JP2016053944A - 仮想空間内のオブジェクトを制御するコンピュータ・プログラムおよびコンピュータ実装方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ユーザに対し操作上の煩わしさを与えることなく、各種オブジェクトへのユーザ操作を容易かつ円滑に実現できるコンピュータ・プログラムおよびコンピュータ実装方法を提供する。【解決手段】コンピュータ・プログラムは、ユーザ入力に応じて、仮想空間内における仮想カメラの位置を決定し、仮想空間の視界領域を決定する第1決定部、ユーザ画面の表示領域における非活性化画面領域と対応付けがされる視界領域の非活性化平面領域を決定する第2決定部、当該非活性化平面領域上に少なくとも一部が配置されたオブジェクトに対し、透過処理および非活性化処理を行う処理部、並びに、ユーザ画面に出力するために、透過処理を行ったオブジェクトの画像を用いて視界領域に基づくゲーム画像を生成する生成部としてコンピュータを機能させる。【選択図】図6
Description
本発明は、コンピュータ・プログラムおよびコンピュータ実装方法に関し、より詳細には、仮想空間平面上に配置した各種オブジェクトに対してユーザ操作を容易にするコンピュータ・プログラムおよびコンピュータ実装方法に関するものである。
従来のコンピュータ・プログラム、特にゲーム・プログラムには、ゲームの進行上、3次元の仮想空間平面上に複数のオブジェクトを配置し、仮想カメラから映した視界画像を生成して画面に出力するものが多い。一例として、図1は、ユーザ操作により、仮想空間における何の建造物も無い土地(仮想空間平面)に様々なオブジェクトを配置して街づくりを行うような従来技術のゲーム・プログラムの画面例である。このようなゲームでは、ユーザは、自身の好みに応じて、道路や建造物等のオブジェクトを平面上の土地に配置することができる。更にユーザは、ゲームのルールにしたがい、仮想空間平面上に配置したオブジェクトの選択を通じて、移動や変更等を含む所定のユーザ操作を行うことが可能である。
上記のようなゲームでは、タッチ・ディスプレイに表示されるゲーム画像に対し、オブジェクトが配置される位置に対応するタッチ・ディスプレイ上の特定の領域をユーザがタッチすることにより、ユーザによるオブジェクト選択を可能にして、インタラクティブにゲームを進行させるのが一般的である。例えば、ユーザは、タッチ・ディスプレイにおいて、図1(a)のように表示される特定のオブジェクト(例えば、建物オブジェクトa)が表示された部分上を指やスタイラス・ペンでタッチすることにより、当該オブジェクトを選択し、操作可能となる。
しかしながら、このようなゲームでは、仮想空間に配置される仮想カメラの位置は、ズームインやズームアウトに伴う移動、および水平面に沿った所定の方向への水平移動のみ制御可能とされるものも多い。この場合は、例えば、オブジェクトの後ろに隣接配置された別のオブジェクト(例えば、建物オブジェクトaに隣接する建物オブジェクトb)をユーザが選択する際は、ユーザは、前方に隣接するオブジェクト(建物オブジェクトa)が表示された部分を避けるようにして、タッチ・ディスプレイをタッチしなければならない。前後の建物オブジェクトの重複領域においては、前方の建物オブジェクトが表示されることになるために、後方の建物オブジェクトは隠れてしまうからである。場合によっては、後方の建物オブジェクトが前方の建物オブジェクトに完全に隠れてしまい、タッチ・ディスプレイのタッチによる選択が不可能となることも起こり得る。
このように建物オブジェクトbをユーザがタッチにより選択したい場合、従来では、図1(b)のように、一旦、建物オブジェクトaをユーザ操作によって別の場所に移動させ、建物オブジェクトbの全体を表示できるようにした上で、ユーザが改めて建物オブジェクトbに対してタッチによる選択をする必要があった。
他方、このような状況に対する従来技術におけるゲーム・プログラム上の工夫としては、建物オブジェクト毎に一定以上の大きさ(特に高さ)を有するかの判断や、複数のオブジェクトが重複するかの判断を行い、その場合に一定以上の大きさを有する前方の建物オブジェクト(建物オブジェクトa)に対して、透過処理を実施して「ユーザによる選択不可」とするように設定するものがある。しかしながら、この場合は、各建物オブジェクトに様々なパラメータを設ける必要があり、処理が複雑化して処理コストが増大するという課題があった。
したがって、タッチ操作等のユーザ操作を容易にするために、オブジェクトに対する効
率的な制御を可能にする改良ゲーム・プログラムを提供することは有利なものとなる。
率的な制御を可能にする改良ゲーム・プログラムを提供することは有利なものとなる。
本発明の目的は、仮想空間平面上に配置した各種オブジェクトに対してユーザ操作を容易にするために、オブジェクトに対するユーザ操作制御および視覚上の表示制御を効率的に行うコンピュータ・プログラムを提供し、これにより、ユーザに対し操作上の煩わしさを与えることなく、各種オブジェクトへのユーザ操作(タッチジェスチャ操作によるオブジェクト選択等)を容易かつ円滑に実現できるコンピュータ・プログラムを提供することである。
上記の課題を解決するために、仮想空間平面上に配置したオブジェクトに対する操作制御および表示制御をするコンピュータ・プログラムおよびコンピュータ実装方法を提供する。
本発明のコンピュータ・プログラムは、ユーザ入力に応じて、仮想空間内における仮想カメラの位置を決定し、仮想空間の視界領域を決定する第1決定部、ユーザ画面の表示領域内の非活性化画面領域と対応付けがされる視界領域の非活性化平面領域を決定する第2決定部、当該非活性化平面領域上に少なくとも一部が配置されたオブジェクトに対し、透過処理および非活性化処理を行う処理部、並びに、ユーザ画面に出力するために、透過処理を行ったオブジェクトの画像を用いて視界領域に基づくゲーム画像を生成する生成部としてコンピュータを機能させる。
また、本発明のコンピュータ・プログラムでは、上記非活性化画面領域がユーザ画面の表示領域の中心線上にある基準点に基づいて規定されることを特徴とする。更に、本発明のコンピュータ・プログラムでは、仮想空間内の空間平面が格子状に形成され、上記第2決定部において、上記対応付けが、表示領域の基準点に対し、空間平面の1つの格子を基準格子として特定することにより行われることを特徴とする。
加えて、本発明のコンピュータ実装方法は、ユーザ入力に応じて、仮想空間内における仮想カメラの位置を決定し、仮想空間の視界領域を決定するステップ、ユーザ画面の表示領域内の非活性化画面領域と対応付けがされる視界領域内の非活性化平面領域を決定するステップであって、非活性化画面領域が表示領域の中心線上にある基準点に基づいて規定され、仮想空間内の空間平面が格子状に形成され、上記対応付けが、基準点に対し空間平面の1つの格子を基準格子として特定することにより行われる、ステップ、非活性化平面領域上に少なくとも一部が配置されたオブジェクトの画像に対し、透過処理および非活性化処理を行うステップ、並びに、ユーザ画面に出力するために、透過処理を行ったオブジェクトの画像を用いて視界領域に基づくゲーム画像を生成するステップを含む。
以下、図2〜図10の図面を参照して、本発明の実施形態によるコンピュータ・プログラムについて説明する。図中、同一の構成要素には同一の符号を付している。まず、図2を参照して、本発明の実施形態によるコンピュータ・プログラムを実行させるためのシステム(ここでは、ゲーム・システム)の基本構成について説明する。図2は、ゲーム・システムの主要な構成要素のみを示した概略ブロック図である。
図2に示すように、ゲーム・システム100は、ユーザ端末10−1〜10−4(以後、「ユーザ端末10」と総称する。)、およびゲーム・サーバ50を備え、これら要素間はネットワーク30を介して通信を行う。ユーザ端末10は、ゲーム・サーバ50および/またはユーザ端末10で生成されるゲーム画像をブラウザ等のアプリケーションにより表示できる装置であればよく、例えば、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム用コンソール、ノートPC、デスクトップPC等を含むが、これらに限定されない。
図示のように、ユーザ端末10は、端末表示部11、端末入力部12、端末処理部13、端末通信部14および端末記憶部15等を備え、これらはバスを介して電気的に相互に接続される。端末表示部11は、ゲーム・サーバ50から端末通信部14で受信し、端末記憶部15に一時的に格納したゲーム画像を、ブラウザを通じて表示する。端末表示部11は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)等によって実現することができ、実施形態においては、特にマルチタッチスクリーンとして構成するのがよい。端末入力部12は、3次元仮想空間に配置される仮想カメラの操作制御をするための命令や、3次元仮想空間に配置された各種オブジェクトに対するユーザ・アクション(オブジェクトの「建設」「選択」「移動」等)をするための命令を入力する。入力手段としては、キーボードや仮想キーボードによる文字入力、マウスによるオブジェクトのクリック、オブジェクト位置に対応するタッチスクリーン上の位置での指によるタッチ入力やスタイラスによる入力、およびその組み合わせとすることができるが、これらに限定されない。
端末入力部12で受けた入力命令に基づいて、端末処理部13がユーザ命令を作成し、端末通信部14およびネットワーク30を通じてゲーム・サーバ50と通信を行う。端末記憶部15は、ユーザ端末に関連付けられる各種データ、および画像データの表示に必要なブラウザ等のアプリケーションを格納すると共に、ゲーム・サーバ50から受信する画像データ等の各種データも一時的に格納する。端末処理部13はまた、ゲーム・サーバ50からダウンロードにより受信した各種データに基づいて、端末記憶部15に格納されたゲーム・プログラム・モジュールを端末側で実行するように構成してもよい。
一方、ゲーム・サーバ50は、処理部51、メインメモリ52、外部メモリ53、ユーザ・インタフェース54、通信部55およびディスク・ドライブ56等を備え、これらはバスを介して電気的に相互に接続される。処理部51は、外部メモリ53に格納されたプログラム・モジュール、およびディスク・ドライブ56に格納された各種データ等をメインメモリ52にロードして、順次プログラムを実行することによりゲームの進行を制御する。特に、処理部51は、ユーザ端末10での表示用ゲーム画像を生成して、通信部55を介してユーザ端末10に戻すように構成される。ユーザ・インタフェース54は、ゲーム・サーバ50の管理者によってサーバにアクセスされ、各種サーバ機能設定やネットワーク設定を実施する。
なお、上記ゲーム・サーバ50に関する情報処理装置としての様々な機能の全部または一部は、ユーザ端末10が担うように構成してもよい。この場合には、ユーザ端末10単体で情報処理装置を構成するか、またはユーザ端末10およびゲーム・サーバ50全体で情報処理装置が構成される。
次に、図3以降を参照して、本発明の実施形態により、オブジェクトに対する制御(特に、活性化制御および表示制御)を行うゲーム・プログラムに関する具体的な情報処理について説明する。
図3は、本発明の実施形態により、オブジェクトに対する活性化制御および表示制御を行うコンピュータ・プログラムによって実装される主要な機能について示した概略図である。特に図3は、主にユーザ端末10内の端末記憶部15に格納される各種プログラム・モジュール(機能ブロック)に関する例示の機能ブロック図である。なお、図3では、ユーザ端末10側に各機能を実装し、サーバ50からダウンロードした各種データを用いて情報処理を実行するための機能ブロック図を示すが、当該各機能はサーバ50側に実装してもよいことが当業者にとって理解されるべきである。
ユーザ端末10の入出力デバイスとして、ここではタッチスクリーン11,12、特にユーザによる複数指でのタッチを可能にするマルチタッチスクリーンを想定する。入力部10aでは、タッチスクリーンを通じたタッチジェスチャ操作により、ユーザ入力による命令を受ける。ユーザ命令のためのタッチジェスチャ操作は、例えば、タッチスクリーンに対するタップ、長押し、ピンチ、ストレッチ、スライド、スワイプ、回転等の操作を含むがこれに限定されない。
視界領域決定部10bでは、ユーザ入力、即ちタッチジェスチャ操作に応じて、仮想空間内における仮想カメラの位置を操作して決定し、仮想空間の視界領域を決定する。なお、本実施形態では、これに限定されないが、仮想カメラは、ズームイン・ズームアウトに伴う高さ方向の移動、および水平面に沿った所定の方向への水平移動のみを可能とし、仮想空間内を自由に移動させることは想定しない。視界領域決定部10bでは、次いで、視界領域内の視界領域内の平面上に配置された各オブジェクトの情報を含む空間データをユーザ端末10内の記憶部15に一時的に格納する。
表示モード指定部10cでは、スクリーンに表示される視界領域の表示モードがユーザ命令により指定される。例えば、「通常モード」は仮想空間内の視界領域の通常のゲーム画像を表示するためのモードであり、また、「ビュー・モード」は、視界領域の平面上に配置されたオブジェクトに対し、オブジェクトを移動させる等のオブジェクト操作を可能にし、その操作結果をプレビューするためのモードである。
表示モード指定部10cでユーザ入力により画面表示モードが「ビュー・モード」に設定されると、仮想空間平面領域決定部10dでは、最初に、ユーザ画面の表示領域に対し、仮想空間内の視界領域の空間平面領域を対応付ける。そして、ユーザ画面の表示領域の内から、ユーザ操作を非活性化するための所定の非活性化画面領域を特定する。次いで、当該特定された非活性化画面領域に関し、仮想空間内の視界領域における平面領域(非活性化平面領域)を対応付けて決定する。非活性化平面領域は、当該平面領域および当該平面領域上に配置されるオブジェクトの画像に対し、透過処理および/またはユーザ操作の非活性化処理を実施することになる領域のことである。
透過処理および非活性化処理部10eでは、最初に、仮想空間平面領域決定部10dで決定した非活性化平面領域上に配置されるオブジェクトを特定する。特定されるオブジェクトは、透過処理および非活性化処理の対象オブジェクトとして決定される。オブジェクトの少なくとも一部分が上記平面領域上に配置されており、即ち非活性化平面領域の境界を跨いで配置されるオブジェクトであっても、対象オブジェクトとして決定するのがよい。次いで、対象オブジェクトに対し、所定の透過率に基づく透過処理、およびユーザ操作を非活性化させる非活性化処理を実施する。所定の透過率に基づく透過処理としては、例えば、当業者にとって通常用いられるアルファ・ブレンドによる透過処理を採用することができ、この場合、アルファ値を適切に選択することにより透過率を決定される。また、ユーザ操作を非活性化させる非活性化処理では、図4で後述する対象オブジェクトの活性化フラグを「非活性化」に設定する。当該活性化フラグが「非活性化」に設定されると、タッチ(クリック)判定がオフに設定され、何らタッチ・イベントを発生させることはない。つまり、ユーザにより対象オブジェクトに対してタッチジェスチャ操作がなされた場合であっても、タッチスクリーンは何ら反応をしない。
透過処理および非活性化処理部10eでは、更に、非活性化画面領域に対応付けられる視界領域の非活性化平面領域の平面画像(例えば、地面の画像等)に対しても透過処理を行うように構成してもよい。
画像生成部10fでは、視界領域決定部10bで端末記憶部15に一時的に格納される空間データに基づいて、透過処理および非活性化処理部10eで透過処理を行ったオブジェクトの画像および平面領域の平面画像を用いて、視界領域の空間データに基づくゲーム画像を生成する。更に、ゲーム画像において、表示領域内の非活性化画面領域の境界線(または当該非活性化画面領域に対応付けられる視界領域の平面領域の境界線)を固定的に明示するように重畳してもよい。
オブジェクト操作部10gでは、画像生成部10fで生成されたゲーム画像を用いて、仮想空間平面上に配置され、非活性化されていないオブジェクトに対し、タッチジェスチャを通じた移動や変更等を含む所定のユーザ操作をユーザに実施させる。最後に出力部10fにおいて、ゲーム画像がユーザ画面(タッチスクリーン)に出力される。
図3に示した各機能ブロックにおいて用いられる各種データは、それぞれテーブル形式で端末記憶部15に一時的に格納するのがよい。例えば、図4は、オブジェクトのデータを収容する例示のオブジェクト・テーブルである。図示のように、オブジェクト・テーブルには、これに限定されないが、仮想空間平面に配置されたオブジェクト毎に、オブジェクトID、アイコン種別、形状(L,W,H)、仮想空間平面上の配置位置(x,y)、活性化フラグを含むオブジェクト・データが収容される。
オブジェクトIDはオブジェクトを一意に識別する識別子である。アイコン種別は、仮想空間平面に配置するオブジェクトのアイコンの種別を示し、例えば、AABBは「銀行」オブジェクトを、YYYYは「コンビニ」オブジェクトを示すといった具合である。形状は、オブジェクトの3次元仮想空間内における奥行き(W)、幅(W)、高さ(H)データである。仮想空間平面上の配置位置は、(x,y)座標系での位置データである。後述するように仮想空間平面を格子状に形成して、格子の上に各オブジェクトを配置するようにしてもよく、この場合は、格子番号のようなデータとなることが当業者にとって理解される。活性化フラグは、オブジェクトに対し、ユーザによるタッチ・ディスプレイのタッチ選択のようなタッチジェスチャ操作を可能とするかを設定するフラグであり、例えば「1」は「活性化」を、「0」は「非活性化」を示すデータである。初期状態では「1」にセットされ、上記透過処理および非活性化処理部10eにおいて非活性化対象のオブジェクトと判断された場合は「0」にセットするように構成される。なお、上記の各種プログラム・モジュールおよび各種データやテーブルは、例示のために用いたに過ぎず、当業者にとって、これらに限定されないことが理解される。
次に図5から図7を参照して、本発明の実施形態によるゲーム・プログラムを用いて実行される、特にオブジェクト透過処理の基本態様に関する一例を示す。図5は、仮想カメラ1からの視界領域における空間平面(xy平面)領域60、および空間平面領域60上に配置された建物オブジェクト80,85,90についての空間イメージを示す。具体的には、仮想空間平面は格子上に形成され、空間平面領域60は格子[x1, y1]〜[x7, y7]で形成されている。8つの格子[x2, y2]〜[x5, y3]上、2つの格子[x4, y4]〜[x5, y4]上、および4つの格子[x6, y5]〜[x7, y6]上に建物オブジェクト80,85,90がそれぞれ配置される。
特に、建物オブジェクト85については、空間イメージ上、大きな建物オブジェクト80の背後に一部が隠れている。このため、ユーザが建物オブジェクト85をタッチジェスチャにより選択しようとする場合、建物オブジェクト80を避けるようにして建物オブジェクト85を選択するのは難しく、間違えて建物オブジェクト80の方を選択してしまう恐れがある。
表示モードが「通常モード」に設定される場合は、図5の空間イメージに基づくゲーム画像が生成されて画面表示されるのに対し、「ビュー・モード」に設定される場合には、図6または図7の空間イメージに基づくゲーム画像が生成されて画面表示される。図6および図7では、空間平面領域60は、非活性化平面領域61’および活性化平面領域62、並びにその間のL字状の平面境界線L1から形成される。非活性化対象領域61’では、平面画像を所定の透過率に基づいて(例えば50%)透過処理を実施して半透明にされる。
加えて、図6および図7では、活性化対象領域62上の建物オブジェクト85,90は(何も視覚上の処理を実施することなく)そのままの空間イメージで画面表示されるのに対し、非活性化平面領域61上の建物オブジェクト80の画像には視覚上の表示制御処理を実施する。具体的には、図6では所定の透過率に基づいて(例えば50%)透過処理を実施して、オブジェクト画像を半透明化しており(建物オブジェクト80’)、図7では透過率を100%に設定して、建物オブジェクト80を透明(非表示)にしている。これにより、建物オブジェクト80の背後に配置された建物オブジェクト85はその全体が表示されるようになる。なお、透過処理における透過率は、固定値としても、または境界線からの距離に基づいて動的に値を設定してもよく、任意の値とすることができる。
更に、建物オブジェクト80に対するユーザ操作を非活性化(即ち、活性フラグを「0」に設定する)して、ユーザが仮に建物オブジェクト80画像部分をタッチしても建物オブジェクト80を選択できないようにする。これにより、建物オブジェクト85の選択を容易にできる。
このように、本発明の実施形態によるコンピュータ・プログラムを実装することにより、仮想空間平面上に配置した各種オブジェクトに対してユーザ操作を容易にすることができる。より具体的には、オブジェクトに対するユーザ操作制御および視覚上の表示制御を効率的に行うコンピュータ・プログラムを実装することにより、ユーザに対し操作上の煩わしさを与えることなく、各種オブジェクトへのユーザ操作(タッチジェスチャ操作によるオブジェクト選択等)を容易かつ円滑に実現することができる。
次に図8を参照して、仮想空間内の視界領域における非活性化平面領域とユーザ画面の表示領域内に規定される非活性化画面領域との対応付けの一例について説明する。図8に示すように、ユーザ画面の画面表示領域11(四角い枠)において、破線で示した中心線L3上の中央より下部に画面基準点P1が規定される。当該画面基準点P1からL字状の画面境界線L2が延び、これを境界にして、上部を非活性化画面領域A1、および下部を活性化画面領域A2として形成する。なお、画面境界線L2は、画面表示領域11内部に点線で示した格子の周縁上を沿うことができるように予め角度が調整される。なお、画面基準点P1は、中心線L3上の点に限定されないことは当業者に理解されるべきである。
画面表示モードが「ビュー・モード」に設定された場合、最初に、画面表示領域11に対して対応付けがされる、3次元仮想空間の視界領域の空間平面領域60の内、画面表示領域11の画面基準点P1の位置に対応する活性化平面領域の基準格子C1を特定する。次いで、予め決められたルールにしたがって、基準格子C1の特定の点から格子に沿って2つの直線をL字状に伸ばすことにより、画面境界線L2に対応した平面境界線L1を構成することができる。このように平面境界線L1を決定することにより、仮想空間の視界領域の空間平面において、図6および図7に示したような非活性化平面領域61’および活性化平面領域62を決定することができる。なお、平面境界線L1および画面境界線L2は、L字状に限定されず、所定のルールにしたがい、他にも階段状のような3本以上の直線からなるものとしてもよく、任意の格子形状にしたがって任意の形状とすることができる。
図9は、本発明の実施形態により、オブジェクトに対する活性化制御および表示制御を行うコンピュータ実装方法における一連の情報処理を示す一例のフロー・チャートである。本フロー・チャートは、画面表示モードが「ビュー・モード」に設定されると開始される。
ステップS10では、ユーザ入力に応じて、仮想空間内における仮想カメラの位置を決定する。ステップS20では、決定した仮想カメラの位置に基づいて、図5に示したように仮想空間の視界領域を決定する。次いで、ステップS30では、図8に示したように、ユーザ画面の表示領域11の内から、ユーザ操作を非活性化するための所定の非活性化画面領域を特定する。更にステップS40では、ユーザ画面の表示領域に対し、仮想空間内の視界領域内の空間平面領域60を対応付ける。
引き続き、ステップS50では、図8に示したように、画面表示領域11に対して対応付けがされた視界領域の空間平面領域60の内、画面表示領域11の画面基準点P1の位置に対応する活性化平面領域の基準格子C1を特定する。次いで、所定のルールにしたがって基準格子C1から構成される平面境界線L1に基づいて、図6および図7に示した非活性化平面領域61を決定する。
引き続き、ステップS70では、ステップS60で決定された非活性化平面領域61の上に少なくとも一部が配置されたオブジェクトを特定し、更にステップ80で、当該特定されたオブジェクトの画像に対して、所定の透過率に基づく透過処理、および活性フラグを「非活性」にする非活性化処理を実施する(図6のオブジェクト80’)。加えて、ステップS90で、ステップS60で決定された非活性化平面領域61の平面画像に対しても所定の透過率に基づく透過処理を実施する(図6および図7で示した非活性化平面領域61’)。
ステップ100では、視界領域の空間データに基づいてゲーム画像を生成する。ここでは、ステップS80およびステップS90でそれぞれ透過処理を実施したオブジェクトの画像および非活性化平面領域61’の平面画像を使用する。更にステップS110では、表示領域内の非活性化画面領域A1の境界線(または非活性化平面領域の境界線)をゲーム画像に固定的かつ明示的に重畳する。
このようにして構成されたゲーム画像は、ステップS120でユーザ画面に出力される(ゲーム画像例については図10に関して後述する)。ステップS10からステップS120の一連のステップは、ユーザ入力が継続する間、例えばユーザがスライドをスクロールするタッチジェスチャによって画面を操作している間は、繰り返し継続される。なお、図9に関して上記に説明した各ステップは、例示に過ぎず、本発明はこれら全ての実施内容や実施順序には限定されない点が当業者にとって理解されるべきである。
最後に図10を参照して、図9のステップS120を通じて出力されるゲーム画面例について説明する。図10(a)は、画面表示モードを「通常モード」に設定した場合の、仮想空間の視界領域についてのゲーム画面例である。空間平面上に配置された、発電所オブジェクトやホテル・オブジェクトをはじめとしたオブジェクトは、全て通常どおり表示される。図10(b)は、図10(a)の状態から画面表示モードを「ビュー・モード」に設定変更した場合の画面例である。画面上、画面境界線L2から下部領域A1に対応する非活性化平面領域が透過表示されると共に、非活性化平面領域上に配置されたホテル・オブジェクト等のオブジェクトが透過表示されていることが分かる。透過表示されたオブジェクトに対し、ユーザ操作は非活性化されており、タッチジェスチャによるユーザ命令は無効となる。
図10(c)および図10(d)は、図10(b)の「ビュー・モード」から、ユーザが引き続き画面をスライドにより上下にスクロールした場合の画面例である。上下のスクロール操作により、仮想カメラを仮想空間内で所定の方向に水平移動させることができる。図10(c)は、図10(b)から画面境界線L2が固定されたまま、下方向のスクルロール操作により仮想カメを画面の上方向に水平移動させた場合の画面例であり、スクロールの途中、発電所オブジェクトの少なくとも一部分が画面境界線L2上を跨いだ際に、当該発電所オブジェクトが透過表示される。図10(d)は、図10(c)から画面境界線L2が固定されたまま、上方向のスクルロール操作により仮想を下方向に水平移動させた場合の画面例であり、スクロールの途中、発電所オブジェクトおよびホテル・オブジェクトの配置が非活性化平面領域から外れ、活性化平面領域に進入した際に、これらのオブジェクトが透過表示から通常表示に切り替わる。
このように、本発明の実施形態によるコンピュータ・プログラムおよびコンピュータ実装方法を実装することにより、仮想空間平面上に配置した各種オブジェクトに対してユーザ操作を容易にすることができる。より具体的には、オブジェクトに対するユーザ操作制御および視覚上の表示制御を効率的に行うコンピュータ・プログラムおよびコンピュータ実装方法を実装することにより、ユーザに対し操作上の煩わしさを与えることなく、各種オブジェクトへのユーザ操作(タッチジェスチャ操作によるオブジェクト選択等)を容易かつ円滑に実現することができる。
以上、本発明の実施形態による、仮想空間平面上に配置したオブジェクトに対して制御、特に操作制御および表示制御をするコンピュータ・プログラムおよびコンピュータ実装方法について説明した。当該コンピュータ・プログラムおよびコンピュータ実装方法は、コンピュータ・ゲーム分野に適応されるが、これに限定されず、例えば、CADのような3次元デザイン設計の分野にも適用可能である。
上述した実施形態は、本発明の理解を容易にするための例示に過ぎず、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良することができると共に、本発明にはその均等物が含まれることは言うまでもない。
Claims (8)
- ユーザ入力に応じて、仮想空間内における仮想カメラの位置を決定し、仮想空間の視界領域を決定する第1決定部と、 ユーザ画面の表示領域内の非活性化画面領域と対応付けがされる前記視界領域内の非活性化平面領域を決定する第2決定部と、 前記非活性化平面領域上に少なくとも一部が配置されたオブジェクトの画像に対し、透過処理および非活性化処理を行う処理部と、 前記ユーザ画面に出力するために、前記透過処理を行ったオブジェクトの画像を用いて前記視界領域に基づくゲーム画像を生成する生成部ととしてコンピュータを機能させる、コンピュータ・プログラム。
- 前記非活性化画面領域が前記表示領域の中心線上にある基準点に基づいて規定される、請求項1記載のコンピュータ・プログラム。
- 前記仮想空間内の空間平面が格子状に形成され、 前記第2決定部において、前記対応付けが、前記表示領域の基準点に対し、前記空間平面の1つの格子を基準格子として特定することにより行われる、請求項2記載のコンピュータ・プログラム。
- 前記処理部において、更に、前記非活性化平面領域の平面画像に対して透過処理を行い、 前記生成部において、更に、前記透過処理を行った平面画像を用いて前記ゲーム画像を生成する、請求項1から3のいずれか一項記載のコンピュータ・プログラム。
- 前記生成部において、前記表示領域内の非活性化画面領域の境界線を前記ゲーム画像に固定的に重畳させる、請求項1から4のいずれか一項記載のコンピュータ・プログラム。
- 仮想空間内のオブジェクトを制御するためのコンピュータ実装方法であって、 ユーザ入力に応じて、仮想空間内における仮想カメラの位置を決定し、仮想空間の視界領域を決定するステップと、 ユーザ画面の表示領域内の非活性化画面領域と対応付けがされる前記視界領域内の非活性化平面領域を決定するステップであって、 前記非活性化画面領域が前記表示領域の中心線上にある基準点に基づいて規定され、 前記仮想空間内の空間平面が格子状に形成され、 前記対応付けが、前記基準点に対し、前記空間平面の1つの格子を基準格子として特定することにより行われることを含む、ステップと、 前記非活性化平面領域上に少なくとも一部が配置されたオブジェクトの画像に対し、透過処理および非活性化処理を行うステップと、 前記ユーザ画面に出力するために、前記透過処理を行ったオブジェクトの画像を用いて前記視界領域に基づくゲーム画像を生成するステップとを含む、方法。
- 前記処理を行うステップが、更に、前記非活性化平面領域の平面画像に対して透過処理を行うステップを含み、 前記生成するステップが、更に、前記透過処理を行った平面画像を用いて前記ゲーム画像を生成するステップを含む、請求項6記載のコンピュータ実装方法。
- 前記生成するステップが、更に、前記表示領域内の非活性化画面領域の境界線を前記ゲーム画像に固定的に重畳させるステップを含む、請求項6または7記載のコンピュータ実装方法。
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2015
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