JP2016063925A - 感震式物品落下防止装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ストッパー部材に対して高い移動力を付与できるとともに、地震等の揺れに対して高い感度で迅速且つ確実に作動できるようにした感震式物品落下防止装置を提供すること。【解決手段】棚段5の上下方向の少なくとも棚段5上の物品15の出し入れに影響しない下方位置と棚段5上の物品15の落下を阻止できる上方位置との間において昇降可能に設けられたストッパー部材6と、ストッパー部材6を上方位置側に付勢する付勢手段10と、棚2の揺れに反応して作動する感震作動手段30と、ストッパー部材6における上方位置への移動力を規制するとともに、この規制の解除を可能とする規制部20と、を有し、規制部20は、付勢手段10によりストッパー部材6に与えられた移動力のベクトルXに対しては固定的に規制するとともに、ストッパー部材6に与えられた移動力のベクトルXに対して異なる方向から加わる感震作動手段30の力によって屈曲または屈折するようになっている。【選択図】図3

Description

本発明は、例えば書棚等の物品収納棚の棚段に載置した書籍などの物品が、地震等の振動により落下するのを防止し得るようにした感震式物品落下防止装置に関する。
従来の感震式物品落下防止装置としては、例えば特許文献1に開示されているように、棚間口面に沿って水平に延在する水平部材(横杆部)と、水平部材を上方に付勢する付勢手段と、この付勢手段に抗して摩擦により係合支持する係合支持部と、振り子などの感震作動手段を備え、感震作動手段が振動を感知した際、感振作動手段が作動することにより係合支持部の係合が解かれた水平部材を付勢手段の付勢力により物品の落下を防止できる所定位置に移動させ、棚段に載置した物品の落下を防止し得るようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許第2826811号公報(第3頁、第5図)
特許文献1に記載されている感震式物品落下防止装置は、感震時に付勢手段としての巻バネの形状復帰を阻止している係合支持部の係合を解き、付勢手段である巻バネにより水平部材を上方に移動させて、棚段に載置した物品の落下を防止するものである。
しかしながら、このような感震式物品落下防止装置にあって、地震等の揺れに迅速かつ確実な水平部材の所定位置への移動を実現するには、スプリング力を高める必要があり、そのため係合支持部の係合力(抗力)が高まり、係合支持部の係合を解除できない虞がある。このような強い抗力を生じせしめる摩擦係合力を確実に解くには感震作動手段である振り子を重くすればよいが、この場合には、感震作動手段が大型化してしまう。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、ストッパー部材に対して高い移動力を付与できるとともに、地震等の揺れに対して高い感度で迅速且つ確実に作動できるようにした感震式物品落下防止装置を提供することを目的としている。
前記課題を解決するために、本発明の感震式物品落下防止装置は、
棚段の上下方向の少なくとも棚段上の物品の出し入れに影響しない下方位置と前記棚段上の物品の落下を阻止できる上方位置との間において昇降可能に設けられたストッパー部材と、前記ストッパー部材を前記上方位置側に付勢する付勢手段と、揺れに反応して作動する感震作動手段と、前記ストッパー部材における前記上方位置への移動力を規制するとともに、この規制の解除を可能とする規制部と、を有し、
前記規制部は、前記付勢手段により前記ストッパー部材に与えられた移動力のベクトルに対しては固定的に規制するとともに、前記ストッパー部材に与えられた移動力のベクトルに対して異なる方向から加わる前記感震作動手段の力によって屈曲または屈折するようになっていることを特徴としている。
この特徴によれば、付勢手段によりストッパー部材に与えられた移動力のベクトルに対して異なる方向から加わる感震作動手段の力により規制部が屈曲または屈折されることで、規制部がストッパー部材に与えられた移動力のベクトルが異なる方向に分断される構造であるため、ストッパー部材の移動力の規制が高い感度で確実に解除されるとともに、高い付勢力を付与する付勢手段を用いて、ストッパー部材を上方位置まで迅速に移動させることができる。
前記規制部は、一端側が上方位置側に支持され、他端側が前記ストッパー部材の移動力を受けるように配置された巻バネからなることを特徴としている。
この特徴によれば、巻バネは、筒状を呈することから、巻バネの他端側で受けるストッパー部材の上方位置への移動力を広い筒断面で安定して支持できるとともに、この移動力のベクトルに対して異なる方向から加わる力に対しては屈曲し易く、感震作動手段の力によるストッパー部材の移動力の規制を容易に解除できる。さらに屈曲した状態において復元力を有する巻バネを用いるとリセット時の操作が容易となる。
前記巻バネは、該巻バネを構成する線材同士が上下方向に当接した状態で前記ストッパー部材に与えられた移動力を固定的に規制していることを特徴としている。
この特徴によれば、圧縮コイルバネまたは引張コイルバネである巻バネの線材同士が上下方向に当接していることから、巻バネの他端側で受けるストッパー部材の上方位置への移動力を安定して規制できる。
前記ストッパー部材は、枢軸により軸支されて棚段の前方側で上下方向に回動するようになっており、前記巻バネは、前記他端側が前記枢軸と略水平に近い位置で前記ストッパー部材に接続されているとともに、略垂直に配置された状態で前記ストッパー部材における移動力を固定的に規制していることを特徴としている。
この特徴によれば、ストッパー部材の移動力を規制した状態において、巻バネの他端側が枢軸と略水平に近い位置でストッパー部材に接続されていることからストッパー部材の移動力のベクトルが略垂直にかかるようになるため、感震作動手段の力以外の外力によりストッパー部材に移動力が働いても、巻バネの他端側の位置の前後方向のずれが小さくなり、ストッパー部材の移動力が略垂直状態の巻バネにより安定して規制されることとなる。そのため、軽微な揺れなどによりストッパー部材の移動力の規制が誤って解除されることを防止できる。
前記巻バネは、引きバネであり、前記感振作動手段の力によって棚段の後方に向けて突出するように屈曲することを特徴としている。
この特徴によれば、巻バネが棚段の後方に向けて突出するように屈曲することにより、その引張力がストッパー部材の回動を加勢するように作用するため、ストッパー部材の回動が確実に遂行される。
前記付勢手段がバネであることを特徴としている。
この特徴によれば、ストッパー部材の移動力のベクトルが規制部に対して最適となるように選択的に設定できるとともに、ストッパー部材に与える付勢力の調整を容易に行うことができる。
実施例における感震式物品落下防止装置を備える物品収納棚の正面図である。 感震式物品落下防止装置の斜視図である。 感震式物品落下防止装置の作動待機状態を示す破断拡大側面図である。 感震式物品落下防止装置の作動待機状態を示す拡大正面図である。 (a)は、感震作動手段が規制部に当接した様子を示す破断拡大側面図であり、(b)は、横杆部が所定位置への回動を開始した状態を示す破断拡大側面図である。 横杆部が所定位置への回動を完了した状態を示す破断拡大側面図である。 感震式物品落下防止装置を作動待機状態に復帰させる図であり、(a)は、横杆部を上方へ押し上げた状態を示す図であり、(b)は横杆部を離し作動待機状態に復帰した状態を示す図である。
本発明に係る感震式物品落下防止装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
実施例に係る感震式物品落下防止装置につき、図1から図7を参照して説明する。図1に示される本発明の感震式物品落下防止装置(以下、落下防止装置という)1を装着した物品収納棚2は、左右方向に離間する側板3,3と、各側板3,3の上端部の対向面同士を連結している天板4,4と、各側板3,3の互いに対向し合う側面に支持された上下複数段の棚板5と、から成っており、各段の棚板5の上面に書籍15が複数載置されている。
各側板3の前面には、係止孔3a,3a,…が複数形成されている。また、各棚板5は、後端にフックを有するブラケット(図示せず)に固定されており、当該ブラケットのフックを係止孔3a,3a,…に係合させることで側板3,3,3の前面に片持ち状態で支持されている。また、後述する落下防止装置1の一部を構成する支持体7,7は、各段の棚板5上面の両端に取付けられている。尚、本実施例における支持体7,7は、各段の棚板5上面に図示しないボルトなどにより固定される態様について説明したが、例えば、支持体7,7の後端部にフックを形成し、側板3の前面の係止孔3a,3a,…に前記フックを係止して取り付けられてもよい。更に尚、本実施例において落下防止装置1は、書棚に取付けられる態様で説明するが、これに限らず例えば商品を陳列するための什器等に取付けて利用されてもよい。以下、物品収納棚2の正面視を基準に上下、左右及び前後方向として説明する。
図2及び図3に示すように、落下防止装置1は、側面視略矩形をなす左右1対の支持体7,7と、ストッパー部材6と、付勢手段としての引張コイルばね10,10と、を備えており、ストッパー部材6は、両支持体7,7の内部より前端部が突出する左右1対のアーム部8,8と、金属板等から成る両アーム部8,8の前端部の対向面に左右両端が固着された金属パイプ等から成る横杆部9と、から構成されている。
左右の各支持体7は、平板状の外側板7Aと、それとほぼ同じ大きさで対向する内側板7Bとを備え、内側板7Bは、外側板7Aに向けて突設する複数のボス軸12,12,…を備えている。このボス軸12,12,…の先端に外側板7Aの対向面を当接させ、外側板7Aの外側から複数の皿ねじ13,13,…を各ボス軸12に設けた雌ねじ孔(図示せず)に螺合することにより、外側板7Aと内側板7Bとが連結されている。外側板7Aと内側板7Bとの対向面間には、各ボス軸12がスペーサとして機能することにより所要の空間が形成されている。
図3に示されるように、支持体7,7の内部には、横杆部9を昇降させるための各種の部材が組み込まれている。尚、以下の説明においては、図2における正面視画面右下側の支持体7の構造を説明し、他方の支持体7の説明を省略する。
図3及び図4に示すように、上述したアーム部8は、支持体7における上下方向中央よりやや下方側に配置されているとともに、アーム部8の後端側下部が内側板7Bに固定的に設けられた枢軸16に挿通されて軸支されている。これにより、アーム部8は、枢軸16を支点として上下方向に回動し得るようになっており、このアーム部8の回動に伴い横杆部9が棚板5の前方で上下に昇降可能になっている。
また、引張コイルばね10は、一端のフックがアーム部8における枢軸16よりも上側に設けられた貫通孔17に回動可能に係止されており、他端のフックが支持体7の内側板7Bにおける枢軸16よりも前後方向後端側に設けられた固定ピン孔18に係止されている。この引張コイルばね10の弾性復元力によりアーム部8に回動トルクが働くこととなり、横杆部9には常に上方位置に移動するように移動力が作用している。
内側板7Bには、アーム部8を軸支する枢軸16よりも上方側に略L字状の屈曲片14が固定されており、この屈曲片14とアーム部8における外側板7A側の略中央に設けられた略L字状のアーム部屈曲片19とに架けて規制部としての巻バネ20が配置されている。巻バネ20の上端は、屈曲片14の下面14aの略中央にボルト22により固定されており、下端はアーム部屈曲片19の上面19aの略中央にボルト22により固定されている。尚、本実施例の巻バネ20は、引張方向に力が働く引張コイルバネで構成されている。
また、図3及び図4に示されるように、ストッパー部材6の横杆部9が、棚板5の書籍15の出し入れに影響しない下方位置に配置された状態にあっては、アーム部8の回動トルクが巻バネ20にかかることにより横杆部9の上方位置への移動力を規制している。尚、下方位置とは、ストッパー部材6が実質的に棚板5上の書籍15の出し入れを阻害しない領域の中の任意の下方位置(1つの地点)を指し、上方位置とは、ストッパー部材6が実質的に棚板5上の書籍15の落下を阻止できる領域の中の任意の上方位置(1つの地点)を指す。
詳しくは、アーム部8のアーム部屈曲片19は、巻バネ20に対するストッパー部材6の上方位置への移動力の作用点となっており、このストッパー部材6の移動力の作用点(アーム部屈曲片19)は、横杆部9が下方位置に配置された状態において、枢軸16に対して略水平となる位置に配置されている。これによれば、ストッパー部材6の移動力の作用点(アーム部屈曲片19)は、その回動軌道において略垂直方向に移動する部分となっている。さらにこのときには、屈曲片14の下面14aとアーム部屈曲片19の上面19aとが略平行となるように上下垂直方向に重なっており、巻バネ20が略垂直状態で配置されている。これにより、巻バネ20はその軸方向に圧縮され、軸方向に作用する力を受ける状態となり、ストッパー部材6の上方位置への移動力(移動力のベクトルX)が略垂直を向く巻バネ20を介して屈曲片14に略垂直にかかることとなる。そのため、巻バネ20は、屈曲片14とアーム部屈曲片19との間に略垂直状態を保ったまま固定的に配置された状態で、ストッパー部材6の上方位置への移動力をバランスよく規制している。尚、図3等においては、バネであることを理解しやすくするため、巻バネ20の上下の線材に隙間があるように示しているが、実際に圧縮された状態では、上下の線材同士が接触している。
さらに、巻バネ20を形成する線材同士が自然状態及び下方位置に配置された状態において上下方向に当接して隙間の無い筒状を構成することから、巻バネ20のアーム部8のアーム部屈曲片19側で受けるストッパー部材6の上方位置への移動力(移動力のベクトルX)を広い筒断面で安定して規制できるようになっている。
また、前記巻バネ20の前方側には、感震作動手段である振り子部材30が揺動軸33により内側板7Bに対して軸支されている。振り子部材30は、棒状体31と、その下方端に固定されたウエイト32とからなる板状体であり、この棒状体31の上方部の揺動軸33を支点としてウエイト32が前後方向Yに揺動し得るとともに、平常時は自重により垂下するようになっている。また、振り子部材30はアーム部屈曲片19により固定された巻バネ20と前後方向略同一直面上にあり、アーム部8と振り子部材30とは左右方向にずれている。そのため、ストッパー部材6の横杆部9が上方位置側に移動される際において、アーム部8の回動が振り子部材30に干渉することがない。
次に、上記実施例の落下防止装置1の作用及び使用方法について図5及び図6を用いて説明する。図5に示されるように、地震等が発生し、物品収納棚2が前後方向に振動した場合には、ウエイト32が前後方向Yに揺動され、ウエイト32が巻バネ20の前方に衝突するようになる。このウエイト32の衝突により巻バネ20の一部が屈曲変形し、ストッパー部材6に与えられた移動力のベクトルXが異なる方向にそれぞれ分断され、巻バネ20によるストッパー部材6の移動力の規制が解除される。
図6に示されるように、巻バネ20による規制が解除されたストッパー部材6は、引張コイルばね10の付勢力により枢軸16を支点として回動し、これに伴いストッパー部材6の横杆部9が上方位置に上昇移動される。このように、ストッパー部材6の横杆部9が上方位置に配置されることにより、棚板5の書籍15の落下が阻止される。
上述したように、落下防止装置1は、巻バネ20が、ストッパー部材6に与えられた上方位置への移動力のベクトルXに対して異なる前後方向Yから加わる振り子部材30の衝突によって、ストッパー部材6に与えられた移動力のベクトルXが異なる方向に分断される構造であるため、ストッパー部材6の移動力の規制を高い感度で確実に解除させることができる。このように、巻バネ20は、引張コイルばね10のスプリング力(付勢力)に関わらず、振り子部材30の衝突力によってストッパー部材6の移動力の規制が解除されるため、高いスプリング力を有した引張コイルばね10を用いて、横杆部9を上方位置まで迅速に移動させることが可能となる。
引張コイルばね10のスプリング力(付勢力)に関わらずという事項について、より正確に説明する。引張コイルばね10を張力の大きなものに代えてストッパー部材6を迅速に移動させるようにすることにより、巻バネ20に作用する圧縮力は引張コイルばね10の張力に比例して大きくなるが、上述のように巻バネ20に作用する移動力のベクトルXが異なる前後方向Yに分断される構造であることから、この分断に要する力の増分は、その巻バネ20に作用する圧縮力の増分に比べて極めて小さい割合である。そのため、引張コイルばね10のスプリング力にほとんど影響されずにストッパー部材6の移動力の規制解除が可能となるという意味である。
さらに、巻バネ20は、線材から成り、ストッパー部材6の移動力のベクトルXに対して異なる前後方向Yから加わる振り子部材30の衝突力に対して屈曲し易くなっているため、振り子部材30を薄型かつ小型化しても高い落下防止効果を期待できる。
また、巻バネ20は、アーム部8の回動トルクを受けている状態、すなわち巻バネ20を形成する線材が螺旋状に重ねられた状態で、引張コイルばね10の付勢力によるストッパー部材6の移動力(移動力のベクトルX)を線材の各巻きを介して屈曲片14まで伝達させ規制するようになっているため、太い径の線材で形成された巻バネ20を利用せずともストッパー部材6の移動力(移動力のベクトルX)を安定的に支持できる。したがって、小さい径の線材で形成された巻バネ20を利用して、ストッパー部材6の移動力の規制を更に高い感度で解除することができるばかりか、巻バネ20の製造コストを抑えることができる。
また、前述のように、ストッパー部材6の移動力を規制した状態においては、ストッパー部材6の移動力のベクトルXが略垂直方向に作用していることから、振り子部材30の衝突力以外の外力(軽微な振動など)によりストッパー部材6が上昇移動しても、ストッパー部材6の移動力の作用点(アーム部屈曲片19)の位置の前後方向のずれが小さい。そのため、巻バネ20の略垂直な配置状態が保たれ、ストッパー部材6の移動力の規制が誤って解除されることを防止できる。
また、ストッパー部材6に対する引張コイルばね10の取付け位置や取付け角度を変更することで、ストッパー部材6に与える付勢力を変化させることができるため、ストッパー部材6の移動力のベクトルXが巻バネ20の屈曲強度に対して最適となるように選択的に適宜設定できる。尚、ストッパー部材6の移動力の規制及びその解除に最適な状態となるように、引張コイルばね10の付勢力と巻バネ20の屈曲強度とを相互に調整しても構わない。
図6に示されるように、支持体7における前方上側のボス軸12には、上方向に回動するアーム部8が当接することにより、横杆部9が書籍15の下端よりも高い所定の高さで確実に安定し、地震などの揺れによる書籍15の前方方向への飛び出しを防止した状態を保持できる。すなわち、このボス軸12は、横杆部9の作動後の所定位置(高さ等)を調整する位置調整手段として機能している。尚、位置調整手段は、ボス軸12に限られず、支持体7に対して着脱可能なビス等であっても構わない。
また、図5(b)及び図6に示されるように、ウエイト32が巻バネ20の前方に衝突することにより、巻バネ20の屈曲部が後方側に向けて突出するようになる。更に、横杆部9が上方位置に近づくにつれてアーム部屈曲片19の上面19aが後方側に傾斜しながら後方側に移動することから、巻バネ20の下部を後方側に押し出すように作用するようになる。また、図3に示されるように、巻バネ20は圧縮された状態(作動待機状態)において自然長よりも僅かに圧縮されるものを使用している。これにより、引張コイルバネで構成された巻バネ20の引張力がアーム部8の回動方向に加勢するように作用することとなるため、ストッパー部材6の回動が確実かつ迅速に遂行される。
続いて、ストッパー部材6を作動待機状態に復帰させる場合を図7を用いて説明する。落下防止装置1の管理者は、図7(a)及び(b)に示されるように、作動後に上方に上がった状態の横杆部9を巻バネ20が伸長する所定の位置まで一旦下方に押し下げ、手を離す。巻バネ20は、一旦伸長したのち自らの復元力により自然状態の直線形状に戻り、ストッパー部材6の上方位置側への移動力は、巻バネ20を介して屈曲片14の下面14aにかかるようになる。巻バネ20は、伸長したのち自然状態に戻る際に、自らの形状復帰によりストッパー部材6の移動力の作用点(アーム部屈曲片19)と屈曲片下面14aとを相対的に引き合わせるように作用し、ストッパー部材6の移動力の作用点と屈曲片下面14aのボルト22とを同じ垂直線上に位置するように案内し、ストッパー部材6をその移動力が安定して規制される作動待機状態に復帰させることができる。
さらに、ストッパー部材6の作動待機状態において、万が一、ストッパー部材6を上方向に回動させる引張コイルばね10の付勢力と異なる外力が加わったとしても、ストッパー部材6の移動力の作用点(アーム部屈曲片19)にかかる屈曲片14からの反力が巻バネ20により緩衝されるため、アーム部屈曲片19の損傷を防ぐことができる。
また、図3に示されるように、作動待機状態において、振り子部材30のウエイト32は巻バネ20と前後方向に若干離間するように配置されているため、書籍15等の物品が落下しない程度の揺れや衝撃による落下防止装置1の誤作動を防止することができる。
本実施例では、巻バネ20が略垂直状態に配置されてストッパー部材6の移動力を規制していたが、ストッパー部材6の移動力を規制可能であれば、傾斜した状態で配置されていてもよい。また、巻バネ20は、線材を円形状に巻いて形成された引張コイルバネに限らず、線材を三角,四角等の角形状に巻いて形成されたものであってもよいし、圧縮コイルバネで構成されていてもよい。
尚、ストッパー部材6の移動力を規制する規制部は、ストッパー部材6に与えられた移動力のベクトルXに対しては固定的にストッパー部材6の移動力を規制するとともに、前記移動力のベクトルXに対して異なる前後方向Yから加わる力によって移動力のベクトルXが異なる方向に分断されるような構造であれば前述した巻バネ20に限らない。例えば、上端が内側板7Bに対して回動可能に軸支された上側の板体と、下端がアーム部8に回動可能に軸支された下側の板体とが、軸芯により相対的に回動可能に連結されたリンク装置を用いてストッパー部材6の移動力を規制するとともに、振り子部材30の衝突力により前記リンク装置が屈折されることでストッパー部材6の移動力の規制を解除するようになっていてもよい。更に尚、このリンク装置は、軸芯を中心に上下の板体が相対的に回動する構成に限らず、軸芯を省略し、感震時に屈折し、上下の板体が相互に完全に離れるようにして、ストッパー部材6に与えられた上方位置への移動力のベクトルXを異なる方向にそれぞれ分断させるような構成であってもよい。更に尚、規制部には、巻バネやリンク装置に限らず、ゴム等の弾性体を用いてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、感震作動手段にウエイト32を備えた振り子部材30を用いて説明したが、感震機能とストッパー部材6に与えられた移動力のベクトルXを分断する機能とを有する構成であれば、その構造は振り子部材に限定されるものではなく、例えば支持体7の底部にレールを設け、そのレール上でウエイトが水平移動することで規制部に衝突するようにしてもよいし、感震により作動するピストンを用いて規制部におけるストッパー部材6に与えられた移動力のベクトルXを分断せしめるようにしてもよい。尚、ストッパー部材6の移動力を分断させる構造として巻バネ20を押すことに限らず、感震作動手段をフック等により構成し巻バネ20を引っ張ってストッパー部材6の移動力を分断するようにしてもよい。
また、振り子部材30は、前後に揺動して巻バネ20の前方に衝突する態様について説明したが、例えば左右に揺動するように振り子部材を軸支し巻バネ20の側方に衝突するようになっていてもよいし、前後に揺動する振り子部材30と左右に揺動する振り子部材とを併用して地震等の多方向からの揺れに対して対応できるようにしてもよい。尚、振り子部材30は、巻バネ20の後面に衝突するように巻バネ20の後方側に配置されていてもよい。
また、前記実施例のストッパー部材6は、アーム部8が枢軸16を中心として回動することで横杆部9が上下に昇降する構成となっていたが、これに限られず、アーム部8が無く、例えばプレート状のストッパー部材が上下方向に連通するガイド溝に沿って引張バネの付勢力により昇降する構成であってもよい。このような場合、付勢手段となる引張バネの配置や種類を変えることで、ストッパー部材の移動力のベクトルを規制部の屈曲または屈折強度に対して最適となるように選択的に設定できるとともに、ストッパー部材に与える付勢力の調整を容易に行うことができる。
また、ストッパー部材6を上方位置側に付勢する付勢手段として引張コイルばね10を用いていたが、これに限られず、例えば、枢軸16よりも横杆部9側のアーム部8の下方を上方側に押し上げるように設けられた例えばゴムやバネ等の弾性体を利用してもよいし、アーム部8における枢軸16よりも後端側を引き下げるように設けられた錘を利用してもよい。
1 感震式物品落下防止装置
2 物品収納棚
5 棚板(棚段)
6 ストッパー部材
7 支持体
7A 外側板
7B 内側板
8 アーム部
9 横杆部
12 ボス軸(位置調整手段)
14 屈曲片
14a 屈曲片下面
15 書籍(物品)
16 枢軸
19 アーム部屈曲片
19a アーム部屈曲片上面
20 巻バネ(規制部)
30 振り子部材(感震作動手段)
31 棒状体
32 ウエイト
33 揺動軸
X ストッパー部材の移動力のベクトル
Y 前後方向

Claims (6)

  1. 棚段の上下方向の少なくとも棚段上の物品の出し入れに影響しない下方位置と前記棚段上の物品の落下を阻止できる上方位置との間において昇降可能に設けられたストッパー部材と、前記ストッパー部材を前記上方位置側に付勢する付勢手段と、棚の揺れに反応して作動する感震作動手段と、前記ストッパー部材における前記上方位置への移動力を規制するとともに、この規制の解除を可能とする規制部と、を有し、
    前記規制部は、前記付勢手段により前記ストッパー部材に与えられた移動力のベクトルに対しては固定的に規制するとともに、前記ストッパー部材に与えられた移動力のベクトルに対して異なる方向から加わる前記感震作動手段の力によって屈曲または屈折するようになっていることを特徴とする感震式物品落下防止装置。
  2. 前記規制部は、一端側が上方位置側に支持され、他端側が前記ストッパー部材の移動力を受けるように配置された巻バネからなることを特徴とする請求項1に記載の感震式物品落下防止装置。
  3. 前記巻バネは、該巻バネを構成する線材同士が上下方向に当接した状態で前記ストッパー部材に与えられた移動力を固定的に規制していることを特徴とする請求項2に記載の感震式物品落下防止装置。
  4. 前記ストッパー部材は、枢軸により軸支されて棚段の前方側で上下方向に回動するようになっており、前記巻バネは、前記他端側が前記枢軸と略水平に近い位置で前記ストッパー部材に接続されているとともに、略垂直に配置された状態で前記ストッパー部材における移動力を固定的に規制していることを特徴とする請求項2または3に記載の感震式物品落下防止装置。
  5. 前記巻バネは、引きバネであり、棚段の後方に向けて突出するように屈曲することを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の感震式物品落下防止装置。
  6. 前記付勢手段がバネであること特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の感震式物品落下防止装置。
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