JP6621695B2 - 医療機器セット - Google Patents

医療機器セット Download PDF

Info

Publication number
JP6621695B2
JP6621695B2 JP2016062194A JP2016062194A JP6621695B2 JP 6621695 B2 JP6621695 B2 JP 6621695B2 JP 2016062194 A JP2016062194 A JP 2016062194A JP 2016062194 A JP2016062194 A JP 2016062194A JP 6621695 B2 JP6621695 B2 JP 6621695B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheath
electrode support
medical device
lead
extraction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016062194A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017170004A (ja
Inventor
正司 稲垣
正司 稲垣
勝 杉町
勝 杉町
直輝 大高
直輝 大高
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Cerebral and Cardiovascular Center
Original Assignee
National Cerebral and Cardiovascular Center
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Cerebral and Cardiovascular Center filed Critical National Cerebral and Cardiovascular Center
Priority to JP2016062194A priority Critical patent/JP6621695B2/ja
Publication of JP2017170004A publication Critical patent/JP2017170004A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6621695B2 publication Critical patent/JP6621695B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrotherapy Devices (AREA)
  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)

Description

本発明は、医療機器セットに関する。
従来、例えば血管を通して、患者の体内に挿入して用いる医療機器が知られている。
例えば、特許文献1には、神経を刺激するための医療用電気リードであって、血管内でのリードの回転や動きを最小限にすると共に、安定した信頼性の高い長期療法の送達を可能にする技術が開示されている。
特許文献1に記載の医療用電気リードは、パルス発生器に接続するように構成された基端を有する導電性リード本体と、血管壁を越えて電気パルスを送るように構成された少なくとも1つの電極を具備する先端部と、リードアンカーとを具備している。特許文献1に記載の医療用電気リードの先端部はリードアンカーの外側に結合されている。
特許文献1に開示されたリードアンカーは、折り畳まれた形状から、予め形成された拡張形状へと拡がるように構成されている。リードアンカーの先端部は、折り畳み形状のとき、折り畳まれたリードアンカーの有効長と実質的に等しい有効長を有する。リードアンカーは、拡張形状のとき、リードが配置されている血管の血管壁にリード先端部を押しつける。リードアンカーは、血管内において、リードの先端部の位置を固定する。
特表2010−516405号公報
特許文献1に記載の医療用電気リードのように、拡張時に血管の内壁を押圧するリードアンカーを備える医療機器では、リードアンカーを折り畳んで血管内に挿入する必要がある。特許文献1には、リードアンカーを折り畳み形状に保持し得るガイドカテーテルにリードアンカーを保持して患者の血管に挿入することが記載されている。
特許文献1に記載によれば、医療用電気リードは「血管内に位置する刺激部位から隣接する神経を長期的に刺激する」。特許文献1に記載の医療用電気リードは、患者の体内から抜去されるかどうか不明である。特許文献1には、医療用電気リードを患者の体内から抜去する手段は何ら記載されていない。
しかし、血管内に挿入する医療機器は、種々の事情によって、患者の体内から抜去しなければならない場合がある。例えば、医療機器の使用が終了した場合、あるいは医療機器を配置したことに起因して副作用が発生した場合には、医療機器を患者の体内から抜去することが考えられる。
特許文献1に記載の医療用電気リードのように、血管内で拡張して血管の内壁と摩擦係合するリードアンカーを有する場合には、抜去時にリードアンカーが血管の開口を拡げたり、傷つけたりするおそれがあるという問題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、血管の内壁を弾性的に押圧する付勢部材を有する医療機器を患者の体内に容易に挿入することができ、かつ治療後には抜去シースに収納して抜去することで患者の体内から容易に抜去することができる医療機器セットを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の態様の医療機器セットは、線状体と、前記線状体の先端部に配置され血管の内壁を弾性的に押圧する付勢部材と、を有し、前記線状体の一部および前記付勢部材が血管の内部に配置される医療機器と、前記線状体が内側に挿通する第1筒状部と、前記医療機器と着脱可能に係合する係合部と、を有する操作シースと、前記第1筒状部が内側に挿通される第2筒状部を有し、前記操作シースの長手方向において、前記操作シースに対して相対移動可能に配置された抜去シースと、を備える。
上記医療機器セットにおいては、前記抜去シースは、前記第2筒状部から前記操作シースが抜去されたときに、前記第2筒状部の内周面と前記線状体の外周面との間をシールするシール部を備えてもよい。
上記医療機器セットにおいては、前記抜去シースは、前記操作シースの前記第1筒状部の外周面に摺動可能に嵌合してもよい。
上記医療機器セットにおいては、前記抜去シースは、前記付勢部材寄りの第1端部の外周に、前記第1端部と反対側の第2端部から前記第1端部に向かって縮径するテーパ部を有してもよい。
上記医療機器セットにおいては、前記抜去シースは、前記第2筒状部の内側に挿通された前記第1筒状部と、前記操作シースが除去された際に前記第2筒状部の内側に挿通された前記線状体とに対して、長手方向の相対位置を固定する位置固定部を備えてもよい。
本発明の医療機器セットによれば、操作シースの第1筒状部を内側に挿通する抜去シースを備えるため、血管の内壁を弾性的に押圧する付勢部材を有する医療機器を患者の体内に容易に挿入することができ、かつ治療後には抜去シースに収納して抜去することで患者の体内から容易に抜去することができるという効果を奏する。
本発明の実施形態の医療機器セットの全体構成を示す模式図である。 本発明の実施形態の医療機器セットの医療機器の構成を示す模式図である。 本発明の実施形態の医療機器セットのリード部の電極支持体固定部材および操作シースの遠位端部を示す模式的な斜視図である。 本発明の実施形態の医療機器セットの医療機器の付勢部材の構成を示す模式的な正面図である。 図4におけるA方向から見た側面図である。 本発明の実施形態の医療機器セットの付勢部材の長手方向に沿う模式的な断面図である。 図6におけるB−B断面図である。 本発明の実施形態の医療機器セットの操作シースの基端側の構成を示す模式的な断面図である。 本発明の実施形態の医療機器セットの抜去シース内に付勢部材が挿入された状態を示す模式的な断面図である。 本発明の実施形態の医療機器セットの抜去シースの構成を示す模式的な断面図である。 本発明の実施形態の医療機器セットの医療機器とともに用いられる電気刺激装置が発生する刺激パルスの例を示す模式図である。 本発明の実施形態の医療機器セットの付勢部材を上大静脈内に挿入した状態を示す模式図である。 本発明の実施形態の医療機器セットの医療機器の留置動作を示す模式図である。 本発明の実施形態の医療機器セットの医療機器の留置動作を示す模式図である。 本発明の実施形態の医療機器セットの医療機器の留置動作を示す模式図である。 本発明の実施形態の医療機器セットの線状体のたるみの例を示す模式図である。 本発明の実施形態の医療機器セットの線状体のたるみの例を示す模式図である。 比較例の医療機器セットの医療機器の留置動作を示す模式図である。 比較例の医療機器セットの医療機器の留置動作を示す模式図である。
本発明の実施形態の医療機器セットについて説明する。
図1は、本発明の実施形態の医療機器セットの全体構成を示す模式図である。図2は、は、本発明の実施形態の医療機器セットの医療機器の構成を示す模式図である。図3は、本発明の実施形態の医療機器セットのリード部の電極支持体固定部材および操作シースの遠位端部を示す模式的な斜視図である。図4は、本発明の実施形態の医療機器セットの医療機器の付勢部材の構成を示す模式的な正面図である。図5は、図4におけるA方向から見た側面図である。図6は、本発明の実施形態の医療機器セットの付勢部材の長手方向に沿う模式的な断面図である。図7は、図6におけるB−B断面図である。図8は、本発明の実施形態の医療機器セットの操作シースの基端側の構成を示す模式的な断面図である。図9は、本発明の実施形態の医療機器セットの抜去シース内に付勢部材が挿入された状態を示す模式的な断面図である。図10は、本発明の実施形態の医療機器セットの抜去シースの構成を示す模式的な断面図である。
各図面は模式図のため、形状および寸法は誇張されている(以下の図面も同様)。
図1に示すように、本実施形態の医療機器セット100は、電気刺激電極1(医療機器)、操作シース50、および抜去シース60を備える。
電気刺激電極1は、血管の内壁から神経を刺激するために、血管内に挿入して用いられる。電気刺激電極1は、電気刺激電極1に刺激パルスを印加する電気刺激装置70とともに用いられる。
図2に示すように、電気刺激電極1は、刺激電極部10、11と、リード部20(線状体)と、電極支持体25(付勢部材)と、を備える。
刺激電極部10、11は、血管の内壁を通して電気刺激を与える。刺激電極部10、11のうち、一方はプラス電極として用いられ、他方はマイナス電極として用いられる。
リード部20は、線状に形成され、刺激電極部11、10に電気的に接続された後述の配線35(図6参照)を挿通する。リード部20の第1端部E1(線状体の先端部)には、後述する電極支持体25が設けられる。図1に示すように、リード部20の第2端部E2には、電気刺激装置70が連結される。
電極支持体25は、リード部20の先端部に配置され、電気刺激電極1が血管内に挿入された際には、血管の内壁を弾性的に押圧する。
本実施形態では、電極支持体25は、線状の弾性部材26A、26B、26Cによって一定の軸線C周りに略回転対称となる籠状(バスケット状)に形成される。
ここで「籠状(バスケット状)」とは、線状部材が張る立体形状であって、先端側に開口し、外形が基端側に向かって縮径する形状を意味する。先端側は略円筒状であってもよい。基端側は、より基端側に向かうにつれて外径が小さくなる円錐状または擬似円錐状であってもよい。擬似円錐状とは、側面が真の円錐に比べて膨らみを有するかまたは細っている形状である。
弾性部材26Aは、刺激電極部10、11を備える。電極支持体25は、リード部20の第1端部E1に、後述する電極支持体固定部材22を介して固定される。
以下では、電気刺激電極1の各部材の間の電気刺激電極1の長手方向に沿う相対位置関係を説明する場合、電極支持体25寄りの位置を先端側、電気刺激装置70寄りの位置を基端側という場合がある。電極支持体25においては、リード部20に対する遠位側を先端側、リード部20に対する近位側を基端側という場合がある。
リード部20は、リード本体21、電極支持体固定部材22、およびコネクタ23を備える。
リード本体21は、ポリアミド樹脂等の生体適合性を有する材料で形成され、線状に延ばされた管状部材である。例えば、リード本体21の外径は0.8mm以上2mm以下である。例えば、リード本体21の長さは500mm以上1000mm以下である。リード本体21の管路内には、後述する図示略の配線35が挿通される。
リード本体21の内部には、配線35の他に、リード本体21の引張り強度を高めるために金属ワイヤ等の補強部材(テンションメンバ)が配置されたり、挿通されたりしてもよい。補強部材を配置、挿通する場合、リード本体21に引張り力が作用した際に、補強部材が引張り力の負荷を負担することができるため、配線35の断線等を防止することができる。
リード本体21の表面には、適宜のコーティングを施してもよい。例えば、リード本体21の表面に抗血栓コーティングを施してもよい。例えば、リード本体21の表面に摺動性を向上するコーティングを施してもよい。
図2に示すように、リード本体21は、先端側から基端側に向かって、柔軟部21Aと、非柔軟部21Bとをこの順に備える。
柔軟部21Aは、リード本体21の先端部から一定の長さの範囲に形成される。柔軟部21Aは、第1の屈曲性を有する。
非柔軟部21Bは、リード本体21において柔軟部21Aを除く基端側の範囲に形成される。非柔軟部21Bは、第1の屈曲性よりも小さい(より曲がりにくい)第2の屈曲性を有する。
リード本体21が全長にわたって硬い場合、留置後に体動など患者の動きによる外力が、血管内に留置した電極支持体25に伝わって、電極支持体25の位置移動が生じる可能性がある。電極支持体25の位置移動が生じると、神経を刺激する効果が低減、もしくは消失する可能性がある。
しかし、リード本体21の一部である柔軟部21Aが十分に軟らかい場合、柔軟部21Aを血管内でたるませて設置することができる。この結果、基端側に生じた外力を柔軟部21Aにおいて吸収することにより、電極支持体25の位置移動を防ぐことができる。
第1の屈曲性とは、血管内において、例えば、体動などによって基端側に発生する外力を吸収できる程度にたるむことができる屈曲性を意味する。
柔軟部21Aに第1の屈曲性を持たせるには、例えば、柔軟部21Aをショア硬度20D以上40D以下程度の材質で構成する。柔軟部21Aに第1の屈曲性を持たせるには、さらに、柔軟部21Aの長さを、体動などによる外力を吸収するのに十分な長さに設定する。
第1の屈曲性を得る長さは、電極支持体25の留置場所によって異なる。例えば、電極支持体25を内頚静脈から挿入して、上大静脈に留置する場合には、柔軟部21Aの長さは、50mm以上250mm以下程度にしてもよい。同じく電極支持体25を鎖骨下静脈から挿入する場合には、柔軟部21Aの長さは、50mm以上250mm以下程度にしてもよい。柔軟部21Aが外力を吸収するためには、柔軟部21Aは長い方がより好ましい。例えば、柔軟部21Aの長さは、電極支持体25を内頚静脈、鎖骨下静脈のいずれから埋植する場合にも、100mm以上とする方がより良好に外力を吸収できる。
非柔軟部21Bが有する第2の屈曲性は、非柔軟部21Bの基端部において非柔軟部21Bの軸線方向に加えた力を非柔軟部21Bの先端部に伝達することができる程度の剛性を有することを意味する。
電極支持体固定部材22は、リード部20の先端側である第1端部E1においてリード本体21と連結された管状部材である。電極支持体固定部材22の中心軸線は、軸線Cと同軸である。
図3に示すように、電極支持体固定部材22の中心には長手方向に延びる貫通孔22cが形成されている。貫通孔22cの先端側には、後述する弾性部材26A、26B、26Cの基端部が挿入されている。貫通孔22cにおける図示略の基端側には、弾性部材26Aから延びる図示略の配線35が挿通される。
電極支持体固定部材22の外周部には、円筒面状の外周面22bから、係合突起22aが突出している。
係合突起22aの形状は、後述する操作シース50の係合部53と軸線C回りに着脱可能に係合可能な非円形の形状であれば、特に限定されない。本実施形態では、一例として、外周面22bの一部が径方向外側に張り出しかつ電極支持体固定部材22の長手方向に延ばされた形状を有する。本実施形態における係合突起22aは、外周面22bを周方向に4等分する4箇所に設けられている。
電極支持体固定部材22は、生体適合性に優れた金属、例えば、チタンなどによって形成されてもよい。
電極支持体固定部材22の表面には、抗血栓コーティングが施されてもよい。
図1に示すように、コネクタ23は、リード部20の第2端部E2において電気刺激装置70を連結する。コネクタ23は、リード部20の基端側まで延ばされた図示略の配線35と電気刺激装置70とを電気的に接続する。
コネクタ23としては、例えば公知のIS−1コネクタやその他の防水型コネクタなどを用いることができる。ただし、電気刺激電極1において、コネクタ23は必須ではなく、リード部20に挿通される配線35と電気刺激装置70とは、直接的に接続されてもよい。
ここで、電極支持体25の外形形状および内部構造について説明する。
図4、図5に示すように、電極支持体25は、一例として、互いに同一形状に曲げられた弾性部材26A、26B、26Cを備える。
弾性部材26A、26B、26Cは、軸線Cを中心として周方向にずらして組み合わされる。
本実施形態の電極支持体25の外形は、先端側で略円筒状であり、基端側では、真の円錐よりも膨らみを持った擬似円錐状である。すなわち、本実施形態の電極支持体25の外形は、基端側に頂部を有する砲弾型である。
弾性部材26A、26B、26Cには、血管の内壁との摩擦力を高めるため、それぞれの外面から突出する凸部30が設けられている。
弾性部材26Aは、刺激電極部10、11を備える。
弾性部材26B、26Cは、刺激電極部10、11を有しない点を除いて、弾性部材26Aと同様の外形を有する。
図6、図7に示すように、弾性部材26Aは、ワイヤ部33の外周面が、電気的絶縁性を有する被覆34で覆われた線状部材で構成される。
ワイヤ部33の長手方向に直交する断面形状は、特に限定されない。例えば、ワイヤ部33の長手方向に直交する断面形状は、円形、楕円形、正方形、長方形などでもよい。ワイヤ部33の外径または辺寸法は、0.2mm以上0.5mm以下程度としてもよい。
本実施形態では、ワイヤ部33の長手方向に直交する断面は、例えば0.3mm角(辺寸法が0.3mm)の正方形に形成されている。ワイヤ部33の材質としては、形状記憶合金、超弾性ワイヤ等を用いることができる。
ワイヤ部33の外周面には、樹脂被膜を設けてもよい。樹脂被膜の材質としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂などを用いることができる。樹脂被膜の厚さは、例えば、50μm以上500μm以下であってもよい。
被覆34の長手方向に直交する断面は、一例として、円形である。被覆34の断面形状は、円形には限定されず、例えば、楕円形などでもよい。
被覆34の外径は、例えば0.8mmである。被覆34に好適な材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂などの樹脂を採用することができる。
刺激電極部10は、白金イリジウム合金等の生体適合性を有する金属で円筒状に形成されている。刺激電極部10の寸法は、例えば外径が0.8mm、長さが4mmである。刺激電極部10は、外周面の一部が被覆34から外部に露出している。刺激電極部10の露出面積は、例えば、1mm以上5mm以下であってもよい。
刺激電極部10の露出方向は、弾性部材26Aを電極支持体25に組み立てた際に、電極支持体25の径方向外側に向く方向である。電極支持体25の径方向外側に向く方向とは、軸線Cに直交する直線に沿って、軸線Cから遠ざかる方向である。
刺激電極部10とワイヤ部33との間は、被覆34により電気的に絶縁されている。被覆34とワイヤ部33との間の電気的な絶縁をより確実にするために、刺激電極部10とワイヤ部33との間に樹脂製の絶縁部材を設けてもよい。
刺激電極部10の内周面には、配線35が溶接等により電気的に接続される。配線35は、被覆34内に配置されてワイヤ部33に沿って延び、弾性部材26Aの基端部から、リード部20側に延出される。
例えば、配線35は、耐屈曲性を有するニッケルコバルト合金からなる撚り線を、電気的絶縁材で被覆して形成することができる。
ニッケルコバルト合金の例としては、35NLT25%Ag材、35NLT28%Ag材、または35NLT41%Ag材を挙げることができる。
配線35の電気的絶縁材の例としては、厚さ20μmのETFE(四フッ化エチレン−エチレン共重合体樹脂)、厚さ20μmのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン樹脂)などの例を挙げることができる。
特に図示しないが、刺激電極部11は、刺激電極部10と対向する基端側の部位に形成されている点を除いて、刺激電極部10と同一の構成である。
刺激電極部10、11は、軸線Cに沿う方向において、少なくとも3mmから20mm程度の間をあけて配置される。
図6には、刺激電極部10に接続される配線35を示すが、刺激電極部11にも同様な構成を有する他の配線35が接続されている。弾性部材26Aにおいて刺激電極部11よりも基端側では、後述する被覆34内に2本の配線35が並行して配置される。これらの配線35は互いに電気的に絶縁された状態である。
上記のように構成された弾性部材26A、26B、26Cは、ワイヤ部33等によって弾性を有する。
図4、5に示すように、電極支持体25において、隣り合う弾性部材26A、26B、26Cは互いに交差している。弾性部材26A、26Bと、弾性部材26B、26Cと、弾性部材26C、26Aと、がそれぞれ交差した部分は、弾性部材固定部38によって固定される。
弾性部材固定部38は、例えば、各弾性部材26A、26B、26Cの被覆34を溶融接合により互いに接合して形成することができる。電極支持体25には、3つの弾性部材固定部38が設けられる。
弾性部材固定部38よりも先端側の弾性部材26A、26B、26Cは、図5に示すように、軸線Cに沿う方向から見ると、略六角形状の開口部を形成している。
図4に示すように、軸線Cに沿う方向において電極支持体25の中間部には、弾性部材固定部38よりも基端側に、張出し部40、41、42が形成されている。
図5に示すように、張出し部40、41、42は、自然状態の電極支持体25において、外径が最大となる外周部を構成する。ここで、電極支持体25の自然状態とは、組み立てられた状態であって、外力が作用しないか作用しても変形が無視できる状態である。
電極支持体25の自然状態における外径は、電極支持体25を留置する上大静脈等の血管の内径よりも大きい。例えば、血管が上大静脈の場合、電極支持体25の自然状態における外径は、20mm以上40mm以下とすることができる。電極支持体25の軸線C方向の長さは、例えば、35mmである。
電極支持体25の弾性部材26A、26B、26Cの基端部は、リード部20の電極支持体固定部材22に溶接接合、接着接合、またはカシメ接合によって接続される。
このように構成された電極支持体25は、例えば、張出し部40、41、42などを通して、径方向内側に向かう外力が作用すると、電極支持体25は、径方向において、自然状態の外径よりも縮径する。このとき、電極支持体25の軸方向の長さは、軸線Cに沿って延びる。周方向に隣り合う弾性部材26A、26B、26Cは、それぞれ周方向の間隔が縮まる。
図1に示す操作シース50は、電極支持体25を血管内に配置する際、電極支持体25を血管内で進退および回転させる操作が可能である。
操作シース50は、先端側から、係合部53、シース本体51(第1筒状部)、およびハブ52を備える。
図3に示すように、係合部53は、リード部20の電極支持体固定部材22を周方向に係合する。
係合部53の内周面は、電極支持体固定部材22の外周部の凹凸形状と嵌合する凹凸形状が形成される。本実施形態では、係合部53の内周部には、内周面53bと、係合溝53aとが形成される。
内周面53bは、電極支持体固定部材22の外周面22bと、軸線Cに沿う方向に摺動可能に外嵌する円筒面状の部位である。
係合溝53aは、内周面53bに形成され、電極支持体固定部材22の係合突起22aと嵌合する。
係合溝53aは、係合突起22aが電極支持体固定部材22の軸線方向(軸線Cに沿う方向)に延びていることに対応して、操作シース50の軸線方向(長手方向)に沿って延ばされる。このため、係合部53は、電極支持体固定部材22の軸線方向に沿って着脱可能である。
電極支持体固定部材22は、係合部53に挿入されると、操作シース50に対して、軸線方向に移動可能、かつ周方向に移動不能に係合される。電極支持体固定部材22と係合部53とが係合すると、操作シース50をその軸線回りに回転させることによって、電極支持体25に回転トルクを伝達することができる。
係合部53は、後述するシース本体51と一体成形したり、シース本体51を変形させたりして形成されてもよい。ただし、係合部53は、シース本体51と固定されていれば、シース本体51とは別部品で構成されてもよい。
図1に示すように、シース本体51は、内部にリード部20を挿通する筒状部材である。シース本体51は、リード部20に対して相対的に摺動可能である。
シース本体51の先端部には、係合部53がシース本体51と同軸に配置されている。
シース本体51の基端部には、後述するハブ52が固定されている。
シース本体51は、生体適合性を有する材料、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、フッ素樹脂などを用いて形成される。
シース本体51は、例えば、基端部を手に持って回転させるなどして、与えられる回転トルクを係合部53に伝達できる程度のねじり剛性を備える。
シース本体51の樹脂内部には、例えば、ステンレス、タングステン等を用いた金属ブレードを封入してもよい。この場合、シース本体51の剛性を向上したり、耐キンク性を向上したりすることができる。
シース本体51の表面には、必要に応じて、適宜の被膜を設けてもよい。被膜の例としては、例えば、抗血栓性、摺動性を向上する被膜を挙げることができる。
シース本体51の外径は、例えば、2.0mm以上2.9mm以下としてもよい。シース本体51の内径は、例えば、1.0mm以上2.5mm以下としてもよい。
シース本体51の長さは、係合部53を、電極支持体25の留置位置の近傍に配置できる程度の長さである。例えば、シース本体51の長さは、300mm以上400mm以下としてもよい。
シース本体51がこのような形状および長さの場合、電極支持体固定部材22に対する回転操作を行うためのねじり剛性を得るには、例えば、シース本体51に用いる材料の硬度が、ショア硬度55D以上70D以下程度であればよい。シース本体51の内部に金属ブレードを封入する場合には、さらにショア硬度が低い材料も使用可能である。
図8に示すように、ハブ52は、略円筒状の部材である。ハブ52は、軸線方向に延びてシース本体51の内部空間と連通する貫通孔52aと、貫通孔52aから分岐する側孔54とが設けられている。
貫通孔52aには、Oリング等のシール部材55が配置される。シール部材55は、操作シース50に挿通されたリード部20のリード本体21の周囲を水密に封止して血液等の漏れを防止する。
側孔54には、チューブ56が接続される。チューブ56の他端(図1参照)には、ルアーロックコネクタなどのコネクタ57が設けられる。このコネクタ57を介して、例えば、ヘパリン加生理食塩水等の薬液の供給源に接続すれば、チューブ56、側孔54を通して、ヘパリン加生理食塩水等の薬液を操作シース50内に供給することができる。なお、チューブ56は必須ではなく、投薬用チューブ等が接続可能なコネクタ等を側孔54に直接設けてもよい。
ハブ52は、患者の体外に配置される。このため、ハブ52の材料としては、ポリカーボネート、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体)樹脂などの樹脂を用いることができる。
操作シース50は、後述する電極支持体25の留置が終了したら、血管内から除去する。この場合、ハサミ等の術具を用いて除去してもよいが、操作シース50をピールアウェイ可能な構成とすることによって手で引き裂いて除去できるようにしてもよい。
ピールアウェイ可能な構成の例としては、例えば、樹脂の配向方向を操作シース50の軸線方向に沿わせるなどして、軸線方向に沿って引き裂けるようにした構成を挙げることができる。ピールアウェイ可能な構成の例としては、操作シース50の外周部に、操作シース50の軸線方向に沿って、引き裂きのカットラインとなる溝などの低強度部を設けた構成も挙げることができる。
図1に示す抜去シース60は、電極支持体25およびリード部20を抜去する際、電極支持体25を縮径状態で収容し、患者の体外に搬出する部材である。抜去シース60によれば、電極支持体25およびリード部20を抜去する際、電極支持体25が拡径状態で血管の開口を通過することがないため、電極支持体25が血管壁を傷つけることを防止できる。
抜去シース60は、電極支持体25およびリード部20の留置期間中、電極支持体25およびリード部20とともに、血管内に留置される。
抜去シース60は、先端側から、シース本体61(第2筒状部)と、ハブ62(第2筒状部)とを備える。
シース本体61は、内部に操作シース50のシース本体51を摺動可能に挿通する筒状部材である。シース本体61の内径は、電極支持体25における自然状態の外径よりも小さく、かつ電極支持体25における最小の縮径状態の外径よりも大きい寸法である。
シース本体61において後述するような操作シース50が除去された状態では、シース本体61の内部に、リード部20が挿通可能、かつ縮径した電極支持体25が相対的に摺動可能である。
図9に、電極支持体25がシース本体61の内部に収容された様子を示す。シース本体61の内部には、6個の凸部30を有する6本分の弾性部材26A、26B、26Cが密集する。
シース本体61の内径は、シース本体51の外径以上の大きさであればよく、シース本体51の外径に対してシース本体61の内径を決定することが望ましい。例えば、シース本体51の外径が2.0mmの場合、シース本体61の内径は2.0mm以上とすればよい。
シース本体61の長さは、縮径状態の電極支持体25全体を収容できる長さであって、かつ留置時に基端側の一部が患者の体外に出る長さであればよい。シース本体61の長さは、例えば、50mm以上100mm以下としてもよい。
シース本体61の外径は、患者の血管および体内に挿入できる大きさであれば特に限定されない。シース本体61の外径は、長手方向において変化していてもよい。
本実施形態では、電極支持体25寄りの第1端部e1の外周には、長手方向において第1端部e1と反対側の第2端部e2から第1端部e1に向かって縮径するテーパ部61aが形成されている。テーパ部61aの先端部の外径は、シース本体51の外周面との段差が小さくなるように、シース本体51の外径と略同径であることが好ましい。
本実施形態では、シース本体61においてテーパ部61aよりも基端側の外径は、シース本体51よりも大径の一定径である。
抜去シース60は使用時に患者の頚部に穿刺される。シース本体61は、穿刺部位付近での折れを防止するために、穿刺部位の近傍となる基端側の部位を厚肉にして、折れに対する耐性を向上させてもよい。
シース本体61の外径は、0.1mm以上の肉厚をもつような寸法関係が望ましい。例えば、シース本体61の内径が2.0mmの場合、シース本体61の外径は2.2mm以上にするとよい。また、シース本体61の外形は、シース本体61の基端側から先端に向かって縮径するテーパ状になっていてもよい。
シース本体61の硬度は、内部に電極支持体25を収容する際に、電極支持体25から受ける軸方向および径方向の外力に耐えることができればよい。例えば、シース本体61の硬度は、ショア硬度55D以上70D以下としてもよい。
図10に示すように、ハブ62は、略円筒状の部材である。ハブ62は、シース本体61の第2端部e2に連結される。
ハブ62には、軸線方向に延びてシース本体61の内部空間と連通する貫通孔63と、貫通孔63から分岐する側孔64とが設けられている。
貫通孔63には、Oリング等のシール部材65(シール部、位置固定部)が配置される。
シール部材65は、締め込みノブ68(位置固定部)によって内径が調整される。
締め込みノブ68は、ハブ62にネジ嵌合されている。締め込みノブ68をハブ62に螺入すると、シール部材65が圧縮される。シール部材65の圧縮の度合いを調節することで、シール部材65が変形する。この結果、シール部材65の内径が調整される。シール部材65の内径は、リード本体21の外径よりも小さい内径から、操作シース50のシース本体51の外径よりも大きい内径まで変化することができる。
シール部材65の内径の最小値は、抜去シース60の内部からシース本体51が除去された際に、抜去シース60の内部に挿通されるリード本体21の周囲を水密に封止して血液等の漏れを防止できる大きさに設定する。本実施形態におけるシール部材65の内径の最小値は、さらに、抜去シース60に対するリード本体21の長手方向の位置を固定できる摩擦力が得られる大きさである。
シール部材65の内径の最大値は、抜去シース60の内部に挿通される操作シース50のシース本体51が長手方向に滑らかに移動可能とされる大きさに設定する。締め込みノブ68を締め込んで、シール部材65の内径を縮小していくと、抜去シース60の内部に挿通されるシース本体51の周囲が水密に封止され、血液等の漏れが防止される。
シール部材65の具体的な内径の大きさは、シール部材65の弾性係数と、リード本体21およびシース本体51に対する摩擦係数と、に応じて、適宜設定すればよい。
シール部材65と締め込みノブ68とは、シース本体61の内側に挿通されたシース本体51と、操作シース50が除去された際にシース本体61の内側に挿通されたリード部20とに対して、長手方向の相対位置を固定する位置固定部を構成する。
側孔64には、チューブ66が接続される。図示略のチューブ66の他端(図示略)には、ルアーロックコネクタなどのコネクタ69(図1参照)が設けられる。このコネクタ69を介して、例えば、ヘパリン加生理食塩水等の薬液の供給源に接続すれば、チューブ66、側孔64を通して、ヘパリン加生理食塩水等の薬液を抜去シース60内に供給することができる。なお、チューブ66は必須ではなく、投薬用チューブ等が接続可能なコネクタ等を側孔64に直接設けてもよい。
さらに、ハブ62は、糸掛け穴67aを有する板状の羽部67と、基端側に設けられた締め込みノブ68と、を備える。
羽部67は、患者の皮膚に通した糸を糸掛け穴67aに通すことによって抜去シース60を患者の体表面に固定する用途に用いることができる。皮膚に通した糸は、必要に応じてハブ62に設けた糸掛け溝62aに巻きつけてもよい。
板状の羽部67をテープ等で患者の皮膚に固定することによって、電気刺激電極1による治療期間に抜去シース60が軸線まわりに回転することが防止される。
シース本体61およびハブ62の材料は、それぞれ操作シース50のシース本体51およびハブ52と同様の材料で形成することができる。シース本体61の内部に金属ブレードが封入されてもよいこと、およびシース本体61の表面に適宜の被膜を形成してもよいことも、シース本体51と同様である。
ただし、抜去シース60は、電極支持体25の留置終了後は、電極支持体25およびリード部20とともに血管から抜去するため、ピールアウェイ可能な構成にする必要はない。
ここで、医療機器セット100とともに用いる電気刺激装置70について説明する。
図11は、本発明の実施形態の医療機器セットの医療機器とともに用いられる電気刺激装置が発生する刺激パルスの例を示す模式図である。
電気刺激装置70は、図11に示すように、一例として、定電流方式または定電圧方式のバイフェージック波形である刺激パルスを発生する。ただし、電気刺激装置70が発生する刺激パルスはバイフェージック波形には限定されない。
例えば、電気刺激装置70は、周波数10Hz以上20Hz以下(周期tは、0.05sec以上0.1sec以下)、パルス幅50μsec以上400μsec以下のプラス数ボルトからマイナス数ボルトの刺激パルスを発生する。
刺激パルスは、リード部20内の配線35を通して、刺激電極部10、11に伝達される。
電気刺激装置70は、このような刺激パルス群を、印加時間Ton、印加周期Tで繰り返し印加することができる。例えば、印加時間Tonは、3sec以上20sec以下、印加周期Tは、60secに設定されてもよい。ただし、印加時間Tonと印加周期Tとを同一として、連続的な印加が行われてもよい。
次に、医療機器セット100の作用について、電気刺激電極1の留置動作および抜去動作とともに説明する。
図12は、本発明の実施形態の医療機器セットの付勢部材を上大静脈内に挿入した状態を示す模式図である。図13(a)、(b)、図14(a)、(b)、図15は、本発明の実施形態の医療機器セットの医療機器の留置動作を示す模式図である。図16、図17は、本発明の実施形態の医療機器セットの線状体のたるみの例を示す模式図である。
図1に示すように、医療機器セット100においては、操作シース50が先端側に移動されており、操作シース50の係合部53が電極支持体固定部材22と係合している。ただし、係合部53と電極支持体固定部材22と係合が外れている場合には、術者が係合部53を電極支持体固定部材22に係合する。
術者は、医療機器セット100の使用前に、操作シース50および抜去シース60の内部に、それぞれチューブ56、66から内部にヘパリン加生理食塩水等を満たしておく。このため、操作シース50および抜去シース60の内部の空気は使用前に抜かれている。
術者は、心拍数を計測するための心電計を患者に取付ける。
図12に示すように、術者は、患者Pの頚部P1の近傍を小切開して開口P2を形成する。ただし、図12は、電極支持体25の留置後の様子を示すため、操作シース50およびイントロデューサ80は図示されていない。
図13(a)に示すように、術者は、開口P2に、イントロデューサ80を取付ける。イントロデューサ80は、操作シース50のシース本体51を挿通可能な内径を有し、かつ上大静脈P5まで挿入可能な形状を有する管状部材である。本実施形態では、イントロデューサ80は、抜去シース60を挿通させる必要はない。
イントロデューサ80は、その先端部が右内頚静脈P3を経由して電極支持体25の留置位置である上大静脈P5(血管)に達するように取り付けられる。イントロデューサ80の基端部は、開口P2から患者Pの体外に突出している。
イントロデューサ80は、後述する電極支持体25の留置が終了したら、血管内から除去する。この場合、ハサミ等の術具を用いて除去してもよいが、イントロデューサ80をピールアウェイ可能な構成とすることによって手で引き裂いて除去できるようにしてもよい。
ピールアウェイ可能な構成の例としては、操作シース50と同様の構成を採用することができる。
図13(a)に示すように、術者は、イントロデューサ80を通して右内頚静脈P3(血管)内に電極支持体25および操作シース50を挿入する。このとき、電極支持体25は、イントロデューサ80に挿入可能な外径まで弾性的に変形(縮径)させてから挿入する。電極支持体25および操作シース50は、イントロデューサ80の内周面と摺動して挿入される。
抜去シース60は、イントロデューサ80の外側のシース本体51上の適宜位置に配置される。抜去シース60は、シース本体51上で移動しないように、締め込みノブ68を締め込んで、シース本体51上の位置を固定されてもよい。
術者は、電極支持体25の挿入時には、X線透視下で電気刺激電極1の刺激電極部10、11、および電極支持体25のワイヤ部33等の位置を確認する。
術者は、操作シース50およびリード部20を前進させて、電極支持体25をイントロデューサ80の先端部まで移動する。
ここで、前進は、操作シース50およびリード部20を先端側(遠位端側)に向かって押し出す移動を意味する。操作シース50およびリード部20を基端側(近位端側)に戻す移動は後退という。
次に、術者は、電極支持体25および操作シース50と、イントロデューサ80とを相対移動することによって、電極支持体25をイントロデューサ80から排出する。電極支持体25は、イントロデューサ80の前方の上大静脈P5内に導入される(図13(a)参照)。
電極支持体25を排出する際には、術者は、例えば、イントロデューサ80の位置を固定し、操作シース50を前進させてもよい。あるいは、電極支持体25を排出する際には、術者は、電極支持体25および操作シース50の位置を固定し、イントロデューサ80を後退させてもよい。
電極支持体25がイントロデューサ80から外部に排出されると、縮径されていた電極支持体25は、弾性復元力によって拡径する。電極支持体25の自然状態の外径は、上大静脈P5の内径よりも大きいため、電極支持体25は上大静脈P5の内壁を押圧する。
刺激電極部10、11(図13(a)では図示略)は、電極支持体25の径方向外側に露出しているため、上大静脈P5の内壁と当接する。
このようにして、電極支持体25が上大静脈P5に概略配置される。
電極支持体25を上大静脈P5内に導入した後は、後の手技の妨げにならないよう、術者は、電極支持体25に対して、イントロデューサ80を50mm〜100mm程度後退させる。
上述したように、本実施形態では、一例として、電極支持体25は右内頚静脈P3から上大静脈P5内に導入される。しかし、電極支持体25は、右内頚静脈P3以外にも、右外頚静脈、左外頚静脈、左内頚静脈、右鎖骨下静脈、左鎖骨下静脈などから上大静脈P5内に導入されてもよい。
図12に示すように、上大静脈P5に隣接して、刺激対象である迷走神経P6(神経)が並走している。
術者は、電極支持体25の刺激電極部10、11(図12では図示略)が迷走神経P6を刺激できるように、電極支持体25の位置合わせを行う。
術者は、電気刺激装置70を操作し、刺激パルスを刺激電極部10、11に印加する。刺激パルスは血管の内壁に伝達される。
この状態で、術者が操作シース50およびリード部20の基端部を把持して、前進または後退させると、先端側の電極支持体25が、上大静脈P5の軸線方向に沿って移動する。
術者が、操作シース50およびリード部20の基端部を把持して、操作シース50を軸線回りに回転させると、操作シース50の先端部の係合部53が同方向に回転する。この結果、係合部53に係合された電極支持体固定部材22も同方向に回転し、リード部20および電極支持体25も同方向に回転する。
このように、術者が、操作シース50およびリード部20の基端部を把持して、前進、後退、および回転を行うことによって、上大静脈P5における電極支持体25の軸線方向および周方向の位置を調整することができる。
術者は、患者Pに取り付けた心電計などにより心拍数を計測しながら位置調整を行う。刺激電極部10、11が迷走神経P6に近づいて対向するように配置されると、刺激電極部10、11から迷走神経P6に印加される電気刺激が大きくなって患者Pの心拍数が最も低下する。
術者は、心拍数が最も低下するように、電極支持体25の位置を調整する。
電極支持体25の位置が決まったら、術者は、電極支持体25の留置を行う。
術者は、リード部20の基端部を把持して、リード部20の軸線方向の位置を固定する。この状態で、術者は操作シース50を後退させる。電極支持体25は、上大静脈P5の内壁に押圧されて摩擦係止しているため、操作シース50の係合部53は、軸線Cに沿って後退する。係合部53は電極支持体固定部材22から外れる。術者は、リード本体21の柔軟部21Aの少なくも一部が操作シース50の前方に露出するまで操作シース50を後退させたら、操作シース50の移動を停止する。本実施形態の場合、操作シース50の後退量としては、例えば、100mmが好適である。
このように、係合部53が電極支持体固定部材22から外れると、電極支持体25と操作シース50とは、間にリード本体21を介してつながる。
リード本体21の先端部には、柔軟部21Aが設けられている。このため、操作シース50の先端部が動いたり、操作シース50から非柔軟部21Bに外力が伝達されたりしても、これらによる外力は柔軟部21Aにおいて吸収される。このため、後述するイントロデューサ80の除去動作を行っても、電極支持体25の配置位置は、ずれない。
上述の動作説明では、操作シース50のみを後退させる操作を行う場合の例で説明した。しかし、術者は、操作シース50を後退させるとともに、リード部20を前進させる操作を行ってもよい。
この場合、リード部20の先端側には柔軟部21Aが形成されているため、基端側の非柔軟部21Bを前進させても柔軟部21Aがたるむ。この結果、電極支持体25の位置は変動しない。この場合、リード部20の前進によって柔軟部21Aのたるみがさらに増えるため、電極支持体25の位置ずれをより確実に防止することができる。
次に、術者は、患者Pの体内からイントロデューサ80を除去する。
例えば、術者は、イントロデューサ80を後退させることによって、イントロデューサ80を体外に引き抜く。さらに、術者は、体外のイントロデューサ80を基端側から引き裂く。イントロデューサ80を引き裂く場合には、術者はハサミなどの術具を用いてもよい。イントロデューサ80がピールアウェイ可能な構成であれば、術者は手で引き裂いてもよい。
このようにして、図13(b)に示すように、イントロデューサ80が除去される。
開口P2は、操作シース50が挿入された状態になる。
イントロデューサ80が除去された後、術者は、図14(a)に示すように、抜去シース60をシース本体51に沿って前進させる。抜去シース60がシース本体51上に固定されている場合には、術者は、締め込みノブ68を緩めるなどして固定を解除してから前進させる。
抜去シース60が体外にある間は、シース本体51との間をシールする必要はないため、締め込みノブ68を適宜緩めることで、抜去シース60を迅速かつ容易に移動させることができる。
抜去シース60の先端部が開口P2に達したら、術者は、シース本体51に対して摺動可能な程度に締め込みノブ68を締め込む。これにより、シール部材65(図10参照)がシース本体51の外周面に密着して、ハブ62とシース本体51との間の隙間がシールされる。
術者は、図14(a)に示すように、抜去シース60の先端部を開口P2に挿入する。このとき、抜去シース60は、シース本体51に案内されて前進する。このため、抜去シース60は、シース本体51が挿入されている開口P2において、開口P2とシース本体51の外周面との間に正確に進入する。
本実施形態では、抜去シース60の先端部にテーパ部61aが形成されているため、抜去シース60の先端部が開口P2に引っ掛かることなく円滑に進入する。開口P2は、テーパ部61aの外周面に沿って徐々に拡径する。このため、抜去シース60の挿入時に開口P2や右内頚静脈P3などの血管を傷つけたり、傷口を拡げたりすることが防止される。
抜去シース60が挿入されると、開口P2は、シース本体61の外周面と密着する。
このような抜去シース60の挿入動作では、術者の作業は、シース本体51をガイドとして抜去シース60を挿入するのみでよい。このため、術者は、抜去シース60の先端部を開口P2に容易に挿入できる。その際、挿入動作によって、抜去シース60が血管を傷つけたり傷口を拡げたりするおそれがないため、術者は安心して挿入作業を行うことができる。
抜去シース60の先端部が右内頚静脈P3の内部に到達したことが確認されたら、術者は抜去シース60の位置を固定する。
抜去シース60の固定方法は、例えば、患者の皮膚に通した糸を糸掛け穴67a(図10参照)に通し、必要に応じて糸掛け溝62a(図10参照)に巻きつける方法でもよい。抜去シース60の固定方法は、例えば、羽部67(図10参照)をテープ等で患者の皮膚に固定する方法でもよい。
抜去シース60を患者の体表と固定することによって、抜去シース60が右内頚静脈P3に挿入された状態を確実に保つことができる。
次に、術者は、電極支持体25の留置位置がずれていないことを心拍数の変化などを通して確認してから、操作シース50を除去する。万一、抜去シース60の挿入動作や患者Pの体動などによって、留置位置がずれていた場合には、術者は、電極支持体25の留置位置の再調整を行う。
操作シース50を除去するには、図14(b)に示すように、術者は、操作シース50を後退させる。さらに、術者は、体外の操作シース50を基端側から引き裂く。操作シース50を引き裂く場合には、術者はハサミなどの術具を用いてもよい。イントロデューサ80がピールアウェイ可能な構成であれば、術者は手で引き裂いてもよい。
術者は、操作シース50の遠位端を抜去シース60から引き抜いたら、締め込みノブ68を締め込んでリード部20のリード本体21との間にシールを形成する。
このようにして、図15に示すように、操作シース50が除去される。
操作シース50が除去された後、患者Pの血管内のリード部20の長さにさらに余裕を持たせるために、術者はリード部20を前進させて上大静脈P5内に送り込んでもよい。リード部20を前進させると、患者Pの血管内における柔軟部21Aのたるみが増える。
柔軟部21Aをたるませておくことにより、例えば、患者Pの体動などによって、基端側のリード部20が動いても、電極支持体25には、基端側のリード部20の動きが伝わらない。この結果、電極支持体25の留置位置が安定する。
柔軟部21Aのたるみの形状は特に限定されない。柔軟部21Aは、たるんでさえいれば、基端側のリード部20に作用する外力が電極支持体25に伝わる前に外力を吸収できるためである。
例えば、図16に示すように、柔軟部21Aが血管内で蛇行するように、点pから点qまでの間で柔軟部21Aがたるんでいてもよい。
例えば、図17に示すように、点pから点qまでの間に柔軟部21Aがループ部Lを有するように、柔軟部21Aがたるんでいてもよい。
いずれの場合も、点pから点qまでの柔軟部21Aの実長さは、点pから点qまでの血管に沿う最短の長さよりも大きい。
たるみの形状およびたるみ量は、例えば、術者が、X線透視下でリード部20の形状を観察することによって、確認することができる。たるみ量は、基端部のリード部20が患者Pの体内で動く可能性のある変位を吸収できるように決めればよい。
柔軟部21Aのたるみ量が調整できたら、電極支持体25の留置が終了する。術者は、リード本体21が長手方向に移動できない程度に締め込みノブ68を締め込む。これにより、抜去シース60に対するリード部20の位置が固定される。
柔軟部21Aのたるみ量を調整するタイミングは、留置終了までの間であれば特に限定されない。例えば、上大静脈P5内で、操作シース50の係合部53と電極支持体固定部材22との係合を解除した後、操作シース50が血管内にある間に、柔軟部21Aのたるみ量の調整が終えられてもよい。
必要に応じて行われる柔軟部21Aのたるみ量の調整が終了するなどして、リード部20を移動する必要がなくなったら、術者は、リード部20が長手方向に移動できない程度に締め込みノブ68を締め込む。
例えば、操作シース50が血管内に挿入されている間に、たるみ量の調整が終了している場合には、術者は、操作シース50を抜去シース60から引き抜いたときにリード部20が長手方向に移動できない程度に締め込みノブ68を締め込んでもよい。
上述したように、操作シース50の除去が終了し、リード部20の位置が固定されたら、電極支持体25の留置が終了する。
抜去シース60のハブ62には、チューブ66が接続されているため、術者は、コネクタ69にシリンジポンプなどを接続し、例えばヘパリン加生理食塩水などの液体の投与を行うこともできる。例えば、抗凝固剤を投与すると、放出される抗凝固剤は血液の流れに乗り、リード部20および電極支持体25の近傍に拡散し、リード部20および電極支持体25の位置する箇所で血栓の発生を低減することができる。
このようにして、電極支持体25と、リード部20の一部と、が患者Pの血管内に留置される。
上大静脈P5に留置された電極支持体25は、電気刺激装置70によって電気刺激を印加することによって、患者Pに神経刺激治療を行うことができる。
患者Pに必要な神経刺激治療が終了したら、以下のようにして、電気刺激電極1の抜去が行われる。本実施形態では、電気刺激電極1の抜去を行うために、外科的な再手術は必要とされない。
術者は、抜去シース60の締め込みノブ68を緩め、リード部20の摺動を可能にする。この状態で、術者は、リード部20を把持し、リード部20を引っ張って電極支持体25を後退させる。このとき、術者は、抜去シース60が右内頚静脈P3から抜けてしまうことを確実に防止するため、抜去シース60のハブ62を把持してもよい。
リード部20が基端側に引っ張られると、電極支持体25は、血管内に沿って後退する。このとき、電極支持体25は基端側がすぼまる籠状であるため、電極支持体25は円滑に後退することができる。
電極支持体25が抜去シース60の先端部まで後退してから、術者は、さらに電極支持体25を後退させる。これにより、電極支持体25は、基端側からシース本体61の内部に引き込まれる。電極支持体25は、シース本体61の内周面に沿って縮径し、抜去シース60内に収納される。
術者は、電極支持体25がシース本体61内に収納されたら、例えば、糸を切る等して、抜去シース60のハブ62と患者Pの皮膚との固定を解除する。この作業は抜去シース60の締め込みノブ68を緩める前に行われてもよい。
この後、術者は、開口P2を通して、右内頚静脈P3から抜去シース60を引き抜く。このようにすれば、開口P2には一定外径のシース本体61が通過するのみであるため、開口P2の血管壁が押し広げられることなく電極支持体25が引き抜かれる。すなわち、電極支持体25が単独で開口P2から引き抜かれると、開口P2を通過する際に電極支持体25が拡径することによって、電極支持体25が開口P2の血管壁を押し広げ、開口P2の血管壁にダメージを与える。
しかし、本実施形態では、電極支持体25は一定の外径を有する抜去シース60の内部に収納された状態で引き抜かれるため、患者Pに負荷を与えることなく抜去することができる。
抜去シース60とともに電極支持体25を抜去したら、術者は、穿刺部の皮膚に対し、縫合や圧迫など、一般的な止血処置を行う。以上で、治療が終了する。
次に、電極支持体25の留置時の医療機器セット100の作用を、比較例と対比して説明する。
図18(a)、(b)、図19(a)、(b)は、比較例の医療機器セットの医療機器の留置動作を示す模式図である。
図18(a)に示す比較例の医療機器セット200は、上記実施形態の医療機器セット100の抜去シース60に代えて、抜去シース260を備える。以下、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
抜去シース260は、内部にリード部20のリード本体21を挿通する点と、先端部にテーパ部61aが形成されていない点とが、抜去シース60と異なる。
抜去シース260は、長手方向に内部を貫通する貫通孔の内径がリード本体21の外径よりもわずかに大きい以外は、抜去シース60と同様に構成される。
抜去シース260は、抜去シース60のシース本体61、ハブ62、締め込みノブ68に代えて、内部の貫通孔の内径がより小さいシース本体261、ハブ262、締め込みノブ268を備える。特に図示しないが、ハブ262には、リード本体21の外周面に摺動可能に当接するシール部材65と同様のシール部材が配置されている。
シース本体261の外径は、シース本体51の外径と同程度である。シース本体261は、イントロデューサ80の内部に挿通可能である。
医療機器セット200では、シース本体51の内部にリード本体21が挿通される。医療機器セット200では、リード本体21が操作シース50の基端側から突出している。
抜去シース260は、操作シース50から基端側に突出したリード本体21を内部に挿通する。抜去シース260の装着方向は、抜去シース60と同様、ハブ262がリード部20の基端側に向けられる。
医療機器セット200を用いて電気刺激電極1を上大静脈P5に留置するには、上記実施形態と同様にして、術者が開口P2にイントロデューサ80を取付ける。
図18(a)に示すように、術者は、上記実施形態と同様にして、イントロデューサ80を経由して、電極支持体25を上大静脈P5に導入する。さらに術者は、操作シース50によって電極支持体25を移動して留置位置を決定する。
この作業の間、抜去シース260は、リード部20の基端部に配置される。
医療機器セット200では、電極支持体25の留置が終了したら、操作シース50は不要になる。術者は、イントロデューサ80を経由して、操作シース50を患者Pの血管内から除去する。具体的には、リード部20およびイントロデューサ80を動かすことなく、操作シース50を後退させる。術者は、体外に出た操作シース50を基端部から引き裂く。
このようにして、図18(b)に示すように、操作シース50が除去される。リード部20のリード本体21は、イントロデューサ80の内部に挿通される。
次に、術者は、抜去シース60を患者Pの体内に挿入する。開口P2には、イントロデューサ80が挿入されているため、術者は、抜去シース60の挿入と、イントロデューサ80の除去とを並行して行う必要がある。これらの動作を行う間、術者は、リード部20を動かさないように、リード部20の基端部を保持する必要もある。
術者は、図19(a)に示すように、リード本体21に沿って抜去シース60を前進させて、抜去シース260をイントロデューサ80に挿入する。
さらに、術者は、イントロデューサ80を基端側から引き裂きながら、イントロデューサ80を後退させる。これにより、抜去シース260が前進することが可能になる。
術者は、リード部20の保持、イントロデューサ80の引き裂き、イントロデューサ80の後退、および抜去シース260の前進の各作業を、繰り返すことによって、抜去シース260を右内頚静脈P3の内部に押し込んでいく(図19(b)参照)。
イントロデューサ80が開口P2から完全に抜去されると、イントロデューサ80に代えて抜去シース260が開口P2に挿入された状態になる。
以上で、比較例の医療機器セット200を用いて行う電極支持体25の留置動作が終了する。
電極支持体25および抜去シース260の抜去動作は、抜去シース60に代えて抜去シース260を用いる以外は、上記実施形態と同様である。
比較例では、開口P2には、イントロデューサ80または抜去シース260が挿入されているため、電極支持体25を拡径させることなく挿入および抜去することができる。
しかしながら、抜去シース260を挿入する際に、術者は、リード部20を移動させないように注意して、開口P2の近傍で、イントロデューサ80の引き裂き、イントロデューサ80の後退、および抜去シース260の前進の各作業を繰り返し行う必要がある。
このため、比較例では術者の作業負荷が大きくなる可能性がある。さらに、イントロデューサ80のピールアウェイの際に、イントロデューサ80とリード部20との隙間がイントロデューサ80と抜去シース260との隙間より広いために出血が多くなる可能性もある。
これに対して、上記実施形態では、術者は、抜去シース60をシース本体51に沿って前進させるだけでよいため、比較例に比べて格段に容易に挿入できる。
比較例では、術者は、イントロデューサ80を後退させて、イントロデューサ80を引き裂く作業を行うため、開口P2から一定の範囲に作業スペースを確保する必要がある。
作業スペースを低減するために、開口P2の近傍でイントロデューサ80の引き裂き作業を行うことも考えられる。しかし、この場合、作業性が悪くなる。さらに、引き裂き時に開口P2に負荷を与えてしまう可能性もある。
このため、イントロデューサ80が開口P2に残っている間は、抜去シース260をあまり前進させることができない。さらに、イントロデューサ80の後退、引き裂き作業を行う際に抜去シース260に触れて抜去シース260を後退させてしまうおそれもある。
したがって、イントロデューサ80の後退、引き裂きの作業中に、抜去シース260の先端部の位置がずれてしまう可能性もある。
これに対して、上記実施形態では、抜去シース60を開口P2に挿入する際に、術者は、操作シース50を後退したり引き裂いたりしないため、開口P2が操作シース50によって塞がれている。さらに、抜去シース60はテーパ部61aを通して、徐々に開口P2に挿入されるため、出血を抑制することができる。
本実施形態の医療機器セット100によれば、術者は、患者Pの血管の開口P2に抜去シース60を挿入した状態で電気刺激電極1を患者Pの体内に留置することができる。このため、電気刺激電極1の抜去時には、術者は、抜去シース60内に電極支持体25を縮径して抜去シース60とともに抜去することができる。このため、血管の開口P2を拡げたり、傷つけたりすることなく電気刺激電極1が抜去される。
本実施形態の医療機器セット100によれば、術者は、抜去シース60を挿入する場合に、予め開口P2に挿通された操作シース50のシース本体51をガイドとして、抜去シース60を挿入することができる。このため、術者は、開口P2にシース本体51が挿入されている状態で、抜去シース60を容易に挿入することができる。
術者は、抜去シース60を前進させるのみでよいため、挿入作業の不手際を防止できる。例えば、挿入作業の不手際によって、大量の出血などを招くことを防止できる。
本実施形態の医療機器セット100によれば、操作シース50のシース本体51を内側に挿通する抜去シース60を備えるため、血管の内壁を弾性的に押圧する付勢部材を有する医療機器を患者の体内に容易に挿入することができ、かつ治療後には抜去シースに収納して抜去することで患者の体内から容易に抜去することができる。
本実施形態の医療機器セット100によれば、操作シース50のシース本体51を内側に挿通する抜去シース60を備えるため、イントロデューサの除去作業、抜去シースを患者Pの血管の開口に挿入する作業、および医療機器の留置完了に伴う操作シースの除去も容易に行える。
なお、上記実施形態の説明では、位置固定部として、シール部材65および締め込みノブ68を用いる場合の例で説明した。しかし、位置固定部は、リード部20を抜去シース60に固定できれば、シール部とは別に設けられてもよい。例えば、位置固定部としては、リード部20をねじやスナップフィットを介して、抜去シース60に固定する構成でもよい。
上記実施形態の説明では、抜去シース60のハブ62の内周面と、シース本体51およびリード本体21の外周面との間をシールするシール部として、シール部材65を備える場合の例で説明した。
しかし、医療機器セットは、シール部を設けなくても、第2筒状部から操作シースが抜去されたときに、第2筒状部の内周面と線状体の外周面との間からの出血が許容範囲にできる場合には、シール部を有しない構成でもよい。
上記実施形態の説明では、医療機器が、付勢部材として、籠状の電極支持体25を有する場合の例で説明した。しかし、付勢部材は、電極支持体25のような籠状の部材には限定されない。付勢部材は、血管の内壁を弾性的に押圧できる適宜の構成、形状を有する弾性部材を用いてもよい。
上記実施形態の説明では、医療機器が、電気刺激電極1の場合の例で説明した。しかし、医療機器は、線状体と、線状体の先端部に配置され血管の内壁を弾性的に押圧する付勢部材と、を有し、線状体の一部および付勢部材が血管の内部に配置される構成であれば、電気刺激電極には限定されない。
医療機器が電気刺激電極でない場合、線状体は配線を含むリード部である必要もない。
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は実施形態に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。
また、本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
1 電気刺激電極(医療機器)
10、11 刺激電極部
20 リード部(線状体)
21 リード本体
21A 柔軟部
21B 非柔軟部
22 電極支持体固定部材
25 電極支持体(付勢部材)
50 操作シース
51 シース本体(第1筒状部)
53 係合部
55 シール部材
60 抜去シース
61 シース本体(第2筒状部)
61a テーパ部
62 ハブ(第2筒状部)
65 シール部材(シール部、位置固定部)
68 締め込みノブ(位置固定部)
80 イントロデューサ
100 医療機器セット
C 軸線
E1 第1端部
E2 第2端部
P 患者
P1 頚部
P2 開口
P3 内頚静脈(血管)
P5 上大静脈(血管)
P6 迷走神経

Claims (4)

  1. 線状体と、前記線状体の先端部に配置され血管の内壁を弾性的に押圧する付勢部材と、を有し、前記線状体の一部および前記付勢部材が血管の内部に配置される医療機器と、
    前記線状体が内側に挿通する第1筒状部と、前記医療機器と着脱可能に係合する係合部と、を有する操作シースと、
    前記第1筒状部が内側に挿通される第2筒状部を有し、前記操作シースの長手方向において、前記操作シースに対して相対移動可能に配置され、前記付勢部材寄りの第1端部の外周に、前記第1端部と反対側の第2端部から前記第1端部に向かって縮径するテーパ部を有する抜去シースと、
    を備える、医療機器セット。
  2. 前記抜去シースは、
    前記第2筒状部から前記操作シースが抜去されたときに、前記第2筒状部の内周面と前記線状体の外周面との間をシールするシール部
    を備える、請求項1に記載の医療機器セット。
  3. 前記抜去シースは、
    前記操作シースの前記第1筒状部の外周面に摺動可能に嵌合する、
    請求項1または2に記載の医療機器セット。
  4. 前記抜去シースは、
    前記第2筒状部の内側に挿通された前記第1筒状部と、前記操作シースが除去された際に前記第2筒状部の内側に挿通された前記線状体とに対して、長手方向の相対位置を固定する位置固定部
    を備える、請求項1〜のいずれか1項に記載の医療機器セット。
JP2016062194A 2016-03-25 2016-03-25 医療機器セット Active JP6621695B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016062194A JP6621695B2 (ja) 2016-03-25 2016-03-25 医療機器セット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016062194A JP6621695B2 (ja) 2016-03-25 2016-03-25 医療機器セット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017170004A JP2017170004A (ja) 2017-09-28
JP6621695B2 true JP6621695B2 (ja) 2019-12-18

Family

ID=59973537

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016062194A Active JP6621695B2 (ja) 2016-03-25 2016-03-25 医療機器セット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6621695B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017170004A (ja) 2017-09-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US11617600B2 (en) Apparatus for forming a passageway in tissue and associated interventional medical systems
US10052127B2 (en) Catheters for deploying implantable medical devices, and associated tethering assemblies and methods
US10350408B2 (en) Interventional medical systems, associated assemblies and methods
EP3649962A1 (en) Medical device and treatment method
US20190321624A1 (en) Subcutaneous lead fixation member
JP7197559B2 (ja) ガイドワイヤおよび医療デバイス
JP6557507B2 (ja) 医療用電気刺激電極
JP6621695B2 (ja) 医療機器セット
JP6576367B2 (ja) 神経刺激電極
JP6454116B2 (ja) 神経刺激システム
JP6654940B2 (ja) 神経刺激電極
JP6516249B2 (ja) 神経刺激システム
JP6626381B2 (ja) 神経刺激電極および電極カテーテルシステム
JP2021112506A (ja) 神経刺激装置および神経刺激方法
JP6456175B2 (ja) 医療用電気刺激電極
JP6491939B2 (ja) 神経刺激システム
JP6454117B2 (ja) 神経刺激システム
JP2016002276A (ja) 電極ユニット及び組織刺激システム
JP2016077801A (ja) 電極ユニットおよび神経刺激システム
WO2018062386A1 (ja) 医療システムおよびダイレータ並びに処置方法
JP2015188483A (ja) 神経刺激電極および神経刺激システム
JP2017164045A (ja) 神経刺激電極
JP2015073555A (ja) 神経刺激電極および組織刺激システム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20160328

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160428

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181214

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20190315

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190416

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190813

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20190815

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190903

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191023

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6621695

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250