JP2016065508A - エンジンの制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
このように構成された本発明においては、実吸気温度が目標吸気温度以上である場合において、実吸気温度から目標吸気温度を減算して得た温度差が第1閾値未満である場合には(つまり実吸気温度が目標吸気温度を少しだけ上回っている場合)、温度差が第1閾値以上である場合(つまり実吸気温度が目標吸気温度を大きく上回っている場合)よりも、インタークーラに通水する単位時間当たりの冷却水流量が小さくなるように電動ウォータポンプを制御する。これにより、インタークーラにおいて吸気が一気に冷却されて、吸気に含まれる水蒸気(詳しくはEGR装置によって吸気系に還流された排気ガスに含まれる水蒸気)が露点温度以下となり、凝縮水が発生してしまうことを抑制することができる、つまりインタークーラ8において結露が発生してしまうことを抑制することができる。
このように構成された本発明においては、電動ウォータポンプに対する駆動制御によって、小さな冷却水流量にてインタークーラに通水することを適切に実現することができる。これにより、インタークーラにおいて吸気温度が急低下して凝縮水が発生してしまうことを適切に抑制することができる。
このように構成された本発明においては、吸気温度差が第1閾値以上である場合には、電動ウォータポンプの連続駆動制御を実行し、吸気温度差が第1閾値未満で且つ第2閾値(<第1閾値)以上である場合には、電動ウォータポンプの間欠駆動制御を実行し、吸気温度差が第2閾値未満である場合には、電動ウォータポンプを停止するので、インタークーラでの凝縮水の発生を抑制しつつ、実吸気温度を目標吸気温度に適切に収束させることができる。
このように構成された本発明においては、上記したように電動ウォータポンプを制御する際に用いる目標吸気温度を、EGRガス量が多いほど高い温度に設定するので、凝縮水が発生しやすいEGRガス量が多い領域において、電動ウォータポンプを駆動させにくくして、インタークーラへの冷却水の供給を抑制することができ、インタークーラでの凝縮水の発生を効果的に抑制することが可能となる。
このように構成された本発明においては、外気温が高いほど目標吸気温度を高い温度に設定するので、凝縮水が発生しやすい外気温が高い状況において、電動ウォータポンプを駆動させにくくして、インタークーラへの冷却水の供給を抑制することができ、インタークーラでの凝縮水の発生を効果的に抑制することが可能となる。
このように構成された本発明においては、電動ウォータポンプを制御する際に用いる目標吸気温度を、EGRガス量が多いほど高い温度に設定するので、凝縮水が発生しやすいEGRガス量が多い領域において、電動ウォータポンプを駆動させにくくして、インタークーラへの冷却水の供給を抑制することができ、インタークーラでの凝縮水の発生を効果的に抑制することが可能となる。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置が適用されたエンジンシステムについて説明する。図1は、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置が適用されたエンジンシステムの概略構成図である。
また、吸気系INにおいては、エアクリーナ3の直下流側の吸気通路1上には、吸入空気量を検出するエアフローセンサ101と吸気温度を検出する吸気温度センサ102とが設けられ、ターボ過給機5のコンプレッサ5aには、このコンプレッサ5aの回転数を検出するターボ回転数センサ103が設けられ、吸気シャッター弁7には、この吸気シャッター弁7の開度を検出する吸気シャッター弁位置センサ105が設けられ、インタークーラ8の直下流側の吸気通路1上には、吸気温度を検出する吸気温度センサ106と吸気圧を検出する吸気圧センサ107とが設けられ、サージタンク12には、吸気マニホールド温度センサ108が設けられている。これらの、吸気系INに設けられた各種センサ101〜108は、それぞれ、検出したパラメータに対応する検出信号S101〜S108をECU60に出力する。
また、エンジンEには、エンジンEなどを冷却する冷却水の温度を検出する冷却水温度センサ109と、クランクシャフト25のクランク角度を検出するクランク角センサ110と、油圧及び/又は油温を検出する油圧/油温センサ111と、オイルレベルを検出する光学式オイルレベルセンサ112と、が設けられている。これらの、エンジンEに設けられた各種センサ109〜112は、それぞれ、検出したパラメータに対応する検出信号S109〜S112をECU60に出力する。
また、燃料供給系FSにおいては、高圧燃料ポンプ33には、燃料温度を検出する燃料温度センサ114が設けられ、コモンレール35には、燃圧を検出する燃圧センサ115が設けられている。これらの、燃料供給系FSに設けられた各種センサ114、115は、それぞれ、検出したパラメータに対応する検出信号S114、S115をECU60に出力する。
また、排気系EXにおいては、ターボ過給機5のタービン5bの上流側の排気通路41上には、排気圧を検出する排気圧センサ116と排気温度を検出する排気温度センサ117とが設けられ、DOC45の直上流側及びDOC45とDPF46との間には、それぞれ、排気温度を検出する排気温度センサ118、119が設けられ、DPF46には、このDPF46の上流側と下流側との排気圧の差を検出するDPF差圧センサ120が設けられ、DPF46の直下流側の排気通路41上には、酸素濃度を検出するリニアO2センサ121と排気温度を検出する排気温度センサ122とが設けられている。これらの、排気系EXに設けられた各種センサ116〜122は、それぞれ、検出したパラメータに対応する検出信号S116〜S122をECU60に出力する。
ここで、高圧EGR装置43によって吸気系INに還流される排気ガス量(以下「高圧EGRガス量」と呼ぶ。)は、排気通路41内における排気圧と、吸気シャッター弁7の開度によって作り出される吸気圧と、高圧EGRバルブ43bの開度とによって概ね決定される。また、低圧EGR装置48によって吸気系INに還流される排気ガス量(以下「低圧EGRガス量」と呼ぶ。)は、ターボ過給機5のコンプレッサ5a上流側の吸気圧と、排気シャッター弁49の開度によって作り出される排気圧と、低圧EGRバルブ48cの開度とによって概ね決定される。
次に、図2を参照して、本発明の実施形態によるエンジンシステム200において実施される基本制御について説明する。図2は、本発明の実施形態による基本制御を示すフローチャートである。このフローでは、要求噴射量などに応じた目標酸素濃度及び目標吸気温度を実現するための制御がなされる。また、このフローは、ECU60によって所定の周期で繰り返し実行される。
次いで、ステップS12では、ECU60は、アクセル開度センサ100が検出したアクセル開度(検出信号S100に対応する)に基づいて、エンジンEから出力させるべき目標トルクを設定する。
次いで、ステップS13では、ECU60は、ステップS12で設定した目標トルクと、エンジン回転数とに基づいて、燃料噴射弁20から噴射させるべき要求噴射量を設定する。
次いで、ステップS14では、ECU60は、ステップS13で設定した要求噴射量と、エンジン回転数とに基づいて、燃料の噴射パターンと、燃圧と、目標酸素濃度と、目標吸気温度と、EGR制御モード(高圧EGR装置43及び低圧EGR装置48の両方又は一方を作動させるモード、或いは高圧EGR装置43及び低圧EGR装置48のいずれも作動させないモード)とを設定する。
次いで、ステップS15では、ECU60は、ステップS14で設定した目標酸素濃度及び目標吸気温度を実現する状態量を設定する。例えば、この状態量には、高圧EGR装置43によって吸気系INに還流させる排気ガス量(高圧EGRガス量)や、低圧EGR装置48によって吸気系INに還流させる排気ガス量(低圧EGRガス量)や、ターボ過給機5による過給圧などが含まれる。
次いで、ステップS16では、ECU60は、ステップS15で設定した状態量に基づいて、エンジンシステム200の各構成要素のそれぞれを駆動する各アクチュエータを制御する。この場合、ECU60は、状態量に応じた制限値や制限範囲を設定し、状態値が制限値や制限範囲による制限を遵守するような各アクチュエータの制御量を設定して制御を実行する。
以下では、本発明の実施形態による電動ウォータポンプ制御について説明する。
図5(B)は、図5(A)中のエンジン回転数N1での燃料噴射量とEGRガス量との関係を例示している。図5(B)において、領域R5は、燃料噴射量と高圧EGR装置43によって還流されるEGRガス量(高圧EGRガス量)との関係を示しており、領域R6は、燃料噴射量と低圧EGR装置48によって還流されるEGRガス量(低圧EGRガス量)との関係を示している。これより、燃料噴射量Q1において、低圧EGRガス量が最大となることがわかる。
このようなことから、エンジン回転数及び燃料噴射量によって低圧EGR装置48を作動させる領域が規定されると共に、エンジン回転数及び燃料噴射量によって、低圧EGR装置48の作動時における低圧EGRガス量が変わることがわかる。そのため、低圧EGRガス量が多い領域を、エンジン回転数及び燃料噴射量によって規定することができる、つまり、エンジン回転数及び燃料噴射量によって規定される領域と対応付けることができる。したがって、本実施形態では、目標吸気温度設定マップをエンジン回転数及び燃料噴射量によって規定すると共に、低圧EGRガス量が多い領域をエンジン回転数及び燃料噴射量によって規定し、そのようなエンジン回転数及び燃料噴射量によって規定された、低圧EGRガス量が多い領域において、比較的高い目標吸気温度が決定されるように目標吸気温度設定マップを設定した(図4参照)。
好適には、外気温が所定温度未満の領域では、目標吸気温度が一定であり(つまり外気温に応じて目標吸気温度が変化しない)、外気温が所定温度以上の領域では、外気温が高くなるほど目標吸気温度が低い温度となるように、上記した複数の目標吸気温度設定マップを規定するとよい。
なお、燃料噴射量に基づいて目標吸気温度設定マップを規定することに限定はされず、燃料噴射量の代わりにエンジントルクに基づいて目標吸気温度設定マップを規定してもよい。その場合、現在の燃料噴射量の代わりに、現在のエンジントルクに基づいて、目標吸気温度設定マップから目標吸気温度を設定すればよい。
次に、本発明の実施形態によるエンジンの制御装置の作用効果について説明する。
具体的には、上記の間欠駆動制御では、所定時間(例えば、図6の時刻t1から時刻t2まで)、電動ウォータポンプ9を駆動してインタークーラ8に小さな冷却水流量を流し(以下、単に「駆動期間」と呼ぶ)、その後所定時間(例えば、図6の時刻t2から時刻t3まで)電動ウォータポンプ9の駆動を停止して冷却水を流すことを止める(以下、単に「停止期間」と呼ぶ)ことを繰り返すので、インタークーラ8において吸気温度が急低下してしまうことを効果的に抑制することができる。電動ウォータポンプ9の駆動により吸気温度が下がることになるが、このように吸気温度が下がったことが吸気温度センサ106の検出値に現れるまでには時間遅れが存在する。この間欠駆動制御においては、電動ウォータポンプ9の駆動期間の後に、停止期間が設けられ、駆動期間中の吸気温度低下の影響が、吸気温度センサ106に現れるまで待った後に、次の電動ウォータポンプ9の駆動を行うようにしているため、このような時間遅れに起因して、必要以上の冷却水流量がインタークーラ8に通水されて、吸気温度が冷やされることを効果的に抑制することができる。
5 ターボ過給機
5a コンプレッサ
5b タービン
8 インタークーラ
9 電動ウォータポンプ
41 排気通路
43 高圧EGR装置
48 低圧EGR装置
60 ECU
106 吸気温度センサ
200 エンジンシステム
E エンジン
Claims (6)
- エンジンの制御装置であって、
エンジンの吸気通路上に設けられ、吸気を冷却するインタークーラであって、通水された冷却水を用いて吸気を冷却する水冷式の上記インタークーラと、
上記インタークーラに通水する冷却水の流量を制御する電動ウォータポンプと、
エンジンの排気通路内の排気ガスを上記インタークーラの上流側の吸気通路に還流させるEGR装置と、
上記インタークーラの下流側の吸気通路上に設けられ、この吸気通路を通過する吸気の温度である実吸気温度を検出する吸気温度センサと、
上記実吸気温度が所定の目標吸気温度に維持されるように、上記電動ウォータポンプを駆動して上記インタークーラに冷却水を通水する制御を行う電動ウォータポンプ制御手段と、を有し、
上記電動ウォータポンプ制御手段は、上記実吸気温度が上記目標吸気温度以上である場合において、上記実吸気温度から上記目標吸気温度を減算して得た温度差が第1閾値未満である場合には、上記温度差が上記第1閾値以上である場合よりも、上記インタークーラに通水する単位時間当たりの冷却水流量が小さくなるように上記電動ウォータポンプを制御する、ことを特徴とするエンジンの制御装置。 - 上記電動ウォータポンプ制御手段は、上記温度差が上記第1閾値未満である場合には、上記電動ウォータポンプの駆動と停止とを繰り返し切り替える間欠駆動制御を実行する、請求項1に記載のエンジンの制御装置。
- 上記電動ウォータポンプ制御手段は、
上記温度差が上記第1閾値以上である場合には、上記電動ウォータポンプを連続的に駆動する連続駆動制御を実行し、
上記温度差が上記第1閾値未満で、且つ上記第1閾値よりも小さい第2閾値以上である場合には、上記間欠駆動制御を実行し、
上記温度差が上記第2閾値未満である場合には、上記電動ウォータポンプを停止する、請求項2に記載のエンジンの制御装置。 - 上記目標吸気温度は、上記EGR装置によって還流される排気ガス量が多いほど、高い温度に設定される、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のエンジンの制御装置。
- 上記目標吸気温度は、外気温が高いほど、高い温度に設定される、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のエンジンの制御装置。
- エンジンの制御装置であって、
エンジンの吸気通路上に設けられ、吸気を冷却するインタークーラであって、通水された冷却水を用いて吸気を冷却する水冷式の上記インタークーラと、
上記インタークーラに通水する冷却水の流量を制御する電動ウォータポンプと、
エンジンの排気通路内の排気ガスを上記インタークーラの上流側の吸気通路に還流させるEGR装置と、
上記インタークーラの下流側の吸気通路上に設けられ、この吸気通路を通過する吸気の温度である実吸気温度を検出する吸気温度センサと、
上記実吸気温度が所定の目標吸気温度に維持されるように、上記電動ウォータポンプを駆動して上記インタークーラに冷却水を通水する制御を行う電動ウォータポンプ制御手段と、を有し、
上記目標吸気温度は、上記EGR装置によって還流される排気ガス量が多いほど、高い温度に設定される、ことを特徴とするエンジンの制御装置。
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2014
- 2014-09-25 JP JP2014195413A patent/JP2016065508A/ja active Pending
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