JP2016065508A - エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電動ウォータポンプを適切に制御することで、インタークーラ内で発生する結露を確実に抑制する。【解決手段】エンジンの制御装置は、水冷式のインタークーラ8と、インタークーラ8に通水する冷却水の流量を制御する電動ウォータポンプ9と、排気ガスをインタークーラ8の上流側に還流させる低圧EGR装置48と、インタークーラ8の下流側の吸気温度(実吸気温度)を検出する吸気温度センサ106と、実吸気温度が所定の目標吸気温度に維持されるように電動ウォータポンプ9を制御するECU60と、を有し、ECU60は、実吸気温度が目標吸気温度以上である場合において、実吸気温度から目標吸気温度を減算して得た温度差が第1閾値未満である場合には、温度差が第1閾値以上である場合よりも、インタークーラ8に通水する単位時間当たりの冷却水流量が小さくなるように電動ウォータポンプ8を制御する。【選択図】図3

Description

本発明は、エンジンの制御装置に係わり、特に、水冷式インタークーラを有するエンジンの制御装置に関する。
従来から、吸気通路上にインタークーラを設け、インタークーラの上流側の吸気通路に排気ガスを還流させるEGR装置が知られている。このようにインタークーラの上流側の吸気通路に排気ガスを還流させた場合には、排気ガスを含む吸気がインタークーラで冷却された際に、インタークーラにおいて排気ガス中の水蒸気が結露して、水(凝縮水)が発生することがある。その場合、エンジン内に水が導入されて、失火したり、エンジンが損傷したりするおそれがある。
上記したようなインタークーラ内で発生する結露を防止することを図った技術が、例えば特許文献1に提案されている。具体的には、特許文献1には、水冷式のインタークーラ(アフタークーラ)と、インタークーラへの冷却水供給量を調整可能な調整用バルブと、インタークーラの上流側の吸気通路に排気ガスを還流させるEGR通路と、EGR通路上に設けられた水冷式のEGRクーラと、EGRクーラへの冷却水供給量を調整可能な調整用バルブと、を有するエンジンにおいて、吸気がインタークーラ内で露点以下にまで冷却されないように、エンジンの運転状態に基づいて、インタークーラへの冷却水供給量及びEGRクーラへの冷却水供給量を制御する技術が記載されている。
特開平8−135519号公報
しかしながら、上記したような水冷式のインタークーラでは、インタークーラに供給する冷却水流量を制御する際に、インタークーラへの冷却水の流し方によっては、凝縮水が発生する可能性がある。例えば、インタークーラへの冷却水の供給開始時に、インタークーラに冷却水を一気に流した場合に、インタークーラの温度が急激に低下することにより(つまりインタークーラの冷却能力が急上昇することにより)、吸気温度が急低下して凝縮水が発生する可能性がある。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、電動ウォータポンプを用いてインタークーラに供給する冷却水流量を制御するエンジンの制御装置において、電動ウォータポンプを適切に制御することで、インタークーラ内で発生する結露を確実に抑制することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、エンジンの制御装置であって、エンジンの吸気通路上に設けられ、吸気を冷却するインタークーラであって、通水された冷却水を用いて吸気を冷却する水冷式のインタークーラと、インタークーラに通水する冷却水の流量を制御する電動ウォータポンプと、エンジンの排気通路内の排気ガスをインタークーラの上流側の吸気通路に還流させるEGR装置と、インタークーラの下流側の吸気通路上に設けられ、この吸気通路を通過する吸気の温度である実吸気温度を検出する吸気温度センサと、実吸気温度が所定の目標吸気温度に維持されるように、電動ウォータポンプを駆動してインタークーラに冷却水を通水する制御を行う電動ウォータポンプ制御手段と、を有し、電動ウォータポンプ制御手段は、実吸気温度が目標吸気温度以上である場合において、実吸気温度から目標吸気温度を減算して得た温度差が第1閾値未満である場合には、温度差が第1閾値以上である場合よりも、インタークーラに通水する単位時間当たりの冷却水流量が小さくなるように電動ウォータポンプを制御する。
このように構成された本発明においては、実吸気温度が目標吸気温度以上である場合において、実吸気温度から目標吸気温度を減算して得た温度差が第1閾値未満である場合には(つまり実吸気温度が目標吸気温度を少しだけ上回っている場合)、温度差が第1閾値以上である場合(つまり実吸気温度が目標吸気温度を大きく上回っている場合)よりも、インタークーラに通水する単位時間当たりの冷却水流量が小さくなるように電動ウォータポンプを制御する。これにより、インタークーラにおいて吸気が一気に冷却されて、吸気に含まれる水蒸気(詳しくはEGR装置によって吸気系に還流された排気ガスに含まれる水蒸気)が露点温度以下となり、凝縮水が発生してしまうことを抑制することができる、つまりインタークーラ8において結露が発生してしまうことを抑制することができる。
本発明において、好ましくは、電動ウォータポンプ制御手段は、温度差が第1閾値未満である場合には、電動ウォータポンプの駆動と停止とを繰り返し切り替える間欠駆動制御を実行する。
このように構成された本発明においては、電動ウォータポンプに対する駆動制御によって、小さな冷却水流量にてインタークーラに通水することを適切に実現することができる。これにより、インタークーラにおいて吸気温度が急低下して凝縮水が発生してしまうことを適切に抑制することができる。
本発明において、好ましくは、電動ウォータポンプ制御手段は、温度差が第1閾値以上である場合には、電動ウォータポンプを連続的に駆動する連続駆動制御を実行し、温度差が第1閾値未満で、且つ第1閾値よりも小さい第2閾値以上である場合には、間欠駆動制御を実行し、温度差が第2閾値未満である場合には、電動ウォータポンプを停止する。
このように構成された本発明においては、吸気温度差が第1閾値以上である場合には、電動ウォータポンプの連続駆動制御を実行し、吸気温度差が第1閾値未満で且つ第2閾値(<第1閾値)以上である場合には、電動ウォータポンプの間欠駆動制御を実行し、吸気温度差が第2閾値未満である場合には、電動ウォータポンプを停止するので、インタークーラでの凝縮水の発生を抑制しつつ、実吸気温度を目標吸気温度に適切に収束させることができる。
本発明において、好ましくは、目標吸気温度は、EGR装置によって還流される排気ガス量が多いほど、高い温度に設定される。
このように構成された本発明においては、上記したように電動ウォータポンプを制御する際に用いる目標吸気温度を、EGRガス量が多いほど高い温度に設定するので、凝縮水が発生しやすいEGRガス量が多い領域において、電動ウォータポンプを駆動させにくくして、インタークーラへの冷却水の供給を抑制することができ、インタークーラでの凝縮水の発生を効果的に抑制することが可能となる。
本発明において、好ましくは、目標吸気温度は、外気温が高いほど、高い温度に設定される。
このように構成された本発明においては、外気温が高いほど目標吸気温度を高い温度に設定するので、凝縮水が発生しやすい外気温が高い状況において、電動ウォータポンプを駆動させにくくして、インタークーラへの冷却水の供給を抑制することができ、インタークーラでの凝縮水の発生を効果的に抑制することが可能となる。
別の観点では、上記の目的を達成するために、本発明は、エンジンの制御装置であって、エンジンの吸気通路上に設けられ、吸気を冷却するインタークーラであって、通水された冷却水を用いて吸気を冷却する水冷式のインタークーラと、インタークーラに通水する冷却水の流量を制御する電動ウォータポンプと、エンジンの排気通路内の排気ガスをインタークーラの上流側の吸気通路に還流させるEGR装置と、インタークーラの下流側の吸気通路上に設けられ、この吸気通路を通過する吸気の温度である実吸気温度を検出する吸気温度センサと、実吸気温度が所定の目標吸気温度に維持されるように、電動ウォータポンプを駆動してインタークーラに冷却水を通水する制御を行う電動ウォータポンプ制御手段と、を有し、目標吸気温度は、EGR装置によって還流される排気ガス量が多いほど、高い温度に設定される。
このように構成された本発明においては、電動ウォータポンプを制御する際に用いる目標吸気温度を、EGRガス量が多いほど高い温度に設定するので、凝縮水が発生しやすいEGRガス量が多い領域において、電動ウォータポンプを駆動させにくくして、インタークーラへの冷却水の供給を抑制することができ、インタークーラでの凝縮水の発生を効果的に抑制することが可能となる。
本発明によれば、電動ウォータポンプを用いてインタークーラに供給する冷却水流量を制御するエンジンの制御装置において、電動ウォータポンプを適切に制御することで、インタークーラ内で発生する結露を確実に抑制することができる。
本発明の実施形態によるエンジンの制御装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。 本発明の実施形態による基本制御を示すフローチャートである。 本発明の実施形態による電動ウォータポンプ制御フローを示すフローチャートである。 本発明の実施形態による目標吸気温度設定マップを示す図である。 本発明の実施形態によるEGR装置の作動領域を示す図である。 本発明の実施形態による電動ウォータポンプ制御におけるタイムチャートである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置について説明する。
<システム構成>
まず、図1を参照して、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置が適用されたエンジンシステムについて説明する。図1は、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。
図1に示すように、エンジンシステム200は、主に、ディーゼルエンジンとしてのエンジンEと、エンジンEに吸気を供給する吸気系INと、エンジンEに燃料を供給するための燃料供給系FSと、エンジンEの排気ガスを排出する排気系EXと、エンジンシステム200に関する各種の状態を検出するセンサ99〜122と、エンジンシステム200の制御を行うECU(Electronic Control Unit)60と、を有する。
まず、吸気系INは、吸気が通過する吸気通路1を有しており、この吸気通路1上には、上流側から順に、外部から導入された空気を浄化するエアクリーナ3と、通過する吸気を圧縮して吸気圧を上昇させる、ターボ過給機5のコンプレッサ5aと、通過する吸気流量を調整する吸気シャッター弁7と、通水された冷却水を用いて吸気を冷却する水冷式のインタークーラ8と、インタークーラ8に通水する冷却水の流量を制御する電動ウォータポンプ9と、インタークーラ8と電動ウォータポンプ9とを接続し、これらの間で冷却水を循環させる通路である冷却水通路10と、エンジンEに供給する吸気を一時的に蓄えるサージタンク12と、が設けられている。
また、吸気系INにおいては、エアクリーナ3の直下流側の吸気通路1上には、吸入空気量を検出するエアフローセンサ101と吸気温度を検出する吸気温度センサ102とが設けられ、ターボ過給機5のコンプレッサ5aには、このコンプレッサ5aの回転数を検出するターボ回転数センサ103が設けられ、吸気シャッター弁7には、この吸気シャッター弁7の開度を検出する吸気シャッター弁位置センサ105が設けられ、インタークーラ8の直下流側の吸気通路1上には、吸気温度を検出する吸気温度センサ106と吸気圧を検出する吸気圧センサ107とが設けられ、サージタンク12には、吸気マニホールド温度センサ108が設けられている。これらの、吸気系INに設けられた各種センサ101〜108は、それぞれ、検出したパラメータに対応する検出信号S101〜S108をECU60に出力する。
次に、エンジンEは、吸気通路1(詳しくは吸気マニホールド)から供給された吸気を燃焼室17内に導入する吸気バルブ15と、燃焼室17に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁20と、始動時などでの着火を確保するための補助熱源としてのグロープラグ21と、燃焼室17内での混合気の燃焼により往復運動するピストン23と、ピストン23の往復運動により回転されるクランクシャフト25と、燃焼室17内での混合気の燃焼により発生した排気ガスを排気通路41へ排出する排気バルブ27と、を有する。更に、エンジンEには、このエンジンEの出力を利用して発電するオルタネータ26が設けられている。
また、エンジンEには、エンジンEなどを冷却する冷却水の温度を検出する冷却水温度センサ109と、クランクシャフト25のクランク角度を検出するクランク角センサ110と、油圧及び/又は油温を検出する油圧/油温センサ111と、オイルレベルを検出する光学式オイルレベルセンサ112と、が設けられている。これらの、エンジンEに設けられた各種センサ109〜112は、それぞれ、検出したパラメータに対応する検出信号S109〜S112をECU60に出力する。
次に、燃料供給系FSは、燃料を貯蔵する燃料タンク30と、燃料タンク30から燃料噴射弁20に燃料を供給するための燃料供給通路38とを有する。燃料供給通路38には、上流側から順に、低圧燃料ポンプ31と、高圧燃料ポンプ33と、コモンレール35とが設けられている。また、低圧燃料ポンプ31には燃料ウォーマー32が設けられ、高圧燃料ポンプ33には燃圧レギュレータ34が設けられ、コモンレール35にはコモンレール減圧弁36が設けられている。
また、燃料供給系FSにおいては、高圧燃料ポンプ33には、燃料温度を検出する燃料温度センサ114が設けられ、コモンレール35には、燃圧を検出する燃圧センサ115が設けられている。これらの、燃料供給系FSに設けられた各種センサ114、115は、それぞれ、検出したパラメータに対応する検出信号S114、S115をECU60に出力する。
次に、排気系EXは、排気ガスが通過する排気通路41を有しており、この排気通路41上には、上流側から順に、通過する排気ガスによって回転され、この回転によって上記したようにコンプレッサ5aを駆動する、ターボ過給機5のタービン5bと、排気ガスの浄化機能を有するディーゼル酸化触媒(DOC:Diesel Oxidation Catalyst)45及びディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF:Diesel particulate filter)46と、通過する排気流量を調整する排気シャッター弁49と、が設けられている。
また、排気系EXにおいては、ターボ過給機5のタービン5bの上流側の排気通路41上には、排気圧を検出する排気圧センサ116と排気温度を検出する排気温度センサ117とが設けられ、DOC45の直上流側及びDOC45とDPF46との間には、それぞれ、排気温度を検出する排気温度センサ118、119が設けられ、DPF46には、このDPF46の上流側と下流側との排気圧の差を検出するDPF差圧センサ120が設けられ、DPF46の直下流側の排気通路41上には、酸素濃度を検出するリニアO2センサ121と排気温度を検出する排気温度センサ122とが設けられている。これらの、排気系EXに設けられた各種センサ116〜122は、それぞれ、検出したパラメータに対応する検出信号S116〜S122をECU60に出力する。
ここで、本実施形態では、ターボ過給機5は、タービン5bの全周を囲むように複数の可動式のフラップ5cが設けられ、これらのフラップ5cによりタービン5bへの排気の流通断面積(ノズル断面積)を変化させるようにした可変ジオメトリーターボチャージャー(VGT:Variable Geometry Turbocharger)として構成されている。例えば、フラップ5cは、ダイヤフラムに作用する負圧の大きさが電磁弁により調節され、アクチュエータによって回動される。また、そのようなアクチュエータの位置により、フラップ5cの開度を検出するVGT開度センサ104が設けられている。このVGT開度センサ104は、検出した開度に対応する検出信号S104をECU60に出力する。
また、本実施形態では、エンジンシステム200は、高圧EGR装置43及び低圧EGR装置48を有する。高圧EGR装置43は、ターボ過給機5のタービン5bの上流側の排気通路41とターボ過給機5のコンプレッサ5bの下流側(詳しくはインタークーラ8の下流側)の吸気通路1とを接続する高圧EGR通路43aと、高圧EGR通路43aを通過させる排気ガスの流量を調整する高圧EGRバルブ43bと、を有する。低圧EGR装置48は、ターボ過給機5のタービン5bの下流側(詳しくはDPF46の下流側で且つ排気シャッター弁49の上流側)の排気通路41とターボ過給機5のコンプレッサ5bの上流側の吸気通路1とを接続する低圧EGR通路48aと、低圧EGR通路48aを通過する排気ガスを冷却する低圧EGRクーラ48bと、低圧EGR通路48aを通過させる排気ガスの流量を調整する低圧EGRバルブ48cと、低圧EGRフィルタ48dと、を有する。
ここで、高圧EGR装置43によって吸気系INに還流される排気ガス量(以下「高圧EGRガス量」と呼ぶ。)は、排気通路41内における排気圧と、吸気シャッター弁7の開度によって作り出される吸気圧と、高圧EGRバルブ43bの開度とによって概ね決定される。また、低圧EGR装置48によって吸気系INに還流される排気ガス量(以下「低圧EGRガス量」と呼ぶ。)は、ターボ過給機5のコンプレッサ5a上流側の吸気圧と、排気シャッター弁49の開度によって作り出される排気圧と、低圧EGRバルブ48cの開度とによって概ね決定される。
次に、ECU60は、上述した各種センサ101〜122の検出信号S101〜S122に加えて、外気温を検出する外気温センサ98、大気圧を検出する大気圧センサ99、及びアクセルペダル95の開度(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ100のそれぞれが出力した検出信号S98〜S100に基づいて、エンジンシステム200内の構成要素に対する制御を行う。具体的には、ECU60は、ターボ過給機5のタービン5bにおけるフラップ5cの開度を制御すべく、このフラップ5cを駆動するアクチュエータ(不図示)に対して制御信号S130を出力する。また、ECU60は、吸気シャッター弁7の開度を制御すべく、吸気シャッター弁7を駆動するアクチュエータ(不図示)に対して制御信号S131を出力する。また、ECU60は、インタークーラ8に供給する冷却水の流量を制御すべく、電動ウォータポンプ9に対して制御信号S132を出力する。また、ECU60は、エンジンEの燃料噴射量などを制御すべく、燃料噴射弁20に制御信号S133を出力する。また、ECU60は、オルタネータ26、燃料ウォーマー32、燃圧レギュレータ34及びコモンレール減圧弁36を制御すべく、これらのそれぞれに対して制御信号S134、S135、S136、S137を出力する。また、ECU60は、高圧EGRバルブ43bの開度を制御すべく、高圧EGRバルブ43bを駆動するアクチュエータ(不図示)に対して制御信号S138を出力する。また、ECU60は、低圧EGRバルブ48cの開度を制御すべく、低圧EGRバルブ48cを駆動するアクチュエータ(不図示)に対して制御信号S139を出力する。また、ECU60は、排気シャッター弁49の開度を制御すべく、排気シャッター弁49を駆動するアクチュエータ(不図示)に対して制御信号S140を出力する。
<基本制御>
次に、図2を参照して、本発明の実施形態によるエンジンシステム200において実施される基本制御について説明する。図2は、本発明の実施形態による基本制御を示すフローチャートである。このフローでは、要求噴射量などに応じた目標酸素濃度及び目標吸気温度を実現するための制御がなされる。また、このフローは、ECU60によって所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS11では、ECU60は、上述した各種センサ98〜122が出力した検出信号S98〜S122のうちの少なくとも一以上を取得する。
次いで、ステップS12では、ECU60は、アクセル開度センサ100が検出したアクセル開度(検出信号S100に対応する)に基づいて、エンジンEから出力させるべき目標トルクを設定する。
次いで、ステップS13では、ECU60は、ステップS12で設定した目標トルクと、エンジン回転数とに基づいて、燃料噴射弁20から噴射させるべき要求噴射量を設定する。
次いで、ステップS14では、ECU60は、ステップS13で設定した要求噴射量と、エンジン回転数とに基づいて、燃料の噴射パターンと、燃圧と、目標酸素濃度と、目標吸気温度と、EGR制御モード(高圧EGR装置43及び低圧EGR装置48の両方又は一方を作動させるモード、或いは高圧EGR装置43及び低圧EGR装置48のいずれも作動させないモード)とを設定する。
次いで、ステップS15では、ECU60は、ステップS14で設定した目標酸素濃度及び目標吸気温度を実現する状態量を設定する。例えば、この状態量には、高圧EGR装置43によって吸気系INに還流させる排気ガス量(高圧EGRガス量)や、低圧EGR装置48によって吸気系INに還流させる排気ガス量(低圧EGRガス量)や、ターボ過給機5による過給圧などが含まれる。
次いで、ステップS16では、ECU60は、ステップS15で設定した状態量に基づいて、エンジンシステム200の各構成要素のそれぞれを駆動する各アクチュエータを制御する。この場合、ECU60は、状態量に応じた制限値や制限範囲を設定し、状態値が制限値や制限範囲による制限を遵守するような各アクチュエータの制御量を設定して制御を実行する。
<電動ウォータポンプ制御>
以下では、本発明の実施形態による電動ウォータポンプ制御について説明する。
最初に、本発明の実施形態による電動ウォータポンプ制御の概要について、簡単に説明する。
本実施形態では、ECU60は、本発明における「電動ウォータポンプ制御手段」として機能して、インタークーラ8の下流側に設けられた吸気温度センサ106によって検出された吸気温度である実吸気温度と所定の目標吸気温度とを比較し、実吸気温度が目標吸気温度に維持されるように、電動ウォータポンプ9を駆動してインタークーラ8に冷却水を通水する制御を行う。具体的には、ECU60は、実吸気温度が目標吸気温度を少しだけ上回っている場合には、インタークーラ8によって吸気が一気に冷却されて、インタークーラ8で凝縮水が発生してしまうことを抑制すべく、インタークーラ8に通水する単位時間当たりの冷却水流量が小さくなるように電動ウォータポンプ9を制御する。これに対して、ECU60は、実吸気温度が目標吸気温度を大きく上回っている場合には、インタークーラ8の冷却能力を上昇させて、インタークーラ8によって吸気を速やかに冷却すべく、インタークーラ8に通水する単位時間当たりの冷却水流量が大きくなるように電動ウォータポンプ9を制御する。
より詳しくは、ECU60は、実吸気温度から目標吸気温度を減算して得た温度差(以下では単に「吸気温度差」と呼ぶ。)が第1閾値未満で且つ第2閾値以上である場合(第2閾値<第1閾値であるものとする)、例えば吸気温度差が5℃以上で10℃未満である場合には、電動ウォータポンプ9の駆動と停止とを周期的に切り替える間欠駆動制御を実行する。これに対して、ECU60は、吸気温度差が第1閾値以上である場合、例えば吸気温度差が10℃以上である場合には、電動ウォータポンプ9を連続的に駆動する連続駆動制御を実行する。他方で、ECU60は、吸気温度差が第2閾値未満である場合、例えば吸気温度差が5℃未満である場合には、インタークーラ8に冷却水を通水することによるインタークーラ8の冷却能力の上昇を抑えて、インタークーラ8において吸気が大きく冷却されてしまうのを抑制すべく、電動ウォータポンプ9の駆動を停止する。
また、本実施形態では、ECU60は、エンジンEの種々の運転状態に基づいて、上述した目標吸気温度を設定する。具体的には、ECU60は、インタークーラ8で発生する凝縮水の抑制、エンジンEの失火の抑制、エンジンEで発生するスモークの抑制、及びエンジンEの出力確保(言い換えるとエンジンEの着火性確保)の観点から、電動ウォータポンプ9を駆動してインタークーラ8に冷却水を通水する制御を行う際に用いる目標吸気温度を設定する。詳しくは、ECU60は、インタークーラ8において凝縮水が発生し得る状況、及びエンジンEにおいて失火が発生し得る状況では、インタークーラ8に冷却水が供給されないように電動ウォータポンプ9を駆動させにくくするために、目標吸気温度を比較的高い温度に設定する。こうすることで、実吸気温度を低下させないようにする。他方で、ECU60は、エンジンEにおいてスモークが発生し得る状況、及びエンジンEの出力を確保すべき状況では、インタークーラ8に冷却水が供給されるように電動ウォータポンプ9を駆動させやすくするために、目標吸気温度を比較的低い温度に設定する。こうすることで、実吸気温度を低下させるようにする。
次に、図3を参照して、本発明の実施形態による電動ウォータポンプ制御の全体の流れについて具体的に説明する。図3は、本発明の実施形態による電動ウォータポンプ制御フローを示すフローチャートである。このフローは、ECU60によって所定の周期で繰り返し実行される。
まず、ステップS21では、ECU60は、各種センサから、エンジンEの運転状態を取得する。具体的には、ECU60は、アクセル開度センサ100が検出したアクセル開度と、クランク角センサ110が検出したクランク角から求まるエンジン回転数と、外気温センサ98が検出した外気温と、吸気温度センサ106が検出した吸気温度(実吸気温度)と、を取得する。また、ECU60は、燃料噴射弁20から噴射させる燃料噴射量(上述した要求噴射量でもよい)も取得する。
次いで、ステップS22では、ECU60は、ステップS21で取得したエンジンEの運転状態に基づいて、電動ウォータポンプ9の制御に用いる目標吸気温度を設定する。具体的には、ECU60は、予め作成されてメモリなどに記憶されたマップを参照して、目標吸気温度を設定する(以下ではこのマップを「目標吸気温度設定マップ」と呼ぶ)。
ここで、図4を参照して、本発明の実施形態による目標吸気温度設定マップの具体例について説明する。図4(A)は、エンジン回転数及び燃料噴射量に対して設定すべき目標吸気温度が規定された目標吸気温度設定マップを3次元マップとして表した図であり、図4(B)は、エンジン回転数及び燃料噴射量に対して設定すべき目標吸気温度の数値が規定された目標吸気温度設定マップをテーブルとして表した図である。
図4(A)及び(B)に示すように、目標吸気温度設定マップにおいては、エンジンEの高負荷領域では、具体的にはエンジン回転数及び燃料噴射量が大きい領域では、目標吸気温度が比較的低い温度に設定されている。こうしているのは、エンジンEへの吸気の充填量を確保するためである。つまり、エンジンEの高負荷領域では、エンジンEの出力の確保、及びエンジンEで発生するスモークの抑制を優先することとし、電動ウォータポンプ9を駆動させやすくするために目標吸気温度を比較的低い温度に設定することにより、インタークーラ8に冷却水を供給して吸気温度を低下させるようにしている。
他方で、目標吸気温度設定マップにおいては、エンジンEの中負荷領域では、具体的には図4(B)中の矢印A1で示すような領域では、目標吸気温度が比較的高い温度に設定されている。こうしているのは、インタークーラ8で発生する凝縮水を抑制するためである。図4(B)中の矢印A1で示す領域は、低圧EGRガス量が多い領域に相当するため、この領域では、インタークーラ8の上流に還流される排気ガス量が多いので、排気ガスを含む吸気がインタークーラ8で冷却された際に、インタークーラ8において排気ガス中の水蒸気が結露して凝縮水が発生する可能性が高い。そのため、当該領域では、インタークーラ8で発生する凝縮水の抑制を優先することとして、電動ウォータポンプ9を駆動させにくくするために目標吸気温度を比較的高い温度に設定することにより、インタークーラ8への冷却水の供給を抑えて吸気温度を低下させないようにしている。
ここで、図5を参照して、上述した低圧EGRガス量が多い領域について説明する。図5(A)は、横軸にエンジン回転数を示し、縦軸に燃料噴射量を示しており、高圧EGR装置43及び低圧EGR装置48を作動させる領域を概略的に示している。具体的には、領域R1は、高圧EGR装置43のみを作動させる領域を示しており、領域R2は、高圧EGR装置43及び低圧EGR装置48の両方を作動させる領域を示しており、領域R3は、低圧EGR装置48のみを作動させる領域を示しており、領域R4は、高圧EGR装置43及び低圧EGR装置48を両方とも作動させない領域を示している。
図5(B)は、図5(A)中のエンジン回転数N1での燃料噴射量とEGRガス量との関係を例示している。図5(B)において、領域R5は、燃料噴射量と高圧EGR装置43によって還流されるEGRガス量(高圧EGRガス量)との関係を示しており、領域R6は、燃料噴射量と低圧EGR装置48によって還流されるEGRガス量(低圧EGRガス量)との関係を示している。これより、燃料噴射量Q1において、低圧EGRガス量が最大となることがわかる。
このようなことから、エンジン回転数及び燃料噴射量によって低圧EGR装置48を作動させる領域が規定されると共に、エンジン回転数及び燃料噴射量によって、低圧EGR装置48の作動時における低圧EGRガス量が変わることがわかる。そのため、低圧EGRガス量が多い領域を、エンジン回転数及び燃料噴射量によって規定することができる、つまり、エンジン回転数及び燃料噴射量によって規定される領域と対応付けることができる。したがって、本実施形態では、目標吸気温度設定マップをエンジン回転数及び燃料噴射量によって規定すると共に、低圧EGRガス量が多い領域をエンジン回転数及び燃料噴射量によって規定し、そのようなエンジン回転数及び燃料噴射量によって規定された、低圧EGRガス量が多い領域において、比較的高い目標吸気温度が決定されるように目標吸気温度設定マップを設定した(図4参照)。
なお、図4に示した目標吸気温度設定マップは、或る外気温(例えば25℃)で用いる1つのマップを示しており、実際には、種々の外気温に対応付けられた複数の目標吸気温度設定マップが用意される。具体的には、この複数の目標吸気温度設定マップは、外気温が高くなるほど目標吸気温度が低い温度となるように規定されている。こうしているのは、外気温が高くなるほど、飽和水蒸気量が大きくなり、新気に含まれる水分量が多くなるため、インタークーラ8において凝縮水が発生しやすいからである。そのため、外気温が高い場合には、インタークーラ8で発生する凝縮水の抑制を優先することとして、電動ウォータポンプ9を駆動させにくくするために目標吸気温度を比較的高い温度に設定して、インタークーラ8への冷却水の供給を抑えて吸気温度を低下させないようにしている。
好適には、外気温が所定温度未満の領域では、目標吸気温度が一定であり(つまり外気温に応じて目標吸気温度が変化しない)、外気温が所定温度以上の領域では、外気温が高くなるほど目標吸気温度が低い温度となるように、上記した複数の目標吸気温度設定マップを規定するとよい。
本実施形態では、ECU60は、図3のフローのステップS22において、上述したような目標吸気温度設定マップを参照して、現在のエンジン回転数、燃料噴射量及び外気温に対応する目標吸気温度を設定する。具体的には、ECU60は、複数の目標吸気温度設定マップの中から、現在の外気温に応じた目標吸気温度設定マップを選択し、この目標吸気温度設定マップを参照して、現在のエンジン回転数及び燃料噴射量に対応する目標吸気温度を設定する。この場合、現在の外気温に対応する目標吸気温度設定マップが存在しなければ、現在の外気温に最も近い温度に対応する2つの目標吸気温度設定マップを選択し、それらの目標吸気温度設定マップのそれぞれから得られた目標吸気温度を線形補間することで、現在の外気温に対応する目標吸気温度を求めるとよい。
なお、燃料噴射量に基づいて目標吸気温度設定マップを規定することに限定はされず、燃料噴射量の代わりにエンジントルクに基づいて目標吸気温度設定マップを規定してもよい。その場合、現在の燃料噴射量の代わりに、現在のエンジントルクに基づいて、目標吸気温度設定マップから目標吸気温度を設定すればよい。
図3に戻って、ステップS23以降の処理について説明する。ステップS23では、ECU60は、吸気温度センサ106によって検出された吸気温度(実吸気温度)から目標吸気温度を減算して得た吸気温度差が第1閾値(例えば10℃)以上であるか否かを判定する。吸気温度差が第1閾値以上である場合(ステップS23:Yes)、ステップS24に進み、ECU60は、インタークーラ8の冷却能力を上昇させて、インタークーラ8によって吸気を速やかに冷却すべく、電動ウォータポンプ9を連続的に駆動する連続駆動制御を実行する。つまり、ECU60は、電動ウォータポンプ9を継続的にオンにする制御を実行する。
他方で、吸気温度差が第1閾値未満である場合(ステップS23:No)、ステップS25に進み、ECU60は、吸気温度差が第2閾値(例えば5℃)以上であるか否かを判定する。吸気温度差が第2閾値以上である場合(ステップS25:Yes)、ステップS26に進み、ECU60は、インタークーラ8によって吸気が一気に冷却されて、インタークーラ8で凝縮水が発生してしまうことを抑制すべく、電動ウォータポンプ9の駆動と停止とを周期的に切り替える間欠駆動制御を実行する。つまり、ECU60は、所定のデューティ比を用いて、電動ウォータポンプ9に対する通電のオンとオフとを周期的に切り替える制御を実行する。
他方で、吸気温度差が第2閾値未満である場合(ステップS25:No)、ステップS27に進み、ECU60は、インタークーラ8に冷却水を通水することによるインタークーラ8の冷却能力の上昇を抑えて、インタークーラ8において吸気が大きく冷却されてしまうのを抑制すべく、電動ウォータポンプ9の駆動を停止する。
次に、図6を参照して、本発明の実施形態による電動ウォータポンプ制御におけるタイムチャートについて説明する。図6は、本発明の実施形態による電動ウォータポンプ制御を実行した場合のタイムチャートの一例を示している。
図6は、上のグラフに、実吸気温度の時間変化を示し、下のグラフに、電動ウォータポンプ9の駆動デューティ(%)の時間変化を示している。具体的には、上のグラフにおいて、符号Trを付したラインは目標吸気温度を示し、符号Th1を付したラインは目標吸気温度Trに第1閾値(例えば10℃)を加算した温度を示し、符号Th2を付したラインは目標吸気温度Trに第2閾値(例えば5℃)を加算した温度を示している。なお、ここでは、説明の便宜上、アクセル開度及び車速が一定であるために、設定された目標吸気温度Trが一定である場合を例に挙げる。
まず、時刻t1において、ECU60は、実吸気温度が温度Th2以上で且つ温度Th1未満となるため、つまり実吸気温度から目標吸気温度Trを減算して得た吸気温度差が第2閾値以上で且つ第1閾値未満となるため、電動ウォータポンプ9の間欠駆動制御を開始する。例えば、ECU60は、駆動デューティが50(%)で1.5(sec)の幅を有するパルスを4.0(sec)間隔で周期的に電動ウォータポンプ9に付与する制御を行う。この後、時刻t2において、ECU60は、実吸気温度が温度Th2を下回るため、詳しくは温度Th2よりも所定温度(例えば3℃)だけ低い温度を実吸気温度が下回るため、電動ウォータポンプ9の間欠駆動制御を終了する、つまり電動ウォータポンプ9の駆動を停止する。このように、制御を開始する際の判定温度と制御を終了する際の判定温度とを異ならせることで(つまりヒステリシスを設けることで)、制御のハンチングを防止している。
次に、時刻t3から時刻t4までの期間でも、時刻t1から時刻t2までの期間と同様に、ECU60は、電動ウォータポンプ9の間欠駆動制御を実行する。この後、時刻t5から電動ウォータポンプ9の間欠駆動制御を再び実行している際に、時刻t6において、実吸気温度が温度Th1以上となるため、つまり実吸気温度から目標吸気温度Trを減算して得た吸気温度差が第1閾値以上となるため、ECU60は、電動ウォータポンプ9の連続駆動制御を実行する。例えば、ECU60は、95(%)の駆動デューティで電動ウォータポンプ9を連続的に制御する。なお、電動ウォータポンプ9の連続駆動制御についても、制御を開始する際の判定温度と制御を終了する際の判定温度とを異ならせることで(つまりヒステリシスを設けることで)、制御のハンチングを防止するとよい。
なお、上述した実施形態では、第2閾値として0℃よりも大きな温度(例えば5℃)を用いていたが、変形例では、第2閾値として0℃を用いてもよい。言い換えると、変形例では、第2閾値を用いずに、第1閾値のみを用いてもよい。その場合には、実吸気温度から目標吸気温度を減算して得た吸気温度差が第1閾値以上である場合には、電動ウォータポンプ9の連続駆動制御を実行し、実吸気温度が目標吸気温度以上で且つ吸気温度差が第1閾値未満である場合には、電動ウォータポンプ9の間欠駆動制御を実行し、実吸気温度が目標吸気温度未満である場合には、電動ウォータポンプ9の駆動を停止すればよい。
<作用効果>
次に、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置の作用効果について説明する。
本実施形態によれば、実吸気温度が目標吸気温度を少しだけ上回っている場合、具体的には実吸気温度と目標吸気温度との吸気温度差が第1閾値未満である場合には、インタークーラ8に通水する単位時間当たりの冷却水流量が小さくなるように電動ウォータポンプ9を制御するので、インタークーラ8において吸気が一気に冷却されて、吸気に含まれる水蒸気(詳しくは低圧EGR装置48によって吸気系INに還流された排気ガスに含まれる水蒸気)が露点温度以下となり凝縮水が発生してしまうことを抑制することができる、つまりインタークーラ8において結露が発生してしまうことを抑制することができる。特に、本実施形態では、実吸気温度が目標吸気温度を少しだけ上回っている場合に、電動ウォータポンプ9の駆動と停止とを繰り返し切り替える間欠駆動制御を実行するので、小さな冷却水流量にてインタークーラ8に通水することが適切に実現され、インタークーラ8において吸気温度が急低下してしまうことを効果的に抑制することができる。
具体的には、上記の間欠駆動制御では、所定時間(例えば、図6の時刻t1から時刻t2まで)、電動ウォータポンプ9を駆動してインタークーラ8に小さな冷却水流量を流し(以下、単に「駆動期間」と呼ぶ)、その後所定時間(例えば、図6の時刻t2から時刻t3まで)電動ウォータポンプ9の駆動を停止して冷却水を流すことを止める(以下、単に「停止期間」と呼ぶ)ことを繰り返すので、インタークーラ8において吸気温度が急低下してしまうことを効果的に抑制することができる。電動ウォータポンプ9の駆動により吸気温度が下がることになるが、このように吸気温度が下がったことが吸気温度センサ106の検出値に現れるまでには時間遅れが存在する。この間欠駆動制御においては、電動ウォータポンプ9の駆動期間の後に、停止期間が設けられ、駆動期間中の吸気温度低下の影響が、吸気温度センサ106に現れるまで待った後に、次の電動ウォータポンプ9の駆動を行うようにしているため、このような時間遅れに起因して、必要以上の冷却水流量がインタークーラ8に通水されて、吸気温度が冷やされることを効果的に抑制することができる。
また、本実施形態によれば、吸気温度差が第1閾値以上である場合には、電動ウォータポンプ9の連続駆動制御を実行し、吸気温度差が第1閾値未満で、且つ第1閾値よりも小さい第2閾値以上である場合には、電動ウォータポンプ9の間欠駆動制御を実行し、吸気温度差が第2閾値未満である場合には、電動ウォータポンプ9を停止するので、インタークーラ8での凝縮水の発生を抑制しつつ、実吸気温度を目標吸気温度に適切に収束させることができる。
また、本実施形態によれば、上記したように電動ウォータポンプ9を制御する際に用いる目標吸気温度を、低圧EGRガス量が多いほど高い温度に設定するので、凝縮水が発生しやすい低圧EGRガス量が多い領域において、電動ウォータポンプ9を駆動させにくくして、インタークーラ8への冷却水の供給を抑制することができ、インタークーラ8での凝縮水の発生を適切に抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、外気温が高いほど目標吸気温度を高い温度に設定するので、凝縮水が発生しやすい外気温が高い状況において、電動ウォータポンプ9を駆動させにくくして、インタークーラ8への冷却水の供給を抑制することができ、インタークーラ8での凝縮水の発生を適切に抑制することが可能となる。
1 吸気通路
5 ターボ過給機
5a コンプレッサ
5b タービン
8 インタークーラ
9 電動ウォータポンプ
41 排気通路
43 高圧EGR装置
48 低圧EGR装置
60 ECU
106 吸気温度センサ
200 エンジンシステム
E エンジン

Claims (6)

  1. エンジンの制御装置であって、
    エンジンの吸気通路上に設けられ、吸気を冷却するインタークーラであって、通水された冷却水を用いて吸気を冷却する水冷式の上記インタークーラと、
    上記インタークーラに通水する冷却水の流量を制御する電動ウォータポンプと、
    エンジンの排気通路内の排気ガスを上記インタークーラの上流側の吸気通路に還流させるEGR装置と、
    上記インタークーラの下流側の吸気通路上に設けられ、この吸気通路を通過する吸気の温度である実吸気温度を検出する吸気温度センサと、
    上記実吸気温度が所定の目標吸気温度に維持されるように、上記電動ウォータポンプを駆動して上記インタークーラに冷却水を通水する制御を行う電動ウォータポンプ制御手段と、を有し、
    上記電動ウォータポンプ制御手段は、上記実吸気温度が上記目標吸気温度以上である場合において、上記実吸気温度から上記目標吸気温度を減算して得た温度差が第1閾値未満である場合には、上記温度差が上記第1閾値以上である場合よりも、上記インタークーラに通水する単位時間当たりの冷却水流量が小さくなるように上記電動ウォータポンプを制御する、ことを特徴とするエンジンの制御装置。
  2. 上記電動ウォータポンプ制御手段は、上記温度差が上記第1閾値未満である場合には、上記電動ウォータポンプの駆動と停止とを繰り返し切り替える間欠駆動制御を実行する、請求項1に記載のエンジンの制御装置。
  3. 上記電動ウォータポンプ制御手段は、
    上記温度差が上記第1閾値以上である場合には、上記電動ウォータポンプを連続的に駆動する連続駆動制御を実行し、
    上記温度差が上記第1閾値未満で、且つ上記第1閾値よりも小さい第2閾値以上である場合には、上記間欠駆動制御を実行し、
    上記温度差が上記第2閾値未満である場合には、上記電動ウォータポンプを停止する、請求項2に記載のエンジンの制御装置。
  4. 上記目標吸気温度は、上記EGR装置によって還流される排気ガス量が多いほど、高い温度に設定される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエンジンの制御装置。
  5. 上記目標吸気温度は、外気温が高いほど、高い温度に設定される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のエンジンの制御装置。
  6. エンジンの制御装置であって、
    エンジンの吸気通路上に設けられ、吸気を冷却するインタークーラであって、通水された冷却水を用いて吸気を冷却する水冷式の上記インタークーラと、
    上記インタークーラに通水する冷却水の流量を制御する電動ウォータポンプと、
    エンジンの排気通路内の排気ガスを上記インタークーラの上流側の吸気通路に還流させるEGR装置と、
    上記インタークーラの下流側の吸気通路上に設けられ、この吸気通路を通過する吸気の温度である実吸気温度を検出する吸気温度センサと、
    上記実吸気温度が所定の目標吸気温度に維持されるように、上記電動ウォータポンプを駆動して上記インタークーラに冷却水を通水する制御を行う電動ウォータポンプ制御手段と、を有し、
    上記目標吸気温度は、上記EGR装置によって還流される排気ガス量が多いほど、高い温度に設定される、ことを特徴とするエンジンの制御装置。
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