JP2016067457A - 気管チューブの製造方法及び気管チューブ - Google Patents

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Abstract

【課題】成形性が高く、後加工を必要としない気管チューブの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】基端側の湾曲部10と、先端側の直線部8とを有するチューブ本体2を備える気管チューブの製造方法であって、前記湾曲部10及び前記直線部8を、それぞれ射出成形によって成形した後、接合することによって前記チューブ本体2を形成することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、気管チューブの製造方法、特に、成形性が高く、後加工を必要としない気管チューブの製造方法、及び、該方法によって製造された気管チューブに関する。
従来から、自発呼吸が困難な患者や、自力で痰の排出が困難な患者等に対し、体外と気管内とを直接つなぎ、呼吸や痰等の異物の吸引を行い易くする気管チューブとしての気管切開チューブが知られている。医療従事者は、気管切開チューブに人工呼吸器を接続して患者の呼吸を維持したり、気管切開チューブ内に吸引用カテーテルを挿入して貯留した痰等の異物を吸引除去したりしている。特許文献1には、このような気管チューブが開示されている。
上述した気管チューブについては、人体への挿入時の影響を考慮して、(a)外径が可能な限り細径であり、凹凸がなく、可能な限り太い内腔を有すること、(b)先端の肉厚が薄く、テーパー形状を有し、生体への挿入抵抗が小さいこと、(c)カフを有する場合には、カフが設けられた部分に凹部を有し、チューブ外径に影響を与えないこと、が望まれている。
気管チューブの製造方法としては、通常、押出成形によって行われていた。具体的には、押出成形により、直線状のチューブを形成した後、曲げ加工することにより、基端側の湾曲部を形成し、基端側の湾曲部と、先端側の直線部とを有するチューブ本体の大まかな形を形成し、さらにその後、先端部のテーパー形状や、ルーメンの先端側の吸引口等を、必要に応じて後加工する、という方法が挙げられる。
また、押出成形以外の技術を用いた製造方法としては、例えば特許文献2に開示されているように、チューブ本体を、中空のチューブ(近位チューブ部分)を金型内に配置し、該中空のチューブをポリマーによりオーバーモールドすることで形成する方法が挙げられる。
特開平09−290023号公報 特表2012−527935号公報
しかしながら、従来の押出成形によって気管チューブのチューブ本体を製造する方法では、肉薄のチューブ本体を成形することや、小径のルーメン形状を成形することが困難であり、寸法にばらつきが生じやすいといった、成形性についての問題があった。さらに、ルーメンの先端側の吸引口や、基端側の湾曲形状については、押出成形によって形成することができず、後に、それらを形成するための加工(後加工)が必要になることがあり、より簡便な製造方法の開発が望まれていた。
また、特許文献2の技術についても、予め押出成形により近位チューブを用意する必要があり、依然として、成形性の問題が残されていた。さらに、後加工についてはなくすことができるものの、予め近位チューブを作製する工程と、それらをオーバーモールドするという工程を経る必要があることから、より容易にチューブ本体を形成できる技術の開発が望まれていた。
そのため、本発明者は、成形性が高く、後加工を必要としない気管チューブの製造方法、及び、該方法によって製造された気管チューブを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するべく検討を行った結果、気管チューブのチューブ本体を射出成形の技術を用いることにより、後加工を必要とすることなく、高い成形性でチューブ本体を形成できることを見出した。ただし、気管チューブのチューブ本体は、基端側の湾曲部と、先端側の直線部とから構成されるため、チューブ本体を射出成形により形成する場合、成形後のコアピンの取り出しについて留意する必要があった。そして、本発明者は、さらに鋭意研究を行った結果、湾曲部及び直線部を、それぞれ別に射出成形し、その後接合することによって、射出成形後のコアピン取り出しについての問題についても解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、その要旨は以下の通りである。
本発明の気管チューブの製造方法は、基端側の湾曲部と、先端側の直線部とを有するチューブ本体を備える気管チューブの製造方法であって、前記湾曲部及び前記直線部を、それぞれ射出成形によって成形した後、接合することによって前記チューブ本体を形成することを特徴とする。
上記構成を採用することで、後加工を必要とすることなく、成形性を高めることができる。
また、前記湾曲部及び前記直線部は、接合部分に、それぞれ前記チューブ本体の周方向の位置決めが可能な嵌合部を設けることが好ましい。
上記構成を採用することで、前記湾曲部と前記直線部との接合部分について、周方向のずれを生じることなく、接合力の向上が可能となる。
さらに、前記嵌合部は、凸部と凹部からなること、又は、前記チューブ本体の中心軸方向に延在するリブ溝からなることがより好ましい。
上記構成を採用することで、前記湾曲部と前記直線部との接合部分について、簡便な構成により、位置決め精度及び接合力をより確実に向上できる。
また、前記湾曲部と前記直線部との接合部分は、カフによって覆うことが好ましい。
上記構成を採用することで、接合部分を露出させることを防げる。
さらにまた、前記チューブ本体を、少なくとも1つ以上のルーメンを有し、該ルーメンを、該ルーメンの吸引口用の金型部品と、該ルーメンの吸引口と連通する該ルーメンの空間用の金型部品との組み合わせによって成形することが好ましい。
上記構成を採用することで、後加工を必要とすることなく、ルーメンの吸引口の成形性を高めることができる。
本発明の気管チューブは、上述した気管チューブの製造方法によって製造されたことを特徴とする。
上記構成を採用することで、後加工を必要とすることなく、寸法精度の高い気管チューブを得ることができる。
本発明の気管チューブの製造方法によれば、後加工を必要とすることなく、成形性を高めることができ、また、本発明の気管チューブの製造方法によって得られた気管チューブは、後加工を必要とせずに、寸法精度が高い。
気管チューブのチューブ本体を示す斜視図である。 (a)はチューブ本体の側面図、(b)はチューブ本体の上面図である。 射出成形した湾曲部及び射出成形した直線部の斜視図である。 (a)〜(d)は、湾曲部と直線部とが接合する部分を拡大して模式的に示した図である。 (a)は、湾曲部の射出成形時の状態を、図2(b)のIII−III断面で見た図であり、図5(b)は、湾曲部の射出成形時の状態を、図2(a)のI−I断面で見た図である。 (a)は、直線部の射出成形時の状態を、図2(b)のIII−III断面で見た図であり、図5(b)は、直線部の射出成形時の状態を、図2(a)のII−II断面で見た図である。 射出成形時の金型同士の接合状態を示した断面図である。 (a)は、本発明によるチューブ本体の形成フロー、(b)は、比較例としてのチューブ本体の形成フローを示した図である。 本発明の一実施形態の気管チューブを気管内に留置した状態を示す図である。
以下、本発明による気管チューブの製造方法及び気管チューブについて、必要に応じて図面を用いて具体的に説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
図1は、気管チューブのチューブ本体2を示す斜視図である。図2(a)及び(b)は、チューブ本体2の側面図及び上面図である。図3は、射出成形した湾曲部10及び射出成形した直線部8の斜視図である。また、図4(a)〜(d)は、湾曲部10と直線部8とが接合する部分を拡大して模式的に示した図である。さらに、図5(a)は、湾曲部10の射出成形時の状態を図2(b)のIII−III断面で見た図であり、図5(b)は、湾曲部10の射出成形時の状態を図2(a)のI−I断面で見た図であり、図6(a)は、直線部8の射出成形時の状態を図2(b)のIII−III断面で見た図、図6(b)は、直線部8の射出成形時の状態を図2(a)のII−II断面で見た図である。図7は、射出成形時の金型同士の接合状態を示した側面図である。図8(a)は本発明によるチューブ本体の形成フロー、図8(b)は比較例としてのチューブ本体の形成フローを示した図である。図9は、本発明の一実施形態の気管チューブ1を気管内に留置した状態を示す図である。
(気管チューブの製造方法)
本発明の気管チューブの製造方法は、図1及び図2に示すように、基端6側の湾曲部10と、先端5側の直線部8とを有するチューブ本体2を備える気管チューブの製造方法である。
なお、本発明による製造方法では、種々の形状の気管チューブの製造を行うことが可能であるが、一実施形態として、図1及び2に示すように、先端5を含む直線部8と、基端6側の湾曲部10とを備え、中空部7を区画すると共に壁内に3つのルーメン(2つの吸引用ルーメン12、13、1つのカフ用ルーメン14)、2つの吸引口12b、13b及び2つのカフ用流路14bを有し、先端にテーパー形状部25が形成されたチューブ本体2を備える、気管チューブを製造する場合を記載している。
そして、本発明は、図3に示すように、前記湾曲部10及び前記直線部8を、それぞれ射出成形によって別個に成形した後、前記湾曲部10及び前記直線部8を接合することによって前記チューブ本体2を形成することを特徴とする。
前記湾曲部10及び前記直線部8をそれぞれ射出成形によって成形することで、直線部8のテーパー形状部25や、各吸引口12b等について後加工を必要とすることなく、成形後に型崩れすることもないため、高い成形性を実現することができる。また、気管チューブのチューブ本体2の湾曲部10及び直線部8を、それぞれ個別に射出成形し、その後接合させることによって、射出成形後にチューブ本体2の取り出しが困難になるといった問題も発生しない。
ここで、図8は、中空部を区画すると共に壁内に3つのルーメン(2つの吸引用ルーメン、1つのカフ用ルーメン)、2つの吸引口及び2つのカフ用流路を有し、先端にテーパー形状部が形成されたチューブ本体(図1に示されたチューブ本体2と同様のもの)を形成する流れを示したものであり、図8(a)が、本発明によるチューブ本体の形成フロー、図8(b)が、比較例としてのチューブ本体の形成フローである。
本発明によるチューブ本体の形成フロー(図8(a))では、中空部を区画すると共に壁内に3つのルーメン及び1つの吸引口を有する湾曲部と、中空部を区画すると共に壁内に3つのルーメン、1つの吸引口及び2つのカフ用流路を有する直線部を、それぞれ射出成形によって成形する工程(P1)と、湾曲部と直線部とを接合する工程(P2)と、接合したチューブ本体の外周面にカフを接合する工程(P3)の、3つの工程を含む。一方、比較例としてのチューブ本体の形成フロー(図8(b))では、中空部を区画すると共に壁内に3つのルーメンを有するチューブ材を押出成形する工程(S1)と、押出成形されたチューブ材が所望の形状となるように曲げ加工を施す工程(S2)と、曲げ加工の施されたチューブ材の外周面にカフを接合する工程(S3)と、チューブ材の先端部に、テーパー形状に形成された内面を有する金型を押しあて、チューブ材の先端部における外周面に、外径が先端に向かって漸減し、先端まで延在するテーパー形状部を形成する工程(S4)と、チューブ材の先端開口から例えばフェザー刃等の刃物を挿入し、外周面のテーパー形状部が形成された位置での内周面のうち、吸引用ルーメンの先端部がある位置に溝を形成し、一方の吸引口を形成する工程(S5)と、チューブ材のカフ装着部から基端側近傍の位置に、先端が円形の刃物等により他方の吸引口を形成する工程(S6)の、6つの工程を含む。
2つのチューブ本体の形成フローを比較すると、本発明によるチューブ本体の形成フロー(図8(a))によれば、加工のための後工程(S2、S3、S4、S5)をなくすことができることがわかる。
前記射出成形した湾曲部10及び直線部8は、図3に示すように、接合することによってチューブ本体2を形成する。
ここで、前記「接合」とは、湾曲部10と直線部8とをつなぎ合わせることであり、具体的には、接着剤、有機溶剤、超音波等を用いた接着や、高周波、熱による融着が挙げられる。
なお、接着の際に用いられる接着剤の種類や、融着の際の温度・圧力条件等については、チューブ本体2を構成する材料の条件等に応じて、公知の技術を適宜採用することができる。
また、前記直線部8及び前記湾曲部10の接合部分9において、前記湾曲部10及び前記直線部8は、それぞれ、特定の嵌合部を設けることが好ましい。嵌合部8a、10aによって、前記接合部分9が固定される結果、前記チューブ本体2の周方向Cの位置決め精度が向上し、接合力の向上を図ることができるためである。
前記嵌合部については、前記チューブ本体2の周方向Cの位置決めができ、且つ接合力の向上を図ることができるものであれば特に限定はされない。
例えば、嵌合部を凸部と凹部とで構成することができる。図4(a)〜(c)は、それぞれ、凸部と凹部とで構成される嵌合部、リブとリブ溝とで構成される嵌合部、又は、それらのいずれもから構成される嵌合部の例を示している。
図4(a)は、直線部8の端面において、チューブ本体2の周方向Cの一部の位置に形成された凹部(直線部8の嵌合部8a)と、湾曲部10の端面において、チューブ本体2の周方向Cの一部の位置に形成され、直線部8の凹部と嵌合する凸部(湾曲部10の嵌合部10a)と、で構成された嵌合部である。
また、図4(b)は、直線部8の筒状の端部の端面において、チューブ本体2の周方向Cの一部の位置に形成された凹部(直線部8の嵌合部8a)と、湾曲部10の筒状の端部の端面において、チューブ本体2の周方向Cの一部の位置に形成され、直線部8の凹部と嵌合する凸部(湾曲部10の嵌合部10a)と、で構成された嵌合部である。図4(b)に示す構成によれば、凹凸部の嵌合による周方向Cの位置決めに加えて、直線部8及び湾曲部10の筒状の端部同士が嵌合するため、図4(a)に示す構成と比較して、接合部分の接合力の向上を図ることができる。
さらに、図4(c)は、図3に示す直線部8の筒状の端部の内周面に凹部としてのリブ溝(直線部8の嵌合部8a)を設けると共に、図3に示す湾曲部10の筒状の端部の外周面に凸部としてのリブ(湾曲部10の嵌合部10a)を設け、リブ溝及びリブにより嵌合部を構成したものである。図4(c)に示す構成であっても、図4(b)と同様、周方向Cの位置決め精度及び接合力の向上を図ることが可能である。なお、リブ溝及びリブは、周方向Cにおいて1つ設けられている構成であっても、複数設けられている構成であってもよい。
またさらに、図4(d)は、直線部8の端部に内筒部及び外筒部を設けると共に、湾曲部10に、直線部8の内筒部と外筒部の間の環状溝に嵌合する筒状の端部を設けた構成を示す。なお、嵌合部は、図4(c)と同様、リブ溝(直線部8の嵌合部8a)及びリブ(湾曲部10の嵌合部10a)により構成されている。図4(d)の構成によれば、凹凸部としてのリブ溝及びリブの嵌合による周方向Cの位置決めに加えて、湾曲部10の筒状の端部が、直線部8の環状溝に対して強固に嵌合固定されるため、接合部分の接合力をより高めることができる。
なお、図4(a)〜(d)は、直線部8側に凹部、湾曲部10側に凸部を設けた嵌合部を示しているが、直線部8側に凸部、湾曲部10側に凹部を設ける嵌合部としてもよい。
ここで、前記湾曲部10及び前記直線部8を射出成形する方法について説明する。
射出成形とは、軟化する温度に加熱した材料を、射出圧 (通常、10〜3000kgf/c程度) を加えて金型に押込み、型に充填して成形する技術のことである。本発明では、前記湾曲部10及び前記直線部8を、いずれも公知の射出成形技術によって成形することができる。
前記湾曲部10を射出成形する場合、例えば図5(a)及び(b)に示すように、100a〜100fの6種の金型を用いて、成形することができる。成形された湾曲部10は、図3に示すように、中空部7が区画されると共に、壁内に3つのルーメン12、13、14及び1つの吸引口12bを有しており、後加工により吸引口を設ける必要がない。
また、前記直線部8を射出成形する場合、例えば図6(a)及び(b)に示すように、101a〜101fの6種の金型を用いて、成形することができる。成形された直線部8は、図3に示すように、中空部7が区画されると共に、壁内に3つのルーメン12、13、14及び1つの吸引口13b、2つのカフ用流路14bを有しており、後加工により吸引口及びカフ用流路を設ける必要がない。また、ルーメン14及び2つのカフ用流路14bは、湾曲部10に形成されていてもよい。
なお、前記チューブ本体2は、図1及び2に示すように、少なくとも1つ以上のルーメン12、13、14を有し、該ルーメンを、吸引口12b、13bを、それぞれ1以上有し、該ルーメン及び吸引口を金型部品の組み合わせによって成形することが好ましい。吸引口やルーメンの数が多い複雑な形状であるほど、射出成形の寸法精度の向上効果が発揮でき、さらに、後工程を必要としないことから、製造時間の短縮が大きくなるためである。
なお、前記射出成形に用いられる金型は、前記湾曲部10及び前記直線部8の形状を高い寸法精度で成形できるものであれば特に限定はされず、通常の射出成形技術に用いられる種類の金型を採用できる。
例えば、図6に示すように、該ルーメンの吸引口13b用の金型部品101cと、該ルーメンの吸引口と連通する該ルーメン13の空間用の金型部品101bとの組み合わせによって成形することができる。前記ルーメン13の空間及び吸引口13bの成形性をより高めることができるためである。
なお、図6に示すような複数の金型を用いる場合(金型の分割面が存在する場合)には、例えば図6及び図7に示すように、金型同士の接触部にズレが生じないよう、ガイドピンGを用いて勘合するような構造とすることも可能である。
さらに、前記湾曲部10と前記直線部8との接合部分9は、カフ3によって覆うことが好ましい。接合部分9を露出させることがなくなるため、接着や融着によって接合部分9にチューブ本体周方向に沿った凸部が生じた場合であっても、生体へ与える影響を抑えることができるからである。さらにその場合は、カフの接着部にチューブ本体周方向に沿った凸部が生じないよう、カフの肉厚分だけチューブ本体を肉薄に形成することもできる。
(気管チューブ)
次に、本発明の気管チューブの一実施形態について説明する。
本発明の気管チューブは、上述した気管チューブの製造方法によって製造されたことを特徴とする。
図9に示すように、気管チューブ1は、チューブ本体2と、このチューブ本体2の外周面上に取り付けられた収縮及び拡張可能なカフ3と、チューブ本体2の一方の端部に装着されたフランジ部材4と、を備える。
図1及び2に示すように、製造されたチューブ本体2は、チューブ本体2の内周面の中心軸線O1の延在方向(以下、単に「中心軸線方向A」と記載する。)において先端5から基端6まで貫通する中空部7を区画しており、気管チューブ1が外方から気管内に挿入されて留置されている状態では、この中空部7により気道が確保される。なお、チューブ本体2の先端5とは、チューブ本体2の遠位端であり、気管チューブ1が気管内に留置されている状態において、気管分岐部側に位置する一端である。また、基端6とは、チューブ本体2の近位端であり、気管チューブ1が気管内に留置されている状態において顎側に位置する他端である。
より具体的に、前記チューブ本体2は、先端5を含む直線部8と、中心軸線方向Aにおいて直線部8の基端6側で連続する湾曲部10と、この湾曲部10の基端6側で連続し、基端6を含む基端部11と、を備える。換言すれば、チューブ本体2の直線部8は、湾曲部10を介して、基端部11と繋がっている。なお、フランジ部材4は、基端部11に装着される。
ここで、本実施形態では、前記チューブ本体2を直線部8の先端5側から見た場合において、先端5に対して基端6がある方向、すなわち、先端5に対して湾曲部10が湾曲している方向を「上側」とし、その反対側を「下側」とする(図3(b)を参照。)。
また、図1及び2に示すように、前記チューブ本体2の外周面とチューブ本体2の中空部7を区画する内周面との間であるチューブ本体2の壁内には、中心軸線O1に沿って延在する3つの中空部が区画されている。具体的に、チューブ本体2は、壁内に形成され、基端面に区画された第1〜第3基端開口12a〜14aから中心軸線O1に沿って延在する第1〜第3ルーメン12〜14を備える。なお、壁内に区画された小径の第1〜第3ルーメン12〜14についても中空部であるが、説明の便宜上、気道を確保するための大径の中空部7と区別するため、ここでは「ルーメン」と記載する。
前記第1ルーメン12は、基端面の第1基端開口12aから、カフ3よりも基端部11側の所定の位置まで延在しており、その所定の位置に形成されたチューブ本体2の外周面まで貫通する吸引口12bを通じてチューブ本体2の外方と連通している。吸引口12bは、カフ3よりも基端部11側の位置として、湾曲部10に形成されている。より具体的には、吸引口12bは、湾曲部10の直線部8側の端部、すなわち、チューブ本体2の基端部11側の近傍に形成されている。この第1ルーメン12は、気管内に留置されている状態のカフ3よりも気管上流側(顎側)に貯留する痰や唾液、血液などの異物Xを吸引して除去するためのルーメンであり、以下、「第1吸引用ルーメン」と記載する。
前記第2ルーメン13は、基端面の第2基端開口13aから、カフ3よりも直線部8側の所定の位置まで延在しており、その所定の位置に形成されたチューブ本体2の内周面まで貫通する吸引口13bを通じてチューブ本体2の中空部7と連通している。吸引口13bは、カフ3よりも直線部8側の位置として、直線部8に形成されている。より具体的に、吸引口13bは、図6(a)に示すように、直線部8の内周面において先端5の位置まで続く切り欠き状の吸引口である。この第2ルーメン13は、気管内に留置されているカフ3よりも気管下流側(気管分岐部側)で、直線部8近傍に貯留する痰等の異物Xを吸引して除去するためのルーメンであり、以下、「第2吸引用ルーメン」と記載する。
前記第3ルーメン14は、基端面の第3基端開口14aから、カフ3の位置まで延在しており、その位置に形成されたチューブ本体2の外周面まで貫通する流路14bを通じて外方と連通している。従って、例えばシリンジ等を用いて、第3ルーメン14の第3基端開口14aから流路14bを通じて、チューブ本体2の外周面とカフ3の内面とで区画される環状空間内へ空気等の流体を供給することにより、カフ3を、この供給された流体により径方向(図9を参照。)に拡張させることができる。また、拡張した状態のカフ3に対しては、上述の環状空間から、第3ルーメン14の流路14b及び第3基端開口14aを通じて流体を吸引すれば、カフ3を径方向に収縮させることができる。このように、第3ルーメン14は、カフ3を収縮及び拡張させるために用いられるルーメンであり、以下、「カフ用ルーメン」と記載する。
前記チューブ本体2の構成材料としては、例えば、シリコーン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ−(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ブタジエン−スチレン共重合体、ポリアミド(例えば、ナイロン6、ナイロン6・6、ナイロン6・10、ナイロン12)のような各種樹脂を用いることができる。その中でも、成形が容易であるという点で、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、環状ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ−(4−メチルペンテン−1)のような樹脂を用いることが好ましい。
前記カフ3は、図9に示すように、チューブ本体2の外周面上に取り付けられており、上述したチューブ本体2のカフ用ルーメン14を通じて、チューブ本体2の外周面とカフ3の内面とで区画される環状空間に供給される流体の圧力により、拡張させることができる。従って、気管チューブ1を外方から気管内へと挿入し、所定の位置で気管チューブ1を留置しようとする際に、チューブ本体2のカフ用ルーメンを通じて環状空間へと流体を供給し、カフ3をチューブ本体2の径方向に拡張させる。これにより、拡張したカフ3の外面が気管内壁と密着し、カフ3の外面と気管内壁との摩擦力等によって、カフ3が気管内周面に挟持されると共に、チューブ本体2周囲で気管内を閉塞する。そのため、気管内でのカフ3の位置が固定され、気管チューブ1を上述した所定の位置で留置させることができる。
また、気管チューブ1を気管内から外方へ抜去する際や、気管チューブ1の留置する位置を再調整する際などは、カフ用ルーメンを用いて環状空間の流体を吸引し、カフ3を収縮させる。これにより、気管チューブ1のチューブ本体2を気管内で気管に沿って移動させることができる。
このようなカフ3は、中心軸線方向Aにおける基端6側の端縁部及び先端5側の端縁部それぞれが、チューブ本体2の外周面上に周方向Cに沿って溶着や超音波接着等により接着されている。これにより、カフ3の内面とチューブ本体2の外周面とにより上述した環状空間が区画されている。より具体的に、基端6側の端縁部(図示せず)は、環状空間の内側に折り曲げられており、端縁部のうちカフ3の外面から延在する面が、環状空間内でチューブ本体2の外周面に接着されている。また、先端5側の端縁部(図示せず)は、環状空間の外側に折り曲げられており、端縁部のうちカフ3の内面から延在する面が、チューブ本体2の外周面に接着されている。
なお、カフ3の構成材料としては、例えば、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、シリコーン、またはこれらのうち任意の材料を混合した、可撓性を有する材料を用いることができる。
前記フランジ部材4は、図9に示すようにチューブ本体2の基端部11(図1等を参照。)に装着されており、チューブ本体2を体外から気管内に挿入して気管チューブ1を留置した際に、皮膚に当接することで、直線部8を気管内の適切な位置に固定する。図9に示すように、フランジ部材4は、チューブ本体2の基端部11が内挿され、チューブ本体2と嵌合することでチューブ本体2に対して装着される円筒状の筒部17と、この筒部17の外壁から径方向外側に向かって突出し、気管チューブ1を留置した状態で皮膚に当接する板状のフランジ部18と、を備える。
前記筒部17には、フランジ部18よりも基端側の位置に、上述した第1吸引用ルーメン12、第2吸引用ルーメン13及びカフ用ルーメン14それぞれと連通する連通孔が区画されており、筒部17内にチューブ本体2の基端部11が嵌合することにより装着されている状態において、第1吸引用ルーメン12、第2吸引用ルーメン13及びカフ用ルーメン14は、対応する連通孔を介して、気管チューブ1の外方と連通しており、この連通孔それぞれに医療用チューブが接続されている。
具体的に、第1吸引用ルーメン12は、筒部17に形成された対応する連通孔を通じて、気管チューブ1の基端側で気管チューブ1の外方と連通している。従って、体外に露出している筒部17の連通孔に一端が嵌合した吸引用チューブ19の他端にシリンジまたは吸引ポンプ等を接続して吸引を行えば、体外から第1吸引用ルーメン12を通じて痰等の異物Xを吸引することができる。また、第2吸引用ルーメン13についても、第1吸引用ルーメン12と同様であり、吸引用チューブ20、筒部17に形成された対応する連通孔及び第2吸引用ルーメン13を通じて異物Xを吸引することができる。
さらに、前記カフ用ルーメン13は、筒部17に形成された対応する連通孔を通じて、気管チューブ1の基端側で気管チューブ1の外方と連通している。従って、体外に露出している筒部17の連通孔に一端が嵌合したカフ用チューブ(図示せず)の他端にシリンジ等を接続すれば、体外にあるシリンジ等の操作により、カフ3の環状空間への流体の供給や吸引を行うことができ、それによりカフ3の拡張及び収縮を操作することができる。
なお、前記フランジ部材4の筒部17は、チューブ本体2の基端部11と同心円状に装着されており、チューブ本体2の周方向Cにおける第1吸引用ルーメン12の位置、第2吸引用ルーメン13の位置、及びカフ用ルーメン14の位置は、筒部17の対応する連通孔の周方向Cの位置の近傍とされている。そのため、各連通孔を短くすることができ、筒部17の連通孔の構成が複雑化することが抑制される。
また、前記フランジ部材4の構成材料としては、例えば、チューブ本体2と同様の材料で形成することができる。
本発明によれば、成形性が高く、後加工を必要としない気管チューブの製造方法、及び、該方法によって製造された気管チューブを提供することが可能となる。
1:気管チューブ
2:チューブ本体
3:カフ
4:フランジ部材
5:チューブ本体の先端
6:チューブ本体の基端
7:中空部
8:直線部
8a:嵌合部
9:接合部分
10:チューブ本体の湾曲部
10a:嵌合部
11:チューブ本体の基端部
12:第1吸引用ルーメン(第1ルーメン)
12a:第1基端開口
12b:第1ルーメンの吸引口(吸引口)
13:第2吸引用ルーメン(第2ルーメン)
13a:第2基端開口
13b:第2ルーメンの吸引口(吸引口)
14:カフ用ルーメン(第3ルーメン)
14a:第3基端開口
14b:カフ用ルーメンの流路
17:筒部
18:フランジ部
19、20:吸引用チューブ(医療用チューブ)
25:テーパー形状部
100a〜f:金型
101a〜f:金型
A:チューブ本体の内周面の中心軸線の方向
C:チューブ本体の周方向
O1:チューブ本体の内周面の中心軸線

Claims (7)

  1. 基端側の湾曲部と、先端側の直線部とを有するチューブ本体を備える気管チューブの製造方法であって、
    前記湾曲部及び前記直線部を、それぞれ射出成形によって成形した後、接合することによって前記チューブ本体を形成することを特徴とする、気管チューブの製造方法。
  2. 前記湾曲部及び前記直線部は、接合部分に、それぞれ前記チューブ本体の周方向の位置決めが可能な嵌合部を設けることを特徴とする、請求項1に記載の気管チューブの製造方法。
  3. 前記嵌合部は、凸部と凹部からなることを特徴とする、請求項2に記載の気管チューブの製造方法。
  4. 前記嵌合部は、前記チューブ本体の中心軸方向に延在するリブ溝からなることを特徴とする、請求項2に記載の気管チューブの製造方法。
  5. 前記湾曲部と前記直線部との接合部分を、カフによって覆うことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の気管チューブの製造方法。
  6. 前記チューブ本体は、少なくとも1つ以上のルーメンを有し、該ルーメンを、該ルーメンの吸引口用の金型部品と、該ルーメンの吸引口と連通する該ルーメンの空間用の金型部品との組み合わせによって成形することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の気管チューブの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の気管チューブの製造方法によって製造されたことを特徴とする、気管チューブ。
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