JP2016067563A - 神経刺激システム - Google Patents

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Abstract

【課題】電極の位置調整を含む留置操作が簡便で、留置後の電極の位置ずれも起こしにくい神経刺激システムを提供する。【解決手段】神経刺激電極20を備えた神経刺激システム1は、神経刺激電極のリード部に装着され、神経刺激電極の留置部を弾性変形させた状態で内部に収容可能な筒状の導入シース30と、リード部が挿通され、かつ導入シース内で進退可能であり、神経刺激電極と係合することにより、神経刺激電極の進退及び回転操作が可能な筒状の操作シース40と、リード部が挿通されて操作シースよりも神経刺激電極の近位側端部寄りに配置され、留置部を弾性変形させた状態で内部に収容可能な筒状の抜去シース50とを備え、リード部は、遠位側端部に設けられ、第一の屈曲性を有する柔軟部と、柔軟部よりも近位側に設けられ、第一の屈曲性よりも小さい第二の屈曲性を有する非柔軟部とを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、神経刺激システム、より詳しくは、血管内に留置されて神経刺激治療に使用される神経刺激電極を備えた神経刺激システムに関する。
従来、神経組織に電気刺激を与えることによる治療法の研究が行われてきた。その神経刺激用デバイスの一つとして、血管内に電極を備えるデバイスを挿入し、当該電極により血管に隣接する神経を血管壁越しに刺激することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなデバイスは、血管内での位置ずれのない固定が重要であり、ステントのような網状あるいはかご状の付勢部材を用いて血管内に留置される。
特表2010−516405号公報
特許文献1に記載のデバイスは、血管内でリードアンカー(付勢部材)を展開して血管壁と摩擦係合を行う。このようなデバイスでは、血管内において、対象となる神経を適切に刺激するために電極の位置調整を行う必要がある。特許文献1では、デバイスを回転させてこの調整を行うとしているため、刺激発生装置と電極とを接続するリード部は高い剛性を有する必要がある。
しかし、リード部が高い剛性を有していると、留置後に体動等により電極の位置ずれが起こりやすくなり、好ましくない。
また、リードアンカーをガイドカテーテルに収納し、血管の内径よりも細くして回転させる方法やガイドワイヤを用いてリードアンカーを折りたたんで回転させる方法が知られている。この方法を用いると、リード部の剛性が低くても電極の位置調整を行うことができるが、この場合電極が血管壁から離れてしまう。電極の位置調整は、電気刺激による生体の反応を見ながら行うため、その都度電極を血管壁に接触させる必要がある。したがって、上述の回転方法を用いると、電極の位置調整を連続的に行えず、効率がよくない。
上記事情を踏まえ、本発明は、電極の位置調整を含む留置操作が簡便で、留置後の電極の位置ずれも起こしにくい神経刺激システムを提供することを目的とする。
本発明は、刺激電極と、弾性変形可能な付勢部材を用いて構成され、前記刺激電極を前記生体内に保持する留置部と、電気刺激を発生する刺激発生装置と前記留置部とを接続するリード部と、を有する神経刺激電極を備えた神経刺激システムであって、前記リード部に装着され、前記留置部を弾性変形させた状態で内部に収容可能な筒状の導入シースと、前記リード部が挿通され、かつ前記導入シース内で進退可能であり、前記神経刺激電極と係合することにより、前記神経刺激電極の進退及び回転操作が可能な筒状の操作シースと、前記リード部が挿通されて前記操作シースよりも前記神経刺激電極の近位側端部寄りに配置され、前記留置部を弾性変形させた状態で内部に収容可能な筒状の抜去シースとを備え、前記リード部は、遠位側端部に設けられ、第一の屈曲性を有する柔軟部と、前記柔軟部よりも近位側に設けられ、前記第一の屈曲性よりも小さい第二の屈曲性を有する非柔軟部と、を有する。
前記リード部は中空に形成され、外周面に内部空間と連通する放出孔を有し、前記内部空間に導入した液体を前記放出孔から放出可能に構成されてもよい。
本発明の導入シースは、長手方向にわたる切れ目を有してもよい。このとき、前記切れ目の周方向両側に、互いに係脱可能な係合部及び被係合部を有してもよい。
また、導入シースは、長手方向に引き裂き可能に構成されてもよい。
また、導入シースは、遠位側端部に、遠位端に向かって拡径するガイドを有してもよい。
また、導入シースは、挿通された前記リード部の周囲を水密に封止するシール部材を有してもよい。
本発明の操作シースは、近位端部にハブを有し、前記ハブを経由して前記操作シース内に液体を供給可能に構成されてもよい。
また、操作シースは、遠位側端部開口の形状が非円形であり、前記遠位側端部開口において前記神経刺激電極と係合する構成でもよい。
また、操作シースは、長手方向に引き裂き可能に構成されてもよい。
また、操作シースは、周縁に切り込みを有し、挿通された前記リード部の周囲を水密に封止するシール部材を有してもよい。
本発明の抜去シースは、挿通された前記リード部の周囲を水密に封止するシール部材を有してもよい。
また、抜去シースは、前記シール部材の圧縮状態を変更可能な締め込みノブを有し、前記圧縮状態を変更することで、前記抜去シースと前記リード部とが相対移動可能な状態と、前記抜去シースと前記リード部とが相対移動不能な状態とを切り替え可能に構成されてもよい。
また、抜去シースは、近位端部にハブを有し、前記ハブを経由して前記操作シース内に液体を供給可能に構成されてもよい。このとき、前記ハブは、面状の羽部を有してもよい。
本発明の神経刺激システムによれば、電極の位置調整を含む留置操作が簡便でありながら、留置後の電極の位置ずれも好適に抑制することができる。加えて、治療後にはシステムの安全で簡便な抜去も可能となる。
本発明の第一実施形態に係る神経刺激システムの全体構成を示す図である。 同神経刺激システムの神経刺激電極を示す図である。 同神経刺激システムの導入シースの一例を示す図である。 導入シースにガイドを設けた例を示す図である。 同神経刺激システムの操作シースの遠位端部を示す図である。 操作シースの遠位端部の他の例を示す図である。 操作シースの遠位端部の他の例を示す図である。 操作シースの近位端部を示す断面図である。 同神経刺激システムの抜去シースの近位端部を示す断面図である。 バイフェージック波形の例を示す図である。 血管内における神経刺激電極の留置部を示す図である。 血管内に留置された神経刺激電極を示す図である。 神経刺激電極における柔軟部の形状の一例を示す図である。 導入シースの変形例を示す図である。 変形例の導入シースの一形態を示す図である。 変形例の導入シースの部分断面図である。 本発明の第二実施形態に係る神経刺激システムの神経刺激電極を示す図である。 同神経刺激電極の近位側端部を示す断面図である。 (a)から(d)は、神経刺激電極における留置部の変形例を示す図である。 操作シースと神経刺激電極との係合態様の変形例を示す図である。 操作シースに取り付けるシール部材の変形例を示す図である。
本発明の第一実施形態について、図1から図13を参照して説明する。
図1は、本実施形態の神経刺激システム1の全体構成を示す図である。神経刺激システム1は、血管内に挿入されて神経を電気的に刺激して各種治療を行うものである。以下の各実施形態では、迷走神経を刺激することにより頻脈や慢性心不全の治療に用いられる例を示すが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば心臓ペーシング等にも適用可能である。
神経刺激システム1は、神経刺激信号を発生する刺激発生装置10と、刺激発生装置10に接続されて血管内に留置される神経刺激電極20と、神経刺激電極20が挿通された導入シース30、操作シース40、および抜去シース50の3本のシースとを備えている。
図2は、神経刺激電極20を示す図である。神経刺激電極20は、患者等の血管内に留置されて、刺激発生装置10で発生された神経刺激信号を生体組織に印加し、神経への電気刺激を行う。
神経刺激電極20は、血管内に保持される留置部21と、留置部21と刺激発生装置10とを接続するリード部25とを備えている。
留置部21は、4本の付勢部材22と、付勢部材22の一つに取り付けられた一対の刺激電極23A、23Bとを備えている。
各付勢部材22は、弾性変形可能であり、かつ留置される血管壁の変形に抗して一定の形状を保持可能な程度の剛性を有しており、超弾性ワイヤや形状記憶合金等を用いて好適に形成することができる。付勢部材22は、例えばニッケルチタン等の生体適合性を有する材料で形成されるのが好ましい。付勢部材22の径方向における最大寸法は、例えば0.2〜0.5ミリメートル(mm)とすればよく、断面形状は円形、楕円形、四角形など特に制限はない。
付勢部材22の表面には被膜を設けてもよい。被膜により付勢部材22の外周面を滑らかにして血栓発生を抑制する効果を得たり絶縁性を付与したりすることができる。被膜の材料としては、例えばポリウレタン樹脂やポリアミド樹脂、フッ素樹脂などを用いることができ。被膜厚は例えば50〜500マイクロメートル(μm)とすればよい。
4本の付勢部材22で構成される留置部21の初期形状における径方向の寸法は、例えば一般的な上大静脈の径を上回る20〜40mm程度とすることができる。留置部21は、血管内に挿入されると血管壁により圧縮され、元の形状に戻ろうとする復元力が血管壁に対して押圧力として作用する。この押圧力及び押圧によって血管壁との間に生じる摩擦力により、留置部21は血管内の所望の位置で保持される。各付勢部材22は、神経刺激電極20の軸まわりに均等または略均等に(例えば4本の付勢部材の場合、回転角として90度ごとに)配置すると、後述する留置操作を行いやすいが、例えば留置部位の生体組織の構造によりフィットさせる等の目的で均等でない配置とすることも可能である。
刺激電極23Aおよび23Bは、刺激発生装置10から出力された電気パルス(神経刺激信号)を神経に印加する。刺激電極は二対以上設けられてもよく、それぞれ別の付勢部材上に配置されてもよい。刺激電極と付勢部材との間には絶縁被膜が存在し、電気的に絶縁されている。前述のように付勢部材に被膜が設けられている場合は刺激電極上の被膜は除去され、電極が血管内に露出される。刺激電極は、付勢部材の周方向にわたって設けられてもよいし、被覆を一部残す等により血管壁に接触する側のみを露出する等して方向性を持たせてもよい。
刺激電極の材質としては、生体適合性に優れる白金や白金イリジウム合金などの貴金属材料が好ましい。刺激電極の露出面積は例えば1〜5平方ミリメートル(mm)程度とすることができる。一対の刺激電極は、例えば3〜20mm程度の間隔をあけて配置される。刺激電極には、それぞれ導体からなる図示しない配線が電気的に接続されている。配線の材質としては、耐屈曲性を有するニッケルコバルトクロム合金(35NLT25%Ag材、35NLT28%Ag材または35NLT41%Ag材など)からなる撚り線を、電気的絶縁材(例えば厚さ20μmのETFEやPTFEなど)で被覆したものを好適に用いることができる。配線は、リード部25内を通り、リード部基端のコネクタ28まで達している。
リード部25は、生体適合性を有する材料(例えばポリウレタン樹脂やポリアミド樹脂)などを用いた絶縁性のチューブと、チューブ内を延びる上述の配線とを有する。リード部25の遠位端部は留置部21と接続されている。リード部25の近位端部には、刺激発生装置10と接続するためのコネクタ28が取り付けられている。コネクタ28としては、例えば公知のIS−1コネクタやその他の防水型コネクタなどを用いることができるが、コネクタ28は必須の構成ではなく、リード部25と刺激発生装置10とが直接接続されてもよい。また、リード部25のチューブ内には、リード部25の引っ張り強度を高めるために金属ワイヤ等の補強部材を挿通配置してもよい。このようにすると、リード部に引張り力が作用した際に、補強部材が当該引張り力を受けることで、配線の断線等を防止することができる。リード部25の寸法は、例えば外径0.8〜2mm程度、長さ500〜1000mm程度とすることができる。また、付勢部材と同様に、表面に任意の被膜を設けることで、抗血栓性や摺動性を付与したり向上させたりしてもよい。
リード部25は、遠位端から一定の長さの範囲が、第一の屈曲性を有する柔軟部26とされ、残りの範囲が、第一の屈曲性よりも小さい第二の屈曲性を有する非柔軟部27とされている。第一の屈曲性は、リード部の軸線方向に加えた力を長手方向に伝達しない程度の剛性を有して外力で容易に撓む程度の柔軟性を意味する。柔軟部26の長さは適宜設定できるが、例えば内頚静脈から神経刺激電極を挿入する場合は50〜200mm程度、鎖骨下静脈から神経刺激電極を挿入する場合は50〜250mm程度にすると、後述するように体動などにより神経刺激電極に作用する外力を十分に吸収することができる。発明者の検討では、柔軟部26の長さが100mm程度あれば、外力を十分に吸収して概ね留置部の位置ずれを防止できることを確認している。
非柔軟部27が有する第二の屈曲性は、リード部の軸線方向に加えた力を長手方向に伝達することができる程度の剛性を意味する。
導入シース30は、樹脂等で筒状に形成されている。 導入シース30は、挿通された神経刺激電極20を近位端側に引くことで内部に留置部21を保持することができる。導入シース30は、保持された留置部21を完全に拡張させずに公知のイントロデューサーに挿入可能な寸法に保持できる程度の剛性を有する。
このような導入シースは、樹脂等で形成することができ、中でもポリウレタン樹脂やポリアミド樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂などの生体適合性の比較的高い樹脂が材料として好ましい。また、寸法については、神経刺激電極20の留置時にイントロデューサーに挿入される遠位端側を、例えばイントロデューサーが9フレンチ(Fr.)のときに、外径2.9mmとすることができる。導入シース30の長さについては、留置部21を完全に収容できるよう、神経刺激電極20の軸方向における留置部21の寸法以上に設定されるのが好ましい。
導入シース30には、初めから神経刺激電極20が挿通されていてもよいし、導入シース30が留置直前に神経刺激電極20に装着されることにより神経刺激電極が導入シースに挿通されてもよい。後者の場合、導入シース30に、長手方向に延びる切れ目を形成しておくと、長手方向に割ることができて神経刺激電極20への装着が容易になり、好ましい。また、切れ目を形成する場合は、図3に示すように、切れ目31の周方向両側に、互いに係脱可能な係合部32および被係合部33を設けておくと、神経刺激電極を一度イントロデューサーに導入した後に、一度近位端側に引きもどして再導入する際等に便利である。係合部および被係合部の係脱構造には特に制限はなく、公知の各種構造から適宜選択して採用可能である。他の態様として、導入シースが十分な剛性を有する場合は、係合部および被係合部を設けなくても、留置部を収容した際に切れ目が広がらずに略筒状の形状を保ち、収容した留置部の寸法を保持することができる。
導入シース30の遠位端側には、図4に示すように、遠位側に向かって拡径する漏斗状またはラッパ状のガイド35が設けられてもよい。ガイド35があると、留置部21を導入シース30内に引き込む際に、留置部21がガイド35に沿って徐々に縮径するように変形するため、スムーズに導入シース内に移動させることができる。ガイド35は、留置部が導入シース内に移動した後は不要となるため、導入シースから取り外せる構成が好ましいが、例えばイントロデューサーに挿入できる程度に変形させたり、近位側に折り返したりできるような材料でガイドを形成すれば、取り外せない構成でも構わない。
操作シース40は、神経刺激電極20の留置操作時に使用するものであり、神経刺激電極20と係合することにより、神経刺激電極20の進退及び回転操作を行うことができる。操作シース40は、筒状の本体41と、本体41の基端部に設けられたハブ42とを備えている。本体41は留置操作時に血管内に挿入されるため、生体適合性に優れた上述の樹脂等で形成される。ハブ42は生体内に挿入されないため、かならずしも生体適合性に優れた樹脂で形成される必要はなく、本体と異なる樹脂で形成されてもよい。
留置操作の詳細については後述するが、本体41には留置操作時に長手方向への進退操作および軸線まわりの回転操作が加えられるため、これらの操作を長手方向に伝達可能な程度の剛性(例えばショア硬度で55D〜70D程度)を有するように構成される。このような硬度を実現するために、必要に応じてステンレスやタングステン等で形成した網状の金属ブレードを樹脂と組み合わせて本体41を構成してもよい。また、付勢部材等と同様に、表面に被膜を設けて抗血栓性や摺動性を向上させてもよい。
本体41の外径は、導入シース30の内径よりも小さく、導入シース内30に挿通可能である。これにより、導入シース30内に収容された留置部21を、導入シース30内に挿入した本体41で押し出すことができる。この条件を満たす限り、本体41の寸法は適宜設定されてよい。例えば、外径2.0〜2.9mm程度、内径1.0〜2.5程度、長さ300〜400mm程度としてもよい。
本体41の遠位端部における開口は、図5に示すように円形の周縁の4か所が径方向外側に張り出した非円形の形状となっている。神経刺激電極20における、留置部21とリード部25との接続部位29(図2も参照)は、この非円形に対応した断面形状を有しており、接続部位29が本体41の遠位端部開口に進入すると、神経刺激電極20と操作シース40とが、軸線まわりに相対移動できないように係合する。非円形の開口を有する本体の遠位端部は、一体成型により本体の他の部分と同時に形成してもよいし、別途形成したものを取りつけて本体を構成してもよい。また、遠位端部開口の非円形形状は、神経刺激電極20と操作シース40とが係合したときに軸線まわりの相対移動を十分規制できれば特に制限はない。したがって、図6や図7に記載のような非円形の形状でもよい。その中でも、周方向に等間隔で配置された複数の凹凸形状または平坦形状(以下、「凹凸形状等」と称する。)を有するものが好ましく、凹凸形状等の数が多くなると両者を係合させることが容易になるため、より好ましい。
図8は、操作シース40の近位端部の断面図である。ハブ42は、略円筒状の部材であり、軸線方向に延びて本体41の内部空間と連通する貫通孔43と、貫通孔43から分岐する側孔44とが設けられている。貫通孔43には、Oリング等のシール部材45が配置されており、操作シースに挿通されたリード部25の周囲を水密に封止して血液等の漏れを防止する。側孔44には、チューブ46が接続されており、チューブ46からヘパリン加生理食塩水等の薬液を操作シース40内に供給することができる。なお、チューブ46は必須ではなく、市販の投薬用チューブ等が接続可能なコネクタ等を側孔44に直接設けてもよい。
本体41およびハブ42は、手で軸線方向に裂くことにより、神経刺激電極20から取り外せるように構成されるのが好ましい。このような構成としては、公知のピールオフイントロデューサーと同様の構成を例示することができる。例えば、操作シースを構成する樹脂の配向を所定の状態として引き裂き容易としたり、引き裂きのきっかけとなる溝等を操作シースの軸線方向にわたり外周面に形成したりすればよい。
抜去シース50は、図1に示すように、操作シース40よりも近位端側に配置されている。抜去シース50の構成は、操作シースと概ね同様であり、筒状の本体51と、ハブ52とを備える。本体51およびハブ52は、それぞれ操作シースの本体41およびハブ42と同様の材料で形成することができる。
後述するように、神経刺激電極20の抜去時に留置部21が抜去シース50内に収容されるため、本体51の内径は、導入シース30の内径と同等以上とされるのが好ましい。また、抜去シース50は、神経刺激電極20の留置時に少なくとも一部が体外に出た状態で保持されるため、本体51の長さは100mm以下とされるのが好ましく、留置部21を完全に収容させる観点からは、50〜100mm程度がより好ましい。本体51の剛性は、留置部21の収容時に本体51が軸線方向に圧縮変形せず、留置部21を良好に収容できる程度(例えばショア硬度で55D〜70D程度)に設定される。
後述するように抜去シースは使用時頚部に穿刺されるが、穿刺部位付近での折れを防止するために、抜去シース本体の近位端を肉厚にし、折れに対する耐性を向上させてもよい。
図9は、抜去シース50の近位端部の断面図である。ハブ52は、ハブ42同様、貫通孔53、側孔54、シール部材55、およびチューブ56を備えている。貫通孔53、側孔54、シール部材55、およびチューブ56の構造は、それぞれ貫通孔43、側孔44、シール部材45、およびチューブ46と概ね同様でよい。さらに、ハブ52は、糸掛け穴57aを有する羽部57と、近位端部に設けられた締め込みノブ58とを備えている。
羽部57は、患者の皮膚に通した糸を糸掛け穴57a通すことで抜去シース50の体表面への固定に用いる。皮膚に通した糸は、必要に応じてハブ52に設けた糸掛け溝52aに巻きつけてもよい。面状の羽部57をテープ等で患者の皮膚に固定することで、神経刺激電極20による治療期間に抜去シース50が軸線まわりに回転することが防止される。
締め込みノブ58は、ハブ52にネジ嵌合されている。締め込みノブ58をハブ52に螺入すると、シール部材55が圧縮される。シール部材55の圧縮の度合いを調節することで、貫通孔53に挿通されたリード部25と抜去シース50との摺動抵抗を調節することができ、リード部25と抜去シース50とが相対移動可能な状態と相対移動不能な状態とを切り替えることができる。
刺激発生装置10は、図示しない電気刺激供給部を有しており、定電流方式または定電圧方式による神経刺激信号を発生させることができる公知の構成を有する。本実施形態では、図10に示すような、定電流方式であって位相が切り替わるバイフェージック波形群を、所定の間隔をあけて発生させる。具体的な波形としては、例えば周波数10〜20ヘルツ(Hz)、パルス幅50〜400ミリ秒(ms)で、プラスの最大電流0.25〜15ミリアンペア(mA)からマイナスの最大電流−0.25〜−15mAの間で電流が変化するものであってもよい。刺激発生装置10は、このようなバイフェージック波形を1分間あたり所定の長さ(例えば3〜10秒間)印加する。集中的に印加したい場合には連続印加されてもよい。
刺激発生装置10は、コネクタ28を介して神経刺激電極20と接続される。両者は着脱可能に接続されてもよいし、着脱不能に接続されてもよい。神経に電気刺激が印加される際、対となる刺激電極の一方はプラス電極として作用し、他方はマイナス電極として作用する。
上記の構成を備えた神経刺激システム1の使用時の動作について、上大静脈に留置する例を用いて説明する。
留置手技の準備として、神経刺激電極20が導入シース30、操作シース40、および抜去シース50に挿通された状態にする。操作シース40を神経刺激電極20の遠位端部側に移動(以下、「前進」と称する。)させて本体41の遠位側端部開口と接続部位29とを係合させる。操作シース40と抜去シース50には、それぞれチューブ46およびチューブ56から内部にヘパリン加生理食塩水等を満たして、シース内の空気を抜いておく。
術者は、患者の頚部に小切開を加えて内頚静脈に開口を形成し、公知のイントロデューサーを内頚静脈内に挿入する。このとき、イントロデューサーの先端部が上大静脈に到達するようにイントロデューサーを設置すると、神経刺激電極20を留置する際に静脈内の弁等を回避できるため、留置が簡便になり、好ましい。
次に術者は、神経刺激電極20を導入シース30に対して後退させ、留置部21を導入シース30内に収容し、イントロデューサーに挿入しやすい形状に変形させる。次に、導入シース30とイントロデューサーとが連通するように導入シースの遠位端部をイントロデューサーに接触させる。このとき、導入シース30の先端部をイントロデューサーに挿入すると、続く操作を行っている際に連通が解除されにくく、好ましい。
続いて術者は、操作シース40を把持して、イントロデューサーおよび導入シース30に対して前進させる。すると、留置部21は導入シース30から突出して押し出され、イントロデューサー内に移動する。導入シース30は、留置部21が完全にイントロデューサー内に移動した後であれば任意のタイミングで神経刺激電極20から取り外してよい。留置部21が完全にイントロデューサー内に移動したことは、留置患者のX線透視像等で確認することができる。
術者がさらに操作シース40を前進させると、留置部21がイントロデューサーの遠位端部から突出して押し出される(体内配置工程)。操作シース40の前進操作時に操作シース40が神経刺激電極20に対して前進しそうな場合は、操作シース40の近位端部とリード部25の近位端部とを一緒に把持して前進操作を行ってもよい。留置部21をイントロデューサーから突出させた後は、後の手技の妨げにならないよう、イントロデューサーを50mm〜100mm程度後退させる。
刺激発生装置10が神経刺激電極20に対し着脱可能な構成である場合には、ここで神経刺激電極20と刺激発生装置10とを接続する。
イントロデューサー外に移動した留置部21は、付勢部材22の復元力により、図11に示すように、血管内で元の形状に復帰しあるいは復帰しようとし、血管Bvの内壁(血管壁Vw)に接触して、刺激電極23A、23Bが血管壁に接触した状態で血管内に保持される。留置部21の突出時にイントロデューサーの先端部が神経刺激電極の目標留置位置から離れている等の場合は、必要に応じてX線透視下で神経刺激電極20を進退させて血管の走行方向における留置部21の大まかな位置調節を行う。神経刺激電極20の前進は上述のように操作シース40を用いて行い、後退はリード部25と操作シース40とを一緒に把持して行う。
留置部21の形状が安定した状態においては、各付勢部材22が上大静脈の内壁に押し当てられ、付勢部材22上の刺激電極23A、23Bも上大静脈の内壁に接触するように配置される。
血管の走行方向における留置部21の位置決めが終わったら、次に血管の軸線まわりにおける留置部21の位置調節を行う。これは、上大静脈の周方向において刺激対象の迷走神経が位置する位相と、留置部において刺激電極23A、23Bが位置する位相とを合わせることにより、電気刺激の効果を最適化するとともに、電気刺激による生体の好ましくない反応(咳など)をできるだけ抑えることが目的である。
位置調節は、刺激発生装置10から電気刺激を刺激電極23A、23Bに印加し、別途患者に取り付けた心電計等により患者の心拍数をモニターしながら行う。迷走神経に電気刺激を加えると、心拍数は低下し、低下の度合いは刺激電極23A、23Bが迷走神経に近づくほど大きくなる。術者は、患者の心拍数の変化を見ながら、操作シース40を軸線まわりに回転させて留置部21を回転操作し、留置部21の最適な位置を決定する。この過程においては、必要に応じて留置部21の血管走行方向における位置を再度調節してもよい。
留置部21の位置決めが完了したら、術者はリード部25を把持した状態で操作シース40を神経刺激電極20に対して後退させ、接続部位29と操作シース40との係合を解除する。術者はX線透視下でさらに操作シース40を後退させ、操作シース40の遠位端部を留置部21から100mm程度離れた位置まで移動させる。このとき、リード部を前進させる操作を適宜織り交ぜると、留置部21の位置変化を防ぐことができる。
続いて、術者は、リード部25の近位側端部を前進させる。この操作により、リード部25のうち非柔軟部27は前進するが、柔軟部26は第一の屈曲性を有するため前進操作は伝わらず前進しない。柔軟部26と非柔軟部27との境界部と、留置部21との距離が柔軟部26の長さよりも短くなると、柔軟部26は図12に示すように、血管内で非直線状にたるんだ状態となる。術者は、X線透視下でリード部25を観察し、柔軟部26がたるんだ状態になったことを確認したところでリード部25の位置を決定する。柔軟部26は、たるんでさえいれば留置後に神経刺激電極20に作用する外力を吸収できるため、たるんだ状態の形状には特に制限はない。したがって柔軟部26は、図12に示すような蛇行する形状の他、図13に示すようにループを形成するような形状であってもよい。
ここまでの手順で、神経刺激電極20の各部の留置位置決めが完了する。術者は、操作シース40を神経刺激電極20から取り外す。上述のように操作シース40が手で引き裂き可能な構成であれば、手で引き裂いて除去し、そうでない場合は、ハサミなどで長手方向に切り裂いて除去すればよい。その後イントロデューサーを除去する。
操作シース40の除去後、術者は締め込みノブ58のハブ52に対する螺入量を調節して抜去シース50とリード部25とを相対移動可能にし、抜去シース50を前進させて遠位側端部から血管内に挿入する。このとき、神経刺激電極20が移動しないように注意する。抜去シースの挿入は、イントロデューサーの除去と同時に行ってもよい。この場合、イントロデューサーの内腔を利用して抜去シースを挿入することができる。
ハブ52が患者の皮膚の近くまで移動したら、術者は羽部57を患者の皮膚に固定する。固定には、糸と糸掛け穴57aや糸掛け溝52aとを用いてもよいし、糸以外の手段、例えば粘着テープなどで固定してもよい。その後、締め込みハブ58を締め込んで、抜去シース50とリード部25とを相対移動しないように固定する。
以上で神経刺激電極20の留置が完了する。必要に応じて抜去シース50のハブ52経由でヘパリン加生理食塩水などの薬液投与が行われてもよい。刺激発生装置10は所望の位置、例えば患者の体表等に位置決めする。
留置完了後は、刺激対象の神経に対して所定の期間電気刺激治療を行う。治療期間は適宜設定されるが、上大静脈から迷走神経を刺激する場合は、例えば一週間程度の短期間が一般的である。治療中、患者の体動等により神経刺激電極20に力が作用しても、力の大部分はたるんだ柔軟部26が変形することにより吸収され、留置部21には作用しない。その結果、留置部21および刺激電極23A、23Bの位置ずれは著しく抑制される。
治療期間が終了したら、刺激発生装置10を停止して神経刺激電極20を抜去する。
まず術者は、抜去シース50のハブ52と皮膚との固定を解除する。次に、締め込みノブ58を緩め、抜去シース50とリード部25とを相対移動可能にする。術者は抜去シース50が血管から抜けないように保持しつつ、リード部25を把持して神経刺激電極20を引く。この操作により、留置部21は、血管内を移動して抜去シース50に接近し、本体51の遠位側端部開口から抜去シース50内に収容され、径方向の寸法が減少する(収容工程)。術者は、留置部21が抜去シース50内に収容された状態で抜去シース50および神経刺激電極20を血管から引き抜く。このような手順で抜去することで、留置部21が拡張したまま血管内を移動する量を少なくし、神経刺激電極20を血管内に導入する際に形成した開口に対して、広げるような負荷を与えることもない。その結果、血管に与える負荷を低減することができる。抜去シース50および神経刺激電極20の抜去後、術者は導入部位の皮膚に対し、縫合や圧迫などの必要な処置を行って治療を終了する。以上が本実施形態に係る神経刺激電極の留置方法の全容である。
以上説明したように、本実施形態の神経刺激システム1によれば、導入シース30を備えることにより、神経刺激電極20の留置部21が強い拡張力を有する等の場合であっても、容易にイントロデューサーに導入することができる。
また、操作シース40を備えることにより、導入シース30内に収容した留置部21を容易に導入シース30から押し出すことができる。さらに、接続部位29と係合させることにより、リード部25に柔軟部26を備えた神経刺激電極20であっても、好適に進退及び回転操作を行うことができ、留置時の位置調節を好適に行うことができる。操作シース40は、リード部25の外側からリード部に係合するため、リード部25よりも太くすることができ、回転トルクを神経刺激電極20に伝達しやすい。
さらに、抜去シース50を備えることにより、留置部21が強い拡張力を有する等の場合であっても、抜去シース50に留置部21を収容して抜去することで、血管に与える負荷を低減することができ、抜去のためだけに再手術等の外科的手技を行う必要もない。
以上のように、神経刺激システム1は、構成及び機能の異なる3つのシースを備えることで、留置手技の簡便化と患者の負担軽減との両方を実現することができる。
導入シースの構成は、上述したものに限られない。例えば、図14に示す変形例の導入シース130のように、内シース131と外シース132とからなる二重構造であってもよい。内シース131および外シース132には、それぞれ長手方向にわたってスリット131Aおよび132Aが設けられている。スリット131Aおよび132Aの幅は、操作シースが通過できる値に設定されている。図14に示すように、導入シース130Aの周方向において、スリット131Aとスリット132Aとの位相を一致させると、スリット131Aおよびスリット132Aが上述の切れ目として機能し、神経刺激電極を容易に導入シース130Aに挿通させることができる。導入シース130Aを神経刺激電極に装着後に内シース131と外シース132とを相対回転させて、図15に示すようにスリット131Aとスリット132Aとの位相をずらすと、神経刺激電極が導入シース130から抜けることが防止される。導入シースが上述のガイド35を備える場合は、このような二重構造やスリットを備えた構造をガイド35にも適用すればよい。
さらに、図16に示す断面図のように、内シース131に設けた凸部131Bと外シース132に設けた凹部132Bとを係合させる等すると、上述の相対回転操作の際に内シース131と外シース132とが軸線方向に相対移動することがなく、安定して相対回転操作を行うことができる。
近年、心不全の治療法の分野において、慢性心不全の憎悪時に、その予後が悪化することが明らかになりつつあるが、自律神経に対して直接的に電気的介入を加える組織刺激システムを用いることにより、循環調節異常を是正できることが知られるようになった。本実施形態の神経刺激システム1はこのような治療にも好適に適用可能である。
また、本実施形態の神経刺激システム1を用いることにより、急性心筋梗塞の再灌流治療後に発生する不整脈及びリモデリング現象を低減することができる。血管内に留置した神経刺激電極20により迷走神経を電気的に刺激し、再灌流治療後に一定期間継続的に心拍数を低下させることにより、心臓の負荷を減少させ、心臓リモデリングを低減することができる。
次に、本発明の第二実施形態について、図17および図18を参照して説明する。本実施形態と第一実施形態との異なるところは、神経刺激電極の構造である。なお、以降の説明において、すでに説明したものと共通する構成等については、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
図17は、本実施形態における神経刺激電極70を示す図であり、図18は、神経刺激電極70におけるリード部71の断面図である。リード部71は、柔軟部27および非柔軟部27を有する点は第一実施形態のリード部25と同様であるが、図18に示すように、内部は中空に形成されている。リード部71の近位側端部には、リード部の内部空間を分岐させる分岐部72が設けられている。分岐部72は、リード部71の内部空間と連通する貫通孔73と、貫通孔73に連通する側孔74とを有し、側孔74にはチューブ75が接続されている。すなわち、分岐部72の構造は、上述したハブ42やハブ52と概ね同様である。分岐部72において、側孔74よりも近位側の部位にはシール部材76が配置され、貫通孔73の近位側端部は水密に封止されている。リード部71の外周面には、内部空間に連通する放出孔77が設けられている。したがって、チューブ75から供給した液体は、放出孔77から放出可能である。放出孔77を設ける位置や個数は適宜設定されてよいが、血栓形成を抑制することが目的の場合は、留置部21に近い近位側端部に設けるのが好ましい。リード部71内に配置された配線78には絶縁被覆が施されており、リード部内に供給された液体に電気が漏れないようにされている。配線78は、シール部材76にあけられた穴を通り、刺激発生装置10に接続されている。
神経刺激電極70を備える本実施形態の神経刺激システムにおいては、神経刺激電極70を血管内に留置した後、治療期間中等に分岐部72からヘパリン加生理食塩水等の薬液を投与することができる。投与された薬液は、放出孔77から放出されるため、抜去シースのハブから薬液を投与する場合よりも、血栓が形成されやすい留置部21により近い位置に薬液を放出させることができ、血栓防止効果をより向上させることができる。
本実施形態では、リード部内で液体の通る内部空間に配線が配置された例を用いたが、これに代えて、公知のマルチルーメンチューブ等を用いてリード部を構成し、液体の通る内部空間と配線が配置される空間とを隔絶してもよい。この場合は、必ずしも配線を絶縁被覆しなくてもよい。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において構成要素の組み合わせを変えたり、各構成要素に種々の変更を加えたり、削除したりすることが可能である。
例えば、神経刺激電極には様々な変更が可能である。まず、留置部に用いる付勢部材の数や形状は、留置する血管の種類や部位等を考慮して様々に変更されてよい。付勢部材2本で留置部を構成した例としては、図19(a)に示す留置部81Aや、図19(b)に示す留置部81Bのような、羽根状の留置部などが挙げられる。より多くの付勢部材で構成した留置部の例としては、図19(c)に示す網状かつ筒状に形成された留置部81Cなどが挙げられる。その他、付勢部材は上述の例と同じく4本としつつ、図19(d)に示すように、付勢部材22に血管壁に係止される爪部82を設けた留置部81Dのような態様も考えられる。また、刺激電極23A、23B等を設ける部位も、留置部の形状等を考慮して、図19(a)から図19(c)に示すように、付勢部材でなくリード部25に変更してもよい。
また、上述の各実施形態では、リード部が屈曲性の異なる2つの部位を有する例を示したが、柔軟部と非柔軟部とを備えていれば、それらいずれとも異なる屈曲性を有する他の部位をさらに有してもよい。また、各部位の境界部において、屈曲性が徐々に変化するようにリード部が構成されてもよい。
さらに、導入シースの近位側端部にシール部材を設けて、神経刺激電極をイントロデューサーに導入する際の血液の漏れ等を防いでもよい。
さらに、操作シースと神経刺激電極との係合部位は、留置部とリード部との接続部位に限られない。図20に示す変形例では、操作シース40の遠位側端部に複数の切欠き85が設けられ、留置部の付勢部材22が切欠き85に入り込むことで両者が係合する構成となっている。
さらに、操作シースを引き裂き可能に構成する場合は、図21に示す変形例のように、シール部材45の外周に切り込み45aを設けておくと、シール部材45も引き裂き除去可能にすることができ、好ましい。切り込み45aの個数や設置間隔等は適宜設定できるが、水密性を確保できる範囲で数多く設けておくと、本体やハブに設けたカットラインや溝等との位置合わせを厳密に行わなくても引き裂き可能に構成することができるため、製造効率を向上させることができる。
本発明は、以下の技術思想を含む。
(付記項1)
筒状の導入シースと、前記導入シース内で進退可能な筒状の操作シースと、筒状の抜去シースとを用いて、刺激電極と、弾性変形可能な付勢部材を用いて構成された留置部と、電気刺激を発生する刺激発生装置と前記留置部とを接続するリード部と、を有する神経刺激電極を体内に留置するための留置方法であって、
前記操作シースの近位端側に前記抜去シースを配置し、前記留置部が前記操作シースの遠位端側に位置するように前記リード部を前記操作シース及び前記抜去シースに挿通する工程と、
前記リード部が前記操作シース及び前記抜去シースに挿通された前記神経刺激電極を前記導入シースに挿通し、前記留置部を前記導入シース内に収容する工程と、
前記導入シースと前記イントロデューサーとが連通するように前記導入シースと前記イントロデューサーとを接触させる工程と、
前記操作シースを前記導入シースに対して相対移動させて前記導入シースから前記留置部を押し出し、前記留置部を前記イントロデューサー内に配置する工程と、
前記操作シースを前記イントロデューサーに対して相対移動させて前記イントロデューサーから前記留置部を押し出し、前記留置部を前記体内に配置する体内配置工程と、
を備える。
(付記項2)
付記項1に記載の留置方法であって、
前記体内配置工程の後に、前記操作シースと前記神経刺激電極とを係合させて前記操作シースを軸線まわりに回転させ、前記留置部を回転操作する工程をさらに備える。
(付記項3)
付記項1に記載の留置方法であって、
前記体内配置工程の後に、前記抜去シースの先端を前記体内に位置させて前記留置部を前記抜去シース内に収容する収容工程と、
前記収容工程のあとに前記抜去シースおよび前記神経刺激電極を体外に抜去する工程と、
をさらに備える。
1 神経刺激システム
10 刺激発生装置
20、70 神経刺激電極
23A、23B 刺激電極
21、81A、81B、81C、81D 留置部
22 付勢部材
25、71 リード部
26 柔軟部
27 非柔軟部
30、130 導入シース
31 切れ目
32 係合部
33 被係合部
35 ガイド
40 操作シース
42 ハブ
45 シール部材
45a 切り込み
50 抜去シース
52 ハブ
55 シール部材
57 羽部
58 締め込みノブ
77 放出孔

Claims (15)

  1. 刺激電極と、弾性変形可能な付勢部材を用いて構成され、前記刺激電極を前記生体内に保持する留置部と、電気刺激を発生する刺激発生装置と前記留置部とを接続するリード部と、を有する神経刺激電極を備えた神経刺激システムであって、
    前記リード部に装着され、前記留置部を弾性変形させた状態で内部に収容可能な筒状の導入シースと、
    前記リード部が挿通され、かつ前記導入シース内で進退可能であり、前記神経刺激電極と係合することにより、前記神経刺激電極の進退及び回転操作が可能な筒状の操作シースと、
    前記リード部が挿通されて前記操作シースよりも前記神経刺激電極の近位側端部寄りに配置され、前記留置部を弾性変形させた状態で内部に収容可能な筒状の抜去シースと、
    を備え、
    前記リード部は、
    遠位側端部に設けられ、第一の屈曲性を有する柔軟部と、
    前記柔軟部よりも近位側に設けられ、前記第一の屈曲性よりも小さい第二の屈曲性を有する非柔軟部と、を有する、
    神経刺激システム。
  2. 前記リード部は中空に形成され、外周面に内部空間と連通する放出孔を有し、前記内部空間に導入した液体を前記放出孔から放出可能である、請求項1に記載の神経刺激システム。
  3. 前記導入シースは、長手方向にわたる切れ目を有する、請求項1または2に記載の神経刺激システム。
  4. 前記導入シースは、前記切れ目の周方向両側に、互いに係脱可能な係合部及び被係合部を有する、請求項3に記載の神経刺激システム。
  5. 前記導入シースは、長手方向に引き裂き可能に構成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の神経刺激システム。
  6. 前記導入シースは、遠位側端部に、遠位端に向かって拡径するガイドを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載の神経刺激システム。
  7. 前記導入シースは、挿通された前記リード部の周囲を水密に封止するシール部材を有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の神経刺激システム。
  8. 前記操作シースは、近位端部にハブを有し、前記ハブを経由して前記操作シース内に液体を供給可能である、請求項1から7のいずれか一項に記載の神経刺激システム。
  9. 前記操作シースは、遠位側端部開口の形状が非円形であり、前記遠位側端部開口において前記神経刺激電極と係合する、請求項1から8のいずれか一項に記載の神経刺激システム。
  10. 前記操作シースは、長手方向に引き裂き可能に構成されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の神経刺激システム。
  11. 前記操作シースは、周縁に切り込みを有し、挿通された前記リード部の周囲を水密に封止するシール部材を有する、請求項1から10のいずれか一項に記載の神経刺激システム。
  12. 前記抜去シースは、挿通された前記リード部の周囲を水密に封止するシール部材を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の神経刺激システム。
  13. 前記抜去シースは、前記シール部材の圧縮状態を変更可能な締め込みノブを有し、前記圧縮状態を変更することで、前記抜去シースと前記リード部とが相対移動可能な状態と、前記抜去シースと前記リード部とが相対移動不能な状態とを切り替え可能である、請求項12に記載の神経刺激システム。
  14. 前記抜去シースは、近位端部にハブを有し、前記ハブを経由して前記操作シース内に液体を供給可能である、請求項1から13のいずれか一項に記載の神経刺激システム。
  15. 前記ハブは、面状の羽部を有する、請求項1から14のいずれか一項に記載の神経刺激システム。
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