JP2016068461A - 印刷装置、印刷装置の画像処理装置および印刷装置の画像処理方法 - Google Patents

印刷装置、印刷装置の画像処理装置および印刷装置の画像処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体吐出ヘッドのノズル列を印刷媒体の搬送方向の直交方向に対して斜めに配列させたときに処理の高速化を図る。【解決手段】画素が直交座標系で規定された元画像データに、複数の無効ノズルに対応した無意データを挿入して領域112に書き込む基礎処理部122と、二次元配列で書き込まれたデータを、直交座標の一軸を前記角度に応じて傾斜させた形状の領域にマッピングする傾き処理部124と、マッピングされたデータを読み出し、液体吐出ヘッドに供給する読出部144と、を具備する。【選択図】図8

Description

本発明は、印刷装置、印刷装置の画像処理装置および印刷装置の画像処理方法に関する。
インクなどの液体を吐出して画像や文書を印刷する印刷装置には、圧電素子(例えばピエゾ素子)を用いたものが知られている。圧電素子は、液体吐出ヘッドにおいて複数のノズルのそれぞれに対応して設けられ、それぞれが駆動信号にしたがって駆動されることにより、ノズルから所定のタイミングで所定量のインクを吐出させて、これによりドットが形成される。なお、インクを吐出させるための構成としては、ピエゾ素子のほか、サーマル式などの様々な構成が知られている。
このような印刷装置に適用される技術としては、次のような技術が知られている。例えば、当該印刷元データを抽出し、印刷データに加工処理してPRNファイルとして出力するかを選択可能な構成において、加工処理が正常に終了できなかった場合に、生成されたPRNファイルを削除する技術(例えば特許文献1参照)や、クリーニング中に印刷命令がなされたときの印刷処理と、通常時の印刷処理とを同程度の処理時間で実行する技術(例えば特許文献2参照)、印刷結果に主走査方向のホワイトラインが現われないようにする技術(例えば特許文献3参照)などが知られている。
ところで、印刷装置において、例えば液体吐出ヘッド(ヘッドチップ)のノズル列を印刷媒体の搬送方向の直交方向に対して斜めに配列させた技術が知られている(特許文献1参照)。
特開2008−250435号公報 特開2008−246942号公報 特開2008−250799号公報 特開2002−103597号公報
このようにノズル列を斜めに配列させた構成では、印刷装置の画像処理の負荷が、ノズル列を搬送方向の直交方向に配列させた構成と比較して格段に重いために、種々の問題が想定される。
そこで、本発明のいくつかの態様の目的の一つは、液体吐出ヘッドのノズル列を印刷媒体の搬送方向の直交方向に対して斜めに配列させた場合の問題を解決することにある。
上記目的の一つを達成するために、本発明の一態様に係る液体吐出装置は、複数の有効ノズルおよび複数の無効ノズルを有する印刷ヘッドに対し、印刷媒体を第1方向に相対移動させるとともに、前記第1方向とは非直交の角度で交差する第2方向に配列する前記複数の有効ノズルの各々から、それぞれインクを吐出させる印刷装置であって、メモリに一時的に記憶され、画素が直交座標系で規定された元画像データに、前記複数の無効ノズルに対応した無意データを挿入してバッファに書き込む第1処理部と、前記バッファに二次元配列で書き込まれたデータを、前記直交座標の一軸を前記角度に応じて傾斜させた形状の領域にマッピングする第2処理部と、マッピングされたデータを読み出し、前記印刷ヘッドに供給する第3処理部と、を具備することを特徴とする。
上記一態様に係る印刷装置によれば、有効ノズルに対応した元画像データに、無効ノズルには対応する無意データが挿入されて、バッファに書き込まれる。このため、液体吐出ヘッドのノズル列を印刷媒体の搬送方向の直交方向に対して斜めに配列させた場合において、無効ノズルを考慮したバッファにデータを格納することができる。
なお、無効ノズルとは、インクを吐出しないノズル(相当部位)をいい、具体的には、後述するように物理的に存在するブランクノズルや、物理的に存在しない仮想ブランクノイズルなどが例として挙げられる。また、無意データは、仮に有効ノズルに対応して供給されたとしても、当該有効ノズルからインクを吐出させないデータをいい、インクの非吐出を指定するデータや、ノズル周辺のインクの微振動を指定するデータなどを含む。
上記一態様に係る印刷装置において、前記第1処理部は、前記バッファのうち、所定のクリップ領域以外の領域に、前記無意データをDMA命令でセットする構成としても良い。この構成によれば、元画像データが一時的に記憶されたメモリにアクセスすることなく、クリップ領域以外の領域に無意データがDMA命令でセットされる。したがって、メモリとして高帯域タイプを用いなくても、処理の高速化を図ることができるとともに、消費電力の増大を抑えることができる。
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば印刷装置の画像処理装置や制御方法などで概念することが可能である。
実施形態に係る印刷装置の概略構成を示す図である。 印刷装置における液体吐出モジュールの平面図である。 液体吐出ヘッドにおけるノズルの配列を示す図である。 液体吐出ヘッドにおけるノズルの配列を示す図である。 液体吐出ヘッドの部分断面図である。 液体吐出ヘッドのインク吐出により形成されるドットの説明図である。 印刷装置の電気的な構成等を示すブロック図である。 印刷装置における制御部の構成を示す図でブロック図である。 液体吐出モジュールにおけるノズル種類等の関係を示す図である。 ノズル種類とデータの関係を示す図である。 画像データの記憶領域を説明するための図である。 記憶領域へのNULLデータの流し込みを説明するための図である。 配列変換処理を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、実施形態に係る印刷装置1の部分的な構成を示す図である。
この印刷装置1は、インク(液体)を吐出させることによって、紙などの印刷媒体Pにインクドット群を形成し、これにより、当該画像データに応じた画像(文字、図形等を含む)を印刷する液体吐出装置(インクジェットプリンター)である。
図に示されるように、印刷装置1は、制御ユニット10と搬送機構12と液体吐出モジュール20とを含む。また、この印刷装置1には、複数色のインクを貯留する液体容器(カートリッジ)14が装着される。この例では、ブラック(Bk)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の計4色のインクが液体容器14に貯留される。
制御ユニット10は、後述するように、外部のホストコンピューターから供給された画像を処理したり、印刷装置1の各要素を制御したりする。搬送機構12は、制御ユニット10による制御のもとで印刷媒体PをY方向(第1方向)に搬送する。液体吐出モジュール20は、液体容器14に貯留されたインクを、制御ユニット10による制御のもとで印刷媒体Pに吐出する。実施形態において液体吐出モジュール20は、Y方向に交差(典型的には直交)するX方向に長尺なラインヘッドである。
この印刷装置1では、液体吐出モジュール20が搬送機構12による印刷媒体Pの搬送に同期して当該印刷媒体Pにインクを吐出することで、当該印刷媒体Pの表面に画像を形成させる。
なお、X−Y平面(印刷媒体Pの表面に平行な平面)に垂直な方向を以下においてはZ方向と表記する。Z方向は、典型的には、液体吐出モジュール20によるインクの吐出方向である。
図2は、液体吐出モジュール20を、記録媒体Pからみたときの平面図である。
この図に示されるように、液体吐出モジュール20では、複数個(図では9個)の液体吐出ヘッド30がX方向に沿って配列した構成となっている。液体吐出ヘッド30は、印刷媒体Pの搬送方向であるY方向に対して非直交のW1方向(第2方向)に2列で配列した複数のノズルN等を有する印刷ヘッド(斜めヘッド)である。
図3は、液体吐出ヘッド30におけるノズルNの配列を説明するための図であり、図2とは異なり、記録媒体Pの反対側からインク方向の吐出方向に向かって透視した場合の図である。上述したように、1個の液体吐出ヘッド30は、傾斜した2列の複数のノズルNを有するが、ここではまず、傾斜を考慮しない液体吐出ヘッド30における単体のノズル配列について説明する。
この図に示されるように、液体吐出ヘッド30のノズルNは、ノズル列Na、Nbに区分される。ノズル列Na、Nbでは、それぞれ複数のノズルNが、それぞれW1方向に沿ってピッチP1で配列する。また、ノズル列Na、Nb同士は、W1方向に直交するW2方向にピッチP2だけ離間する。ノズル列Naに属するノズルNとノズル列Nbに属するノズルNとは、W1方向に、ピッチP1の半分だけシフトした関係となっている。
図3においては、以降においてノズルN等を特定するためにノズル番号が示されている。この例では、ノズル列Naについては、W1方向の負側(図において上側)端部に位置するノズルNからノズル番号として順番に1、2、…、25、26が付与される。ノズル列Nbについては、W1方向の負側の端部に位置するノズルNからノズル番号として順番に続番として27、28、…、51、52が付与される。
図3においては、ノズルNから吐出されるインクの色との対応関係についても示されている。この例では、ノズル番号が「1」から「12」までのノズルNはブラック(Bk)に対応し、ノズル番号が「15」から「26」までのノズルNはマゼンタ(M)に対応し、ノズル番号が「27」から「38」までのノズルNはシアン(C)に対応し、ノズル番号が「41」から「52」までのノズルNはイエロー(Y)に対応している。
ノズル番号が「13」、「14」、「39」、「40」のノズルは、ブランク(Blank)ノズルである。このブランクノズルは、物理的に存在するが、インクを吐出することのないノズルであり、例えば、同一ノズル列においてインクの貯留室を区画するためのスペースを確保するために設けられている。
ノズル番号が「1」〜「52」のうち、「13」、「14」、「39」、「40」以外のノズルについては、ブランクノズルと区別する意味で、有効ノズルという場合がある。
なお、液体吐出ヘッド30のノズルNについては、物理的に存在する有効ノズル、ブランクノズルのほかにも、物理的には存在しない、データ上の(単なる)NULLノズル、仮想NULLノズルがある。
図3では、ノズルNの個数を、ブランクノズルを含めて「52」としているが、これはあくまでも例示に過ぎない。
図4は、液体吐出ヘッド30を傾斜して配列させたときに、ノズルN同士の位置関係を示す図であり、図3と同様に、記録媒体Pの反対側からインク方向の吐出方向に向かって透視した場合で示している。このため、図2と図4とは、傾斜方向が逆となっている点に留意されたい。
図4に示されるように液体吐出ヘッド30は、印刷媒体Pの搬送方向であるY方向に対して非直交の角度θで傾斜して配列する。このとき、図の例ではノズル列Naに属するノズルNとノズル列Nbに属するノズルNとは、X方向の位置(座標)が共通する。
例えば図において右端の液体吐出ヘッド30に着目した場合、当該着目した液体吐出ヘッド30におけるノズル列NaのうちW1方向の負側端部に位置する1個のノズルN(ノズル番号が「1」のノズルN)と、ノズル列NbのうちW1方向の負側端部に位置する1個のノズルN(ノズル番号が「27」のノズルN)とは、Y方向に平行な方向に延在する仮想線aを通過するように角度θが設定される。
また、着目した液体吐出ヘッド30に対して、周辺の液体吐出ヘッド30は、次のような位置関係となっている。すなわち、当該着目した液体吐出ヘッド30に対し、図において2個左隣に位置する液体吐出ヘッド30は、ノズル番号が「17」のノズルNと、ノズル番号が「43」のノズルNとは、上記仮想線aを通過する位置関係となっている。
このため、印刷媒体PがY方向に搬送されたときに、ある液体吐出ヘッド30において、ノズル番号が「1」のノズルNから吐出されるブラック(Bk)のインクと、ノズル番号が「27」のノズルNから吐出されるシアン(C)のインクと、当該液体吐出ヘッド30の2個左隣に位置する液体吐出ヘッド30において、ノズル番号が「17」のノズルNから吐出されるマゼンタ(C)のインクと、ノズル番号が「43」のノズルNから吐出されるイエロー(Y)のインクと、を同じ位置に着弾させて、これによってカラーのドットを形成することが可能となっている。
なお、着目した液体吐出ヘッド30に対して、1個左隣に位置する液体吐出ヘッド30のノズル番号が「9」のノズルNと、ノズル番号が「35」のノズルNと、着目した液体吐出ヘッド30に対して、3個左隣に位置する液体吐出ヘッド30のノズル番号が「25」のノズルNと、ノズル番号が「51」のノズルNと、についても、上記仮想線aを通過する位置関係となっている。
このため、仮想線aにおいて、各色のノズルNが2個ずつ重複しているので、例えば上流側に位置するノズルNのみからインクを吐出し、下流側に位置するノズルNからインクの吐出を制限させる処理がなされる。
なお、図4では、仮想線aを通過するノズル番号だけが示されているが、Y方向では、ブランクノズルを含めて、4色のノズルが通過する構成となっている。
図5は、液体吐出ヘッド30において有効ノズルの1個分の構造を示す断面図であり、詳細には図3におけるg−g線で破断した場合の断面(W1方向に垂直な断面であって、W1方向の負側から正側方向を見た断面)を示す図である。
図5に示されるように、液体吐出ヘッド30では、流路基板42のうち、Z方向の負側の面上に圧力室基板44と振動板46と封止体52と支持体54とが設けられるとともに、Z方向の正側の面上にノズル板62とコンプライアンス部64とを設置した構造体(ヘッドチップ)である。液体吐出ヘッド30の各要素は、概略的には上述したようにW1方向に長尺な略平板状の部材であり、例えば接着剤を利用して互いに固定される。また、流路基板42および圧力室基板44は、例えばシリコンの単結晶基板で形成される。
ノズルNは、ノズル板62に形成される。図3で概略説明したように、液体吐出ヘッド30では、ノズル列Naに属する有効ノズルに対応する構造と、ノズル列Nbに属する有効ノズルに対応する構造とは、W1方向にピッチP1の半分だけシフトした関係にあるが、それ以外では、略対称に形成されるので、以下においてはノズル列Naに着目して液体吐出ヘッド30の構造を説明することにする。
流路基板42は、インクの流路を形成する平板材であり、開口部422と供給流路424と連通流路426とが形成される。供給流路424および連通流路426は、有効ノズル毎に形成され、開口部422は、同色のインクを吐出する複数の有効ノズルにわたって連続するように形成される。
流路基板42のうちZ方向の負側の表面には、支持体54が固定される。この支持体54には、収容部542と導入流路544とが形成される。収容部542は、平面視で(すなわちZ方向からみて)、流路基板42の開口部422に対応した外形の凹部(窪み)であり、導入流路544は、収容部542に連通する流路である。
流路基板42の開口部422と支持体54の収容部542とを互いに連通させた空間が、液体貯留室(リザーバー)Srとして機能する。液体貯留室Srは、インクの色毎に互いに独立に形成され、液体容器14(図1参照)および導入流路544を通過したインクを貯留する。すなわち、1個の液体吐出ヘッド30の内部には、相異なるインクに対応する4個の液体貯留室Srが形成される。
この液体貯留室Srの底面を構成し、当該液体貯留室Srおよび内部流路におけるインクの圧力変動を抑制(吸収)する要素がコンプライアンス部64である。コンプライアンス部64は、例えばシート状に形成された可撓性の部材を含んで構成され、具体的には、流路基板42における開口部422と各供給流路424とが閉塞されるように流路基板42の表面に固定される。
圧力室基板44のうち流路基板42とは反対側の表面に振動板46が設置される。振動板46は、弾性的に振動可能な平板状の部材であり、例えば酸化シリコン等の弾性材料で形成された弾性膜と、酸化ジルコニウム等の絶縁材料で形成された絶縁膜との積層で構成される。振動板46と流路基板42とは、圧力室基板44の各開口部442の内側で互い間隔をあけて対向する。各開口部442の内側で流路基板42と振動板46とに挟まれた空間は、インクに圧力を付与する圧力室Scとして機能する。各圧力室Scは、流路基板42の連通流路426を介してノズルNに連通する。
振動板46のうち圧力室基板44とは反対側の表面には、有効ノズル(圧力室Sc)に対応する圧電素子Pztが形成される。
圧電素子Pztは、振動板46の面上に圧電素子Pzt毎に個別に形成された駆動電極72と、当該駆動電極72の面上に形成された圧電体74と、当該圧電体74の面上に形成された駆動電極76とを包含する。なお、駆動電極72、76によって圧電体74を挟んで対向する領域が圧電素子Pztとして機能する。
圧電体74は、例えば加熱処理(焼成)を含む工程で形成される。具体的には、複数の駆動電極72が形成された振動板46の表面に塗布された圧電材料を、焼成炉内での加熱処理により焼成してから圧電素子Pzt毎に成形(例えばプラズマを利用したミーリング)することで圧電体74が形成される。
駆動電極72の一部は、封止体52および支持体54から露出しており、この露出部分において、配線基板(図示省略)が接続されて、駆動信号の電圧Voutが印加される構成となっている。一方、駆動電極76には、複数の圧電素子Pztにわたって共通の定電圧(例えば後述する電圧VBS)が印加される。なお、駆動電極76については複数の圧電素子Pztにわたって電気的に共通接続となるから、圧電素子Pzt毎に個別に形成して、共通配線に接続する構成としても良いし、複数の圧電素子Pztにわたって連続させた構成としても良い。
このような構成の圧電素子Pztにあっては、駆動電極72、76で印加された電圧に応じて、当該駆動電極72、76および振動板46とともに、図5において周辺に対して中央部分が両端部分に対して上または下方向に撓む。具体的には、圧電素子Pztは、駆動電極72を介して印加される駆動信号の電圧Voutが低くなると、上方向に撓む一方、当該電圧Voutが高くなると、下方向に撓む構成となっている。
ここで、上方向に撓めば、圧力室Scの内部容積が拡大するので、インクが液体貯留室Srから引き込まれる一方、下方向に撓めば、圧力室Scの内部容積が縮小するので、縮小の程度によっては、インク滴がノズルNから吐出される。
このように、圧電素子Pztに適切な駆動信号が印加されると、当該圧電素子Pztの変位によって、液体貯留室Srから引き込まれたインクがノズルNから吐出される構成となっている。
なお、ブランクノズルは、インクを吐出しない点を除けば、構造的には有効ノズルと区別する必要はない。このため、ブランクノズルに対応して電極72等もダミーとして設けられる場合もあるが、当該電極72にはインクを吐出させない信号が印加される。
さて、1個の液体吐出ヘッド30における複数個のノズルNからインクが吐出されるタイミングは共通である。このため、搬送方向であるY方向に対してノズル配列Na(Nb)が角度θで傾斜する構成において、Y方向に搬送される印刷媒体Pには、次のようにドットが形成される。
図6は、液体吐出ヘッド30のうち、例えばノズル番号が「1」から「6」までのノズルNに着目して、これらのノズルNから吐出されるインクによって形成されるドットを示す図である。
この図に示されるように、印刷媒体PがY方向にピッチDyだけ搬送される毎に、ノズル番号が「1」から「6」までのノズルNから、ショット#1、#2、#3、…、というタイミングで、ブラック(Bk)のインクが一斉に吐出される。ドットのX方向(すなわち印刷媒体Pの搬送方向と直交する方向)のドットのピッチDxは、
P1・sinθ
で表される。ここで、P1は、上述したようにW1方向に沿ったノズルNの配列ピッチである。
なお、図6では、説明のため、印刷媒体PがピッチDyだけ搬送された場合に、ノズルNからインクを1回吐出させてドットを形成する構成を例にとって説明するが、階調を表現するためには、ノズルNからインクを2回以上吐出させる場合もある。
ところで、画像データIMGは、斜めヘッドにおけるブランクノズルなどを考慮していないので、配列変換処理前に、ブランクノズルなどに対応したデータを付加するなどの処理(付加処理)が必要となる。
また、液体吐出ヘッド30においてノズルNは、印刷媒体Pの搬送方向であるY方向と非直交のW1方向に沿って配列し、かつ、一斉にインクを吐出するので、インクの吐出に同期して印刷データSIを供給するためには、付加処理が施された画像データを、ノズル配列に合わせて全ノズルの印刷データSIが吐出前に転送できるように、事前に変換しておく処理(配列変換処理)も必要となる。
これらの付加処理や配列変換処理では、DRAM(Dynamic Random Access Memory)の記憶領域がバッファとして用いられるが、DRAMの帯域(単位時間当たりにおけるデータ転送量)に上限がある点に留意しなければならない。すなわち、DRAMとして帯域が高いタイプを用いれば、処理の高速化を図ることはできるが、コストの上昇や高周波数化に伴う消費電力の増大など別の問題を招来する。
そこで次に、付加処理や配列変換処理の前提となる印刷装置1の電気的な構成について説明し、この後、上記処理について説明することにする。
図7は、印刷装置1の電気的な構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、印刷装置1は、制御ユニット10に液体吐出モジュール20が接続された構成となっている。
液体吐出モジュール20は、上述したように複数(図の例では9個)の液体吐出ヘッド30を包含する。制御ユニット10は、複数個の液体吐出ヘッド30をそれぞれ独立に制御するが、ここでは便宜的に1個の液体吐出ヘッド30の制御について代表して説明することにする。
図7に示されるように、制御ユニット10は、制御部100と、駆動回路50と、を有する。
このうち、制御部100は、概略すると、次のような処理を実行する。
すなわち、第1に、制御部100は、ホストコンピューターから供給された画像データIMGに対し、所定のプログラムを実行することによって、上述した付加処理や配列変換処理を施して、一時的に保管した後、読み出して、印刷データSIとして液体吐出ヘッド30に供給する。
なお、印刷データSIとは、印刷装置1により印刷媒体Pに形成する1ドット分を規定するデータである。
第2に、制御部100は、印刷データSIの読み出しに合わせて、制御部100は、駆動回路50にデジタルのデータdComを供給する。データdComは、液体吐出ヘッド30に供給する駆動信号COMの波形を規定する。
なお、制御部100は、このほかにも、搬送機構12を制御して印刷媒体PのY方向への搬送を制御するが、このための構成については省略する。
一方、1個の液体吐出ヘッド30は、電気的には、上述した複数の圧電素子Pztのほか、インターフェイス(I/F)205と、選択制御部210と、圧電素子Pztの各々と対(つい)をなす複数個の選択部230とを有する。インターフェイス205は、印刷データSIを入力し、選択制御部210に供給する。選択制御部210は、選択部230のそれぞれに対して駆動信号COMの各部のうち、いずれかを選択すべきか(または、いずれも非選択とすべきか)を、制御部100から供給される制御信号等(図示省略)によって指示する。
選択部230は、選択制御部210の指示にしたがって、駆動信号COMの各部を選択し、圧電素子Pztの一端に駆動信号として印加する。
なお、図7では、選択部230で選択された駆動信号の電圧を、駆動信号COMと区別する意味で、Voutと表記している。
また、圧電素子Pztのそれぞれにおける他端は、上述したように電圧VBSが共通に印加されている。
駆動信号COMは、例えば図に示されるような波形である。図において、期間dは、1ドットの形成に要する単位期間、換言すれば印刷媒体PをY方向にピッチPyだけ搬送するのに要する期間であり、前半の期間d0と後半の期間d1とに分けられる。駆動信号COMにおいて、前半の期間d0では台形波形dp0であり、後半の期間d1では台形波形dp1である。台形波形dp0は、仮に圧電素子Pztの一端に印加されたとしても、ノズルNの付近におけるインクを微振動させるだけであり、インクを吐出させない。この台形波形dp0は、インクの粘度の増大を防止するための波形である。
一方、台形波形dp1は、仮に圧電素子Pztの一端に印加されたとしたならば、当該圧電素子Pztに対応するノズルNから所定量のインクを吐出させる波形である。
なお、台形波形dp0、dp1の開始タイミングと、終了タイミングでは、いずれも電圧Vcで共通である。すなわち、台形波形dp0、dp1は、それぞれ電圧Vcで開始し、電圧Vcで終了する波形である。
制御部100は、期間dの前に、液体吐出ヘッド30の全ノズルに対応する印刷データSIを、インターフェイス205を介して選択制御部210に供給し、選択制御部210は、当該印刷データSIに応じて、選択部230のそれぞれに対して次のように指示する。詳細には、選択制御部210は、あるノズルNからインクを吐出する場合、当該ノズルNに対応する選択部230に対し、少なくとも後半期間d1において、駆動信号COMを選択して当該ノズルNに対応する圧電素子Pztの一端に印加させる一方、当該ノズルNからインクを吐出させない場合、当該選択部230に対し、少なくとも後半期間d1において、駆動信号COMを非選択とする。
これにより、液体吐出ヘッド30における複数個のノズルNから、共通のタイミングでインクが吐出されることになる。
なお、図7に示した駆動信号COMはあくまでも一例である。実際には、印刷媒体Pの搬送速度や特性などに応じて、予め用意された様々な波形が用いられる。
また、ここでは、圧電素子Pztが、電圧Voutの低下に伴って上方向に撓む例で説明したが、駆動電極72、76の積層順を逆転させると、圧電素子Pztは、電圧の上昇に伴って上方向に撓むことになる。このように、圧電素子Pztが、電圧の上昇に伴って上方向に撓む構成では、図に例示した駆動信号COMを、電圧Vcを基準に反転した波形となる。
印刷媒体Pに期間dで1回のインクの吐出により1ドットが形成される。なお、この構成では、印刷データSIは、インクの吐出/非吐出を指定することになるので、1ビットになる。
図8は、制御部100の構成を示すブロック図である。この図においては、供給された画像データIMGから印刷データを出力するまでの機能を示し、データdCOMを出力する機能については省略している。
制御部100は、DRAM110と、基礎処理部122と、画像処理部124と、傾き処理部126と、NULL設定部132と、書込部142、読出部144と、を含む。このうち、DRAM110は、一時作業用のメモリとして用いられ、この記憶領域は、便宜的に領域111、領域112(イメージバッファ)、領域113に分けられる。なお、これらの各部におけるデータ転送は、特に図示しないが、DMAC(Direct Memory Access Controller)によって実行される。
制御部100の概略について説明すると、書込部142は、ホストコンピューターから供給された画像データIMG(入力画像)を領域111に格納する。
基礎処理部122には、ノズルの配列に関する配列情報がNULL設定部132から供給され、また、例えばホストコンピューターから印刷媒体Pに画像を印刷すべき位置、余白等に関する印刷設定情報が供給される。第1処理部である基礎処理部122は、領域111に格納された画像データIMGを読み出し、配列情報や印刷設定情報を参照しつつ、後述するように付加処理を施しつつ、領域112にセットする。
画像処理部124は、ノズル単位の個体差補正や誤差拡散処理などの画像処理を、領域112にセットされた画像データに施し、当該領域112に書き戻す。
なお、画像処理部124が実行する画像処理は、本説明では狭義の意味で用いており、上記付加処理や配列変換処理を含めて制御部100で実行される処理を、広義の画像処理としている。
第2処理部である傾き処理部126は、上記画像処理が施された画像データに対し上記配列変換処理を施して、領域113にセットする。
第3処理部である読出部144は、配列変換処理が施された画像データ(傾き画像)を、ショット毎にノズル分読み出し、印刷データSIとして液体吐出ヘッド30側におけるインターフェイス205に供給する。
なお、領域111、112、113に画像データは、色別に格納される。
図9の(b)は、液体吐出モジュール20におけるノズルの配列をデータとの関連で示す図である。この図では、物理的に存在するノズルにくわえて、データを取り扱う上で仮想的なノズルも図示されている。
(b)において、印刷媒体Pの搬送方向であるY方向に沿ってみたときに、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色が揃っている範囲が、すなわちdからzまでの範囲(巾)Wが、Y方向に対して直交する方向において印刷可能な範囲である。
本実施形態において仮想的ノズルとしては、上述したように、仮想NULLノズルおよび(単なる)NULLノズルおよびが想定されている。
ノズル番号が「13」、「14」のブランクノズルは、ブラック(Bk)のノズル列の後端に位置している。このため、ノズル番号が「13」、「14」のブランクノズルは、ブラック(Bk)に対応して設けられている、と考えることができる。このように考えに立ったときに、マゼンタ(M)にも同様なものがあった方がデータ上、都合が良い場合がある。同様に、ノズル番号が「39」、「40」のブランクノズルが、シアン(C)に対応していると考えたときに、イエロー(Y)にも同様なものがあった方が良い。
このため、物理的には存在しないが(すなわち図2では設けられていないが)、図9の(b)では、液体吐出ヘッド30においては、データ的には仮想的に存在するものと想定した仮想ブランクノズルが、マゼンタ(M)の後、および、イエロー(Y)の後に、それぞれ設けられている。
また、図では、範囲(巾)Wに左右両端のそれぞれに、物理的には存在しないNULLノズルが想定されている。詳細には、物理的に左端の液体吐出ヘッド30のうち、範囲(巾)Wよりも左側では、ブラック(Bk)およびシアン(C)のノズルのみが対応した状態になるので、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)に対応したNULLノズルが想定され、物理的に右端に位置する液体吐出ヘッド30のうち、範囲(巾)Wよりも右側では、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)のノズルのみが対応した状態になるので、ブラック(Bk)およびシアン(C)に対応したNULLノズルが想定されている。
このように仮想NULLノズルおよびNULLノズルを想定すると、有効ノズルおよびブランクノズルを含めて、いずれかの色に対応し、かつ、色毎に同数となるので、バッファにおいて確保する領域やデータ処理を取り扱う上で共通化することができる部分が多くなり、都合が良いのである。
このように想定した有効ノズル、ブランクノズル、仮想ブランクノズルおよびNULLノズルに対して、チップという概念を導入する。ここで、チップとは、互いに隣り合う液体吐出ヘッド30のノズルを、X方向に一部重複しながら区切った概念であって、図9の(b)において実線の太線と細線とで交互に示される範囲である。
基礎処理部122は、これらのチップの各々に対して、図9の(a)に示されるように、左から順にDMACのチャネルCh0からCh9までを割り当て、領域112に、図10で示されるデータをセットする。
図10は、有効ノズル、ブランクノズル、仮想ブランクノズルおよびNULLノズルと、領域112にセットされるデータとの対応関係を示す図である。
この図に示されるように、有効ノズルについては、領域112で対応するアドレスに画像データがセットされる。NULLノズルについては、物理的に存在しないので、領域112の対応アドレスには、NULLデータ、すなわち仮にインクが吐出可能なノズルに対応して供給されたとしてもインクを吐出させないことを指定する無意データがセットされる。ブランクノズルについては、インクを吐出させないために、対応アドレスにNULLデータがセットされる。仮想ブランクノズルについては、物理的に存在しないが、上述したように、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)のデータフォーマットを、ブラック(Bk)およびシアン(C)のデータフォーマットに揃えるために便宜的に、NULLデータがセットされる。
さて、図9の(a)において、DMACのチャネルCh0は、ブランクノズルまたは仮想ノズルに対応しているので、アドレスaからアドレスcまで、全色について、NULLデータをセットする。
丸数字の「1」のチャネルCh1は、各色をまとめて簡易的に表記されているが、色で分けたときには、丸数字の「2」で示されるように、ブラック(Bk)およびシアン(C)について、アドレスbからアドレスcまで、並びに、アドレスeと次アドレスにブランクノズルに対応してNULLデータをセットする。また、チャネルCh1は、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)について、アドレスfと次アドレスにブランクノズルに対応してNULLデータをセットする。
以下のチャネルCh2〜Ch8についても各色まとめて簡易的に表記しており、実際には、チャネルCh2〜Ch8は、ブラック(Bk)およびシアン(C)について、それぞれ後端のブランクノズルに対応してNULLデータをセットし、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)について、それぞれ後端の仮想ブランクノズルに対応してNULLデータをセットする。
また、チャネルCh9は、ブランクノズルまたは仮想ノズルに対応しているので、全色について、NULLデータをセットする。
なお、各チャネルによりセットされるNULLデータは、ブランクノズル、仮想NULLノズルおよびNULLノズルの配置・位置によって規定されるが、これらの配置・位置を示す配列情報は、NULL設定部132から供給される。
次に、基礎処理部122が、領域111に格納された画像データ(入力画像)を取得する方法について説明する。
図11は、領域112における画像データの記憶領域を説明するための図である。
上述したように、チップの各々に対して、順にDMACのチャネルCh0〜Ch9が割り当てられる。そして、チャネルCh0〜Ch9毎に、先頭アドレス、画像の高さH、画像の巾WおよびスキップアドレスSk_Aが設定される。
なお、チップ(チャネル)の切り替え時、先頭アドレスは、重複する分だけシフトされる。このため、重複部分は2度読みされることになる。
ここで、スキップアドレスSk_Aとは、二次元配列の記憶領域のうち、図において横方向の(マージンを考慮しない)アドレス距離であり、巾Wは、二次元配列のうち、図において画像が記憶される横方向のアドレス距離であり、高さHは、二次元配列のうち、図において画像が記憶される縦方向のアドレス距離である。
ところで、画像データIMGのサイズ、印刷媒体Pのサイズ、印刷の余白などが設定された場合、印刷媒体Pがパスする液体吐出モジュール20のエリアに応じて、イメージバッファを領域112に作成する必要がある。また、PDL(Page Description Language)で記述されたイメージを印刷媒体Pにオフセットして印刷する場合、画像のクリップに対応してイメージバッファを作成する必要がある。
例えば図12の(a)に示されるように、印刷媒体Pのサイズと、画像データIMGで示される入力画像のサイズとは、互いに一致しているが、例えば印刷媒体Pに対して画像を右斜め下方にずらして印刷する場合、入力画像を破線で示される形状にクリップしてイメージバッファを作成する必要がある。なお、画像以外の部分についてはNULLデータで埋める必要がある。また、印刷媒体Pのサイズや、画像データIMGで示される入力画像のサイズ、X、Yのオフセット量などの情報は、印刷設定情報として基礎処理部122に供給される。
このため、全チャネル毎に次のようなDMA転送命令を持たせている。詳細には、高さ方向を規定する命令には、主にNULL_TOP、NULL_W、NULL_BTMの3つがあり、このうち、NULL_TOPは、二次元配列における上端側のNULLデータの縦方向サイズである行数を指定し、NULL_Wは、二次元配列におけるNULLデータの横方向サイズである列数を指定する。このため、例えばNULL_TOPが「5」であり、NULL_Wが「30」であれば、図12の(b)において、(1)で示されるように、NULLデータが流し込まれる。
また、NULL_BTMは、二次元配列における下端側のNULLデータの行数を指定する。なお、二次元配列における下端側のNULLデータの列数は、NULL_TOPと共用のNULL_Wで指定される。このため、例えばNULL_BTMが「1」であれば、図12の(b)において、(2)で示されるように、NULLデータが流し込まれる。
巾方向を規定する命令には、主にNULL_LEF、Height、NULL_RGTの3つがあり、このうち、NULL_LEFは、二次元配列における左端側のNULLデータの列数を指定し、Heightは、二次元配列におけるNULLデータの行数を指定する。このため、例えばNULL_LEFが「5」であり、Heightが「34」であれば、図12の(b)において、(3)で示されるように、NULLデータが流し込まれる。
また、NULL_RGTは、二次元配列における右端側でNULLデータの列数を指定する。なお、二次元配列における右端側のNULLデータの行数は、NULL_LEFと共用のHightで指定される。このため、例えばNULL_LEFが「1」であれば、図12の(b)において、(4)で示されるように、NULLデータが流し込まれる。
このような構成では、画像データIMGが記憶された領域111にアクセスすることなく、NULLデータが図においてハッチングで示される領域に流し込まれる。このため、領域111であるDRAMに高い帯域が必要されない。
一方、NULLデータの流し込みを指定する命令として、上記6種を設けたので、印刷媒体Pがパスする液体吐出モジュール20のエリアに応じて、また、画像のクリップに対応してイメージバッファを作成することができる。
なお、このように領域111に格納された画像データが取得されて、領域112にセットされると、画像処理部124は、ノズル単位の個体差補正や誤差拡散処理などの画像処理を施し、当該領域112に書き戻す。この後、次のように配列変換処理が実行される。
図13は、制御部100で実行される配列変換処理の概要を説明するための図である。
この図の(a)は、領域112に書き戻された画像データであって、配列変換前の画像データの例を示す図である。
(a)では、当該画像データが順に横方向のラインL1、L2、L3、…というように格納されている。なお、図において、ラインLiとは、画像データのうち、任意のiライン目を示す。当該画像が1ラインから最終のmaxラインまでで構成される場合、iは、ラインを一般的に説明するためのライン番号であって、1からmaxまでのいずれかの整数である。
傾き処理部126は、(a)の画像データに配列変換処理を施して、領域113に格納する。(b)は、配列変換処理が施された画像データの例を示す図である。この配列変換処理では、おおまかにいえば、二次元配列において長方形の画像が、図において左上端(右下端)の角度がθの平行四辺形に変形される。詳細には、各ラインが、ライン毎に、ライン番号および角度θで定まる量だけライン方向にシフトされることによって、画像データがマッピングされる。ここで、ライン番号がiのラインは、
i・tan(90−θ)
だけ左端を基準に右方向にシフトされる。
なお、ここでいうシフトは、入力画素において有意の画素を規定するデータの格納アドレスを、ライン方向に移動させるとともに、当該移動に生じた番地にNULLデータを書き込むことをいう。図において左端側で、あるラインにNULLデータが書き込まれた場合に、右端側でも無意データが書き込まれる。なお、図ではNULLデータが書き込まれた部分がハッチングで示されている。
(c)は、配列変換処理が施された画像データの読み出し順を示す図である。詳細には、読出部144が画像データを図において上からショット順に、連続アドレスで読み出して、印刷データSIとしてインターフェイス205に供給する。
配列変換された印刷データSIが供給された液体吐出ヘッド30は、印刷媒体Pの搬送方向であるY方向と非直交に配列するノズルNから、当該印刷データSIに応じて一斉にインクを吐出する。これにより、結果的に入力画像が印刷媒体Pに形成されることになる。
なお、実施形態では、液体吐出ヘッド30に対して印刷媒体PをY方向に移動させる構成であったが、逆に、印刷媒体Pに対して液体吐出ヘッド30を移動させる構成であっても良い。
1…印刷装置、10…制御ユニット、30…液体吐出ヘッド(印刷ヘッド)、100…制御部(画像処理回路)、110…DRAM、122…基礎処理部(第1処理部)、126…傾き処理部(第2処理部)、144…読出部(第3処理部)。

Claims (4)

  1. 複数の有効ノズルおよび複数の無効ノズルを有する印刷ヘッドに対し、印刷媒体を第1方向に相対移動させるとともに、前記第1方向とは非直交の角度で交差する第2方向に配列する前記複数の有効ノズルの各々から、それぞれインクを吐出させる印刷装置であって、
    メモリに一時的に記憶され、画素が直交座標系で規定された元画像データに、前記複数の無効ノズルに対応した無意データを挿入してバッファに書き込む第1処理部と、
    前記バッファに二次元配列で書き込まれたデータを、前記直交座標の一軸を前記角度に応じて傾斜させた形状の領域にマッピングする第2処理部と、
    マッピングされたデータを読み出し、前記印刷ヘッドに供給する第3処理部と、
    を具備することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記第1処理部は、
    前記バッファのうち、所定のクリップ領域以外の領域に、前記無意データをDMA命令でセットする
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 複数の有効ノズルおよび複数の無効ノズルを有する印刷ヘッドに対し、印刷媒体を第1方向に相対移動させるとともに、前記第1方向とは非直交の角度で交差する第2方向に配列する前記複数の有効ノズルの各々から、それぞれインクを吐出させる印刷装置の画像処理装置であって、
    メモリに一時的に記憶され、画素が直交座標系で規定された元画像データに、前記複数の無効ノズルに対応した無意データを挿入してバッファに書き込む第1処理部と、
    前記バッファに二次元配列で書き込まれたデータを、前記直交座標の一軸を前記角度に応じて傾斜させた形状の領域にマッピングする第2処理部と、
    マッピングされたデータを読み出し、前記印刷ヘッドに供給する第3処理部と、
    を具備することを特徴とする印刷装置の画像処理装置。
  4. 複数の有効ノズルおよび複数の無効ノズルを有する印刷ヘッドに対し、印刷媒体を第1方向に相対移動させるとともに、前記第1方向とは非直交の角度で交差する第2方向に配列する前記複数の有効ノズルの各々から、それぞれインクを吐出させる印刷装置の画像処理方法であって、
    メモリに一時的に記憶されるとともに画素が直交座標系で規定された元画像データに、前記複数の無効ノズルに対応した無意データを挿入してバッファに書き込み、
    前記バッファに二次元配列で書き込まれたデータを、前記直交座標の一軸を前記角度に応じて傾斜させた形状の領域にマッピングし、
    マッピングしたデータを読み出し、前記印刷ヘッドに供給する
    ことを特徴とする印刷装置の画像処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018153953A (ja) * 2017-03-16 2018-10-04 セイコーエプソン株式会社 印刷装置、及び、印刷方法
JP2019010784A (ja) * 2017-06-29 2019-01-24 キヤノン株式会社 記録装置および記録方法

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