JP2016059183A - 電力制御装置、電力制御方法、プログラム、及び電力制御システム - Google Patents

電力制御装置、電力制御方法、プログラム、及び電力制御システム Download PDF

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Abstract

【課題】より容易又はより効果的に、ユーザの要望に対応した電力制御を実行する。
【解決手段】電力制御装置を、蓄電手段の放電又は充電を利用して、電力制御に係る特定の効果をより効率的に得ることができるよう設定された複数の電力制御モードを所定の割合で組み合わせて電力制御を行う電力制御装置であって、複数の電力制御モードを所定の割合で組み合わせて電力制御で得られる特定の効果を演算可能なように変換した上で組み合せに対する特定の効果に関する評価値を算出する評価値算出部と、算出される評価値に基づいて、複数の電力制御モードの組み合せにおける各電力制御モードの割合を設定する設定部と、電力制御モードの各々において目標となるモード送受電電力量から、割合に従って、実際に電力制御を実行する際の目標となる目標送受電電力量を算出する目標算出部と、目標送受電電力量に沿って電力制御を行う電力制御処理部とを有する構成とする。
【選択図】図13

Description

本発明は、電力制御装置、電力制御方法、プログラム、及び電力制御システムに関し、特に、ユーザの要望に、より柔軟に対応した電力制御を実行することができるようにした電力制御装置、電力制御方法、プログラム、及び電力制御システムに関する。
近年、太陽光発電装置や、蓄電池システム、電力消費機器などを、通信ネットワークを介して相互に接続し、エネルギーの消費を管理して省エネルギー化を図るエネルギーマネジメントシステムの導入が促進されている。
このようなエネルギーマネジメントシステムにおいては、例えば、快適性を優先する電力制御モードや、省エネルギー性を優先する電力制御モード、省コスト性を優先する電力制御モードなど、複数の電力制御モードが実装されている。そして、それらの複数の電力制御モードの中から、ユーザにより選択された1つの電力制御モードに従って、エネルギーマネジメントシステム内における電力制御が行われる。
また、特許文献1には、空調機器や照明機器などの機器ごとに電力制御モードを設定して、1つの運転プログラムで、複数の電力制御モードに従った電力制御を行うことができる配電システムが開示されている。
特開2011−101539号公報
ところで、近年、環境性と経済性を両立させたいなどのユーザの要望があり、複数の電力消費モードを組み合わせて使用することが求められている。しかしながら、上述の特許文献1で開示されている方法では、機器ごとに設定することが手間となり、ユーザの要望に、より柔軟に対応することは困難であった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、より容易又はより効果的に、ユーザの要望に対応した電力制御を実行することができるようにするものである。
上記課題を解決するための本発明は、蓄電手段からの放電又は蓄電手段への充電を利用して、電力制御に係る特定の効果をより効率的に得ることができるよう設定された複数の電力制御モードを所定の割合で組み合わせて電力制御を行うことが可能な電力制御装置であって、複数の電力制御モードを所定の割合で組み合わせて電力制御を行うことで得られる複数の特定の効果を演算可能なように変換した上で組み合せに対する特定の効果に関する評価値を算出する評価値算出部を備える。さらに、算出される評価値に基づいて、複数の電力制御モードの組み合せにおける各電力制御モードの割合を設定する設定部と、電力制御モードの各々において目標となるモード送受電電力量から、設定部により設定された割合に従って、実際に電力制御を実行する際の目標となる目標送受電電力量を算出する目標算出部と、目標送受電電力量に沿って電力制御を行う電力制御処理部とを備える。
これにより、電力制御における各種効果を評価値を用いて評価し、評価結果に基づいて
電力制御モードの割合を決定することで、ユーザの要望に合わせて組み合わされた電力制御を最適化することができる。
さらに、本発明の電力制御装置は、蓄電手段の充電量の目標値であり複数の電力制御モードそれぞれに対して定められるモード充電量から、設定部により設定された割合に従って、実際に電力制御を実行する際の蓄電手段の充電量の目標値である目標充電量を算出する目標充電量算出部と、目標充電量に基づいて蓄電手段に充電する充電制御部とをさらに備える。これにより、電力制御における目標充電量をより精確に算出することができる。
また、評価値算出部は、複数の電力制御モードを所定の割合で組み合わせて電力制御を行うことで得られる複数の特定の効果の値に所定の変換係数を乗じた上で加算することで、電力制御モードが割合で組み合わされた場合の評価値を算出してもよい。これにより、ユーザの要望により柔軟に対応した電力制御を実行することができる。
また、設定部は、算出される評価値が最大となる際の、複数の電力制御モードの組み合せにおける各電力制御モードの割合を設定してもよい。さらに、目標算出部は、設定部により設定された割合で、複数の電力制御モードそれぞれにおいて目標となる送受電電力量を加重平均することにより、目標送受電電力量を算出し、目標充電量算出部は、設定部により設定された割合で、複数の電力制御モードそれぞれに対して定められるモード充電量を加重平均することにより、目標充電量を算出するように構成してもよい。これにより、より容易な演算で、より確実に目標充電量を算出することが可能となる。
さらに、本発明の電力制御装置は、再生可能エネルギーを利用して発電を行う発電部において発電される発電電力、及び、電力を消費する負荷に供給される需要電力を計測する電力計測部と、過去の発電電力量及び需要電力量の実績が蓄積された蓄積データに基づいて、発電部により発電されると予測される予測発電電力量、及び、負荷による需要が発生すると予測される予測需要電力量を求める電力予測部とをさらに備え、電力予測部は、予測した予測発電電力量及び予測需要電力量から予測送受電電力量を算出し、予測送受電電力量に従って、複数の電力制御モードそれぞれにおいて目標となるモード送受電電力量を設定することもできる。これにより、例えば前回の電力制御がユーザの要望を満たさない場合に、その電力制御の結果に基づいて次回の電力制御を調整し、よりユーザの要望に対応した電力制御を実現することができる。
さらに、本発明の電力制御方法は、蓄電手段からの放電又は蓄電手段への充電を利用して、電力制御に係る特定の効果をより効率的に得ることができるよう設定された複数の電力制御モードを所定の割合で組み合わせて電力制御を行うことが可能な電力制御方法であって、複数の電力制御モードを所定の割合で組み合わせて電力制御を行うことで得られる複数の特定の効果を演算可能なように変換した上で組み合せに対する特定の効果に関する評価値を算出し、算出される評価値に基づいて、複数の電力制御モードの組み合せにおける各電力制御モードの割合を設定し、電力制御モードの各々において目標となるモード送受電電力量から、割合に従って、実際に電力制御を実行する際の目標となる目標送受電電力量を算出し、目標送受電電力量に沿って電力制御を行う。
また、本発明の電力制御処理を実行させるプログラムは、蓄電手段からの放電又は蓄電手段への充電を利用して電力制御を行うことが可能な電力制御処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、複数の電力制御モードのモード傾向を反映した評価値を算出し、算出される評価値に基づいて、各電力制御モードに対する割合を設定し、各電力制御モードにおいて目標となるモード送受電電力量から、割合に従って、実際に電力制御を実行する際の目標となる目標送受電電力量を算出し、目標送受電電力量に沿って電力制御を行うプログラムである。
また、本発明の電力制御システムは、再生可能エネルギーを利用して発電を行う発電部と、該発電部による発電電力及び電力系統による電力を蓄電する蓄電部と、電力を消費する負荷とが接続され、蓄電部からの放電電力を利用して、電力制御に係る特定の効果をより効率的に得ることができるよう設定された複数の電力制御モードを所定の割合で組み合わせて電力制御を行うことが可能な電力制御システムにおいて、複数の電力制御モードを所定の割合で組み合わせて電力制御を行うことで得られる複数の特定の効果を演算可能なように変換した上で組み合せに対する特定の効果に関する評価値を算出する評価値算出部と、算出される評価値に基づいて、複数の電力制御モードの組み合せにおける各電力制御モードの割合を設定する設定部と、電力制御モードの各々において目標となるモード送受電電力量から、割合に従って、実際に電力制御を実行する際の目標となる目標送受電電力量を算出する目標算出部と、目標送受電電力量に沿って電力制御を行う電力制御処理部とを備える。
なお、上記した課題を解決するための手段は、可能な限り組み合わせて使用することが可能である。
本発明によれば、より容易又はより効果的に、ユーザの要望に対応した電力制御を実行することができる。
本技術を適用した電力制御システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。 予測発電電力、予測需要電力、及び予測送受電電力を示す図である。 目標送受電電力量について説明する図である。 エコロジーモード、エコノミーモード、及びピークアシストモードを説明する図である。 ユーザにより指定された割合に応じて求められた目標送受電電力量の例を示す図である。 エコノミーモードにおけるSOCの制御及び変化を示す図である。 エコロジーモードにおけるSOCの制御及び変化を示す図である。 DRモードにおけるSOCの制御及び変化を示す図である。 エコノミーモード、エコロジーモード、DRモードの割合から、MIXモードにおける目標SOCを算出する過程を説明するための図である。 EMSコントローラの構成例を示すブロック図である。 EMSコントローラが実行する電力制御ルーチン1の処理を説明するフローチャートである。 EMSコントローラが実行する電力制御ルーチン2の処理を説明するフローチャートである。 EMSコントローラが実行する電力制御モードの設定処理を説明するフローチャートである。 EMSコントローラが実行する電力制御モードの設定処理を説明するフローチャートである。 電力制御モードの割合を設定するための質問内容の例を示す図である。 本技術を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。 一実施の形態における端末装置における電力制御に関する情報の表示例を示す図である。
以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本技術を適用した電力制御システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
図1に示すように、電力制御システム11には、電力系統12、太陽光発電モジュール13、及び負荷14が接続されており、ネットワーク15を介して、上位EMS(Energy
Management System)16及びEMSデータベース17と通信可能とされている。
すなわち、電力制御システム11は、商用電力を供給する電力系統12、及び、太陽光を受光して発電を行う太陽光発電モジュール13から電力の供給を受けることができる。そして、電力制御システム11では、電力需要に応じて、交流電力又は直流電力を消費する機器からなる負荷14に電力を供給したり、太陽光発電モジュール13で発電された電力を電力系統12に逆潮流させたりする電力制御が行われる。また、電力制御システム11では、複数の電力制御システム11に対して上位的な電力制御を行うことができる上位EMS16からの指示に従った電力制御や、過去の発電電力量や需要電力量などの実績が蓄積された蓄積データを格納しているEMSデータベース17から取得した蓄積データに基づいた電力制御が行われる。
また、電力制御システム11は、電力計測部21−1乃至21−4、パワーコンデショナ22、蓄電池システム23、操作端末24、及びEMSコントローラ25を備えて構成される。
電力計測部21−1乃至21−4は、それぞれ配置される電力線を介して供給される電力を計測する。例えば、電力計測部21−1は、電力系統12との間で送電及び受電される電力である送受電電力を計測し、電力計測部21−2は、太陽光発電モジュール13で発電されて出力される電力である発電電力を計測する。また、電力計測部21−3は、負荷14に供給される電力である需要電力を計測し、電力計測部21−4は、蓄電池システム23に充電され、又は蓄電池システム23から放電される電力である充放電電力を計測する。
パワーコンデショナ22は、最適な発電効率で発電を行うことが可能な電圧で太陽光発電モジュール13が電力を出力することができるように、太陽光発電モジュール13から出力される電力を調整する。
蓄電池システム23は、電力を蓄積する蓄電池(不図示)と、蓄電池の充放電を制御する制御部(不図示)とを有して構成され、蓄電池の充電量をEMSコントローラ25に通知し、EMSコントローラ25による指示に基づいた蓄電池の充放電を制御する。
操作端末24は、ユーザの操作入力を受け付けるユーザインタフェースを表示するタッチパネルディスプレイを備えており、その操作入力に応じたユーザの指定をEMSコントローラ25に通知する。もちろん、操作端末24は必ずしもタッチパネルディスプレイを備える必要はなく、キーボード入力、ボタンによる入力、音声による入力など、他のユーザインタフェースを利用していてもよい。
EMSコントローラ25は、操作端末24を介して入力されるユーザの指定や、EMSデータベース17に格納されている蓄積データなどに基づいて、電力制御システム11の電力制御を行う。
まず、EMSコントローラ25は、所定の時間単位(例えば、30分単位)で、太陽光発電モジュール13により翌日に発電されると予測される予測発電電力量、及び、負荷14により翌日に需要が発生すると予測される予測需要電力量を求める。そして、EMSコントローラ25は、予測発電電力量及び予測需要電力量に基づいて、電力系統12との間で翌日に送受電されると予測される予測送受電電力量を所定の時間単位で求める。
図2Aには、予測発電電力量が示されており、図2Bには、予測需要電力量が示されており、図2Cには、予測送受電電力量が示されている。図2において、横軸は、翌日の時刻を示し、縦軸は、それぞれの電力量を示している。
例えば、EMSコントローラ25は、太陽光発電モジュール13による過去の発電電力量の蓄積データから、翌日の天気予報及び日照予報に類似する複数の類似日における発電電力量を抽出し、それらの発電電力量を平均化する。これにより、EMSコントローラ25は、図2Aに示すように、時間単位で変化する予測発電電力量を算出する。
また、EMSコントローラ25は、負荷14による過去の需要電力量の蓄積データから、過去の所定期間(例えば、3か月間や同一季節など)における曜日及び気温を条件として複数の需要電力量を抽出し、それらの需要電力量を平均化する。これにより、EMSコントローラ25は、図2Bに示すように、時間単位で変化する予測需要電力量を算出する。
なお、EMSコントローラ25は、予測発電電力量を算出する際に、上述したように抽出した発電電力量から、最大及び最小の発電電力量を排除し、さらに、複数のゼロデータがある場合には、それらのゼロデータを排除する。これにより、発電電力量を予測するのに適切でないデータや特異データなどの影響を排除して予測発電電力量を求めることができる。同様に、EMSコントローラ25は、需要電力量を予測するのに適切でないデータや特異データなどの影響を排除して予測需要電力量を求めることができる。
そして、EMSコントローラ25は、例えば、予測発電電力量及び予測需要電力量を加算することで、図2Cに示すように、時間単位で変化する予測送受電電力量を求める。例えば、ユーザが、ある程度決まったライフスタイルで生活すれば、予測送受電電力量と略一致した送受電電力量で生活することができる。
例えば、電力制御システム11の電力制御モードとして、いずれの電力制御モードが選択されたとしても、太陽光発電モジュール13による発電電力量の実績に影響を与えることはなく、また、ユーザのライフスタイルが変化しなければ、負荷14による需要電力量が変化することはないと想定される。したがって、EMSデータベース17には、電力制御システム11の電力制御モードに関係なく、発電電力量及び需要電力量の蓄積データを格納することができる。また、ユーザのライフスタイルが変化した場合には、その変化に応じた需要電力量が蓄積データに格納され、その後の予測にライフスタイルの変化が反映される。
さらに、EMSコントローラ25は、このようにして求めた予測送受電電力量を、ユーザにより指定された電力制御モードに応じて調整して、翌日に電力制御を実行する際に目標とするモード送受電電力量(運転計画)を算出する。
例えば、電力制御システム11には、複数の電力制御モードが用意されており、ユーザは、図1の操作端末24を操作して、それらの電力制御モードに対する割合を指定することができる。そして、EMSコントローラ25は、ユーザにより指定された割合で、それ
ぞれの電力制御モードにおいて電力制御を実行する際の目標とするモード送受電電力量を加重平均することにより、実際に電力制御を実行する際に目標とする目標送受電電力量を算出する。
ここで、予測発電電力量は、翌日の天気予報や日照予報などによって異なるものであり、予測需要電力量は、翌日の曜日や気温などの条件によって異なるものであるため、予測発電電力量及び予測需要電力量は日によって異なったものとなる。したがって、複数の電力御モードそれぞれのモード送受電電力量は日によって異なるものとなり、それらのモード送受電電力量を加重平均することで、翌日に電力制御を実行する際に目標とする目標送受電電力量は、日ごとに求められる。
また、例えば、電力制御モードとして、図3に示すような送受電電力量を目標としたモード1、モード2、及びモード3が用意されているとき、ユーザはモード1、モード2、及びモード3に対する割合を指定することができる。そして、EMSコントローラ25は、予測発電電力量及び予測需要電力量から予測送受電電力量を算出して、その予測送受電電力量に従ってモード1、モード2、及びモード3それぞれにおける目標の送受電電力であるモード送受電電力量を設定し、それらのモード送受電電力量をユーザに指定された割合で加重平均することにより、実際に電力制御を実行する際の目標送受電電力量を算出する。
具体的には、電力制御システム11には、電力制御モードとして、例えば、エコロジーモード、エコノミーモード、及び、ピークアシストモードが用意されるようにしてもよい。準備される電力制御モードは、この3種類である必要はなく、例えば、これに備災モードなどを加え4種類以上としてもよい。
図4には、エコロジーモード、エコノミーモード、及びピークアシストモードにおけるモード送受電電力量が示されている。図4において、横軸は、翌日の時刻を示し、縦軸は、それぞれのモードにおけるモード送受電電力量を示している。
図4Aには、エコロジーモードにおけるモード送受電電力量が示されている。エコロジーモードは、疑似的に電力系統12から切り離されたように電力制御を行う電力制御モードである。すなわち、昼間の電力をできるだけ蓄電池システム23に蓄積し、夜間は、蓄電池システム23に蓄積された電力を放電して負荷14で使用するような電力制御が行われる。つまり、蓄電池システム23は、可能な限り充電及び放電を行う。したがって、電力会社からの買電を抑制することができるので、CO排出量は最小限となる。
図4Bには、エコノミーモードにおけるモード送受電電力量が示されている。エコノミーモードは、昼間に太陽光発電モジュール13で発電された余剰の電力を最大限に売電することで、売電収入を増やすように電力制御を行う電力制御モードである。つまり、蓄電池システム23は、充電及び放電をできるだけ抑制する。
図4Cには、ピークアシストモードにおけるモード送受電電力量が示されている。ピークアシストモードは、社会的な電力消費に基づいて、電力消費がピークとなる時間帯において売電や消費抑制が要求されると、その要請に応じた電力制御を行う電力制御モードである。すなわち、電力消費がピークとなる時間帯に売電や消費抑制の要求があれば、太陽光発電モジュール13で発電された余剰の電力だけでなく、太陽光発電モジュール13により発電されたすべての電力を売電することができるように、蓄電池システム23から負荷14に供給される。つまり、蓄電池システム23に通常充電するタイミングで、蓄電池システム23から放電を行う。
図5には、決定された各種モードの割合に従って加重平均により求められた目標送受電電力量(運転計画)が示されている。
例えば、図5Aには、エコロジーモードが80%、エコノミーモードが10%、ピークアシストモードが10%とそれぞれ決定された場合に、加重平均により求められた目標送受電電力量が示されている。また、図5Bには、エコロジーモードが10%、エコノミーモードが10%、ピークアシストモードが80%とそれぞれ決定された場合に、加重平均により求められた目標送受電電力量が示されている。
同様に、図5Cには、エコロジーモードが10%と指定され、エコノミーモードが80%と指定され、ピークアシストモードが10%と指定された場合に、加重平均により求められた目標送受電電力量が示されている。また、図5Dには、エコロジーモードが50%と指定され、エコノミーモードが0%と指定され、ピークアシストモードが50%と指定された場合に、加重平均により求められた目標送受電電力量が示されている。
そして、EMSコントローラ25は、このようにして求められた目標送受電電力量に追従して、電力系統12との間で送電又は受電が行われるように電力制御システム11の電力制御を行う。
なお、上記においては、EMSコントローラ25によって、目標送受電電力量をどのように算出するかを中心に説明した。しかしながら、実際には、太陽光発電モジュール13の発電電力と蓄電池システム23による充放電電力とを組合せて制御することによって、電力系統12との間で送受電される電力を制御することになる。すなわち、電力制御システム11においては、蓄電池システム23の充電状態(以下、SOC:State Of Charge
と呼ぶ)が目標値に制御された上で、送受電電力量が目標送受電電力量に追従するように電力制御が行われる。この蓄電池システム23のSOCの制御が適切に行われないと、目標送受電電力量に沿うように送受電電力量を制御する際に、蓄電池システム23からの放電が困難になったり、太陽光発電モジュール13からの蓄電池システム23への充電が困難になったりするなどの不都合が生じる可能性がある。
また、現在のところ、一日の電力制御においては、一日の時間帯を二つの時間帯に分割し、電力系統12からの買電価格に差を設ける運用がなされている。これは、例えば、深夜など電力需要が少ない時間帯の電気料金を日中の電気料金と比較して低廉にすることで、全体としての電力の利用効率を上昇させるための運用である。したがって、本実施例における各々の電力制御モードの実施においても、上記二つの時間帯における送受電電力量の制御をどのように使い分けるかは重要な問題となる。
実際には、本実施例における電力制御システム11の制御においては、一日の時間帯を23:00〜翌7:00までの電気料金の低廉なSOC制御時間帯と、7:00〜23:00までの計画制御時間帯に分割し、SOC制御時間帯については、低額の深夜料金の電気を用いて蓄電システム23のSOCを目標SOCにまで充電し、計画制御時間帯においては、蓄電システム23による充放電電力量と、太陽光発電モジュール13による発電電力量を適宜組み合わせることにより、送受電電力量を目標送受電電力量に沿うように制御している。
次に、上述したようなSOC制御時間帯と計画制御時間帯における、各電力制御モードのSOCの制御及び変化について説明する。なお、以下のSOCの制御の説明においては、電力制御モードとして、上記したエコノミーモード、エコロジーモード、DR(Demand
Response)モード(先述のピークアシストモードを含み、社会的要請に答えるモードで
ある。)の3つの電力制御モードを準備した場合について説明する。
図6には、エコノミーモードにおけるSOC制御時間帯のSOC制御と、計画制御時間帯の送受電電力量制御について示す。このモードは、前述のように高経済性を追求するモードであるので、太陽光発電モジュール13によって発電されたより高い価格で売電可能な電気は、できる限り電力系統12側に売電するようにする。したがって、計画制御時間帯における家庭内の負荷14については、可能な限り、SOC制御時間帯に蓄電池システム23に充電した電気を放電することで賄う。
このエコノミーモードでは、夜23:00以降のSOC制御時間帯になると、低価格の深夜電力を用いて蓄電池システム23を容量一杯まで充電する。このモードのSOC制御時間帯における目標SOCは例えば90%以上である。もちろん100%としてもよい。蓄電池システム23への充電が完了した後は、本モードでは蓄電池システム23の作動を一旦停止し、深夜電力によって負荷14に対応する。そして、太陽光発電モジュール13が発電を開始するか(余剰電力が発生するタイミングではない)、若しくは、電気の価格が高くなる計画制御時間帯に移行すると蓄電池システム23からの放電を開始する。それ以降、計画制御時間帯においては負荷14に追従して蓄電池システム23より放電を行い、太陽光発電モジュール13により発電された電力は可能な限り電力系統12側に売電する。そして、再度SOC制御時間帯に移行した際には蓄電池システム23への充電を再開する。
次に、図7には、エコロジーモードにおけるSOC制御時間帯のSOC制御と、計画制御時間帯の送受電電力量制御について示す。このモードは、COの削減を追求するモードであるので、太陽光発電モジュール13によって発電された電気は可能な限り蓄電池システム23に充電する。そして、負荷14は、太陽光発電モジュール13によって発電された電力と蓄電池システム23から放電される電力によって賄う。そして、可能な限り電力系統12との間の買電も売電も実施しない。
本モードでは、夜23:00のSOC制御時間帯になると、蓄電池システム23に低価格の深夜電力を利用して充電を行う。但し、蓄電池システム23の蓄電量には翌日の太陽光発電モジュール13からの余剰充電の余裕を残しておく。すなわち、本モードのSOC制御における目標SOCは例えば50〜80%程度としてもよい。太陽光発電モジュール13への充電が完了すると、蓄電池システム23の作動を一旦停止し、深夜電力によって負荷14に対応する。
そして、太陽光発電モジュール13が発電を開始するか、若しくは、電気の価格が高くなる計画制御時間帯に移行すると、可能な限り負荷14は太陽光発電モジュール13により発電される電力で賄う。そして、太陽光発電モジュール13の発電電力に余剰電力があれば、その余剰電力のすべてを蓄電池システム23に充電する。そして、再度SOC制御時間帯に移行すると再び目標SOCになるまで低価格の深夜電力を利用して蓄電池システム23への充電を行う。なお、図7に破線で示すように、このエコロジーモードでは、冬季は夏季と比較して、計画制御時間帯における太陽光発電モジュール13による蓄電システム23への充電量が少なくなるため、冬季においては、夏季と比較してSOC制御時間帯における目標SOCをより高めに設定するようにしてもよい。
次に、図8には、DRモードにおけるSOC制御時間帯のSOC制御と、計画制御時間帯の送受電電力量制御について示す。このモードは、社会的要請への対応を追求するモードであるので、可能な限り要請された送受電電力量に沿った送受電を実施する。したがって、SOC制御時間帯においては、蓄電池システム23に、低価格の深夜電力を用いて充電を行うが、その際の目標SOCは、例えば10%〜90%とし、翌日の太陽光モジュール13による充電量分の余裕を残すようにする。蓄電池システム23への充電が完了した
後は、蓄電池システム23の作動を一旦停止し、SOC制御時間帯においては深夜電力によって負荷14に対応する。
そして、このモードでは、太陽光発電モジュール13が発電を開始すると、その発電分はすべて蓄電池システム23に充電する。そして、DR開始のタイミングに合わせて蓄電池システム23からの放電を開始し、それ以降は負荷14に合わせて放電する。すなわち、計画制御時間帯においては、負荷14の要求電力の実績値が目標値を下回った場合には、その差分については太陽光発電モジュール13の発電電力を蓄電池システム23に充電する。また、負荷14の要求電力の実績値が目標値を上回った場合には、その分だけ、蓄電池システム23に負荷追従放電させる。また、DRが中止された場合には蓄電池システム23からの放電は行わない。
そして、本実施例では、ユーザが指定した評価係数を用いて、SOC制御時間帯のSOC制御と、計画制御時間帯の送受電電力量制御における上記の各種モードの割合が自動的に決定され、各モードの目標SOC及びモード送受電電力量が、決定された各モードの割合に応じて加重平均されて、電力制御システム11におけるMIXモードとしての目標SOC及び目標送受電電力量が指定される。評価係数及び目標SOCの指定の詳細については、後述する。
ここで、評価係数とは、電力制御システム11の送受電電力制御によって得られたCO排出量、エネルギー料金、デマンドレスポンスポイントの3種類の結果又はその予想値を合算して、総合的に評価可能とするための指標である。換言すると、CO排出量、エネルギー料金、デマンドレスポンスポイントの3種類の結果又はその予想値を合算して評価するための変換係数である。
CO排出量は、エコロジーモードによって、SOC制御及び送受電電力量の制御を行うことで特に効果的に減少されるべきである。本実施例では、CO排出量の評価係数は、電力制御システム11の電力制御におけるCO排出量を、エネルギー料金及びデマンドレスポンスポイントと尺度を統一し、後述する評価値を算出するための変換係数である。ユーザは、CO排出量の評価係数の比重を他の評価係数に対して大きく設定すれば、電力制御システム11においてCO排出量を抑えた電力制御をより重視した設定を行うことも可能である。すなわち、ユーザは上記のエコロジーモードを重視した電力制御が実行されるよう電力制御システム11の設定を行うこともできる。
また、エネルギー料金は、エコノミーモードによって、SOC制御及び送受電電力量の制御を行って買電を抑制しつつ売電を効率的に行うことで特に抑えられるべきである。本実施例では、エネルギー料金の評価係数は、電力制御システム11の電力制御における売電収入を、CO排出量及びデマンドレスポンスポイントと尺度を統一し、後述する評価値を算出するための変換係数である。ユーザは、エネルギー料金の評価係数の比重を他の評価係数に対して大きく設定すれば、電力制御システム11において売電収入が増加する電力制御をより重視した設定を行うことも可能である。すなわち、ユーザは上記のエコノミーモードを重視した電力制御が実行されるよう電力制御システム11の設定を行うこともできる。
そして、デマンドレスポンスポイントは、DRモードによって、SOC制御及び送受電電力量の制御を行って電力の需給に伴う社会的要請にできるだけ対応することで、より多く付与されるべきである。本実施例では、デマンドレスポンスポイントの評価係数は、電力制御システム11の電力制御におけるいわゆるデマンドレスポンスに対応することで付与されるデマンドレスポンスポイントを、CO排出量及び、エネルギー料金と尺度を統一し、後述する評価値を算出するための変換係数である。ユーザは、デマンドレスポンス
ポイントの評価係数の比重を他の評価係数に対して大きく設定すれば、電力制御システム11において社会的要請に対応する電力制御をより重視した設定を行うことも可能である。すなわち、ユーザは上記のDRモードを重視した電力制御が実行されるよう電力制御システム11の設定を行うこともできる。
そして、本実施例においては、エコノミーモード、エコロジーモード、DRモードの各々のモードの割合のすべての組合せに対して、CO排出量、エネルギー料金、デマンドレスポンスポイントの値を予測する。そして、ユーザが設定した、CO排出量、エネルギー料金、デマンドレスポンスポイントに対する評価係数を利用して、予測されたCO排出量、エネルギー料金、デマンドレスポンスポイントを合算し総合的な価値を一元的に評価可能とする。そして、各々のモードの割合のすべての組合せにおける、CO排出量、エネルギー料金、デマンドレスポンスポイントを合算した総合的な価値を算出し、当該価値が最大となる、各モードの割合を決定する。
EMSコントローラ25は、図9に示すように、評価係数に基づいて決定された割合で、エコロジーモード、エコノミーモード及びDRモードそれぞれにおける目標SOCを加重平均することで、SOC制御を実行する際の目標SOC量を算出する。
図9に記載された例では、ユーザによる上記の評価係数の設定に基づき、エコノミーモードが10%、エコロジーモードが40%、DRモードが40%と自動的に決定され、各々のモードの目標SOCの加重平均により求められた目標SOCが、MIXモードにおける目標SOCとされている。なお、上記の説明において、各電力制御モードのSOC制御時間帯で設定される目標SOCは、モード充電量に相当する。また、各々のモードの目標SOCの加重平均により求められた、MIXモードにおける目標SOCは、目標充電量に相当する。
次に、図10を用いて、EMSコントローラ25の構成の例について説明する。図11に示すように、EMSコントローラ25は、通信部31、電力予測部32、電力制御モード設定部33、目標算出部34、電力データ取得部35、電力制御処理部36、目標SOC算出部37及び、SOC制御部38を備えて構成される。
通信部31は、図1のネットワーク15を介してEMSデータベース17と通信を行って、EMSデータベース17に格納されている過去の発電電力量の蓄積データ、及び、負荷14による過去の需要電力量の蓄積データを取得する。また、通信部31は、図示しないサーバと通信を行って、翌日の天気予報及び日照予報を取得する。
電力予測部32は、通信部31が取得した発電電力量及び需要電力量の蓄積データ、並びに、翌日の天気予報及び日照予報に基づいて、図2を参照して上述したように、予測発電電力量及び予測需要電力量を算出する。そして、電力予測部32は、予測発電電力量及び予測需要電力量を加算することで予測送受電電力量を算出する。そして、電力予測部32は、算出した予測送受電電力量に従って、エコロジーモード、エコノミーモード、DRモードごとに、モード送受電電力量を所定の時間単位(例えば、30分単位)で設定する。
電力制御モード設定部33は、図1の操作端末24のタッチパネルディスプレイに、ユーザの操作入力を受け付けるユーザインタフェースを表示させる。そして、例えば、ユーザが、上記のCO排出量、エネルギー料金、デマンドレスポンスポイントに対する各評価係数を指定すると、電力制御モード設定部33は、使用するエコロジーモード、エコノミーモード、DRモードの割合を決定して目標算出部34に通知する。この電力制御モード設定部33は本実施例において設定部に相当する。
目標算出部34は、図5を参照して上述したように、ユーザにより指定された評価係数の値に従って、エコロジーモード、エコノミーモード、DRモードそれぞれのモード送受電電力量を加重平均して、実際に電力制御を実行する際の目標送受電電力量を算出する。
電力データ取得部35は、図1の電力計測部21−1により計測される電力を取得して、時間単位で積算することにより送受電電力量を求め、電力計測部21−2により計測される電力を取得して、時間単位で積算することにより発電電力量を求め、電力計測部21−3により計測される電力を取得して、時間単位で積算することにより需要電力量を求める。そして、電力データ取得部35は、送受電電力量、発電電力量、及び需要電力量を電力制御処理部36に供給する。そして、電力データ取得部35は、例えば、1日分の電力データ(送受電電力量、発電電力量、及び需要電力量)が記録されると、通信部31を介してEMSデータベース17に送信し、蓄積データを更新させる。この電力データ取得部35は本実施例において電力計測部に相当する。
電力制御処理部36は、目標算出部34により算出された目標送受電電力量に沿った送受電電力となるように、電力データ取得部35により取得される送受電電力量、発電電力量、及び需要電力量を参照し、目標送受電電力量を目標にして時間単位で電力調整を行って、電力制御システム11の電力制御を行う。例えば、電力制御処理部36は、蓄電池システム23に対する充放電を制御することにより、太陽光発電モジュール13の発電電力に余剰が発生すると蓄電池システム23を充電させたり、負荷14による需要電力が増加すると蓄電池システム23から放電させたりする電力制御を行う。
目標SOC算出部37は、図9を参照して上述したように、エコロジーモード、エコノミーモード、DRモードそれぞれの目標SOCの値を加重平均して、MIXモードとしての目標SOCを算出する。この目標SOC算出部は、本実施例において目標充電量算出部に相当する。SOC制御部38は、SOC制御時間帯における蓄電池システム23のSOCが目標SOC算出部37により算出されたMIXモードとしての目標SOCになるように、深夜電力を利用して蓄電池システム23への充電を行う。このSOC制御部38は、本実施例において充電制御部に相当する。
次に、図11及び図12に示すフローチャートを用いて、EMSコントローラ25が実行する処理について説明する。図11に示すフローチャートは、本実施例における電力制御ルーチン1であり、図12に示すフローチャートは、電力制御ルーチン1の実行中に所定の条件が満たされた場合に実行される電力制御ルーチン2である。
電力制御ルーチン1が実行されると、まずステップS1において、エコノミーモード、エコロジーモード、DRモードの割合が決定されることで、電力制御モードが設定される。より具体的には、上述したように、各々のモードの割合のすべての組合せに対して、CO排出量、エネルギー料金、デマンドレスポンスポイントの値を予測する。そして、ユーザが設定した、CO排出量、エネルギー料金、デマンドレスポンスポイントに対する評価係数を利用して、各々のモードの割合のすべての組合せにおける、CO排出量、エネルギー料金、デマンドレスポンスポイントの予測値を合算した総合的な価値を算出し、当該価値が最大となる、各モードの割合が決定される。ここで、評価係数は、ユーザが操作端末24に対する操作を行って、予め設定しておき、電力制御モード設定部33がその値を取得するようにしてもよい。
図13に、ステップS1において実行される処理のサブルーチンを示す。本実施例では、後述するMIXモードとしての目標SOC及び目標送受電電力量の算出において、各モードの割合を示す指標となるモードパラメータを使用する。本実施例で使用するモードパ
ラメータは、環境性パラメータ、経済合理性パラメータ、社会的要請パラメータの3つのパラメータである。
環境性パラメータは、電力制御システム11の電力制御におけるエコロジーモードの割合を決定するためのパラメータである。そして、環境性パラメータの値が大きいほど、エコロジーモードの割合が高くなり、CO排出量が少なくなるように目標SOCが算出される。
経済合理性パラメータは、電力制御システム11の電力制御におけるエコノミーモードの割合を決定するためのパラメータである。そして、経済合理性パラメータの値が大きいほど、エコノミーモードの割合が高くなり、太陽光発電モジュール13によって発電された電力が売電されやすくなるように目標SOCが算出される。
社会的要請パラメータは、電力制御システム11の電力制御におけるDRモードの割合を決定するためのパラメータである。そして、社会的要請パラメータの値が大きいほど、DRモードの割合が高くなり、電力消費がピークとなる時間帯における売電や消費抑制などの要請に応じて電力制御が実行されやすくなるように目標SOCが算出される。
ステップS31では、電力予測部32が、負荷14による過去の需要電力量の蓄積データ及び、通信部31が取得した発電電力量の蓄積データ、翌日の天気予報及び日照予報などに基づいて、翌日の予測需要電力量を算出する。次いで、処理はステップS32に進められる。ステップS32では、ステップS31と同様に、電力予測部32が、通信部31が取得した発電電力量の蓄積データ、翌日の天気予報及び日照予報などに基づいて、翌日の予測発電電力量を算出する。
次に、EMSコントローラ25は、ステップS33〜ステップS36のループ処理を実行し、ユーザが設定した各評価係数の値を用いて、モードパラメータの値のすべての組み合わせにおける各組み合わせの評価値を算出する。なお、EMSコントローラ25が、評価値算出部の一例に相当する。本実施例においては、以下の式(1)によって、モードパラメータの各組み合わせの評価値Vが算出される。
ここで、α、β、γは、CO排出量、エネルギー料金、デマンドレスポンスポイントの値に対してユーザにより設定された評価係数である。なお、上記の評価値Vは、CO排出量、エネルギー料金、デマンドレスポンスポイントごとに算出した予測値と評価係数とを乗算した値を加算した値として求めているが、当該乗算した値をさらに互いに乗算などの他の演算によって求めてもよい。
なお、本実施例では、一例としてモードパラメータの評価値Vを貨幣単位「円」として算出する。したがって、CO排出量がグラム数(g)で算出されるとすると、αの単位は「円/g」となる。また、エネルギー料金は円で算出されるとすると、βの単位は無次元である。また、デマンドレスポンスポイントがポイント数(p)で算出されるとすると、γの単位は「円/p」となる。なお、本実施例では評価値Vを「円」で比較する構成とするが、α、β、γの単位を適宜変更して評価値Vが所定の単位として算出される構成としてもよい。
また、以下の説明では、環境性パラメータの値、経済合理性パラメータの値、社会的要請パラメータの値をそれぞれa、b、cとし、モードパラメータの各組み合わせを{a,b,c}で表す。一例として、a、b、cの各値は、a+b+c=10となる0以上の整数であり、本ループ処理では、{a,b,c}={10,0,0}、{9,1,0}〜{0,0,10}の取り得るすべてのa、b、cの組み合わせについてS33〜S37の処理が実行される。なお、a、b、cは小数でもよく、本ループ処理で実行されるa、b、cの組み合わせも、a、b、cを小数値ごと(例えば0.1刻み)に変更して構成してもよい。
ステップS33では、あるモードパラメータの値の組み合わせ{a,b,c}に基づいて各モードの割合が決定される。さらに、決定された各モードの割合を用いて電力制御システム11の電力制御が実行された場合の、CO排出量、エネルギー料金、デマンドレスポンスポイントのそれぞれの予測値が、ステップS31、ステップS32において算出された翌日の予測需要電力量及び予測発電電力量を用いて算出される。
ステップS34では、上記の式(1)を用いてステップS33において予測値が算出されたモードパラメータの値の組み合わせにおける評価値Vが算出される。説明の便宜上、ステップS34において算出される評価値をV{a,b,c}とする。ステップS35では、本ループ処理が1回目の処理であるか否かが判定される。本ループ処理が1回目である場合は(S35:Yes)、処理はステップS36に進められる。また、本ループ処理が1回目でない、すなわち2回目以降であり既に評価値V{a,b,c}が複数算出されている場合は(S35:No)、処理はステップS37に進められる。
ステップS36では、本ループ処理で最初に算出された評価値V{a,b,c}を、後述するステップS38において電力制御システム11のモード設定に使用するモードパラメータの値の組み合わせの候補{A,B,C}として設定する。したがって、候補{A,B,C}の評価値V{A,B,C}は、直前のステップS34において算出された評価値V{a,b,c}に等しい。ステップS36の処理の後、処理はステップS33に戻され、異なるモードパラメータの値の組み合わせ{a,b,c}について本ループ処理が繰り返される。
ステップS37では、モードパラメータの値の組み合わせの候補{A,B,C}の評価値V{A,B,C}が、直前のステップS34において算出されたモードパラメータの値の組み合わせ{a,b,c}の評価値V{a,b,c}と比較される。V{A,B,C}がV{a,b,c}以上である場合は(S37:No)、処理はステップS33に戻され、異なるモードパラメータの値の組み合わせ{a,b,c}について本ループ処理が繰り返される。V{A,B,C}がV{a,b,c}より小さい場合は(S37:Yes)、処理はステップS36に進められ、評価値のより高いモードパラメータの値の組み合わせ{a,b,c}が新しい候補{A,B,C}に設定される。
上記のループ処理が終了すると、処理はステップS38に進められる。ステップS38では、ループ処理の終了時に設定されているモードパラメータの値の組み合わせの候補{A,B,C}を用いて電力制御システムの各種モードに対する割合が決定される。具体的には、候補{A,B,C}のうち、Aすなわち環境性パラメータの値に応じてエコロジーモードの割合が決まり、Bすなわち経済合理性パラメータの値に応じてエコノミーモードの割合が決まり、Cすなわちデマンドレスポンスポイントの値に応じてDRモードの割合が決まる。ステップS38の処理が終了すると、本サブルーチンが終了して、処理はステップS2に進められる。
ステップS2においては、電力制御モード設定部33によって、現時点がSOC制御時間帯か否かが判定される。先述のように、本実施例においては、夜の23:00から朝7:00までの時間帯はSOC制御時間帯、朝7:00から夜の23:00までを計画制御時間帯としているので、現時刻がいずれの時間帯に属するかにより判定される。ここで現時点がSOC制御時間帯であると判定された場合には、処理はステップS3に進む。一方、SOC制御時間帯でない(すなわち、計画制御時間帯である)と判定された場合には、処理は電力制御ルーチン2に進む。この電力制御ルーチン2の制御内容については後述する。
ステップS3においては、電力制御モード設定部33によって、SOC制御時間帯で最初の処理の実行か否かが判定される。ここで、SOC制御時間帯における最初の処理の実行であると判定された場合には、目標SOCが未だ設定されていないと判断されるので処理はステップS4に進む。SOC制御時間帯における最初の処理の実行でないと判定された場合には、既に目標SOCが設定されていると判断されるので、ステップS4の処理をスキップして処理はステップS5に進む。
ステップS4においては、目標SOC算出部37によって、ステップS1で設定されたエコノミーモード、エコロジーモード、DRモードそれぞれに対する割合に基づいて、各モードにおける目標SOCの値を加重平均し、MIXモードとしての目標SOCを算出する。ステップS4の処理が終了すると処理はステップS5に進む。
ステップS5においては、SOC制御部38は、所定の時間単位(例えば、30分)が経過したか否かを判定し、所定の時間単位が経過したと判定されるまで処理を待機する。ステップS5において所定の時間単位が経過したと判定された場合には、処理はステップS6に進む。
ステップS6においては、SOC制御部38によってSOCの制御が実行される。より具体的には、所定の時刻に蓄電システム23のSOCが目標SOCに到達するために、現時点での実際の蓄電システム23のSOCがこの時点に到達しているべき値となるように、蓄電システム23への充電量が制御される。ステップS6の処理が終了すると処理はステップS2の前に戻る。
次に、ステップS2においてSOC制御時間帯でないと判定された場合に実行される電力制御ルーチン2の処理について説明する。本ルーチンが実行されると、まず、ステップS11において、通信部31は、図1のネットワーク15を介してEMSデータベース17と通信を行って、発電電力量及び需要電力量の蓄積データを取得し、電力予測部32に供給する。
ステップS12において、電力予測部32は、ステップS11で通信部31から取得した発電電力量及び需要電力量の蓄積データから予測発電電力量及び予測需要電力量を算出し、さらに予測送受電電力量を算出する。そして、電力予測部32は、算出した予測発電電力量及び予測需要電力量から、エコノミーモード、エコロジーモード、DRモードそれぞれのモード送受電電力量を設定する。
ステップS13において、目標算出部34は、電力制御ルーチン1のステップS1で電力制御モード設定部33が取得した割合に従って、エコノミーモード、エコロジーモード、DRモードそれぞれのモード送受電電力量を加重平均し、目標送受電電力量を算出する。
ステップS14において、電力データ取得部35は、所定の時間単位(例えば、30分
)が経過したか否かを判定し、所定の時間単位が経過したと判定されるまで処理を待機する。
ステップS14において、所定の時間単位が経過したと判定されると、処理はステップS15に進み、電力データ取得部35は、その所定の時間単位で計測された電力を積算して、送受電電力量、発電電力量、及び需要電力量を取得する。
ステップS16において、電力制御処理部36は、ステップS14で算出された目標送受電電力量に沿った送受電電力となるように、電力データ取得部35が取得した送受電電力量、発電電力量、及び需要電力量を参照し、電力制御システム11の電力制御を実行する。
ステップS17において、電力データ取得部35は1日分の処理が行われたか否かを判定し、1日分の処理が行われていないと判定された場合、処理はステップS14の前に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
一方、ステップS17において、1日分の処理が行われたと判定された場合、処理はステップS18に進む。電力データ取得部35は、1日分の電力データ(送受電電力量、発電電力量、及び需要電力量)を、通信部31を介してEMSデータベース17に送信し、蓄積データを更新させる。そして、ステップS18の処理後、処理は電力制御ルーチン1のステップS1に戻り、以下同様に、翌日の処理が繰り返して行われる。
以上のように、電力制御システム11では、ユーザが設定した評価係数と、CO排出量、エネルギー料金、デマンドレスポンスポイントの各予測値に基づいて、モードパラメータ(環境性パラメータ、経済合理性パラメータ、社会的要請パラメータ)の各組み合わせの評価値が決定される。さらに、電力制御システム11では、決定された評価値のうち最も高い評価値を有するモードパラメータの組み合わせに基づいて、エコノミーモード、エコロジーモード、DRモードの割合が指定され、計画制御時間帯においてはその割合に従った目標送受電電力量を目標とした電力制御を時間単位で実行することができる。また、SOC制御時間帯においては、その割合に従った目標SOCを設定し、SOCの制御を行うことができる。これにより、予めユーザによって定められた評価係数に基づいて最も評価値の高い、各モードの割合を自動的に決定することができ、より容易に、ユーザが重要視する観点(本実施例においては経済合理性(¥))に対応した電力制御をより効率的に実行することができる。
次に、図15には、電力制御システム11における評価係数α、β、γの設定に利用される質問内容の例が示されている。
例えば、電力制御モード設定部33は、ユーザインタフェースを利用する他、図1の操作端末24のタッチパネルディスプレイに所定数の質問を表示させ、それらの質問に対する回答(YES/NO)に基づいて、上記の評価係数の値を設定することができる。
図15には、10個の質問内容が例示されており、それぞれの質問内容に対して環境性、経済合理性、社会的要請にかかる係数が設定されている。例えば、質問内容「明日はご不在ですか?」に対して、経済合理性の係数10、環境性の係数2、社会的要請の係数10が設定されており、質問内容「明日は休日ですか?」に対して、経済合理性の係数5、環境性の係数10、社会的要請の係数2が設定されている。
ユーザが、これらの質問内容にYES又はNOで回答すると、電力制御モード設定部33は、YESと回答された質問内容の係数を加算し、加算した合計値の比率を、評価係数
の比率として決定する。
このように、電力制御システム11では、図15に示すような質問内容によって評価係数の割合を決定することで、よりユーザの感覚に合わせて、電力制御システム11の電力制御モードを設定することができる。なお、質問内容は、タッチパネルディスプレイに表示する他、例えば、合成音声によってユーザに提示してもよく、ユーザの声による回答を音声認識により取得してもよい。
なお、上述のフローチャートを参照して説明した各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。また、プログラムは、1のCPUにより処理されるものであっても良いし、複数のCPUによって分散処理されるものであっても良い。
また、上述した一連の処理(情報処理方法)は、ハードウエアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、又は、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラムが記録されたプログラム記録媒体からインストールされる。
図16は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウエアの構成例を示すブロック図である。
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互
に接続されている。
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部106、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部107、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部108、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部109、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア111を駆動するドライブ110が接続されている。
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU101が、例えば、記憶部108に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース105及びバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
コンピュータ(CPU101)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)など)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリな
どよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア111に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供される。
そして、プログラムは、リムーバブルメディア111をドライブ110に装着することにより、入出力インタフェース105を介して、記憶部108にインストールすることができる。また、プログラムは、有線又は無線の伝送媒体を介して、通信部109で受信し、記憶部108にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM102
や記憶部108に、予めインストールしておくことができる。また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
なお、本実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。例えば、各電力制御モードのモード送受電電力量から目標送受電電力量を算出する場合あるいは、各電力制御モードのモード充電量から目標充電量を算出する場合の演算方法は、加重平均には限られない。ユーザが選んだ各モードの割合に応じた重み付けが可能なのであれば、他の演算式に基づいても構わない。
また、上記の説明では、図13のS31、S32に示すように翌日、すなわち1日ごとにMIXモードにおける各モードの割合が決定され電力制御が最適化される構成としたが、1時間ごとに上記のフローチャートの処理を実行し、毎時の運転計画を決定して電力制御が最適化する構成としてもよい。また、上記の評価係数はユーザが設定する構成としたが、例えば電力制御システム11のアグリゲータが予め設定する構成としてもよい。さらに、上記の実施例においては本発明を、太陽光発電モジュール13と蓄電池システム23を備えた電力制御システム11に適用した例について説明したが、太陽光発電モジュール13の代わりに風力発電モジュールや、潮力発電モジュールなどの他の再生可能エネルギーを用いるシステムに適用しても構わない。
さらに、上記の実施の形態において、仮に、S1の処理において設定された各モードの割合による、CO排出量、エネルギー料金、デマンドレスポンスポイントの結果が、ユーザの感覚からずれている傾向があるような場合には、S1の処理が実行された後に、ユーザが各モードのモードパラメータの値を補正するようにしてもよい。例えば、電力制御処理における単位時間あたりの使用電力量、いわゆるデマンド値が、以下の式(2)の様に記載される場合(各パラメータの合計値(A+B+C)が10であると仮定)、ユーザが指定する補正係数x、y、zを用いて、以下の式(3)又は(4)により補正してもよい。
ここで、E、E、Eは、図12のS16で実行された電力制御処理における、エコロジーモード、エコノミーモード、DRモードによって達成されるそれぞれのデマンド値である。A、B、Cは、上記のモードパラメータ(環境性パラメータ、経済合理性パラメータ、社会的要請パラメータ)それぞれの値である。また、Dは、デマンド値に対する補正項であり、場合によっては削除してもよい。
すなわち、ユーザは、例えばS1における自動的にA、B、Cの値が決定される処理で
は、日々のCO排出量が思ったより多いと感じた場合には、xの値を増加させ、y、zの値を減少させてもよい。これによれば、電力制御システム11は、図13、図14に示すフローチャートによって設定される各モードに基づいて電力制御を実行する際に、式(3)又は(4)により補正されたデマンド値が達成されるように電力制御処理を調整することで、よりユーザの感覚に合った電力制御を実現することができる。
また、電力制御システム11では、ユーザにより指定されたモードパラメータに基づく目標送受電電力量及び目標SOCに沿って電力制御を行った場合における、CO排出量及び売電金額などを自動的に計算して、操作端末24に表示することができる。図17に操作端末24における電力制御の見込み及び結果の情報の表示例を示す。、ユーザは、操作端末24において図17に示すようにCO排出量及び売電金額などの情報を確認しながら各パラメータα、β、γを変更することで、より容易に、ユーザの要望に合わせて電力制御モードの割合を変更することができる。
例えば、ユーザからの補正係数x、y、zの値の入力は、図1の操作端末24のタッチパネルディスプレイに表示されるユーザインタフェースを利用して受け付けるよう構成できる。
さらに、上記の実施例においては、一例としてモードパラメータの評価値Vをエネルギー料金の単位に揃えて「円」として算出した例について説明したが、評価値Vを他の単位に揃えて算出してもよい。もちろん、CO排出量の単位(グラムなど)を用いてもよいし、デマンドレスポンスポイントの単位(ポイントなど)を用いてもよい。さらに、別の単位(量)に揃えても構わない。
11・・・電力制御システム
12・・・電力系統
13・・・太陽光発電モジュール
14・・・負荷
15・・・ネットワーク
16・・・上位EMS
17・・・EMSデータベース
21−1〜21−4・・・電力計測部
22・・・パワーコンデショナ
23・・・蓄電池システム
24・・・操作端末
25・・・EMSコントローラ
31・・・通信部
32・・・電力予測部
33・・・電力制御モード設定部
34・・・目標算出部
35・・・電力データ取得部
36・・・電力制御処理部
37・・・目標SOC算出部
38・・・SOC制御部

Claims (9)

  1. 蓄電手段からの放電又は前記蓄電手段への充電を利用して、電力制御に係る特定の効果をより効率的に得ることができるよう設定された複数の電力制御モードを所定の割合で組み合わせて電力制御を行うことが可能な電力制御装置であって、
    前記複数の電力制御モードを所定の割合で組み合わせて電力制御を行うことで得られる複数の前記特定の効果を演算可能なように変換した上で前記組み合せに対する前記特定の効果に関する評価値を算出する評価値算出部と、
    前記算出される評価値に基づいて、前記複数の電力制御モードの組み合せにおける各電力制御モードの割合を設定する設定部と、
    前記電力制御モードの各々において目標となるモード送受電電力量から、前記設定部により設定された割合に従って、実際に電力制御を実行する際の目標となる目標送受電電力量を算出する目標算出部と、
    前記目標送受電電力量に沿って電力制御を行う電力制御処理部と
    を備えることを特徴とする電力制御装置。
  2. 前記蓄電手段の充電量の目標値であり前記複数の前記電力制御モードそれぞれに対して定められるモード充電量から、前記設定部により設定された割合に従って、実際に電力制御を実行する際の前記蓄電手段の充電量の目標値である目標充電量を算出する目標充電量算出部と、
    前記目標充電量に基づいて前記蓄電手段に充電する充電制御部と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の電力制御装置。
  3. 前記評価値算出部は、前記複数の電力制御モードを所定の割合で組み合わせて電力制御を行うことで得られる複数の前記特定の効果の値に所定の変換係数を乗じた上で加算することで、前記電力制御モードが前記割合で組み合わされた場合の評価値を算出することを特徴とする請求項1又は2に記載の電力制御装置。
  4. 前記設定部は、前記算出される評価値が最大となる際の、前記複数の電力制御モードの組み合せにおける各電力制御モードの割合を設定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電力制御装置。
  5. 前記目標算出部は、前記設定部により設定された前記割合で、複数の前記電力制御モードそれぞれにおいて目標となる送受電電力量を加重平均することにより、前記目標送受電電力量を算出し、
    前記目標充電量算出部は、前記設定部により設定された前記割合で、複数の前記電力制御モードそれぞれに対して定められるモード充電量を加重平均することにより、前記目標充電量を算出することを特徴とする
    請求項1から4のいずれか一項に記載の電力制御装置。
  6. 再生可能エネルギーを利用して発電を行う発電部において発電される発電電力、及び、電力を消費する負荷に供給される需要電力を計測する電力計測部と、
    過去の前記発電電力量及び前記需要電力量の実績が蓄積された蓄積データに基づいて、前記発電部により発電されると予測される予測発電電力量、及び、前記負荷による需要が発生すると予測される予測需要電力量を求める電力予測部と
    をさらに備え、
    前記電力予測部は、予測した前記予測発電電力量及び前記予測需要電力量から予測送受電電力量を算出し、前記予測送受電電力量に従って、複数の前記電力制御モードそれぞれにおいて目標となるモード送受電電力量を設定することを特徴とする
    請求項1から5のいずれか一項に記載の電力制御装置。
  7. 蓄電手段からの放電又は前記蓄電手段への充電を利用して、電力制御に係る特定の効果をより効率的に得ることができるよう設定された複数の電力制御モードを所定の割合で組み合わせて電力制御を行うことが可能な電力制御方法であって、
    前記複数の電力制御モードを所定の割合で組み合わせて電力制御を行うことで得られる複数の前記特定の効果を演算可能なように変換した上で前記組み合せに対する前記特定の効果に関する評価値を算出し、
    前記算出される評価値に基づいて、前記複数の電力制御モードの組み合せにおける各電力制御モードの割合を設定し、
    前記電力制御モードの各々において目標となるモード送受電電力量から、前記割合に従って、実際に電力制御を実行する際の目標となる目標送受電電力量を算出し、
    前記目標送受電電力量に沿って電力制御を行う
    電力制御方法。
  8. 蓄電手段からの放電又は前記蓄電手段への充電を利用して電力制御を行うことが可能な電力制御処理をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    複数の電力制御モードのモード傾向を反映した評価値を算出し、
    前記算出される評価値に基づいて、各電力制御モードに対する割合を設定し、
    各電力制御モードにおいて目標となるモード送受電電力量から、前記割合に従って、実際に電力制御を実行する際の目標となる目標送受電電力量を算出し、
    前記目標送受電電力量に沿って電力制御を行う
    電力制御処理をコンピュータに実行させるプログラム。
  9. 再生可能エネルギーを利用して発電を行う発電部と、該発電部による発電電力及び電力系統による電力を蓄電する蓄電部と、電力を消費する負荷とが接続され、前記蓄電部からの放電電力を利用して、電力制御に係る特定の効果をより効率的に得ることができるよう設定された複数の電力制御モードを所定の割合で組み合わせて電力制御を行うことが可能な電力制御システムにおいて、
    前記複数の電力制御モードを所定の割合で組み合わせて電力制御を行うことで得られる複数の前記特定の効果を演算可能なように変換した上で前記組み合せに対する前記特定の効果に関する評価値を算出する評価値算出部と、
    前記算出される評価値に基づいて、前記複数の電力制御モードの組み合せにおける各電力制御モードの割合を設定する設定部と、
    前記電力制御モードの各々において目標となるモード送受電電力量から、前記割合に従って、実際に電力制御を実行する際の目標となる目標送受電電力量を算出する目標算出部と、
    前記目標送受電電力量に沿って電力制御を行う電力制御処理部と
    を備える電力制御システム。
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