JP2016066546A - 電池用包装材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】
耐酸性及び放熱性に優れる電池用包装材料を提供する。
【解決手段】
少なくとも、樹脂コーティング層、基材層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、
前記樹脂コーティング層は、JIS R 1611の規定に基づき測定された熱伝導率が20〜5000W/K・mの無機フィラーを含んでいる、電池用包装材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐酸性及び放熱性に優れる電池用包装材料に関する。
従来、様々なタイプの電池が開発されているが、あらゆる電池において、電極や電解質等の電池素子を封止するために包装材料が不可欠な部材になっている。従来、電池用包装として金属製の包装材料が多用されていたが、近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パソコン、カメラ、携帯電話等の高性能化に伴い、電池には、多様な形状が要求されると共に、薄型化や軽量化が求められている。しかしながら、従来多用されていた金属製の電池用包装材料では、形状の多様化に追従することが困難であり、しかも軽量化にも限界があるという欠点がある。
そこで、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る電池用包装材料として、基材層/接着層/金属層/シーラント層が順次積層されたフィルム状の積層体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなフィルム状の電池用包装材料では、シーラント層同士を対向させて周縁部をヒートシールにて熱溶着させることにより電池素子を封止できるように形成されている。
電池の製造過程においては、このような電池用包装材料の内部に電解液などが封入される。よって、電池の製造過程において、電池の外側表面(基材層側の表面)に電解液などの薬品が付着すると、電池の外側表面が侵されて、電池の生産効率が低下するという問題がある。例えば、基材層として汎用されているナイロンフィルムは、耐酸性が低いため、電解液がナイロンフィルムの表面に付着すると、酸成分によってナイロンフィルムが侵されるため、電池の生産効率が低下しやすい。
一方、電池は、充放電時に発生して電池効率が低下する場合があるため、電池素子の発熱を効果的に放熱して、電池性能を高めることができる電池用包装材料も求められている。しかしながら、耐酸性を向上させるために耐酸性に優れた層を別途設けると、厚みが増大して、放熱性が低下するという問題が生じやすいため、優れた耐熱性と放熱性とを両立させることは困難であった。
特開2008−287971号公報
本発明の主な目的は、耐酸性及び放熱性に優れる電池用包装材料を提供することにある。
本発明者は、前述の課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、少なくとも、樹脂コーティング層、基材層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、当該樹脂コーティング層は、JIS R 1611の規定に基づき測定された熱伝導率が20〜5000W/K・mの無機フィラーを含んでいることにより、耐酸性及び放熱性に優れた電池用包装材料となることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて、更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の電池用包装材料及び電池を提供する。
項1. 少なくとも、樹脂コーティング層、基材層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、
前記樹脂コーティング層は、JIS R 1611の規定に基づき測定された熱伝導率が20〜5000W/K・mの無機フィラーを含んでいる、電池用包装材料。
項2. 前記樹脂コーティング層が、前記無機フィラーと、ウレタン系樹脂と、イソシアネート系硬化剤とを含む樹脂組成物により形成されている、項1に記載の電池用包装材料。
項3. 前記無機フィラーが、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、及びカーボンナノチューブからなる群から選択された少なくとも1種である、項1または2に記載の電池用包装材料。
項4. 前記樹脂コーティング層の厚みが、8μm以下である、項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
項5. 前記基材層が、ナイロンフィルムである、項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
項6. 前記金属層が、アルミニウム箔により形成されている、項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
項7. 前記積層体の総厚みが、85μm以下である、項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
項8. 前記樹脂コーティング層の摩擦係数が0.5以下である、項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料。
項9. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、項1〜8のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容されている、電池。
本発明によれば、耐酸性及び放熱性に優れる電池用包装材料を提供することができる。
本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。 本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。
本発明の電池用包装材料は、少なくとも、樹脂コーティング層、基材層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、当該樹脂コーティング層が、JIS R 1611の規定に基づき測定された熱伝導率が20〜5000W/K・mの無機フィラーを含んでいることを特徴とする。以下、本発明の電池用包装材料について詳述する。
1.電池用包装材料の積層構造
電池用包装材料は、図1に示すように、少なくとも、樹脂コーティング層6、基材層1、金属層3、及びシーラント層4が順次積層された積層体からなる。本発明の電池用包装材料において、樹脂コーティング層6が最外層になり、シーラント層4は最内層になる。即ち、電池の組み立て時に、電池素子の周縁に位置するシーラント層4同士が熱溶着して電池素子を密封することにより、電池素子が封止される。
また、本発明の電池用包装材料は、図1に示すように、基材層1と金属層3との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着層2が設けられていてもよい。また、図2に示すように、金属層3とシーラント層4との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着層5が設けられていてもよい。
本発明の電池用包装材料を構成する積層体の総厚みとしては、放熱性を高める観点から、好ましくは85μm以下、より好ましくは63〜75μm程度が挙げられる。本発明の電池用包装材料によれば、最表面に積層されている樹脂コーティング層6が上記特定の熱伝導率を有する無機フィラーを含んでいるため、積層体の総厚みをこのように非常に薄くしつつ、耐酸性と放熱性に優れた電池用包装材料とすることができる。
2.電池用包装材料を形成する各層の組成
[樹脂コーティング層6]
本発明の電池用包装材料において、樹脂コーティング層6は、電池用包装材料に優れた耐酸性と放熱性を付与することを目的として設けられる層であり、電池を組み立てた時に、後述の基材層1の外側(最外層)に位置する層である。
本発明の電池用包装材料において、樹脂コーティング層6は、JIS R 1611の規定に基づき測定された熱伝導率が20〜5000W/K・mの無機フィラーを含んでいることを特徴としている。本発明の電池用包装材料においては、樹脂コーティング層6がこのような構成を有することにより、優れた耐酸性と放熱性を備えている。
樹脂コーティング層6に含まれる無機フィラーとしては、JIS R 1611の規定に基づき測定された熱伝導率が20〜5000W/K・mの範囲にあれば特に制限されないが、好ましくは30〜3500W/K・mの範囲、さらに好ましくは50〜3000〜3000W/K・mの範囲が挙げられる。なお、電池用包装材料には、高い表面絶縁性が求められる。一般に、熱伝導率の高い無機フィラーは、電池用包装材料の表面抵抗値も低下させる。このため、電池用包装材料に優れた耐酸性及び放熱性を付与しつつ、表面抵抗率の低下を抑制する観点からは、当該無機フィラーの熱伝導率の上限値は、200W/K・m程度であることが特に好ましい。また、同様の観点から、無機フィラーの表面は、絶縁化処理がなされていることが好ましい。
無機フィラーとしては、上記の熱伝導率を有するものであれば、特に制限されないが、好ましくは、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、及びカーボンナノチューブが挙げられる。無機フィラーは、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、及び窒化アルミニウムは、熱伝導率に優れている一方、電池用包装材料の表面抵抗率を低下させにくいため、電池用包装材料に熱伝導率及び放熱性を付与しつつ、表面抵抗率の低下を抑制する観点から特に好ましい。
無機フィラーの粒子径としては、特に制限されないが、好ましくは0.5〜5μm程度が上げられる。なお、顔料の粒子径は、レーザー回折散乱法によって測定した値を意味する。
樹脂コーティング層6における無機フィラーの含有量としては、好ましくは30〜70質量%程度、より好ましくは40〜60質量%程度が挙げられる。
樹脂コーティング層6は、無機フィラー、バインダー樹脂などを含む樹脂組成物により形成することができる。当該樹脂組成物に含まれるバインダー樹脂としては、特に制限されず、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げられる。バインダー樹脂は、1種類単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、ウレタン系樹脂及びアクリル系樹脂が好ましく、耐酸性と放熱性を高めつつ、電池用包装材料の成形性を向上させる観点からは、ウレタン系樹脂が特に好ましい。樹脂組成物に含まれる樹脂は、2液硬化型樹脂であることが好ましい。さらに、樹脂コーティング層6を形成する樹脂組成物に含まれる樹脂としては、2液硬化型樹脂の中でも、ポリオールとイソシアネート系硬化剤とを含む2液硬化型ウレタン樹脂が好ましい。
ポリオールの具体例としては、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリウレタンポリオールなどが挙げられる。また、イソシアネート系硬化剤の具体例としては、メチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−もしくは2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート等が挙げられる。また、イソシアネート系硬化剤は、これらイソシアネート化合物のアダクト体、ビューレット体、イソシアヌレート体などであってもよい。
樹脂コーティング層6におけるバインダー樹脂の含有量としては、好ましくは30〜70質量%程度、より好ましくは40〜60質量%程度が挙げられる。
樹脂コーティング層6は、必要に応じて、スリップ剤、難燃剤、酸化防止剤、光安定剤、粘着付与剤、レベリング剤、消泡剤等の添加剤を含んでいてもよい。スリップ剤としては、特に制限されないが、例えば、脂肪酸アミド、金属石鹸、親水性シリコーン、シリコーンをグラフトしたアクリル、シリコーンをグラフトしたエポキシ、シリコーンをグラフトしたポリエーテル、シリコーンをグラフトしたポリエステル、ブロック型シリコーンアクリル共重合体、ポリグリセロール変性シリコーン、パラフィン等が挙げられる。これらのスリップ剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
樹脂コーティング層6を形成する方法としては、特に制限されないが、例えば、無機フィラー、バインダー樹脂などを含む樹脂組成物に溶剤などとを含むインキを基材層1の一方の表面上に塗布、印刷する方法が挙げられる。印刷方法としては、特に制限されないが、例えばグラビア印刷が挙げられる。
樹脂コーティング層6は、優れた耐酸性及び放熱性を奏することが可能な程度に薄く形成されていることが好ましく、樹脂コーティング層6の総厚みとしては、好ましくは8μm以下、より好ましくは1〜6μm程度、さらに好ましくは2〜5μm程度が挙げられる。
電池用包装材料には高い絶縁性が要求される。本発明の電池用包装材料においては、最外層に位置する樹脂コーティング層6の表面抵抗値としては、例えば104Ω/sq以上、好ましくは106Ω/sq以上である。なお、本発明の電池用包装材料の樹脂コーティング層6の表面抵抗値は、ハイレスタUP「三菱化学社製、商品名」を用いて、22℃、相対湿度が40%の条件で測定した値である。
また、樹脂コーティング層6の動摩擦係数としては、好ましくは0.5以下が挙げられる。樹脂コーティング層6の摩擦係数は、JIS K7125に準じた方法により測定した値である。
[基材層1]
電池用包装材料において、基材層1は、電池用包装材料の基材となる層である。基材層1を形成する素材については、絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されない。基材層1を形成する素材としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ、アクリル、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール、ポリエーテルイミド、ポリイミド、及びこれらの混合物や共重合物等が挙げられる。
ポリエステルとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル等が挙げられる。また、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてエチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/フェニル−ジカルボキシレート)、ポリエチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)等が挙げられる。また、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてブチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。これらのポリエステルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。ポリエステルは、耐電解液性に優れ、電解液の付着に対して白化等が発生し難いという利点があり、基材層1の形成素材として好適に使用される。
また、ポリアミドとしては、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体等の脂肪族系ポリアミド;テレフタル酸及び/又はイソフタル酸に由来する構成単位を含むナイロン6I、ナイロン6T、ナイロン6IT、ナイロン6I6T(Iはイソフタル酸、Tはテレフタル酸を表す)等のヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸−テレフタル酸共重合ポリアミド、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等の芳香族を含むポリアミド;ポリアミノメチルシクロヘキシルアジパミド(PACM6)等の脂環系ポリアミド;さらにラクタム成分や、4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネート等のイソシアネート成分を共重合させたポリアミド、共重合ポリアミドとポリエステルやポリアルキレンエーテルグリコールとの共重合体であるポリエステルアミド共重合体やポリエーテルエステルアミド共重合体;これらの共重合体等が挙げられる。これらのポリアミドは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。延伸ポリアミドフィルムは延伸性に優れており、成形時の基材層1の樹脂割れによる白化の発生を防ぐことができ、基材層1の形成素材として好適に使用される。
前述の通り、基材層として汎用されているナイロンフィルムは、耐酸性が低いため、電解液がナイロンフィルムの表面に付着すると、酸成分によってナイロンフィルムが侵されるという問題が生じやすい。このため、本発明においては、基材層1としてナイロンを用いた場合に、コーティング層6を設けることが特に効果的である。
基材層1は、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルムで形成されていてもよく、また未延伸の樹脂フィルムで形成してもよい。中でも、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルム、とりわけ2軸延伸された樹脂フィルムは、配向結晶化することにより耐熱性が向上しているので、基材層1として好適に使用される。
これらの中でも、基材層1を形成する樹脂フィルムとして、好ましくはナイロン、ポリエステル、更に好ましくは2軸延伸ナイロン、2軸延伸ポリエステル、特に好ましくは2軸延伸ナイロンが挙げられる。
基材層1は、耐ピンホール性及び電池の包装体とした時の絶縁性を向上させるために、異なる素材の樹脂フィルムを積層化することも可能である。具体的には、ポリエステルフィルムとナイロンフィルムとを積層させた多層構造や、2軸延伸ポリエステルと2軸延伸ナイロンとを積層させた多層構造等が挙げられる。基材層1を多層構造にする場合、各樹脂フィルムは接着剤を介して接着してもよく、また接着剤を介さず直接積層させてもよい。接着剤を介さず接着させる場合には、例えば、共押出し法、サンドラミ法、サーマルラミネート法等の熱溶融状態で接着させる方法が挙げられる。また、接着剤を介して接着させる場合、使用する接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型、UVやEBなどの電子線硬化型等のいずれであってもよい。接着剤の成分としてポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール樹脂系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、アミノ樹脂、ゴム、シリコン系樹脂が挙げられる。
基材層1の厚みは、特に制限されないが、例えば、5μm〜50μm程度、好ましくは12μm〜30μm程度とすることができる。
[接着層2]
電池用包装材料において、接着層2は、基材層1と金属層3との接着強度を高めることを目的として必要に応じて設けられる層である。
接着層2は、基材層1と金属層3とを接着可能である接着剤によって形成される。接着層2の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。更に、接着層2の形成に使用される接着剤の接着機構についても、特に制限されず、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型等のいずれであってもよい。
接着層2の形成に使用できる接着剤の樹脂成分としては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステル等のポリエステル系樹脂;ポリエーテル系接着剤;ポリウレタン系接着剤;エポキシ系樹脂;フェノール樹脂系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミド等のポリアミド系樹脂;ポリオレフィン、酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン等のポリオレフィン系樹脂;ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂等のアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム等のゴム;シリコーン系樹脂;ふっ化エチレンプロピレン共重合体等が挙げられる。これらの接着剤成分は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。2種以上の接着剤成分の組み合わせ態様については、特に制限されないが、例えば、その接着剤成分として、ポリアミドと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリアミドと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリアミドとポリエステル、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、ポリエステルと金属変性ポリオレフィンとの混合樹脂等が挙げられる。これらの中でも、展延性、高湿度条件下における耐久性や応変抑制作用、ヒートシール時の熱劣化抑制作用等が優れ、基材層1と金属層3との間のラミネーション強度の低下を抑えてデラミネーションの発生を効果的に抑制するという観点から、好ましくはポリウレタン系2液硬化型接着剤;ポリアミド、ポリエステル、又はこれらと変性ポリオレフィンとのブレンド樹脂が挙げられる。
また、接着層2は異なる接着剤成分で多層化してもよい。接着層2を異なる接着剤成分で多層化する場合、基材層1と金属層3とのラミネーション強度を向上させるという観点から、基材層1側に配される接着剤成分を基材層1との接着性に優れる樹脂を選択し、金属層3側に配される接着剤成分を金属層3との接着性に優れる接着剤成分を選択することが好ましい。接着層2は異なる接着剤成分で多層化する場合、具体的には、金属層3側に配置される接着剤成分としては、好ましくは、酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィン、ポリエステルと酸変性ポリオレフィンとの混合樹脂、共重合ポリエステルを含む樹脂等が挙げられる。
接着層2の厚さについては、例えば、2〜50μm程度、好ましくは3〜25μm程度が挙げられる。
[金属層3]
電池用包装材料において、金属層3は、電池用包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光などが侵入することを防止するためのバリア層として機能する層である。金属層3を構成する金属としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス、チタンなどが挙げられ、好ましくはアルミニウムが挙げられる。金属層3は、金属箔や金属蒸着などにより形成することができ、金属箔により形成することが好ましく、アルミニウム箔により形成することがさらに好ましい。電池用包装材料の製造時に、金属層3にしわやピンホールが発生することを防止する観点からは、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS A8021P−O、JIS A8079P−O)など軟質アルミニウム箔により形成することがより好ましい。
金属層3の厚みは、特に制限されないが、例えば、10μm〜200μm程度、好ましくは20μm〜100μm程度とすることができる。
また、金属層3は、接着の安定化、溶解や腐食の防止などのために、少なくとも一方の面、好ましくは両面が化成処理されていることが好ましい。ここで、化成処理とは、金属層の表面に耐酸性皮膜を形成する処理をいう。化成処理としては、例えば、硝酸クロム、フッ化クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、蓚酸クロム、重リン酸クロム、クロム酸アセチルアセテート、塩化クロム、硫酸カリウムクロムなどのクロム酸化合物を用いたクロム酸クロメート処理;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、ポリリン酸などのリン酸化合物を用いたリン酸クロメート処理;下記一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体を用いたクロメート処理などが挙げられる。
一般式(1)〜(4)中、Xは、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリル基またはベンジル基を示す。また、R1及びR2は、それぞれ同一または異なって、ヒドロキシル基、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基を示す。一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基などの炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。また、X、R1及びR2で示されるヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基などのヒドロキシ基が1個置換された炭素数1〜4の直鎖または分枝鎖状アルキル基が挙げられる。一般式(1)〜(4)において、X、R1及びR2で示されるアルキル基及びヒドロキシアルキル基は、それぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。一般式(1)〜(4)において、Xは、水素原子、ヒドロキシル基またはヒドロキシアルキル基であることが好ましい。一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位を有するアミノ化フェノール重合体の数平均分子量は、例えば、500〜100万であることが好ましく、1000〜2万程度であることがより好ましい。
また、金属層3に耐食性を付与する化成処理方法として、リン酸中に、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズなどの金属酸化物や硫酸バリウムの微粒子を分散させたものをコーティングし、150℃以上で焼付け処理を行うことにより、金属層3の表面に耐食処理層を形成する方法が挙げられる。また、耐食処理層の上には、カチオン性ポリマーを架橋剤で架橋させた樹脂層をさらに形成してもよい。ここで、カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフト重合させた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはその誘導体、アミノフェノールなどが挙げられる。これらのカチオン性ポリマーとしては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。また、架橋剤としては、例えば、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、及びオキサゾリン基よりなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基を有する化合物、シランカップリング剤などが挙げられる。これらの架橋剤としては、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
化成処理は、1種類の化成処理のみを行ってもよいし、2種類以上の化成処理を組み合わせて行ってもよい。さらに、これらの化成処理は、1種の化合物を単独で使用して行ってもよく、また2種以上の化合物を組み合わせて使用して行ってもよい。化成処理の中でも、クロム酸クロメート処理や、クロム酸化合物、リン酸化合物、及びアミノ化フェノール重合体を組み合わせたクロメート処理などが好ましい。
化成処理において金属層3の表面に形成させる耐酸性皮膜の量については、特に制限されないが、例えば、上記のクロメート処理を行う場合であれば、金属層3の表面1m2当たり、クロム酸化合物がクロム換算で約0.5mg〜約50mg、好ましくは約1.0mg〜約40mg、リン化合物がリン換算で約0.5mg〜約50mg、好ましくは約1.0mg〜約40mg、及びアミノ化フェノール重合体が約1mg〜約200mg、好ましくは約5.0mg〜150mgの割合で含有されていることが望ましい。
化成処理は、耐酸性皮膜の形成に使用する化合物を含む溶液を、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法などによって、金属層の表面に塗布した後に、金属層の温度が70℃〜200℃程度になるように加熱することにより行われる。また、金属層に化成処理を施す前に、予め金属層を、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法などによる脱脂処理に供してもよい。このように脱脂処理を行うことにより、金属層の表面の化成処理をより効率的に行うことが可能となる。
[接着層5]
電池用包装材料においては、金属層3とシーラント層4を強固に接着させることなどを目的として、必要に応じて、金属層3とシーラント層4との間に接着層5をさらに設けてもよい。
接着層5は、金属層3と後述のシーラント層4とを接着可能な接着剤成分によって形成される。接着層5の形成に使用される接着剤は、2液硬化型接着剤であってもよく、また1液硬化型接着剤であってもよい。また、接着層5の形成に使用される接着剤成分の接着機構についても、特に限定されず、例えば、化学反応型、溶剤揮発型、熱溶融型、熱圧型などが挙げられる。
接着層5の形成に使用できる接着剤成分の具体的としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、共重合ポリエステルなどのポリエステル系樹脂;ポリエーテル系接着剤;ポリウレタン系接着剤;エポキシ系樹脂;フェノール樹脂系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ポリアミドなどのポリアミド系樹脂;ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、金属変性ポリオレフィンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂;セルロース系接着剤;(メタ)アクリル系樹脂;ポリイミド系樹脂;尿素樹脂、メラミン樹脂などのアミノ樹脂;クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどのゴム;シリコーン系樹脂などが挙げられる。これらの接着剤成分は1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
接着層5の厚みは、特に制限されないが、例えば、1μm〜40μm程度とすることが好ましく、2μm〜30μm程度とすることがより好ましい。
[シーラント層4]
電池用包装材料において、シーラント層4は、電池を組み立てた時に、電池用包装材料の最内層を構成する層である。電池の組み立て時に、シーラント層4の表面同士を互いに接触させ、接触した部分を熱溶着して電池素子を密封することができる。
シーラント層4は、熱可塑性樹脂により形成されていることが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンなどが挙げられる。
ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンなどのポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)などの結晶性または非晶性のポリプロピレン;エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマーなどが挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、ポリエチレン及びポリプロピレンが好ましい。
環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体である。オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレンなどが挙げられる。また、環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネンなどの環状アルケン;シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエンなどの環状ジエンなどが挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、環状アルケンが好ましく、ノルボルネンがさらに好ましい。
カルボン酸変性ポリオレフィンとは、ポリオレフィンをカルボン酸で変性したポリマーである。変性に使用されるカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。
カルボン酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、α,β―不飽和カルボン酸またはその酸無水物に代えて共重合することにより、或いは環状ポリオレフィンに対してα,β―不飽和カルボン酸またはその酸無水物をブロック重合またはグラフト重合することにより得られるポリマーである。カルボン酸変性される環状ポリオレフィンは、上記の環状ポリオレフィンと同様とすることができる。また、変性に使用されるカルボン酸としては、上記の酸変性シクロオレフィンコポリマーの変性に用いられるものと同様とすることができる。
これらの熱可塑性樹脂の中でも、好ましくは結晶性または非晶性のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、及びこれらのブレンドポリマー;さらに好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとノルボルネンの共重合体、及びこれらの中の2種類以上のブレンドポリマーが挙げられる。
シーラント層4は、1種類の樹脂成分のみから形成されていてもよく、2種類以上の樹脂成分を組み合わせたブレンドポリマーから形成されていてもよい。さらに、シーラント層4は、1層のみで形成されていてもよく、同一または異なる樹脂成分によって2層以上の複数の層により形成されていてもよい。シーラント層4が複数の層により形成されている場合、シーラント層4としては、好ましくは金属層3側から順にカルボン酸変性ポリプロピレンにより形成された層と、ポリプロピレンにより形成された層の2層が積層されたものが挙げられる。
シーラント層4の厚みは、特に制限されないが、例えば、2μm〜200μm程度、好ましくは5μm〜150μm程度、さらに好ましくは10μm〜100μmとすることができる。
3.電池用包装材料の製造方法
本発明の電池用包装材料の製造方法については、所定の組成の各層を積層させた積層体が得られる限り、特に制限されないが、例えば、以下の方法が例示される。
まず、基材層1、接着層2、金属層3が順に積層された積層体(以下、「積層体A」と表記することもある)を形成する。積層体Aの形成は、具体的には、基材層1上又は必要に応じて表面が化成処理された金属層3に接着層2の形成に使用される接着剤を、押出し法、グラビアコート法、ロールコート法等の塗布方法で塗布・乾燥した後に、当該金属層3又は基材層1を積層させて接着層2を硬化させるドライラミネーション法によって行うことができる。
次いで、積層体Aの金属層3上に、シーラント層4を積層させる。金属層3上にシーラント層4を直接積層させる場合には、積層体Aの金属層3上に、シーラント層4を構成する樹脂成分をグラビアコート法、ロールコート法等の方法により塗布すればよい。また、金属層3とシーラント層4の間に接着層5を設ける場合には、例えば、(1)積層体Aの金属層3上に、接着層5及びシーラント層4を共押出しすることにより積層する方法(共押出しラミネーション法)、(2)別途、接着層5とシーラント層4が積層した積層体を形成し、これを積層体Aの金属層3上に熱ラミネーション法により積層する方法、(3)積層体Aの金属層3上に、接着層5を形成させるための接着剤を押出し法や溶液コーティングした高温で乾燥さらには焼き付ける方法等により積層させ、この接着層5上に予めシート状に製膜したシーラント層4をサーマルラミネーション法により積層する方法、(4)積層体Aの金属層3と、予めシート状に製膜したシーラント層4との間に、溶融させた接着層5を流し込みながら、接着層5を介して積層体Aとシーラント層4を貼り合せる方法(サンドラミネーション法)等が挙げられる。
次に、基材層1の表面に、上記の樹脂コーティング層6を形成する樹脂組成物を塗布、印刷することにより、コーティング層6/基材層1/必要に応じて設けられる接着層2/必要に応じて表面が化成処理された金属層3/必要に応じて設けられる接着層5/シーラント層4からなる積層フィルムが形成される。樹脂コーティング層6の形成は、グラビア印刷などによって行うことができる。なお、必要に応じて設けられる接着層2及び必要に応じて設けられる接着層5の接着性を強固にするために、更に、熱ロール接触式、熱風式、近又は遠赤外線式等の加熱処理に供してもよい。このような加熱処理の条件としては、例えば150〜250℃で1〜5分間が挙げられる。
本発明の電池用包装材料において、積層体を構成する各層は、必要に応じて、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性等を向上又は安定化するために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理等の表面活性化処理を施していてもよい。
4.電池用包装材料の用途
本発明の電池用包装材料は、正極、負極、電解質等の電池素子を密封して収容するための包装材料として使用される。
具体的には、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を、本発明の電池用包装材料で、前記正極及び負極の各々に接続された金属端子が外側に突出させた状態で、電池素子の周縁にフランジ部(シーラント層同士が接触する領域)が形成できるようにして被覆し、前記フランジ部のシーラント層同士をヒートシールして密封させることによって、電池用包装材料を使用した電池が提供される。なお、本発明の電池用包装材料を用いて電池素子を収容する場合、本発明の電池用包装材料のシーラント部分が内側(電池素子と接する面)になるようにして用いられる。
本発明の電池用包装材料は、一次電池、二次電池のいずれに使用してもよいが、好ましくは二次電池である。本発明の電池用包装材料が適用される二次電池の種類については、特に制限されず、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、鉛畜電池、ニッケル・水素畜電池、ニッケル・カドミウム畜電池、ニッケル・鉄畜電池、ニッケル・亜鉛畜電池、酸化銀・亜鉛畜電池、金属空気電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシター等が挙げられる。これらの二次電池の中でも、本発明の電池用包装材料の好適な適用対象として、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し本発明は実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で使用した無機フィラーの熱伝導率は、JIS R 1611の規定に基づき測定された値である。
実施例1−5及び比較例1
<電池用包装材料の製造>
アルミニウム箔(厚さ30μm)の両面に化成処理を施し、一方の化成処理面に、延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)を接着層の厚さが約3μmとなるようにポリエステル系接着剤を介してドライラミネート法により貼り合わせ、他の化成処理面に酸変性ポリプロピレン(厚さ15μm)/ポリプロピレン(厚さ10μm)を溶融押出して、2軸延伸ナイロンフィルム/ポリエステル系接着剤/両面化成処理が施されたアルミニウム箔/酸変性ポリプロピレン/ポリプロピレンから構成される積層体を得た。アルミニウム箔の両面の化成処理は、いずれも、処理液として、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、リン酸からなる水溶液を用い、ロールコート法により塗布し、皮膜温度が180℃以上となる条件において焼付けた。また、塗布量は10mg/m2(乾燥重量)とした。次に、得られた積層体の2軸延伸ナイロンフィルムの面に、表1に記載の無機フィラーとバインダー樹脂を含む樹脂組成物(無機フィラー50質量%、バインダー樹脂45質量%、スリップ剤5質量%)をグラビア印刷法により厚さ4μmとなるように印刷し、樹脂コーティング層/基材層/接着層/金属層/シーラント層(2層)の積層構造で構成される実施例1〜5及び比較例1の電池用包装材料を得た。
比較例2
<電池用包装材料の製造>
アルミニウム箔(厚さ30μm)の両面に上記と同様にして化成処理を施した。次に、2軸延伸ナイロンフィルム(厚さ15μm)の一方の面に、表1に記載の無機フィラーとバインダー樹脂を含む樹脂組成物(無機フィラー50質量%、樹脂45質量%、スリップ剤5質量%)をグラビア印刷法により厚さ4μmとなるように印刷して樹脂コーティング層を形成した。次に、樹脂コーティング層の上に、接着層の厚さが約3μmとなるようにポリエステル系接着剤を介して、あらかじめ化成処理を施したアルミニウム箔の一方の化成処理面に、ドライラミネート法により貼り合わせ、他の化成処理面に酸変性ポリプロピレン(厚さ15μm)/ポリプロピレン(厚さ10μm)を溶融押出して、基材層/樹脂コーティング層/接着層/金属層/シーラント層(2層)の積層構造で構成される積層フィルムを得た。次に、得られた積層フィルムについて、基材層の表面に、樹脂コーティング層の樹脂と同じ樹脂をグラビア印刷法により厚さ4μmとなるように積層し、樹脂コーティング層(無機フィラーを含まない)/延伸ナイロンフィルム/樹脂コーティング層(無機フィラーを含む)/接着層/金属層/シーラント層(2層)の積層構造で構成され比較例2の電池用包装材料を得た。
<耐酸性の評価>
上記で得られた各電池用包装材料の樹脂コーティング層表面に電解液(電解液の組成:1MのLiPF6を含む、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート(容積比で1:1:1)の混合液)を滴下し、25℃、湿度50%の環境下で1時間放置した後、エタノールを含ませたウエスで電解液を拭き取った後の表面状態を目視で観察した。表面に変化があった場合を耐酸性が低い(×)、表面に変化が無かった場合を耐酸性が高い(○)と評価した。結果を表1に示す。
<放熱性の評価>
上記で得られた各電池用包装材料のシーラント層側に、60℃の発熱体を密着させ、基材層側からサーモグラフィーを用いて表面温度を測定した。発熱体の温度と、基材層側の表面温度との差を測定して、以下の基準により放熱性を評価した。結果を表1に示す。
○:温度差が10℃以上
△:温度差が5℃以上、10℃以下
×:温度差が5℃未満
<成形性の評価>
上記で得られた各電池用包装材料を80×120mm角に裁断してサンプルを作製した。このサンプルを30×55mmの口径を有する成形金型(雌型)と、これに対応した成形金型(雄型)を用いて、押え圧0.24MPa、成形深さ6mmの厳しい成形条件で、それぞれ10個のサンプルについて冷間成形を行った。冷間成形後のサンプルについて、皺やアルミニウム箔にピンホール、クラックが10個のサンプル全てにおいて発生しない場合を成形性○、ピンホール、クラックが1つでも発生した場合を、成形性×とした。結果を表1に示す。
1 基材層
2 接着層
3 金属層
4 シーラント層
5 接着層
6 樹脂コーティング層

Claims (9)

  1. 少なくとも、樹脂コーティング層、基材層、金属層、及びシーラント層が順次積層された積層体からなり、
    前記樹脂コーティング層は、JIS R 1611の規定に基づき測定された熱伝導率が20〜5000W/K・mの無機フィラーを含んでいる、電池用包装材料。
  2. 前記樹脂コーティング層が、前記無機フィラーと、ウレタン系樹脂と、イソシアネート系硬化剤とを含む樹脂組成物により形成されている、請求項1に記載の電池用包装材料。
  3. 前記無機フィラーが、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、及びカーボンナノチューブからなる群から選択された少なくとも1種である、請求項1または2に記載の電池用包装材料。
  4. 前記樹脂コーティング層の厚みが、8μm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
  5. 前記基材層が、ナイロンフィルムである、請求項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
  6. 前記金属層が、アルミニウム箔により形成されている、請求項1〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
  7. 前記積層体の総厚みが、85μm以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
  8. 前記樹脂コーティング層の摩擦係数が0.5以下である、請求項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料。
  9. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、請求項1〜8のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容されている、電池。
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