以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、組み立て方法、組み立ての順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
(実施の形態)
まず、蓄電装置1の構成について、説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。また、図2は、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
なお、これらの図では、Z軸方向を上下方向として示しており、以下ではZ軸方向を上下方向として説明するが、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるため、Z軸方向は上下方向となることには限定されない。
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置である。例えば、蓄電装置1は、電力貯蔵用途や電源用途などに使用される電池モジュールである。
これらの図に示すように、蓄電装置1は、第一外装体11及び第二外装体12からなる外装体10と、外装体10内方に収容される蓄電ユニット30及び電気機器40とを備えている。
外装体10は、蓄電ユニット30及び電気機器40の外方に配置される、蓄電装置1の外装体を構成する矩形状(箱状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体10は、蓄電ユニット30及び電気機器40を所定の位置に配置し、蓄電ユニット30及び電気機器40を衝撃などから保護する。また、外装体10は、例えばポリカーボネートやポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂などにより構成されており、蓄電ユニット30及び電気機器40が外部の金属部材などに接触することを回避する。
ここで、外装体10は、外装体10の蓋体を構成する第一外装体11と、外装体10の本体を構成する第二外装体12とを有している。第一外装体11は、第二外装体12の開口を閉塞する扁平な矩形状のカバー部材であり、正極外部端子21と負極外部端子22とが設けられている。蓄電装置1は、この正極外部端子21と負極外部端子22とを介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。また、第二外装体12は、開口が形成された有底矩形筒状のハウジングであり、蓄電ユニット30及び電気機器40を収容する。
なお、第一外装体11と第二外装体12とは、同じ材質の部材で形成されていてもよいし、異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
蓄電ユニット30は、複数の蓄電素子を有しており、第一外装体11に設けられた正極外部端子21と負極外部端子22とに接続される。本実施の形態では、図2に示すように、蓄電ユニット30は、複数の蓄電素子が横置きになった状態でZ軸方向に積み重ねられて、第二外装体12内に配置される。そして、蓄電ユニット30は、上方から第一外装体11が被せられて、外装体10の内方に収容される。なお、蓄電ユニット30の詳細な構成の説明については、後述する。
電気機器40は、内方に回路基板やリレーなどが配置された矩形状の機器であり、蓄電ユニット30の側方(X軸方向プラス側)に配置されている。本実施の形態では、図2に示すように、電気機器40は、回路基板が縦置きになった状態でZ軸方向に立てられて、第二外装体12内に配置される。そして、電気機器40は、上方から第一外装体11が被せられて、外装体10の内方に収容される。
なお、電気機器40に備えられる回路基板は、配線(リード線)によって蓄電ユニット30内のそれぞれの蓄電素子の正極端子または負極端子に接続され、例えば、当該蓄電素子の充電状態や放電状態(電圧、温度などの電池状態)などを取得し、監視し、制御する。
次に、蓄電ユニット30の構成について、詳細に説明する。
図3及び図4は、本発明の実施の形態に係る蓄電ユニット30の構成を示す斜視図である。具体的には、図3は、蓄電ユニット30からバスバーフレーム500とバスバー600とを分離した場合の構成を示す分解斜視図である。また、図4は、蓄電ユニット30からバスバーフレーム500とバスバー600とを分離した構成要素をさらに分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
なお、これらの図及び以降の図では、説明の便宜のため、Y軸方向を上下方向として示しており、Y軸方向を上下方向として説明している箇所があるが、実際の使用態様において、Y軸方向が上下方向になるとは限らない。
これらの図に示すように、蓄電ユニット30は、複数の蓄電素子100(本実施の形態では、8つの蓄電素子100)と、複数のスペーサ200(本実施の形態では、7つのスペーサ200)と、一対の挟持部材300と、複数の拘束部材400(本実施の形態では、4つの拘束部材410〜440)と、バスバーフレーム500と、複数のバスバー600(本実施の形態では、5つのバスバー600)とを備えている。
蓄電素子100は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。蓄電素子100は、扁平な矩形状を有しており、スペーサ200に隣接して配置されている。つまり、複数の蓄電素子100のそれぞれが、複数のスペーサ200のそれぞれと交互に配置され、Z軸方向に並べられている。
本実施の形態では、蓄電素子100は、外装体10内方に横向きにして配置されている(図2参照)が、同図では、説明の便宜のため、蓄電素子100は、電極端子を上方に向けて配置された状態で図示している。なお、蓄電素子100は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。蓄電素子100の詳細な構成の説明については、後述する。
スペーサ200は、隣り合う2つの蓄電素子100の間に配置され、当該2つの蓄電素子100間を絶縁する樹脂等で形成された絶縁性の板状部材である。本実施の形態では、8つの蓄電素子100の間に、7枚のスペーサ200が配置されている。なお、スペーサ200は、例えばポリカーボネートやポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂により形成されているが、絶縁性を有する部材であればどのような材質で形成されていてもかまわない。
また、スペーサ200は、蓄電素子100の正面側または背面側の略半分(Z軸方向に2つに分けた場合の略半分)を覆うように、形成されている。つまり、スペーサ200の正面側または背面側の両面(Z軸方向の両面)には凹部が形成されており、当該凹部に上記の蓄電素子100の略半分が挿入される。このような構成により、蓄電素子100を挟む2つのスペーサ200が、蓄電素子100のほとんどの部分を覆うこととなるので、スペーサ200によって、蓄電素子100と他の導電性部材との間の絶縁性を向上させることができている。
挟持部材300は、一対の平板状部材である挟持部材310及び320からなり、複数の蓄電素子100を、当該複数の蓄電素子100の並び方向(Z軸方向)の両側から挟み込んで保持する。
つまり、挟持部材310は、複数の蓄電素子100のうちの最もZ軸方向プラス側に配置された蓄電素子100よりも、Z軸方向プラス側に配置された平板状部材である。また、挟持部材320は、複数の蓄電素子100のうちの最もZ軸方向マイナス側に配置された蓄電素子100よりも、Z軸方向マイナス側に配置された平板状部材である。そして、挟持部材310と挟持部材320とで、複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200を、当該複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200の並び方向(Z軸方向)の両側から挟み込んで保持する。
また、挟持部材300(挟持部材310、320)は、強度の観点等から、例えばステンレスやアルミニウム等の金属製(導電性)の部材で形成されているが、隣り合う蓄電素子100との間に、絶縁性の部材が配置されることで、蓄電素子100との絶縁性を確保している。なお、挟持部材300は、金属製(導電性)の部材に限定されず、例えば強度の高い絶縁性の部材で形成されていてもよい。また、挟持部材310と挟持部材320とは、同じ材質の部材で形成されていてもよいし、異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
拘束部材400は、両端が挟持部材300に取り付けられて、複数の蓄電素子100を拘束する部材である。つまり、拘束部材400は、当該複数の蓄電素子100を跨ぐように配置され、当該複数の蓄電素子100に対して複数の蓄電素子の並び方向(Z軸方向)における拘束力を付与する。なお、拘束部材400は、挟持部材300と同様に、例えばステンレスやアルミニウム等の金属製の部材で形成されているのが好ましいが、金属以外の部材で形成されていてもかまわない。
具体的には、拘束部材400は、一端が挟持部材310に取り付けられるとともに、他端が挟持部材320に取り付けられる。そして、拘束部材400は、複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200に対して、当該複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200の並び方向における拘束力を付与する。
ここで、拘束部材400は、拘束部材410〜440からなる。拘束部材410及び420は、複数の蓄電素子100の上下方向両側(Y軸方向の両側)に配置され、当該複数の蓄電素子100を当該両側から挟み込んで拘束する。また、拘束部材430及び440は、複数の蓄電素子100の両側方(X軸方向の両側)に配置され、当該複数の蓄電素子100を当該両側方から挟み込んで拘束する。
具体的には、拘束部材410及び拘束部材420は、当該複数の蓄電素子100のY軸方向プラス側及びマイナス側に配置された一対の長尺状かつ平板状の部材である。また、拘束部材430及び拘束部材440は、当該複数の蓄電素子100のX軸方向プラス側及びマイナス側に配置された一対の長尺状かつ平板状の部材である。
バスバーフレーム500は、バスバー600と他の部材との絶縁、蓄電装置1内に配置される各種の配線等の保護、及び、バスバー600の位置規制を行うことができる部材である。特に、バスバーフレーム500は、バスバー600を、複数の蓄電素子100に対して位置決めする。
具体的には、バスバーフレーム500は、複数の蓄電素子100の上方(Y軸方向プラス側)に載置され、複数の蓄電素子100に対して位置決めされる。また、バスバーフレーム500上には、バスバー600が載置される。この際、バスバーフレーム500の有する突起部が、バスバー600に形成された開口部に挿入されることで、バスバーフレーム500に対してバスバー600が位置決めされる。これにより、バスバー600は、複数の蓄電素子100に対して位置決めされ、そして、複数の蓄電素子100が有するそれぞれの電極端子に接合される。
なお、バスバーフレーム500は、例えばポリカーボネートやポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂により形成されているが、絶縁性を有する部材であればどのような材質で形成されていてもかまわない。また、バスバーフレーム500の詳細な構成、及びバスバーフレーム500がバスバー600を位置決めする詳細な構成の説明については、後述する。
バスバー600は、複数の蓄電素子100のそれぞれと電気的に接続されるバスバーである。つまり、バスバー600は、複数の蓄電素子100が有するそれぞれの電極端子と電気的に接続される導電性の部材であり、当該複数の蓄電素子100が有するいずれかの電極端子同士を電気的に接続する。具体的には、バスバー600は、複数の蓄電素子100が有するそれぞれの電極端子の表面上に配置され、当該電極端子に接続(接合)される。
なお、バスバー600は、導電性の部材として、例えばアルミニウムで形成されているが、バスバー600の材質は特に限定されない。また、バスバー600は、全てが同じ材質の部材で形成されていてもよいし、いずれかのバスバーが異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
次に、蓄電素子100の構成について、詳細に説明する。
図5は、本発明の実施の形態に係る蓄電素子100の構成を示す斜視図である。具体的には、同図は、蓄電素子100の容器110を透視して蓄電素子100の内部を示す斜視図である。
同図に示すように、蓄電素子100は、容器110、正極端子120及び負極端子130を備えている。また、容器110内方には、電極体140、正極集電体150及び負極集電体160が配置されている。なお、容器110の内部には電解液などの液体が封入されているが、当該液体の図示は省略する。
容器110は、金属からなる矩形筒状で底を備える本体と、当該本体の開口を閉塞する金属製の蓋部とで構成されている。容器110は、電極体140等を内部に収容後、蓋部と本体とが溶接等されることにより、内部を密封することができるものとなっている。
電極体140は、正極と負極とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる発電要素である。具体的には、電極体140は、正極と負極との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置されたものを巻回されて形成された巻回型の電極体である。なお、電極体140は、平板状極板を積層した積層型の電極体であってもかまわない。
ここで、正極は、アルミニウムまたはアルミニウム合金などからなる長尺帯状の導電性の正極集電箔の表面に正極活物質層が形成された電極板であり、負極は、銅または銅合金などからなる長尺帯状の導電性の負極集電箔の表面に負極活物質層が形成された電極板であり、セパレータは、微多孔性のシートである。なお、蓄電素子100に用いられる正極、負極及びセパレータは、特に従来用いられてきたものと異なるところはなく、蓄電素子100の性能を損なうものでなければ適宜公知の材料を使用できる。また、容器110に封入される電解液(非水電解質)としても、蓄電素子100の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく様々なものを選択することができる。
正極集電体150は、電極体140の正極と容器110の側壁との間に配置され、正極端子120と正極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、正極集電体150は、正極の正極集電箔と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成されている。また、負極集電体160は、電極体140の負極と容器110の側壁との間に配置され、負極端子130と電極体140の負極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、負極集電体160は、負極の負極集電箔と同様、銅または銅合金などで形成されている。
正極端子120は、正極集電体150を介して、電極体140の正極に電気的に接続された電極端子であり、負極端子130は、負極集電体160を介して、電極体140の負極に電気的に接続された電極端子である。つまり、正極端子120及び負極端子130は、電極体140に蓄えられている電気を蓄電素子100の外部空間に導出し、また、電極体140に電気を蓄えるために蓄電素子100の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。
正極集電体150は、電極体140の正極と容器110の側壁との間に配置され、正極端子120と正極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、正極集電体150は、正極の正極集電箔と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金などで形成されている。また、負極集電体160は、電極体140の負極と容器110の側壁との間に配置され、負極端子130と電極体140の負極とに電気的に接続される導電性と剛性とを備えた部材である。なお、負極集電体160は、負極の負極集電箔と同様、銅または銅合金などで形成されている。
次に、挟持部材310の構成について、図6〜図9を用いて詳細に説明する。なお、これまで、挟持部材310の各構成要素のうち絶縁プレート(後述する)、及び、挟持部材310の第一外装体11側(Z軸方向プラス側)に配置されたバスバー(後述する)についての図示は省略されていたが、以降、これらについても併せて図示する。
図6は、本発明の実施の形態に係る挟持部材310の構成を示す斜視図である。図7は、本発明の実施の形態に係る挟持部材310を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
なお、図6及び図7には、当該挟持部材310の第一外装体11側(Z軸方向プラス側)に配置されたバスバー600と、当該バスバー600に電気的に接続される正極外部端子21及び負極外部端子22も合わせて図示されている。
ここで、バスバー600は、バスバー600A及びバスバー600Bを含む。バスバー600Aは、複数の蓄電素子100のうちのいずれかの蓄電素子100の正極端子と、第一外装体11に設けられた正極外部端子21とに接続されるバスバーである。また、バスバー600Bは、複数の蓄電素子100のうちのいずれかの蓄電素子100の負極端子と、第一外装体11に設けられた負極外部端子22とに接続されるバスバーである。
図6及び図7に示されるように、挟持部材310は、複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200の並び方向(Z軸方向)において、当該複数の蓄電素子100及び複数のスペーサ200側から順に配置された、樹脂エンドプレート311、金属エンドプレート312及び絶縁プレート313を有する。以下、挟持部材310を構成する各構成部材について、詳細に説明する。
まず、樹脂エンドプレート311について、詳述する。
樹脂エンドプレート311は、挟持部材310を構成する各構成部材のうち最も蓄電素子100側に配置された、蓄電素子100と金属エンドプレート312とを絶縁する樹脂等で形成された絶縁性の板状部材である。樹脂エンドプレート311は、例えばポリカーボネートやポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂により形成されているが、絶縁性を有する部材であればどのような材質で形成されていてもかまわない。
また、樹脂エンドプレート311は、複数の蓄電素子100のうち最も挟持部材310側に配置された蓄電素子100の正面側の略半分(Z軸方向に2つに分けた場合のZ軸方向プラス側の略半分)を覆うように、形成されている。つまり、樹脂エンドプレート311の背面側(Z軸方向マイナス側)には凹部が形成されており、当該凹部に上記の蓄電素子100の正面側の略半分が挿入される。このような構成により、上記の蓄電素子100を挟むスペーサ200及び樹脂エンドプレート311が、当該蓄電素子100のほとんどの部分を覆うこととなるので、当該スペーサ200及び当該樹脂エンドプレート311によって、当該蓄電素子100と他の導電性部材との間の絶縁性を向上させることができている。
また、樹脂エンドプレート311の正面側(Z軸方向プラス側)には、金属エンドプレート312を介して絶縁プレート313を2つのネジ303によってネジ止めするための2つのネジ穴301が設けられている。
また、当該樹脂エンドプレート311のY軸方向プラス側の端部には、Y軸方向プラス側に向かって突出する2つの突起部311Aが設けられている。これら2つの突起部311Aは、例えば、バスバーフレーム500を、複数の蓄電素子100に取り付ける際の位置決めに用いることができる。
次に、金属エンドプレート312について、さらに図8A及び図8Bを用いて、詳述する。図8A及び図8Bは、本発明の実施の形態に係る金属エンドプレート312の詳細な構成を示す図であり、図8Aは斜視図、図8Bは図8AのA−A’断面を示す図である。
図7に示されるように、金属エンドプレート312は、樹脂エンドプレート311の正面側(Z軸方向プラス側)に載置された平板状部材である。金属エンドプレート312は、強度の観点等から、例えばステンレスやアルミニウム等の金属製(導電性)の部材で形成されているが、必要な強度を有する部材であればどのような材質で形成されていてもかまわない。
この金属エンドプレート312は、図8Aに示されるように、複数の蓄電素子100の正面側(Z軸方向プラス側)に位置する平板部321と、当該平板部321から外方に張り出すように形成されZ軸方向マイナス側に折り曲げられた一対の折り曲げ部322A及び一対の折り曲げ部322Bとを有する。
平板部321は、樹脂エンドプレート311の2つのネジ穴301に対応する位置に設けられた、絶縁プレート313を樹脂エンドプレート311のネジ穴301にネジ止めするための2つの貫通孔302を有する。つまり、貫通孔302には、絶縁プレート313を固定するネジ303が挿通される。
具体的には、平板部321は、図8Bに示されるように、Z軸方向プラス側(蓄電素子100の所定方向側)に突出するリブ323を有し、上記2つの貫通孔302はリブ323が形成された領域に配置されている。つまり、絶縁プレート313を樹脂エンドプレート311に固定するネジ303は、リブ323が形成された領域に配置されている。なお、リブ323は、特許請求の範囲に記載の「突出部」に相当する。
ここで、リブ323は、ネジ303を囲むように配置されている。言い換えると、リブ323は、ネジ303が挿通される2つの貫通孔302の各々を囲むように配置されている。なお、「貫通孔302を囲むように配置される」とは、貫通孔302の周囲を全方位に亘って囲む場合に限らず、貫通孔302の周囲を全方位のうち3/4程度を囲む場合も含まれる。
また、リブ323は、Z軸方向プラス側から見て(蓄電素子100の所定方向側から見て)金属エンドプレート312の短手方向に延設されている。ここで、挟持部材310は、Z軸方向プラス側から見て、短手方向がY軸方向、長手方向がX軸方向の略矩形形状であり、挟持部材310を構成する、樹脂エンドプレート311、金属エンドプレート312及び絶縁プレート313も同様の形状である。つまり、リブ323は、Z軸方向プラス側から見て、金属エンドプレート312のY軸方向に延設されている。これにより、金属エンドプレート312は、Y軸方向における剛性を高くすることができる。言い換えると、金属エンドプレート312は、短手方向における剛性を高くすることができる。
また、本実施の形態において、リブ323は、さらに、Z軸方向プラス側から見て、金属エンドプレート312の長手方向にも延設されている。これにより、本実施の形態における金属エンドプレート312は、さらに、長手方向における剛性を高くすることができる。したがって、本実施の形態における金属エンドプレート312は、Z軸方向プラス側から見て短手方向及び長手方向のいずれにも延設されたリブ323を有することにより、当該短手方向及び当該長手方向のいずれにおいても比較的高い剛性を有する。よって、蓄電素子100の膨張をより効果的に抑制できる。
また、このようにリブ323が配置されることにより形成される凹部(Z軸方向マイナス側へ凹んだ部分)に、バスバー600Aおよび600B等の部材を配置(収容)してもよい。例えば、バスバー600Aおよび600Bは、金属エンドプレート312の凹部に対応して形成された絶縁プレート313の凹部内部に配置されてもよい。これにより、蓄電装置1(外装体10内部)の利用効率を向上することができる。
一対の折り曲げ部322Aは、折り曲げ前の状態においてZ軸方向プラス側から見て平板部321の短手方向両側(Y軸方向の両側)に張り出すように形成され、Z軸方向マイナス側に折り曲げられて拘束部材410及び420と接続される。本実施の形態では、この一対の折り曲げ部322Aの各々は、金属エンドプレート312と拘束部材410及び420とをネジ止めにより接続するための少なくとも1つ(本実施の形態では2つ)の穴部322aを有する。
一対の折り曲げ部322Bは、折り曲げ前の状態においてZ軸方向プラス側から見て平板部321の長手方向両側(X軸方向の両側)に張り出すように形成され、Z軸方向マイナス側に折り曲げられて拘束部材430及び440と接続される。本実施の形態では、この一対の折り曲げ部322Bの各々は、金属エンドプレート312と拘束部材430及び440とをネジ止めにより接続するための少なくとも1つ(本実施の形態では1つ)の穴部322bを有する。
なお、金属エンドプレート312と拘束部材400(拘束部材410〜440)とを接続する構成はネジ止めに限らず、接続して固定できる構成であればよい。例えば、係止することにより接続する構成であってもよいし、嵌合することにより接続する構成であってもよい。
また、上述した樹脂エンドプレート311及び金属エンドプレート312は、蓄電素子100の所定方向側(Z軸方向プラス側)に配置される部材であり、特許請求の範囲に記載の「配置部」に包含される。
次に、絶縁プレート313について、さらに図9を用いて、詳述する。図9は、本発明の実施の形態に係る絶縁プレート313の詳細な構成を示す斜視図である。なお、同図には、絶縁プレート313を、金属エンドプレート312を介して樹脂エンドプレート311にネジ止めする2つのネジ303も図示されている。
図7に示されるように、絶縁プレート313は、金属エンドプレート312の正面側(Z軸方向プラス側)に載置された、金属エンドプレート312とバスバー600A及びバスバー600Bとを絶縁する樹脂等で形成された絶縁性の板状部材である。絶縁プレート313は、例えばポリカーボネートやポリプロピレン(PP)等の絶縁性の樹脂により形成されているが、絶縁性を有する部材であればどのような材質で形成されていてもかまわない。
絶縁プレート313には、樹脂エンドプレート311のネジ穴301に対応する位置に設けられた、当該絶縁プレート313を樹脂エンドプレート311にネジ止めするためのネジ303が取り付けられる。
例えば、絶縁プレート313は、樹脂エンドプレート311及び金属エンドプレート312に拘束部材400が取り付けられた後に金属エンドプレート312に載置される。その後、当該絶縁プレート313は、Z軸方向プラス側からネジ303がネジ穴301にネジ止めされることにより、樹脂エンドプレート311及び金属エンドプレート312と固定される。
ここで、本実施の形態において、絶縁プレート313の正面側(Z軸方向プラス側)には、絶縁プレート313を樹脂エンドプレート311及び金属エンドプレート312にネジ止めした状態において、2つのネジ303のネジの頭部を囲むように立設された2つの環状突出部331が設けられている。これにより、バスバー600A及びバスバー600Bと各ネジ303との絶縁性を確保することができる。
また、当該正面側には、さらに、バスバー600A及びバスバー600Bの周辺に立設された複数の壁部332が設けられている。これにより、バスバー600A及びバスバー600Bと他の部材との絶縁、各種の配線等の保護、及び、各バスバー600A及びバスバー600Bの位置規制を行うことができる。
なお、絶縁プレート313は、特許請求の範囲に記載の「絶縁部材」に相当する。
以上のように構成された挟持部材310は、拘束部材400(拘束部材410〜420)に取り付けられ、挟持部材320と共に複数の蓄電素子100を挟持する。
図10は、本発明の実施の形態に係る挟持部材310と拘束部材400(拘束部材410〜440)との位置関係を示す側面図である。具体的には、同図には、Z軸方向プラス側から見た挟持部材310と拘束部材400(拘束部材410〜440)とが示されている。なお、同図では、絶縁プレート313(図7及び図9参照)の図示は省略されている。また、同図では、挟持部材310によって挟持される複数の蓄電素子100について破線で表されている。
また、同図では、説明の都合上、拘束部材410及び420と金属エンドプレート312との接続位置の各々を結ぶ線によって囲まれる第一領域AR11と、拘束部材430及び440と金属エンドプレート312との接続位置の各々を結ぶ線によって囲まれる第二領域AR12とに、ドットのハッチングが施されている。
同図に示されるように、拘束部材410及び420は、金属エンドプレート312と接続され、Z軸方向プラス側(蓄電素子100の所定方向側)から見て、樹脂エンドプレート311及び金属エンドプレート312の短手方向両側に配置されている。
具体的には、本実施の形態では、拘束部材410は2つのネジ411によって金属エンドプレート312にネジ止めされ、拘束部材420は2つのネジ421によって金属エンドプレート312にネジ止めされている。
これにより、拘束部材410及び420は、金属エンドプレート312及び樹脂エンドプレート311を介して、複数の蓄電素子100に対して、Z軸方向(蓄電素子100の所定方向)における拘束力を付与する。
ここで、拘束部材410及び420が金属エンドプレート312のZ軸方向プラス側から見て短手方向両側に取り付けられる(接続される)ことにより奏される効果について、説明する。なお、以下、Z軸方向プラス側から見て、金属エンドプレート312の短手方向両側を「金属エンドプレート312の短辺側」と記載し、金属エンドプレート312の長手方向両側を「金属エンドプレート312の長辺側」と記載する場合がある。
各蓄電素子100は、充放電の繰り返しによって膨張していく。そこで、各蓄電素子100に対して拘束力を付与する少なくとも一対の拘束体(本実施の形態では2対の拘束部材410〜440)を設けることにより各蓄電素子100の膨張を抑制することができる。
このとき、各拘束体と金属エンドプレート312との接続位置(本実施の形態ではネジ411、421、431及び441によってネジ止めされた位置)における各拘束体の拘束力が同等の場合、金属エンドプレート312を介して蓄電素子100に付与される拘束力は、対をなす拘束体の互いの距離が小さいほど大きくなる。
したがって、本実施の形態では、金属エンドプレート312の短辺側に接続される拘束部材410及び420を備えることにより、蓄電素子100の膨張を効果的に抑制することができる。
また、さらに、拘束部材410及び420の少なくとも1つ(本実施の形態では2つとも)は、複数の接続位置で金属エンドプレート312と接続されている。具体的には、複数の位置で金属エンドプレート312にネジ止めされている。
ここで、拘束部材410及び420と金属エンドプレート312との接続位置の各々を結ぶ線によって囲まれる第一領域AR11は、Z軸方向プラス側から見て、蓄電素子100の中央部分を通る。言い換えると、拘束部材410及び420は、金属エンドプレート312との接続位置の各々を結ぶ線が、Z軸方向プラス側(蓄電素子100の所定方向側)から見て、蓄電素子100の中央部分を通るように配置されている。具体的には、本実施の形態では、拘束部材410及び420が、Z軸方向プラス側から見て、蓄電素子100の長手方向中央部に配置されていることにより、第一領域AR11が蓄電素子100の中央部分を通る。
これにより、拘束部材410及び420は、蓄電素子100の側面中央に対して、他の位置よりも比較的大きな拘束力を付与することができる。各蓄電素子100は、充放電の繰り返しによって、当該蓄電素子100の側面中央が膨張しやすい。このため、各蓄電素子100の側面中央に対して比較的大きな拘束力を付与することにより、各蓄電素子100の膨張を一層効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態では、金属エンドプレート312の長辺側に接続される拘束部材430及び440が設けられている。つまり、拘束部材430及び440は、Z軸方向プラス側(蓄電素子100の所定方向側)から見て、樹脂エンドプレート311及び金属エンドプレート312の長手方向両側に配置されている。
具体的には、本実施の形態では、拘束部材430は、1つのネジ431によって金属エンドプレート312にネジ止めされ、拘束部材440は、1つのネジ441によって金属エンドプレート312にネジ止めされている。これにより、拘束部材430及び440は、金属エンドプレート312及び樹脂エンドプレート311を介して、蓄電素子100に対して、Z軸方向(蓄電素子100の所定方向)における拘束力を付与する。
なお、本実施の形態のように、2つの拘束部材430、440を、金属エンドプレート312の長辺側において、長辺とは交差する方向で異なる位置(つまり、互い違いな位置)に配置することで、金属エンドプレート312の短辺側において互い違いな位置に配置する場合よりも、偏った分布の拘束力を付与することを低減できる。
また、2つの拘束部材430、440は、蓄電素子100の中心に対して互いに略対称な位置に配置される。このため、2つの拘束部材430、440は、蓄電素子100及びスペーサ200の間に対して、Y軸方向の幅にわたって偏りなく平均的に拘束力を付与できる。これにより、2つの拘束部材430、440は、蓄電素子100及びスペーサ200の間に対して、より安定的に拘束力を付与できる。
このように、本実施の形態では、金属エンドプレート312は、短辺側及び長辺側のいずれでも、拘束部材410〜440に接続される。よって、各蓄電素子100に対する拘束力を安定的に付与することができる。ここで、拘束部材430及び440と金属エンドプレート312との接続位置の各々を結ぶ線によって囲まれる第二領域AR12も、第一領域AR11と同様に、Z軸方向プラス側から見て、蓄電素子100の中央部分を通る。具体的には、本実施の形態では、拘束部材430及び440が、Z軸方向プラス側から見て、蓄電素子100の中央部分に対して点対称な位置に配置されていることにより、第二領域AR12が蓄電素子100の中央部分を通る。
これにより、拘束部材430及び440は、拘束部材410及び420と同様に、蓄電素子100の側面中央に対して、他の位置よりも比較的大きな拘束力を付与することができる。
このように、本実施の形態では、第一領域AR11及び第二領域AR12がいずれも、Z軸方向プラス側から見て、蓄電素子100の中央部分を通る。これにより、蓄電素子100の側面中央に対して、他の位置よりも比較的大きな拘束力を付与することができる。よって、蓄電素子100の膨張をより効果的に抑制することができる。
なお、拘束部材400(拘束部材410〜440)は、蓄電素子100に対して、所定方向における拘束力(Z軸方向における拘束力)を付与する部材であり、特許請求の範囲に記載の「拘束部」に相当する。また、拘束部材410及び420は、特許請求の範囲に記載の「一対の第一拘束体」に相当し、拘束部材430及び440は、特許請求の範囲に記載の「一対の第二拘束体」に相当する。
次に、拘束部材400(拘束部材410〜440)と金属エンドプレート312との接続位置(本実施の形態ではネジ411、421、431及び441によってネジ止めされた位置)と、絶縁プレート313を固定する固定部(本実施の形態ではネジ303)との位置関係について、図11を用いて説明する。
図11は、本発明の実施の形態に係る挟持部材310と拘束部材400との位置関係を示す側面図である。なお、同図では、説明の都合上、拘束部材400(拘束部材410〜440)と金属エンドプレート312との接続位置の各々を結ぶ線によって囲まれる内部領域AR21に、ドットのハッチングが施されている。
同図に示されるように、拘束部材400(拘束部材410〜440)は、Z軸方向プラス側(蓄電素子100の所定方向側)から見て、3以上の接続位置で金属エンドプレート312と接続される。具体的には、本実施の形態では、拘束部材400(拘束部材410〜440)は、ネジ411、421、431及び441により6つの接続位置でネジ止めされることにより、金属エンドプレート312と接続される。
また、絶縁プレート313を固定する固定部(本実施の形態では2つのネジ303)は、Z軸方向プラス側(蓄電素子100の所定方向側)から見て、上記3以上の接続位置(本実施の形態では6つの接続位置)を結ぶ線によって囲まれる内部領域AR21に配置されている。
ここで、絶縁プレート313と樹脂エンドプレート311及び金属エンドプレート312との固定は、固定位置において樹脂エンドプレート311及び金属エンドプレート312の変形が大きい場合に、不安定になる虞がある。このような場合には、絶縁プレート313の固定の緩み、又は、絶縁プレート313の変形または損傷等が生じる虞がある。
上述したように、各蓄電素子100は、充放電の繰り返しによって当該蓄電素子100の側面中央が膨張しやすい。よって、絶縁プレート313を安定的に固定するためには、Z軸方向プラス側から見て、各蓄電素子100の角部で固定すればよい。しかしながら、蓄電装置1が満たすべき仕様によって、例えばネジ303の配置位置が制限される等、当該角部での固定が困難な場合がある。
そこで、本実施の形態では、Z軸方向プラス側(蓄電素子100の所定方向側)から見て、拘束部材410〜440がネジ止めされる位置(接続される位置)を結ぶ内部領域AR21に配置された2つのネジ303によって、絶縁プレート313を固定する。
すなわち、拘束部材410〜440は、内部領域AR21における各蓄電素子100に対して、他の領域よりも大きな拘束力を付与することができる。つまり、内部領域AR21における各蓄電素子100の膨張を効果的に抑制できる。その結果、内部領域AR21における金属エンドプレート312の変形を効果的に抑制することができる。よって、絶縁プレート313を内部領域AR21で固定した場合には、当該絶縁プレート313を安定して固定することができる。
したがって、絶縁プレート313を内部領域AR21で固定することにより、絶縁プレート313を固定する位置の自由度を向上しつつ、絶縁プレート313を安定して固定することができる。
以上のように、本発明の実施の形態によれば、絶縁プレート313は、Z軸方向プラス側から見て3以上(上記実施の形態では6つ)の接続位置を結ぶ線分で囲まれる内部領域AR21に配置されたネジ303によって、樹脂エンドプレート311及び金属エンドプレート312に固定される。ここで、内部領域AR21において蓄電素子100に付与される拘束力は、他の領域において当該蓄電素子100に付与される拘束力よりも大きくなる。つまり、拘束部材400は、内部領域AR21における蓄電素子100に対して、より効果的に拘束力を付与することができる。よって、内部領域AR21における蓄電素子100の膨張による樹脂エンドプレート311及び金属エンドプレート312の変形を抑制できる。したがって、内部領域AR21に配置されたネジ303によって絶縁プレート313を固定することで、比較的変形が少ない位置で絶縁プレート313を固定することができるので、蓄電素子100の膨張により生じる絶縁プレート313の変形または損傷等の不具合を抑制することができる。
また、本発明の実施の形態によれば、金属エンドプレート312はZ軸方向プラス側に突出するリブ323を有する。ここで、リブ323が形成された領域の金属エンドプレート312は、他の領域の金属エンドプレート312よりも高い剛性を有する。このため、蓄電素子100が膨張した場合であっても、リブ323が形成された領域の金属エンドプレート312は比較的変形しにくい。そこで、リブ323が形成された領域に配置されたネジ303によって絶縁プレート313を固定することにより、比較的変形が少ない位置で絶縁プレート313を固定することができる。よって、蓄電素子100の膨張により生じる絶縁プレート313の変形又は損傷等の不具合を一層抑制することができる。
また、本発明の実施の形態によれば、ネジ303を囲むようにリブ323を配置することにより、ネジ303及び当該ネジ303周囲の金属エンドプレート312の剛性を高くすることができる。つまり、ネジ303周囲の金属エンドプレート312を補強することができる。このため、ネジ303が補強された位置で絶縁プレート313を固定することができるので、絶縁プレート313を強固に固定することができる。
また、本発明の実施の形態によれば、金属エンドプレート312は、当該金属エンドプレート312の短手方向に延設されたリブ323により、当該短手方向における剛性が高くなる。つまり、拘束部材400は、金属エンドプレート312の剛性が高い短手方向で当該金属エンドプレート312に接続した場合に、樹脂エンドプレート311及び金属エンドプレート312を介して蓄電素子100に対する拘束力を一層効果的に付与することができる。よって、蓄電素子100の膨張を一層効果的に抑制できる。
また、拘束部材400は、蓄電素子100のZ軸方向プラス側(所定方向)に配置される金属エンドプレート312と接続され、かつ、当該Z軸方向プラス側から見て金属エンドプレート312の短手方向両側に配置される一対の拘束部材410及び420を有する。ここで、上述したように各拘束部材(拘束部材410〜440)と金属エンドプレート312との接続位置における各拘束部材の拘束力が同等の場合、蓄電素子100に付与される拘束力は、対をなす拘束部材の互いの距離が小さいほど大きくなる。よって、金属エンドプレート312の短手方向両側に配置される一対の拘束部材410及び420を有することにより、蓄電素子100に付与する拘束力を大きくすることができる。したがって、蓄電素子100の膨張を効果的に抑制することができるので、蓄電素子100の膨張により生じる絶縁プレート313の変形または損傷等の不具合を一層抑制することができる。
また、本発明の実施の形態によれば、拘束部材400は、Z軸方向プラス側から見て金属エンドプレート312の短手方両側及び長手方向両側のいずれでも金属エンドプレート312に接続されることにより、樹脂エンドプレート311及び金属エンドプレート312を介して蓄電素子100に対する拘束力を安定的に付与することができる。よって、蓄電素子100が局所的に膨張するような場合であっても、蓄電素子100の膨張を効果的に抑制することができる。したがって、当該場合であっても、絶縁プレート313の変形または損傷等の不具合を一層抑制することができる。
また、本発明の実施の形態によれば、一対の拘束部材410及び420の少なくとも1つ(上記実施の形態では両方)は、複数(上記実施の形態では2つ)の接続位置で金属エンドプレート312と接続されていることにより、蓄電素子100に対する拘束力を安定的かつ効果的に付与することができる。よって、蓄電素子100が局所的に膨張するような場合であっても蓄電素子100の膨張を効果的に抑制できるので、絶縁プレート313の変形または損傷等の不具合を抑制することができる。
また、本発明の実施の形態によれば、一対の拘束部材410及び420と金属エンドプレート312との接続位置の各々を結ぶ線が、Z軸方向プラス側から見て蓄電素子100の中央部分を通るように配置される。これにより、拘束部材400は、蓄電素子100の側面中央に対して、他の位置よりも比較的大きな拘束力を付与することができる。ここで、蓄電素子100は、充放電の繰り返しによって当該蓄電素子100の側面中央が膨張しやすい。よって、蓄電素子100の側面中央に対して比較的大きな拘束力を付与することにより、蓄電素子100の膨張を一層効果的に抑制することができるので、絶縁プレート313の変形または損傷等の不具合を一層抑制することができる。
(変形例)
次に、本実施の形態の変形例について説明する。上記実施の形態では、拘束部材400は、複数の蓄電素子100の上下方向両側(Y軸方向の両側)に配置された拘束部材410及び420と、当該複数の蓄電素子100の両側方(X軸方向の両側)に配置された拘束部材430及び440とからなるとした。これに対し、本変形例では、図12に示すように、拘束部材400Aは、拘束部材430及び440を含まずに、拘束部材410及び420からなる。
図12は、本発明の実施の形態の変形例に係る蓄電ユニットの構成を示す斜視図である。同図に示すように、本変形例では、拘束部材400Aは、拘束部材410及び420からなり、両端が挟持部材300Aに取り付けられて、複数の蓄電素子100を拘束する部材である。
本変形例に係る挟持部材300Aは、実施の形態に係る挟持部材300と比較して、金属エンドプレート312に代わり、リブの延設形状が異なる金属エンドプレート312A(図13参照)を備える。このような金属エンドプレート312Aであっても、リブの延設方向において当該金属エンドプレート312Aの剛性を高くすることができるので、蓄電素子100に対する拘束力を効果的に付与することができる。
図13は、本発明の実施の形態の変形例に係る挟持部材310Aと拘束部材400A(拘束部材410及び420)とネジ303との位置関係を示す側面図である。具体的には、同図には、Z軸方向プラス側から見た挟持部材310Aと拘束部材400A(拘束部材410及び420)とネジ303とが示されている。なお、同図では、絶縁プレート313(図7及び図9参照)の図示は省略されている。また、同図では、挟持部材310Aによって挟持される複数の蓄電素子100について破線で表されている。
また、同図では、説明の都合上、拘束部材400A(拘束部材410及び420)と金属エンドプレート312との接続位置の各々を結ぶ線によって囲まれる内部領域AR31に、ドットのハッチングが施されている。
同図に示されるように、拘束部材400A(拘束部材410及び420)は、Z軸方向プラス側(蓄電素子100の所定方向側)から見て、3以上の接続位置(本変形例では4つの接続位置)で金属エンドプレート312Aと接続される。
また、絶縁プレート313を固定する固定部(本実施の形態では2つのネジ303)は、Z軸方向プラス側(蓄電素子100の所定方向側)から見て、上記3以上の接続位置(本変形例では4つの接続位置)を結ぶ線によって囲まれる内部領域AR31に配置されている。
以上説明したような、本発明の実施の形態の変形例に係る蓄電装置によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。すなわち、絶縁プレート313は、内部領域AR31に配置されたネジ303によって、樹脂エンドプレート311及び金属エンドプレート312に固定される。ここで、内部領域AR31において蓄電素子100に付与される拘束力は、他の領域において当該蓄電素子100に付与される拘束力よりも大きくなるので、内部領域AR31における蓄電素子100の膨張による樹脂エンドプレート311及び金属エンドプレート312の変形を抑制できる。したがって、内部領域AR31に配置されたネジ303によって絶縁プレート313を固定することで、比較的変形が少ない位置で絶縁プレート313を固定することができるので、蓄電素子100の膨張により生じる絶縁プレート313の変形または損傷等の不具合を抑制することができる。
(その他の変形例)
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電装置について説明したが、本発明は、上記実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記実施の形態では、蓄電素子100の所定方向側をZ軸方向プラス側として説明した。つまり、蓄電素子100の所定方向側に配置される配置部として、挟持部材310が有する樹脂エンドプレート311及び金属エンドプレート312を例に説明した。しかし、蓄電素子100の所定方向側はZ軸方向マイナス側であってもよい。つまり、蓄電素子100の所定方向側に配置される配置部は、挟持部材320であってもよい。
また、上記実施の形態では、蓄電装置1は、一対の挟持部材310及び320からなる挟持部材300を備えるとした。しかし、蓄電装置1は、一対の挟持部材310及び320のいずれか一方の挟持部材を備え、当該一方の挟持部材と蓄電装置1の他の部材(例えば、第二外装体12の内壁)とで蓄電素子100を挟持してもよい。
また、上記実施の形態では、拘束部材400(拘束部材410〜440)は、当該拘束部材400の端部が挟持部材310に取り付けられていることとした。しかし、拘束部材400が挟持部材310に取り付けられる位置は、端部でなくてもよい。
また、上記実施の形態では、挟持部材310と拘束部材400とは別部材として説明した。しかし、挟持部材310と拘束部材400とは一体に形成された部材の互いに異なる部位であってもよい。同様に、上記実施の形態では、拘束部材410〜440の各々は、別部材として説明した。しかし、これらのうち少なくとも2つは、一体に形成された部材の互いに異なる部位であってもよい。
また、上記実施の形態では、所定方向(Z軸方向プラス側)から見て、蓄電素子100の短手方向と挟持部材310の短手方向とが同じであることとした。しかし、これらの短手方向は互いに異なっていてもよく、この場合であっても、一対の拘束部材410及び420が当該所定方向から見て挟持部材310の短手方向両側に配置されていることにより、蓄電素子100の膨張を効果的に抑制することができる。
また、上記実施の形態では、拘束部材400は、上記所定方向から見て、挟持部材310の短手方向両側に配置される拘束部材410及び420と、配置部の長手方向両側に配置される拘束部材430及び440とを有することとした。しかし、拘束部材400は拘束部材430及び440を有していなくてもよい。この場合でも、蓄電素子100に付与する拘束力の安定度は低下するものの、蓄電素子100の膨張を効果的に抑制することはできる。
また、上記実施の形態では、一対の拘束部材410及び420の各々が複数の接続位置で挟持部材310と接続されていることとした。しかし、一対の拘束部材410及び420のいずれか一方のみが複数の接続位置で挟持部材310と接続されていてもよい。この場合であっても、蓄電素子100に対する拘束力を安定的に付与することができる。また、一対の拘束部材410及び420の各々がいずれも1つの接続位置で挟持部材310と接続されていてもよい。この場合でも、蓄電素子100に付与する拘束力の安定度は低下するものの、蓄電素子100の膨張を効果的に抑制することはできる。
また、上記実施の形態では、リブ323は上記所定方向に突出するとして説明したが、上記所定方向と反対方向(Z軸方向プラス側)に突出してもよい。
また、上記実施の形態では、絶縁プレート313はネジ303によるネジ止めによって固定されているとした。しかし、固定方法はこれに限らず、例えば、ボルト締めによる固定、絶縁プレート313と樹脂エンドプレート311及び金属エンドプレート312とを嵌合することによる固定、及び、接着による固定等であってもよい。
また、上記実施の形態では、リブ323はネジ303を囲むように配置されているとした。しかし、リブ323はネジ303を囲まず、例えば、ネジ303の近傍に配置されていてもよい。この場合、ネジ303の近傍の金属エンドプレート312を補強することができるので、ネジ303を囲むようにリブ323を配置した場合と比較して強度は多少劣るものの、絶縁プレート313を比較的強固に固定することができる。
また、上記実施の形態では、上記所定方向から見て、リブ323は金属エンドプレート312の短手方向に延設されているとした。しかし、リブ323の延設方向は当該短手方向以外であってもよい。これにより、当該延設方向においてリブ323の剛性が高くなる。よって、この場合、拘束部材400は、当該短手方向にリブ323が延設された場合と比較して拘束力が多少劣るものの、蓄電素子100に対する拘束力を効果的に付与することができる。
また、上記実施の形態では、一対の拘束部材410及び420は、当該各拘束部材と金属エンドプレート312との接続位置の各々を結ぶ線が、Z軸方向プラス側から見て蓄電素子100の中央部分を通るように配置されるとした。しかし、一対の拘束部材410及び420は、当該線がZ軸方向プラス側から見て蓄電素子100の中央部分を除く領域を通るように配置されていてもよい。この場合でも、一対の拘束部材410及び420が当該所定方向から見て挟持部材310の短手方向両側に配置されていることにより、蓄電素子100の膨張を効果的に抑制することができる。
また、上記実施の形態及びその変形例が備える各構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。