JP2016066724A - ウェーハの研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】凹部が形成されたウェーハを適切に研磨可能なウェーハの研磨方法を提供する。【解決手段】平面視で円形の凹部(11c)が形成されたウェーハ(11)の凹部を研磨するウェーハの研磨方法であって、研磨装置(2)のスピンドル(8)の下端には、ウェーハの凹部より直径の小さい円柱状の基台部(10)が設けられ、研磨パッド(12)は、基台部の下面(11a)側が研磨パッドの上面(12a)側から研磨パッドに埋没した状態でスピンドルに固定されており、凹部が露出するようにウェーハをチャックテーブル(4)で保持する保持ステップと、ウェーハにスラリーを供給しつつ研磨パッドを凹部に押し当てて回転させ、凹部を研磨する研磨ステップと、を備え、研磨ステップでは、研磨パッドに埋没した基台部を凹部の内周面(11e)より所定量内側に位置付けると共に、研磨パッドを凹部の内周面に押し当てて凹部を研磨する構成とした。【選択図】図2
Description
本発明は、凹部が形成されたウェーハを研磨するウェーハの研磨方法に関する。
シリコン等の半導体材料でなるウェーハを研削によって薄く加工すると、ウェーハの剛性は大幅に低下して後工程での取り扱いが難しくなる。そのため、ウェーハの中央の領域のみを研削して外周縁の厚みを維持することで、研削後のウェーハに所定の剛性を残す加工方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、表面側の中央の領域に複数のデバイスを形成されたウェーハは、上述の加工方法で裏面側の中央の領域を研削される。研削によって薄化され、裏面側に凹部を形成されたウェーハは、ダイシング等の工程を経て各デバイスに対応する複数のチップに分割される。
ところで、上述の加工方法を経て製造されるチップの抗折強度を高めるために、研削によってウェーハに形成される凹部を研磨することが検討されている。しかしながら、従来の研磨方法では、研磨パッドを凹部の全体に接触させてウェーハを適切に研磨できなかった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、凹部が形成されたウェーハを適切に研磨可能なウェーハの研磨方法を提供することである。
本発明によれば、チャックテーブルで保持したウェーハにスラリーを供給しつつスピンドルに固定した円盤状の研磨パッドでウェーハを研磨する研磨装置を用い、第1面側の中央領域に平面視で円形の凹部が形成されたウェーハの該凹部を研磨するウェーハの研磨方法であって、該スピンドルの下端には、ウェーハの該凹部より直径の小さい円柱状の基台部が設けられ、該研磨パッドは、該基台部の下面側が該研磨パッドの上面側から該研磨パッドに埋没した状態で該スピンドルに固定されており、該凹部が露出するようにウェーハを該チャックテーブルで保持する保持ステップと、該保持ステップを実施した後に、ウェーハに該スラリーを供給しつつ該研磨パッドを該凹部に押し当てて回転させ、該凹部の底面、内周面、及び該底面と該内周面とを連結する連結部を研磨する研磨ステップと、を備え、該研磨ステップでは、該研磨パッドに埋没した該基台部を該凹部の該内周面より所定量内側に位置付けると共に、該研磨パッドを該凹部の内周面に押し当てて該凹部を研磨することを特徴とするウェーハの研磨方法が提供される。
本発明に係るウェーハの研磨方法では、ウェーハの凹部より直径の小さい円柱状の基台部をスピンドルの下端に設け、研磨パッドを、この基台部の下面側が研磨パッドの上面側から研磨パッドに埋没した状態でスピンドルに固定しているので、基台部の下面によって研磨パッドに斜め下向きの力を掛け易くなる。
そのため、研磨ステップにおいて、基台部を凹部の内周面より内側に位置付けることで、研磨パッドを凹部の内周面に押し当て、凹部の底面、内周面、及び底面と内周面とを連結する連結部を適切に研磨できる。このように、本発明によれば、凹部が形成されたウェーハを適切に研磨可能なウェーハの研磨方法を提供できる。
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。本実施形態に係るウェーハの研磨方法は、保持ステップ、及び研磨ステップを含む。保持ステップでは、第1面に凹部が形成されたウェーハの凹部が露出するように、研磨装置のチャックテーブルでウェーハを保持する。
研磨ステップでは、ウェーハに研磨液(スラリー)を供給しながら研磨装置の研磨パッドをウェーハの凹部に押し当て、チャックテーブルと研磨パッドとを相互に回転させる。この研磨ステップでは、凹部の側面(内周面)に研磨パッドを押し当てる。以下、本実施形態に係るウェーハの研磨方法について詳述する。
まず、本実施形態で研磨されるウェーハについて説明する。図1は、ウェーハの構成例を模式的に示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態のウェーハ11は、シリコン等の半導体材料でなる円盤状の板状物であり、第1面11a側の中央の領域には、平面視で円形の凹部11cが形成されている。
凹部11cは、例えば、平坦に形成されたウェーハの第1面側を研削することによって形成される。ウェーハ11の中央の領域のみを研削して薄くすることで、ウェーハ11の外周縁の厚みを維持して所望の剛性を確保できる。なお、第2面11b側の中央領域には、例えば、IC等のデバイス(不図示)が形成されている。ただし、本発明で研磨されるウェーハはこれに限定されない。
本実施形態に係るウェーハの研磨方法では、上述したウェーハ11の凹部11cを研磨する。図2は、本実施形態に係るウェーハの研磨方法を説明するための一部断面側面図である。本実施形態に係るウェーハの研磨方法は、図2に示す研磨装置2で実施される。
研磨装置2は、ウェーハ11を吸引保持するチャックテーブル4を備えている。チャックテーブル4は、モータ等の回転駆動源(不図示)と連結されており、鉛直方向に伸びる回転軸の周りに回転する。また、チャックテーブル4の下方には、移動ユニット(不図示)が設けられており、チャックテーブル4は、この移動ユニットで水平方向に移動する。
チャックテーブル4の上面(表面)は、ウェーハ11を吸引保持する保持面となっている。この保持面には、チャックテーブル4の内部に形成された流路(不図示)を通じて吸引源(不図示)の負圧が作用し、ウェーハ11を吸引する吸引力が発生する。
チャックテーブル4の上方には、研磨ユニット6が配置されている。研磨ユニット6は、鉛直方向に伸びる回転軸を構成するスピンドル8を備えている。スピンドル8の下端部には、ウェーハ11の凹部11cより直径の小さい円柱状の基台部10が設けられており、この基台部10を介して、発泡硬質ポリウレタン等でなる研磨パッド12がスピンドル8に固定されている。
基台部10は、例えば、ステンレス、アルミニウム等の金属材料で2mm〜10mm程度(代表的には、5mm)の厚さに形成されており、略平坦な下面10aを有している。基台部10の直径は、凹部11cの全体を研磨できる範囲で調整される。
研磨パッド12は、基台部10より直径の大きな円盤状に形成されており、例えば、基台部10の下面10a側と嵌合する凹部12dを上面12a側に有している。この凹部12dと基台部10とを嵌合させることで、研磨パッド12は基台部10に固定される。研磨パッド12の厚みは、例えば、1mm〜6mm程度(代表的には、3mm)である。
研磨パッド12の直径は、例えば、基台部10の直径より1mm〜20mm、好ましくは2mm〜10mm程度大きい。また、研磨パッド12の凹部12dは、上面12aからの深さが研磨パッド12の厚みの20%〜90%程度となるように形成される。このような研磨パッド12を用いることで、後述するようにウェーハ11を適切に研磨できる。
ただし、本発明に係る研磨パッドはこれに限定されない。研磨パッドは、少なくとも基台部の下面側が研磨パッドの上面側から研磨パッドに埋没した状態で基台部に固定されれば良い。
スピンドル8等の内部には、チャックテーブル4に保持されたウェーハ11及び研磨パッド12に研磨液(代表的には、砥粒が分散されたスラリー)を供給する供給路14が形成されている。
スピンドル8の上端側には、モータ等の回転駆動源(不図示)が連結されており、研磨パッド12は、回転駆動源から伝達される回転力で回転する。また、研磨パッド12は、スピンドル8を支持する昇降ユニット(不図示)で昇降する。
本実施形態に係るウェーハの研磨方法では、まず、凹部11cが露出するようにウェーハ11をチャックテーブル4で保持する保持ステップを実施する。具体的には、ウェーハ11の第2面11b側をチャックテーブル4の保持面に接触させて、吸引源の負圧を作用させる。なお、ウェーハ11の第2面11bには、デバイス等を保護するための保護部材を貼着しても良い。
保持ステップの後には、ウェーハ11の凹部11cを研磨する研磨ステップを実施する。図3(A)は、図2の一部を拡大した一部断面側面図である。この研磨ステップでは、まず、チャックテーブル4を水平方向に移動させて、基台部10(基台部10の側面)を凹部11cの側面(内周面)11eより内側(凹部11cの内側)に位置付ける。
具体的には、例えば、基台部10の側面を、凹部11cの側面11eより0.3mm〜11mm程度内側に位置付けると良い。基台部10をこの条件で位置付けると、研磨パッド12の側面12cは、凹部11cの側面11eより僅かに外側(凹部11cの外側)に位置付けられる。
次に、チャックテーブル4と研磨パッド12とを、それぞれ所定の方向に回転させつつ、スピンドル8を下降させて、ウェーハ11の凹部11cに研磨パッド12を押し当てる。このとき、ウェーハ11及び研磨パッド12には、スピンドル8等の内部に形成された供給路14を通じて研磨液(不図示)を供給する。
チャックテーブル4の回転数は、例えば、500rpm程度とし、研磨パッド12(スピンドル8)の回転数は、例えば、500rpm程度とする。また、研磨パッド12をウェーハ11に押し当てる圧力は、例えば、26kPa程度とする。ただし、回転数や圧力の条件はこれらに限定されない。
このように、基台部10を位置付けて研磨パッド12を下降させると、凹部11cの底面11dには研磨パッド12の下面12bが押し当てられる。また、研磨パッド12の外周部分は僅かに変形し、凹部11cの側面11eには研磨パッド12の側面12c(又は下面12b)の一部が押し当てられる。なお、研磨パッド12を押し当てる際には、研摩パッド12がウェーハ11に対して水平方向に揺動するように、チャックテーブル4と研磨パッド12とを相対移動させてもよい。
本実施形態では、基台部10の下面10a側が研磨パッド12に埋没しているので、研磨パッド12には、基台部10の下面10aの端部から斜め下向きの力Fが作用する。これにより、凹部11cの側面11eに研磨パッド12の側面12c(又は下面12b)を適切に押し当てることができる。
また、この斜め下向きの力Fの作用によって、研磨パッド12は、底面11dと側面11eとを連結する連結部11fにも接触する。これにより、凹部11cの底面11d、側面11e、及び連結部11fを研磨パッド12で適切に研磨できる。
図3(B)は、比較例に係るウェーハの研磨方法を説明するための一部断面側面図である。図3(B)に示すように、比較例に係るウェーハの研磨方法では、研磨パッド18の上面18aが基台部16の下面16aに固定されており、基台部16は研磨パッド18に埋没していない。
この場合、研磨パッド18の側面18cを、凹部11cの側面11eより僅かに外側に位置付ければ、図3(B)に示すように、研磨パッド18の下面18bを凹部11cの底面11dに接触させることができる。しかしながら、この方法では、研磨パッド18を凹部11cの側面11e、及び連結部11fに接触させることはできない。
また、例えば、基台部16を凹部11cの側面11eより内側に位置付けた後に、研磨パッド18の側面18cを凹部11cの内側から側面11eに接触させることも考えられる。しかしながら、この方法は、位置合わせ等の条件が厳しく容易に実施できない。
これに対して、本実施形態に係るウェーハの研磨方法では、ウェーハ11の凹部11cより直径の小さい円柱状の基台部10をスピンドル8の下端に設け、研磨パッド12を、この基台部1の下面10a側が研磨パッド12の上面12a側から研磨パッド12に埋没した状態でスピンドル8に固定しているので、基台部10の下面10aによって研磨パッドに斜め下向きの力Fを掛け易くなる。
そのため、研磨ステップにおいて、基台部10を凹部11cの側面(内周面)11eより内側に位置付けることで、研磨パッド12の側面12c(又は下面12b)を凹部11cの側面11eに押し当て、凹部11cの底面11d、側面11e、及び底面11dと側面11eとを連結する連結部11fを適切に研磨できる。
なお、本発明は上記実施形態の記載に限定されず、種々変更して実施可能である。例えば、上記実施形態とは異なる態様の研磨装置を用いてウェーハを研磨することもできる。図4は、変形例に係るウェーハの研磨方法を説明するための一部断面側面図である。
図4に示す研磨装置22の構成は、基本的な部分において上記実施形態に係る研磨装置2の構成と共通している。すなわち、研磨装置22は、ウェーハ11を吸引保持するチャックテーブル24を備えている。
また、チャックテーブル24の上方には、研磨ユニット26が配置されている。研磨ユニット26は、鉛直方向に伸びる回転軸を構成するスピンドル28を備えている。スピンドル28の下端部には、ウェーハ11の凹部11cより直径の小さい円柱状の基台部30が設けられており、この基台部30を介して、研磨パッド32がスピンドル8に固定されている。
研磨パッド32は、例えば、基台部30の下面30a側と嵌合する凹部32dを上面32a側に有している。この凹部32dと基台部30とを嵌合させることで、研磨パッド32は基台部30に固定される。
スピンドル28等の内部には、チャックテーブル24に保持されたウェーハ11及び研磨パッド32に研磨液(代表的には、砥粒が分散されたスラリー)を供給する供給路34が形成されている。この供給路34は、研磨パッド32の回転中心と重ならない位置に形成されている。
ここで、基台部30の直径は、ウェーハ11の凹部11cの直径より僅かに小さくなっており、研磨パッド32の直径は、ウェーハ11の凹部11cの直径より僅かに大きくなっている。そのため、基台部30を凹部11cの側面より内側に位置付けてスピンドル8を下降させると、図4に示すように、研磨パッド32は凹部11cに嵌合するように押し当てられる。
すなわち、凹部11cの底面11dに研磨パッド32の下面32bが押し当てられ、凹部11cの側面11eに研磨パッド32の側面32cが押し当てられる。この場合にも、凹部11cの全体を研磨パッド32で適切に研磨できる。
その他、上記実施形態に係る構成、方法等は、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施できる。
2 研磨装置
4 チャックテーブル
6 研磨ユニット
8 スピンドル
10 基台部
10a 下面
12 研磨パッド
12a 上面
12b 下面
12c 側面
12d 凹部
14 供給路
16 基台部
16a 下面
18 研磨パッド
18a 上面
18b 下面
18c 側面
18a 上面
22 研磨装置
24 チャックテーブル
26 研磨ユニット
28 スピンドル
30 基台部
30a 下面
32 研磨パッド
32a 上面
32b 下面
32c 側面
32d 凹部
34 供給路
11 ウェーハ
11a 第1面
11b 第2面
11c 凹部
11d 底面
11e 側面(内周面)
11f 連結部
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Claims (1)
- チャックテーブルで保持したウェーハにスラリーを供給しつつスピンドルに固定した円盤状の研磨パッドでウェーハを研磨する研磨装置を用い、第1面側の中央領域に平面視で円形の凹部が形成されたウェーハの該凹部を研磨するウェーハの研磨方法であって、
該スピンドルの下端には、ウェーハの該凹部より直径の小さい円柱状の基台部が設けられ、該研磨パッドは、該基台部の下面側が該研磨パッドの上面側から該研磨パッドに埋没した状態で該スピンドルに固定されており、
該凹部が露出するようにウェーハを該チャックテーブルで保持する保持ステップと、
該保持ステップを実施した後に、ウェーハに該スラリーを供給しつつ該研磨パッドを該凹部に押し当てて回転させ、該凹部の底面、内周面、及び該底面と該内周面とを連結する連結部を研磨する研磨ステップと、を備え、
該研磨ステップでは、該研磨パッドに埋没した該基台部を該凹部の該内周面より所定量内側に位置付けると共に、該研磨パッドを該凹部の内周面に押し当てて該凹部を研磨することを特徴とするウェーハの研磨方法。
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Cited By (1)
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JP2018060873A (ja) * | 2016-10-03 | 2018-04-12 | 株式会社ディスコ | ウエーハの加工方法 |
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-
2014
- 2014-09-25 JP JP2014195168A patent/JP2016066724A/ja active Pending
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