図1は、本発明の一形態に係るゲームシステム1が適用されたゲーム機2の全体図である。ゲーム機2は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗等の所定の施設に設置される。この種のゲーム機2は、アーケードゲーム機と呼ばれることがある。また、ゲーム機2は、メダルを利用するいわゆるメダルゲーム機である。ゲーム機2には、複数のステーションユニットSTが設けられている。図1の形態では、ゲーム機2には4つのステーションユニットSTが設けられ、隣り合う2つのステーションユニットSTの間には、2つのステーションユニットSTで共通して利用する第1モニタ11及び第2モニタ12が設けられている。第1モニタ11は、液晶ディスプレイ装置であり、プッシャーゲームのゲーム結果に応じて進行するビンゴゲームや、ビンゴゲームのゲーム結果に応じて実行されるジャックポットゲーム等が表示される。第2モニタ12には、ブック型のスクリーン12aと、スクリーン12aにゲーム画像を表示する不図示のプロジェクタとが設けられ、プッシャーゲームと関連付けられた各種の抽選ゲームが表示される。なお、図1に示されたゲーム機2は、適宜の部材が省略して記載されている。
図2はステーションユニットSTの拡大図である。各ステーションユニットSTは、1人のユーザを対象に構成されている。なお、各モニタ11、12を共有して利用するステーションユニットSTはゲームフィールドGFが同じ方向に面しているので、それらのステーションユニットSTでプレイするユーザは、各自のゲーム進行を確認しながらゲームをプレイすることができる。ステーションユニットSTは、メダルMを利用したいわゆるプッシャーゲーム、及びそのプッシャーゲームのゲーム結果に応じたビンゴゲームを実行する。各ステーションユニットSTには、ユーザがゲームを操作するための操作部3と、ユーザの操作に応じてゲームが進行するゲームフィールドGFとが設けられ、ゲームフィールドGFに投入されるメダルMの物理的移動を利用してゲームが進行する。なお、ゲームフィールドGFに投入されるメダルMは、ゲーム機2で内部循環するメダルMであり、ユーザが投入し、あるいはユーザに払い出されるメダル(以下、プレイ用メダルということがある。)とは異なる仕様である。詳細は後述する。
ステーションユニットSTの操作部3には、プレイ用メダルをゲーム機2に投入するメダル投入口21と、ゲームフィールドGFにメダルMを投入するための投入操作レバー22と、各種操作のための操作ボタン23と、ユーザのカード4を読み取るためのカードリーダ24と、ゲームフィールドGFのゲーム結果に応じてユーザにプレイ用メダルを払い出すメダル払出口25(図1参照)とが設けられている。メダル投入口21に投入されたプレイ用メダルは、図示しないメダル検出センサにて検出され、クレジットとして記憶部73に記憶される。投入操作レバー22を操作することにより、ユーザは、所有するクレジットの範囲でゲームフィールドGFにメダルMを投入することができる。
ステーションユニットSTには、メダルMが載置されるテーブル31と、テーブル31の上面に沿って前後に往復運動するプッシャーテーブル32と、プッシャーテーブル32上にメダルMを供給するメダル供給機構33と、テーブル31の前端に位置し、メダルMが落下する落下部34と、テーブル31の両側でメダルMが回収される回収部35と、回収部35に設けられてメダルMの親落ちを調整する親落ち調整機構36とが設けられている。テーブル31は、ゲームフィールドGFに固定され、プッシャーテーブル32が往復運動することによりプッシャーテーブル32上のメダルMやテーブル31上のメダルMが押し出されて移動する。プッシャーテーブル32は、不図示の駆動機構の動作に応じて往復運動する。ゲームフィールドGFは、メダルMによるゲームが進行する空間を意味し、テーブル31、プッシャーテーブル32、落下部34及び回収部35が含まれる。
メダルMは、識別情報が記録されたICチップ(不図示)を有する樹脂製のメダルである。メダルMには複数の属性が設けられている。一例として、投入操作レバー22の操作に応じてゲームフィールドGF上に供給される1クレジット価値が設定された青メダルM1と、2クレジット価値が設定された緑メダルM2と、3クレジット価値が設定された赤メダルM3と、ビンゴゲームのビンゴシート101の複数のマスにそれぞれ紐付けられたビンゴメダルM4とが設けられている。青メダルM1が落下部34に落下した場合には1クレジットがユーザに付与され、同様に緑メダルM2と赤メダルM3が落下部34に落下した場合にはそれぞれ2クレジット、3クレジットがユーザに付与される。各色メダルM1〜M3は、それぞれの色の透光性を有する樹脂で形成されている。各色メダルM1〜M3のICチップには、各色の識別情報が記録されている。また、ビンゴメダルM4は、黄色の透光性を有する樹脂で形成されている。なお、透光性を有する樹脂としては、透明な樹脂や半透明の樹脂が含まれ、光を通過させる性質を有する樹脂であれば足りる。
第1モニタ11には、各ステーションユニットST(図2の左側のステーションユニットSTを第1ステーションユニットST1、右側のステーションユニットSTを第2ステーションユニットST2と称し区別することがある。)で実行されるビンゴゲームのビンゴシート101A、101Bが表示される。各ビンゴシート101A、101Bは、4行4列の16マスを有し、各マス102には、1〜16のビンゴ数字が割り当てられている。一方、ビンゴメダルM4には、1〜16のビンゴ数字が割り当てられている。ビンゴメダルM4のICチップには、割り当てられたビンゴ数字の識別情報が記録され、ビンゴメダルM4の表面には、割り当てられたビンゴ数字が表示されている。その他、ビンゴメダルM4には、ビンゴ数字のルーレット抽選を実行する「抽選」及びユーザが希望するビンゴ数字を有効にする「指定」の識別情報が記録されたメダルがある。これらのビンゴメダルM4の表面には、各機能に対応する図柄が表示される。なお、本形態では、「抽選」のビンゴメダルM4には「★」マーク、「指定」のビンゴメダルM4には「*」マークを付して説明する。
図3は、メダル供給機構33の要部拡大図である。メダル供給機構33には、青メダルM1を貯留する青メダル貯留容器41と、緑メダルM2を貯留する緑メダル貯留容器42と、赤メダルM3を貯留する赤メダル貯留容器43と、ビンゴメダルM4を貯留するビンゴメダル貯留容器44と、ゲームフィールドGFに青メダルM1を投入するメダル投入ガイド45と、緑メダルM2、赤メダルM3及びビンゴメダルM4を共通して投入する共通投入ガイド46と、落下部34から落下したメダルMを回収するメダルホッパー47と、メダルホッパー47に貯留されているメダルMを上昇させる上昇リフトホッパー48a及び振り分けられないメダルMをメダルホッパー47に戻す下降リフトホッパー48bと、メダルMを各容器41〜44に振り分けるメダル振分機構49と、各容器41〜44に設けられ、所定条件に応じて各メダルM1〜M4をゲームフィールドGFに供給する送出機構50a〜50dと、青メダルM1以外の送出機構50b〜50dから払い出されたメダルM2〜M4を供給先のゲームフィールドGFに振り分ける下部振分機構51とが設けられている。
緑メダル貯留容器42、赤メダル貯留容器43及びビンゴメダル貯留容器44は、隣り合うステーションユニットSTと共用される(なお、共用するメダル貯留容器42〜44を共用メダル貯留容器42〜44と称し、区別することがある。)。また、青メダル貯留容器41は、各ステーションユニットSTに設けられる。各容器41〜44は、ゲームフィールドGFの上方に設置され、ゲームフィールドGFを視認するユーザから見えるようにメダルMを積み上げて貯留する。メダルMは配列して格納され、収容された順番が維持される。また、各容器41〜44は、透光性を有する樹脂で形成され、ゲームフィールドGFを視認するユーザからメダルMを平らに積み上げた状態が見えるように設けられている。メダルホッパー47、上昇リフトホッパー48a及び下降リフトホッパー48b、メダル振分機構49、送出機構50b〜50d、及び下部振分機構51も隣り合うステーションユニットSTと共用される。メダルホッパー47は、落下部34及び回収部35から落下した全ての種類のメダルM1〜M4を共通の空間で回収する。
メダル振分機構49には、上昇リフトホッパー48aによって上昇したメダルMの識別情報を読み取るICリーダ52と、ICリーダ52の読取結果に基づいて各容器41〜44にメダルMを振り分ける複数のブロッカー53a〜53dと、背面で隣り合うステーションユニットSTの青メダル貯留容器41に青メダルM1を振り分けるブロッカー53eとが設けられている。図4は、背面で隣り合うステーションユニットST間の各メダル貯留容器41〜44の配置を説明する図である。なお、手前側に位置する第2ステーションユニットST2の背面で隣り合うステーションユニットSTを第3ステーションユニットST3ということがある(図1参照)。上昇リフトホッパー48aにより案内されたメダルMは、ブロッカー53a〜53eが配置されたメダル振分路54を移動する。ブロッカー53a〜53eは、それぞれのブロッカー53a〜53eと連絡する容器41〜44への案内の可否を切り替える。
図5A及び図5Bは、ブロッカー53a〜53eの動作を説明する図である。図5Aはメダル通過状態のブロッカー53a、53eを示す図、図5Bはメダル振分け状態のブロッカー53a、53eを示す図である。なお、他のブロッカー53b〜53dも同様の構成である。以下では、ブロッカー53aで代表して説明する。ブロッカー53aには、メダルMの移動経路に出没するフラップ55a及びストッパー55bと、フラップ55a及びストッパー55bを出没動作させるソレノイド55cとが設けられている。また、メダル振分路54のブロッカー53aが設けられている位置には、切欠き54aが設けられている。メダル通過状態では、フラップ55aが上昇して切欠き54aを塞ぎ、メダルMの移動経路を形成する。一方で、ストッパー55bは、メダルMの移動経路に対して没し、メダルMの移動を遮らない。メダル振分け状態では、フラップ55aが下降して切欠き54aが現れ、メダルMの移動経路が変更される。ストッパー55bによりメダルMが切欠き54aを通過することを防止しつつ、メダルMは切欠き54aを落下し青メダル貯留容器41へと案内される。ソレノイド55cは、フラップ55a及びストッパー55bを一体的に動作させる。なお、ソレノイド55cは周知技術を利用してよい。
ICリーダ52の読取結果に基づいてブロッカー53a〜53eが動作し、該当する容器41〜44にメダルMを貯留する。青メダル貯留容器41が、上述したように各ステーションユニットSTに1つずつ設けられているので、ブロッカー53eは、背面で隣り合う第3ステーションユニットST3の青メダル貯留容器41にも青メダルM1を振り分ける。いずれの青メダル貯留容器41に振り分けるかは、交互に振り分けるようにしてもよいし、後述するメダル貯留データ79を参照し、貯留量が少ない青メダル貯留容器41を選択するようにしてもよい。
なお、ICリーダ52にて判別不能のメダルMは、ブロッカー53a〜53dを通過し、イレギュラー用の下降リフトホッパー48bへ案内される。下降リフトホッパー48bに案内されたメダルMは、再度メダルホッパー47に戻る。また、メダル貯留データ79を参照し、各貯留容器41〜44の貯留量が最大貯留枚数である場合も当該貯留容器41〜44に振り分けずにメダルMを下降リフトホッパー48bに案内する。予め記憶部73には、各貯留容器41〜44の最大貯留枚数が記憶されている。なお、ICリーダ52にて判別不能な場合等の他に、ジャックポット時等のゲームを盛り上げる演出として、メダルホッパー47、上昇リフトホッパー48a、下降リフトホッパー48bを使ってメダルMを循環させることも可能である。
メダル供給機構33の共用メダル貯留容器42〜44のそれぞれの上部には、LEDユニット56が設けられている。各LEDユニット56は、それぞれの共用メダル貯留容器42〜44内のメダルM2〜M4を照明する。透光性を有する各共用メダル貯留容器42〜44内で透光性を有するメダルM2〜M4を光らせるので、メダルM2〜M4自体が光るような演出をすることができる。また、ユーザにメダルM2〜M4が積み上げられている様子を視認させることができる。したがって、メダルM2〜M4を光らせることでゲームを盛り上げる演出ができる。また、メダル供給機構33の共用メダル貯留容器42〜44の前面には、演出板57が設けられている。演出板57は、透光性を有する樹脂で形成され、下部にLEDユニット57aが設けられている。LEDユニット57aは、演出板57を下方から照明する。図6は、演出板57の正面図である。演出板57には、複数の切込み57bが設けられている。LEDユニット57aからの照明光は切込み57bで発光する。これにより、各共用メダル貯留容器42〜44に対してより多彩な光による演出が可能となる。
図7は、青メダル貯留容器41の拡大図である。青メダル貯留容器41の底部には、平らに積み上げられた青メダルM1を1枚ずつゲームフィールドGF上に送出する送出機構50aが設けられている。青メダル貯留容器41の背面には、青メダル貯留容器41の青メダルM1の積上げ方向に沿って配置されたLEDユニット59と、LEDユニット59の照明光を拡散する光拡散部材60とが設けられている。光拡散部材60として周知の拡散フィルムが用いてよい。また、青メダル貯留容器41の前面には、演出板61が設けられている。演出板61は、透光性を有する樹脂板で、表面に模様やキャラクタ等の絵柄が表示されている。青メダル貯留容器41は、光拡散部材60と演出板61とで周囲を囲まれている。青メダル貯留容器41の送出機構50aや上部のメダル受入機構等の構造を演出板61でユーザから隠すことができる。LEDユニット59には、青色に発光する複数のLED59aがLED基板59bに配置されている(図4参照)。光拡散部材60により照明光が拡散し、青メダル貯留容器41と演出板61とを光らせる演出がされる。また、青メダルM1が透光性を有する樹脂で形成されているので、青メダルM1自体が光っているような演出をすることができる。
図8は、送出機構50aの斜視図である。なお、図6の送出機構50aは、青メダル貯留容器41に設けられた送出機構50aを示しているが、共用メダル貯留容器42〜44に設けられる送出機構50b〜50dも同様の構成である。以下、代表して青メダル貯留容器41の送出機構50aで説明する。送出機構50aには、回転するロータリーディスク62と、ロータリーディスク62の回転をガイドするガイド部材63と、ロータリーディスク62を回転駆動するモータ64と、ロータリーディスク62から送出された青メダルM1をメダル投入ガイド45に案内するメダル送出口65とが設けられている。ロータリーディスク62は円盤形状で、その中央でモータ64の動力を伝達する回転軸66と固定されている。ロータリーディスク62は、周方向に等間隔に3つのメダル送出孔62aを有している。各メダル送出孔62aには、回転方向に対して後退したメダル押出し面62bが設けられている。ガイド部材63には、円形のガイド穴63aが設けられ、ロータリーディスク62がはめ込まれる。ガイド部材63のガイド穴63aの底面には、青メダルM1を案内するガイド板63bが設置される。各メダル送出孔62aには青メダルM1が入り込み、ガイド穴63aの底面と接触する青メダルM1が、メダル押出し面62bに押されながら回転方向に移動しつつガイド板63bによりメダル送出口65へと案内される。各メダル送出孔62aが1枚ずつメダルM1をメダル送出口65に案内する。
投入操作レバー22の操作に基づいて送出機構50aが動作すると、メダル投入ガイド45を介して青メダルM1がゲームフィールドGF上に供給される。メダル投入ガイド45は、操作部3の操作に応じて投入方向が変更される。青メダルM1以外の貯留容器42〜44は、隣り合うステーションユニットSTと共通して設けられているので、メダルM2〜M4が払い出されると、下部振分機構51が動作し、いずれかのステーションユニットSTにメダルMが振り分けられる。
図9A及び図9Bは、下部振分機構51の動作を説明する図である。図9Aは第2ステーションユニットST2にメダルM2〜M4を供給する状態を示し、図9Bは第3ステーションユニットST3にメダルM2〜M4を供給する状態を示す。下部振分機構51には、共用メダル貯留容器42〜44から送出されたメダルM2〜M4を案内するガイド部材67aと、メダルM2〜M4を振り分けるフラップ67bと、フラップ67bを振分動作させるソレノイド67cとが設けられている。ゲーム進行に応じてソレノイド67cが動作し、ガイド部材67aから落下するメダルMは、いずれかのステーションユニットST2、ST3の共通投入ガイド46に振り分けられる。
落下部34には、落下したメダルMの識別情報を読み取るICリーダ37が設けられている。色メダルM1〜M3が落下した場合には、色に応じたクレジットをユーザに付与する。ビンゴメダルM4が落下すると、落下したビンゴメダルM4に応じてビンゴゲームを進行させる。
図2に戻り、親落ち調整機構36を説明する。親落ち調整機構36は、テーブル31の両側で落下してユーザにクレジットを付与せずにメダルホッパー47に回収されるいわゆる「親落ち」とよばれるメダルMの量を調整する機構である。親落ち調整機構36には、テーブル31の両側に配置された一対の可動部材68と、可動部材68を駆動する駆動機構(不図示)と、駆動機構を制御するために可動部材68の位置を検出する複数の位置検出センサ(不図示)とが設けられている。可動部材68は、3つの位置の間で可動し、回収部35に落下するメダルMの量を調整する。可動部材68は、テーブル31の両側から落下したメダルMを親落ちメダルとして回収する親落ち位置と、テーブル31の両側から落下したメダルMを落下部34に案内するユーザ回収位置と、テーブル31の両側から突出してメダルMの親落ちを防止する親落ち防止位置との間で変位する。可動部材68の上面には、落下したメダルMを案内する案内面が形成されている。可動部材68は、案内面の角度を変更することで親落ち位置と、ユーザ回収位置と、親落ち防止位置との間を変位する。ユーザ回収位置に位置する可動部材68は、案内面を介してメダルMを落下部34に案内する。
図2を参照して、ゲームフィールドGFでのメダルMの流れの概略を説明する。ユーザは、貸与されるプレイ用メダルの枚数に応じてゲーム機2を設置する店舗の運営者に料金を支払い、あるいは仮想通貨を消費する。ユーザがメダル投入口21にプレイ用メダルを投入するとクレジットとしてカウントされ、記憶部73に記録される。ユーザが投入操作レバー22を操作すると、メダル投入ガイド45を介して青メダルM1がゲームフィールドGF上に供給される。このとき、ユーザが操作部3を操作すると、メダル投入ガイド45の投入方向が変更される。ゲームフィールドGFのテーブル31及びプッシャーテーブル32上には、メダルM1〜M4が互いに接した状態で敷き詰められている。メダルM1が投入されると、プッシャーテーブル32の往復運動による押出し力は、プッシャーテーブル32の前端部からテーブル31の前端部まで敷き詰められているメダルMに伝達され、テーブル31の前端部に位置するメダルMが押し出され、落下部34に落下する。あるいは、テーブル31の側方から落下し、メダルホッパー47に回収される。本形態のプッシャーゲームでは、メダルM1〜M4のみがゲームフィールドGF上に敷き詰められるようにして配置される。
落下部34に落下したメダルMは、ICリーダ37により識別情報が読み取られた後、メダルホッパー47に回収される。読み取った識別情報に応じて、クレジットの付与、メダル払出口25からのプレイ用メダルの払出し、ビンゴゲームの進行処理、ルーレット抽選の実行等、各種の処理がされる。一方、メダルホッパー47内のメダルMは順次上昇リフトホッパー48aによりメダル振分機構49へと移動させられ、ICリーダ52の読取結果に応じて各容器41〜44に振り分けられ、貯留される。また、ICリーダ37の読取結果及びメダル供給機構33の供給状況に基づいて、ゲームフィールドGF上に存在するメダルMの出入りが把握できる。メダル供給機構33によるメダルMの供給状況は、ICリーダ52の読取結果及び払出枚数から把握される。これにより、現在ゲームフィールドGF上に存在するメダルMの属性の割合、ビンゴメダルM4の種類を割り出して、ゲーム進行に利用することができる。
以下、ビンゴゲームを説明する。第1ステーションユニットST1でプッシャーゲームをプレイした場合に進行するビンゴゲームを例に説明する。プッシャーゲームにて、ビンゴメダルM4が落下部34に落下すると、ICリーダ37でビンゴメダルM4の識別情報が読み取られ、その読取結果に基づいてビンゴシート101Aの該当するビンゴマス102が有効になる。ビンゴメダルM4が落下する毎に対応するビンゴマス102が有効となり、ビンゴゲームが進行する。
図10及び図11は、第1モニタ11に表示されるジャックポットゲームのゲーム画面100A、100Bの一例を示す図である。ビンゴゲームでビンゴが成立すると、ジャックポットゲームをプレイすることができる。図10は、ビンゴシート101Aで1ラインのビンゴが成立したときのゲーム画面100Aを示している。ビンゴが1ラインでも成立すると、ジャックポットゲームを開始することができる。ユーザはジャックポットゲームの開始が割り当てられた操作ボタン23を操作し、ジャックポットゲームをプレイすることができる。一方、操作ボタン23を操作しない場合、ビンゴ成立のラインを増やすことができる。ビンゴ成立数が多くなるほどジャックポットゲームでのジャックポット報酬が増える。図11は、ビンゴシート101Aで10ラインのビンゴが成立したときのゲーム画面100Bを示している。10ライン(全てのビンゴマス102が有効)のビンゴが成立した場合、1ラインのビンゴ時に比べてジャックポット報酬が10倍になる。なお、ジャックポットゲームでは、第1モニタ11にルーレット103が表示され、ルーレット抽選が実行される。
ゲーム機2では、上記ジャックポットゲームの他に、第2モニタ12を利用したゲームも実行される。図12及び図13は、第2モニタ12に表示されるスロットゲームのゲーム画面104A、104Bの一例を示している。スロットゲームには、図12のゲーム画面104Aを利用する通常スロットゲームと、図13のゲーム画面104Bを利用する特別スロットゲームの2種類が存在する。まず、図12のゲーム画面104Aを参照して、通常スロットゲームを説明する。
ゲーム画面104Aには、複数のスロットランプ105が表示される。スロットランプ105は、スロットゲームによる抽選の保留数、言い換えればスロットゲームの残り回数を示す表示部である。ユーザが投入操作レバー22を操作してゲームフィールドGFに所定枚数(一例として一枚)のメダルMを投入すると保留数が1加算されてスロットランプ105が1つ点灯する。通常スロットゲームは、保留数を所定の単位量消費することと引き換えに一回実行される。ここでは、単位量として1が設定されている。つまり、保留数を1ずつ消費し、その消費ごとに通常スロットゲームの抽選が実行される。保留数が1消費されると、スロットランプ105が1つ消灯する。ゲーム画面104Aには、3つの絵柄表示部106が左右方向に概略V字状のラインL1を描くように並べて設けられている。通常スロットゲームの一回の抽選においては、絵柄表示部106のそれぞれに表示されるべき絵柄が、予め定められた確率に従って抽選される。絵柄表示部106のそれぞれに表示されるべき絵柄は、予め定められた複数の絵柄から選ばれる。また、複数の絵柄の少なくとも一部は、メダルMの色と関連付けられた絵柄である。図12のゲーム画面104Aでは、左端の絵柄表示部106に緑メダルM2に対応する緑色の絵柄が、中央及び右端の絵柄表示部106には青メダルM1に対応する青色の絵柄がそれぞれ表示されている。3つの絵柄表示部106の全てに同一の絵柄が表示されると当選であり、揃った絵柄の種類に応じた価値の報酬がユーザに付与される。例えば、青色の絵柄が揃った場合には、青メダルM1が当選したものとして所定枚数の青メダルM1が報酬としてゲームフィールドGFに投入される。青メダルM1の一枚当たりのクレジット価値(この例では1クレジット)と当選した枚数の積に相当する量のクレジットがユーザに報酬として付与されてもよい。
このように、通常スロットゲームは、左右方向の一本のラインL1上で3つの絵柄が揃ったか否かが判定される1ライン型のスロットゲームである。通常スロットゲームにおける抽選の確率は、絵柄の種類に応じて変化し、絵柄が揃う確率が低いほど報酬が高く設定される。例えば、青色の絵柄が揃った場合に投入される青メダルM1の枚数と、緑色の絵柄が揃った場合に投入される緑メダルM2の枚数とが等しい場合、後者の報酬の価値が前者のそれよりも高い。したがって、緑色の絵柄が揃う確率は、青色の絵柄が揃う確率よりも低く設定される。なお、ゲーム画面104Aには、アイテム表示部107も表示される。アイテム表示部107には複数種類のアイテムが表示されている。絵柄表示部106にて特定の絵柄が揃った場合など、所定のアイテム付与条件が満たされた場合、アイテム表示部107に表示されるいずれかのアイテムがユーザに付与される。
次に、図13のゲーム画面104Bを参照して、特別スロットゲームを説明する。特別スロットゲームは、通常スロットゲームが行われている間に、抽選の保留数が所定の第1基準値に達した場合、次の通常スロットゲームに代えて実行される。ここでは、第1基準値が8に設定されている。特別スロットゲームで用いるゲーム画面104Bにも図12のゲーム画面104Aと同様にスロットランプ105が表示され、保留数の増減に応じてその点灯数が変化する。特別スロットゲームのゲーム画面104Bには、1つの基準絵柄表示部108aと、その基準絵柄表示部108aの下方にて左右方向に並べられた4つの対比絵柄表示部108bとが設けられている。特別スロットゲームの一回の抽選では、基準絵柄表示部108aに表示されるべき絵柄(基準絵柄と呼ぶことがある。)、及び対比絵柄表示部108bに表示されるべき絵柄(対比絵柄と呼ぶことがある、)がそれぞれ抽選される。これらの抽選も、予め定められた複数の絵柄から一の絵柄を選ぶようにして行われる。また、複数の絵柄の少なくとも一部は、メダルMの色と関連付けられた絵柄である。図13の例では、基準絵柄表示部108aに赤メダルM3と関連付けられた赤色の絵柄が、左端及び左から3番目の対比絵柄表示部108bに同じく赤色の絵柄が、それ以外の対比絵柄表示部108bに緑メダルM2と関連付けられた緑色の絵柄がそれぞれ表示されている。
特別スロットゲームにおいては、基準絵柄表示部108aに表示された絵柄と、少なくとも1つの対比絵柄表示部108bに表示される絵柄とが一致すれば当選となる。すなわち、特別スロットゲームでは、基準絵柄表示部108aと、対比絵柄表示部108bのそれぞれとを結ぶ4本のラインL1〜L4のうち、少なくとも1本のライン上で2つの絵柄が揃えば当選となる。このように、特別スロットゲームでは、基準絵柄と一致する対比絵柄の個数が0〜4の間で変化する。そのため、基準絵柄と一致する対比絵柄の個数(当選数と呼ぶことがある。)が判別される。当選数が1以上であれば、揃った絵柄の種類及び当選数に応じた報酬がユーザに付与される。図13の例では、赤色の絵柄で当選し、かつその当選数は2である。この場合、例えば、報酬として赤メダルM3がゲームフィールドGFに投入されるが、その投入枚数は基本枚数(当選数1のときの枚数)と当選数との積により決定される。この場合も、メダルMの投入に代えて、当選したメダルMの属性(色)に応じた1枚当たりのクレジット価値と当選枚数の積に相当する量のクレジットが報酬としてユーザに付与されてもよい。特別スロットゲームにおいても、抽選の確率は、絵柄の種類に応じて変化し、絵柄が揃う確率が低いほど報酬が高く設定される。また、当選数が多いほど報酬が高く設定される。
特別スロットゲームの一回の抽選において、基準絵柄表示部108aには一の絵柄が必ず表示される。しかし、対比絵柄表示部108bについては、一回の抽選で全ての対比絵柄表示部108bに必ず絵柄が表示されるとは限らない。すなわち、一回の抽選で使用される対比絵柄表示部108bの個数は1〜4の間で変化する。言い換えれば、上述した4本のラインL1〜L4のうち、絵柄が揃ったか否かの判定対象となるラインの本数は1〜4の間で変化する。以下では、判定対象となるラインを有効ラインと呼ぶ。有効ラインの本数は、特別スロットゲームの一回の抽選における保留数の消費量と同一に設定されている。上述したように、特別スロットゲームは、抽選の保留数が第1基準値としての8以上に増加すると通常スロットゲームに代えて開始される。その開始後、第1回目(初回)の抽選では、保留数の消費量が通常スロットゲームの一回の消費量よりも大きい初期量に設定される。ここでは初期量が有効ラインの最大本数(つまり、対比絵柄表示部108bの個数)である4に設定される。
特別スロットゲームの抽選は、保留数が第1基準値よりも小さい第2基準値以下となるまで繰り返し実行される。第2基準値は、例えば第1基準値から初期量を減算した値に設定される。言い換えれば、初期量は第1基準値と第2基準値との差に相当する量に設定される。したがって、初期量4の場合、第2基準値は第1基準値8から初期量4を減算した4となる。また、特別スロットゲームにおける第2回目以降の抽選では、一回の抽選に対する保留数の消費量が、第2基準値に対して保留数が超過している量に設定される。例えば、一回の抽選が終わった時点で保留数が6であれば、第2基準値の4よりも保留数が2超過しているので、次回の抽選では保留数の消費量が2に設定される。これと引き換えに有効ラインの本数は2本に設定される。保留数はユーザが所定枚数のメダルを投入するごとに1ずつ増加するため、特別スロットゲームの抽選が行われている間にも増加する可能性がある。したがって、特別スロットゲームが開始された後、第1回目の抽選が終わるまでの間にユーザが所定枚数のメダルを投入しなければ、初期量4の消費で保留数が第2基準値の4まで減少し、特別スロットゲームは一回の抽選で終了する。一方、第1回目の抽選が行われている間にユーザがメダルを投入して保留数を第2基準値の4よりも増加させた場合には、保留数を第2基準値に対する超過量ずつ消費して、その消費毎に超過量と等しい有効ライン本数が設定されて特別スロットゲームの抽選が繰り返される。
以上のように特別スロットゲームでは、初回の保留数の消費量が通常スロットゲームの抽選にて消費される保留数の単位量(上記の例では1である。)よりも大きく設定され、かつ、第2回目以降も保留数の増分に応じて一回の消費量が1〜4の範囲で設定される。したがって、特別スロットゲームにおける一回の抽選当たりの保留数の消費量の平均値は、通常スロットゲームの一回の抽選における単位量よりも大きくなる。そのため、通常スロットゲームを繰り返す場合と比較して保留数をより早く消費することができる。なお、ここでいう平均値は、特別スロットゲームが開始されてから終了するまでの期間の平均値であるが、それよりも長い期間、例えば1日、1週間、1月といった長い期間を対象としたところで、特別スロットゲームにおける一回の抽選に対する保留数の消費量の平均値は通常スロットゲームにおけるそれよりも大きくなる。
特別スロットゲームでは、保留数をより多く消費させることと引き換えに、抽選の期待値が高く設定される。抽選の期待値は、当選の確率と報酬の積の総和である。当選の確率は、各絵柄が表示される確率、及び有効ラインの本数と関連付けて増減することができる。特別スロットゲームにおいては、有効ラインの最小本数が1本に設定された場合、通常スロットゲームにおけるライン数と等しくなるが、揃えるべき絵柄の個数は少ない。そのため、例えば絵柄が出現する確率が絵柄の種類を問わず一定に設定されたとしても、2個の絵柄が揃う確率は3個の絵柄が揃う確率よりも高い。絵柄表示部108a、108bに表示される絵柄を個々に抽選せず、絵柄の組み合わせを抽選する場合でも、当選確率と報酬の積の総和が、通常スロットゲームにおけるそれよりも高まるように、確率又は報酬を適宜に設定すれば、保留数の消費量の増加に見合うように期待値を高めることが可能である。なお、報酬がメダルMの払い出しによって実現される場合、報酬はクレジット数により定量的に定めることができる。報酬の少なくとも一部がメダルMの払い出し以外の方法で実現される場合でも、その獲得のために必要なクレジット数の平均値といったように、一定の尺度で報酬の価値を定量化することにより、抽選の期待値の大小を比較することができる。
なお、特別スロットゲームのゲーム画面104Bにおいても、アイテム表示部107が表示される。アイテム表示部107には複数種類のアイテムが表示されている。基準絵柄と対比絵柄とが特定種類に関して揃った場合など、所定のアイテム付与条件が満たされた場合、アイテム表示部107に表示されるいずれかのアイテムがユーザに付与される。
次に、図14を参照してルーレットゲームを説明する。ルーレットゲームは、ゲーム画面104A、104Bの上部にルーレット109を出現させることによって行われる。図14は、特別スロットゲームのゲーム画面104Bにルーレット109を出現させる例を示している。通常スロットゲームのゲーム画面104Aの場合も同様にルーレット109が出現する。ルーレットゲームでは、プッシャーゲームを通常のモードに代えて特別なモードにてプレイさせる時間長が抽選される。ユーザは、ルーレットゲームの開始が割り当てられた操作ボタン23を操作し、所定量のクレジットを消費することによってルーレットゲームをプレイすることができる。ルーレット109には、2秒、5秒、10秒といった秒数が示された複数の枠109aが設けられている。ユーザが操作ボタン23を操作すると、ルーレット109が所定時間回転した後に停止する。そして、このように抽選が終了した時点からプッシャーゲームのゲームモードが特別なモードに切り替わり、ルーレット109が停止したときに針110が指している枠109aの秒数だけ特別なモードが継続する。その秒数が経過すると、プッシャーゲームのゲームモードは通常のモードに戻される。
上述した特別なモードの具体的内容は、プッシャーゲームにてユーザに有利な状況を生成する限りにおいて適宜に設定してよい。例えば、抽選された時間長の間、ユーザによる投入操作レバー22の操作に応じ、青メダルM1に代えて、よりクレジット価値の高いメダル(一例として赤メダルM3)がゲームフィールドGFに投入されるモードを特別なモードとして設定してよい。あるいは、親落ち調整機構36の可動部材68をユーザ回収位置に切り替えるモードを特別なモードとして設定してもよい。親落ちしそうなメダルMが複数存在する場合にユーザがルーレットゲームを選択すれば、より多くのメダルMを獲得することが可能となる。プッシャーテーブル32の動きを遅くしたり停止させるモードを特別モードとして設定したりしてもよい。各メダルMのクレジット価値を通常モードのそれよりも高めたモードを特別なモードとして設定してもよい。例えば、青メダルM1のクレジット価値を1クレジット価値から5クレジット価値に変更するといったモードを特別なモードとして設定してもよい。
図15は、ゲームシステム1の制御系の構成を示す機能ブロック図である。ゲーム機2には、各ステーションユニットSTの動作を管理するユニット管理部71が設けられている。ユニット管理部71は、ステーションユニットST間で共通して利用している第1モニタ11や第2モニタ12、メダル供給機構33の動作の調整をする。各ステーションユニットSTには、ステーション制御部72と、記憶部73とが設けられている。ユニット管理部71及びステーション制御部72は、ゲーム機2のハードウエア(CPU及びその内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアとの組合せによって実現される論理的装置である。ステーション制御部72は、ユーザの操作を受け付ける操作部3、メダル供給機構33、親落ち調整機構36、ICリーダ37、第1モニタ11及び第2モニタ12等とそれぞれ接続され、ステーションユニットST毎にゲーム進行に必要な信号やデータを要求あるいは取得する。ステーション制御部72は、他にもゲーム実行や設定に必要な各種センサ、機構、部材等と接続され、信号やデータの送受信や、動作を制御したりしている。
記憶部73は、磁気記憶媒体、光学記憶媒体、EEPROMといった不揮発性の記憶媒体を含む装置である。記憶部73には、ゲーム機2でゲームを実行するためのゲームプログラム74と、プレイデータ75と、メダルMの属性と識別情報とが対応付けて記録されたメダル識別データ76と、ビンゴメダル貯留容器44に貯留されたビンゴメダルM4の配列順を記録したメダル供給データ77と、ゲームフィールドGF上に存在するメダルMの識別情報を記録したメダルフィールドデータ78と、各メダル貯留容器41〜44に貯留されているメダルM1〜M4の枚数を記録したメダル貯留データ79とが記憶されている。その他、ゲームの実行に必要な各種のデータが記録されている。プレイデータ75は、プレイヤがゲームを続きからプレイするためにゲームのプレイ内容を保存したデータである。プレイデータ75には、プレイヤがプレイした各種ゲームの結果や取得したアイテム等のゲーム内容に関するデータが記録されている。
ステーション制御部72が記憶部73に記憶されたゲームプログラム74を読み取って実行することにより、ステーション制御部72の内部には論理的装置としてのプッシャーゲーム実行部81、ビンゴゲーム実行部82、スロットゲーム実行部83及びルーレットゲーム実行部84が設けられる。プッシャーゲーム実行部81は、プッシャーゲームの進行に必要な各種の処理を実行する。例えば、ユーザの操作に応じたゲームフィールドGFへのメダルMの投入、落下部34に落下したメダルMに応じた報酬の付与、メダル供給機構33からのメダルMの供給、ゲーム結果に応じてLEDユニット56、57a、59の照明光等によるゲーム演出等の処理を実行する。ビンゴゲーム実行部82は、ビンゴゲームの進行に必要な各種の処理を実行する。例えば、ビンゴシート101の生成、落下部34に落下したビンゴメダルM4に応じたビンゴゲームの進行、ゲーム結果に応じたゲーム演出、ルーレット抽選やジャックポットゲーム等の各種抽選処理等を実行する。
スロットゲーム実行部83は、上述した通常スロットゲーム及び特別スロットゲームのそれぞれをユーザにプレイさせるために必要な各種の処理を実行する。スロットゲーム実行部83の詳細は後述する。ルーレットゲーム実行部84は、ルーレットゲームの進行に必要な各種の処理を実行する。例えば、操作ボタン23の操作に応じたゲームの実行処理、及びゲーム結果に応じたプッシャーゲームのゲームモードの切替処理等を実行する。なお、図15では、1つのステーションユニットSTを図示しているが、ゲーム機2には実際には同様の構成の複数のステーションユニットSTが設けられている。
ゲーム機2は、センターサーバ5と所定のネットワークを介して接続される。センターサーバ5は、複数のサーバユニットが組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ5が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ5が構成されてもよい。センターサーバ5には、ゲームサービス管理部5aと、記憶部5bとが設けられる。ゲームサービス管理部5aは、センターサーバ5のコンピュータハードウエア(CPU及びその動作に必要な内部記憶装置としてのメモリを含む。)とソフトウエアとの組合せによって実現される論理的装置である。記憶部5bは、ハードディスクアレイ等の記憶ユニットによって実現される外部記憶装置である。記憶部5bは、一の記憶ユニット上に全てのデータを保持するように構成されてもよいし、複数の記憶ユニットにデータを分散して記憶するように構成されてもよい。記憶部5bには各種のデータが記憶されるが、図15ではプレイデータ75が示されている。プレイデータ75は、ユーザ毎に作成され、ユーザの識別情報と対応付けて記憶部5bに記録されるが、図15では一のユーザ識別情報に対応付けられたプレイデータ75のみを示す。
ゲームサービス管理部5aは、ゲーム機2に対して所定のゲームサービスを提供する。ゲームサービスとしては、例えば、ゲーム機2からユーザの認証情報(一例としてユーザ毎にユニークな識別番号及びパスワード)を受け取ってユーザを認証し、そのユーザに対応するプレイデータ75をゲーム機2から受け取って記憶部5bに保存し、あるいは記憶部5bに保存されたユーザのプレイデータ75をゲーム機2に提供するサービス、ゲーム機2のソフトウエア(ゲーム用のプログラムあるいはデータ)をネットワークを介して更新するサービス等がある。ユーザのプレイデータ75は、ユーザが所持するカード4に記録されたユーザ識別情報と紐付けられている。
図16は、メダル識別データ76の一例を示す図である。メダル識別データ76は、メダルMの属性とその識別情報とが関連付けて記録されている。各メダルM1〜M4は、全てのメダルM1〜M4にそれぞれ固有の識別情報が付されていてもよいし、ビンゴメダルM4のみ固有の識別情報が付され、色メダルM1〜M3は、互いを区別する情報のみが付されていてもよい。図17は、メダル供給データ77の一例を示す図である。ビンゴメダルM4には、各ビンゴ数字又は各機能が割り当てられている。ICリーダ52に読み取られたビンゴメダルM4の識別情報は、読み取った順番にメダル供給データ77に記録される。また、ビンゴメダル貯留容器44からビンゴメダルM4を払い出した枚数に応じてメダル供給データ77から該当するビンゴメダルM4の識別情報を削除する。これにより、メダル供給データ77には、ビンゴメダル貯留容器44に貯留されているビンゴメダルM4の供給の順番が記録される。
図18は、メダルフィールドデータ78の一例を示す図である。メダルフィールドデータ78には、メダル供給機構33の供給状況及びICリーダ37の読取結果に基づいて、ゲームフィールドGF上に存在するメダルMの属性が記録されている。メダル供給機構33から供給されたメダルMの識別情報及びそのメダルMの投入時刻が記録され、ICリーダ37の読取結果に応じて識別情報が削除される。また、ICリーダ37の読取時刻から、そのメダルMのゲームフィールドGFでの滞在時間を算出することができる。なお、メダルフィールドデータ78には、メダル供給機構33から供給された時間を記録し、一定の時間が経過したメダルMの識別情報を削除してもよい。図19は、メダル貯留データ79の一例を示す図である。メダル貯留データ79には、各メダル貯留容器41〜44に貯留されるメダルM1〜M4の枚数が記録される。メダルM1〜M4の枚数は、それぞれのブロッカー53a〜53dが動作した回数が計数される。また、各送出機構50a〜50dが送出したメダルM1〜M4の枚数が除算される。メダルM1〜M4の計数は、各機構53a〜53d、50a〜50dの動作を検出することにより計数してもよいし、あるいは、貯留容器41〜44のそれぞれに案内されるメダルM1〜M4や、送出機構50a〜50dから送出されるメダルM1〜M4を検出するメダル検出センサを設けてもよい。
図20は、ゲーム機2のユニット管理部71が実行するメダル振分け制御処理を説明するフローチャートである。メダル振分け制御処理は、メダル供給機構33の各メダル貯留容器41〜44にメダルM1〜M4を振り分けるようにメダル振分機構49のブロッカー53a〜53eを制御する処理である。以下、第2ステーションユニットST2と第3ステーションユニットST3との間に位置するメダル供給機構33を制御する処理として説明する。ユニット管理部71は、ICリーダ52で読み取ったメダルMの識別情報と、メダル貯留データ79とを取得する(ステップS11、S12)。取得するメダル貯留データ79は、第2ステーションユニットST2及び第3ステーションユニットST3のメダル貯留データ79を取得する。ユニット管理部71は、読み取ったメダルMが青メダルM1か否かを判別する(ステップS13)。読み取ったメダルMが青メダルM1であれば、ユニット管理部71は、各ステーションユニットST2、ST3のメダル貯留データ79を参照して、青メダル貯留容器41に貯留されている青メダルM1の枚数が最大貯留枚数に達しているか否かを判別する(ステップS14)。
少なくとも1つのステーションユニットSTの青メダル貯留容器41で最大貯留枚数に達していない場合、ユニット管理部71は、青メダルM1を振り分ける青メダル貯留容器41を選択する(ステップS15)。いずれか一方の青メダル貯留容器41が最大貯留枚数に達していれば、達していない青メダル貯留容器41を選択する。あるいは、2つの青メダル貯留容器41の貯留枚数を比較して、より少ない貯留枚数の青メダル貯留容器41を選択する。あるいは、交互に青メダルM1を振り分けるようにしてもよい。ユニット管理部71は、選択した青メダル貯留容器41に対応するブロッカー53a又はブロッカー53eを動作させ(ステップS16)、今回の処理を終了する。ブロッカー53a〜53eは、通常、メダル通過状態となり、フラップ55aが上昇していて切欠き54aを塞ぎ、メダルMの移動経路を形成しているが、ブロッカー53a又はブロッカー53eの動作によりメダル振分け状態となり、当該メダルMを青メダル貯留容器41に振り分ける。
一方、読み取ったメダルMが青メダルM1でない場合、ユニット管理部71は、メダルMが緑メダルM2か否かを判別する(ステップS17)。読み取ったメダルMが緑メダルM2でない場合、ユニット管理部71は、メダルMが赤メダルM3か否かを判別する(ステップS18)。読み取ったメダルMが赤メダルM3でない場合、ユニット管理部71は、メダルMがビンゴメダルM4か否かを判別する(ステップS19)。読み取ったメダルMが、ステップS17で緑メダルM2である場合、ステップS18で赤メダルM3である場合、又はステップS19でビンゴメダルM4である場合、ユニット管理部71は、メダル貯留データ79を参照して、対応する共用メダル貯留容器42〜44に貯留されているメダルM2〜M4の枚数が最大貯留枚数に達しているか否かを判別する(ステップS20)。対応する共用メダル貯留容器42〜44に貯留されているメダルM2〜M4の枚数が最大貯留枚数に達していない場合、ユニット管理部71は、ステップS16に進み、読み取ったメダルMに対応する共用メダル貯留容器42〜44のブロッカー53b、ブロッカー53d又はブロッカー53dを動作させ、今回の処理を終了する。ブロッカー53b、ブロッカー53d又はブロッカー53dの動作により当該ブロッカーがメダル振分け状態となり、対応する共用メダル貯留容器42〜44に振り分けることができる。
一方、ステップS14でいずれの青メダル貯留容器41も最大貯留枚数に達していた場合、ステップS19でビンゴメダルM4でない場合、又はステップS20で読み取ったメダルMに対応する共用メダル貯留容器42〜44が最大貯留枚数に達していた場合、ユニット管理部71はいずれのブロッカー53a〜53eも動作させることなく、今回の処理を終了する。これにより、当該メダルMは、下降リフトホッパー48bまで案内され、メダルホッパー47に戻る。なお、ICリーダ52で識別情報を読み取れない判別不能のメダルがステップS19でビンゴメダルM4でないメダルに該当する。
上述した処理によれば、ICリーダ52で読み取ったメダルMの識別情報とメダル貯留データ79に基づいて該当するブロッカー53a〜53eを動作させることにより、メダルMを各メダル貯留容器41〜44に振り分けることができる(ステップS13、S15〜19)。一方で、各メダル貯留容器41〜44に貯留されるメダルM1〜M4が最大貯留枚数に達していれば、メダルMは下降リフトホッパー48bまで案内され、メダルホッパー47に戻る(ステップS14、S20)。これにより、各メダルM1〜M4を対応するメダル貯留容器41〜44に貯留させることができる。また、例えば、赤メダル貯留容器43の貯留枚数だけ少なくなっている場合に、上昇リフトホッパー48aから送り込まれるメダルMから赤メダルM3だけを選択して赤メダル貯留容器43に貯留し、不要なメダルMはメダルホッパー47に戻すことが可能となる。メダルホッパー47に戻る帰路(下降リフトホッパー48b)が設けられていることにより、各メダル貯留容器41〜44に効率よくメダルMを貯留させることができる。なお、ユニット管理部71がステップS11〜S20の処理を実行することにより、搬送制御手段として機能する。
図21は、ゲーム機2のステーション制御部72が実行するメダル供給制御処理を説明するフローチャートである。メダル供給制御処理は、各色メダル貯留容器M1〜M3に貯留されている色メダルM1〜M3の貯留枚数に応じてゲームフィールドGF上に供給するメダルMの種類及び枚数を決定し、ゲームフィールドGFにメダルMを供給する処理である。ステーション制御部72は、ユーザ報酬のクレジット価値を取得する(ステップS31)。例えば、上述したジャックポットゲームでの報酬や、プッシャーゲーム及びビンゴゲームでの報酬としてユーザに付与されるクレジット価値を取得する。また、ステーション制御部72は、メダル貯留データ79を取得する(ステップS32)。
ステーション制御部72は、メダル貯留データ79を参照して、供給すべきメダルM1〜M3の種類と、そのメダルM1〜M3の枚数を決定する(ステップS33)。例えば、ゲームフィールドGF上に100クレジット価値のメダルMを供給する場合に図16に示すメダル貯留データ79を取得した場合、赤メダルM3の貯留枚数が20枚と少ないため、赤メダルM3を10枚と決定し、残りの70クレジット価値の内訳を緑メダルM2を30枚、青メダルM1を10枚と決定する。また、全ての色メダルM1〜M3が十分に貯留されている場合は、赤メダルM3を20枚、緑メダルM2を15枚、青メダルM1を10枚と決定してもよい。ステーション制御部72は、ステップS33で決定した色メダルM1〜M3の種類とそれらのメダルM1〜M3の枚数を各メダル貯留容器41〜43からゲームフィールドGFに供給するように送出機構50a〜50cを制御し(ステップS34)、今回の処理を終了する。
上述した処理によれば、プッシャーゲーム及びビンゴゲームのゲーム結果に応じた報酬のクレジット価値と、メダル貯留データ79とを取得して(ステップS31、S32)、各色メダルM1〜M3の貯留枚数に基づいて、ゲームフィールドGFに供給すべきメダルM1〜M3の種類と、それらのメダルM1〜M3の枚数とを決定し(ステップS33)、ゲームフィールドGFにメダルM1〜M3を供給する(ステップS34)。プッシャーゲーム及びビンゴゲームでは報酬としてクレジット価値のみを決定し、各色メダル貯留容器41〜43の現在の貯留枚数に応じて供給すべきメダルM1〜M3を決定できるので、ゲームフィールドGFに効率的にメダルM1〜M3を供給することができる。また、メダルMの貯留枚数が少ない色メダル貯留容器41〜43に対して、十分な量のメダルMが貯留されるのを待つことなくメダルフィールドGFに供給することができる。なお、ステーション制御部72が実行するステップS31〜S34の処理が送出制御手段として機能する。
次に、図22を参照してスロットゲーム実行部83の詳細な構成を説明する。スロットゲーム実行部83には、ゲーム機2のハードウエアとソフトウエアとの組合せによって実現される論理的装置として、保留数記憶部90と、保留数加算部91と、抽選管理部92と、通常スロット抽選部93と、特別スロット抽選部94とが設けられている。保留数記憶部90は、スロットゲームの保留数の現在値を記憶する。保留数加算部91は、ユーザによるメダルの投入があったことを示すメダル投入情報をプッシャーゲーム実行部81から取得し、投入枚数が所定枚数に達するごとに抽選条件が満たされたものと判断して保留数記憶部90に保持されている保留数を1加算する。抽選管理部92は、保留数記憶部90に保持されている現在の保留数に基づいてスロットゲームを実行すべきか否かを判別する。また、抽選管理部92は、スロットゲームを実行すべき場合、さらに通常スロットゲーム又は特別スロットゲームのいずれを実行すべきかを判別し、判別結果に従って通常スロット抽選部93又は特別スロット抽選部94にスロットゲームを実行させる。通常スロット抽選部93は通常スロットゲームを実行し、特別スロット抽選部94は特別スロットゲームを実行する。スロット抽選部93、94はスロットゲームの結果に従って報酬情報を例えばプッシャーゲーム実行部81に出力する。
なお、報酬情報は、例えば当選したメダルの属性(色)及び枚数を指定する情報として構成することができる。この場合、プッシャーゲーム実行部81に報酬情報を通知し、これを受けたプッシャーゲーム実行部81が図21に示したメダル供給制御処理に従って、スロットゲームにおける報酬と等価のクレジット価値を演算し、その演算値に従ってメダルMを適宜に供給するものとしてもよい。一方、報酬情報にて指定された属性のメダルMが指定された枚数だけゲームフィールドGFに払い出されるように、プッシャーゲーム実行部81がメダル供給機構33を制御するようにしてもよい。
次に、図23〜図26を参照して各部の処理の手順を説明する。図23は、保留数加算部91が実行する保留数加算処理の手順を示している。保留数加算部91は、プッシャーゲームがプレイされている間、図23の処理を所定の周期で繰り返し実行する。保留数加算処理が開始されると、保留数加算部91は抽選条件が満たされたか否かをまず判別する(ステップS101)。抽選条件は、一例として、ユーザが所定枚数のメダルをゲームフィールドGFに投入した場合に満たされるよう設定される。抽選条件が満たされている場合、保留数加算部91は保留数記憶部90が保持している保留数に1を加算し(ステップS102)、その後今回の処理を終える。ステップS101にて抽選条件が満たされていなかった場合、保留数加算部91はステップS102をスキップして今回の処理を終える。以上の処理により、ゲーム機2が稼働している間は、ユーザによるメダルの投入が可能な限り、抽選条件が満たされて保留数が増加する可能性が担保される。
図24は、抽選管理部92が実行する抽選管理処理の手順を示している。抽選管理部92は、図24の処理を所定の周期で繰り返し実行する。なお、図24の処理は図23の保留数加算処理に対して並列で実行される処理である。抽選管理処理が開始されると、抽選管理部92は、まず通常スロット抽選部93又は特別スロット抽選部94のいずれかにて抽選処理が行われている途中か否かを判別する(ステップS111)。抽選処理中の場合、抽選管理部92は今回の抽選管理処理を終える。これは、図23の処理により、抽選処理中に保留数が加算された場合、加算後の保留数に従って次回の抽選を制御するためである。詳しくは後述する。ステップS111にて抽選処理中ではないと判断された場合、抽選管理部92は現時点での抽選の保留数を保留数記憶部90から取得する(ステップS112)。次に、抽選管理部92は、保留数が1以上か否かを判別し(ステップS113)、1未満、つまり保留数がゼロであった場合、スロット抽選部93、94に対してスロット停止を指示し(ステップS114)、その後、今回の処理を終える。ここでいうスロット停止は、次のスロット抽選を実行しないことを意味する。つまり、保留数がゼロとなれば、次に保留数が1以上に増加しない限りスロットゲームは実行されない。
ステップS113にて保留数が1以上と判断された場合、抽選管理部92は、前回の処理で特別スロットゲームが指示されたか否かを判別するための判別フラグの値が1であるか否かを判別する(ステップS115)。判別フラグが1でない場合、抽選管理部92は、直前に特別スロットゲームが実行されていないものと判断してステップS116に進み、保留数が第1基準値としての8以上か否かを判別する。保留数が8未満である場合、抽選管理部92は判別フラグの値にゼロをセットし(ステップS117)、続いて、通常スロット抽選部93に対して通常スロットゲームの実行を指示する(ステップS118)。その後、抽選管理部92は今回の処理を終える。
一方、ステップS116にて保留数が8以上と判断された場合、抽選管理部92は判別フラグに値1をセットし(ステップS119)、続いて、特別スロット抽選部94に対して特別スロットゲームの実行を指示する(ステップS120)。この場合、ステップS112で取得した保留数も特別スロット抽選部94に通知される。その後、抽選管理部92は今回の処理を終える。ステップS115にて判別フラグの値が1であると判断された場合、抽選管理部92は保留数が第2基準値としての4以下か否かを判別し(ステップS121)、保留数が4を超えていればステップS119に進む。一方、ステップS121にて保留数が4以下と判断された場合、抽選管理部92はステップS117に進む。
以上の処理によれば、保留数がゼロであればステップS113からステップS114へと処理が進められてスロットゲームは実行されない。保留数がゼロの状態から1以上に増加した場合、保留数が第1基準値の8以上に加算されない限りはステップS113からステップS118へと処理が順次進められて通常スロットゲームが実行される。保留数が8以上に増加すると、ステップS116からステップS120へと処理が順次進められ、通常スロットゲームに代えて特別スロットゲームが実行される。特別スロットゲームが一旦実行されるとステップS115が肯定されてステップS121で保留数が第2基準値の4以下まで減少したか否か判断され、保留数が4を超えている限りステップS119、S120と処理が進められて特別スロットゲームが繰り返される。一方、特別スロットゲームが開始された後、保留数が4以下まで減少するとステップS121が肯定判断され、ステップS116からステップS118へと処理が進められることにより、特別スロットゲームが終了して通常スロットゲームへと戻される。
図25は、通常スロット抽選部93が実行する通常スロット抽選処理の手順を示している。通常スロット抽選部93は、図24のステップS118における指示を受け取ると、図25の通常スロット抽選処理を開始し、まず抽選処理を開始したことを抽選管理部92に通知する(ステップS141)。この通知により、抽選管理部92では図24のステップS111にて抽選処理中と判断される。抽選開始の通知後、通常スロット抽選部93は、保留数記憶部90が保持している保留数を単位量である1減算し(ステップS142)、次いで通常スロットゲームの内部抽選を実行する(ステップS143)。内部抽選は、図12に示した3つの絵柄表示部106のそれぞれに表示すべき絵柄を予め定められた確率に従って抽選する処理である。内部抽選後、通常スロット抽選部93は、内部抽選の結果に応じた報酬を決定する(ステップS144)。この場合、絵柄が揃っていれば、絵柄の種類に応じた報酬が演算され、絵柄が揃っていなければ無報酬であることが決定される。
次に、通常スロット抽選部93は、ステップS143及びS144の結果をユーザに提示するための演出を開始する(ステップS145)。その演出としては、例えば、絵柄表示部106のそれぞれにて絵柄がスクロールされる様子を示すアニーメーションを再生し、所定秒時経過時点でスクロールの速度を減速し、最終的にステップS143で決定した絵柄が表示されるような内容とすることができる。演出開始後、通常スロット抽選部93は演出が終了するまで待機し(ステップS146)、演出終了と判断した場合に抽選管理部92に対して抽選終了を通知する(ステップS147)。その後、通常スロット抽選部93は今回の処理を終える。ステップS147における演出終了の通知により、抽選管理部92では図24のステップS111にて抽選処理中ではないと判断される。つまり、図25の通常スロット抽選処理では、ユーザに対してある程度の長さの時間をかけて一回の抽選の開始から終了までの様子が提示される。その提示中(演出中)にもユーザが所定枚数のメダルを投入すれば図23の処理で保留数が増加するため、一回の抽選が行われているとユーザが認識している間は図24のステップS112以下の処理を保留しないと、ユーザはメダルを投入したにも拘らず、その増加分が次回のスロットゲームに反映されないという違和感を覚える。そのような不都合を防ぐため、通常スロット抽選部が演出を終えたと判断されるまでは図24の抽選管理処理を中断させ、ユーザが抽選終了と認識する時点から図24のステップS112の処理を再開させている。したがって、図25のステップS146においては、ユーザに上記のような違和感が生じないような観点から判断すればよい。例えば、絵柄が停止した時点をもって演出終了と判断し、あるいは報酬が表示された時点をもって演出終了と判断するといったように適宜に基準を定めてよい。以上の処理によれば、図24の抽選管理処理で通常スロット抽選が指示された場合、保留数を1消費して通常スロットゲームのゲーム画面104A(図12参照)を用いた通常スロットゲームが一回実行される。
図26は、特別スロット抽選部94が実行する特別スロット抽選処理の手順を示している。特別スロット抽選部94は、図24のステップS120における指示を受け取ると、図26の特別スロット抽選処理を開始し、まず抽選処理を開始したことを抽選管理部92に通知する(ステップS151)。この通知は図25のステップS141と同じである。抽選開始の通知後、特別スロット抽選部94は、抽選管理部92から通知された保留数が8以上か否かを判別する(ステップS152)。保留数が8以上の場合、特別スロット抽選部94は保留数記憶部90が保持している保留数を4減算し(ステップS153)、次いで特別スロットゲームのゲーム画面104B(図13)における有効ライン数を最大値の4本に設定する(ステップS154)。その後、特別スロット抽選部94は内部抽選を実行する(ステップS155)。内部抽選は、図13に示した基準絵柄表示部108a及び対比絵柄表示部108bのそれぞれに表示すべき絵柄を予め定められた確率に従って抽選する処理である。ただし、対比絵柄表示部108bの絵柄の抽選は、有効ラインの本数に応じた個数を対象として抽選される。内部抽選後、特別スロット抽選部94は、内部抽選の結果に応じた報酬を決定する(ステップS156)。
次に、特別スロット抽選部94は、ステップS155及びS156の結果をユーザに提示するための演出を開始する(ステップS157)。この場合の演出も、絵柄表示部108a、108bのそれぞれに、ステップS157で決定した絵柄が一定の演出を経て最終的に出現するような内容とすることができる。演出開始後、特別スロット抽選部94は演出が終了するまで待機し(ステップS158)、演出終了と判断した場合に抽選管理部92に対して抽選終了を通知する(ステップS159)。演出終了の判断及び演出終了の通知の意義は図25のステップS146、S147と同じである。ステップS159の通知後、特別スロット抽選部94は報酬情報を所定の通知先、例えばプッシャーゲーム実行部81に通知する(ステップS160)。報酬情報の通知先及びそのユーザへの付与は通常スロット抽選処理の場合と同様でよい。その後、特別スロット抽選部94は今回の処理を終える。ステップS152にて保留数が8未満と判断された場合、特別スロット抽選部94は保留数記憶部90が保持している保留数を、第2基準値である4に対する現在の保留数の超過量相当減算し(ステップS161)、次いで特別スロットゲームのゲーム画面104B(図13)における有効ライン数をその超過量と等しい本数に設定する(ステップS162)。その後、特別スロット抽選部94はステップS155に進んで内部抽選を実行する。
以上の処理によれば、保留数が8に達して図24のステップS120で特別スロットゲームが指示された場合、ステップS152が肯定されてステップS153で保留数が初期量である4消費され、これと引き換えに4本の有効ラインが設定されて特別スロットゲームの初回の抽選が行われる。初回の抽選の間に、図23の処理によって保留数が増加した場合、図24のステップS12が否定判断されてステップS120で再び特別スロットゲームが指示されて図26の処理が行われる。これにより、特別スロットゲームの第2回目の抽選が行われる。第2回目の抽選では、第2基準値である4に対する保留数の超過量(ただし、上限が4である。)に従って保留数が消費され(ステップS153又はS160)、その超過量に等しい有効ラインが設定されて抽選が行われる。以下、同様に、保留数が4より大きい限り特別スロットゲームの抽選が繰り返される。
以上のように、本形態のゲームシステムによれば、抽選の保留数がある程度増加した場合、特別スロットゲームが実行されて保留数の消費が促進される。一方、特別スロットゲームの実行中もユーザがメダルを投入してプッシャーゲームを継続すれば、抽選の保留数が増加して特別スロットゲームが繰り返される可能性がある。そのため、特別スロットゲームの継続を目的としてメダルを投入してプッシャーゲームを続ける意欲をユーザに生じさせることができる。これにより、ゲームの継続に対するユーザのモチベーションの低下を抑えることができる。
本発明は上記の形態に限定されることなく、適宜の変形又は変更が可能である。例えば、上記の形態では、プッシャーゲームにて所定枚数のメダルが投入されるごとに抽選条件が満たされたものとして保留数に1を加算したが、抽選条件は適宜に変更されてよい。一例として、プッシャーゲームにて所定の属性のメダルMが所定枚数落下部34に落下した場合に抽選条件が満たされるものとしてもよいし、ゲームフィールドGF上又は落下部34にメダルMが通過可能なゲートを設置し、そのゲートをメダルMが通過した場合に抽選条件が満たされるようにしてもよい。所定のゲームはプッシャーゲームに限らず、適宜に変更されてよい。抽選条件が満たされた場合の保留数の加算量は1に限らず、2以上に設定されてもよい。抽選条件をさらに複数のレベルに区分し、満たされたレベルに応じて加算量を変化させてもよい。抽選条件は、プッシャーゲームのような物理的媒体を用いるゲームと関連付けて設定される例に限らない。例えば、ビデオゲームと関連付けて抽選条件が設定されてもよい。抽選条件はゲームの結果等に関連付けられてもよく、さらにユーザの情報といったゲーム以外の情報とさらに関連付けて設定されてもよい。例えば、ユーザのプレイ履歴(プレイ回数、プレイ頻度、ゲームに投資した金銭的価値)が抽選条件の成否に関する判断材料に追加されてもよい。
上記の形態では、スロットゲームが行われている間にユーザが所定枚数のメダルを投入すれば、新たに抽選条件が満たされるものとしているが、抽選は、ゲームにて新たに満たされる可能性がある状態で実行されるものであればよい。例えば、通常スロットゲームや特別スロットゲームにおける一回の抽選が行われている間(ユーザに対して抽選の状況が提示されている間)に、ゲーム機における少なくとも一部のゲームが併行してプレイ可能となっていれば、そのプレイ可能な範囲と関連付けて抽選条件を設定しておくことにより、抽選中に抽選条件が新たに満たされる可能性を担保することができる。抽選中に、プッシャーゲーム等にて新たなミッションを発生させ、そのミッションがクリアされた場合に保留数が加算されるといった設定も可能である。
第1の抽選(通常スロットゲーム)における保留数の消費量(一回の抽選における単位量)は1に限らず、適宜の設定が可能である。例えば、保留数が2貯まるごとに第1の抽選が一回行われるといったように、保留数の単位量を2以上に設定してもよい。また、第1の抽選においては、保留数の単位量の消費と引き換えに、絵柄を合せる抽選を一回に限って実行しているが、保留数の単位量の消費と引き換えに、絵柄合せの抽選を複数回実行してもよい。この場合、複数回に亘って行われる抽選の集合が第1の抽選に相当する。第2の抽選に関しても同様に複数回に亘って行われる抽選の集合を第2の抽選としてもよい。
上記の形態における第1基準値、第2基準値、第2の抽選としての特別スロットゲームの第1回目における保留数の消費の初期量はあくまで一例である。第1基準値が第1の抽選における消費の単位量よりも大きく、第2基準値が第1基準値よりも小さく設定されている限り、これらの設定値は適宜に変更可能である。例えば、第1基準値と第2基準値との差に対して、第2の抽選における消費の初期量を大きく、又は小さく設定してもよい。初期量が大きい場合には、第2の抽選を継続するために加算されるべき保留数の量がより大きくなるために、第2の抽選を継続させるための要件が厳しくなり、初期量が小さい場合には、第2の抽選を継続させるための要件が緩くなる。
本発明における抽選は、コンピュータを用いて内部抽選処理を行う例に限定されない。例えば、図27に示した物理抽選機構200を備えたゲーム機においては、その物理抽選機構200を利用して第1の抽選と第2の抽選とを適宜に使い分けて実行することができる。図27の物理抽選機構200は、円盤状のゲームフィールド201上に遊技媒体としてのボール202を投入し、そのボール202が媒体通過位置としての複数のポケットPKのいずれを通過して落下したかによって抽選結果を定めるものである。ゲームフィールド201は矢印で示したように回転するものとしてもよいし、回転しないものとしてもよい。このような物理抽選機構200においては、複数のポケットPKのうち、一部のポケットPKのみが入賞位置として設定され、その入賞位置としてのポケットPKにボール202が入った場合に当選とする、といった手法で抽選が行われる。この場合、入賞位置としてのポケットPKの個数により当選の確率が変化するため、入賞位置の個数が第1の抽選よりも第2の抽選で多くなるよう設定することにより本発明を適用することができる。あるいは、ボール202の投入数によっても当選の確率が変化するため、ボール202の個数が第1の抽選よりも第2の抽選で多くなるよう設定してもよい。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の一態様に係るゲームシステム(1)は、所定のゲーム(一例としてプッシャーゲーム)にて所定の抽選条件が満たされたか否かを判別し、前記抽選条件が満たされた場合、抽選の保留数を加算する保留数管理手段(91、S101、S102)と、前記抽選条件が新たに満たされる可能性がある状態で前記所定のゲームが行われている間に、前記保留数の消費と引き換えに抽選を実行する抽選手段(83)と、を具備し、前記抽選手段には、前記保留数を所定の単位量ずつ消費して、該消費ごとに第1の抽選(一例として通常スロットゲームの抽選)を実行する第1の抽選実行手段(93、S141〜S148)と、一回の抽選に対する前記保留数の消費量の平均値が前記単位量よりも大きくなるように前記保留数を消費して、該消費ごとに前記第1の抽選よりも期待値が高い第2の抽選(一例として特別スロットゲームの抽選)を実行する第2の抽選実行手段(94、S151〜S162)と、前記保留数が前記単位量よりも大きい所定の第1基準値以上に加算されるまでは前記第1の抽選実行手段による前記第1の抽選が実行され、前記保留数が前記第1基準値以上に加算された場合には、前記保留数が前記第1基準値よりも小さい第2基準値以下となるまで、前記第1の抽選に代えて前記第2の抽選実行手段による前記第2の抽選が実行されるように、抽選の実行を管理する抽選管理手段(92、S111〜S121)と、が設けられたものである。
本発明の一態様に係るコンピュータプログラム(74)は、ゲームシステム(1)に設けられたコンピュータ(72)を、所定のゲーム(一例としてプッシャーゲーム)にて所定の抽選条件が満たされたか否かを判別し、前記抽選条件が満たされた場合、抽選の保留数を加算する保留数管理手段(91、S101、S102)、及び前記抽選条件が新たに満たされる可能性がある状態で前記所定のゲームが行われている間に、前記保留数の消費と引き換えに抽選を実行する抽選手段(83)として機能させ、前記抽選手段を、前記保留数を所定の単位量ずつ消費して、該消費ごとに第1の抽選(一例として通常スロットゲームの抽選)を実行する第1の抽選実行手段(93、S141〜S148)、一回の抽選に対する前記保留数の消費量の平均値が前記単位量よりも大きくなるように前記保留数を消費して、該消費ごとに前記第1の抽選よりも期待値が高い第2の抽選(一例として特別スロットゲームの抽選)を実行する第2の抽選実行手段(94、S151〜S162)、及び前記保留数が前記単位量よりも大きい所定の第1基準値以上に加算されるまでは前記第1の抽選実行手段による前記第1の抽選が実行され、前記保留数が前記第1基準値以上に加算された場合には、前記保留数が前記第1基準値よりも小さい第2基準値以下となるまで、前記第1の抽選に代えて前記第2の抽選実行手段による前記第2の抽選が実行されるように、抽選の実行を管理する抽選管理手段(92、S111〜S121)、として機能させるように構成されたものである。
本発明の一態様に係る抽選制御方法は、ゲームシステム(1)におけるコンピュータ(72)を用いた抽選制御方法であって、前記コンピュータに、所定のゲーム(一例としてプッシャーゲーム)にて所定の抽選条件が満たされたか否かを判別し、前記抽選条件が満たされた場合、抽選の保留数を加算する手順(S101、S102)、及び前記抽選条件が新たに満たされる可能性がある状態で前記所定のゲームが行われている間に、前記保留数の消費と引き換えに抽選を実行する手順(S111〜S121、S141〜S148、S151〜S162)、を実行させ、前記抽選を実行する手順は、前記保留数を所定の単位量ずつ消費して、該消費ごとに第1の抽選(一例として通常スロットゲームの抽選)を実行する手順(S141〜S148)と、一回の抽選に対する前記保留数の消費量の平均値が前記単位量よりも大きくなるように前記保留数を消費して、該消費ごとに前記第1の抽選よりも期待値が高い第2の抽選(一例として特別スロットゲームの抽選)を実行する手順(S151〜S162)と、前記保留数が前記単位量よりも大きい所定の第1基準値以上に加算されるまでは前記第1の抽選が実行され、前記保留数が前記第1基準値以上に加算された場合には、前記保留数が前記第1基準値よりも小さい第2基準値以下となるまで、前記第1の抽選に代えて前記第2の抽選が実行されるように、抽選の実行を管理する手順(S111〜S121)と、を含むものである。
本発明の各態様によれば、保留数が第1基準値以上に増加するまでは第1の抽選が繰り返され、第1基準値以上に増加すると第1の抽選に代えて第2の抽選が実行され、保留数が第2基準値以下に減少するまでは第2の抽選が繰り返される。第2の抽選においては、一回の抽選に対する保留数の消費量の平均値が、第1の抽選で消費される単位量よりも大きいため、第2の抽選が行われることにより保留数の消費が促進される。これにより、保留数の増加に伴う抽選処理時間の重畳的な増加が防止される。一方、第2の抽選の期待値が第1の抽選のそれよりも大きく、かつ第2の抽選が行われている間に抽選条件が満たされて保留数が第2基準値より大きく維持されている限り第2の抽選が継続される。そのため、期待値が高い第2の抽選を継続させる目的で、所定のゲームを継続してプレイする意欲をユーザに生じさせ、それにより、ゲームの継続に対するユーザのモチベーションの低下を抑えることができる。
なお、本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。この記憶媒体を用いれば、例えばコンピュータに本発明に係るコンピュータプログラムをインストールして実行することにより、そのコンピュータを利用して本発明のゲームシステムを実現することができる。コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は、CDROM等の非一過性の記憶媒体であってもよい。
本発明の一態様において、前記第2の抽選実行手段は、前記第1の抽選から前記第2の抽選へと抽選が変更された場合、まず前記保留数を前記単位量よりも大きい所定の初期量消費して第2の抽選を実行し、その後、前記第2基準値に対して前記保留数が超過している量以下の範囲で前記保留数を消費しつつ前記第2の抽選を繰り返すように設けられてもよい。これによれば、第2の抽選が開始されると保留数が初期量消費されることにより、まずは保留数の消費を促進することができる。その後は、第2基準値に対して保留数が超過している量の範囲内で保留数が消費されて第2の抽選が繰り返される。したがって、第2の抽選が必要以上に継続されるおそれがない。また、第2の抽選を継続させるためには、保留数が第2基準値よりも大きく維持されるよう、ユーザが所定のゲームをプレイし続ける必要がある。これにより、ゲームの継続に対する強いモチベーションをユーザに付与することができる。
また、前記初期量は、前記第1の基準値と前記第2の基準値との差に相当する量に設定されてもよい。これによれば、第2の抽選が開始されて保留数が初期量消費された時点で、保留数を第2基準値まで低下させ、その第2の抽選の間に保留数が増加しない限り、第2の抽選を終了させることができる。これにより、ゲームの継続に対してユーザにより強いモチベーションを付与することができる。
さらに、前記第2の抽選実行手段は、前記保留数を前記初期量消費して前記第2の抽選を実行した後、前記保留数を前記超過している量消費しつつ前記第2の抽選を繰り返すように設けられてもよい。この場合、第2の抽選が行われている間に保留数が増加すると、その増加分が消費されて次回の第2の抽選が行われる。つまり、各回の第2の抽選中に保留数が増加しなければ、保留数が第2基準値以下に減少して第2の抽選が終了する。これにより、ゲームの継続に対するモチベーションをユーザにより強くかつ継続的に付与することができる。
本発明の一態様において、前記第2の抽選実行手段は、前記第1の抽選よりも当選の確率を高めた抽選を前記第2の抽選として実行するように設けられてもよい。これによれば、当選の確率を高めることにより、第2の抽選の期待値を第1の抽選のそれよりも容易に増加させ、かつユーザにも期待値の増加を明確に把握させることができる。
当選の確率は種々の手法で高めることが可能であるが、一例として以下の態様が挙げられる。すなわち、前記第1の抽選実行手段及び前記第2の抽選実行手段は、所定数の絵柄が揃ったか否かによって当選の成否が定まるスロットゲームを前記第1及び前記第2の抽選としてそれぞれ実行するように設けられ、前記所定数は、第1の抽選よりも前記第2の抽選の方が小さく設定されてもよい。あるいは、複数の媒体通過位置(PK)が設定されたフィールド(201)上で遊技媒体(202)を移動させ、入賞位置として設定された媒体通過位置を前記遊技媒体が通過したか否かによって当選の成否が定まる物理抽選機構(200)をゲームシステムがさらに具備している場合、前記第1の抽選実行手段及び前記第2の抽選実行手段は、前記物理抽選機構を用いて前記第1及び前記第2の抽選をそれぞれ実行するように設けられ、前記入賞位置の数又は前記遊技媒体の個数は、第1の抽選よりも前記第2の抽選の方が多く設定されてもよい。