JP2016058168A - 金属帯板の誘導加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属帯板の板幅方向端部における過加熱を抑制し、金属帯板の板幅方向における温度分布を均一化するとともに、さらに、金属帯板の板幅変更、蛇行に迅速に対応し、加熱効率の向上を図る。
【解決手段】金属帯板の板幅方向に沿い、かつ、板幅方向端部に向かい互いに接近する、同一面内の2列の導体の少なくとも一方の端部を導体で連結して、長手方向に走行する金属帯板の同一板面に対向するコイル面を金属帯板進行方向に離して形成した誘導加熱装置において、上記2列の導体の少なくとも一方の端部を連結する導体が、金属帯板の板幅方向端部を周回して、上記2列の導体で発生する誘導電流の板端部に流れる電流の向きとは逆の方向に誘導電流が流れるように一次側の電流路を、金属帯板の板幅方向端部に沿い、該端部の板面に対向して形成していることを特徴とする金属帯板の誘導加熱装置。
【選択図】図1

Description

本発明は、長手方向に走行する金属帯板を、板幅方向端部における過加熱を抑制して均一に加熱するとともに、板幅の変更、蛇行等による板端部の位置の変動に対し即応し得る誘導加熱装置に関する。
熱処理炉における鋼板などの金属帯板の加熱は、主としてラジアントチューブを用いる間接加熱で行っているが、この間接加熱は、熱慣性が大きいことに加え、板温度と炉温の差が小さくなると、放射電熱能力が低下するため金属帯板への有効な入熱が難しくなり、生産性が制約される。また、ラジアントチューブを用いる間接加熱においては、加熱速度も遅く、かつ、高温での焼鈍の実現が困難であるので、熱処理条件、操業条件の選択の自由度が制約されている。
これに対し、金属帯板を高周波電流で加熱する誘導加熱は、加熱速度や加熱温度を自由に制御することができるので、熱処理条件や操業条件の点で選択の自由度が大きく、近年、注目されている加熱方法である。
誘導加熱には、大きく2つの方式がある。1つは、金属帯板の周囲を囲んだ誘導コイルに高周波電流を流して、磁束を金属帯板の長手方向断面に貫通させて発生させ、この磁束で、金属帯板の長手方向断面内に周回する誘導電流を発生させて金属帯板を加熱するLF(縦断磁束加熱)方式である。
他の一つは、1次コイルを巻回した誘導コイル(良導体)の間に金属帯板を配置し、1次コイルに電流を流して発生させた磁束を金属帯板の板面に貫通させ、金属帯板の板面に誘導電流を発生させて金属帯板を加熱するTF(横断磁束加熱)方式である。
誘導電流が板断面内を周回するLF方式の誘導加熱では、電流浸透深さδと電流周波数fの関係(δ(mm)=5.03×105√(ρ/μr・f)、ρ(Ωm):比抵抗、μr:比透磁率・f:周波数(Hz))から、金属帯板の板厚が薄い場合、電流の周波数fを高くしなければ誘導電流が発生しない。さらに、非磁性金属帯板や、キュリー温度を超える常温で磁性のある金属帯板の場合、電流浸透深さδが深くなるので、金属帯板の板厚が薄いと誘導電流が発生しない。
一方、磁束が金属帯板の板面を貫通するTF方式の誘導加熱では、板厚に依らず、また、磁性、非磁性の区別なく金属帯板を加熱できるが、対向する誘導コイルが近接していないと、加熱効率が低く、また、金属帯板の端部において過加熱が生じて、板幅方向における均一加熱が難しくなる。
TF方式の誘導加熱において、金属帯板端部における過加熱は大きな課題であり、これまで、金属帯板端部における過加熱を抑制する技術が幾つか開示されている。
例えば、特許文献1には、帯状金属材料を長手方向に走行させて加熱する誘導加熱装置において、ほぼ四辺形状に巻回された誘導加熱コイルの相対向する一辺と他辺を帯状金属材料の長手方向に偏位させ、かつ、誘導加熱コイルの内側に、帯状金属材料の幅方向両端部分を覆う磁束集中部材を備えた誘導加熱装置が開示されている。
特許文献2には、走行する薄板を電磁誘導により加熱する電磁誘導加熱装置において、薄板の板幅方向に、互いに並列にかつ薄板と対向するように配列された複数個の磁極セグメントと、各磁極セグメントを薄板の厚み方向に、独立に移動させる駆動機構と、複数個の磁極セグメントに共通なコイルと、薄板幅方向に出没自在で、磁極セグメントからの磁場を調整する非磁性金属の可動遮蔽板とを有する電磁誘導加熱装置が開示されている。
特許文献3には、金属ストリップを加熱する調整可能な横流磁束の誘導加熱システムであって、固定のポールアセンブリと、ストリップ進行経路の各側に設けられている少なくとも一個の、補助ポールピースおよび/または遮蔽版を有するアセンブリと、を備えたことを特徴とする横流磁束の誘導加熱システムが開示されている。
特許文献4には、周回する誘導コイルの内側を通過する金属帯板を加熱する誘導加熱装置であって、金属帯板の表面側と裏面側の誘導コイルを、金属帯板への垂直投影像が金属帯板の長手方向にて重ならないように配置するとともに、金属帯板の両端部とその両外側のコイル導体との間に磁性体コアを設けた誘導加熱装置が開示されている。
また、特許文献5には、金属帯板の幅方向に周回する誘導コイルの内側を通過する金属帯板を加熱する誘導加熱装置であって、金属帯板の長手方向に2組以上の誘導コイルが、金属帯板の表面側と裏面側の誘導コイルの金属帯板への垂直投影像の中央部が、金属帯板の長手方向で重ならないように配置され、さらに、隣り合う2組以上の誘導コイルにおいて、表面側の誘導コイルが近接し、裏面側の誘導コイルが表面側の近接間隔よりも大きい間隔で配置されるか、又は、裏面側の誘導コイルが近接し、表面側の誘導コイルが裏面側の近接間隔よりも大きい間隔で配置され、かつ、金属帯板の長手方向の表面側と裏面側の間に、金属帯板の端部を覆うように磁性体コアが配置されている金属帯板の誘導加熱装置が開示されている。
特開昭62−281291号公報 特開昭63−027836号公報 特表平11−500262号公報 特開2008−186589号公報 特開2009−259588号公報
板厚の薄い金属帯板の誘導加熱において、磁束を遮蔽する遮蔽板(特許文献2と3)は、遮蔽板自体が加熱されるので、加熱効率の低下を招くし、また、冷却を充分にしないと焼損することがある。
磁性体コア(特許文献4及び5)及び磁束集中部材(特許文献1)は、金属帯板の板幅方向端部において、金属帯板の表面側から裏面側に又は裏面側から表面側に斜めに流れる電流を適確に制御して過加熱を抑制できるが、出力が大きい加熱の場合には、磁束飽和しないような充分な断面積とコア自体の発熱対策が必要である。
そこで、本発明は、金属帯板の板幅方向端部における過加熱を抑制し、金属帯板の板幅方向における温度分布を均一化するとともに、さらに、金属帯板の板幅変更や、金属帯板の蛇行に迅速に対応し、加熱効率の向上を図ることを課題とし、該課題を解決する誘導加熱装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決する手法について鋭意検討した。その結果、本発明者は、金属帯板の板幅方向端部において、金属帯板の板幅方向端部に位置する誘導コイルに流れる電流の方向と逆の方向に電流が流れる電流路を、誘導コイルと反対側の板面に対向して形成すれば、金属帯板の板幅方向部における過加熱を抑制できることを見いだした。
また、本発明者は、金属帯板の板幅が変わっても、誘導コイルの端部側の形状・位置関係は変化することがなく、端部側以外の誘導コイルを可撓導体で構成すれば、金属帯板の板幅方向における誘導コイルの幅を金属帯板の板幅変更に応じて伸縮でき、また、金属帯板が蛇行して板の端部の位置が動いても、金属帯板の板端部変化に迅速に対応できることを見いだした。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
(1)金属帯板の板幅方向に沿い、かつ、板幅方向端部に向かい互いに接近する、同一面内の2列の導体の少なくとも一方の端部を導体で連結して、長手方向に走行する金属帯板の同一板面に対向するコイル面を金属帯板進行方向に離して形成した誘導加熱装置において、上記2列の導体の少なくとも一方の端部を連結する導体が、金属帯板の板幅方向端部を周回して、上記2列の導体で発生する誘導電流の板端部に流れる電流とは逆の方向に誘導電流が流れるように一次側の電流路を、金属帯板の板幅方向端部に沿い、該端部の板面に対向して形成していることを特徴とする金属帯板の誘導加熱装置。
(2)前記2列の導体の背面に、誘導コイルに沿って板幅方向に移動可能な磁性体コアを、誘導コイルとは独立に複数配置したことを特徴とする前記(1)に記載の金属帯板の誘導加熱装置。
(3)前記2列の導体の端部側以外が可撓導体であり、かつ、前記磁性体コアが可撓導体の伸縮に応じて移動可能であり、誘導コイルが金属帯板の板幅変更、蛇行に即応できることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の金属帯板の誘導加熱装置。
(4)前記電流路の前後に、金属帯板の板幅方向端部を覆う磁性体コアを配置したことを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の金属帯板の誘導加熱装置。
本発明によれば、金属帯板の板幅方向端部における過加熱を抑制して、金属帯板の板幅方向における温度分布を均一化できるとともに、金属帯板の板幅変更や蛇行に迅速に対応できるので、生産性が大幅に向上するとともに、安定して高精度な加熱が可能となる。
本発明の誘導加熱装置の平面態様を示す図である。 本発明の別の誘導加熱装置の断面態様を示す図である。 本発明の別の誘導加熱装置の断面態様を示す図である。 本発明の別の誘導加熱装置の断面態様を模式的に示す図である。(a)は、金属帯板の板幅が狭い場合の断面態様を示し、(b)は、金属帯板の板幅が広い場合の断面態様を示す。 本発明の別の誘導加熱装置の断面態様を示す。(a)は、金属帯板の板幅が狭い場合の断面態様を示し、(b)は、金属帯板の板幅が広い場合の断面態様を示す。
本発明の金属帯板の誘導加熱装置(以下「本発明装置」ということがある。)は
金属帯板の板幅方向に沿い、かつ、板幅方向端部に向かい互いに接近する、同一面内の2列の導体の少なくとも一方の端部を導体で連結して、長手方向に走行する金属帯板の板面に対向するコイル導体面を形成し、該コイル導体は、金属帯板の進行方向で離れて設置され、互いに逆向きの一次電流が流れる誘導コイルを備える誘導加熱装置において、
上記2列のコイル導体の少なくとも一方の端部を連結する導体が、金属帯板の板幅方向端部を外側に周回して、上記2列の導体の端部に流れる電流とは逆の方向に電流が流れる電流路を、金属帯板の板幅方向端部に沿い、該端部の板面に対向して形成している
ことを特徴とする。
以下、本発明装置について、図面に基づいて説明する。
図1に、本発明装置の平面態様を示す。
金属帯板1が、誘導コイル2の下を、長手方向(図中、矢印方向)に走行する間、金属帯板1の板幅方向の誘導コイル2(矢印方向に電流が流れている)により、金属帯板1の板面に、誘導コイル2の電流とは逆向きの誘導電流が発生し、金属帯板1が加熱される。
同一面内の2列の導体からなる誘導コイル2は、2列の直線部2a、2d、板幅方向端部に向かい互いに接近する接近部2b、2c、及び、接近部2bと接近部2cを連結する導体3で構成されている。図示はしていないが、例えば、金属帯板の中央部付近で、紙面垂直方向に導体が延び、電源に接続されている。
誘導コイル2の構成において、金属帯板の板幅方向及び長手方向のコイル長さ、及び、導体の巻数(1列の直線部を構成する導体の数)は特定の範囲に限定されない。また、直線部に続く接近部の形態は、板端部側を流れる誘導電流により板端部側が加熱される時間を調整するため、板幅方向端部に向かい互に接近する形態が望ましいが、特定の形態、例えば、三角形、半円、湾曲等に限定されない。
即ち、誘導コイルは、誘導加熱を施す金属帯板の板幅、板厚、走行速度、温度分布等に応じて適宜設計すればよい。なお、誘導コイルを形成する導体は、銅などの良導体が好ましい。
図1に示すように、誘導コイル2において、金属帯板の板幅方向端部に向かい互いに接近する接近部2bと接近部2cを連結する導体3は、一方の接近部2bに続き、金属帯板1の端部から垂直に伸びる電流路3a、電流路3aから金属帯板1の端部の下方に、該端部の端面に平行に伸びる電流路3b、電流路3bから金属帯板1の端部に垂直に、該端部の板面の下に伸びる電流路3c、電流路3cから、金属帯板1の端部の板面の下で、該端部に沿って伸びる電流路3d、電流路3dから、金属帯板1の端部の上方に伸びる電流路3e、電流路3eから、金属帯板1の端部の上方に、該端部の端面に平行に伸びる電流路3f、及び、電流路3fから他方の接近部2cに続く電流路3gで構成されている。
電流路の構成において、接近部2bに続く電流路3aと、接近部2cに続く電流路3gは、金属帯板1に板幅方向で垂直な同一面内に位置していてもよい。また、電流路3aと電流路3cを繋ぐ電流路3bと、電流路3eと電流路3gを繋ぐ電流路3fは、金属帯板1に長手方向で垂直な同一面内に位置していてもよい。
金属帯板の板幅方向端部に向かい互いに接近する2列の接近部を連結する導体で電流路を構成する際に重要なことは、上記2列の接近部に流れる電流とは逆の方向に電流が流れる電流路(図1中、電流路3d)を、金属帯板の板幅方向端部に沿い、該端部の板面に対向して形成することである。
本発明装置においては、2列の誘導コイルの端部を、金属帯板の板幅方向端部に向かい互いに接近させて(図1中、接近部2bと2c、参照)、誘導電流の電流密度と加熱時間を制御し、金属帯板の板幅方向端部における過加熱を抑制するが、金属帯板の板幅方向端部では、表皮効果により誘導電流が端部に寄り、金属帯板の中央部に比べ過加熱になる。
それ故、金属帯板の板幅方向端部に流れる電流を抑制するため、誘導コイル側の金属帯板の板幅方向端部で発生する誘導電流の方向とは逆向きの誘導電流が、金属帯板の板幅方向端部の誘導コイル側とは反対側の板面に生じるように、金属帯板の板幅方向端部に向かい互いに接近する2列の接近部を連結する導体を、金属帯板の板幅方向端部を周回させて、上記2列の導体の端部に流れる電流とは逆の方向に電流が流れる電流路を、金属帯板の板幅方向端部に沿い、該端部の板面に対向して形成する。
図2に、別の本発明装置の断面態様を示す。図2に示す本発明装置においては、誘導コイルの構成において、2列の軌条5が左右対称に配設され、誘導コイル2の2列の直線部2a及び直線部2dの、金属帯板の板幅方向の両側に、直方体形状の磁性体コア4が同数配置されている。
磁性体コア4は透磁率が高いため、誘導コイルで発生した磁束を集める作用をなし、磁束分布の制御により温度分布を制御できる他、磁束を集中させることで加熱効率を向上させることができるとともに、あまり効率を落とさずに、誘導コイルと金属帯板との距離を開けることができるようになり、形状不良の金属帯板を加熱する場合など、誘導コイルや、誘導コイルを保護する断熱材などとの接触が回避できるなど、重要な働きを持つ。
磁性体コア4の形状は、直方体形状を基本とするが、直方体形状に限定されない。磁性体コアが直方体形状の場合、長辺幅(金属帯板の板厚方向の長さ)、短辺幅(金属帯板の走行方向の長さ)、及び、厚さ(金属帯板の板面に垂直な方向の長さ)は、特定の範囲に限定されない。誘導コイルの形状や長さに基づいて適宜設定すればよい。
磁性体コア4を構成する強磁性体は、特定の材質の強磁性体に限定されない。強磁性体として、例えば、フェライト、積層した電磁鋼板、アモルファス合金等があるが、誘導加熱装置に付与する加熱能力に応じ、磁束が飽和しないように適宜選択設計すればよい。発熱の懸念がある場合には、水冷銅板などの冷却装置で磁性体コアを冷却するのが望ましい。
磁性体コア4の配置態様は、電磁場解析などにより、あらかじめ位置、断面積などを決めておき、実際に加熱をして最適な加熱ができるように適宜決定するが、磁性体コア4の配置数は、左右同数である必要はない。過熱状況、所望の温度分布に応じて適宜増減させれば良い。また、磁性体コア4の配置数は、金属帯板の走行中に適宜変えてもよい。
磁性体コア4の配置数(又は、磁性体コアの間隔)は、磁性体コアを配置する誘導コイルの長さ(図1、参照)や、磁性体コアの形状、さらに、金属帯板の温度分布に基づいて、所要の加熱効率を確保できるように設定する。
図3に、さらに別の本発明装置の断面態様を示す。図3に示す誘導コイル6は、図1に示す2列の誘導コイル2の直線部2a(2d)を中央で分離し、それぞれ(図中、直線部6a)を、中央で上昇する可動導体6dで置き換え、かつ、連結部6cを介し接近部6bに連結したものである。そして、2列の直線部6aを構成する可撓導体6dの背面には、可撓導体6dの伸縮に対応して伸縮する可撓軌条7が配設されている。
接近部6bには、金属帯板1の端部を周回する電流路6e及び電流路6f、及び、金属帯板1の板幅方向端部に沿い、該端部の板面に対向して位置し、接近部6bの端部に流れる電流とは逆の方向に電流が流れる電流路6gが連結されている。
図3に示す誘導コイルと磁性体コアの配置態様においては、金属帯板1の幅方向端部における過加熱を抑制できることに加え、金属帯板の大幅な板幅変更に即応して誘導コイルの板幅方向の幅を変更するとともに、磁性体コアの配置も適宜変更して、所望の加熱態様を確保することができる。
また、金属帯板が蛇行しても、金属帯板端部と誘導コイル、磁性体コアとが常に最適な位置関係を維持することができる。誘導コイル又は磁性体コアの駆動は、モーターなどにより、誘導コイル又は磁性体コアを軌条上で動かしたりすればよく、特にその方法は限定されない。
金属帯板の板幅方向の左右両側に配置する磁性体コアの数は、金属帯板の走行当初及び/又は走行中、必ずしも同数である必要はない。磁性体コアの配置数(又は、磁性体コアの間隔)は、磁性体コアを配置する誘導コイルの長さや、磁性体コアの形状、さらに、金属帯板の温度分布に基づいて、所要の加熱効率を確保できるように設定する。
なお、図3に示す磁性体コアの配置例では、金属帯板の中央部での磁束密度が低くなるが、渦電流は金属帯板の表面で生じ閉回路を形成するので、誘導加熱の点で支障はない。
図4に、別の本発明装置の断面態様例を模式的に示す。図5(a)に、金属帯板の板幅が狭い場合の断面態様を示し、図5(b)に、金属帯板の板幅が広い場合の断面態様を示す。
図4に示す本発明装置おいて、誘導コイル6は、2列の直線部6aが可撓導体6dで形成され、2列の直線部6aに連結部6cを介し、金属帯板1の端部に向かい接近する接近部6bが連結されている。
接近部6bには、金属帯板1の端部を周回する電流路6e及び電流路6f、及び、金属帯板1の板幅方向端部に沿い、該端部の板面に対向して位置し、接近部6bの端部に流れる電流とは逆の方向に電流が流れる電流路6gが連結されている。
通常、誘導加熱では、金属帯板の端部に磁束が集中して過加熱されるので、図4に示す本発明装置においては、金属帯板の端部の一方の板面に対向して、金属帯板の端部を回る主電流の誘導電流を低減する作用をなすため、この主電流の誘導電流を抑制するように、主誘導電流を発生させる誘導コイル面側とは反対の金属帯板端部側に、この主誘導電流とは逆向きの電流が発生するようにコイル面を形成し、金属帯板の端部における過加熱を抑制する。
この逆向き電流を発生させるコイルは、金属帯板端部を覆う面積や長さ、端部からの覆う範囲を所望の温度分布になるように調整すればよいが、誘導コイルを幅方向に自在に移動させる機構を持っていることから、温度分布を制御するように位置調整をすれば、より効果的に温度分布を制御することができる。
金属帯板の走行中、板幅が変更になった場合や、蛇行した場合でも、金属帯板の板幅変更に即応し、誘導コイルの板幅方向の幅を伸縮し、所要の加熱態様を維持することができる。
図5に、別の本発明装置の断面態様を示す。図5(a)は、金属帯板の板幅が狭い場合の断面態様を示し、図5(b)は、金属帯板の板幅が広い場合の断面態様を示す。
図6に示す本発明装置は、図5に示す本発明装置において、誘導コイル6の背面に、磁性体コア4を移送する軌条7を配設したものである。
金属帯板の走行中、板幅が変更になった場合、金属帯板の板幅変更に即応し、誘導コイルの板幅方向の幅を伸縮するとともに、可撓軌条も伸縮して、誘導コイルの背面に配置する磁性体コアの数を変更し、所要の加熱態様を維持することができる。
金属帯板の上部及び下部における磁性体コアの配置数は、金属帯板の走行当初及び/又は走行中、必ずしも同数である必要はない。磁性体コアの配置数(又は、磁性体コアの間隔)は、磁性体コアを配置する誘導コイルの長さや、磁性体コアの形状、さらに、金属帯板の温度分布に基づいて、所要の加熱効率を確保できるように設定する。
また、本発明装置においては、誘導コイルの2列の導体の少なくとも一方の端部を連結する導体が金属帯板の板幅方向端部を周回して形成する電流路の前後(金属帯板の長手方向の前後)に、金属帯板の板幅方向端部を覆う磁性体コアを、適宜の数、配置してもよい。この配置により、金属帯板の板幅方向端部における過加熱をより効果的に抑制することができる。
1 金属帯板
2 誘導コイル
2a、2d 直線部
2b、2c 接近部
3 導体
3a、3a’、3b 電流路
3c、3c’、3d 電流路
3e、3f、3g 電流路
4 磁性体コア
5 軌条
5a 移送手段
6 誘導コイル
6a 直線部
6b 接近部
6c 連結部
6d 可撓導体
6e、6f、6g 電流路
7 可撓軌条
7a 移送手段
t 磁性体コアの厚さ
l 磁性体コアの長辺幅
d 磁性体コアの間隔

Claims (4)

  1. 金属帯板の板幅方向に沿い、かつ、板幅方向端部に向かい互いに接近する、同一面内の2列の導体の少なくとも一方の端部を導体で連結して、長手方向に走行する金属帯板の同一板面に対向するコイル面を金属帯板進行方向に離して形成した誘導加熱装置において、
    上記2列の導体の少なくとも一方の端部を連結する導体が、金属帯板の板幅方向端部を周回して、上記2列の導体で発生する誘導電流の板端部に流れる電流の向きとは逆の方向に誘導電流が流れるように一次側の電流路を、金属帯板の板幅方向端部に沿い、該端部の板面に対向して形成している
    ことを特徴とする金属帯板の誘導加熱装置。
  2. 前記2列の導体の背面に、誘導コイルに沿って板幅方向に移動可能な磁性体コアを、誘導コイルとは独立に複数配置したことを特徴とする請求項1に記載の金属帯板の誘導加熱装置。
  3. 前記2列の導体の端部側以外が可撓導体であり、かつ、前記磁性体コアが可撓導体の伸縮に応じて移動可能であり、誘導コイルが金属帯板の板幅変更、蛇行に即応できることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属帯板の誘導加熱装置。
  4. 前記電流路の前後に、金属帯板の板幅方向端部を覆う磁性体コアを配置したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属帯板の誘導加熱装置。
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