JP2016061125A - 床材の固定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】床板に対して安定した姿勢で仮固定ができて、床板の固定作業性を改善できる、床材の固定装置を提供すること。
【解決手段】断面T字形の固定具本体30と、固定具本体30の横架部31に外装可能な断面形状がコ字形を呈する外装板40とを具備し、横架部31の上面に突設した係止用の仮止角33と、外装板の両側端に前記横架部の下面から下方へ突出して形成した固定爪46を床板の横溝の上下面に当接可能に形成した。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、公園等に設置されている屋外デッキや室内フローリング等の床板を根太等の支持材に固定するための床材の固定装置に関するものである。
両側面に連続した横溝を有する床板の固定具が特許文献1に開示されている。
この固定具は、水平の押圧片と、この押圧片の片面中央に垂直に突設した中間片とを有する断面T字形を呈する樹脂の一体成形品であり、その中央部にビス穴を有している。
固定具の水平に張り出した各押圧片を隣り合う床板の横溝内に遊嵌し、隣り合う床板の間に形成した間隙を利用して工具を差し込み、固定具を根太にビス止めすることで隣り合う二枚の床板を固定している。
特開2008−285929号公報(図7)
従来の床板の固定技術にはつぎのような問題点がある。
<1>従来の固定具は床板に対する自立機能を有していないため、固定具の押圧片の片方を床板の横溝へ嵌入すると固定具が外方へ傾倒してしまい、一枚の床板に対して固定具を安定した姿勢で取り付けすることができない。
そのため、様々な工夫をしながら隣り合う床板の間に固定具を配置して固定しなければならず、床板の固定作業に多くの時間と労力を要する。
<2>従来の固定具は樹脂製であるため、ビスを強固に締め付けるとビスの頭部が固定具に陥没してしまい、固定具による床板の固定力が弱くなる。
<3>床板が樹脂材を含む場合は床材の温度収縮力が固定具に繰り返し作用するため、経時的にビスが徐々に緩む。
そのため、長期間経過すると、床板のガタつき、異音の発生、床板の横ずれ等といった多くの問題が発生する。
<4>金属材料のみで形成した固定具も市販されているが、その形状と構造が複雑であるためにコストが高く、固定具の設置に多くの手数と時間を要し、さらに取扱中に固定具が変形し易いといった問題を有する。
本発明は以上の点に鑑みて成されたもので、その目的とするところは、床板に対して安定した姿勢で仮固定ができて、床板の固定作業性を改善できる、床材の固定装置を提供することにある。
さらに本発明の他の目的は、長期に亘って床板を安定して固定できる、床材の固定装置を提供することにある。
本発明は、隣り合う床板の横溝に跨って貫入した状態で床板を支持材に固定する固定装置であって、横架部の下面中央にウェブを接合し、中央にビス穴を有する断面T字形の固定具本体と、前記固定具本体の横架部に外装可能な断面形状がコ字形を呈し、中央にビス穴を有する外装板とを具備し、前記横架部の上面に係止用の仮止角を突設し、前記外装板の両側端に前記横架部の下面から下方へ突出する固定爪を形成し、前記係止角と固定爪を床板の横溝の上下面に当接可能に形成したことを特徴とする。
他の実施形態において、前記外装板が固定具本体より硬質であり、外装板を金属素材で形成し、固定具本体を樹脂素材で形成する。
他の実施形態において、前記外装板は横架部の上面を被覆する当板部と、当板部の両側を直角に屈曲して形成した一対の側脚部とを具備し、前記側脚部の下辺に鋸歯状の固定爪を形成する。
他の実施形態において、接着または嵌着により前記外装板を固定具本体に固着する。
本発明はつぎの効果を得ることができる。
<1>固定装置が床版の横溝に対して正常の姿勢を維持したまま仮固定できるので、床板の固定作業性を短時間で簡単に固定することができる。
<2>固定具本体に硬質の外装板を外装した構造であるため、ビス止めしたときに固定具本体の陥没を防止しつつ、締付力を分散して床板へ伝えることができる。
したがって、長期に亘り床板を安定して固定できる。
隣り合う床板の間に設置予定の固定装置の斜視図 固定装置の分解組立図 床材へのビスの仮固定状態を説明するための部分断面図 ビスによる床材の本固定状態を説明するための部分断面図
以下図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
<1>固定装置。
図1に隣り合う床板10,10の間に設置予定の固定装置20の斜視図を示し、図2に固定装置20の分解組立図を示す。
隣り合う床板10,10に跨って固定する固定装置20は、樹脂で一体成形した断面T字形の固定具本体30と、硬質材で断面コ字形に形成し、固定具本体30の水平部に外装可能な外装板40とを具備する。
<2>固定具本体。
固定具本体30は矩形の横架部31と、横架部31の下面中央に垂設した矩形のウェブ35とを有する断面T字形を呈する樹脂の一体成形品であり、その中央に横架部31とウェブ35の中央を縦貫したビス穴32を有している。
<2.1>横架部。
横架部31は隣り合う床板10,10の横溝11,11に跨って嵌入可能な板体である。
横架部31の上面の隅部には複数の仮止角33を突出するとともに、横架部31の上面のビス穴32を間に挟んでその両側には外装板40を位置決めするための複数の突起34を突出している。
仮止角33は床板10の横溝11内に嵌合させて固定装置20を仮留めするための突起体であり、少なくも横架部31の上面の片側にひとつ以上あればよい。
また本例では仮止角33が先鋭形状である場合について示すが、その他に柱状、半球状等の形状であってもよく、要は床板10の横溝11の上面と当接可能な形状であればよい。
<2.2>ウェブ。
ウェブ35は隣り合う床板10,10間を所定の間隔に保つスペーサとしての機能を有する。したがって、ウェブ35の板厚は床板10の設置間隔と一致する。
<3>外装板。
外装板40は仮止角33と干渉せずに横架部31に外装可能な断面コ字形の硬質板であり、例えばステンレス、鋼等の金属板、又は硬質樹脂等で形成する。
外装板40は横架部31の上面を被覆する矩形の当板部41と、当板部41の両側を直角に屈曲して形成した一対の側脚部45,45とを具備する。
<3.1>当板部。
当板部41の中央にはビス穴42を有するとともに、ビス穴42を間に挟んでその両側には位置決孔43が形成されている。
外装板40を横架部31の上面にセットしたとき、両ビス穴32,42は一致し、位置決孔43は突起34と嵌合可能である。
当板部41は接着または嵌着等により固定具本体30の横架部31に一体に固着されている。
<3.2>側脚部。
側脚部45,45は床板10の横溝11の下面と当接して床板10を弾力的に固定するための板体である。
側脚部45の下面には鋸歯状の固定爪46を形成していて、固定爪46は横架部31の下面から下方へ向けて僅かに(1〜2mm程度)突出する。
側脚部45,45は固定具本体30に対して弾力的に取り付けてある。
弾力的とは、側脚部45の弾性変形、又は当板部41と側脚部45との弾性変形により達成できる。
[床板の固定方法]
つぎに固定装置20を用いた床板10の固定方法について説明する。
<1>固定装置の仮固定。
図3を参照して説明すると、本発明では床板10Aの側方から断面T字形の固定装置20を押し込むだけの簡単な操作で以て固定装置20を仮固定することができる。
すなわち、固定装置20の横架部31の一方を外装板40と共に床版10Aの横溝11内へ押し込むと、固定装置20の上下に突出した仮止角33と固定爪46が床版0の横溝11の上下面に当接して位置決めされる。
固定装置20が傾倒しようとしても、固定装置20の上下に突出した仮止角33と固定爪46が床版0の横溝11の上下面に当接して固定装置20の傾倒を防止するので、固定装置20は横架部31の水平状態を保ったまま仮固定状態を維持することができる。
<2>他の床板との仮固定。
図4を参照して説明すると、固定装置20を仮固定した床板10Aの側方へ向けて別途の床板10Bを接近させ、床板10Bの横溝11内に固定装置20の外装板40を外装した横架部31の他方を嵌入して、固定装置20と他方の床板10Bの間を仮固定する。
両床板10A,10Bの側面が固定装置20のウェブ35に当接するまで床板10Bを押し込んで、両床板10A,10Bを並列状に配置する。
これにより、固定装置20の外装板40を外装した横架部31の両側が隣り合う床板10,10の横溝11,11に跨って配置される。
<3>ビス止め本固定。
図4に示すように、両床板10A,10Bの間に形成された目地隙間を通じてビス21を挿入し、仮留め状態の固定装置20を貫挿したビス21をねじ込んで根太等の支持材23へ本固定する。
ビス21をねじ込むことで固定装置20全体が押し下げられ、外装板40の下辺の固定爪46が横溝11,11の下面に食い込む。
ビス21をさらにねじ込むと、固定装置20の横架部31の下面が横溝11,11の下面に当接して隣り合う床板10,10を同時に押し下げる。
このように、固定装置20の横架部31と外装板40の両部材が協働して隣り合う床板10,10の横溝11,11を押し下げることで固定される。
<4>固定装置の他の機能。
固定装置20は床板10に仮固定するだけでなく、つぎのような作用を発揮する。
<4.1>ビス頭部の陥没防止作用。
ビス21をねじ込む際、ビス頭部22に大きな応力が集中する。
本発明の固定装置20では、ビス頭部22が硬質の当板部41へ当接するので、大きな締め付け力を加えても横架部31が陥没することはない。
<4.2>締付力の分散作用。
仮に当板部41が存在しなければ、ビス頭部22の締付力は固定具本体30の横架部31の中央部分に作用するだけである。
固定装置20は、ビス頭部22の陥没防止機能だけでなく、荷重伝達機能を併有した当板部41を具備している。
そのため、ビス頭部22の締付力を、当板部41を介して横架部31のほぼ全体へ分散して伝達できるので、隣り合う床板10,10の横溝11,11を均等に固定することができる。
<4.3>弾力的な固定作用。
固定装置20は弾性変形可能な外装板40を具備している。
したがって、隣り合う床板10,10を弾力的に固定することができる。
殊に床板10が樹脂を含む素材である場合には、固定装置20が床板10の温度変形に追従して良好な固定状態を維持することができる。
10・・・・・床板
11・・・・・横溝
20・・・・・固定装置
21・・・・・ビス
22・・・・・ビス頭部
23・・・・・支持材
30・・・・・固定具本体
31・・・・・横架部
33・・・・・仮止角
35・・・・・ウェブ
40・・・・・外装板
41・・・・・当板部
45,45・・側脚部
46・・・・・固定爪

Claims (4)

  1. 隣り合う床板の横溝に跨って貫入した状態で床板を支持材に固定する固定装置であって、
    横架部の下面中央にウェブを接合し、中央にビス穴を有する断面T字形の固定具本体と、
    前記固定具本体の横架部に外装可能な断面形状がコ字形を呈し、中央にビス穴を有する外装板とを具備し、
    前記横架部の上面に係止用の仮止角を突設し、
    前記外装板の両側端に前記横架部の下面から下方へ突出する固定爪を形成し、
    前記係止角と固定爪を床板の横溝の上下面に当接可能に形成したことを特徴とする、
    固定装置。
  2. 前記外装板が固定具本体より硬質であることを特徴とする、請求項1に記載の固定装置。
  3. 前記外装板が横架部の上面を被覆する当板部と、当板部の両側を直角に屈曲して形成した一対の側脚部とを具備し、前記側脚部の下辺に鋸歯状の固定爪を形成したことを特徴とする、請求項1または2に記載の固定装置。
  4. 接着または嵌着により前記外装板を固定具本体に固着したことを特徴とする、請求項1乃至3の何れか一項に記載の固定装置。
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