以下、自動販売機を利用した販売促進システムの実施形態について、図面を用いて説明する。なお、この実施形態は、飲料品等の商品を販売する自動販売機を利用して、その商品のメーカがポイントサービスによる販促を行う場合である。
(第1の実施形態)
図1は、自動販売機を利用した販売促進システム1の概略図である。販売促進システム1は、自動販売機2と、携帯端末3と、自販機サーバ4と、メーカサーバ5とを含む。そして自動販売機2、携帯端末3、自販機サーバ4及びメーカサーバ5を、インターネット等の通信ネットワーク6に接続することで、販売促進システム1が構築される。
この販売促進システム1において、自動販売機2の台数は特に制限されない。また、自動販売機2が設置される地域や場所も特に制限されるものではない。自動販売機2の管理・運営方式についても、特に限定されるものではない。専用の運営会社によって管理・運営が任される自動販売機2であってもよいし、メーカが直接、管理・運営を行う自動販売機2であってもよい。要は、通信ネットワーク6との接続環境にあればよい。
携帯端末3は、自動販売機2から商品を購入するユーザ(顧客)がそれぞれ携帯する電子機器である。携帯端末3は、少なくとも入力デバイスと表示デバイスと通信デバイスとを備える。また携帯端末3は、自動販売機2を利用してメーカが行う販促であるポイントサービスに対応したアプリケーションプログラム(以下、自販機ポイントプログラムと称する)を実装する。自販機ポイントプログラムは、例えば通信ネットワーク6を介してメーカサーバ5にアクセスすることにより、携帯端末3にインストールできる。このような携帯端末3は、本システム専用の電子機器であってもよいし、スマートフォン、タブレット端末等の汎用の電子機器であってもよい。
自販機サーバ4は、例えば自動販売機2の運営会社によって管理される。運営会社ではなく、例えば販売促進システム1の構築に関連する企業体が自販機サーバ4を管理してもよい。
自販機サーバ4は、自販機データベース7にアクセスする機能を有する。自販機データベース7は、例えば自販機サーバ4に内蔵された補助記憶デバイスに形成される。自販機サーバ4が図示しない外部インターフェースを備え、この外部インターフェースを介して接続される記憶デバイスに自販機データベース7を形成してもよい。
図2は、自販機データベース7に保存される自販機データレコード7Rの主要なデータ構造を示す模式図である。図2に示すように、自販機データレコード7Rは、自販機コード(機器コード)、値札数N及び値札数N分の値札情報を含む。通信ネットワーク6に接続される各自動販売機2には、予め固有の自販機コードがその自動販売機2を識別する機器コードとして割り当てられる。自販機データレコード7Rにおける自販機コードは、この各自動販売機2固有の機器コードである。自販機データベース7には、自動販売機2の台数だけの自販機データレコード7Rが保存される。
値札数Nは、同一レコード7R内の自販機コードによって識別される自動販売機2に設けられる値札27(図6を参照)の数である。値札27は、自動販売機2で販売される各商品に関連付けられ、その関連付けられた商品の購入操作を検出する検出部として機能する。
値札情報は、値札27毎の情報である。値札情報には、値札コード、商品コード、商品名、値札価格、メーカアドレスなどが含まれる。1台の自動販売機2に設けられる複数の値札27には、それぞれ固有の値札コードがその値札27を識別する部位コードとして割り当てられる。値札情報における値札コードは、同一レコード7R内の自販機コードによって識別される自動販売機2に設けられる値札27固有の部位コードである。
商品コード、商品名、値札価格及びメーカアドレスは、同一値札情報内の値札コードによって識別される値札27に関連付けられた商品の情報である。各商品には、それぞれ固有の商品コードが識別コードとして割り当てられる。値札情報における商品コードは、値札27に関連付けられた商品固有の識別コードである。商品名は、商品コードによって識別される商品の名称であり、値札価格は、その商品の販売価格である。値札価格は、自動販売機2毎に設定される。同一商品であっても、自動販売機2によって値札価格が異なる場合がある。メーカアドレスは、商品コードによって識別される商品の製造元であるメーカのメーカサーバ5に通信ネットワーク6を介してアクセスするためのネットワークアドレスである。各メーカサーバ5には、それぞれ固有のネットワークアドレスがメーカアドレスとして割り当てられている。
図1に説明を戻す。
メーカサーバ5は、自動販売機2で販売される各商品のメーカによって管理される。メーカは1社に限定されない。メーカサーバ5は、自動販売機2で販売される商品のメーカの数だけ存在する。前記値札情報に含まれるメーカアドレスを共通にすることで、複数のメーカが、1つのメーカサーバ5を兼用して管理することも可能である。
メーカサーバ5は、商品データベース8と顧客データベース9とにアクセスする機能を有する。商品データベース8及び顧客データベース9は、例えばメーカサーバ5に内蔵された補助記憶デバイスに形成される。メーカサーバ5が図示しない外部インターフェースを備え、この外部インターフェースを介して接続される記憶デバイスに商品データベース8と顧客データベース9とを形成してもよい。
図3は、商品データベース8に保存される商品データレコード8Rの主要なデータ構造を示す模式図である。図3に示すように、商品データレコード8Rは、商品コード、商品名、標準価格及びポイントPxを含む。商品コード及び商品名の定義は、前述したとおりである。標準価格は、同一レコード8R内の商品コードによって識別される商品に対して、その商品のメーカが設定する価格である。ポイントは、同一レコード8R内の商品コードによって識別される商品に対して、その商品のメーカが設定するサービスポイントである。
例えば小売店がポイントサービスによる販促を行う場合、販売価格の数%をサービスポイントとして客に提供するのが一般的である。このため、商品データレコード8Rに含まれるサービスポイントも、本来ならば販売価格を基に設定することが望ましい。しかし、自動販売機2で販売される商品の価格は、通常、その自動販売機2を管理し運営する運営会社によって決められる。このため、同一メーカの同一商品であっても販売価格は異なる。例えば、同一商品を標準価格で販売する自動販売機2も存在するし、標準価格とは異なる価格で販売する自動販売機2も存在する。そこで、本実施形態の販売促進システム1に参入するメーカは、自動販売機2で販売される商品の標準価格を設定し、さらにこの標準価格を基にサービスポイントを設定する。こうして、商品毎に設定された標準価格とサービスポイントとが、商品データレコード8Rに組み込まれる。
図4は、顧客データベース9に保存される顧客データレコード9Rの主要なデータ構造を示す模式図である。図4に示すように、顧客データレコード9Rは、顧客コード(端末コード)及び累積ポイントPmを含む。携帯端末3のユーザには、予め固有の顧客コードが、その端末3を識別する端末コードとして割り当てられる。顧客コードは、自販機ポイントプログラムを自己の携帯端末3にインストールする際にメーカサーバ5によって一意のものが決定される。携帯端末3がスマートフォンや携帯電話の場合、メーカサーバ5は、電話番号を顧客コードとして決定してもよい。
累積ポイントPmは、同一レコード9R内の顧客コードによって特定されるユーザに対して、メーカサーバ5のメーカから提供されたサービスポイントの累積値である。各メーカは、この累積ポイントに対して値引等の恩典ルールを予め決めている。恩典ルールについては、各メーカがそれぞれ決定してもよいし、各メーカにおいて共通な恩典ルールを決定してもよい。本実施形態では、各メーカが以下の恩典ルールを共通に決定するものとする。
・恩典ルール:累積ポイントPmが10ポイントにつき10円の値引きを実施する。ただし、50ポイント(値引額50円)を上限とする。
図5は、自動販売機2の外観の正面を概略的に示す模式図であり、図6は、同自動販売機2の構成を示すブロック図である。図5に示すように自動販売機2は、商品サンプルの表示部21と、商品排出口22と、硬貨投入口23と、硬貨払出口24と、紙幣投入口25と、近距離無線通信ユニット26とを正面に設ける。
表示部21には、当該自動販売機2で販売される各商品のサンプルにそれぞれ対応させて値札27が配置される。図6に示すように各値札27は、表示器27Aと、NFC(Near Field Communication:近距離無線通信)チップ27Bとを含む。表示器27Aは、例えば電子ペーパーである。カラーLED(liquid crystal display)、セグメント表示器等を表示器27Aとして用いることも可能である。
NFCチップ27Bは、値札27に近接された他のNFCチップ搭載機器とNFC規格に準拠したデータ通信を行う。なお、NFC規格の方式については、特に限定されない。NFCチップ27BがNFCチップ搭載機器とデータ通信を行うことで、自動販売機2は、このNFCチップ27Bを含む値札27に対応したサンプルの商品が選択されたものとみなす。因みに、各値札27の裏面側にはスイッチが設けられており、値札27が物理的に押圧された場合も、値札27は、その値札27に対応付けられたサンプルの商品購入操作を検出する。なお、商品の購入操作を検出するスイッチは、値札27とは別に設けてもよい。
さらに自動販売機2は、図6に示すように、各商品を収容する商品ストッカ210と、この商品ストッカ210の駆動部220と、決済部230と、通信デバイス240と、自販機コントローラ250とを備える。駆動部220は、商品ストッカ210に収容されている商品を1点ずつ取出し、商品排出口22に排出する機構(不図示)を動作させる。
決済部230は、値札27を介して購入操作が検出された商品の代金入力を受け付ける。決済部230は、電子マネーによる代金入力を受け付けるための近距離無線通信ユニット26を含む。近距離無線通信ユニット26は、NFCチップ261を内蔵する。NFCチップ261は、近距離無線通信ユニット26に近接された他のNFCチップ搭載機器とNFC規格に準拠したデータ通信を行う。
また決済部230は、現金による代金入力を受け付けるための硬貨ユニット231と、紙幣ユニット232とを含む。硬貨ユニット231は、硬貨投入口23から投入された硬貨を金種別に選別して図示しない金庫に収容する。このとき硬貨ユニット231は、投入された硬貨の金額を算出し、その金額データを自販機コントローラ250に通知する。また硬貨ユニット231は、自販機コントローラ250から釣銭データを受け取ると、釣銭額に相当する硬貨を金庫からピックアップして硬貨払出口24に払い出す。紙幣ユニット232は、紙幣投入口25から投入された紙幣を金種別に選別して図示しない金庫に収容する。このとき紙幣ユニット232は、投入された紙幣の金額を算出し、その金額データを自販機コントローラ250に通知する。また紙幣ユニット232は、自販機コントローラ250から釣銭データを受け取ると、釣銭額に相当する紙幣を金庫からピックアップして紙幣投入口25に払い出す。
通信デバイス240は、前記通信ネットワーク6を介して各サーバ4,5との間で行う双方向のデータ通信を制御する。
自販機コントローラ250は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のコンピュータ部品を含む。自販機コントローラ250は、駆動部220、決済部230、通信デバイス240及び表示部21を制御して、自動販売機2としての機能を実現させる。また自販機コントローラ250は、当該自動販売機2固有の自販機コードと、各値札27固有の値札コードとを、メモリ領域にて記憶する。
因みに、図5及び図6は、5品目の商品を販売する自動販売機2を例示する。本実施形態において、自動販売機2で販売される商品の品目数は5品目に限定されるものではない。品目数は、4品目以下でもよいし、6品目以上でもよい。
図7は、携帯端末3の構成を示すブロック図である。携帯端末3は、CPU31、ROM32、RAM33、補助記憶デバイス34、タッチパネル35、通信デバイス36及びNFCチップ37を搭載し、これらをアドレスバス,データバス等のバスラインBLで接続する。
CPU31は、コンピュータの中枢部分に相当する。CPU31は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、携帯端末3としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
ROM32は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM32は、上記のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。ROM32は、CPU31が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。
RAM33は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM33は、CPU31が処理を実行する上で必要なデータを記憶する。またRAM33は、CPU31によって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用される。
補助記憶デバイス34は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス34は、例えばフラッシュメモリカードである。補助記憶デバイス34は、CPU31が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU31での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス34は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
タッチパネル35は、表示デバイスであるパネル型ディスプレイの画面に、入力デバイスであるタッチセンサを配置したデバイス機器である。
通信デバイス36は、前記通信ネットワーク6を介して各サーバ4,5との間で行う双方向のデータ通信を制御する。
NFCチップ37は、携帯端末3に近接された他のNFCチップ搭載機器とNFC規格に準拠したデータ通信を行う。
このような構成の携帯端末3は、電子マネーの残高データ341を補助記憶デバイス34にて記憶する。また携帯端末3は、当該携帯端末3のユーザに割り当てられる顧客コードを補助記憶デバイス34にて記憶する。
図8は、メーカサーバ5の構成を示すブロック図である。メーカサーバ5は、CPU51、ROM52、RAM53、補助記憶デバイス54、時計部55及びネットワークインターフェース56を搭載し、これらをアドレスバス,データバス等のバスラインBLで接続する。
CPU51は、コンピュータの中枢部分に相当する。CPU51は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムに従って、メーカサーバ5としての各種の機能を実現するべく各部を制御する。
ROM52は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。ROM52は、上記のオペレーティングシステムやアプリケーションプログラムを記憶する。ROM52は、CPU51が各部を制御するための処理を実行する上で必要なデータを記憶する場合もある。
RAM53は、上記コンピュータの主記憶部分に相当する。RAM53は、CPU51が処理を実行する上で必要なデータを記憶する。またRAM53は、CPU51によって情報が適宜書き換えられるワークエリアとしても利用される。
補助記憶デバイス54は、上記コンピュータの補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス54は、例えばEEPROM(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)、あるいはSSD(Solid State Drive)などである。補助記憶デバイス54は、CPU51が各種の処理を行う上で使用するデータや、CPU51での処理によって生成されたデータを保存する。補助記憶デバイス54は、上記のアプリケーションプログラムを記憶する場合もある。
時計部55は、現在の日付及び時刻を計時する。
ネットワークインターフェース56は、前記通信ネットワーク6を介して携帯端末3、自動販売機2などの機器との間で行う双方向のデータ通信を制御する。
このような構成のメーカサーバ5は、図9に示すデータ構造のデータテーブル57を補助記憶デバイス54にて記憶する。データテーブル57は、自販機コードのエリアと返金額のエリアとからなり、自販機コードのエリアには、自動販売機2固有の自販機コードがセットされる。各自販機コードに対応した返金額エリアの初期値は“0”である。
また、メーカサーバ5は、図10に示すデータ構造のワークレコード58をRAM53にて一時的に記憶する。ワークレコード58は、顧客コード、自販機コード、商品コード、値札価格、標準価格、発行ポイントP、値引額及び使用ポイントPyの各データを含む。
なお、自販機サーバ4については、図示しないが、その構成部品はメーカサーバ5と共通若しくは類似している。
図11及び図12は、携帯端末3のCPU31が実行する情報処理手順の要部を示す流れ図である。図13及び図14は、自動販売機2の自販機コントローラ250が実行する情報処理手順の要部を示す流れ図である。図15及び図16は、メーカサーバ5のCPU51が実行する情報処理手順の要部を示す流れ図である。以下、これらの流れ図を参照して、携帯端末3のユーザが自動販売機2から商品を購入する際の本システム1の動作について説明する。
自動販売機2から商品を購入するユーザは、携帯端末3にインストールされている自販機ポイントプログラムを起動する。そうすると、この自販機ポイントプログラムに基づいて携帯端末3のCPU31が、図11及び図12の流れ図に示す処理を開始する。先ずCPU31は、値引フラグF1をオフする(Act1)。値引フラグF1は、値引が適用されるか否かを識別する情報であり、RAM33に格納されている。本実施形態では、値引が適用されない場合に値引フラグF1がオフし、値引が適用される場合に値引フラグF1がオンする。
自販機ポイントプログラムを起動したユーザは、自動販売機2の表示部21に配置される各値札27のうち、購入する商品のサンプルに対応する値札27に、携帯端末3を近づける。そうすると、この携帯端末3に搭載されたNFCチップ37と、当該値札27に実装されたNFCチップ27Bとの間でNFC規格に準拠したデータ通信が行われる。
携帯端末3のCPU31は、値札フラグF1をオフした後、NFCチップ27Bとのデータ通信が開始されるのを待機する(Act2)。データ通信が開始されると(Act2にてYES)、CPU31は、このデータ通信により自動販売機2から送信される自販機コード(機器コード)と値札コード(部位コード)とを取得する(Act3:第1の取得手段)。
一方、自販機コントローラ250は、図13に示すように、いずれかの値札27に実装されたNFCチップ27Bが、携帯端末3に搭載されるNFCチップ37との間でデータ通信を開始するのを待機している(Act21)。携帯端末3がいずれかの値札27に近づけられると、その値札のNFCチップ27Bが当該携帯端末3のNFCチップ37とデータ通信を開始する。データ通信が開始されると(Act21にてYES)、自販機コントローラ250は、そのデータ通信を開始したNFCチップ27Bを実装する値札27に対して予め割り当てられている選択番号を自販機コントローラ250内のメモリ領域にて記憶する(Act22)。また自販機コントローラ250は、当該自動販売機2の自販機コードと当該値札27の値札コードとをメモリ領域から読み出し、データ通信を開始しているNFCチップ27Bを介して携帯端末3のNFCチップ37に通知する(Act23)。
なお、Act22とAct23との処理順序は本実施形態に限定されない。先にAct23の処理を実行し、後からAct22の処理を実行してもよい。
図11に示すように、自動販売機2から自販機コードと値札コードとを取得した携帯端末3のCPU31は、通信デバイス36を介して自販機サーバ4との通信回線を確立する。そして、自販機サーバ4との通信回線が確立したならば、CPU31は、自動販売機2から取得した自販機コードと値札コードとを、通信ネットワーク6を介して自販機サーバ4に送信する(Act4)。
図示しないが、通信回線が確立した携帯端末3から自販機コードと値札コードとを受信した自販機サーバ4は、自販機データベース7にアクセスする。そして自販機サーバ4は、同一の自販機コードを含む自販機データレコード7Rから、同一の値札コードを含む値札情報を検出する。自販機サーバ4は、検出した値札情報を通信回線が確立している携帯端末3に通信ネットワーク6を介して送信する。送信を終えると、自販機サーバは、携帯端末3との通信回線を切断する。
Act4にて自販機サーバ4との通信回線を確立した携帯端末3のCPU31は、自販機サーバ4から送られてくる値札情報を取得する(Act5)。またCPU31は、補助記憶デバイス34から顧客コードを検出する(Act6)。
なお、Act5とAct6との処理順序は本実施形態に限定されない。先にAct6の処理を実行し、後からAct5の処理を実行してもよい。
値札情報を取得した携帯端末3のCPU31は、その値札情報からメーカアドレスを検出する。そしてCPU31は、通信デバイス36を介して当該メーカアドレスで特定されるメーカサーバ5との通信回線を確立する。メーカサーバ5との通信回線が確立したならば、CPU31は、Act3、Act5及びAct6の処理で取得した自販機コード、値札情報(商品に関する情報)及び顧客コード(端末コード)を、通信ネットワーク6を介してメーカサーバ5に送信する(Act7:第1の送信手段)。
図15に示すように、メーカサーバ5のCPU51は、携帯端末3との通信回線が確立されるのを待機している(Act41)。携帯端末3との通信回線が確立されると(Act41にてYES)、CPU51は、携帯端末3から送られてくる自販機コード、値札情報及び顧客コードを取得する(Act42)。続いてCPU51は、値札情報から商品コードと値札価格とを取得する(Act43)。
CPU51は、Act43の処理で取得した商品コードで識別される商品がポイントサービスの恩典対象か否かを判断する(Act44:判断手段)。具体的にはCPU51は、商品データベース8にアクセスして、同一の商品コードがセットされている商品データレコード8Rを取り込む。そしてCPU51は、このレコード8Rから標準価格を取得し、この標準価格とAct43の処理で取得した値札価格とを比較する。その結果、値札価格が標準価格の例えば90%未満の場合、CPU51は、恩典対象外と認識する。値札価格が標準価格の例えば90%以上の場合、CPU51は、恩典対象と認識する。
このように本実施形態では、自動販売機2にて販売されている商品の価格(値札価格)が、当該商品の標準価格に対して一定の比率以上に割引されている場合、メーカが実施するポイントサービスの対象外とする。換言すれば、値札価格が標準価格に対して一定の比率以上に割引されていない商品については、その商品を自動販売機2から購入したユーザに対してメーカからサービスポイントが発行される。
恩典対象の場合(Act44にてYES)、CPU51は、商品データレコード8RのポイントPxをサービスポイントPとする(Act45)。恩典対象外の場合(Act44にてNO)、CPU51は、“0”をサービスポイントPとする(Act46)。
Act45またはAct46の処理の後、CPU51は、顧客データベース9にアクセスして、Act42の処理で取得した当該顧客コードを含む顧客データレコードを取り込む。そしてCPU51は、このレコード9Rから累積ポイントPmを取得する(Act47)。累積ポイントPmを取得したならば、CPU51は、この累積ポイントPmによる値引が可能であるか否かを、恩典ルールに基づき判定する(Act48)。具体的にはCPU51は、累積ポイントPmが10ポイント以上であるか否かを確認する。累積ポイントPmが10ポイント以上の場合、CPU51は、値引可能と判定する。累積ポイントPmが10ポイント未満の場合、CPU51は、値引不可能と判定する。
値引可能と判定された場合(Act48にてYES)、CPU51は、累積ポイントPmから値引額を決定する(Act49:決定手段)。すなわち、累積ポイントPmが10〜19ポイントの場合には、CPU51は、値引額10円を決定する。20〜29ポイントの場合には、CPU51は、値引額20円を決定する。30〜39ポイントの場合には、CPU51は、値引額30円を決定する。40〜49ポイントの場合には、CPU51は、値引額40円を決定する。50ポイント以上の場合には、CPU51は、値引額50円を決定する。
値引額を決定したならば、CPU51は、サービスポイントPと値引額とを、通信回線が確立している携帯端末3に送信する(Act50:第3の送信手段、第4の送信手段)。送信を終えると、CPU51は、携帯端末3との回線を切断する。
一方、値引不可能と判定された場合には(Act48にてNO)、CPU51は、サービスポイントPだけを、通信回線が確立している携帯端末3に送信する(Act51:第3の送信手段)。送信を終えると、CPU51は、携帯端末3との回線を切断する。
Act50またはAct51の処理の後、CPU51は、ワークレコード58を作成してRAM53に記憶させる(Act52:記憶手段)。このワークレコード58において、顧客コード、自販機コード、商品コード及び値引価格は、Act42の処理で携帯端末3から取得したデータである。標準価格は、Act44の処理で商品データベース8から取得したデータである。発行ポイントは、Act45またはAct46の処理で得られたデータPである。値引額は、Act49の処理にて決定されたデータである。使用ポイントPyは、この時点では“0”である。なお、Act48の処理にて値引不可能と判定された場合には、ワークレコード58の値引額は“0”となる。
図11に示すように、Act7にてメーカサーバ5と通信をした携帯端末3のCPU31は、メーカサーバ5から送られてきたサービスポイントPが“0”より大きいか否かを確認する(Act8)。サービスポイントPが“0”よりも大きい場合(Act8にてYES)、CPU31は、タッチパネル35にそのサービスポイントPを表示させる(Act9:第1の表示手段)。サービスポイントPが“0”の場合には(Act8にてNO)、CPU31は、Act9の処理を実行しない。したがって、自動販売機2で商品を購入するにあたってその商品のメーカからサービスポイントPが発行される場合、ユーザは、携帯端末3のタッチパネル35を介してサービスポイントPを確認することができる。
次いでCPU31は、メーカサーバ5から値引額のデータが送られてきたか否かを確認する(Act10)。値引額のデータが送られてきた場合(Act10にてYES)、CPU31は、タッチパネル35にその値引額を表示させる(Act11:第2の表示手段)。このとき、タッチパネル35には値引額の値引を受けるか否かをユーザに選択させるためのボタン画像が併せて表示される。CPU31は、値引を受けるか否かの入力を待機する(Act12:受付手段)。タッチパネル35へのタッチ入力により値引する旨が選択された場合には(Act12にてYES)、CPU31は、値引フラグF1をオンする(Act13)。
一方、タッチパネル35へのタッチ入力により値引しない旨が選択された場合には(Act12にてNO)、CPU31は、Act13の処理を実行しない。また、メーカサーバ5から値引額のデータが送られてこない場合には(Act10にてNO)、Act11〜Act13の処理を実行しない。すなわちいずれの場合も、値引フラグF1はオフのままである。
このように、自動販売機2で商品を購入した際にその商品のメーカから付与されたサービスポイントPの累積ポイントPmが所定値以上のユーザに対しては、携帯端末3のタッチパネル35に値引額が表示される。また、この値引額による値引を受けるか否かを選択するためのボタン画像もタッチパネル35に表示される。そこでユーザは、値引を受けるか否かを決めて、該当するボタン画像にタッチする。
したがって、自動販売機2で商品を購入するにあたって累積ポイントPmからメーカによる値引の恩典が受けられる場合、ユーザは、携帯端末3のタッチパネル35を介して値引額を確認することができる。またユーザは、値引を行うか否かを任意に選択することができる。さらにユーザは、値引きに使わなかった累積ポイントを自販機ポイントプログラムのコマンドを使って、メーカと提携した店舗で使えるようなポイントに変換することもできる。
こうして、メーカから発行されるサービスポイントPを確認し、また、メーカによる値引が可能な場合には値引額の確認と値引するか否かの選択を行ったユーザは、商品代金の決済に進む。本実施形態では、携帯端末3を利用して商品を購入するユーザは、その携帯端末3が有する電子マネーで決済を行う。すなわちユーザは、値札27に近づけていた携帯端末3を、近距離無線通信ユニット26に近づける。そうすると、携帯端末3に搭載されたNFCチップ37と、近距離無線通信ユニット26に内蔵されたNFCチップ261との間で、NFC規格に準拠したデータ通信が行われる。
図12に示すように、携帯端末3のCPU31は、NFCチップ261とのデータ通信が開始されるのを待機する(Act14)。データ通信が開始されると(Act14にてYES)、CPU31は、NFCチップ37を介してNFCチップ261に顧客コード、値札情報及び値引フラグF1を通知する(Act15)。
図13に示すように、Act23にて自販機コードと値札コードとを携帯端末3に通知した自販機コントローラ250は、NFCチップ261が携帯端末3のNFCチップ37との間でデータ通信が開始されるのを待機している(Act24)。携帯端末3が近距離無線通信ユニット26に近づけられると、近距離無線通信ユニット26のNFCチップ261がこの携帯端末3に搭載されるNFCチップ37とデータ通信を開始する。データ通信が開始されると(Act24にてYES)、自販機コントローラ250は、このNFC通信により携帯端末3から通知される顧客コード、値札情報及び値引フラグF1(選択情報)を取得する(Act25:第2の取得手段)。また、自販機コントローラ250は、メモリ領域から自販機コードを検出する(Act26)。
自販機コントローラ250は、Act25の処理で取得した値札情報からメーカアドレスを検出する。そして自販機コントローラ250は、通信デバイス240を介して当該メーカアドレスで特定されるメーカサーバ5との通信回線を確立する。メーカサーバ5との通信回線が確立したならば、自販機コントローラ250は、Act25及びAct26の処理で取得した顧客コード、自販機コード及び値引フラグF1をメーカサーバ5に送信する(Act27:第2の送信手段)。
Act52にてワークレコード58を作成したメーカサーバ5のCPU51は、自動販売機2との通信回線が確立されるのを待機する(Act53)。通信回線が確立されると(Act52にてYES)、CPU51は、自動販売機2から送られてくる顧客コード、自販機コード及び値引フラグF1を取得する(Act54)。
続いてCPU51は、図16に示すように、Act54の処理にて取得した顧客コードと自販機コードとを含むワークレコード58を検出する(Act55)。またCPU58は、Act54の処理にて取得した値引フラグF1を確認する(Act56)。値引フラグF1がオフの場合(Act56にてNO)、CPU51は、ワークレコード58に含まれる値札価格を、販売価格として決定する(Act57)。
これに対し、値札フラグF1がオンの場合には(Act58にてYES)、CPU51は、ワークレコード58の含まれる値札価格からそのワークレコード58に含まれる値引額を減じた価格を、販売価格として決定する(Act58)。また、値引額に相当するポイントを、使用ポイントPyとしてワークレコード58に記録する(Act59)。すなわち、値引額が10円であれば、使用ポイントPyは10ポイントとする。値引額が20円であれば、使用ポイントPyは20ポイントとする。値引額が30円、40円、50円の場合も同様である。
Act57またはAct59の処理を行った後、CPU51は、通信回線が確立されている自動販売機2に販売価格のデータを送信する(Act60:第5の送信手段)。
図13に示すように、Act27にてメーカサーバ5との通信回線を確立した自動販売機2の自販機コントローラ250は、メーカサーバ5から販売価格のデータが送られてくるのを待機する(Act28)。販売価格のデータを受信したならば(Act28にてYES)、図14に示すように、自販機コントローラ250は、NFCチップ261を介して携帯端末3に残高要求を行う(Act29)。
図12に示すように、Act15にて自動販売機2に顧客コード,値札情報及び値引フラグF1を送信した携帯端末3のCPU31は、自動販売機2からの残高要求を待機する(Act16)。NFCチップ37を介して残高要求を受けたならば(Act16にてYES)、CPU31は、補助記憶デバイス34にて記憶されている電子マネーの残高データ341を読出す。そしてCPU31は、この残高データ341を、NFCチップ37を介して自動販売機2に通知する(Act17)。
図14に示すように、Act29にて残高要求を行った自動販売機2の自販機コントローラ250は、携帯端末3から通知された残高データ341が販売価格に対して不足しているか否かを確認する(Act30)。
残高データ341が不足していない場合(Act30にてNO)、自販機コントローラ250は、その残高データ341から販売価格を減じて商品購入後の残高データ341nを算出する(Act31)。そして自販機コントローラ250は、NFCチップ261を介してこの新規の残高データ341nを携帯端末3に通知する(Act32)。また自販機コントローラ250は、駆動部220を制御して、Act22の処理で記憶した選択番号により特定される商品ストッカ210の商品を商品排出口22に排出させる(Act33:販売手段)。さらに自販機コントローラ250は、決済が成立したか否かの状態を表す決済ステータスSTを“1”とする(Act34)。因みに、本実施形態において、決済ステータスSTの“1”は決済が成立した旨を表す。なお、Act32〜Act34の処理の順序は、本実施形態に限定されるものではない。Act32〜Act34の処理の順序は、適宜入れ替えることが可能である。
一方、販売価格に対して残高データ341が不足している場合には(Act30にてYES)、自販機コントローラ250は、NFCチップ261を介して携帯端末3に残高不足を通知する(Act35)。また自販機コントローラ250は、決済ステータスSTを“9”とする(Act36)。因みに、本実施形態において、決済ステータスSTの“9”は決済が成立しなかった旨を表す。なお、Act35,Act36の処理の順序は、本実施形態に限定されるものではない。先にAct35の処理を実行し、後からAct36の処理を実行してもよい。
図12に示すように、Act17にて残高データ341を自動販売機2に通知した携帯端末3のCPU31は、自動販売機2からの応答を待機する(Act18)。ここで、自動販売機2からの応答が新規の残高データ341nを通知する応答であった場合には(Act18にてNO)、CPU31は、補助記憶デバイス34で記憶している電子マネーの残高データ341をその新規の残高データ341nに書き換える(Act19)。これに対し、自動販売機2からの応答が残高不足を通知する応答であった場合には(Act18にてYES)、CPU31は、電子マネーの残高が不足している旨をユーザに報知する(Act20)。例えばCPU31は、残高不足を示すメッセージをタッチパネル35に表示させる。以上で、自販機ポイントプログラムに従ったCPU31の情報処理が終了する。
図14に示すように、Act34またはAct36の処理にて決済ステータスSTを“1”または“9”に設定した自動販売機2の自販機コントローラ250は、通信デバイス240を介して回線接続されているメーカサーバ5にその決済ステータスSTを送信する(Act37)。以上で、自販機コントローラ250の情報処理が終了する。
図16に示すように、Act59にて自動販売機2に販売価格のデータを送信したメーカサーバ5のCPU51は、その自動販売機2から決済ステータスSTが送られてくるのを待機する(Act61)。ここで、決済ステータスSTとして“1”のデータが送られてきたならば(Act61にてYES)、CPU51は、Act55の処理で検出したワークレコード58に含まれる顧客コードで顧客データベース9を検索する。そしてCPU51は、同一の顧客コードがセットされている顧客データレコード9Rの累計ポイントPmに、当該ワークレコード58に含まれる発行ポイントPを加算し、使用ポイントPyを減算する(Act62:累積手段)。この処理により、携帯端末3を用いて自動販売機2で商品を購入したユーザに対し、その商品のメーカが定めたサービスポイントが付与される。また、値引の恩典を受けた場合には、その分、累積ポイントPmが減少する。すなわちユーザは、メーカによるポイントサービスを受けることができる。
またCPU51は、ワークレコード58に含まれる標準価格と値札価格との差額を算出する(Act63)。そしてCPU51は、差額が0円以上であるか否かを確認する(Act64)。そして差額が負の場合には(Act64にてNO)、CPU51は、差額を“0”とする(Act65)。
Act63にて差額が0円以上の場合(Act64にてYES)、またはAct65にて差額を“0”とした場合、CPU51は、ワークレコード58に含まれる値引額から上記差額を減算して、自動販売機2への返金額を算出する(Act66)。
CPU51は、ワークレコード58に含まれる自販機コードでデータテーブル57を検索する。そしてCPU51は、同一の自販機コードがセットされているエリアの返金額データに、Act65の処理で算出した返金額を加算する(Act67)。その後、CPU51は、ワークレコード58を削除する(Act68)。
一方、Act61にて決済ステータスSTとして“9”のデータが送られてきた場合には(Act61にてNO)、CPU51は、上記Act62〜Act67の処理を実行することなく、ワークレコード58を削除する(Act68)。以上で、メーカサーバ5におけるCPU51の情報処理が終了する。
Act63の処理で算出される差額が0円の場合、ユーザが自動販売機2で購入した商品は、当該商品のメーカが設定した標準価格で販売されている。これに対し、差額が0円よりも大きい場合には、標準価格よりも割引された価格で販売されている。また、差額が0円よりも小さい場合には、標準価格よりも割増された価格で販売されている。
自動販売機2にて標準価格で販売されている商品及び割増されて販売されている商品について、メーカは、その自動販売機2の運営会社に対してメーカ恩典による値引額をそのまま返金する。これに対し、自動販売機2にて標準価格よりも割引された価格で販売されている商品については、メーカは、その自動販売機2の運営会社に対してメーカ恩典による値引額から割引分を減額して返金する。
メーカは、データテーブル57のデータを参照するだけで、上記のような販促費用に係る運用に対して容易に対応することができる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、ユーザが携帯端末3を用いて自動販売機2から商品を購入する際、電子マネーによる決済に限られた。第2の実施形態では、現金による決済も可能とする。そのためには、携帯端末3のCPU31が自販機ポイントプログラムにしたがって実行する情報処理のうち、図12で示した処理手順を図17に示す処理手順に変更する。また、自動販売機2の自販機コントローラ250が実行する情報処理のうち、図14に示した処理手順を図18に示す処理手順に変更する。なお、自販機コントローラ250が実行する情報処理において、図13に示すAct25の処理で受信する情報に、後述する支払いフラグF2が増加する。
すなわち携帯端末3のCPU31は、図11に示す処理手順を終了すると、図17に示すように、タッチパネル35に支払方法選択画面を表示させる(Act71)。この画面は、自動販売機2で購入する商品の代金を電子マネーで支払うのか現金で支払うのかを選択するためのボタン画像が表示される。そこでユーザは、支払い方法を決めて該当するボタンにタッチする。
CPU31は、支払い方法が選択されるのを待機する(Act72)。そして電子マネーが選択された場合、CPU31は、支払いフラグF2をオンする(Act73)。現金が選択された場合には、CPU31は、支払いフラグF2をオフする(Act74)。支払いフラグF2は、支払い方法が現金なのか電子マネーなのかを識別する情報であり、本実施形態では、現金の場合に支払いフラグF2がオフし、電子マネーの場合に支払いフラグF2がオンする。
Act73またはAct74の処理の後、CPU31は、NFCチップ261とのデータ通信が開始されるのを待機する(Act75)。データ通信が開始されると(Act75にてYES)、CPU31は、NFCチップ37を介してNFCチップ261に顧客コード、値札情報、値引フラグF1及び支払いフラグF2を通知する(Act76)。
図13のAct23の処理にて自販機コードと値札コードとを携帯端末3に通知した自販機コントローラ250は、NFCチップ261が携帯端末3のNFCチップ37との間でデータ通信を開始するのを待機している(Act24)。そして、データ通信が開始されると(Act24にてYES)、自販機コントローラ250は、NFC通信により携帯端末3から通知される顧客コード、値札情報、値引フラグF1及び支払フラグF2を取得する(Act25)。また自販機コントローラ250は、メモリ領域から自販機コードを検出する(Act26)。そして自販機コントローラ250は、Act25の処理で取得した値札情報から検出されたメーカアドレスで特定されるメーカサーバ5との通信回線を確立し、顧客コード、自販機コード及び値引フラグF1をメーカサーバ5に送信する(Act27)。
その後、メーカサーバ5から販売価格のデータを受信したならば(Act28にてYES)、図18に示すように、自販機コントローラ250は、Act25の処理で取得した支払いフラグF2を調べる(Act81)。
支払いフラグF2をオフの場合(Act81にてNO)、支払い方法は現金である。この場合、自販機コントローラ250は、紙幣投入口25及び硬貨投入口23から投入される紙幣及び硬貨の総額(投入額)を算出し、この投入額が販売価格以上となるのを待機する(Act82)。投入額が販売価格以上となったならば(Act82)、自販機コントローラ250は、前述したAct33,34,37の処理を実行する。
これに対し、支払いフラグF2がオンの場合には(Act81にてYES)、支払い方法は電子マネーである。この場合、自販機コントローラ250は、前述したAct30〜Act37の処理を実行する。
このように第2の実施形態によれば、ユーザが携帯端末3を用いて自動販売機2から商品を購入する際の支払い方法として、電子マネーだけでなく現金も可能である。そして、いずれの支払い方法を採用しても、ユーザは、メーカによるポイントサービスを受けることができる。また、ユーザは、自動販売機2から商品を購入する際に累積ポイントによる値引の恩典を受けることができる。したがって、メーカ主導による自動販売機2を利用した販促が可能となる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
前記実施形態では、自動販売機2の値札27に対して値札コードを設定する。そして自販機コントローラ250は、値札27に近づけられた携帯端末3に対し、NFC通信により自販機コードと値札コードとを通知するようにした。
他の実施形態は、値札27に対して、自販機データベース7で管理される値引情報(値札コード、商品コード、商品名、値札価格,メーカアドレス等)を設定する。そして自販機コントローラ250は、値札27に近づけられた携帯端末3に対し、NFC通信により自販機コードと値札情報とを通知する。こうすることにより、携帯端末3が自販機サーバ4と通信して、値引情報を取得する処理を省略できる。さらに言えば、本システム1から、自販機サーバ4と自販機データベース7とを省略することができる。
前記実施形態では、メーカサーバ5のCPU51は、Act56の処理にて値引フラグF1がオフの場合(Act56にてNO)、ワークレコード58に含まれる値札価格を、販売価格として決定した(Act57)。そしてCPU51は、通信回線が確立されている自動販売機2に販売価格のデータを送信した(Act60)。
他の実施形態は、値引フラグF1がオフの場合、CPU51は、通信回線が確立されている自動販売機2に値札価格で販売する旨の情報を送信する。この情報を受けた自動販売機2は、値札27に設定されている値札価格の代金入力があると、その値札27に関連付けられた商品を商品排出口22に排出させる。
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。