JP2016062948A - リチウム系蓄電デバイス用ドーピング型電極の製造方法およびリチウム系蓄電デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】リチウム系蓄電デバイスが備える電極の活物質に簡便かつ実用的にリチウムをドーピングし得るようにする。【解決手段】バルク状リチウム、フープ状リチウムもしくは粉体状リチウム等の種々の形状のリチウムを高い定量精度で小分けし、小分けしたリチウム材を、ローラーにて厚さが50μm以下のリチウム箔に展伸し、上記リチウム箔を所定の活物質を有する電極に貼り付けて、上記リチウム箔のリチウムの一部もしくは全部を上記電極にドーピングする。【選択図】なし
Description
本発明は、リチウム系蓄電デバイス用ドーピング型電極の製造方法およびリチウム系蓄電デバイスに関し、さらに詳しく言えば、リチウム系蓄電デバイスが備える電極活物質に簡便かつ実用的にリチウムをドーピングする技術に関するものである。
近年において、携帯電話機に代表される小型携帯機器用の電源や、深夜電力貯蔵システム、太陽光発電に基づく家庭用分散型蓄電システム、電気自動車のための蓄電システム等に関連して、各種の高エネルギー密度電池の開発が精力的に行われている。
この種の高エネルギー密度電池のうち、特にリチウムイオン電池は、350Wh/lを超える体積エネルギーを有すること、また、金属リチウムを負極として用いるリチウム二次電池に比べて安全性、サイクル特性等の信頼性が優れていること等の理由により、小型携帯機器用の電源として、その市場が飛躍的に拡大している。
リチウムイオン電池は、正極活物質としてLiCoO2,LiMn2O4等に代表されるリチウム含有遷移金属酸化物を用い、負極活物質として黒鉛に代表される炭素材料を用いている。
現在のところ、リチウムイオン電池のより一層の改良による高容量化は、ほぼ限界に達しており、機器側からのさらなる高エネルギー密度に対する要求を満たすことは困難である。
また、高効率エンジンと蓄電システムとの組合せ(例えば、ハイブリット電気自動車)、あるいは燃料電池と蓄電システムとの組合せ(例えば、燃料電池電気自動車)において、エンジンあるいは燃料電池を最大効率で運転するためには、一定出力での運転が必須であり、負荷側の出力変動あるいはエネルギー回生に対応するために、蓄電システム側には高出力放電特性、急速充電特性が要求されている。
このような要求に対応するため、蓄電システムにおいては、高エネルギー密度を特徴とするリチウムイオン電池の高出力化あるいは高出力を特徴とする電気二重層キャパシタの高エネルギー密度化に向けたリチウムイオンキャパシタの研究開発が行われている。
一方、リチウムイオン電池あるいはキャパシタ等の蓄電デバイスにおいて、活物質にあらかじめリチウムイオンを担持させるドーピングにより、蓄電デバイスを高容量化、高電圧化する技術が注目されている。
例えば、非特許文献1、特許文献1、非特許文献2、非特許文献3等に記載されているポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体等の高容量材料に対し、上記ドーピングを適用することにより、非特許文献4に記載されているように、その特徴(高容量)を充分に活かした蓄電デバイスの設計が可能となり、上記蓄電デバイスの高エネルギー密度化あるいは高出力化の要求に応えることが可能となる。
ドーピングは、古くから実用化されている技術であり、例えば非特許文献5、特許文献2には、リチウムを負極活物質であるポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体にドーピングさせた高電圧かつ高容量である蓄電デバイスが開示されている。
リチウムのドーピングは、ドーピングする電極を作用極とし、対極としてリチウム金属を用いる電気化学システムを組み立てて、電気化学的にドーピングすることが可能であるが、この方法では、ドーピングした電極を電気化学システムから取り出し、電池やキャパシタに組み替える必要がある。
そこで、実用的なドーピング法として、活物質を含有する電極にリチウム金属箔を貼り付けることにより接触させ、電解液注入後、リチウムを活物質物質内にドープする方法が長らく用いられてきた。
このリチウム金属箔貼り付けによるドーピング技術は、電極厚が100μm以上と厚いコイン形蓄電デバイス等には有効であるが、電極を複数枚積層する積層型構造の蓄電デバイスあるいはテープ状の電極を渦巻き状に巻回する巻回型構造の蓄電デバイス等の電極が薄い蓄電デバイスにおいては、50μm以下の薄いリチウム金属箔を使用しなければならない。
しかしながら、50μm以下の薄いリチウム金属箔は、現時点では量産レベルの販売はされておらず、また、長距離を輸送するための梱包方法、商業的レベルの取り扱いには様々な問題があり、リチウム金属箔貼り付け手法にて、簡便かつ実用的なドーピングを実現するには、この手法の改善、改良が不可欠であった。
この問題を解決する方法として、特許文献3〜6には、孔開き集電体を用いるドーピング法が開示されている。例えば、特許文献3には、表裏面を貫通する孔を備え、負極活物質がリチウムを可逆的に担持可能であり、負極由来のリチウムが負極あるいは正極と対向して配置されたリチウムとの電気化学的接触により担持され、かつ、該リチウムの対向面積が負極面積の40%以下であることを特徴とする有機電解質電池が開示されている。
この有機電解質電池では、貫通孔を備えた集電体上に電極層を形成し、電池内に配置されたリチウム金属と負極とを短絡することにより、電解液注入後、リチウムイオンが集電体の貫通孔を通過し、すべての負極にドープされる。
その具体例として、特許文献3の実施例には、貫通孔を備えた集電体にエキスパンドメタルを用い、正極活物質にLiCoO2、負極活物質にポリアセン系骨格構造を含有する不溶不融性基体を用いた有機電解質電池が開示されており、この実施例に係る電池によれば、負極活物質に電池内に配置されたリチウム金属からリチウムイオンを簡便にドーピングすることができる。
また、特許文献7には、非水電解液二次電池において、リチウム金属粉末を負極上に均一に分散させ、電解液注液後、電極上で局部電池を構成し、電極内にリチウムを均一に吸蔵する方法が開示されている。
また、特許文献8には、負極中にポリマーで被覆されたLi微粒子を混合して負極を製造し、キャパシタ組み立て後、電解液を含浸させることにより、ポリマー被覆Li微粒子のうちのポリマー成分を電解液に溶出させ、Li金属と負極のカーボンを導通(短絡)させることにより、負極のカーボン中にLiをドープさせる方法が開示されている。
上記のドーピング技術は、いずれも、電池もしくはキャパシタを組み立て後、電解液を注液することにより、そのセル内でドーピングを開始させるようにしている。
このほか、特許文献9には、n−ブチルリチウムをヘキサン等の有機溶剤に溶解した溶液中に電極材料を浸漬して、リチウムを電極材料に反応させ、リチウム化した電極材料で電極を作製する技術が開示されている。
また、特許文献10には、Tow−Bulb法と呼ばれる手法でリチウムを気相状態で黒鉛と反応させ、黒鉛にリチウムを含有させる方法と、メカニカルアロイング法でリチウムを機械的に合金化する方法とが記載されている。
T. Yamabe, M. Fujii, S. Mori, H. Kinoshita, S. Yata :Synth. Met., 145, 31 (2004)
S. Yata, Y. Hato, K. Sakurai, T. Osaki, K. Tanaka, T. Yamabe :Synth. Met., 18, 645 (1987)
S. Yata, H. Kinoshita, M. Komori, N. Ando, T. Kashiwamura, T. Harada, K. Tanaka, T. Yamabe :Synth. Met., 62, 153 (1994)
S. Yata, Y. Hato, H. Kinoshita, N. Ando, A. Anekawa, T. Hashimoto, M. Yamaguchi, K. Tanaka, T. Yamabe :Synth. Met., 73, 273 (1995)
矢田静邦、工業材料、Vol. 40, No.5, 32 (1992)
上記したように、リチウムイオン電池の高出力化あるいはキャパシタの高エネルギー密度化に向けた開発において、ドーピング技術は重要であり、様々なドーピング法が提案されているが、これらには次のような問題がある。
まず、電極製造工程において、例えば特許文献3に記載されているように、貫通孔を備えた集電体に電極活物質を塗布する場合、これには一般的ではない孔開箔集電体という特殊箔を用いる必要があるため、電極製造上好ましくない。
また、セル製造工程において、活物質を含む電極とリチウムとを電気的回路を介して短絡させた状態で電池を組み立て、電解液を注液することにより、セル内でドーピングを実施する場合、リチウムを電極全体に均一にドープするには、少なくとも1週間以上のエージングを含むドーピング工程が必要とされ、多くの時間と手間がかかる。
そればかりでなく、電池内に組み込まれるリチウム金属が完全にドーピングされずに残る、あるいは、ドーピングにより消失したリチウム部分が隙間となり、電池の内部抵抗等に悪影響を与えるおそれがある。
別の従来技術として、例えば特許文献9に記載されているように、アルキルリチウムをヘキサン等の有機溶剤に溶解した溶液中に活物質を浸漬させて、活物質にリチウムを直接ドーピングすれば、均一なドーピングが可能となるが、リチウム源にリチウム金属を用いる場合に比べて、大量の含リチウム試薬や大量の有機溶剤が必要になる。さらには、反応後において、有機溶剤を除去し活物質を取り出す、残試薬を分離するなど、極めて煩雑な工程が必要となる。
また、特許文献10に記載されているTow−Bulb法(気相)やメカニカルアロイング法(固相)でのドープでは、その条件設定が煩雑であること、特殊かつ大掛かりな装置が必要であること、さらには、ドーピングする材料が高温に曝される、あるいは、過激な力での粉砕による材料構造の破壊等の致命的な問題があり、実用に供することは困難である。
したがって、本発明の課題は、リチウム系蓄電デバイスが備える電極の活物質に簡便かつ実用的にリチウムをドーピングし得るようにすることにある。
上記課題を解決するため、本発明のリチウム系蓄電デバイス用ドーピング型電極の製造方法は、バルク状リチウム、フープ状リチウムもしくは粉体状リチウム等の種々の形状のリチウムを高い定量精度で小分けし、小分けしたリチウム材を、ローラーにて厚さが50μm以下のリチウム箔に展伸し、上記リチウム箔を所定の活物質を有する電極に貼り付けて、上記リチウム箔のリチウムの一部もしくは全部を上記電極にドーピングすることを特徴としている。
本発明において、上記ローラーにて展伸された上記リチウム箔の厚さは、好ましくは20μm以下、より好ましくは5μm以下である。上記ローラーによる展伸は、箔厚が漸次薄くなるように複数回にわたって行われてよい。
また、上記リチウム箔を複数枚とし、その各々を上記電極に所定の間隔で上記電極に貼り付けることが好ましい。
上記リチウム材を展伸する方法の一つとして、上記リチウム材を展伸後の上記リチウム箔よりも広い面積を有するキャリアプレート上に配置して、上記リチウム材をローラーにて50μm以下の厚さのリチウム箔に展伸する方法が好ましく採用される。
この場合、上記キャリアプレートの表面粗さを、上記ローラーの表面粗さよりも粗くすることが好ましい。
また、上記リチウム材を展伸する別の方法として、上記ローラーとして、50μm以下の間隔をもって対向的に配置された一対のローラーを用いて、上記リチウム材を50μm以下の厚さのリチウム箔に展伸することもできる。
本発明には、好ましい態様として、上記電極に貼り付けられた厚さが50μm以下の上記リチウム箔を、上記電極に貼り付けられた状態で、ローラーによりさらに薄く展伸する態様も含まれる。
いずれにしても、上記キャリアプレートおよび上記ローラーの各表面材質は、リチウムが付着し難いポリアセタール系樹脂であることが好ましい。
上記リチウム材を厚さが50μm以下にまで展伸するにあたって、上記ローラーに代えてプレス装置が適用されてもよい。
本発明には、上記製造方法により製造された電極を有するリチウム系蓄電デバイスも含まれる。
本発明によれば、バルク状リチウム、フープ状リチウムもしくは粉体状リチウム等の種々の形状のリチウムを高い定量精度で小分けし、小分けしたリチウム材を、ローラーもしくはプレスにて厚さが50μm以下のリチウム箔に展伸したうえで、所定の活物質を有する乾燥した電極に貼り付け、好ましくは電極に貼り付けられたリチウム箔をさらに薄く展伸するようにしたことにより、蓄電デバイスのセル組み立て後において、電気化学的手法によることなく、短いエージング時間で簡便かつ均一にリチウムを電極の活物質にドーピングすることができる。
また、電極に貼り付けられるリチウムが50μm以下の極薄であるため、特に巻回型の蓄電デバイスにあっては、リチウム箔を貼り付けた状態のまま電極を渦巻き状に巻回できることから、既存のセル組み立て工程を大幅に変更することなく、蓄電デバイスのセルを組み立てることができる。
次に、図1および図2を参照して、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の技術思想に基づくすべての派生的な変形例等が含まれると理解されたい。
本発明のドーピング型電極の製造方法は、バルク状(塊状)リチウム、フープ状(帯状)リチウムもしくは粉体状リチウム等の種々の形状の定量し易いリチウムの母材を高い定量精度で小分けし、小分けしたリチウム材をローラーもしくはプレスにて厚さ50μm以下のリチウム箔に展伸し、このリチウム箔を所定の活物質を有する乾燥した電極に貼り付けて、電極にリチウムをドーピングすることを特徴とする。
より詳しく説明すると、本発明のドーピング型電極の製造方法は、リチウムをドープ可能な材料、導電剤、およびバインダー等を溶媒の存在下で混錬混合してスラリーを作製して、集電体上に塗布後、乾燥してリチウムドーピング前の活物質を有する電極を作製する工程と、
バルク状リチウムからの削ぎ取りやフープ状リチウムからの切断等により高い定量精度で複数のリチウム材を小分けし、ローラーとキャリア間、もしくは、ローラーとローラー間にてリチウム材を厚さが50μm以下のリチウム箔に展伸する工程と、
展伸後の複数のリチウム箔を電極の活物質塗布面上の所定の位置に、上記キャリアから転写、もしくは、ローラーとローラー間から直接配置し、好ましくは電極上においてローラーによりリチウム箔をさらに薄く展伸する工程とを備え、
従来の100μm以上である厚いフープ状リチウムを貼り付けるドーピング法を改善、改良した新規なドーピング法であり、蓄電デバイス製造後、短いエージング時間で簡便かつ均一にリチウムをドーピングすることを特徴とする。
バルク状リチウムからの削ぎ取りやフープ状リチウムからの切断等により高い定量精度で複数のリチウム材を小分けし、ローラーとキャリア間、もしくは、ローラーとローラー間にてリチウム材を厚さが50μm以下のリチウム箔に展伸する工程と、
展伸後の複数のリチウム箔を電極の活物質塗布面上の所定の位置に、上記キャリアから転写、もしくは、ローラーとローラー間から直接配置し、好ましくは電極上においてローラーによりリチウム箔をさらに薄く展伸する工程とを備え、
従来の100μm以上である厚いフープ状リチウムを貼り付けるドーピング法を改善、改良した新規なドーピング法であり、蓄電デバイス製造後、短いエージング時間で簡便かつ均一にリチウムをドーピングすることを特徴とする。
本発明におけるリチウムをドープ可能な材料とは、リチウムをドーピング( インターカレーション、挿入、吸蔵、担持、合金化など種々の言葉で表現されるが、これらを総称して、本発明では「ドーピング」と言う) できる材料であれば、特に限定されるものではないが、例えば、負極活物質に用いるリチウムをドープ可能な材料としては、リチウム系二次電池、キャパシタ等のリチウムイオンを含む電解質を用いる蓄電デバイスの負極活物質用材料として報告されている材料が挙げられ、具体的には、ポリアセン系多環芳香族系炭化水素、炭素系物質、黒鉛系物質、導電性高分子、錫あるいはその酸化物、ケイ素あるいはその酸化物等を用いることができ、特に現在注目されている金属または炭素剤材料等の高容量で不可逆容量も大きくリチウムのドープ、脱ドープの効率が85%以下である材料に対して効果が大きい。
また、正極活物質に用いるリチウムをドープ可能な材料としては、例えば、リチウム系二次電池、キャパシタなどのリチウムイオンを含む電解質を用いる蓄電デバイスの正極活物質として報告されている材料が挙げられ、具体的には、リチウムをドーピング可能な金属酸化物、金属硫化物、導電性高分子、硫黄、炭素系材料等であり、中でも、特に炭素系材料、五酸化バナジウム、二酸化マンガン、二硫化モリブデン、硫化鉄等のリチウムをドーピング可能であるがリチウムを含まない材料に対して、本発明の効果が大きい。
リチウムをドープ可能な材料の形態は、特に限定されるものではないが、球状粒子、不定形粒子、繊維状等から適宜選択されるものであり、リチウムをドーピング後、粉砕などの工程を経ることなく電極製造に用いることが可能な形態が好ましく、電極の厚み、密度(気孔率)あるいは目的とする蓄電デバイスの入出力特性、信頼性、安全性等を考慮して決定される。例えば、球状粒子、不定形粒子の場合の平均粒径、あるいは、繊維状材料の平均繊維長さは、通常50μm以下であり、より好ましくは30μm以下、0.1μm以上である。
次に、本発明における導電剤としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等の炭素材料、金属材料等を用いることができる。なお、これらの形態も特に限定されるものではないが、通常、粒径20μm以下の比較的細かい不定形もしくは球状粒子が用いられることが多い。また、導電剤の混合量は特に限定されるものではないが、活物質の重量に対し3%〜20%、好ましくは5%〜15%である。
また、本発明におけるバインダーとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニリデン六フッ化プロピレン(PVDF−HFP)共重合体、フッ素ゴム、SBR、ポリエーテル系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類が挙げられる。バインダーはスラリー中の溶媒に対し、可溶、膨潤、不溶いずれでもよく、リチウムをドープ可能な材料と導電剤等の結着性を考慮して、その種類、量を決定する。なお、バインダーの混合量は特に限定されるものではないが、活物質の重量に対し3%〜15%、好ましくは5%〜10%である。
最後に、本発明における溶媒としては、n−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等の有機溶媒、水等が挙げられる。なお、前記固形分に対する溶媒の重量比率は、集電体に塗布し易い粘度になるよう決定される。また、水溶媒の場合は、スラリーの粘度を調整するため、カルボキシメチルセルロース(CMC)やカルボキシビニルポリマー(CVP)等の水溶性増粘剤が添加される場合がある。
以下、本発明をリチウムイオンキャパシタの具体的な実施例と、その比較例に基づいてさらに詳細に説明する。
〔実施例1〕
(1)負極電極の作製
負極の集電体として、厚さ12μm,幅13mm,長さ180mmのテープ状に裁断した銅箔を用いた。負極活物質としてポリアセン系多環芳香族系炭化水素を84質量%、導電剤としてケッチェンブラックを9質量%、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを7質量%とし、これら固形分比率が約40質量%になるようにnメチル−ピロリドン溶媒にてスラリー状にして、銅箔の片面に厚さ15μm塗布し乾燥した。そして、乾燥した電極上に、次の工程1A〜1Dを経てリチウムを貼り付けた。なお、貼り付けるリチウム量は、集電体上に塗布した負極活物質の理論容量の約80%を目安とした。
工程1A.
まず、母材としての厚さ100μmのフープ状(帯状)リチウムから、ポリアセタール製カッターにて高い定量精度で3mm(±5%)角のリチウム材(厚さ100μm)を8個小分けし(切り出し)、その各々をピック&プレス装置にて、厚さ10mm、縦20mm(銅箔軸方向(テープ状での長さ方向、以下同じ))、横10mm(銅箔周方向(テープ状での幅方向、以下同じ))のポリアセタール製のキャリアプレート上に貼り付けた。
工程1B.
次に、図1の模式図に示すように、表面粗さがキャリアプレートの表面粗さより平滑なポリアセタール製ローラーにて、キャリアプレートに貼り付けたリチウム材を厚さ約20μmのリチウム箔になるよう展伸した。
工程1C.
そして、乾燥した電極上にキャリアプレートを配置し、キャリアプレートの上から圧力を加えて、図2に示すように、キャリアプレートから電極面にリチウム箔を転写した。リチウム箔の間隔は、集電体長さの10等分間隔を目安とした。
工程1D.
電極面に転写されたリチウム箔をポリアセタール製ローラーにてさらに展伸して、その厚さを約5μm程度とした。
(2)正極電極の作製
正極の集電体として、厚さ15μm,幅13mm,長さ180mmのテープ状に裁断したのアルミ箔を用いた。正極活物質として活性炭を84質量%、導電剤としてケッチェンブラックを9質量%、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを7質量%とし、これら固形分比率が約40質量%になるようn−メチル−ピロリドン溶媒にてスラリー状にして、アルミ箔上に厚さ45μm塗布し乾燥した。
(3)電解液とセパレータの各仕様
電解液としては、エチレンカーボネート18質量%、ジメチルカーボネート61質量%を溶媒とし、残部の21質量%を六フッ化リン酸リチウム塩(LiPF6)とした。セパレータには、セルロース紙製で厚さ35μmのものを使用した。
(4)キャパシタセルの作製
負極電極と正極電極とにそれぞれ端子付けとしてリード線を取り付けた後、図3(a),(b)に示すように、内周側から正極電極、第1セパレータ、負極電極、第2セパレータの順で積層しながら渦巻き状に巻回してキャパシタ素子とし、キャパシタ素子を図示しない外径8mm、軸長22mmの有底円筒状の外装ケースに挿入し、その外装ケース内を電解液で満たした後、封口部材にて蓋をして密封しリチウムイオンキャパシタを作製した。
〔評価〕
この実施例1によれば、負極電極に貼り付けるリチウム箔が、2回にわたるローラーによる展伸により、最終的に約5μm程度と極めて薄くされ、リチウム貼り付け部の厚さは32μm(=銅箔厚12μm+負極活物質厚15μm+リチウム箔厚5μm)であることから、通常の箔巻回型アルミ電解コンデンサに用いられている従来のワインダー(巻き取り機)にて、容易かつ均一に、負極電極、セパレータ、正極電極を重ねて捲回することができた。また、1〜3日のエージングを含むドーピング工程で、リチウムを均一にドープすることができた。
(1)負極電極の作製
負極の集電体として、厚さ12μm,幅13mm,長さ180mmのテープ状に裁断した銅箔を用いた。負極活物質としてポリアセン系多環芳香族系炭化水素を84質量%、導電剤としてケッチェンブラックを9質量%、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを7質量%とし、これら固形分比率が約40質量%になるようにnメチル−ピロリドン溶媒にてスラリー状にして、銅箔の片面に厚さ15μm塗布し乾燥した。そして、乾燥した電極上に、次の工程1A〜1Dを経てリチウムを貼り付けた。なお、貼り付けるリチウム量は、集電体上に塗布した負極活物質の理論容量の約80%を目安とした。
工程1A.
まず、母材としての厚さ100μmのフープ状(帯状)リチウムから、ポリアセタール製カッターにて高い定量精度で3mm(±5%)角のリチウム材(厚さ100μm)を8個小分けし(切り出し)、その各々をピック&プレス装置にて、厚さ10mm、縦20mm(銅箔軸方向(テープ状での長さ方向、以下同じ))、横10mm(銅箔周方向(テープ状での幅方向、以下同じ))のポリアセタール製のキャリアプレート上に貼り付けた。
工程1B.
次に、図1の模式図に示すように、表面粗さがキャリアプレートの表面粗さより平滑なポリアセタール製ローラーにて、キャリアプレートに貼り付けたリチウム材を厚さ約20μmのリチウム箔になるよう展伸した。
工程1C.
そして、乾燥した電極上にキャリアプレートを配置し、キャリアプレートの上から圧力を加えて、図2に示すように、キャリアプレートから電極面にリチウム箔を転写した。リチウム箔の間隔は、集電体長さの10等分間隔を目安とした。
工程1D.
電極面に転写されたリチウム箔をポリアセタール製ローラーにてさらに展伸して、その厚さを約5μm程度とした。
(2)正極電極の作製
正極の集電体として、厚さ15μm,幅13mm,長さ180mmのテープ状に裁断したのアルミ箔を用いた。正極活物質として活性炭を84質量%、導電剤としてケッチェンブラックを9質量%、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを7質量%とし、これら固形分比率が約40質量%になるようn−メチル−ピロリドン溶媒にてスラリー状にして、アルミ箔上に厚さ45μm塗布し乾燥した。
(3)電解液とセパレータの各仕様
電解液としては、エチレンカーボネート18質量%、ジメチルカーボネート61質量%を溶媒とし、残部の21質量%を六フッ化リン酸リチウム塩(LiPF6)とした。セパレータには、セルロース紙製で厚さ35μmのものを使用した。
(4)キャパシタセルの作製
負極電極と正極電極とにそれぞれ端子付けとしてリード線を取り付けた後、図3(a),(b)に示すように、内周側から正極電極、第1セパレータ、負極電極、第2セパレータの順で積層しながら渦巻き状に巻回してキャパシタ素子とし、キャパシタ素子を図示しない外径8mm、軸長22mmの有底円筒状の外装ケースに挿入し、その外装ケース内を電解液で満たした後、封口部材にて蓋をして密封しリチウムイオンキャパシタを作製した。
〔評価〕
この実施例1によれば、負極電極に貼り付けるリチウム箔が、2回にわたるローラーによる展伸により、最終的に約5μm程度と極めて薄くされ、リチウム貼り付け部の厚さは32μm(=銅箔厚12μm+負極活物質厚15μm+リチウム箔厚5μm)であることから、通常の箔巻回型アルミ電解コンデンサに用いられている従来のワインダー(巻き取り機)にて、容易かつ均一に、負極電極、セパレータ、正極電極を重ねて捲回することができた。また、1〜3日のエージングを含むドーピング工程で、リチウムを均一にドープすることができた。
〔実施例2〕
上記実施例1での工程1Aと同じく、厚さ100μmのフープ状リチウムから、ポリアセタール製カッターにて高い定量精度で小分けした3(±5%)mm角のリチウム材を、図4に示すように、一対のポリアセタール製のローラーにて厚さ20μmのリチウム箔に展伸し、そのリチウム箔をローラーから乾燥した電極上に直接配置したのち、上記実施例1での工程1Dと同じく、リチウム箔を電極上でポリアセタール製のローラーにてさらに展伸して、その厚さを約5μm程度として、上記実施例1と同様としてリチウムイオンキャパシタを作製した。
〔評価〕
上記実施例1と同じく、従来のワインダーにて、容易かつ均一に、負極電極、セパレータ、正極電極を重ねて捲回することができた。また、1〜3日のエージングを含むドーピング工程で、リチウムを均一にドープすることができた。
上記実施例1での工程1Aと同じく、厚さ100μmのフープ状リチウムから、ポリアセタール製カッターにて高い定量精度で小分けした3(±5%)mm角のリチウム材を、図4に示すように、一対のポリアセタール製のローラーにて厚さ20μmのリチウム箔に展伸し、そのリチウム箔をローラーから乾燥した電極上に直接配置したのち、上記実施例1での工程1Dと同じく、リチウム箔を電極上でポリアセタール製のローラーにてさらに展伸して、その厚さを約5μm程度として、上記実施例1と同様としてリチウムイオンキャパシタを作製した。
〔評価〕
上記実施例1と同じく、従来のワインダーにて、容易かつ均一に、負極電極、セパレータ、正極電極を重ねて捲回することができた。また、1〜3日のエージングを含むドーピング工程で、リチウムを均一にドープすることができた。
〔実施例3〕
厚さ100μmのフープ状リチウムから、ポリアセタール製カッターで縦24mm(銅箔軸方向)、横3mm(銅箔周方向)のリチウム材を切り出し、ピック&プレス装置にて、厚さ10mm、縦50mm(銅箔軸方向)、横10mm(銅箔周方向)のポリアセタール製のキャリアプレートに貼り付け、上記実施例1での工程1B,1Cと同じく、表面粗さがキャリアプレートの表面粗さより平滑なポリアセタール製ローラーにて、キャリアプレートに貼り付けたリチウム材を厚さ約20μmのリチウム箔になるよう展伸したのち、キャリアプレートから電極面にリチウム箔を転写し、上記実施例1と同様としてリチウムイオンキャパシタを作製した。
〔評価〕
負極電極のリチウム貼り付け部の厚さは47μm(=銅箔厚12μm+負極活物質厚15μm+リチウム箔厚20μm)であり、上記実施例1でのリチウム貼り付け部の厚さよりも15μmほど厚いが、この程度の厚さであれば、上記実施例1と同じく、従来のワインダーにて、容易かつ均一に、負極電極、セパレータ、正極電極を重ねて捲回することができた。また、1日〜1週間程度のエージングを含むドーピング工程で、リチウムを均一にドープすることができた。但し、リチウムは柔らかく、かつ、他の物質にくっ付き易い性質を有していることから、フープ状リチウムから切り出すリチウム材の大きさを上記実施例1の3mm角よりも大きな縦24mm,横3mmとしたことにより、リチウム材のハンドリングに注意を要した。
厚さ100μmのフープ状リチウムから、ポリアセタール製カッターで縦24mm(銅箔軸方向)、横3mm(銅箔周方向)のリチウム材を切り出し、ピック&プレス装置にて、厚さ10mm、縦50mm(銅箔軸方向)、横10mm(銅箔周方向)のポリアセタール製のキャリアプレートに貼り付け、上記実施例1での工程1B,1Cと同じく、表面粗さがキャリアプレートの表面粗さより平滑なポリアセタール製ローラーにて、キャリアプレートに貼り付けたリチウム材を厚さ約20μmのリチウム箔になるよう展伸したのち、キャリアプレートから電極面にリチウム箔を転写し、上記実施例1と同様としてリチウムイオンキャパシタを作製した。
〔評価〕
負極電極のリチウム貼り付け部の厚さは47μm(=銅箔厚12μm+負極活物質厚15μm+リチウム箔厚20μm)であり、上記実施例1でのリチウム貼り付け部の厚さよりも15μmほど厚いが、この程度の厚さであれば、上記実施例1と同じく、従来のワインダーにて、容易かつ均一に、負極電極、セパレータ、正極電極を重ねて捲回することができた。また、1日〜1週間程度のエージングを含むドーピング工程で、リチウムを均一にドープすることができた。但し、リチウムは柔らかく、かつ、他の物質にくっ付き易い性質を有していることから、フープ状リチウムから切り出すリチウム材の大きさを上記実施例1の3mm角よりも大きな縦24mm,横3mmとしたことにより、リチウム材のハンドリングに注意を要した。
〔実施例4〕
厚さ100μmのフープ状リチウムから、ポリアセタール製カッターで小分けした3mm角のリチウム材を、厚さ10mm、縦20mm(銅箔軸方向)、横10mm(銅箔周方向)の2枚のポリアセタール製のキャリアプレートの間に挟んで、約3ton/cm2の圧力をかけて約20μm厚にまで展伸したのち、キャリアプレートから電極面にリチウム箔を転写し、上記実施例1と同様としてリチウムイオンキャパシタを作製した。
〔評価〕
上記実施例3と同じく、従来のワインダーにて、容易かつ均一に、負極電極、セパレータ、正極電極を重ねて捲回することができたが、このプレス法による場合には、約3ton/cm2の大きな圧力を加えたにも拘わらず、リチウムの厚さを20μm以下にまで薄くすることは困難であった。これは、リチウム箔の両面全面をその上下からポリアセタール製のキャリアプレートで押さえたことにより、リチウムの肉の外側への移動が阻害されたためと推察される。したがって、厚さが20μm以下のリチウム箔を得るには、プレスよりもローラーによる展伸の方が好ましい、と言える。
厚さ100μmのフープ状リチウムから、ポリアセタール製カッターで小分けした3mm角のリチウム材を、厚さ10mm、縦20mm(銅箔軸方向)、横10mm(銅箔周方向)の2枚のポリアセタール製のキャリアプレートの間に挟んで、約3ton/cm2の圧力をかけて約20μm厚にまで展伸したのち、キャリアプレートから電極面にリチウム箔を転写し、上記実施例1と同様としてリチウムイオンキャパシタを作製した。
〔評価〕
上記実施例3と同じく、従来のワインダーにて、容易かつ均一に、負極電極、セパレータ、正極電極を重ねて捲回することができたが、このプレス法による場合には、約3ton/cm2の大きな圧力を加えたにも拘わらず、リチウムの厚さを20μm以下にまで薄くすることは困難であった。これは、リチウム箔の両面全面をその上下からポリアセタール製のキャリアプレートで押さえたことにより、リチウムの肉の外側への移動が阻害されたためと推察される。したがって、厚さが20μm以下のリチウム箔を得るには、プレスよりもローラーによる展伸の方が好ましい、と言える。
〔比較例1〕
厚さ100μmのフープ状リチウムから、ポリアセタール製カッターで縦24mm(銅箔軸方向)、横3mm(銅箔周方向)のリチウム材(厚さ100μm)を切り出して、そのまま、乾燥した負極電極上の1箇所に貼り付けた以外は、上記実施例1と同様としてリチウムイオンキャパシタを作製した。
〔評価〕
負極電極のリチウム貼り付け部の厚さが100μm以上であるため、従来のワインダーでは、負極電極、セパレータ、正極電極を重ねて均一に捲回することができなかった。また、別の方法で負極電極、セパレータ、正極電極を重ねて巻回するにしても、キャパシタ素子が歪な円筒形となり、外装ケースへの挿入性が悪くなる。また、負極電極のリチウム貼り付け部が1箇所のみであるため、リチウムを均一にドープするには、1ヶ月以上のエージングを含むドーピング工程が必要とされる。
厚さ100μmのフープ状リチウムから、ポリアセタール製カッターで縦24mm(銅箔軸方向)、横3mm(銅箔周方向)のリチウム材(厚さ100μm)を切り出して、そのまま、乾燥した負極電極上の1箇所に貼り付けた以外は、上記実施例1と同様としてリチウムイオンキャパシタを作製した。
〔評価〕
負極電極のリチウム貼り付け部の厚さが100μm以上であるため、従来のワインダーでは、負極電極、セパレータ、正極電極を重ねて均一に捲回することができなかった。また、別の方法で負極電極、セパレータ、正極電極を重ねて巻回するにしても、キャパシタ素子が歪な円筒形となり、外装ケースへの挿入性が悪くなる。また、負極電極のリチウム貼り付け部が1箇所のみであるため、リチウムを均一にドープするには、1ヶ月以上のエージングを含むドーピング工程が必要とされる。
〔比較例2〕
上記比較例1と同じく、厚さ100μmのフープ状リチウムからポリアセタール製カッターで切り出した縦24mm(銅箔軸方向)、横3mm(銅箔周方向)のリチウム材(厚さ100μm)を、そのまま、あらかじめ巻回されたキャパシタ素子の最外周部分に存在する負極電極面に貼り付けてリチウムイオンキャパシタを作製した。
〔評価〕
リチウム材(厚さ100μm)の貼り付け箇所をキャパシタ素子の最外周部分に存在する負極電極面としても、その貼り付け部分の厚さが100μm以上であるため、上記比較例1と同じく、キャパシタ素子が歪な円筒形となり、外装ケースへの挿入性が悪くなる。また、負極電極のリチウム貼り付け部が1箇所のみであるため、リチウムを均一にドープするには、1ヶ月以上のエージングを含むドーピング工程が必要とされる。
上記比較例1と同じく、厚さ100μmのフープ状リチウムからポリアセタール製カッターで切り出した縦24mm(銅箔軸方向)、横3mm(銅箔周方向)のリチウム材(厚さ100μm)を、そのまま、あらかじめ巻回されたキャパシタ素子の最外周部分に存在する負極電極面に貼り付けてリチウムイオンキャパシタを作製した。
〔評価〕
リチウム材(厚さ100μm)の貼り付け箇所をキャパシタ素子の最外周部分に存在する負極電極面としても、その貼り付け部分の厚さが100μm以上であるため、上記比較例1と同じく、キャパシタ素子が歪な円筒形となり、外装ケースへの挿入性が悪くなる。また、負極電極のリチウム貼り付け部が1箇所のみであるため、リチウムを均一にドープするには、1ヶ月以上のエージングを含むドーピング工程が必要とされる。
〔比較例3〕
ポリアセタール製キャリアプレートの表面粗さより、粗い表面粗さのポリアセタール製ローラーを使用したこと以外は、上記実施例1と同様としてリチウムイオンキャパシタの作製を試みた。
〔評価〕
ローラーとキャリアプレートとの間でリチウムを展伸した時、一部リチウム箔がローラー側にくっ付いて残ってしまった。これは、ローラーの表面粗さがリチウムへのアンカー効果を強くしてしまったためと判断される。
ポリアセタール製キャリアプレートの表面粗さより、粗い表面粗さのポリアセタール製ローラーを使用したこと以外は、上記実施例1と同様としてリチウムイオンキャパシタの作製を試みた。
〔評価〕
ローラーとキャリアプレートとの間でリチウムを展伸した時、一部リチウム箔がローラー側にくっ付いて残ってしまった。これは、ローラーの表面粗さがリチウムへのアンカー効果を強くしてしまったためと判断される。
〔比較例4〕
ローラーとキャリアプレートの材質をポリアセタールではなくポリプロピレン製としたこと以外は、上記実施例1と同様としてリチウムイオンキャパシタの作製を試みた。
〔評価〕
ローラーとキャリアプレートの材質をポリプロピレン製としたことにより、リチウム箔が正しくキャリアプレート側に残る場合や、一部リチウム箔がローラー側にくっ付いて残ってしまう場合など、一定した結果が得られなかった。これは、リチウムの他の物質にくっ付き易い性質のためと推察される。
ローラーとキャリアプレートの材質をポリアセタールではなくポリプロピレン製としたこと以外は、上記実施例1と同様としてリチウムイオンキャパシタの作製を試みた。
〔評価〕
ローラーとキャリアプレートの材質をポリプロピレン製としたことにより、リチウム箔が正しくキャリアプレート側に残る場合や、一部リチウム箔がローラー側にくっ付いて残ってしまう場合など、一定した結果が得られなかった。これは、リチウムの他の物質にくっ付き易い性質のためと推察される。
本発明は、リチウムイオン電池の高エネルギー密度化、高出力化あるいはリチウムイオンキャパシタの開発に重要であるリチウムの新規なドーピング型電極の製造法を提案するものであり、既存製造プロセスに近い方法でリチウムのドーピングが可能となる。
また、ドーピング技術を必要とする、金属酸化物、ポリアセン系材料などの高容量材料、高出力材料を用いた次世代蓄電デバイスにとっても、基本的かつ有用な技術であると思われる。
Claims (11)
- バルク状リチウム、フープ状リチウムもしくは粉体状リチウム等の種々の形状のリチウムを高い定量精度で小分けし、小分けしたリチウム材を、ローラーにて厚さが50μm以下のリチウム箔に展伸し、上記リチウム箔を所定の活物質を有する電極に貼り付けて、上記リチウム箔のリチウムの一部もしくは全部を上記電極にドーピングすることを特徴とするリチウム系蓄電デバイス用ドーピング型電極の製造方法。
- 上記ローラーにて展伸された上記リチウム箔の厚さが20μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のリチウム系蓄電デバイス用ドーピング型電極の製造方法。
- 上記ローラーによる展伸が複数回にわたって行われ、展伸された上記リチウム箔の最終的な厚さが5μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のリチウム系蓄電デバイス用ドーピング型電極の製造方法。
- 上記リチウム箔を複数枚とし、その各々を上記電極に所定の間隔で上記電極に貼り付けることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のリチウム系蓄電デバイス用ドーピング型電極の製造方法。
- 上記リチウム材を展伸後の上記リチウム箔よりも広い面積を有するキャリアプレート上に配置して、上記リチウム材をローラーにて50μm以下の厚さのリチウム箔に展伸することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のリチウム系蓄電デバイス用ドーピング型電極の製造方法。
- 上記キャリアプレートの表面粗さが、上記ローラーの表面粗さよりも粗いことを特徴とする請求項5に記載のリチウム系蓄電デバイス用ドーピング型電極の製造方法。
- 上記ローラーとして、50μm以下の間隔をもって対向的に配置された一対のローラーを用いて、上記リチウム材を50μm以下の厚さのリチウム箔に展伸することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のリチウム系蓄電デバイス用ドーピング型電極の製造方法。
- 上記電極に貼り付けられた厚さが50μm以下の上記リチウム箔を、上記電極に貼り付けられた状態で、ローラーによりさらに薄く展伸することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載のリチウム系蓄電デバイス用ドーピング型電極の製造方法。
- 上記キャリアプレートおよび上記ローラーの各表面材質が、ポリアセタール系樹脂からなることを特徴とする請求項5ないし8のいずれか1項に記載のリチウム系蓄電デバイス用ドーピング型電極の製造方法。
- 上記ローラーに代えてプレス装置にて上記リチウム材を厚さが50μm以下にまで展伸することを特徴とする請求項1に記載のリチウム系蓄電デバイス用ドーピング型電極の製造方法。
- 上記請求項1ないし10のいずれか1に記載の製造方法により製造された電極を有することを特徴とするリチウム系蓄電デバイス。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014187438A JP2016062948A (ja) | 2014-09-16 | 2014-09-16 | リチウム系蓄電デバイス用ドーピング型電極の製造方法およびリチウム系蓄電デバイス |
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JP2016062948A true JP2016062948A (ja) | 2016-04-25 |
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JP2014187438A Pending JP2016062948A (ja) | 2014-09-16 | 2014-09-16 | リチウム系蓄電デバイス用ドーピング型電極の製造方法およびリチウム系蓄電デバイス |
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- 2014-09-16 JP JP2014187438A patent/JP2016062948A/ja active Pending
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