JP6456175B2 - 医療用電気刺激電極 - Google Patents

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Description

本発明は、神経に電気刺激を与える医療用電気刺激電極に関する。
従来、神経組織や筋肉等の生体組織(線状組織)に電気刺激を与えて治療を行う刺激発生装置が知られている。このような刺激発生装置の例としては、例えば、神経刺激装置、疼痛緩和装置、てんかん治療装置、及び筋肉刺激装置等を挙げることができる。
これらの刺激発生装置は、電気刺激を伝達する医療用電気刺激電極を生体内の刺激対象と密着させるため、医療用電気刺激電極を生体に埋め込んで使用される場合がある。
この種の医療用電気刺激電極として例えば特許文献1には、パルス発生器に接続するように構成された基端を有する導電性のリード本体(リード部)と、血管壁を越えて電気パルスを送るように構成された少なくとも1つの電極(刺激電極部)を具備する先端部と、形状が拡張するリードアンカー(電極支持体)とを具備している。リードアンカーは、折りたたまれた折りたたみ形状から予形成された拡張形状へと拡がるように構成されている。折りたたみ形状のとき、先端部は、折りたたまれたリードアンカーの有効長と実質的に等しい有効長を有する。
リード本体の先端部は、リードアンカーの外側に結合されている。拡張形状のとき、リードアンカーが血管壁にリード本体の先端部を押しつけて、血管内でリード本体の先端部を配備し、固定する。リードアンカーは、レーザー切削された超弾性材料製チューブから形成し得る。
特許文献1には、先端部が取り付けられているリードアンカーが刺激すべき神経に隣接する血管内の刺激部位に到達したら、リードアンカーは拡張して、リードアンカーの外側に取付けられている先端部を、リードアンカーを含む先端部が拡張配置されている血管の壁と接触させて、摩擦係合させることが開示されている。
特表2010−516405号公報
特許文献1には、刺激位置への移動手段として以下の二点が挙げられている。
1)リードアンカーは、折りたたみ形状にして、ガイドカテーテル等のガイド部材を用いて、患者の血管系を通って進め、刺激部位に到着する。
2)ガイドカテーテルもしくはガイドワイヤ等のガイド部材を再導入してリードアンカーを(部分的にもしくは完全に)折りたたむことにより、先端部を再配置し得る。
上記1)及び2)のように、リードアンカーを折りたたむことが開示されているが、このとき、リードアンカー(ワイヤの編構造体)の折りたたみ時の形状は、血管径に対して十分に細径になることが求められる。
特許文献1に示されているようなリードアンカーでは、血管内でリードアンカーが位置ズレしないようにするために、リードアンカーを構成する超弾性ワイヤ(弾性部材)に超弾性ワイヤの外面から突出する凸部を設けることが検討されている。
一定期間医療用電気刺激電極を留置した後で、医療用電気刺激電極を回収するときにリードアンカーの外径を小さくして体外に取出すことが望まれる。しかしながら、リードアンカーを縮径したときに、リード本体の軸線方向における凸部の位置が重なっているとリードアンカーの外径が小さくなりにくい。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、回収するときに電極支持体の外径をより小さくすることができる医療用電気刺激電極を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の医療用電気刺激電極は、血管の内壁から神経を刺激するために、前記血管内に挿入して用いられる医療用電気刺激電極であって、前記血管の内壁を通して電気刺激を与えるための刺激電極部と、該刺激電極部に電気的に接続された配線を挿通する線状のリード部と、線状の弾性部材によって一定の軸線周りに略回転対称となる籠状に形成されるとともに前記弾性部材の一部に前記刺激電極部を有し、前記軸線方向における一端部が前記リード部の端部に接続された電極支持体と、を備え、前記電極支持体は、前記弾性部材の外面から前記電極支持体の径方向外側に突出することで該電極支持体を血管内壁に係止するように形成されるとともに、前記電極支持体が縮径したときに前記軸線方向の異なる位置に配置された複数の凸部を有することを特徴としている。
また、上記の医療用電気刺激電極において、前記電極支持体は、一対の前記弾性部材が交差して接続される交差部を複数有し、複数の前記交差部は、前記電極支持体が縮径したときに前記軸線方向の異なる位置に配置されていることがより好ましい。
また、上記の医療用電気刺激電極において、前記交差部は、一対の前記弾性部材が互いに接合されて形成されていることがより好ましい。
また、上記の医療用電気刺激電極において、前記リード部が挿通されるとともに縮径した前記電極支持体が挿通される回収用シースを備えることがより好ましい。
本発明の医療用電気刺激電極によれば、回収するときに電極支持体の外径をより小さくすることができる。
本発明の第1実施形態の医療用電気刺激電極の全体構成を示す模式図である。 図2中の要部拡大図である。 図2におけるA1方向矢視図である。 同医療用電気刺激電極の弾性部材の構成を示す模式的な斜視図である。 図4におけるA2方向矢視図である。 図4におけるA3方向矢視図である。 図6におけるA4方向矢視図である。 図6におけるA5方向矢視図である。 同医療用電気刺激電極の弾性部材の側面の断面図である。 図9中の切断線A7−A7の断面図である。 同医療用電気刺激電極の凸部の側面の断面図である。 図11中の切断線A8−A8の断面図である。 同医療用電気刺激電極の回収用シース内に電極支持体が挿入された状態を示す断面図である。 同医療用電気刺激電極とともに用いられる電気刺激装置が発生する刺激パルスの例を示す図である。 同医療用電気刺激電極を留置する手技を説明する、上大静脈内に電極支持体を挿入した状態を示す模式図である。 本発明の第2実施形態の医療用電気刺激電極の要部の側面図である。 図16におけるA10方向矢視図である。 同医療用電気刺激電極の回収用シース内に電極支持体が挿入された状態を示す断面図である。 本発明の第3実施形態の医療用電気刺激電極の要部の側面図である。 図19におけるA11方向矢視図である。 同医療用電気刺激電極の回収用シース内に電極支持体が挿入された状態を示す断面図である。
(第1実施形態)
以下、本発明に係る医療用電気刺激電極(以下、「電気刺激電極」とも略称する)の第1実施形態を、図1から図15を参照しながら説明する。本実施形態の電気刺激電極は、血管の内壁から神経を刺激するために、血管内に挿入して用いられるものである。
図1に示すように、本電気刺激電極1は、血管の内壁を通して電気刺激を与えるための刺激電極部10、11と、刺激電極部10、11に電気的に接続された後述する配線35(図9参照)を挿通する線状のリード部20と、線状の弾性部材26A、26B、26Cによって一定の軸線C周りに略回転対称となる籠状に形成された電極支持体25と、リード部20が挿通された操作シース50及び回収用シース60とを備えている。電気刺激電極1は、電気刺激電極1に刺激パルスを印加する電気刺激装置100とともに用いられ、電気刺激電極1及び電気刺激装置100で、電気刺激システム2を構成する。
以下では、リード部20に対する電極支持体25側を先端側、電極支持体25に対するリード部20側を基端側とそれぞれ称する。
リード部20は、ポリアミド樹脂等の生体適合性を有する材料で管状に形成されたリード本体21と、リード本体21の先端部に設けられた近位側交差ブロック22とを有している。
リード本体21の外径は1〜2mm、全長500mm程度である。リード本体21の管路内には、配線35が挿通されている。配線35は、耐屈曲性を有するニッケルコバルト合金(35NLT28%Ag材)からなる撚り線を、電気的絶縁材(厚さ20μmのETFE〔四フッ化エチレン−エチレン共重合体樹脂〕等)で被覆したものが用いられる。
近位側交差ブロック22は、例えばチタンで6角柱状に形成されている。近位側交差ブロック22の中心には図示しない貫通孔が形成され、この貫通孔には前述の配線35が挿通されている。
リード本体21や近位側交差ブロック22の表面に抗血栓コーティングを施すことが有効であることは、言うまでも無い。
リード本体21の基端部には、図示はしないが電気刺激装置100に着脱可能な電気コネクタが設けられている。前述の配線35はこの電気コネクタに接続されている。
図2及び3に示すように、電極支持体25は、本実施形態では、近位側交差ブロック22の中心軸線を先端側に延長した軸線Cを中心として、弾性部材26A、26B、26Cを周方向にずらして組み合わせ、軸線C周りに回転対称性を有する籠状、言い換えればバスケット状に形成されている。ここで言う籠状とは、先端側が円筒形であって、基端側は基端側に向かうにしたがって外径が小さくなる円錐の側面の形状のことを意味する。弾性部材26A、26B、26Cには、弾性部材26A、26B、26Cの外周面(外面)から突出する複数の凸部30が設けられている。
弾性部材26A、26B、26Cの形状は、弾性部材26Aのみに刺激電極部10、11が配置されている点、及び凸部30が設けられている位置を除けば、いずれも同様の形状を有する。
以下では、特に断らない限り、弾性部材26Aの形状について符号として数字や英小文字に英大文字「A」を付して説明し、弾性部材26B、26Cの説明は、同形状の部位に数字や英小文字に英大文字「B」、「C」をそれぞれ付して説明を省略する。
例えば、弾性部材26B(26C)における屈曲部27fB(27fC)は、弾性部材26Aにおける屈曲部27fAと対応する同一形状の部位を指す。
弾性部材26Aは、弾性を有する1本の線状の部材を折り曲げることにより、立体的なループ形状が形成された部材である。以下では、図4から8を参照して、弾性部材26A単体の自然状態の形状について説明する。ここで、弾性部材26A単体の自然状態とは、弾性部材26Aに外力が作用しないか、作用しても変形が無視できる状態である。
弾性部材26Aは、図4から6に示すように、一端部から他端部に向かって、連結端部26aA、基端側線状部26bA、屈曲部27fA、先端側線状部26cA、屈曲部27hA、基端側線状部26dA、及び連結端部26eAを、この順に備える。
連結端部26aA、26eAは、弾性部材26Aを近位側交差ブロック22に固定し、近位側交差ブロック22を介してリード本体21と係合するための部位である。連結端部26aA、26eAは、それぞれ第1軸線O1に沿って直線状に延ばされ、第1軸線O1を挟んで平行かつ互いに近接して配置されている。
連結端部26aA、26eAは、軸線Cに対して第1軸線O1が平行となるように配置される。
連結端部26aA、26eAと近位側交差ブロック22との固定方法は特に限定されず、近位側交差ブロック22の材質に応じて、例えば、接着、溶接、カシメなどの固定方法を適宜選択することができる。
基端側線状部26bA、26dAは、第1軸線O1を含み、連結端部26aA、26eAの中心軸線を通る平面S2において、第1軸線O1に関して互いに線対称をなして配置され、全体としてU字状とされた部位である。
すなわち、図5に示すように、基端側線状部26bA、26dAは、それぞれ、連結端部26aA、26eAに接続する端部から、先端側に向かうにしたがって互いに離間するように斜め方向に延ばされ、それぞれ第1軸線O1から漸次離間している。基端側線状部26bA、26dAの先端側の端部の近傍では、第1軸線O1と略平行(平行の場合を含む)になっている。
基端側線状部26bAは、第1軸線O1から離間する方向に向かって凸となる曲線部、折れ線部、又はこれら曲線部と折れ線部との組み合わせによって構成することができる。
本実施形態では、基端側線状部26bAの形状は、一例として、連結端部26aAに近い基端側領域b1では、先端側線状部26cAに近い先端側領域b2に比べて、第1軸線O1に対する傾斜の平均変化率がより大きくなる曲線形状を採用している。
基端側線状部26dAは、基端側線状部26bAと同様に構成されている。
本実施形態では、基端側線状部26bA、26dAは、先端側に向かうにつれて互いに離間するように傾斜する形状を採用している。このため、基端側線状部26bA、26dAの先端側端部は、自然状態において、弾性部材26Aの第1軸線O1と直交する方向の最大幅となる部位になっている。
屈曲部27hAは、図4に示すように、基端側線状部26dAの先端部と、後述する先端側線状部26cAの基端部との間において、平面S2に関して先端側線状部26cAと反対側に向かって突出するU字状に形成された部位である。
本明細書では、「U字状」は、平行な2つの直線部が円弧状の湾曲部で接続された形状には限定されない。例えば、2つの直線部は非平行に並行していてもよく、湾曲部は円弧以外の曲線で湾曲していてもよい。さらに、湾曲部は、直線又は曲線からなる折れ線で構成されていてもよいし、図7に示す本実施形態のように、2つの直線部の端部で屈曲された1つの直線部からなる形状(コ字状)であってもよい。
本実施形態の屈曲部27hAは、第1部分h1、第2部分h2、及び第3部分h3を備える。
第1部分h1は、基端側線状部26dAの先端部にて屈曲された線状部である。第1部分h1は直線状であってもよいし、曲線状であってもよいが、本実施形態では、一例として、直線状である。
第1部分h1の屈曲角度φ1は、90°±30°の範囲内程度が好ましく、長さは、刺激電極部10の長手方向よりも長く、例えば、4.5mm〜7.0mmが好ましい。
ここで、屈曲角度φ1は、第1部分h1と基端側線状部26dAの先端部とのなす角のうち、小さい方の角度である。
第2部分h2は、第1部分h1の突出方向の端部において、屈曲された線状部であり、平面S2の法線方向から見て基端側線状部26dAの延長線上となる位置(図5参照)で、平面S2に平行に延ばされている。第2部分h2は直線状であってもよいし、曲線状であってもよいが、本実施形態では、一例として、直線状である。
第2部分h2の長さは、例えば、3.0mm〜7.0mmが好ましい。
第3部分h3は、第2部分h2の延出方向の端部において、屈曲されて、先端側線状部26cAの基端部に接続された線状部である。第3部分h3は直線状であってもよいし、曲線状であってもよいが、本実施形態では、一例として、直線状である。
第3部分h3の屈曲角度φ2は、90°±30°の範囲内程度が好ましい。
ここで、屈曲角度φ2は、第3部分h3と第2部分h2とのなす角のうち、小さい方の角度である。
第3部分h3の先端部は、本実施形態では、平面S2上に位置している。
このような構成の屈曲部27hAにおいて、第1部分h1上には刺激電極部11が、第3部分h3上には刺激電極部10がそれぞれ配置されている。すなわち、刺激電極部10、11は屈曲部27hAに形成されている。
刺激電極部11は、その長手方向が、第1部分h1の中心軸線方向に沿うように、第1部分h1の中間部に配置されている。刺激電極部10は、その長手方向が、第3部分h3の中心軸線方向に沿うように、第3部分h3の中間部に配置されている。
刺激電極部10、11の詳細構成については、弾性部材26Aの説明をした後で説明する。
次に、弾性部材26Aの屈曲部27fAについて説明する。
図8に示すように、屈曲部27fAは、基端側線状部26bAの先端部と、後述する先端側線状部26cAの基端部との間において、屈曲部27hAと同様に、平面S2に関して先端側線状部26cAと反対側に突出するU字状に形成された部位である。
本実施形態の屈曲部27fAは、第1部分f1、第2部分f2、及び第3部分f3を備える。
屈曲部27fAの外形は、第1軸線O1を含み平面S2と直交する平面S1(図4参照)を挟んで対向する位置に設けられた屈曲部27hAと異なっていてもよいが、本実施形態では、平面S1に関して、屈曲部27hAと面対称な形状を採用している。
すなわち、第1部分f1、第2部分f2、及び第3部分f3は、それぞれ屈曲部27hAにおける第1部分h1、第2部分h2、及び第3部分h3と同じ外形状を有する。
ただし、屈曲部27fAは、屈曲部27hAとは異なり、刺激電極部10、11は設けられていない。
先端側線状部26cAは、図4に示すように、屈曲部27fA、27hAにおける第3部分f3、h3の先端部から、さらに先端側に向かうにつれて、平面S2の側方に向かって、張り出す凸状に湾曲した部位である。
本実施形態では、先端側線状部26cAは、一例として、平面S2内の第3軸線O3を含み平面S2に対して角度θをなして交差する平面S3上に配置されるとともに平面S1に関して面対称なC字状に形成されている。
ここで、第3軸線O3は、平面S2内にあって、第3部分f3、h3の先端部を通り第1軸線O1に直交する軸線である。
このため、平面S1、S3の交線からなる第2軸線O2が、先端側線状部20cAと交差する位置に、先端側線状部26cAの頂部26gAが形成されている。
平面S3の角度θは、5°以上90°以下が好ましい。
先端側線状部26cAは、第3軸線O3から離間する方向に凸となる曲線部、折れ線部、又はこれら曲線部と折れ線部との組み合わせによって構成することができる。
本実施形態では、図5に示すように、先端側線状部26cAの形状は、一例として、屈曲部27fA(27hA)に近い基端側領域c1(c3)では、屈曲部27fA(27hA)の第3部分f3(h3)の先端側端部から平面S1に向かって傾斜する曲線状又は直線状に延ばされている。
また、基端側領域c1、c3の間の先端側領域c2では、頂部26gAを頂点とする山形の形状を有する。先端側領域c2における山形は、例えば、円弧、楕円弧などの曲線からなる山形や、複数の折れ線で形成された山形も可能である。本実施形態では、一例として、頂部26gAの曲率が最大となり頂部26gAの近傍に屈曲状の部位が形成された曲線形状を採用している。
このような構成により、弾性部材26Aは、刺激電極部10、11及び凸部30以外は、平面S1に関して面対称な形状になっている。
ここで、弾性部材26Aの内部構造と、刺激電極部10、11及び凸部30の構成について説明する。
図9及び10に示すように、弾性部材26Aは、ワイヤ部33の外周面が、電気的絶縁性を有する被覆34で覆われた線状体で構成される。
本実施形態では、ワイヤ部33の長手方向に直交する断面は、例えば0.3mm角の矩形状に形成されている。ワイヤ部33としては、形状記憶合金や超弾性ワイヤ等を用いることができる。
被覆34の外周面の長手方向に直交する断面は、円形である。被覆34の外径は、例えば0.8mmである。被覆34に好適な材料としては、例えばポリアミド樹脂などを採用することができる。
刺激電極部10は、白金イリジウム合金等の生体適合性を有する金属で円筒状に形成されている。刺激電極部10の寸法は、例えば外径が0.8mm、長さが4mmである。刺激電極部10は、外周面が全周にわたり被覆34から外部に露出している。すなわち、刺激電極部10の外周面と被覆34の外周面とは、面一である。刺激電極部10とワイヤ部33との間は、被覆34により絶縁されている。被覆34とワイヤ部33との間の絶縁をより確実にするために、刺激電極部10とワイヤ部33との間に樹脂製の絶縁部材を設けてもよい。
刺激電極部10の内周面には、前述の配線35が溶接等により電気的に接続されている。配線35は、被覆34内に配置されてワイヤ部33に沿って延び、連結端部26eAの基端部から、リード部20側に延出されている。
刺激電極部11は、刺激電極部10と同一の構成である。このように刺激電極部10、11は弾性部材26A上に形成され、弾性部材26Aの一部に刺激電極部10、11を有している。刺激電極部10と刺激電極部11とは、少なくとも3mmから8mm以上離間して配置されている。
図11及び12に示すように、凸部30は、本実施形態では被覆34と同一の材料で筒状に形成されている。凸部30の寸法は、例えば外径が1.0mm、長さが1mmから3mmである。この例では、凸部30が被覆34の外周面から突出する長さLは、0.1mmである。凸部30は、弾性部材26Aの全周にわたり弾性部材26Aの外周面から突出するように形成されている。
凸部30は、被覆34の外周面に溶融接合等により固定されている。
本実施形態では、図2及び3に示すように、例えば弾性部材26Aに凸部30が3つ形成されている。
弾性部材26B及び弾性部材26Cには、3つの凸部30がそれぞれ形成されている。ただし、弾性部材26A、26B、26Cにおける凸部30が形成された場所は互いに異なる。
このように構成された弾性部材26A、26B、26Cは、ワイヤ部33等により弾性を有している。弾性部材26A、26B、26Cは、各第1軸線O1が軸線Cに重なるとともに、頂部26gA、26gB、26gCが、軸線Cに関する周方向において、等間隔(120°間隔)に離間するようにして配置されている。
各弾性部材26A、26B、26Cは、それぞれの先端側線状部26cA、26cB、26cCの張り出し方向が軸線Cに関して径方向外側に向くようにして、図3に示す先端側から見たときに、反時計回りに弾性部材26A、26B、26Cの順で配置されている。
図2及び3に示すように、基端側線状部26bAと基端側線状部26dB、基端側線状部26bBと基端側線状部26dC、基端側線状部26bCと基端側線状部26dAは、それぞれ周方向において隙間をあけて対向する位置に配置されている。これにより、屈曲部27fAと屈曲部27hB、屈曲部27fBと屈曲部27hC、屈曲部27fCと屈曲部27hAは、それぞれU字状の開口が対向するように位置している。屈曲部27fA及び屈曲部27hBで張出し部40を構成する。同様に、屈曲部27fB及び屈曲部27hCで張出し部41を構成し、屈曲部27fC及び屈曲部27hAで張出し部42を構成する。
張出し部40、41、42は、血管内に電極支持体25が配置されたときに、血管内で突っ張って電極支持体25の位置ズレを抑える部分である。
隣り合う弾性部材26A、26B、26Cは互いに交差しており、弾性部材26Aと弾性部材26B、弾性部材26Bと弾性部材26C、弾性部材26Cと弾性部材26Aがそれぞれ交差した部分が弾性部材固定部(交差部)38によって接続されている。弾性部材固定部38は、各弾性部材26A、26B、26Cの被覆34が溶融接合により互いに接合されて形成されたものである。
電極支持体25には、3つの弾性部材固定部38が設けられている。
電極支持体25には、凸部30が9つ形成されている。電極支持体25の自然状態における外径は、電極支持体25を留置する上大静脈等の血管の内径よりも大きな、例えば35mmである。電極支持体25の軸線C方向の長さは35mmである。
9つの凸部30の少なくとも一部は、弾性部材26A、26B、26Cの外面から電極支持体25の径方向外側に突出する。
図2に示すように、電極支持体25の自然状態において、9つの凸部30は軸線C方向の互いに異なる位置に配置されている。ここで言う9つの凸部30が軸線C方向の異なる位置に配置されているとは、軸線C方向において、1の凸部30と、この1の凸部30以外の他の8の凸部30とに重なる部分が無いことを意味する。この条件は、9つの凸部30のうちいずれの1つの凸部30を選んだ場合でも成り立つ。
電極支持体25の自然状態において、3つの弾性部材固定部38は軸線C方向の同じ位置に配置され、3つの張出し部40、41、42は軸線C方向の同じ位置に配置されている。
電極支持体25の弾性部材26A、26B、26Cの基端部(軸線C方向における一端部)は、リード部20の近位側交差ブロック22(端部)に溶接接合、接着接合、又はカシメ接合により接続されている。
このように構成された電極支持体25は、図13に示すように、回収用シース60内に挿通されて電極支持体25が縮径したときに9つの凸部30が軸線C方向の異なる位置に配置される。ここで言う電極支持体25が縮径するとは、電極支持体25の各構成が全周にわたり軸線Cに近づいて電極支持体25が最小径になることを意味する。
回収用シース60の内径は例えば3mmである。この場合、回収用シース60内に挿入することで電極支持体25の外径は、35mmから3mmと、35/3分の1(10分の1以下の約11.7分の1)になる。電極支持体25を回収用シース60内に挿入すると、弾性部材26A、26B、26Cのワイヤ部33が折り返されて6本のワイヤ部33が密集する。
操作シース50は、図1に示すように、管状に形成されたシース本体51と、シース本体51の先端部に設けられた係合部52と、シース本体51の基端部に設けられたコネクタ53とを有している。
シース本体51は、例えば、外径が4mm程度、全長400mm程度の、ETFE製の管状部材である。シース本体51は、外周面に軸線C方向に延びる溝等(不図示)が形成されていることで、引き裂き(ピールアウェイ)可能である。シース本体51内にはリード部20が軸線C方向に進退可能に挿通されている。
係合部52は、図示はしないが6角柱状に形成され、軸線C方向に延びる貫通孔が形成されている。この貫通孔内に近位側交差ブロック22が挿通されると、貫通孔の内周面と近位側交差ブロック22の外周面とが周方向に係合する。
コネクタ53の内周面にはOリング54が取付けられている。Oリング54には、リード部20が軸線C方向に進退可能に挿通されている。Oリング54とリード部20との間は、水密に保持されている。
回収用シース60は、管状に形成されたシース本体61と、筒状に形成されシース本体61の基端部に設けられたハブ62とを有している。
シース本体61は、例えば、外径が4mm程度、内径が3mm程度、全長400mm程度の、ETFE製の管状部材である。シース本体61内及びハブ62内にはリード部20が軸線C方向に進退可能に挿通されている。
ハブ62の内周面にはOリング63が取付けられている。Oリング63には、リード部20が軸線C方向に進退可能に挿通されている。Oリング63とリード部20との間は、水密に保持されている。
ハブ62には、チューブ64の一端部が接続されている。チューブ64の管路はハブ62の筒孔を介してシース本体61の管路と連通している。チューブ64の他端部には、ルアーロックコネクタ等の一般的なコネクタ65が設けられている。このコネクタ65には、図示はしないがシリンジピストンポンプのシリンジが着脱可能である。
回収用シース60は、電極支持体25が縮径するガイドとなる。
電気刺激装置100では、図14に示すように、定電流方式又は定電圧方式のバイフェージック波形である刺激パルスが、所定の間隔を有して発生される。例えば、周波数20Hz、パルス幅50〜400μsecのプラス数ボルトからマイナス数ボルトの刺激パルスが1分間(60sec)あたり3〜20秒(sec)間発生する。
次に、以上のように構成された電気刺激電極1の電極支持体25を上大静脈内に留置する治療(手技)について説明する。
患者の体外で、リード部20に対して操作シース50を先端側に移動させて(押込んで)、近位側交差ブロック22に操作シース50の係合部52の貫通孔を係合させる。心拍数を計測するための心電計を患者に取付ける。
図15に示すように、患者Pの頸部P1の近傍を小切開して開口P2を形成する。この開口P2に、公知のイントロデューサ(不図示)を取付ける。このイントロデューサは、操作シース50と同様に引き裂き可能なものである。
イントロデューサを通して右外頚静脈(血管)P3内に電極支持体25を挿入する。このとき、電極支持体25をイントロデューサに挿入可能な外径まで弾性的に変形(縮径)させてから挿入する。挿入時には、X線透視下で電気刺激電極1の刺激電極部10、11、及び電極支持体25のワイヤ部33等の位置を確認する。
本実施形態では、電極支持体25を右外頚静脈P3から上大静脈内に導入するとしたが、電極支持体25は右外頚静脈P3以外にも右内頚静脈、左外頚静脈、左内頚静脈、右鎖骨下静脈、及び左鎖骨下静脈から上大静脈内に導入するとしてもよい。
必要に応じて、電気刺激電極1のコネクタ65にシリンジピストンポンプのシリンジを接続する。シリンジ内にヘパリン等の抗凝固剤を収容し、シリンジに対してピストンを押込む。抗凝固剤は、コネクタ65、チューブ64、及びハブ62を介してシース本体61よりも先端側に放出される。
放出される抗凝固剤は血液の流れに乗り、リード部20及び電極支持体25の近傍に拡散し、リード部20及び電極支持体25の位置する箇所で血栓の発生を低減することができる。
術者がリード部20の基端側を把持して押込むと、この作用させた力はリード本体21及び近位側交差ブロック22を介して電極支持体25に伝達される。操作シース50の基端側を中心軸線C1周りに回転させると、この作用させた力はシース本体51、係合部52、及び近位側交差ブロック22を介して電極支持体25に伝達される。
リード部20を押込むと、イントロデューサから先端側に電極支持体25が突出し、右外頚静脈P3内に電極支持体25が導入される。イントロデューサを用いることで、電極支持体25を右外頚静脈P3内に低侵襲で挿入することができる。
右外頚静脈P3内に電極支持体25を導入すると、血管壁に押されることで電極支持体25が縮径されるとともに軸線C方向に延びる。これにより電極支持体25の外径は、自然状態における外径よりも小さくなる。
術者は、X線透視下でリード部20を押し進め、図15に示すように電極支持体25を上大静脈(血管)P5内に概略設置する。電極支持体25の自然状態での外径が前述のように設定されているため、上大静脈P5内に電極支持体25が配置されたときに、上大静脈P5の内壁を弾性部材26A、26B、26Cが付勢することで、上大静脈P5内で電極支持体25が固定されるようになる。さらに、電極支持体25に凸部30が設けられていることで、上大静脈P5の内面に凸部30が係止し、上大静脈P5内で電極支持体25がより確実に固定される。
この上大静脈P5に隣接して、上大静脈P5の背側に刺激対象となる迷走神経(神経)P6が並走している。
電気刺激装置100にリード部20の電気コネクタを取付け、電気刺激装置100が生成する刺激パルスを電気コネクタ、配線35を介して伝達させることで、刺激電極部10と刺激電極部11との間に刺激パルスによる電気刺激を印加する。この例では、心臓P7に近い先端側の刺激電極部10がマイナス(−)極として機能し、基端側の刺激電極部11がプラス(+)極として機能するように神経刺激信号を印加する。
次に、患者Pの心拍数が低下するように上大静脈P5内における刺激電極部10、11の位置及び向きを調節する。具体的には、術者はリード部20の基端側を操作してリード部20を押込んだりリード部20を引き戻したりして上大静脈P5内における電極支持体25、すなわち刺激電極部10、11の軸線C方向の位置を調節する。
また、操作シース50を軸線C周りに回転させ、電極支持体25の周方向の向きを調節する。この位置及び向きの調節を行いながら心電計により患者Pの心拍数を計測する。刺激電極部10、11が迷走神経P6に近づいて対向するように配置され、迷走神経P6に印加される電気刺激が最も大きくなったときに、患者Pの心拍数が最も低下する。マイナス極として機能する刺激電極部10が迷走神経P6上に来るように刺激電極部10、11の位置及び向きを合わせると、効率よく刺激を行うことができる。このように、刺激電極部10、11の最適な刺激位置を容易に得ることができる。
術者は、心拍数が最も低下するように、すなわち、刺激電極部10、11が迷走神経P6側を向くように、刺激電極部10、11の位置及び向きを調節する。
刺激電極部10、11の位置及び向きが決まったら、電気刺激電極1の電極支持体25を上大静脈P5内に留置する。このとき、リード部20の基端部、及び操作シース50の基端部は、患者Pの頸部P1から外部に露出している。
具体的には、術者はリード部20を把持した状態で操作シース50のみを引き戻して後退させ、近位側交差ブロック22と操作シース50の係合部52との係合を解除する。
操作シース50やイントロデューサを引き裂いてリード部20から除去する。
頸部P1の開口P2を通して右外頚静脈P3内に回収用シース60の先端側を挿入する。頸部P1の皮膚に回収用シース60のハブ62を、糸かけやテーピング等により固定する。このようにすることで、清潔領域と不潔領域とを区別し、感染症等を防止することができる。なお、イントロデューサを除去すると同時に右外頚静脈P3内に回収用シース60を挿入してもよい。
この状態で、一定期間、電気刺激装置100により刺激パルスを生成して電気刺激を印加させつつ、上大静脈P5内に電極支持体25を留置する。
一定期間電気刺激を印加した後で、電気刺激装置100を操作して刺激パルスの生成を停止し、電気刺激電極1の抜去に取り掛かる。なお、本電気刺激電極1の抜去のために、外科的な再手術は必要としない。
初めに、糸を切る等して頸部P1の皮膚とハブ62との固定を解除する。回収用シース60に対してリード部20を基端側に引き戻し、図13に示すように回収用シース60のシース本体61内に電極支持体25を収容して電極支持体25を回収する。このとき、9つの凸部30は軸線C方向の互いに異なる位置に配置されているため、軸線C方向のいずれの位置においても、縮径した電極支持体25の外径が大きくなるのが抑えられる。抜去の際の電極支持体25を縮径するように折りたたむ力(回収用シース60内に電極支持体25を引き込む力)が軸線C方向に分散する。したがって、電気刺激電極1の操作性が高まる。
回収用シース60及び電極支持体25を右外頚静脈P3から引き抜く。このような手順とすることで、電極支持体25を抜去する際に電極支持体25が開口P2の近傍の血管壁を押し広げたり、血管壁を傷つけたりすることがなく、電極支持体25を安全に抜去することができる。
電気刺激電極1を抜去した後で、頸部P1の皮膚に対し、縫合や圧迫等、一般的な止血処置を行い、一連の治療を終了する。
以上説明したように、本実施形態の電気刺激電極1によれば、電極支持体25が縮径したときに9つの凸部30が軸線C方向の異なる位置に配置されている。
回収用シース60内に電極支持体25を収納してから回収する(抜去を行う)が、軸線C方向の同じ位置に凸部30が形成されていると、電極支持体25を縮径するように折りたたむ力(回収用シース60内に電極支持体25を引き込む力)が強く必要とされる。これを軽減するとともに電極支持体25を回収する際の折りたたむ力を分散するため、折りたたんだ時に、軸線C方向に対して凸部30の形成位置が重ならないようにする。この結果、折りたたんだ時、電極支持体25を最小細径に形状を変化させることができる。したがって、回収するときに電極支持体25の外径をより小さくすることができる。
弾性部材固定部38は、弾性部材26A、26B、26Cの一対が互いに溶融接合により接合されて形成されている。弾性部材固定部38の位置が弾性部材26A、26B、26C上にて固定されているため、縮径するように折りたたまれた際に弾性部材固定部38が移動せず、弾性部材固定部38が重なることが無く、折りたたむ力が強くならない。
電気刺激電極1が回収用シース60を備えることで、回収用シース60内で規定の大きさに電極支持体25を縮径して収納することができるとともに、生体組織と擦れる部位を回収用シース60の平滑な内周面にすることができる。挿入傷口である頸部P1の開口P2に影響を与えることなく、電極支持体25を安全に体外へ回収することができる。
なお、電極支持体25を回収した後の傷口は小さくできるため、縫合などを必要とせず、圧迫止血などの手法により、傷口を塞ぐことができる。
なお、本実施形態では、電極支持体25の自然状態において9つの凸部30は軸線C方向の互いに異なる位置に配置されているとしたが、9つの凸部30は回収用シース60内に電極支持体25が挿通されて縮径したときに軸線C方向の異なる位置に配置されていれば、電極支持体25の自然状態において複数の凸部30は軸線C方向において重なっていてもよい。
例えば、弾性部材26A、26B、26Cに剛性の高い所と低い所を設けること等により、電極支持体25の自然状態において複数の凸部30は軸線C方向の互いに重なる位置に配置されている。そして、回収用シース60内に電極支持体25が挿通されて縮径したときに、弾性部材26A、26B、26Cが不均一に縮径することで9つの凸部30が軸線C方向の異なる位置に配置されていればよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図16から図18を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図16及び17に示すように、本実施形態の電気刺激電極3は第1実施形態の電気刺激電極1の各構成に加えて、電極支持体70の自然状態において、3つの弾性部材固定部38は軸線C方向の異なる位置に配置されている。ここで言う3つの弾性部材固定部38が軸線C方向の異なる位置に配置されているとは、軸線C方向において、1の弾性部材固定部38と、この1の弾性部材固定部38以外の他の2の弾性部材固定部38とに重なる部分が無いことを意味する。
電極支持体70の自然状態での軸線C方向に隣り合う弾性部材固定部38の軸線C方向のずれ量(弾性部材固定部38の中心と弾性部材固定部38の中心との軸線C方向の距離)は、2mm以下であることが望ましい。このずれ量が2mmを超える場合は、血管内での電極支持体70の向きの調整性(血管軸に対して時計回り回転と、反時計回りに回転する際の操作性)が悪くなり、位置調整時間の増加を招く懸念がある。言い換えると、このずれ量が2mm以下であると両方向回転時の操作感の違いは術者にて判別できない。
電極支持体70は、図18に示すように、回収用シース60内に挿通されて電極支持体70が縮径したときに3つの弾性部材固定部38が軸線C方向の異なる位置に配置される。
このように構成された電気刺激電極3の電極支持体70を上大静脈P5内に留置する治療について説明する。
回収用シース60に対してリード部20を基端側に引き戻し、回収用シース60のシース本体61内に電極支持体70を収容して電極支持体70を回収する。
回収用シース60内に挿通されて電極支持体70が縮径したときに3つの弾性部材固定部38が軸線C方向で重なっていると、回収用シース60内に収納する引き込み力量は大きなものとなる。弾性部材固定部38は、弾性部材26A、26B、26Cのうち2つの付勢力が発生しているポイントであり、折りたたむ力(回収用シース60内に電極支持体70を引き込む力)が強く必要とされる。
これに対して本実施形態の電気刺激電極3では、電極支持体70が縮径したときに3つの弾性部材固定部38が軸線C方向の異なる位置に配置されるため、弾性部材固定部38が軸線C方向で重なることがなく、回収用シース60内に収納する引き込み力量を低減することができる。
抜去の際の折りたたむ力が軸線C方向に分散する。この結果、折りたたんだ時、最小細径に形状を変化させることができる。よって、回収用シース60内に電極支持体70を完全に収納でき、傷口を拡大することなく、安全に体外に電極支持体70を除去することが可能である。
例えば、前述の特許文献1に示されているようなリードアンカーの場合、ワイヤ部の交差位置(交差部)が血管軸方向にそろった位置(同じ位置)に形成されているため、リードアンカーの折りたたみ時に交差位置が重なり、それポイントが干渉することによって、細径に形態変化することを妨げることが推測される。特に、複数のワイヤ部材を編むことによってリードアンカーが構成される場合には、その影響が顕著となる。
特許文献1には詳細に明記されていないが、血管内からデバイスを抜去する場合にも、折りたたまれた形態にて抜去(回収)されることが必要と考えられる。血管内への挿入傷口を過剰に広げないため、最小細径まで折りたたまれることが求められる。
これに対して、本実施形態の電気刺激電極3によれば、回収するときに電極支持体70の外径をより小さくすることができる。
電極支持体70が縮径したときに3つの弾性部材固定部38が軸線C方向の異なる位置に配置されるため、電極支持体70の外径をさらに小さくすることができる。
なお、本実施形態では、電極支持体70の自然状態において3つの弾性部材固定部38は軸線C方向の互いに異なる位置に配置されているとしたが、3つの弾性部材固定部38は回収用シース60内に電極支持体70が挿通されて縮径したときに軸線C方向の異なる位置に配置されていれば、電極支持体70の自然状態において複数の弾性部材固定部38は軸線C方向において重なっていてもよい。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図19から図21を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図19及び20に示すように、本実施形態の電気刺激電極4は第2実施形態の電気刺激電極3の各構成に加えて、電極支持体75の自然状態において、3つの張出し部40、41、42の中心は軸線C方向の異なる位置に配置されている。張出し部40、41、42の軸線C方向の中心の位置を、位置40a、41a、42aとして示す。
なお、3つの弾性部材26A、26B、26Cの周長は同一である。周長が同じであるため、回収用シース60内で電極支持体75が折りたたまれた際には、各弾性部材26A、26B、26Cの折返し長さが同じとなり、折りたたみ形状は円弧とならず、略直線状に最小細径化することができる。
このように構成された電気刺激電極4の電極支持体75を上大静脈P5内に留置すると、張出し部40、41、42が上大静脈P5の長手方向にずれて上大静脈P5の内壁と確実に当接する。弾性部材26A、26B、26Cの付勢力を上大静脈P5の内壁に作用させることができ、上大静脈P5内での電極支持体75の位置を安定して維持することができる。
また、図21に示すように、回収用シース60内に電極支持体75が挿通される際には、3つの張出し部40、41、42の中心の位置が重ならない。すなわち位置40a、41a、42aが軸線C方向にずれる。このため、抜去の際の折りたたむ力(回収用シース60内に電極支持体75を引き込む力)が軸線C方向に分散する。
以上説明したように、本実施形態の電気刺激電極4によれば、回収するときに電極支持体75の外径をより小さくすることができる。
3つの張出し部40、41、42の中心が軸線C方向の同一位置に形成した場合に比べて、電極支持体75の外径を小さくするとともに、電極支持体75を回収用シース60内に挿通するのに要する力量を低減することができる。
以上、本発明の第1実施形態から第3実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の構成の変更、組み合わせ、削除等も含まれる。さらに、各実施形態で示した構成のそれぞれを適宜組み合わせて利用できることは、言うまでもない。
例えば、前記第1実施形態から第3実施形態では、凸部30は弾性部材26A、26B、26Cの全周にわたり弾性部材26A、26B、26Cの外面から突出するように形成されているとしたが、凸部30は弾性部材26A、26B、26Cの外面から電極支持体の径方向外側に突出するように形成されていればよい。
電極支持体に9つの凸部30が形成されているとしたが、電極支持体に形成される凸部30の数はこれに限定されず、2つ以上であればよい。ただし、電極支持体に形成される凸部30の数が多い方が血管内に電極支持体を係止しやすくなり、血管内における電極支持体の留置維持性が向上する。
電極支持体に形成される弾性部材固定部38の数は3つに限定されず、2つでもよいし、4つ以上でもよい。
1、3、4 電気刺激電極(医療用電気刺激電極)
10、11 刺激電極部
20 リード部
25、70、75 電極支持体
26A、26B、26C 弾性部材
30 凸部
38 弾性部材固定部(交差部)
60 回収用シース
C 軸線
P3 右外頚静脈(血管)
P5 上大静脈(血管)
P6 迷走神経(神経)

Claims (4)

  1. 血管の内壁から神経を刺激するために、前記血管内に挿入して用いられる医療用電気刺激電極であって、
    前記血管の内壁を通して電気刺激を与えるための刺激電極部と、
    該刺激電極部に電気的に接続された配線を挿通する線状のリード部と、
    線状の弾性部材によって一定の軸線周りに略回転対称となる籠状に形成されるとともに前記弾性部材の一部に前記刺激電極部を有し、前記軸線方向における一端部が前記リード部の端部に接続された電極支持体と、
    を備え、
    前記電極支持体は、前記弾性部材の外面から前記電極支持体の径方向外側に突出することで該電極支持体を血管内壁に係止するように形成されるとともに、前記電極支持体が縮径したときに前記軸線方向の異なる位置に配置された複数の凸部を有することを特徴とする医療用電気刺激電極。
  2. 前記電極支持体は、一対の前記弾性部材が交差して接続される交差部を複数有し、
    複数の前記交差部は、前記電極支持体が縮径したときに前記軸線方向の異なる位置に配置されていることを特徴とする、
    請求項1に記載の医療用電気刺激電極。
  3. 前記交差部は、一対の前記弾性部材が互いに接合されて形成されていることを特徴とする、請求項2に記載の医療用電気刺激電極。
  4. 前記リード部が挿通されるとともに縮径した前記電極支持体が挿通される回収用シースを備えることを特徴とする、請求項1に記載の医療用電気刺激電極。
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