JP2016059844A - 水素製造用触媒、その製造方法及び燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】白金、金、パラジウム及びロジウムのような高価な金属を用いずとも、また前処理として還元処理を行わずとも、十分な触媒活性を示すことができる水素製造用触媒、該触媒の製造方法及び該触媒を含む改質器を備える燃料電池システムを提供すること。【解決手段】本発明は、下記組成式(I)で表される酸化物を含有する担体と、ニッケルと、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種以上の周期表第2族元素と、を含有する、水素製造用触媒を提供する。La1−xSrxAlO3(但し、0≦x≦0.5) (I)【選択図】なし

Description

本発明は、水素製造用触媒、その製造方法及び燃料電池システムに関する。
従来、炭化水素化合物類等の有機化合物を改質して合成ガスや水素に転換する方法として、水蒸気改質反応等の改質反応を利用する方法が知られている。このような改質反応に用いられる改質触媒としては、ニッケル系触媒やルテニウム系触媒が知られている(特許文献1及び2を参照)。
従来の改質触媒は、担体に活性金属を担持させるための焼成処理の後、改質反応に供する前の前処理として、還元処理を行う必要がある。これは、焼成処理の際に、活性金属(例えば、ニッケル)が酸化されて酸化物(例えば、NiO)となり、触媒活性が失われるためである。
前処理を省略できる改質触媒の検討も行われており、例えば、組成式La1−xSrAlO[式中、xは0.05〜0.5を示す。]で表される酸化物を含有する担体に、Niと、白金、金、パラジウム及びロジウムからなる群より選ばれる金属元素と、を担持させた改質触媒が提案されている(特許文献3を参照)。
特開2000−084410号公報 特開2010−069434号公報 特開2012−110827号公報
しかしながら、白金、金、パラジウム及びロジウムのような金属は高価であるため、このような金属を用いた場合、製造コストが高くなる傾向にある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、白金、金、パラジウム及びロジウムのような高価な金属を用いずとも、また前処理として還元処理を行わずとも、十分な触媒活性を示すことができる水素製造用触媒、該触媒の製造方法及び該触媒を含む改質器を備える燃料電池システムを提供することを目的とする。
本発明は、下記組成式(I)で表される酸化物を含有する担体と、ニッケル(Ni)と、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)及びバリウム(Ba)からなる群より選ばれる少なくとも一種以上の周期表第2族元素と、を含有する、水素製造用触媒を提供する。
La1−xSrAlO (但し、0≦x≦0.5) (I)
本発明に係る触媒は、高価な活性金属を用いずとも、また前処理として還元処理を行わずとも、十分な触媒活性を示すことができる。これにより、本発明に係る触媒は、高価な活性金属を必要とする従来の改質触媒と比較して、安価であり、また前処理を必要とする従来の触媒と比較して、より少ない工程で製造することができる或いはより少ない工程で水素の製造を開始することができる。
本発明に係る触媒が還元処理を行わずとも十分な触媒活性を示すことの理由は、必ずしも明らかではないが、上記特定の担体上において、Ca、Sr及びBaからなる群より選ばれる少なくとも一種以上の周期表第2族元素により、Niの還元が促進されるためと考えられる。さらに、本発明に係る触媒は、Niの還元状態が維持されることにより、高い触媒活性を長期にわたって維持することができる。
上記組成式(I)で表される酸化物は、酸化物の粉末X線回折スペクトルにおいて、2θが33°以上34°以下の範囲に最大の回折ピークを示すものであることが好ましい。粉末X線回折スペクトルにおける最大の回折ピークが上記範囲に存在する酸化物は、ペロブスカイト構造を有しており、Niの還元性の点で優れる。
本発明に係る触媒において、上記Niのモル数nNiに対する、上記周期表第2族元素の合計モル数nの比n/nNiは、0.01以上20以下であることが好ましい。モル比n/nNiが上記範囲にあることにより、前処理として還元処理を行わずとも、十分な触媒活性が得られやすい。
また、本発明は、上記本発明に係る水素製造用触媒の製造方法であって、上記組成式(I)で表される酸化物を含む担体に、Niを担持する第一の担持工程と、Niが担持された担体に周期表第2族元素を担持する第二の担持工程と、を備える、水素製造用触媒の製造方法を提供する。このような方法により、より高い触媒活性を示すことができる水素製造用触媒を得ることができる。
上記第二の担持工程は、上記Niが担持された担体に、周期表第2族元素を有する化合物を含浸させたものを、300〜700℃で焼成する工程であることが好ましい。
また、本発明は、炭化水素化合物類が含まれる改質原料を水素が含まれる改質ガスに改質する改質部、を備える燃料電池システムであって、改質部が、上記本発明に係る水素製造用触媒又は上記本発明に係る方法によって得られる水素製造用触媒を含む、燃料電池システムを提供する。
本発明によれば、白金、金、パラジウム及びロジウムのような高価な金属を用いずとも、また前処理として還元処理を行わずとも、十分な触媒活性を示すことができる水素製造用触媒、該触媒の製造方法及び該触媒を含む改質部を備える燃料電池システムを提供することができる。
本発明の実施形態に係る燃料電池システムの一例を示す概念図である。 触媒担体A及びBの粉末X線回折パターンを示す図である。
本発明に係る水素製造用触媒の好適な実施形態について以下に説明する。
本実施形態に係る触媒は、下記組成式(I)で表される酸化物を含有する担体と、Niと、Ca、Sr及びBaからなる群より選ばれる少なくとも一種以上の周期表第2族元素と、を含有する。
La1−xSrAlO (但し、0≦x≦0.5) (I)
本明細書において周期表とはIUPACにより規定された長周期型の元素周期表をいう。
本実施形態に係る酸化物としては、ペロブスカイト型構造を有する酸化物が挙げられる。ここで、ペロブスカイト型構造とは、組成式ABOで表される酸化物が形成し得る結晶構造であり、上記組成式において、Aは希土類元素及び/又はアルカリ土類金属元素等を示し、Bは典型金属元素及び/又は遷移金属元素等を示す。
本実施形態に係る触媒は、上記の構造を有する酸化物を含む担体を含むことにより、活性金属としてNiを用いた場合でも、高い触媒活性及び耐コーキング性を示すことができる。
本実施形態に係る酸化物は、LaAlOのAサイトがSrにより置換されていてもよい。Srの置換率(x)は、0〜0.5であり、0.05〜0.5であってよく、0.05〜0.3であってよく、0.1〜0.3であってよい。なお、置換率(x)は、酸化物中のLaの原子数NLaとSrの原子数NSrとの総数に対する原子数NSrの比NSr/(NLa+NSr)ということもできる。置換率が0.5より大きいと、本発明の効果が十分に得られない。この原因は、置換率が0.5より大きくなることにより、ペロブスカイト型構造が崩れてしまうためと本発明者らは推察している。また、置換率が0.05以上であると、触媒活性が向上する傾向がある。
本実施形態に係る酸化物は、粉末X線回折スペクトルにおいて、2θが33°以上34°以下の範囲に最大の回折ピークを示すものであることが好ましい。粉末X線回折スペクトルにおける最大の回折ピークが上記範囲に存在する酸化物は、ペロブスカイト構造を有しており、Niの還元性の点で優れる。なお、粉末X線回折スペクトルは、Rigaku社製RINT2500(線源:CuKα,モノクロメーター使用、電圧50KV、電源200mA))を用い、Cuターゲットでλ=1.5406ÅのX線照射により測定される。
本実施形態に係る酸化物の製造方法は、特に限定されるものではなく、例えば、固相反応法、錯体重合法、加水分解法、ゾル−ゲル法、水熱法、噴霧熱分解法、共沈法等が挙げられる。これらは公知の方法を用いることができる。
固相反応法の場合、例えば、目的とする酸化物に含まれる金属元素(La、Sr及びAl)を含む化合物(例えば、酸化物、炭酸塩、有機物など)を出発原料として用い、目的とする酸化物と同様の金属元素比となるように混合し、焼成することによって目的とする酸化物を得ることができる。具体的な焼成温度及び焼成時間については、目的とする酸化物が形成される条件とすればよく、例えば、1200〜1500℃程度の温度範囲において、10〜40時間程度焼成する条件が挙げられる。なお、原料物質として炭酸塩や有機化合物等を用いる場合には、焼成する前に予め仮焼きして原料物質を分解させた後、焼成して目的の酸化物を形成することが好ましい。原料物質として炭酸塩を用いる場合には、例えば、1000〜1200℃程度で10時間程度仮焼きした後、上記した条件で焼成することができる。焼成手段は特に限定されず、電気加熱炉、ガス加熱炉等任意の手段を採用できる。焼成雰囲気は、通常、酸素気流中、空気中等の酸化性雰囲気中とすればよいが、原料物質が十分量の酸素を含む場合には、例えば、不活性雰囲気中で焼成することも可能である。
共沈法の場合、例えば、目的とする酸化物が得られるにように、Laの塩、Srの塩及びAlの塩を所定の化学量論比で含む混合塩水溶液を調製し、この混合塩水溶液に中和剤を加えて共沈させた後、得られた共沈物を乾燥後、熱処理することにより目的とする酸化物の紛体を得ることができる。
Laの塩、Srの塩及びAlの塩としては、例えば、硫酸塩、硝酸塩、塩化物、りん酸塩などの無機塩、例えば、酢酸塩、しゅう酸塩などの有機酸塩などが挙げられる。また、混合塩水溶液は、例えば、各元素の塩を、所定の化学量論比となるような割合で水に加えて、攪拌混合することにより調製することができる。
その後、この混合塩水溶液に、中和剤を加えて共沈させる。中和剤としては、例えば、アンモニア、例えば、トリエチルアミン、ピリジンなどのアミン類などの有機塩基、例えば、カセイソーダ、カセイカリ、炭酸カリ、炭酸アンモンなどの無機塩基が挙げられる。なお、中和剤は、その中和剤を加えた後の溶液のpHが6〜10程度となるように加えることが好ましい。
得られた共沈物は、必要により水洗し、例えば、真空乾燥や通風乾燥などにより乾燥させた後、例えば、約500〜1000℃、好ましくは、約600〜950℃で熱処理することができる。
ゾル−ゲル法の場合、例えば、以下の方法により目的とする酸化物を調製することができる。すなわち、目的とする酸化物と同様の金属元素比となるように、Laの塩、Srの塩及びAlの塩、クエン酸、エチレングリコール及び純水を混合してよく撹拌し、加熱して水分を除去する。その後、300℃〜500℃程度で約1〜5時間程度保持して硝酸塩を分解させた後、700℃〜900℃程度で5〜20時間程度保持してクエン酸、エチレングリコールを燃焼除去することにより、目的とする酸化物を得ることができる。Laの塩、Srの塩及びAlの塩としては、上述の無機塩、有機酸塩等が挙げられる。
本実施形態においては、Ni及び上記周期表第2族元素を担持する前に、担体を空気雰囲気下や酸素雰囲気下で焼成処理してもよい。このときの焼成温度は、通常500℃〜1500℃であり、好ましくは700℃〜1200℃である。
本実施形態に係る担体は、組成式(I)で表される酸化物をそのまま用いてもよく、アルミナ、シリカ、ジルコニア、ゼオライトなどを含む無機バインダー、炭化系、炭化水素系、高分子系の化合物を含む有機バインダーと混合することもできる。
本実施形態に係る触媒は、上記担体と、Niと、Ca、Sr及びBaからなる群より選ばれる少なくとも一種以上の周期表第2族元素と、を含有する。
本実施形態に係る触媒は、例えば、上述した本実施形態に係る担体に、Niと、Ca、Sr及びBaからなる群より選ばれる1種以上の周期表第2族元素と、を担持させることにより得ることができる。
Ni及び上記周期表第2族元素(以下、場合により「担持金属」と総称する。)の担体への担持方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法を適用することにより容易に行うことができる。担持方法としては、例えば、含浸法、沈着法、共沈法、混練法、イオン交換法、ポアフィリング法等が挙げられ、これらのうち含浸法、ポアフィリング法が好ましい。上記担持金属の出発物質としては、適宜選択することができるが、通常、担持金属の塩化物や硝酸塩が用いられる。
例えば、含浸法を適用する場合、Niの塩の溶液(通常は水溶液)を調製し、目的とする担持量となるように、調製した溶液を担体に含浸させる。その後、担体を、乾燥し、必要に応じて焼成することにより、Niが担持された触媒を得ることができる。焼成は、通常、空気雰囲気下や酸素雰囲気下等で行われる。焼成温度は、Niの塩の分解温度以上であれば特に限定されないが、通常200℃〜1000℃、好ましくは300〜800℃程度である。また、焼成処理時間は、焼成温度によっても異なるが、通常30分〜30時間、好ましくは1〜20時間程度である。
本実施形態に係る触媒の製造方法は、担体にNiを担持する第一の担持工程と、Niが担持された上記担体に周期表第2族元素を担持する第二の担持工程と、を備えるものであってもよい。この製造方法によれば、Niの表面に周期表第2金属元素が存在することにより前処理を行わずとも高い触媒活性を示す触媒を容易に得ることができる。
上記第二の担持工程においては、Niと担持金属を十分に反応させるため、周期表第2族元素を含浸させた担体を300〜800℃で焼成することが好ましい。
本実施形態に係る触媒の製造方法における担体への担持金属の担持は、上記方法の他、Niの担体への担持と上記周期表第2族元素の担体への担持を同時に行う方法であってもよく、担体に上記周期表第2族元素を担持した後、周期表第2族元素が担持された担体にNiを担持する方法であってもよい。
本実施形態に係る触媒において、触媒に含まれるNiの含有量は、触媒の全質量を基準として、金属原子換算で、0.05〜20質量%であることが好ましく、1〜15質量%であることがより好ましい。Niの含有量が20質量%以下であれば、金属の凝集が生じにくいため、金属の凝集による触媒表面に出現する上記周期表第2族元素の割合の減少を抑制できる。また、Niの含有量が0.05質量%以上であることにより、より高い触媒活性が得られる。これにより、触媒を多量に用いる必要がなく、反応器の大型化を避けることができる。
また、本実施形態に係る触媒において、触媒に含まれる周期表第2族元素の含有量は、触媒の全質量を基準として、金属原子換算で、0.05〜15質量%であることが好ましく、0.1〜10質量%であることがより好ましい。周期表第2族元素の含有量が15質量%以下であれば、凝集した第2族元素による活性の低下を抑えることができる。また、周期表第2族元素の含有量が0.05質量%以上であることにより、前処理として還元処理を行わずとも、十分な触媒活性が得られやすい。
本実施形態に係る触媒においては、Niのモル数nNiに対する、周期表第2族元素の合計モル数nの比(n/nNi)が、0.01以上20以下であってよく、0.05以上15以下であってよく、0.1以上15以下であってよい。モル比n/nNiが上記範囲にあることにより前処理として還元処理を行わずとも、十分な触媒活性が得られやすい。なお、触媒におけるモル比n/nNiを上記範囲に調整するには、例えば、担体に含浸させるNi化合物の量から算出されるNiのモル数nと、担体に含浸させる周期表第2族元素を有する化合物の量から算出される周期表第2族元素の合計モル数nとから求められるモル比n/nNiが上記範囲になるように、それぞれの化合物の配合量を調整すればよい。
上記モル比n/nNiは、例えば、焼成後の触媒を誘導結合プラズマ発光分光分析法(ICP発光分光分析法)によって分析することにより、確認してもよい。測定装置は、例えば、パーキンエルマー社のOptima4300DVなどが使用できる。
なお、触媒が、周期表第2族元素としてSrを含有する場合、ICP発光分光分析法では酸化物中のSrも同時に検出されてしまう。したがって、本実施形態において、触媒が、周期表第2族元素としてSrを含有する場合、Niのモル数nNiに対する、酸化物中のSrのモル数と周期表第2族元素との合計モル数nM2の比nM2/nNiが、0.01以上30以下であってよい。
本実施形態に係る触媒の表面積は、特に限定されるものではないが、5〜200m/gであることが好ましく、10〜150m/gであることがより好ましい。
本実施形態に係る触媒の形状は、特に限定されるものではなく、触媒を使用する形態により適宜選択することができる。該形状としては、例えば、ペレット状、顆粒状、ハニカム状、スポンジ状等の任意の形状が採用される。
また、本実施形態に係る触媒は、白金、金、パラジウム及びロジウムからなる群より選択される一種以上の金属を含んでいてもよい。
本実施形態に係る触媒は、水素の製造に用いられる。例えば、炭化水素化合物類が含まれる原料を水素が含まれる改質ガスに改質するために用いることができる。以下、本実施形態に係る触媒を用いて水素が含まれる改質ガスを製造する方法について説明する。
本実施形態に係る改質ガスの製造方法は、炭化水素化合物類が含まれる改質原料を、本実施形態に係る触媒と接触させて、水素が含まれる改質ガスに改質する工程を備える。
具体的には、例えば、本実施形態に係る触媒の存在下に、炭化水素化合物類を含有する原料と、水(スチーム)、酸素及び二酸化炭素から選択される少なくとも1種を含むガスと、を混合した改質原料を供給して、公知の水素製造反応、例えば、水蒸気改質反応、部分酸化反応、自己熱改質反応及び二酸化炭素改質反応から選択される少なくとも1つの水素製造反応により改質ガスを製造する方法が挙げられる。
改質原料は、水蒸気改質反応による改質を行う場合、スチームと炭化水素化合物類とを含めばよく、部分酸化反応による改質を行う場合、酸素と炭化水素化合物類とを含めばよく、自己熱改質反応による改質を行う場合、水と酸素と炭化水素化合物類とを含めばよく、二酸化炭素改質反応による改質を行う場合、二酸化炭素と炭化水素化合物類とを含めばよい。改質原料は、さらに水素、一酸化炭素又は窒素を含んでもよい。
本実施形態に係る触媒を用いる反応の反応形式としては、固定床式、移動床式、流動床式等が挙げられ、特に制約を受けるものではない。
本実施形態において、本実施形態に係る触媒は、前処理を行わずとも十分な触媒活性を発揮し得るが、前処理として触媒の還元処理を行ったものを用いてもよい。還元処理は、例えば、水素雰囲気下等の還元雰囲気下、400〜1000℃、好ましくは400〜800℃で保持することで行うことができる。
本実施形態において、触媒に導入される改質原料の空間速度は、ガス空間速度(以下GHSVと記す)が、好ましくは1〜10,000h−1、より好ましくは10〜5,000h−1、さらに好ましくは50〜3,000h−1の範囲である。GHSVが10,000h−1以下である場合、改質原料と触媒の接触時間が十分に確保でき、反応が進みやすくなるため好ましい。一方、GHSVが10h−1以上である場合、触媒量に対して十分な量の水素を製造でき、高い水素製造効率が得られるため好ましい。また液空間速度(以下LHSVと記す)では、好ましくは0.05〜5.0h−1、より好ましくは0.1〜2.0h−1、さらに好ましくは0.2〜1.0h−1の範囲である。LHSVが5.0h−1以下である場合、改質原料と触媒の接触時間が十分に確保でき、反応が進みやすくなるため好ましい。一方、LHSVが0.05h−1以上である場合、触媒量に対して十分な量の水素を製造でき、高い水素製造効率が得られるため好ましい。
本実施形態に係る改質ガスの製造方法における反応温度は、特に限定されるものではないが、200℃〜800℃であることが好ましく、300〜700℃であることがより好ましい。なお、ここでいう反応温度とは、触媒層全体の平均温度を指す。反応温度が、800℃以下である場合、触媒に含有される金属の凝集が進みにくく、触媒の性能が長期にわたって維持されるため好ましい。一方、反応温度が、200℃以上である場合、水素製造に十分な反応速度が得られるため好ましい。
本実施形態に係る改質ガスの製造方法における反応圧力は、特に限定されるものではないが、常圧〜5MPaであることが好ましく、常圧〜1MPaであることがより好ましい。大気圧よりも低い圧力や、20MPaよりも高い圧力でも実施することは可能であるが、その場合は製造設備が減圧および高圧に対応する必要があり、経済的に好ましくない。
水蒸気改質反応又は自己熱改質反応により改質を行う場合、原料とともに導入するスチームの量は、炭化水素化合物類に含まれる炭素原子モル数に対する水分子モル数の比(スチーム/カーボン比:以下S/Cと記す)が、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜3の範囲となるように設定される。スチーム/カーボン比が1以上であれば、触媒上にコークが蓄積しにくくなり、水素含有量の多い改質ガスが得られやすい傾向がある。スチーム/カーボン比が5より大きい場合、スチーム供給に要するエネルギーや余剰スチームの生成・回収に要するコストが大きくなりすぎるため好ましくない。
部分酸化反応又は自己熱改質反応により改質を行う場合、原料とともに導入する酸素の量は、炭化水素化合物類に含まれる炭素原子モル数に対する酸素分子モル数の比(酸素/カーボン比:以下O/Cと記す)が、0.8以下であることが好ましく、0.5以下であることがより好ましく、0.3以下であることがさらに好ましい。O/Cが0.8以下である場合、二酸化炭素および水の生成反応が進行しにくいため、水素の生成量が減少することがなく好ましくない。
原料に含まれる炭化水素化合物類は、炭素数1〜40、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜6の有機化合物を含有する。具体的には、飽和脂肪族炭化水素、不飽和脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素等を挙げることができ、また飽和脂肪族炭化水素、不飽和脂肪族炭化水素については、鎖状、環状の形状を問わず使用することができる。このような炭化水素化合物類は置換基を含むことができる。置換基は、鎖状、環状のどちらであってもよく、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキルアリール基、アラルキル基等を挙げることができる。また、これらの炭化水素化合物類は酸素、窒素、ハロゲン、硫黄等のヘテロ原子を一個以上有する置換基を有していてもよく、このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br,−I)、水酸基(−OH)、アルコキシ基(−OR)、カルボキシル基(−COOH)、エステル基(−COOR)、アルデヒド基(−CHO)、アシル基(−C(=O)R)等が挙げられる。
炭化水素化合物類の具体例としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の鎖状の飽和脂肪族炭化水素とその構造異性体、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等の鎖状の不飽和脂肪族炭化水素とその構造異性体、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の環状炭化水素とその構造異性体、ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレン、ビフェニル等の芳香族炭化水素などを挙げることができる。また、これらを単品又は混合物として含有する材料を使用することができる。例えば、都市ガス、天然ガス、LPG、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油等を挙げることができる。
また、ヘテロ原子を含有する置換基を有する炭化水素化合物類として、アルコール類、エーテル類、バイオ燃料等を含む原料も使用できる。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール等を挙げることができ、エーテル類としては、例えば、ジメチルエーテル等を挙げることができ、バイオ燃料としては、例えば、バイオガス、バイオエタノール、バイオディーゼル、バイオジェット等を挙げることができる。
原料中に硫黄分が含まれる場合は、炭化水素化合物類を含む原料と本実施形態に係る触媒とを接触させる前に、炭化水素化合物類を含む原料の脱硫処理を行うことが好ましい。脱硫処理は、例えば、炭化水素化合物類を含む原料と脱硫触媒とを接触させることにより行うことができる。脱硫触媒は、例えば、銅及び亜鉛を含む触媒、又はニッケル及び亜鉛を含む触媒であってよい。
また、原料としては、炭化水素化合物類の他に、水素、水、二酸化炭素、一酸化炭素、酸素、窒素等を含む原料も使用できる。例えば、原料の前処理として水素化脱硫を実施する場合、反応に用いた水素の残留分を特に分離することなくそのまま使用することもできる。
本実施形態に係る改質ガスの製造方法により得られる改質ガスは、固体酸化物形燃料電池や溶融炭酸塩形燃料電池に用いる場合であれば、そのまま燃料電池用の燃料として用いることができる。また、リン酸形燃料電池や固体高分子形燃料電池のように一酸化炭素の除去が必要な場合には、該燃料電池用水素を製造するための原料として好適に用いることができる。この一酸化炭素の除去は、公知の一酸化炭素選択除去方法を採用することができる。一酸化炭素選択除去方法としては、例えば、シフト工程、CO選択酸化工程又はこれらの組み合わせが挙げられる。
シフト工程とは一酸化炭素と水を反応させ、水素と二酸化炭素に転換する工程であり、Fe−Crの混合酸化物、Zn−Cuの混合酸化物、白金、ルテニウム、イリジウム等を含有する触媒を用い、一酸化炭素含有量をドライベースで好ましくは2容量%以下、より好ましくは1容量%以下、さらに好ましくは0.5容量%以下まで低減させる。通常、リン酸形燃料電池ではこの状態の混合ガスを燃料として用いることができる。
CO選択酸化工程では、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金、銅、銀、金等を含有する触媒を用い、残存する一酸化炭素モル数に対し好ましくは0.5〜10倍モル、より好ましくは0.7〜5倍モル、さらに好ましくは1〜3倍モルの酸素を添加することで一酸化炭素を選択的に二酸化炭素に転換することにより一酸化炭素濃度を低減させる。この場合、一酸化炭素の酸化と同時に共存する水素と反応させメタンを生成させることで一酸化炭素濃度の低減を図ることもできる。
上述した本実施形態に係る改質ガスの製造方法は、水素の製造方法としても利用できる。
次に、本実施形態に係る触媒が用いられる水素製造装置及び燃料電池システムについて、図面を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係る水素製造装置は、例えば、本実施形態に係る水素製造用触媒を有し、炭化水素化合物類が含まれる改質原料を水素が含まれる改質ガスに改質する改質部、並びに、当該改質部に、炭化水素化合物類が含まれる改質原料と、水(スチーム)、酸素及び二酸化炭素から選択される少なくとも1種を含むガスと、を供給する供給部20とを備えてよい。
本実施形態に係る改質部は、改質器7を備えてよい。本実施形態に係る改質器7の容器は、公知のものを使用することができ、特に制約を受けるものではない。
本実施形態に係る供給部20は、水タンク1、水ポンプ2、燃料タンク3、及び脱硫器5から構成されていてよく、改質部に炭化水素化合物類が含まれる改質原料と、水(スチーム)、酸素及び二酸化炭素から選択される少なくとも1種を含むガスと、を供給するものであれば、他の構成を有していてもよい。
本実施形態に係る燃料電池システムは、例えば、本実施形態に係る改質部と、改質原料を改質部内へ供給する供給部20と、改質部で生成した水素が供給される燃料電池16と、を備えてよい。
図1において、燃料タンク3内の炭化水素化合物類を含む原料は、燃料ポンプ4を経て、脱硫器5に供給される。脱硫器5により、炭化水素化合物類の脱硫を行う。脱硫器5内には、例えば、上述した脱硫触媒が充填されていてよい。水素ガスを脱硫器5内へ供給して、水素化脱硫を行ってもよい。この水素ガスは、改質器7の下流のガス、シフト反応器9の下流のガス、一酸化炭素の選択酸化を行う反応器10の下流のガス、及びアノードオフガスの少なくともいずれかから供給されてもよい。脱硫された炭化水素化合物類は、気化器6に供給され、気化された改質原料が得られる。改質原料は、改質器7へ供給される。
水蒸気改質法により改質を行う場合、脱硫された炭化水素化合物類は、気化器6に供給される前に、水と混合されてよい。水は、水タンク1から水ポンプ2を経て供給される。部分酸化改質法により改質を行う場合、脱硫された炭化水素化合物類は、酸素と混合されてよい。オートサーマルリフォーミング法により改質を行う場合、脱硫された炭化水素化合物類は、水と酸素と混合されてよい。二酸化炭素改質法により改質を行う場合、脱硫された炭化水素化合物類は、二酸化炭素と混合されてよい。
改質器7の内部は、バーナー17によって加熱されてよい。バーナー17の燃料は、燃料タンク3から供給される炭化水素化合物類を含む原料又はアノードオフガスであってよい。
このようにして製造された改質ガスは、固体酸化物形燃料電池や溶融炭酸塩形燃料電池に用いる場合であれば、そのまま燃料電池用の燃料として用いることができる。リン酸形燃料電池や固体高分子形燃料電池のように一酸化炭素の除去が必要な場合には、水性ガスシフト反応を行うシフト反応器9を通過した後、一酸化炭素の選択酸化を行う反応器10を通過する。その結果、改質ガス中の一酸化炭素の濃度が、燃料電池の特性に影響を及ぼさない程度まで低減される。つまり、改質ガスは、燃料電池への使用に適した純度の水素ガスになる。この水素ガスが、燃料電池16へ供給される。
燃料電池16が、例えば、固体高分子形燃料電池である場合、燃料電池16はアノード11、カソード12、固体高分子電解質13からなり、アノード11側には上記の方法で得られた高純度の水素を含有する燃料ガスが、カソード12側には空気ブロアー8から送られる空気が、それぞれ必要であれば適当な加湿処理を行なった後(加湿装置は図示していない)導入される。この時、アノード11では水素ガスがプロトンとなり電子を放出する反応が進行し、カソード12では酸素ガスが電子とプロトンを得て水となる反応が進行する。これらの反応を促進するため、それぞれ、アノード11には白金黒、活性炭担持のPt触媒あるいはPt−Ru合金触媒等が、カソード12には白金黒、活性炭担持のPt触媒等が用いられる。通常アノード11、カソード12の両触媒とも、必要に応じてポリテトラフロロエチレン、低分子の高分子電解質膜素材、活性炭等と共に多孔質触媒層に成形される。また、電気負荷14はアノード11、カソード12と電気的に連結される。アノードオフガスはバーナー17において消費される。カソードオフガスは排気口15から排出される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、燃料電池16は、改質ガスを用いて発電できるものであればその他公知の電池を用いることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
[触媒担体LSAOの調製]
La(NO・6HO 7.63g、Sr(NO 1.60g、Al(NO・9HO 9.45g、クエン酸 31.76g、エチレングリコール 9.38g及び純水 200gを混合してよく撹拌した後、加熱して水分を除去した。次に、400℃で2時間保持して硝酸塩を分解させた後、800℃で10時間保持してクエン酸、エチレングリコールを燃焼除去することにより、La0.7Sr0.3AlOで表される触媒担体A(LSAO)を得た。
[触媒担体LAOの調製]
La(NO・6HO 10.91g、Al(NO・9HO 0.45g、クエン酸 31.76g、エチレングリコール 9.38g及び純水 200gを混合してよく撹拌した後、加熱して水分を除去した。次に、400℃で2時間保持して硝酸塩を分解させた後、800℃で10時間保持してクエン酸、エチレングリコールを燃焼除去することにより、LaAlOで表される触媒担体B(LAO)を得た。
(実施例1)
[Ba/Ni/LSAOの調製]
上記触媒担体Aに、触媒の全量に対するNi含有量が5質量%となるようにNi(NO水溶液を含浸させ、水分を蒸発させた。次に、120℃にて10時間乾燥させ、空気流通下800℃にて1時間焼成した。ついでNiが担持された担体に、触媒の全量に対するBa含有量が2.4質量%となるようにBa(NO水溶液を含浸させて水分を蒸発させた。次に、120℃にて3時間乾燥させ、空気流通下800℃にて1時間焼成した。焼成した触媒を、加圧成形した後、粉砕してふるい分けし、平均粒径が約1〜2mmの顆粒状の触媒A1(Ba/Ni/LSAO)を得た。
(実施例2)
[Ca/Ni/LSAOの調製]
上記触媒担体Aに、触媒の全量に対するNi含有量が5質量%となるようにNi(NO水溶液を含浸させ、水分を蒸発させた。次に、120℃にて10時間乾燥させ、空気流通下800℃にて1時間焼成した。ついでNiが担持された担体に、触媒の全量に対するCa含有量が0.7質量%となるようにCa(NO水溶液を含浸させて水分を蒸発させた。次に、120℃にて3時間乾燥させ、空気流通下800℃にて1時間焼成した。焼成した触媒を、加圧成形した後、粉砕してふるい分けし、平均粒径が約1〜2mmの顆粒状の触媒A2(Ca/Ni/LSAO)を得た。
(実施例3)
[Sr/Ni/LSAOの調製]
上記触媒担体Aに、触媒の全量に対するNi含有量が5質量%となるようにNi(NO水溶液を含浸させ、水分を蒸発させた。次に、120℃にて10時間乾燥させ、空気流通下800℃にて1時間焼成した。ついでNiが担持された担体に、触媒の全量に対するSr含有量が1.5質量%となるようにSr(NO水溶液を含浸させて水分を蒸発させた。次に、120℃にて3時間乾燥させ、空気流通下800℃にて1時間焼成した。焼成した触媒を、加圧成形した後、粉砕してふるい分けし、平均粒径が約1〜2mmの顆粒状の触媒A3(Sr/Ni/LSAO)を得た。
(実施例4)
[Ni/Ba/LAOの調製]
上記触媒担体Bに、触媒の全量に対するBa含有量が2.4質量%となるようにBa(NO水溶液を含浸させ、水分を蒸発させた。次に、120℃にて3時間乾燥させ、空気流通下800℃にて1時間焼成した。ついでBaが担持された担体に、触媒の全量に対するNi含有量が5質量%となるようにNi(NO水溶液を含浸させて水分を蒸発させた。次に、120℃にて3時間乾燥させ、空気流通下800℃にて1時間焼成した。焼成した触媒を、加圧成形した後、粉砕してふるい分けし、平均粒径が約1〜2mmの顆粒状の触媒B1(Ni/Ba/LAO)を得た。
(比較例1)
[Ni/LSAOの調製]
上記触媒担体Aに、触媒の全量に対するNi含有量が5質量%となるようにNi(NO水溶液を含浸させ、水分を蒸発させた。次に、120℃にて3時間乾燥させ、空気流通下800℃にて1時間焼成した。次いで、加圧成形した後、粉砕してふるい分けし、平均粒径が約1〜2mmの顆粒状の触媒A4(Ni/LSAO)を得た。
(比較例2)
[Ni/LAOの調製]
上記触媒担体Bに、触媒の全量に対するNi含有量が5質量%となるようにNi(NO水溶液を含浸させ、水分を蒸発させた。次に、120℃にて3時間乾燥させ、空気流通下800℃にて1時間焼成した。次いで、加圧成形した後、粉砕してふるい分けし、平均粒径が約1〜2mmの顆粒状の触媒B2(Ni/LAO)を得た。
(参考例1)
[触媒A4(Ni/LSAO)の還元処理]
上記触媒A4を、水素流通下800℃で1時間還元処理し、触媒A5を得た。
(参考例2)
[触媒B2(Ni/LAO)の還元処理]
上記触媒B2を、水素流通下800℃で1時間還元処理し、触媒B3を得た。
<水蒸気改質反応>
実施例1で得られた触媒A1を用いて、以下の方法により水蒸気改質反応(スチームリフォーミング反応)を行い、触媒A1の水蒸気活性及び触媒寿命を評価した。
まず、原料のトルエンを脱硫処理した後、得られた脱硫処理後のトルエンと水とを十分に混合してから気化させて、改質原料とした。得られた改質原料を、触媒A1を充填した改質器へ導入し、以下の反応条件にて水蒸気改質反応を行った。
[反応条件]
触媒量W:25mg
W/F:3.4gh/mol(ここで、Wは触媒量(g)、Fは原料供給速度(mol/h)を示す。)
反応温度:600℃
スチーム/カーボン比(モル比):2.0
改質原料の供給時間が10分、55分、180分になった時点で、改質反応により得られた改質ガスをサンプリングし、ガスクロマトグラフィー(製品名:GC−14B、(株)島津製作所製))により改質ガスの定量分析を行った。なお、改質原料を改質器へ導入した時点を供給開始時間(0分)とした。
下記式により定義されるトルエン転化率により、触媒A1の水蒸気活性及び触媒寿命を評価した。各サンプリング時間における触媒A1のトルエン転化率を表1に示す。
トルエン転化率=(生成ガス中のCO、CO2、CHのカーボンモル数)/(トルエンのカーボンモル数)×100(%)
サンプリング時間を10分、55分とした以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2で得られた触媒A2を用いた水蒸気改質反応を行った。各サンプリング時間における触媒A2のトルエン転化率を表1及に示す。
サンプリング時間を10分、55分とした以外は、実施例1と同様の方法により、実施例3で得られた触媒A3を用いた水蒸気改質反応を行った。各サンプリング時間における触媒A3のトルエン転化率を表1に示す。
実施例1と同様の方法により、実施例4で得られた触媒B1を用いた水蒸気改質反応を行った。各サンプリング時間における触媒B1のトルエン転化率を表1に示す。
サンプリング時間を10分、180分とした以外は、実施例1と同様の方法により、比較例1で得られた触媒A4を用いた水蒸気改質反応を行った。各サンプリング時間における触媒A5のトルエン転化率を表2に示す。
サンプリング時間を10分、55分とした以外は、実施例1と同様の方法により、比較例2で得られた触媒B2を用いた水蒸気改質反応を行った。各サンプリング時間における触媒B2のトルエン転化率を表2に示す。
実施例1と同様の方法により、参考例1で得られた触媒A5を用いた水蒸気改質反応を行った。各サンプリング時間における触媒A6のトルエン転化率を表2に示す。
実施例1と同様の方法により、参考例2で得られた触媒B3を用いた水蒸気改質反応を行った。各サンプリング時間における触媒B3のトルエン転化率を表2に示す。
Figure 2016059844

Figure 2016059844

<粉末X線回折(XRD)による分析>
上記触媒担体A及びBを、XRD装置としてRigaku社製RINT2500(線源:CuKα,モノクロメーター使用、電圧50KV、電源200mA)を用いて、下記の条件で分析した。
測定方法:集中法(連続)
発散スリット:1/2deg
発散縦制限スリット:10mm
散乱スリット:1/2deg
発光スリット:0.15mm
オフセット角:0deg
スキャンスピード:2deg/min
サンプリング幅:0.02deg
2θ:5〜90deg
触媒担体A及びBのX線回折パターンを図2(a)及び(b)に示す。触媒担体AのX線回折パターンは2θ=33.34°に最大の回折ピークを示し、触媒担体BのX線回折パターンは2θ=33.48°に最大の回折ピークを示す。
1…水タンク、2…水ポンプ、3…燃料タンク、4…燃料ポンプ、5…脱硫器、6…気化器、7…改質器、8…空気ブロアー、9…シフト反応器、10…一酸化炭素選択酸化反応器、11…アノード、12…カソード、13…固体高分子電解質、14…電気負荷、15…排気口、16…燃料電池、17…バーナー、20…供給部。

Claims (6)

  1. 下記組成式(I)で表される酸化物を含有する担体と、
    ニッケルと、カルシウム、ストロンチウム及びバリウムからなる群より選ばれる少なくとも一種以上の周期表第2族元素と、を含有する、水素製造用触媒。
    La1−xSrAlO (但し、0≦x≦0.5) (I)
  2. 前記酸化物が、該酸化物の粉末X線回折スペクトルにおいて、2θが33°以上34°以下の範囲に最大の回折ピークを示すものである、請求項1に記載の水素製造用触媒。
  3. 前記ニッケルのモル数nNiに対する前記周期表第2族元素の合計モル数nの比n/nNiが、0.01以上20以下である、請求項1又は2に記載の水素製造用触媒。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の水素製造用触媒を製造する方法であって、
    下記組成式(I)で表される酸化物を含有する担体にニッケルを担持する第一の担持工程と、
    前記ニッケルが担持された前記担体に周期表第2族元素を担持する第二の担持工程と、
    を備える、水素製造用触媒の製造方法。
    La1−xSrAlO (但し、0≦x≦0.5) (I)
  5. 前記第二の担持工程が、前記ニッケルが担持された前記担体に、周期表第2族元素が含まれる化合物を含浸したものを、300〜700℃で焼成する工程である、請求項4に記載の水素製造用触媒の製造方法。
  6. 炭化水素化合物類が含まれる改質原料を水素が含まれる改質ガスに改質する改質部、を備える燃料電池システムであって、
    前記改質部が、請求項1〜3のいずれか一項に記載の水素製造用触媒又は請求項4若しくは5に記載の方法によって得られる水素製造用触媒を含む、燃料電池システム。
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