JP2016064243A - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

Abstract

【課題】ソール部に位置調整可能な重り部材収容部を設け、容易にバランス調整が可能なクラブヘッドの提供。
【解決手段】ゴルフクラブヘッドは、ソールと、ソールの陥凹したソールポートと、少なくとも部分的にソールポート内に受け入れられるようになっている回転式に調節可能なソール部片９１００であって、中央本体を備え、中央本体が、ソールポートに接触するように適合されていてソール部片の中央本体を通って延びる中心軸に沿って互いからオフセットされている複数の接触面を有している、ソール部片と、を備えている。ソール部片は、少なくとも部分的にソールポート内で中心軸に関して５つ又はそれ以上の回転及び軸方向位置に位置決めさせることができ、それぞれの回転位置では、中央本体のそれら面の少なくとも１つがソールポートに接触してソール部片の軸方向位置を設定する。ソールポート及び／又はびソール部片は形状が略五角形になっている。
【選択図】図９２Ａ

Description

本願は、ゴルフクラブヘッドの実施形態に、厳密には、調節可能な構成要素を有するクラブヘッドに、向けられている。

（関連出願の相互参照）
本願は、２０１２年９月１８日出願の米国仮特許出願第６１／７０２，６６７号の恩典を主張し、前記仮特許出願を参考文献としてここにそっくりそのまま援用する。

本願は、２００９年１２月２３日出願の米国特許出願第１２／６４６，７６９号の一部継続出願である２０１１年６月２２日出願の米国特許出願第１３／１６６，６６８号、そしてその一部継続出願である２０１１年１２月２９日出願の米国特許出願第１３／３４０，０３９号にも関連しており、上記全３件の特許出願を参考文献としてここにそっくりそのまま援用する。

ゴルフクラブに関わる他の関連出願及び特許である、米国特許第６，７７３，３６０号、同第６，８００，０３８号、同第６，８２４，４７５号、同第６，９９７，８２０号、同第７，１６６，０４０号、同第７，１８６，１９０号、同第７，２６７，６２０号、同第７，４０７，４４７号、同第７，４１９，４４１号、同第７，６２８，７０７号、同第７，７４４，４８４号、同第７，８５０，５４６号、同第７，８６２，４５２号、同第７，８７１，３４０号、同第７，８７４，９３６号、同第７，８７４，９３７号、同第７，８８７，４３１号、同第７，８８７，４４０号、同第７，９８５，１４６号、同第ＲＥ４２，５４４号、同第８，０１２，０３８号、同第８，０１２，０３９号、同第８，０２５，５８７号、並びに米国特許出願第１１／６４２，３１０号、同第１１／８２５，１３８号、同第１１／８７０，９１３号、同第１１／９６０，６０９号、同第１１／９６０，６１０号、同第１２／００６，０６０号、同第１２／４７４，９７３号、同第１２／７４７，７６９号、同第１２／６８７，００３号、同第１２／９８６，０３０号、同第１３／０７７，８２５号、同第１３／２２４，２２２号、同第１３／３０５，５１４号、同第１３／３０５，５２３号、及び同第１３／３０５，５３３号、も同様に参考文献としてここにそっくりそのまま援用する。

所与の型式のゴルフクラブ（例えば、ドライバ、アイアン、パター、ウェッジ）について、ゴルフをする消費者は、多種多様なものの中から選定することができる。この種類の多さは、一部には、ゴルファーの間で身体的な特性とゴルフの技量に大きな差があることと、ゴルファーが遭遇するプレイ条件が広範囲に異なるということから来ている。例えば、背の高いゴルファーは、シャフトの長いクラブを必要とし、力の強いゴルファー、又は風の強い条件の中で又はフェアウェイが堅いコースでプレイしているゴルファーは、シャフトの撓みが少ない（剛性が高い）クラブを欲し、或るゴルファーは、自分のスイングの或る傾向に打ち勝つ特定のプレイ特性を有するクラブを欲する（例えば、軌道が低いショットを打つ傾向のあるゴルファーは、ロフト角が大きいクラブを購入したがる）。シャフトの撓み、ロフト角、及び利き手（即ち、左打ち又は右打ち）が異なるだけで、テーラーメイド社製ｒ７ ４６０ドライバの変種は２４種にも上る。

１つのゴルフクラブに対しこのように多数の変種が入手可能になっているため、ゴルフをする消費者は、自分の必要に合ったクラブヘッドとシャフトの組合せを有するクラブを購入することができる。しかしながら、シャフトとクラブヘッドは一般に別々に製造されており、シャフトがクラブヘッドに、大抵は接着剤によって、一旦取り付けられてしまう
と、クラブヘッド又はシャフト何れかを交換するのは、消費者が容易に行うことはできない。クラブを修正したいという動機には、ゴルファーの身体的条件の変化（例えば、若年ゴルファーの身長が伸びた場合）、ゴルファーの技量の向上、又はプレイ条件に合わせて調整するため、が含まれる。通常、これらの修正は、プロショップで技術者によって行わねばならない。ゴルファーは、自分のクラブを修正したいと思う度に、付帯する費用とクラブ無しに過ごさねばならない時間のために、それを思い留まり、最適とは言えないゴルフを経験することになる。而して、ゴルフをする消費者が自分で組み立て及び分解することのできるゴルフクラブを提供するため、努力が払われてきた。

これを目的に、機械的締結具によってシャフトに取り外し可能に取り付け可能なクラブヘッドを有するゴルフクラブは、当技術では既知である。例えば、Cackettらへの米国特
許第７，０８３，５２９号（以下「Cackett」）は、交換可能なヘッド対シャフト接続を
有するゴルフクラブを開示している。接続には、チューブ、スリーブ、及び機械的締結具が含まれている。スリーブが、シャフトの先端に装着される。次に、スリーブを装着したシャフトが、クラブヘッド内に装着されているチューブに挿入される。機械的締結具は、スリーブをチューブに固定し、シャフトをクラブヘッドに接続された状態に保持する。スリーブは、チューブの回転防止部分によって画定されているキー溝と相補的な構成を有するキー状部分を含む下側区分を有している。キー溝は、チューブに対するスリーブの回転を防止するため非円形の断面を有している。キー溝は、複数のスプラインか、又は矩形又は六角形の断面を有していてもよい。

米国仮特許出願第６１／７０２，６６７号 米国特許出願第１２／６４６，７６９号 米国特許出願第１３／１６６，６６８号 米国特許出願第１３／３４０，０３９号 米国特許第６，７７３，３６０号 米国特許第６，８００，０３８号 米国特許第６，８２４，４７５号 米国特許第６，９９７，８２０号 米国特許第７，１６６，０４０号 米国特許第７，１８６，１９０号 米国特許第７，２６７，６２０号 米国特許第７，４０７，４４７号 米国特許第７，４１９，４４１号 米国特許第７，６２８，７０７号 米国特許第７，７４４，４８４号 米国特許第７，８５０，５４６号 米国特許第７，８６２，４５２号 米国特許第７，８７１，３４０号 米国特許第７，８７４，９３６号 米国特許第７，８７４，９３７号 米国特許第７，８８７，４３１号 米国特許第７，８８７，４４０号 米国特許第７，９８５，１４６号 米国特許第ＲＥ４２，５４４号 米国特許第８，０１２，０３８号 米国特許第８，０１２，０３９号 米国特許第８，０２５，５８７号 米国特許出願第１１／６４２，３１０号 米国特許出願第１１／８２５，１３８号 米国特許出願第１１／８７０，９１３号 米国特許出願第１１／９６０，６０９号 米国特許出願第１１／９６０，６１０号 米国特許出願第１２／００６，０６０号 米国特許出願第１２／４７４，９７３号 米国特許出願第１２／７４７，７６９号 米国特許出願第１２／６８７，００３号 米国特許出願第１２／９８６，０３０号 米国特許出願第１３／０７７，８２５号 米国特許出願第１３／２２４，２２２号 米国特許出願第１３／３０５，５１４号 米国特許出願第１３／３０５，５２３号 米国特許出願第１３／３０５，５３３号 米国特許第７，０８３，５２９号 米国特許出願公開第２０１１／０２７５４５１号 米国特許出願公開第２０１２／００８３３６１号 米国特許出願公開第２０１２／０１９９２８２号 米国特許第ＲＥ４３，８０１号

Cackettに代表される型式の取り外し可能に取り付け可能なゴルフクラブは、ゴルファ
ーがクラブヘッドをシャフトから分解できるようにはしているが、それらには、更に従来型のクラブヘッド対シャフト相互接続の完全性と剛性を備えたクラブヘッド対シャフト相互接続を提供する必要がある。例えば、クラブヘッド対シャフト相互接続の構成要素間の回転運動を制限するやり方には、十分な荷重支承面積と剥ぎ取りに対する抵抗がなくてはならない。従って、当技術には改良の余地がある。

或る代表的な実施形態では、クラブヘッドに取り付けるためのゴルフクラブシャフトアッセンブリは、下端部分を有するシャフトと、シャフトの下端部分に装着されるスリーブと、を備えている。スリーブは、クラブヘッドのホーゼルの開口部に挿入されるように構成することができる。スリーブは、シャフトの下端部分を受け入れる上側開口部を画定している上側部分と、シャフトより下側に位置しホーゼル開口部の相補的なスプラインと噛み合うようになっている、８個の長手方向に延びる角度を空けて配置された外スプラインを有する下側部分と、を有している。下側部分は、スリーブをホーゼル開口部に挿入したときにシャフトアッセンブリをクラブヘッドに固定するためのねじを受け入れるようになっている、長手方向に延びる雌ねじの切られた開口部を画定している。

別の代表的な実施形態では、ゴルフクラブシャフトとゴルフクラブヘッドを組み立てる方法が提供されている。本方法は、スリーブをシャフトの先端部に装着する段階を含んでおり、スリーブは、外面から突き出ていてシャフトの下端より下側に位置している８個の外スプラインを有する下側部分を有しており、外スプラインは、クラブヘッドのホーゼル開口に設けられた内スプラインと相補的な構成を有している。本方法は、更に、スリーブ下側部分の外スプラインがホーゼル開口部の内スプラインに係合するようにスリーブをホーゼル開口部の中へ挿入する段階と、ねじを、クラブヘッドのソールの開口部に通し、スリーブのねじの切られた開口部の中へ挿入し、ねじを締め、シャフトをクラブヘッドに固定する段階と、を含んでいる。

別の代表的な実施形態では、ホーゼル開口部を画定しているホーゼルを有するゴルフクラブの取り外し可能なシャフトアッセンブリは、下端部分を有するシャフトを備えている。スリーブは、シャフトの下端部分に装着することができ、クラブヘッドのホーゼル開口部の中へ挿入することができる。スリーブは、シャフトの下端部分を受け入れる上側開口部を画定している上側部分と、シャフトの下方に位置しホーゼル開口部の相補的なスプラインと噛み合うようになっている、複数の長手方向に延びる角度を空けて配置された外スプラインを有する下側部分と、を有している。下側部分は、スリーブをホーゼル開口部に挿入したときにシャフトアッセンブリをクラブヘッドに固定するためのねじを受け入れるようになっている、長手方向に延びる雌ねじの切られた開口部を画定している。スリーブの上側部分は、スリーブをホーゼル開口部に挿入したときにクラブヘッドのホーゼルに係合するようになっている上スラスト面を有しており、スリーブとシャフトは、約１．８７ｘ１０^８Ｎ／ｍ未満の上スラスト面からスリーブの下端までの組み合わされた軸剛性を有している。

別の代表的な実施形態では、ゴルフクラブアッセンブリは、非円形の内面を有する開口部を画定しているホーゼルを有するクラブヘッドを備えており、ホーゼルは長手方向軸を画定している。取り外し可能なアダプタスリーブは、ホーゼル開口部に受け入れられるよう構成されており、スリーブは、アダプタスリーブとホーゼルの間の相対回転を制限するため、ホーゼルの非円形の内面と噛み合うようになっている非円形の外面を有している。アダプタスリーブは、長手方向に延びる開口部と、開口部の非円形の内面を有しており、更に、ホーゼルの長手方向軸に対して、所定の非ゼロ角度で角度を成している長手方向軸を有している。ゴルフクラブアッセンブリは、更に、下端部分を有するシャフトと、シャフトの下端部分に装着され、アダプタスリーブの開口部に受け入れられるようになっているシャフトスリーブと、を備えている。シャフトスリーブは、シャフトスリーブとアダプタスリーブの間の相対回転を制限するため、アダプタスリーブの非円形の内面と噛み合うようになっている非円形の外面を有している。シャフトスリーブは、シャフトスリーブとシャフトが、ホーゼルの長手方向軸に対して所定の角度で支持されるように、アダプタスリーブの長手方向軸と整列する長手方向軸を画定している。

別の代表的な実施形態では、ゴルフクラブアッセンブリは、回転防止部分を収納する開口部を画定しているホーゼルを有するクラブヘッドを備えており、ホーゼルは長手方向軸を画定している。アッセンブリは、更に、それぞれがホーゼル開口部に受け入れられるように構成されている複数の取り外し可能なアダプタスリーブを備えており、各スリーブは、アダプタスリーブとホーゼルの間の相対回転を制限するため、ホーゼルの回転防止部分と噛み合うようになっている第１回転防止部分を有している。各アダプタスリーブは、長手方向に延びる開口部と、開口部の第２回転防止部分と、を有しており、各アダプタスリーブは、ホーゼルの長手方向軸に対して、異なる所定の角度を成している長手方向軸を有している。アッセンブリは、更に、下端部分を有するシャフトと、シャフトの下端部分に装着され、それぞれのアダプタスリーブの開口部に受け入れられるようになっているシャフトスリーブと、を備えている。シャフトスリーブは、シャフトスリーブとシャフトスリーブが挿入されているアダプタスリーブの間の相対回転を制限するため、各アダプタスリーブの第２回転防止部分と噛み合うようになっている個別の回転防止部分を有している。シャフトスリーブは、長手方向軸を画定しており、シャフトスリーブの長手方向軸が、シャフトスリーブが挿入されるアダプタスリーブの長手方向軸と整列するように、それぞれのアダプタスリーブに受け入れられるようになっている。

別の代表的な実施形態では、ゴルフシャフトと、長手方向軸を画定しているホーゼル開口部を有するゴルフクラブヘッドとを、組み立てる方法が提供されている。本方法は、それぞれが、シャフトの下端部分に装着されているシャフトスリーブを受け入れるようにな
っている開口部を有する、複数のアダプタスリーブの中から、或るアダプタスリーブを選択する段階を含んでおり、それぞれのアダプタスリーブは、シャフトを、ホーゼル開口部の長手方向軸に対して異なる所定の向きに支持するように構成されている。本方法は、更に、シャフトスリーブを、選択されたアダプタスリーブの中へ挿入する段階と、選択されたアダプタスリーブをクラブヘッドのホーゼル開口部の中へ挿入する段階と、シャフトスリーブと従ってシャフトを、シャフトスリーブに重ねて配置されている選択されたアダプタスリーブを用いて、クラブヘッドに固定する段階と、を含んでいる。

更に別の代表的な実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、クラブヘッドの前方端部を画定する打球面を有する本体を備えており、本体は、更に、前方端部の反対側の後方端部を有している。本体は、更に、後方端部と前方端部を有していて本体のピボット軸に枢動可能に接続されている調節可能なソール部分を備えており、ソール部分は、本体にするソール部分の位置を調節するため、ピボット軸周りに枢動させることができるようになっている。

更に別の代表的な実施形態では、ゴルフクラブアッセンブリは、クラブヘッドの前方端部を画定する打球面を有する本体を備えたゴルフクラブヘッドを備えている。本体は、更に、前方端部の反対側の後方端部と、ホーゼル開口部を有するホーゼルと、を有している。本体は、更に、後方端部と前方端部を有していて本体のピボット軸に枢動可能に接続されている調節可能なソール部分を備えている。ソール部分は、本体に対するソール部分の位置を調節するため、ピボット軸周りに回転させることができるようになっている。アッセンブリは、更に、取り外し可能なシャフトと、ホーゼル開口部内に受け入れられるようになっていて、且つシャフトの下端部分を受け入れシャフトをクラブヘッドに対して所望の向きに支持するようになっているそれぞれの開口部を有している、取り外し可能なスリーブと、を備えている。機械的締結具が、シャフトとスリーブを、クラブヘッドに解放可能に固定するようになっている。

別の代表的な実施形態では、ゴルフクラブのプレイ特性を調節する方法は、クラブのクラブヘッドに対するクラブのシャフトの向きを調節することによって、クラブのスクエアロフトを調節する段階と、クラブヘッド本体に対するクラブヘッドのソールの位置を調節することによって、クラブのフェース角を調節する段階と、を含んでいる。

別の代表的な実施形態では、ゴルフクラブヘッドにおいて、ゴルフクラブヘッドの前方部分に配置されているフェースプレートと、ホーゼルと、ゴルフクラブヘッドの底部分に配置されているソールと、ゴルフクラブヘッドの最上部分に配置されているクラウンと、を備える本体、を含んでいるゴルフクラブヘッドが記載されている。本体は、内部キャビティを画定しており、クラウンの少なくとも５０パーセントは約０．８ｍｍより小さい厚さを有している。約０．５度から約３．０度の最大ロフト変化を許容する調節可能なロフトシステムが記載されている。本体には、少なくとも１つの重りポートが形成されており、少なくとも１つの重りが、少なくとも部分的に当該重りポートのうちの少なくとも１つの重りポート内に保定されるように構成されている。

更に別の代表的な実施形態では、ゴルフクラブヘッドにおいて、本体と、最大ロフト変化を許容するように構成されている調節可能なロフトシステムと、を含んでいるゴルフクラブヘッドが記載されている。本体には、少なくとも２つの重りポートが、それらの間に距離を持たせて形成されている。少なくとも１つの重りが、少なくとも部分的に当該重りポートの少なくとも１つの重りポート内に保定されるように構成されている。少なくとも１つの重りは、最大質量を有しており、少なくとも２つの重りポートの間の距離に最大ロフト変化を乗じ更に少なくとも１つの重りの最大質量を乗じたものは、約５０ｍｍ・ｇ・度から約６，０００ｍｍ・ｇ・度の間である。

更に別の代表的な実施形態では、ゴルフクラブヘッドにおいて、本体と、ゴルフクラブヘッドの最上部分に配置されているクラウンと、を含んでいるゴルフクラブヘッドが記載されている。本体は、内部キャビティを画定しており、クラウンの少なくとも５０パーセントは０．４ｇ／ｃｍ^２より小さい面積重量を有している。約０．５度から約３．０度の最大ロフト変化を許容する調節可能なロフトシステムも記載されている。本体には、少なくとも１つの重りポートが形成されており、少なくとも１つの重りが、少なくとも部分的に重りポート内に保定されるように構成されている。ゴルフクラブヘッドは、複合フェース挿入部を含むことができる。

別の代表的な実施形態では、ゴルフクラブヘッドにおいて、回転式に調節可能なソール部片であってソール部片を通って延びる軸に関して複数の回転位置に位置決めされるようになっているソール部片、を含んでいるゴルフクラブヘッドが記載されている。このクラブヘッドは、ソール部片をソール側で複数の回転位置の選択された１つの位置にロックするように構成されている解放可能なロック機構を含んでいる。

別の代表的な実施形態では、ゴルフクラブヘッドにおいて、略三角形の調節可能なソール部片であってソール部片を通って延びる軸に関して３つの別々の選択可能な位置に位置決めされるようになっているソール部片、を含んでいるゴルフクラブヘッドが記載されている。このクラブヘッドは、ソール部片を通ってクラブヘッド本体のソールのねじの切られた開口の中へ延びるようになっていてソール部片をソール側で３つの位置の選択された１つの位置にロックするように構成されているねじを含んでいる。

別の代表的な実施形態では、ゴルフクラブヘッドにおいて、回転式に調節可能なソール部片であってソール部片を通って延びる軸に関して複数の回転位置に位置決めされるようになっているソール部片、を含んでいるゴルフクラブヘッドが記載されている。この実施形態では、ソール部片の回転位置を調節すると、ゴルフクラブヘッドのフェース角を約０．５度から約１２度の間で変化させることができる。

別の代表的な実施形態では、ゴルフクラブヘッドにおいて、ゴルフクラブヘッドのソールの陥凹キャビティであってキャビティの天蓋から下向きに延びるプラットホームを有する陥凹キャビティと、少なくとも部分的にキャビティ内に受け入れられるようになっている調節可能なソール部片であって、本体を備え、当該本体がプラットホームに接触するようになっていて本体を通って延びる軸に沿って互いからオフセットされている複数の面を有している、ソール部片と、を含んでいるゴルフクラブヘッドが記載されている。この実施形態では、ソール部片は、少なくとも部分的にキャビティ内で軸に関して複数の回転及び軸方向位置に位置決めできる。更に、それぞれの回転位置で、本体のそれら面の少なくとも１つがプラットホームに接触してソール部片の軸方向位置を設定する。

別の代表的な実施形態では、ゴルフクラブにおいて、ホーゼルとソールとを備えるクタブヘッド本体を含んでおり、ソールは、クラブヘッド本体の底部分に配置されていて、陥凹キャビティと、キャビティの天蓋から下向きに延びるプラットホームと、を備えている、ゴルフクラブが記載されている。この実施形態は、更に、少なくとも部分的にキャビティ内に受け入れられるようになっている調節可能なソール部片であって、本体を備え、当該本体がプラットホームに接触するようになっていて本体を通って延びる軸に沿って互いからオフセットされている複数の面を有している、ソール部片を含んでいる。この実施形態では、ソール部片は、少なくとも部分的にキャビティ内で軸に関して複数の回転及び軸方向位置に位置決めでき、それぞれの回転位置で、本体のそれら面の少なくとも１つがプラットホームに接触してソール部片の軸方向位置を設定し、それにより、ソール部片の回転位置を調節すると、その結果、ゴルフクラブヘッドのフェース角を約０．５度から約１
２度の間で変化させることができる。この実施形態は、更に、ソール部片をソール側で複数の回転位置の選択された１つの位置にロックするように構成されている解放可能なロック機構と、シャフトと、シャフトをホーゼルに結合するように回転式に調節可能なスリーブと、を含んでいる。調節可能なスリーブをホーゼルに対して回転させるとシャフトがホーゼルから異なった方向に延ばされ、それにより、ゴルフクラブのスクエアロフトを変化させることができる。更に、スクエアロフトとフェース角はそれぞれ独立に調節できる。

ウッド型式のゴルフクラブヘッドの幾つかの実施形態は、前部分と、後部分と、トゥ部分と、ソールと、ソールの内部面に配置されている複数のリブと、を有する本体を備えている。複数のリブは、トゥ部分から後方ヒール方向に延びる第１リブと、ヒール部分から後方トゥ方向に延びる第２リブと、後部分から前方方向に延びる第３リブと、を含んでおり、第１、第２、及び第３リブは、収束場所に収束している。

幾つかの実施形態では、本体は、更に、トゥ部分に配置されている第１重りポートと、ヒール部分に配置されている第２重りポートと、を備えており、第１リブは第１重りポートに接続されており、第２リブは第２重りポートに接続されている。

幾つかの実施形態では、複数のリブは、収束場所から前方方向へ延びる第４リブを備えている。

幾つかの実施形態では、本体は、更に、ホーゼルを備え、複数のリブは、ホーゼルと第１重りポートの間に延びる第４リブを備えている。

幾つかの実施形態では、収束場所は、ゴルフクラブヘッドの重心の後方ヒール側である。

幾つかの実施形態では、ソールは、周囲ソール領域に関して陥凹しているポケットの様な収束ゾーンを備えており、収束場所は収束ゾーンの上に配置されている。これらの実施形態の幾つかでは、第１、第２、及び第３リブは、収束ゾーンの内部面及び周囲ソール領域の内部面を横切って延びている。これらの実施形態の幾つかでは、第１、第２、及び第３リブは、ソールの開口に収束しており、開口は収束ゾーンの中央にある。

幾つかの実施形態では、クラブヘッドは、更に、調節可能なソール部片であって、ソール部片を通過しソールの開口へ固定される締結具を介してポケットの外面に結合されている調節可能なソール部片を備えている。これらの実施形態の幾つかでは、調節可能なソール部片は、ソール部片を通って延びる軸に関して複数の軸方向位置に位置決めされるように構成されており、調節可能なソール部片は、ソール側の複数の軸方向位置の選択された１つの位置でソールへ解放可能にロックできる。これらの実施形態の幾つかでは、調節可能なソール部片は、略三角形の構成を有しており、開口を通って延びる軸に関して３つの区別できる軸方向位置に位置決めされるようになっている。これらの実施形態の幾つかでは、調節可能なソール部片は、ソール上に設置されている少なくとも２つの突起を受け入れるように構成されている。

ゴルフクラブヘッドの幾つかの実施形態は、本体であって、本体の底部分に配置されているソール部分を有する本体を備えており、ソール部分は、２，５００Ｈｚより大きい第１基本ソールモードの周波数を有している。クラブヘッドは、更に、本体のヒール部分に配置されているホーゼル部分と、本体の上側部分に設置されているクラウン部分と、本体の前部分に設置されている打球面部分と、を備えている。ソール部分は、調節可能なソール部片を受け入れるように構成されている陥凹ゾーン及び周囲ソール領域と、ソール部分の内部面の一部分に沿って延びている少なくとも１つのリブと、を備えている。調節可能
なソール部片は、少なくとも第１のクラブヘッドフェース角と関連付けられる少なくとも第１の位置を提供するように構成されており、調節可能なソール部片は、更に、少なくとも第２のクラブヘッドフェース角と関連付けられる少なくとも第２の位置を提供するように構成されており、調節可能なソール部片は、ソール上に設置されている少なくとも２つの突起を受け入れるように構成されている。

これらの実施形態の幾つかでは、本体は、更に、本体のトゥ部分に配置されている重りポートを備えており、ソールの内部面に配置されている１つ又はそれ以上のリブは、ソールの内面に沿ってホーゼルから重りポートへ延びている第１リブを含んでいる。ソール部分は、更に、ゴルフクラブヘッドがアドレス位置にあるときに地面と接触するように構成されている前ソール領域と、地面から離間されるように前ソール領域に対比して陥凹している陥凹ソール領域と、前ソール領域から陥凹ソール領域へ内向きに延びる勾配の付いたソール移行ゾーンと、を備えている。第１リブは、前ソール領域のホーゼルに隣接している第１部分から、ソール移行ゾーンのホーゼルに隣接している第１部分を横切り、陥凹ソール領域を横切り、ソール移行ゾーンの重りポートに隣接している第２部分を横切り、前ソール領域の重りポートに隣接している第２部分を横切って、延びている。これらの実施形態の幾つかでは、ゴルフクラブヘッドがアドレス位置にあるとき、第１リブは、地面と平行なＸ−Ｙ面へ投影させると直線状に延びている。

これらの実施形態の幾つかでは、第１リブは、ホーゼルから重りポートの間の長さに沿って変わる高さを有しており、ホーゼル近くの高さ及び重りポート近くの高さは、第１リブが陥凹ソール領域を横切って延びている所の高さよりも大きい。

これらの実施形態の幾つかでは、調節可能なソール部片は、クラブヘッドのフェース角を調節するように３つの別々の位置に位置決めできる。

ゴルフクラブの幾つかの実施形態は、本体と、本体に接続されているシャフトと、シャフトに接続されているグリップと、本体の上側部分に設置されているクラウン部分と、本体の前部分に設置されている打球面と、本体の底部分に設置されているソール部分と、を備えている。ソール部分は、調節可能なソール部片を受け入れるように構成されている陥凹ゾーン及び周囲ソール領域と、ソール部分の内部面の一部分に沿って延びている少なくとも１つのリブと、を備えている。調節可能なソール部片は、少なくとも第１のクラブヘッドフェース角と関連付けられる少なくとも第１の位置を提供するように構成されており、調節可能なソール部片は、更に、少なくとも第２のクラブヘッドフェース角と関連付けられる少なくとも第２の位置を提供するように構成されている。

これらの実施形態の幾つかは、更に、陥凹ゾーンに配置されている調節可能なソール部片と、調節可能なソール部片を陥凹ゾーンへ固定している締結具と、を備えている。少なくとも１つのリブの一部分は、陥凹ゾーンの内部面の一部分に沿って延びていて、ゴルフクラブがアドレス位置にあるときの調節可能なソール部分の直上の領域内に配置されている。

これらの実施形態の幾つかでは、ソール部分は、２，５００Ｈｚより大きい第１基本ソールモードの周波数を含んでいる。これらの実施形態の幾つかでは、ソール部分は、３、０００Ｈｚより大きい第１基本ソールモードの周波数を含んでいる。

ゴルフクラブヘッドの幾つかの実施形態は、回転式に調節可能なソール部片であってソール部片を通って延びる中心軸に関して少なくとも５つ又はそれ以上の回転位置でソールへ固定されるように構成されているソール部片、を備えており、ソール部片は、回転位置のそれぞれの位置で、ソールから異なった軸方向距離を延びている。調節可能なソール部
片は、略五角形とすることができ、５つの別々の選択可能な位置でソールへ固定することができる。調節可能なソール部片は、ソール部片の中心軸に対して互いに実質的に対称である少なくとも５つの壁部分を含んでいる環状側壁を含むことができる。幾つかの実施形態では、ソール部片の回転位置を調節すれば、ゴルフクラブヘッドがアドレス位置にあるときのゴルフクラブヘッドのフェース角がゴルフクラブヘッドのロフト角と独立に変化する。

ゴルフクラブヘッドは、更に、ゴルフクラブヘッドの底部分に配置されているソールであって陥凹ソール部分付きのソールを備えることができる。回転式に調節可能なソール部片は、少なくとも部分的にソールポート内に受け入れられるようになっていてもよい。ソール部片は、ソールポートに接触するようになっている複数の面を有する中央本体を備えることができ、それら面は中央本体を通って延びる中心軸に沿って互いからオフセットされていてもよい。ソール部片は、少なくとも部分的にソールポート内で中心軸に関して５つ又はそれ以上の回転及び軸方向位置に位置決めできるようになっていてもよい。それぞれの回転位置で中央本体の複数の面の少なくとも１つがソールポートに接触してソール部片の軸方向位置を設定する。ソールポート及びソール部片は、それぞれ、ゴルフクラブヘッドの底から見て略五角形であってもよい。

ゴルフクラブヘッドの幾つかの実施形態は、フェースとクラウンとソールを有していてそれらが一体で内部キャビティを画定している本体を備えており、本体は、ソールに設置されていて概ね本体のヒール端から本体のトゥ端へ延びているチャネルを有している。フェースの中心と交わる第１の垂直面とチャネルを二分する第２の垂直面の間の距離は、チャネルの全長に亘って約５０ｍｍより小さい。チャネル内には重り部材が、チャンネル内での重り部材の位置が調節できるように、可動式に配置されていてもよい。

これらの実施形態の幾つかでは、第１の垂直面と第２の垂直面の間の距離は、チャネルの全長に亘って約４０ｍｍより小さい。更に他の実施形態では、第１の垂直面と第２の垂直面の間の距離は、チャネルの全長に亘って約３０ｍｍより小さい。

これらの実施形態の幾つかでは、チャネル内では、本体のヒール端から本体のトゥ端へ棚部が延びている。棚部は、棚部の露出している面に設置されている複数のロック用突起を含むことができる。これらの実施形態の幾つかでは、重り部材は、チャネル内に棚部に接触して保定されている外部材と、チャネル内に保定されている内部材と、外部材を内部材へ接続する締結用ボルトと、を含んでいる。これらの実施形態の幾つかでは、外部材は、棚部の露出している面に設置されているロック用突起に選択式に係合するようになっている複数のロック用ノッチを含んでいる。これらの実施形態の幾つかでは、外部材は、概ねチャネルのヒール−トゥ方向に延びる長さＬを有しており、ロック用突起のそれぞれ隣り合う対は、棚部に沿って距離Ｄ１だけ離隔されており、ここにＬ＞Ｄ１である。

これらの実施形態の幾つかでは、回転式に調節可能なソール部片は、ソール部片を通って延びる中心軸に関して複数の回転位置の１つの位置でソールへ固定される。ソール部片は、回転位置のそれぞれの位置で、ソールから異なった軸方向距離を延びている。ソール部片を回転位置の異なったそれぞれの位置に調節すると、ゴルフクラブヘッドがアドレス位置にあるときのゴルフクラブヘッドのフェース角がゴルクラブヘッドのロフト角と独立に変化する。これらの実施形態の幾つかでは、解放可能なロック機構が、ソール部片をソール側で回転位置の選択された１つの位置にロックするように構成されている。ロック機構は、ソール部片を通ってクラブヘッド本体のソールのねじの切られた開口の中へ延びるようになっているねじを含むことができる。これらの実施形態の幾つかでは、ソール部片は、ソール部片がそれぞれの回転位置にあるとき底面がソールの先導側接触面のヒール−トゥ曲率に実質的に一致するヒール−トゥ曲率を有するような凸状底面を有している。

ゴルフクラブヘッドの幾つかの実施形態は、フェースとクラウンとソールを有していてそれらが一体で内部キャビティを画定している本体を含んでおり、本体は、ソールに設置されていて概ね本体のヒール端から本体のトゥ端へ延びるチャネルを有している。チャネル内には重り部材が、チャンネル内での重り部材の位置が調節できるように、可動式に配置されていてもよい。フェースは、座標系の起点を画定している中心フェース位置を含んでおり、当該座標系では、本体が通常のアドレス位置にあるとき、ｘ軸は中心フェース位置におけるフェースに対する接線方向であって接地面に平行であり、ｙ軸はｘ軸に垂直に延び更に接地面に平行であり、ｚ軸は接地面に垂直に延びており、正のｘ軸は起点からヒール部分の方へ延び、正のｙ軸は起点から後方へ延び、正のｚ軸は起点から上方へ延びている。重り部材の最大ｘ軸位置調節範囲（Ｍａｘ Δｘ）は５０ｍｍより大きく、重り部材の最大ｙ軸位置調節範囲（Ｍａｘ Δｙ）は４０ｍｍより小さい。

これらの実施形態の幾つかでは、重り部材は、質量（Ｍ_ＷＡ）を有しており、積Ｍ_ＷＡ＊Ｍａｘ Δｘは、少なくとも２５０ｇ・ｍｍであり、例えば約２５０ｇ・ｍｍから約４９５０ｇ・ｍｍの間などである。

これらの実施形態の幾つかでは、積Ｍ_ＷＡ＊Ｍａｘ Δｙは、１８００ｇ・ｍｍより小さく、例えば約０ｇ・ｍｍから約１８００ｇ・ｍｍの間である。

これらの実施形態の幾つかでは、本体の重心は、約０ｍｍより小さいｚ軸座標（ＣＧｚ）を有している。

ゴルフクラブヘッドの幾つかの実施形態は、フェースとクラウンとソールを有していてそれらが一体で内部キャビティを画定している本体を含んでおり、本体は、ソールに設置されていて概ね本体のヒール端から本体のトゥ端へ延びるチャネルを有している。チャネル内には重り部材が、チャンネル内での重り部材の位置が調節できるように、可動式に配置されていて、それにより本体の重心位置が調節できるようになっていてもよい。フェースは、座標系の起点を画定している中心フェース位置を含んでおり、当該座標系では、本体が通常のアドレス位置にあるとき、ｘ軸は中心フェース位置におけるフェースに対する接線方向であって接地面に平行であり、ｙ軸はｘ軸に垂直に延び更に地面に平行であり、ｚ軸は接地面に垂直に延びており、正のｘ軸は起点からヒール部分の方へ延び、正のｙ軸は起点から後方へ延び、正のｚ軸は起点から上方へ延びている。重り部材の調節により、２ｍｍより大きい最大ｘ軸重心位置調節範囲（Ｍａｘ ΔＣＧｘ）と３ｍｍより小さい最大ｙ軸重心位置調節範囲（Ｍａｘ ΔＣＧｙ）を提供することができる。

これらの実施形態の幾つかでは、本体の重心は、約０ｍｍより小さいｚ軸座標（ＣＧｚ）を有している。

本発明の上記及びその他の特徴と利点は、添付図面を参照しながら進められる以下の詳細な説明から更に明白になるであろう。

１つの実施形態によるゴルフクラブヘッドの前面図である。 図１Ａのゴルフクラブヘッドの側面図である。 図１Ａのゴルフクラブヘッドの上面図である。 図１Ａのゴルフクラブヘッドの側面図である。 １つの実施形態による、取り外し可能なシャフトを有するゴルフクラブヘッドの断面図である。 図２のシャフト対クラブヘッド接続アッセンブリの分解断面図である。 図２の４−４線に沿う、図２のゴルフクラブヘッドの断面図である。 図２に示した接続アッセンブリのシャフトスリーブの斜視図である。 図５のスリーブの下側部分の拡大斜視図である。 図５のスリーブの断面図である。 図５のスリーブの上面図である。 図５のスリーブの底面図である。 図７の１０−１０線に沿う、スリーブの断面図である。 図２に示されている接続アッセンブリのホーゼル挿入部の斜視図である。 図２のホーゼル挿入部の断面図である。 図１１のホーゼル挿入部の上面図である。 図１２の１４−１４線に沿う、図２のホーゼル挿入部の断面図である。 図２に示されている接続アッセンブリのねじの底面図である。 図２と同様の断面図であり、シャフト対ヘッド接続アッセンブリの構成要素の剛性の計算に使用される各長さを特定している図である。 別の実施形態による、取り外し可能なシャフトを有するゴルフクラブヘッドの断面図である。 別の実施形態による、取り外し可能なシャフトを有するゴルフクラブヘッドの拡大断面図である。 図１８のシャフト対クラブヘッド接続アッセンブリの分解断面図である。 図１８の２０−２０線に沿う、図１８のゴルフクラブヘッドの拡大断面図である。 図１８に示されている接続アッセンブリのシャフトスリーブの斜視図である。 図２１のシャフトスリーブの下側部分の拡大斜視図である。 図２１のシャフトスリーブの断面図である。 図２１のシャフトスリーブの上面図である。 図２１のシャフトスリーブの底面図である。 図２３の２６−２６線に沿った、シャフトスリーブの断面図である。 図１８に示されている接続アッセンブリのホーゼルスリーブの側面図である。 図２７のホーゼルスリーブの斜視図である。 図２７のホーゼルスリーブを、ホーゼルスリーブの下側部分の外面によって画定されている長手方向軸Ｂに沿って見た上面図である。 図２７の３０−３０線に沿った、ホーゼルスリーブの断面図である。 図２７のホーゼルスリーブの断面図である。 図２７のホーゼルスリーブの上面図である。 図２７のホーゼルスリーブの底面図である。 図１８に通例的に示されている接続部のホーゼル挿入部の断面図である。 図３４のホーゼル挿入部の上面図である。 図３４の３６−３６線に沿った、ホーゼル挿入部の断面図である。 図３４のホーゼル挿入部の底面図である。 図１８に示されている接続アッセンブリのワッシャの断面図である。 図３８のワッシャの底面図である。 図１８のねじの断面図である。 ホーゼルスリーブの長手方向軸がホーゼル開口部の長手方向軸と整列している接続アッセンブリのねじ対ワッシャ界面を描いている断面図である。 ホーゼルスリーブの長手方向軸がホーゼル開口部の長手方向軸からずれている接続アッセンブリのねじ対ワッシャ界面を描いている断面図である。 別の実施形態による、取り外し可能なシャフトを有するゴルフクラブヘッドの拡大断面図である。 シャフトをクラブヘッドから取り外せるようにねじを緩めた、図４３Ａのゴルフクラブヘッドを示している。 図４３に示されているアッセンブリのシャフトスリーブの斜視図である。 図４４のシャフトスリーブの側面図である。 図４４のシャフトスリーブの底面図である。 図４６の４７−４７線に沿った、シャフトスリーブの断面図である。 シャフトスリーブの別の実施形態の断面図である。 当該シャフトスリーブを受け入れるようになっているホーゼル挿入部の上面図である。 シャフトスリーブの別の実施形態の断面図である。 当該シャフトスリーブを受け入れるようになっているホーゼル挿入部の上面図である。 １つの実施形態による、調節可能なソールプレートを有するゴルフクラブヘッドの側面図である。 図４８のゴルフクラブヘッドの底面図である。 別の実施形態による、調節可能なソール部分を有するゴルフクラブヘッドの側面図である。 図５４のゴルフクラブヘッドの後面図である。 図５４のゴルフクラブヘッドの底面図である。 図５４の５７−５７線に沿った、ゴルフクラブヘッドの断面図である。 図５６の５８−５８線に沿った、ゴルフクラブヘッドの断面図である。 シャフトを、公称位置、増ロフト位置、及び減ロフト位置に配置した場合の、ライ角範囲全体を通しての有効フェース角を示すグラフである。 別の実施形態による、取り外し可能なシャフトを有するゴルフクラブヘッドの拡大断面図である。 図６０に示されているアッセンブリのシャフトスリーブの前面図である。 図６０に示されているアッセンブリのシャフトスリーブの断面図である。 別の実施形態によるゴルフクラブヘッドの分解組立図である。 図６３Ａのゴルフクラブヘッドの組立後の図である。 別の実施形態によるゴルフクラブヘッドの上から見た断面図である。 図６４Ａのゴルフクラブヘッドの前から見た断面図である。 ゴルフクラブヘッドフェースプレート突出部の断面図である。 ゴルフクラブフェースプレート突出部の後面図である。 工具の等角投影図である。 ゴルフクラブヘッドの等角投影図である。 図６７Ａのゴルフクラブヘッドの分解図である。 図６７Ａのゴルフクラブヘッドの側面図である。 図６７Ａのゴルフクラブヘッドの側面図である。 図６７Ａのゴルフクラブヘッドの前面図ある。 図６７Ａのゴルフクラブヘッドの上面図である。 図６７Ａのゴルフクラブヘッドの断面上面図である。 ゴルフクラブヘッドの等角投影図である。 別の実施形態によるゴルフクラブヘッドの前面図である。 図６９Ａのゴルフクラブヘッドの側面図である。 図６９Ａのゴルフクラブヘッドの後面図である。 図６９Ａのゴルフクラブヘッドの底面図である。 図６９Ａのゴルフクラブヘッドの、Ａ−Ａ線に沿った断面図である。 図６９ＣのゴルフクラブヘッドのＨ−Ｈ線に沿った断面図である。 図６９Ａのゴルフクラブヘッドの分解斜視図である。 図６９Ａのゴルフクラブヘッドの本体の底面図であり、ソールの陥凹キャビティを示している。 図７１Ａのゴルフクラブヘッドの、Ｇ−Ｇ線に沿った断面図である。 図７１Ａのゴルフクラブヘッドの、Ｅ−Ｅ線に沿った断面図である。 図７１Ａのクラブヘッドのソールに形成されている隆起したプラットホーム又は突起の拡大断面図である。 図６９Ａのゴルフクラブヘッドの本体の底面図であり、隆起したプラットホーム又は突起の代わりの配置方位を示している。 図６９Ａのゴルフクラブヘッドの調節可能なソール部分の上面図である。 図７２Ａの調節可能なソール部分の側面図である。 図７２Ａの調節可能なソール部分の断面側面図である。 図７２Ａの調節可能なソール部分の底面の斜視図である。 図７２Ａの調節可能なソール部分の上面の斜視図である。 図７２Ａの調節可能なソール部分をクラブヘッドへ固定するのに使用することのできるねじの頭部の平面図である。 図７３Ａのねじの、Ａ−Ａ線に沿った断面図である。 更に別の実施形態によるゴルフクラブヘッドの分解図である。 図７４のゴルフクラブヘッドの組立後の図である。 図７４のゴルフクラブヘッドの前面図である。 図７４のゴルフクラブヘッドの上面図である。 図７４のゴルフクラブヘッドのヒール側側面図である。 図７４のゴルフクラブヘッドのトゥ側側面図である。 図７４のゴルフクラブヘッドの底面図である。 図７４の本体の上下方向断面図であり、ソールの内部特徴を示している。 図７４の本体の断面側面図であり、本体のヒール部分の内部特徴を示している。 図７４の本体の断面側面図であり、本体のトゥ部分の内部特徴を示している。 図７４の本体の断面斜視図であり、本体の内部特徴を示している。 図７４の本体の断面斜視図であり、本体の内部特徴を示している。 図７４の本体の断面斜視図であり、本体の内部特徴を示している。 図７４の本体のソールの、前後方向の面に沿った断面側面図であり、ソールポートへ締結具によって固定されている例示としての調節可能なソール部片を示している。 図８７Ａと共に、図７４の本体のソールの、前後方向の面に沿った断面側面図であり、ソールポートへ締結具によって固定されている例示としての調節可能なソール部片を示している。 図８５Ａのソールポートの、トゥ−ヒール方向の面に沿った断面側面図である。 図８５Ａのソールポートの隆起したプラットホームの下から見た平面図である。 図７４のソール部片の実施形態で形状が五角形である代わりの実施形態の図である。 図９０Ａの実施形態の別の図である。 図９０Ａの実施形態の別の図である。 図９０Ａの実施形態の別の図である。 図９０Ａの実施形態の別の図である。 図９０Ａの実施形態の別の図である。 ３つの隆起したプラットホームを有するソールポートの代わりの実施形態の底面図である。 図９１Ａと共に、３つの隆起したプラットホームを有するソールポートの代わりの実施形態の底面図である。 図９０Ａ−図９０Ｆの五角形ソール部片の代わりの実施形態の図である。 図９２Ａの実施形態の別の図である。 図９２Ａの実施形態の別の図である。 図９２Ａの実施形態の別の図である。 図９２Ａの実施形態の別の図である。 更に別の実施形態によるゴルフクラブヘッドの前面図である。 図９３Ａのゴルフクラブヘッドの底面図である。 図９３Ａのゴルフクラブヘッドのトゥ側側面図である。 図９３Ａのゴルフクラブヘッドのヒール側側面図である。 図９３Ａ−図９３Ｄのゴルフクラブヘッドの、分かり易くするために重りアッセンブリを取り払ったヒール側側面図である。 図９４Ａの挿入線「Ｂ」に沿って取り出した近接図である。 図９３Ａ−図９３Ｄのゴルフクラブヘッドの、分かり易くするために重りアッセンブリを取り払った底面図である。 図９５Ａの挿入線「Ｂ」に沿って取り出した近接図である。 図９３Ａ−図９３Ｄのゴルフクラブヘッドの断面図である。 図９６Ａの挿入線「Ｂ」に沿って取り出した近接図である。 図９３Ａ−図９３Ｄのゴルフクラブヘッドの塊体部材の上面及び底面の斜視図である。 図９３Ａ−図９３Ｄのゴルフクラブヘッドのワッシャの或る実施形態の上面及び底面の斜視図である。 図９３Ａ−図９３Ｄのゴルフクラブヘッドのワッシャの別の実施形態の上面及び底面の斜視図である。 更に別の実施形態によるゴルフクラブヘッドの底面図である。 図９８Ａのゴルフクラブヘッドのヒール側側面図である。 図９８Ａ−図９８Ｂに示されているゴルフクラブヘッドの一部分の近接図である。 更に別の実施形態によるゴルフクラブヘッドの分解図である。 更に別の実施形態によるゴルフクラブヘッドの分解図である。 重りアッセンブリの場所を変化させていった場合のゴルフクラブヘッドのＣＧｚ及びＣＧｘの値を示しているグラフである。

本発明の特徴は、ここに開示されている新規性及び進歩性のあるあらゆる特徴を、単独にも、また他の要素との新規的進歩的な組合せとしても、包含する。ここでの使用に際し、「及び／又は」という語句は、「及び」、「又は」、そして「及び」と「又は」の両方、を意味する。ここでの使用に際し、英文不定冠詞及び定冠詞の対訳である単数形「一」、「或る」、及び「当該」は、文脈上明白に他に指定のない限り、１つ又は１つより多いことをいう。ここでの使用に際し、「含んでいる」という用語は、「備えている」を意味する。

まず図１Ａから図１Ｄを参照すると、各図には、１つの実施形態による、取り外し可能なシャフト５０を有するゴルフクラブヘッド３００の参考としてゴルフクラブの特徴的な角度が示されている。クラブヘッド３００は、センターフェース又は打球面３１０と、スコアライン３２０と、ホーゼル開口部３４０を有するホーゼル３３０と、ソール３５０と、を備えている。ホーゼル３３０は、ホーゼル長手方向軸６０を有しており、シャフト５０は、シャフト長手方向軸を有している。例示されている実施形態では、ゴルフクラブヘ
ッド３００の理想的なインパクト位置３１２は、打球面３１０の幾何学的中心に置かれている（図１Ａ参照）。理想的なインパクト位置３１２は、典型的には、打球面３１０の高さ（Ｈ_ＳＳ）と幅（Ｗ_ＳＳ）の中点の交点と定義されている。

Ｈ_ＳＳとＷ_ＳＳは共に、打球面曲線（Ｓ_ＳＳ）を使って判定される。打球面曲線は、フェースが実質的に均一なバルジ半径（フェースのヒールからトウまでの曲率半径）及び実質的に均一なロール半径（フェースのクラウンからソールまでの曲率半径）から本体に移行している全ての点により、その周囲の境界が定められている（例えば、図１参照）。図示の例では、Ｈ_ＳＳは、フェースの幾何学的中心を通って延びる垂直面（地面に対し直角）で測定した、Ｓ_ＳＳのソール部分に近接する周囲からＳ_ＳＳのクラウン部分に近接する周囲までの距離である。同様に、Ｗ_ＳＳは、フェースの幾何学的中心を通って延びる水平面（例えば、地面に対し実質的に平行）で測定した、Ｓ_ＳＳのヒール部分に近接する周囲からＳ_ＳＳのトゥ部分に近接する周囲までの距離である。打球面の幾何学的中心を測定する方法論については、ＵＳＧＡ「ゴルフクラブヘッドの可撓性を測定するための手法」（"Procedure of Measuring the Flexibility of a Golf Clubhead"）２．０改定版を参照
されたい。

図１Ａに示されている様に、ライ角１０（「スコアラインライ角」とも呼ばれる）は、クラブが接地アドレス位置にあるときの、ホーゼル長手方向軸６０と競技面７０との間の角度と定義されている。接地アドレス位置は、シャフトのグリップを支え（その軸周りに回転自在）、シャフトを地面に対して、スコアライン３２０が水平になる或る角度で保持したときの、競技面上のヘッドの静止位置と定義されている（クラブにスコアラインが無い場合は、ライは６０度に設定されるものとする）。センターフェース飛球線ベクトルは、クラブがアドレス位置にありセンターフェース点から外を指しているときにシャフトに垂直な水平ベクトルと定義されている。飛球線面は、センターフェース飛球線ベクトルを内包する垂直面と定義されている。スクエアフェースのアドレス位置は、ソールを地面から浮かせて、スコアラインが水平になりセンターフェースの法線ベクトルが飛球線面内に完全に入るように（配置位置、回転位置共に）、シャフトを保持したときの、ヘッド位置と定義されている（ヘッドにスコアラインが無い場合は、シャフトを地面に対し６０度に保持し、ヘッドを、センターフェース法線ベクトルが飛球線面内に完全に入るまでシャフト軸周りに回転させるものとする）。実際の又は測定されたライ角は、クラブが、スコアラインを水平にして接地アドレス位置に保持されているか否かに関わりなく、ホーゼル長手方向軸６０と競技面７０の間の角度１０と定義することができる。研究によると、殆どのゴルファーは、クラブの意図されたスコアラインライ角１０より１０度から２０度小さい実際のライ角で、ボールにアドレスすることが示されている。研究によると、更に、殆どのゴルファーで、インパクト時の実際のライ角は、クラブの意図されたスコアラインライ角１０より０度から１０度小さいことが示されている。

図１Ｂに示されている様に、クラブヘッドのロフト角２０（以下「スクエアロフト」と呼ぶ）は、ヘッドがスクエアフェースアドレス位置にあるときの、センターフェースの法線ベクトルと地面の間の角度と定義されている。図１Ｄに示されている様に、ホーゼルのロフト角７２は、飛球線面上に投影したホーゼル長手方向軸６０と、センターフェースの中心の接線である面７４の間の角度と定義されている。シャフトのロフト角は、面７４と、飛球線面上に投影したシャフト５０の長手方向軸の間の角度である。クラブヘッドの「接地ロフト」８０は、クラブが接地アドレス位置にあるとき（即ち、ソール３５０が地面に載っているとき）の、センターフェース法線ベクトルの頂角であり、或いは、言い方を変えれば、クラブが接地アドレス位置にあるときの、センターフェースの面７４と垂直面の間の角度である。

図１Ｃに示されている様に、フェース角３０は、シャフト５０が適正なライ（即ち、典
型的には６０度＋／−５度）にあり、ソール３５０が競技面７０に載っている（クラブが接地アドレス位置にある）ときの、センターフェースの法線ベクトルの水平方向成分と、シャフト長手方向軸を内包する垂直面に垂直な垂直面（「飛球線面」）とによって画定される。

ライ角１０及び／又はシャフトロフトは、クラブヘッドに対するシャフト５０の位置を調節することにより、修正することができる。従来のやり方では、シャフトの位置の調節は、シャフトとホーゼルをクラブヘッドに対して曲げることにより達成されてきた。図１Ａに示されている様に、ライ角１０は、シャフトとホーゼルを、シャフト長手方向軸６４で示されている様に、クラブヘッド３００に向けて内向きに曲げることにより、大きくすることができる。ライ角１０は、シャフトとホーゼルを、シャフト長手方向軸６２で示されている様に、クラブヘッド３００から外向きに曲げることにより、小さくすることができる。図１Ｃに示されている様に、シャフトとホーゼルを、シャフト長手方向軸６６で示されている様に、打球面３１０に向けて前方に曲げることで、シャフトロフトは大きくなる。シャフトとホーゼルを、シャフト長手方向軸６８で示されている様に、クラブヘッドの後部に向けて後方に曲げることで、シャフトロフトは小さくなる。従来のクラブでは、シャフトロフトは、シャフトとホーゼルがどちらもクラブヘッドに対して曲がっていることから、典型的にはホーゼルのロフトと同じであることに注目されたい。ここに開示されている或る実施形態では、シャフトの位置を、ホーゼルに対して調節することで、シャフトロフトを調節することができる。その様な場合でも、クラブのシャフトロフトは調節されるが、ホーゼルのロフトは変化しない。

シャフトロフトを調節することには、クラブのスクエアロフトを同量だけ調節する効果がある。同様に、シャフトロフトを調節し、クラブヘッドをアドレス位置に置いたとき、クラブヘッドのフェース角は、シャフトロフトの変化に比例して増減する。従って、シャフトロフトを調節することで、スクエアロフトとフェース角が変化する。更に、ライ角を調節するには、シャフトとホーゼルをクラブヘッドに対して第１方向の内向き又は外向きに曲げ、シャフトロフトを調節するには、シャフトとホーゼルをクラブヘッドに対して第２方向の前方又は後方に曲げる、というやり方で、シャフトとホーゼルを曲げることによって、ライ角とシャフトロフト（及び、結果的に、スクエアロフトとフェース角）を調節できるようになっている。

ヘッド対シャフト接続アッセンブリ
次に図２−図４を参照すると、各図には、取り外し可能なヘッド対シャフト接続アッセンブリを介してゴルフクラブシャフト５０に取り付けられているゴルフクラブヘッド３００を備えたゴルフクラブが示されており、同アッセンブリは、全体的に見ると、例示されている実施形態では、シャフトスリーブ１００と、ホーゼル挿入部２００と、ねじ４００とを備えている。クラブヘッド３００には、ホーゼル３３０からクラブヘッドを貫いて延びクラブヘッドのソール又は底面に開口しているホーゼル開口部又は通路３４０が形成されている。一般に、クラブヘッド３００は、スリーブ１００（シャフト５０の下端部分に装着されている）を用いて、スリーブ１００をホーゼル開口部３４０及びホーゼル挿入部２００（ホーゼル開口部３４０の内部に装着されている）に挿入し、ねじ４００を、ソールの開口部を通して上向きに挿入し、ねじをスリーブのねじの切られた開口部に締め付けて、クラブヘッド３００をスリーブ１００に固定することによって、シャフト５０に取り外し可能に取り付けられる。

例えば、クラブヘッド３００は、「ウッド型式」ゴルフクラブのヘッドを備えている。本明細書に開示されている全ての実施形態は、限定するわけではないが、ドライバ、フェアウェイウッド、ユーティリティクラブ、パター、ウェッジなどを含む、全型式のゴルフクラブに実施することができる。

ここでの使用に際し、クラブヘッドに「取り外し可能に取り付けられ」ているシャフトとは、シャフトを、接着剤を使わずに、ねじ又はねじの切られたフェルールの様な１つ又はそれ以上の機械的締結具を使って、クラブヘッドに接続することができ、２つの構成要素の間の接着結合を破壊する必要無しに、１つ又はそれ以上の機械的締結具を緩めるか又は取り外すことによって、シャフトをヘッドから切り離す又は分離することができることを意味している。

スリーブ１００は、シャフト５０の下端部分又は先端部分９０に装着される。スリーブ１００は、シャフト５０の下端部分に、接着剤で接着するか、溶接するか、又は同等のやり方で固定することができる。他の実施形態では、スリーブ１００は、シャフト５０の一部として一体的に形成されている。図２に示されている様に、フェルール５２を、シャフトスリーブ１００の真上のシャフト端部分９０に装着して、シャフトスリーブとシャフトの間が滑らかに移行し、シャフトとスリーブの間の接着剤の線が隠れるようにしてもよい。フェルールは、シャフトの先端の破損を最小限にするのにも役立つ。

図３に分かり易く示されている様に、ホーゼル開口部３４０は、クラブヘッド３００を貫いて延びており、ホーゼル側壁３５０を有している。フランジ３６０は、ホーゼル側壁３５０から半径方向内向きに延び、ホーゼル開口部の底壁を形成している。フランジは、通路３７０、フランジ上面３８０、及びフランジ下面３９０を画定している。ホーゼル挿入部２００は、挿入部の底面２５０をフランジ上面３８０に接触させてホーゼル開口部３４０内に装着することができる。ホーゼル挿入部２００は、接着剤により接着するか、溶接するか、蝋付けするか、又は同等のやり方で、ホーゼル側壁３５０及び／又はフランジに固定し、所定位置に固定することができる。他の実施形態では、ホーゼル挿入部２００は、クラブヘッド３００と一体形成することもできる（例えば、挿入部は、ホーゼル開口部に、直接、形成し及び／又は機械加工してもよい）。

クラブヘッド３００をシャフト５０に取り付けたとき、ヘッド３００に対するシャフト５０の回転運動を制限するため、スリーブ１００は、挿入部２００の相補的な回転防止部分と噛み合う回転防止部分を有している。例示されている実施形態では、例えば、シャフトスリーブは、ホーゼル挿入部２００の非円形の構成と相補的な非円形の構成を有する下側部分１５０を有している。このやり方では、スリーブの下側部分１５０は、ホーゼル挿入部２００によって画定されているキー溝に受け入れられるキー状部分を画定している。特定の実施形態では、スリーブの回転防止部分は、図５−図６に示されている様な、スリーブ下側部分１５０の外面１６０に形成されている長手方向に延びる外スプライン５００を備えており、挿入部の回転防止部分は、図１１−図１４に示されている様に、ホーゼル挿入部２００の内面２５０に形成されている相補的な構成の内スプライン２４０を備えている。代わりの実施形態では、回転防止部分は、スリーブ外面１６０の構成を、楕円形、矩形、六角形、又は、様々な他の非円形の構成にして、ホーゼル挿入部内面２５０の構成を相補的な非円形の構成にしてもよい。

図３の例示されている実施形態では、ねじ４００は、面４２０を有する頭部４１０と、ねじ部４３０を備えている。ねじ４００は、ねじを通路３７０に挿通し、スリーブ１００のねじの切られた底開口部１９６の中へ締め付けるやり方で、クラブヘッド３００をシャフト５０に固定するのに用いられている。他の実施形態では、クラブヘッド３００は、他の機械的締結具によってシャフト５０に固定することができる。ねじ４００がスリーブ１００と完全に係合すると、頭部の面４２０は、フランジの下面３９０に接触し、スリーブ１００の環状スラスト面１３０は、ホーゼル上面３９５（図２）に接触する。図示の例のスリーブ１００、ホーゼル挿入部２００、スリーブ下側開口部１９６、ホーゼル開口部３４０、及びねじ４００は、同軸に整列している。

本願に記載されている取り外し可能なクラブヘッド対シャフト接続アッセンブリを採用しているゴルフクラブは、従来のクラブと同じ「感触」が得られるように、同等の従来型のゴルフクラブと実質的に同様の重量、及び質量分布を有しているのが望ましい。而して、接続アッセンブリの各種構成要素（例えば、スリーブ１００、ホーゼル挿入部２００、及びねじ４００）は、軽量高強度の金属及び／又は合金（例えば、Ｔ６テンパアルミニウム合金７０７５、５等級６Ａｌ−４Ｖチタン合金など）で作られ、所望のゴルフクラブ特性を強化する（例えば、クラブヘッドの「スイートスポット」の寸法を大きくするか、或いは、発射条件を最適化するため重力の中心をずらす）ため、ゴルフクラブの他の場所に使用できるように質量に余裕を持たせることに重点を置いて設計されることが好ましい。

本出願に記載されている交換可能なシャフト及びクラブヘッドを有するゴルフクラブは、ゴルファーにとって、特定の必要性又はゴルファーのプレイ様式に適うように容易に修正することができるクラブである。ゴルファーは、ねじ４００をスリーブ１００から外し、クラブヘッドを取り替え、次いで、ねじ４００をスリーブ１００の中にねじ込んで戻すだけで、クラブヘッド３００を、所望の特性（例えば、異なるロフト角、より広いフェース面積など）を有する別のクラブに置き換えることができる。シャフト５０も、同様に交換できるようになっている。幾つかの実施形態では、スリーブ１００側を、シャフト５０から取り外して新しいシャフトに装着できるようにするか、又は新しいシャフト側に、シャフトの端部に既に装着されているか又は一体形成されている別のスリーブを設けることができる。

特定の実施形態では、どれほどの数のシャフトであっても、それらには同じスリーブが設けられ、どれほどの数のクラブヘッドであっても、それらには、それらシャフトのどれもを受け入れる同じホーゼル構成及びホーゼル挿入部２００が設けられている。このようにして、プロショップ又は小売業者は、交換可能な多種多様なシャフトとクラブヘッドを在庫しておくことができる。消費者の必要性に適うよう特注生産されたクラブ又はクラブ一式は、小売業者の元で即座に組み立てられるようになっている。

次に図５−図１０を参照すると、各図には、図２−図４のクラブヘッド対シャフト接続アッセンブリのスリーブ１００が示されている。例示されている実施形態のスリーブ１００は、実質的に筒状であり、軽量高強度の材料（例えば、Ｔ６テンパアルミニウム合金７０７５）で作られているのが望ましい。スリーブ１００は、中間部分１１０と、上側部分１２０と、下側部分１５０とを含んでいる。上側部分１２０は、例えば、シャフト５０とスリーブ１００の間の接続部に追加の機械的結合性を提供するため、図示されているスリーブの残り部分より分厚くなっていてもよい。他の実施形態では、例えば、シャフト５０とクラブヘッド３００の間がより流線形状に移行するように、上側部分１２０は、張り出した又は円錐台状の形状であってもよい。上側部分１２０と中間部分１１０の間の境界は、上環状スラスト面１３０を備えており、中間部分１１０と下側部分１５０の間の境界は、下環状スラスト面１４０を備えている。例示されている実施形態では、環状面１３０は、中間部分１１０の外面に垂直である。他の実施形態では、環状面１３０は、円錐台状であるか、そうでなければ、上側部分１２０から中間部分１１０に向けて先細になっていてもよい。環状面１３０は、シャフト５０をクラブヘッド３００に固定したとき、ホーゼル上面３９５に押し付けられる。

図７に示されている様に、スリーブ１００は、更に、シャフト５０の下端部分９０を受け入れるための上側開口部１９２と、ねじ４００を受け入れるための下側部分１５０の雌ねじの切られた開口部１９６と、を備えている。例示されている実施形態では、上側開口部１９２は、シャフト５０（図３）の対応する面７０に接触するように構成されている環状面１９４を有している。他の実施形態では、上側開口部１９２は、様々なシャフト外形
（例えば、一定内径、複数の段付き内径部、面取り加工を施された及び／又は垂直の環状面など）と噛み合うようになっている構成を有することができる。図７の例示されている実施形態を参照すると、スプライン５００は、スリーブ全体の直径を最小にするため、開口部１９２より下側に（従って、シャフトの下端より下側に）設置されている。下側開口部１９６のねじ部は、Spiralock（登録商標）タップを使って形成することができる。

先に指摘されている様に、シャフトとクラブの間の相対回転を制限するためのスリーブ１００の回転防止部分は、下側部分１５０の外面に形成されている複数の外スプライン５００と、隣り合ったスプライン５００の間の空隙又はキー溝と、を備えている。各キー溝は、外面１６０を有している。図５−図６及び図９−図１０の例示されている実施形態では、スリーブ１００は、８個の角度を空けて配置されていてスリーブ１００の長手方向軸に平行な方向に細長く伸びているスプライン５００を備えている。図６と図１０を参照すると、図示の構成の各スプライン５００は、外面１６０から半径方向外向きに延びる一対の側壁５６０と、斜端加工を施された上下縁部５１０と、面取り加工を施された下角部５２０と、円弧状の外面５５０と、を有している。側壁５６０は、外面５５０近くのスプラインの幅が、スプラインの基部（面１６０付近）の幅より広くなるように、半径方向外向きに移行するにつれ外に拡がるか又は張り出しているのが望ましい。図１０に示されている特徴を参照すると、スプライン５００は、高さＨ（側壁５６０が外面１６０から半径方向に延びている距離）と、スプラインのミッドスパンの幅Ｗ_１（外面５５０と面１６０から等距離にある側壁の位置で測定した側壁５６０の間の直線距離）を有している。他の実施形態では、スリーブは、より多くの又はより少ない数のスプラインを備えており、スプライン５００は、異なる形状と大きさであってもよい。

図６−図１０に描かれているスプライン構成を採用している実施形態は、幾つかの利点をもたらす。例えば、より少数のより大きなスプラインを有するスリーブなら、スリーブとホーゼル挿入部の間の干渉が大きくなるので、剥ぎ取りに対する抵抗が高まり、スリーブとホーゼル挿入部の間の荷重支承面積が広くなり、機械的強度がより高いスプラインとなる。更に、より小さいスプライン特徴を機械加工する必要を避けることによって、製造の複雑性が低減される。例えば、各種Rosch製造技法（例えば、回転、貫通ブローチ、又
は盲ブローチ）は、より多数のより小さなスプラインを有するスリーブ又はホーゼル挿入部を製造するには適さない。幾つかの実施形態では、スプライン５００は、スプライン高さＨが、約０．１５ｍｍから約１．０ｍｍの間にあって、或る特定の例では高さＨは約０．５ｍｍになっており、スプライン幅Ｗ１が、約０．９７９ｍｍから約２．８７ｍｍの間にあって、或る特定の例では幅Ｗ１は約１．３６７ｍｍになっている。

スリーブ下側部分１５０の非円形の構成は、スリーブ１００をホーゼル挿入部２００内に位置決め可能にする様式を限定するように適合させることができる。図９−図１０の例示されている実施形態では、スプライン５００は、形状と大きさが実質的に同じである。隣り合うスプラインの間の８つの間隔のうちの６つには、スプラインからスプラインまでの間隔Ｓ_１を持たせ、直径方向に互いに反対側の２つの間隔は、スプラインからスプラインまでの間隔Ｓ_２を持たせることができ、ここに、Ｓ_２はＳ_１と異なる（例示されている実施形態では、Ｓ_２はＳ_１より大きい）。例示されている実施形態では、Ｓ_１の円弧角は約２１度であり、Ｓ_２の円弧角は約３３度である。このスプライン構成では、スリーブ１００は、ホーゼル挿入部２００内で２か所に位置決めできるようになっている（即ち、スリーブ１００は、挿入部に対して互いに１８０度の間隔を置いた２つの位置で、挿入部２００に挿入することができる）。代わりに、スプラインは、スリーブの長手方向軸周りに、互いに等しく離間されていてもよい。他の実施形態では、下側部分１５０の異なる非円形の構成（例えば、三角形、六角形、より多い又はより少ないスプライン）により、シャフトスリーブの様々な位置決め可能性の程度を提供することができる。

例えば、シャフト５０とクラブヘッド３００の間の回転運動を更に制限するため、スリーブ１００とホーゼル挿入部２００の間にもっと大きな摩擦を提供することを目的に、スリーブ下側部分１５０には、スリーブ１００の残り部分に比べて、全体的に粗い外面を持たせることができる。特定の実施形態では、外面１６０には、サンドブラストによって粗面加工を施すことができるが、代替の方法又は技法を使用することもできる。

スリーブ１００の一般的な構成は、図５−図１０に示されている構成とは異なっていてもよい。他の実施形態では、例えば、上側部分１２０と中間部分１１０と下側部分１５０の相対的な長さを変えてもよい（例えば、下側部分１５０は、スリーブ全体の長さに占める割合がより大きくても又はより小さくてもよい）。別の実施形態では、クラブヘッド３００をシャフト５０に取り付けたとき、追加のスリーブ面が、ホーゼル挿入部２００又はホーゼル開口部３４０内の対応する面に接触するようになっている。例えば、スリーブの環状面１４０は、ホーゼル挿入部２００の上スプライン面２３０に接触し、スリーブの環状面１７０は、ホーゼル挿入部２００の内面の対応する面に接触し、及び／又は、スリーブの下面１８０は、フランジ上面３６０に接触する。別の実施形態では、スリーブの下側開口部１９６は、上側開口部１９２と連通し、連続したスリーブ開口部を画定していて、開口部１９６と１９２を隔てている材料の質量を取り除くことでスリーブ１００の重量を軽くしている。

図１１−図１４を参照すると、ホーゼル挿入部２００は、望ましくは実質的に管状又は筒状であり、軽量高強度の材料（例えば、５等級６Ａｌ−４Ｖチタン合金）で作られている。ホーゼル挿入部２００は、スリーブ下側部分１５０の外面の非円形の構成と相補的になっている非円形の構成を有する内面２５０を備えている。例示されている実施形態では、非円形の構成は、形状及び大きさが、スリーブ１５０のスプライン５００と相補的であるスプライン２４０を備えている。即ち、ホーゼル挿入部２００の長手方向軸に平行な方向に細長く伸びた８個のスプライン２４０が設けられており、スプライン２４０は、内面２５０から半径方向内向きに延びる側壁２６０と、面取り加工の施された上縁部２３０と、内面２７０と、を有している。側壁２６０同士は、半径方向内向きに移行するにつれて先細になり即ち互いに近づき、スリーブの張り出したスプライン５００と噛み合うようになっているのが望ましい。半径方向内向きの側壁２６０には、歯とスリーブ挿入部の噛み合い歯の間に全面接触が起こる、という少なくとも１つの利点がある。更に、少なくとも１つの利点は、同じ公差を有する他のスプライン形状と比べて、並進運動が、アッセンブリ内でより強く拘束されることである。更に、半径方向内向きの側壁２６０は、応力がより大きくなり耐久性が低下する結果を招く局所的な接触ではなく、全側壁係合を促進する。

図１３の特徴を参照すると、ホーゼル挿入部のスプライン構成は、スリーブ下側部分１５０のスプライン構成と相補的になっており、よって、隣り合うスプライン２４０の対は、スプラインからスプラインまでの間隔Ｓ_３が、スリーブ側スプライン５００の幅より僅かに大きくなっている。スプライン２４０のうちの６つは、スリーブ側スプライン５００のスプライン間の間隔Ｓ_１より僅かに小さい幅Ｗ_２を有しており、直径方向に互いに反対側の２個のスプラインは、スリーブ側スプライン５００のスプライン間の間隔Ｓ_２より僅かに小さい幅Ｗ３を有しており、ここに、Ｗ_２はＷ_３より小さい。別の実施形態では、ホーゼル挿入部の内面は、スリーブ下側部分１６０の非円形の構成と相補的な様々な非円形の構成を有することができる。

ホーゼル挿入部２００の選択された面に、シャフトの外面１６０と同様の方法で粗面加工を施してもよい。幾つかの実施形態では、挿入部の表面領域全体に粗い面肌理が与えられている。他の実施形態では、ホーゼル挿入部２００の内面２４０だけに粗面加工が施されている。

次に図２から図４に関して、ねじ４００は、軽量高強度の材料（例えば、Ｔ６テンパアルミニウム合金７０７５）で作られているのが望ましい。特定の実施形態では、ねじ部４３０の主直径（即ち、外径）は６ｍｍ未満であり（例えば、ＩＳＯねじはＭ６より小さい）、約４ｍｍか５ｍｍの何れかである（例えば、Ｍ４又はＭ５ねじ）。一般に、ねじ部の直径が小さくなれば、荷重が掛かったときにねじが引き伸ばされるか又は伸びる能力が増し、結果的に、所与のトルクに対しより大きな予荷重を得ることができる。比較的小さい直径のねじ（例えば、Ｍ４又はＭ５ねじ）を使用すれば、使用者は、小さな力でクラブヘッドをシャフトに固定することができ、ゴルファーは、ねじを締め直さねばならなくなるまでに、より長期間に亘ってクラブを使用することができるようになる。

ねじの頭部４１０は、トルクレンチ又は他のトルク制限機構に適合するように構成することができる。幾つかの実施形態では、ねじ頭部は、ねじに一定のトルクを掛け易くすると共にねじ回しのカム外れに抵抗する「ヘキサローブ状」内部ねじ回し特徴（例えば、ＴＯＲＸねじ回し）（図１５に図示）を備えている。トルクレンチを使ってクラブヘッド３００をシャフト５０に固定すれば、クラブを組み立てる都度、ねじ４００に、確実に、実質的に同じ予荷重を掛け、クラブを組み立てる都度、クラブに、確実に、一貫性のあるプレイ特性を持たせることができる。別の実施形態では、ねじ頭部４１０は、様々な他のねじ回し設計（例えば、Phillips、Pozidriv、六角形、ＴＴＡＰなど）を備えることができ、使用者は、ねじを締めるのに、トルクレンチではなく従来型のねじ回しを使用することができる。

クラブヘッド対シャフトの接続は、軸剛性の低いことが望ましい。要素の軸剛性ｋは、

と定義され、ここにＥは、要素の材料のヤング係数であり、Ａは要素の断面積であり、Ｌは要素の長さである。要素は、軸剛性が低いほど、張力が掛けられたときの伸び及び圧縮されたときの縮みが大きくなる。低い軸剛性を有するクラブヘッド対シャフト接続は、ねじ４００とスリーブの伸びを最大化するのに望ましく、そうすれば、シャフトがクラブヘッドに更に良好に保持されるように、ねじ４００にいっそう大きな予荷重を掛けることができる。例えば、図１６に示すように、ねじ４００がスリーブの下側開口部１９６に締め付けられると、先に述べたように、スリーブ１００、ホーゼル挿入部２００、フランジ３６０、及びねじ４００の様々な面が、互いに接触し、その結果、ねじ、シャフト、及びスリーブは引張状態に置かれ、ホーゼルは圧縮状態に置かれる。

クラブヘッド対シャフト接続の軸剛性ｋ_ｅｆｆは、式

によって求められ、ここにｋ_{ｓｃｒｅｗ}、ｋ_{ｓｈａｆｔ}、及びｋ_{ｓｌｅｅｖｅ}は、それぞれ、図１６に示されている様に、関連付けられている長さＬ_{ｓｃｒｅｗ}、Ｌ_{ｓｈａｆｔ}、及びＬ_{ｓｌｅｅｖｅ}、をそれぞれに有する部分のねじ、シャフト、及びスリーブの剛性である。Ｌ_{ｓｃｒｅｗ}は、ねじの引張状態に置かれている部分の長さ（フランジ底３９０か
らシャフトスリーブの底端までとして測定）である。図１６に描かれている様に、Ｌ_{ｓｈａｆｔ}は、シャフト５０のホーゼル開口部３４０の中まで延びている部分の長さ（ホーゼル上面３９５からシャフトの端までとして測定）であり、Ｌ_{ｓｌｅｅｖｅ}は、スリーブ１００の引張状態に置かれている長さ（ホーゼル上面３９５からスリーブの端までを測定）である。

従って、ｋ_{ｓｃｒｅｗ}、ｋ_{ｓｈａｆｔ}、及びｋ_{ｓｌｅｅｖｅ}は、各長さを式１に当てはめて求めることができる。表１は、図２−図１４の接続アッセンブリの特定の構成要素及びそれらの組合せ、及び取り外し可能に取り付けできるゴルフクラブヘッドと共に使用される他の市販されている接続アッセンブリの構成要素及びそれらの組合せの、計算されたｋ値を示している。更に、有効なホーゼル剛性Ｋ_{ｈｏｓｅｌ}を、比較のために示している（ねじに予荷重が掛かっているときに圧縮状態にあるホーゼルの部分について計算した）。低いｋ_ｅｆｆ／ｋ_{ｈｏｓｅｌ}比は、ホーゼル剛性に比べてシャフト接続アッセンブリの剛性が小さいことを示しており、これは、ヘッドに動的な荷重が掛かっているときに所与のねじトルクに対する予荷重の維持を支援する上で望ましい。例示されている実施形態の接続アッセンブリのスリーブ−シャフト−ねじの組合せのｋ_ｅｆｆは９．２７ｘ１０^７Ｎ／ｍであり、比較対象の接続アッセンブリの中で最も低い。

接続アッセンブリの構成要素は、異なる値を実現するように修正することができる。例えば、ねじ４００は、図１６に示しているよりも長くすることができる。幾つかの実施形態では、ねじ４００の長さが長くなるのに伴い、開口部１９６の長さが長くなっている。別の実施形態では、ホーゼル開口部３４０の構造は、更に長いねじを収納するように変えることができる。例えば、図１７を参照して、クラブヘッド６００は、ホーゼル開口部の底壁を画定している上フランジ６１０と、より長いねじ６３０を収容するように上フランジ６１０から離間されている下フランジ６２０と、を備えている。その様なホーゼル構造は、長いねじを収容することができるので、図５−図１０のスリーブ１００との適合性を保持しながら、更に低いｋ_ｅｆｆを実現することができる。

図２−図１０の例示の実施形態では、ｋ_{ｓｌｅｅｖｅ}を最小化するため、スリーブ１００の断面積は、先行技術による構成で用いられているように、スプライン５００をシャフトの周りに配置するのではなく、シャフトより下側に配置することによって最小化されている。

実施例
特定の実施形態では、シャフトスリーブには、４個、６個、８個、１０個、又は１２個のスプラインを設けることができる。特定の実施形態では、シャフトスリーブのスプラインの高さＨは、約０．１５ｍｍから約０．９５ｍｍの範囲にあり、より厳密には約０．２
５ｍｍから約０．７５ｍｍに範囲にあり、更に厳密には約０．５ｍｍから約０．７５ｍｍの範囲にある。シャフトスリーブのスプライン部分の平均直径Ｄは、約６ｍｍから約１２ｍｍの範囲にあり、或る特定の例では８．４５ｍｍになっている。図１０に示されている様に、平均直径は、シャフトスリーブのスプライン部分の、直径方向に互いに反対側の２個のスプラインのミッドスパンに位置する２つの点の間を測定した直径である。

特定の実施形態のシャフトスリーブのスプラインの長さＬは、約２ｍｍから約１０ｍｍの範囲にあってもよい。例えば、接続アッセンブリをドライバに実施した場合、スプラインは、比較的長くなり、例えば、７．５ｍｍ又は１０ｍｍになる。接続アッセンブリを、典型的にはドライバより小さいフェアウェイウッドに実施した場合、クラブ内部でシャフトスリーブを受け入れるのに利用できる空間は少ないので、比較的短いシャフトスリーブを使用するのが望ましい。その場合、シャフトスリーブの全体の長さを減じるために、スプラインは、比較的短く、例えば、２ｍｍ又は３ｍｍの長さになろう。

特定の実施形態の、（スプラインのミッドスパンでの）スプライン幅Ｗ_１対シャフトスリーブのスプライン部分の平均直径の比は、約０．１から約０．５の範囲にあり、より望ましくは、約０．１５から約０．３５の範囲にあり、更にいっそう望ましくは、約０．１６から約０．２２の範囲にある。特定の実施形態のスプライン幅Ｗ_１対スプラインＨの比は、約１．０から約２２の範囲にあり、より望ましくは約２から約４の範囲にあり、更にいっそう望ましくは約２．３から約３．１の範囲にある。特定の実施形態の、スプライン長さＬ対平均直径の比は、約０．１５から約１．７の範囲にある。

下の表２−表４は、スリーブ１００（及びここに開示されている他のシャフトスリーブ）に使用される複数の異なるスプライン構成の寸法を提示している。表２では、平均半径Ｒは、スプラインのミッドスパン、即ち、シャフトのスプライン部分の、スプライン基部の面１６０とスプラインの外面５５０から等距離にある位置で測定した半径である（図１０参照）。表２及び表３の円弧長さは、平均半径でのスプラインの円弧長さである。

表２は、（図１０に示されている様に３３度の空隙２つを備えた）８個のスプライン、８個の等間隔に離間されているスプライン、６個の等間隔に離間されているスプライン、１０個の等間隔に離間されているスプライン、４個の等間隔に離間されているスプラインを有する、異なるシャフトスリーブについて、スプライン円弧角、平均半径、平均直径、円弧長さ、円弧長さ／平均半径比、ミッドスパンでの幅、幅（ミッドスパン）／平均直径比を示している。表３は、スプラインの数とスプラインの高さが異なるシャフトスリーブの例を示している。表４は、スプラインの数、スプラインの高さＨ、及びスプライン幅Ｗ_１とは別に、シャフトスリーブの長さと平均直径の異なる組合せ例を示している。

シャフトスリーブ１００（並びに、ここに開示されている他の構成要素）に使用される、本明細書に提示されている具体的な寸法は、本発明を説明するために与えられており、本発明を限定するためではない。ここに提示されている寸法は、異なる用途又は状況での必要に応じ、修正することができる。

調節可能なライ／ロフト接続アッセンブリ
次に図１８−図２０を参照すると、取り外し可能なヘッド対シャフト接続アッセンブリを介して取り外し可能なシャフト８００に取り付けられているヘッド７００を備えたゴルフクラブが示されている。接続アッセンブリは、全体として、シャフトスリーブ９００と、ホーゼルスリーブ１０００（ここではアダプタスリーブとも呼ばれている）と、ホーゼル挿入部１１００と、ワッシャ１２００と、ねじ１３００と、を備えている。クラブヘッド７００は、ホーゼル開口部又は通路７１０を画定するホーゼル７０２を備えている。例示されている実施形態の通路７１０は、クラブヘッドを貫いて延び、ねじ１３００を受け
入れるため、クラブヘッドのソールに開口部を形成している。一般的に、クラブヘッド７００は、（シャフト８００の下端部分に装着されている）シャフトスリーブ９００をホーゼルスリーブ１０００の中へ挿入して係合させることによって、シャフト８００に取り外し可能に取り付けられている。ホーゼルスリーブ１０００は、（ホーゼル開口部７１０の内側に取り付けられている）ホーゼル挿入部１１００の中へ挿入してこれと係合させる。シャフトをクラブヘッドに固定するために、ワッシャ１２００をねじ１３００とホーゼル挿入部１１００の間に配置して、ねじ１３００をシャフトスリーブ９００のねじの切られた開口部の中へ締め付ける。

シャフトスリーブ９００は、シャフト８００の下端部分に、接着剤で接着するか、溶接するか、又は同等の方法で固定することができる。別の実施形態では、シャフトスリーブ９００は、シャフト８００と一体に形成されていてもよい。図１９に分かり易く示されている様に、ホーゼル開口部７１０は、クラブヘッド７００を貫いて延びており、第１ホーゼル内面７５０と第２ホーゼル内面７６０を画定しているホーゼル側壁７４０を有しており、第１ホーゼル内面と第２ホーゼル内面の間の境界は、内部環状面７２０を画定している。ホーゼルスリーブ１０００は、シャフトスリーブ９００とホーゼル挿入部１１００の間に配置されている。ホーゼル挿入部１１００は、ホーゼル開口部７１０内に装着することができる。ホーゼル挿入部１１００には、ホーゼル環状面７２０に接触する環状面１１１０が設けられていてもよい。ホーゼル挿入部１１００を所定位置に固定するため、ホーゼル挿入部１１００は、第１ホーゼル面７４０、第２ホーゼル面７５０、及び／又はホーゼル環状面７２０に、接着剤により接着するか、溶接するか、又は同等の方法で固定することができる。他の実施形態では、ホーゼル挿入部１１００は、クラブヘッド７００と一体に形成することができる。

ホーゼルスリーブ１０００に対するシャフトスリーブ９００の回転運動を制限することにより、そして、クラブヘッド７００に対するホーゼルスリーブ１０００の回転運動を制限することにより、クラブヘッド７００に対するシャフト８００の回転運動を制限することができる。ホーゼルスリーブ１０００に対するシャフトスリーブ９００の回転運動を制限するため、シャフトスリーブは、ホーゼルスリーブ１０００内部の下側回転防止部分１０９６の相補的な非円形の構成と噛み合う非円形の構成を有する下側回転防止部分９５０を有している。シャフトスリーブ９００の回転防止部分は、図２１−図２２に分かり易く示されている様に、下側部分９５０の外面９６０に形成されている長手方向に延びるスプライン１４００を備えている。ホーゼルスリーブの回転防止部分は、図３０−図３１に分かり易く示されている様に、ホーゼルスリーブの下側部分１０９６の内面１６５０に形成されている相補的な構成のスプライン１６００を備えることができる。

クラブヘッド７００に対するホーゼルスリーブ１０００の回転運動を制限するために、ホーゼルスリーブ１０００は、ホーゼル挿入部１１００の回転防止部分の非円形の構成と噛み合う非円形の構成を有する下側回転防止部分１０５０を有していてもよい。ホーゼルスリーブの回転防止部分は、図２７−図２８及び図２９に分かり易く示されている様に、ホーゼルスリーブ１０００の下側部分１０５０の外面１０９０に形成されている長手方向に延びるスプライン１５００を備えることができる。ホーゼル挿入部の回転防止部分は、図３４及び図３６に分かり易く示されている様に、ホーゼル挿入部１１００の内面１１４０に形成されている相補的な構成のスプライン１７００を備えることができる。

従って、シャフトスリーブ下側部分９５０は、ホーゼルスリーブ内面１０９６によって画定されているキー溝に受け入れられるキー状部分を画定し、ホーゼルスリーブ外面１０５０は、ホーゼル挿入部内面１１４０によって画定されているキー溝に受け入れられるキー状部分を画定している。代わりの実施形態では、回転防止部分については、シャフトスリーブ下側部分９５０とホーゼルスリーブ内面１０９６の構成、及びホーゼルスリーブ外
面１０５０とホーゼル挿入部内面１１４０の構成を、楕円形、矩形、六角形、又は、様々な他の非円形の構成にすることもできる。

図１８を参照して、ねじ１３００は、頭又は支承面１３２０を有する頭部１３３０と、頭部から延びている軸部１３４０と、ねじ軸部の遠位端部に形成されている雄ねじ部１３１０と、を備えている。ねじ１３００は、ねじを、クラブヘッドのソール部の開口部を通して通路７１０の中に上向きに挿入するやり方で、クラブヘッド７００をシャフト８００に固定するのに用いられている。ねじは、ワッシャ１２００を通して更に奥へ挿入され、スリーブ９００の開口部９９４の雌ねじの切られた底部分９９６の中へ締め付けられる。他の実施形態では、クラブヘッド７００は、他の機械的締結具によって、シャフト８００に固定することもできる。図１８−図１９を参照して、ねじ１３００をシャフトスリーブ９００の中へしっかりと締め付けると、ねじ頭部面１３２０はワッシャ１２００に接触し、ワッシャ１２００はホーゼル挿入部１１００の底面１１２０に接触し、ホーゼルスリーブ１０００の環状面１０６０はクラブ７００の上環状面７３０に接触し、シャフトスリーブ９００の環状面９３０は、ホーゼルスリーブ１０００の上面１０１０に接触する。

ホーゼルスリーブ１０００は、クラブにとって所望のシャフトロフト及び／又はライ角を実現するため、シャフト５０をクラブヘッドに対して所望の向きに支持するように構成されている。図２７及び図３１に分かり易く示されている様に、ホーゼルスリーブ１０００は、上側部分１０２０と、下側部分１０５０と、貫通して延びている内径部又は長手方向開口部１０４０と、を備えている。開口部１０４０に平行に延びている上側部分は、下側部分１０５０に対して、「オフセット角」７８０（図１８）として画定されている或る角度で延びている。図１８に分かり易く示されている様に、ホーゼル挿入部１０４０をホーゼル開口部７１０に挿入したとき、下側部分１０５０の外面は、ホーゼル挿入部１１００及びホーゼル開口部と同軸に整列する。このようにして、ホーゼルスリーブの下側部分１０５０の外面と、ホーゼル挿入部１１００と、ホーゼル開口部７１０とは、共同で、長手方向軸Ｂを画定している。シャフトスリーブ９００をホーゼルスリーブに挿入したとき、シャフトスリーブとシャフトは、ホーゼルスリーブの開口部１０４０と同軸に整列する。従って、シャフトスリーブと、シャフトと、開口部１０４０とは、共同で、アッセンブリの長手方向軸Ａを画定している。図１８から分かるように、ホーゼルスリーブは、シャフト５０を、長手方向軸Ｂからオフセット角７８０だけずれた長手方向軸Ａに沿って支持するのに効果を発揮する。

従って、ホーゼルスリーブ１０００は、クラブのシャフトロフト及び／又はライ角を調節するため、ホーゼル挿入部１１００の中で１つ又はそれ以上の位置を取ることができる。例えば、図２０は、ホーゼルスリーブが、ホーゼル挿入部１１００内で角度を空けて配置されている４つの別々の位置を取ることができるようにした接続アッセンブリの実施形態を示している。ここでの使用に際し、スリーブが複数の「別々の位置」を有しているとは、スリーブが一旦クラブヘッドの中に挿入されたら、互いに噛み合うスプラインの間に、シャフトをクラブヘッドに固定するねじ又は他の締結機構を締め付ける以前のスリーブの僅かな回転運動を許容する或る程度の遊び又は公差があることを除き、スリーブを長手軸周りに隣接する位置まで回転させることはできない、ということを意味する。換言すると、スリーブは、際限なく調節可能であるのではなく、固定数の有限位置を有し、従って、固定数の「別々の位置」を有しているわけである。

図２０を参照して、十字Ａ_１−Ａ_４は、ホーゼルスリーブ１０００の各位置での長手方向軸Ａの位置を表している。シャフトがクラブヘッドに対して内向きに調節されるように（長手方向軸Ａが図２０の十字Ａ_４を通るように）ホーゼルスリーブをクラブヘッド内に位置決めすると、ライ角は長手方向軸Ｂにより画定されている初期ライ角から大きくなり、シャフトがクラブヘッドから離れる向きに調節されるように（軸Ａが十字Ａ_３を通るよ
うに）ホーゼルスリーブを位置決めすると、ライ角は長手方向軸Ｂにより画定されている初期ライ角から小さくなる。同様に、シャフトが、打球面に向かって前向きに調節されるように（軸Ａが十字Ａ_２を通るように）、或いは、クラブヘッドの後方に向かって後向きに調節されるように（軸Ａが十字Ａ_１を通るように）ホーゼルスリーブを位置決めすると、シャフトロフトは長手方向軸Ｂにより画定されている初期シャフトロフト角から、それぞれ、大きくなるか又は小さくなる。先に指摘されている様に、シャフトロフトの調節には、スクエアロフトを同じ量だけ調節する効果がある。同様に、フェース角は、シャフトロフトの変化に比例して調節される。この例ではシャフトロフト又はライ角の増減量は、オフセット角７８０に等しい。

同様に、シャフトスリーブ９００は、ホーゼルの中に、長手方向軸Ａ周りに角度を空けて配置されている様々な位置で挿入することができる。従って、ホーゼルスリーブ１０００の位置を回すことによってクラブヘッドに対するシャフトの向きを調節すれば、長手方向軸Ａに対するシャフトの回転位置が維持されるようにホーゼルスリーブ内のシャフトスリーブの位置を調節することができる。例えば、ホーゼルスリーブをホーゼル挿入部に対して９０度回転させると、シャフトスリーブは、長手方向軸に対するシャフトの位置を維持するため、ホーゼルスリーブに対して反対方向に９０度回転することになる。この様にして、シャフトのグリップ及びシャフト上の何らかの視覚標識は、シャフト及び／又はライ角度が調節される際、シャフト軸に対して同じ位置に維持されることになる。

別の例では、接続アッセンブリは、図２０の十字Ａ_１−Ａ_８で表わされているように、ホーゼル挿入部１１００内で角度を空けて配置されている８つの位置で位置決めできるホーゼルスリーブを採用することができる。十字Ａ_５−Ａ_８は、ホーゼル挿入部１１００内のホーゼルスリーブ位置を表しており、それらは、ライ角を調節するにはシャフトの向きをクラブヘッドに対して第１方向の内向き又は外向きに調節し、シャフトロフトを調節するにはシャフトの向きをクラブヘッドに対して第２方向の前方又は後方に調節するというやり方で、ライ角とシャフトロフト（従って、スクエアロフト角及びフェース角）の両方を、長手方向軸Ｂにより画定されている初期ライ角及びシャフトロフトに対して調節するのに効果を発揮する。例えば、十字Ａ_５は、シャフトの向きをクラブヘッドに対して外向き及び後向きに調節し、これによりライ角を小さくし、シャフトロフトを小さくする、ホーゼルスリーブ位置を表している。

図１８−図２０に示されている接続アッセンブリの実施形態は、図２−図４の実施形態によってもたらされる利点（例えばシャフト又はクラブヘッドの交換の容易さ）及び既に以上に説明されている利点に加え、更なる利点をもたらす。ホーゼルスリーブは、シャフトとホーゼルの間に非ゼロ角度を作り出すことができるため、ゴルファーは、ホーゼルスリーブを変えることにより、クラブのロフト角、ライ角、及び／又はフェース角を容易に変えることができる。例えば、ゴルファーは、ねじ１３００をシャフトスリーブ９００から外して、シャフト８００をホーゼルスリーブ１０００から取り外し、ホーゼルスリーブ１０００をホーゼル挿入部１１００から取り外し、所望のオフセット角を有する別のホーゼルスリーブを選択し、シャフトスリーブ９００を取替用ホーゼルスリーブの中へ挿入し、取替用ホーゼルスリーブをホーゼル挿入部１０００の中へ挿入し、ねじ１３００をシャフトスリーブ９００に締め付ければよい。

而して、シャフト対ヘッド接続アッセンブリにホーゼルスリーブを使用すれば、ゴルファーは、クラブヘッドに対するシャフトの位置を、先に説明したようにシャフトをクラブヘッドに対して曲げるという様な従来的な手段に頼る必要無しに、調節できるようになる。例えば、シャフト軸がホーゼル軸と同軸に整列している（即ち、オフセット角がゼロであるか、軸Ａが十字Ｂを通っている）第１ホーゼルスリーブを備えた、図１８−図２０のクラブヘッド対シャフト接続アッセンブリを利用しているゴルフクラブを考察してみよう
。第１ホーゼルスリーブを、非ゼロのオフセット角を有する第２ホーゼルスリーブに交換することにより、一部にはホーゼル挿入部内のホーゼルスリーブの位置に依って、シャフトロフト角、ライ角、及び／又はフェース角に対する一連の調節が可能になる。

特定の実施形態では、取替用ホーゼルスリーブは小売業者から個々に購入することができよう。他の実施形態では、それぞれが異なるオフセット角を有する複数のホーゼルスリーブを備えたキットが提供されている。キット内のホーゼルスリーブの数は、オフセット角の所望の範囲及び／又は角度調節の所望の細分精度に依って異なることであろう。例えば、或るキットは、０度から３度までのオフセット角を０．５度の増分で提供しているホーゼルスリーブを備えていてもよい。

特定の実施形態では、どれほどの数のシャフトであってもそれらシャフトと、及びどれほどの数のクラブヘッドであっても同じホーゼル構成及びホーゼル挿入部１１００を有するそれらクラブヘッドと、に適合するホーゼルスリーブキットが提供されている。こうすることで、プロショップ又は小売業者は、様々なロフト角、ライ角、及び／又はフェース角を備えた多数のシャフト又はクラブの変種を必ずしも仕入れる必要はない。むしろ、クラブの特徴的な角度の変種がどれほどの数であろうと、それら角度は各種ホーゼルスリーブによって実現することができ、在庫及び保管空間は少なくて済み、消費者には、ロフト角、ライ角、又はフェース角の調節に対する更に経済的な代わりの対応策を提供することができる（即ち、ゴルファーは、新しいクラブではなくホーゼルスリーブを購入することにより、ロフト角を調節することができるようになる）。

図２１−図２６を参照すると、図１８−図２０のヘッド対シャフト接続アッセンブリのシャフトスリーブ９００が示されている。例示されている実施形態のシャフトスリーブ９００は、実質的に筒状であり、軽量高強度の材料（例えば、Ｔ６テンパアルミニウム合金７０７５）で作られているのが望ましい。シャフトスリーブ９００は、中間部分９１０と、上側部分９２０と、下側部分９５０と、を含むことができる。上側部分９２０は、例えば、シャフト８００とスリーブ９００の間の接続部に追加の機械的な完全性を提供するため、シャフトスリーブの残り部分より分厚くなっていてもよい。例えば、シャフト８００とクラブヘッド７００の間がより流線形状に移行するように、上側部分９２０は、図示の様に張り出した又は円錐台状の形状であってもよい。上側部分９２０と中間部分９１０の間の境界は、上環状スラスト面９３０を画定しており、中間部分９１０と下側部分９５０の間の境界は、下環状面９４０を画定している。シャフトスリーブ９００は、底面９８０を有している。例示されている実施形態では、環状面９３０は、中間部分９１０の外面に垂直である。他の実施形態では、環状面９３０は、円錐台状であるか、そうでなければ、上側部分９２０から中間部分９１０に向けて先細になっていてもよい。環状面９３０は、シャフト８００をクラブヘッド７００に固定したとき、ホーゼル挿入部１０００の上面１０１０に押し付けられる（図１８）。

シャフトスリーブ９００は、更に、図２３に描かれている様に、シャフトスリーブ９００の長さに亘って延びる開口部９９４を更に備えている。開口部９９４は、シャフト８００を受け入れるための上側部分９９８と、ねじ１３００を受け入れるための雌ねじの切られた底部分９９６と、を有している。例示されている実施形態では、開口部上側部分９９８は、シャフト８００の下端部分の構成と相補的な一定直径を有する内側側壁を有している。他の実施形態では、開口部上側部分９９８は、様々なシャフト外形と噛み合うようになっている構成を有することができる（例えば、開口部上側部分９９８は、２つ以上の内径、面取り加工を施された及び／又は垂直の環状面などを有している）。図２３の例示されている実施形態を参照すると、スプライン１４００は、シャフトスリーブの全体直径を最小にするため、開口部上側部分９９８より下側に、従って、シャフトより下側に、設置されている。特定の実施形態では、下側開口部９９６の雌ねじ部は、Spiralock（登録商
標）タップを使って作成されている。

特定の実施形態では、シャフトスリーブの回転防止部分は、図２１−図２２及び図２６に示されている様に、下側部分９５０の外面９６０に、シャフトスリーブ９００の長手方向軸の方向に細長く伸びた複数のスプライン１４００を備えている。スプライン１４００は、外面９６０から半径方向外向きに延びる側壁１４２０と、底縁部１４１０と、底角部１４２２と、円弧状の外面１４５０と、を有している。他の実施形態では、外面９６０は、スプラインの数が４個より多くても（例えば１２個まで）少なくてもよく、スプライン１４００は、異なる形状及び大きさであってもよい。

図２７−図３３を参照すると、図１８−図２０のヘッド対シャフト接続アッセンブリのホーゼルスリーブ１０００が示されている。例示されている実施形態のホーゼルスリーブ１０００は、実質的に筒状であり、軽量高強度の材料（例えば、Ｔ６テンパアルミニウム合金７０７５）で作られているのが望ましい。上で指摘されている様に、ホーゼルスリーブ１０００は、上側部分１０２０と、下側部分１０５０とを含んでいる。図２７の実施形態に示されている様に、上側部分１０２０は、張り出した又は円錐台状の形状を有しており、上側部分１０２０と下側部分１０５０の間の境界は、環状スラスト面１０６０を画定している。例示されている実施形態では、環状面１０６０は、上側部分１０２０から下側部分１０５０へ向けて先細になっている。他の実施形態では、環状面１０６０は、下側部分１０５０の外面１０９０に垂直であってもよい。図１８に分かり易く示されている様に、シャフト８００をクラブヘッド７００に固定したとき、環状面１０６０は、ホーゼルの上環状面７３０に押し付けられる。

ホーゼルスリーブ１０００は、更に、ホーゼルスリーブ１０００の長さに亘って延びている開口部１０４０を備えている。ホーゼルスリーブ開口部１０４０は、シャフトスリーブの中間部分９１０の構成と相補的に構成されている内側側壁１０９５を備えた上側部分１０９４と、シャフトスリーブ下側部分９５０の構成と相補的な非円形の構成を有する回転防止部分を画定している下側部分１０９６と、を有している。

ホーゼルスリーブ下側部分１０９６の非円形の構成は、開口部下側部分１０９６の内面１６５０に形成されている複数のスプライン１６００を備えている。図３０−図３１を参照すると、内面１６５０は、ホーゼルスリーブ開口部の長手方向軸（軸Ａ）の方向に細長く伸びた４個のスプライン１６００を備えている。例示されている実施形態のスプライン１６００は、内面１６５０から半径方向内向きに延びる側壁１６２０と、円弧状の内面１６３０とを有している。

下側部分１０５０の外面は、図２７及び図３１に描かれている様に、下側部分の外面によって画定されている長手方向軸Ｂの方向にそれと平行に細長く伸びた４個のスプライン１５００を備えている回転防止部分を画定している。スプライン１５００は、面１５５０から半径方向外向きに延びる側壁１５２０と、上下縁部１５４０と、円弧状の外面１５３０と、を有している。

シャフトスリーブ９００のスプライン構成によって、シャフトスリーブ９００をホーゼルスリーブ１０００内で位置決めできる程度が決まる。図２６及び図３０の例示されている実施形態では、スプライン１４００と１６００は、形状と大きさが実質的に同じであり、スプライン１４００と１６００の隣接する対は、実質的に同じスプラインからスプラインまでの間隔を有している。このスプライン構成は、シャフトスリーブ９００を、ホーゼルスリーブ１０００内で、ホーゼルスリーブ１０００に対して角度を空けて配置されている４つの位置で位置決めできるようにしている。同様に、ホーゼルスリーブ１０００は、クラブヘッド７００内で、角度を空けて配置されている４つの位置で位置決めできる。他
の実施形態では、シャフトスリーブ下側部分９５０、ホーゼル開口部下側部分１０９６、ホーゼル下側部分１０５０、と及びホーゼル挿入部内面１１４０の非円形の異なる構成（例えば、三角形のスプライン、六角形のスプライン、より多い又はより少ないスプライン、スプラインからスプラインまでの可変間隔又は可変スプライン幅）によって、様々な位置決め可能性の程度を提供することができるであろう。

シャフトスリーブ下側部分９５０の外面、ホーゼルスリーブ開口部下側部分１０９６の内面、ホーゼルスリーブ下側部分１０５０の外面、及びホーゼル挿入部の内面は、シャフトスリーブ９００、ホーゼルスリーブ１０００、及びホーゼル挿入部の残りの面に比べて、全体的に粗い面を持たせてもよい。面をより粗くすることで、例えば、シャフトスリーブ９００とホーゼルスリーブ１０００との間、及びホーゼルスリーブ１０００とホーゼル挿入部１１００との間の摩擦がより大きくなり、これらの構成要素間の相対回転運動を更に制限することができる。シャフトスリーブ、ホーゼルスリーブ、及びホーゼル挿入部の接触面は、サンドブラストによって粗面加工を施すことができるが、代わりの方法又は技法を使用することもできる。

次に図３４−図３６を参照して、ホーゼル挿入部１１００は、実質的に管状又は筒状であるのが望ましく、軽量高強度の材料（例えば、５等級６Ａｌ−４Ｖチタン合金など）で作ることができる。ホーゼル挿入部１１００は、ホーゼルスリーブ外面１０９０の非円形の構成と相補的な非円形の構成を有する回転防止部分を画定している内面１１４０を備えている。例示されている実施形態では、内面１１４０の非円形の構成は、形状及び大きさが、ホーゼルスリーブ１０００の外スプライン１５００と相補的な内スプライン１７００を備えている。即ち、ホーゼル挿入部１１００の長手方向軸の方向に細長く伸びる４個のスプライン１７００が設けられており、スプライン１７００は、内面１１４０から半径方向内向きに延びる側壁１７２０と、面取り加工の施された上縁部１７３０と、内面１７１０と、を有している。ホーゼル挿入部１１００は、図１８に示されている様に、挿入部１１００をホーゼル開口部７１０に装着したときにホーゼル環状面７２０と接触する環状面１１１０を備えていてもよい。更に、ホーゼル開口部７１０には、環状の肩部（図３の肩部３６０と同様）を設けてもよい。挿入部１１００は、肩部に、溶接又は別のやり方で固定することができる。

次に図１８−図２０を参照して、ねじ１３００は、軽量高強度の材料（例えば、Ｔ６テンパアルミニウム合金７０７５）で作られているのが望ましい。特定の実施形態では、ねじ部１３１０の主直径（即ち、外径）は約４ｍｍである（例えば、ＩＳＯねじ寸法）であるが、代わりの実施形態では、それより小さくても大きくてもよい。小さなねじ部直径（例えば、約４ｍｍ以下）を有するねじ１３００を使用することの利点には、上でねじ４００に関して説明されている利点（例えば、所与のトルクで、ねじにより大きな予荷重を掛けることができる能力）が含まれる。

ねじ１３００の頭部１３３０は、ねじ４００の頭部４１０（図１５）と同様であり、上で説明されている様に、ヘキサローブ状の内部ねじ回し特徴を備えていてもよい。別の実施形態では、ねじ頭部１３３０は、様々な他のねじ回し設計（例えば、Phillips、Pozidriv、六角形、ＴＴＡＰなど）を備えていてもよく、使用者は、ねじを締めるのに、従来型のねじ回しを使用することができる。

図３８−図４２に分かり易く示されている様に、ねじ１３００は、傾斜した球状の底面１３２０を有しているのが望ましい。ワッシャ１２００は、傾斜の付いた底面１２２０と、上面１２１０と、内面１２４０と、傾斜の付いた面１２２０と内面１２４０との境界によって画定されている内周縁１２２５と、を備えているのが望ましい。以上に論じられ図１８に示されている様に、ホーゼルスリーブ１０００は、シャフトをホーゼル開口部の長
手方向軸に対して非ゼロ角度で支持するように選択されることもできる。その様な場合、シャフトスリーブ９００とねじ１３００は、ホーゼル挿入部１１００及びワッシャ１２００の長手方向軸に対して非ゼロ角度で延びている。ねじとワッシャの傾斜面１３２０と１２２０のおかげで、ねじ頭部はワッシャと全３６０度に亘って完全に接触することができるので、シャフトスリーブをホーゼル挿入部に更にしっかりと固定することができる。特定の実施形態では、ねじ頭部は、ホーゼル開口部の長手方向軸に対するねじの位置に関係無く、ワッシャと完全接触することができる。

例えば、図４１の例示されている実施形態では、ヘッド対シャフト接続アッセンブリは、ホーゼルスリーブ開口部長手方向軸と同軸に整列している長手方向軸を有する（即ち、２つの長手方向軸ＡとＢの間のオフセット角がゼロである）第１ホーゼルスリーブを採用している。ねじ１３００は、ワッシャ１２００の全周囲縁１２２５に沿って、ワッシャ１２００と接触する。図４２に示されている様に、第１ホーゼルスリーブを、非ゼロオフセット角を有する第２ホーゼルスリーブに交換したとき、傾斜の付いたワッシャ面１２２０と傾斜の付いたねじ頭部面１３２０は、ねじ１３００が、ワッシャ１２００の全周囲縁１２２５と接触を維持できるようにしている。その様なワッシャ対ねじ接続によって、ボルトは、所与の取り付けトルクでより大きな予荷重が掛かる曲げモーメントを受けること無く、純軸力が掛かるようになるので、クラブヘッド７００はより確実によりしっかりとシャフト８００に取り付けられることになる。更に、この構成では、ねじ頭部の圧縮力が、ワッシャ上面１２１０とホーゼル挿入部底面１１２０に亘ってより均一に分布されるようになる。

図４３Ａは、ヘッドに対して、クラブのシャフトのロフト及び／又はライ角を変える様々な位置で支持されるようになっている取り外し可能なシャフトを有するゴールドクラブアッセンブリの別の実施形態を示している。アッセンブリは、ホーゼル開口部３００４を画定するホーゼル３００２を有するクラブヘッド３０００を備えている。ホーゼル開口部３００４は、シャフトスリーブ３００６を受け入れる寸法であり、シャフトスリーブは、シャフト３００８の下端部分に固定される。シャフトスリーブ３００６は、シャフト３００８の下端部分に、接着剤により接着するか、溶接するか、又は等価な方法で固定することもできる。別の実施形態で、シャフトスリーブ３００６を、シャフト３００８と一体に形成することもできる。図示の様に、フェルール３０１０を、シャフトのシャフトスリーブ３００６のすぐ上側に配置し、シャフトスリーブとシャフト３００８の外面の間に移行部片を設けることもできる。

ホーゼル開口部３００４は、更に、ホーゼル挿入部２００（上で詳細に説明済み）を受け入れるようになっており、同挿入部はクラブヘッド内部の環状肩部３０１２上に配置することができる。ホーゼル挿入部２００は、溶接、接着剤、又は他の適切な技法によって、所定位置に固定することができる。代わりに、挿入部は、ホーゼル開口部に一体に形成することもできる。クラブヘッド３０００は、更に、ねじ４００を受け入れる大きさに作られた開口部３０１４を、クラブヘッドの底又はソール部に含んでいる。図２に示されている実施形態に酷似して、ねじ４００は、開口部３０１４に挿入され、肩部３０１２内の開口部を通して、シャフトスリーブ３００６の中へ締め付けられ、シャフトをクラブヘッドに固定する。しかしながら、図２に示されている実施形態とは異なり、シャフトスリーブ３００６は、シャフトを、所望のシャフトのロフト及び／又はライ角を実現するため、クラブヘッドに対して異なる位置に支持するように構成されている。

必要であれば、例えばＯリング又はワッシャ３０３６の形態をしているねじ捕捉装置をねじ４００軸部の肩部３０１２より上側に設置して、シャフトをクラブヘッドから取り外せるようにねじを緩めたときにねじがクラブヘッド内の所定位置に保持されるようにしてもよい。リング３０３６は、ねじのねじ部に摩擦係合する寸法であり、リング３０３６が
開口部を抜けて落下することの無いように、肩部３０１２の中央開口部より大きい外径を有しているのが望ましい。図４３Ａに描かれている様に、シャフトをクラブヘッドに固定するためにねじ４００を締め付けたとき、リング３０３６が、肩部３０１２とシャフトスリーブ３００６の隣接する下面の間で圧縮されないようになっているのが望ましい。図４３Ｂは、シャフトをクラブヘッドから取り外せるようにするため、ねじ４００がシャフトスリーブ３００６から取り外された状態を示している。図示の様に、分解された状態では、リング３０３６は、ねじの遠位端を捕捉して、ねじをクラブヘッド内に保持し、ねじの紛失を防止している。リング３０３６は、ゴム、ヴァイトン、ネオプレン、シリコン、又は同様の材料の様なポリマー又はエラストマー材料を備えているのが望ましい。リング３０３６は、例示されている実施形態に示されている円形断面形状を有するＯリングであってもよい。代わりに、リング３０３６は、方形又は矩形の断面形状を有する平ワッシャであってもよい。他の実施形態では、リング３０３６は、他の様々な断面外形をしていてもよい。

シャフトスリーブ３００６は、図４４−図４７に更に詳細に示されている。例示されている実施形態のシャフトスリーブ３００６は、シャフトの下端部分を受け入れるための上側開口部３０１８を有する上側部分３０１６と、シャフトの下端部分より下側に位置する下側部分３０２０と、を備えている。下側部分３０２０には、ねじ４００のねじの切られた軸部を受け入れるための、ねじの切られた開口部３０３４が設けられていてもよい。スリーブの下側部分３０２０は、シャフトとクラブヘッドの間の相対回転を制限するため、ホーゼル挿入部２００の回転防止部分と噛み合うように構成されている回転防止部分を備えていてもよい。図示の様に、回転防止部分は、ホーゼル挿入部２００（図１１−図１４）の対応する内スプライン２４０と噛み合うようになっている複数の長手方向に延びる外スプライン５００を備えていてもよい。下側部分３０２０と、その上に形成されている外スプライン５００は、図５−図７及び図９−図１０に示され、上で詳細に説明されている、シャフト下側部分１５０及びスプライン５００と同じ構成を有していてもよい。而して、スプライン５００の詳細説明はここで繰り返さない。

図５−図７及び図９−図１０に示されている実施形態とは異なり、スリーブの上側部分３０１６は、下側部分３０２０に対してオフセット角３０２２で延びている。図４３に示されている様に、クラブヘッド内に挿入されたとき、下側部分３０２０はホーゼル挿入部２００及びホーゼル開口部３００４と同軸に整列し、共同で、長手方向軸Ｂを画定している。シャフトスリーブ３００６の上側部分３０１６は、長手方向軸Ａを画定しており、シャフト３００８を、長手方向軸Ｂからオフセット角３０２２だけずれた軸Ａに沿って支持する働きをする。シャフトスリーブを、ホーゼル挿入部に対して異なる角度位置で挿入することには、シャフトのロフト及び／又はライ角を調節する効果があり、これについては下で更に詳しく説明する。

図４７に分かり易く示されている様に、シャフトスリーブの上側部分３０１６は、開口部３０１８の下端からシャフトスリーブの上端まで、壁の厚さが一定であることが望ましい。傾斜面部分３０２６は、上側部分３０１６と下側部分３０２０の間を延びている。シャフトスリーブの上側部分３０１６は、ホーゼル３００２の上面３０３２（図４３）に接触する環状支承面３０３０を画定する拡大頭部分３０２８を有している。支承面３０３０は、シャフトスリーブをホーゼルの中へと挿入したとき、支承面３０３０がホーゼルの相対する面３０３２と全３６０度に亘って完全に接触することができるように、長手方向軸Ｂに対して９０度の角度に向いているのが望ましい。

図４３に更に示されている様に、ホーゼル開口部３００４は、スリーブの上側部分３０１６の外面と、クラブヘッドの相対する内面の間に、間隙３０２４が形成される寸法であるのが望ましい。上側部分３０１６はホーゼル開口部の周囲の内面と同軸に整列しないの
で、間隙３０２４は、下側部分が長手方向軸Ｂに対してそれぞれの可能な角度位置でホーゼル挿入部の中まで延びる状態で、シャフトスリーブをホーゼル開口部に挿入することができるほど大きいことが望ましい。例えば、例示されている実施形態では、シャフトスリーブは、ホーゼル挿入部２００の８個の内スプライン２４０の間に受け入れられる８個の外スプライン５００を有している。シャフトスリーブとホーゼル挿入部は、図１０及び図１３にそれぞれに示されている構成を有することができる。これにより、先に説明されている様に、スリーブを、ホーゼル挿入部内で互いから１８０度離間されている２つの位置に位置決めさせることができる。

長手方向軸Ｂに対するシャフトスリーブの可能な角度位置の数を変えるため、他のシャフトスリーブとホーゼル挿入部の構成を使用することもできる。例えば、図４８及び図４９は、代わりのシャフトスリーブとホーゼル挿入部の構成を示しており、シャフトスリーブ３００６は、ホーゼル挿入部２００の等間隔に離間された８個のスプライン２４０の間に受け入れられる半径方向側壁５０２を有する等間隔に離間された８個のスプライン５００を有している。各スプライン５００は、隣り合うスプラインから、幅Ｗ_２を有するホーゼル挿入部のスプライン２４０を受け入れる寸法に設定された間隔Ｓ_１だけ離して配置されている。これにより、シャフトスリーブの下側部分３０２０を、ホーゼル挿入部２００の中へ、長手方向軸Ｂ周りに角度を空けて配置されている８つの位置（図２０に示している場所Ａ_１−Ａ_８と同様）で挿入することができるようになる。或る特定の実施形態では、間隔Ｓ_１は約２３度であり、各スプライン５００の円弧角は約２２度であり、幅Ｗ_２は約２２．５度である。

図５０及び図５１は、シャフトスリーブ及びホーゼル挿入部の構成の別の実施形態を示している。図５０及び図５１の実施形態では、シャフトスリーブ３００６（図５０）は、スプラインからスプラインまでの間隔Ｓ_１とＳ_２が交互になるように離間されている８個のスプライン５００を有しており、ここに、Ｓ_２はＳ_１より大きい。各スプラインは、半径方向側壁について先に説明したのと同じ利点をもたらす半径方向側壁５０２を有している。同様に、ホーゼル挿入部２００（図５１）は、それぞれスプライン間隔Ｓ_１とＳ_２より僅かに小さい幅Ｗ_２とＷ_３が交互になるように配置された８個のスプライン２４０を有し、幅Ｗ_２の各スプライン２４０はシャフトスリーブの間隔Ｓ_１内に受け入れられ、幅Ｗ_３の各スプライン２４０はシャフトスリーブの間隔Ｓ_２内に受け入れられるようになっている。これにより、シャフトスリーブの下側部分３０２０が、ホーゼル挿入部２００の中へ、長手方向軸Ｂ周りに角度を空けて配置されている４つの位置で挿入することができるようになる。或る特定の実施形態では、間隔Ｓ_１は約１９．５度、間隔Ｓ_２は約２９．５度、各スプライン５００の円弧角は約２０．５度、幅Ｗ_２は約１９度、幅Ｗ_３は約２９度になっている。更に、使用するシャフトスリーブ側のスプライン及びホーゼル挿入部側の噛み合い相手のスプラインの数を多くするか又は少なくすれば、それぞれ、シャフトスリーブにとって可能な位置の数を増やすか又は減らすことができる。

理解される様に、図４３−図５１に示されているアッセンブリと、図１８−図２０に示されている実施形態とは、どちらも、シャフトのロフト及び／又はライ角を変えるために、シャフトを、クラブヘッドに対して異なる向きに支持できるようになっているという点で同じである。図４３−図５１のアッセンブリの利点は、アッセンブリの部品数が、図１８−図２０のアッセンブリより少なく、従って、製造コストが低く、質量が抑えられる（全体の重量を低減できる）ことである。

図６０は、図４３Ａに示されている実施形態と同様のゴルフクラブアッセンブリの別の実施形態を示している。図６０の実施形態は、ホーゼル開口部３０５４を画定しているホーゼル３０５２を有するクラブヘッド３０５０を含んでおり、ホーゼル開口部は、ホーゼル挿入部２００を受け入れるようになっている。ホーゼル開口部３０５４も、ここに記載
されているシャフト（図６０には図示せず）の下端部分に装着されているシャフトスリーブ３０５６を受け入れることができるようになっている。

シャフトスリーブ３０５６は、ホーゼル挿入部２００のスプラインと噛み合うスプラインを含んだ下側部分３０５８と、中間部分３０６０と、上側頭部分３０６２と、を有している。中間部分３０６０と頭部分３０６２は、シャフトの先端部分を受け入れるための内側内径部３０６４を画定している。例示されている実施形態では、シャフトスリーブの中間部分３０６０は、ホーゼル開口部３０５４の内側筒状面と同心である筒状の外面を有している。このようにして、シャフトスリーブの下側部分及び中間部分３０５８、３０６０とホーゼル開口部３０５４とで、長手方向軸Ｂを画定している。シャフトスリーブの内径部３０６４は、長手方向軸Ａを画定しており、シャフトが、軸Ｂから内径部３０６４によって決まる所定の角度３０６６だけずれた軸Ａに沿って支持されるようにしている。上で説明されている様に、シャフトスリーブ３０５６を、ホーゼル挿入部２００に対して異なる角度位置で挿入することには、シャフトロフト及び／又はライ角を調節する効果がある。

この実施形態では、中間部分３０６０はホーゼル開口部３０５４と同心なので、図６０に表されているように、中間部３０６０の外面は、ホーゼル開口部の隣接する面に接触することになる。これにより、シャフト取付中にアッセンブリの噛み合い機構を容易に整列させることができ、更には製造工程を改善し効率を高めることができる。図６１及び図６２は、シャフトスリーブ３０５６の拡大図である。図示の様に、シャフトと頭部分３０６２の両方が軸Ａに沿って整列するように、シャフトスリーブの頭部分３０６２（ホーゼル３０５２より上側に延びている部分）を、中間部分３０６０に対して、角度３０６６だけ傾斜させることができる。代わりの実施形態では、頭部分３０６２は、中間部分３０６０及び下側部分３０５８と平行になるように、軸Ｂに沿って整列させることができる。

調節可能なソール
以上に論じられている様に、クラブヘッドの接地ロフト８０は、クラブが接地アドレス位置にあるとき（即ち、ソール３５０が地面に載っているとき）の、センターフェースの法線ベクトルの頂角であり、或いは、言い方を変えれば、クラブが接地アドレス位置にあるときの、クラブフェースと垂直面の間の角度である。例えば、図１８−図４２に開示されているシステム又は図４３−図５１に示されているシステムを採用することによって、或いは、従来式にシャフトを曲げるというやり方によって、クラブのシャフトロフトを調節したとき、クラブヘッドのソールに対するクラブフェースの向きは変化しないので、接地ロフトは変わらない。一方、シャフトロフトが調節されると、クラブのスクエアロフトは同じ量だけ調節されることになる。同様に、シャフトロフトを調節して、クラブヘッドをアドレス位置に置くと、クラブヘッドのフェース角は、シャフトロフトの変化量に比例して増減する。例えば、６０度のライ角を有するクラブでは、シャフトロフトを約０．６度だけ減じると、フェース角が＋１．０度大きくなり、クラブフェースは、より「開いた」又は外を向いた状態になる。逆に、シャフトのロフトを約０．６度大きくすると、フェース角が−１．０度小さくなり、クラブフェースは、より「閉じた」又は中を向いた状態になる。

従来型のクラブでは、ホーゼル／シャフトロフトは、フェース角が対応して変化すること無しに、調節することはできない。図５２−図５３は、１つの実施形態により、フェース角とホーゼル／シャフトのロフト（従ってスクエアロフト）の間の関係を「切り離す」ように、つまり、スクエアロフトとフェース角を別々に調節できるように構成されたクラブヘッド２０００を示している。例示されている実施形態のクラブヘッド２０００は、後方端部２００６と、本体の前方端部を画定する打球面２００４と、底部分２０２２と、を有するクラブヘッド本体２００２を備えている。本体は、更に、シャフト（図示せず）を
支持するためのホーゼル２００８を有している。

底部２０２２は、少なくともクラブヘッドの後方端部を地面に対して上昇下降させるため、クラブヘッド本体２００２に対して調節される調節可能なソール２０１０（調節可能な「ソール部分」とも呼ばれる）を備えている。図示の様に、ソール２０１０は、前方端部分２０１２と後方端部分２０１４を有している。ソール２０１０は、平坦なプレートートか又はクラブヘッドの底２０２２の全体曲率に沿わせて曲げられた曲面プレートであってもよい。前方端部分２０１２は、ピボットピン２０２０によって画定されているピボット軸で本体２００２に枢動可能に接続されており、ソールがピボット軸に対して枢動できるようにしている。従って、ソールの後方端部分２０１４を、クラブヘッド本体に対して上向き又は下向きに調節して、調節可能なソール２０１０の底とクラブヘッド本体の調節不能な底面２０２２の間の角度として定義されるクラブの「ソール角」２０１８（図５２）を調節することができる。理解される様に、ソール角２０１８を変えれば、接地ロフト８０が対応して変化する。調節可能なソールの前方端部分を枢動可能に接続することにより、打球面と下面の接合部にあるクラブヘッドの下先導縁を、クラブヘッドとボールが接触した時点でちょうど地面から離れるように位置決めすることができる。これは、いわゆる「薄い」ショット（クラブヘッドがボールに当たる位置が高すぎると、ローショットになる）を回避するのを支援し、ゴルファーが、「オフザデッキ」のボールを、必要に応じてティー無しで打てるようにする上で望ましい。

クラブヘッドには、ソール２０１０を手動調節できるように構成されている調節機構が設けられていてもよい。例示されている実施形態では、例えば、調節ねじ２０１６は、後方端部分２０１４を貫通し、本体のねじの切られた開口部（図示せず）の中まで延びている。ソール２０１０に対するねじの軸方向位置は、ねじを調節するとソール２０１０が対応して回転するように、固定されている。例えば、ねじを第１方向に回すと、ソール２０１０が、図５２に実線で示されている位置から点線で示されている位置まで下がる。ねじを反対方向に回すと、ソールが、クラブヘッド本体に対して上昇する。ソール２０１０を上昇及び下降させるのに、様々な他の技法及び機構を用いることができる。

更に、クラブのソール角を上昇下降させるのに、他の技法又は機構をクラブヘッド２０００に実施してもよい。例えば、クラブヘッドは、以下に論じられている図５４−図５８の実施形態に示されている様な、クラブヘッドの後端部付近に設置された１つ又はそれ以上の昇降装置を備えることができる。昇降装置は、ソール角を大きくする場合は、手動で、クラブヘッドの底部分２０２２の開口部の中を下向きに引き出され、ソール角を小さくする場合には、上向きにクラブヘッドの中へと引き込まれるように構成することができる。或る特定の実施形態では、クラブヘッドは、ヘッドの後部付近に、ソール角を変えるためにクラブヘッドに対して入れ子式に伸縮自在になっている入れ子式突起部を有している。

特定の実施形態では、クラブヘッドのホーゼル２００８は、取り外し可能なシャフトを、クラブのシャフトロフト及び／又はライ角を調節できるよう異なる所定の向きに支持するように構成することができる。例えば、クラブヘッド２０００は、使用者が、クラブシャフトを所望の方向に支持するアダプタスリーブ１０００を選択することにより、クラブのシャフトロフト及び／又はライ角を変えることができるようにするため、上で説明され図１９に示されているアッセンブリ（シャフトスリーブ９００、アダプタスリーブ１０００、及び挿入部１１００）を受け入れるように構成することができる。代わりに、クラブヘッドは、クラブのシャフトのロフト及び／又はライ角を調節できるようにするため、図４３−図４７に示されているアッセンブリを受け入れるようになっていてもよい。他の実施形態では、クラブシャフトは、シャフトをホーゼルに接着剤で接着させる様な従来型の方法で、ホーゼル２００８に接続することができ、シャフトロフトは、シャフトとホーゼ
ルを従来のやり方でクラブヘッドに対して曲げることにより、調節することができる。クラブヘッド２０００は、上で説明され図１−図１６に開示されている取り外し可能なシャフトアッセンブリと共に使用するように構成することもできる。

クラブヘッドのソール角を変えれば、クラブヘッドのアドレス位置が、従ってクラブヘッドのフェース角が変わる。ソールの位置を調節し、シャフトロフトを（従来のやり方で曲げるか又はここで説明されている取り外し可能シャフトシステムを使用するかの何れかにより）調節することによって、１つのクラブでスクエアロフト及びフェース角との様々な組合せを実現することができるようになる。更に、ソールを所定量だけ調節することにより、クラブのフェース角を維持しながら、シャフトロフトを調節する（スクエアロフトを調節する）ことができるようになる。

一例として、下表５は、ライ角６０度のとき、公称又は初期スクエアロフト１０．４度、公称又は初期フェース角６．０度、及び公称又は初期接地ロフト１４度であるクラブヘッドで実現できるスクエアロフト、接地ロフト、フェース角、ソール角、及びホーゼルロフトの様々な組合せを示している。表５の公称条件では、ソール角又はホーゼルロフト角は変わっていない（即ち、Δソール角＝０．０とΔホーゼルロフト角＝０．０）。表５の他の行のパラメータは、この公称状態に対する偏差である（即ち、公称状態に比べて、ソール角及び／又はホーゼルロフト角の何れかが変わっている）。この例では、ホーゼルロフト角は、２度大きくなるか、２度小さくなるか、又は変化しないか、であり、ソール角は、増分を２度として変化させている。表で分かるように、ホーゼルのロフト角及びソール角をこのように変えると、スクエアロフトが、８．４から、１０．４、及び１２．４までの間で変化し、フェース角は、−４．０、−０．６７、２．６７、−７．３３、６．００、及び９．３３に変化する。他の例では、スクエアロフト及びフェース角の異なる値を実現させるため、ソール角及びホーゼルロフト角を変化させる増分をより小さくし及び／又は変化させる範囲をより広くしてもよい。

更に、ホーゼルのロフト角を小さくして、調節後のホーゼルロフト角で６．０度のフェース角を実現するのに必要なだけソール角を大きくすることによって、６．０度の公称フェース角を維持することもできる。例えば、表５に代表されるクラブヘッドのホーゼルのロフト角を２度小さくすると、フェース角が９．３３度まで大きくなる。ソール角を約２．０度大きくすると、フェース角は再調節されて６．０度になる。

図５４−図５８は、調節可能なソールを有する、別の実施形態によるゴルフクラブヘッド４０００を示している。クラブヘッド４０００は、後方端部４００６と、本体の前方端部を画定している打球面４００４と、底部分４０２２と、を有するクラブヘッド本体４００２を備えている。本体は、更に、シャフト（図示せず）を支持するためのホーゼル４００８を有している。底部分４０２２は、底部分４０２２を横断する方向に延びている打球面の下縁部に隣接する先導縁面部分４０２４を画定している（即ち、先導縁面部４０２４は、クラブヘッド本体のヒールからトウの方向に延びている）。

底部分４０２２は、更に、クラブヘッドの後方端部を地面に対して上昇下降させるため、クラブヘッド本体４００２に対して調節することができる調節可能なソール部分４０１０を含んでいる。図５６に分かり易く示されている様に、調節可能なソール部分４０１０は、クラブヘッドのヒール対トウの方向に細長く伸びており、望ましくは先導縁面部分４０２４の曲率に一致するように湾曲している下面４０１２を有している。例示されている実施形態では、ソール部分４０１０の先導縁面４０２４と底面４０１２は共に凹面である。他の実施形態では、面４０１２及び４０２４は、必ずしも曲面でなくてよいが、なお、ヒール対トウ方向に延びる同じ外形を有しているのが望ましい。このようにすると、クラブヘッドが接地アドレス位置から外れている（例えば、クラブがより低いか又はより平らなライ角に保持されている）場合でも、クラブヘッドの有効フェース角は、下で説明されている様に、実質的に変わらない。クラウンからフェースへの移行部又はトップラインは、アドレス位置から見ると、クラブはここに記載されているライ範囲の間で調節されるので、比較的安定したものとなる。従って、ゴルファーは、クラブを、飛球線の所望の方向と更に正確に整列させることができる。幾つかの実施形態では、トップライン移行部は、塗装されたクラウンと塗装されていないフェースの間のマスキングラインによって輪郭が示されている。

ソール部分４０１０は、クラブヘッドのヒールに向かって位置している第１縁部４０１８と、クラブヘッドの幅の中間辺りに位置している第２縁部４０２０と、を有している。この様式では、ソール部分４０１０（縁部４０１８から縁部４０２０まで）は、クラブヘッドを横断する方向に延びる長さがクラブヘッドの幅の半分未満になっている。先に指摘されている様に、研究によって、殆どのゴルファーは、クラブヘッドの意図されたスコアラインライ角（クラブヘッドがアドレス位置にあるときのライ角）よりも１０度から２０度小さいライ角でボールにアドレスすることが示されている。例示されている実施形態のソール部分４０１０の長さは、接地アドレス位置か又は接地アドレス位置のライ角より０度から２０度小さい何らかのライ角で地面に載っているクラブヘッドを支持するように選択されている。代わりの実施形態では、ソール部分４０１０は、より大きいか又はより小さいライ角度範囲のクラブヘッドを支持するため、例示されている実施形態より長いか又は短い長さを有していてもよい。例えば、ソール部分４０１０は、スコアラインライ角（接地アドレス位置のライ角）より大きいライ角のクラブヘッドを支持するため、クラブヘッドの中央を超えて延びていてもよい。

図５７及び図５８に分かり易く示されている様に、クラブヘッド本体の底部分には、調節可能なソール部分４０１０を受け入れる形状を有する陥凹部４０１４を形成することができる。１つ又はそれ以上のねじ４０１６（例示されている実施形態では２つを示している）は、各ワッシャ４０２８と、調節可能なソール部分４０１０の対応している開口部と、１つ又はそれ以上のシム４０２６を通して、クラブヘッド本体の底部分４０２２のねじの切られた開口部の中まで延ばすことができる。クラブヘッドのソール角は、シム４０２６の数を増減させ、ソール部分４０１０のクラブヘッドの底から延びる距離を変えることによって、調節することができる。ソール部分４０１０は、クラブのソール角を変えるため、取り外して、より低い又はより高いソール部分４０１０と取り替えることもできる。
１つの実施例では、クラブヘッドには、それぞれが異なる高さＨを有する複数のソール部分４０１０が用意されている（図５８）（例えば、クラブヘッドには、小、中、及び大のソール部分４０１０を用意することができる）。既存のソール部分４０１０を取り外し、より大きい高さＨを有するソール部分に取り替えると、ソール角が大きくなり、一方、既存のソール部分４０１０を、より小さい高さＨを有するソール部分に取り替えると、ソール角が小さくなる。

或る代わりの実施形態では、ソール部分４０１０に対するねじ４０１６それぞれの軸方向位置は、ねじを調節すると、ソール部分４０１０がクラブヘッドから離れる方向に又はクラブヘッドに近づく方向に動くように、固定されている。ソール部分４０１０を下向きに調節すると、クラブヘッドのソール角が大きくなり、一方、ソール部分を上向きに調節すると、クラブヘッドのソール角が小さくなる。

ゴルファーが、クラブヘッドが接地アドレス位置から外れるようにクラブを身体に向けて又は身体から離れるように傾けることによってクラブの実際のライ角を変えると、クラブヘッドのロフトのせいで、フェース角には対応する僅かな変化が見られる。クラブヘッドの有効フェース角ｅＦＡは、ロフト構成要素を取り外した状態でのフェース角（即ち、フェース法線ベクトルの水平方向成分と飛球線ベクトルとの間の角度）の尺度であり、以下の式

で求めることができ、ここに、
Δｌｉｅ＝測定されたライ角−スコアラインライ角であり、
ＧＬは、クラブヘッドの接地ロフト角であり、
ＭＦＡは、測定されたフェース角である。

以上に指摘されている様に、調節可能なソール部分４０１０は、クラブヘッドの先導縁面部分４０２４の曲率と一致する下面４０１２を有している。従って、ゴルファーが、クラブヘッドを競技面に載せてクラブを保持し、クラブをゴルファーに向けて又はゴルファーから離れる向きに傾けてクラブの実際のライ角を調節した際、有効フェース角は実質的に一定のままである。特定の実施形態では、ライ角が、スコアラインのライ角より０度から２０度小さい範囲全体に亘って調節されても、クラブヘッド４０００の有効フェース角は、＋／−０．２度の公差内で一定に保持される。特定の実施例では、例えば、クラブヘッドのスコアラインのライ角は６０度で、有効フェース角は、６０度から４０度のライ角に対し＋／−０．２度の公差内で一定に保持される。別の例では、クラブヘッドのスコアラインのライ角が６０度で、有効フェース角は、６０度から４０度までの間のライ角に対し＋／−０．１度の公差内で一定に保持される。幾つかの実施形態では、有効フェース角は、約＋／−０．１度から約＋／−０．５度の公差内で一定に保持される。一部の特定の実施形態では、有効フェース角は、約＋／−１度より小さい又は約＋／−０．７度より小さい公差内で一定に保持される。

図５９は、公称状態（シャフトロフトを変えていない）、増ロフト状態（シャフトロフトを１．５度増している）、及び減ロフト状態（シャフトロフトを１．５度減じている）での、ライ角度範囲全体に対するクラブヘッドの有効フェース角を示している。増ロフト状態では、クラブヘッドのソール角を小さくするため、ソール部分４０１０を取り外し、より小さい高さＨを有するソール部分４０１０に取り替えた。減ロフト状態では、クラブ
ヘッドのソール角を大きくするため、ソール部分４０１０を取り外し、より大きい高さＨを有するソール部分４０１０に取り替えた。図５９に示されている様に、公称、増ロフト、及び減ロフトの状態のクラブヘッドの有効フェース角は、約４０度から約６０度のライ角度範囲全体を通して実質的に一定のままであった。

材料
本明細書に開示されているヘッド対シャフト接続アッセンブリの構成要素は、各種の適した金属、合金、ポリマー、複合材、又はそれらの各種の組合せの何れから形成されていてもよい。

以上に指摘されているものに加え、接続アッセンブリの構成要素を形成するのに使用することができる金属及び合金の幾つかの例として、限定するわけではないが、炭素鋼（例えば、１０２０又は８６２０炭素鋼）、ステンレス鋼（例えば、３０４又は４１０ステンレス鋼）、ＰＨ（析出硬化性）合金（例えば、１７−４、Ｃ４５０、又はＣ４５５合金）、チタン合金（例えば、３−２．５、６−４、ＳＰ７００、１５−３−３−３、１０−２−３、又は他のアルファ／ニアアルファ、アルファ−ベータ、及びベータ／ニアベータチタン合金）、アルミニウム／アルミニウム合金（例えば、３０００シリーズ合金、５０００シリーズ合金、６０６１−Ｔ６の様な６０００シリーズ合金、７０７５の様な７０００シリーズ合金）、マグネシウム合金、銅合金、及びニッケル合金が挙げられる。

構成要素を形成するのに使用することができる複合材の幾つかの例として、限定するわけではないが、ガラス繊維強化ポリマー（ＧＦＲＰ）、炭素繊維強化ポリマー（ＣＦＲＰ）、金属マトリクス複合材（ＭＭＣ）、セラミックマトリックス複合材（ＣＭＣ）、及び天然複合材（例えば、複合木材）が挙げられる。

構成要素を形成するのに用いられるポリマーの幾つかの例として、限定するわけではないが、熱可塑性材料（例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、ＰＶＣ、ＡＢＳ、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリフェニレンオキシド（ＰＰＯ）、ポリフェニレンスルフィド（ＰＰＳ）、ポリエーテルブロックアミド、ナイロン、及びエンジニアリング熱可塑性プラスチック）、熱硬化性材料（例えば、ポリウレタン、エポキシ、及びポリエステル）、コポリマー、及びエラストマー（例えば、天然又は合成ゴム、ＥＰＤＭ、及びTeflon（登録商標））が挙げられる。

実施例
表６は、可動式重りが重りポートに装着されているドライバについて、スリーブ位置と可動式重り位置の間の２４通りの可能なドライバヘッド構成を示している。表６に示されているそれぞれの構成は、所望のショットバイアスを提供するための異なった構成を有している。関連付けられるロフト角、フェース角、及びライ角が、示されているそれぞれのスリーブ位置に対応して示されている。

表６中の表示値は、ニュートラル位置での、公称クラブロフト１０．５°、公称ライ角６０°、及び公称フェース角２．０°を想定している。表６の例示としての実施形態では、オフセット角は公称で１．０°である。８つの別々のスリーブ位置である「Ｌ」、「Ｎ」、「ＮＵ」、「Ｒ」、「Ｎ−Ｒ」、「Ｎ−Ｌ」、「ＮＵ−Ｒ」、及び「ＮＵ−Ｌ」は、ゴルファーがスリーブをクラブヘッドに関して位置決めできる異なったスプライン位置を表している。当然ながら、４、１２、又は１６通りのスリーブ位置が実施可能であるものと理解する。それぞれの実施形態では、スリーブ位置は４つの対角位置を中心に対称である。これらの位置を定めロックするための好適な方法は、ここに記載の実施形態の中で説明されている様に、スプラインの歯をホーゼルの噛み合いスロット付き部片に係合させることを伴う。

「Ｌ」即ち左位置は、ゴルファーにドローショット又はドローバイアスショットを打たせる。「ＮＵ」即ちニュートラル直立位置は、使用者が軽いドロー（「Ｌ」位置より小さいドロー）を打てるようにする。「Ｎ」即ちニュートラル位置は、ドロー及びフェードバイアスの殆ど無い又は全く無いスリーブ位置である。対照的に、「Ｒ」即ち右位置は、使用者がフェードバイアスの掛かったショットを打つ確率を上げる。

表６に示されている様に、最も重い可動式重りは約１６ｇであり、２つの軽い方の重りは約１ｇである。この例示としての実施形態では、総重量１８ｇが可動式重りによって提供されている。可動式重りは、所望のＣＧ位置に依っては、１８ｇより重くてもよいし１８ｇより軽くてもよい。可動式重りは、米国特許第６，７７３，３６０号、同第、７，１６６，０４０号、同第７，１８６，１９０号、同第７，４０７，４４７号、同第７，４１９，４４１号、同第７，６２８，７０７号、又は同第７，７４４，４８４号、に記載されている重り及び構成とすることができ、それら特許を参考文献としてここにそっくりそのまま援用する。最も重い重りをトゥ領域に設置すると、ドローバイアスの掛かったショットがもたらされる。対照的に、最も重い重りをヒール領域に設置するとフェードバイアスの掛かったショットがもたらされ、最も重い重りを後部位置に設置するとよりニュートラルなショットがもたらされる。

表６に示されている例示としての実施形態は、８通りの異なったスリーブ構成について少なくとも５通りの異なったロフト角値を提供している。ロフト角の値は、公称１０．５°のロフト（ニュートラル時）のクラブにつき、約９．５°から１１．５°まで変化する。１つの実施形態では、最大ロフト角変化は約２°である。上述のスリーブアッセンブリ又は調節可能なロフトシステムは、約０．５°から約３°の全体最大ロフト変化（Δｌｏｆｔ）をもたらすことができ、次式、数式４、即ち、

と書き表すことができる。

増分的なロフト変化は、クラブヘッドの性能を微調整できるだけの細かさでなお且つ違いを認められるほどのロフト変化を持てるようにするためには約０．２°から約１．５°の増分となろう。表６に示されている様に、スリーブアッセンブリがロフトを大きくするように位置決めされたとき、フェース角は、クラブがアドレス位置に保持されたときクラブが地面の上にどの様に座っているかに関して、より閉じた状態である。同様に、スリーブアッセンブリがロフトを減じるように位置決めされたとき、フェース角はより開いた状態に座わっている。

また、表６の実施形態では、８通りの異なった構成につき５通りの異なったフェース角値が提供されている。フェース角は、示されている実施形態では、ニュートラルなフェース角を２．０°として、約０．３°から３．７°まで変化している。１つの実施形態では、最大フェース角変化は約３．４°である。ロフト角が１°変化すると、その結果、フェース角が１．７°変化することに留意されたい。

表６に示されている例示としての実施形態は、更に、８通りの異なったスリーブ構成につき５通りの異なったライ角値を提供している。ライ角は、ニュートラルなライ角を６０°として、約５９°から６１°まで変化している。その結果、１つの実施形態では、最大ライ角変化は約２°である。

或る代わりの例示としての実施形態では、同等な９．５°公称ロフトのクラブなら、以上に表６中に記されている同様のフェース角及びライ角の値を有することになろう。また一方で、同等な９．５°公称ロフトのクラブについてのロフト角は、表６中の様々な設定全体を通して示されているロフト値より約１°小さいロフト値を有することになろう。同様に、同等な８．５°公称ロフトのクラブなら、表６中に示されているより約２°小さいロフト角値を有することになろう。

本願の幾つかの実施形態によれば、ゴルフクラブヘッドは、ニュートラル位置で、約６度から約１６度の間又は約１３度から約３０度の間のロフト角を有している。更に他の実施形態では、ゴルフクラブは、ニュートラル位置で、約５５度から約６５度の間のライ角を有している。

表７は、１０．５°の公称クラブロフト、６０°の公称ライ角、及び２．０°の公称フェース角、を有する別の例示としての実施形態を示している。表７の例示としての実施形態では、シャフトのオフセット角は公称で１．５°である。

表７に示されている異なったスリーブ構成は、既に以上に説明されている様に、所望のショットバイアスを実現するべく異なった可動式重り構成と組み合わせることができる。表７の実施形態では、ロフト角は、１０．５°のニュートラルロフト角のクラブについて、約９．０°から１２．０°に及んでおり、約３°の全体最大ロフト変化をもたらしている。表７の実施形態でのフェース角は、２．０°のニュートラルフェース角のクラブにつき、約０．５°から４．５°に及んでおり、その結果、約５°の全体最大フェース角変化が生じている。表７のライ角は、６０°のニュートラルライ角のクラブにつき、約５８．５°から６１．５°に及んでおり、約３°の全体最大ライ角変化が生じている。

図６３Ａは、分解されたゴルフクラブヘッドアッセンブリの１つの例示としての実施形態を示している。ヒールポート６３１６、後部ポート６３１４、トゥポート６３１２、ヒール重り６３０６、後部重り６３０４、及びトゥ重り６３０２、を有するゴルフクラブヘッド６３００が示されている。ゴルフクラブヘッド６３００は、先に説明されているスリーブ６３０８とねじ６３１０も含んでいる。ねじ６３１０は、スリーブ６３０８をクラブヘッド６３００に固定するためにホーゼル開口部６３１８の中へ挿入される。

図６３Ｂは、ゴルフクラブヘッド６３００、スリーブ６３０８、ねじ６３１０、及び可動式重り６３０２、６３０４、６３０６の組立後の図を示している。ゴルフクラブヘッド６３００は、主として３つの平らな面又は壁で構成されているホーゼル開口部６３１８を含んでいる。

質量特性
ゴルフクラブヘッドは、本体と重りポートと重りとの組み合わされた質量と定義されるヘッド質量を有している。総重り質量は、ゴルフクラブヘッドへ装着された単数又は複数の重りの組み合わされた質量である。総重りポート質量は、重りポートとリブの様な何らかの重りポート支持構造の組み合わされた質量である。

１つの実施形態では、後部重り６３０４は、約１５グラムから約２０グラムの間にある最も重い重りである。一部の特定の実施形態では、より軽い重りは、約１グラムから約６グラムとすることができる。１つの実施形態では、１６ｇの重い重り１つと１ｇのより軽い重り２つが好適である。

幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドには、約１ｇから約１２ｇの間の総重りポート質量を有する３つの重りポートが設けられている。一部の特定の実施形態では、リブ無しの重りポート質量は、約９グラムの組み合わされた重りポート質量につき３ｇである。幾つかの実施形態では、リブ有りの総重りポート質量は、約１５グラムから約１８ｇの組み合わされた重りポート質量につき約５ｇから約６ｇである。

図６４Ａは、図示目的でクラウン６４２６の一部を部分的に取り払った状態で上から見た断面図を示している。トゥ重り６４０８、後部重り６４１０、及びヒール重り６４１２は、トゥ重りポート６４０２、後部重りポート６４０４、ヒール重りポート６４０６の中へ、それぞれ、一杯まで差し込まれている。ここに記載されている型式のスリーブアッセンブリ６４１８も示されている。１つの実施形態では、トゥ重りポート６４０２には、少なくとも１つのリブ６４１４が設けられ、後部重りポート６４０２には少なくとも１つのリブ６４１６が設けられている。図６４Ａに示されているヒール重りポート６４１２は、追加の安定性及び質量がホーゼル陥凹壁６４２２によって提供されているため、リブは必要でない。而して、１つの実施形態では、ヒール重りポート６４１２は、リブ付きではないせいで、トゥ重りポート６４０２及び後部重りポート６４０４より軽くなっている。トゥ重りポートのリブ６４１４は、トゥ重りポートのリブをソール６４２４の内壁の一部分
へ付着させている第１リブ６４１４ａと第２リブ６４１４ｂで構成されている。

図６４Ｂは、スリーブアッセンブリ６４１８及びホーゼル陥凹壁６４２２を示す前から見た断面図を示している。ヒール重りポートのリブ６４１６は、第１リブ６４１６ａ、第２リブ６４１６ｂ、及び第３リブ６４１６ｃで構成されている。第１リブ６４１６ａと第２リブ６４１６ｂは、後部重りポート６４０４の外面とソール６４２４の内面へ付着されている。第３リブ６４１６ｃは、後部重りポート６４０６の外面とクラウン６４２６の内面へ付着されている。

１つの実施形態では、スリーブアッセンブリ６４１８とホーゼル陥凹壁６４２２が加わるとヒール領域の重量は約１０ｇから約１２ｇ増加する。換言すると、ホーゼル陥凹壁６４２２とスリーブアッセンブリ６４１８を持たないクラブヘッド構成なら、約１０ｇから約１２ｇだけ軽くなる。ヒール領域の重量の増加のせいで、ヒール領域に設置されたかもしれない塊体パッド又は固定重りは無用となる。従って、ホーゼル陥凹壁６４２２とスリーブアッセンブリ６４１８による追加重量は、パッド塊や固定重りを挿入する必要無しに、重心位置に十分な影響をもたらす。

１つの例示としての実施形態では、重りポート壁は、厚さが大凡０．６ｍｍから１．５ｍｍで、２ｇから約５ｇの間の質量を有している。１つの実施形態では、重りポート壁単独では、約３ｇから約４ｇの重量がある。ホーゼル挿入部（上述）は１ｇから約４ｇの間の重量を有している。１つの実施形態では、ホーゼル挿入部は約２ｇである。ホーゼル挿入部の中へ挿入されるスリーブは、約５ｇから約８の重さがある。１つの実施形態では、スリーブは約６ｇから約７ｇである。スリーブの中へ挿入されるねじは、約１ｇから２ｇの重量がある。１つの例示としての実施形態では、ねじは約１ｇから約２ｇの重量がある。

従って、一部の特定の実施形態では、ホーゼル陥凹壁、ホーゼル挿入部、スリーブ、及びねじは、約１０ｇから１５ｇの組み合わされた重量を有しており、約１４ｇが好適である。

３つの重りポートと３つの重りを有するゴルフクラブヘッドの幾つかの実施形態では、本体質量と重りポート質量と重りの合計は、約８０ｇから約２２０ｇの間、又は約１８０ｇから約２１５ｇの間である。一部の具体的な実施形態では、クラブヘッドの総質量は、２００ｇから２１０ｇの間であり、１つの実施形態では約２０５ｇである。

以上の質量特性は、クラブヘッドのＣＧへのスリーブアッセンブリの追加重量効果に対応しながらなお且つコンパクトで軽量なスリーブアッセンブリを創出することを模索したものである。クラブヘッドは、１５ｍｍより小さいホーゼル外径６４２８（図６４Ｂに示されている）を有するのが好適であり、１４ｍｍより小さければ更に好適である。ホーゼル外径がより小さければ、上述の実施形態のスリーブアッセンブリと結合させたときに、確実に、ホーゼル領域の割増重量が最小限に抑えられ、その結果、ＣＧ位置へは大きな影響が及ばなくなる。換言すると、スリーブアッセンブリと結合されたときにホーゼル直径が小さいことは、質量特性及びＣＧ特性にとって望ましく、大きくて重くて嵩張るホーゼルに附随する問題が回避されるということである。より小さいホーゼル外径はまた、大きくて嵩張るホーゼルよりも、プレイヤーにとっては審美的により好感が持てるであろう。

体積特性
本願のゴルフクラブヘッドは、クラブヘッド本体の体積変位に等しい体積を有している。幾つかの実施形態では、本願のゴルフクラブヘッドは、約１１０ｃｍ^３から約６００ｃｍ^３の間のヘッド体積を有するように構成することができる。より具体的な実施形態では
、ヘッド体積は、約２５０ｃｍ^３から約５００ｃｍ^３の間、約４００ｃｍ^３から約５００ｃｍ^３の間、約３９０ｃｍ^３から約４２０ｃｍ^３の間、又は約４２０ｃｍ^３から約４７５ｃｍ^３の間、である。１つの例示としての実施形態では、ヘッド体積は、約３９０乃至約４１０ｃｍ^３である。

慣性モーメントとＣＧ位置
ゴルフクラブヘッド慣性モーメントは、ゴルフクラブヘッドＣＧを通って延びる軸を中心に定義されている。ここでの使用に際し、ゴルフクラブヘッドＣＧ位置は、ゴルフクラブヘッド座標系上のその位置を参照して提供されるものである。ゴルフクラブヘッド起点は、フェースプレート上の大凡幾何学的中心に、即ちフェースプレートの高さと幅の中点の交わる所に位置する。

ヘッド起点座標系は、ｘ軸とｙ軸を含んでいる。起点ｘ軸は、ヘッドが理想的に位置決めされたとき、フェースプレートに対し接線方向に概ね地面に平行に延びており、正のｘ軸は、起点からゴルフクラブヘッドのヒールに向かって延び、負のｘ軸は、起点からゴルフクラブヘッドのトゥへ延びている。起点ｙ軸は、ヘッドが理想的に位置決めされたとき、概ね起点ｘ軸に垂直に地面に平行に延びており、正のｙ軸はヘッド起点からゴルフクラブの後部分に向かって延びている。ヘッド起点は、更に、起点ｘ軸及び起点ｙ軸に垂直に延びている起点ｚ軸を含むものであって、正のｚ軸は起点からゴルクラブヘッドの最上部分へ向かって延び、負のｚ軸は起点からゴルフクラブヘッドの底部分に向かって延びている。

幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、約−１０ｍｍから約１０ｍｍの間のヘッド起点ｘ軸（ＣＧｘ）座標と約１５ｍｍより大きいか又は約５０ｍｍより小さいヘッド起点ｙ軸（ＣＧｙ）座標を有するＣＧを有している。一部の特定の実施形態では、クラブヘッドは、約−５ｍｍから約５ｍｍの間の起点ｘ軸座標と、約０ｍｍより大きい起点ｙ軸座標と、約０ｍｍより小さい起点ｚ軸（ＣＧｚ）座標と、を有するＣＧを有している。

より厳密には、特定の構成を有するゴルフクラブヘッドの具体的な実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、下表８に近似表示されている座標を有するＣＧを有している。表８のゴルフクラブヘッドは、３つの重りポートと３つの重りを有している。構成１では、最も重い重りは、最も背側即ち後部重りポートに設置されている。構成２では、最も重い重りは、ヒール重りポートに設置されており、構成３では、最も重い重りは、トゥ重りポートに設置されている。

表８は、可動式重りを動かすことによって可能となり得るＣＧ変化量を強調している。１つの実施形態では、上述の実施可能なロフト角、ライ角、及びフェース角の調節を相殺
するか又は強化する上で有意な性能上の変化を作り出すのに十分に大きいＣＧ変化を実現するために、可動式重りを変化させると、ｘ方向（ヒール−トゥ）方向に約２ｍｍから約１０ｍｍの間のＣＧ変化をもたらすことができる。ＣＧの実質的な変化は、異なった重りポートの間で動かされる重りの差を大きくし、ＣＧ変化を実現するのに十分な間隔を空けて重りポートを離間させることによって、達成される。一部の特定の実施形態では、ＣＧは、０より小さいＣＧｚを有する中心フェースより下に位置している。ＣＧｘは、約−２ｍｍ（トゥ寄り）から８ｍｍ（ヒール寄り）の間であり、或いはなおいっそう好適には、約０ｍｍから約６ｍｍの間である。また、ＣＧｙは、約２５ｍｍから約４０ｍｍの間（中心フェースの後ろ）とすることができる。

ゴルフクラブヘッドの慣性モーメントは、起点が重心ＣＧに置かれていることを別にすれば起点座標系と同様の軸であるＣＧｘ軸、ＣＧｙ軸、及びＣＧｚ軸を中心に測定される。

一部の特定の実施形態では、本発明のゴルフクラブヘッドは、ゴルクラブヘッドＣＧｘ軸中心の慣性モーメント（Ｉ_ｘｘ）が約７０ｋｇ・ｍｍ^２から約４００ｋｇ・ｍｍ^２の間であってもよい。より厳密には、一部の特定の実施形態は、約２００ｋｇ・ｍｍ^２から約３００ｋｇ・ｍｍ^２の間、又は約２００ｋｇ・ｍｍ^２から約５００ｋｇ・ｍｍ^２の間、のＣＧｘ軸中心の慣性モーメントを有している。

幾つかの実施形態では、本発明のゴルフクラブヘッドは、ゴルクラブヘッドＣＧｚ軸中心の慣性モーメント（Ｉ_ｚｚ）が約２００ｋｇ・ｍｍ^２から約６００ｋｇ・ｍｍ^２の間であってもよい。より厳密には、一部の特定の実施形態は、約４００ｋｇ・ｍｍ^２から約５００ｋｇ・ｍｍ^２の間、又は約３５０ｋｇ・ｍｍ^２から約６００ｋｇ・ｍｍ^２の間、のＣＧｚ軸中心の慣性モーメントを有している。

幾つかの実施形態では、本発明のゴルフクラブヘッドは、ゴルクラブヘッドＣＧｙ軸中心の慣性モーメント（Ｉ_ｙｙ）が約２００ｋｇ・ｍｍ^２から約４００ｋｇ・ｍｍ^２の間であってもよい。一部の特定の実施形態では、ゴルフクラブヘッドＣＧｙ軸中心の慣性モーメントは、約２５０ｋｇ・ｍｍ^２から約３５０ｋｇ・ｍｍ^２の間である。

慣性モーメントは、下表９に示されている様に最も重い可動式重りの場所に依存して変化することになる。ここでもやはり、構成１では、最も重い重りは、最も背側即ち後部重りポートに設置されている。構成２では、最も重い重りは、ヒール重りポートに設置されており、構成３では、最も重い重りは、トゥ重りポートに設置されている。

薄壁構造
本願のゴルフクラブヘッドの幾つかの実施形態によれば、ゴルフクラブヘッドは薄壁構造を有している。薄壁構造は、他にも利点はあるが中でもとりわけ、クラブヘッドの一部分からクラブヘッドの別の部分への材料の再配分をやり易くする。再配分される材料は或る特定の質量を有しているので、例えばＣＧ位置や慣性モーメントの大きさの様な質量配分に関係のある性能パラメータが強化されるように当該材料をゴルフクラブヘッドの各所に再配分することができる。クラブヘッドの構造的完全性に影響すること無しに再配分できるクラブヘッド材料は、一般に、裁量的重量（discretionary weight）と呼ばれている。本発明の幾つかの実施形態では、薄壁構造は、裁量的重量を、打球プレート、クラウン、スカート、又はソール、のうちの１つ又はそれらの或る組合せから取り去って、重りポート及び対応する重りの形態で再配分させることを可能にする。

薄壁構造は、薄いソール構造、即ち約０．９ｍｍより小さいが約０．４ｍｍより大きい厚さをソール表面積の少なくとも約５０％に亘って有するソール、及び／又は薄いスカート構造、即ち約０．８ｍｍより小さいが約０．４ｍｍより大きい厚さをスカート表面積の少なくとも約５０％に亘って有するスカート、及び／又は薄いクラウン構造、即ち約０．８ｍｍより小さいが約０．４ｍｍより大きい厚さをクラウン表面積の少なくとも約５０％に亘って有するクラウン、を含むことができる。１つの実施形態では、クラブヘッドは、チタンで作られており、所望のＣＧ位置を実現するのに十分な重量を空けるために、０．６５ｍｍより小さい厚さをクラウンの少なくとも５０％に亘って有している。

より厳密には、薄いソール構造と少なくとも１つの重り及び少なくとも２つの重りポートを有するゴルフクラブの一部の特定の実施形態では、ソール、クラウン、及びスカートそれぞれには、各々の表面の少なくとも約５０％に亘って、約０．４ｍｍから約０．９ｍｍの間、約０．８ｍｍから約０．９ｍｍの間、約０．７ｍｍから約０．８ｍｍの間、約０．６ｍｍから約０．７ｍｍの間、又は約０．６ｍｍ未満、の厚さを持たせることができる。薄いスカート構造を有するゴルフクラブの或る具体的な実施形態によれば、スカート表面積の少なくとも約５０％に亘るスカート厚さは、約０．４ｍｍから約０．８ｍｍの間、約０．６ｍｍから約０．７ｍｍの間、又は約０．６ｍｍ未満、とすることができる。

薄壁構造は、下の式、数式５、即ち、

によって定義されている面積重量に従って記述することができる。

上の式では、ＡＷは面積重量、ρは密度、ｔは材料の厚さ、と定義されている。１つの例示としての実施形態では、ゴルクラブヘッドは、約４．５ｇ／ｃｍ^３又はそれ以下の密度ρを有する材料で作られている。１つの実施形態では、クラウン又はソール部分の厚さは、約０．０４ｃｍから約０．０９ｃｍの間である。従って、クラウン又はソール部分の面積重量は、約０．１８ｇ／ｃｍ^２から約０．４１ｇ／ｃｍ^２の間である。幾つかの実施形態では、クラウン又はソール部分のクラウン又はソール表面積の少なくとも約５０％に亘る面積重量は、０．４１ｇ／ｃｍ^２より小さい。他の実施形態では、クラウン又はソールの面積重量は、クラウン又はソール表面積全体の少なくとも約５０％に亘って約０．３６ｇ／ｃｍ^２より小さい。

一部の特定の実施形態では、薄壁構造は、米国特許出願第１１／８７０，９１３号及び米国特許第７，１８６，１９０号に従って実施されており、当該特許出願及び特許を参考文献としてここにそっくりそのまま援用する。

可変厚さのフェースプレート
幾つかの実施形態によれば、ゴルフクラブヘッドフェースプレートは、可変厚さのフェースプレートを含むことができる。フェースプレートの厚さを変えることで、一般にはゴルフクラブヘッドのスイートスポットと呼ばれているクラブヘッドＣＯＲゾーンの大きさが増し、ゴルフクラブヘッドでゴルフボールを打ったときに、フェースプレートのより広い面積に一貫して高いゴルフボール速度とショット寛容性を叶えさせることができる。更に、フェースプレートの厚さを変化させることは、クラブヘッドの別の区域への再割り付けのためにフェース領域の重量を削減する上で好都合であろう。

図６５Ａ及び図６５Ｂに例示されているゴルクラブヘッドの１つの実施形態による可変厚さのフェースプレート６５００は、ゴルフクラブヘッドの後部分に向けて内部キャビティの中へ延びる略円形の突出部６５０２を含んでいる。図６５Ａに示されている断面で見たときに、突出部６５０２は、フェースプレート６５００の外側部分６５０８から中間部分６５０４に向けて厚さが増加してゆく部分を含んでいる。突出部６５０２は、更に、中間部分６５０４から好適にはゴルフクラブヘッド起点に近接する突出部中央にほぼ位置している内側部分６５０６に向けて厚さが減少してゆく部分を含んでいる。起点ｘ軸６５１２と起点ｚ軸６５１０は、ｘ−ｚ面を横断する内側部分６５０６付近で交わっている。また一方で、起点ｘ軸６５１２、起点ｚ軸６５１０、及び起点ｙ軸６５１４は、フェースプレートの打球面に位置する理想インパクト位置６５０１を通っている。一部の特定の実施形態では、内側部分６５０６は、ｘ−ｚ面に関して理想インパクト位置と整列している。

突出部付きフェースプレートを有するゴルフクラブヘッドの幾つかの実施形態では、最大フェースプレート厚さは約４．８ｍｍより大きく、最小フェースプレート厚さは約２．３ｍｍより小さい。一部の特定の実施形態では、最大フェースプレート厚さは約５ｍｍから約５．４ｍｍの間で、最小フェースプレート厚さは約１．８ｍｍから約２．２ｍｍの間である。一部のなおいっそう特定的な実施形態では、最大フェースプレート厚さは約５．２ｍｍで、最小フェースプレート厚さは約２ｍｍである。フェースの厚さは、重量を節約すると共に中心外れの打ち方をした際のより高いボールスピードを実現するためには、フェースに亘って少なくとも２５％の厚さ変化（最厚肉部と最薄肉部を比較）を有していなくてはならない。

突出部付きフェースプレートと薄いソール構造及び薄いスカート構造を有するゴルフクラブヘッドの幾つかの実施形態では、最大フェースプレート厚さは約３．０ｍｍより大きく、最小フェースプレート厚さは約３．０ｍｍより小さい。一部の特定の実施形態では、最大フェースプレート厚さは、約３．０ｍｍから約４．０ｍｍの間、約４．０ｍｍから約５．０ｍｍの間、約５．０ｍｍから約６．０ｍｍの間であるか、又は約６．０ｍｍより大きく、最小フェースプレート厚さは、約２．５ｍｍから約３．０ｍｍの間、約２．０ｍｍから約２．５ｍｍの間、約１．５ｍｍから約２．０ｍｍの間であるか、又は約１．５ｍｍより小さい。

一部の特定の実施形態では、可変厚さのフェース外形は、米国特許出願第１２／００６，０６０号、米国特許第６，９９７，８２０号、同第６，８００，０３８号、及び同第６，８２４，４７５号に従って実施されており、当該特許出願及び特許をここに参考文献としてそっくりそのまま援用する。

重りポート間距離
少なくとも２つの重りポートを有するゴルフクラブヘッドの幾つかの実施形態では、第１重りポートと第２重りポートの間の距離は、約５ｍｍから約２００ｍｍの間である。より具体的な実施形態では、第１重りポートと第２重りポートの間の距離は、約５ｍｍから
約１００ｍｍの間、約５０ｍｍから約１００ｍｍの間、又は約７０ｍｍから約９０ｍｍの間である。幾つかの具体的な実施形態では、第１重りポートはゴルフクラブヘッドのトゥ部分に近接して配置され、第２重りポートはゴルフクラブヘッドのヒール部分に近接して配置されている。

第１、第２、及び第３の重りポートを有するゴルフクラブヘッドの幾つかの実施形態では、第１重りポートと第２重りポートの間の距離は約４０ｍｍから約１００ｍｍの間であり、第１重りポートと第３重りポートの間の距離及び第２重りポートと第３重りポートの間の距離は約３０ｍｍから約９０ｍｍの間である。一部の特定の実施形態では、第１重りポートと第２重りポートの間の距離は約６０ｍｍから約８０ｍｍの間であり、第１重りポートと第３重りポートの間の距離及び第２重りポートと第３重りポートの間の距離は約５０ｍｍから約８０ｍｍの間である。或る具体的な例では、第１重りポートと第２重りポートの間の距離は約８０ｍｍから約９０ｍｍの間であり、第１重りポートと第３重りポートの間の距離及び第２重りポートと第３重りポートの間の距離は約７０ｍｍから約８０ｍｍの間である。幾つかの実施形態では、第１重りポートはゴルフクラブヘッドのトゥ部分に近接して配置され、第２重りポートはゴルフクラブヘッドのヒール部分に近接して配置され、第３重りポートはゴルフクラブヘッドの後部分に近接して配置されている。

第１、第２、第３、及び第４の重りポートを有するゴルフクラブヘッドの幾つかの実施形態では、第１重りポートと第２重りポートの間の距離、第１重りポートと第４重りポートの間の距離、及び第２重りポートと第３重りポートの間の距離は、約４０ｍｍから約１００ｍｍの間であり、第３重りポートと第４重りポートの間の距離は１０ｍｍから８０ｍｍの間であり、第１重りポートと第３重りポートの間の距離及び第２重りポートと第４重りポートの間の距離は約３０ｍｍから約９０ｍｍの間である。一部のより具体的な実施形態では、第１重りポートと第２重りポートの間の距離、第１重りポートと第４重りポートの間の距離、及び第２重りポートと第３重りポートの間の距離は、約６０ｍｍから約８０ｍｍの間であり、第１重りポートと第３重りポートの間の距離及び第２重りポートと第４重りポートの間の距離は約５０ｍｍから約７０ｍｍの間であり、第３重りポートと第４重りポートの間の距離は約３０ｍｍから約５０ｍｍの間である。一部のより具体的な実施形態では、第１重りポートはゴルフクラブヘッドの前トゥ部分に近接して配置され、第２重りポートはゴルフクラブヘッドの前ヒール部分に近接して配置され、第３重りポートはゴルフクラブヘッドの後トゥ部分に近接して配置され、第４の重りポートはゴルフクラブヘッドの後ヒール部分に近接して配置されている。

重りポート間距離と最大重りの積
以上に言及されている様に、重りポート間距離と重りの大きさは、上述のスリーブアッセンブリを有するシステム内で実施可能となるＣＧ変化量に寄与する。

２つ、３つ又は４つの重りを有する本願のゴルフクラブヘッドの幾つかの実施形態では、最大重り質量に最大重りと最小重りの間の距離を乗算したものは、約４５０ｇ・ｍｍから約２，０００ｇ・ｍｍの間、又は約２００ｇ・ｍｍから２，０００ｇ・ｍｍの間である。より厳密には、一部の特定の実施形態では、最大重り質量に重り離隔距離を乗算したものは、約５００ｇ・ｍｍから約１，５００ｇ・ｍｍの間、又は約１，２００ｇ・ｍｍから１，４００ｇ・ｍｍの間である。

重り又は重りポートが、別の重り又は重りポートまでの距離、即ちベクトル距離（或る基準又は特徴点から別の基準又は特徴点まで延びる直線の長さとして定義）を求めるための基準点として使用されている場合、基準点は典型的には重りポートの体積中心である。

可動式重りクラブヘッドとスリーブアッセンブリが組み合わされた場合、最高レベルの
クラブ軌道修正の実現が可能になると同時にアドレス時のクラブの所望の外観を実現することが可能になる。例えば、プレイヤーがアドレス時に開いたクラブフェース外観を持つことを好む場合、プレイヤーはクラブを「Ｒ」即ち開いたフェース位置に入れればよい。当該プレイヤーは、このとき、（フェースが開いているため）フェードショットを打つが、直線ショット又は軽いドローを打ちたいと思えば、同じクラブを取り、重い重りをヒールポートへ動してドローバイアスを増進させることが可能である。従って、プレイヤーは、アドレス時の所望の外観（この事例では開いたフェース）と所望の軌道（この事例では直線又は軽いドロー）を持つことが可能となる。

更に別の利点では、可動式重りの概念を調節可能なスリーブ位置（ロフト角、ライ角、フェース角に作用）と組み合わせることによって、プレイヤーが実現しようと試みる所望の軌道バイアスを増幅することが可能である。

例えば、プレイヤーが可能最大ドローを実現したいと望む場合、プレイヤーはスリーブ位置を閉じたフェース位置即ち「Ｌ」位置に調節し、更に、重い重りをヒールポートに入れればよい。重りとスリーブ位置が一体に働いて、なし得るより大きなドローバイアスを実現させる。他方、最も大きなフェードバイアスを実現するには、スリーブ位置を開いたフェース即ち「Ｒ」位置に設定し、重い重りを頂部ポートに設置する。

重りポート間距離と最大重りと最大ロフト変化の積
以上に説明されている様に、大きなＣＧ変化（最も重い重りにポート間距離を乗算）と大きなロフト変化（２つのスリーブ位置の間での最大可能ロフト変化Δｌｏｆｔにより測定）の組合せは、結果として、最高レベルの軌道調節能をもたらす。而して、少なくとも２つの重りポート間の距離と最大重りと最大ロフト変化の積は、ここに記載の実施形態によって実現される恩恵を説明する上で重要である。

１つの実施形態では、少なくとも２つの重りポート間の距離と最大重りと最大ロフト変化の積は、約５０ｍｍ・ｇ・度から約６，０００ｍｍ・ｇ・度の間、又はなおいっそう好適には約５００ｍｍ・ｇ・度から約３，０００ｍｍ・ｇ・度の間である。換言すると、一部の特定の実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、次式、数式６及び数式７、即ち、

を満たす。

上の式では、Ｄｗｐは２つの重りポートの中心間距離（ｍｍ）、Ｍｈｗは最も重い重りの質量（ｇ）、そしてΔｌｏｆｔは少なくとも２つのスリーブ位置の間での最大ロフト変化（度）である。上述の範囲内のゴルフクラブヘッドは、最高レベルの軌道調節能を確約するであろう。

トルクレンチ
図６６に関連して、トルクレンチ６６００は、グリップ６６０２、シャンク６６０６、及びトルクレンチ内部に収納されているトルク制限機構、を含んでいる。グリップ６６０２とシャンク６６０６は、Ｔ形状を形成しており、トルク制限機構は、グリップ６６０２
とシャンク６６０６の間、中間領域６６０４に設置されている。トルク制限機構は、ここに記載されている実施形態の可動式重り、調節可能なスリーブ、及び調節可能なソールの各特徴の過剰な締め付けを防止する。使用時、トルク限界に達すると、例示としての実施形態のトルク制限機構はグリップ６６０２を回転式にシャンク６６０６から係合解除させることになる。レンチ６６００は、約３０インチ−ポンドから約５０インチ−ポンドの間のトルクに制限されているのが好ましい。より厳密には、限界は約３５インチ−ポンドから約４５インチ−ポンドの間のトルクである。１つの例示としての実施形態では、レンチ６６００は、約４０インチ−ポンドのトルクに制限されている。

可動式重り、調節可能なスリーブ又は調節可能なロフトシステム、及び調節可能なソールの各特徴、を調節する場合の単一工具即ちトルクレンチ６６００の使用は、使用者が所望の調節を果たすのに複数の工具又は付属品を携行する必要がないという点で比類のない利点をもたらしている。

シャンク６６０６は、ここに記載されている可動式重り、調節可能なスリーブ、及び調節可能なソールの各特徴と作動可能に噛み合うように構成されている係合端、即ち先端６６１０に終端している。１つの実施形態では、係合端又は先端６６１０は、可動式重り、調節可能なスリーブ、及び調節可能なソールの各特徴を調節するに当たり噛み合い構成をたった１つ有しているビット型式のねじ回し先端である。係合端は、先端の周囲周りに等距離に離間されているローブとフルートで構成することができる。

一部の特定の実施形態では、単一工具６６００は、ソール角度及び調節可能なスリーブ（即ち、ロフト角、ライ角、又はフェース角に作用する）のみを調節するのに提供されている。別の実施形態では、単一工具６６００は、調節可能なスリーブ及び可動式重りのみを調節するのに提供されている。更に他の実施形態では、単一工具６６００は、可動式重り及びソール角のみを調節するのに提供されている。

複合フェース挿入部
図６７Ａは、クラウン部分６７０２、ソール部分６７２０、後部分６７１８、前部分６７１６、トゥ領域６７０４、ヒール領域６７０６、及びスリーブ６７０８、を含んでいるゴルフクラブヘッド６７００の等角投影図を示している。前部分６７１６に設けられている前開口部内壁６７１４の中へフェース挿入部６７１０が挿入されている。フェース挿入部６７１０は、複数のスコアラインを含んでいよう。

図６７Ｂは、ゴルフクラブヘッド６７００と、複合フェース挿入体６７２２及び金属キャップ６７２４を含むフェース挿入部６７１０と、の分解組立図を示している。一部の特定の実施形態では、金属キャップ６７２４は、６−４チタン又はＣＰチタンの様なチタン合金である。幾つかの実施形態では、チタンキャップ６７２５は、複合挿入体６７２２の側壁６７３４の一部分を覆うリム部分６７３２を含んでいる。

他の実施形態では、金属キャップ６７２４は、リム部分６７３２を有しておらず、複合挿入体６７２２の側壁６７３４と実質的に面一又は同一面内である外周縁を含んでいる。金属キャップ６７２４上には複数のスコアライン６７１２を設けることができる。複合フェース挿入部６７１０は、可変厚さを有しており、前開口部内に設けられていて前開口部内径６７１４へ接続されている挿入部用耳部６７２６へ接着式又は機械式に付着される。挿入部用耳部６７２６及び複合フェース挿入部６７１０は、米国特許出願第１１／６４２，３１０号、同第１１／８２５，１３８号、同第１１／９６０，６０９号、同第１１／９６０，６１０号、並びに米国特許第７，２６７，６２０号、同第ＲＥ４２，５４４号、同第７，８７４，９３６号、同第７，８７４，９３７号、及び同第７，９８５，１４６号、に記載されている型式とすることができ、当該特許出願及び特許を参考文献としてここに
そっくりそのまま援用する。

図６７Ｂは、クラブヘッド６７００のヒール領域６７０６に設けられているヒール開口部６７３０を更に示している。ヒール開口部６７３０の中へは、以上に説明されている様々な実施形態の中に示されている様にスリーブ６７０８をロック位置に固定するべく締結部材６７２８が挿入される。一部の特定の実施形態では、スリーブ６７０８は、ここに開示されている具体的な設計パラメータの何れを有していてもよく、以上に説明されている様々なフェース角及びロフト角の向きを提供することができる。

図６７Ｃは、締結部材６７２８がスリーブ６７０８を固定するべくヒール開口部６７３０の中へ一杯まで挿入されたクラブヘッド６７００のヒール側から見た側面図を示している。

図６７Ｄは、フェース挿入部６７１０とスリーブ６７０８を含むクラブヘッド６７００のトゥ側から見た側面図を示している。

図６７Ｅは、フェース挿入部６７１０とスリーブ６７０８を含むクラブヘッド６７００の前から見た側面図を示している。

図６７Ｆは、上述のフェース挿入部６７１０とスリーブ６７０８を有するクラブヘッド６７００の上から見た側面図を示している。

図６７Ｇは、クラウン６７０２及びフェース挿入部６７１０の一部分を通る断面図を示している。クラブヘッド６７００のトゥ領域６７０４付近に設けられている前開口部内壁６７１４は、前開口部外壁６７１４を含んでおり、前開口部内壁６７１４と前開口部外壁６７４０の間に実質的に一定した厚さが画定されている。前開口部外壁６７４０は、前開口部周囲の大部分を廻って延びている。しかしながら、クラブヘッド６７００のヒール領域６７０６の一部分には、前開口部外壁６７４０が存在していない。

図６７Ｇは、前開口部内壁６７１４と挿入部用耳部６７２６の一部分がホーゼル開口部内部壁６７４２と一体であることを示している。ホーゼル開口部内部壁６７４２は、内部ソール部分からヒール領域６７０６付近のホーゼル部分まで延びている。１つの実施形態では、挿入部用耳部６７２６は、クラブヘッド６７００の内部キャビティ内をホーゼル開口部内部壁６７４２から延びている。更に、ソールプレートリブ６７３６が、ソール６７２０の内部を補強している。１つの実施形態では、ソールプレートリブ６７３６は、ヒール−トゥ方向に延びていて、基本的にフェース挿入部６７１０と平行である。同様のクラウン内部面リブ６７３８が、ヒール−トゥ方向にクラウン６７０２の内部面に沿って延びている。

図６８は、以上に詳しく説明されているスリーブ６８０８、ヒール領域６８０６、前領域６８１６、後領域６８１８、ホーゼル開口部６８２８、前開口部内壁６８１４、及び挿入部用耳部６８２６、を有する或る代わりの実施形態を示している。とはいえ、図６８は、前カバー６８２４付きの複合フェース挿入体６８２２を含んでいるフェース挿入部６８１０を示している。１つの実施形態では、前カバー６８２４はポリマー材料である。フェース挿入部６８１０は、ポリマーカバー６８２４又は複合フェース挿入体６８２２上に設けられているスコアラインを含んでいよう。

図６７Ａ−図６７Ｇ及び図６８に記載されている実施形態のクラブヘッドは、約２００ｇから約２１０ｇ又は約１９０ｇから約２００ｇの質量を有することができる。一部の特定の実施形態では、クラブヘッドの質量は約２０５ｇ未満である。１つの実施形態では、
質量は少なくとも約１９０ｇである。一部の特定の実施形態では、ホーゼル開口部及び挿入部用耳部によって加増される追加の質量が、表１０及び表１１に示されている様に慣性モーメントと重心の値に影響を及ぼすことになる。

調節可能なロフト及びライ角を複合フェース挿入部と併せて有するゴルフクラブは、表１０及び表１１に掲載されている慣性モーメント及びＣＧ位置を実現することができる。一部の特定の実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、調節可能なスリーブシステム及び複合フェースに加え可動式の重りを含むことができる。可動式重りが実施されている実施形態では、ここで既に説明されている同様の慣性モーメント値及びＣＧ値を実現させることができる。

ここに記載されているゴルフクラブヘッド実施形態は、可動式重りシステム及び調節可能なロフト、ライ、フェース角システムによって加増される追加重量に対する解を提供している。ゴルフクラブへの望ましからざる重量の加増は、所望のヘッド寸法、慣性モーメント、及び公称重心位置を実現し難くする。

一部の特定の実施形態では、超薄壁鋳造技術と、高強度可変フェース厚さと、戦略的に設置されているコンパクト且つ軽量な可動式重りポートと、軽量で調節可能なロフト、ライ、及びフェース角システムと、の組合せが、性能を向上させる慣性モーメント、重心、及びヘッド寸法の値を実現することを可能にする。

更に、ここに記載のスリーブ実施形態の個別の位置の都合の良さが、耐久性の伸びたよりユーザーフレンドリーなシステムを可能にしている。

回転式に調節可能なソール部分
以上に論じられている様に、従来のゴルフクラブは、ホーゼル／シャフトロフト７２の調節をフェース角３０に相応の変化を生じさせること無しにはなし得ない。図５４−図５８は、フェース角とホーゼル／シャフトロフト（ひいてはスクエアロフト）の間の関係を「切り離す」ように、即ちスクエアロフト２０とフェース角３０の別々の調整を可能にするように、構成されているゴルフクラブヘッド４０００の１つの実施形態を示している。

クラブヘッド４０００は、クラブヘッドの後方端部を地面に対して上昇下降させるため、クラブヘッド本体４００２に対して調節することができる調節可能なソール部分４０１０を含んでいる。１つ又はそれ以上のねじ４０１６を、各々のワッシャ４０２８と、調節可能なソール部分４０１０の対応する開口部と、１つ又はそれ以上のシム４０２６を通し
て、クラブヘッド本体の底部分４０２２のねじの切られた開口部の中へ延ばすことができる。クラブヘッドのソール角は、シム４０２６の数を増減させ、ソール部分４０１０のクラブヘッドの底から延びる距離を変えることによって、調節することができる。

図６９−図７３は、同様に調節可能なソール部分を含んでいる、別の実施形態によるゴルフクラブヘッド８０００を示している。図６９Ａ−図６９Ｆに示されている様に、クラブヘッド８０００は、ヒール８００５、トゥ８００７、後方端部８００６、前方打球面８００４、最上部分又はクラウン８０２１、及び底部分又はソール８０２２、を有するクラブヘッド本体８００２を備えている。本体は、シャフト（図示せず）を支持するためのホーゼル８００８も含んでいる。ソール８０２２は、打球面８００４の下縁に隣接して、ソール８０２２を横方向に横断して延びる先導縁面部分８０２４を画定している（即ち、先導縁面部分８０２４は、クラブヘッド本体のヒール８００５からトゥ８００７の方向に延びている）。ホーゼル８００８は、ここに開示されている様に取り外し可能なシャフトスリーブ８００９を受け入れるようになっている。

ソール８０２２は、更に、クラブヘッドの後方端部８００６を地面に対して上昇下降させるため、クラブヘッド本体８００２に対して複数の回転位置に調節することができる調節可能なソール部分８０１０（ソール部片とも称する）を含んでいる。これは、クラブヘッドをソール８０２２の先導縁面部分８０２４周りに回転させ、ソール角２０１８を変化させることができる。図７０に分かり易く示されている様に、クラブヘッド本体８００２のソール８０２２は、調節可能なソール部分８０１０を受け入れる形状の陥凹キャビティ８０１４付きで形成されている。

図７２Ａに分かり易く示されている様に、調節可能なソール部分８０１０は三角形とされている。他の実施形態では、調節可能なソール部分８０１０は、矩形、方形、五角形、六角形、円形、楕円形、星形、又はそれらの組合せ、を含む他の形状を有していてもよい。必ずしもというわけではないが、ソール部分８０１０は示されている様に中心軸を中心に概ね対称であるのが好ましい。図７２Ｃに分かり易く示されている様に、ソール部分８０１０は、底壁８０１２の縁から上向きに延びる外リム８０３４を有している。リム８０３４は、調節可能なソール部分８０１０が本体８００２に装着されたときに、陥凹キャビティ８０１４の壁内にリムとの間に小さな間隙又はクリアランスを残して受け入れられる大きさ及び形状とすることができる。底壁８０１２及び外リム８０３４は、示されている様に薄壁構造を形成していてもよい。底面８０１２の中央には、調節可能なソール部分８０１０を完全に貫いて通っている陥凹ねじ穴８０３０がある。

調節可能なソール部分８０１０の上側／内側で、円形又は円筒形の壁８０４０がねじ穴８０３０を囲んでいる。壁８０４０は、他の実施形態では、三角形、方形、五角形、など、であってもよい。壁８０４０は、異なった高さを有する幾つかの部分８０４１で構成することができる。壁８０４０のそれぞれの部分８０４１は、大凡同じ幅と厚さを有していてもよく、それぞれの部分８０４１は、当該部分から直径方向に向こう側の部分と同じ高さを有していてもよい。このやり方では、円形壁８０４０は、ねじ穴８０３０の中心線軸を中心に対称となる。また、壁部分８０４１の各対は、壁部分の他の対のそれぞれとは異なった高さを有しているものである。壁部分８０４１の各対は、以下に詳しく論じられている様にソール部分８０１０を所定の高さに設定するべくクラブヘッド側の対応する部分と噛み合う大きさ及び形状である。

例えば、図７２Ｅに示されている調節可能なソール部分８０１０の三角形の実施形態では、円形壁８０４０は、６つの壁部分８０４１ａ、ｂ、ｃ、ｄ、ｅ、及びｆを有しており、それらは３対の壁部分を構成し、各対は異なった高さを有している。壁部分８０４１の各対は、調節可能なソール部分８０１０の上側／内側の表面から異なった距離だけ上向き
に突き出ている。つまり、第１対は壁部分８０４１ａ及び８０４１ｂで構成され、第２対は第１対を通り越して延びている８０４１ｃ及び８０４１ｄで構成され、第３対は第１対及び第２対を通り越して延びている壁部分８０４１ｅ及び８０４１ｆで構成されている。壁部分８０４１の各対は、ねじ穴８０３０の中心線軸を中心に対称であるのが望ましい。最も背高の対である壁部分８０４１ｅ及び８０４２ｆは、図７２Ｂ及び図７２Ｃに示されている様に、外リム８０３４の高さを越えて延びていてもよい。壁部分の対の数（３つ）は、調節可能なソール部分８０１０の全体形状（図７２Ａ）の対称な面の数（３つ）に等しいことが望ましい。以下により詳細に解説されている様に、三角形の調節可能なソール部分８０１０は、対応する三角形の陥凹キャビティ８０１４の中へ３つの異なった配置方位で装着させることができ、配置方位のそれぞれは、ソール角度２０１８を調節するべく壁部分８０４１の対の１つをソール部分８０１０側の噛み合い面と整列させる。

調節可能なソール部分８０１０は、更に、構造的剛性を加増するため、図７２Ｅに示されているように任意の数のリブ８０４４を含むことができる。その様な剛性増強は、本体８００２に装着されたときに底壁８０１２及び外リム８０３４の一部分がソール８０２２の周囲部分より下に突き出ていると、その結果、クラブヘッド８０００の地面又は他の面に対する打撃の影響をもろに受けることもあり得るとの理由から望ましい。また、調節可能なソール部分８０１０の底壁８０１２及び外リム８０３４は重量を削減するために薄壁材料で作られているのが望ましため、追加の構造リブは、剛性と耐久性を高める上で重量効率の良い手段である。

図７２Ｅに示されている調節可能なソール部分８０１０の三角形の実施形態は、円形壁８０４０から半径方向外向きに外リム８０３４に向かって延びる３対のリブ８０４４を含んでいる。リブ８０４４は、中央の壁８０４０周りに等間隔に角度を空けて配置されているのが望ましい。リブ８０４４は、円形の壁８０４０の下側部分へ付着されていて、底壁８０１２の上側／内側表面に沿って外向きに外壁８０３４へ向かって延びるにつれ高さが漸減していてもよい。示されている様に、それぞれのリブは、円形壁８０４０の共通の頂点から外壁８０３４側の別々の場所へ延びている第１部分８０４４ａと第２部分８０４４ｂを備えることができる。代わりの実施形態では、より多い又はより少ない数のリブ８０４４（即ち３つより多い又は少ないリブ８０４４）が使用されていてもよい。

図７１Ａ−図７１Ｃに示されている様に、本体８００２のソール８０２２の陥凹キャビティ８０１４は、調節可能なソール部分８０１０をぴったりと受け入れる形状とされている。キャビティ８０１４は、キャビティ側壁８０５０、上面８０５２、及び上面８０５２から下へ延びる隆起したプラットホーム又は突起８０５４、を含むことができる。キャビティ壁８０５０は、調節可能なソール部分８０１０の外リム８０３４に整合するように実質的に垂直であり、ソール８０２２から上へ上面８０５２まで延びている。上面８０５２は、実質的に平坦で、形状が調節可能なソール部分８０１０の底壁８０１２に釣り合っている。図７０に分かり易く示されている様に、キャビティ側壁８０５０及び上面８０５２は、ソール部分８０１０を受け入れる形状の三角形の空隙を画定することができる。代わりの実施形態では、キャビティ８０１４は、外リム８０３４を受け入れるための外側の三角形チャネルと壁部分８０４１を受け入れる別体の内側のキャビティに置き換えられてもよい。キャビティ８０１４は、様々な他の形状を有することができるが、ソール部分８０１０の形状に一致する形状であるのが望ましい。例えば、ソール部分８０１０が方形なら、キャビティ８０１４は方形であるのが望ましい。

図７１Ａに示されている様に、隆起したプラットホーム８０５４は、幾何学的には上面８０５２の中心にある。プラットホーム８０５４は、図７１Ｄに示されている様に、蝶ネクタイ形状で、中心柱８０５６と中心柱の互いに反対側から延びる２つの末広がりに張り出す突起又は耳部８０５８を含むことができる。プラットホーム８０５４は、更に、クラ
ブヘッド本体８００２に関して異なった回転位置に向きを定められていてもよい。例えば、図７１Ｅは、プラットホーム８０５４が図７１Ａに示されている実施形態に比較して９０度回転されている実施形態を示している。プラットホームは、回転位置に依って、ひび割れ又は他の損傷の被り易さに差が出よう。具体的には、プラットホームは、ひび割れの被り易さは、図７１Ｅに示されている実施形態では、図７１Ａに示されている実施形態に比べて小さい。

他の実施形態では、隆起したプラットホーム８０５４の形状は矩形とされており、中心柱及び突起は共同で矩形ブロックを形成している。突起８０５８は、更に、中心柱から末広がりに張り出す面ではなしに平行な面を有するものとすることができる。中心柱８０５６は、ソール部分８０１０をクラブヘッドへ固定するためのねじ８０１６（図７３参照）を受け入れるねじの切られたねじ穴８０６０を含むことができる。幾つかの実施形態では、中心柱８０５６は、図７１Ｄに示されている様に円筒形である。円筒形の中心柱８０５６（図７１Ｄ）の外径Ｄ１は、調節可能なソール部分８０１０が装着されたときに中心柱が円形壁の内部に納まるように、調節可能なソール部分８０１０の円形壁８０４０（図７２Ａ）の内径Ｄ２よりも小さくされている。他の実施形態では、中心柱８０５６は、壁８０４０の内面の形状に整合させて、三角形、方形、五角形、又は様々な他の形状とすることができる（例えば、壁８０４０の内面が非円筒形である場合）。

突起８０５８は、中心柱８０５６とは異なった高さを有していてもよく、ということはつまり、突起はキャビティ天蓋から下向きに中心柱より遠くまで延びているか又は中心柱程遠くへ延びていないかのどちらでもよい。図７０に示されている実施形態では、突起と中心柱は同じ高さを有している。図７０は、一対の突起８０５８が中心柱８０５６の互いに反対側から延びていることも描いている。他の実施形態は、中心柱の周りに間隔を空けて配置された３つ又はそれ以上の突起のセットを含むものもある。図７０に示されている実施形態は、３対の高さの異なった壁部分８０４１を有する三角形状の調節可能なソール部分８０１０を組み入れているので、突起８０５６は、それぞれ、中心柱８０５６周りの円周の区域の約６分の１を占めている。換言すると、それぞれの突起８０５８は、円形壁８０４０（図７２Ａ参照）の大凡６０度の区間に及ぶ各壁部分８０４１に整合させて同様に大凡６０度の区間に及んでいる（図７１Ｄ参照）。突起８０５８は、壁部分８０４１と精密に同じ円周幅でなくてもよく、壁部分の幅より僅かに細くてもよい。ねじ穴８０６０の中心線軸から突起の外縁までの距離は、少なくとも円形壁８０４０の内半径と同じほどに大きければよく、調節可能なソール部分８０１０が本体８００２に装着されたときに壁部分８０４１の端を着座させるのに十分な表面を提供するには、少なくとも円形壁８０４０の外径と同じほどに大きいことが望ましい。

ソール部分８０１０をソール部分の選択された回転方位でクラブヘッド側の所定位置にロック又は保定するのに解放式ロック機構又は保定機構が提供されている。例えば、少なくとも１つの締結具を、調節可能なソール部分８０１０の底壁８０１２を通して延ばし陥凹キャビティ８０１４へ取り付けて、調節可能なソール部分を本体８００２へ固定させてもよい。図７０に示されている実施形態では、ロック機構は、調節可能なソール部分８０１０の陥凹ねじ穴８０３０を通って本体８００２のソール８０２２の陥凹キャビティ８０１４のねじの切られた開口部８０６０の中へ延びているねじ８０１６を備えている。他の実施形態では、ソール部分をクラブヘッド側の所定位置にロックするのに２つ以上のねじ又は別の型式の締結具が使用されていてもよい。

図７０に示されている実施形態では、調節可能なソール部分８０１０は、外リム８０３４をャビティ壁８０５０と整列させることによって陥凹キャビティ８０１４の中へ装入することができる。外リム８０３４がキャビティ壁８０５０の内部に陥入すると、中心柱８０５６が円形壁８０４０の内部に陥入する。外リム８０３４とキャビティ壁８０５０の形
状が整合していることにより、３対の壁部分８０４１のうち１対が突起８０５８の対と整列する。調節可能なソール部分８０１０は、陥凹キャビティ８０１４の中へ引き続き陥入してゆくと、１対の壁部分８０４１は突起８０５８の対に当接し、調節可能なソール部分が陥凹キャビティの中へそれ以上陥入してゆかないように止める。キャビティ壁８０５０は、最も背の低い壁部分８０４１ａと８０１４ｂの対が突起８０５８に当接したときでも、外リム８０３４をキャビティ天蓋８０５２に当接することなく陥凹キャビティの中へ自由に陥入させられるだけの深さがあればよい。壁部分８０４１を突起８０５８に当接させておてい、その間に、上述の様にねじ８０１６を挿入して締め付ければ各構成要素が所定位置に固定される。図６９Ｄに示されている様に中央にねじ１本しか用いていなくても、調節可能なソール部分８０１０は、その三角形の形状と同様の形状のキャビティ壁８０５０との止まり嵌めによって、回転が防止される。

図６９Ｃに分かり易く示されている様に、調節可能なソール部分８０１０は、ソール８０２２の先導側面部分８０２４の曲率に整合するように湾曲している底面８０１２（再度図７２Ｂ参照）を有している。加えて、ねじの頭部８０１６の上面８０１７は、調節可能なソール部分８０１０の底面及びソール８０２２の先導側面部分８０２４の曲率に整合するように湾曲している（図７３Ｂ参照）。

例示されている実施形態では、先導縁面８０２４と調節可能なソール部分８０１０の底面８０１２はどちらも凸状面である。他の実施形態では、面８０１２及び８０２４は必ずしも曲面ではないが、なおヒール−トゥ方向に延びる同じ外形を有しているのが望ましい。このやり方では、以下に更に詳しく説明されている様に、クラブヘッド８０００が接地アドレス位置から逸れたとしても（例えば、クラブがより低い又は平坦なライ角で保持されても）、クラブヘッドの有効フェース角は実質的に変化しない。クラウンからフェースへの移行部又はトップラインは、クラブがここに説明されているライ範囲の間で調節されていってもアドレス位置から見て比較的安定したままであろう。従って、ゴルファーは、所望の飛球線方向にクラブを整列させることがより上手くできる。

図６９Ｄに示されている実施形態では、三角形のソール部分８０１０は、クラブヘッドのヒール８００５を向いて位置している第１角部８０１８と、ソール８０２２の中央付近に位置している第２角部８０２０を有している。第３角部８０１９は、ねじ８０１６の後方に位置している。このやり方では、調節可能なソール部分８０１０は、ヒール−トゥ方向にクラブヘッドを横断して延びている長さ（角部８０１８から角部８０２０まで）が、クラブヘッドの当該個所のクラブヘッド幅の２分の１より小さくなっている。調節可能なソール部分８０１０は、ソール部分の大部分が打球面８００４の中心から後方に延びる線Ｌ（図６９Ｄ参照）のヒール寄りに位置するように、実質的に線Ｌのヒール寄りに配置されているのが望ましい。以上に指摘されている様に、殆どのゴルファーは、クラブヘッドの意図されたスコアラインライ角（クラブヘッドがアドレス位置にあるときのライ角）より１０乃至２０度小さいライ角で、ボールにアドレスすることが、研究によって示されている。例示されている実施形態のソール部分８０１０の長さ、大きさ、及び位置は、ソール部分（ひいてはクラブヘッドへの加増質量）の全体の大きさを最小限にしながらも、クラブヘッドを地面の上に接地アドレス位置で又は接地アドレス位置のライ角より０乃至２０度小さい任意のライ角で支持するように選択されている。代わりの実施形態では、ソール部分８０１０は、クラブヘッドをより大きな又はより小さいライ角範囲に支持するように、例示されている実施形態より長い又は短い長さを有していてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、ソール部分８０１０は、クラブヘッドをスコアラインライ角（接地アドレス位置でのライ角）よりも大きいライ角に支持するようにソール８０２２の中央を通り越して延びていてもよい。

調節可能なソール部分８０１０は、更に、図に示されている様に、ゴルフクラブヘッド
の重心（ＣＧ）より全体的に後方に配置されているのが望ましい。幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、調節可能なソール部分と、約−１０ｍｍから約１０ｍｍの間のヘッド起点ｘ軸（ＣＧｘ）座標及び約１０ｍｍより大きいか又は約５０ｍｍより小さいヘッド起点ｙ軸（ＣＧｙ）座標を有するＣＧと、を有している。一部の特定の実施形態では、クラブヘッドは、約−５ｍｍから約５ｍｍの間の起点ｘ軸座標と、約０ｍｍより大きい起点ｙ軸座標と、約０ｍｍより小さい起点ｚ軸（ＣＧz）座標、を有するＣＧを有してい
る。１つの実施形態では、ＣＧｚは２ｍｍより小さい。

ＣＧｙ座標は、地表面に接触している先導縁面部分８０２４と調節可能なソール部分８０１０の底壁８０１２が地表面に接触している点（ヘッド起点−ｙ軸に沿って測定）の間に位置している。

クラブヘッド８０００のソール角２０１８は、調節可能なソール部分８０１０が本体８００２の底から延びている距離を変えることによって調節することができる。調節可能なソール部分８０１０を下方調節すれば、クラブヘッド８０００のソール角２０１８が大きくなり、一方、ソール部分を上方調節すれば、クラブヘッドのソール角が小さくなる。これは、ねじ８０１６を緩めるか又は取り外し、調節可能なソール部分８０１０を回転させて、壁部分８０４１の異なった対を突起８０５８と整列させ、次いでねじを再度締めることによって成し遂げられる。三角形の実施形態では、調節可能なソール部分８０１０は、壁部分８０４１の異なった高さの対をそれぞれ突起８０５８と整列させる３つの異なった別々の位置へ回転させることができる。このやり方では、ソール部分８０１０は、本体８００２の底からの３通りの異なった距離を延びるように調節でき、而して、３通りの異なったソール角の選択肢が生まれる。

具体的には、ソール部分８０１０は、突起８０５８が壁部分８０４１ａ、８０４１ｂと整列しているときは、ソール８０２２から最も短い距離を延び、ソール部分８０１０は、突起が壁部分８０４１ｃ、８０４１ｄと整列しているときは、中程の距離を延び、ソール部分は、突起８０５８が壁部分８０４１ｅ、８０４１ｆと整列しているときは、最も長い距離を延びている。同様に、方形の形状を有する調節可能なソール部分８０１０の或る実施形態では、４通りの異なったソール角選択肢を持つことが可能である。

代わりの実施形態では、調節可能なソール部分８０１０は、調節可能なソール部分を、本体８００２の底から３通りより多い又は３通りより少ない異なった別々の距離を延びるよう調節できるように、３対より多い又は３対より少ない壁部分８０４１対を含むことができる。

ソール部分８０１０は、以上に論じられている様に、本体８００２の底から異なった距離を延びるように調節でき、これは翻せばクラブヘッドのフェース角３０に変化を生じさせることになる。具体的には、ソール部分８０１０を、それが本体８００２の底から最も短い距離を延びるように調節すると（即ち、突起８０５８を部分８０４１ａ、８０４１ｂと整列させると）、その結果、フェース角が大きくなり、即ちフェース角３０が開き、ソール部分を、それが本体の底から最も長い距離を延びるように調節すると（即ち、突起を部分８０４１ｅ、８０４１ｆと整列させると）、その結果、フェース角が小さくなり、即ちフェース角が閉じる。特定の実施形態では、ソール部分８０１０を調節すると、ゴルフクラブヘッド８０００のフェース角３０が約０．５度から約１２度変化する。更に、以上に図５２−図５８に示されている実施形態に関して論じられている様に、ホーゼルロフト角も調節でき、スクエアロフト、接地ロフト、フェース角、及ホーゼルロフト、の様々な組合せを実現させることができる。加えて、ホーゼルロフトは、ソール角を然るべく調節することによって所望のフェース角を維持しながらに調節できる。

ソール部分８０１０及び陥凹キャビティ８０１４の非円形の形状は、ソール部分の陥凹キャビティに対する回転を防止するのを助ける働きをし、ソール部分にとっての所定位置を画定している、ということが理解されるであろう。とはいえ、調節可能なソール部分８０１０は、円形の形状（図示されていない）を有することもできよう。円形の外リム８０３４がキャビティ内で回転するのを防止するには、外リム８０３４に１つ又はそれ以上のノッチを設け、キャビティ側壁８０５０から内向きに延びる１つ又はそれ以上のタブと相互作用させるようにすればよいし、又はその逆にしてもよい。その様な円形の実施形態では、ソール部分８０１０は、異なった高さを有する壁部分８０４１の任意の数の対を含むことができよう。外リム８０３４側には、それら壁部分８０４１が許容する異なった回転位置のそれぞれに対応するのに十分なノッチを設けることができよう。

円形のソール部分８０１０を有する他の実施形態では、ソール部分は、クラブヘッドのキャビティ内で無数の位置へ回転させることができる。１つのその様な実施形態では、ソール部分の外リムとキャビティ側壁８０５０にはノッチを持たせず、円形壁８０４０は、１つ又はそれ以上の漸進的に傾く斜面様の壁部分（図示せず）を備えることができる。斜面様壁部分は、ソール部分を傾斜方向に漸進的に回転させて突起８０５８を斜面様壁部分の漸進的に高い部分に接触させることで、ソール部分８０１０を本体８００２の底から漸進的に遠くへ延ばすことを可能にする。例えば、それぞれが円形壁８０４０周りに約１８０度に亘って延在する２つの斜面様壁部分を、それぞれの斜面様壁部分の最も背の低い部分が他方の壁部分の最も背の高い部分に隣接するようにして含むことができる。「アナログ」調節能を有するその様な実施形態では、クラブヘッドは、ソール部分８０１０の位置が設定された後にソール部分９０１０が陥凹キャビティ８０１４内で回転するのを防止するに当たっては、ねじ８０１６又は他の中央締結具による摩擦を頼みとすることになろう。

調節可能なソール部分８０１０は、更に、取り外され、そして、クラブ８０００のソール角２０１８の調節能を更に加増するべく、より背の低い又は高い壁部分８０４１を有する調節可能なソール部分と置き換えられてもよい。例えば、１つの三角形のソール部分８０１０が、３対の異なっているが但し相対的に短い壁部分８０１４を含み、一方、第２のソール部分が、３対の異なっているが但し相対的に長い壁部分を含むようにしてもよい。このやり方では、２つの交換可能な三角形のソール部分８０１０を使用して６通りの異なったソール角２０１８を実現することができる。特定の実施形態では、複数のソール部分８０１０のセットが提供されている。それぞれのソール部分８０１０は、クラブヘッドと共に使用されるようになっていて、幾通りもの異なったソール角２０１８／フェース角３０を実現させるように異なった構成の壁部分８０４１を有している。

特定の実施形態では、ねじ８０１６と調節可能なソール部分８０１０の組み合わされた質量は、約２ｇから約１１ｇの間、望ましくは約４．１ｇから約４．９ｇの間である。また、陥凹キャビティ８０１４と突起８０５４は、ソールが陥凹キャビティ８０１４に代えて平滑な０．６ｍｍ厚のチタン壁を有している場合に比べて、約１グラムから約１０グラムの追加の質量をソール８０２２へ加えることになろう。合計で、ゴルフクラブヘッド８０００（ソール部分８０１０を含む）は、ゴルフクラブヘッドが陥凹キャビティ８０１４と調節可能なソール部分８０１０とねじ８０１６に代えて平滑な０．６ｍｍ厚のチタン壁を有する従来のソールを有している場合に比べて、約３グラムから約２１グラムの追加の質量を備えることになろう。

他の特定の実施形態では、クラブヘッド本体８００２のクラウン８０２１の少なくとも５０％は、約０．７ｍｍ未満の厚さを有している。

更に他の特定の実施形態では、ゴルフクラブヘッド８００２は、内部キャビティ（図示
せず）を画定しており、ゴルフクラブヘッド８０００は、約２ｍｍより大きく約８ｍｍより小さいヘッド起点ｘ軸座標と約２５ｍｍより大きく約４０ｍｍより小さいヘッド起点ｙ軸座標を有する重心を有しており、ここに正のｙ軸は内部キャビティに向かって延びている。少なくともこれらの実施形態では、ゴルフクラブヘッド８０００の重心は、約０ｍｍより小さいヘッド起点ｚ軸座標を有していよう。

他の特定の実施形態では、ゴルフクラブヘッド８０００は、起点ｘ軸に略平行なヘッド重心ｘ軸を中心とする慣性モーメントが約２００ｋｇ・ｍｍ^２から約５００ｋｇ・ｍｍ^２の間とされ、ゴルフクラブヘッドが理想的に位置決めされたときに地面に略垂直なヘッド重心ｚ軸を中心とする慣性モーメントが約３５０ｋｇ・ｍｍ^２から約６００ｋｇ・ｍｍ^２の間とされている。

一部の特定の実施形態では、ゴルフクラブヘッド８０００は、約４００ｃｃより大きな体積と約２２０グラムより小さい質量を有することができる。

下表１２は、ゴルフクラブヘッドの１つの特定の実施形態の様々な特性を一覧にまとめている。

内部リブ
図７４−図８９は、図６９−図７３に示されている様な調節可能なソール部片と、ソールの内面に配置されている複数のリブと、を有する或る例示としてのゴルフクラブヘッドを示している。リブは、ソールを、特に外部の調節可能なソール部片が取り付けられるソール区域を、補強し安定させ、クラブがゴルフボールを打ったときに出す音を改善することができる。

陥凹ソールポートと取り付けられる調節可能なソール部片の追加が、ボールの当たったときにクラブが出す音を不快に変化させないとも限らない。例えば、調節可能なソール部片を持たない類似のクラブに比較して、ソール部片の追加は、３，０００Ｈｚより下及び／又は２，０００Ｈｚより下の第１モード可長周波数の様なより低い可長周波数と０．０９秒又はそれ以上の様なより長い音持続時間を生じさせる。低く長い可長周波数は、ゴルファーの気を散らせる。ソールの内部面のリブを幾つかの異なった方向に向けて配置させ、ソールポートをクラブヘッド本体の他の強度のある構造、例えば本体のソール及び／又はヒールの重りポート及び／又はソールトクラウンの間のスカート領域など、へつないでもよい。更に、１つ又はそれ以上のリブは、ソールを更に安定させるために、ホーゼルへつながれていてもよい。ソールの内部面へその様なリブが加えられることで、クラブヘッドは、フェースでゴルフボールを打ったときに、２，５００Ｈｚより上、３，０００Ｈz
より上、及び／又は３，５００Ｈｚより上、の様なより高い可長周波数を、更に０．０５
秒未満の様なより短い音持続時間で、発生させることができ、ゴルファーにとってはより好ましいものとなろう。加えて、説明されているリブを備えることで、ソールは、２，５００Ｈｚより大きい及び／又は３，０００Ｈｚより大きい、第１基本ソールモードの固有周波数の様な周波数を持つことができ、ここに、ソールモードとはソール上の場所に関連付けられる振動周波数である。典型的には、この場所は、ゴルフボールを打つことによって引き起こされる最大級の撓みを呈するソール上の場所である。

図７４−図８９に示されている様に、ここに記載されている例示としてのゴルフクラブヘッドは、調節可能なソール部片と内部ソールリブを含んでいる。その様な例示としてのゴルフクラブヘッドは、更に、本体のトゥ及び／又はヒールの調節可能な重り、調節可能なシャフト取り付けシステム、可変厚さフェースプレート、薄壁本体構造、及び／又は、ここに記載の何れかの他のクラブヘッド特徴、を含むことができる。本記述は、図７４−図９０に示されている特定の実施形態に関して進められているが、本実施形態は一例にすぎず、根底の概念の範囲を限定するものと考えられてはならない。例えば、例示されている実例は多くの記載されている特徴を含んでいるが、代わりの実施形態は、これらの特徴及び／又は追加の特徴の様々なサブセットを含むことができる。

図７４は、或る例示としてのゴルフクラブヘッド９０００の分解図を示しており、図７５は、組み立てられたヘッドを示している。ヘッド９０００は、図７６−図８０に様々な図で示されている中空本体９００２を備えている。本体９００２（ひいてはクラブヘッド９０００全体）は、前部分９００４、後部分９００６、トゥ部分９００８、ヒール部分９０１０、ホーゼル９０１２、クラウン９０１４、及びソール９０１６、を含んでいる。前部分９００４は、以上に説明されている様に可変厚さ、複合式、及び／又は金属のフェースプレートであるフェースプレート９０１８を受け入れる開口部を形成している。例示されているクラブヘッド９０００は、更に、シャフトをホーゼル９０１２へ結合するための調節可能なシャフト接続システム９０２０を備えることができ、当該システムは、スリーブ９０２２やフェルール９０２４の様な様々な構成要素を含んでいる（ホーゼル及び調節可能なシャフト接続システムに関する更なる詳細は、例えば、米国特許第７，８８７，４３１号及び米国特許出願第１３／０７７，８２５号、同第１２／９８６，０３０号、同第１２，６８７，００３号、同第１２／４７４，９７３号に見いだすことができ、当該特許及び特許出願をここに参考文献としてそっくりそのまま援用する）。シャフト接続システム９０２０は、ホーゼル９０１２と一体で、以上に詳細に説明されている様にクラブヘッド９０００のシャフトに対する向きを調節するのに使用することができる。

例示されているクラブヘッド９００は、更に、以上に詳細に説明されている様に、トゥ重りポート９０２６の調節可能なトゥ重り９０２８、ヒール重りポート９０３０の調節可能なヒール重り９０３２、及びソールポート又はポケット９０３４の調節可能なソール部片９０３６、を備えている。

図８１−図８８は、ソール９０１６の内部面の複数のリブを含む本体の内部特徴を示している、本体９００２の断面図である。図８１は、本体９００２の上半分を破断して底部分を上から見た図である。ソール９０１６は、１つ又はそれ以上の勾配の付いた移行ゾーンによって離隔されている異なった陥凹深さの複数領域を含むことができる。図示の例では、ソールは、ソールの周辺の周りに延在する主ソール部分９０４０、主ソール領域内の陥凹ソール領域９０４２、主ソール領域と陥凹ソール領域の間の移行部を形成している移行ゾーン９０４４、及び陥凹ソール領域９０４２内で更に陥凹しているソールポート９０３４、を含んでいる。

図８０及び図８１に示されている様に、主ソール領域は、移行ゾーン９０４４を取り囲んでトゥ部分９００８からヒール部分９０１０へそして前部分９００４から後部分９００
６へ延びているソール９０１６の部分を含んでいる。主ソール領域の厚さはソールに亘って変化しており、本体の前部近くの厚さはより大きく（例えば約１．０ｍｍから約１．２５ｍｍなど）、本体の後部近くの厚さはより小さい（例えば約０．５ｍｍから約０．７５ｍｍなど）。主ソール領域９０４０の厚肉前部分は、クラブヘッド９０００がアドレス位置にあるとき地面に接触している、図８０に斜線模様で示されている接触ゾーン９０４１を含むことができる。接触ゾーン９０４１は、調節可能なソール部片９０３６と共に、クラブヘッドのアドレス位置にあるときに、唯一、地面に接触する２つの部分となる。主ソール領域９０４０は、更に、図８１及び図８４に示されている様に、ホーゼルの末広がりの下側部分又はホーゼル基底部分９０１３との境界のホーゼル周辺領域９０５４を含んでいる。ホーゼル周辺領域９０５４は、約１．１ｍｍから約１．５ｍｍの厚さを有していてもよい。

移行ゾーン９０４４は、陥凹ソール領域９０４２の周りに延在し、主ソール領域９０４０と陥凹ソール領域９０４２の境界を画定している。移行ゾーン９０４４は、下側主ソール領域と隆起した陥凹ソール領域の間に急激な高度変化を作り出している勾配の付いた環状壁を備えることができる。ソール９０１６の厚さは、同様に、移行ゾーン９０４４に亘って変化していてもよい。

陥凹ソール領域９０４２は、ソールの、移行ゾーン９０４４の内側で且つソールポート９０３４の外側の部分である。陥凹ソール領域は、約０．５５ｍｍから約０．８５ｍｍの厚さを有し、周囲の主ソール領域９０４０より上へ約２ｍｍから約６ｍｍ陥凹していてもよい。

ソールポート９０３４は、陥凹ソール領域９０４２内に配置されていて、周囲の陥凹ソール領域９０４２より陥凹の程度が大きいキャビティを形成している。ソールポート９０３４は、環状側壁９０４６と上壁９０４８を含んでいる。側壁９０４６及び上壁９０４８は、約０．５５ｍｍから約０．８５ｍｍの厚さ、例えば約０．７ｍｍの厚さ、を有していてもよい。図８８に示されている様に、上壁９０４８は、周囲の上壁部分よりも厚肉で僅かに高く隆起している中央の円盤状領域９０５６を含むことができる。中央領域９０５６は、約２２ｍｍの直径と約１．０ｍｍから約１．３５ｍｍの厚さを有していてもよい。ソールポケットは、更に、円盤状領域９０５６の中央から上向きに延びる円筒壁９０５８を含むことができる。円筒壁は、約５ｍｍから約１０ｍｍの外径と、約１ｍｍから約２ｍｍの壁厚さと、円盤状領域９０５６より上に約１ｍｍから約３ｍｍの垂直方向の高さと、を有していてもよい。円筒壁９０５８は、ソールポート９０３４を貫いて延びている開口９０５２を取り囲んでいて、調節可能なソール部片９０３６をソールポートの外部面へ固定するための締結具９０７８を受け入れるように構成されている。開口９０５２は、ソールポート９０３４及びソール部片９０３４の対称の中心である中心軸を画定している。開口９０５２の軸方向長さは約５ｍｍ、開口の直径は約３ｍｍとすることができる。

図７５に示されている様に、ゴルフクラブヘッド９０００のＣＧは、クラブヘッドを、４つの象限、即ち、ＣＧの前方ヒール側である前−ヒール象限と、ＣＧの前方トゥ側である前−トゥ象限と、ＣＧの後方ヒール側である後−ヒール象限と、ＣＧの後方トゥ側である後−トゥ象限と、に分割している。ソールポート９０３４の中心、例えば開口９０５２は、ＣＧ（図７５に示されている）のヒール側後方又は換言すればクラブヘッドの後−ヒール象限に配置されている。よって、ソール部片９０３６の大部分とソールポート９０３４の大部分はクラブヘッドの後−ヒール象限に配置されていることになるが、ソール部片の一部分及び／又はソールポートの一部分は同時にクラブヘッドの後−トゥ象限に配置されていることになる。幾つかの実施形態では、ソール部片全てとソールポート全てがＣＧの後方にある。

開口９０５２が後−ヒール象限に置かれている場合、少なくとも２つのリブは開口９０５２付近の収束場所に収束している。幾つかの実施形態では、少なくとも３つのリブ又は少なくとも４つのリブが、クラブヘッドの後−ヒール象限に位置する収束場所に収束している。後−ヒール象限に収束しているリブ数は、合計で２から１０の間のリブ数とすることができるものと理解している。

１つ又はそれ以上のリブは、ソール９０１６の内部面に配置されている。リブは、、以上に詳細に説明されている様に金属又は合金の様な、ソール９０１６及び／又は本体の残部を形成している同じ材料の部分であってもよい。リブは、例えば鋳造などによって、リブとソールが同じモノリシック構造となるようにソールの一体部分として形成されていてもよい。リブの底は、ソールへ一体的に接続させることができ、そうすれば、溶接又は他の付着方法の必要はない。他の実施形態では、リブの１つ又はそれ以上は、少なくとも部分的にソールとは分離して形成され、その後ソールへ溶接などによって付着されていてもよい。

図８１−図８６に示されている様に、リブは、トゥ部分９００８から後方ヒール方向に延びる第１リブ９０６０と、ヒール部分９０１０から後方トゥ方向に延びる第２リブ９０６２と、後部分９００６から前方方向に延びる第３リブ９０６４と、を含んでいる。第１、第２、及び第３のリブは、収束場所に収束している。収束場所は、収束ゾーン内に配置されている。収束ゾーンは、ソールの、ソールポート９０３４に対応している領域である。而して、第１リブ９０６０、第２リブ９０６２、及び第３リブ９０６４は、円筒壁９０５８及び／又は開口９０５２の様なソールポート９０３４直上の場所に収束している。

第１リブ９０６０は、トゥ重りポート９０２６と円筒壁９０５８の間を延び、第２リブ９０６２はヒール重りポート９０３０と円筒壁の間を延び、第３リブ９０６４は、後部分９００６と円筒壁の間を延びていてもよい。リブは、更に、円筒壁９０５８から前方方向に延びる第４リブ９０６６を含むことができる。第４リブ９０６６は、陥凹ソール領域９０４２に沿って前方端部に終端していてもよい。これらのリブ４つ全ては、円筒壁９０５８からソールポート９０３４の上壁９０４８及び側壁９０４６を横切り陥凹ソール領域９０４２に沿って延びていていもよい。第１リブ９０６０、第２リブ９０６２、及び第３リブ９０６４は、それぞれ、更に陥凹ソール領域９０４２を横切り、移行ゾーン９０４４を横切り、主ソール領域９０４０を横切って延びていてもよい。リブをソールポート９０３４の上側内部面に沿って配置させていることで、本体のソールポート領域が安定し、ソールに、調節可能なソールを含んでいない平滑なソールの振動及び音の特性に似た特性を与えることができる。複数のリブを、円筒壁の様なソールポート直上に集結させることで、更に、ソールポート領域の安定化が増進される。

第１リブ９０６０は、図８１に示されている様に、クラブヘッドの後−ヒール象限と後−トゥ象限の両方を横切って延びていてもよい。第２リブ９０６２及び／又は第４リブ９０６６は、厳密なＣＧ位置に依ってはクラブヘッドの後−ヒール象限及び前−ヒール象限の両方を横切って延びていてもよく、当該ＣＧ位置は、調節可能な重り９０２８及び９０３２が調節されるとリブに対して変化するものである。第５リブ９０６８が、クラブヘッドの前−ヒール象限及び前−トゥ象限の両方を横切って延び、厳密なＣＧ位置に依っては更に後−トゥ象限の中へと延びていてもよい。リブは一群として、全４つの象限を横切って延びていればよく、その結果、クラブヘッドのソール全体の安定化が更に向上する。

図８３に示されている様に、第１リブ９０６０は、トゥ重りポート９０２６を越えて向こうへ延び、クラウン９０１４に隣接するトゥ部分９００８に終端している。他の実施形態では、第１リブは、トゥ重りポート９０２６に終端し、追加のリブ部分９０６１がトゥ重りポートの反対側からクラウン９０１４まで延びていてもよい。図８２に示されている
様に、第２リブ９０６２は、ヒール重りポート９０３０に終端し、追加のリブ部分９０６３がヒール重りポートの反対側からクラウン９０１４まで延びていてもよい。リブのうちの１つ又はそれ以上をはるばるクラウン周辺まで延ばすことで、ソールへのリブの安定化効果をより高めることができる。

リブは、更に、図８１−図８６に示されている様に第５リブ９０６８及び／又は第６リブ９０７０を備えることができる。第５リブ９０６８は、ホーゼル９０１２とトゥ重りポート９０２６の間をソール９０１６に沿って延びていてもよい。図８１に示されている様に、第５リブ９０６８は、ホーゼル基底部分９０１３へ接続されている第１端部分とトゥ重りポート９０２６へ接続されている第２端部分とを有している。図８１及び図８６に示されている様に、第５リブ９０６８は、ホーゼル９０１２から、主ソール領域９０４０のホーゼル周辺領域９０５４の様な第１部分を横切り、ソール移行ゾーン９０４８の第１部分を横切り、陥凹ソール領域９０４２の一部分を横切り、ソール移行ゾーン９０４８の第２部分を横切り、主ソール領域９０４０の第２部分を横切って、トゥ重りポート９０２６まで延びていてもよい。図８３及び図８５に示されている様に、第５リブ９０６８は、トゥ重りポート９０２６に終端し、追加のリブ部分９０６９がトゥ重りポートの反対側からクラウン９０１４まで延びていてもよい。

第６リブ９０７０は、第５リブ９０６８より短く、ホーゼル基底部分９０１３から、ホーゼル周辺領域９０５４を横切り、ソール移行ゾーン９０４４を横切って延び、陥凹ソール領域９０７０に沿って第５リブ９０６８の後方の場所に終端していてもよい。第１リブ９０６０、第２リブ９０６２、第３リブ９０６４、第４リブ９０６６、第５リブ９０６８、及び第６リブ９０７０、それぞれを、以下では別途指定のない限りひとまとめに「リブ」と呼称する。

図８４−図８６に示されている様に、リブのそれぞれは、平滑な曲線状の上面を有し、横方向にソールに沿ってソールの様々な輪郭部を横切って延びてゆくにつれて高さ寸法（ソール９０１６から上面までの距離）を変化させていてもよい。例えば、第１、第２、第３、及び第４リブは、円筒壁９０５８近くでソールポート９０３４の上壁９０４８の上の場所では高さ寸法が小さく（例えば約１ｍｍから約３ｍｍなど）、陥凹ソール領域９０４２の上の場所では高さ寸法が大きく（例えば約３ｍｍから約６ｍｍなど）、そして主ソール領域９０４０の上の場所では高さ寸法がよりいっそう大きく（例えば最大約１２ｍｍなど）なっていてもよい。これらのリブの高さは、リブが本体の周辺に向かって上方に湾曲してゆくにつれて減少していてもよい。

第５リブ９０６８は、ホーゼル９０２１近く及びトゥ重りポート９０２６近くでは大きく（例えば約３ｍｍから約１２ｍｍなど）第５リブが陥凹ソール領域９０４２を横断している所では小さい（例えば約２ｍｍから約５ｍｍなど）可変高さを有していてもよい。第５リブ９０６８は、ホーゼル周辺領域９０５４から陥凹ソール領域９０４２にかけてのホーゼルにより近接している第１場所ではソール移行ゾーン９０４４を横断してゆくにつれて高さが減少していてもよく、また第５リブ９０６８は、陥凹ソール領域９０４２から主ソール領域９０４０にかけてのトゥにより近接している第２場所ではソール移行ゾーン９０４４を横断してゆくにつれ高さが増加していてもよい。第６リブ９０７０は、同様に、ホーゼル周辺領域９０５４の上は高さが大きく、陥凹ソール領域９０４２の上は高さが相対的に小さくなっていてもよい。リブがクラブヘッドの各周辺部分のリブがより堅く接続されている場所近くでは高さが大きいことによって、リブにはそれら周辺場所でのより大きな剛性及び／又はモーメント抵抗がもたらされる。加えて、リブが、ホーゼル９０１２、トゥ重りポート９０２６、ヒール重りポート９０３０、及び円筒壁９０５８の様な、本体９００２の相対的により剛性のある構造へ接続されていることも、リブに大きな剛性及び／又はモーメント抵抗をもたらす。リブの剛性及び／又はモーメント抵抗が大きくなる
ことで、クラブヘッド９０００のゴルフボールを打ったときの振動と音の特性へのより最適な波及がもたらされる。幾つかの実施形態では、リブは、クラブヘッド９０００に、それがゴルフボールを打ったときに、ソールポート９０３４、リブ、ソール部片９０３６、及びソール部片締結具９０７８が取り去られて平滑なソール部分と置き換えられた場合にクラブヘッドによって発せられる可長周波数に一致する可長周波数を出させるように構成されている。

リブのうちの１つ又はそれ以上は、リブの全長さに沿って一定又はほぼ一定した幅寸法を有していてもよい。例示されている実施形態の様な幾つかの実施形態では、リブのそれぞれは同一の一定した幅、例えば約０．８ｍｍ、又は０．５ｍｍより大きく約１．５ｍｍより小さいなど、を有している。１つの実施形態では、リブは約０．７ｍｍの幅を有している。他の実施形態では、それぞれ異なったリブは異なった幅を有していてもよい。幾つかの実施形態では、１つ又はそれ以上のリブの幅は、リブの端部分に近いほど太く中間部分では細いといった様に、リブの長さに沿って変化していてもよい。一般的には、リブの幅はリブの高さより小さい。

リブのうちの１つ又はそれ以上は、クラブヘッド９０００がアドレス位置にあるとき、地面に平行な面へ投影すると直線を形成する。換言すると、リブのうちの１つ又はそれ以上は、それぞれの終点間を二次元の経路に沿って延びているといえる。例えば、図８１に示されている上から下へ見た場合に、第２リブ９０６２、第３リブ９０６４、第４リブ９０６６、第５リブ９０６８、及び第６リブ９０７０は、直線状の経路で延びているのに対し、第１リブ９０６０は僅かに曲線状の経路で延びている。他の実施形態では、全６つのリブは直線状の経路で延びている。図８１に示されている様に、第３リブ９０６４及び第４リブ９０６６は、円筒壁９０５８の互いに反対側で同一線上の経路を延びており、第５リブ９０６８と第６リブ９０７０は、平行な直線経路で延びている。幾つかの実施形態では、リブは、上から見て、少なくとも４つ、少なくとも５つ、又は少なくとも６つの異なった方向にソールを横切って延びていてもよい。例えば、例示されている様に、６つのリブは、第３リブ９０６４と第４リブ９０６６を同じ方向に延ばし第５リブ９０６８と第６リブ９０７０を同じ方向に延ばして、４つの異なった方向へ延びている。リブそれぞれの方向は、ソール９０１６を当該方向へ安定化させるのを助ける。而して、リブを複数の方向に有することは、ソールの複数の方向への安定化を助け望ましい。

ここに説明されている内部のソールリブは、ソール外部面の陥凹溝に対応しているソールの隆起部分ではないことに留意されたい。そうではなく、ここに説明されているリブは、ソールの内部面より上側に配置されている追加の構造材料を備えている。換言すると、リブが取り去られたなら、平滑な内部ソール面が残るはずである。

ソールポート９０３４の外部面は、以上に図７１Ａ−図７１Ｅに関して詳細に説明されている様に、調節可能なソール部分９０３６をぴったりと受け入れるように構成されている。図８０及び図８９に示されている様に、ソールポート９０３４は、少なくとも２つの突起を含んでいる隆起したプラットホーム９０７２であって調節可能なソール部片９０３６側の当該少なくとも２つの突起を受け入れるように構成されている面と噛み合ってソールポート９０３４に対するソール部片の軸方向位置を確定させるプラットホーム９０７２を含むものである。ソールの外部面にはソールポート９０３４の周りにリッジ９０７４が延びていてもよい。図８７Ａに示されている様に、ソール部片９０３６がソールポート９０３４内に固定されたとき、リッジ９０７４は陥凹ソール領域９０４２と下向きに突き出ているソール部片外面の間に勾配の付いた移行領域を形成するものである。更に、図８７Ａには、ソールポート９０３４の中の隆起したプラットホーム９０７２の周りに挿入されている弾性的に変形可能なガスケット９０７６が示されているが、当該ガスケットは、ソール部片の環状側壁とソールポートの上壁の間に、例えばソール部片内の中空区域へ土や
水分が入って来ないようにしておくための、シールを形成するのを助け、ソール部片とソールポートの間のガタ付きや振動の様な運動を低減又は防止するのを助ける。加えて、変形可能なガスケット９０７６は、ソール部片に関連付けられるモード波形の持続時間と振幅を小さくし、インパクト時のクラブヘッドの音品質を改善することができる。図８７Ａ及び図８７Ｂに示されている様に、ガスケット９０７６の変形する性質のおかげで、ソール部片とソールポートの間のシールは、ソール部片の軸方向位置及び回転位置の範囲全体を通して維持される。図８７Ａ及び図８７Ｂは、更に、ソール部片及びソール部片の上壁の開口９０５２を通っている締結具９０７８を示している。図８８は、開口９０５２を貫いて切断されているソールポート９０３４を本体の前から見た断面図を示している。本図は、開口９０５２を取り囲む円筒壁９０５８並びにソールポート９０３４を取り囲むリッジ９０７４を示している。

図９０Ａ−図９０Ｆは、略五角形の構成を有する調節可能なソール部片９０８０の或る代わりの実施形態を示している。五角形のソール部片９０８０は、それが、曲線状の下壁９０８２、環状リム９０８４、中央開口９０８６、下壁９０８２から上方に延びる段状壁９０８８、及び段状壁と下壁９０８２の間を延びる複数のリブ９０９０、を含んでいるという点では、図７２Ａ−図７２Ｅに示されている三角形のソール部片８０１０及び図７４−図７５に示されている三角形のソール部片９０３６と類似である。五角形のソール部片９０８０の段状壁９０８８は、５対の面Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、及びＥを備えており、各対の面は互いから約１８０°離間されていて、他の面の対とは下面９０８２から異なった軸方向高さにある。これらの面が合計１０面あるので、それぞれの面は段状壁９０８８の約３６°の部分を占めることになる。

五角形ソール部片９０８０によれば、ソールポート９０３４は、ソール部片９０８０を受け入れるように整合する五角形の形状を有するものである。図９１Ａ及び図９１Ｂは、五角形のソールポート９０３４を有するクラブヘッド本体９００２の或る例示としての実施形態を示しているが、この実施形態は、３つの隆起したプラットホーム９０７２を備えていて、９２Ａ−９２Ｅに示され以下に論じられている代わりの五角形ソール部片９１００の実施形態と共に使用するように構成されている。図７１Ｄ及び図８０に示されている実施形態の様な、２つの隆起したプラットホーム９０７２を有する類似の実施形態（図示せず）を五角形のソール部片９０８０と共に使用することもできるであろう（即ち、クラブヘッドは、図９１Ａ及び図９１Ｂに示されている様な五角形ソールポートを有するものではあるが、３つではなしに２つのプラットホームを備えるように形成されていてもよい）。五角形のソールポートの場合、隆起したプラットホーム９０７２は、五角形ソール部片の段状壁の小面Ａ−Ｅに対応する細い構成を有している。プラットホーム９０７２の下接触面の幅は、段状壁の上接触面Ａ−Ｅの幅に等しいかそれより僅かに狭くてもよい。例えば、プラットホーム９０７２のそれぞれは、図９０Ａ−図９０Ｅに示されている五角形ソール部片９０８０と共に使用するように構成されている場合（ソールポートが２つのプラットホームを有する場合）には約３６°又はそれより僅かに小さい角度部分を備えることができ、又は図９２Ａ−図９２Ｅに示されている五角形ソール部片９１００と共に使用するように構成されている場合（ソールポートが３つのプラットホームを有する場合）には約２４°又はそれより僅かに小さい角度部分を備えることができる。

図９０Ａ−図９０Ｅを参照して、ソール部片９０８０の外リム９０８８の五角形の形状及びソールポート９０３４の整合する五角形の形状のため、五角形ソール部片は５通りの異なった回転位置へ調節可能である。これら５つの回転位置のそれぞれの位置で上接触面のそれぞれ異なる対Ａ−Ｅはプラットホーム９０７２の耳部と接触状態にある。各面対Ａ−Ｅは下壁９０８２からの異なった軸方向高さを有しているため、五角形ソール部片９０８０は、５つの回転位置に対応する５つの異なった軸方向位置を有している。それぞれの軸方向位置では、ソール部片の下壁９０８２はクラブヘッドのソール９０１６から異なっ
た距離を延びており、それによりクラブヘッドのフェース角を変化させることができる。

１つの実施形態では、段状壁９０８８の面Ｃがプラットホーム９０７２と接触しているとき、フェース角は、ニュートラルなフェース角即ち０°である。この実施形態では、面Ａは、４°の開いたフェース角に一致し、面Ｂは、２°の開いたフェース角に一致し、面Ｄは−２°の閉じたフェース角に一致し、面Ｅは−４°の閉じたフェース角に一致する。面Ａ−Ｅの高さは、他のフェース角調整を作り出すように変えられてもよい。５通りのフェース角設定を持てることはゴルファーにとっては好ましい特徴であろう。加えて、５通りのフェース角設定なら、それぞれの設定間の角度差が極度に大きくなることなく、フェース角のより広い範囲をカバーすることができる。

図７５に示されている様に、ソール９０１６は、ソールポート９０３４に隣接して、例えばソールポートのすぐ後ろ側などに、マーカー９０９２を含んでいてもよい。三角形ソール部片９０３６は、「Ｏ」、「Ｎ」、及び「Ｃ」の様な３つの標識を含んでいおり、それら標識は、どの標識がマーカー９０９２に隣接しているかに依って、フェース角が「オープン（開いている）」、「ニュートラル」、及び「クローズド（閉じている）」それぞれになるように、ソール部片が設定されていることを指し示している。同様に、五角形ソール部片９０８０の下壁９０８２の底面は、図９０Ａに示されている様に、フェース角設定を指し示す５つの標識ａ、ｂ、ｃ、ｄ、及びｅを含むことができる。五角形ソール部片９０８０が、ソールポート９０３４（図７５に類似）へ固定されるとき、標識ａ、ｂ、ｃ、ｄ、及びｅの１つをマーカー９０９２と整列させ、すると当該標識は、どの面対Ａ−Ｅ（図９０Ｃ参照）又はどの面トリオ（図９２Ａ及び以下の関連する論考を参照）がプラットホーム９０７２と接触しているかを、ひいてはソール部片の当該配置にはどのフェース角設定が相当しているかを指し示すことになる。例えば、ソール部片の底の標識「ｄ」がマーカー９０９２と整列していれば、それは、面Ｄがプラットホーム９０７２と接触していて、ソール部片は、アドレス位置にあるときのフェース角度が−２°閉じた状態となるように位置決めされていることを指し示すものである。標識ａ、ｂ、ｃ、ｄ、及びｅは、それぞれ、例えば、「＋４°」、「＋２°」、「０°」、「−２°」、及び「−４°」とされていてもよいし、又は特定の標識をマーカー９０９２と整列させることによってどのフェース角設定が生じるかを当人に表す何か他の標識スキームであってもよい。

調節可能なソール部片の形状に関係なく（円形、楕円形、多角形、三角形、四角形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、又は何れかの他の形状の如何を問わず）、ソール部片の底面の曲率は、ソール９０１６の前部の前接触面９０４１（図８０参照）の曲率に整合するように選択されればよい。ソール部片９０３６の接触面９０４１と底面は、以上に図７１Ａ−図７１Ｅに関連して説明されている様に、クラブヘッドがアドレス位置にあるときに、唯一、地面に接触する２つの面となる。前接触面９０４１とソール部片９０３６の中央開口９０８６の間の距離は、約４５ｍｍから約６０ｍｍ、例えば約５２ｍｍなど、であってもよい。

図９０Ｆは、クラブヘッドがアドレス位置にあるときに地面に接触することになる、五角形ソール部片９０８０の底面のゾーンｚ１、ｚ２、ｚ３、ｚ４、及びｚ５を示している。ゾーンｚ１−ｚ５のそれぞれは、ソール部片９０８０の中央開口９０８６（図９０Ｆに「ｃ」と標示）と交わり、五角形ソール部片９０８０の側壁９０８４の平坦部分ｆ１、ｆ２、ｆ３、ｆ４、及びｆ５の対応する１つと平行である。例えば、五角形ソール部片９０８０が、側面部分ｆ１が前方（フェースプレート９０１８の方向）に面するようにして、ソールポート９０３４へ固定された場合、ゾーンｚ１は、クラブがアドレス位置にあるときに地面に接触するように構成されている。ゾーンｚ１−ｚ５のそれぞれは、凸湾の様な、同じ湾曲を有している。幾つかの実施形態では、ソール部片の底面は球状であってもよく、すると、ゾーンｚ１−ｚ５は同様にどれもが同じ曲率半径を有する球面となろう。他
の実施形態では、底面及びゾーンｚ１−ｚ５は、非球状であってもよく、及び／又は非固定曲率半径を有していてもよい。それぞれのゾーンｚ１−ｚ５の曲率は、ソール９０１６の前部の前接触面９０４１（図８０参照）の曲率に整合するように選択されればよい。幾つかの実施形態では、ソール部片９０８０の底面の形状は、クラブヘッドのフェース角をクラブヘッドのロフト角と独立に調節できるように選択されている。

図９２Ａ−図９２Ｆは、図９１Ａ−図９１Ｂに示されている五角形ソールポート９０３４と共に使用するように構成されている五角形ソール部片９１００の或る代わりの実施形態を示している。五角形ソール部片９１００は、それが、曲線状の下壁９１０２、環状リム９１０４、中央開口９１０６、及び下壁９１０２から上方に延びる段状壁９１０８、を含んでいるという点では、図９０Ａ−図９０Ｅに示されている五角形のソール部片９０８０と類似である。五角形ソール部片９１００の段状壁９１０８は、５つの面トリオＡ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、及びＥを備えており、各トリオの面は中央開口９１０６周りに互いから約１２０°離間されていて、他のトリオの面とは下面９１０２から異なった軸方向高さにある。これらの面が合計１５面あるので、それぞれの面は段状壁９１０８の約２４°の角度部分を占めることになる。

五角形ソール部片９１００によれば、ソールポート９０３４は、９１Ａ−図９１Ｂに示されている様に整合した五角形形状を有するものとされている。加えて、ソールポートは、中央開口９０５２周りに約１２０°離間された３つの隆起プラットホーム９０７２を備えている。３つのプラットホーム９０７２は、段状壁９１０８の小面Ａ−Ｅのトリオに対応する細い構成を有している。プラットホーム９０７２の下接触面の幅は、段状壁９１０８の上接触面Ａ−Ｅの幅に等しいかそれより僅かに狭くてもよい。例えば、３つのプラットホーム９０７２のそれぞれは、ソール部片がソールポートの中へ挿入されたときにプラットホーム９０７２が選択されたトリオの面Ａ−Ｅに接触できるように、約２４°又はそれより僅かに小さい角度部分を備えることができる。

ソール部片９１００の外リム９１０４の五角形の形状及び図９１Ｂのソールポート９０３４の整合する五角形の形状のため、ソール部片９１００は５通りの異なった回転位置へ調節可能である。これら５つの回転位置のそれぞれの位置で上接触面のそれぞれ異なるトリオの上接触面Ａ−Ｅは３つのプラットホーム９０７２と接触状態にある。それぞれの面トリオＡ−Ｅは下壁９１０２からの異なった軸方向高さを有しているため、五角形ソール部片９１００は、５つの回転位置に対応する５つの異なった軸方向位置を有している。それぞれの軸方向位置では、ソール部片９１００の下壁９１０２はクラブヘッド９０００のソール９０１６から異なった距離を延びており、それによりクラブヘッドのフェース角を変化させることができる。図９０Ｃで見て時計回りに進んでゆくと面Ａ−Ｅが次第に背高になってゆく段状壁９０８８（図９０Ｃ及び図９０Ｅ）とは違って、段状壁９１０８の面Ａ−Ｅは食違いである。例えば、面Ａが面Ｃと面Ｄの隣といった具合である。この配列は、最も低い面Ａが最も高い面Ｅに隣接することを回避している。

滑動式に再配置可能な重り
ここに記載されているゴルフクラブヘッドの幾つかの実施形態によれば、ゴルフクラブヘッドは、滑動式に再配置可能な重りを含んでいる。滑動式に再配置可能な重りは、他にも利点はあるが中でもとりわけ、ゴルフクラブの末端使用者がクラブヘッドのＣＧ位置を再配置可能な重りの位置に関係付けられる位置範囲に亘って調節する場合のやり易さを促進する。図９３−図１００は、クラブヘッドのソールの前方領域に設けられているチャネル内に保定される滑動式に再配置可能な重りを有する或る例示としてのゴルフクラブを示している。重りは、チャネルのヒール端とトゥ端の間の複数の選択点に位置決めできる。

ここに説明され図９３−図１００に示されている例示としてのゴルフクラブヘッドは、
調節可能なソール部片及び内部ソールリブ、調節可能なシャフト取り付けシステム、可変厚さフェースプレート、薄壁本体構造、重りポートに挿入される可動式重り、及び／又はここに記載の何れかの他のクラブヘッド特徴を含むことができる。本記述は、図９３−図１００に示されている特定の実施形態に関して進められているが、これらの実施形態は一例にすぎず、根底の概念の範囲を限定するものと考えられてはならない。例えば、例示されている実例は多くの記載されている特徴を含んでいるが、代わりの実施形態は、これらの特徴及び／又は追加の特徴の様々なサブセットを含むことができる。

図９３Ａ−図９３Ｄは、或る例示としてのゴルフクラブヘッド９３００の幾つかの図を示している。ヘッド９３００は、中空本体９３０２を備えている。本体９３０２（ひいてはクラブヘッド９３００全体）は、前部分９３０４、後部分９３０６、トゥ部分９３０８、ヒール部分９３１０、ホーゼル９３１２、クラウン９３１４、及びソール９３１６、を含んでいる。前部分９３０４は、以上に説明されている様に、可変厚さ、複合式、及び／又は金属のフェースプレートであるフェースプレート９０１８を受け入れる開口部を形成している。例示されているクラブヘッド９３００は、更に、シャフトをホーゼル９３１２へ結合するための調節可能なシャフト接続システム、例えば上述の調節可能なシャフト接続システムの様なシステム、を備えることができ、その詳細については、明解さを期してここでは繰り返されておらず図９３Ａ−図９３Ｄにも示されていない。示されている実施形態には、例えば、取り付けねじ（図示せず）を通すための通路９３７０が含まれている。調節可能なシャフト接続システムは、（限定するわけではなしに）スリーブやフェルールの様な様々な構成要素を含んでいてもよい（ホーゼル及び調節可能なシャフト接続システムに関する更なる詳細は、例えば、米国特許第７，８８７，４３１号及び米国特許出願第１３／０７７，８２５号、同第１２／９８６，０３０号、同第１２，６８７，００３号、同第１２／４７４，９７３号に見いだすことができ、当該特許及び特許出願をここに参考文献としてそっくりそのまま援用する）。シャフト接続システムは、ホーゼル９０１２と一体で、以上に詳細に説明されている様にクラブヘッド９３００のシャフトに対する向きを調節するのに使用することができる。例示されているクラブヘッド９３００は、同じく以上に詳細に説明されている、ソールポート又はポケットに調節可能なソール部片を更に含んでいてもよい。

図９３Ａ−図９３Ｄに示されている実施形態では、クラブヘッド９３０２は、ソール９３１６に、概ねヒール部分９３１０寄りに配置されているヒール端９３２２からトゥ部分９３０８寄りに配置されているトゥ端９３２４へ延びている細長いチャネル９３２０が提供されている。チャネル９３２０内には前棚部９３３０と後棚部９３３２が設置されていて、チャネル９３２０内には前棚部９３３０及び後棚部９３３２上に重りアッセンブリ９４４０が保定されている。示されている実施形態では、チャネル９３２０は、以上に論じられているヘッド対シャフト接続アッセンブリの一部を形成しているホーゼル開口部３４０と合同である。

次に図９４Ａ−図９４Ｂ及び図９５Ａ−図９５Ｂを見ると、チャネル９３２０と前棚部９３３０及び後棚部９３３２に関する追加の詳細は、例示の実施形態に示されているが、それには分かり易くするために重りアッセンブリ９３４０は含まれていない。示されている実施形態では、チャネル９３２０は、前チャネル壁９３２６、後チャネル壁９３２７、及び底チャネル壁９３２８を含んでいる。前チャネル壁９３２６、後チャネル壁９３２７、及び底チャネル壁９３２８は、共同で、重りアッセンブリ９３４０が保定されている内部チャネル体積を画定している。前棚部９３３０は前チャネル壁９３２６から後方へ内部チャネル体積の中へと延び、後棚部９３３２は後チャネル壁９３２７から前方へ内部チャネル体積の中へ延びている。

幾つかの実施形態では、前棚部９３３０及び後棚部９３３２の一方又はそれ以上の棚部
の面に複数のロック用突起９３３４が形成されている。示されている実施形態では、ロック用突起９３３４は、後棚部９３３２の外向面に設置されている。以下により詳しく説明されている様に、ロック用突起９３３４は、重りアッセンブリ９３４０側に形成されている複数のロック用ノッチの１つに係合するように、そしてそれによって重りアッセンブリ９３４０をチャネル９３２０内の所望の場所に保定するように、適合された大きさ及び形状を有している。示されている実施形態では、それぞれのロック用突起９３３４は、略半球状の形状を有している。

代わりの実施形態では、ロック用突起９３３４は、前棚部９３３０及び／又は後棚部９３３２によって画定されている１つ又はそれ以上の他の面に設置されていてもよい。例えば、幾つかの実施形態では、ロック用突起は、前棚部９３３０の外向面に設置されており、また一方、他の実施形態では、ロック用突起は前棚部９３３０と後棚部９３３２の一方又は両方の棚部の内向面に設置されている。更なる実施形態では、重りアッセンブリ９３４０は、ロック用突起の使用無しに、前棚部９３３０及び後棚部９３３２上に保定されている。更に別の実施形態では、複数のロック用ノッチ（図には示されていない）が前棚部９３３０及び後棚部９３３２の１つ又はそれ以上の面に設置されていて、重りアッセンブリ９３４０側の係合部分に設置されているロック用突起に係合するように適合されている。その様な組合せ並びに他の組合せ全ては、チャネル９３２０内の選択された場所に重りアッセンブリ９３４０を保定するのに適しているであろう。

図に示されている実施形態では、チャネル９３２０は、Ｘ−Ｙ面内では実質的に直線状であり（例えば図９３Ｂ参照）、Ｘ−Ｚ面及びＹ−Ｚ面内ではソール９３１６の湾曲に追随している（例えば図９３Ｃ−図９３Ｄを参照）。チャネル９３２０は、ソール９３１６の前方領域、即ち、クラブヘッドの前部分９３０４寄りに位置している。例えば、幾つかの実施形態では、チャネル全体９３２０は、ソール９３１６の前方５０％の領域に設置されており、例えばソール９３１６の前方４０％の領域やソール９３１６の前方３０％の領域などに設置されている。言及されているソールの前方領域は、フェースプレート９３１８の中心とクラブヘッドの後部分９３０６の最後部の点の間を延びる仮想線に交わる仮想垂直面に関して画定されている。仮想垂直面は、更に、シャフト５０が正しいライ（即ち典型的には６０度±５度）にあってソール９３１６が競技面７０に載っている（クラブが接地アドレス位置にある）ときのシャフト長手方向軸を内包する垂直面に平行である。仮想線は長さＬが割り当てられている。従って、ソール９３１６の前方５０％の領域とは、仮想垂直面に対してクラブヘッドの前部分９３０４寄りに位置するソール９３１６の領域であって、ここに当該仮想垂直面は、フェースプレート９３１８の中心から０．５＊Ｌの距離に位置している。前方４０％の領域とは、仮想垂直面に対してクラブヘッドの前部分９３０４寄りに位置するソール９３１６の領域であって、ここに当該仮想垂直面は、フェースプレート９３１８の中心から０．４＊Ｌの距離に位置している。前方３０％の領域とは、仮想垂直面に対してクラブヘッドの前部分９３０４寄りに位置するソール９３１６の領域であって、ここに当該仮想垂直面は、フェースプレート９３１８の中心から０．３＊Ｌの距離に位置している。

示されている実施形態では、フェースプレート９３１８の中心を通る第１垂直面と、フェースプレート９３１８の中心と同じｘ座標でチャネル９３２０を二分している第２垂直面の間の距離は、約１５ｍｍから約５０ｍｍの間であり、例えば約２０ｍｍから約４０ｍｍの間や約２５ｍｍから約３０ｍｍの間などである。示されている実施形態では、チャネルの幅（即ち、前棚部９３３０に隣接する前チャネル壁９３２６と後棚部９３３２に隣接する後チャネル壁９３２７の間の水平距離）は、約８ｍｍから約２０ｍｍの間とすることができ、例えば約１０ｍｍから約１８ｍｍの間や約１２ｍｍから約１６ｍｍの間などであってもよい。示されている実施形態では、チャネルの深さ（即ち、底チャネル壁９３２８とチャネル９３２０の前棚部及び後棚部に隣接するソール９３１６の領域を内包する仮想
面の間の垂直距離）は、約６ｍｍから約２０ｍｍの間とすることができ、例えば約８ｍｍから約１８ｍｍの間や約１０ｍｍから約１６ｍｍの間などであってもよい。示されている実施形態では、チャネルの長さ（即ち、チャネルのヒール端９３２２からチャネルのトゥ端９３２４の間の水平距離）は、約３０ｍｍから約１２０ｍｍの間とすることができ、例えば約５０ｍｍから約１０ｍｍの間や約６０ｍｍから約９０ｍｍの間などであってもよい。

次に図９８Ａ−図９８Ｃを見ると、クラブヘッド９３０２の別の実施形態は、チャネル９３２０と前棚部９３３０及び後棚部９３３２を含め、先の実施形態の構造及び特徴の幾つかを含んでいる。前と同じ様に、分かり易くするために、重りアッセンブリ９３４０は含まれていない。示されている実施形態では、チャネル９３２０は、装着キャビティ９３３６（後述）とチャネル９３２０の残部の間の場所でチャネル９３２０を横切って延びるブリッジ９３８２を含んでいる。ブリッジ９３８２は、剛性部材であって、示されている実施形態では、前チャネル壁９３２６と後チャネル壁９３２７のそれらチャネル壁がクラブヘッドのソール９３１６と交わる所に接続されている。ブリッジ９３８２は、構造的支持を提供しチャネル９３２０を強化し、それにより、クラブがボールの当たったときに出す音の、チャネル９３２０の存在に帰着する何らかの変化に対抗している。チャネル９３２０の領域を横切って延びるブリッジ９３８２を追加することで、以上に調節可能なソールプレートポートに関連付けられるリブに関して論じられている様に、クラブヘッドはフェースでゴルフボールを打ったときにより高い可長周波数を発生させることができる。

図９８Ａには、更に、ソール９３１６側に、チャネル９３２０に隣接してその後方に設置されている陥凹領域９３８４が示されている。示されている実施形態では、陥凹領域９３８４は、台形形状を有しているが、他の形状及び大きさも考えられる。幾つかの実施形態では、クラブヘッドがゴルフボールを打ったときの音と感触を更に向上させるために、緩衝体又は緩衝部材（図には示されていない）がソール９３１６の陥凹領域９３８４に取り付けられていてもよい。緩衝部材は、バッジ又は他の部材を備えていてもよく、振動を緩衝しそれによりクラブヘッドの音と感触を向上させる目的で当業者に知られている材料を備えていてもよい。

重りアッセンブリ９３４０及び重りアッセンブリ９３４０をチャネル９３２０内で前棚部９３３０及び後棚部９３３２上に保定させるやり方が、図９６Ａ−図９６Ｂ及び図９７Ａ−図９７Ｃにより詳細に示されている。示されている実施形態では、重りアッセンブリ９３４０は、ワッシャ９３４２と塊体部材９３４４と締結用ボルト９３４６という３つの構成要素を含んでいる。ワッシャ９３４２は、内部チャネル体積の外側の部分内に設置され、前棚部９３３０と後棚部９３２２の外向面に係合している。塊体部材９３４４は、内部チャネル体積の内側の部分内に設置されていて、前棚部９３３０と後棚部９３３２の内向面に係合している。締結用ボルト９３４６は、ワッシャ９３４２の中央開口９３５３を通って延びていて塊体部材９３４４の中央開口９３６１に設けられている噛み合い相手のねじ部に係合するねじの切られた軸部を有している。

図９７Ｂに示されている実施形態では、ワッシャ９３４２は、内向面９３５０と外向面９３５２を含んでいる。ワッシャの内向面９３５０に沿って、複数のロック用ノッチ９３４８が設置されており、当該ロック用ノッチ９３４８は、重りアッセンブリ９３４０がチャネル９３２０内に保定されたときに後棚部９３３２側に設置されているロック用突起９３３４に係合するようにして設置されている。ロック用ノッチ９３４８は、ワッシャ８３４２の高さ全体を完全に通り抜けて延びていてもよいし、又はロック用ノッチ９３４８は、ロック用ノッチ９３４８がロック用突起９３３４に係合するのに適した大きさ及び形状を有していることを前提として、図９７Ｂに示されている様にワッシャ９３４２の高さの一部分のみを延びていてもよい。更に、図９７Ｂに示されている実施形態では、ロック用
ノッチ９３４８は、ワッシャ９３４２の縁に沿って一様に離間されている分離された別々のノッチとして形成されている。図９７Ｃに示されている或る代わりの実施形態では、ロック用ノッチ９３４８’はチャネルによって接続されて、ロック用突起９３３４を収容するための連続した経路を提供している。

ワッシャ９３４２は、更に、内向面９３５０側に隆起した中央リッジ９３５２を含んでいる。隆起した中央リッジ９３５２は、前棚部９３３０と後棚部９３３２の間の離隔距離よりも僅かに小さい幅寸法を有しており、その結果、中央リッジ９３５２は、チャネル９３２０内を前棚部９３３０及び後棚部９３３２によって横方向に拘束されながらヒール−トゥ方向に滑動できるようになっている。

塊体部材９３４４の或る実施形態が図９７Ａに示されている。塊体部材９３４４は、内向面９３５６及び外向面９３５８と、外向面９３５８を通って延びる中央リッジ９３６０と、を含んでいる。隆起した中央リッジ９３６０は、前棚部９３３０と後棚部９３３２の間の離隔距離よりも僅かに小さい幅寸法を有しており、その結果、中央リッジ９３６０は、チャネル９３２０内を、前棚部９３３０及び後棚部９３３２によって横方向に拘束されながらヒール−トゥ方向に滑動できるようになっている。塊体部材９３４４は、締結用ボルト９３４６のねじの切られたシャフトを通すねじの切られた中央開口９３６１を有している。

図９６Ａ−図９６Ｂに示されている様に、幾つかの実施形態では、締結用ボルト９３４６の遠位端９３４７は、塊体部材９３４４がボルト９３４６から完全に解放されてしまわないようにするために、例えばスエージ加工などによって広くされている。塊体部材の中央開口９３６１は、更に、締結用ボルトの拡大遠位端９３４７を収容する座ぐり９３６２領域を含んでいる。締結用ボルト９３４６は、その結果、中央開口９３６１内を塊体部材９３４４との螺合により前進及び後退できるが、但し塊体部材９３４４は、締結用ボルト９３４６から脱着することはない。この様にして、重りアッセンブリ９３４０は、チャネル９３２０内でヒール−トゥ方向に連続的に調節できる機能を維持しながらもチャネル９３２０内で前棚部９３３０及び後棚部９３３２上により確実に保定させることができる。加えて、示されている実施形態では、ワッシャ９３４２の中央開口９３５３は、締結用ボルト９３４６の頭部分を収容する大きさ及び形状を有する座ぐり９３５５を含んでいる。

幾つかの実施形態では、重りアッセンブリの質量は、約５ｇから約２５ｇの間であり、例えば約７ｇから約２０ｇの間や約９ｇから約１５ｇの間などである。幾つかの代わりの実施形態では、重りアッセンブリの質量は、約５ｇから約４５ｇの間であり、例えば約９ｇから約３５ｇの間、約９ｇから約３０ｇの間、約９ｇから約２５ｇの間などである。ワッシャ３９４２と塊体部材９３４４それぞれは、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、タングステン、これらの材料を含有する合金、又はこれらの材料の組合せ、の様な材料で形成することができる。締結用ボルト９３４６は、チタン合金又はステンレス鋼で形成されているのが望ましい。示されている実施形態では、ワッシャ９３４２と塊体要素９３４４それぞれは、約８ｍｍから約２０ｍｍの範囲、例えば約１０ｍｍから約１８ｍｍや約１２ｍｍから約１６ｍｍなどの範囲、の長さと幅を有している。図に示されているワッシャ９３４２及び塊体要素９３４４の実施形態の高さは、約２ｍｍから約８ｍｍであり、例えば約３ｍｍから約７ｍｍや約４ｍｍから約６ｍｍなどである。

チャネル９３２０及び取り付けられている調節可能な重りアッセンブリ９３４０の追加が、ボールの当たったときにクラブが出す音を不快に変化させないとも限らない。従って、ソールの内部面（即ちクラブヘッド９３００の内部キャビティ内）に１つ又はそれ以上のリブ９３８０が設けられている。ソールの内部面のリブ９３８０を幾つかの異なった方向に向けて配置させ、チャネル９３２０をクラブヘッド本体の他の強度のある構造、例え
ば本体のソール及び／又はソールとクラウンの間のスカート領域など、へつないでもよい。更に、１つ又はそれ以上のリブは、ソールを更に安定させるために、ホーゼルへつながれていてもよい。ソールの内部面へその様なリブが加えられることで、クラブヘッドは、以上に調節可能なソールプレート実施形態と関連付けられるリブに関して論じられている様に、フェースでゴルフボールを打ったときに、より高い可長周波数を発生させることができる。

幾つかの実施形態では、重りアッセンブリ９３４０は、重りアッセンブリ９３４０をチャネルのトゥ端９３２４に隣接して設けられている装着キャビティ９３３６の中へ設置することによってチャネル９３２０の中へ装入される。装着キャビティ９３３６は、チャネル９３２０の一部分であって、そこには前棚部９３３０と後棚部９３３２が延びていないため、組み立てられた重りアッセンブリ９３４０のチャネル９３２０内への設置がやり易い。重りアッセンブリ９３４０は、装着キャビティ９３３６の中へ一旦設置されると、ヒール端９３２２に向けて動かされ、前棚部９３３０及び後棚部９３３２と係合させられる。重りアッセンブリ９３４０が完全に装着キャビティ９３３６から動かされた後、随意的なキャップ又はプラグ（例えば図９９参照）を装着キャビティ９３３６の中へ装入して重りアッセンブリ９３４０がチャネル９３２０から脱着するのを防止するようにしてもよい。幾つかの実施形態では、キャップ又はプラグを、例えばキャップ又はプラグ側に設けられている１つ又はそれ以上の弾性タブ又は戻り止めを介するなどして、取り付けるための区域を提供するように、装着キャビティ９３３６の（単数又は複数の）側壁に１つ又はそれ以上のスロット９３３８が設けられている。

以上に指摘されている様に、図９９に示されている実施形態では、クラブヘッド９３００は、装着キャビティ９３３６の中へ装入されるキャップ９３７２を含んでおり、キャップはキャップねじ９３７４によって保定される。示されている実施形態では、キャップ９３７２は、装着キャビティの中へ延びている軸部分９３７６と、重りアッセンブリが装着された後の装着キャビティ開口部を覆う働きをする広い上面９３７８と、を含んでいる。キャップねじ９３７４は、上面９３７８の開口部から軸部９３７６を通って延び、装着キャビティ９３３６の底面のねじの切られた開口部（図示せず）の中へ挿入される。他のキャップ、シール、充填材や、重りアッセンブリ装着後に装着キャビティ９３３６を覆う又は保護するのに適した又は他の装置も考えられる。

図９８−図１００の実施形態では、複数のバンプ又は突起が後棚部９３３２に沿って間隔を空けて配置されている。図９９に示されている様に、外側の重り部材９３４２は、外側の重り部材９３４２を後棚部９３３２に沿ってバンプの１つに重ねて設置できるように複数の陥凹付きで形成されている。この実施形態では、バンプの幅は、外側の重り部材９３４２の陥凹の幅より小さい寸法であり、その結果、外側の重り部材はバンプの１つに重ねて設置されたときに限定された量を動くことができる。このやり方では、バンプは重りアッセンブリの位置をチャネルに沿って定めるのを助けはするがロック機能は一切発揮しないマーカー又は表示の役目を果たす。代わりに、重りアッセンブリは、ボルト９３４６を締めることによって、チャネルに沿った選択位置でその場にロックされる。

図９９に示されている実施形態は、更に、シャフトをホーゼル９３１２へ結合するための調節可能なシャフト取り付けシステムであって、スリーブ９９２０、ワッシャ９９２２、ホーゼル挿入部９９２４、及びねじ９９２６の様な、様々な構成要素を含むシステムを含んでいる（ホーゼル及び調節可能なシャフト接続システムに関する更なる詳細は、例えば、米国特許第７，８８７，４３１号及び米国特許出願第１３／０７７，８２５号、同第１２／９８６，０３０号、同第１２，６８７，００３号、同第１２／４７４，９７３号に見いだすことができ、当該特許及び特許出願をここに参考文献としてそっくりそのまま援用する）。シャフト接続システムは、ホーゼル９３１２と一体で、以上にもまたここで参
考文献として援用されている特許及び特許出願にも詳細に説明されている様に、クラブヘッド９３０２のシャフトに対する向きを調節するのに使用することができる。

図１００は、或る例示としてのゴルフクラブヘッドの分解図を示している。ヘッドは、ホーゼル９３１２及びソール９３１６を有する中空本体９３０２を備えている。前部分９３０４は、示されている実施形態では上述の複合フェースプレートを備えているフェースプレート９３１８、を受け入れる開口部を形成している。複合フェースプレートについての構成及び製造プロセスに関わる更なる詳細は、米国特許第７，８７１，３４０号、及び米国特許出願公開第２０１１／０２７５４５１号、同第２０１２／００８３３６１号、及び同第２０１２／０１９９２８２号に記載されている。複合フェースプレートは、クラブヘッドの前部分９３０４の開口部に設けられている挿入部支持構造へ取り付けられる。挿入部支持構造に関わる更なる詳細は、米国特許第ＲＥ４３，８０１号に記載されている。例示されているクラブヘッドは、更に、シャフトをホーゼル９３１２へ結合するための調節可能なシャフト取り付けシステムであって、スリーブ９９２０、ワッシャ９９２２、ホーゼル挿入部９９２４、及びねじ９９２６の様な、様々な構成要素を含むシステムを含んでいる。シャフト接続システム９０２０は、ホーゼル９０１２と一体で、以上に詳細に説明されている様にクラブヘッド９０００のシャフトに対する向きを調節するのに使用することができる。

図９３から図１００までを通して示されている調節可能な重りシステムを使用する場合、使用者は（上述のトルクレンチ６６００の様な）工具の係合端を使用して重りアッセンブリ９３４０の締結用ボルト９３４６を緩める。締結用ボルト９３４６が緩められたら、重りアッセンブリ９３４０をチャネル９３２０内で所望の方向に滑動させることによって、重りアッセンブリ９３４０をトゥ部分９３０８寄り又はヒール部分９３１０寄りに調節すればよい。重りアッセンブリ９３４０が所望の場所に置かれたら、締結用ボルト９３４６を、前棚部９３３０及び／又は後棚部９３３２へ掛かるワッシャ９３４２と塊体部材９３４４の間の締め付け力が重りアッセンブリ９３４０を所定場所に拘束するのに十分になるまで締めてゆく。図９３−図９７の実施形態では、ロック用突起９３３４とロック用ノッチ９３４８の相互作用は、ワッシャ９３４２と塊体部材９３４４によって提供されるロック力を増加させるべく協働する。

ここに記載されているゴルフクラブの幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド９３０２の様なゴルフクラブヘッドの各特徴の場所、位置、及び向きは、固定基準点、例えばゴルクラブヘッド起点、他の特徴の場所、又は特徴の角度方位、に対して言及されている。重り又は重りアッセンブリ９３４０の様な重りアッセンブリの場所又は位置は、典型的には、重り又は重りアッセンブリの重心の場所又は位置に関して定義されている。重り又は重りアッセンブリが、別の重り又は重りアッセンブリの場所までの距離、即ちベクトル距離（或る基準又は特徴点から別の基準又は特徴点まで延びる直線の長さとして定義）を求めるための基準点として使用されている場合、基準点は典型的には重り又は重りアッセンブリの重心である。

ゴルフクラブヘッドの重りアッセンブリの場所は、ヘッド起点座標系上のその座標によって近似表示することができる。ヘッド起点座標系は、打球面３１０（図１Ａ参照）の幾何学的中心に配置されているゴルフクラブヘッドの理想インパクト位置３１２に起点を含んでいる。以上に説明されている様に、ヘッド起点座標系は、ｘ軸とｙ軸を含んでいる。起点ｘ軸は、ヘッドが理想的に位置決めされたとき、起点でフェースプレートに対し接線方向に概ね地面に平行に延びており、正のｘ軸は、起点からゴルフクラブヘッドのヒールに向かって延び、負のｘ軸は、起点からゴルフクラブヘッドのトゥへ延びている。起点ｙ軸は、ヘッドが理想的に位置決めされたとき、概ね起点ｘ軸に垂直に地面に平行に延びており、正のｙ軸はヘッド起点からゴルフクラブの後部分に向かって延びている。ヘッド起
点は、更に、起点ｘ軸及び起点ｙ軸に垂直に延びている起点ｚ軸を含むものであって、正のｚ軸は起点からゴルクラブヘッドの最上部分へ向かって延び、負のｚ軸は起点からゴルフクラブヘッドの底部分に向かって延びている。

以上に説明されている様に、ここに記載のゴルフクラブヘッド９３０２の幾つかの実施形態では、チャネル９３２０は、概ねヒール部分９３１０寄りに配置されているヒール端９３２２からトゥ部分９３０８寄りに配置されているトゥ端９３２４まで延びており、ヒール端９３２２とトゥ端９３２４は共にクラブヘッドの前部分から同距離又はほぼ同距離にある。結果として、これらの実施形態では、チャネル９３２０内に滑動可能に保定されている重りアッセンブリ９３４０は、ｘ軸の方向には相対的に大きい調節量が可能であるのに対しｙ軸の方向には相対的に小さい調節量を有している。幾つかの代わりの実施形態では、ヒール端９３２２とトゥ端９３２４は、例えばヒール端９３２２がトゥ端９３２４より更に後方にあるとかトゥ端９３２２がヒール端９３２２より更に後方にあるといった様に、前部分から異なった距離に設置されていてもよい。これらの代わりの実施形態では、チャネル９３２０内に滑動可能に保定されている重りアッセンブリ９３４０は、ｘ軸の方向には相対的に大きい調節量が可能であり、更にｙ軸の方向にも小からやや大までの調節量を有している。

例えば、チャネル９３２０内に調節可能に配置されている重りアッセンブリ９３４０を有するゴルフクラブヘッド９３０２の幾つかの実施形態では、重りアッセンブリ９３４０は、チャネル９３２０内の重りアッセンブリの場所に依り、約−５０ｍｍから約６５ｍｍの間の起点ｘ軸座標を有していよう。具体的な実施形態では、重りアッセンブリ９３４０は、約−４５ｍｍから約６０ｍｍの間、又は約−４０ｍｍから約５５ｍｍの間、又は約−３５ｍｍから約５０ｍｍの間、又は約−３０ｍｍから約４５ｍｍの間、又は約−２５ｍから約４０ｍｍの間、又は−約２０ｍｍから約３５ｍｍの間、の起点ｘ軸座標を有していてもよい。而して、幾つかの実施形態では、重りアッセンブリ９３４０には、５０ｍｍより大きい最大ｘ軸調節範囲（Ｍａｘ Δｘ）がもたらされ、例えば６０ｍｍより大きい、７０ｍｍより大きい、８０ｍｍより大きい、９０ｍｍより大きい、１００ｍｍより大きい、１１０ｍｍより大きいなど、の最大ｘ軸調節範囲がもたらされる。

他方、チャネル９３２０内に調節可能に配置されている重りアッセンブリ９３４０を有するゴルフクラブヘッド９３０２の幾つかの実施形態では、重りアッセンブリ９３４０は、約２０ｍｍから約６０ｍｍの間の起点ｙ軸座標を有していよう。より具体的には、一部の特定の実施形態では、重りアッセンブリ９３４０は、約２０ｍｍから約５０ｍｍの間、又は約２０ｍｍから約４５ｍｍの間、又は約２５ｍｍから約４５ｍｍの間、又は約２０ｍｍから約４０ｍｍの間、又は約２５ｍから約４０ｍｍの間、又は約２５ｍｍから約３５ｍｍの間、の起点ｙ軸座標を有していてもよい。而して、幾つかの実施形態では、重りアッセンブリ９３４０には、４０ｍｍより小さい最大ｙ軸調節範囲（Ｍａｘ Δｙ）がもたらされ、例えば３０ｍｍより小さい、２０ｍｍより小さい、１０ｍｍより小さい、５ｍｍより小さい、３ｍｍより小さいなど、の最大ｙ軸調節範囲がもたらされる。

幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、重りアッセンブリを起点ｘ方向及び起点ｙ方向に調節できる相対距離に関する制約を有するように構成されていてもよい。その様な制約は、最大ｙ軸調節範囲（Ｍａｘ Δｙ）を最大ｘ軸調節範囲（Ｍａｘ Δｘ）で除算したものと定義されていてもよい。幾つかの実施形態によれば、比（Ｍａｘ Δｙ）／（Ｍａｘ Δｘ）の値は０から約０．８の間である。具体的な実施形態では、比（Ｍａｘ Δｙ）／（Ｍａｘ Δｘ）の値は、０から約０．５の間、又は０から約０．２の間、又は０から約０．１５の間、又は０から約０．１０の間、又は０から約０．０８の間、又は０から約０．０５の間、又は０から約０．０３の間、又は０から約０．０１の間、である。

以上に論じられている様に、幾つかの実施形態では、重りアッセンブリ９３４０の質量は、約５ｇから約２５ｇの間であり、例えば約７ｇから約２０ｇの間や約９ｇから約１５ｇの間などである。幾つかの代わりの実施形態では、重りアッセンブリ９３４０の質量は、約５ｇから約４５ｇの間であり、例えば約９ｇから約３５ｇの間、約９ｇから約３０ｇの間、約９ｇから約２５ｇの間などである。

幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、重りアッセンブリの質量と重りアッセンブリを起点ｘ方向及び／又は起点ｙ方向に調節できる相対距離の積に関する制約を有するように構成されていてもよい。１つのその様な制約は、重りアッセンブリの質量（Ｍ_ＷＡ）を最大ｘ軸調節範囲（Ｍａｘ Δｘ）で乗算したものと定義されよう。幾つかの実施形態によれば、積Ｍ_ＷＡ×（Ｍａｘ Δｘ）の値は、約２５０ｇ・ｍｍから約４９５０ｇ・ｍｍの間である。具体的な実施形態では、Ｍ_ＷＡ×（Ｍａｘ Δｘ）の積の値は、約５００ｇ・ｍｍから約４９５０ｇ・ｍｍの間、又は約１０００ｇ・ｍｍから約４９５０ｇ・ｍｍの間、又は約１５００ｇ・ｍｍから約４９５０ｇ・ｍｍの間、又は約２０００ｇ・ｍｍから約４９５０ｇ・ｍｍの間、又は約２５００ｇ・ｍｍから約４９５０ｇ・ｍｍの間、又は約３０００ｇ・ｍｍから約４９５０ｇ・ｍｍの間、又は約３５００ｇ・ｍｍから約４９５０ｇ・ｍｍの間、又は約４０００ｇ・ｍｍから約４９５０ｇ・ｍｍの間、である。

重りアッセンブリの質量と重りアッセンブリを起点ｘ方向及び／又は起点ｙ方向に調節できる相対距離の積に関する別の制約は、重りアッセンブリの質量（Ｍ_ＷＡ）を最大ｙ軸調節範囲（Ｍａｘ Δｙ）で乗算したものと定義されよう。幾つかの実施形態によれば、積Ｍ_ＷＡ×（Ｍａｘ Δｙ）の値は、約０ｇ・ｍｍから約１８００ｇ・ｍｍの間である。具体的な実施形態では、積Ｍ_ＷＡ×（Ｍａｘ Δｙ）の値は、約０ｇ・ｍｍから約１５００ｇ・ｍｍの間、又は約０ｇ・ｍｍから約１０００ｇ・ｍｍの間、又は約０ｇ・ｍｍから約５００ｇ・ｍｍの間、又は約０ｇ・ｍｍから約２５０ｇ・ｍｍの間、又は約０ｇ・ｍｍから約１５０ｇ・ｍｍの間、又は約０ｇ・ｍｍから約１００ｇ・ｍｍの間、又は約０ｇ・ｍｍから約５０ｇ・ｍｍの間、又は約０ｇ・ｍｍから約２５ｇ・ｍｍの間、である。

以上に指摘されている様に、重りアッセンブリ９３４０を有するゴルフクラブヘッド９３０２の様な、滑動式に再配置可能な重りアッセンブリを有するゴルフクラブヘッドを用いて手に入る１つの利点は、ゴルフクラブの末端使用者に、クラブヘッドのＣＧの位置を再配置可能な重りの位置に関係付けられる位置範囲に亘って調節できる機能が提供されることである。具体的には、本発明には、ここに記載の重りアッセンブリ９３４０の様な重りアッセンブリを含んでいない同等なゴルフクラブに対比して、より低くより前方のクラブヘッド重心を提供することへの隔絶した優位性のあることが判明している。

幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド９３０２は、約−１０ｍｍから約１０ｍｍの間のヘッド起点ｘ軸座標（ＣＧｘ）、例えば約−４ｍｍから約９ｍｍの間、約−３ｍｍから約８ｍｍの間、約−２ｍｍから約５ｍｍの間などのヘッド起点ｘ軸座標（ＣＧｘ）、を有するＣＧを有している。幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド９３０２は、約１５ｍｍより大きく約５０ｍｍより小さいヘッド起点ｙ軸座標（ＣＧｙ）、例えば約２２ｍｍから約４３ｍｍの間、約２４ｍｍから約４０ｍｍの間、約２６ｍｍから約３５ｍｍの間などのヘッド起点ｙ軸座標（ＣＧｙ）、を有するＣＧを有している。幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド９３０２は、約−８ｍｍより大きく約３ｍｍより小さいヘッド起点ｚ軸座標（ＣＧｚ）、例えば約−６ｍｍから約０ｍｍの間など、のヘッド起点ｚ軸座標（ＣＧｚ）、を有するＣＧを有している。幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド９３０２は、０ｍｍより小さいヘッド起点ｚ軸座標（ＣＧｚ）、例えば約−２ｍｍより小さい、−４ｍｍより小さい、−５ｍｍより小さい、−６ｍｍより小さいなどのヘッド起点ｚ軸座標（ＣＧｚ）、を有するＣＧを有している。

ここに説明されている様に、ゴルフクラブヘッド９３０２のチャネル９３２０内で滑動式の重りアッセンブリ９３４０を再配置することによって、クラブヘッドのＣＧの位置が調節される。例えば、チャネル９３２０内に調節可能に配置されている重りアッセンブリ９３４０を有するゴルフクラブヘッド９３０２の幾つかの実施形態では、クラブヘッドには、重りアッセンブリ９３４０の再配置に帰着する、１ｍｍより大きい最大ＣＧｘ調節範囲（Ｍａｘ ΔＣＧｘ）、例えば２ｍｍより大きい、４ｍｍより大きい、６ｍｍより大きい、８ｍｍより大きい、１０ｍｍより大きい、１１ｍｍより大きいなどの最大ＣＧｘ調節範囲（Ｍａｘ ΔＣＧｘ）、がもたらされる。

更に、チャネル９３２０内で調節可能に配置される重りアッセンブリ９３４０を有するゴルフクラブヘッド９３２０の幾つかの実施形態では、クラブヘッドには、６ｍｍより小さいＣＧｙ調節範囲（Ｍａｘ ΔＣＧｙ）、例えば３ｍｍより小さい、１ｍｍより小さい、０．５ｍｍより小さい、０．２５ｍｍより小さい、０．１ｍｍより小さいなど、ＣＧｙ調節範囲（Ｍａｘ ΔＣＧｙ）がもたらされる。

幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、ＣＧを起点ｘ方向及び起点ｙ方向に調節できる相対量に関する制約を有するように構成されていてもよい。その様な制約は、最大ＣＧｙ調節範囲（Ｍａｘ ΔＣＧｙ）を最大ＣＧｘ調節範囲（Ｍａｘ ΔＣＧｘ）で除算したものと定義されよう。幾つかの実施形態によれば、比（Ｍａｘ ΔＣＧｙ）／（Ｍａｘ ΔＣＧｘ）の値は、０から約０．８の間である。具体的な実施形態では、比（Ｍａｘ ΔＣＧｙ）／（Ｍａｘ ΔＣＧｘ）の値は、０から約０．５の間、又は０から約０．２の間、又は０から約０．１５の間、又は０から約０．１０の間、又は０から約０．０８の間、又は０から約０．０５の間、又は０から約０．０３の間、又は０から約０．０１の間、である。

幾つかの実施形態では、ゴルフクラブヘッドは上記制約の１つだけが適用されるように構成されていてもよい。他の実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、上記制約の２つ以上が適用されるように構成されていてもよい。更に他の実施形態では、ゴルフクラブヘッドは、上記制約全てが適用されるように構成されていてもよい。

下表１３は、チャネル９３２０内に保定されている重りアッセンブリ９３４０を有するゴルフクラブヘッド９３０２の１つの特定の実施形態の様々な特性を一覧にまとめている。

加えて、図１０１は、重りアッセンブリが表１３に関連して説明されているクラブヘッド実施形態のチャネル９３２０内で２１通りの別々の位置を通して調節された際のｘ軸及びｚ軸のＣＧの移り変わりを示している。そこに示されている様に、ＣＧｘについての調節範囲は、ヒール付近４．９ｍｍから、中央１．７ｍｍへ、そしてトゥ付近−０．５ｍｍ
へ及び、５．４ｍｍのＭａｘ ΔＣＧｘがもたらされており、それぞれの位置について平均ＣＧステップは０．２７ｍｍとなっている。加えて、ＣＧｚについての調節範囲は、ヒール付近−１．７ｍｍから、中央−２．８ｍｍへ、そしてトゥ付近−２．４ｍｍへ及び、１．１ｍｍのＭａｘ ΔＣＧｚがもたらされ、ＣＧステップは０から０．１６ｍｍである。当該実施形態では、ＣＧｙの調節範囲は２９．３ｍｍから２９．４ｍｍであり、０．１ｍｍのＭａｘ ΔＣＧｙがもたらされている。

以上、本発明を代表的な実施形態に関連付けて説明してきたが、本発明はそれらの実施形態に限定されないものと理解頂きたい。それどころか、本発明は、付随の特許請求の範囲に定義されている本発明の範囲に入る全ての修正、代替、及び等価物を包含するものとする。

１０ ライ角
２０ スクエアロフト
３０ フェース角
５０ シャフト
６０ ホーゼル長手方向軸
６４、６６、６８ シャフト長手方向軸
７０ 競技面
７２ ホーゼルロフト角
８０ 接地ロフト
９０ シャフト下端部分
１００ シャフトスリーブ
１１０ スリーブ中間部分
１２０ スリーブ上側部分
１３０ 上環状スラスト面
１４０ 下環状スラスト面
１５０ スリーブ下側部分
１６０ キー溝外面
１９２ スリーブ上側開口部
１９４ 環状面
１９６ スリーブ下側開口部
２００ ホーゼル挿入部
２３０ 上縁部
２４０ 内スプライン
２５０ 挿入部の内面
２６０ 側壁
２７０ 内面
３００ クラブヘッド
３１０ センターフェース又は打球面
３１２ 理想インパクト位置
３２０ スコアライン
３３０ ホーゼル
３４０ ホーゼル開口部
３５０ ホーゼル側壁
３５０ ソール
３６０ フランジ
３７０ 通路
３８０ フランジ上面
３９０ フランジ下面
３９５ ホーゼル上面
４００ ねじ
４１０ ねじ頭部
４２０ ねじ頭部面
４３０ ねじ部
５００ 外スプライン
５１０ 縁部
５２０ 下角部
５５０ 外面
５６０ 側壁
６００ クラブヘッド
６１０ 上フランジ
６２０ 下フランジ
６３０ ねじ
７００ クラブヘッド
７１０ ホーゼル開口部
７２０ ホーゼル環状面
７３０ クラブの上環状面
７４０ 第１ホーゼル面
７５０ 第２ホーゼル面
７８０ オフセット角
８００ シャフト
９００ シャフトスリーブ
９１０ シャフトスリーブ中間部
９２０ シャフトスリーブ上側部分
９３０ シャフトスリーブの上環状面
９４０ シャフトスリーブの下環状面
９５０ シャフトスリーブ下側部分
９６０ シャフトスリーブ下側部分の外面
９８０ 底面
９９４ 開口部
９９６ 底部
９９８ 上側部分
１０００ ホーゼルスリーブ
１０１０ ホーゼルスリーブ状面
１０１０ ホーゼルスリーブの上面
１０２０ ホーゼルスリーブ上側部分
１０４０ 長手方向開口部
１０５０ ホーゼルスリーブ外面
１０６０ ホーゼルスリーブ環状面
１０９０ ホーゼルスリーブ外面
１０９６ ホーゼルスリーブ内面
１１００ ホーゼル挿入部
１１１０ ホーゼル環状面
１１２０ ホーゼル挿入部底面
１１４０ ホーゼルスリーブ内面
１２００ ワッシャ
１２１０ 上面
１２２０ 底面（傾斜面）
１２２５ 内周縁
１２４０ 内面
１３００ ねじ
１３１０ 雄ねじ部
１３２０ 支承面（傾斜面）
１３３０ 頭部
１３４０ 軸部
１４００ スプライン
１４１０ 底縁部
１４２０ 側壁
１４２２ 底角部
１４５０ 外面
１５００ 外スプライン
１５２０ 側壁
１５３０ 外面
１５４０ 縁部
１６００ スプライン
１６２０ 側壁
１６３０ 内面
１６５０ 内面
１７００ 内スプライン
１７１０ 内面
１７２０ 側壁
１７３０ 上縁部
２０００ クラブヘッド
２００２ クラブヘッド本体
２００４ 打球面
２００６ 後方端部
２００８ ホーゼル
２０１０ ソール
２０１２ 前方端部分
２０１４ 後方端部分
２０１６ 調節ねじ
２０１８ ソール角
２０２０ ピボットピン
２０２２ クラブヘッドの底部
３０００ クラブヘッド
３００２ ホーゼル
３００４ ホーゼル開口部
３００６ シャフトスリーブ
３００８ シャフト
３０１２ 環状肩部
３０１４ 開口部
３０１６ シャフトスリーブ上側部分
３０１８ 上側開口部
３０２０ シャフトスリーブ下側部分
３０２２ オフセット角
３０２４ 間隙
３０２６ 傾斜面部分
３０３０ 環状支承面
３０３２ ホーゼル上面
３０３４ 開口部
３０３６ Ｏリング又はワッシャ
３０５０ クラブヘッド
３０５２ ホーゼル
３０５４ ホーゼル開口部
３０５６ シャフトスリーブ
３０５８ シャフトスリーブ下側部分
３０６０ シャフトスリーブ中間部分
３０６２ シャフトスリーブ上側頭部分
３０６４ シャフトスリーブ内径部
４０００ クラブヘッドラブヘッド
４００２ クラブヘッド本体
４００２ 打球面
４００６ 後方端部
４００８ ホーゼル
４０１０ ソール部
４０１２ 下面
４０１４ 陥凹部
４０１６ ねじ
４０１８ 第１縁部
４０２０ 第２縁部
４０２２ 底部（凹面）
４０２４ 先導縁面（陥凹面）
４０２６ シム
４０２８ ワッシャ
６３００ ゴルフクラブヘッド
６３０２、６４０８ トゥ重り
６３０４、６４１０ 後部重り
６３０６、６４１２ ヒール重り
６３１０ ねじ
６３１２、６４０２ トゥ（重り）ポート
６３１４、６４０４、 後部（重り）ポート
６３１６、６４０６ ヒール（重り）ポート
６３１８ ホーゼル開口部
６４１４、６４１６ リブ
６４１８ スリーブアッセンブリ
６４２２ ホーゼル陥凹壁
６４２４ ソール
６４２６ クラウン
６４２８ ホーゼル外径
６５００ フェースプレート
６５０１ 理想インパクト位置
６５０２ 略円形突出部
６５０４ フェースプレート中間部分
６５０６ フェースプレート内側部分
６５０８ フェースプレート外側部分
６５１０ 起点ｚ軸
６５１２ 起点ｘ軸
６５１４ 起点ｙ軸
６６００ トルクレンチ
６６０２ グリップ
６６０４ 中間領域
６６０６ シャンク
６６１０ 係合端又は先端
６７００ ゴルフクラブヘッド
６７０２ クラウン部分
６７０４ トゥ領域
６７０６ ヒール領域
６７０８ スリーブ
６７１０ フェース挿入部
６７１２ スコアライン
６７１４ 前開口部内壁
６７１６ 前部分
６７１８ 後部分
６７２０ ソール部分
６７２２ 複合挿入体
６７２４ 金属キャップ
６７２６ 挿入部用耳部
６７２８ 締結部材
６７３０ ヒール開口部
６７３２ リム部分
６７３４ 複合挿入体の側壁
６７３６ ソールプレートリブ
６７３８ クラウン内部面リブ
６７４０ 前開口部外壁
６７４２ ホーゼル開口部内部壁
６８０６ ヒール領域
６８０８ スリーブ
６８１０ フェース挿入部
６８１４ 前開口部壁
６８１６ 前領域
６８１８ 後領域
６８２２ 複合フェース挿入体
６８２４ 前カバー
６８２６ 挿入部用耳部
６８２８ ホーゼル開口部
８０００ ゴルフクラブヘッド
８００２ クラブヘッド本体
８００４ 前方打球面
８００５ ヒール
８００６ 後方端部
８００７ トゥ
８００８ ホーゼル
８００９ スリーブ
８０１０ 調節可能なソール部分
８０１２ 底壁
８０１４ 陥凹キャビティ
８０１６ ねじ頭部
８０１７ ねじ頭部の上面
８０１８ 第１角部
８０１９ 第２角部
８０２０ 第３角部
８０２１ クラウン
８０２２ ソール
８０２４ 先導縁面部分
８０３０ ねじ穴
８０３４ 外リム
８０４０ 円形壁
８０４１ 円形壁の各部分
８０４４ リブ
８０５０ キャビティ側壁
８０５２ キャビティ上面
８０５４ 隆起したプラットホーム又は突起
８０５６ 中心柱
８０５８ 張り出し突起又は耳部
８０６０ ねじ穴
９０００ ゴルフクラブヘッド
９００２ 中空本体
９００４ 前部分
９００６ 後部分
９００８ トゥ部分
９０１０ ヒール部分
９０１２ ホーゼル
９０１３ ホーゼルの下側部分又は基底部分
９０１４ クラウン
９０１６ ソール
９０１８ フェースプレート
９０２０ シャフト接続システム
９０２２ スリーブ
９０２４ フェルール
９０２６ トゥ重りポート
９０２８ 調節可能なトゥ重り
９０３０ ヒール重りポート
９０３２ 調節可能なヒール重り
９０３４ ソールポート又はポケット
９０３６ 調節可能なソール部片
９０４０ 主ソール部分
９０４１ 接触ゾーン、接触面
９０４２ 陥凹ソール領域
９０４４ 移行ゾーン
９０４６ 環状側壁
９０４８ 上壁
９０５２ 開口
９０５４ ホーゼル周辺領域
９０５６ 中央の円盤状領域
９０５８ 円筒壁
９０６０ 第１リブ
９０６１ 追加のリブ部分
９０６２ 第２リブ
９０６３ 追加のリブ部分
９０６４ 第３リブ
９０６６ 第４リブ
９０６８ 第５リブ
９０６９ 追加のリブ部分
９０７０ 第６リブ
９０７２ プラットホーム
９０７４ リッジ
９０７６ ガスケット
９０７８ 締結具
９０８０ ソール部片
９０８２ 下壁
９０８４ 環状リム
９０８６ 中央開口
９０８８ 段状壁
９０９０ リブ
９０９２ マーカー
９１００ ソール部片
９１０２ 下壁
９１０４ 環状リム
９１０６ 中央開口
９１０８ 段状壁
９３００ ゴルフクラブヘッド
９３０２ 中空本体
９３０４ 前部分
９３０６ 後部分
９３０８ トゥ部分
９３１０ ヒール部分
９３１２ ホーゼル
９３１４ クラウン
９３１６ ソール
９３１８ フェースプレート
９３２０ チャネル
９３２２ チャネルのヒール端
９３２４ チャネルのトゥ端
９３２６ 前チャネル壁
９３２７ 後チャネル壁
９３２８ 底チャネル壁
９３３０ 前棚部
９３３２ 後棚部
９３３４ ロック用突起
９３３６ 装着キャビティ
９３３８ スロット
９３４０ 重りアッセンブリ
９３４２ ワッシャ
９３４４ 塊体部材
９３４６ 締結用ボルト
９３４７ ボルトの拡大遠位端
９３４８、９３４８’ ロック用ノッチ
９３５０ ワッシャの内向面
９３５２ ワッシャの外向面
９３５２ 内向面の中央リッジ（図９７Ｂ）
９３５３ ワッシャの中央開口
９３５５ 座ぐり
９３５６ 内向面
９３５８ 外向面
９３６０ 中央リッジ
９３６１ 塊体部材の中央開口
９３６２ 座ぐり
９３７０ 通路
９３７２ キャップ
９３７４ キャップねじ
９３７６ キャップねじの軸部分
９３７８ キャップねじの上面
９３８０ リブ
９３８２ ブリッジ
９３８４ 陥凹領域
９９２０ スリーブ
９９２２ ワッシャ
９９２４ ホーゼル挿入部
９９２６ ねじ
Ａ 長手方向軸
Ｂ 長手方向軸
Ｄ 直径
Ｄ 距離
Ｒ 半径
Ｓ スプライン間隔
Ｓ_ｓｓ 打球面曲線
Ｗ 幅
Ｈ 高さ

Claims (20)

1. ゴルフクラブヘッドにおいて、
   フェースとクラウンとソールを有していてそれらが一体で内部キャビティを画定している本体であって、
   前記本体は、前記ソールに設置されていて概ね当該本体のヒール端から当該本体のトゥ端へ延びているチャネル、を有しており、ここに、前記フェースの中心と交わる第１の垂直面と前記チャネルを二分する第２の垂直面の間の距離は、前記チャネルの全長に亘って約５０ｍｍより小さい、本体と、
   前記チャネル内に可動式に配置されている少なくとも１つの重り部材であって、前記チャネル内の少なくとも１つの重り部材の位置は調節できる、少なくとも１つの重り部材と、を備えているゴルフクラブヘッド。
2. 前記第１の垂直面と前記第２の垂直面の間の前記距離は、前記チャネルの全長に亘って約４０ｍｍより小さい、請求項１に記載のゴルフクラブヘッド。
3. 前記第１の垂直面と前記第２の垂直面の間の前記距離は、前記チャネルの全長に亘って約３０ｍｍより小さい、請求項１に記載のゴルフクラブヘッド。
4. 前記チャネル内を前記本体の前記ヒール端から前記本体の前記トゥ端へ延びる少なくとも１つの棚部であって、当該棚部の露出している面に設置されている複数のロック用突起を含んでいる、少なくとも１つの棚部を更に備えている、請求項１に記載のゴルフクラブヘッド。
5. 前記少なくとも１つの重り部材は、
   前記チャネル内に前記少なくとも１つの棚部に接触して保定されている外部材と、
   前記チャネル内に保定されている内部材と、
   前記外部材を前記内部材へ接続しているする締結用ボルトと、を備えている、請求項１に記載のゴルフクラブヘッド。
6. 前記外部材は、前記少なくとも１つの棚部の前記露出している面に設置されている前記ロック用突起に選択式に係合するように適合されている複数のロック用ノッチを含んでいる、請求項５に記載のゴルフクラブヘッド。
7. 前記外部材は、概ね前記チャネルのヒール−トゥ方向に延びる長さＬを有しており、前記ロック用突起のそれぞれ隣り合う対は、前記少なくとも１つの棚部に沿って距離Ｄ１だけ離隔されており、ここにＬ＞Ｄ１である、請求項６に記載のゴルフクラブヘッド。
8. 回転式に調節可能なソール部片であって、当該ソール部片を通って延びる中心軸に関して複数の回転位置の１つの位置で前記ソールへ固定されるように構成されていて、前記回転位置のそれぞれの位置では前記ソールから異なった軸方向距離を延びている、ソール部片を更に備えている、請求項１に記載のゴルフクラブヘッド。
9. 前記ソール部片を前記回転位置の異なったそれぞれの位置に調節すると、前記ゴルフクラブヘッドがアドレス位置にあるときの当該ゴルフクラブヘッドの前記フェース角が当該ゴルクラブヘッドのロフト角と独立に変化する、請求項８に記載のゴルフクラブヘッド。
10. 前記ソール部片を前記ソール側で前記回転位置の選択された１つの位置にロックするように構成されている解放可能なロック機構を更に備えている、請求項８に記載のゴルフクラブヘッド。
11. 前記ロック機構は、前記ソール部片を通って前記クラブヘッド本体の前記ソールのねじの切られた開口部の中へ延びるように適合されているねじを備えている、請求項１０に記載のゴルフクラブヘッド。
12. 前記ソール部片は、当該ソール部片がそれぞれの回転位置にあるとき前記底面が前記ソールの先導側接触面のヒール−トゥ曲率に実質的に一致するヒール−トゥ曲率を有するような凸状底面を有している、請求項８に記載のゴルフクラブヘッド。
13. ゴルフクラブヘッドにおいて、
    フェースとクラウンとソールを有していてそれらが一体で内部キャビティを画定している本体であって、
    前記本体は、前記ソールに設置されていて概ね当該本体のヒール端から当該本体のトゥ端へ延びているチャネル、を有している、本体と、
    前記チャネル内に、当該チャンネル内での位置が調節できるように可動式に配置されている重り部材と、を備えており、
    前記フェースは、座標系の起点を画定している中心フェース位置を含んでおり、当該座標系では、前記本体が通常のアドレス位置にあるとき、ｘ軸は前記中心フェース位置における前記フェースに対する接線方向であって接地面に平行であり、ｙ軸は前記ｘ軸に垂直に延び更に前記接地面に平行であり、ｚ軸は前記接地面に垂直に延びており、ここに正のｘ軸は前記起点から前記ヒール部分の方へ延び、正のｙ軸は前記起点から後方へ延び、正のｚ軸は前記起点から上方へ延びており、
    前記重り部材の最大ｘ軸位置調節範囲（Ｍａｘ Δｘ）は５０ｍｍより大きく、前記重り部材の最大ｙ軸位置調節範囲（Ｍａｘ Δｙ）は４０ｍｍより小さい、ゴルフクラブヘッド。
14. 前記重り部材は、質量（Ｍ_ＷＡ）を有しており、積Ｍ_ＷＡ＊Ｍａｘ Δｘは、少なくとも２５０ｇ・ｍｍである、請求項１３に記載のゴルフクラブヘッド。
15. 前記重り部材は、質量（Ｍ_ＷＡ）を有しており、積Ｍ_ＷＡ＊Ｍａｘ Δｘは、約２５０ｇ・ｍｍから約４９５０ｇ・ｍｍの間である、請求項１３に記載のゴルフクラブヘッド。
16. 積Ｍ_ＷＡ＊Ｍａｘ Δｙは、１８００ｇ・ｍｍより小さい、請求項１４に記載のゴルフクラブヘッド。
17. 積Ｍ_ＷＡ＊Ｍａｘ Δｙは、約０ｇ・ｍｍから約１８００ｇ・ｍｍの間である、請求項１４に記載のゴルフクラブヘッド。
18. 前記本体の重心は、約０ｍｍより小さいｚ軸座標（ＣＧｚ）を有している、請求項１３に記載のゴルフクラブヘッド。
19. ゴルフクラブヘッドにおいて、
    フェースとクラウンとソールを有していてそれらが一体で内部キャビティを画定している本体であって、
    前記本体は、前記ソールに設置されていて概ね当該本体のヒール端から当該本体のトゥ端へ延びているチャネル、を有している、本体と、
    前記チャネル内に、当該チャンネル内での位置が調節できるように可動式に配置されていて、それにより前記本体の重心位置を調節できる重り部材と、を備えており、
    前記フェースは、座標系の起点を画定している中心フェース位置を含んでおり、当該座標系では、前記本体が通常のアドレス位置にあるとき、ｘ軸は前記中心フェース位置にお
    ける前記フェースに対する接線方向であって接地面に平行であり、ｙ軸は前記ｘ軸に垂直に延び更に前記接地面に平行であり、ｚ軸は前記接地面に垂直に延びており、ここに正のｘ軸は前記起点から前記ヒール部分の方へ延び、正のｙ軸は前記起点から後方へ延び、正のｚ軸は前記起点から上方へ延びており、
    前記重り部材の調節は、２ｍｍより大きい最大ｘ軸重心位置調節範囲（Ｍａｘ ΔＣＧｘ）と３ｍｍより小さい最大ｙ軸重心位置調節範囲（Ｍａｘ ΔＣＧｙ）をもたらす、ゴルフクラブヘッド。
20. 前記本体の重心は、約０ｍｍより小さいｚ軸座標（ＣＧz）を有している、請求項１９
    に記載のゴルフクラブヘッド。

Images