JP2016058697A - 太陽電池モジュール及び壁面形成部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】発電面積の急激な低下を抑えつつ、採光機能も得られる太陽電池モジュール及び壁面形成部材を提供する。
【解決手段】第1透光性絶縁基板10と、第2透光性絶縁基板11と、第1透光性絶縁基板10と第2透光性絶縁基板11に挟まれた光電変換素子12を備え、光電変換素子12は、第1透光性絶縁基板10側から、第1透明電極層20、光電変換層21、第2透明電極層22の順に積層されたものであり、光電変換層21は、光を照射したときに光エネルギーを電気エネルギーに変換可能であって、かつ、光の一部を透過するものであり、光電変換素子12は、第1透光性絶縁基板10を平面視したときに、少なくとも光電変換層21が除去された開口部を有し、第1透光性絶縁基板10側から光を照射したときに、開口部の内部を経由して通過し、第2透光性絶縁基板11に至る光路を備えている構成とする。
【選択図】図8

Description

本発明は、両面を受光面とする太陽電池モジュールに関する。また、本発明は、当該太陽電池モジュールを用いた窓等の壁面形成部材に関する。
近年、環境負荷の低いエネルギー源として太陽電池モジュールが注目されている。
この太陽電池モジュールは、光エネルギーを電気エネルギーに変換可能な光電変換装置である。
太陽電池モジュールは、透明電極層と、裏面電極層と、当該2つの電極層に挟まれた半導体接合等からなる光電変換層を備えている。そして、この太陽電池モジュールは、光電変換層に光を照射することにより発生するキャリア(電子及び正孔)を電極層により収集して外部回路に取り出すことが可能となっている。
また、この太陽電池モジュールは、裏面電極層として光沢のある金属を使用することで、光電変換層を通過した光も裏面電極層で反射させて、光電変換層で回収することによって光電変換層での発電量の向上が図られている。
従来の太陽電池モジュールは、太陽光に対して十分な入射面積を確保するために、地面に対して平行かやや傾斜した姿勢で設置されている。そのため、移住環境において、太陽電池モジュールの設置位置は、平坦な地面や屋根に限られていた。
しかしながら、一般の建物において屋根の面積は限られているため、屋根の全面に太陽電池を取り付けると、増設できないという問題があった。そのため、太陽電池モジュールの普及とともに、新たな太陽電池モジュールの設置場所の模索がなされていた。
そこで、特許文献1では、太陽電池モジュールの設置場所として窓に着目しており、窓として使用可能な太陽電池(太陽電池モジュール)が提案されている。
この特許文献1の太陽電池は、裏面電極層として透明電極を使用することによって、発電部位でも、室内空間に太陽光を取り込める構造となっている。
特開2001−320068号公報 特開2005−311292号公報
ところで、特許文献1の太陽電池によれば、発電部分から光を取り出せるため、建物の窓に使用した場合に、室内空間に光を取り込むことができる。
しかしながら、特許文献1の太陽電池では、光の一部が光電変換層での光電変換に使用されるため、通常の窓に比べて光の取り込み量が小さく、使用者によっては採光量が十分でないと感じる場合がある。また、通常の窓の採光量に近づけるためには、太陽光をできる限り建物内部に採光できることが好ましい。
そこで、上記した問題に鑑み、従来に比べて発電面積の急激な低下を抑えつつ、高い採光性が得られる太陽電池モジュール及び壁面形成部材を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、第1透光性絶縁基板と、第2透光性絶縁基板と、前記第1透光性絶縁基板と第2透光性絶縁基板に挟まれた光電変換素子を備える太陽電池モジュールにおいて、前記光電変換素子は、第1透光性絶縁基板側から、第1透明電極層、光電変換層、第2透明電極層の順に積層されたものであり、前記光電変換層は、光を照射したときに光エネルギーを電気エネルギーに変換可能であって、かつ、光の一部を透過するものであり、前記光電変換素子は、第1透光性絶縁基板を平面視したときに、少なくとも光電変換層が除去された開口部を有し、第1透光性絶縁基板側から光を照射したときに、前記開口部の内部を経由して通過し、第2透光性絶縁基板に至る光路を備えていることを特徴とする太陽電池モジュールである。
ここでいう「透光性」とは、光の少なくとも一部を透過する機能をいい、具体的には、光透過率が30パーセント以上100パーセント以下のものをいう。すなわち、防眩処理が施された基板であっても、光を30パーセント以上透過すれば、本明細書の透光性に該当する。
本発明の構成によれば、第1透光性絶縁基板、第1透明電極層、光電変換層、第2透明電極層、及び第2透光性絶縁基板のいずれもが光を透過するので、第1透光性絶縁基板側から光が入射しても、第2透光性絶縁基板側から光が入射しても、光電変換層で光を回収でき、発電することができる。そのため、従来のような片面のみ受光可能な太陽電池モジュールに比べて、受光面積が増加し、光電変換層への光取り込み量が増加する。そのため、一般的に結晶シリコン系太陽電池に比べて発電効率が劣るとされている薄膜太陽電池であってもより多くの電気を取り出すことができる。
また、本発明の構成によれば、第1透光性絶縁基板、第1透明電極層、光電変換層、第2透明電極層、及び第2透光性絶縁基板のいずれもが光を透過するので、発電部分でも採光することが可能である。そのため、本発明の太陽電池モジュールによれば、発電面積を確保しつつ、採光性を維持できるため、窓やベランダの手すり、バルコニーの手すりといった屋根以外の場所でも設置可能である。
さらに本発明の構成によれば、少なくとも光電変換層が除去された開口部を有しており、発電部分を通過する光路に加えて、第1透光性絶縁基板側から光を照射したときに、開口部の内部を経由して通過し、第2透光性絶縁基板に至る光路を備えているので、光電変換層で光が消費されることによる光量不足を補うことができるので、通常の窓の採光量に近づけることができる。
ここで、上記の発明の構成によれば、開口部を設けることによって、採光量の増加が可能となる。
しかしながら、開口部では光電変換層が存在しないため、この開口部では、発電できず、発電可能な発電面積が小さくなるという問題がある。
ところで、太陽電池モジュールの中には、いわゆる集積型と呼ばれる基板上に複数の光電変換素子が積層された太陽電池モジュールが存在する(例えば、特許文献2)。
この集積型の太陽電池モジュールは、光電変換素子を複数の溝によって複数の小片に分離して区画されている。この溝は、光電変換素子を区画するのに必然的に形成されるものであり、もともと発電しない部位である。
そこで、本発明者は、この溝に注目し、この溝で開口部を形成することで実質的な発電面積の低下を抑制することを試みた。
すなわち、請求項2に記載の発明は、前記光電変換素子を複数の小片に分割する素子分離溝を有し、前記素子分離溝は、前記開口部の少なくとも一部を形成するものであり、前記複数の小片は、それぞれ電気的に直列接続又は並列接続されており、第1透光性絶縁基板側から光を照射したときに、前記素子分離溝の内部を経由して通過し、第2透光性絶縁基板に至る光路を備えていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールである。
本発明の構成によれば、素子分離溝によって開口部を形成するため、実質的な発電面積の低下を抑制できる。すなわち、本発明の構成によれば、従来の太陽電池モジュールと同程度の発電効率を維持しつつ、採光機能に優れた太陽電池モジュールとなる。
ところで、特許文献2に記載の太陽電池モジュールでは、隣接する光電変換素子の小片同士を直列接続し、各小片において電圧を順次加算させている。
具体的には、光電変換素子の光電変換層に電極層同士を接続する接続溝を形成し、当該接続溝を経由して隣接する光電変換素子の小片の透明電極層と裏面電極層を接続している。すなわち、この接続溝は、隣接する光電変換素子の小片間を電気的に直列接続するために必要な溝であり、もともと発電しない部位である。
そこで、本発明者は、この接続溝に注目し、この接続溝で開口部を形成することで実質的な発電面積の低下を抑制することを試みた。
すなわち、請求項3に記載の発明は、前記光電変換素子を複数の小片に分割する素子分離溝と、前記光電変換層を部分的に除去した電極接続溝を有し、前記電極接続溝は、前記開口部の少なくとも一部を形成するものであり、前記光電変換素子は、一の小片の第2透明電極層の一部が前記電極接続溝に進入して、他の小片の第1透明電極層に接することによって、前記一の小片と他の小片が電気的に直列接続されており、第1透光性絶縁基板側から光を照射したときに、前記電極接続溝の内部を経由して通過し、第2透光性絶縁基板に至る光路を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池モジュールである。
特許文献2に代表される従来の太陽電池モジュールは、上記したように裏面電極層に光沢のある金属が使用されているため、裏面電極層が形成されている部位では、光を透過することはない。そのため、接続溝が形成されていても、その接続溝には裏面電極層の一部が充填されているため、その接続溝から採光することはできなかった。
一方、本発明の構成によれば、裏面電極層が第1透明電極層又は第2透明電極層であり透明であるから、電極接続溝を開口部の一部として使用することができる。
すなわち、本発明の構成によれば、開口部の少なくとも一部を、電極接続溝で形成しているので、開口部の形成による大幅な発電面積の低下を防止することができる。
また、本発明の構成によれば、光電変換素子は、素子分離溝によって複数の小片に区画され、この複数の小片のうち、一の小片と他の小片が電極接続溝を介して電気的に直列接続されている。そのため、一の小片で発生した電流が他の小片に伝わって流れていくため、各小片において電圧を順次加算させることができる。そのため、太陽電池モジュール全体での発電量を向上させることができる。
請求項4に記載の発明は、第1透光性絶縁基板を平面視したときに、前記開口部の開口面積は、第1透光性絶縁基板の面積の20パーセント以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池モジュールである。
本発明の構成によれば、発電部位でも採光可能であるため、低い開口率でも十分に採光機能を発揮することができる。
請求項5に記載の発明は、フィルム状の封止部材を有し、前記封止部材は、光電変換素子を封止するものであって、かつ、弾性を有し、前記封止部材は、その大部分が光電変換素子と第2透光性絶縁基板との間に配されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池モジュールである。
本発明の構成によれば、光電変換素子がフィルム状の封止部材に封止されるため、封止部材による厚みの増加量が小さく、その分、第1透光性絶縁基板や第2透光性絶縁基板の厚みを厚くすることができる。そのため、例えば、太陽電電池モジュールを窓等に設けた場合であって、かつ、台風等の強風に晒された場合でも、耐えることができる程度の十分な剛性を太陽電池モジュールに備えさせることができる。また、逆に封止部材による厚みの増加量が小さいので、太陽電池モジュールの厚みを薄くすることも可能である。
さらに、本発明の構成によれば、封止部材が弾性を有しているため、例えば、窓等に使用する場合であって、第1透光性絶縁基板や第2透光性絶縁基板を固定金具で挟んで固定する場合でも、第1透光性絶縁基板や第2透光性絶縁基板が固定金具から受ける押圧力を封止部材で和らげることができ、光電変換素子への損傷を防止することができる。
ところで、太陽電池モジュールを窓やベランダ等の手すりに使用した場合、太陽電池モジュールの片面が他の建物や道路等側に配されることになる。そのため、太陽電池モジュールの表面を形成する基板が鏡の役割を果たして太陽光を反射し、近隣の住民や通行人から「眩しさ」や「ぎらつき」などを指摘される事態が生じる場合がある。
そこで、請求項6に記載の発明は、光電変換素子を基準として前記第1透光性絶縁基板の外側の主面には、凹凸が形成されており、前記外側の主面の算術平均粗さは、0.25μm以上1.25μm以下であり、JIS Z 8741に準ずる60度鏡面光沢度が8パーセント以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池モジュールである。
本発明の構成によれば、第1透光性絶縁基板の外側面に凹凸が形成されて防眩処理が施されている。そのため、例えば、太陽電池モジュールを窓等に使用する場合であっても、第1透光性絶縁基板を建物の外側(他の建物や道路等側)に配することによって、太陽光が第1透光性絶縁基板で反射されることによる「眩しさ」や「ぎらつき」の発生を防止できる。
上記の発明は、第1透光性絶縁基板がガラス製であってもよい。
この発明によれば、表面加工が施しやすく、凹凸を形成しやすい。
ところで、オフィスビル等の建物では、建物内部が昼夜問わず、蛍光灯等の照明装置により、照らされている場合がある。
しかしながら、従来の太陽電池モジュールでは、片面受光であったため、太陽光のみで発電され、照明装置による光は発電に利用されていなかった。
そこで、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池モジュールを使用する壁面形成部材であって、建物の外壁面を形成する壁面形成部材において、前記太陽電池モジュールは、建物の内外の空間を区切るように配されており、建物の内部空間側に第2透光性絶縁基板が配され、建物の外部空間側に第1透光性絶縁基板が配されており、前記光電変換層は、分光感度が異なる2つの光電変換ユニットを有し、前記2つの光電変換ユニットの内、吸収波長のピークが550nmに近い光電変換ユニットが第2透光性絶縁基板側に位置していることを特徴とする壁面形成部材である。
一般的な蛍光灯等の照明装置は、自然光に近づけるために、550nm付近での放射スペクトル強度が高い。
そこで、本発明の構成によれば、吸収波長が550nmに近いピークをもつ光電変換ユニットを内部空間側に配している。そのため、室内空間内の照明装置による光を効率よく電気に変換することができる。
本発明の太陽電池モジュール及び壁面形成部材によれば、従来に比べて発電面積の急激な低下を抑えつつ、採光機能も得られる。
本発明の第1実施形態の太陽電池モジュールの設置状態を模式的に表す斜視図である。 図1の太陽電池モジュール近傍を抜き出した概念図である。 図2の太陽電池モジュールの分解斜視図である。 図3の太陽電池モジュールの要部の平面図である。 図4の太陽電池モジュールのA−A断面図である。 図4の太陽電池モジュールのB−B断面図である。 図5の太陽電池モジュールの要部を表す説明図であり、電流の流れを矢印で示している。 図5及び図6において太陽光の光路を表す説明図であり、(a)は図5に対応し、(b)は図6に対応する。 図5及び図6において太陽光の光路を表す説明図であり、(a)は図5に対応し、(b)は図6に対応する。 一般的な蛍光灯の放射スペクトルと各光電変換ユニットの分光感度の関係を表す説明図である。 本発明の他の実施形態の太陽電池モジュールの設置状態を模式的に表す斜視図である。 本発明の他の実施形態の太陽電池モジュールの断面図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明において、特に断りがない限り、太陽電池モジュール1の上下の位置関係は、図2の姿勢を基準に説明する。
第1実施形態の太陽電池モジュール1は、図1に示されるように、オフィスビル等の建物の嵌め込み窓として好適に使用されるものである。
太陽電池モジュール1は、図2に示されるように、縦姿勢で建物の壁50に取り付けられ、建物の外壁面の一部を形成する壁面形成部材である。
すなわち、太陽電池モジュール1は、通常使用時において、床面に対して垂直方向(鉛直方向)に立ち上がっており、建物内部の室内空間51と、建物外部の外部空間52とに区切っている。
太陽電池モジュール1は、薄膜太陽電池であり、図3に示されるように、第1透光性絶縁基板10と、第2透光性絶縁基板11に複数の薄膜で形成された光電変換素子12が挟まれたものである。
そして、太陽電池モジュール1は、図4に示されるように、光電変換素子12が複数の小片47に分割されており、複数の小片47が直列及び/又は並列接続されてモジュール化されたものである。
太陽電池モジュール1は、図2に示されるように建物の壁50に取り付けたときに、外部空間52側(外側)から室内空間51側(内側)に向けて、第1透光性絶縁基板10、光電変換素子12、封止部材13、及び第2透光性絶縁基板11の順に積層されている。
第1透光性絶縁基板10は、図3に示されるように、面状に広がりをもった透光性基板であり、発電に電気的に寄与しない絶縁基板である。
具体的には、第1透光性絶縁基板10は、板状のガラス基板であり、少なくともの片側の主面に防眩処理がされたものである。
本実施形態の第1透光性絶縁基板10は、太陽電池モジュール1を建物に取り付けたときに外部空間52側の面である外側主面に、図5,図6から読み取れるように凹凸15が形成されている。
第1透光性絶縁基板10の外側主面の算術平均粗さは、光の正反射光を抑制する観点から0.25μm以上であることが好ましい。
また、凹凸15を形成する凸部及び凹部の側面による光の散乱光を抑制する観点から1.25μm以下であることが好ましい。
第1透光性絶縁基板10は、太陽電池モジュール1を組み立てたときに、JIS Z 8741に準ずる60度鏡面光沢度が8パーセント以下であることが好ましい。
この範囲であれば、直接反射による眩しさやぎらつきを抑制できる。
第1透光性絶縁基板10の平均厚みは、第2透光性絶縁基板11との剛性や設置環境等によって適宜設計されるが、1mm以上1cm以下であることが好ましい。この範囲であれば、太陽電池モジュール1を窓として使用する際に十分な強度を持たせることができる。
第1透光性絶縁基板10は、平面視すると、多角形状又は円形状をしている。本実施形態の第1透光性絶縁基板10は、図4のように、四角形状をしており、2組の対向する2辺を備えている。
すなわち、第1透光性絶縁基板10は、一方向(縦方向)に直線状に延びた平行に延びた縦辺16,17と、縦辺16,17に対して直交する方向(横方向)に直線状に平行に延びた横辺18,19を備えている。
光電変換素子12は、光エネルギーを電気エネルギーとして取り出す半導体素子であり、図5,図6から読み取れるように、2つの透明電極層20,22に光電変換層21が挟まれたものである。
具体的には、光電変換素子12は、第1透光性絶縁基板10側から第1透明電極層20、光電変換層21、第2透明電極層22の順に積層されている。
第1透明電極層20は、透明導電膜であり、透光性と導電性を有した層である。
第1透明電極層20の構成材料としては、透光性と導電性を有していれば、特に限定されるものではなく、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電性酸化物で形成されている。
なお、第1透明電極層20は、上記した透明導電性酸化物にドーピング剤を添加したものであってもよい。
光電変換層21は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する機能を備えた層であり、少なくともPIN構造又はPN構造を有した半導体層である。
光電変換層21は、一又は複数の光電変換ユニットから形成されている。
本実施形態の光電変換層21は、図6の拡大図のように、主に結晶シリコン層から形成される結晶系光電変換ユニット25と、主に非晶質シリコン層から形成される非晶質系光電変換ユニット26が接続層27で接続されたタンデム構造が採用されている。そして、光電変換層21は、いずれの光電変換ユニット25,26もPIN接合を備えている。
ここでいう「結晶」とは、非晶質以外のものを表す。すなわち、微結晶や多結晶等を含む概念である。
結晶系光電変換ユニット25は、図6の拡大図のように、第1透明電極層20側から、p型結晶シリコン系半導体層30、i型結晶シリコン系半導体層31、及びn型結晶シリコン系半導体層32がこの順に積層されて形成されるものである。
非晶質系光電変換ユニット26は、第1透明電極層20側(接続層27側)から、p型非晶質シリコン系半導体層35、i型非晶質シリコン系半導体層36、及びn型非晶質シリコン系半導体層37がこの順に積層されて形成されるものである。
接続層27は、各光電変換ユニット25,26を接続する層である。
第2透明電極層22は、透明導電膜であり、透光性と導電性を有した層である。
第2透明電極層22の構成材料としては、透光性と導電性を有していれば、特に限定されるものではなく、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、酸化錫(SnO2)、酸化亜鉛(ZnO)等の透明導電性酸化物で形成されている。なお、第2透明電極層22は、上記した透明導電性酸化物にドーピング剤を添加したものであってもよい。
封止部材13は、図5,図6に示されるように、光電変換素子12を封止する部材であって、第2透光性絶縁基板11からの押圧力を緩和させる部材である。
封止部材13は、透光性、ガス封止性及び弾性を有した絶縁フィルムである。
封止部材13の材質は、上記の機能を備えていれば特に限定されないが、例えば、エチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)等熱可塑樹脂に架橋剤を添加したものなどが採用できる。
本実施形態の封止部材13は、EVAを採用しており、接着機能も備えている。すなわち、本実施形態の封止部材13は、光電変換素子12と第2透光性絶縁基板11を互いに接着可能となっている。
封止部材13の平均厚みは、第1透光性絶縁基板10の厚み等によって適宜設計されるが、太陽電池モジュール1を組み立てた状態、すなわち、接着状態において、十分に封止する観点から0.2mm以上であることが好ましい。
また、封止部材13の平均厚みは、接着状態において、第2透光性絶縁基板11からの押圧力を十分に緩和させ、光電変換素子12の損傷を防ぐ観点から0.3mm以上であることがより好ましい。
封止部材13の平均厚みは、接着状態において、窓としての採光性を確保する観点から0.8mm以下であることが好ましい。
第2透光性絶縁基板11は、面状に広がりをもった透光性基板であって、発電に電気的に寄与しない絶縁基板である。
具体的には、第2透光性絶縁基板11は、第1透光性絶縁基板10と同様、板状のガラス基板であるが、第1透光性絶縁基板10とは異なり、片面に防眩処理が施されていない。
第2透光性絶縁基板11の平均厚みは、第1透光性絶縁基板10との剛性や設置環境等によって適宜設計されるが、1mm以上1cm以下であることが好ましい。この範囲であれば、太陽電池モジュール1に十分強度を持たせることができる。
続いて、太陽電池モジュール1の構造について説明する。
太陽電池モジュール1は、図5,図6に示されるように、深さの異なる複数の溝によって、各層が複数に区切られて、複数の小片に分割されている。
具体的には、太陽電池モジュール1は、図5に示される横方向断面において、部分的に第1透明電極層20を除去した第1電極分離溝40と、部分的に光電変換層21を除去した電極接続溝41(開口部)と、部分的に光電変換層21及び第2透明電極層22を除去した第1素子分離溝42(開口部)を有している。また、太陽電池モジュール1は、図6に示される縦方向断面において、部分的に光電変換層21と第2透明電極層22を除去した第2素子分離溝43(開口部)を有している。そして、太陽電池モジュール1は、これらの溝によって複数の区画に分離されて、光電変換素子12が複数の小片47に分割されている。
各溝について詳説すると、第1電極分離溝40は、図5に示されるように第1透光性絶縁基板10上に積層された第1透明電極層20を分離する溝である。
第1電極分離溝40は、第1透光性絶縁基板10を平面視したときに、第1透光性絶縁基板10の縦辺16,17と平行となっており、縦方向に直線状に延びている。
また、図5のように太陽電池モジュール1を断面視すると、第1電極分離溝40内には、光電変換層21の一部が進入しており、光電変換層21が直接第1透光性絶縁基板10に接触して第1分離部45を形成している。すなわち、第1分離部45は、横方向に隣接する第1透明電極層20を物理的に複数の小片に分離している。
第1電極分離溝40の溝幅は、30μm以上80μm以下であることが好ましい。
このような範囲であれば、隣接する第1透明電極層20の小片を電気的に分離でき、短絡を防止することができる。
電極接続溝41は、図5に示されるように、光電変換素子12のうち、光電変換層21のみを複数の領域に分離する溝である。
電極接続溝41は、第1透光性絶縁基板10を平面視したときに、第1電極分離溝40と平行となっており、縦方向に直線状に連続的又は間欠的に延びている。
また、図5に示されるように太陽電池モジュール1を断面視すると、電極接続溝41内には、第2透明電極層22の一部が進入しており、第2透明電極層22が直接第1透明電極層20と接触して電極接続部46を形成している。
すなわち、この電極接続部46は、図7に示されるように一の小片47aの第2透明電極層22aと、当該一の小片47aと横方向に隣接する小片47bの第1透明電極層20bとを電気的に接続している。
そのため、各小片47の光電変換層21で発生した電流は、図7の矢印に示されるように第2透明電極層22b側から光電変換層21bを介して第1透明電極層20b側に向かって流れるが、第1透明電極層20bが電極接続部46によって第2透明電極層22aと電気的に接続されているので、小片47bで発生した電流が隣の小片47aの第2透明電極層22bに流れる。このように、横方向に隣接する小片47a,47bは電気的に直列接続されているため、横方向に隣接する小片47a,47b間を電流が流れていき、電圧が加算されていく。
ここで、一般的に透明導電膜は、金属に比べて導電率が低い。そのため、効率よく電流を取り出すためには、第2透明電極層22と第1透明電極層20の接触面積が問題となる。
この観点から、電極接続溝41の溝幅は、60μm以上であることが好ましい。
このような範囲であれば、第2透明電極層22と第1透明電極層20間での十分な電通をとることができる。
電極接続溝41の溝幅を広くすることによって、光透過性は確保することができるが、同等以上の効果を第1素子分離溝42の溝幅を広くすることによって得ることができる。したがって、電極接続溝41の溝幅は、十分な電通を確保できる90μm以上であることがより好ましい。
電極接続溝41の溝幅は、120μm以下であることが好ましい。
このような範囲であれば、発電面積の減少を抑制することができる。
第1素子分離溝42は、図5に示されるように、光電変換層21及び第2透明電極層22の双方を複数の領域に分離する溝であり、光電変換素子12を複数の小片47に分割する溝である。
第1素子分離溝42は、第1透光性絶縁基板10を平面視したときに、第1電極分離溝40と平行となっており、縦方向に直線状に延びている。
また、太陽電池モジュール1を断面視すると、第1素子分離溝42内には、封止部材13の一部が進入している。
第1素子分離溝42の溝幅は、横方向に隣接する小片47の第2透明電極層22同士が接触することによる短絡を防止する観点から、55μm以上であることが好ましい。
第1素子分離溝42の溝幅は、小片47の面積を十分に確保し、発電面積を確保する観点から、95μm以下であることが好ましい。
第1素子分離溝42の溝幅は、その内部を経由して光を取り出す観点から、溝幅を広くすることによって光透過性を上昇させることができるが、発電面積を確保する観点からは、溝幅が狭い方が好ましい。
本実施形態では、第1素子分離溝42の溝幅は、光透過量と発電面積の関係を考慮し、どちらを優先するかによって溝幅を決定することが可能となっている。
第2素子分離溝43は、図6に示されるように、光電変換層21及び第2透明電極層22を複数の領域に分離する溝であり、第1素子分離溝42とともに光電変換素子12を複数の小片47に分割する溝である。
第2素子分離溝43は、第1透光性絶縁基板10を平面視したときに、横辺18,19と平行となっており、横方向に直線状に延びている。すなわち、第2素子分離溝43は、第1電極分離溝40、電極接続溝41、及び第1素子分離溝42のいずれとも直交している。
また、図6に示されるように太陽電池モジュール1を断面視すると、第2素子分離溝43内には、封止部材13の一部が進入している。
第2素子分離溝43の溝幅は、発電状態で影がかかった状態で形成されるホットスポットの拡散を抑制する観点から、90μm以上であることが好ましい。
第2素子分離溝43の溝幅は、小片47の面積を十分に確保し、発電面積を確保する観点から、150μm以下であることが好ましい。
第2素子分離溝43の溝幅は、その内部を経由して光を取り出す観点から、溝幅を広くすることによって光透過性を上昇させることができるが、発電面積を確保する観点からは、溝幅が狭い方が好ましい。
本実施形態では、第2素子分離溝43の溝幅は、光透過量と発電面積の関係を考慮し、どちらを優先するかによって溝幅を決定することが可能となっている。
また、太陽電池モジュール1は、第1透光性絶縁基板10を平面視したときに、電極接続溝41、第1素子分離溝42、及び第2素子分離溝43の開口面積の合計は、第1透光性絶縁基板の面積の0パーセントより大きく20パーセント以下であることが好ましい。
この範囲であれば、発電面積の減少を抑えつつ、光透過性を確保することができる。
続いて、本実施形態の太陽電池モジュール1の採光機能について説明する。
本実施形態の太陽電池モジュール1は、主に窓として使用される太陽電池である。そのため、太陽電池モジュール1は、室内空間51へ採光できることが求められる。
そこで、太陽電池モジュール1は、光電変換素子12の電極層20,22としてともに透明導電膜を用いている。そのため、図8の実線矢印で示されるように、外部空間52から第1透光性絶縁基板10の入射した太陽光は、光電変換素子12を通過して第2透光性絶縁基板11から抜ける。
具体的には、第1透光性絶縁基板10から入った太陽光は、第1透明電極層20を通過して光電変換層21で発電に消費され、残りの太陽光が第2透明電極層22でほとんど反射されずに第2透光性絶縁基板11に至る。そして、当該太陽光は、第2透光性絶縁基板11を通過して室内空間51に至る。
このように、太陽電池モジュール1は、外部空間52からの太陽光を室内空間51に至らすことができるため、窓としての採光機能を発揮することができる。
また、図8の破線矢印で示されるように、室内空間51から第2透光性絶縁基板11の入射した室内光は、光電変換素子12の第2透明電極層22でほとんど反射されずに、光電変換素子12を通過して第1透光性絶縁基板10から抜ける。
具体的には、第2透光性絶縁基板11から入った太陽光は、第2透明電極層22を通過して光電変換層21で発電に消費され、残りの太陽光が第1透明電極層20、第1透光性絶縁基板10を通過して外部空間52に至る。
以上のように、太陽電池モジュール1は、外部空間52からの太陽光及び室内空間51からの室内光の両方を発電に使用することができ、従来の薄膜太陽電池モジュールに比べて発電量を向上させることができる。
ここで、上記したように光電変換素子12の電極層20,22として、透明導電膜を使用しているため、外部空間52からの太陽光は室内空間51に太陽光を取り入れることができる。
しかしながら、第1透光性絶縁基板10の外側主面に防眩処理が施されていること及び光電変換層21で消費されることから、通常のガラスからなる窓に比べると採光量が劣り、採光量が十分量に達しない場合がある。また、窓としての機能を重視する場合、採光量は多ければ多いほど好ましい。
そこで、本実施形態の太陽電池モジュール1は、図8の矢印で示される光電変換層21を通過する光路に加えて、図9の矢印に示されるように、光電変換層21を経由しない光路も備えている。
具体的には、太陽電池モジュール1は、電極接続溝41、第1素子分離溝42、及び第2素子分離溝43の内部を経由する光路も備えている。
そのため、外部空間52からの太陽光の一部を光電変換層21で消費されて減衰させることなく、室内空間51に取り入れることが可能となっており、室内空間51への採光不足を補うことができる。
このように太陽電池モジュール1は、光電変換層21を通過する光路に加えて、光電変換層21を経由しない光路によっても採光可能であるため、窓として十分な採光機能を発揮することができる。
ところで、一般住宅等の建物の室内空間では、夜間になると、太陽光が得られないため、蛍光灯等の照明装置を使用して室内空間を照らす。また、オフィスビル等の建物の室内空間では、昼夜問わず、蛍光灯等の照明装置を使用して室内空間を照らすことが多い。
しかし、従来の太陽電池モジュールでは、片面のみ受光可能であったので、受光面を太陽に向けて使用されていた。そのため、従来の太陽電池モジュールの発電可能時間は、昼間に限られており、夜間等において室内空間の蛍光灯等の光を利用して発電することはできなかった。
一方、本実施形態の太陽電池モジュール1であれば、光電変換素子12の電極層20,22がともに透明導電膜で形成されているため、太陽電池モジュール1の両面から受光することが可能である。そのため、たとえ夜間等でも室内空間51内の照明装置の光を利用して発電することができる。
ここで、一般的に、太陽光や蛍光灯が放出する光の放射スペクトルは、図10に示されるように、ともに550nm付近にピークトップを取ることが知られている。
また、一般的な非晶質シリコンを用いた太陽電池は、図10に示されるように、300〜600nm付近の波長で主に吸収し、結晶シリコンを用いた太陽電池は、アモルファスシリコンを用いた太陽電池よりも長波長側の600〜1000nm付近の波長で主に吸収することが知られている。
従来、これらの太陽電池が接合された多接合型の太陽電池モジュールは、太陽光の光をより採光して発電効率を高めることに重きが置かれていた。
そのため、より光の取り込みを高める観点から、550nm付近に吸収波長を有する非晶質シリコンを用いた非晶質系光電変換ユニットを受光側(第1透光性絶縁基板10側)に設け、その上に結晶シリコンを用いた結晶系光電変換ユニット25を設けていた。
一方、本実施形態の太陽電池モジュール1は、上記したように夜間においても、高効率で発電するべく、室内空間51側に非晶質系光電変換ユニット26を設けており、外部空間52側に結晶系光電変換ユニット25を設けている。すなわち、550nm付近に主な吸収波長を取る非晶質系光電変換ユニット26を室内空間側に設けている。そのため、本実施形態の太陽電池モジュール1によれば、夜間においても、高効率で発電することができる。
以上のように本実施形態の太陽電池モジュール1であれば、発電面積の急激な低下を抑えつつ、採光機能も得ることができる。
上記した実施形態では、溝の溝幅を大きくすることによって、光電変換素子12の電極層20,22を透明にしたことによる採光機能を補填したが、本発明はこれに限定するものではなく、溝幅を狭めて、溝を介する採光機能を付加させなくてもよい。
上記した実施形態では、第2素子分離溝43は、光電変換層21及び第2透明電極層22を除去し、縦方向に隣接する小片47同士を第1透明電極層20で接続することで電気的に並列接続としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1透明電極層20、光電変換層21、及び第2透明電極層22の三層を分離して形成してもよい。
上記した実施形態では、室内空間51からの光による発電を効率よく行うために、室内空間51側に非晶質系光電変換ユニット26を設け、外部空間52側に結晶系光電変換ユニット25を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、室内空間51側に結晶系光電変換ユニット25を設け、外部空間52側に非晶質系光電変換ユニット26を設けてもよい。
上記した実施形態では、結晶系光電変換ユニット25は、p型結晶シリコン系半導体層30、i型結晶シリコン系半導体層31、及びn型結晶シリコン系半導体層32の三層によって形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、各半導体層30,31,32の間に合金層等の他の層が介在していてもよい。また、p型結晶シリコン系半導体層30及びn型結晶シリコン系半導体層32の2層によって形成されていてもよい。
同様に上記した実施形態では、非晶質系光電変換ユニット26は、p型非晶質シリコン系半導体層35、i型非晶質シリコン系半導体層36、及びn型非晶質シリコン系半導体層37の三層によって形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、各半導体層35,36,37の間に合金層等の他の層が介在していてもよい。また、p型非晶質シリコン系半導体層35及びn型非晶質シリコン系半導体層37の2層によって形成されていてもよい。
上記した実施形態では、光電変換素子12は、2つの光電変換ユニット25,26が接合されたものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、1つの光電変換ユニットのみを内蔵していてもよいし、3つ以上の光電変換ユニットを内蔵していてもよい。
上記した実施形態では、光電変換層21で発電した電気を第1透明電極層20及び第2透明電極層22によって取り出していたが、本発明はこれに限定されるものではなく、各透明電極層20,22の表面に金属細線を形成し、これを補助電極として用いてもよい。
上記した実施形態では、太陽電池モジュールを窓として使用したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図11のようにベランダやバルコニーの手すりの一部として使用しても良い。
上記した実施形態では、封止部材としてシート状の部材を光電変換素子12上にかぶせて封止性を高めたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図12に示されるように第1透光性絶縁基板10と第2透光性絶縁基板11を接着剤60で接着することによって封止してもよい。
上記した実施形態では、第1電極分離溝40、電極接続溝41、及び第1素子分離溝42が縦辺16,17と平行となっており、第2素子分離溝43が横辺18,19と平行となっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1電極分離溝40、電極接続溝41、及び第1素子分離溝42が横辺18,19と平行となっており、第2素子分離溝43が縦辺16,17と平行となっていてもよい。要するに、太陽電池モジュール1の縦横の位置関係が逆転していてもよい。
1 太陽電池モジュール(壁面形成部材)
10 第1透光性絶縁基板
11 第2透光性絶縁基板
12 光電変換素子
13 封止部材
15 凹凸
20 第1透明電極層
21 光電変換層
22 第2透明電極層
25 結晶系光電変換ユニット(光電変換ユニット)
26 非結晶系光電変換ユニット(光電変換ユニット)
41 電極接続溝(開口部)
42 第1素子分離溝(開口部)
43 第1素子分離溝(開口部)
51 室内空間(内部空間)
52 外部空間

Claims (7)

  1. 第1透光性絶縁基板と、第2透光性絶縁基板と、前記第1透光性絶縁基板と第2透光性絶縁基板に挟まれた光電変換素子を備える太陽電池モジュールにおいて、
    前記光電変換素子は、第1透光性絶縁基板側から、第1透明電極層、光電変換層、第2透明電極層の順に積層されたものであり、
    前記光電変換層は、光を照射したときに光エネルギーを電気エネルギーに変換可能であって、かつ、光の一部を透過するものであり、
    前記光電変換素子は、第1透光性絶縁基板を平面視したときに、少なくとも光電変換層が除去された開口部を有し、
    第1透光性絶縁基板側から光を照射したときに、前記開口部の内部を経由して通過し、第2透光性絶縁基板に至る光路を備えていることを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記光電変換素子を複数の小片に分割する素子分離溝を有し、
    前記素子分離溝は、前記開口部の少なくとも一部を形成するものであり、
    前記複数の小片は、それぞれ電気的に直列接続又は並列接続されており、
    第1透光性絶縁基板側から光を照射したときに、前記素子分離溝の内部を経由して通過し、第2透光性絶縁基板に至る光路を備えていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記光電変換素子を複数の小片に分割する素子分離溝と、前記光電変換層を部分的に除去した電極接続溝を有し、
    前記電極接続溝は、前記開口部の少なくとも一部を形成するものであり、
    前記光電変換素子は、一の小片の第2透明電極層の一部が前記電極接続溝に進入して、他の小片の第1透明電極層に接することによって、前記一の小片と他の小片が電気的に直列接続されており、
    第1透光性絶縁基板側から光を照射したときに、前記電極接続溝の内部を経由して通過し、第2透光性絶縁基板に至る光路を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 第1透光性絶縁基板を平面視したときに、前記開口部の開口面積は、第1透光性絶縁基板の面積の20パーセント以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  5. フィルム状の封止部材を有し、
    前記封止部材は、光電変換素子を封止するものであって、かつ、弾性を有し、
    前記封止部材は、その大部分が光電変換素子と第2透光性絶縁基板との間に配されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  6. 光電変換素子を基準として前記第1透光性絶縁基板の外側の主面には、凹凸が形成されており、
    前記外側の主面の算術平均粗さは、0.25μm以上1.25μm以下であり、
    JIS Z 8741に準ずる60度鏡面光沢度が8パーセント以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の太陽電池モジュールを使用する壁面形成部材であって、
    建物の外壁面を形成する壁面形成部材において、
    前記太陽電池モジュールは、建物の内外の空間を区切るように配されており、
    建物の内部空間側に第2透光性絶縁基板が配され、建物の外部空間側に第1透光性絶縁基板が配されており、
    前記光電変換層は、分光感度が異なる2つの光電変換ユニットを有し、
    前記2つの光電変換ユニットの内、吸収波長のピークが550nmに近い光電変換ユニットが第2透光性絶縁基板側に位置していることを特徴とする壁面形成部材。
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