JP2016065551A - 車両の自動変速機の制御装置 - Google Patents

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耕平 野田
Kohei Noda
耕平 野田
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Abstract

【課題】リニアソレノイドの異常の検出とコスト削減との両立を実現できる。
【解決手段】実施形態の車両の自動変速機の制御装置は、例えば、車両の自動変速機の油圧制御装置から、当該自動変速機に設けられたクラッチに提供される油圧を制御するリニアソレノイドの通電を制御する制御部と、制御部によりリニアソレノイドに通電させた際に、リニアソレノイドの電流値を検出する検出部と、を備え、制御部は、さらに、リニアソレノイドを作動させるために通電を開始してから経過時間に応じて設定された閾値と、検出部が検出した電流値と、に基づいて、リニアソレノイドが作動したと判定された場合に、リニアソレノイドへの制御を即座に開始する。
【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、車両の自動変速機の制御装置に関する。
従来、ソレノイドにより調圧された油圧を、圧力センサが検出し、ソレノイドの異常を検出する技術が提案されている。
特開2007−327504号公報
しかしながら、従来技術においては、圧力センサを複数設ける必要があるため、コストが高くなるという問題が生じていた。
実施形態の車両の自動変速機の制御装置は、例えば、車両の自動変速機の油圧制御装置から、当該自動変速機に設けられたクラッチに提供される油圧を制御するリニアソレノイドの通電を制御する制御部と、制御部によりリニアソレノイドに通電させた際に、リニアソレノイドの電流値を検出する検出部と、を備え、制御部は、さらに、リニアソレノイドを作動させるために通電を開始してから経過時間に応じて設定された閾値と、検出部が検出した電流値と、に基づいて、リニアソレノイドが作動したと判定された場合に、リニアソレノイドへの制御を即座に開始する。よって、例えば、リニアソレノイドの異常の検出とコスト削減との両立を実現できる。
また、車両の自動変速機の制御装置は、通電を開始してから経過時間に応じて設定された閾値を記憶する記憶部を、さらに備え、制御部は、さらに、第1の経過時間に対応する第1の閾値と、検出部が検出した電流値と、に基づいて、前記リニアソレノイドが作動したと判定した場合に、当該第1の閾値を、第1の経過時間以外の他の経過時間に対応する他の閾値と比べて、低くする調整を行う。よって、例えば、リニアソレノイドの作動の検出が容易になる。
図1は、実施形態の車両用駆動装置の構成を示した図である。 図2は、実施形態の自動変速機の構成を例示した図である。 図3は、実施形態のトランスミッションECUで実現されるソフトウェア構成を示したブロック図である。 図4は、実施形態のトランスミッションECUがリニアソレノイドに流れる電流値と、リニアソレノイドのバルブ状態と、の関係を例示した第1の図である。 図5は、実施形態のトランスミッションECUがリニアソレノイドに流れる電流値と、リニアソレノイドのバルブ状態と、の関係を例示した第2の図である。 図6は、実施形態の閾値記憶部に記憶されている閾値情報を例示した図である。 図7は、実施形態のトランスミッション制御部における全体的な処理の手順を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照して、車両用駆動装置の実施形態を詳細に説明する。以下に示す実施形態では、車両用駆動装置を搭載した車両を例にあげて説明する。
図1は、実施形態の車両用駆動装置の構成を示した図である。本実施形態の図1に示すように、車両に搭載されている車両用駆動装置100は、エンジン101、エンジンECU102、トランスミッションECU103、及び動力伝達装置104を備えている。
エンジン101は、ガソリンや軽油等の炭化水素系燃料を使用するガソリンエンジンやディーゼルエンジン等であり、回転トルクを出力する。エンジン101から出力された回転トルクは、入力軸111に伝達される。
エンジンECU102は、エンジン101を制御する。エンジンECU102は、図示しないCPUと、各種プログラムを記憶するROMと、データを一時的に記憶するRAMと、を備える。そして、エンジンECU102は、図示しないアクセルペダルの踏み込み量等の情報が入力され、これらの情報に基づいて、図示しない電子制御式のスロットルバルブや燃料噴射弁および点火プラグ等を制御する。また、エンジンECU102とトランスミッションECU103との間で、情報の送受信を可能とする。
入力軸111は、エンジン101から入力された回転トルクを、動力伝達装置104の自動変速機121に出力する軸である。入力軸111の近傍には、入力軸111の回転速度を検出するための、入力軸回転速度センサ131が設けられている。
動力伝達装置104は、自動変速機121と、油圧制御装置122と、差動機構123と、出力軸112と、を備えている。
出力軸112は、動力伝達装置104の自動変速機121から入力された回転トルクを、動力伝達装置104の差動機構123に出力する軸である。出力軸112の近傍には、出力軸112の回転速度を検出するための、出力軸回転速度センサ132が設けられている。
入力軸回転速度センサ131及び出力軸回転速度センサ132は、トランスミッションECU103と通信可能に接続され、検出信号をトランスミッションECU103に出力する。
自動変速機121は、入力軸111から伝達されるトルク及び回転数を、出力軸112に伝達するために変換する構成とする。図2は、自動変速機121の構成を例示した図である。図2に示されるように、第1の遊星歯車機構201と、第2の遊星歯車機構202と、第3の遊星歯車機構203と、第1の駆動軸204と、第2の駆動軸205と、第3の駆動軸206と、第1のクラッチ211と、第2のクラッチ212と、第3のクラッチ213と、第1のブレーキ214と、第2のブレーキ215と、ワンウェイクラッチ216と、を備えている。また、第2の駆動軸205、及び第3の駆動軸206は、中空に形成されている。
第1の遊星歯車機構201は、第3の駆動軸206に設けられた図示しない、外歯歯車のサンギアと、自転かつ公転自在に設けられた複数の遊星ギア201aと、サンギアと同心円上に配置されると共に内歯により遊星ギア201aと噛み合うリングギア201bと、で構成されている。第1の遊星歯車機構201は、サンギアから伝達された動力を、リングギア201bから出力する。
第2の遊星歯車機構202は、第1の駆動軸204に設けられた図示しない、外歯歯車のサンギアと、自転かつ公転自在に設けられた遊星ギア202aと、サンギアと同心円上に配置されると共に内歯により遊星ギア202aと噛み合うリングギア202bと、で構成されている。また、第2の遊星歯車機構202は、第1の駆動軸204に設けられた図示しないサンギアから伝達された動力、第1の遊星歯車機構201のリングギア201bからリングギア202bを介して伝達された動力、又は第2の駆動軸205から伝達された動力を、遊星ギア202aから、第3の遊星歯車機構203に出力する。第2の遊星歯車機構202のリングギア202bは、第1のブレーキ214を介して、トランスミッションケース221により支持されている。また、遊星ギア202aは、ワンウェイクラッチ216を介してトランスミッションケース221により支持されている。
第3の遊星歯車機構203は、第1の駆動軸204に設けられた図示しない、外歯歯車のサンギアと、自転かつ公転自在に設けられた遊星ギア203aと、サンギアと同心円上に配置されると共に内歯により遊星ギア203aと噛み合うリングギア203bと、で構成されている。また、第3の遊星歯車機構203は、第1の駆動軸204に設けられた図示しないサンギアから伝達された動力、又は第2の遊星歯車機構202のリングギア202bからリングギア203bを介して伝達された動力を、遊星ギア203aから、出力軸112に出力する。
第1のクラッチ211は、第1のリニアソレノイド141による油圧の制御に従って、入力軸111と、第1の駆動軸204との間を締結、及び解除することが可能な油圧クラッチとする。第2のクラッチ212は、第2のリニアソレノイド142による油圧の制御に従って、入力軸111と、第2の駆動軸205との間を締結、及び解除することが可能な油圧クラッチとする。第3のクラッチ213は、第3のリニアソレノイド143による油圧の制御に従って、第1の遊星歯車機構201のリングギア201bと、第2の遊星歯車機構202のリングギア202bとの間を締結、及び解除することが可能な油圧クラッチとする。
第1のブレーキ214は、油圧制御装置122による油圧の制御に従って、第2の遊星歯車機構202のリングギア202bを回転不能に固定、及び固定を開場することができる油圧ブレーキとする。第2のブレーキ215は、油圧制御装置122による油圧の制御に従って、第3の遊星歯車機構203のリングギア203bを回転不能に固定、及び固定を開場することができる油圧ブレーキとする。
クラッチ211〜213、ブレーキ214〜215、及びワンウェイクラッチ216は、入力軸111が設けられた入力側から、出力軸112が設けられた出力側までの、動力伝達経路を変更するために構成されている。つまり、油圧制御装置122が、クラッチ211〜213、ブレーキ214〜215、及びワンウェイクラッチ216を制御することで、入力軸111から出力軸112に伝達される回転数及びトルクが変更される。
図1に戻り、差動機構123は、出力軸112から入力された回転トルクを差動可能に駆動輪151、152に伝達する装置である。差動機構123は、(図示しない)出力ギア及び(図示しない)ドライブギアと噛合する(図示しない)リングギアを有する。このような構造により、出力軸112は、駆動輪151、152に回転連結されている。
油圧制御装置122は、トランスミッションECU103からの指示に従って、第1のリニアソレノイド141、第2のリニアソレノイド142、第3のリニアソレノイド142、及びその他のリニアソレノイドを作動させて、自動変速機121を制御する。
トランスミッションECU103は、自動変速機121を制御する。トランスミッションECU103は、図示しないCPUと、各種プログラムを記憶するROMと、データを一時的に記憶するRAMと、を備える。そして、トランスミッションECU103は、アクセルペダルの踏み込み量や、シフトレバーの操作位置や、入力軸回転速度センサ131により検出される、自動変速機121の入力軸111の回転速度、出力軸回転速度センサ
132により検出される、自動変速機121の出力軸112の回転速度、油圧制御装置122に設けられた各種センサ等からの検出結果(例えば、第1の電流センサ133による第1のリニアソレノイド141の電流値、第2の電流センサ134による第2のリニアソレノイド142の電流値、第3の電流センサ135による第3のリニアソレノイド143の電流値、)等が入力される。そして、トランスミッションECU103は、入力された情報に基づいて、自動変速機121、換言すれば自動変速機121を制御するための油圧制御装置122を制御する。
図3は、トランスミッションECU103で実現されるソフトウェア構成を示したブロック図である。図3に示されるように、本実施形態にかかるトランスミッションECU103は、(図示しない)ROMに格納されているプログラムを実行することで、トランスミッション制御部301を実現する。また、ROMには、トランスミッション制御部301が参照する、閾値記憶部302が内蔵されている。
本実施形態においては、油圧制御装置122が、自動変速機121のクラッチ211〜213を制御するためにリニアソレノイド141〜143を用いている。リニアソレノイド141〜143は、油圧をリニアに制御することができるため、クラッチ211〜213を細かく制御することができる。これにより、ショックのないスムーズな変速を実現できる。
リニアソレノイド141〜143は、(図示しない)オイルポンプで発生した油圧を制御している。しかしながら、車両用駆動装置100が搭載された車両を停止させておくと、リニアソレノイド141〜143内の油の粘性が高くなると共に、リニアソレノイド141〜143内部の構成(例えば、バルブスティック)が固着することもある。
このため、車両のイグニッション起動時に、リニアソレノイド141〜143に大きな電流値で通電させることで、リニアソレノイド141〜143内部で固着していた構成(例えば、バルブスティック)を作動させることが可能となる。しかしながら、リニアソレノイド141〜143内部の構成が固着しているか否かを外部から確認することは難しい。
従来、リニアソレノイドにより調圧された油圧を油圧センサが検出することで、リニアソレノイド内部で固着していた構成(例えば、バルブスティック)が駆動したか否を判定していた。しかしながら、油圧センサを取り付けると、製造コストが上昇する。
そこで、本実施形態では、油圧センサを用いずに、リニアソレノイド141〜143内部で固着していた構成(例えば、バルブスティック)が駆動したか否かを判定することとした。
本実施形態では、リニアソレノイド141〜143に流している電流値と、当該リニアソレノイド141〜143に通電している電流値の検出結果(以下、通電電流モニタ値)と、の違いに基づいて、当該リニアソレノイド141〜143内部で固着していた構成(例えば、バルブスティック)が駆動したか否を判定する。つまり、固着していた構成(例えば、バルブスティック)が作動したときに、起電力が生じる。そこで、当該起電力が生じたと推定される程度に通電電流モニタ値が上昇した場合に、リニアソレノイド141〜143が適切な起動を開始したと推定する。
図4は、本実施形態のトランスミッションECU103がリニアソレノイドに流れる電流値と、リニアソレノイドのバルブ状態と、の関係を例示した第1の図である。図4に示される例では、リニアソレノイド内部の構成は固着していないものとする。この場合、リニアソレノイドに流れる通電電流値401の上昇と共に、時刻T1〜時刻T2の間で当該リニアソレノイドのバルブ状態402が、閉から開に線形的に遷移していく。このようにリニアソレノイドのバルブ状態が徐々に開いていく場合には、起電力が生じないため、通電電流モニタ値403は、通電電流値401近傍の値となる。
図5は、本実施形態のトランスミッションECU103がリニアソレノイドに流れる電流値と、リニアソレノイドのバルブ状態と、の関係を例示した第2の図である。図5に示される例では、リニアソレノイド内部の構成が固着しているものとする。この場合、リニアソレノイドに流れる通電電流値501が上昇した場合でも、時刻T1〜時刻T3までの間で、リニアソレノイドのバルブ状態502は、閉の状態を維持している。そして、時刻T3で、リニアソレノイドが作動開始する。これにより、時刻T3でリニアソレノイドに起電力が生じるため、通電電流モニタ値503は、時刻T3で急に上昇する。
トランスミッションECU103は、時刻T3の通電電流モニタ値503を検出した際に、リニアソレノイドが作動開始したものとして、図4に示されるような電流値を上昇させる通電制御を終了し、次の処理に遷移する。本実施形態では、次の処理として、リニアソレノイドへの制御の即座に開始を含むものとする。
図3に戻り、トランスミッションECU103のトランスミッション制御部301の構成について説明する。
トランスミッション制御部301は、検出部311と、ソレノイドバルブ制御部312と、判定部313と、を備えている。
ソレノイドバルブ制御部312は、車両の自動変速機121の油圧制御装置122から、当該自動変速機121に設けられたクラッチ211〜213に提供される油圧を制御するリニアソレノイド141〜143の通電を制御する。
検出部311は、ソレノイドバルブ制御部312によりリニアソレノイド141〜143に通電させた際に、リニアソレノイド141〜143の通電電流モニタ値を検出する。
本実施形態では、車両のイグニッション起動時に、ソレノイドバルブ制御部312が、リニアソレノイド141〜143の各々に通電を開始するとともに、時間経過と共に通電電流値を上昇させる。そして、検出部311が、リニアソレノイド141〜143の各々の通電電流モニタ値を検出する。
そして、判定部313が、ソレノイドバルブ制御部312がリニアソレノイド141〜143の各々に通電させている通電電流値と、閾値記憶部302に記憶されている、通電を開始してから経過時間に応じて設定されている閾値と、に基づいて、リニアソレノイド141〜143が作動したか否かを判定する。
判定部313による判定手法としては、どのような手法を用いても良いが、例えば、ウェーブレット解析を用いることが考えられる。ウェーブレット解析においては、時間的に変化する周波数と、パワースペクトルと、の解析ができる。これにより、時間的に変化した通電電流モニタ値のレベルに基づいて、リニアソレノイドが作動したか否かを判定できる。
図6は、閾値記憶部302に記憶されている閾値情報を例示した図である。図6に示されるように、正常時にバルブが開く時刻T1〜時刻T2以外はマスク領域として設定されている。そして、時刻T1〜時刻T2の間では、経過時間に応じて異なるレベルの閾値が設定されている。図6に示される例では、時刻T3近傍において、閾値が最も小さく設定されている。なお、閾値記憶部302は、リニアソレノイド毎に閾値情報を記憶している。
リニアソレノイド内部の構成が固着した際、動作を開始する通電電流値は、だいたい同じ値になる傾向が高い。そこで、本実施形態のソレノイドバルブ制御部312は、リニアソレノイドが動作を開始する通電電流値の統計を取り、当該統計に基づいて、閾値を設定することとした。本実施形態では、リニアソレノイドが動作を開始することが多かった時刻T3近傍の閾値を低く設定することで、リニアソレノイド内部の構成が作動した際に生じる起電力を精度良く検出し、リニアソレノイドへの制御の開始を早めることができる。
また、ウェーブレット解析に制限するものではなく、電流値の変化率に基づいて検出しても良い。例えば、時刻T1〜時刻T2までの間で所定の時間毎に電流値の変化率を検出する。そして、前回検出した電流値の変化率と比べて、今回検出した電流値の変化率が、閾値以上に大きかった場合に、判定部313が、リニアソレノイドが作動したと判定する。
さらには、微分フィルタを用いて検出しても良い。例えば、所定の時間毎に、微分フィルタを用いて、電流の微分値を算出する。前回算出された微分値と比べて、今回算出された微分値が、閾値以上に大きかった場合に、判定部313が、リニアソレノイドが作動したと判定する。
そして、ソレノイドバルブ制御部312は、通電を開始してから経過時間に応じて設定された閾値と、検出部311が当該リニアソレノイドから検出した電流値と、に基づいて、リニアソレノイドが作動したと判定された場合に、当該リニアソレノイドへの、図4に示されるような電流値を上昇させる通電制御を終了する。そして、全てのリニアソレノイドが作動したと判定された場合に、リニアソレノイドへの制御を即座に開始する。これにより、車両のイグニッション起動時に必要な次の処理が行われる。
次に、本実施形態のトランスミッション制御部301における全体的な処理について説明する。図7は、本実施形態のトランスミッション制御部301における上述した処理の手順を示すフローチャートである。
まず、トランスミッション制御部301は、車両のイグニッション起動した際に、タイマのカウント値を初期化する(ステップS701)。次に、ソレノイドバルブ制御部312が、バルブスティックを解除して、通電を開始する(ステップS702)。
次に、検出部311が、リニアソレノイドから通電電流モニタ値を検出する(ステップS703)。次に、検出部311が、検出した通電電流モニタ値に基づいて、ウェーブレット解析を行い、通電電流モニタ値のレベルを算出する(ステップS704)。なお、本フローチャートでは、ウェーブレット解析を用いたが、通電電流モニタ値の変化率や微分値を算出しても良い。
次に、判定部313が、現在のカウント値に対応する閾値より、ステップS704で算出したレベルが大きいか否かを判定する(ステップS705)。判定部313が大きくないと判定した場合(ステップS705:No)、トランスミッション制御部301はタイマのカウント値をアップさせる(ステップS706)。
その後、トランスミッション制御部301は、カウント値が、最大カウント値以上になったか否かを判定する(ステップS707)。最大カウント値以上ではないと判定した場合(ステップS707:No)、ソレノイドバルブ制御部312は、リニアソレノイドに通電している電流値を所定値上昇させる(ステップS708)。そして、再びステップS703から処理を開始する。
一方、カウント値が、最大カウント値以上になったと判定した場合(ステップS707:Yes)、処理を終了する。
また、ステップS705において、判定部313が、現在のカウント値に対応する閾値より、ステップS704で算出したレベルが大きい、つまりリニアソレノイド内のバルブスティックが作動したと判定した場合(ステップS705:Yes)、ソレノイドバルブ制御部312は、リニアソレノイドに対する通電を終了する(ステップS709)。
そして、ソレノイドバルブ制御部312が、通電を終了したリニアソレノイドの閾値情報に対して、現在のカウント値に対応する閾値を調整する(ステップS710)。本実施形態のソレノイドバルブ制御部312は、現在のカウント値(経過時間)に対応する閾値(第1の閾値)を、現在のカウント値以外の他のカウント値に対応する他の閾値と比べて、低くする調整を行う。
トランスミッション制御部301は、上述した処理を、必要な全てのリニアソレノイドついて行う。そして、必要な全てのリニアソレノイドについて行った後、リニアソレノイドへの制御を即座に開始すると共に、車両のイグニッション起動時に必要な次の処理に遷移する。
本実施形態の車両用駆動装置100においては、上述した処理を行うことで、圧力センサ等を用いずに、リニアソレノイドにおいて、固着等の異常の解消を検出することが可能となる。これにより、コストの削減と、異常の解消を早く検出することとを、両立させることができる。
また、本実施形態の車両用駆動装置100においては、異常の解消を早く検出できる。これにより、当該クラッチによる入力軸111と出力軸112との間の伝達経路が形成された際のショックを抑止できる。従って、運転者を含む搭乗者の乗り心地を向上させることができる。
さらには、ソレノイドに対する異常を解消して、次の処理に移行するため、運転者が操舵可能になるまでの時間を短縮できる。これにより、利便性を向上させることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100…車両用駆動装置、101…エンジン、102…エンジンECU、103…トランスミッションECU、104…動力伝達装置、111…入力軸、112…出力軸、121…自動変速機、122…油圧制御装置、123…差動機構、131…入力軸回転速度センサ、132…出力軸回転速度センサ、133…第1の電流センサ、134…第2の電流センサ、135…第3の電流センサ、141…第1のリニアソレノイド、142…第2のリニアソレノイド、143…第3のリニアソレノイド、151、152…駆動輪、201…第1の遊星歯車機構、201a…遊星ギア、201b…リングギア、202…第2の遊星歯車機構、202a…遊星ギア、202b…リングギア、203…第3の遊星歯車機構、203a…遊星ギア、203b…リングギア、204…第1の駆動軸、205…第2の駆動軸、206…第3の駆動軸、211…第1のクラッチ、212…第2のクラッチ、213…第3のクラッチ、214…第1のブレーキ、215…第2のブレーキ、216…ワンウェイクラッチ、221…トランスミッションケース、301…トランスミッション制御部、302…閾値記憶部、311…検出部、312…ソレノイドバルブ制御部、313…判定部。

Claims (2)

  1. 車両の自動変速機の油圧制御装置から、当該自動変速機に設けられたクラッチに提供される油圧を制御するリニアソレノイドの通電を制御する制御部と、
    前記制御部により前記リニアソレノイドに通電させた際に、前記リニアソレノイドの電流値を検出する検出部と、を備え、
    前記制御部は、さらに、前記リニアソレノイドを作動させるために通電を開始してから経過時間に応じて設定された閾値と、前記検出部が検出した前記電流値と、に基づいて、前記リニアソレノイドが作動したと判定された場合に、前記リニアソレノイドへの制御を即座に開始する、
    車両の自動変速機の制御装置。
  2. 前記通電を開始してから経過時間に応じて設定された閾値を記憶する記憶部を、さらに備え、
    前記制御部は、さらに、第1の経過時間に対応する第1の閾値と、前記検出部が検出した前記電流値と、に基づいて、前記リニアソレノイドが作動したと判定した場合に、当該第1の閾値を、前記第1の経過時間以外の他の経過時間に対応する他の閾値と比べて、低くする調整を行う、
    請求項1に記載の車両の自動変速機の制御装置。
JP2014192957A 2014-09-22 2014-09-22 車両の自動変速機の制御装置 Pending JP2016065551A (ja)

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