以下に、添付図面を参照して、本発明に係る警備システム及び警備方法の好適な実施例を詳細に説明する。以下に示す実施例では、本発明に係る警備システム及び警備方法を住宅用のビルの警備に適用した場合について説明する。
図1は、実施例1に係る警備システムについての説明図である。図1(a)は、ビルディングB1の内部を第1警備エリアA1とし、この第1警備エリアを警備している状態を示している。
ビルディングB1の内部には、複数の監視カメラ11が設置されている。または、ビルディングB1の内部では、警備員G1〜G5が巡回や待機を行なっている。複数の監視カメラ11は、周囲を撮像し、得られた画像データをコントロールセンタ50に送信する。第1警備エリアA1には、監視カメラ11の他にも火災センサ等のセンサが設置されており、検知結果をコントロールセンタ50に送信している。
コントロールセンタ50は、監視カメラ11や火災センサ等の固定装置から第1警備エリアA1の情報を取得し、異常を検知している。その結果、第1警備エリアA1内で異常を検知したならば、警備員G1〜G5に通知し、対処を行なわせる。
さらに、コントロールセンタ50は、第1警備エリアA1の情報を取得し、異常を検知した場合に、必要に応じて第2警備エリアA2を設定する。図1(a)では、監視カメラ11の撮像範囲の一部が第1警備エリアA1の外側に及んでいる。このように、第1警備エリアの警備のために設置された固定装置であっても、情報を取得することのできる範囲が第1警備エリアA1の外側を含む場合がある。かかる場合には、固定装置が取得した情報を用いて第1警備エリアA1の外側の状況を検知することができる。そして、コントロールセンタ50は、第1警備エリアA1の外側で異常を検知したならば、その場所を含むように第2警備エリアA2を設定する。
図1(a)では、監視カメラ11の1つの撮像範囲にビルディングB1の外側の歩行者Pが所在している。コントロールセンタ50は、歩行者Pの像を含む画像データを画像処理し、歩行者Pの数や状態などを分析する。
そして、コントロールセンタ50は、歩行者Pの状態から異常の有無を判定する。例えば、歩行者Pが倒れたなどの状態は、異常な状態として直接検知することができる。また、歩行者Pの移動状態からも異常の検知は可能である。具体的には、歩行者Pが突然走り出す、大勢の歩行者Pが立ち止まる、複数の歩行者Pが散り散りに逃げだすなどの変化により、異常を検知することができる。
図1(a)では、複数の歩行者Pが散り散りに逃げだした状態を監視カメラ11が撮像している。コントロールセンタ50は、画像処理によりかかる状態を検知し、当該地点周辺に第2警備エリアA2を設定している。
コントロールセンタ50は、第2警備エリアA2を設定したならば、設定した警備エリアに合わせて警備員G1〜G5に配置を指示する。警備員G1〜G5は、ウェアラブルカメラと無線通信可能な端末装置を装備しており、ウェアラブルカメラで撮像した画像データをコントロールセンタ50に送信することができる。
図1(b)では、警備員G2〜G4が第2警備エリアA2に配置されている。警備員G2〜G4は、周囲の警備を自身で行ないつつ、ウェアラブルカメラで周囲を撮像し、画像データをコントロールセンタ50に送信する。
また、第2警備エリアA2には、可搬カメラユニット21が設置されている。可搬カメラユニット21は、設置された地点の周辺を撮像し、画像データをコントロールセンタ50に送信する。この可搬カメラユニット21を設置する位置についても、コントロールセンタ50により設定され、指示される。
コントロールセンタ50は、警備員G2〜G4の装備や可搬カメラユニット21等から第2警備エリアの情報を取得し、異常を検知する。また、監視カメラ11や火災センサ等の固定装置からの第1警備エリアの情報の取得と異常の検知も実行する。そして、第2警備エリアA2や第1警備エリアA1で異常を検知したならば、警備員G1〜G5への通知等、必要な対処を行なわせる。
さらに、コントロールセンタ50は、第2警備エリアA2や第1警備エリアA1における異常の検知結果に基づき、必要に応じて第2警備エリアを変更するよう設定する。
このように、本実施例に係る警備システムでは、予め設定された第1警備エリアを警備するとともに、状況に応じて第2警備エリアA2を設定し、第2警備エリアA2に情報取得手段を有する警備員や持ち運びの可能な情報取得手段を配置する。そのため、状況の変化に合わせて警備体制を変更し、効率的に警備を行なうことができる。
次に、図1に示した警備システムのシステム構成について説明する。図2は、図1に示した警備システムのシステム構成図である。図2に示すように、警備システムは、固定装置10、拠点サーバ20、可搬カメラユニット21、可搬センサユニット22、警備員装備30、コントロールセンタ50及びサービスサーバ80を有する。
固定装置10は、予め設置された装置である。この固定装置には、第1警備エリアの警備に用いる情報を取得するために予め設置された情報取得手段、広告の表示等に用いられる大型固定ディスプレイ14、固定スピーカ15等が含まれる。また、予め設置された情報取得手段としては、監視カメラ11、侵入センサ12、火災センサ13等が含まれる。また、空調装置など任意の装置から動作状態を示す設備情報を取得することもできる。
拠点サーバ20は、固定装置10と、コントロールセンタ50との通信を中継するサーバである。拠点サーバ20は、第1の警備エリアの内部、若しくは近傍に設置する。また、複数の第1の警備エリアが存在する場合などには、拠点サーバ20を複数設けることができる。
可搬カメラユニット21は、第2警備エリアが設定された場合に、コントロールセンタ50からの指示に基づいて設置されるカメラである。可搬カメラユニット21は、設置された地点の周辺を撮像し、画像データをコントロールセンタ50に送信する。この可搬カメラユニット21とコントロールセンタ50との間の通信も、拠点サーバ20により中継される。
可搬センサユニット22は、第2警備エリアが設定された場合に、コントロールセンタ50からの指示に基づいて設置されるセンサである。火災センサや侵入センサなど、任意のセンサに通信機能を持たせ、可搬センサユニット22とすることができる。可搬センサユニット22は、設置された地点の周辺の情報を取得し、画像データをコントロールセンタ50に送信する。この可搬センサユニット22とコントロールセンタ50との間の通信も、拠点サーバ20により中継される。
警備員装備30は、警備員が装備する装置である。警備員装備30には、ウェアラブルカメラであるカメラ31と、マイク32と、GPS(Global Positioning System)ユニット33と、イヤホン34と、スピーカ35と、無線中継装置36と、警備員端末装置40とが含まれる。
カメラ31は、周囲を撮像し、画像データを警備員端末装置40に出力する。マイク32は、周囲の音を取得し、音データを警備員端末装置40に出力する。GPSユニット33は、GPS人工衛星の信号を受信して位置を算出し、位置データを警備員端末装置40に出力する。イヤホン34及びスピーカ35は、警備員端末装置40からの制御を受けて音の出力を行なう。
警備員端末装置40は、携帯電話通信網を用いた無線通信を行なう機能と、Wi−Fi(Wireless Fidelity)等の規格に準じた無線通信を行なう機能とを有する。警備員端末装置40は、これらの通信機能を用いてコントロールセンタ50と通信することができる。なお、Wi−Fi等の規格に準じた無線通信は、無線中継装置36及び拠点サーバ20を経由して行なう。
無線中継装置36は、Wi−Fi等の規格に準じた無線通信を中継する装置であり、警備員端末装置40と拠点サーバ20との間の通信のみならず、他の装置の無線通信を中継することができる。例えば、他の無線中継装置36の通信の中継や、歩行者の携帯端末からインターネットへの接続の中継を行なうことも可能である。
警備員端末装置40は、カメラ31、マイク32及びGPSユニット33が出力したデータをコントロールセンタ50に送信し、コントロールセンタ50から受信したデータに基づいてイヤホン34及びスピーカ35への出力を行なう。
また、警備員端末装置40は、カメラ31、マイク32及びGPSユニット33から取得したデータを使用する処理を自装置で実行し、処理結果に応じた出力をイヤホン34及びスピーカ35を用いて行なうことができる。
コントロールセンタ50は、固定装置10、可搬カメラユニット21、可搬センサユニット22及び警備員装備30から受信したデータを用い、第1警備エリアの警備、第2警備エリアの設定及び第2警備エリアの警備等を行なう。また、コントロールセンタ50は、サービスサーバ80と通信し、サービスサーバ80が提供するサービスを警備員端末装置40で利用可能とする。
サービスサーバ80は、通訳サービスなど、警備員装備30を装備した警備員を補助する各種サービスを提供するサーバである。サービスサーバ80は、サービスごとに個別に設けてもよい。
次に、図1に示したコントロールセンタ50の内部構成について説明する。図3は、図1に示したコントロールセンタ50の内部構成を示す内部構成図である。図3に示すように、コントロールセンタ50は、第1警備エリア情報取得部51、第2警備エリア情報取得部52、装置制御指示送信部53、指令送信部54、情報分析部61、第2警備エリア設定部62、サービス提供部63、警備エリア制御部64、サービスサーバ通信部65、情報分析データベース71、警備員対処データベース72及び警備員状況データベース73を有する。
第1警備エリア情報取得部51は、固定装置10からの情報を取得し、情報分析部61に出力する処理部である。第2警備エリア情報取得部52は、可搬カメラユニット21、可搬センサユニット22及び警備員装備30からの情報を取得し、情報分析部61に出力する処理部である。
情報分析部61は、第1警備エリア情報取得部51及び第2警備エリア情報取得部52が取得した情報を分析する処理部である。具体的には、情報分析部61は、人検知、人流量予測、人的トラブル検知、通信異常検知、設備異常検知、災害検知などを行なう。
人検知は、侵入センサ12の出力や、監視カメラ11が撮像した画像データに対する画像処理などを用い、人物を検知する処理である。また、人の数や状態についても検知を行なう。画像処理による人検知には任意の手法を用いることができる。例えば、パターンマッチングにより頭部の像を識別すれば、画像から人を検知することができる。そして、頭部の数により人数を検知することができ、画像の変化を識別することで人の移動状態を検知することができる。
人流量予測は、歩行者の人の数及び移動状態の検知結果と、歩行者の位置とを用い、人の流量を予測する処理である。人的トラブル検知は、体調不良等により倒れた人物の検知、諍いの発生の検知、事件や事故など、人が関与する問題の発生を検知する処理である。これらの問題は、監視カメラ11が撮像した画像データに対する画像処理などによって行なう。また、歩行者が突然走り出す、大勢の歩行者が立ち止まる、複数の歩行者が散り散りに逃げだすなどの歩行者の移動状態の変化から問題の発生を推定することもできる。
通信異常検知は、第1警備エリアや第2警備エリアにおける通信環境の異常を検知する処理である。具体的には、警備員端末装置40との通信状態を監視し、その途絶や輻輳を検知する。
設備異常検知は、固定装置10、可搬カメラユニット21、可搬センサユニット22及び警備員装備30等の動作の異常を検知する処理である。また、空調装置等からの設備情報により、当該装置の動作の異常を検知することもできる。
災害検知は、警備に関係する災害の発生を検知する処理である。例えば、第1警備エリアにおける火災は、火災センサ13等により検知することができる。同様に、第2警備エリアにおける災害は、可搬カメラユニット21、可搬センサユニット22及び警備員装備30等の出力から検知する。また、通報や外部からの情報取得によって災害自体の検知やその予兆を検知することができる。
例えば、警備エリア外で事故や火災が発生した場合であっても、通報により情報を取得することができる。そして、警備エリアの近くで事故や火災が発生していれば、その情報は警備エリアへの影響の予兆として用いることができるのである。同様に、地震発生の情報は外部から取得することができ、この情報は津波の予兆として用いることができる。
情報分析部61が情報の分析に際して使用するデータは、情報分析データベース71に予め格納されている。情報分析部61は、情報分析データベース71から必要なデータを読み出して参照しつつ、人検知、人流量予測、人的トラブル検知、通信異常検知、設備異常検知、災害検知などを行なう。
第2警備エリア設定部62は、情報分析部61の分析結果に基づいて、第2警備エリアの必要性を判定し、第2警備エリアが必要である場合には、第2警備エリアを設定する。このとき、設定する第2警備エリアは、情報分析部61の分析結果に発生又は予兆が示された異常の位置を含むように設定する。具体的には、予め第2警備エリアの候補となる候補エリアを状況ごとに用意しておき、発生した異常の状況及び位置により、候補エリアから1又は複数の第2警備エリアを選択する。第2警備エリア設定部62は、設定した警備エリアを警備エリア制御部64に出力する。
サービス提供部63は、情報分析部61の分析結果に基づいて、各種サービスを提供する処理部である。具体的には、サービス提供部63は、避難経路設定、避難誘導、スキルサポート、通信網敷設などのサービスを提供する。
避難経路設定は、情報分析部61の分析結果に基づいて避難経路の設定や変更を行なう処理である。避難経路は、予め設定されているのであるが、事故や災害の位置と状況、通行の混雑の度合いなどによっては予め設定された避難経路が不適切となる場合がある。そこで、状況に対応して避難経路の設定や変更を行なうことで、適切な避難を行なわせるのである。
避難誘導は、避難を行なうべき状況となった場合に、警備員や固定装置10による避難を支援する処理である。具体的には、避難経路と人の流量に応じて警備員の配置を定める。また、大型固定ディスプレイ14や固定スピーカ15を用いて歩行者などへの報知を行なう。
スキルサポートは、警備員装備30を装備した警備員を補助する処理である。具体的には、サービスサーバ通信部65を介してサービスサーバ80と通信し、サービスサーバ80のサービスを警備員装備30に提供する。
例えば、警備員が外国人への対応を行なう場合には、警備員端末装置40からコントロールセンタ50に接続すれば、コントロールセンタ50は、外国人の音声に基づいて言語を識別し、当該言語の通訳を行なうサービスサーバ80を選択して接続する。これにより、警備員は、サービスサーバ80による通訳サービスを受けることができる。
通信網敷設は、情報分析部61により通信環境の異常が検知された場合に、無線中継装置36を利用した通信網を構築する処理である。具体的には、通信環境が異常となった場所に警備員を配置するとともに、当該警備員から拠点サーバ20までの間にも適切な間隔で警備員を配置する。これにより、各警備員が装備する無線中継装置36が互いの通信を中継し、拠点サーバ20を介してコントロールセンタ50との通信を確立することが可能となる。
サービス提供部63が使用するデータは、警備員対処データベース72に予め格納されている。サービス提供部63は、情報分析部61の分析結果に応じて警備員対処データベース72を参照し、提供するサービスを決定して、警備員にどのような対処を行なわせるかを定める。
警備エリア制御部64は、第2警備エリア設定部62及びサービス提供部63の処理を受けて、第1警備エリア及び第2警備エリアを制御する処理部である。具体的には、警備エリア制御部64は、送信情報選定、送信先装置選定及び送信先警備員選定を行なう。
送信情報選定は、固定装置10、可搬カメラユニット21、可搬センサユニット22及び警備員装備30にどのような情報を送信するかを決定する処理である。送信先装置選定は、どの装置に対して情報を送信するかを決定する処理である。
送信先警備員選定は、どの警備員に対して情報を送信するかを決定する処理である。例えば、警備員を配置する指示を送信する場合、警備員を配置すべき位置は、設定された第2警備エリアや避難経路によって定まるが、どの警備員をどこに配置するかまでは決定されない。どの警備員をどこに配置するかは、現時点での警備員の位置や状態に応じて決定し、この決定によってどの警備員にどのような情報を送信すべきかが定まるのである。そして、現時点での各警備員の位置や情報は、警備員状況データベース73に格納され、随時更新されている。
装置制御指示送信部53は、警備エリア制御部64の決定に基づいて、固定装置10、可搬カメラユニット21及び可搬センサユニット22に対する制御指示を送信する処理部である。そして、指令送信部54は、警備エリア制御部64の決定に基づいて、警備員への指令を示す情報を警備員端末装置40に送信する処理部である。
次に、図2に示した警備員端末装置40の内部構成について説明する。図4は、図2に示した警備員端末装置40の内部構成を示す内部構成図である。図4に示すように、警備員端末装置40は、装備インタフェース41、表示操作部42、携帯通信網接続部43、無線中継装置インタフェース44、記憶部45及び制御部46を有する。
装備インタフェース41は、カメラ31、マイク32及びGPSユニット33の出力を受け付け、イヤホン34及びスピーカ35への音の出力を行なうインタフェースである。表示操作部42は、表示出力と操作入力の受付とを行なうタッチパネルディスプレイなどのデバイスである。
携帯通信網接続部43は、携帯電話通信網に接続して通信を行なう通信インタフェースである。無線中継装置インタフェース44は、無線中継装置36とWi−Fi(Wireless Fidelity)等の規格に準じた無線通信を行なう通信インタフェースである。
記憶部45は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの記憶デバイスであり、地図データ45a及び避難経路データ45b等を格納する。地図データ45aは、第1警備エリアやその周辺などの地図を示すデータである。避難経路データ45bは、避難経路を示すデータであり、予め設定され、また、コントロールセンタ50により更新される。
制御部46は、警備員端末装置40を全体制御する制御部であり、情報収集部46a、解析部46b、収集情報送信部46c、指令処理部46d及び個別処理部46eを有する。制御部46は、CPU(Central Processing Unit)などで実現できる。制御部46をCPUにより実現する場合には、情報収集部46a、解析部46b、収集情報送信部46c、指令処理部46d及び個別処理部46eは、CPUが実行するプロセスとして実現される。
情報収集部46aは、カメラ31、マイク32及びGPSユニットの出力を取得することで、情報収集を行なう処理部である。また、コントロールセンタ50から情報を取得することも可能である。
解析部46bは、情報収集部46aが収集した情報を解析する処理部である。収集情報送信部46cは、コントロールセンタ50への情報の送信を行なう処理部である。このとき、情報収集部46aが収集した情報をそのまま送信してもよいし、解析部46bの解析により得られたデータを送信してもよい。
指令処理部46dは、コントロールセンタ50から受信した指令を処理する処理部である。この処理には、表示操作部42への表示出力、イヤホン34やスピーカ35からの音声出力が含まれる。
個別処理部46eは、情報収集部46aが収集した情報や、解析部46bによる解析結果などを用いる処理を自装置で実行する処理部である。処理結果は、表示操作部42への表示出力、イヤホン34やスピーカ35からの音声出力として出力される。例えば、GPSユニット33が出力する位置情報と地図データ45aとを用いたナビゲーションは、個別処理部46eによりローカルで実行可能である。
次に、第2警備エリアの設定にかかる処理手順を説明する。図5は、第2警備エリアの設定にかかる処理手順を示すフローチャートである。図5に示すように、コントロールセンタ50の第1警備エリア情報取得部51は、第1警備エリアの固定装置10から情報を取得する(ステップS101)。
情報分析部61は、第1警備エリア情報取得部51が取得した情報を分析する(ステップS102)。この分析により異常が検知されなければ(ステップS103;No)、コントロールセンタ50は処理を終了する。このように、第2警備エリアが設定されずに処理を終了した場合には、コントロールセンタ50は、例えば所定時間後にステップS101からの処理を開始する。
分析により異常が検知されたならば(ステップS103;Yes)、第2警備エリア設定部62は、情報分析部61の分析結果に基づいて第2警備エリアを設定する(ステップS104)。このとき、設定する第2警備エリアは、分析結果に発生又は予兆が示された異常の位置を含むように設定する。
警備エリア制御部64は、設定された第2警備エリアに基づいて警備員に送信する情報を選定し(ステップS105)、送信先の警備員を選定する(ステップS106)。指令送信部54は、警備エリア制御部64の決定に基づいて、警備員端末装置40に指令を送信し(ステップS107)、処理を終了する。このように、第2警備エリアを設定して処理を終了した場合には、コントロールセンタ50は、図6に示す処理を開始する。
図6は、第2警備エリアを設定後の処理手順を示すフローチャートである。図6に示すように、コントロールセンタ50の第2警備エリア情報取得部52は、第2警備エリアの可搬カメラユニット21、可搬センサユニット22及び警備員装備30から情報を取得する(ステップS201)。
情報分析部61は、第2警備エリア情報取得部52が取得した情報を分析する(ステップS202)。この分析により異常が検知されなければ(ステップS203;No)、第1警備エリア情報取得部51は、第1警備エリアの固定装置10から情報を取得する(ステップS208)。そして、情報分析部61は、第1警備エリア情報取得部51が取得した情報を分析する(ステップS209)。この分析により異常が検知されなければ(ステップS210;No)、第2警備エリア設定部62は、第2警備エリアの解除条件が成立したか否かを判定する(ステップS211)。
第2警備エリアの解除条件は、例えば、第2警備エリアに配置された警備員から第2警備エリアで発生した異常への対処完了の報告を受ける、第2警備エリアに異常なしの状態が所定時間継続する、など、任意の条件を用いることができる。
第2警備エリア解除条件が成立しなければ(ステップS211:No)、コントロールセンタ50は処理を終了する。このように、第2警備エリアが解除されずに処理を終了した場合には、コントロールセンタ50は、例えば所定時間後にステップS201からの処理を開始する。
一方、第2警備エリア解除条件が成立したならば(ステップS211:Yes)、第2警備エリア設定部62は、第2警備エリアを解除して(ステップS212)、処理を終了する。第2警備エリアを解除した場合には、指令送信部54が警備員に通知を行ない、第1警備エリアの警備に戻らせる。このように、第2警備エリアを解除して処理を終了した場合には、コントロールセンタ50は、例えば所定時間後に図5に示した処理を開始する。
第2警備エリアで異常を検知した場合(ステップS203;Yes)、若しくは第1警備エリアで異常を検知した場合(ステップS210;Yes)、第2警備エリア設定部62は、情報分析部61の分析結果に基づいて第2警備エリアを再設定する(ステップS204)。
警備エリア制御部64は、設定された第2警備エリアに基づいて警備員に送信する情報を選定し(ステップS205)、送信先の警備員を選定する(ステップS206)。指令送信部54は、警備エリア制御部64の決定に基づいて、警備員端末装置40に指令を送信し(ステップS207)、処理を終了する。このように、第2警備エリアが解除されずに処理を終了した場合には、コントロールセンタ50は、例えば所定時間後にステップS201からの処理を開始する。
なお、図6に示したフローチャートでは、第2警備エリアを第1警備エリアよりも優先して監視している。これは、第2警備エリアが状況に合わせて設定された警備エリアであり、現に発生している異常や、予兆が示されている異常に対応する必要があるためである。警備員に対する指令や、各装置に対する制御指示などについても、第2警備エリアでの対処を優先して定めることが望ましい。
次に、情報分析部61による人流量予測について説明する。図7は、情報分析部61による人流量予測の説明図である。まず、図7(a)では、異なる道路に設置された2つの監視カメラ11が周囲の歩行者を撮像している。
情報分析部61は、それぞれの監視カメラ11から得た画像データに対して画像処理を行ない、歩行者の数と移動状態とを検知する。そして、それぞれの監視カメラ11の位置、歩行者の数、移動状態、地図データを用いて、歩行者の移動を予測する。
図7(b)は、歩行者の移動の予測結果を示す図である。図7(a)で撮像されていた歩行者は、それぞれの監視カメラ11の撮像範囲を出ているため、検知することはできなくなっている。しかし、歩行者の移動の予測により、監視カメラ11に写らない道路で歩行者が合流し、混雑が発生していることが予測できる。
このように、検知した歩行者の移動を予測することで、人の流量がどのように変化するかを予測し、監視カメラ11の死角を補って効果的な警備を行なうことが可能となる。
次に、サービス提供部63による避難誘導について説明する。図8は、サービス提供部63による避難誘導についての説明図である。図8では、火災発生時の避難誘導について示している。まず、コントロールセンタ50は、監視カメラ11が撮像した画像データから人検知と人流量予測を行なうことで、混雑の検知と予測を行なう。また、火災センサ13の出力から、火災の場所と状況を取得する。
サービス提供部63は、地図データと、混雑状況と、火災の状況とを用いて避難経路を設定する。そして、設定した避難経路に応じて避難誘導を行なう。避難誘導では、各警備員Gxの配置を決定し、配置指令を送信するとともに、避難経路データを送信して更新させる。また、大型固定ディスプレイ14に火災が発生したことと、避難経路とを表示させる。なお、大型固定ディスプレイ14への表示制御については、全ての大型固定ディスプレイ14に同様の制御を行なうのではなく、大型固定ディスプレイ14が設置された場所に応じて避難に関する表示制御を行なうか否かと、その表示内容とを異ならせる。
次に、サービス提供部63による通信網敷設について説明する。図9は、サービス提供部63による通信網敷設についての説明図である。図9(a)に示すように、警備員G1との通信が途絶したならば、コントロールセンタ50の情報分析部61が通信異常を検知し、サービス提供部63が無線中継装置36を利用した通信網を設定する。この通信網は、通信が異常となった場所に警備員を配置するとともに、当該警備員から拠点サーバ20までの間にも適切な間隔で警備員を配置するものである。配置する警備員は、その時点での各警備員の位置など、各警備員の状況により選択する。
指令送信部54は、拠点サーバ20を介して、警備員G2〜G4に対して配置と通信網の敷設を指示する指令を送信する。この指令により警備員G2〜G4が適切な配置につき、通信網を敷設した状態を図9(b)に示す。
図9(b)では、警備員G4の無線中継装置36は、拠点サーバ20と警備員G3との通信を中継可能である。また、警備員G3の無線中継装置36は、警備員G4と警備員G2との通信を中継可能である。そして、警備員G2の無線中継装置36は、警備員G3と警備員G1との通信を中継可能である。このため、警備員G1は、警備員G2〜G4の無線中継装置36並びに拠点サーバ20による中継を受け、コントロールセンタ50との通信が可能となる。
このように敷設された通信網は、警備員など警備関係者のみが使用可能としてもよいし、一般の歩行者に開放してもよい。一般の歩行者に開放する場合には、通信接続に必要な情報を大型固定ディスプレイ14に表示制御する等の方法により報知する。緊急時には、一般利用可能な通信網にトラフィックが集中し、輻輳状態となる場合があるが、警備システムから一般利用可能な予備通信網を提供することで、輻輳状態の解消を図ることができる。
次に、サービス提供部63によるスキルサポートについて説明する。図10は、サービス提供部63によるスキルサポートについての説明図である。図10では、警備員が外国人への対応を行なう状況を示している。警備員は、警備員装備のマイク32により、外国人の音声を集音し、警備員端末装置40を介してコントロールセンタ50に送信する。
コントロールセンタ50のサービス提供部63は、外国人の音声を分析し、緊急度判定、言語判定、接続先決定及び接続処理を行なう。緊急度判定は、音声のピッチ、高さ、大きさ、特定キーワードのマッチング等により、会話の緊急度を判定する処理である。言語判定は、音声から特徴要素を切り出し、各言語の特徴と比較して、音声の言語を判定する処理である。
接続先決定は、緊急度と言語に応じて接続先を決定する処理である。緊急度が特に高い場合には、多言語に対応可能な通訳者など、高いスキルを持つ通訳者が担当するよう接続先を決定することが望ましい。また、言語が判定できた場合には、当該言語に対応する通訳者が担当するよう接続先を決定することが望ましい。緊急度が低い場合には、機械翻訳などを利用し、限られた人的リソースである通訳者を温存することが望ましい。
コントロールセンタ50は、決定した接続先に応じ、通訳サービスを提供するサービスサーバ80に接続する。サービスサーバ80では、コントロールセンタ50での判定結果に応じた担当者や機械翻訳機能を割り当てる。
コントロールセンタ50の接続処理は、サービスサーバ80により割り当てられた担当者又は機械翻訳機能と警備員装備30とを接続する処理である。この処理により、例えばサービスサーバ80により割り当てられた担当者の音声をイヤホン34やスピーカ35から出力し、マイク32から取得した音声を担当者に出力することができる。
このように、緊急度や使用言語に応じた通訳者を選択し、警備員装備30を介して通話可能となるので、警備員の外国人への対応を効果的に支援することが可能となる。また、適切に通訳者を選択することにより、緊急度の低い会話にスキルの高い通訳者を割り当てるといった事態を回避し、限られた人的リソースを有効利用することができる。
上述してきたように、本実施例に係る警備システムでは、予め設置された情報取得手段である固定装置10により取得された情報を用いて予め設定された第1警備エリアに対する警備を行なうとともに、情報分析部61が情報の分析や外部からの取得によって警備に関わる事象やその兆候を検知し、第1警備エリアの警備の結果や兆候などに応じて警備すべき第2警備エリアを設定し、第2警備エリアに対して移動可能な情報取得手段である可搬カメラユニット21、可搬センサユニット22、警備員装備30等を配置して警備を行なう。このため、状況の変化に合わせて警備体制を変更し、効率的に警備を行なうことができる。
また、第2警備エリアの警備結果をフィードバックし、第2警備エリアの変更や解除を行なうことができる。また、警備員が警備員装備30により各種情報の入出力が可能となるため、警備員の配置により任意の場所での情報取得が可能となるとともに、警備員の補助を行なうことが可能となる。
実施例1では、監視カメラ11が撮像した画像データから人を検知し、第2警備エリアの設定に利用する場合について説明した。本実施例2では、検知した人の情報のさらなる利用について説明する。
図11は、実施例2における人検知の利用についての説明図である。図11に示すように実施例2に係るコントロールセンタ150は、監視カメラ11が撮像した画像データに対して画像処理を行ない、人物を検知する。
コントロールセンタ150は、検知した人の数や状態から人の流量を検知又は予測する。そして、人流量を蓄積し、蓄積した人流量と地図データとを用いて、店舗等の立地条件の評価や、歩行者の流動の分析を行なう。店舗等の立地条件は、不動産の開発業者、いわゆるディベロッパー等に提供することができる。歩行者の流動の分析結果は、店舗のオーナー等に提供することができる。
図12は、図11に示したコントロールセンタ150の内部構成を示す内部構成図である。図12に示すコントロールセンタ150は、人流量データベース171をさらに備え、情報分析部161が人流量蓄積、立地条件評価及び歩行者流動分析をさらに行なう点が図3に示したコントロールセンタ50と異なる。その他の構成及び動作は、図3に示したコントロールセンタ50と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
情報分析部161は、実施例1と同様に、人検知及び人流動予測を行なう。人流量蓄積は、人検知及び人流動予測の結果を人流量データベース171に蓄積する処理である。人流量蓄積を繰り返して十分なデータが蓄積したならば、立地条件評価及び歩行者流動分析を行なう。
立地条件評価は、人流量データベース171から人流量を読み出し、評価対象となる立地の周囲の人流量について、その多寡を示す評価値を算出する処理である。歩行者流動分析は、人流量データベース171から人流量を読み出し、評価対象となる立地の周囲の人流量がどのように変化するかを分析する処理である。
立地条件評価及び歩行者流動分析の結果は、人流量データベース171に格納される。そして、人流量データベース171に格納された立地条件評価及び歩行者流動分析の結果は、外部の装置から読み出しが可能となる。
次に、立地条件評価及び歩行者流動分析に係る処理について説明する。図13は、立地条件評価及び歩行者流動分析に係る処理を示すフローチャートである。まず、コントロールセンタ150の第1警備エリア情報取得部51は、第1警備エリアの固定装置10から情報を取得する(ステップS301)。
情報分析部161は、第1警備エリア情報取得部51が取得した情報を分析し、人検知を行なう(ステップS302)。さらに、検知した人の数と移動状態から人流量を検知し(ステップS303)、直接検知が不可能な地点の人流量を予測する(ステップS304)。
情報分析部161は、検知又は予測した人流量を人流量データベース171に蓄積する(ステップS305)。そして、分析を開始するか否かを判定する(ステップS306)。分析は、コントロールセンタ150のオペレータから分析開始操作を受け付けた場合や、人流量の蓄積が十分に行なわれた場合などに開始される。
分析を開始しない場合(ステップS306;No)、ステップS301に移行し、第1警備エリア情報取得部51が固定装置10から情報を取得する。分析を開始する場合(ステップS306;Yes)、情報分析部161は、人流量データベース171から人流量を読み出し、評価対象となる立地の周囲の人流量について、その多寡を示す評価値を算出する立地条件評価を行なう(ステップS307)。情報分析部161は、立地条件の評価結果を人流量データベース171に格納する(ステップS308)。
また、情報分析部161は、人流量データベース171から人流量を読み出し、評価対象となる立地の周囲の人流量がどのように変化するかを分析する歩行者流動分析を行なう(ステップS309)。そして、情報分析部161は、分析結果を人流量データベース171に格納し(ステップS310)、処理を終了する。
次に、立地条件評価及び歩行者流動分析の具体例について説明する。図14は、立地条件評価の具体例の説明図である。図14には、三叉路に面した店舗T1と、通りに面した店舗T2の立地を示している。
立地条件評価では、店舗周辺の歩行者の流動を検知又は推測し、場所ごとの価値を可視化する。例えば、店舗T1周辺では、1日あたり10万人の歩行者の流動があり、店舗T2周辺では1日あたり1万人の歩行者の流動がある等のように、各店舗の立地を評価する評価値を算出するのである。
さらに、各店舗の立地について、曜日や時刻ごとの評価を行なってもよい。また、評価値をヒートマップとして表示するなど、表示の形式は任意に設定可能である。
このような情報は、開発業者や自治体などにとって有用である。店舗ごとに立地条件を掌握する、テナント募集時に付加価値として提示する、といった利用が可能となるためである。
図15は、歩行者流動分析の具体例の説明図である。図15には、ある店舗の周辺における流量の時間変化を示している。具体的には、この店舗の周辺では、休日の人流量のピークが13時頃であり、平日の人流量のピークが19時頃である。また、ピーク時の人流量は、平日よりも休日の方が多くなっている。
このように、人流量は、曜日や時間帯により異なる。そこで、曜日や時間帯で変化する人流量のパターンを分析し、店舗オーナーに提供することで、販売の支援を行なうことができる。タイムサービスの実施タイミングなどを人流量に合わせて効果的に設定可能となるためである。
上述してきたように、本実施例2に係る警備システムでは、上記実施例1と同様に効率的な警備を行なうことができ、さらに、人流量を検知及び予測して蓄積し、立地条件評価や歩行者流動分析に使用するので、警備のために取得した情報を有効に活用することができる。
上記実施例1及び2では、第1警備エリアの警備の結果に応じて第2警備エリアを設定することで、警備エリア自体を拡張する場合について説明を行なったが、本実施例3では、警備エリアは維持しつつ情報を収集するエリアを拡張する場合について説明する。
図16は、実施例3に係る警備システムについての説明図である。図16(a)は、ビルディングB1の内部を警備エリアA10とし、この警備エリアA10を警備している状態を示している。
警備エリアA10を警備するため、複数の監視カメラ11等が設置されている。また、図示を省略したが、火災センサ等のセンサも設置される。これらの情報取得手段により情報を収集する範囲が情報収集エリアA11である。図16(a)では、警備エリアA10とその近傍を含む情報収集エリアA11が設定されている。
コントロールセンタ250は、情報収集エリアA11の情報を取得する。そして、取得した情報を用い、警備エリアA10における異常の検知や予測を行なっている。コントロールセンタ250は、警備エリアA10における異常の検知や予測の結果に応じて、情報収集エリアA11を変更する。
図16(a)では、複数の歩行者Pが散り散りに逃げだした状態を情報収集エリアA11内で検知している。コントロールセンタ250は、かかる状態を検知し、当該地点周辺を含むよう情報収集エリアA11を拡張する。
コントロールセンタ250は、情報収集エリアA11を変更したならば、変更した情報収集エリアA11に合わせて警備員G1〜G5に配置を指示する。警備員G1〜G5は、ウェアラブルカメラと無線通信可能な端末装置を装備しており、ウェアラブルカメラで撮像した画像データをコントロールセンタ250に送信することができる。
図16(b)では、警備員G2〜G4が情報収集エリアA11の拡張部分である拡張情報収集エリアA11aに配置されている。警備員G2〜G4は、ウェアラブルカメラで周囲を撮像し、画像データをコントロールセンタ250に送信する。
また、拡張情報収集エリアA11aには、可搬カメラユニット21が設置されている。可搬カメラユニット21は、設置された地点の周辺を撮像し、画像データをコントロールセンタ250に送信する。この可搬カメラユニット21を設置する位置についても、コントロールセンタ250により設定され、指示される。
このように、拡張情報収集エリアA11aにおける情報収集は、警備員G2〜G4の装備や可搬カメラユニット21により行なわれる。コントロールセンタ250は、拡張情報収集エリアA11aを含む情報収集エリアA11の情報を取得する。そして、取得した情報を用い、警備エリアA10における異常の検知や予測を行なう。
警備エリアA10は変更されていないが、情報収集エリアA11が拡張されているので、警備エリアA10に対して影響を与える可能性のある事象を検知し、警備エリアA10における異常を高い精度で事前に予測できる。
コントロールセンタ250は、警備エリアA10における異常の検知や予測の結果に応じて、情報収集エリアA11を再度変更する。
このように、本実施例3に係る警備システムでは、警備エリアA10は維持しつつ、状況に応じて情報収集エリアA11を変更することにより警備体制を変更し、効率的に警備を行なうことができる。
図17は、図16に示したコントロールセンタ250の内部構成を示す内部構成図である。図17に示すコントロールセンタ250は、第1警備エリア情報取得部及び第2警備エリア情報取得部を有さず、代わりに情報取得部251を有する。従って、情報分析部261は、情報取得部251の出力を用いて分析を行なうことになる。
また、コントロールセンタ250は、第2警備エリアを設定する第2警備エリア設定部に代えて情報収集エリアを設定する情報収集エリア設定部262を有する。そして、警備エリア制御部に代えてエリア制御部264を有する。
エリア制御部264は、情報収集エリア設定部262及びサービス提供部63の処理を受けて、警備エリア及び情報収集エリアを制御する処理部である。
その他の構成及び動作は、図3に示したコントロールセンタ50と同様であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
次に、情報収集エリアの設定にかかる処理手順を説明する。図18は、情報収集エリアの設定にかかる処理手順を示すフローチャートである。図18に示すように、コントロールセンタ250の情報取得部251は、その時点での情報収集エリアから情報を取得する(ステップS401)。
情報分析部261は、情報取得部251が取得した情報を分析する(ステップS402)。この分析により警備エリアの異常が検知又は予測されなければ(ステップS403;No)、コントロールセンタ250は処理を終了する。
分析により異常が検知又は予測されたならば(ステップS403;Yes)、情報収集エリア設定部262は、情報分析部261の分析結果に基づいて情報収集エリアを変更する(ステップS404)。このとき、変更後の情報収集エリアが、分析結果に発生又は予兆が示された異常の位置を含むように変更を行なう。
エリア制御部264は、変更されたエリアに基づいて警備員に送信する情報を選定し(ステップS405)、送信先の警備員を選定する(ステップS406)。指令送信部54は、エリア制御部264の決定に基づいて、警備員端末装置40に指令を送信し(ステップS407)、処理を終了する。本処理の終了後は、コントロールセンタ250は、例えば所定時間後にステップS401からの処理を開始する。
上述してきたように、本実施例3に係る警備システムでは、警備に係る情報の収集対象となる区域である情報収集エリアから情報を取得し、取得された情報を用いて警備エリアに対する警備を行ない、警備に関わる事象の兆候や警備の結果に応じて情報収集エリアを変更し、変更後の情報収集エリアに応じて移動可能な情報取得手段を配置する指示を行なうので、状況の変化に合わせて警備体制を変更し、効率的に警備を行なうことができる。
なお、上記実施例1、2及び3に示した構成及び動作はあくまで一例であり、適宜変形して実施可能である。警備のために取得する情報及びその取得方法は、実施例の例示に限定されず、任意のものを用いることができる。また、取得した情報の分析や利用についても、上記実施例に限定されるものではない。