JP2016060095A - ダイレクトブロー金型の底ブッシュまたは2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの作製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】容易にかつ最小限の工程数でできる、ダイレクトブロー金型の底ブッシュまたは2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの作製方法を提案することを目的とする。【解決手段】ボールエンドミルで加工されたU溝を有する第一金型部品と、第一金型部品に対応する第二金型部品と、をU溝を密封するように拡散接合により一体化する工程を有し、U溝は、接合面内において所定の深さでかつ接合方向に貫通しないように設けられるダイレクトブロー金型の底ブッシュの作製方法とする。【選択図】図1
Description
本発明は、プラスチック容器やペットボトル等の各種樹脂容器をダイレクトブロー成形または2軸延伸ブロー成形するためのブロー成形金型の部品作製方法に関する。
下記特許文献1には、鋼材を素材に用いた高強度の積層金型であって、より効率的に低コストで生産できるものを提供し、また、その効率的な製造技術を提供することを目的とする発明が開示されている。すなわち、特許文献1には、金属シート部材として銅めっき鋼板を使用することにより、従来より低面圧・低温で健全な拡散接合が実現できることを見出したことが記載されている。
より具体的には、銅めっき鋼板からなる複数のシート部材を、それぞれの銅めっき層同士が密着するように重ね合わせて1.5〜6.0MPaの積層方向圧力が付与された状態として拡散接合してなる積層構造体を持ち、その積層構造体の内部には冷媒流路が三次元的に配置されている樹脂成形用積層金型が提供される。
さらに、前記積層構造体を構成する銅層の厚さは1層当たり例えば5〜100μmであり、鋼層は300HV以上の断面硬さを有する鋼あるいはCr含有量が10.5〜32.0質量%のステンレス鋼からなるものとすることができ、前記積層構造体の樹脂成形面に対して背面側に、肉厚3mm以上の金属プレート部材が接合されている金型が好適な対象となることが特許文献1に提案されている。
また、このように金属シート部材として銅めっき鋼板を使用することにより、以下のようなメリットが得られるとされる。従来より低面圧・低温で健全な拡散接合が可能となり、低コスト化とともに、積層金型の大型化にも対応しやすくなる。接合時に溶融金属が生成しないので、ろう付け接合で問題となるろう材のはみ出しに起因する寸法精度の悪化および流路の狭窄化が回避される。鋼材を主体とする積層構造により、高強度の金型が低コストで得られる。研磨などの活性化処理を行うことなく健全な拡散接合が実現できるので、金型の生産性向上および生産コスト低減が図れる。金属シート部材間にインサート材を挟む必要がないので、金型の生産性向上および生産コスト低減が図れる。上述のような作用効果を奏することが特許文献1に記載されている。
また、下記特許文献2には、プラスチック製品成形用金型において、プラスチック製品を成形する金型の一部または全部に、硫化モリブデン、二硫化モリブデン又は二硫化タングステンを主成分とするコーティング層が作製されていることを特徴とする発明が記載されている。特許文献2の記載を引用すれば、このような金型は、コーティング層に接する金型表面に拡散層が作製されていることが、コーティング層の剥離を防止する観点から好ましい。また、このような金型は、PETボトル成形用金型、プリフォーム成形用金型、ダイレクトブロー成形用金型または射出成形用金型に好ましく適用できる。さらに、このような金型は、コーティング層又は拡散層作製に先だって、鉱石、ガラスビーズ、金属粉、微小砂から選択されるいずれかのショット粒を金型表面に噴射することにより、金型表面がクリーニング処理および/またはピーニング処理が施されていることを特徴とする。このようなクリーニング処理および/またはピーニング処理により、コーティング層の密着が強固なものになる。本発明のプラスチック製品成形用金型の製造方法は、金型表面に、クリーニング処理および/またはピーニング処理の前処理を行った後、硫化モリブデン、二硫化モリブデンまたは二硫化タングステンを主成分とするコーティング層を作製する処理を行うことを特徴とする。このような製造方法は、コーティング層の作製と同時若しくは作製後に、コーティング層と接する金型表面部分に拡散層を作製することが好ましい。これによりコーティング層の剥離が防止できることが、下記特許文献2には記載されている。
また、下記特許文献3には、シートの肉厚に左右されることなく、とくに薄肉のシートの熱成形に有効であって、かつ小物から大物までの容器の成形に適用できる、足部内部に隙間のない足付き椀状容器、或いは接地端より折り返した胴部内筒と胴周壁との間に、隙間のないカップ状容器と、それらの容器を成形するための熱成形装置、およびその熱成形方法を提供することを目的とする発明が開示されている。
特許文献3によれば、容器の熱成形装置として、プラグを具えた上型と、雌型と底ブッシュとを具えた下型とからなる熱成形装置において、雌型が、容器胴周壁を作製するための型面を具備しており、底ブッシュが、圧空吹込孔を具備していることを特徴とする構成を採用する。また、熱成形装置に付加して、雌型の型面下端周縁と型台との間に間隙を設け、該間隙に接続する環状の真空吸引溝を連設したことを特徴とする構成を付加することが記載されている。
従来のように、旋盤や各種ドリルを使用して金型内部に冷媒流路を作製しようとすれば、多数回の孔開け工程と、当該孔の一方をボルト等で閉塞する工程とが必要になっていた。すなわち、金型を冷却する冷媒流路は、当該金型の内部に、流入口と流出口を除いて、閉じた空間として作製される必要があるので、外部からドリル等で孔開け作業をすれば、不要な空間や開口部が作製されることとなる。従って、これらを塞ぐためのボルト等が別途に必要となっていた。
また、貫通孔のあいた多数の金属板を順次に積層させて、当該積層方向に冷媒流路を作製する方法では、多数毎の金属板が必要になるとともに多数回の接合作業が必要となるので、多大な手間を要することとなりスループットが良いとはいえない。
本願発明は、上述の問題点に鑑み為された発明であって、容易にかつ最小限の工程数でできる、ダイレクトブロー金型の底ブッシュまたは2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの作製方法を提案することを目的とする。
本発明のダイレクトブロー金型の底ブッシュの作製方法は、ボールエンドミルで加工されたU溝を有する第一金型部品と、第一金型部品に対応する第二金型部品と、をU溝を密封するように拡散接合により一体化する工程を有し、U溝は、接合面内において所定の深さでかつ接合方向に貫通しないように設けられることを特徴とする。
本発明のダイレクトブロー金型の底ブッシュの作製方法は、好ましくは、第二金型部品は、接合時に第一金型部品のU溝に一致するように、ボールエンドミルで加工されたU溝を有することを特徴とする。
本発明のダイレクトブロー金型の底ブッシュの作製方法は、さらに好ましくは、U溝により作製された空間は底ブッシュを冷却するための冷媒流路であり、冷媒流路から底ブッシュの外部へと貫通する冷媒流入口及び冷媒流出口を作製する工程をさらに有することを特徴とする。
本発明の2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの作製方法は、ボールエンドミルで加工されたU溝を有する第一金型部品と、第一金型部品に対応する第二金型部品と、をU溝を密封するように拡散接合により一体化する工程を有し、U溝は、接合面内において所定の深さでかつ接合方向に貫通しないように設けられることを特徴とする。
本発明の2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの作製方法は、好ましくは、第二金型部品は、接合時に第一金型部品のU溝に一致するように、ボールエンドミルで加工されたU溝を有することを特徴とする。
本発明の2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの作製方法は、さらに好ましくは、U溝により作製された空間は2軸延伸ブロー金型の首ブッシュを冷却するための冷媒流路であり、冷媒流路から2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの外部へと貫通する冷媒流入口及び冷媒流出口を作製する工程をさらに有することを特徴とする。
少なくとも一つの金属部品の接合面内に非貫通のU溝が設けられた二つの金属部品を拡散接合することにより、容易にかつ最小限の工程数でできるダイレクトブロー金型の底ブッシュまたは2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの作製方法を実現できる。
ダイレクトブロー金型は、ペットボトルやプラスチック容器等の各種樹脂容器を成形するための金型の一つである。その方法は、当該金型に流し込まれる円筒状の溶解樹脂の中央部にエアーを直接吹き込んで、溶解樹脂を膨らませて金型内面に押しつけて金型形状の容器を成形するものである。
溶解樹脂は金型内面に押圧された後冷却されて固化するが、当該冷却をいかに効率的に遂行できるかが量産時のスループットに直接影響することとなり、ひいては生産コストに繋がるものとなる。
また、ダイレクトブロー金型や2軸延伸ブロー金型等のブロー成形金型は、一般には、容器の底部を成形するための底ブッシュと、容器の上部(一般には注ぎ口及びその周囲であることが多い)を成形する首ブッシュと、を備える。これに加えて、底部と上部との間の側面を成形する金型から構成される。
本発明においては、金型専用材を主体とする材質で構成される底ブッシュと首ブッシュとにおいて、従来作成が困難であり多大な工程を有していた冷却用の冷媒流路(典型的には冷却水路)の作成を容易にする。そして、例え複雑な流路であっても容易に作製することができる技術思想を提案するものである。
冷媒は典型的には水が使用されることが多いが、水に限定されるものではなく熱効率をさらに向上させる冷媒があれば使用してもよい。また、効果的に溶解樹脂を冷却固化させるために、冷媒流路は金型内部であってその内壁にできるだけ近い位置に配置し、かつ均一に冷却するために毛細血管のごとこく網目状に広く配置することが好ましい。
一方で、強度を持った金属塊ともいえる底ブッシュや首ブッシュの内部に、一見すると一筆書きで描いたような二次元形状または三次元形状の冷媒流路を精確に漏洩なく作製することは従来は容易ではなかった。流路の方向に基づいて図5に示すように一つ一つ外部からドリルで所望深さまで孔開け作業をしてそのドリル挿入口をボルトで所望深さまで閉塞させることにより、一方向の流路の一部となる内部孔空間が金属塊内部に作製され、この作業を多数回繰り返していた。
そこで、図面に基づいて本実施形態について以下に説明する。図1は、本発明のダイレクトブロー金型の底ブッシュ1を説明する斜視図である。図1に示すダイレクトブロー金型の底ブッシュ1は、底ブッシュの上部部品11と底ブッシュの下部部品12との二部品を、接合拡散面において拡散接合により一部品として一体的に作製されたものである。
また、図2は底ブッシュの上部部品11の上面を説明する図であり、図3は底ブッシュの上部部品11の底面を説明する図である。図2に示す底ブッシュの上部部品11の上面は例えばペットボトル等の樹脂容器の底を成形するものであり、その上面形状が樹脂容器の底面外側形状に対応するものとなる。
また、図3に示すように、底ブッシュの上部部品11の底面にはボールエンドミル等で加工された所望深さの冷媒流路が設けられている。冷媒流路の周囲は拡散接合の接合面として平面や研磨鏡面とされてもよい。
また、図4は、底ブッシュの下部部品12を説明する斜視図である。図4に示すように、底ブッシュの下部部品12の上部面には底ブッシュの上部部品11の底面に作製された冷媒流路に対応するように、ボールエンドミル等で加工された所望深さの冷媒流路が設けられている。
さらに、図4から理解できるように、底ブッシュの下部部品12の上部面において、冷媒流路の周囲は、底ブッシュの上部部品11の底面の拡散接合面に対応するように、平面や研磨鏡面とされてもよい。これにより、底ブッシュの上部部品11と底ブッシュの下部部品12とが、冷媒流路を内部密閉するように、拡散接合面において接合一体化されるものとなる。なお、拡散接合により底ブッシュの上部部品11と底ブッシュの下部部品12とを一体化した後に、適切な任意位置二箇所に外部からの冷媒流入口と外部への冷媒流出口とを作製してもよい。
また、図6乃至図9は本発明による2軸延伸ブロー金型の首ブッシュを説明する図である。図6乃至図9に示すように、本発明の2軸延伸ブロー金型の首ブッシュ7は、第三金型部品71と第四金型部品72とを拡散接合することにより作製される。
拡散接合により、第四金型部品72に作製された一筆書き状のU溝は、第四金型部品72の側面に設けられた流入口と流出口とを除いて、第三金型部品71により閉塞される。図8に示す第三金型部品71の底面には、第四金型部品72に作製された流入口と流出口とに対応するU溝が作製されている。これにより、冷媒の流入出がよりスムースに行われることとなるので好ましいが、これに限定されるものではない。図9は、2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの第四金型部品72の底面を説明する図である。
本発明のダイレクトブロー金型の底ブッシュの作製方法は、ボールエンドミルで加工されたU溝を有する第一金型部品と、第一金型部品に対応する第二金型部品と、をU溝を密封するように拡散接合により一体化する工程を有し、U溝は、接合面内において所定の深さでかつ接合方向に貫通しないように設けられることを特徴とする。
これにより、接合方向ではなく接合面内において所望の深さと広がりを有する冷媒流路を、ダイレクトブロー金型の底ブッシュに作製することができる。冷媒流路は冷媒が漏れることのないように隙間があってはいけないが、拡散接合により第一金型部品と第二金型部品とが一体化されるので、溶接や接着剤を使用することなく底ブッシュの内部に冷媒空間を作製可能となる。
また、複雑に曲折しかつ連続した冷媒流路を例えばドリル等を用いて外部から作製しようとすれば、多数回の孔開け工程を必要とし、また空けた孔のドリル挿入部をボルト等で閉塞する工程も必要となる。この点、拡散接合を用いることで、ドリルによる孔空け工程や閉塞工程をする必要がないものとなる。このため、従来は作製不可能であった複雑な冷媒経路や内部構造であったとしても、本発明により作製可能となる。
また、金型専用材を材料として作製された第一金型部品と第二金型部品とを、所定の圧力と所定の温度を付与することにより、一体化する拡散接合は、接合面を例えば予め研磨したり予め下処理しておいてもよい。拡散接合により、溶接のように溶融金属が接合面から染み出すこともなく、当初よりひとつであったかのように一体化できるものとなる。
また、冷媒経路は、複数の拡散接合工程による複数層の積層により積層方向に作製されるのではなく、一回の拡散接合工程により接合面内に作製されるものとなる。もちろん冷媒が流通可能な三次元的な空間の広がりを有する空間とするため、冷媒流路は接合面から第一金属及び第二金属のそれぞれの方向に一定の深さを有していてもよいが、第一金属や第二金属を突き抜けて延伸されるものではない。
従って、一般的には高温高圧条件が必要とされることの多い拡散接合工程を一回に抑えることができるので、作製された底ブッシュへの熱的ダメージや圧力による金属疲労を最小限に抑えることが可能となる。
また、本発明のダイレクトブロー金型の底ブッシュの作製方法は、好ましくは第二金型部品が、接合時に第一金型部品のU溝に一致するように、ボールエンドミルで加工されたU溝を有することを特徴とする。
これにより、第一金型部品に作製されたU溝の深さに加えて第二金型部品に作製されたU溝の深さが、冷媒流路の空間として寄与するので、より多量の冷媒を通すことが可能となり、底部においてより迅速な冷却作業を遂行できるものとなる。
また、本発明のダイレクトブロー金型の底ブッシュの作製方法は、さらに好ましくは、U溝により作製された空間は底ブッシュを冷却するための冷媒流路であり、冷媒流路から底ブッシュの外部へと貫通する冷媒流入口及び冷媒流出口を作製する工程をさらに有することを特徴とする。
底ブッシュ内に作製されている冷媒流路に冷媒を流入させるための冷媒流入口と冷媒流路から冷媒を流出させるための冷媒流出口とを作製する。これにより、該底ブッシュをダイレクトブロー金型として完成させた場合に、底ブッシュ内に冷媒を導入する事が可能となる。
本発明の2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの作製方法は、ボールエンドミルで加工されたU溝を有する第一金型部品と、第一金型部品に対応する第二金型部品と、をU溝を密封するように拡散接合により一体化する工程を有し、U溝は、接合面内において所定の深さでかつ接合方向に貫通しないように設けられることを特徴とする。
これにより、接合方向ではなく接合面内において所望の深さと広がりを有する冷媒流路を、2軸延伸ブロー金型の首ブッシュに作製することができる。冷媒流路は冷媒が漏れることのないように隙間があってはいけないが、拡散接合により第一金型部品と第二金型部品とが一体化されるので、溶接や接着剤を使用することなく2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの内部に冷媒空間を作製可能となる。
また、複雑に曲折しかつ連続した冷媒流路を例えばドリル等を用いて外部から作製しようとすれば、多数回の孔開け工程を必要とし、また空けた孔のドリル挿入部をボルト等で閉塞する工程も必要となる。この点、拡散接合を用いることで、ドリルによる孔空け工程や閉塞工程をする必要がないものとなる。このため、従来は作製不可能であった複雑な冷媒経路や内部構造であったとしても、本発明により作製可能となる。
また、金型専用材を材料として作製された第一金型部品と第二金型部品とを、所定の圧力と所定の温度を付与することにより、一体化する拡散接合は、接合面を例えば予め研磨したり予め下処理しておいてもよい。拡散接合により、溶接のように溶融金属が接合面から染み出すこともなく、当初よりひとつであったかのように一体化できるものとなる。
また、冷媒経路は、複数の拡散接合工程による複数層の積層により積層方向に作製されるのではなく、一回の拡散接合工程により接合面内に作製されるものとなる。もちろん冷媒が流通可能な三次元的な空間の広がりを有する空間とするため、冷媒流路は接合面から第一金属及び第二金属のそれぞれの方向に一定の深さを有していてもよいが、第一金属や第二金属を突き抜けて延伸されるものではない。
従って、一般的には高温高圧条件が必要とされることの多い拡散接合工程を一回に抑えることができるので、作製された2軸延伸ブロー金型の首ブッシュへの熱的ダメージや圧力による金属疲労を最小限に抑えることが可能となる。
なお、2軸延伸ブロー金型の首ブッシュは、底部を成形する底ブッシュに対向するように上部すなわち首部を成形するものであり、一般的なペットボトル等においては蓋や栓が設けられる部位等を成形するための金型部品である。
本発明の2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの作製方法は、好ましくは、第二金型部品は、接合時に第一金型部品のU溝に一致するように、ボールエンドミルで加工されたU溝を有することを特徴とする。
これにより、第一金型部品に作製されたU溝の深さに加えて第二金型部品に作製されたU溝の深さが、冷媒流路の空間として寄与するので、より多量の冷媒を通すことが可能となり、首部においてより迅速な冷却作業を遂行できるものとなる。
本発明の2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの作製方法は、さらに好ましくは、U溝により作製された空間は2軸延伸ブロー金型の首ブッシュを冷却するための冷媒流路であり、冷媒流路から首ブッシュの外部へと貫通する冷媒流入口及び冷媒流出口を作製する工程をさらに有することを特徴とする。
2軸延伸ブロー金型の首ブッシュ内に作製されている冷媒流路に冷媒を流入させるための冷媒流入口と冷媒流路から冷媒を流出させるための冷媒流出口とを作製する。これにより、該首ブッシュをダイレクトブロー金型として完成させた場合に、首ブッシュ内に冷媒を導入する事が可能となる。
上述したダイレクトブロー金型の底ブッシュ1の作製方法及び2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの作製方法等は、実施形態での説明に限定されるものではなく、本実施形態で説明する技術思想の範囲内かつ自明な範囲内で、適宜その構成や材質及び作製方法等を変更することができる。
ダイレクトブロー金型で成形するプラスチックボトルの底部分や首部分は胴体部分等に比較すると肉が厚いので、この金型の底ブッシュや首ブッシュは、胴体部分等よりも高い冷却機能を求められる。また、この金型の底ブッシュは、いわゆる喰い切りの機能も必要とされるため、首ブッシュのように熱伝導性は高いが強度が劣るアルミニウムを用いることはできず、熱伝導性には劣るが強度や耐久性の高い金型専用材が用いられる。このため、ダイレクトブロー金型の底ブッシュにおいては、如何に効率的に成形品の底部分を冷却できるかが大きな課題となる。この課題を解決するために、本発明においては拡散接合を用いる等により、従来のネジ切りによる冷媒流路作製に比較して、より被冷却体(プラスチックボトルの底)に近い箇所に安全かつ精緻な冷媒流路を作製する方法等を提案するものである。ネジ切り及びボルトによる不要孔閉塞を用いた従来方法においては、不要な冷媒流路が多数作製されるだけではなく、直線的な冷媒流路の組み合わせしか構成できず、底ブッシュを金型本体(胴体部分等)に固定するためのボルト孔の配置や冷媒出入口周辺のパッキン配置スペースにも大きな制約を生じていたが、本発明によりこれを低減できるものとなる。
また、2軸延伸ブローにおいては、射出成形時点でキャップに対応するネジ部分(ペットボトルの首部分)は完成される。その後、ペットボトルの胴体部分及び底部分をブロー成形するものであるが、この時に完成された首部分は冷却しておく必要が生じる。すなわち、既に完成しているペットボトルの首部分のみ冷却する一方、ペットボトルの胴体部分と底部分とは熱による延伸性を備えた状態でブロー延伸されるものとなる。このため、首部分のみ効果的に冷却する必要が生じることとなる。しかし、2軸延伸ブロー金型の首ブッシュは、比較的厚さが薄い金型(一般的には20mm〜30mm)であり、被冷却体(ペットボトルのネジ部分等)に近い配置に冷媒流路を設けることは、水漏れ回避の観点から、従来困難であった。一方で、熱伝導性が良くないにも拘わらず耐食性や強度の問題からSUS系の金型専用材で作製される2軸延伸ブローの首ブッシュを如何に効率的に冷却維持するかが問題となっていた。本発明は、厚さの薄い2軸延伸ブローの首ブッシュにおいても、被冷却体に可能な限り近い配置において、安全に精緻な冷媒流路を作製できるものとなる。また、不要な冷媒流路やボルトによる閉塞を不要とするので、金型本体に首ブッシュを固定するためのボルト孔の配置や冷媒出入口のパッキン配置スペース等への制約が低減されるものとなり、効率的な冷却機能を実現できるものとなる。
さらに詳細に説明すると、ダイレクトブロー成形では、熱可塑性樹脂を使用するために金型全体を熱伝導の良いアルミ合金で作られることが望ましい。しかし、金型の底部分において底ブッシュからはみ出る余分なパリソン(成形樹脂)をカット(喰い切る)する必要があり、底ブッシュに樹脂をカットする刃を付けるために硬度のある金型専用材を用いざるを得ない。
しかし硬度のある金型専用材の熱伝導率はアルミ合金の3分の1しかなく、このため、いかに底ブッシュを早く冷却し、成形された製品を短時間で取り出せるかということが、単位時間当たりの生産性に大きく影響する。この点において、今までに無い構造を持った本発明の冷媒流路は、底ブッシュが熱伝導性の悪い金型専用材であっても大きな冷却効果が出るため生産性の向上に大きく寄与する。なお、ダイレクトブロー成形での首ブッシュはパリソンをカットする必要が無いので、熱伝導効率の高いアルミ合金で作られる。
また、2軸延伸ブロー成形の金型においては、「プリフオーム」と呼ばれるネジを持った試験管型のような樹脂を専用金型で射出成形をしてネジ部分(ペットボトルの首部分)を完成させる。その後、2工程目のブロー金型に移動し、首ブッシュを冷却をする一方でネジ下の管の部分(ペットボトルの胴体部分)に熱を加えながら樹脂を部品で延伸させ空気を吹き込む。
このため、冷却を継続しているネジ部分(首ブッシュ)には管部分(胴ブッシュ)からの熱が伝導しないように、熱伝導率が比較的悪いステンレス系の金型専用材を使う。このように首ブッシュは冷却する一方でこれに隣接する胴体部分は加熱するため、首ブッシュのみを如何に効率的に冷却するかという大きな課題が存在する。
この点、従来の首ブッシュでは、ネジ回り対応部分に直線的にドリル加工で水路を作るため、構造上(水漏れ防止の観点から)、冷やしたい部分のより近いところに水路を作ることができなかった。本発明においては、拡散接合を使うことで第一金型部品と第二金型部品を張り合せ、例えば1mm以下の「水を通す隙間」も容易に作れるため、大きな冷却効果が得られるものとなる。
本発明のダイレクトブロー金型の底ブッシュの作製方法及び2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの作製方法は、ブロー金型の部品作製方法として広く適用できる。
1・・ダイレクトブロー金型の底ブッシュ、7・・2軸延伸ブロー金型の首ブッシュ、11・・ダイレクトブロー金型の底ブッシュの第一金型部品、12・・ダイレクトブロー金型の底ブッシュの第二金型部品、71・・2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの第三金型部品、72・・2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの第四金型部品。
Claims (6)
- ボールエンドミルで加工されたU溝を有する第一金型部品と、前記第一金型部品に対応する第二金型部品と、を前記U溝を密封するように拡散接合により一体化する工程を有し、
前記U溝は、接合面内において所定の深さでかつ接合方向に貫通しないように設けられる
ことを特徴とするダイレクトブロー金型の底ブッシュの作製方法。 - 請求項1に記載のダイレクトブロー金型の底ブッシュの作製方法において、
前記第二金型部品は、接合時に前記第一金型部品のU溝に一致するように、ボールエンドミルで加工されたU溝を有する
ことを特徴とするダイレクトブロー金型の底ブッシュの作製方法。 - 請求項1または請求項2に記載のダイレクトブロー金型の底ブッシュの作製方法において、
前記U溝により作製された空間は前記底ブッシュを冷却するための冷媒流路であり、前記冷媒流路から前記底ブッシュの外部へと貫通する冷媒流入口及び冷媒流出口を作製する工程をさらに有する
ことを特徴とするダイレクトブロー金型の底ブッシュの作製方法。 - ボールエンドミルで加工されたU溝を有する第一金型部品と、前記第一金型部品に対応する第二金型部品と、を前記U溝を密封するように拡散接合により一体化する工程を有し、
前記U溝は、接合面内において所定の深さでかつ接合方向に貫通しないように設けられる
ことを特徴とする2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの作製方法。 - 請求項4に記載の2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの作製方法において、
前記第二金型部品は、接合時に前記第一金型部品のU溝に一致するように、ボールエンドミルで加工されたU溝を有する
ことを特徴とする2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの作製方法。 - 請求項4または請求項5に記載の2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの作製方法において、
前記U溝により作製された空間は前記首ブッシュを冷却するための冷媒流路であり、前記冷媒流路から前記首ブッシュの外部へと貫通する冷媒流入口及び冷媒流出口を作製する工程をさらに有する
ことを特徴とする2軸延伸ブロー金型の首ブッシュの作製方法。
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