JP2016053443A - 温度分布予測方法および空調管理システム - Google Patents

温度分布予測方法および空調管理システム Download PDF

Info

Publication number
JP2016053443A
JP2016053443A JP2014179395A JP2014179395A JP2016053443A JP 2016053443 A JP2016053443 A JP 2016053443A JP 2014179395 A JP2014179395 A JP 2014179395A JP 2014179395 A JP2014179395 A JP 2014179395A JP 2016053443 A JP2016053443 A JP 2016053443A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
operating
temperature distribution
level
blower
conditions
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2014179395A
Other languages
English (en)
Inventor
丈夫 笠嶋
Takeo Kasashima
丈夫 笠嶋
雅俊 小川
Masatoshi Ogawa
雅俊 小川
石鍋 稔
Minoru Ishinabe
稔 石鍋
宇野 和史
Kazushi Uno
和史 宇野
裕幸 福田
Hiroyuki Fukuda
裕幸 福田
近藤 正雄
Masao Kondo
正雄 近藤
健志 畑中
Kenji Hatanaka
健志 畑中
政之 藤田
Masayuki Fujita
政之 藤田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2014179395A priority Critical patent/JP2016053443A/ja
Priority to US14/819,738 priority patent/US20160061668A1/en
Publication of JP2016053443A publication Critical patent/JP2016053443A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01KMEASURING TEMPERATURE; MEASURING QUANTITY OF HEAT; THERMALLY-SENSITIVE ELEMENTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01K13/00Thermometers specially adapted for specific purposes
    • G01K13/02Thermometers specially adapted for specific purposes for measuring temperature of moving fluids or granular materials capable of flow
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01KMEASURING TEMPERATURE; MEASURING QUANTITY OF HEAT; THERMALLY-SENSITIVE ELEMENTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01K13/00Thermometers specially adapted for specific purposes
    • G01K13/02Thermometers specially adapted for specific purposes for measuring temperature of moving fluids or granular materials capable of flow
    • G01K13/024Thermometers specially adapted for specific purposes for measuring temperature of moving fluids or granular materials capable of flow of moving gases
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01KMEASURING TEMPERATURE; MEASURING QUANTITY OF HEAT; THERMALLY-SENSITIVE ELEMENTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01K7/00Measuring temperature based on the use of electric or magnetic elements directly sensitive to heat ; Power supply therefor, e.g. using thermoelectric elements
    • G01K7/42Circuits effecting compensation of thermal inertia; Circuits for predicting the stationary value of a temperature
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K7/00Constructional details common to different types of electric apparatus
    • H05K7/20Modifications to facilitate cooling, ventilating, or heating
    • H05K7/20709Modifications to facilitate cooling, ventilating, or heating for server racks or cabinets; for data centers, e.g. 19-inch computer racks
    • H05K7/20718Forced ventilation of a gaseous coolant
    • H05K7/20745Forced ventilation of a gaseous coolant within rooms for removing heat from cabinets, e.g. by air conditioning device
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K7/00Constructional details common to different types of electric apparatus
    • H05K7/20Modifications to facilitate cooling, ventilating, or heating
    • H05K7/20709Modifications to facilitate cooling, ventilating, or heating for server racks or cabinets; for data centers, e.g. 19-inch computer racks
    • H05K7/20836Thermal management, e.g. server temperature control

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Computer Hardware Design (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)
  • Cooling Or The Like Of Electrical Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】少ない条件について実測定して、実測定値を基に簡単な演算処理で高い精度でその他の条件を予測した結果に基づいた効率的な空調管理システムの実現。
【解決手段】電子機器12が収納されたラック11が設置された室内の所定の評価エリアの温度分布を測定する温度分布測定装置と、室内に温度が調整されたエアーを供給する空調機13と、空調機から供給されるエアーをラック11の吸気面側に搬送する送風機17と、温度分布測定装置により測定した温度分布に基づき送風機の運転状態を制御する制御部18と、を有し、制御部は、送風機の稼働状況を変化させた実条件での温度分布の実測定値に基づき、送風機についての未測定である条件での温度分布を予測して、その結果に基づいて最適運転状態で送風機を運転する空調管理システム。
【選択図】図2

Description

本発明は、温度分布予測方法および空調管理システムに関する。
近年、高度情報化社会の到来にともなって計算機(コンピュータ装置)で多量のデータが取り扱われるようになり、多数の計算機を同一室内に設置して一括管理することが多くなっている。このようなデータを一括管理する施設としてデータセンターが設けられる。
例えば、データセンターでは、計算機室内に多数のラック(サーバーラック)を設置し、それぞれのラックに複数の計算機を収納している。そして、それらの計算機にジョブを有機的に配分し、大量のジョブを効率的に処理している。
ジョブの処理にともなって、計算機から多量の熱が発生する。このため、熱による計算機の故障、誤動作及び処理能力の低下を回避するために、計算機を冷却する手段が必要となる。
一般的なデータセンターの室内は、ラックを設置する機器設置エリアと、機器設置エリアの床下に設けられて電力ケーブルや通信ケーブル等が配置されるフリーアクセスフロア(床下空間)とに分離されている。フリーアクセスフロアには空調機から低温のエアー(以下、「冷気」ともいう)が供給され、この低温のエアーは機器設置エリアの床に設けられたグリル(通風口)を介して機器設置エリアに送られる。
機器設置エリアには、多数のラックが列毎に並んで配置される。一般的なラックでは、ラックの前面から低温のエアーを導入して計算機を冷却し、それにより温度が上昇したエアーを背面から排出するようになっている。以下、ラックの前面(吸気側の面)を吸気面と呼び、ラックの背面(排気側の面)を排気面と呼ぶ。
ところで、省エネルギー及び地球温暖化防止の観点から、データセンターで消費する電力の削減が要望されている。データセンターでは、計算機を冷却するために多大な電力を消費しており、空調機自体の省電力化とともに、ラックの配置を工夫して効率的な冷却が行われるようにしている。例えば、一般的なデータセンターでは多数のラックを列毎に並べ、且つ隣り合う列のラックを吸気面と吸気面又は排気面と排気面とが向き合うように配置し、吸気面側の床にグリルを配置している。
このように、グリルを介して低温のエアーが供給されるエリアと、ラックから高温のエアーが排出されるエリアとを空間的に分離することにより、冷却効率の向上を図っている。低温のエアーが供給されるラック吸気面側のエリアはコールドアイルと呼ばれており、高温のエアーが排出されるラック排気面側のエリアは、ホットアイルと呼ばれている。
しかし、ホットアイルからコールドアイル側に高温の排気が回り込んで局所的に高温になる部分(ホットスポット)が発生し、機器動作が不安定になることがある。
排気がコールドアイル側に回り込んでもホットスポットが発生しないように空調機の設定温度を低くするか、コールドアイル側への排気の回り込みが発生しないように空調機のエアーの吹き出し量を多く設定すれば、上記の問題を回避できると考えられる。
特許文献4は、光ファイバーの長さ方向に沿って10cm〜数10cmの間隔で設定された測定ポイントの温度を精度良く検出する技術を開示している。このような技術を使用して、ラックのコールドアイル側の複数箇所の温度を検出し、ホットスポットを検知した時には、空調機の設定温度を下げるか、エアーの吹き出し量を多くすれば、ホットスポットを解消できる。しかし、ホットスポット以外のエリアについては過剰冷却となり、空調エネルギーの無駄な増大を招く。
このように、いずれの方法においても、一部のホットスポットに対応するために、全体を冷却する空調機の設定を変更すると、ホットスポット以外のエリアに対しては過剰な冷却となりやすく、空調に要する電力が増加し、エネルギーの無駄が発生する。
このようなホットスポットの発生に対してフリーアクセスフロアに床下ファンを設置し、局所的に冷風を供給するシステムを構築すれば、ホットスポットを解消できると考えられる。例えば、各ラックの吸気面側のグリルの下にそれぞれ床下ファンを設置すれば、各ラックの吸気面の温度に応じてエアーの供給量を細かく調整することができる。これであれば、局所的な冷却が可能となり、ホットスポットを解消することができ、ベース空調機の設定温度を下げる必要はなく、無駄な電力を消費しなくて済む。
しかし、その場合はラックの数と同じ数の床下ファンが必要となり、設備コストが高くなる。また、床下ファンの数が多くなると、それにともなって消費電力も多くなる。そこで、ラックの数よりも少ない床下ファンでラック内の計算機又はその他の電子機器を効率的に冷却する空調管理システムが要望される。
ここで、各ラックの温度変化に着目するとファン稼働により、ファン近傍のラック吸気温度は低下するが、遠方のラック吸気温度は上昇する。これは空調機から供給される冷気の総量は一定であるので、ファン稼働により、あるエリアの冷気を増加させると別のエリアでは冷気が減少するためである。
さらに、より精密な制御を可能にするため、複数の稼働水準(例えば、オフ(off)・弱・中・強運転)を取り得るファンを使用することが行われる。上記のトレードオフ関係は、ファン稼働水準によって異なるので、ラック吸気側温度分布が望ましい状態になるためには、ファン稼働水準は適切に選択される必要がある。また、データセンターではサーバ等機器の発熱量が変動して温度分布は変化するため、それに伴ってファンの稼働水準を随時変更しなければならない。しかしながら、データセンター内の気流状態は一般的に複雑であり、上記のトレードオフ関係を事前に詳細に把握することは困難である。したがって、適切なファン稼働水準を選択するためには、ある程度網羅的にファン稼働水準を変化させて適切な条件を見つけなければならない。
例えば、K種の稼働水準を取り得る床下ファンがN個設けられる場合、KMの条件を取り得る。例えば、オフ(off)・弱・中・強運転の4稼働水準を取り得る2個の床下ファンが設けられている場合には、42=16の条件がある。また、4稼働水準を取り得る3個の床下ファンが設けられている場合には、43=64の条件がある。
しかも、それぞれの条件に変化させてから安定状態になるまでそれぞれ5分程度の時間を要する。そのため、全ての条件での測定を行うことは現実的ではなく、適切なファン稼働条件を設定することが難しいという問題があった。
特開2000−283526号公報 特開2008−075973号公報 特開2002−195625号公報 特許第5218648号公報
上述のように床下ファンが複数あり、各床下ファンが取りうる稼働水準が多数存在する場合、ラック吸気面温度を有効に低下させる稼働状態について全条件を測定して決定することは現実的に難しい。
実施形態によれば、少ない条件について実測定して、実測定値を基に簡単な演算処理で高い精度でその他の条件を予測する温度予測方法、および温度予測方法に基づいて多数の電子機器が配置された対象物を効率的に冷却する空調管理システムが実現される。
第1の態様の温度分布予測方法は、空調システムにより空調される、電子機器が収納されたラックが設置された室内の所定の評価エリアの温度分布を予測する。温度分布予測方法によれば、送風機の稼働状況を変化させた実条件での温度分布を測定し、実測定値に基づき、送風機についての未測定である条件での温度分布を予測する。
第2の態様の空調管理システムは、温度分布測定装置と、空調機と、送風機と、制御部と、を有する。温度分布測定装置は、電子機器が収納されたラックが設置された室内の所定の評価エリアの温度分布を測定する。空調機は、室内に温度が調整されたエアーを供給する。送風機は、空調機から供給されるエアーをラックの吸気面側に搬送する。制御部は、温度分布測定装置により測定した温度分布に基づき送風機の運転状態を制御する。制御部は、送風機の稼働状況を変化させた実条件での温度分布の実測定値に基づき、送風機についての未測定である条件での温度分布を予測して、その結果に基づいて最適運転状態で送風機を運転する。
実施形態の温度分布予測方法および空調管理システムによれば、送風機の個数および各送風機がとり得る稼働水準から決定される全稼働条件の個数より少ない稼働条件について実測定するだけで、高い精度でその他の稼働条件での温度分布を予測する。これにより、測定に要する時間を短縮できる。
図1は、電子機器が収納されたラックが設置された室内の空調管理システムの構成例を示す図である。 図2は、2列のラック列を配置した場合の例を示す図である。 図3は、2つのラック列が設置されたデータセンターの室内で、フリーアクセスフロアに床下ファンを2個設置した空調管理システムを示す図であり、(A)がシステムの構成および配置を示し、(B)が床下ファンの稼働有無による温度変化を示す。 図4は、空調機の吹出設定温度と消費電力の関係を示す図である。 図5は、ラックの発熱状況の変化例およびそれに伴う床下ファン稼働水準の変化例を示す図であり、(A)がラックの発熱状況の変化例を、(B)が発熱状況の変化に伴う床下ファン稼働水準の変化例を示す。 図6は、図5に示すようなラック群の稼働状況の変化とそれに伴う床下ファンの稼働水準の変化に応じたあるラックの最高吸気温度の変化例を示す図である。 図7は、エリアの18点の測定温度の平均値を、2つの床下ファンの4つの稼働水準に対する表示形式で表した表1を示す図である。 図8は、前述の測定条件(1)〜(4)での実測温度の分布を示す表2を示す図である。 図9は、補正パラメータを基に、図8の未測定の測定ポイントの予測温度を示した表3を示す図である。 図10は、図8(表2)と図9(表3)に示した温度値の分布を、代表温度との差分値の形で示したグラフを示す図である。 図11は、全条件での実測定値を示す図であり、(A)が実測定値を示す表4を示し、(B)が実測定値の分布を代表温度との差分値の形で示したグラフを示す。 図12は、図11に示した実測値と、図9および図10に示した予測値との差分を示す図であり、(A)が差分を示す表5を示し、(B)が実測定値の分布を代表温度との差分値の形で示したグラフを示す。
実施形態の空調管理システムを説明する前に、一般的な空調管理システムについて説明する。
図1は、電子機器が収納されたラックが設置された室内の空調管理システムの構成例を示す図である。
図1に示すように、一般的なデータセンターの室内は、ラック11を設置する機器設置エリア10aと、機器設置エリア10aの床下に設けられて電力ケーブルや通信ケーブル等が配置されるフリーアクセスフロア(床下空間)10bとに分離されている。フリーアクセスフロア10bには空調機13から低温のエアーが供給され、この低温のエアーは機器設置エリア10aの床に設けられたグリル(通風口)14を介して機器設置エリア10aに送られる。通常は、フリーアクセスフロア10b内の低温のエアーは、空調機13からの送風圧でグリル14を介して機器設置エリア10a内に供給されるだけである。しかし、後述するように、特定のグリル14の下のフリーアクセスフロア10bに送風機17を設け、空調機13から低温のエアーをより強く機器設置エリア10a内に供給する場合がある。なお、空調機13をベース空調機と称する場合がある。
機器設置エリア10aには、電子機器(計算機)12を収納した多数のラック11が列毎に並んで配置される。一般的なラックでは、ラックの前面から低温のエアーを導入して計算機を冷却し、それにより温度が上昇したエアーを背面から排出するようになっている。ラックから排出された温度が上昇したエアーは、上部の排気ダクト15を介して空調機13に戻される。
前述のように、ラックの前面(吸気側の面)を吸気面と呼び、ラックの背面(排気側の面)を排気面と呼ぶ。一般的なデータセンターでは多数のラックを列毎に並べ、且つ隣り合う列のラックを吸気面と吸気面又は排気面と排気面とが向き合うように配置し、吸気面側の床にグリルを配置している。低温のエアーが供給されるラック吸気面側のエリアはコールドアイルと呼ばれており、高温のエアーが排出されるラック排気面側のエリアは、ホットアイルと呼ばれている。
図2は、2列のラック列を配置した場合の例を示す図である。
図2では、室内10に、5個のラック11(NO.1〜NO.5)を隣接して並べた第1のラック列および5個のラック11(NO.6〜NO.10)を隣接して並べた第2のラック列が、並列に配置されている。第1のラック列と第2のラック列が向き合う側の間のエリアがコールドアイルであり、第1のラック列と第2のラック列の反対側のエリアがホットアイルである。コールドアイルの床には、12個のグリル14が設けられ、左側の2個のグリル14の下のフリーアクセスフロア10bには、2個の送風機(床下ファン)17が設けられる。空調機13の出力するエアーの温度および風量の調整を行う制御装置18が設けられる。制御装置18は、2個の床下ファン17の稼働水準も制御する。床下ファンは、例えばオン(ON)とオフ(OFF)の2稼働水準、オフ(off)・弱・中・強運転の4稼働水準になどに制御される。制御装置18は、コンピュータシステムにより実現されるが、シーケンサ等により実現することも可能である。
前述のように、ホットスポットが発生する場合があり、その場所の温度を所定値以下に低下させることが求められる。フリーアクセスフロア10bに床下ファン17を設置することで、局所的に冷風を供給することが可能になり、ホットスポットを解消することができる。各ラックの吸気面側のグリルの下にそれぞれ床下ファンを設置すれば、各ラックの吸気面の温度に応じてエアーの供給量を細かく調整することができる。例えば、図2の例では、12個の床下ファンを設ける。しかし、その場合はラックの数と同じ数の床下ファンが必要となり、設備コストが高くなる。また、床下ファンの数が多くなると、それにともなって消費電力も多くなる。そこで、ラックの数よりも少ない床下ファンでラック内の計算機又はその他の電子機器を効率的に冷却する空調管理システムが要望される。
図2に示した空調管理システムについて例を挙げて説明する。
図3は、2つのラック列が設置されたデータセンターの室内10で、フリーアクセスフロアに床下ファンを2個設置した空調管理システムを示す図であり、(A)がシステムの構成および配置を示し、(B)が床下ファンの稼働有無による温度変化を示す。
図3の(A)のシステムでは、5個のラック11(NO.1〜NO.5)を含む第1ラック列11aと、5個のラック11(NO.6〜NO.10)を含む第2ラック列11bが、並列に配置されている。第1ラック列11aと第2ラック列11bが向き合う側の間のエリアがコールドアイルであり、床に12個のグリル14が設けられ、左側の2個のグリルの下のフリーアクセスフロアには、2個の床下ファン17が設けられる。制御装置は図示を省略しており、以下同様である。
第1ラック列11aおよび第2ラック列11bの吸気側(コールドアイル側)には、特許文献4に記載された光ファイバーを用いた温度測定装置(図示せず)が配置され、制御装置13は、常時全エリアの温度を測定している。この温度測定装置によれば、光ファイバーの長さ方向に沿って10cm〜数10cmの間隔で設定された測定ポイントの温度を精度良く検出することができる。1個のラック11の吸気側の数十点(例えば、50点)の測定ポイントで、温度が測定されるので、10個のラックの場合には、数百点の測定ポイントの温度が測定される。
上記のような温度測定装置において、2個の床下ファン17を設けなくても、ホットスポットを解消するように空調機13の設定温度を下げるかまたは送風量を増加すれば、すべてのラックの吸気側の測定ポイントの温度を所定温度以下にできる。しかし、この制御方法では、ホットスポット以外のエリアについては過剰冷却となり、空調エネルギーの無駄な増大を招く。
そこで、図3の(A)に示すように、左側の2個のグリル14の下に2個の送風機(床下ファン)17を設置して適切に冷気を吹き上げることで局所的な冷却が可能となり、ホットスポットを解消することができる。
図3の(B)に示すように、床下ファン17をオフ(off)にすると、ラックNO.1〜NO.10の最高吸気温度は、NO.1とNO.7で、限界温度30℃を超えており、特にNO.7のラックの最高吸気温度が、もっとも高い32℃になっている。そこで、床下ファン17を、オフ(off)・弱・中・強運転の4稼働水準のうちの強運転にすると、NO.7のラックの最高吸気温度は28℃になり、4℃低下した。NO.1のラックの最高吸気温度も27℃に低下し、限界温度30℃を超えている測定ポイントは解消した。このような状態になれば、空調機13の設定温度を下げる必要はなく、無駄な電力を消費しなくて済む。
図4は、空調機の吹出設定温度と消費電力の関係を示す図である。
例えば、図3のシステムで、床下ファン17をオフにして、空調機13の吹出設定温度を低下させることによりホットスポットを解消する場合には、吹出設定温度を21℃から17℃に変更する必要があった。これに対して、上記のように床下ファン17を強運転にすると、吹出設定温度を21℃のままでもホットスポットを解消することができる。
図4に示すように、吹出設定温度が17℃の時には空調機消費電力は15.0kWであり、吹出設定温度が21℃の時には空調機消費電力は11.8kWであり、床下ファン17を強運転にすることにより、空調機消費電力を3.2kW低減することになる。床下ファン17の消費電力は比較的小さい、例えば、0.4kW)ので、空調機13の設定温度を下げた場合と比較して、3,2kW−0.4kW=2.8kWの省電力化、すなわち19%の省電力化を図ることができる。
ここで、図3の(B)について、各ラックの温度変化に着目すると、床下ファン稼働により、ファン近傍のNO.1およびNO.7のラック吸気温度は低下しているが、遠方のNO.3〜5およびNO.9〜10のラックの最高吸気温度は、逆に上昇している。これは空調機13から供給される冷気の総量は一定であるので、床下ファン17の稼働により、あるエリアの冷気を増加させると別のエリアでは冷気が減少するためである。このトレードオフ関係は床下ファンの稼働水準(例えば、オフ(off)・弱・中・強運転)によって異なるので、ラック吸気側温度分布が望ましい状態になるためには、床下ファン稼働水準は適切に選択される必要がある。また、データセンターではサーバ等機器の発熱量が変動して温度分布が変化するため、それに伴って床下ファンの稼働水準を随時変更しなければならない。
しかしながら、データセンター内の気流状態は一般的に複雑であり、上記のトレードオフ関係を事前に詳細に把握することは困難である。したがって、適切な床下ファン稼働水準を選択するためには、ある程度網羅的にファン稼働水準を変化させて適切な条件を見つけなければならない。
ここで、ラックの発熱状況の変化に伴い、床下ファン稼働水準を変化させた時のラックの最高吸気温度の変化例を説明する。
図5は、ラックの発熱状況の変化例およびそれに伴う床下ファン稼働水準の変化例を示す図であり、(A)がラックの発熱状況の変化例を、(B)が発熱状況の変化に伴う床下ファン稼働水準の変化例を示す。
図5の(A)に示すように、NO.1〜NO.10のラックの稼働状況が(R)から(S)に変化する。NO.1〜NO.10の発熱量は、(R)では6、約2.5、6、0、0、0、6、6、0および0kWで、(S)では0、約2.5、6、6、0、0、0、6、6および0kWである。
図5の(B)に示すように、図5の(A)の(R)のラック群の稼働状況で2個の床下ファンが共に強運転し、定常状態となっている場合に、8時43分(8:43)頃にラック群の発熱状況が、図5の(A)の(R)から(S)に変化した。これに応じて、各ラックの発熱量が変化し、吸気側の温度が徐々に変化する。そこで、2個の床下ファンを同じ水準に順次変化させた。具体的には、8:51:27にオフし、8:56:37に弱運転に切り替え、9:01:46に中運転に切り替え、9:06:556に強運転に切り替え、さらに、9:12:05に弱運転に切り替えた。
図6は、図5に示すようなラック群の稼働状況の変化とそれに伴う床下ファンの稼働水準の変化に応じたNO.7およびNO.10のラックの最高吸気温度の変化例を示す図である。8:43頃にラック群の発熱状況が(R)から(S)に変化することにより、NO.7の最高吸気温度が低下し、NO.10の最高吸気温度が上昇したので、2個の床下ファンの稼働水準をオフ(off)に切り替えた。この後、少し時間が経過すると、NO.7の最高吸気温度が急激に上昇し、NO.10の最高吸気温度が急激に低下するので、2個の床下ファンの稼働水準を弱運転、中運転、強運転に順次切り替えた。すると、NO.7の最高吸気温度は、徐々に低下し、中運転および強運転にするとさらに低下するが、NO.10の最高吸気温度は、徐々に上昇し、中運転および強運転にするとさらにさらに上昇するので、稼働水準を弱運転に切り替えた。これにより、定常状態となった。
図5および図6では、2個の床下ファンを同時に、オフ(off)・弱・中・強と稼働水準を変化させて全体として吸気温度を低下させる条件(この場合は弱運転)を見つけ出しているが、それぞれの条件で安定状態になるまで各5分程度かかっている。さらに、2個の床下ファンについて同じ稼働水準で動作させているために条件は4通りのみであるが、各床下ファンについて独立に4稼働水準を動作させると42=16通りの条件を取りうる。さらに、床下ファンが3個であれば43=64通り、4個であれば44=256通りとなり、全ての条件での測定を行うことは現実的ではなく、適切なファン稼働条件を設定することが難しいという問題があった。
このように、床下ファンが複数ある場合、取りうる稼働状態が多数存在し、ラック吸気面温度を有効に低下させる稼働状態について全条件を測定して決定することは現実的に難しい。
以下に説明する実施形態の温度分布予測方法および空調管理システムは、図1および図2に示した空調管理システムと同様の基本構成を有するが、制御装置18が、少ない条件について実測定して、その他の条件については実測定値を基に予測する。さらに、制御装置18は、実測定値および予測値に基づいて、すべてのエリアの温度が所定の限界温度以下になるように制御する。
まず、ラック吸気面の温度について考察すると、次式のように高温排気と供給される冷気との混合によって決定されると捉えることができ、次の式で表せる。
rack=δ*Tc+(1−δ)*Th
ここで、Track:吸気面温度、Tc:供給冷却風温度、Th:高温排気温度、δ:冷風の混合率である。
例えば、高温排気30℃、供給冷風温度20℃で、混合率が0.2であれば、吸気面温度は20*0.2+30*0.8=28℃となる。両辺についてThからの差分を取ると次式で表すことができる。
h−Track=δ(Th−Tc
この空調管理システムにおいて、床下ファンを稼働させて供給冷風を増加させてラック吸気面の温度を低下させる状況は、床下ファン稼働前の吸気面温度をThとして、ファンを稼働することでδが変化した結果、吸気面温度が変化すると捉えることができる。
吸気面への冷風供給の混合具合で吸気面温度が決定することを考えれば、複数の床下ファン稼働による効果は、個々の床下ファンによる効果の重ね合わせで捉えることができる。したがって、個々の床下ファン稼働による冷風混合率δが実測定により既知であれば、複数の床下ファンを稼働させたときの総合的なδはそれらの合計となる。しかしながらデータセンター内の気流は一般に複雑であり、混合率は単純な合計とはならないことが多い。床下ファン稼働による気流状態の変化に対するファン相互の影響は、個々の床下ファン位置の関係等から決まる。実施形態では、混合率について補正パラメータを導入し、床下ファン相互の影響を反映した上で、未測定条件での吸気面温度を予測する。例えば、床下ファンが2個(No.1とNo.2)の場合、個々の床下ファン単独稼働による冷風混合率をδ1、δ2として、補正パラメータα1、α2を導入して床下ファン相互の影響を加味し、差分を次の式で表す。
h−Track=α1δ1(Th−Tc)+α2δ2(Th−Tc
=α1(Th−T1rack)+α2(Th−T2rack
ここで、T1rack、T2rackは、それぞれNo.1、No2の床下ファン稼働による吸気面温度を表す。
個々の床下ファンについて各水準毎の吸気面温度と、上記の補正パラメータα1、α2を決定すれば、未測定条件においてもラック吸気面温度を予測することができる。
実施形態では、以下のN個の床下ファンの稼働条件での吸気面温度測定を行い、補正パラメータを算出してその他の未測定条件での吸気面温度を予測する。
(1)すべての床下ファン稼働水準を最小にする。
(2)すべての床下ファンのそれぞれの稼働水準を、取り得る稼働水準のうちの任意の1つとする特定稼働条件にする。
(3)各床下ファンについて、特定稼働条件から、残りのN−1個の床下ファンの稼働水準を固定して、稼働水準を(K−1)種類変化させる稼働条件にする。
(4)各床下ファンについて、それ以外のすべての床下ファンの稼働水準を最小にする稼働条件にする。
上記の(1)−(4)の条件での吸気面温度を測定する。
ただし、後述するように床下ファンの個数が2のときは、(4)の条件は(3)に含まれるため、補正パラメータを算出するための条件数が不足するので別の1条件を測定する。
したがって、床下ファン個数:N、床下ファンの稼働水準:K種類のとき、測定する条件数は、(1)は1条件、(2)は1条件、(3)はN*(K−1)条件、(4)はN≧3の時にはN条件、N=2の時には1条件となる。したがって、合計の条件数は、
N*(K−1)+2+i(i:N=2の時1、N≧3の時にはN)
となる。
例えば、床下ファンの稼働水準K=4の場合、全稼働条件はKNなので、
N=2の時、16条件、
N=3の時、64条件、
N=4の時、256条件、が存在する。
これに対して、実施形態では、
N=2の時、9条件、
N=3の時、16条件、
N=4の時、18条件、の実測定により、その他の床下ファンの条件での吸気面温度を予測できる。
以上説明した手法によれば、少ない条件における実測定吸気温度を基にその他の未測定の条件での吸気温度を予測できる。多数の温度センサが設置されている場合は、各々のセンサ値を予測して、全センサにおける最高温度が最も低い値を取るファン稼働条件を選択すれば良い。
制御装置は、予測されたすべてのエリアの温度が所定の限界温度以下になるように制御を行う。
以下、具体的な例を挙げて予測手法を説明する。
・床下ファン個数N=3(ファンa,ファンb,ファンc)、稼働水準K=4の場合
ここで、稼働水準K=4としたのは、各床下ファンについてオフ(off)、弱、中、強運転を選択できるものと想定しているためである。
あるファン稼働水準のときの吸気温度を、Tabcと表記する。
床下ファンの稼働水準については、オフを“0”で、弱を“1”で、中を“2”で、強を“3”で表す。例えば、T000は、ファンa、b、cともに稼働状態は0(off)を、T213は、ファンaは2(中運転)、ファンbは1(弱運転)、ファンcは3(強運転)のときの吸気温度を示す。
例えば、以下の条件でファンa、b、cを稼働させて吸気温度を測定する。
(1)すべての床下ファン稼働水準を最小にする。すなわち、T000を測定する。
(2)すべての床下ファンのそれぞれの稼働水準を、取り得る稼働水準のうちの任意の1つとする特定稼働条件にする。例えば、T222を測定する。以下、特定稼働条件として、T222を測定するとする。
(3)(2)の特定稼働条件(例えば、T222)から、各床下ファンについて、残りのN−1個の床下ファンの稼働水準を固定して、稼働水準を(K−1)種類変化させる稼働条件にする。したがって、T022、T122、T322、T202、T212、T232、T220、T221、T223を測定する。
(4)(2)の特定稼働条件(例えば、T222)から、各床下ファンについて、それ以外のすべての床下ファンの稼働水準を最小にする稼働条件にする。したがって、T200、T020、T002を測定する。
ここで簡単のため、T'abc=T000−Tabcと表記する。
上記の測定値と補正パラメータから
T'222=α1T'200+α2T'020+α3T'002
T'022= +α2T'020+α3T'002
T'202=α1T'200 +α3T'002
T'220=α1T'200+α2T'020
の式が得られ、最小二乗法等を用いて、α1、α2、α3を求めることができる。
求められたα1、α2、α3と上記の(1)、(3)および(4)における測定値を基に、未測定のT100、T300、T010、T030、T001、T003を予測することができる。例えば、T100については、
T'122=α1T'100+α2T'020+α3T'002
において、T100以外については測定済みである。したがって上式よりT100を計算することができる。T300、T010、T030、T001、T003についても同様に計算できる。ここまでで得られた値を用いることで、その他の条件については、
T'abc=α1T'a00+α2T'0b0+α3T'00c
により全ての未測定条件について、吸気温度を予測することができる。
また、上記の条件(2)については、a≠0かつb≠0かつc≠0であれば、いずれのTabcを選択しても良い。上記の条件(2)で測定する条件は、(2)の条件によって決定される。
なお、(2)の条件の近傍での実測値を基に予測するため、一般的に(2)の条件付近の予測精度が高くなるので、(2)の条件を選択する際には、過去に吸気温度が低かった実績のある条件を基に選択することが好適である。
次に、別の条件の例を説明する
・床下ファン個数N=2(ファンa,ファンb)、稼働水準K=4の場合
例えば、以下の条件でファンを稼働させて吸気温度を測定する。
(1)すべての床下ファン稼働水準を最小にする。すなわち、T00を測定する。
(2)すべての床下ファンのそれぞれの稼働水準を、取り得る稼働水準のうちの任意の1つとする特定稼働条件にする。例えば、T22を測定する。以下、特定稼働条件として、T22を測定するとする。
(3)(2)の特定稼働条件(例えば、T22)から、各床下ファンについて、別の床下ファンの稼働水準を固定して、稼働水準を(K−1)種類変化させる稼働条件にする。したがって、T02、T12、T32、T20、T21、T23を測定する。
(4)(2)の特定稼働条件(例えば、T22)から、各床下ファンについて、別の床下ファンの稼働水準を最小にする稼働条件にする。したがって、T02、T20を測定する。
N=2の場合、(4)の条件は(3)に含まれる。
簡単のため、T'ab=T00−Tabと表記する。
上記の実測定を基にすると、
T'22=α1T'20+α2T'02
が得られるが、補正パラメータはα1、α2の2個であり、これらを算出するためにはさらに1つの式が必要である。したがって、適当な条件での測定値を得る。ここでは(4)の条件としてT01を測定する。したがって、
T'21=α1T'20+α2T'01
が得られる。
上記2個の式からα1、α2を算出する。
求めたα1、α2と上記の(1)、(3)、(4)における測定値を基に、未測定のT10、T30、T03を予測することができる。例えば、T10については、
T'12=α1T'10+α2T'02
において、T10以外については測定済みである。したがって上式よりT10を計算することができる。T30、T03についても同様に計算できる。ここまでで得られた値を用いることで、その他の条件については、
T'ab=α1T'a0+α2T'0b
により全ての未測定条件について、吸気温度を予測することができる。
具体的な測定例について以下に説明する。
説明する測定例は、図3の(A)に示した空調管理システムにおける測定例である。図3の(A)の室内構成において、NO.1のラックの吸気面に取り付けた光ファイバー温度センサを用いて吸気温度を測定した。なお、対象としたのは、ラックの吸気面を4分割した内の1領域(エリア)であり、1エリアの測定ポイントは18点となる。
図7は、このエリアの18点の測定温度の平均値を、前述の床下ファンa、bの4つの稼働水準に対する表示形式で表した表1を示す図である。
図8は、前述の測定条件(1)〜(4)での実測温度の分布を示す表2を示す図である。「未測定」は、測定条件(1)〜(4)では測定されなかったことを示す。
図8の温度分布から前述の手順により、補正パラメータα1、α2を求めたところ、α1=1.37、α2=0.499となった。
図9は、上記の補正パラメータα1、α2を基に、図8の未測定の測定ポイントの予測温度を示した表3を示す図である。
図10は、図8(表2)と図9(表3)に示した温度値の分布を、T00を代表温度とし、それとの差分値の形で示したグラフを示す図である。
図11は、全条件での実測定値を示す図であり、(A)が実測定値を示す表4を示し、(B)が実測定値の分布をT00との差分値の形で示したグラフを示す。
図12は、図11に示した実測値と、図9および図10に示した予測値との差分を示す図であり、(A)が差分を示す表5を示し、(B)が実測定値の分布をT00との差分値の形で示したグラフを示す。
図12の結果から、予測値の実測値との差分は小さく、有効に予測できると言える。
上記の測定例では、NI.1のラックの吸気面を4分割したうちの1つの領域(エリア)についての例を説明したが、実際には、他のエリアについても同様に補正パラメータα1、α2を算出し、未測定の吸気温度を予測する。以下、全エリアについて予測値を求める処理を、図3の(A)に示した空調管理システムを例として説明する。
このシステムは、床下ファン個数N=2(ファンa,ファンb)、稼働水準K=4である。図3の(A)に示すように、ラック数が10で、ラックあたり4つのエリアに分割して考えるときには40エリアを考慮することになる。1エリアの測定ポイントは18点であり、全測定ポイントは720となる。
1.前述の算出方法にしたがって、40エリアのそれぞれについて、(α1(AreaNo.),α2(AreaNo.))を算出する。すなわち、(α1(1),α2(1)),(α1(2),α2(2)),…,(α1(40),α2(40))を算出する。
2.上記の(α1(AreaNo.),α2(AreaNo.))を用いて、40エリアのそれぞれについて未測定ファン条件でのTxy(AreaNo.)を求める。これにより、測定済み条件をあわせて40エリアのそれぞれについて16ファン条件(4稼働水準の2個の床下ファン)のTxy(AreaNo.)が得られる。すなわち、
00(1),T01(1),T02(1),・・・,T33(1)
00(2),T01(2),T02(2),・・・,T33(2)


00(40),T01(40),T02(40),・・・,T33(40)
が得られる。
3.各ファン条件において最高温度を抽出する。ここでMAX()は、()内の最高値を示している。
MAX_T00=MAX(T00(1),T00(2),・・・,T00(40))
MAX_T01=MAX(T01(1),T01(2),・・・,T01(40))


MAX_T33=MAX(T33(1),T33(2),・・・,T33(40))
4.上記で求めた16ファン条件における最高温度について、最低温度を示すファン条件を選択する。ここでMIN()は、()内の最低値を示している。
MIN_MAX_Txy=MIN(MAX_T00,MAX_T01,・・・,MAX_T33)から、MIN_MAX_Txy=のファン条件を選択する。
予測値を基に床下ファンの稼働状態を変化させ、実測定値が新たに得られれば、それも使用して最小二乗法等を用いて、補正パラメータを新たに更新して予測精度を向上させていく。
また、ここではT00を基準とし、ファン稼働水準の全条件を一領域として、同一の補正パラメータを適用した。ファンの数が多い場合には、全条件について同一の補正パラメータを適用すると予測が大きく外れることが多くなる。稼働条件が近い領域毎に分割して、領域毎の補正パラメータを導入すれば、予測精度を上げることができる。この場合、基準となる温度はT00に限らず、近傍の適切な条件での吸気温度とすれば良い。
以上、実施形態を説明したが、ここに記載したすべての例や条件は、発明および技術に適用する発明の概念の理解を助ける目的で記載されたものである。特に記載された例や条件は発明の範囲を制限することを意図するものではなく、明細書のそのような例の構成は発明の利点および欠点を示すものではない。発明の実施形態を詳細に記載したが、各種の変更、置き換え、変形が発明の精神および範囲を逸脱することなく行えることが理解されるべきである。
10 室内
10a 機器設置エリア
10b フリーアクセスフロア(床下空間)
11 ラック
13 (ベース)空調機
14 グリル(通風口)
15 排気ダクト
17 床下ファン
18 制御装置

Claims (7)

  1. 電子機器が収納されたラックが設置された室内に温度が調整されたエアーを供給する空調機と、
    前記空調機から供給されるエアーを前記ラックの吸気面側に搬送する送風機と、を備える空調システムにおける、前記室内の所定の評価エリアの温度分布を予測する温度分布予測方法であって、
    前記送風機の稼働状況を変化させた実条件での温度分布を測定し、
    実測定値に基づき、前記送風機についての未測定である条件での前記温度分布を予測することを特徴とする温度分布予測方法。
  2. 前記送風機の稼働水準がK水準であり、送風機の個数NがN=2のときに、
    2個の前記送風機の稼働水準を最小とする稼働条件、
    2個の前記送風機のそれぞれの稼働水準を、取り得る稼働水準のうちの任意の1つとする特定稼働条件、
    前記特定稼働条件から、各送風機について、他方の送風機の稼働水準を固定して、稼働水準を(K−1)種類変化させた稼働条件、および
    前記特定稼働条件から、1個の送風機の稼働水準を最小とする上記以外の稼働条件、
    とする2×(K−1)+3個の条件で、前記温度分布を測定し、その他の稼働条件における前記温度分布を予測する請求項1に記載の温度分布予測方法。
  3. 前記送風機の稼働水準がK水準であり、送風機の個数Nが3以上のときに、
    すべての前記送風機の稼働水準を最小とする稼働条件、
    すべての前記送風機のそれぞれの稼働水準を、取り得る稼働水準のうちの任意の1つとする特定稼働条件、
    前記特定稼働条件から、各送風機について、残りのN−1個の前記送風機の稼働水準を固定して、稼働水準を(K−1)種類変化させた稼働条件、および
    前記特定稼働条件から、各送風機について、それ以外のすべての前記送風機の稼働水準を最小にした稼働条件、
    とするN×K+2個の条件で、前記温度分布を測定し、その他の稼働条件における前記温度分布を予測する請求項1に記載の温度分布予測方法。
  4. 電子機器が収納されたラックが設置された室内の所定の評価エリアの温度分布を測定する温度分布測定装置と、
    前記室内に温度が調整されたエアーを供給する空調機と、
    前記空調機から供給されるエアーを前記ラックの吸気面側に搬送する送風機と、
    前記温度分布測定装置により測定した前記温度分布に基づき前記送風機の運転状態を制御する制御部と、を備え、
    前記制御部は、前記送風機の稼働状況を変化させた実条件での温度分布の実測定値に基づき、前記送風機についての未測定である条件での前記温度分布を予測して、その結果に基づいて最適運転状態で前記送風機を運転することを特徴とする空調管理システム。
  5. 前記送風機の稼働水準がK水準であり、送風機の個数NがN=2のときに、
    2個の前記送風機の稼働水準を最小とする稼働条件、
    2個の前記送風機のそれぞれの稼働水準を、取り得る稼働水準のうちの任意の1つとする特定稼働条件、
    前記特定稼働条件から、各送風機について、他方の送風機の稼働水準を固定して、稼働水準を(K−1)種類変化させた稼働条件、および
    前記特定稼働条件から、1個の送風機の稼働水準を最小とする上記以外の稼働条件、
    とする2×(K−1)+3個の条件で、前記温度分布を測定し、その他の稼働条件における前記温度分布を予測する請求項4に記載の空調管理システム。
  6. 前記送風機の稼働水準がK水準であり、送風機の個数Nが3以上のときに、
    すべての前記送風機の稼働水準を最小とする稼働条件、
    すべての前記送風機のそれぞれの稼働水準を、取り得る稼働水準のうちの任意の1つとする特定稼働条件、
    前記特定稼働条件から、各送風機について、残りのN−1個の前記送風機の稼働水準を固定して、稼働水準を(K−1)種類変化させた稼働条件、および
    前記特定稼働条件から、各送風機について、それ以外のすべての前記送風機の稼働水準を最小にした稼働条件、
    とするN×K+2個の条件で、前記温度分布を測定し、その他の稼働条件における前記温度分布を予測する請求項4に記載の空調管理システム。
  7. 前記温度分布測定装置は、光ファイバーをセンサとするものであることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の空調管理システム。
JP2014179395A 2014-09-03 2014-09-03 温度分布予測方法および空調管理システム Withdrawn JP2016053443A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014179395A JP2016053443A (ja) 2014-09-03 2014-09-03 温度分布予測方法および空調管理システム
US14/819,738 US20160061668A1 (en) 2014-09-03 2015-08-06 Temperature distribution prediction method and air conditioning management system

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014179395A JP2016053443A (ja) 2014-09-03 2014-09-03 温度分布予測方法および空調管理システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016053443A true JP2016053443A (ja) 2016-04-14

Family

ID=55402130

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014179395A Withdrawn JP2016053443A (ja) 2014-09-03 2014-09-03 温度分布予測方法および空調管理システム

Country Status (2)

Country Link
US (1) US20160061668A1 (ja)
JP (1) JP2016053443A (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11076509B2 (en) 2017-01-24 2021-07-27 The Research Foundation for the State University Control systems and prediction methods for it cooling performance in containment
CN115685941B (zh) * 2022-11-04 2023-06-13 中国电子工程设计院有限公司 一种基于机柜热点温度预测的机房运行调控方法及装置

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4531454A (en) * 1983-08-29 1985-07-30 Spoormaker Hendrik J Air conditioning system
CA1274111A (en) * 1985-07-05 1990-09-18 Leslie Phipps Zoned air conditioning system
EP0250596B1 (en) * 1985-11-26 1992-01-15 SHIMIZU CONSTRUCTION Co. LTD. Clean room
US8051671B2 (en) * 2005-10-03 2011-11-08 Hewlett-Packard Development Company, L.P. System and method for cooling computers
US7558649B1 (en) * 2006-05-03 2009-07-07 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Method for predicting airflow rates
US7676280B1 (en) * 2007-01-29 2010-03-09 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Dynamic environmental management
US7463950B1 (en) * 2007-05-31 2008-12-09 International Business Machines Corporation Identification and characterization of recirculation in electronic systems
JP5218648B2 (ja) * 2009-05-01 2013-06-26 富士通株式会社 温度測定システム及び温度測定方法
JP5509765B2 (ja) * 2009-09-24 2014-06-04 富士通株式会社 空調制御装置、空調制御方法および空調制御プログラム
GB201008825D0 (en) * 2010-05-26 2010-07-14 Bripco Bvba Data centre cooling system
TW201218933A (en) * 2010-10-29 2012-05-01 Hon Hai Prec Ind Co Ltd Data center and heat dissipation apparatus thereof

Also Published As

Publication number Publication date
US20160061668A1 (en) 2016-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4575977B2 (ja) 空調設備制御システム、空調設備制御方法、および、電算機室の電力管理システム、電力管理方法
JP5424971B2 (ja) データセンターの空調制御システム
JP4685105B2 (ja) 再循環指標に基づくcracユニット制御
EP1627559B1 (en) Air re-circulation index
US8677365B2 (en) Performing zone-based workload scheduling according to environmental conditions
JP6790889B2 (ja) 温度予測システムおよび温度予測方法
JP5611850B2 (ja) 空調制御システム及び空調制御方法
JP5835465B2 (ja) 情報処理装置、制御方法、及びプログラム
JP5691933B2 (ja) 空調制御方法、空調制御システム及び空調制御装置
EP2605628B1 (en) Information processing system, operation management method of information processing system, and data center
JP2012159213A (ja) 空調機運転制御装置および方法
JP2009193247A (ja) 電子機器の冷却システム
JP5969939B2 (ja) データセンタの空調制御装置
JP6103926B2 (ja) 空調機運転制御装置および方法
JP5549619B2 (ja) 空調システム及び空調方法
WO2010002385A1 (en) Optimizing fluid flow distribution in a structure
JP2016053443A (ja) 温度分布予測方法および空調管理システム
EP2575003B1 (en) Method for determining assignment of loads of data center and information processing system
JP6650759B2 (ja) 冷却システム、空調制御装置および空調制御方法
JP6002098B2 (ja) 空調制御方法および空調制御システム
JP6587987B2 (ja) 冷却システム、空調制御装置および空調制御方法
JP2016031634A (ja) 空調システム、送風量予測装置、送風量予測方法およびプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170605

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20170821