JP2016064734A - 報知音出力装置、報知音出力方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車両の室内で再生される楽曲を、運転者による設定に応じた増幅率で増幅して音響機器に出力する。そして、楽曲の再生中に報知音を出力する場合には、増幅率を取得して、増幅率を低減または楽曲の出力を遮断させた後、取得した増幅率に基づいて決定した音量で報知音を報知音出力部から出力させる。こうすれば、運転者による設定に応じた増幅率には運転環境音の大きさが反映されているので、運転環境音の大きさを実際に計測しなくても、運転環境音の大きさに応じて報知音の音量を適切に設定することができる。その結果、運転環境音の大きさが変化しても、運転環境音に報知音が紛れてしまうことがなく、報知音を運転者に確実に聞き取らせることが可能となる。
【選択図】図3
Description
尚、本発明における「楽曲」は、メロディーだけでもよいし、音声だけでもよいし、メロディーと音声(歌唱)の両方を含んでいてもよい。また、本発明における「報知音」は、所定の警報音でもよいし、音声でもよいし、メロディーでもよいし、これらの組み合わせでもよい。
楽曲を再生する音響機器(18)を搭載した車両(1)に適用されて、該車両の運転者に報知音を出力する報知音出力装置(10)であって、
前記報知音を出力する報知音出力部(20)と、
前記車両の室内で再生される前記楽曲を、運転者による設定に応じた増幅率で増幅して前記音響機器に出力する増幅部(15)と、
前記楽曲の再生中に前記報知音を出力する場合には、前記増幅率を取得して、該増幅率に基づいて決定した音量で前記報知音を前記報知音出力部から出力させる出力制御部(14)と
を備える報知音出力装置。
A.装置構成 :
図1には、本実施例の報知音出力装置10の構成が示されている。図示されるように、車両1に搭載された本実施例の報知音出力装置10は、情報取得部11と、出力制御部14と、楽曲用アンプ15と、楽曲用スピーカー18と、報知音用アンプ19と、報知音用スピーカー20などを備えている。
尚、情報取得部11および出力制御部14は、報知音出力装置10の機能に着目して概念的に分類したものであり、それぞれが必ずしも物理的に独立して存在している必要はない。これらは、各種の機器や、電子部品、集積回路、コンピューター、コンピュータープログラム、あるいはそれらの組み合わせなどによって構成することができる。
情報取得部11は、レーダー12が検出した物標情報、および車速センサー13が検出した車速に基づいて、車両1が衝突する可能性がある衝突対象物の有無や、車両1が衝突対象物に衝突するまでの時間(衝突余裕時間)といった情報を取得する。
楽曲用アンプ15は、楽曲再生装置16から出力された楽曲のデータ信号を、ボリュームスイッチ17の設定に応じた増幅率で増幅して楽曲用スピーカー18に出力することで、楽曲用スピーカー18から設定の再生音量で楽曲を再生させる。
尚、本実施例では、楽曲用アンプ15が本発明の「増幅部」に相当し、楽曲用スピーカー18が本発明の「音響機器」に相当している。
尚、本実施例の報知音用スピーカー20は、本発明の「報知音出力部」に相当している。また、「報知音出力部」としては、報知音を出力可能であれば、スピーカーに限られず、ベルやブザーであってもよい。
図2には、本実施例の報知音出力装置10で実行される報知音出力制御処理のフローチャートが示されている。
報知音出力制御処理(S100)を開始すると、まず、レーダー12が捉えた物標情報を取得し(S101)、その取得した物標情報に基づいて、車両1の周囲に衝突対象物(衝突する可能性がある対象物)が存在するか否かを判断する(S102)。本実施例では、衝突対象物の存在を報知音で運転者に報知するようになっている。
尚、衝突対象物の検出はレーダー12によるものに限られず、例えば、音波で検出するソナーや、光で検出するレーザーセンサーであってもよい。また、カメラの撮影画像から衝突対象物を検出してもよい。
車両1の運転中は、車両1の周囲の騒音や車両1の駆動音や走行音といった運転環境音の大きさが変化することから、運転環境音が大きい状況では、運転者がボリューム設定値を大きくすることで、楽曲を聞き易い再生音量に設定することが可能である。
一方、ボリュームスイッチ17が操作されていない場合は(S103:no)、楽曲の増幅率を維持するので、S104の処理を省略して報知音出力制御処理の先頭に戻り、レーダー12の物標情報を再び取得する(S101)。
ただし、報知音の音量には、下限として所定の閾値が定められており、楽曲の再生音量に所定量を上乗せしても閾値に満たなければ、報知音の音量は閾値に設定される。このため、楽曲の再生音量が絞られていても(閾値より小さくても)、報知音の音量が閾値よりも小さくなることはない。
また、この場合には、車速に応じた傾きに従って定められた楽曲の再生音量に対して所定量を上乗せした音量を報知音の音量として設定すればよい。
尚、楽曲を完全に消音する(データ信号の出力を遮断する)のではなく、楽曲の音量を低減する(データ信号の増幅率を低減する)ことで、運転者の報知音の聞き取り易さを向上させてもよい。
尚、報知音は、所定の警報音であってもよいし、「注意して下さい」などの音声であってもよい。また、報知音として所定の警報音を出力する場合は、連続音であってもよいし、断続音であってもよい。さらに、衝突余裕時間の長さに応じて報知音の種類や、断続音の間隔を異ならせてもよい。
S114の処理は、S109で一旦減少させていき遮断した楽曲のデータ信号の増幅率を増加させることで行われ、ボリューム設定値に応じた増幅率まで楽曲のデータ信号を増幅させて、楽曲の再生音量を消音する前の再生音量に復帰させる。また、楽曲の再生音量を復帰させる際には、消音した際とは逆に、フェードインさせる。
こうして楽曲の再生音量を復帰させると、報知音出力制御処理の先頭に戻って、上述した一連の処理を繰り返す。
前述したように楽曲の再生音量は、運転者がボリュームスイッチ17を操作することで変更することが可能である。また、車両1の運転中は運転環境音(車両1の周囲の騒音や車両1の駆動音や走行音など)の大きさが変化する。そのため、運転者は、楽曲を聞き易いように運転環境音の大きさに応じて楽曲の再生音量の設定(ボリューム設定値)を変更し、特に、運転環境音が大きい状況では、楽曲の再生音量を大きくするように設定している。
そこで、本実施例の報知音出力装置10では、報知音を出力するに際して、楽曲の増幅率に基づいて報知音の音量を決定している。こうすれば、運転者による再生音量の設定に応じた楽曲の増幅率には運転環境音の大きさが反映されているので、運転環境音の大きさを実際に計測しなくても、運転環境音の大きさに応じて報知音の音量を適切に設定することができる。その結果、運転環境音の大きさが変化しても、運転環境音に報知音が紛れてしまうことがなく、報知音を運転者に確実に聞き取らせることが可能となる。
また、本実施例の報知音の音量には、下限として所定の閾値が定められている。これにより、仮に楽曲の再生音量が閾値よりも小さく絞られていても、必ず閾値以上の音量で報知音が出力され、報知音の音量が小さくなり過ぎることがないので、運転者に報知音を一層確実に聞き取らせることができる。
そして、報知音の停止後に楽曲の再生音量を復帰させる際には、時間T1よりも長い所定の時間T2にわたって楽曲をフェードインさせている。こうすることで、いきなり消音前の再生音量で楽曲が出力されて運転者を驚かせてしまうことを回避することができる。
上述した実施例では、報知音の音量を、楽曲の増幅率に基づいて決定するようになっていた。しかし、報知音の音量を、楽曲の増幅率だけでなく、他の要素を考慮して決定してもよい。以下では、増幅率に従って増幅された楽曲の再生音量に加えて、衝突余裕時間(Time−To−Collision、以下、略してTTC)に基づいて報知音の音量を決定する変形例について説明する。
また、図中の一点鎖線で示される報知音2の音量は、楽曲の再生音量に対して報知音1よりも多い所定量を上乗せした音量に設定されていると共に、下限として閾値1よりも大きい閾値2が定められている。
さらに、図中の二点鎖線で示される報知音3の音量は、楽曲の再生音量に対して報知音2よりも更に多い所定量を上乗せした音量に設定されていると共に、下限として閾値2よりも大きい閾値3が定められている。
TTCが短くなるほど、緊急性(衝突の危険性)が高まることから、報知音の音量を大きくすることで、より迅速かつ確実に報知音を運転者に聞き取らせる(気付かせる)ことが可能となる。
ただし、変形例のようにTTCの長さに応じて報知音の種類を異ならせれば、報知音の種類によってTTCの長さ(緊急性の度合い)を運転者に報知することできる。その結果、衝突の直前であれば、運転者は身構えたりすることが可能となる。
この場合でも、報知音の音量を、楽曲の増幅率(再生音量)に基づいて適切に設定する(例えば、楽曲の再生音量よりも大きな音量に設定する)ことにより、運転環境音や楽曲に報知音が紛れてしまうことがなく、運転者に報知音を確実に聞き取らせることが可能となる。
また、楽曲の再生音量を維持する場合は、報知音の停止後に、楽曲の再生量を復帰させる処理(図2のS114)を省略することができる。
11…情報取得部、 12…レーダー、
13…車速センサー、 14…報知音出力制御部、
15…楽曲用アンプ、 16…楽曲再生装置、
17…ボリュームスイッチ、 18…楽曲用スピーカー、
19…報知音用アンプ、 20…報知音用スピーカー。
Claims (8)
- 楽曲を再生する音響機器(18)を搭載した車両(1)に適用されて、該車両の運転者に報知音を出力する報知音出力装置(10)であって、
前記報知音を出力する報知音出力部(20)と、
前記車両の室内で再生される前記楽曲を、運転者による設定に応じた増幅率で増幅して前記音響機器に出力する増幅部(15)と、
前記楽曲の再生中に前記報知音を出力する場合には、前記増幅率を取得して、該増幅率を低減または該楽曲の出力を遮断させた後、前記取得した増幅率に基づいて決定した音量で前記報知音を前記報知音出力部から出力させる出力制御部(14)と
を備える報知音出力装置。 - 請求項1に記載の報知音出力装置であって、
前記音響機器が前記報知音出力部を兼ねている
報知音出力装置。 - 請求項1または請求項2に記載の報知音出力装置であって、
前記出力制御部は、前記取得した増幅率で増幅された前記楽曲の再生音量よりも大きい音量で前記報知音を出力させる
報知音出力装置。 - 請求項1または請求項3の何れか一項に記載の報知音出力装置であって、
前記出力制御部は、前記取得した増幅率で増幅された前記楽曲の再生音量が所定の閾値よりも小さい場合には、該閾値以上の音量で前記報知音を出力させる
報知音出力装置。 - 請求項1ないし請求項4の何れか一項に記載の報知音出力装置であって、
前記車両に関する情報を取得する情報取得部を備え、
前記出力制御部は、前記情報取得部が所定の注意情報を取得すると、前記報知音を前記報知音出力部から出力させる
報知音出力装置。 - 請求項5に記載の報知音出力装置であって、
前記情報取得部は、前記車両が対象物に衝突するまでの衝突余裕時間を前記注意情報として取得し、
前記出力制御部は、前記衝突余裕時間が短いほど大きい音量で前記報知音を出力させる
報知音出力装置。 - 請求項1ないし請求項6の何れか一項に記載の報知音出力装置であって、
前記出力制御部は、前記報知音を停止させると、前記楽曲の前記増幅率を運転者による設定に応じた増幅率に復帰させ、
前記増幅率の低減または前記楽曲の出力の遮断によって該楽曲の再生音量が減少する時間に比べて、該増幅率の復帰によって該楽曲の再生音量が増加する時間の方が長くなっている
報知音出力装置。 - 楽曲を再生する音響機器を搭載した車両に適用されて、該車両の運転者に報知音を出力する報知音出力方法であって、
前記車両の室内で再生される前記楽曲を、運転者による設定に応じた増幅率で増幅して前記音響機器に出力する増幅工程(S104)と、
前記楽曲の再生中に前記報知音を出力する場合には、前記増幅率を取得して、該増幅率を低減または該楽曲の出力を遮断させた後、前記取得した増幅率に基づいて決定した音量で前記報知音を報知音出力部から出力させる出力制御工程(S107、S108、S109、S110)と
を備える報知音出力方法。
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