JP2016060265A - 車両用空調装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】蒸発器で冷却された空気を加熱する際に補助熱交換器が熱交換能力を充分に発揮することが可能な車両用空調装置を提供する。【解決手段】過冷却用熱交換器4は、ヒータコア34を経ずに流れる空気と冷媒とを熱交換させる熱交換部となっている。そして、エアミックスドア装置17は、加熱用通路102を通る空気の風量割合を大きくする向きに作動する場合には、空調ダクト10内の空気流れにおいてヒータコア34を閉じる一方で過冷却用熱交換器4へ空気を流す第1状態になってから、過冷却用熱交換器4およびヒータコア34へ空気を流す第2状態になる。そのため、車両用空調装置100のリヒート運転において、ヒータコア34の加熱能力に関わらず冷却用熱交換器4へ空気を流すことができるので、過冷却用熱交換器4が熱交換能力を充分に発揮することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、空調ダクト内に設けられた蒸発器で冷却した空気を空気流れ下流側に設けたヒータコアで加熱可能な車両用空調装置に関する。
空調ダクト内に設けられた蒸発器で空気を冷却し、蒸発器の空気流れ下流側に設けたヒータコアで蒸発器から流出した空気を加熱して空調風の温度調節を行う車両用空調装置が、従来から知られている。例えば、特許文献1に記載された車両用空調装置がそれである。この特許文献1の車両用空調装置では、空調ダクト内において蒸発器からの冷却風を取り込むためのバイパス通路が、ヒータコアへの通風路や冷風バイパス通路に対して並列に設けられ、そのバイパス通路内に過冷却用熱交換器が配置されている。そして、エアミックスドアがヒータコアへの通風路を開いたときにはバイパス通路も開かれ、凝縮器で凝縮された冷媒は過冷却用熱交換器で更に冷却される。
しかしながら、上記特許文献1の車両用空調装置では、補助熱交換器である過冷却用熱交換器をバイバス通路内に配しており、補助熱交換器へは蒸発器からの冷却風の極一部のみが導かれるようになっている。そのため、補助熱交換器の熱交換能力も著しく抑制されてしまうという問題がある。
そこで、発明者らは、ヒータコアへの通風路においてヒータコアに対し補助熱交換器を空気流れ方向に直列に配置することを考えた。しかしながら、目標の吹出温度との比較でヒータコア内を流れる水温が必要以上に高い場合、要するにヒータコアの加熱能力が過剰である場合には、ヒータコアへの通風路へ流入する風量がエアミックスドアによって少なくされる。そして、補助熱交換器がヒータコアと同一の通風路内に直列配置されているとすれば、それと同時に、補助熱交換器へ流入する風量も少なくされ、冷媒を冷却する補助熱交換器の能力が極めて小さいものとなってしまう。
本発明は上記点に鑑みて、蒸発器で冷却された空気を加熱する際に補助熱交換器が熱交換能力を充分に発揮することが可能な車両用空調装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の車両用空調装置の発明では、車室内へ吹き出す空気が流通する第1空気通路(101)、およびその第1空気通路と並行に空気が流通する第2空気通路(102)が形成されている空調ダクト(10)と、
吸入した冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(2)、その圧縮機が吐出した冷媒を外気との熱交換により凝縮する凝縮器(3)、その凝縮器から流出した冷媒を、空調ダクト内を流れる空気との熱交換により冷却する補助熱交換器(4)、その補助熱交換器から流出した冷媒を減圧する減圧装置(5)、および、空調ダクト内で第1空気通路と第2空気通路と補助熱交換器とに対し空気流れ上流側に配置され、空調ダクト内を流れる空気を、減圧装置で減圧された冷媒との熱交換により冷却する蒸発器(6)を有する冷凍サイクル装置(1)と、
第2空気通路に配置され、蒸発器で冷却された空気を加熱するヒータコア(34)と、
補助熱交換器を通る空気の風量を調節すると共に、第1空気通路を通る空気と第2空気通路を通る空気との風量割合を調節する風量割合調節装置(17)とを備え、
補助熱交換器は、ヒータコアを経ずに流れる空気と冷媒とを熱交換させる第1熱交換部(4a)を有し、
風量割合調節装置は、第2空気通路を通る空気の風量割合を大きくする向きに作動する場合には、空調ダクト内の空気流れにおいてヒータコアを閉じる一方で第1熱交換部へ空気を流す第1状態になってから、第1熱交換部およびヒータコアへ空気を流す第2状態になることを特徴とする。
吸入した冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(2)、その圧縮機が吐出した冷媒を外気との熱交換により凝縮する凝縮器(3)、その凝縮器から流出した冷媒を、空調ダクト内を流れる空気との熱交換により冷却する補助熱交換器(4)、その補助熱交換器から流出した冷媒を減圧する減圧装置(5)、および、空調ダクト内で第1空気通路と第2空気通路と補助熱交換器とに対し空気流れ上流側に配置され、空調ダクト内を流れる空気を、減圧装置で減圧された冷媒との熱交換により冷却する蒸発器(6)を有する冷凍サイクル装置(1)と、
第2空気通路に配置され、蒸発器で冷却された空気を加熱するヒータコア(34)と、
補助熱交換器を通る空気の風量を調節すると共に、第1空気通路を通る空気と第2空気通路を通る空気との風量割合を調節する風量割合調節装置(17)とを備え、
補助熱交換器は、ヒータコアを経ずに流れる空気と冷媒とを熱交換させる第1熱交換部(4a)を有し、
風量割合調節装置は、第2空気通路を通る空気の風量割合を大きくする向きに作動する場合には、空調ダクト内の空気流れにおいてヒータコアを閉じる一方で第1熱交換部へ空気を流す第1状態になってから、第1熱交換部およびヒータコアへ空気を流す第2状態になることを特徴とする。
上述の発明によれば、補助熱交換器は、ヒータコアを経ずに流れる空気と冷媒とを熱交換させる第1熱交換部を有し、風量割合調節装置は、ヒータコアが配置された第2空気通路を通る空気の風量割合を大きくする向きに作動する場合には、空調ダクト内の空気流れにおいてヒータコアを閉じる一方で前記第1熱交換部へ空気を流す第1状態になってから、第1熱交換部およびヒータコアへ空気を流す第2状態になるので、ヒータコアの加熱能力が過剰になっていても、風量割合調節装置を第1状態にすることで、蒸発器で冷却された空気を補助熱交換器により加熱することが可能である。すなわち、蒸発器で冷却された空気を、ヒータコアへは通さずに補助熱交換器へ通すことが可能である。従って、蒸発器で冷却された空気を加熱する際に、補助熱交換器が熱交換能力を充分に発揮することができる。
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した括弧内の各符号は、後述する実施形態に記載の具体的内容との対応関係を示す一例である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における車両用空調装置100の概略構成を示す模式図である。図1に示す車両用空調装置100は、例えば、走行用内燃機関であるエンジン30を備える車両に搭載されて、車両の室内すなわち車室内を空調する。エンジン30は、車両に搭載された発熱機器としても機能する。
図1は、本発明の第1実施形態における車両用空調装置100の概略構成を示す模式図である。図1に示す車両用空調装置100は、例えば、走行用内燃機関であるエンジン30を備える車両に搭載されて、車両の室内すなわち車室内を空調する。エンジン30は、車両に搭載された発熱機器としても機能する。
図1に示すように、車両用空調装置100は、空調ダクト10、冷凍サイクル装置1、冷却水回路31、ヒータコア34、エアミックスドア装置17、吹出モードドア21〜23、図2に示した制御部としてのエアコン電子制御装置50(以下、エアコンECU50という場合がある)、内外気切替ドア13(図2参照)、および、ブロワ14(図2参照)等を備えている。
図1に示す空調ダクト10は、内部に車室内へ吹き出す空調空気を導く空気通路10aを形成している。空調ダクト10は、車室内の前方付近に設けられている。空調ダクト10の最も上流側には、車室内の空気(以下、内気ともいう)を取り入れる内気吸込口と車室外の空気(以下、外気ともいう)を取り入れる外気吸込口とが形成された不図示の内外気切替箱が構成されている。
その内外気切替箱の内気吸込口および外気吸込口は、サーボモータ等のアクチュエータにより駆動される内外気切替ドア13(図2参照)によって開閉され、車両用空調装置100の吸込口モードが、内外気切替ドア13の作動によって内気循環モードまたは外気導入モードに切り替えられる。そして、内外気切替箱からの空気である外気又は内気は、ブロワ14(図2参照)によって矢印FLinのように空気通路10aへ流入させられる。
空調ダクト10の最も下流側には、吹出口切替箱を構成する部分であり、デフロスタ開口部、フェイス開口部およびフット開口部が形成されている。デフロスタ開口部には、デフロスタダクトが接続されて、デフロスタダクトの最下流端には、車両のフロント窓ガラスの内面に向かって主に温風を吹き出すデフロスタ吹出口18が開口している。フェイス開口部には、フェイスダクトが接続されて、フェイスダクトの最下流端には、乗員の頭胸部に向かって主に冷風を吹き出すフェイス吹出口19が開口している。さらに、フット開口部には、フットダクトが接続されて、フットダクトの最下流端には、乗員の足元部に向かって主に温風を吹き出すフット吹出口20が開口している。
各吹出口18、19、20の内側には、それぞれの開口部を開閉するデフロスタドア21、フェイスドア22、フットドア23が回動自在に取り付けられている。これらのドア21、22、23は、サーボモータ等のアクチュエータによりそれぞれ駆動されて、吹出口モードをフェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフロスタモード、またはデフロスタモードの何れかに切り替えることが可能となっている。デフロスタドア21、フェイスドア22、およびフットドア23は、吹出モード切替装置である。
ブロワ14(図2参照)は、空調ダクト10内に空気流を発生させる電動送風機であり、羽根車を回転駆動する電動モータの回転速度は、その電動モータへの印加電圧に応じて決定される。そして、その電動モータへの印加電圧はエアコンECU50(図2参照)からの制御信号に基づいて制御され、その印加電圧の制御によってブロワ14の送風量は制御される。
図1に示すように、冷凍サイクル装置1は、圧縮機2、凝縮器3、補助熱交換器としての過冷却用熱交換器4、減圧装置5、および蒸発器6を順に、冷媒配管9で環状に接続して構成されている。これにより、圧縮機2から吐出された冷媒が凝縮器3と過冷却用熱交換器4と減圧装置5と蒸発器6とを順に経て圧縮機2へ戻る冷媒回路が構成されている。なお、補助熱交換器とは、他の熱交換器よりも少ない熱交換量を補うものに限定されるものではない。例えば、過冷却用熱交換器4の熱交換量が凝縮器3の熱交換量より大きくても構わない。
圧縮機2は冷媒吸入口2aと冷媒吐出口2bとを有し、冷媒吸入口2aから吸入した冷媒を圧縮し、その圧縮した冷媒を冷媒吐出口2bから吐出する。凝縮器3は、圧縮機2から吐出された冷媒を外気との熱交換により凝縮液化させる。過冷却用熱交換器4は、凝縮器3で凝縮された液相冷媒または気液二相冷媒を更に冷却する。過冷却用熱交換器4は空調ダクト10内に配置されているので、言い換えれば、凝縮器3から流出した冷媒を、空調ダクト10内を流れる空気との熱交換により冷却する。減圧装置5は、過冷却用熱交換器4で冷却された冷媒を減圧膨張させる。蒸発器6は、減圧装置5が減圧した冷媒を蒸発気化させる。
圧縮機2は、例えば車両のエンジンルーム内に設けられている。圧縮機2は、エンジン30に連結されており、エンジン30の駆動力により駆動される。また、圧縮機2は電磁クラッチ2cを有しており、その電磁クラッチ2cによってエンジン30からの駆動力伝達が断続される。電磁クラッチ2cの断続はエアコンECU50によって制御される。
凝縮器3は、例えば、車両のエンジンルーム前方等の車両が走行する際に生じる走行風を受け易い場所に設けられ、内部を流れる冷媒と室外ファンにより送風される外気および走行風とを熱交換する室外熱交換器である。
冷凍サイクル装置1には、凝縮器3と過冷却用熱交換器4との間に、例えば気液分離器を設けることができる。この気液分離器は、凝縮器3から流出した冷媒を気液分離して液相冷媒のみを下流に流すとともに、余剰冷媒を内部に貯留する。
冷却水回路31は、エンジン30とヒータコア34とを繋ぐ熱媒体回路であり、例えばエンジン30のウォータジャケットで暖められた冷却水がウォータポンプによって循環させられる回路である。冷却水回路31には、図示を省略したラジエータ等が、ヒータコア34と並列に接続している。
ヒータコア34は、エンジン30から受熱してエンジン30を冷却する熱媒体である冷却水が内部を流れる。ヒータコア34は、ヒータコア34が設けられた加熱用通路102を流れる空気を、エンジン30で加熱された冷却水と熱交換させることにより加熱する加熱装置である。要するに、ヒータコア34は、その冷却水を暖房用熱源として、蒸発器6で冷却されて空調ダクト10内を流れる空気を加熱する。
蒸発器6は、空調ダクト10内の空気通路10aにおいて、ブロワ14(図2参照)よりも空気流れ下流側に配置されている。詳細には、蒸発器6は、ブロワ14直後の通路全体を横断するように配置されている。そのため、蒸発器6は、ブロワ14から吹き出された空気全部が通過するようになっている。そして、蒸発器6は、空気通路10aを流れる空気を、減圧装置5で減圧された冷媒との熱交換により冷却する。すなわち、蒸発器6は、内部を流れる冷媒と空気通路10aを流れる空気との間で熱交換が行われて当該空気を冷却する空気冷却作用及び自身を通過する空気を除湿する空気除湿作用を行う室内熱交換器である。
蒸発器6の空気流れ下流側において、空気通路10aは分岐点10cで2つに分岐している。分岐点10cよりも空気流れ下流側では、空気通路10aは、第1空気通路としての冷風バイパス通路101と、冷風バイパス通路101と並行に空気が流通する第2空気通路としての加熱用通路102とに分かれている。
すなわち、空調ダクト10内には、車室内へ吹き出す空気が流通する冷風バイパス通路101および加熱用通路102が形成されている。そして、蒸発器6は、空調ダクト10内で、冷風バイパス通路101と加熱用通路102と過冷却用熱交換器4とヒータコア34との何れに対しても空気流れ上流側に配置されている。なお、矢印DR1は車両に搭載された空調ダクト10の鉛直方向DR1を示している。また、冷風バイパス通路101は加熱用通路102よりも鉛直方向DR1で上側に配置された上部空気通路となっており、加熱用通路102は下部空気通路となっている。
加熱用通路102には、過冷却用熱交換器4とヒータコア34とが互いに隣接して配置されている。詳細には、過冷却用熱交換器4およびヒータコア34は加熱用通路102内において、加熱用通路102の空気流れ方向に交差する流れ交差方向DRcs、具体的には空気流れ方向に直交する方向DRcsに並んで配置されている。
そして、過冷却用熱交換器4およびヒータコア34は全体として、加熱用通路102全体を横断するように配置されている。すなわち、過冷却用熱交換器4はヒータコア34よりも上記流れ交差方向DRcsにおける一方側へ寄って配置され、逆に、ヒータコア34は上記流れ交差方向DRcsにおける他方側へ寄って配置されている。
言い換えれば、過冷却用熱交換器4およびヒータコア34は、加熱用通路102を流れる空気が過冷却用熱交換器4とヒータコア34との一方だけを通るように配置されている。そのため、過冷却用熱交換器4は、加熱用通路102においてヒータコア34を経ずに流れる空気と冷媒とを熱交換させる熱交換部4aとなっている。逆に、ヒータコア34は、加熱用通路102において過冷却用熱交換器4を経ずに流れる空気とエンジン30の冷却水とを熱交換させる熱交換部となっている。なお、過冷却用熱交換器4のコア面およびヒータコア34のコア面は、それら熱交換器4、34の並び方向すなわち上記流れ交差方向DRcsと平行になっている。
冷風バイパス通路101は、過冷却用熱交換器4およびヒータコア34をバイパスして空気を流通する通路である。冷風バイパス通路101と加熱用通路102との分岐点10cの近傍には、エアミックスドア装置17が配置されている。
エアミックスドア装置17は、冷風バイパス通路101を通過する空気と加熱用通路102を通過する空気との風量割合を調節する風量割合調節装置である。エアミックスドア装置17は、例えばアクチュエータ等によりそのドア本体の位置を変化させて、空調ダクト10内の蒸発器6よりも下流の配風を調節し、それにより、車室内へ吹き出す空気の吹出温度を調整する。
具体的に、エアミックスドア装置17は、冷風バイパス通路101の上流端開口の開度を調節する第1ドア171と、加熱用通路102の上流端開口の開度を調節する第2ドア172とを含んで構成されている。例えば、冷風バイパス通路101を通過する空気に対する加熱用通路102を通過する空気の風量割合を大きくするためには、冷風バイパス通路101の開度が第1ドア171によって小さくされると共に、加熱用通路102の開度が第2ドア172によって大きくされる。
また、第2ドア172は、加熱用通路102の開度を調節するので、それに伴って、過冷却用熱交換器4を通る空気の風量を調節する。また、本実施形態では、車室内への多量の冷風吹き出しが必要な場合等には、第1ドア171を開制御して、主にフェイス吹出口19から冷風を吹き出すことができる。
第1ドア171は回動式のドアであり、第2ドア172は、加熱用通路102の上流端開口に沿って矢印ARdのようにスライドするスライド式ドアである。詳細には、第2ドア172は、過冷却用熱交換器4とヒータコア34との並び方向である流れ交差方向DRcsへ移動することで加熱用通路102を開閉する。
例えば、第2ドア172は、加熱用通路102を全閉状態から開放する動作では、加熱用通路102の流れ交差方向DRcsにおける一方側(すなわち過冷却用熱交換器4側)から加熱用通路102の上流端開口を開き始める。逆に、第2ドア172は、加熱用通路102を全開状態から閉じる動作では、上記流れ交差方向DRcsにおける他方側(すなわちヒータコア34側)から加熱用通路102の上流端開口を閉じ始める。
従って、エアミックスドア装置17は、加熱用通路102を通る空気の風量割合を大きくする向きに作動する場合、具体的には第2ドア172が加熱用通路102を全閉状態から開く動作を行う場合には、空調ダクト10内の空気流れにおいてヒータコア34を閉じる一方で過冷却用熱交換器4へ空気を流す第1状態になってから、過冷却用熱交換器4およびヒータコア34へ空気を流す第2状態になる。逆に、エアミックスドア装置17は、第2ドア172が加熱用通路102を全開状態から閉じる動作を行う場合には、上記第2状態から第1状態になり、その第1状態から加熱用通路102を全閉状態にする。そのエアミックスドア装置17の第1状態とは加熱用通路102を例えば半開状態とする動作状態であり、エアミックスドア装置17の第2状態とは加熱用通路102を例えば全開状態とする動作状態である。なお、エアミックスドア装置17の第1状態においてヒータコア34を閉じることとは、ヒータコア34を完全に閉塞することだけでなく、ヒータコア34をほぼ閉塞することも含んだ意味である。
エアミックスドア装置17全体として、エアミックスドア装置17は、第1ドア171によって冷風バイパス通路101を全開状態にする一方で第2ドア172によって加熱用通路102を全閉状態にする最大冷房位置すなわちMAXCOOL位置から、第1ドア171によって冷風バイパス通路101を全閉状態にする一方で第2ドア172によって加熱用通路102を全開状態にする最大暖房位置すなわちMAXHOT位置までの範囲で動作する。図1では、MAXHOT位置の第1ドア171および第2ドア172が実線で図示され、MAXCOOL位置の第1ドア171および第2ドア172が破線で図示されている。
冷風バイパス通路101および加熱用通路102の空気流れ下流側には、冷風バイパス通路101からの冷風と加熱用通路102からの温風とが合流し混合される冷温風混合空間10dすなわち合流空間10dが形成されている。前述したデフロスタ開口部、フェイス開口部およびフット開口部は、この冷温風混合空間10dに臨むように形成されており、冷温風混合空間10dからの風が各開口部に流入可能となっている。
次に、本実施形態の制御系の構成を図2に基づいて説明する。図2は、本実施形態の車両用空調装置100の制御系を示すブロック図である。エアコンECU50には、車室内前面に設けられた操作パネル51上の温度設定スイッチ等の各スイッチからのスイッチ信号、および各センサからのセンサ信号が入力される。
また、空調起動スイッチ52が操作パネル51と共に車室内前面に設けられている。この空調起動スイッチ52は、エアコン運転の起動(オン)と停止(オフ)とを切り替えるために乗員に操作されるエアコンスイッチである。空調起動スイッチ52は、エアコン運転を起動させるエアコンオン位置と、エアコン運転を停止させるエアコンオフ位置との2つの操作位置の何れかに切り替えられる。そして、空調起動スイッチ52の操作位置を示す信号もエアコンECU50に入力される。エアコン運転とは例えば冷房運転または除湿運転であり、少なくとも蒸発器6で空調空気を冷却する空調運転である。
ここで、上記の各センサとしては、例えば図2に示したように、内気温センサ40、外気温センサ41、日射センサ42、エバ温度センサ43、水温センサ44、および過冷却温度センサ45等がある。内気温センサ40は、車室内の空気温度TR(以下、内気温TRと言う場合がある)を検出する。外気温センサ41は、車室外の空気温度TAM(以下、外気温TAMと言う場合がある)を検出する。日射センサ42は、車室内に照射される日射量TSを検出する。エバ温度センサ43は、蒸発器6の外表面温度もしくは蒸発器6で冷却された空気温度TEを蒸発器6の温度として検出する。水温センサ44は、ヒータコア34に流入する冷却水の温度TWすなわち冷却水温TWを検出する。過冷却温度センサ45は、過冷却用熱交換器4の外表面温度もしくは過冷却用熱交換器4で加熱された空気温度TSCを検出する。
エアコンECU50の内部には、図示しないCPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピータが設けられ、各センサ40〜45からのセンサ信号は、エアコンECU50内の図示しない入力回路によってA/D変換された後にマイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
車両用空調装置100を制御する制御部としてのエアコンECU50は、操作パネル51の各スイッチからの入力信号および各センサ40〜45からの入力信号等に基づいて、後述する手順に従って、対象装置の作動制御を行うようになっている。対象装置としては、内外気切替ドア13、ブロワ14、エアミックスドア装置17、吹出モードドア21〜23、圧縮機2、減圧装置5等がある。なお、減圧装置5が、例えば冷媒温度感温式の膨張弁装置である場合には、エアコンECU50は減圧装置5の作動制御は行わない。
次に、上記構成に基づき、本実施形態の車両用空調装置100の作動について説明する。エアコンECU50は、車両のイグニッションスイッチがオンにされると動作状態になり、図3のフローチャートに示す制御処理を周期的に繰り返し実行する。図3は、エアコンECU50の制御処理を示す第1のフローチャートである。
図3に示すように、エアコンECU50は、まず、ステップS01にて各種設定を初期化する。次に、ステップS02にて、空調起動スイッチ52の操作位置がエアコンオン位置になっているか否かを判断する。ステップS02において、空調起動スイッチ52の操作位置がエアコンオン位置になっていると判断した場合には、ステップS03へ進む。その一方で、空調起動スイッチ52の操作位置がエアコンオン位置ではないと判断した場合には、ステップS04へ進む。
ステップS03では、エアコン運転を実行する。そして、エアコン運転で実行する制御処理の1つとして、後述の図4のフローチャートに示す制御処理を実行する。図4のフローチャートが終了すると、図3のフローチャートの実行ステップはステップS02に戻る。
図3のステップS04では、エアコンECU50は、例えば圧縮機2をオフにしてエアコン運転を停止する。ステップS04が終わると、図3のフローチャートは終了し、再びステップS01から開始する。
図4は、エアコンECU50の制御処理を示す第2のフローチャートであって、図3のステップS03で実行されるサブルーチンを示したフローチャートである。図4のフローチャートでは、エアコンECU50は、まず、ステップS101にて操作パネル51の各スイッチからスイッチ信号を読み込むとともに、各センサ40〜45等からのセンサ信号を読み込む。そして、次に、ステップS102にて、車室内へ吹き出す空気の温度目標値である目標吹出温度TAOを、予めROMに記憶された演算式に基づいて算出する。目標吹出温度TAOは、例えば、内気温TR、外気温TAM、日射量TS、および車室内設定温度Tsetに基づいて算出される。
ステップS102において目標吹出温度TAOを算出したら、ステップS103へ進む。ステップS103では、車室内への吹き出し空気温度を目標吹出温度TAOとするために、エアミックスドア装置17をMAXCOOL位置とした空調の状態と比較して、加熱用通路102で加熱される温風の温風量を増加する必要があるか否かを判断する。要するに、第2ドア172を開く必要があるか否かを判断する。例えば、エアコンECU50は、目標吹出温度TAOとエバ温度センサ43によって検出される空気温度TEとを比較し、目標吹出温度TAOがその空気温度TEよりも高い場合(TAO>TE)には、温風量を増加する必要があると判断する。
ステップS103において、温風量を増加する必要があると判断した場合には、ステップS104へ進む。その一方で、温風量を増加する必要がないと判断した場合には、ステップS105へ進む。
ステップS104では、基準となる所定の温風量よりも更に温風量を増加する必要があるか否かを判断する。例えば、エアコンECU50は、目標吹出温度TAOとエバ温度センサ43によって検出される空気温度TEとの差(=TAO−TE)が予め定められた閾値よりも大きい場合に、温風量を更に増加する必要があると判断する。その閾値は正の値であって実験的に予め定められている。
ステップS104において、温風量を更に増加する必要があると判断した場合には、ステップS106へ進む。その一方で、温風量を更に増加する必要はないと判断した場合には、ステップS107へ進む。
ステップS105では、エアミックスドア装置17をMAXCOOL位置に動作させる。すなわち、第1ドア171によって冷風バイパス通路101を全開状態にする一方で、第2ドア172によって加熱用通路102を全閉状態にする。
ステップS106では、第2ドア172によって加熱用通路102を全開状態にする。これにより、蒸発器6で冷却された空調空気を加熱してから車室内へ吹き出すリヒート運転が行われ、その空調空気の加熱には、過冷却用熱交換器4とヒータコア34との両方が用いられる。リヒート運転とはエアコン運転のうちの一態様である。
また、ステップS106では、エアコンECU50は、エバ温度センサ43、水温センサ44、および過冷却温度センサ45からの入力情報に基づいて、第1ドア171を全閉から全開までの間で作動させて冷風バイパス通路101の開度調節を行う。例えば、冷風バイパス通路101を通過した冷風と加熱用通路102を通過した冷風とが冷温風混合空間10dで混合されて吹き出されるので、冷風バイパス通路101の開度調節は、その冷温風混合空間10dで混交された空気の温度が目標吹出温度TAOに近付くように行われる。
ステップS107では、エアミックスドア装置17を、空調ダクト10内の空気流れにおいてヒータコア34を閉じる一方で過冷却用熱交換器4へ空気を流す上記第1状態にする。要するに、蒸発器6で冷却された空気をヒータコア34よりも過冷却用熱交換器4へ優先的に流す。例えば、第2ドア172を、過冷却用熱交換器4が全開になりヒータコア34が全閉になるドア位置に位置決めする。また、エアコンECU50は、ステップS106と同様に、第1ドア171を作動させて冷風バイパス通路101の開度調節を行う。
これにより、ステップS107でも上記リヒート運転が行われるが、空調空気の加熱には、過冷却用熱交換器4とヒータコア34とのうち過冷却用熱交換器4だけが用いられる。なお、ステップS105、S106、S107の何れかを実行したら、エアコンECU50が実行する制御処理は図3のフローチャートへ戻り、再び図3のステップS02から開始する。
図示は省略しているが、図3および図4の制御処理においてエアコン運転の実行中には、エアコンECU50は、予めROMに記憶された特性図(マップ)から、目標吹出温度TAO等に対応したブロワ14の風量、圧縮機2のオンオフ切替状態、内外気の吸込口モードおよび吹出口モードも決定する。
また、操作パネル51上においてブロワ風量、吸込口モードおよび吹出口モードが手動操作により設定されている場合には、その設定モードに決定する。また、エアコンECU50は、図3および図4の制御処理の実行中に算出または決定した各制御状態が得られるように、内外気切替ドア13、ブロワ14、エアミックスドア装置17、吹出モードドア21〜23、圧縮機2等に制御信号を出力する。
また、上述した図3および図4の各ステップでの処理は、それぞれの機能を実現する手段を構成している。後述する図15および図16のフローチャートでも同様である。
上述したように、本実施形態によれば、過冷却用熱交換器4は、ヒータコア34を経ずに流れる空気と冷媒とを熱交換させる熱交換部となっている。そして、エアミックスドア装置17は、加熱用通路102を通る空気の風量割合を大きくする向きに作動する場合、例えばMAXCOOL位置からMAXHOT位置へと作動する場合には、空調ダクト10内の空気流れにおいてヒータコア34を閉じる一方で過冷却用熱交換器4へ空気を流す第1状態になってから、過冷却用熱交換器4およびヒータコア34へ空気を流す第2状態になる。そのため、ヒータコア34の加熱能力が過剰になっておりヒータコア34への通風を制限する必要がある場合であっても、エアミックスドア装置17を上記第1状態にすることで、蒸発器6で冷却された空気を過冷却用熱交換器4により加熱することが可能である。従って、車両用空調装置100のリヒート運転において、蒸発器6で冷却された空気を加熱する際に、過冷却用熱交換器4が熱交換能力を充分に発揮することができる。
また、本実施形態によれば、過冷却用熱交換器4は加熱用通路102に配置されているので、例えば特許文献1の車両用空調装置のように加熱用通路102や冷風バイパス通路101に対して並列に別個の並列通路を設け過冷却用熱交換器4を配置する場合と比較して、並列通路の形成およびこの並列通路を開閉するドアを不要とすることができる。また、並列通路の開放や閉鎖により空調ダクト内の空気流れが大きく変化して温度調整性能が悪化することも防止することができる。
また、本実施形態によれば、図1に示すように、過冷却用熱交換器4はヒータコア34よりも加熱用通路102の流れ交差方向DRcsにおける一方側へ寄って配置され、逆に、ヒータコア34は上記流れ交差方向DRcsにおける他方側へ寄って配置されている。そして、第2ドア172は、加熱用通路102を閉じた状態から開放する動作では、加熱用通路102の流れ交差方向DRcsにおける上記一方側から加熱用通路102の上流端開口を開き始める。従って、蒸発器6で冷却された空気をヒータコア34へは流さずに過冷却用熱交換器4へ流す第1の空気流通状態と、蒸発器6で冷却された空気をヒータコア34と過冷却用熱交換器4との両方へ流す第2の空気流通状態とを、1つのドア機構の作動で実現することが可能である。すなわち、過冷却用熱交換器4用とヒータコア34用とで別々のドア機構を設ける必要がない。
ここで、冷凍サイクル装置1を循環する冷媒の状態変化、および空調ダクト10内を流れる空調空気の温度変化などについて、図5〜9を用いて説明する。図5は、冷凍サイクル装置1を循環する冷媒の状態の一例を示す圧力−エンタルピ線図である。
図5に冷凍サイクル装置1中の冷媒状態を示すように、圧縮機2による圧縮に伴いPA点からPB点へ圧力およびエンタルピが上昇させられた気相冷媒は、凝縮器3で放熱されて凝縮する。そして、凝縮器3から流出した冷媒がPC点に示す状態であるとすると、過冷却用熱交換器4に通風され過冷却用熱交換器4が熱交換可能となっている場合には、過冷却用熱交換器4から流出した冷媒はPD点に示す状態となる。すなわち、減圧装置5で減圧される前に、過冷却用熱交換器4で冷媒のエンタルピは大きく低下する。
これにより、蒸発器6への流入冷媒と蒸発器6からの流出冷媒との間のエンタルピ差、すなわち図5のPE点とPA点との間のエンタルピ差が大きく確保され、冷凍サイクル装置1の冷房能力および運転効率COPを大きく向上することができる。すなわち、過冷却用熱交換器4によって省動力効果を得ることができる。
例えば、図5に一部を破線L1で示したサイクルは、過冷却用熱交換器4を備えていない従来例のものであるが、その従来例に対して、本実施形態では過冷却用熱交換器4での熱交換により破線L1が実線L2へと移り、上記エンタルピ差の拡大が図られて省動力効果を生じている。
凝縮器3の冷媒凝縮温度は、例えば外気温度に対して10〜20℃高く、外気温度が35℃のときには45〜55℃程度となる。凝縮器3が所謂サブクールコンデンサである場合には、凝縮器3の出口冷媒は凝縮温度に対して約10℃ほど低下し、PC点の冷媒温度は35〜45℃となる。モリエル線図上において凝縮温度を50℃、凝縮器3の過冷却部によるサブクールを10℃、蒸発器6側の温度を0℃として、過冷却用熱交換器4によって冷媒温度を10℃にまで低下させた場合には、本実施形態の冷凍サイクル装置1の効率COPは5.99となる。
これに対し、過冷却用熱交換器4を有さない上記従来例の冷凍サイクル装置では、減圧装置5へ流入する冷媒の温度が外気温度よりも低くはならないので、その冷凍サイクル装置の効率COPは4.43となる。このように、本実施形態の冷凍サイクル装置1によれば、大幅な効率向上が達成される。要するに、本実施形態では、減圧装置5へ流入する冷媒の温度を過冷却用熱交換器4での冷媒の冷却により外気温度よりも低くすることができるので、その分、蒸発器6において冷媒へ与えられるエンタルピが大きくなる。その結果として冷凍サイクル装置1の大幅な効率向上が達成される。なお、上記効率COPに関する結果は、冷媒をR1234yf、圧縮効率、体積効率を1とした場合の理論効率である。
図6は、車両用空調装置100のリヒート運転において、空調ダクト10内の空気温度の一例を示すグラフである。図6に示すように、空調ダクト10内に取り入れられた空気は蒸発器6における冷媒と熱交換で冷却され温度低下する。このとき、露点以下に空気温度を下げることで空気に含まれる水分が凝縮し、絶対湿度が低下する。この除湿された空気をヒータコア34で加熱し適度な吹出し空気温度を作って車室内へ吹出すことで車室内の乗員の快適性を維持することができる。本実施形態では、例えば第2ドア172が全開状態であれば、加熱用通路102を通る空気は、凝縮器3から流出した冷媒が導かれる過冷却用熱交換器4において加熱され、これと並行してヒータコア34でも加熱される。
過冷却用熱交換器4を備えない車両用空調装置では、空気の加熱の全てをヒータコア34でエンジン排熱を使って行っている。これに対して、本実施形態の車両用空調装置100では、空気の加熱の一部を減圧前の冷媒の熱を用いて行うことで、車室内の快適性を維持しながら、蒸発器6へ流入する直前の冷媒のエンタルピを低下させる。
図6に示すように、過冷却用熱交換器4を備えない上記従来例の車両用空調装置では、例えば破線L3のようにヒータコア34でのみ空気が加熱され、これにより吹出温度が目標吹出温度TAOにまで上昇させられる。その一方で、本実施形態の車両用空調装置100では、例えば実線L4のように、過冷却用熱交換器4で加熱された空気がヒータコア34で加熱された空気と混ざることで、吹出温度が目標吹出温度TAOにまで上昇させられる。
図7および図8は、リヒート運転で本実施形態の車両用空調装置100が奏する省動力効果を確認するために行われたシミュレーション結果を示す図である。図7は、本実施形態と対比される比較例のものであり、図8は本実施形態のものある。図7の比較例は、過冷却用熱交換器4がヒータコア34に対して直列に且つ空気流れ上流側に配置されているという点で本実施形態と異なるが、他の構成は本実施形態と同じである。
図7および図8のシミュレーション条件は、吹出風量が250m3/hであり、吹出温度は15℃であり、過冷却用熱交換器4へ流入する直前の冷媒温度は35℃であり、ヒータコア34へ流入する直前の冷却水の温度TWは65℃である。なお、図7および図8では、空調ダクト10およびその内部が模式的に図示されているので、図1と比較して簡潔な図示となっている。例えば、図7および図8における空調ダクト10および第2ドア172は図1のものと同様であるが、図1と比較して簡潔に表示されている。また、図7および図8では第1ドア171の図示は省略されている。
図7に示す比較例において吹出風量を250m3/h、吹出温度を15℃とすると、蒸発器6から流出する空気は5℃まで冷却される。そして、吹出風量250m3/hのうち220m3/hは冷風バイパス通路101へ流れ、残りの30m3/hは加熱用通路102へ流れることとなる。加熱用通路102では、30m3/hの空気が過冷却用熱交換器4とヒータコア34とによって加熱される。具体的には、過冷却用熱交換器4によって14℃にまで加熱された後、ヒータコア34によって65℃にまで加熱される。そして、冷風バイパス通路101から流出した220m3/hの冷風と加熱用通路102から流出した30m3/hの温風とが混合されて、吹出温度が15℃になる。
一方、図8に示す本実施形態において吹出風量を250m3/h、吹出温度を15℃とすると、上記比較例と同様に、蒸発器6から流出する空気は5℃まで冷却される。しかし、このリヒート運転では過冷却用熱交換器4の加熱能力だけで足りるので、図4のステップS107が実行され、第2ドア172は、ヒータコア34を閉じる一方で過冷却用熱交換器4へ空気を流すように位置決めされる。
そのため、吹出風量250m3/hのうち150m3/hは冷風バイパス通路101へ流れると共に、残りの100m3/hは加熱用通路102へ流れ、その100m3/hの空気は過冷却用熱交換器4によって加熱される。そして、冷風バイパス通路101から流出した150m3/hの冷風と加熱用通路102から流出した100m3/hの温風とが混合されて、吹出温度が15℃になる。なお、吹出温度を図8の状態よりも高めるのであれば、その分だけヒータコア34へ空気を流入させればよい。
このように本実施形態を上記比較例と対比すると、比較例では、冷却水の温度TWが高いほど、すなわちヒータコア34の加熱能力が高いほど、ヒータコア34での冷却水からの放熱量(単位は例えば「W」)を制限するために、加熱用通路102へ流れる空気の流量が低下させられる。その結果、過冷却用熱交換器4で熱交換される空気の流量も低下し、過冷却用熱交換器4による省動力効果が小さくなる。これに対し、本実施形態では、ヒータコア34を用いずに過冷却用熱交換器4で加熱用通路102の空気を加熱することができるので、ヒータコア34の加熱能力に制限されずに過冷却用熱交換器4へ空気を流すことができる。その結果、過冷却用熱交換器4の冷媒からの放熱量を最大限大きくすることができ、図7のように過冷却用熱交換器4とヒータコア34とを直列に配置した比較例と比較して、過冷却用熱交換器4による省動力効果を大きくすることができる。
図9は、過冷却用熱交換器4における冷媒から空気への放熱量と冷凍サイクル装置1の省動力効果との関係を示したイメージ図である。過冷却用熱交換器4での放熱量が大きくなるほど、図5のPE点とPA点との間のエンタルピ差は拡大するので、図9に示すように省動力効果も大きくなる。
例えば、図7の比較例のシミュレーション結果では、過冷却用熱交換器4での放熱量は100Wであるので、図9に示すようにその省動力効果の大きさはEF1になる。その一方で、図8の本実施形態のシミュレーション結果では、過冷却用熱交換器4での放熱量は400Wであるので、図9に示すようにその省動力効果の大きさはEF2になり、本実施形態ではリヒート運転時に、図7の比較例によりも大きい省動力効果を得ることができる。
また、本実施形態によれば、蒸発器6で冷却された空気を加熱することなく車室内へ吹き出すときには、第2ドア172が加熱用通路102を閉塞して、過冷却用熱交換器4およびヒータコア34からの放熱を抑制する。これによると、蒸発器6で冷却された空気を加熱することなく車室内へ吹き出すときには、過冷却用熱交換器4やヒータコア34による空気の不要な加熱を防止することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。後述の第3実施形態以降でも同様である。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。後述の第3実施形態以降でも同様である。
図10は、本実施形態において空調ダクト10およびその内部を模式的に示した空調ダクト10の断面図である。図10では、第1実施形態における図1と比較して簡潔な図示となっているが、図10中で第1実施形態と同一の符号が付されたものは図1中のそれと同様のものである。例えば、図10における空調ダクト10およびエアミックスドア装置17は図1のものと比較して簡潔に表示されているが、図1のものと同様の構成である。このことは、後述の図11〜13でも同じである。
図10に示すように、本実施形態では空調ダクト10における過冷却用熱交換器4およびヒータコア34の配置が第1実施形態と異なっている。具体的には、過冷却用熱交換器4は、第1実施形態の冷風バイパス通路101に相当する第1空気通路101に設けられ、その第1空気通路101の通路全体を横断するように配置されている。そのため、過冷却用熱交換器4は、第1空気通路101へ流入した空気全部が通過するようになっている。
また、ヒータコア34は、第1実施形態の加熱用通路102に相当する第2空気通路102に設けられ、その第2空気通路102の通路全体を横断するように配置されている。そのため、ヒータコア34は、第2空気通路102へ流入した空気全部が通過するようになっている。そして、冷却用熱交換器4は、第1空気通路101へ流入した空気を冷媒との熱交換により加熱し、ヒータコア34は、第2空気通路102へ流入した空気を冷却水との熱交換により加熱する。なお、図10の矢印AT1は第1ドア171の動作方向を示し、矢印AT2は第2ドア172の動作方向を示している。
本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図11は、本実施形態において空調ダクト10およびその内部を模式的に示した空調ダクト10の断面図である。図11に示すように、本実施形態では空調ダクト10における過冷却用熱交換器4およびヒータコア34の配置が第1実施形態と異なっている。具体的には、過冷却用熱交換器4は、第2ドア172よりも空気流れ上流側に配置されている。すなわち、冷風バイパス通路101および加熱用通路102よりも空気流れ上流側に配置されている。
また、ヒータコア34は、加熱用通路102に設けられ、その加熱用通路102の通路全体を横断するように配置されている。そのため、ヒータコア34は、加熱用通路102へ流入した空気全部が通過するようになっている。そして、ヒータコア34は、加熱用通路102へ流入した空気を冷却水との熱交換により加熱する。
また、過冷却用熱交換器4は、冷風バイパス通路101と加熱用通路102との両方に対し空気流れ方向に重なるように配置されているので、ヒータコア34を経ずに流れる空気と冷媒とを熱交換させる第1熱交換部4aと、ヒータコア34を通る空気と冷媒とを熱交換させる第2熱交換部4bとを有している。すなわち、過冷却用熱交換器4の第1熱交換部4aは冷風バイパス通路101に対して空気流れ方向に重なり、第2熱交換部4bは加熱用通路102に対して空気流れ方向に重なっている。そして、第2熱交換部4bはヒータコア34よりも空気流れ上流側に配置されている。第1熱交換部4aとは、言い換えれば、空調ダクト10内の空気流れにおいてヒータコア34に対し並列に配置された熱交換部であり、第2熱交換部4bとは、空調ダクト10内の空気流れにおいてヒータコア34に対し直列に配置された熱交換部である。
要するに、過冷却用熱交換器4は、第1熱交換部4aを通過した空気が冷風バイパス通路101へ流入すると共に第2熱交換部4bを通過した空気が加熱用通路102へ流入するように、冷風バイパス通路101および加熱用通路102に対し空気流れ上流側に配置されている。なお、図1と図11とを対比すれば判るように、本実施形態の過冷却用熱交換器4は第1熱交換部4aと第2熱交換部4bとから構成されているが、第1実施形態の過冷却用熱交換器4は、第2熱交換部4bを含まずに第1熱交換部4aで構成されている。
第2ドア172は第1実施形態と同様のスライド式ドアであるが、図11に示すように、第2ドア172の動作範囲は冷風バイパス通路101の一部分にまで及んでいる。具体的に、第2ドア172は、空調ダクト10内の空気流れにおいて過冷却用熱交換器4の熱交換部4a、4bの両方を閉じるドア全閉位置から、過冷却用熱交換器4の熱交換部4a、4bの両方を開くと共に加熱用通路102を全開にするドア全開位置までスライド移動する。
本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。更に、本実施形態によれば、過冷却用熱交換器4は、ヒータコア34を経ずに流れる空気と冷媒とを熱交換させる第1熱交換部4aに加えて、ヒータコア34を通る空気と冷媒とを熱交換させる第2熱交換部4bを有している。従って、加熱用通路102の拡幅化を抑えて空調ダクト10の小型化を図りつつ、過冷却用熱交換器4の空気通過面積を十分に確保することが可能である。
また、本実施形態によれば、過冷却用熱交換器4の第2熱交換部4bはヒータコア34よりも空気流れ上流側に配置されているので、リヒート運転時に蒸発器6で冷却された空気をヒータコア34での加熱前に第2熱交換部4bへ導入することが可能である。従って、第2熱交換部4bがヒータコア34よりも空気流れ下流側に配置されている構成と比較して、PE点とPA点との間のエンタルピ差(図5参照)を大きくすることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図12は、本実施形態において空調ダクト10およびその内部を模式的に示した空調ダクト10の断面図である。図12に示すように、本実施形態では空調ダクト10における過冷却用熱交換器4およびヒータコア34の配置が第1実施形態と異なっている。
具体的には、過冷却用熱交換器4は、加熱用通路102において、過冷却用熱交換器4の一部分がヒータコア34に対して空気流れ方向に重なるように配置されている。すなわち、過冷却用熱交換器4は、上述した第1熱交換部4aと第2熱交換部4bとを有している。そして、その第2熱交換部4bはヒータコア34よりも空気流れ上流側に配置されている。
また、ヒータコア34は加熱用通路102に設けられているが、その加熱用通路102の通路全体を横断するようには配置されていない。すなわち、ヒータコア34は、加熱用通路102内において、過冷却用熱交換器4の第1熱交換部4aおよび第2熱交換部4bの並び方向における第1熱交換部4a側にヒータコア34をバイパスさせる空気の通路102aを形成している。そのため、ヒータコア34は、専ら過冷却用熱交換器4の第2熱交換部4bを通過した空気を加熱する。
本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。更に、前述の第3実施形態と共通の構成もあるので、その構成から奏される効果を第3実施形態と同様に得ることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第4実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第4実施形態と異なる点を主として説明する。
図13は、本実施形態において空調ダクト10およびその内部を模式的に示した空調ダクト10の断面図である。図13に示すように、本実施形態では空調ダクト10における過冷却用熱交換器4の設置数が第4実施形態と異なっている。
具体的には、過冷却用熱交換器4は、加熱用通路102においてヒータコア34に対する空気流れ上流側と空気流れ下流側とにそれぞれ1つずつ、合計2つ設けられている。そして、冷凍サイクル装置1においては、2つの過冷却用熱交換器4は、凝縮器3から減圧装置5までの間で互いに直列に連結されており、空気流れ上流側の過冷却用熱交換器4は空気流れ下流側の過冷却用熱交換器4に対して冷媒流れ下流側に設けられている。
本実施形態では、前述の第4実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、本発明の第6実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。
図14は、本実施形態における車両用空調装置100の概略構成を示す模式図であって、図1に相当する図である。図14に示すように、冷凍サイクル装置1が有する冷媒回路の構成が第1実施形態と異なっている。
具体的には、冷凍サイクル装置1は、第1開閉弁56と第2開閉弁58とから成る回路切替装置54と、回路切替装置54によって択一的に成立させられる2つの冷媒回路60、62とを有している。その2つの冷媒回路60、62は第1冷媒回路60と第2冷媒回路62とであり、その第1冷媒回路60は、圧縮機2から吐出された冷媒が凝縮器3と過冷却用熱交換器4と減圧装置5と蒸発器6とを順に経て圧縮機2へ戻る冷媒回路である。すなわち、第1実施形態の冷凍サイクル装置1で構成されている冷媒回路と同じである。図14では、第1冷媒回路60における冷媒流れは実線矢印FL1で示され、第2冷媒回路62における冷媒流れは破線矢印FL2で示されている。
また、第2冷媒回路62は、圧縮機2から吐出された高温高圧の冷媒が凝縮器3を経ずに過冷却用熱交換器4へ導入される冷媒回路である。詳細には、第2冷媒回路62は、冷媒配管9から分岐した第1バイパス冷媒通路63および第2バイパス冷媒通路64を含んで構成されている。その第1バイパス冷媒通路63は、圧縮機2から吐出された冷媒を凝縮器3をバイパスして過冷却用熱交換器4へ流す冷媒通路である。第2バイパス冷媒通路64は、過冷却用熱交換器4から流出した冷媒を減圧装置5および蒸発器6をバイパスして圧縮機2へ流す冷媒通路である。
そして、本実施形態の冷凍サイクル装置1は、第1実施形態と比較して更に、暖房用減圧装置66と気液分離器68とを有している。暖房用減圧装置66は、エアコンECU50によって制御される電動の膨張弁であり、第2バイパス冷媒通路64に設けられ、且つ過冷却用熱交換器4から流出した冷媒を減圧する。気液分離器68は、第2バイパス冷媒通路64に設けられ、且つ暖房用減圧装置66から流出した冷媒を気相と液相とに分離すると共に液相の冷媒を内部に貯留し気相の冷媒を圧縮機2へ流す。
また、回路切替装置54に含まれる第1開閉弁56および第2開閉弁58は何れも、エアコンECU50によって開閉制御される電磁開閉弁である。第1開閉弁56は、第1バイパス冷媒通路63に設けられ、その第1バイパス冷媒通路63を開閉する。また、第2開閉弁58は、第2バイパス冷媒通路64に設けられ、その第2バイパス冷媒通路64を開閉する。
そして、第1冷媒回路60は、第1開閉弁56が第1バイパス冷媒通路63を閉じると共に第2開閉弁58が第2バイパス冷媒通路64を閉じることで成立する。その一方で、第2冷媒回路62は、第1開閉弁56が第1バイパス冷媒通路63を開くと共に第2開閉弁58が第2バイパス冷媒通路64を開くことで成立する。このように、回路切替装置54は、第1冷媒回路60と第2冷媒回路62とを択一的に成立させる。
なお、第2冷媒回路62の成立時には、第1バイパス冷媒通路63を流れる冷媒の流通抵抗は凝縮器3の流通抵抗と比較して格段に小さいので、凝縮器3を積極的に閉塞しなくても、圧縮機2から吐出された冷媒は、凝縮器3へは流れずに専ら第1バイパス冷媒通路63へ流れる。これと同様に、過冷却用熱交換器4から流出した冷媒は、第2バイパス冷媒通路64よりも流通抵抗が大きい蒸発器6へは流れずに、専ら第2バイパス冷媒通路64へ流れる。
そして、第2冷媒回路62では、圧縮機2から吐出された冷媒は、第1開閉弁56と過冷却用熱交換器4と第2開閉弁58と暖房用減圧装置66と気液分離器68とを順に経て圧縮機2へ戻る。
図2に示す空調起動スイッチ52は本実施形態でも設けられているが、第1実施形態とは異なり、3つの操作位置の何れかに切り替えられる。具体的に、本実施形態の空調起動スイッチ52は、エアコン運転を起動させるエアコンオン位置と、暖房運転を起動させる暖房オン位置と、エアコン運転および暖房運転の何れも停止させる空調オフ位置との3つの操作位置の何れかに切り替えられる。暖房運転とは、蒸発器6で空調空気を冷却することなく空調空気を加熱して車室内へ吹き出す空調運転である。従って、暖房運転中には、冷凍サイクル装置1の冷媒は蒸発器6へ流れない。
次に、上記構成に基づき、本実施形態の車両用空調装置100の作動について説明する。エアコンECU50は、車両のイグニッションスイッチがオンにされると動作状態になり、図15のフローチャートに示す制御処理を周期的に繰り返し実行する。図15は、本実施形態のエアコンECU50の制御処理を示す第1のフローチャートである。なお、図15において、図3と同じ内容のステップについては同一の符号を付しその説明を省略する。
図15のフローチャートに示すように、エアコンECU50は、ステップS02にて、空調起動スイッチ52の操作位置がエアコンオン位置になっていると判断した場合には、ステップS13へ進む。その一方で、空調起動スイッチ52の操作位置がエアコンオン位置ではないと判断した場合には、ステップS14へ進む。
ステップS13では、第1開閉弁56を閉弁させると共に、第2開閉弁58も閉弁させる。これにより、エアコン運転用の冷媒回路である第1冷媒回路60を成立させる。第1開閉弁56および第2開閉弁58が既に閉弁されていれば、その閉弁した状態を継続させる。ステップS13の次はステップS03へ進み、ステップS03では、第1実施形態と同様に、エアコン運転が実行され、図4のフローチャートが実行される。
ステップS14では、空調起動スイッチ52の操作位置が暖房オン位置になっているか否かを判断する。ステップS14において、空調起動スイッチ52の操作位置が暖房オン位置になっていると判断した場合には、ステップS15へ進む。その一方で、空調起動スイッチ52の操作位置が暖房オン位置ではないと判断した場合には、ステップS16へ進む。
ステップS15では、暖房運転を実行する。そのために、エアコンECU50は、空調ダクト10内で空気が過冷却用熱交換器4およびヒータコア34へ流れるようにエアミックスドア装置17を作動させる。具体的には、第2ドア172に、加熱用通路102が最大開度になるまで開放させる。要するに、加熱用通路102を全開にする。加熱用通路102が既に全開であればその状態を継続させる。これにより、空調空気は、過冷却用熱交換器4およびヒータコア34を通ってから車室内へ吹き出されることになる。
そして、ステップS15において、エアコンECU50は、暖房運転で実行する制御処理の1つとして、後述の図16のフローチャートに示す制御処理を実行する。図16のフローチャートが終了すると、図15のフローチャートの実行ステップはステップS02に戻る。
図15のステップS16では、エアコンECU50は、エアコン運転および暖房運転を停止する。ステップS16が終わると、図15のフローチャートは終了し、再びステップS01から開始する。
図16は、本実施形態のエアコンECU50の制御処理を示す第2のフローチャートであって、図15のステップS15で実行されるサブルーチンを示したフローチャートである。また、図16において、図4と同じ内容のステップについては同一の符号を付しその説明を省略する。
図16のフローチャートでは、エアコンECU50は、第1実施形態と同様にステップS101とS102とを順次実行し、ステップS102において目標吹出温度TAOを算出したら、ステップS203へ進む。
ステップS203では、車室内への吹出空気温度を目標吹出温度TAOとするために、空調ダクト10内を流れる空調空気を過冷却用熱交換器4とヒータコア34とのうちヒータコア34だけで加熱する基本加熱状態と比較して、空調空気に対する加熱量を更に増加させる必要があるか否かを判断する。例えば、エアコンECU50は、目標吹出温度TAOと水温センサ44(図2参照)によって検出される冷却水温TWとを比較し、目標吹出温度TAOがその冷却水温TWよりも高い場合(TAO>TW)には、空調空気に対する加熱量を更に増加させる必要があると判断する。
ステップS203において、上記基本加熱状態と比較して加熱量を更に増加させる必要があると判断した場合、すなわち目標吹出温度TAOが冷却水温TWよりも高い場合には、ステップS204へ進む。その一方で、上記基本加熱状態と比較して加熱量を更に増加させる必要がないと判断した場合、すなわち目標吹出温度TAOが冷却水温TW以下である場合には、ステップS205へ進む。
ステップS204では、第1開閉弁56を開弁させると共に、第2開閉弁58も開弁させる。これにより、暖房運転用の冷媒回路である第2冷媒回路62を成立させる。第1開閉弁56および第2開閉弁58が既に開弁されていれば、その開弁した状態を継続させる。
そして、圧縮機2をオンにする。すなわち、圧縮機2を駆動する。これにより、圧縮機2で圧縮された高温高圧の冷媒が過冷却用熱交換器4へ導入され、加熱用通路102を流れる空気は、ヒータコア34だけでなく過冷却用熱交換器4によっても加熱されて車室内へと吹き出される。
このようにして、エアコンECU50は、空調ダクト10内で空気が過冷却用熱交換器4およびヒータコア34へ流れるようにエアミックスドア装置17を作動させる(図15のステップS15参照)と共に回路切替装置54によって第2冷媒回路62を成立させることにより、車室内の暖房を行う。
また、ステップS204では、後述のステップS205が実行される場合に比して更に空調ダクト10内の空気を加熱する場合に、回路切替装置54によって第2冷媒回路62を成立させると共に、ヒータコア34に加えて過冷却用熱交換器4にも空調ダクト10内の空気を加熱させる。
ステップS205では、ヒータコア34と過冷却用熱交換器4とのうちヒータコア34だけで空調ダクト10内の空気を加熱する。従って、ステップS205では、圧縮機2をオフにする。すなわち、圧縮機2を停止する。これにより、過冷却用熱交換器4は加熱装置として機能しなくなり、加熱用通路102を流れる空気は、専らヒータコア34によって加熱されて車室内へと吹き出される。このとき、圧縮機2がオフであるので、エアコンECU50は、第1開閉弁56および第2開閉弁58を閉弁させてもよいし開弁させてもよい。
また、ステップS204、S205では、エアコンECU50は、エバ温度センサ43、水温センサ44、および過冷却温度センサ45からの入力情報に基づいて、車室内への吹出空気温度が目標吹出温度TAOに近付くように、第1ドア171を作動させて冷風バイパス通路101の開度調節を行う。
なお、ステップS204またはS205を実行したら、エアコンECU50が実行する制御処理は図15のフローチャートへ戻り、再び図15のステップS02から開始する。また、図15および図16の制御処理において暖房運転の実行中には、エアコンECU50は、第1実施形態でのエアコン運転と同様に、ブロワ14の風量、内外気の吸込口モードおよび吹出口モードも決定する。そして、エアコンECU50は、上述した制御処理の実行中に算出または決定した各制御状態が得られるように、内外気切替ドア13、ブロワ14、エアミックスドア装置17、吹出モードドア21〜23、圧縮機2等に制御信号を出力する。
本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。更に、本実施形態によれば、冷凍サイクル装置1は、エアコン運転用の第1冷媒回路60と、圧縮機2から吐出された冷媒が凝縮器3を経ずに過冷却用熱交換器4へ導入される暖房運転用の第2冷媒回路62と、第1冷媒回路60と第2冷媒回路62とを択一的に成立させる回路切替装置54とを有している。そして、エアコンECU50は、空調ダクト10内で空気が過冷却用熱交換器4およびヒータコア34へ流れるようにエアミックスドア装置17を作動させると共に回路切替装置54によって第2冷媒回路62を成立させることにより、車室内の暖房を行う。従って、蒸発器6で空調空気を冷却しない暖房運転においてヒータコア34だけでなく過冷却用熱交換器4によっても空調空気を加熱することができる。
ここで、暖房運転において目標吹出温度TAOとその目標吹出温度TAOを達成するために必要とされるエンジン30の冷却水温TW(以下、必要エンジン冷却水温TWnという)との関係は図17の実線L5のようになる。すなわち、図17に示すように、必要エンジン冷却水温TWnは目標吹出温度TAOが高くなるほど高くなる。そして、必要エンジン冷却水温TWnが車両走行に必要な冷却水温TWを超えるまで目標吹出温度TAOが高くなった場合には、例えば過冷却用熱交換器4で空調空気を加熱できないとすれば、図17に示すように、車両を走行させる上ではエンジン30に余分な仕事を行わせ、冷却水温TWを高める必要が生じる。
これに対し、本実施形態では上記のように、ヒータコア34だけでなく、補助熱源としての過冷却用熱交換器4によっても空調空気を加熱することができるので、冷凍サイクル装置1に空調空気を加熱するための熱量をアシストさせ、エンジン30に余分な仕事を行わせないようにすることが可能である。その結果として、暖房運転に起因した車両の燃費悪化を抑制することができる。すなわち、第1実施形態で説明したリヒート運転時の省動力効果だけでなく、主として冬場の空調運転である暖房運転時には過冷却用熱交換器4を補助熱源として機能させることで省燃費効果が得られ、おおよそ一年間を通じて過冷却用熱交換器4よる効果を得ることができる。
また、本実施形態によれば、エアコン電子制御装置50は、ヒータコア34と過冷却用熱交換器4とのうちヒータコア34だけで空調ダクト10内の空気を加熱する場合(図16のステップS205参照)に比して更に空調ダクト10内の空気を加熱する場合に、回路切替装置54によって第2冷媒回路62を成立させると共に、ヒータコア34に加えて過冷却用熱交換器4にも空調ダクト10内の空気を加熱させる。従って、ヒータコア34によってエンジン廃熱を暖房運転に利用しつつ、補助的に、冷凍サイクル装置1に空調空気を加熱させることが可能である。その結果、例えば暖房運転において冷凍サイクル装置1による動力消費を抑えることが可能である。
また、本実施形態によれば、第1冷媒回路60は、第1開閉弁56が第1バイパス冷媒通路63を閉じると共に第2開閉弁58が第2バイパス冷媒通路64を閉じることで成立し、第2冷媒回路62は、第1開閉弁56が第1バイパス冷媒通路63を開くと共に第2開閉弁58が第2バイパス冷媒通路64を開くことで成立する。従って、開閉弁56、58を開閉制御することで、2つの冷媒回路60、62を択一的に容易に成立させることが可能である。
なお、本実施形態は第1実施形態に基づいた実施形態であるが、本実施形態を前述の第2〜5実施形態のうちの何れかと組み合わせることも可能である。
(第7実施形態)
次に、本発明の第7実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第6実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、本発明の第7実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第6実施形態と異なる点を主として説明する。
図18および図19は、本実施形態において冷凍サイクル装置1の冷媒回路構成を示した図である。図18では第1冷媒回路60を構成する冷媒の流通経路が実線で表されると共に、第1冷媒回路60から外れた冷媒の流通経路が破線で表されている。その一方で、図19では第2冷媒回路62を構成する冷媒の流通経路が実線で表されると共に、第2冷媒回路62から外れた冷媒の流通経路が破線で表されている。
図18および図19に示すように、本実施形態は、冷凍サイクル装置1が冷媒加熱器70を有しているという点で、前述の第6実施形態と異なっている。その冷媒加熱器70は、第2バイパス冷媒通路64において暖房用減圧装置66と気液分離器68との間に介装されている。そして、冷媒加熱器70は、暖房用減圧装置66から流出した冷媒を、エンジン廃熱またはエンジン30の排気熱を有する熱媒体と熱交換させ、それによってその冷媒を加熱する。
なお、本実施形態の減圧装置5は、第6実施形態と同様に蒸発器6の冷媒入口で冷媒を減圧膨張させる。また、本実施形態の減圧装置5は、第6実施形態のものと同じであってもよいが、エアコンECU50によって制御されない冷媒温度感温式の膨張弁装置になっている。このことは後述の第8〜13実施形態でも同様である。
本実施形態では、前述の第6実施形態と共通の構成から奏される効果を第6実施形態と同様に得ることができる。更に、本実施形態によれば、冷凍サイクル装置1は、第2バイパス冷媒通路64において暖房用減圧装置66と気液分離器68との間に介装された冷媒加熱器70を有しているので、第6実施形態よりも効率良く冷凍サイクル装置1で暖房運転を行うことが可能である。
なお、本実施形態は第6実施形態に基づいた実施形態であるが、本実施形態を前述の第2〜5実施形態のうちの何れかと組み合わせることも可能である。
(第8実施形態)
次に、本発明の第8実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第6実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、本発明の第8実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第6実施形態と異なる点を主として説明する。
図20および図21は、本実施形態において冷凍サイクル装置1の冷媒回路構成を示した図である。図20では第1冷媒回路60を構成する冷媒の流通経路が実線で表されると共に、第1冷媒回路60から外れた冷媒の流通経路が破線で表されている。その一方で、図21では第2冷媒回路62を構成する冷媒の流通経路が実線で表されると共に、第2冷媒回路62から外れた冷媒の流通経路が破線で表されている。
図20および図21に示すように、本実施形態では冷凍サイクル装置1の冷媒回路構成が前述の第6実施形態と異なっている。具体的には、冷凍サイクル装置1の冷媒配管9は、圧縮機2の冷媒吐出口2bと凝縮器3との間に設けられた第1分岐点9aと、過冷却用熱交換器4と減圧装置5の冷媒流入口5aとの間に設けられた第2分岐点9bと、第1分岐点9aと凝縮器3との間に設けられた第3分岐点9cとを有している。
また、第2冷媒回路62は、第1分岐点9aおよび第2分岐点9bを相互に連結する第1バイパス冷媒通路71と、第3分岐点9cおよび圧縮機2の冷媒吸入口2aを相互に連結する第2バイパス冷媒通路72とを含んで構成されている。本実施形態の第1バイパス冷媒通路71は第6実施形態の第1バイパス冷媒通路63に替わるものであり、本実施形態の第2バイパス冷媒通路72は第6実施形態の第2バイパス冷媒通路64に替わるものである。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置1は、第6実施形態と同様に、暖房用減圧装置66と気液分離器68とを有している。但し、その暖房用減圧装置66は、冷媒配管9上で凝縮器3と過冷却用熱交換器4との間に設けられている。また、気液分離器68は第2バイパス冷媒通路72に設けられ、第3分岐点9cから流出した冷媒を気相と液相とに分離し気相の冷媒を圧縮機2の冷媒吸入口2aへ流す。
また、回路切替装置54は第1開閉弁56(以下、本実施形態では単に開閉弁56と呼ぶ)を有しており、第6実施形態の第2開閉弁58に替えて切替弁73を有している。本実施形態の開閉弁56は、第1バイパス冷媒通路71に設けられており、その第1バイパス冷媒通路71を開閉する。切替弁73はエアコンECU50によって切替制御される電磁式三方弁であり、第3分岐点9cに設けられている。そして、切替弁73は、凝縮器3を第2バイパス冷媒通路72と第1分岐点9aとに択一的に連通させる。
このような冷凍サイクル装置1の構成から、第1冷媒回路60は、開閉弁56が第1バイパス冷媒通路71を閉じると共に切替弁73が凝縮器3を第1分岐点9aに連通させることで成立する。そして、その第1冷媒回路60では、圧縮機2から吐出された冷媒は、切替弁73と凝縮器3と暖房用減圧装置66と過冷却用熱交換器4と減圧装置5と蒸発器6とを順に経て圧縮機2へ戻る。このとき、暖房用減圧装置66は全開にされ、冷媒を減圧せずに過冷却用熱交換器4へ流す。また、凝縮器3は、第1冷媒回路60の成立時には冷媒を凝縮する。
その一方で、第2冷媒回路62は、開閉弁56が第1バイパス冷媒通路71を開くと共に切替弁73が凝縮器3を第2バイパス冷媒通路72に連通させることで成立する。そして、その第2冷媒回路62では、圧縮機2から吐出された冷媒は、開閉弁56と過冷却用熱交換器4と暖房用減圧装置66と凝縮器3と切替弁73と気液分離器68とを順に経て圧縮機2へ戻る。このとき、暖房用減圧装置66の絞り開度がエアコンECU50によって制御され、暖房用減圧装置66は過冷却用熱交換器4から凝縮器3へ流れる冷媒を減圧する。また、凝縮器3は、第2冷媒回路62の成立時には蒸発器として機能し、冷媒を蒸発させる。
本実施形態では、前述の第6実施形態と共通の構成から奏される効果を第6実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第6実施形態に基づいた実施形態であるが、本実施形態を前述の第2〜5実施形態のうちの何れかと組み合わせることも可能である。
(第9実施形態)
次に、本発明の第9実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第8実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、本発明の第9実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第8実施形態と異なる点を主として説明する。
図22および図23は、本実施形態において冷凍サイクル装置1の冷媒回路構成を示した図である。図22では第1冷媒回路60を構成する冷媒の流通経路が実線で表されると共に、第1冷媒回路60から外れた冷媒の流通経路が破線で表されている。その一方で、図23では第2冷媒回路62を構成する冷媒の流通経路が実線で表されると共に、第2冷媒回路62から外れた冷媒の流通経路が破線で表されている。
図22および図23に示すように、本実施形態では冷凍サイクル装置1の冷媒回路構成が前述の第8実施形態と異なっている。具体的には、冷凍サイクル装置1の冷媒配管9に設けられた第1分岐点9aおよび第3分岐点9cは第8実施形態と同様に配置されているが、第2分岐点9bは第8実施形態とは異なり、凝縮器3と過冷却用熱交換器4との間に配置されている。
また、第2冷媒回路62は、第1分岐点9aおよび第2分岐点9bを相互に連結する第1バイパス冷媒通路74と、第3分岐点9cおよび圧縮機2の冷媒吸入口2aを相互に連結する第2バイパス冷媒通路72とを含んで構成されている。本実施形態の第1バイパス冷媒通路74は第8実施形態の第1バイパス冷媒通路71に替わるものである。
また、本実施形態の冷凍サイクル装置1は、第8実施形態と同様に、暖房用減圧装置66と気液分離器68とを有している。但し、その暖房用減圧装置66は、第1バイパス冷媒通路74に設けられている。気液分離器68の配置は第8実施形態と同様である。
更に、冷凍サイクル装置1は暖房用熱交換器75を有している。その暖房用熱交換器75は、第1バイパス冷媒通路74において第1分岐点9aと暖房用減圧装置66との間に配置されている。すなわち、第1バイパス冷媒通路74において暖房用減圧装置66よりも冷媒流れ上流側に配置されている。従って、暖房用減圧装置66は、エアコンECU50の制御により、暖房用熱交換器75から流出した冷媒を減圧する。
また、暖房用熱交換器75は、水−冷媒熱交換器であり、ヒータコア34へ流入する熱媒体としての冷却水と第1バイパス冷媒通路74を流れる冷媒とを熱交換させ、それにより、ヒータコア34へ流入する冷却水を加熱する。
また、回路切替装置54は、第8実施形態と同様の切替弁73(以下、本実施形態では第1切替弁73と呼ぶ)を有しており、第8実施形態の開閉弁56に替えて第2切替弁76を有している。その第2切替弁76はエアコンECU50によって切替制御される電磁式三方弁であり、圧縮機2の冷媒吸入口2aに設けられている。そして、第2切替弁76は、圧縮機2の冷媒吸入口2aを第2バイパス冷媒通路72と蒸発器6とに択一的に連通させる。
このような冷凍サイクル装置1の構成から、第1冷媒回路60は、第1切替弁73が凝縮器3を第1分岐点9aに連通させると共に第2切替弁76が圧縮機2の冷媒吸入口2aを蒸発器6に連通させることで成立する。そして、その第1冷媒回路60では、圧縮機2から吐出された冷媒は、第1切替弁73と凝縮器3と過冷却用熱交換器4と減圧装置5と蒸発器6と第2切替弁76とを順に経て圧縮機2へ戻る。第1冷媒回路60の成立時には、凝縮器3は冷媒を凝縮する。
その一方で、第2冷媒回路62は、第1切替弁73が凝縮器3を第2バイパス冷媒通路72に連通させると共に第2切替弁76が圧縮機2の冷媒吸入口2aを第2バイパス冷媒通路72に連通させることで成立する。そして、その第2冷媒回路62では、圧縮機2から吐出された冷媒は、暖房用熱交換器75と暖房用減圧装置66と凝縮器3と第1切替弁73と気液分離器68と第2切替弁76とを順に経て圧縮機2へ戻る。このとき、暖房用減圧装置66の絞り開度がエアコンECU50によって制御され、暖房用減圧装置66は暖房用熱交換器75から凝縮器3へ流れる冷媒を減圧する。また、凝縮器3は、第2冷媒回路62の成立時には蒸発器として機能し、冷媒を蒸発させる。
また、本実施形態のエアコンECU50は暖房運転を行う際には第2冷媒回路62を成立させることがあり、その第2冷媒回路62の成立時には、図23に示すように、過冷却用熱交換器4へ冷媒は循環しないが、エアコンECU50は、図15および図16のフローチャートに示す制御処理を、第8実施形態と同様に実行する。従って、エアコンECU50は、空調ダクト10内で空気がヒータコア34へ流れるようにエアミックスドア装置17を作動させると共に回路切替装置54によって第2冷媒回路62を成立させることにより、車室内の暖房を行う。
詳細には、第2冷媒回路62の成立によって実行される暖房運転では、空調ダクト10(図14参照)内を流れる空気は過冷却用熱交換器4によっては加熱されない。その替わりに、冷凍サイクル装置1は、ヒータコア34へ流入する冷却水を暖房用熱交換器75で加熱することで、空調ダクト10内を流れる空気をヒータコア34の冷却水を介して間接的に加熱する。
本実施形態では、前述の第8実施形態と共通の構成から奏される効果を第8実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第8実施形態に基づいた実施形態であるが、本実施形態を前述の第2〜5実施形態のうちの何れかと組み合わせることも可能である。
(第10実施形態)
次に、本発明の第10実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第8実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、本発明の第10実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第8実施形態と異なる点を主として説明する。
図24および図25は、本実施形態において冷凍サイクル装置1の冷媒回路構成を示した図である。図24では第1冷媒回路60を構成する冷媒の流通経路が実線で表されると共に、第1冷媒回路60から外れた冷媒の流通経路が破線で表されている。その一方で、図25では第2冷媒回路62を構成する冷媒の流通経路が実線で表されると共に、第2冷媒回路62から外れた冷媒の流通経路が破線で表されている。
図24および図25に示すように、本実施形態では冷凍サイクル装置1の冷媒回路構成が前述の第8実施形態と異なっている。具体的には、冷凍サイクル装置1の冷媒配管9は、圧縮機2の冷媒吐出口2bと凝縮器3との間に設けられた第1分岐点9aと、蒸発器6の冷媒流出口6aと圧縮機2の冷媒吸入口2aとの間に設けられた第2分岐点9dと、第1分岐点9aと凝縮器3との間に設けられた第3分岐点9cとを有している。
また、第2冷媒回路62は、第1分岐点9aおよび第2分岐点9dを相互に連結する第1バイパス冷媒通路77と、第3分岐点9cおよび圧縮機2の冷媒吸入口2aを相互に連結する第2バイパス冷媒通路72と、減圧装置5および蒸発器6に対して並列に配管され減圧装置5および蒸発器6をバイパスさせて冷媒を流す第3バイパス冷媒通路78とを含んで構成されている。本実施形態の第1バイパス冷媒通路77は第8実施形態の第1バイパス冷媒通路71に替わるものである。
また、回路切替装置54は、第8実施形態の開閉弁56および切替弁73に替えて、第1切替弁791と第2切替弁792と開閉弁793とを有している。第1切替弁791はエアコンECU50によって切替制御される電磁式三方弁であり、圧縮機2の冷媒吸入口2aに設けられている。そして、第1切替弁791は、圧縮機2の冷媒吸入口2aを第2バイパス冷媒通路72と第2分岐点9dとに択一的に連通させる。
第2切替弁792はエアコンECU50によって切替制御される電磁式三方弁であり、第1分岐点9aに設けられている。そして、第2切替弁792は、圧縮機2の冷媒吐出口2bを第1バイパス冷媒通路77と第3分岐点9cとに択一的に連通させる。
開閉弁793はエアコンECU50によって開閉制御される電磁開閉弁ある。開閉弁793は、第3バイパス冷媒通路78に設けられ、その第3バイパス冷媒通路78を開閉する。
このような冷凍サイクル装置1の構成から、第1冷媒回路60は、第1切替弁791が圧縮機2の冷媒吸入口2aを第2分岐点9dに連通させ、第2切替弁792が圧縮機2の冷媒吐出口2bを第3分岐点9cに連通させ、且つ開閉弁793が第3バイパス冷媒通路78を閉じることで成立する。そして、その第1冷媒回路60では、圧縮機2から吐出された冷媒は、第2切替弁792と凝縮器3と暖房用減圧装置66と過冷却用熱交換器4と減圧装置5と蒸発器6と第1切替弁791とを順に経て圧縮機2へ戻る。
その一方で、第2冷媒回路62は、第1切替弁791が圧縮機2の冷媒吸入口2aを第2バイパス冷媒通路72に連通させ、第2切替弁792が圧縮機2の冷媒吐出口2bを第1バイパス冷媒通路77に連通させ、且つ開閉弁793が第3バイパス冷媒通路78を開くことで成立する。そして、その第2冷媒回路62では、圧縮機2から吐出された冷媒は、第2切替弁792と開閉弁793と過冷却用熱交換器4と暖房用減圧装置66と凝縮器3と気液分離器68と第1切替弁791とを順に経て圧縮機2へ戻る。なお、第1冷媒回路60の成立時および第2冷媒回路62の成立時における暖房用減圧装置66および凝縮器3の作動についてはそれぞれ第8実施形態と同様である。
本実施形態では、前述の第8実施形態と共通の構成から奏される効果を第8実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第8実施形態に基づいた実施形態であるが、本実施形態を前述の第2〜5実施形態のうちの何れかと組み合わせることも可能である。
(第11実施形態)
次に、本発明の第11実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第8実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、本発明の第11実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第8実施形態と異なる点を主として説明する。
図26および図27は、本実施形態において冷凍サイクル装置1の冷媒回路構成を示した図である。図26では第1冷媒回路60を構成する冷媒の流通経路が実線で表されると共に、第1冷媒回路60から外れた冷媒の流通経路が破線で表されている。その一方で、図27では第2冷媒回路62を構成する冷媒の流通経路が実線で表されると共に、第2冷媒回路62から外れた冷媒の流通経路が破線で表されている。
図26および図27に示すように、本実施形態では冷凍サイクル装置1の冷媒回路構成が前述の第8実施形態と異なっている。具体的に、第2冷媒回路62は、減圧装置5および蒸発器6に対して並列に配管され且つ減圧装置5および蒸発器6をバイパスさせて冷媒を流すバイパス冷媒通路78を含んで構成されている。
また、回路切替装置54は、第8実施形態の開閉弁56および切替弁73に替えて、切替弁801と、蒸発器6の冷媒流出口6aに設けられた第1逆止弁802と、バイパス冷媒通路78に設けられた第2逆止弁803とを有している。
切替弁801はエアコンECU50によって第1接続位置と第2接続位置とに択一的に切り替えられる電磁式四方弁である。切替弁801は、第1接続位置に切り替えられると、図26の矢印FLa、FLbように、圧縮機2の冷媒吐出口2bを凝縮器3へ接続すると共に、圧縮機2の冷媒吸入口2aを第1逆止弁802へ接続する。また、第2接続位置に切り替えられると、図27の矢印FLc、FLdように、圧縮機2の冷媒吐出口2bを第1逆止弁802へ接続すると共に、圧縮機2の冷媒吸入口2aを凝縮器3へ接続する。
図26および図27に示すように、第1逆止弁802は、蒸発器6の冷媒流出口6aから冷媒が流出することを許容する一方で、冷媒流出口6aへ冷媒が流れ込むことを阻止する。第2逆止弁803は、バイパス冷媒通路78において圧縮機2から過冷却用熱交換器4への冷媒流れを許容する一方で、その逆の冷媒流れを阻止する。
このような冷凍サイクル装置1の構成から、第1冷媒回路60は、切替弁801が上記第1接続位置に切り替えられることで成立する。そして、その第1冷媒回路60では、圧縮機2から吐出された冷媒は、切替弁801のうちの矢印FLaの経路(図26参照)と凝縮器3と暖房用減圧装置66と過冷却用熱交換器4と減圧装置5と蒸発器6と第1逆止弁802と切替弁801のうちの矢印FLbの経路(図26参照)とを順に経て圧縮機2へ戻る。
その一方で、第2冷媒回路62は、切替弁801が上記第2接続位置に切り替えられることで成立する。そして、その第2冷媒回路62では、圧縮機2から吐出された冷媒は、切替弁801のうちの矢印FLcの経路(図27参照)と第2逆止弁803と過冷却用熱交換器4と暖房用減圧装置66と凝縮器3と切替弁801のうちの矢印FLdの経路(図27参照)とを順に経て圧縮機2へ戻る。なお、第1冷媒回路60の成立時および第2冷媒回路62の成立時における暖房用減圧装置66および凝縮器3の作動についてはそれぞれ第8実施形態と同様である。
本実施形態では、前述の第8実施形態と共通の構成から奏される効果を第8実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第8実施形態に基づいた実施形態であるが、本実施形態を前述の第2〜5実施形態のうちの何れかと組み合わせることも可能である。
(第12実施形態)
次に、本発明の第12実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第10実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、本発明の第12実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第10実施形態と異なる点を主として説明する。
図28および図29は、本実施形態において冷凍サイクル装置1の冷媒回路構成を示した図である。図28では第1冷媒回路60を構成する冷媒の流通経路が実線で表されると共に、第1冷媒回路60から外れた冷媒の流通経路が破線で表されている。その一方で、図29では第2冷媒回路62を構成する冷媒の流通経路が実線で表されると共に、第2冷媒回路62から外れた冷媒の流通経路が破線で表されている。
図28および図29に示すように、本実施形態では冷凍サイクル装置1の冷媒回路構成が前述の第10実施形態と異なっている。具体的には、第10実施形態の第3分岐点9cが、本実施形態の第3分岐点9eに置き換わっている。その第3分岐点9eは凝縮器3と暖房用減圧装置66との間に設けられている。また、第2冷媒回路62の一部を構成する第2バイパス冷媒通路72は、第3分岐点9eと圧縮機2の冷媒吸入口2aとを相互に連結する。
また、冷凍サイクル装置1は暖房用熱交換器81を有している。その暖房用熱交換器81は、第2バイパス冷媒通路72において第3分岐点9eと気液分離器68との間に配置されている。すなわち、第2バイパス冷媒通路72において気液分離器68よりも冷媒流れ上流側に配置されている。また、暖房用熱交換器81は、水−冷媒熱交換器であり、ヒータコア34から流出した冷却水と第2バイパス冷媒通路72を流れる冷媒とを熱交換させ、冷却水からの熱で冷媒を加熱し蒸発させる。
また、回路切替装置54は、第1切替弁791、第2切替弁792、および開閉弁793(以下、本実施形態では第1開閉弁793と呼ぶ)に加えて、第2開閉弁794を有している。第2開閉弁794は、エアコンECU50によって開閉制御される電磁開閉弁ある。第2開閉弁794は、第2分岐点9dと第1切替弁791との間に設けられ、その第2分岐点9dと第1切替弁791との間の冷媒通路を開閉する。
このような冷凍サイクル装置1の構成から、第1冷媒回路60は、第1切替弁791が圧縮機2の冷媒吸入口2aを第2分岐点9dに連通させ、第2切替弁792が圧縮機2の冷媒吐出口2bを凝縮器3に連通させ、第1開閉弁793が第3バイパス冷媒通路78を閉じ、且つ第2開閉弁794が第2分岐点9dと第1切替弁791との間の冷媒通路を開くことで成立する。そして、その第1冷媒回路60では、圧縮機2から吐出された冷媒は、第2切替弁792と凝縮器3と暖房用減圧装置66と過冷却用熱交換器4と減圧装置5と蒸発器6と第2開閉弁794と第1切替弁791とを順に経て圧縮機2へ戻る。
その一方で、第2冷媒回路62は、第1切替弁791が圧縮機2の冷媒吸入口2aを第2バイパス冷媒通路72に連通させ、第2切替弁792が圧縮機2の冷媒吐出口2bを第1バイパス冷媒通路77に連通させ、第1開閉弁793が第3バイパス冷媒通路78を開き、且つ第2開閉弁794が第2分岐点9dと第1切替弁791との間の冷媒通路を閉じることで成立する。そして、その第2冷媒回路62では、圧縮機2から吐出された冷媒は、第2切替弁792と第1開閉弁793と過冷却用熱交換器4と暖房用減圧装置66と暖房用熱交換器81と気液分離器68と第1切替弁791とを順に経て圧縮機2へ戻る。なお、第1冷媒回路60の成立時および第2冷媒回路62の成立時における暖房用減圧装置66の作動については第10実施形態と同様である。
本実施形態では、前述の第10実施形態と共通の構成から奏される効果を第10実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第10実施形態に基づいた実施形態であるが、本実施形態を前述の第2〜5実施形態のうちの何れかと組み合わせることも可能である。
(第13実施形態)
次に、本発明の第13実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第8実施形態と異なる点を主として説明する。
次に、本発明の第13実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第8実施形態と異なる点を主として説明する。
図30および図31は、本実施形態において冷凍サイクル装置1の冷媒回路構成を示した図である。図30では第1冷媒回路60を構成する冷媒の流通経路が実線で表されると共に、第1冷媒回路60から外れた冷媒の流通経路が破線で表されている。その一方で、図31では第2冷媒回路62を構成する冷媒の流通経路が実線で表されると共に、第2冷媒回路62から外れた冷媒の流通経路が破線で表されている。
図30および図31に示すように、本実施形態では冷凍サイクル装置1の冷媒回路構成が前述の第8実施形態と異なっている。具体的には、凝縮器3が第1熱交換部3aと第2熱交換部3bとから構成されている。そして、冷凍サイクル装置1は、気液分離器68を、凝縮器3の第1熱交換部3aと第2熱交換部3bとの間に有している。
また、冷凍サイクル装置1の冷媒配管9は、圧縮機2の冷媒吐出口2bと凝縮器3の第1熱交換部3aとの間に設けられた第1分岐点9aと、過冷却用熱交換器4と減圧装置5の冷媒流入口5aとの間に設けられた第2分岐点9bとを有している。第1分岐点9aと暖房用減圧装置66との間では、第1分岐点9a側から、凝縮器3の第1熱交換部3a、気液分離器68、第2熱交換部3bの順に並んで配置されている。
また、第2冷媒回路62の一部を構成する第2バイパス冷媒通路72は、本実施形態では、気液分離器68と圧縮機2の冷媒吸入口2aとを相互に連結している。
また、回路切替装置54は、第1開閉弁821、第2開閉弁822、第10実施形態の第2切替弁792と同じ切替弁792、および、第11実施形態の第1逆止弁802と同じ逆止弁802を有している。第1開閉弁821および第2開閉弁822はエアコンECU50によって開閉制御される電磁開閉弁ある。第1開閉弁821は、第2バイパス冷媒通路72に設けられ、その第2バイパス冷媒通路72を開閉する。第2開閉弁822は第2分岐点9bと減圧装置5の冷媒流入口5aとの間の冷媒通路に設けられ、その冷媒通路を開閉する。
このような冷凍サイクル装置1の構成から、第1冷媒回路60は、切替弁792が圧縮機2の冷媒吐出口2bを凝縮器3の第1熱交換部3aに連通させ、第1開閉弁821が閉弁し、且つ第2開閉弁822が開弁することで成立する。そして、その第1冷媒回路60では、圧縮機2から吐出された冷媒は、切替弁792と凝縮器3の第1熱交換部3aと気液分離器68と凝縮器3の第2熱交換部3bと暖房用減圧装置66と過冷却用熱交換器4と第2開閉弁822と減圧装置5と蒸発器6と逆止弁802とを順に経て圧縮機2へ戻る。
その一方で、第2冷媒回路62は、切替弁792が圧縮機2の冷媒吐出口2bを第1バイパス冷媒通路71に連通させ、第1開閉弁821が開弁し、且つ第2開閉弁822が閉弁することで成立する。そして、その第2冷媒回路62では、圧縮機2から吐出された冷媒は、切替弁792と過冷却用熱交換器4と暖房用減圧装置66と凝縮器3の第2熱交換部3bと気液分離器68と第1開閉弁821とを順に経て圧縮機2へ戻る。
なお、第1冷媒回路60の成立時および第2冷媒回路62の成立時における暖房用減圧装置66の作動についてはそれぞれ第8実施形態と同様である。また、第1冷媒回路60の成立時には、凝縮器3の第1熱交換部3aおよび第2熱交換部3bは共に冷媒から放熱させて冷媒を凝縮させるが、第2冷媒回路62の成立時には凝縮器3の第2熱交換部3bが、冷媒に吸熱させて冷媒を蒸発させる蒸発器として機能する。また、第2冷媒回路62の成立時には、気液分離器68は気相の冷媒を圧縮機2へ流出させる。
本実施形態では、前述の第8実施形態と共通の構成から奏される効果を第8実施形態と同様に得ることができる。
なお、本実施形態は第8実施形態に基づいた実施形態であるが、本実施形態を前述の第2〜5実施形態のうちの何れかと組み合わせることも可能である。
(他の実施形態)
(1)上述の各実施形態において、車両用空調装置100は、例えばエンジン30を備えるエンジン車両に搭載されるが、エンジン30に加えて走行用の電動モータを備えたハイブリッド車両に搭載されても差し支えない。或いは、エンジン30を備えずに走行用駆動源として電動モータのみを備える電動車両に搭載されても差し支えない。
(1)上述の各実施形態において、車両用空調装置100は、例えばエンジン30を備えるエンジン車両に搭載されるが、エンジン30に加えて走行用の電動モータを備えたハイブリッド車両に搭載されても差し支えない。或いは、エンジン30を備えずに走行用駆動源として電動モータのみを備える電動車両に搭載されても差し支えない。
また、エンジン30は、車両に搭載された発熱機器としても機能するが、車両用空調装置100が搭載される車両が電動モータを備える場合には、電動モータ、電動モータに給電する蓄電装置、電動モータを駆動制御する駆動回路部等も、車両に搭載された発熱機器となりうる。
(2)上述の各実施形態において、車両用空調装置100は風量割合調節装置としてのエアミックスドア装置17を備えているが、エアミックスドア装置17は、両通路101、102への配風をコントロールするものであれば、ドア機構以外の装置に置き換わっていても差し支えない。
(3)上述の第6実施形態において、図16のフローチャートに含まれるステップS203での判断は、目標吹出温度TAOと冷却水温TWとに基づいて為されるが、他の物理量に基づいて為されても差し支えない。例えば、空調ダクト10に導入された空気の吸気温度がエバ温度センサ43によって検出され、ステップS203にて、目標吹出温度TAOとその吸気温度との差(=TAO−吸気温度)が所定の閾値よりも大きい場合に、加熱量を更に増加させる必要があると判断されてもよい。その所定の閾値は正の値であって、予め実験的に設定される。
(4)上述の各実施形態において、圧縮機2は、エンジン30の駆動力により駆動されるが、圧縮機2の駆動方式に限定はなく、例えば圧縮機2はエンジン30に連結されておらずに電動モータを内蔵し、その電動モータの駆動力で駆動されても差し支えない。
(5)上述の各実施形態の説明において、車両用空調装置100が有する各熱交換器3、4、6、34の構造は特に限定されていないが、それらの熱交換器3、4、6、34は、例えば複数の熱交換チューブの間にコルゲートフィンを設けたコルゲートフィンタイプであってもよいし、コルゲートフィンタイプ以外の構造であってもよい。
(6)上述の各実施形態において、エアミックスドア装置17は2枚のドア171、172で構成されているが、1枚もしくは3枚以上のドアで構成されていてもよいし、ドア以外の機械構成であっても差し支えない。
(7)上述の第1実施形態の図1において、冷凍サイクル装置1は凝縮器3を備えているが、その凝縮器3は、図32に示すように、第1の熱交換部としての凝縮部3cと、その凝縮部3cよりも冷媒流れ下流側に設けられた第2の熱交換部としての過冷却部3dとを有する所謂サブクールコンデンサであってもよい。その場合には、気液分離器であるレシーバ84が凝縮部3cと過冷却部3dとの間に設けられる。そのレシーバ84は、凝縮部3cから流出した冷媒の気液を分離し、その分離後の液相冷媒のみを過冷却部3dへ流すとともに、余剰冷媒を内部に貯留する。このようなことは、第6実施形態の図14に関しても同様である。なお、図32は、第1実施形態の凝縮器3がサブクールコンデンサとなっている他の実施形態において、冷凍サイクル装置1の概略構成を部分的に示した抜粋図である。
(8)上述の第1実施形態の図1において、気液分離器であるアキュムレータ86は設けられていないが、そのアキュムレータ86が、図33のように、蒸発器6から圧縮機2に至る冷媒の経路に設けられていても差し支えない。そのアキュムレータ86は、蒸発器6から流出した冷媒の気液を分離し、その分離後の気相冷媒のみを圧縮機2へ流すとともに、余剰冷媒を内部に貯留する。このようなことは、第6実施形態の図14に関しても同様である。なお、図33は、第1実施形態の冷凍サイクル装置1にアキュムレータ86が設けられた他の実施形態において、その冷凍サイクル装置1の概略構成を部分的に示した抜粋図である。
(9)上述の第6〜13実施形態において、図16のステップS205が実行されるときには、第2ドア172は、その構造から、ヒータコア34だけでなく過冷却用熱交換器4にも空調空気を通すが、ステップS205では圧縮機2がオフにされるので、過冷却用熱交換器4には空調空気が通されなくても差し支えない。従って、第2ドア172が過冷却用熱交換器4を塞ぐ一方でヒータコア34を開放できる構造を有していれば、エアコンECU50はステップS205において、過冷却用熱交換器4を塞ぐ一方でヒータコア34を開放するように第2ドア172を作動させても差し支えない。
(10)上述の各実施形態において、図3、図4、図15、及び図16のフローチャートに示す各ステップの処理はコンピュータプログラムによって実現されるものであるが、ハードロジックで構成されるものであっても差し支えない。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
2 圧縮機
3 凝縮器
4 過冷却用熱交換器(補助熱交換器)
5 減圧装置
6 蒸発器
10 空調ダクト
17 エアミックスドア装置(風量割合調節装置)
34 ヒータコア
101 冷風バイパス通路(第1空気通路)
102 加熱用通路(第2空気通路)
3 凝縮器
4 過冷却用熱交換器(補助熱交換器)
5 減圧装置
6 蒸発器
10 空調ダクト
17 エアミックスドア装置(風量割合調節装置)
34 ヒータコア
101 冷風バイパス通路(第1空気通路)
102 加熱用通路(第2空気通路)
Claims (11)
- 車室内へ吹き出す空気が流通する第1空気通路(101)、および該第1空気通路と並行に空気が流通する第2空気通路(102)が形成されている空調ダクト(10)と、
吸入した冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(2)、該圧縮機が吐出した冷媒を外気との熱交換により凝縮する凝縮器(3)、該凝縮器から流出した冷媒を、前記空調ダクト内を流れる空気との熱交換により冷却する補助熱交換器(4)、該補助熱交換器から流出した冷媒を減圧する減圧装置(5)、および、前記空調ダクト内で前記第1空気通路と前記第2空気通路と前記補助熱交換器とに対し空気流れ上流側に配置され、前記空調ダクト内を流れる空気を、前記減圧装置で減圧された冷媒との熱交換により冷却する蒸発器(6)を有する冷凍サイクル装置(1)と、
前記第2空気通路に配置され、前記蒸発器で冷却された空気を加熱するヒータコア(34)と、
前記補助熱交換器を通る空気の風量を調節すると共に、前記第1空気通路を通る空気と前記第2空気通路を通る空気との風量割合を調節する風量割合調節装置(17)とを備え、
前記補助熱交換器は、前記ヒータコアを経ずに流れる空気と冷媒とを熱交換させる第1熱交換部(4a)を有し、
前記風量割合調節装置は、前記第2空気通路を通る空気の風量割合を大きくする向きに作動する場合には、前記空調ダクト内の空気流れにおいて前記ヒータコアを閉じる一方で前記第1熱交換部へ空気を流す第1状態になってから、前記第1熱交換部および前記ヒータコアへ空気を流す第2状態になることを特徴とする車両用空調装置。 - 前記風量割合調節装置は、前記第2空気通路の開度を大きくすることによって、前記第2空気通路を通る空気の風量割合を大きくするものであり、前記第2空気通路を閉じた状態から開放する動作では、前記第2空気通路の空気流れ方向に交差する流れ交差方向(DRcs)における一方側から前記第2空気通路を開き始め、
前記補助熱交換器は前記第2空気通路に設けられ、前記ヒータコアよりも、前記流れ交差方向における一方側へ寄って配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。 - 前記補助熱交換器は、前記ヒータコアを通る空気と冷媒とを熱交換させる第2熱交換部(4b)を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用空調装置。
- 前記補助熱交換器の第2熱交換部は、前記ヒータコアよりも空気流れ上流側に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
- 前記補助熱交換器は、前記ヒータコアを通る空気と冷媒とを熱交換させる第2熱交換部(4b)を有しており、前記第1熱交換部を通過した空気が前記第1空気通路へ流入すると共に前記第2熱交換部を通過した空気が前記第2空気通路へ流入するように、前記第1空気通路および前記第2空気通路に対し空気流れ上流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
- 制御部(50)を備え、
前記冷凍サイクル装置は、前記圧縮機から吐出された冷媒が前記凝縮器、前記補助熱交換器、前記減圧装置、および前記蒸発器を順に経て前記圧縮機へ戻る第1冷媒回路(60)と、前記圧縮機から吐出された冷媒が前記凝縮器を経ずに前記補助熱交換器へ導入される第2冷媒回路(62)と、前記第1冷媒回路と前記第2冷媒回路とを択一的に成立させる回路切替装置(54)とを有し、
前記制御部は、前記空調ダクト内で空気が前記補助熱交換器へ流れるように前記風量割合調節装置を作動させると共に前記回路切替装置によって前記第2冷媒回路を成立させることにより、車室内の暖房を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。 - 前記ヒータコアは、前記第2空気通路を流れる空気を、エンジン(30)で加熱されたエンジン冷却水と熱交換させることにより加熱する加熱装置であり、
前記制御部は、前記ヒータコアと前記補助熱交換器とのうち前記ヒータコアだけで前記空調ダクト内の空気を加熱する場合に比して更に前記空調ダクト内の空気を加熱する場合に、前記回路切替装置によって前記第2冷媒回路を成立させると共に、前記ヒータコアに加えて前記補助熱交換器にも前記空調ダクト内の空気を加熱させることを特徴とする請求項6に記載の車両用空調装置。 - 前記第2冷媒回路は、前記圧縮機から吐出された冷媒を前記凝縮器をバイパスして前記補助熱交換器へ流す第1バイパス冷媒通路(63)と、前記補助熱交換器から流出した冷媒を前記減圧装置および前記蒸発器をバイパスして前記圧縮機へ流す第2バイパス冷媒通路(64)とを含んで構成され、
前記冷凍サイクル装置は、前記第2バイパス冷媒通路に設けられ且つ前記補助熱交換器から流出した冷媒を減圧する暖房用減圧装置(66)と、前記第2バイパス冷媒通路に設けられ且つ前記暖房用減圧装置から流出した冷媒を気相と液相とに分離し気相の冷媒を前記圧縮機へ流す気液分離器(68)とを有し、
前記回路切替装置は、前記第1バイパス冷媒通路に設けられ該第1バイパス冷媒通路を開閉する第1開閉弁(56)と、前記第2バイパス冷媒通路に設けられ該第2バイパス冷媒通路を開閉する第2開閉弁(58)とを有し、
前記第1冷媒回路は、前記第1開閉弁が前記第1バイパス冷媒通路を閉じると共に前記第2開閉弁が前記第2バイパス冷媒通路を閉じることで成立し、
前記第2冷媒回路は、前記第1開閉弁が前記第1バイパス冷媒通路を開くと共に前記第2開閉弁が前記第2バイパス冷媒通路を開くことで成立することを特徴とする請求項6または7に記載の車両用空調装置。 - 前記冷凍サイクル装置は、前記第2バイパス冷媒通路において前記暖房用減圧装置と前記気液分離器との間に介装されており冷媒を加熱する冷媒加熱器(70)を有していることを特徴とする請求項8に記載の車両用空調装置。
- 前記第2冷媒回路は、前記圧縮機の冷媒吐出口(2b)と前記凝縮器との間に設けられた第1分岐点(9a)、および前記補助熱交換器と前記減圧装置の冷媒流入口(5a)との間に設けられた第2分岐点(9b)を相互に連結する第1バイパス冷媒通路(71)と、前記第1分岐点と前記凝縮器との間に設けられた第3分岐点(9c)および前記圧縮機の冷媒吸入口(2a)を相互に連結する第2バイパス冷媒通路(72)とを含んで構成され、
前記冷凍サイクル装置は、前記第2バイパス冷媒通路に設けられ且つ前記第3分岐点から流出した冷媒を気相と液相とに分離し気相の冷媒を前記圧縮機へ流す気液分離器(68)と、前記凝縮器と前記補助熱交換器との間に設けられ、前記補助熱交換器から前記凝縮器へ流れる冷媒を減圧する暖房用減圧装置(66)とを有し、
前記回路切替装置は、前記第1バイパス冷媒通路に設けられ該第1バイパス冷媒通路を開閉する開閉弁(56)と、前記第3分岐点に設けられ前記凝縮器を前記第2バイパス冷媒通路と前記第1分岐点とに択一的に連通させる切替弁(73)とを有し、
前記凝縮器は、前記第1冷媒回路の成立時には冷媒を凝縮する一方で前記第2冷媒回路の成立時には冷媒を蒸発させ、
前記第1冷媒回路は、前記開閉弁が前記第1バイパス冷媒通路を閉じると共に前記切替弁が前記凝縮器を前記第1分岐点に連通させることで成立し、
前記第2冷媒回路は、前記第1開閉弁が前記第1バイパス冷媒通路を開くと共に前記切替弁が前記凝縮器を前記第2バイパス冷媒通路に連通させることで成立することを特徴とする請求項6または7に記載の車両用空調装置。 - 制御部(50)を備え、
前記冷凍サイクル装置は、前記ヒータコアへ循環する熱媒体と冷媒とを熱交換させる暖房用熱交換器(75)と、該暖房用熱交換器から流出した冷媒を減圧する暖房用減圧装置(66)と、気相の冷媒と液相の冷媒とを分離して気相の冷媒を前記圧縮機へ流す気液分離器(68)と、前記圧縮機から吐出された冷媒が前記凝縮器、前記補助熱交換器、前記減圧装置、および前記蒸発器を順に経て前記圧縮機へ戻る第1冷媒回路(60)と、前記圧縮機から吐出された冷媒が前記暖房用熱交換器、前記暖房用減圧装置、前記凝縮器、および前記気液分離器を順に経て前記圧縮機へ戻る第2冷媒回路(62)と、前記第1冷媒回路と前記第2冷媒回路とを択一的に成立させる回路切替装置(54)とを有し、
前記凝縮器は、前記第1冷媒回路の成立時には冷媒を凝縮する一方で前記第2冷媒回路の成立時には冷媒を蒸発させ、
前記制御部は、前記空調ダクト内で空気が前記ヒータコアへ流れるように前記風量割合調節装置を作動させると共に前記回路切替装置によって前記第2冷媒回路を成立させることにより、車室内の暖房を行うことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
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