JP2016064581A - 射出成形品の製造方法 - Google Patents

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【課題】 射出成形品が薄厚であっても設計値により近い射出成形品を製造し得る射出成形品の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明の射出成形品の製造方法は、第1金型と第2金型とを型締する一次型締工程P1と、一次型締工程P1を経た第1金型と第2金型との間に形成されるキャビティに溶融樹脂を射出する射出工程P2と、キャビティに溶融樹脂が充填される前に、そのキャビティを形成する第1金型と第2金型とが近づくように第1金型と第2金型とをさらに型締する二次型締工程P3とを備える。少なくとも二次型締工程時にキャビティに射出されている溶融樹脂のうち第1金型及び第2金型に接する流動方向に沿った部位がガラス転移温度以上とされる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、設計値により近い射出成形品を製造する場合に好適なものである。
射出成形品は、一対の金型を型締めすることによって形成されるキャビティ内に溶融樹脂を射出した後に冷却することによって製造される。このような射出成形品の製造方法に用いられる金型として、キャビティを構成する金型部分を低熱伝導材料で作製したものがある(例えば下記特許文献1参照)。
下記特許文献1では、キャビティを構成する金型部分を低熱伝導材料で作製した金型が用いられることで、当該キャビティ内に射出した溶融樹脂の表面に形成される固化層の発達を遅らせることができ、この結果、射出成形品の転写性を向上できることが記載されている。
特許3421188号
ところが、射出成形品として例えば薄厚部品を製造する場合、キャビティを構成する金型部分を低熱伝導材料で作製することで固化層の発達を遅らせることができても、当該のキャビティが狭くなる分だけ溶融樹脂の流動抵抗が増大する。
このため、溶融樹脂の流動末端近傍の固化層が壊れて引き離され、その引き離された部分に溶融樹脂が入り込むといった現象が生じ、この現象に起因して薄厚部品にムラが生じ易くなることが分かった。
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、射出成形品が薄厚であっても設計値により近い射出成形品を製造し得る射出成形品の製造方法を提案しようとするものである。
かかる課題を解決するため本発明は、射出成形品の製造方法であって、第1金型と第2金型とを型締する一次型締工程と、前記一次型締工程を経た前記第1金型と前記第2金型との間に形成されるキャビティに溶融樹脂を射出する射出工程と、前記キャビティに前記溶融樹脂が充填される前に、そのキャビティを形成する前記第1金型と前記第2金型とが近づくように前記第1金型と前記第2金型とをさらに型締する二次型締工程とを備え、少なくとも前記二次型締工程時に前記キャビティに射出されている前記溶融樹脂のうち前記第1金型及び前記第2金型に接する流動方向に沿った部位がガラス転移温度以上とされることを特徴とする。
このような製造方法では、一次型締工程後にキャビティに射出された溶融樹脂の表面に固化層が形成された場合であっても、二次型締工程時にはその溶融樹脂のうち第1金型及び第2金型に接する流動方向に沿った部位がガラス転移温度以上とされるため、当該固化層が喪失される。したがって、二次型締工程時に溶融樹脂の流動抵抗が増大しても、その溶融樹脂の流動末端近傍の固化層が壊れるといったことがなくなり、当該固化層が壊れることに起因するムラが回避される。こうして、射出成形品が薄厚であっても設計値により近い射出成形品を製造し得る射出成形品の製造方法が実現される。
また、前記キャビティを形成する前記第1金型と前記第2金型との表面には断熱層が形成されることが好ましい。
このようにした場合、二次型締工程前における固化層の発達を遅らせることができるため、その分だけ射出工程における溶融樹脂の流動抵抗を下げてキャビティ内に速やかに溶融樹脂を射出することができる。
また、前記第1金型と前記第2金型との間に形成されるキャビティの側方は枠壁部で囲われ、当該枠壁部の内側面にも断熱層が形成されることが好ましい。
このようにした場合、少なくとも二次型締工程時にキャビティに射出されている溶融樹脂のおおむね全体をガラス転移温度以上とすることができ、枠壁部の内側面に断熱層が形成されていない場合に比べて固化層の発達をより一段と遅らせることができる。
なお、前記二次型締工程で前記キャビティを形成する前記第1金型の表面と前記第2金型の表面との間の最大距離は0.5mmよりも小さくされる場合、二次型締工程時における溶融樹脂の全体がガラス転移温度以上とすることで固化層を喪失する意義が特に高まる。
前記射出成形品が導光板である場合、上述の固化層が壊れることに起因するムラは輝度の不均一の要因となって導光板としての性能が著しく低下する。したがって、前記射出成形品が導光板である場合、二次型締工程時における溶融樹脂の全体がガラス転移温度以上とすることで固化層を喪失することは、導光板の歩留まりを向上する観点で有用となる。また、前記射出成形品が導光板である場合、当該導光板の入光側の端部が少し厚くなる傾向にあるため、成膜により得たフィルムをせん断する製法によりも比較的簡易に製造することができる。
さらに、前記導光板の入光側となる側面が射出末端となり、前記側面と反対側の側面が射出先端となるように前記溶融樹脂が射出される場合、溶融樹脂を冷却して固化する際に流動末端側と流動先端側とに加わっている圧力差に起因して残留歪みムラが生じても、そのムラを導光板の導波方向に沿わせることができる。したがって、導光板の入光側となる側面が射出末端ではなく、その側面と反対側の側面が射出先端でもない場合に比べると、溶融樹脂の冷却時における流動末端側と流動先端側とに加わる圧力差に起因する導光板の導波特性の影響を低減することができる。
なお、前記溶融樹脂は非晶性樹脂であることが好ましい。このようにした場合、溶融樹脂を非晶性樹脂以外である場合に比べると、二次型締工程時において、第1金型及び第2金型に接する流動方向に沿った溶融樹脂部位をガラス転移温度以上にし易くできる。
以上のように、本発明によれば、射出成形品が薄厚であっても設計値により近い射出成形品を製造し得る射出成形品の製造方法が提供される。
導光板の厚み方向に沿った断面を示す図である。 金型ユニットの断面を示す図である。 図2のX−Xを通る断面を示す図である。 型開位置、一次型締位置、二次型締位置に可動側金型が配置された場合を模式的に示す図である。 射出成形品の製造方法を示すフローチャートである。 一次型締工程の様子を図3と同じ視点で示す図である。 射出工程の様子を図3と同じ視点で示す図である。 二次型締工程の様子を図3と同じ視点で示す図である。
以下、本発明に係る射出成形品の製造方法の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態における射出成形品は導光板であり、例えば直方体形状とされる。図1は、導光板1の厚み方向に沿った断面を示す図である。図1に示すように、本実施形態の導光板1における一方の広面には凹凸10が形成され、入光側となる側面S1側の端部の厚みT1はその端部以外の厚みT2よりも大きくされる。この導光板1における側面S1側の端部の厚みT1は0.5mm程度とされ、当該端部以外の厚みT2は0.3mm以下でおおむね一定とされる。
本実施形態の導光板1に用いられる樹脂の種類は、特に限定されるものではないが、具体的には、ポリカーボネート、メタクリル樹脂、シクロオレフィンポリマー等を例示することができる。
なお、導光板1に用いられる樹脂には、離型剤、可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、着色剤、耐衝撃強化剤、充填剤などのいずれか1つあるいは複数が混合されていても良い。
このような導光板1における入光側となる端部の側面S1から光が入射されると、その光は全反射により導光板1内を透過する。また、導光板1の凹凸10に当たった光はその進路を変え、全反射角よりも小さい角度となった光が導光板1から出射する。
次に、導光板1を製造する際に用いられる金型ユニットについて説明する。図2は金型ユニット50の断面を示す図であり、図3は図2のX−Xを通る断面を示す図である。
図2及び図3に示すように、金型ユニット50は、第1金型51と第2金型52とを有する。この第2金型52において第1金型51と対向する表面には凸部53が形成され、当該第2金型52には凸部53を嵌め込み可能な金属製の枠体54が設けられる。
この枠体54の所定部位には溶融樹脂を射出するための射出ゲートGTが設けられ、この射出ゲートGTは枠体54の外部と連通される。本実施形態の場合、枠体54を構成する枠壁部における所定部位と第1金型51とで隙間が形成されるようになっており、その隙間が射出ゲートGTとされる。また、導光板1の入光側となる側面S1が射出末端となり、その側面S1と反対側の側面S2が射出先端となるように射出ゲートGTが設けられる。この射出ゲートGTから、枠体54と第1金型51と第2金型52とで囲まれる領域内に溶融樹脂が射出される。なお、枠体54と第1金型51と第2金型52とで囲まれる領域内に射出される溶融樹脂の流動方向は、図2では紙面に直交する方向であり、図3では紙面の左側から右側に沿った方向である。
第2金型52と枠体54の底部との間には複数のばね55が設けられ、当該第2金型52における凸部53の先端面とその先端面に対向する第1金型51の表面には断熱層56が形成される。また、凸部53に形成される断熱層56の表面には、厚さ0.05〜0.5mmの金属層がメッキにより被覆され、該金属層に凹凸10に対応する凹凸57が施される。この凹凸57は、上述の導光板1に形成される凹凸10に相当するパターンとされる。なお、第1金型51に形成される断熱層56は、凸部53に対向する第1金型51の表面部分とされているが、当該表面全体とされても良い。
断熱層56は、第1金型51及び第2金型52における熱浸透率よりも低い熱浸透率であり、かつ、樹脂の射出圧力や金型の押圧力に耐え得るものとされる。断熱層56の材料として、例えば、アルミナやジルコニア等のセラミックス、ガラス、あるいは、熱硬化性樹脂やスーパーエンジニアリングプラスチックスなどが挙げられる。また、断熱層56の形成手法として、例えば、プラズマパウダースプレー法やHVOF(High Velocity Oxygen Fuel)等の溶射法により断熱層56をコーティングする手法、あるいは、入れ子として断熱層56を設置する手法などが挙げられる。
このような金型ユニット50における第1金型51は固定側金型とされ、第2金型52は可動側金型とされる。
図4は、型開位置、一次型締位置、二次型締位置に第2金型52が配置された場合を模式的に示す図である。具体的に図4の(A)では第2金型52を型開位置に配置した場合が示され、図4の(B)では第2金型52を一次型締位置に配置した場合が示され、図4の(C)では第2金型52を二次型締位置に配置した場合が示されている。
図4に示すように、第2金型52は、凸部53に枠体54を嵌め込んで保持した状態で、型開位置、一次型締位置及び二次型締位置を相互に移動可能とされる。
すなわち、図4の(A)に示すように、第2金型52が型開位置に配置されている場合、枠体54の上端部が第1金型51と非接触の状態で、第2金型52の凸部53に嵌め込まれる枠体54が保持される。また、図4の(B)に示すように、第2金型52が一次型締位置に配置されている場合、第1金型51の断熱層56の表面と枠体54の枠壁部の内側面とに囲まれる領域内に少なくとも凸部53の断熱層56が位置する状態で、第2金型52の凸部53に嵌め込まれる枠体54が保持される。さらに、図4の(C)に示すように、第2金型52が二次型締位置に配置されている場合、凸部53の断熱層56が一次型締位置(図4の(B))よりも第1金型51側へ近づく状態で、第2金型52の凸部53に嵌め込まれる枠体54が保持される。なお、図2は、第2金型52を二次型締位置に配置した場合が示されている。
次に、本実施形態における射出成形品の製造方法について説明する。図5に示すように、本実施形態に係る射出成形品の製造方法は、一次型締工程P1、射出工程P2、二次型締工程P3、保圧工程P4、冷却工程P5、及び、型開工程P6を主な工程として備える。
<一次型締工程P1>
この一次型締工程P1では、図6に示すように、第2金型52が型開位置(図4の(A))から一次型締位置(図4の(B))にまで移動される。これにより枠体54の枠壁部で囲まれる領域は第1金型51の断熱層56と第2金型52の凸部53の断熱層56とで挟まれ、当該枠壁部54の内側面と第1金型51及び第2金型52の断熱層56とで囲まれるキャビティSPCが形成される。
なお、枠体54は、第2金型52の凸部53に嵌め込まれて保持されるため、その第2金型52の位置が第1金型51に対して相対的にずれた場合であっても、当該枠体54の枠壁部の内側面と第1金型51及び第2金型52の断熱層56とで囲まれるキャビティSPCは安定的に維持される。
<射出工程P2>
この射出工程P2では、図7に示すように、一次型締工程P1で形成されるキャビティSPC内に、規定射出量の溶融樹脂MSが所定の射出速度で射出ゲートGTから射出され始める。この溶融樹脂MSに用いられる樹脂の種類としては、例えば、導光板1に用いられる樹脂の種類として上述したものが挙げられる。なお、非晶性樹脂であることが好ましい。
<二次型締工程P3>
この二次型締工程P3では、一次型締工程P1で形成されるキャビティSPCとそのキャビティSPCに射出される溶融樹脂MSとに隙間がある状態で、第2金型52が一次型締位置(図4の(B))から二次型締位置(図4の(C))にまで移動される。すなわち、一次型締工程P1で形成されるキャビティSPCに溶融樹脂MSが充填される前に、一次型締位置から第2金型52の移動が開始され、凸部53の断熱層56が一次型締位置(図4の(B))よりも第1金型51側へ近づけられる。
これにより図8に示すように、第1金型51の断熱層56と枠体54の枠壁部の内側面とに囲まれるキャビティSPCの厚みTは一次型締工程時よりも小さくなり、当該キャビティSPCは射出成形品に対応する空間とされる。また、このキャビティSPC内を流動する溶融樹脂MSには、第2金型52によって一次型締工程P1に比べて大きい圧力が加えられ、当該溶融樹脂の流動抵抗は一次型締工程P1に比べて大きくなり、当該キャビティSPC内に溶融樹脂MSが速やかに充填される。
なお、二次型締工程P3で形成されるキャビティSPCの厚みTは、0.5mmよりも小さい。すなわち、二次型締工程P3でキャビティSPCを形成する第1金型51の断熱層56の表面と第2金型52における凸部53の断熱層56の表面との間の最大距離は0.5mmよりも小さくされる。また、一次型締位置(図4の(B))から第2金型52が移動され始める時期は、溶融樹脂MSの射出が停止された以後であっても良く、当該溶融樹脂MSの射出がされている途中であっても良い。
ところで、この二次型締工程P3の開始以降にキャビティに射出されている溶融樹脂MSのうち、第1金型51及び第2金型52に接する流動方向に沿った部位はガラス転移温度(Tg)以上とされる。具体的には、例えば、成形樹脂がポリカーボネートであり、第1金型51及び第2金型52に設けられる断熱層56の熱浸透率が2900J/s0.5m2kであり、厚みが5mmであり、断熱層56の表面の金属層の厚みが0.1mmである場合、射出開始時における溶融樹脂MSの温度を340℃とし、金型の温度を100℃とすれば、その射出開始時から二次型締工程P3に移行する期間を0.01〜0.1秒とすることで、溶融樹脂MSのうち、第1金型51及び第2金型52に接する流動方向に沿った部位がガラス転移温度以上となる。
<保圧工程P4>
この保圧工程P4では、規定射出量の溶融樹脂MSが射出された以降に、その溶融樹脂の射出圧が射出工程時の射出圧よりも下げられ、その下げられた射出圧で一定の期間だけ加圧される。
<冷却工程P5>
この冷却工程P5では、二次型締工程で形成されるキャビティSPCに充填された溶融樹脂MSが、例えば第1金型51及び第2金型52の冷却を通じて冷却される。
<型開工程P6>
この型開工程P6では、第2金型52が二次型締位置(図4の(C))から型開位置(図4の(A))にまで移動される。このとき、二次型締工程P3で形成されるキャビティにて固化した成形体は、固定側金型である第1金型51から離れ、可動側金型である第2金型52とともに移動する。この成形体は第2金型52から取り外された後にその成形体の不要部分が取り除かれ、射出成形品として図1に示したような導光板1が得られる。
以上の説明のとおり、本実施形態における射出成形品の製造方法では、少なくとも二次型締工程時にキャビティSPCに射出されている溶融樹脂のうち、第1金型51及び第2金型52に接する流動方向に沿った部位がガラス転移温度以上とされる。
このため、一次型締工程P1後にキャビティSPCに射出された溶融樹脂の表面に固化層が形成された場合であっても、二次型締工程時にはその溶融樹脂全体がガラス転移温度以上とされるため、当該固化層が喪失される。したがって、二次型締工程時に溶融樹脂の流動抵抗が増大しても、その溶融樹脂の流動末端近傍の固化層が壊れるといったことがなくなり、当該固化層が壊れることに起因するムラが回避される。こうして、射出成形品が薄厚であっても設計値により近い射出成形品を製造し得る射出成形品の製造方法が実現される。
また本実施形態の場合、キャビティSPCを形成する第1金型51と第2金型52との表面には断熱層56が形成される。したがって、二次型締工程P3前における固化層の発達を遅らせることができるため、その分だけ射出工程P2における溶融樹脂の流動抵抗を下げてキャビティ内に速やかに溶融樹脂を射出することができる。
さらに本実施形態の場合、導光板1の入光側となる側面S1が射出末端となり、その側面S1と反対側の側面S2が射出先端となるように溶融樹脂が射出される。このため、溶融樹脂を冷却して固化する際に流動末端側と流動先端側とに加わっている圧力差に起因してムラが生じても、そのムラを導光板1の導波方向に沿わせることができる。したがって、導光板1の入光側となる側面S1が射出末端ではなく、その側面S1と反対側の側面S2が射出先端でもない場合に比べると、溶融樹脂の冷却時における流動末端側と流動先端側とに加わる圧力差に起因する導光板1の導波特性の影響を低減することができる。
なお、本実施形態では、二次型締工程P3でキャビティSPCを形成する第1金型51の断熱層56の表面と第2金型52における凸部53の断熱層56の表面との間の最大距離は0.5mmよりも小さくされる。このため本実施形態では、二次型締工程時における溶融樹脂の全体がガラス転移温度以上とすることで固化層を喪失する意義が特に高まる。
また、仮に、二次型締工程時などで生じた固化層が壊れることに起因して輝度の不均一が生じると、導光板1としての性能が著しく低下する。したがって、本実施形態のように射出成形品が導光板1である場合、二次型締工程時における溶融樹脂の全体がガラス転移温度以上とすることで固化層を喪失することは、導光板1の歩留まりを向上する観点で有用となる。また、導光板1の入光側の端部の厚みT1が少し厚くなる傾向にあるため、本実施形態における射出成形品の製造方法によれば、成膜等により得たフィルムをせん断する製法によりも比較的簡易に製造することができる。
なお、上記実施形態はあくまで一例であり、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば上記実施形態では、第1金型51の表面と、枠体54の枠壁部の内側面と、第2金型の凸部53の先端面とでキャビティが形成された。しかしながら、第2金型52に1つの凸部を形成するとともに、その凸部に対応する凹部を第1金型51に形成し、当該凹部と凸部とによってキャビティが形成されても良い。このようにした場合には枠体54を省略することができる。ただし、凸部53の位置決め精度の問題や、成形品の一部が第1金型51に残る離型不良を低減する観点では、上記実施形態を適用するほうが好ましい。
また上記実施形態では、第1金型51と第2金型52との間に形成されるキャビティSPCの側方が枠体54の枠壁部で囲われ、当該枠壁部の内側面には断熱層が形成されていなかったが、当該内側面にも断熱層が形成されても良い。このようにした場合、少なくとも二次型締工程時にキャビティSPCに射出されている溶融樹脂MSのおおむね全体をガラス転移温度以上とすることができ、枠体54の枠壁部の内側面に断熱層が形成されていない場合に比べて固化層の発達をより一段と遅らせることができる。
上記実施形態では、射出成形品として導光板1が適用された。しかしながら、導光板1以外の光学素子が適用されても良く、光学素子以外の物品が適用されても良い。
本発明は、射出成形品を取り扱う分野において利用可能性がある。
1・・・導光板
50・・・金型ユニット
51・・・第1金型
52・・・第2金型
53・・・凸部
54・・・枠体
55・・・ばね
SPC・・・キャビティ
GT・・・射出ゲート
P1・・・一次型締工程
P2・・・射出工程
P3・・・二次型締工程
P4・・・保圧工程
P5・・・冷却工程
P6・・・型開工程

Claims (7)

  1. 第1金型と第2金型とを型締する一次型締工程と、
    前記一次型締工程を経た前記第1金型と前記第2金型との間に形成されるキャビティに溶融樹脂を射出する射出工程と、
    前記キャビティに前記溶融樹脂が充填される前に、そのキャビティを形成する前記第1金型と前記第2金型とが近づくように前記第1金型と前記第2金型とをさらに型締する二次型締工程と
    を備え、
    少なくとも前記二次型締工程時に前記キャビティに射出されている前記溶融樹脂のうち前記第1金型及び前記第2金型に接する流動方向に沿った部位がガラス転移温度以上とされる
    ことを特徴とする射出成形品の製造方法。
  2. 前記キャビティを形成する前記第1金型と前記第2金型との表面には断熱層が形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の射出成形品の製造方法。
  3. 前記第1金型と前記第2金型との間に形成されるキャビティの側方は枠壁部で囲われ、当該枠壁部の内側面にも断熱層が形成される
    ことを特徴とする請求項2に記載の射出成形品の製造方法。
  4. 前記二次型締工程で前記キャビティを形成する前記第1金型の表面と前記第2金型の表面との間の最大距離は0.5mmよりも小さくされる
    ことを特徴とする請求項1〜請求項3に記載の射出成形品の製造方法。
  5. 前記射出成形品は導光板である
    ことを特徴とする請求項4に記載の射出成形品の製造方法。
  6. 前記導光板の入光側となる側面が射出末端となり、前記側面と反対側の側面が射出先端となるように前記溶融樹脂が射出される
    ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の射出成形品の製造方法。
  7. 前記溶融樹脂は非晶性樹脂である
    ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の射出成形品の製造方法。
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