JP2016056302A - 糖鎖を捕捉するための重合体および当該重合体で被覆された担体 - Google Patents

糖鎖を捕捉するための重合体および当該重合体で被覆された担体 Download PDF

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Abstract

【課題】簡便かつ低コストで作製することができる糖鎖固定用の担体の提供
【解決手段】式(1)で表されるユニット及び加水分解可能なアルコキシシリル基を有するユニットを含む重合体が基材に被覆されている糖鎖固定用の担体。

[Rは−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−、−COO−、−OCO−で中断されてもよいC1〜20の炭化水素鎖;RはH又はC1〜5の炭化水素鎖;R4は−NH−NH2又は−O−NH2;mはモノマーユニット数]
【選択図】なし

Description

本発明は、糖鎖を捕捉するため官能基を有するユニットと架橋可能な官能基を有するユニットを含む重合体、当該重合体の前駆体、およびそれらで被覆された担体に関する。また、本発明は、それらの製造方法に関する。
生化学分野において、近年、核酸、タンパク質に続く第三の鎖として糖鎖分子が注目されている。特に細胞の分化や癌化、免疫反応や受精などのかかわりが研究され、新たな医薬や医療材料を創製しようとする試みが続けられている。
また、糖鎖は多くの毒素、ウィルス及びバクテリアなどの受容体であり、また、癌のマーカーとしても注目されており、こちらの分野においても、同様に新たな医薬や医療材料を創製しようとする試みが続けられている。
このように糖鎖は、その研究の重要性を認識されてはいるが、その複雑な構造や多様性から、第一、第二の鎖である核酸、タンパク質に比較して研究の推進が著しく遅れているのが現状である。
こうした状況の下、糖鎖分析の効率化を図るために、糖鎖のアルデヒド基と特異的に反応する官能基(例えば、ヒドラジド基やアミノオキシ基)を持つポリマービーズを利用して糖鎖試料を調製する方法が報告されている(特許文献1)。
このポリマービーズにより、生物学的試料から効率的に糖鎖試料を調製することが可能であるが、コスト低減等を図るためにはさらなる工程の簡略化が望まれる。
国際公開第2008/018170号
本発明は、上記従来技術が有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡便かつ低コストで作製することができる糖鎖固定用の担体を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、糖鎖を捕捉するための官能基を有するユニットとシラノール基を生成することが可能な官能基を有するユニットを含む以下に示す構造を有する重合体で担体を被覆することにより、糖鎖固定用の担体を簡便かつ低コストで製造できること、そして、重合体を被覆する担体として、モノリスシリカを初めとするシリカ系担体が特に好適であることを見出した。
すなわち、本発明は、糖鎖を捕捉するため官能基を有するユニットとシラノール基を生成することが可能な官能基を有するユニットを含む特定の構造の重合体、当該重合体の前駆体、それらで被覆された担体、およびそれらの製造方法に関するものであり、より詳しくは、以下の発明を提供するものである。
[1] 下記式(1)で表されるユニットおよび下記式(2)で表されるユニットを含む重合体。
[式中、Rは、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−、−COO−、−OCO−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖を示し、Rは、H、CH又は炭素数2〜5の炭化水素鎖を示し、R4は−NH−NH2または−O−NH2を示す。mは、モノマーユニット数を表す。]
[式中、R3は水素原子またはメチル基を示し、Zは炭素数1〜20のアルキレン基を示す。A1、A2、A3の内、少なくとも1個は加水分解可能なアルコキシ基または水酸基(いずれの基も他の基と脱水縮合していてもよい)であり、その他はアルキル基を示す。nは、モノマーユニット数を表す。]
[2] 下記式(3)で表されるユニットおよび下記式(2)で表されるユニットを含む重合体。
[式中、Rは、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−、−COO−、−OCO−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖を示し、Rは、H、CH又は炭素数2〜5の炭化水素鎖を示す。mは、モノマーユニット数を表す。]
[式中、R3は水素原子またはメチル基を示し、Zは炭素数1〜20のアルキレン基を示す。A1、A2、A3の内、少なくとも1個は加水分解可能なアルコキシ基または水酸基(いずれの基も他の基と脱水縮合していてもよい)であり、その他はアルキル基を示す。nは、モノマーユニット数を表す。]
[3] 下記式(4)で表されるモノマーと下記式(5)で表されるモノマーを重合させて得られる、[2]に記載の重合体。
[式中、Rは、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−、−COO−、−OCO−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖を示し、Rは、H、CH又は炭素数2〜5の炭化水素鎖を示す。]
[式中、R3は水素原子またはメチル基を示し、Zは炭素数1〜20のアルキレン基を示す。A1、A2、A3の内、少なくとも1個は加水分解可能なアルコキシ基であり、その他はアルキル基を示す。]
[4] 式(4)で表されるモノマーのR1が下記式(6)または(7)で表される構造を有する、[3]に記載の重合体。
[式中、a及びbは、1〜5の整数を表す。]
[式中、cは、1〜10の整数を表し、dは、1〜5の整数を表す。]
[5] 式(4)で表されるモノマーが、下記式(8)で表されるモノマーである、[3]に記載の重合体。
[6] 式(5)で表されるモノマーが、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、および3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシランからなる群より選択されるモノマーである、[1]から[5]のいずれかに記載の重合体。
[7] 下記式(9)で表されるユニットおよび下記式(2)で表されるユニットを含む重合体。
[式中、Rは、H、CH又は炭素数2〜5の炭化水素鎖を示し、R5は−R1−NH−NH−[P]または−CO−NH−R1−NH−CO−CH2−O−NH−[P]を示し、ここでRは、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−、−COO−、−OCO−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖を示す。mは、モノマーユニット数を表す。]
[式中、R3は水素原子またはメチル基を示し、Zは炭素数1〜20のアルキレン基を示す。A1、A2、A3の内、少なくとも1個は加水分解可能なアルコキシ基または水酸基(いずれの基も他の基と脱水縮合していてもよい)であり、その他はアルキル基を示す。nは、モノマーユニット数を表す。]
[8] 下記式(10)または(11)で表されるモノマーと下記式(5)で表されるモノマーを重合させて得られる、[7]に記載の重合体。
[式中、Rは、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−、−COO−、−OCO−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖を示し、Rは、H、CH又は炭素数2〜5の炭化水素鎖を示し、[P]は、保護基を示す。]
[式中、Rは、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−、−COO−、−OCO−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖を示し、Rは、H、CH又は炭素数2〜5の炭化水素鎖を示し、[P]は、保護基を示す。]
[式中、R3は水素原子またはメチル基を示し、Zは炭素数1〜20のアルキレン基を示す。A1、A2、A3の内、少なくとも1個は加水分解可能なアルコキシ基であり、その他はアルキル基を示す。]
[9] 式(10)または(11)で表されるモノマーが、下記式(12)または(13)で表されるモノマーである、[8]に記載の重合体。
[式中、[P]は、保護基を示す。]
[式中、[P]は、保護基を示す。]
[10] 式(5)で表されるモノマーが、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、および3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシランからなる群より選択されるモノマーである、[8]または[9]に記載の重合体。
[11] [2]から[10]のいずれかに記載の重合体を前駆体とする、[1]に記載の重合体。
[12] [2]から[6]のいずれかに記載の重合体をヒドラジンにより処理する、[1]に記載の重合体の製造方法。
[13] [7]から[10]のいずれかに記載の重合体の保護基を脱離する、[1]に記載の重合体の製造方法。
[14] 前記保護基の脱離が酸処理により行われる、[13]に記載の製造方法。
[15] [1]に記載の重合体が基材に被覆されている糖鎖固定用の担体。
[16] [2]から[6]のいずれかに記載の重合体が基材に被覆されている担体。
[17] [7]から[10]のいずれかに記載の重合体が基材に被覆されている担体。
[18] 基材がモノリスシリカである、[15]から[17]のいずれかに記載の担体。
[19] [16]または[17]に記載の担体を前駆体とする、[15]に記載の糖鎖固定用の担体。
[20] [16]の担体をヒドラジン処理する、[15]に記載の担体の製造方法。
[21] [17]の担体の保護基を脱離する、[15]に記載の担体の製造方法。
[22] 前記保護基の脱離が酸処理により行われる、[21]に記載の製造方法。
本発明によれば、簡便かつ低コストで糖鎖固定用の担体を作製するとができる。また、こうして作製された糖鎖固定用の担体を利用すれば、その使用時に、カラムやウェル等の容器に簡便に固定化することができる。
本発明の重合体で被覆した担体による糖鎖の捕捉を検出した結果を示すLCクロマトグラムの図である。
本発明は、糖鎖を捕捉するため官能基を有するユニットとシラノール基を生成することが可能な官能基を有するユニットを含む重合体を提供する。本発明の重合体は、具体的には、下記式(1)で表されるユニットおよび下記式(2)で表されるユニットを含む重合体である。
[式中、Rは、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−、−COO−、−OCO−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖を示し、Rは、H、CH又は炭素数2〜5の炭化水素鎖を示し、R4は−NH−NH2または−O−NH2を示す。mは、モノマーユニット数を表す。]
[式中、R3は水素原子またはメチル基を示し、Zは炭素数1〜20のアルキレン基を示す。A1、A2、A3の内、少なくとも1個は加水分解可能なアルコキシ基または水酸基(いずれの基も他の基と脱水縮合していてもよい)であり、その他はアルキル基を示す。nは、モノマーユニット数を表す。]
本発明の重合体に含まれる糖鎖を捕捉するための官能基を有するユニットの組成割合(ユニット全体に対するmの比率)は特に制限されるものではないが、10〜99.9mol%が好ましく、より好ましくは20〜99mol%、最も好ましくは40〜99mol%である。値が上記の範囲にあることで、糖鎖を十分に固定化することができ、かつシリカへの結合が十分に行われる。
また、本発明の重合体に含まれるシラノール基を生成することが可能な官能基を有するユニットの組成割合(ユニット全体に対するnの比率)は特に制限されるものではないが、0.1〜20mol%が好ましく、より好ましくは0.5〜10mol%、最も好ましくは1〜10mol%である。値が上記の範囲にあることで、保存性が良くなり、かつシリカへの結合が十分に行われる。
−ヒドラジン処理用重合体前駆体−
本発明の重合体は、次の前駆体を処理することにより作製することができる。当該前駆体の一つの態様は、下記式(3)で表されるユニットおよび下記式(2)で表されるユニットを含む重合体である。当該前駆体をヒドラジン処理することにより、式(3)で表されるユニットの側鎖の末端に、糖鎖を捕捉するための官能基としてヒドラジド基を導入することができる(この前駆体を「ヒドラジン処理用重合体前駆体」と称する)。
[式中、Rは、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−、−COO−、−OCO−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖を示し、Rは、H、CH又は炭素数2〜5の炭化水素鎖を示す。mは、モノマーユニット数を表す。]
[式中、R3は水素原子またはメチル基を示し、Zは炭素数1〜20のアルキレン基を示す。A1、A2、A3の内、少なくとも1個は加水分解可能なアルコキシ基または水酸基(いずれの基も他の基と脱水縮合していてもよい)であり、その他はアルキル基を示す。nは、モノマーユニット数を表す。]
本発明のヒドラジン処理用重合体前駆体における上記式(3)で表されるユニットを形成させるために好適に用いられるモノマーの一つの態様は、式(4)で表されるモノマーである。
[式中、Rは、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−、−COO−、−OCO−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖を示し、Rは、H、CH又は炭素数2〜5の炭化水素鎖を示す。]
の好適な構造としては、例えば、式(6)または(7)で表される構造が挙げることができる。
[式中、a及びbは、1〜5の整数を表す。]
[式中、cは、1〜10の整数を表し、dは、1〜5の整数を表す。]
このようなスペーサーがあることにより、糖鎖を捕捉するための官能基が主鎖部分から離れるため、糖鎖が固定化されやすくなる。さらにスペーサーにアルキレングリコール残基が含まれている場合は、非特異的吸着を抑制することができる。アルキレングリコール残基の炭素数は制限されるものではないが、炭素数2のエチレングリコール残基が最も好ましい。
上記式(4)で表されるモノマーは、特に好ましくは、式(8)で表されるモノマーである。
本発明のヒドラジン処理用重合体前駆体における上記式(2)で表されるユニットを形成させるために好適に用いられるモノマーの一つの態様は、式(5)で表されるモノマーである。
[式中、R3は水素原子またはメチル基を示し、Zは炭素数1〜20のアルキレン基を示す。A1、A2、A3の内、少なくとも1個は加水分解可能なアルコキシ基であり、その他はアルキル基を示す。]
末端のアルコキシシリル基は、加水分解によりシラノール基を生成する。このため、架橋させる際に架橋剤は不要であり、架橋処理が容易であるという特徴を有する。
アルコキシシリル基を有するモノマーとしては、例えば、3−(メタ)アクリロキシプロペニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルビス(トリメチルシロキシ)メチルシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラン、8−(メタ)アクリロキシオクタニルトリメトキシシラン、11−(メタ)アクリロキシウンデニルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリロキシアルキルシラン化合物等を挙げることができる。なかでも3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシランが、糖鎖を捕捉するため官能基を有するユニットを形成させるための上記モノマーとの共重合性が優れている点、入手が容易である点等から好ましい。これらのアルコキシシリル基を有するモノマーは、単独または2種以上の組み合わせで用いられる。
−脱保護用重合体前駆体−
本発明の重合体を作製するために用いられる前駆体の他の一つの態様は、下記式(9)で表されるユニットおよび下記式(2)で表されるユニットを含む重合体である。当該前駆体の保護基を脱保護処理することにより、式(9)で表されるユニットの側鎖の末端に、糖鎖を捕捉するための官能基としてヒドラジド基またはオキシルアミノ基を導入することができる(この前駆体を「脱保護用重合体前駆体」と称する)。
[式中、Rは、H、CH又は炭素数2〜5の炭化水素鎖を示し、R5は−R1−NH−NH−[P]または−CO−NH−R1−NH−CO−CH2−O−NH−[P]を示し、ここでRは、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−、−COO−、−OCO−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖を示す。mは、モノマーユニット数を表す。]
[式中、R3は水素原子またはメチル基を示し、Zは炭素数1〜20のアルキレン基を示す。A1、A2、A3の内、少なくとも1個は加水分解可能なアルコキシ基または水酸基(いずれの基も他の基と脱水縮合していてもよい)であり、その他はアルキル基を示す。nは、モノマーユニット数を表す。]
本発明の脱保護用重合体前駆体における上記式(9)で表されるユニットを形成させるために好適に用いられるモノマーの一つの態様は、式(10)または(11)で表されるモノマーである。
[式中、Rは、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−、−COO−、−OCO−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖を示し、Rは、H、CH又は炭素数2〜5の炭化水素鎖を示し、[P]は、保護基を示す。]
[式中、Rは、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−、−COO−、−OCO−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖を示し、Rは、H、CH又は炭素数2〜5の炭化水素鎖を示し、[P]は、保護基を示す。]
上記式(10)または(11)で表されるモノマーの好適な例は、式(12)または(13)で表される構造を有するモノマーである。
[式中、[P]は、保護基を示す。]
[式中、[P]は、保護基を示す。]
保護基[P]としては、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基(Fmoc)、tert-ブトキシカルボニル基(Boc)、ベンジルオキシカルボニル基(Cbz)、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基(Troc)、アリルオキシカルボニル基(Alloc)、4−メトキシトリチル基(Mmt)、アミノ基、炭素数3から20個のアルキル基、9−フルオレンアセチル基、1−フルオレンカルボン酸基、9−フルオレンカルボン酸基、9−フルオレノン−1−カルボン酸基、ベンジルオキシカルボニル基、キサンチル基(Xan)、トリチル基(Trt)、4−メチルトリチル基(Mtt)、4−メトキシ2,3,6−トリメチル−ベンゼンスルホニル基(Mtr)、メシチレン−2−スルホニル基(Mts)、4,4−ジメトキシベンゾヒドリル基(Mbh)、トシル基(Tos)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル基(Pmc)、4−メチルベンジル基(MeBzl)、4−メトキシベンジル基(MeOBzl)、ベンジルオキシ基(BzlO)、ベンジル基(Bzl)、ベンゾイル基(Bz)、3−ニトロ−2−ピリジンスルフェニル基(Npys)、1−(4,4−ジメチル−2,6−ジアキソシクロヘキシリデン)エチル基(Dde)、2,6−ジクロロベンジル基(2,6−DiCl−Bzl)、2−クロロベンジルオキシカルボニル基(2−Cl−Z)、2−ブロモベンジルオキシカルボニル基(2−Br−Z)、ベンジルオキシメチル基(Bom)、シクロヘキシルオキシ基(cHxO)、t−ブトキシメチル基(Bum)、t−ブトキシ基(tBuO)、t−ブチル基(tBu)、アセチル基(Ac)、トリフルオロアセチル基(TFA)o−ブロモベンジルオキシカルボニル基、t−ブチルジメチルシリル基、2−クロロベンジル(Cl−z)基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、イソプロピル基、ピバリル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、トリメチルシリル基等が挙げられる。
特に好ましいモノマーとしては、式(14)で表される構造を有するモノマーが挙げられる。
本発明の脱保護用重合体前駆体における上記式(2)で表されるユニットを形成させるために好適に用いられるモノマーは、上記本発明のヒドラジン処理用重合体前駆体の場合と同様である。
本発明の脱保護用重合体前駆体における脱保護は、保護基の種類に応じた公知の方法で行うことができる。脱保護の方法としては、例えば、酸処理が挙げられる。酸としては、トリフルオロ酢酸、塩酸、塩酸−ジオキサン溶液、塩酸−酢酸エチル溶液など強酸が好ましい。脱保護のタイミングは任意であるが、より活性の高い状態で糖鎖と反応させる方が有利であることから、それらとの反応の直前に行うのが好ましい。
なお、本発明の重合体やその前駆体を構成するユニットとしては、上記の糖鎖を捕捉するため官能基を有するユニットおよび上記のシラノール基を生成することが可能な官能基を有するユニット以外に、さらなるユニットが含まれていてもよい。従って、本発明の重合体やその前駆体の合成においては、上記のモノマーに加えて、さらなるモノマーを使用してもよい。
本発明の重合体やその前駆体の合成方法は、特に限定されるものではないが、合成の容易さから、各モノマーを含む混合物を、重合開始剤存在下、溶媒中でラジカル重合することが好ましい。
溶媒としては各モノマーが溶解するものであればよく、例えば、メタノール、エタノール、t−ブチルアルコール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、メチルエチルケトン、アセトン等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独または2種以上の組み合わせで用いられる。
重合開始剤としては、通常のラジカル開始剤ならいずれでもよく、例えば、2,2’−アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル等の有機過酸化物等を挙げることができる。
本発明の重合体やその前駆体の化学構造は、各モノマーが共重合されたものであれば、その結合方式がランダム、ブロック、グラフト等いずれの形態をなしていてもかまわない。
本発明の重合体の分子量は、重合体と未反応のモノマーとの分離精製が容易になることから、数平均分子量は5000以上が好ましく、10000以上がより好ましい。
本発明の重合体で担体表面を被覆することにより、該担体に糖鎖を固定化できる性質を容易に付与することが可能である。さらに、本発明の重合体やその前駆体は高分子鎖同士を架橋させる性質を併せ持つことから、担体表面を被覆した後に、担体と化学的に架橋することに加えて重合体同士で架橋することが可能である。これにより、担体上の重合体やその前駆体に不溶性を付与することができ、担体洗浄による流出を低減することができる。
担体表面への重合体やその前駆体の被覆は、化学結合によるものであっても、物理吸着によるものであってもよい。被覆は、例えば有機溶剤に重合体やその前駆体を0.05〜10重量%濃度になるように溶解した溶液を調製し、スピンコート、浸漬、吹きつけ等の公知の方法で担体表面に塗布した後、室温下ないしは加温下にて乾燥させることにより行うことができる。本発明においては、架橋可能な官能基として、加水分解によりシラノール基を生成する官能基を用いることから、重合体やその前駆体による担体の被覆においては、有機溶剤中に水を含有させた混合溶液を用いてもよい。含有される水により、当該官能基において加水分解が生じ、シラノール基が生成する。これをさらに加熱することにより、高分子鎖同士が結合され、重合体やその前駆体が不溶になる。
含水量が少ないとシラノール基の生成が不十分で、架橋結合が弱くなる。一方、含水量が多くなると重合体やその前駆体が溶媒に不溶となる恐れがある。理論上加水分解によりシラノール基を生成するのに必要な水が含有されていれば十分であるが、溶液の調製の容易さを考えると、含水量は約0.01〜15重量%程度であることが好ましい。
有機溶剤としては、例えば、エタノール、メタノール、t−ブチルアルコール、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、アセトン、メチルエチルケトン等の単独溶媒またはこれらの混合溶剤が使用される。中でも、エタノール、メタノールは、溶液中で前記官能基を加水分解させる場合に、水と任意の割合で混ざる点で好ましい。
本発明の重合体やその前駆体を溶解した溶液を担体表面に塗布した後、乾燥させる工程において、重合体やその前駆体中のシラノール基は、他の高分子物質中のシラノール基、水酸基、アミノ基等と脱水縮合して架橋を形成する。さらに担体表面に水酸基、カルボニル基、アミノ基などがある場合も同様に脱水縮合し、担体表面と化学的に結合することができる。
シラノール基の脱水縮合により形成される共有結合は加水分解されにくい性質があるので、担体表面に被覆された重合体やその前駆体は容易に溶解したり、担体から脱離してしまうことはない。シラノール基の脱水縮合は加熱処理により促進される。重合体やその前駆体が熱により変成されない温度範囲内、例えば、60〜120℃で5分間〜100時間加熱処理するのが好ましい。
本発明のヒドラジン処理用重合体前駆体で被覆された担体(この担体を「ヒドラジン処理用担体前駆体」と称する)は、ヒドラジン処理することにより、当該担体上の上記式(3)で表されるユニットの側鎖の末端に、糖鎖を捕捉するための官能基としてヒドラジド基を導入することができる。また、本発明の脱保護用重合体前駆体で被覆された担体(この担体を「脱保護用担体前駆体」と称する)は、その保護基を脱保護処理することにより、当該担当上の上記式(9)で表されるユニットの側鎖の末端に、糖鎖を捕捉するための官能基としてヒドラジド基またはオキシルアミノ基を導入することができる。
本発明の糖鎖固定用担体の基材としては、シリカ等の無機物質、プラスチック、金属その他を用いることができるが、シラノール基が結合できるという点からシリカが好ましく、重合体を被覆した後も十分に空隙が存在しうるという点でモノリスシリカが特に好ましい。
本発明の糖鎖固定用担体を使用して各種の糖鎖(糖鎖含有物質を含む)を固定化することができる。固定化の対象は、単糖、2糖以上の糖鎖、糖アミノ酸、糖ペプチド、糖タンパク質、糖脂質、グリコサミノグリカン、グリコシルホスファチジルイノシトール、ペプチドグリカン、リポ多糖、及びそれらの誘導体などが挙げられる。還元末端を有する糖鎖をpH4.0〜6.0の緩衝液中に溶解し、担体上でその溶液を室温〜100℃、10分〜24時間静置することで、糖鎖を担体上のヒドラジド基またはアミノオキシ基に固定できる。
こうして得られた糖鎖を各種分析方法により分析することで、前記記載のとおり毒素、ウィルス及びバクテリアなどの受容体、癌のマーカーの分析等に使用することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
[ヒドラジン処理用重合体前駆体における上記式(3)で表されるユニットを形成させるために用いられるモノマーの合成]
以下のスキームで重合性基を含むカルボン酸エステルモノマーである化合物(e)を合成した。
無水メタクリル酸(MAH:5g、0.03mol)を100mLのクロロホルムに溶解させた溶液を、25gの(エチレンジオキシ)ビス(エチルアミン)(EDBEA:25g,0.17mol)を100mLのクロロホルムに溶解させた溶液に氷浴上で滴下投入した。そこへ窒素を封入し、終夜撹拌させた。得られた反応溶液から溶媒を蒸発させて得た残留物を、シリカゲルカラム(展開溶媒:クロロホルム90容/メタノール10容の混合溶媒)にかけて所定のフラクションを分取して、このフラクションから溶媒を蒸発させて中間生成物(c)を得た。この中間生成物(c)5g(0.023mol)を100mLのクロロホルムに溶解させた溶液に、1.5当量のコハク酸モノメチル及び1.5当量の水溶性カルボジイミド化合物(WSC)である1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドを加えて、密栓した。そこへ窒素を封入し、終夜撹拌させた。得られた反応溶液から溶媒を蒸発させて得た残留物を、シリカゲルカラム(展開溶媒:クロロホルム90容/メタノール10容の混合溶媒)にかけて所定のフラクションを分取して、このフラクションから溶媒を蒸発させて重合性基を含むカルボン酸エステルモノマー(e)を得た。また、得られた化合物(e)は、NMR、マトリックス支援レーザイオン化−飛行時間型質量分析器(MALDI−TOF−MS)により目的物であることを確認した。
化合物(e)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランをそれぞれ順に0.95mol/L、0.05mol/Lになるように脱水エタノールに溶解させ、モノマー混合溶液を作製した。そこにさらに0.02mol/Lになるように2,2’−アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)を添加し、均一になるまで撹拌した。その後、アルゴンガス雰囲気下、60℃で6時間反応させ、ヒドラジン処理用重合体前駆体を含む溶液を得た。
[重合体で被覆されたシリカの製造]
上記のように作製した重合体溶液を用いて、以下のスキームで重合体被覆シリカの製造を行った。
100μLの上記で示した重合体溶液を、モノリスシリカを固定化したチューブにしみこませ、卓上遠心機を用いて遠心し、スピンコートを行った。その後、100℃のヒートブロックに挿入し、1時間加熱することで重合体被覆シリカを作製した。
[ヒドラジド基を導入した担体の製造]
以下のスキームでヒドラジド基を導入した担体の製造を行った。
上記の要領で作製した重合体被覆モノリスシリカに、50μLの抱水ヒドラジンを染み込ませ、室温で1時間静置した。その後、5mLの2%酢酸水溶液を添加し遠心することで洗浄を行い。ヒドラジド基が導入されたモノリスシリカを作製した。
[ヒドラジド基を導入した担体を用いた糖鎖の捕捉]
以下のスキームで、ヒドラジド基を導入した担体を用いて糖鎖が捕捉できることを確認した。
ヒドラジド基が導入されたモノリスシリカを固定化したチューブ(以下「反応用チューブ」と称する)に20μL遊離糖鎖溶液(ヒトIgGより調製)を添加し、さらに2%酢酸/アセトニトリル(180μL)を添加し、80℃のヒートブロックに挿入し、1時間加熱した。反応終了後、反応用チューブを2mLエッペンドルフチューブに挿入し、反応用チューブに2Mグアニジン溶液(200μL)を加え、卓上遠心機で数秒間遠心した。この作業を3回繰り返したのち、エッペンドルフチューブに溜まった溶液を除去した。反応用チューブを純水(200μL)で3回洗浄し、続けて1%トリエチルアミン/メタノール(200μL)で3回洗浄し、最後にメタノール(200μL)で3回洗浄した。反応用チューブに100μLの10%無水酢酸/メタノール溶液を加え、室温で30分間反応。反応後、反応用チューブを再度2mLエッペンドルフチューブに挿入し、遠心して無水酢酸溶液を除去した。さらにメタノール(200μL)で3回洗浄、続けて10mM塩酸(200μL)で3回洗浄、最後に純水(200μL)で3回洗浄した。洗浄後、糖鎖の切り出し反応を行った。純水20μLおよび2%酢酸/アセトニトリル溶液180μLを加え、80℃で1時間反応させた。反応は開放系で行い、溶媒が完全に蒸発し粒子が乾固した状態であることを目視で確認した。その後、2−アミノベンズアミド(2−AB、和光純薬、574−92441)による標識を行った。2−ABおよびシアノ水素化ホウ素ナトリウムの終濃度がそれぞれ0.7M、1Mになるように30%酢酸/ジメチルスルホシキド(DMSO)混合溶媒に溶解させて調製した溶液50μLを添加し、60℃で2時間反応させた。反応溶液50μLを回収し、アセトニトリルで10倍に希釈した後、シリカカラムに添加してシリカゲルに標識糖鎖を吸着させた。アセトニトリルにてカラムを洗浄後、超純水50μLにて標識糖鎖(全糖鎖成分)を回収した。回収した標識糖鎖のLCを行った。LCの条件を表1に示す。
なお、表1のA液及びB液は、それぞれ移動相を構成する液体であり、これらA液とB液とを混合して移動相の極性を調整するようになっている。また、表1において、「B:a%(T分)→B:b%(T分)」という記載は、B溶液の濃度を、(T−T)分間で、a%からb%まで変化させたことを意味する。ただし、T,T,a,bはそれぞれ実数を表わす。また、表1において%は体積を基準とした百分率を表わす。回収した標識糖鎖のLCクロマトグラムを図1に示す。得られたピークパターンはヒトIgGからBlotGlycoキットを用いて回収・標識した糖鎖のピークパターンと同様であることから、糖鎖が捕捉されていることが確認できた。
実施例2
重合体溶液のコーティングを、モノリスシリカに対して重合体溶液30μLによる浸漬で行った以外は、実施例1と同様に製造と分析を行った。図1(条件2)に示すように、得られたピークパターンは、実施例1と同様、ヒトIgGからBlotGlycoキットを用いて回収・標識した糖鎖のピークパターンと同様であることから、糖鎖が捕捉されていることが確認できた。
比較例1
重合体溶液のコーティングを、細孔径100nm、直径40〜75μmのシリカ10mgに対して行った以外は、実施例1と同様に製造と分析を行った。図1(条件3)に示すように、得られたピークパターンは、実施例1、2で確認できたピークパターンではなかったため、糖鎖が捕捉されていることが確認できなかった。
比較例2
重合体溶液のコーティングを、細孔径100nm、直径100〜200μmのシリカ10mgに対して行った以外は、実施例1と同様に製造と分析を行った。図1(条件4)に示すように、得られたピークパターンは、実施例1、2で確認できたピークパターンではなかったため、糖鎖が捕捉されていることが確認できなかった。
比較例3
実施例1のモノリスシリカに、重合体溶液のコーティングを行わず、糖鎖捕捉、分析を行った。図1(条件5)に示すように、得られたピークパターンは、実施例1、2で確認できたピークパターンではなかったため、糖鎖が捕捉されていることが確認できなかった。
本発明によれば、糖鎖が固定化された担体を簡便かつ低コストで調製することが可能になる。本発明は、学術的な研究目的か産業応用かを問わず、広く糖鎖分析において貢献するものである。

Claims (22)

  1. 下記式(1)で表されるユニットおよび下記式(2)で表されるユニットを含む重合体。
    [式中、Rは、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−、−COO−、−OCO−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖を示し、Rは、H、CH又は炭素数2〜5の炭化水素鎖を示し、R4は−NH−NH2または−O−NH2を示す。mは、モノマーユニット数を表す。]
    [式中、R3は水素原子またはメチル基を示し、Zは炭素数1〜20のアルキレン基を示す。A1、A2、A3の内、少なくとも1個は加水分解可能なアルコキシ基または水酸基(いずれの基も他の基と脱水縮合していてもよい)であり、その他はアルキル基を示す。nは、モノマーユニット数を表す。]
  2. 下記式(3)で表されるユニットおよび下記式(2)で表されるユニットを含む重合体。
    [式中、Rは、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−、−COO−、−OCO−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖を示し、Rは、H、CH又は炭素数2〜5の炭化水素鎖を示す。mは、モノマーユニット数を表す。]
    [式中、R3は水素原子またはメチル基を示し、Zは炭素数1〜20のアルキレン基を示す。A1、A2、A3の内、少なくとも1個は加水分解可能なアルコキシ基または水酸基(いずれの基も他の基と脱水縮合していてもよい)であり、その他はアルキル基を示す。nは、モノマーユニット数を表す。]
  3. 下記式(4)で表されるモノマーと下記式(5)で表されるモノマーを重合させて得られる、請求項2に記載の重合体。
    [式中、Rは、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−、−COO−、−OCO−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖を示し、Rは、H、CH又は炭素数2〜5の炭化水素鎖を示す。]
    [式中、R3は水素原子またはメチル基を示し、Zは炭素数1〜20のアルキレン基を示す。A1、A2、A3の内、少なくとも1個は加水分解可能なアルコキシ基であり、その他はアルキル基を示す。]
  4. 式(4)で表されるモノマーのR1が下記式(6)または(7)で表される構造を有する、請求項3に記載の重合体。
    [式中、a及びbは、1〜5の整数を表す。]
    [式中、cは、1〜10の整数を表し、dは、1〜5の整数を表す。]
  5. 式(4)で表されるモノマーが、下記式(8)で表されるモノマーである、請求項3に記載の重合体。
  6. 式(5)で表されるモノマーが、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、および3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシランからなる群より選択されるモノマーである、請求項1から5のいずれかに記載の重合体。
  7. 下記式(9)で表されるユニットおよび下記式(2)で表されるユニットを含む重合体。
    [式中、Rは、H、CH又は炭素数2〜5の炭化水素鎖を示し、R5は−R1−NH−NH−[P]または−CO−NH−R1−NH−CO−CH2−O−NH−[P]を示し、ここでRは、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−、−COO−、−OCO−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖を示す。mは、モノマーユニット数を表す。]
    [式中、R3は水素原子またはメチル基を示し、Zは炭素数1〜20のアルキレン基を示す。A1、A2、A3の内、少なくとも1個は加水分解可能なアルコキシ基または水酸基(いずれの基も他の基と脱水縮合していてもよい)であり、その他はアルキル基を示す。nは、モノマーユニット数を表す。]
  8. 下記式(10)または(11)で表されるモノマーと下記式(5)で表されるモノマーを重合させて得られる、請求項7に記載の重合体。
    [式中、Rは、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−、−COO−、−OCO−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖を示し、Rは、H、CH又は炭素数2〜5の炭化水素鎖を示し、[P]は、保護基を示す。]
    [式中、Rは、−O−、−S−、−NH−、−CO−、−CONH−、−COO−、−OCO−で中断されてもよい炭素数1〜20の炭化水素鎖を示し、Rは、H、CH又は炭素数2〜5の炭化水素鎖を示し、[P]は、保護基を示す。]
    [式中、R3は水素原子またはメチル基を示し、Zは炭素数1〜20のアルキレン基を示す。A1、A2、A3の内、少なくとも1個は加水分解可能なアルコキシ基であり、その他はアルキル基を示す。]
  9. 式(10)または(11)で表されるモノマーが、下記式(12)または(13)で表されるモノマーである、請求項8に記載の重合体。
    [式中、[P]は、保護基を示す。]
    [式中、[P]は、保護基を示す。]
  10. 式(5)で表されるモノマーが、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルジメチルメトキシシラン、および3−メタクリロキシプロピルジメチルエトキシシランからなる群より選択されるモノマーである、請求項8または9に記載の重合体。
  11. 請求項2から10のいずれかに記載の重合体を前駆体とする、請求項1に記載の重合体。
  12. 請求項2から6のいずれかに記載の重合体をヒドラジンにより処理する、請求項1に記載の重合体の製造方法。
  13. 請求項7から10のいずれかに記載の重合体の保護基を脱離する、請求項1に記載の重合体の製造方法。
  14. 前記保護基の脱離が酸処理により行われる、請求項13に記載の製造方法。
  15. 請求項1に記載の重合体が基材に被覆されている糖鎖固定用の担体。
  16. 請求項2から6のいずれかに記載の重合体が基材に被覆されている担体。
  17. 請求項7から10のいずれかに記載の重合体が基材に被覆されている担体。
  18. 基材がモノリスシリカである、請求項15から17のいずれかに記載の担体。
  19. 請求項16または17に記載の担体を前駆体とする、請求項15に記載の糖鎖固定用の担体。
  20. 請求項16の担体をヒドラジン処理する、請求項15に記載の担体の製造方法。
  21. 請求項17の担体の保護基を脱離する、請求項15に記載の担体の製造方法。
  22. 前記保護基の脱離が酸処理により行われる、請求項21に記載の製造方法。
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