52、第2排出配管34の順に循環させる。
この実施形態でも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、この実施形態によれば、貯留器11、第2配管33における予備ポンプ50の上流側部分33a、シリンダ52、第2排出配管34、供給口53a、及び排出口53bの形状や配置に依存せず、第2排出用ポンプ62によりシリンダ52から貯留器11にLNGを流すことができる。
この実施形態では、第1配管31に第1排出用ポンプ61が設けられ、第2配管33に第2排出用ポンプ62が設けられていたが、変形例として、第1配管31と第2配管33とが上流側に共通する部分を有しており、その共通部分に共通の排出用ポンプが設けられた構成であってもよい。この場合、主ポンプ20を稼働する直前であって主ポンプ20のシリンダ22内を冷却する際に、この共通の排出用ポンプの稼働を開始されて、主ポンプ20と予備ポンプ50とが同時に冷却され始める。この変形例でも、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。
<第3実施形態>
次に、図3を参照して、本発明の第3実施形態に係る船舶1Cについて説明する。この実施形態に係る船舶1Cは、第1実施形態の構成に加え、ガスを消費するガス消費器73と、貯留器11とガス消費器73とを接続する低圧燃料供給配管80を備える。低圧燃料供給配管80には、貯留器11からガス消費器73にLNGを供給する低圧ポンプ71と、LNGを加熱して気化させる低圧ガス用気化器72とが、上流側からこの順に設けられている。低圧燃料供給配管80は、貯留器11と低圧ポンプ71との間の部分である上流側部分81と、低圧ポンプ71と低圧ガス用気化器72との間の部分である中間部分82と、低圧ガス用気化器72とガス消費器73との間の部分である下流側部分83を含む。ガス消費器73は、例えば、発電用ガスエンジンやボイラである。
また、この実施形態に係る船舶1Cは、第1実施形態に係る第2排出配管34及び第2開閉弁45の代わりに、低圧燃料供給配管80の上流側部分81と予備ポンプ50のシリンダ52とを接続する第2排出配管91と、第2排出配管91に設けられた第2開閉弁92を備える。ただし、この実施形態や後述する第4実施形態に係る船舶においても、第1実施形態に係る第2排出配管34及び第2開閉弁45が別途備えられていてもよい。
この実施形態では、主ポンプ20の稼働時に、制御装置15により、第2排出配管91に設けられた第2開閉弁92が開かれ、それ以外は第1実施形態と同様の制御がなされる。主ポンプ20の稼働時に、稼働中の低圧ポンプ71によって、貯留器11のLNGが、第2配管33の上流側部分33a、シリンダ52及び第2排出配管91を通って、低圧ポンプ71に供給され、その後、低圧燃料供給配管80の中間部分82を通って低圧ガス用気化器72に流入する。低圧ガス用気化器72で気化されたガスは、ガス消費器73で消費される。
この実施形態では、主ポンプ20にトラブルが生じた場合、すなわち、主ポンプ20が稼働しなくなった場合に、制御装置15により、第2排出配管91に設けられた第2開閉弁92は閉じられ、第2配管33における予備ポンプ50の下流側部分33bに設けられた第3開閉弁46は開かれ、予備ポンプ50は稼働を開始する。その後、第1実施形態と同様の過程を経て、高圧ガスがエンジン13に供給される。一方、予備ポンプ50の稼働時には、低圧ポンプ71には低圧燃料供給配管80の上流側部分81を介して貯留器11からLNGが供給される。
この実施形態でも、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。また、この実施形態によれば、ガス消費器73で消費されることになるLNGを合理的に予冷することができる。予備ポンプ50のシリンダ52の冷却時に、シリンダ52から貯留器11へと温められたLNG又はガスが戻されることがないため、シリンダ52内の冷却による貯留器11への入熱がない。
なお、第2排出配管91は必ずしも低圧燃料供給配管80の上流側部分81に接続されている必要はない。例えば、図4に示すように、第2排出配管91は、低圧燃料供給配管80の中間部分82に接続されていてもよく、この場合、主ポンプ20の稼働時に、予備ポンプ50を最低回転数で稼働させる。この場合でも、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
<第4実施形態>
次に、図5を参照して、本発明の第4実施形態に係る船舶1Eについて説明する。この実施形態に係る船舶1Eは、第3実施形態の構成に加え、低圧燃料供給配管80の中間部分82から予備ポンプ50のシリンダ52内にLNGを導く導入配管93と、導入配管93に設けられた開閉弁94を備える。
この実施形態では、主ポンプ20の稼働開始時に、制御装置15により、第2配管33における予備ポンプ50の上流側部分33aに設けられた第1開閉弁44を開く代わりに、導入配管93に設けられた開閉弁94が開かれ、それ以外は第3実施形態と同様の制御がなされる。主ポンプ20の稼働時に、稼働中の低圧ポンプ71によって、貯留器11のLNGは、低圧燃料供給配管80の上流側部分81を介して低圧ポンプ71に供給され、その後、低圧燃料供給配管80の中間部分82を通って低圧ガス用気化器72に流入する。また、低圧ポンプ71から吐出されたLNGの一部は、導入配管93、シリンダ52、第2排出配管91の順に循環して、低圧燃料供給配管80の上流側部分81に戻る。
この実施形態では、主ポンプ20にトラブルが生じた場合、すなわち、主ポンプ20が稼働しなくなった場合に、制御装置15により、第2排出配管91に設けられた第2開閉弁92及び導入配管93に設けられた開閉弁94は閉じられ、第2配管33における予備ポンプ50の下流側部分33bに設けられた第3開閉弁46は開かれ、予備ポンプ50は稼働を開始する。その後、第1実施形態と同様の過程を経て、高圧ガスがエンジン13に供給される。一方、予備ポンプ50の稼働時には、低圧ポンプ71には低圧燃料供給配管80の上流側部分81を介して貯留器11からLNGが供給される。
この実施形態でも、第3実施形態と同様の効果を得ることができる。
<第5実施形態>
次に、図6を参照して、本発明の第5実施形態に係る船舶1Fについて説明する。この実施形態に係る船舶1Fは、第1実施形態に係る船舶1Aがメインの昇圧装置として高圧ポンプである主ポンプ20を用いているのに対して、メインの昇圧装置として高圧コンプレッサ100を用いている点で大きく異なる。
この実施形態に係るガス供給システム10Fは、LNGを貯留する貯留器11と、貯留器11からエンジン13につながる第1配管102と、第1配管102に設けられた、LNGが蒸発した蒸発ガスを昇圧する高圧コンプレッサ100を備える。また、ガス供給システム10Fは、貯留器11から第1配管102における高圧コンプレッサ100の下流側部分102dにつながる第2配管33を備え、第1実施形態に係るガス供給システム10Aと同様に、第2配管33に設けられた予備ポンプ50と、第2配管33における予備ポンプ50の下流側部分に設けられた気化器12とを更に備える。
また、この実施形態では、第1配管102が、下流側から上流側に向かって1本の流路が2本の流路に分かれている。より詳しくは、第1配管102は、貯留器11内のボイルオフガスを抜き出すための第1分岐路102aと、貯留器11内の液化ガスを抜き出すための、低圧ポンプ106及び気化器108が上流側からこの順に設けられた第2分岐路102bと、第1及び第2分岐路102a,102bが合流する共通路102cを有する。すなわち、第1配管102は、貯留器11内で気化したガス及び気化器108で強制的に気化されたガスを高圧コンプレッサ100に導き、高圧コンプレッサ100で昇圧されたガスをエンジン13に導く。図示は省略するが、第1及び第2分岐路102a,102bには、それぞれ流量制御弁が設けられており、貯留器11内でのボイルオフガスの発生量によってそれらの流量制御弁の開度が調整される。なお、第1配管102は、第1分岐路102a及び第2分岐路102bのどちらか一方のみを有していてもよい。
予備ポンプ50は、高圧コンプレッサ100にトラブルが生じた場合に即時に起動することができるように、高圧コンプレッサ100の稼働時に、第1実施形態と同様の動作により、予備ポンプ50のシリンダ52が予冷されている。そして、高圧コンプレッサ100にトラブルが生じた場合、すなわち、高圧コンプレッサ100が稼働しなくなった場合に、第1実施形態と同様、制御装置15により、第2配管33における予備ポンプ50の下流側部分33bに設けられた第3開閉弁46は開かれ、予備ポンプ50は起動される。予備ポンプ50で昇圧されたLNGが、第2配管33の気化器12に流入され、気化器12に流入されたLNGは、気化器12で気化されて、エンジン13へと供給される。
一般的に、予備の機器としては、常用される機器と同じ構成の機器を設けるため、メインの昇圧装置として高圧コンプレッサを備えた船舶に予備の昇圧装置を備える場合には、予備の高圧コンプレッサを備えることを考えるのが通常である。しかしながら、この実施形態に係る船舶1Fでは、ガス運転時に通常稼働させる高圧コンプレッサ100と並列に、予備ポンプ50が備えられており、高圧ポンプが高圧コンプレッサに比べてサイズが小さいため、船上における予備の昇圧装置の設置スペースを確保しやすい。また、高圧ポンプは、高圧コンプレッサよりも燃料を所望の圧力まで短時間で昇圧させることができるため、メインの昇圧装置である高圧コンプレッサ100にトラブルがあった時に、即時に予備ポンプ50で高圧ガスを供給することができ、ガス運転を継続することができる。また、予備ポンプ50は、十分に予冷をしなければ即時に稼働させることができないが、この実施形態に係る船舶1Fは、第1実施形態に係る船舶1Aと同様、高圧コンプレッサ100によりガス運転が行われている間に予備ポンプ50を予冷することができる。このため、高圧コンプレッサ100にトラブルが生じた場合に予備ポンプ50を即時に稼働させることができ、その結果、油運転に切り換わることなく、ガス運転を継続させることができる。
上記の第2〜4実施形態においても、第5実施形態と同様、主ポンプ20の代わりに、メインの昇圧装置として高圧コンプレッサ100を用いてもよい。この場合にも、第2〜4実施形態と同様の効果を得ることができる。
<その他の実施形態>
上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。例えば各開閉弁の開閉のタイミングなどは、上記実施形態で説明されたものに限られない。
上記実施形態では、主ポンプ及び予備ポンプは、複数のピストン及び複数のシリンダを有していたが、これに限定されず、1つのピストン及び1つのシリンダを有するものであってもよい。また、上記実施形態では、主ポンプと予備ポンプが同様の構成を有するものとして説明されたが、これに限られず、異なる構成であってもよい。上記実施形態に係る船舶は、LNG運搬船に限定されず、LNG燃料船などその他の用途の船舶であってもよいし、貯留器は、輸送タンクではなく燃料専用タンクであってもよい。また、上記実施形態において、液化ガスは、LNGに限定されず、LPGやLHであってもよい。また、上記実施形態において、ディーゼルエンジンは、2サイクルエンジンに限定されず、4サイクルエンジンであってもよく、また、推進用主機以外のエンジンであってもよく、例えば発電用エンジンであってもよい。
本発明は、液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンを搭載した船舶に適用することができる。
1A〜1F 船舶
10A〜10F ガス供給システム
11 貯留器
12,72 気化器
13 エンジン
15 制御装置
16 油供給システム
20 主ポンプ
21,51 ピストン
22,52 シリンダ
31,102 第1配管
32 第1排出配管
33 第2配管
34,91 第2排出配管
41,44 第1開閉弁
42,45 第2開閉弁
50 予備ポンプ
61 第1排出用ポンプ
62 第2排出用ポンプ
73 ガス消費器
80 低圧燃料供給配管
100 高圧コンプレッサ

Claims (9)

  1. 液化ガスを貯留する貯留器と、
    前記液化ガスを気化させる気化器と、
    前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、
    前記貯留器から前記気化器に液化ガスを導く第1配管と、
    前記第1配管に設けられ、前記液化ガスを昇圧する主ポンプと、
    前記貯留器から前記第1配管における前記主ポンプの下流側部分につながる第2配管と、
    前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、
    前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管と、を備える、船舶。
  2. 前記排出配管は、前記貯留器に接続され、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記第2配管を介して前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから前記貯留器に流れるように構成される、請求項1に記載の船舶。
  3. 前記第2配管における前記予備ポンプの上流側部分に設けられた第1開閉弁と、前記排出配管に設けられた第2開閉弁とを更に備え、
    前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁は、前記主ポンプの非稼働時に閉じられ、前記主ポンプの稼働時に開かれる、請求項1又は2に記載の船舶。
  4. 液化ガスを貯留する貯留器と、
    前記液化ガスが気化したガス及び油を燃料として使用する二元燃料ディーゼルエンジンと、
    前記貯留器から前記二元燃料ディーゼルエンジンにつながる第1配管と、
    前記第1配管に設けられた、前記液化ガスが蒸発した蒸発ガスを昇圧する高圧コンプレッサと、
    前記貯留器から前記第1配管における前記高圧コンプレッサの下流側部分につながる第2配管と、
    前記第2配管に設けられた、シリンダ及び前記シリンダ内を往復するピストンを含むレシプロポンプである予備ポンプと、
    前記第2配管における前記予備ポンプの下流側部分に設けられた、前記予備ポンプで昇圧された液化ガスを気化させる気化器と、を備える、船舶。
  5. 前記高圧コンプレッサの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから排出されるように構成された排出配管を更に備える、請求項4に記載の船舶。
  6. 前記排出配管は、前記貯留器に接続され、前記シリンダから前記貯留器に向かうにつれて上方に傾斜するように配置される、請求項2又は5に記載の船舶。
  7. 前記排出配管は、前記第2配管を介して前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが、前記第2配管における前記予備ポンプの上流側部分に設けられた排出用ポンプにより、前記シリンダから排出されるように構成される、請求項1〜3、5、及び6のいずれか一項に記載の船舶。
  8. 前記液化ガスが気化したガスを消費する機器と、
    前記貯留器と前記機器とを接続する低圧燃料供給配管と、
    前記低圧燃料供給配管に設けられた、前記気化器とは別の気化器と、を更に備え、
    前記排出配管は、前記別の気化器の上流側で前記低圧燃料供給配管に接続され、前記主ポンプの稼働時に、前記貯留器から前記シリンダ内に供給された液化ガスが前記シリンダから前記低圧燃料供給配管に排出されるように構成される、請求項1又は5に記載の船舶。
  9. 前記貯留器は、サクションドラムである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の船舶。
JP2014201615A 2014-09-30 2014-09-30 船舶 Active JP6461541B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014201615A JP6461541B2 (ja) 2014-09-30 2014-09-30 船舶

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014201615A JP6461541B2 (ja) 2014-09-30 2014-09-30 船舶

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016068846A true JP2016068846A (ja) 2016-05-09
JP6461541B2 JP6461541B2 (ja) 2019-01-30

Family

ID=55863796

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014201615A Active JP6461541B2 (ja) 2014-09-30 2014-09-30 船舶

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6461541B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018056768A1 (ko) * 2016-09-23 2018-03-29 대우조선해양 주식회사 Lng 재기화 시스템

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005504927A (ja) * 2001-10-05 2005-02-17 ウエストポート リサーチ インコーポレイテッド 貯蔵タンクから低温流体を供給するための高圧ポンプ・システム
JP2011520081A (ja) * 2008-05-08 2011-07-14 ハムワージー・ガス・システムズ・エイ・エス ガスエンジン用ガス供給システム
JP2014104847A (ja) * 2012-11-27 2014-06-09 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 低温液化燃料の冷熱利用装置
WO2014092368A1 (ko) * 2012-12-11 2014-06-19 대우조선해양 주식회사 선박의 액화가스 처리 시스템
JP2014172661A (ja) * 2013-03-06 2014-09-22 Hyundai Heavy Industries Co Ltd Lng燃料供給システム

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005504927A (ja) * 2001-10-05 2005-02-17 ウエストポート リサーチ インコーポレイテッド 貯蔵タンクから低温流体を供給するための高圧ポンプ・システム
JP2011520081A (ja) * 2008-05-08 2011-07-14 ハムワージー・ガス・システムズ・エイ・エス ガスエンジン用ガス供給システム
JP2014104847A (ja) * 2012-11-27 2014-06-09 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 低温液化燃料の冷熱利用装置
WO2014092368A1 (ko) * 2012-12-11 2014-06-19 대우조선해양 주식회사 선박의 액화가스 처리 시스템
JP2014172661A (ja) * 2013-03-06 2014-09-22 Hyundai Heavy Industries Co Ltd Lng燃料供給システム

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018056768A1 (ko) * 2016-09-23 2018-03-29 대우조선해양 주식회사 Lng 재기화 시스템

Also Published As

Publication number Publication date
JP6461541B2 (ja) 2019-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6800967B2 (ja) ガス処理システム及びこれを含む船舶
JP6609176B2 (ja) 船舶
JP6527249B2 (ja) ガス処理システムを含む船舶
JP6389404B2 (ja) ガス供給システム及びそれを備える船舶
CN104214507A (zh) 液化气处理系统
EP3412555A1 (en) Ship including gas re-vaporizing system
JP2016049881A (ja) 船舶
KR20100061368A (ko) 연료 가스 공급 시스템 및 이를 구비한 선박
WO2013032340A1 (en) System and method for boosting bog in a lng fuel system
KR101370065B1 (ko) 연료가스 공급 시스템 및 방법
JP6609865B2 (ja) 浮体
KR102155589B1 (ko) 가스 공급 시스템
KR20170055399A (ko) Lng 운반선
US10823335B2 (en) Ship including gas re-vaporizing system
JP6461541B2 (ja) 船舶
WO2017078154A1 (ja) 船舶
KR20190030324A (ko) 가스 처리 시스템 및 이를 포함하는 선박
JP6457760B2 (ja) 船舶
KR101824421B1 (ko) 연료가스 공급 시스템
JP2020514649A (ja) 燃料ガス供給システム
KR102189743B1 (ko) 선박의 연료가스 공급 시스템 및 방법
KR101909239B1 (ko) 액화가스 처리 시스템
KR102087179B1 (ko) 선박의 증발가스 재액화 장치의 운전 방법
KR101657482B1 (ko) 증발가스의 재액화가 가능한 엘엔지 연료 공급 시스템 및 이를 갖는 선박
JP2018103955A (ja) 船舶

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170830

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180703

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180724

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6461541

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R157 Certificate of patent or utility model (correction)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R157

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250