JP2016052651A - 表面修飾可能な積層体の製法 - Google Patents

表面修飾可能な積層体の製法 Download PDF

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Abstract

【課題】 表面修飾可能な表面を有する新規な積層体の製法を提供する。
【解決手段】 基材層と、該基材層の上に形成した、重合性単量体、珪素化合物および光重合開始剤を含有する光硬化性組成物の光硬化膜層とを含んでなる積層体の前記光硬化膜層に、波長183nm以下の光を含む真空紫外光を照射して、前記光硬化膜層の表面を、表面修飾剤での化学修飾により容易に機能化されるように改質する。
【選択図】なし

Description

本発明は、表面修飾可能な新規な積層体の製法に関する。さらに詳しくは、本発明は、基材層と、この基材層の上に形成された、各種の表面修飾剤を使用する化学修飾を介して容易に機能化されるように改質した表面を有する光硬化膜層とを含んでなる表面修飾可能な積層体の製法に関する。
各種プラスチックス、金属、ガラス、セルロース等の材料からなる基材層の表面や、基材層の上に形成させた層の表面を機能化させるため、各種の表面処理法が知られている。一般的には、これら表面処理法を利用して、直接、基材層の表面を処理することにより、機能化が行われる。基材層の上に層を形成させた場合は、基材層との密着性が不十分であることがあり、その際に密着性を向上させるための下地層を設けることもある。
上記表面処理法としては、例えば、フレーム処理、コロナ処理、大気圧プラズマ処理、オゾン処理、UV/オゾン処理等のドライ処理や、アルカリ、酸、過酸化物、アミン類等による薬液処理のウェット処理等の方法がある。これらの表面処理法による機能化の例として、親水性、帯電防止性、防曇性等の各特性の付与、表面クリーニング等が挙げられる。
また、このような表面処理法により基材層の表面を表面処理した後、さらに、各種の表面修飾剤を使用する化学修飾(又は表面修飾)によって機能化させることも行われており、例えば、印刷、撥水、撥油、導電、遮光、赤外線遮蔽、紫外線遮蔽、遮熱、抗菌、抗ウイルス、抗原・抗体反応の反応場等の機能化が行われる。
改質のための表面処理法として、上述のドライ処理を行う場合、該ドライ処理は、表面の変質による外観不良を除き、ウェット処理と比べて、基材層に表面処理法に由来する汚れが付きにくい、生産性が高い等の利点がある。しかし、基材層を構成する素材によっては、改質表面の経時変化による劣化、処理ムラによる改質表面への塗布剤の密着不良や、塗布剤のハジキの問題がある。
一方、ウェット処理は、薬液の洗浄不足による外観不良、生産性が低い等の問題がある。
さらに、最近では、ドライ処理法として、真空紫外線(VUV)処理が行われている。VUV処理は、紫外線(UV)/オゾン処理と比べて、有機物残渣の分解、表面洗浄効果が高いこと知られている(非特許文献1)。
しかし、非特許文献1には、VUV処理により処理された表面が、各種の表面修飾剤を使用する化学修飾を介して容易に機能化されるように改質されることは開示されていない。
また、VUV処理を利用する方法の1つとして、ガスバリア性フィルムの製造方法が知られている(特許文献1)。この製法は、基材の少なくとも一方の面側に、ガスバリア層と、該ガスバリア層上に形成された保護層とを有するガスバリア性フィルムを製造するに当たり、保護層を形成する有機珪素化合物をVUV処理して、有機珪素化合物をシリカ転化させている。
特許文献1には、有機珪素化合物を含む層をVUV処理することにより、有機珪素化合物を含む層がシリカ転化するとの記載はあるものの、VUV処理により、表面が各種の表面修飾剤を使用する化学修飾を介して容易に機能化されるように改質されることは開示されていない。
特開2013−52561号公報
ウシオ電機 光技術情報誌「ライトエッジ」No.36〈特集号第一回〉2012年3月発行 ナノインプリントにおけるVUV洗浄・改質技術
本発明は、化学修飾可能な新規な積層体、さらに詳しくは、基材層と、この基材層の上に形成された、各種の表面修飾剤を使用する化学修飾を介して容易に機能化されるように改質した表面を有する光硬化膜層とを含んでなる表面修飾可能な積層体を提供することを目的とする。
発明者らは、基材層の一方の表面上に、重合性単量体、珪素化合物および光重合開始剤を含有する光硬化性組成物を塗布して塗膜を形成し、該塗膜に光を照射して、前記光硬化性組成物を硬化させることによって光硬化膜層を形成し、該光硬化膜層に波長183nm以下の光を含む真空紫外光を照射して、前記光硬化膜層の表面を、各種の表面修飾剤を使用する化学修飾を介して容易に機能化されるように改質することにより、表面修飾可能な改質表面を有する積層体が製造できることを見出し、本発明に至った。
本発明によれば、重合性単量体、珪素化合物および光重合開始剤を含有する光硬化性組成物を使用し、基材層上に塗布した後、光照射して硬化させることによって前記光硬化膜層を形成し、該光硬化膜層に、波長183nm以下の光を含む真空紫外光を照射して、前記光硬化膜層の表面を改質することにより、基材層と、改質した表面を有する光硬化膜層との間に下地層を設けなくても、ドライ処理で問題となっている表面処理の経時変化による劣化、処理ムラによる密着不良および塗布剤のハジキ、ドライ処理や、ウェット処理で問題となっている外観不良、生産性等に優れた表面修飾可能な積層体を製造できるとの効果が達成される。
本発明による表面修飾可能な積層体の用途に応じて、光硬化膜層が所望の凹凸パターンを有することが要求される場合には、本発明の光硬化性組成物は、特に、インプリント法(ナノインプリントを含む)に適するものであり、インプリント法に従って、良好に、型からパターンを転写することができ、しかも、光硬化性組成物は基材層に対する密着性が良好であるため、下地層を設けなくても良い。
本発明は、基材層と、この基材層の上に形成された、各種の表面修飾剤を使用する化学修飾によって容易に機能化されるように改質された表面を有する光硬化膜層とを含んでなる表面修飾可能な積層体を製造する方法であって、前記基材層の一方の表面上に、重合性単量体、珪素化合物および光重合開始剤を含有する光硬化性組成物を塗布して塗膜を形成し、該塗膜に光を照射して、前記光硬化性組成物を硬化させることによって光硬化膜層を形成し、該光硬化膜層に波長183nm以下の光を含む真空紫外光を照射して、前記光硬化膜層の表面を、各種の表面修飾剤を使用する化学修飾を介して容易に機能化されるように改質することを特徴とする表面修飾可能な積層体の製法に関する。
本発明において使用する光硬化性組成物について説明する。
光硬化性組成物は、重合性単量体、珪素化合物および光重合開始剤を含んでなるものである。本発明では、公知の重合性単量体を、何ら制限なく用いることができるが、樹脂フィルム等の基材層との密着性、さらに、生産性に優れていることも重要であり、樹脂フィルム等の基材層との密着性や、生産性の観点から見ると、光硬化性の重合性単量体が好ましい。一般的に、光硬化性組成物の光重合性単量体としては、好ましくは、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体を含有するものが使用される。なお、本発明において使用する用語「(メタ)アクリル基」は、アクリル基又はメタクリル基を意味する。なお、「(メタ)アクリル基を有する重合性単量体」は、後述する珪素化合物である一般式(3)で示される(メタ)アクリル基含有アルコキシシランおよびその加水分解物を含まないものとする。
以下、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体について説明する。
(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(重合性単量体)
本発明において、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体(以下、単に「重合性単量体」とも言う)は、特に制限されるものではなく、光重合に使用される公知の重合性単量体を使用することができる。この重合性単量体の例としては、(メタ)アクリル基を有し、分子中に珪素原子を含まない重合性単量体が挙げられる。これら重合性単量体は、1分子中に1つの(メタ)アクリル基を有する単官能重合性単量体であってもよいし、1分子中に2つ以上の(メタ)アクリル基を有する多官能重合性単量体であってもよい。さらには、これら単官能重合性単量体および多官能重合性単量体を組み合わせて使用することもできる。
重合性単量体の例を具体的に例示すれば、1分子中に1つの(メタ)アクリル基を有する単官能重合性単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート(用語「(メタ)アクリレート」は、アクリレート又はメタクリレートを意味する)、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、長鎖アルキル(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール変性(メタ)アクリレート、エトキシエチレングリコール変性(メタ)アクリレート、プロポキシエチレングリコール変性(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール変性(メタ)アクリレート、エトキシプロピレングリコール変性(メタ)アクリレート、プロポキシプロピレングリコール変性(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンタン(メタ)アクリレート誘導体、アクリロイルモルホリン等の脂肪族アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチレングリコール変性(メタ)アクリレート、フェノキシプロピレングリコール変性(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェノキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロフェノキシキシエチレングリコール変性(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェノキシプロピレングリコール変性(メタ)アクリレート、アルキルフェノールエチレングリコール変性(メタ)アクリレート、アルキルフェノールプロピレングリコール変性(メタ)アクリレート、分子内にο−フェニルフェノール基を有する単量体等の芳香環を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。
1分子中に2つの(メタ)アクリル基を有する多官能重合性単量体(2官能重合性単量体)としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリオレフィングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、ジオキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート等の脂肪族ジ(メタ)アクリレート;エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、フルオレン構造を有するジ(メタ)アクリレート等の芳香環を有するジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
さらに、該多官能重合性単量体において、1分子中に3つ以上の(メタ)アクリル基を有する重合性単量体としては、エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリアクリレートが挙げられる。
また、上記重合性単量体は、単独でも良いし、複数種類のものを組み合わせて使用しても良い。
次に、珪素化合物について説明する。
珪素化合物
本発明で使用する光硬化性組成物は、上記した重合性単量体に加えて、珪素化合物を含有する。本発明によれば、光硬化性組成物中に珪素化合物が存在するため、VUV処理により、光硬化膜層の表面における表面修飾に好ましい改質がなされる。
珪素化合物の中でも、シロキサン結合を有する珪素化合物がより好ましい。このようなシロキサン結合を有する珪素化合物としては、公知の如何なる化合物をも使用することが可能であるが、アルコキシシラン類又はアルコキシシラン類の加水分解物を使用することが好ましく、アルコキシシラン類又はアルコキシシラン類の加水分解物としては、例えば、下記のような化合物を使用できる。
アルコキシシラン類又はアルコキシシラン類の加水分解物
アルコキシシラン類としては、アルコキシ基が珪素原子に対して1つ以上結合している一般的なアルコキシシランの他に、アルコキシ基を除く基として、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等の芳香環を有するアルコキシシラン、(メタ)アクリル基、エポキシ基、チオール基、水酸基、カルボキシル基、ホスホニウム基、スルホニル基等の官能基を有するアルコキシシラン、フッ素、塩素等のハロゲン元素を有するアルコキシシランであってもよく、それらの混合物から構成されていても良い。
アルコキシシラン類の加水分解物は、上記アルコキシシラン類のアルコキシ基の一部又は全部の加水分解による生成物、アルコキシシランの重縮合体、該重縮合体のアルコキシ基の一部又は全部の加水分解による生成物およびこれらの種々の混合物を意味する。
アルコキシシラン類の加水分解物と重合性単量体との間の分散性が、より良いほど、パターン転写が容易になる。分散性を良好にするには、重合性単量体が有する官能基に応じて、例えば、重合性単量体が(メタ)アクリル基を有する重合性単量体である場合には、アルコキシシラン類の加水分解物として、(メタ)アクリル基を有するアルコキシシランの加水分解物を使用することが好ましく、重合性単量体がエポキシ基を有するものである場合には、エポキシ基含有するアルコキシシランの加水分解物が好ましい。
アルコキシシラン類である一般的なアルコキシシラン、(メタ)アクリル基含有アルコキシシラン、ハロゲン元素を有するアルコキシシランについて説明する。
一般的なアルコキシシラン又はその加水分解物
アルコキシシラン類の内、一般的なアルコキシシランとしては、一般式(1)
Figure 2016052651

(式中、R1は、同種又は異種の炭素数1〜4のアルキル基であり、nは1〜10の整数である)で示されるアルコキシシランを好ましく用いることができる。
上記アルコキシシランの中でも、nが1を超えるもの又はその加水分解物を使用した場合、得られる光硬化性組成物は、インプリント法によって型からパターン転写する際に、より比較的低い圧力でのパターンの転写に有利となる。また、上記アルコキシシラン又はその加水分解物を用いることにより、基材への密着性を良くすることができる。
一般式(1)において、炭素数1〜4のアルキル基であるR1は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、ter−ブチル基が挙げられ、中でも、メチル基、エチル基が好ましい。
これらアルコキシシランを具体的に例示すれば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、およびそれらの重縮合物が挙げられる。なかでも、塗膜を形成した後、容易に除去できるアルコールであること、反応性等の理由から、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、およびそれらの重縮合物が好ましく、特に、nの値又はnの平均値が3〜7となるテトラメトキシシラン、又はテトラエトキシシランの重縮合物が好ましい。
(メタ)アクリル基含有アルコキシシラン又はその加水分解物
(メタ)アクリル基含有アルコキシシランとしては、一般式(2)
Figure 2016052651

(式中、R2は、水素原子又はメチル基であり;R3は、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数3〜10のシクロアルキレン基又は炭素数3〜10のポリメチレン基であり;R4は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜4のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であり;R5は、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数3〜4のシクロアルキル基であり;lは1〜3の整数であり、mは0〜2の整数であり、kは1〜3の整数であり、l+m+kは4であり;R2、R3、R4およびR5がそれぞれ複数存在する場合には、その複数のR2、R3、R4およびR5は、同種又は異種の基であってよい)で示される(メタ)アクリル基含有アルコキシシランを好ましく用いることができる。
重合性単量体として(メタ)アクリル基を有する重合性単量体を用いる場合、上記(メタ)アクリル基含有アルコキシシラン又はその加水分解物を使用することにより、分散性のよい光硬化性組成物が得られ、濾過による精製が容易となり、生産性が良好となり、好ましい。また、光硬化性組成物が、この(メタ)アクリル基含有アルコキシシラン又はその加水分解物を含む場合、光硬化により得られる硬化膜の微細な構造において、無機成分と有機成分とが比較的均質な状態で分散したものとなる(無機成分が極端に凝集したような分散状態とはならない)。その結果、均一な光硬化膜層を形成することができるものと推定される。
前記一般式(2)において、R2は水素原子又はメチル基である。中でも、水素原子の方が、光硬化性組成物を硬化させる際の光硬化速度が速いので好ましい。
3は、炭素数1〜10のアルキレン基又は炭素数3〜10のシクロアルキレン基である。具体的には、炭素数1〜10のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、シクロプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、sec−ブチレン基、tert−ブチレン基、シクロブチレン基、シクロプロピルメチレン基、2,2−ジメチルプロピレン基、2−メチルブチレン基、2−メチル−2−ブチレン基、3−メチルブチレン基、3−メチル−2−ブチレン基、ペンチレン基、2−ペンチレン基、3−ペンチレン基、2,3−ジメチル−2−ブチレン基、3,3−ジメチルブチレン基、3,3−ジメチル−2−ブチレン基、2−エチルブチレン基、ヘキシレン基、2−ヘキシレン基、3−ヘキシレン基、2−メチルペンチレン基、2−メチル−2−ペンチレン基、2−メチル−3−ペンチレン基、3−メチルペンチレン基、3−メチル−2−ペンチレン基、3−メチル−3−ペンチレン基、4−メチルペンチレン基、4−メチル−2−ペンチレン基、2,2−ジメチル−3−ペンチレン基、2,3−ジメチル−3−ペンチレン基、2,4−ジメチル−3−ペンチレン基、4,4−ジメチル−2−ペンチレン基、3−エチル−3−ペンチレン基、ヘプチレン基、2−ヘプチレン基、3−ヘプチレン基、2−メチル−2−ヘキシレン基、2−メチル−3−ヘキシレン基、5−メチルヘキシレン基、5−メチル−2−ヘキシレン基、2−エチルヘキシレン基、6−メチル−2−ヘプチレン基、4−メチル−3−ヘプチレン基、オクチレン基、2−オクチレン基、3−オクチレン基、2−プロピルペンチレン基、2,4,4−トリメチルペンチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等が挙げられる。なかでも、炭素数1〜10のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基が好ましい。炭素数3〜10のシクロアルキレン基としては、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基等が挙げられる。
4は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜4のシクロアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基である。具体的には、炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基;炭素数3〜4のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基;炭素数6〜12のアリール基としてはフェニル基、ベンジル基等のベンゼン誘導体、1−ナフチル基、2−ナフチル基、o−メチルナフチル基等のナフタレン誘導体が挙げられ、なかでも、メチル基、エチル基が好ましい。
5は、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数3〜4のシクロアルキル基である。具体的には、炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基;炭素数3〜4のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロプロピルメチル基が挙げられる。具体的には、R5は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基であることが好ましい。
lは0〜2の整数であり、mは0〜2の整数であり、kは1〜3の整数であり、l+m+kは4である。
このような(メタ)アクリル基含有アルコキシシランを具体的に例示すれば、トリメトキシシリルメチレン(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルジメチレン(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、トリエトキシシリルメチレン(メタ)アクリレート、トリエトキシシリルジメチレン(メタ)アクリレート、トリエトキシシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、トリプロポキシシリルメチレン(メタ)アクリレート、トリプロポキシシリルエチレ(メタ)アクリレート、トリプロポキシシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、トリブトキシシリルメチレン(メタ)アクリレート、トリブトキシシリルジメチレン(メタ)アクリレート、トリブトキシシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、トリイソプロポキシシリルメチレン(メタ)アクリレート、トリイソプロポキシシリルジメチレン(メタ)アクリレート、トリイソプロポキシシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、ジメトキシメチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、ジメトキシメチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、ジメトキシメチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、ジエトキシメチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、ジエトキシメチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、ジエトキシメチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、ジメトキシエチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、ジメトキシエチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、ジメトキシエチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、ジエトキシエチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、ジエトキシエチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、ジエトキシエチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、メトキシジメチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、メトキシジメチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、メトキシジメチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、エトキシジメチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、エトキシジメチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、エトキシジメチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、メトキシジエチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、メトキシジエチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、メトキシジエチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、エトキシジエチルシリルメチレン(メタ)アクリレート、エトキシジエチルシリルジメチレン(メタ)アクリレート、エトキシジエチルシリルトリメチレン(メタ)アクリレート等が挙げられる。なかでも、トリメトキシシリルトリメチレン(メタ)アクリレート、トリエトキシシリルトリメチレン(メタ)アクリレートが好ましい。
ハロゲン元素を有するアルコキシシラン又はその加水分解物
ハロゲン元素を有するアルコキシシランとしては、一般式(3)
Figure 2016052651
(式中、R6およびR8は、それぞれ、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数3〜10のシクロアルキル基であり;R7は、含フッ素アルキル基、含フッ素シクロアルキル基又は含フッ素アルコキシエーテル基であり;aは1〜3の整数であり、bは0〜2の整数であり、ただし、a+b=1〜3であり;R6、R7およびR8がそれぞれ複数存在する場合には、その複数のR6、R7およびR8は、それぞれ同一であっても、異なる基であってもよい)で示されるフッ素化シラン化合物を好ましく用いることができる。このフッ素化シラン化合物又はその加水分解物を使用することにより、基材と光硬化膜層との密着性、およびパターンを形成することが要求される際の金型とパターンが形成された光硬化膜層との間の離型性を向上させることができる。
上記一般式(3)において、R6およびR8は、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数3〜10のシクロアルキル基であり、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、ter−ブチル基が挙げられる。具体的には、R6は、メチル基、エチル基、プロピル基であることがより好ましい。
7は、含フッ素アルキル基、含フッ素シクロアルキル基又は含フッ素アルコキシエーテル基である。ここで含フッ素アルキル基とは、アルキル基の1又は2以上の水素原子をフッ素原子に置換したものを意味し、その他の含フッ素シクロアルキル基又は含フッ素アルコキシエーテル基も同様にそれぞれシクロアルキル基、アルコキシエーテル基の1又は2以上の水素原子をフッ素原子に置換したものを意味する。含フッ素アルキル基、および含フッ素アルコキシ基の炭素数は1〜10が好ましく、含フッ素シクロアルキル基の炭素数は3〜10が好ましい。また、本発明における含フッ素アルコキシエーテル基は、一般式(4)
Figure 2016052651

(式中、xは1以上の整数であり、yは2以上の整数である)で表されるアルコキシエーテル基において1又は2以上の水素原子をフッ素原子に置換したものが好ましい。一般式(4)において、xは1〜6、yは5〜50が好ましい。
これらフッ素化シラン化合物を具体的に例示すれば、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)−トリエトキシシラン、(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)−トリメトキシシラン、ノナフルオロヘキシルトリエトキシシラン、ノナフルオロヘキシルトリメトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)−トリエトキシシラン、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)−トリメトキシシラン、ペンタフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロペンチルトリエトキシシラン、ペンタフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロペンチルトリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメチルエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)ジメチルメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルジエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)メチルジメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリエトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシラン、パーフルオロプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロプロピルトリメトキシシラン、5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−トリデカフルオロ−2−(トリデカフルオロヘキシル)デシルトリエトキシシラン、5,5,6,6,7,7,8,8,9,9,10,10,10−トリデカフルオロ−2−(トリデカフルオロヘキシル)デシルトリメトキシシラン、パーフルオロドデシル−1H,1H,2H,2H−トリエトキシシラン、パーフルオロドデシル−1H,1H,2H,2H−トリメトキシシラン、パーフルオロテトラデシル−1H,1H,2H,2H−トリエトキシシラン、パーフルオロテトラデシル−1H,1H,2H,2H−トリメトキシシラン、3−(パーフルオロシクロヘキシルオキシ)プロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、上記一般式(4)の含フッ素アルコキシエーテル基を有するフッ素化シラン化合物の例としては、商品名としては、例えば、ダイキン工業株式会社製オプツールHD−1100THが挙げられる。これらの中でも、分子同士の相互作用が比較的弱く分子配列構造の乱れから表面剥離性に有利と思われる点、前記一般式(3)の−OR6からなるアルコキシ基の加水分解のし易さを考慮すると、(トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル)−トリメトキシシラン、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシランが好ましい。
本発明で使用される光硬化性組成物において、珪素化合物は、例えば、重合性単量体が(メタ)アクリル基を有する重合性単量体を含有する場合、前記一般式(2)で表される(メタ)アクリル基含有アルコキシシランを加水分解したものが好ましく、前記一般式(1)で表される一般的なアルコキシシラン、前記一般式(2)で表される(メタ)アクリル基含有アルコキシシランおよび前記一般式(3)で表されるハロゲン元素を有するアルコキシシランのフッ素化シラン化合物を加水分解したものがより好ましく、さらに、これらアルコキシシラン類の他に、後述する金属アルコキシドを含む混合物を加水分解したものが好ましい。
本発明において、上記のアルコキシシラン類の加水分解物の好ましい配合量は、例えば、光硬化性組成物が、重合性単量体として(メタ)アクリル基を有する重合性単量体を含有する場合、(メタ)アクリル基を有する重合性単量体100重量部に対して3質量部〜300質量部を加水分解した前記(メタ)アクリル基含有アルコキシシランの加水分解物を配合することが好ましく、さらに、(メタ)アクリル基含有アルコキシシランに加えて、前記一般的なアルコキシシランを含む場合、一般的なアルコキシシラン10質量部〜250質量部を加水分解した加水分解物を配合することが好ましく、前の組成物に加えて、前記フッ素化シラン化合物を含む場合、フッ素化シラン化合物0.001質量部〜4質量部、さらに、これらアルコキシシラン類の他に、後述する金属アルコキシドを含む場合、金属アルコキシド1質量部〜100重量部を加水分解した加水分解物を配合することが好ましい。
本発明において、光硬化性組成物には、さらに、アルコキシラン類を除く金属アルコキシドである一般式(5)
Figure 2016052651

(式中、Mは、ジルコニウム又はチタニウムであり;R9は、同種又は異種の炭素数1〜10のアルキル基である)で示される金属アルコキシドの加水分解物を含むことができる。
また、R9は、適度な加水分解速度という点から炭素数2〜4のアルキル基がより好ましい。具体的には、R9は、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、ter−ブチル基であることが好ましい。
好適な金属アルコキシドを例示すれば、テトラメチルチタニウムアルコキシド、テトラエチルチタニウムアルコキシド、テトライソプロピルチタニウムアルコキシド、テトラプロピルチタニウムアルコキシド、テトライソブチルチタニウムアルコキシド、テトラブチルチタニウムアルコキシド、テトラsec−ブチルチタニウムアルコキシド、テトラter−ブチルチタニウムアルコキシド、テトラペンチルジルコニウムアルコキシド、テトラヘプチルチタニウムアルコキシド、テトラヘキシルチタニウムアルコキシド、テトラヘプチルチタニウムアルコキシド、テトラオクチルチタニウムアルコキシド、テトラノニルチタニウムアルコキシド、テトラデシルチタニウムアルコキシド、テトラメチルジルコニウムアルコキシド、テトラエチルジルコニウムアルコキシド、テトライソプロピルジルコニウムアルコキシド、テトラプロピルジルコニウムアルコキシド、テトライソブチルジルコニウムアルコキシド、テトラブチルジルコニウムアルコキシド、テトラsec−ブチルジルコニウムアルコキシド、テトラter−ブチルジルコニウムアルコキシド、テトラペンチルジルコニウムアルコキシド、テトラヘキシルジルコニウムアルコキシド、テトラヘプチルジルコニウムアルコキシド、テトラオクチルジルコニウムアルコキシド、テトラノニルジルコニウムアルコキシド、テトラデシルジルコニウムアルコキシドが挙げられる。その中でも、テトラエチルジルコニウムアルコキシド、テトライソプロピルジルコニウムアルコキシド、テトラプロピルジルコニウムアルコキシド、テトライソブチルジルコニウムアルコキシド、テトラブチルジルコニウムアルコキシドが好ましい。
本発明で使用する光硬化性組成物が、アルコキシシラン類の加水分解物に加え、ジルコニウムアルコキシド又はチタニウムアルコキシドの加水分解物、ジルコニウムアルコキシド又はチタニウムアルコキシドの重縮合体、該重縮合体のアルコキシ基の一部又は全部の加水分解物、並びにジルコニウムアルコキシド又はチタニウムアルコキシドとアルコキシシラン類との反応生成物(ジルコニウムアルコキシド又はチタニウムアルコキシドとアルコキシシラン類との重縮合体、該重縮合体のアルコキシ基の一部又は全部の加水分解による生成物およびこれらの種々の混合物である)を含む場合、その調製のために、光硬化性組成物は、水や、加水分解触媒等を含んでいてもよい。なお、光硬化性組成物を調製する際に使用される水や、加水分解触媒等は、調製された光硬化性組成物の保存安定性を良くするため、調製の任意の工程において、真空乾燥、蒸留、加熱等により除去しても良い。その際、溶媒が同時に除去される場合には、水や、加水分解触媒等を除去した後に、適宜、必要量の溶媒を加えても良い。
光硬化性組成物が(メタ)アクリル基を含む重合性単量体、シロキサン結合を有する珪素化合物(一般的なアルコキシシランおよび(メタ)アクリル基含有アルコキシシシラン、および、必要に応じて、さらにハロゲン元素を有するアルコキシシランを含む)の加水分解物およびその部分縮合物を含む場合、分散性が良くなるため、本発明の積層体の表面修飾に関して、より好ましい改質がなされる。
また、光硬化性組成物が、さらに、ジルコニウムアルコキシド又はチタニウムアルコキシドの加水分解物又はジルコニウムアルコキシド又はチタニウムアルコキシドとアルコキシシラン類との反応生成物を含むことが好ましい。
光硬化性組成物が、(メタ)アクリル基を含む重合性単量体、上記シロキサン結合を有する珪素化合物の加水分解物およびその部分縮合物、ジルコニウムアルコキシド又はチタニウムアルコキシドの加水分解物又はジルコニウムアルコキシド又はチタニウムアルコキシドとアルコキシシラン類との反応生成物を含む場合、分散性がさらに高まるため、本発明の積層体の表面修飾に関して、さらに好ましい改質がなされる。
次に、光重合開始剤について説明する。
光重合開始剤
本発明において、光重合開始剤は、特に制限されるものではなく、重合性単量体を光重合できるものであれば、いかなる光重合開始剤も使用できる。
光重合開始剤としては、具体的に、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モリホリン−4−イル−フェニル)ブタン−1−オン等のアセトフェノン誘導体;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィン酸メチルエステル、2−メチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ピバロイルフェニルホスフィン酸イソプロピルエステル、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,5,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド誘導体;1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(o−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム)等のo−アシルオキシム誘導体;ジアセチル、アセチルベンゾイル、ベンジル、2,3−ペンタジオン、2,3−オクタジオン、4,4’−ジメトキシベンジル、4,4’−オキシベンジル、カンファーキノン、9,10−フェナンスレンキノン、アセナフテンキノン等のα−ジケトン;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル;2,4−ジエトキシチオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、メチルチオキサンソン等のチオキサンソン誘導体;ベンゾフェノン、p,p’−ジメチルアミノベンゾフェノン、p,p’−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体;ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム等のチタノセン誘導体が好適に使用される。
これら光重合開始剤は、1種あるいは2種以上を混合して使用される。
また、α−ジケトンを用いる場合には、第3級アミン化合物と組み合わせて用いることが好ましい。α−ジケトンと組み合わせて用いることのできる第3級アミン化合物としては、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジ−n−ブチルアニリン、N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、p−ブロモ−N,N−ジメチルアニリン、m−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ジメチルアミノ安息香酸アミルエステル、N,N−ジメチルアンスラニリックアシッドメチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、p−ジメチルアミノフェネチルアルコール、p−ジメチルアミノスチルベン、N,N−ジメチル-3,5−キシリジン、4−ジメチルアミノピリジン、N,N−ジメチル−α−ナフチルアミン、N,N−ジメチル−β−ナフチルアミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、2,2’−(n−ブチルイミノ)ジエタノール等が挙げられる。特に、アセトフェノン誘導体、アシルホスフィンオキサイド誘導体、o−アシルオキシム誘導体、α−ジケトンを使用することが好ましい。
本発明において、上記光重合開始剤の使用量は、前記重合性単量体100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましい。
その他の添加成分
上記光硬化性組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で、その他の成分を配合することができる。
具体的には、界面活性剤、重合禁止剤、反応性希釈剤等を配合することができる。界面活性剤は、塗膜の均一性の点から配合されるものであり、重合禁止剤は、保存中に重合反応が生じないよう安定化させるために配合されるものである。
界面活性剤を配合する場合には、重合性単量体100質量部に対して、0.0001〜0.1質量部、好ましくは、0.0005〜0.01質量部の割合で配合することができる。
界面活性剤としては、フッ素含有界面活性剤、シリコーン含有界面活性剤、脂肪族系界面活性剤を使用できる。中でも、光硬化性組成物が基材上に塗布される際、基材の素材とは無関係に、「はじき」を生じない点、および均一に塗布され易い点から、脂肪族系界面活性剤を使用することがより好ましい。界面活性剤の例としては、デシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム等の高級アルコール硫酸エステルの金属塩類、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム等の脂肪族カルボン酸金属塩類、ラウリルアルコールとエチレンオキサイドとの付加物を硫酸化したラウリルエーテル硫酸エステルナトリウム等の高級アルキルエーテル硫酸エステルの金属塩類、スルホコハク酸ナトリウム等のスルホコハク酸ジエステル類、高級アルコールエチレンオキサイド付加物のリン酸エステル塩類等のアニオン性活性剤;ドデシルアンモニウムクロリド等のアルキルアミン塩類およびトリメチルドデシルアンモニウムブロミド等の4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤;ドデシルジメチルアミンオキシド等のアルキルジメチルアミンオキシド類、ドデシルカルボキシベタイン等のアルキルカルボキシベタイン類、ドデシルスルホベタイン等のアルキルスルホベタイン類、ラウラミドプロピルアミンオキシド等のアミドアミノ酸塩等の両性イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル類、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル類、脂肪酸ポリオキシエチレンラウリルエステル等の脂肪酸ポリオキシエチレンエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンラウリルエステル等のポリオキシエチレンソルビタンエステル類等の非イオン性界面活性剤等を挙げることができる。
界面活性剤は、それぞれ単独で使用できるだけでなく、必要に応じて、複数の種類を組み合わせて併用することもできる。
重合禁止剤を配合する場合には、重合性単量体100質量部に対して、0.01〜1.0質量部、好ましくは、0.1〜0.5質量部の割合で配合することができる。
重合禁止剤の例としては、公知のものを挙げることができ、例えば、最も代表的なものは、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ハイドロキノン、ブチルヒドロキシトルエン等を挙げることができる。
反応性希釈剤としては、N−ビニルピロリドン等の公知のものを挙げることができる。
反応性希釈剤の添加量は特に制限されないが、パターンを有する光硬化膜層を形成する場合には、金型からのパターンの転写に影響を及ぼさない範囲で適宜選択され、通常、重合性単量体100質量部に対して、1〜50質量部の範囲から適宜選択される。その中でも、光硬化性インプリント用組成物の低粘度化、パターンの機械的強度等を勘案すると、5〜30質量部であることが好ましい。
また、他の添加成分として、パイパーブランチポリマーのような球状微粒子を添加することもできる。この場合、直径は1〜10nm、分子量10,000〜100,000の球状ハイパーブランチポリマーを配合することが好ましい。配合量は、重合性単量体100質量部に対して0.1〜10質量部の量であることが好ましい。
光硬化性組成物の調製方法
本発明において使用される光硬化性組成物は、1態様では、基材上に塗布して使用されるが、この場合、光硬化性組成物を溶媒で希釈して使用することもできる。また、光硬化性組成物を安定化させる目的、又はその他の目的で溶媒を配合することもできる。使用される溶媒としては、光硬化性組成物が溶解する溶媒であれば、何ら制限なく使用でき、例えば、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、トルエン、クロロホルム、酢酸エチルエステル、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、メチル−3−メトキシプロピオネート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチルラクテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、ブチルアセテート、2−ヘプタノン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、ジアセトンアルコール、ポリエチレングリコール、水、アルコール類を挙げることができる。
溶媒を使用する場合、使用量は特に制限されず、目的の塗膜の厚みに応じて、適宜選択される。
本発明で使用される光硬化性組成物は、重合性単量体、珪素化合物、および光重合開始剤、必要に応じて配合するその他の添加成分を混合することによって調製される。これら成分の添加順序は、特に、制限されるものではない。
光硬化膜層の形成
次に、この光硬化性組成物を用いて光硬化膜層を形成する方法について説明する。
光硬化性組成物は、公知の方法に従って、基材上に塗布され、塗膜を形成する。該基材としては、特に制限されるものではなく、プレート、シート、フィルム状のものが使用できる。具体的には、シリコンウエハ、石英、ガラス、サファイア、各種金属材料、アルミナ、窒化アルミニウム、炭化珪素、窒化珪素等のセラミックス、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリスチレン、シクロオレフィン樹脂のような公知の熱可塑性樹脂からなるシートや、フィルムを使用することができる。なお、基材表面には、本発明で使用される光硬化性組成物から形成される光硬化膜層との密着性を、より改善するために、表面処理を施すこともできる。ただし、密着性の改善のために、下地層を設ける必要はない。表面処理としては、例えば、火炎処理、大気中や窒素ガス中でのコロナ放電処理、大気圧プラズマ処理、ブラスト処理、ホーニング処理、UVオゾン処理等、公知の方法を挙げることができる。
光硬化性組成物を上記基材上に塗布する方法としては、スピンコート法、ディッピング法、ディスペンス法、インクジェット法、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、スプレーコート法、キスコート法、ダイコート法、スリットコート法、ロッドコート法、バーコート法、チャンバードクター併用グラビアコート法、カーテンコート法、ロールtoロール法のような公知の方法がある。塗膜の厚みは、特に制限されるものではなく、通常0.1〜10μmであり、0.01〜0.1μmの厚みの塗膜も好適に形成できる。
薄く塗布するためは、光硬化性組成物を有機溶媒にて希釈して塗布することも可能であり、その場合は、用いる有機溶媒の沸点、揮発性に応じて、乾燥工程を適宜組み込むこともできる。
その後、塗膜を光硬化させる。塗膜に対して光を照射して、塗膜を硬化させとともに、光硬化膜層を基材と一体化させる。照射する光は、用いる光源と光開始剤の種類にもよるが、一般的に波長が500nm以下の光を含み、光の照射時間は、0.1〜300秒の範囲から選択される。塗膜の厚み等にもよるが、通常、1〜60秒である。
光重合時の雰囲気として、大気下でも重合可能であるが、光重合反応を促進する上で、酸素阻害の少ない雰囲気下での光重合が好ましい。例えば、窒素ガス雰囲気下、不活性ガス雰囲気下、フッ素系ガス雰囲気下、真空雰囲気下等が好ましい。
光硬化性組成物は、さらに、ラジカル重合開始剤を含んでいても良く、光硬化後に未重合物が存在する場合、さらに、加熱によって熱硬化しても良い。熱硬化させる場合の温度範囲は、60℃〜200℃、好ましくは70℃〜180℃、さらに好ましくは、80℃〜160℃である。
光硬化膜層がパターンを有することが要求される場合がある。表面に凹凸パターンを形成することで、種々の機能化が図れることが知られている。例えば、モスアイ技術(微細な突起加工が施される)では、反射防止、撥水等の機能が発揮され、ピラー構造では、光閉じ込め、光取り出し、フォトニック結晶等の機能が発揮され、ホール構造では、量子ドット、フォトニック結晶、メタマテリアル等の機能が発揮され、ニードル構造では、抗菌、抗ウイルス等の機能が発揮され、格子、L(ライン)/S(スペース)構造では、マイクロ流路等の機能が発揮され、ドット構造では、量子ドット、フォトニック結晶、メタマテリアル等の特性が発揮される。
凹凸パターン形成法としては、光インプリント(ナノインプリトを含む)、光リソグラフィー、電子線描画等を利用できる。
例えば、光インプリント法によれば、所望のパターン形成面を有する金型を使用して、光硬化膜層へのパターンの転写を行う。
上述のように、基材層の上に、光硬化性組成物を塗布して塗膜を形成し、形成した塗膜を金型のパターン形成面と接触させ、接触させた状態で、塗膜に対して、基材層又は金型を通して光を照射して、塗膜を硬化させる。光硬化後、硬化した塗膜から金型を分離することにより、パターンが転写された光硬化膜層を形成できる。
パターン形成面を有する金型は、光照射を介して、パターンが転写された塗膜材を硬化させ、硬化した塗膜を形成できるように、透明な材質、例えば、石英やサファイアや、熱可塑性樹脂で形成されていることが好ましい。パターン形成面を有する金型が、シリコンウエハや、Ni等の透明性に劣る材質の場合は、基材層の素材は光透過性でなければならず、光透過性を有する石英や、サファイアや、熱可塑性樹脂であることが好ましい。
本発明で使用される光硬化性組成物は、金型を押し付ける際、比較的低い圧力でパターンを転写することができる。この際の圧力は、特に制限されるものではないが、0.01MPa〜3MPaの範囲である。なお、当然のことながら、上記圧力の上限値以上の圧力でもパターンの転写は可能である。
光硬化膜層における改質表面の形成
続いて、上記方法により得られた、基材層と光硬化膜層とを含んでなる積層体について、光硬化膜層が、各種の表面修飾剤を使用する化学修飾により機能化される改質表面を有するように、表面改質を行う。本発明によれば、光硬化膜層の表面改質は、光硬化膜層の表面に、波長183nm以下の光を含んでいる真空紫外光(VUV)を照射するVUV処理によって行う。
真空紫外光は、波長183nm以下の光を含んでいればよいが、波長180nm以下の光を含んでいることが好ましく、126nm、146nmおよび172nmのいずれかの波長を中心とした分光分布を有する真空紫外光を有していることがさらに好ましい。波長183nm以下の光を含む真空紫外光は、183nm以下の波長の光が、積算相対強度で20%以上であることが好ましく、30%以上であることがさらに好ましい。
真空紫外光を照射する雰囲気は、酸素濃度を容易にコントロールすることができることから、酸素濃度が調節可能な密閉空間であることが好ましい。真空紫外光を照射する空間での酸素濃度は、光硬化膜表面の親水化の効果を高める上で、酸素濃度を調整することが好ましく、0.1〜100,000ppmの範囲から好ましく選択することができる。酸素濃度が低すぎると、光励起された酸素による表面改質効果が薄れ、真空紫外光処理で生成される表面官能基が十分に生成されず、化学修飾が十分に行われない可能性がある。高すぎると、真空紫外光が酸素に吸収され、真空紫外光と酸素との反応が優先し、多量のオゾンが発生し、改質表面における表面官能基の生成が十分に行われない可能性がある。また、本発明の表面改質を達成するために要する照射時間が長くなってしまい、生産性の観点から好ましくない。より好ましくは、1〜50,000ppmの範囲から選択することができ、さらに好ましくは、10〜30,000ppmの範囲から選択することができる。
真空紫外光を照射する空間での酸素濃度を0.1〜100,000ppmの範囲に制御するには、窒素ガス、アルゴンガス等でパージすることや、真空引きし、圧力を上記の好ましい酸素濃度範囲内にコントロールする方法が挙げられる。真空紫外光を照射する空間での酸素濃度は、真空紫外光を照射する光源と光硬化膜の表面との間の局所的な空間内での酸素濃度であり、上記したように密閉空間とし、該密閉空間内に、真空紫外光を照射する光源および基材層と光硬化膜層とを含んでなる積層体を設置し、該密閉空間内の酸素濃度を制御しても良い。或いは、真空紫外光の照射を、解放空間内で行うこともでき、この場合、単に、真空紫外光を照射する光源と光硬化膜の表面との空間に、窒素ガスを流すだけでも良く、必要であれば、局所的に酸素濃度を制御しても良い。
酸素濃度の制御に関係なく、常圧空気下でも、真空紫外光を照射する光源と光硬化膜層との距離を短くすることで、真空紫外光の照射強度(放射強度)にもよるが、真空紫外光が空気中の酸素に吸収される影響を克服することが可能である。その場合、真空紫外光を照射する光源と光硬化膜層との距離は、5mm以下に保つことが好ましい。距離が5mmを超える場合、照射強度を大きくする必要があるが、大きい照射強度を有する真空紫外光ランプは高価であるとともに、照射強度が大きくなると、雰囲気中の酸素と真空紫外光との反応が優先して、多量のオゾンが発生することになり、充分な効果が達成されない。光源と光硬化膜層との距離は、さらに好ましくは、1〜3mmである。
真空紫外光を照射する光源は、公知の物が、なんら制限なく使用され、通常、誘電体バリア放電エキシマランプ、エキシマランプ、エキシマレーザー等を使用することができる。上記の積算相対強度では、172nmエキシマランプの場合、分光分布において、172nmをトップとした単一ピークパターンを示し、183nm以下の波長の積算相対強度は通常80%以上である。
本発明の光硬化膜層の改質表面の形成では、光露光量が0.01J/cm2〜100J/cm2となるように、真空紫外光の照射強度、光源から照射される積層体までの距離、照射時間を適宜調整することが好ましい。
積層体における光硬化膜層の表面は、上述のように、平面であっても、凹凸パターンを有していても良い。光硬化膜層の表面が平面の場合、平面の全面にVUVを照射し、該平面の全面を表面改質しても良いし、フォトマスク等を介してVUVを照射し、該平面上にフォトマスクのパターンに相当した表面を改質した表面改質面を得ることもできる。さらに、いずれの表面改質面も、その後、表面修飾剤により表面修飾することができる。凹凸パターンは、上記の方法にて形成することができ、凹凸パターンの全面にVUVを照射し、表面改質した表面改質面を得ることができる
光硬化性組成物からなる光硬化膜へのVUV処理による光のエネルギーで、化学結合の切断と、励起状酸素原子による有機物の酸化分解反応が進行すると考えられる。特に、光硬化膜中に微分散している珪素化合物が、Si−O−SiのSi−O結合の切断や、Si−O−(CH2nCH3(nは0以上の整数)のO−C結合の切断によるSi−OHの生成が挙げられる。その他、光硬化膜の酸化分解反応の過程で、カルボキシル基、カルボニル基、アルデヒド基、ケトン基等への変化や、酸素ラジカルを起因としたラジカル反応も想定される。本発明においては、これらの化学変化により光硬化膜表面が親水化され、容易に表面修飾剤による表面修飾が可能となる。
特に、Si−O−SiのSi−O結合の切断や、Si−O−(CH2nCH3(nは0以上の整数)のO−C結合の切断によりSi−OHが生成することで光硬化膜の表面を改質した効果(親水化)は、長時間、保つことが可能である。珪素化合物を含まない組成物では、VUV処理を行っても、表面改質の効果(親水化)が不十分であったり、分解反応が優先してしまい、パターンの形状変化等が起こることがある。
本発明による表面修飾可能な積層体は、その改質表面において、各種の表面修飾剤による化学修飾を介して、容易に機能化される。
好ましく用いられる表面修飾剤としては、水酸基と反応し得る官能基を有する化合物が挙げられる。水酸基と反応し得る官能基を有する化合物としては、水酸基と反応し得る官能基のみを有する化合物、水酸基と反応し得る官能基の他に、カルボキシル基、イミノ基、エポキシ基、アミノ基、(メタ)アクリル基、チオール基等の官能基を有する化合物等が挙げられる。水酸基と反応し得る官能基を有する化合物としては、カルボキシル基を有する化合物、アルコキシシリル基を有する化合物、シラノール基を有する化合物、エポキシ基を有する化合物、イソシアネート基を有する化合物、酸無水物を有する化合物等が挙げられる。中でも、アルコキシシリル基を有する化合物が、反応条件の簡便さから、好ましく用いられる。その他の表面修飾剤としては、改質表面に、共有結合、水素結合、イオン結合、ラジカル反応、吸着、配位等できるような化合物でも良い。例えば、ハロゲン化物、金属、金属錯体、金属イオン、炭素、糖類、セルロース類等が挙げることができる。
アルコキシシリル基を有する化合物としては、アルコキシシリル基を有する化合物の他に、アルコキシシリル基と、カルボキシル基、イミノ基、エポキシ基、アミノ基、(メタ)アクリル基、チオール基のうち少なくとも1つの基とを有する化合物、アルコキシシリル基を有する繰り返し単位を含む単独重合体、アルコキシシリル基を有する繰り返し単位を含み、カルボキシル基、イミノ基、エポキシ基、アミノ基、(メタ)アクリル基、チオール基のうち少なくとも1つを有する繰り返し単位を含む共重合体等が挙げられる。中でも、アルコキシシリル基の他に、カルボキシル基、イミド基、エポキシ基、アミノ基、(メタ)アクリル基、チオール基のうち少なくとも1つを有する化合物が、材料の入手のし易さや反応の容易さ等の点から、好ましく用いることができる。例えば、カルボキシル基は、水酸基、アミノ基等を有する化合物、又はN−ヒドロキシスクシンイミドで活性化して、アミノ基を有する化合物、タンパク質又は抗体とカルボキシル基とを反応させる等の反応場となり、例えば、エポキシ基は、アミノ基、水酸基、チオール基、フェノール基を有する化合物の固定化、DNAのアミノ基等を利用した固定化、抗体のアミノ基やイミダゾール基と反応して抗体の固定化などの反応場となり、例えば、アミノ基は、アミノ基と反応する蛍光物質、アルデヒド基や、タンパク質等との反応場となり、例えば、(メタ)アクリル基は、ラジカル重合の反応場となり、例えば、チオール基は、チオール基と反応する蛍光物質との反応、ジスルフィド結合、金との結合、マレイミド基とのカップリング等の反応場となる。
以下、本発明を、実施例および比較例を掲げて説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(基材との密着性評価)
光硬化膜面に、15mm幅セロハンテープ405(ニチバン(株)製)を置き、セロハンテープ上に指を押し付けて3往復させることによって、指圧にて密着させたのち、セロハンテープを剥離して、下記の基準によって、光硬化膜と基材との密着性を目視で評価した。
硬化膜が全く剥がれなかったもの :5
剥離面積が10%未満のもの :4
剥離面積が10%以上50%未満のもの :3
剥離面積が50%以上100%未満のもの:2
剥離面積が100%(全面剥離)のもの :1
(光硬化膜表面の改質処理後の外観)
光硬化膜の表面を改質処理した光硬化膜面を下記の基準によって、目視で評価した。
改質処理により外観不良が全くみられないもの:◎
改質処理によりムラが10%未満の範囲で発生したもの:○
改質処理によりムラが10%以上の範囲で発生したもの:△
改質処理により全面白化したもの:×
(接触角評価)
光硬化膜表面の改質処理の評価として、水との接触角を測定した。測定は、接触角測定装置 DM−700(協和界面科学(株)製)を用いて行い、改質処理した硬化膜面と水との接触角を測定し、10点の測定値の平均値を接触角とした。測定を、光硬化膜表面を改質処理する前、改質処理した直後、および室温で2日間放置した後、およびさらに水酸基と反応し得る官能基を有する化合物を反応させて表面修飾(化学修飾)した後の各時点で行った。
[実施例1]
(光硬化性組成物の調製)
(メタ)アクリル基含有アルコキシシランとして、トリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製、KBM−5103)3.0g、一般的なアルコキシシランとして、エチルシリケート40(コルコート(株)製、テトラエトキシシランの平均5量体物)6.8g、およびエタノール13.6gの混合物に、攪拌しながら、エタノール3.6g/水1.6g/2N−HCl 0.1gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を徐々に滴下し、室温下、1時間攪拌して、(メタ)アクリル基含有アルコキシシランの加水分解物および一般的なアルコキシシランの加水分解物の混合物又は反応生成物からなる珪素化合物の混合液を得た。
重合性単量体として、ポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−200)2.5g、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−BPE−10)7.5g、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル AMP−10G)5.0g、エトキシ化o−フェニルフェノールアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−LEN−10)5.0g、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−DCP)5.0gを使用した。
光重合開始剤として、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モリホリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(BASFジャパン(株)製、IRGACURE(登録商標)379 EG)1.0gを使用した。
重合禁止剤として、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.0375g、ブチルヒドロキシトルエン0.005gを使用した。
上記重合性単量体、光重合開始剤、重合禁止剤を均一に混合し、その混合物を2.0g分取した。該混合物2.0gに、上記で得られた(メタ)アクリル基含有アルコキシシランの加水分解物および一般的なアルコキシシランの加水分解物の混合物又は反応生成物からなる珪素化合物の混合液7.0gを添加し、室温で15分間攪拌することにより、光硬化性組成物を得た。
(光硬化膜の作製)
φ4インチのシリコンウエハ(P型、片鏡面、酸化膜なし)上に、上記で得られた光硬化性組成物2mlを滴下し、3000rpm、30秒間でスピンコートし、120℃において2分間乾燥して、光硬化性組成物の塗膜がコーティングされたシリコンウエハを得た。上記塗膜がコーティングされたシリコンウエハを、窒素ガスのパージが可能で、天板が石英板で出来た容器内へ、上記塗膜が上面となるよう入れ、密封した後、窒素をパージしながら、石英板を介して、塗膜面側から発光波長365nmのLEDにより、1J/cm2のUV露光量で光照射し、シリコンウエハ上に光硬化膜が積層してなる積層体を得た。
得られた光硬化膜とシリコンウエハとを含んでなる積層体の密着性を、上記方法にて評価し、その結果を表1に示した。
Figure 2016052651
(光硬化膜の改質処理)
誘電体バリア放電エキシマランプ(中心波長172nm、半値幅14nm、放射照度10mW/cm2、183nm以下の積算相対強度90%)を備えたチャンバーに、上記で得られた光硬化膜を有したシリコンウエハからなる積層体を、ランプとの距離3mmにて、光硬化膜側に光照射されるようセットし、大気圧から真空引きし、真空度100Pa(酸素濃度200ppm)で、2分間、エキシマランプにより真空紫外光を照射した。
このようにして、表面を改質処理したシリコンウエハからなる積層体を得た。
上記方法にて、改質処理後の外観および得られたシリコンウエハからなる積層体の光硬化膜面の水との接触角を測定した。改質処理後の外観および接触角(改質前、改質直後および2日後)の測定結果を表2に示した。
Figure 2016052651
(積層体の表面修飾)
上記で得られた表面を改質処理したシリコンウエハからなる積層体の光硬化膜面上に、表面修飾剤として、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、LS2480)0.1gおよび溶剤として、1−メトキシ−2−プロパノール100gからなる混合溶液2mlを滴下し、2000rpm、20秒間でスピンコートし、120℃において2分間乾燥して、表面修飾剤の塗膜がコーティングされたシリコンウエハを得た。上記塗膜がコーティングされたシリコンウエハを、70℃に保ったオーブンに1時間入れ、積層体の光硬化膜面上に表面修飾剤を反応させた。
その後、ガラス容器に入れたイソプロピルアルコール中に、光硬化膜面上に表面修飾剤を反応させた積層体を浸し、45Hzで2分間の超音波処理を行い、光硬化膜表面で反応しなかった余分な表面修飾剤をリンスで除去した。光硬化膜表面を乾燥した後、赤外分光光度計(パーキンエルマー製、フーリエ変換赤外分光光度計Spectrum One、1回反射ATR、積算回数16回、Resolution 4cm-1)を用いて、該光硬化膜表面の赤外分光法表面反射(FT−IR ATR)分析を行って、アミノ基に特有な吸収ピークがあることを確認した。このようにして、表面修飾した積層体を得た。
上記方法にて、得られた表面修飾した積層体の表面修飾面の水との接触角を測定した。その測定結果を表3に示した。
Figure 2016052651
[実施例2]
(光硬化性組成物の製造方法)
ハロゲン元素を有するアルコキシシランとして、(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメトキシシランを固形分1%となるようエタノールで希釈した溶液0.28g、(メタ)アクリル基含有アルコキシシランとして、トリメトキシシリルトリメチレンアクリレート(信越化学工業(株)製、KBM−5103)3.0g、およびエタノール13.6gの混合物に、攪拌しながら、エタノール1.6g/水0.3g/2N−HCl 0.1gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を徐々に滴下し、室温下、1時間攪拌して、ハロゲン元素を有するアルコキシシランおよび(メタ)アクリル基含有アルコキシシランの加水分解物の混合物又は反応生成物を得た。得られた反応生成物に、さらに、一般的なアルコキシシランとして、エチルシリケート40(コルコート(株)製、テトラエトキシシランの平均5量体物)6.8gおよびジルコニウムアルコキシドとして、85質量%ジルコニウムブトキシド(テトラブチルジルコニウムアルコキシド)の1−ブタノール溶液1.7gを混合し、この混合物に、攪拌しながら、エタノール2.6g/水0.7g/2N−HCl0.1gの2N−HCl/エタノール混合水溶液を、室温下、徐々に滴下した。さらに、エタノール1.0g/水0.4gのエタノール水溶液を徐々に滴下し、室温下、1時間攪拌した。このようにして、一般的なアルコキシシラン、ハロゲン元素を有するアルコキシシラン、(メタ)アクリル基含有アルコキシシランおよびジルコニウムアルコキシドの加水分解物又は反応生成物からなる珪素化合物の混合液を得た。
実施例1で調製した、重合性単量体、光重合開始剤および重合禁止剤の混合物2.0gに、上記で得られた一般的なアルコキシシラン、ハロゲン元素を有するアルコキシシラン、(メタ)アクリル基含有アルコキシシランおよびジルコニウムアルコキシドの加水分解物又は反応生成物からなる珪素化合物の混合液7.0gを添加し、室温で15分間攪拌することにより、光硬化性組成物を得た。
(光硬化膜の作製)
得られた光硬化性組成物を用いた他は、実施例1と同様にして、積層体の作製を行い、得られた光硬化膜とシリコンウエハとを含んでなる積層体の密着性を、上記方法にて評価し、その結果を上記表1に示した。
(光硬化膜の改質処理)
誘電体バリア放電エキシマランプ(中心波長172nm、半値幅14nm、放射照度10mW/cm2、183nm以下の累積相対強度90%)を備えたチャンバーに、得られた光硬化膜を有するシリコンウエハからなる積層体を、ランプとの距離3mmにて、光硬化膜側に光照射されるようセットし、大気圧から真空引きし、真空度100Pa(酸素濃度200ppm)で2分間真空紫外光を照射した以外、実施例1と同様に操作を行い、表面を改質処理したシリコンウエハからなる積層体を得た。
上記方法にて、改質処理後の外観および得られたシリコンウエハからなる積層体の光硬化膜面の水との接触角を測定した。改質処理後の外観および接触角(改質前、改質直後および2日後)の測定結果を上記表2に示した。
(積層体の表面修飾)
上記で得られた表面を改質処理したシリコンウエハからなる積層体の光硬化膜面上に、表面修飾剤として、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、LS2480)0.1gおよび溶剤として、1−メトキシ−2−プロパノール100gからなる混合溶液2mlを滴下し、2000rpm、20秒間でスピンコートし、120℃において2分間乾燥して、表面修飾剤の塗膜がコーティングされたシリコンウエハを得た。上記塗膜がコーティングされたシリコンウエハを、70℃に保ったオーブンに1時間入れ、積層体の光硬化膜面上に表面修飾剤を反応させた。
その後、ガラス容器に入れたイソプロピルアルコール中に、光硬化膜面上に表面修飾剤を反応させた積層体を浸し、45Hzで2分間の超音波処理を行い、光硬化膜表面で反応しなかった余分な表面修飾剤をリンスで除去した。光硬化膜表面を乾燥した後、該光硬化膜表面の赤外分光法表面反射(FT−IR ATR)分析を行って、アミノ基に特有な吸収ピークがあることを確認した。このようにして、表面修飾した積層体を得た。
上記方法にて、得られた表面修飾した積層体の表面修飾面の水との接触角を測定した。その測定結果を表3に示した。
[実施例3]
光硬化膜の改質処理において、誘電体バリア放電エキシマランプ(中心波長172nm、半値幅14nm、放射照度10mW/cm2、183nm以下の累積相対強度90%)を備えたチャンバーに、実施例2で得られた光硬化膜を有したシリコンウエハからなる積層体を、ランプとの距離3mmにて、光硬化膜側に光照射されるようセットし、大気圧から真空引きし、真空度1kPa(酸素濃度2,000ppm)で2分間真空紫外光を照射した以外、実施例2と同様に操作を行い、表面を改質処理したシリコンウエハからなる積層体を得た。
上記方法にて、改質処理後の外観および得られたシリコンウエハからなる積層体の光硬化膜面の水との接触角を測定した。改質処理後の外観および接触角(改質前、改質直後および2日後)の測定結果を上記表2に示した。
(積層体の表面修飾)
上記で得られた表面を改質処理したシリコンウエハからなる積層体の光硬化膜面上に、実施例2と同様にして、積層体の光硬化膜面上に表面修飾剤を反応させた。
その後、ガラス容器に入れたイソプロピルアルコール中に、光硬化膜面上に表面修飾剤を反応させた積層体を浸し、45Hzで2分間の超音波処理を行い、光硬化膜表面で反応しなかった余分な表面修飾剤をリンスで除去した。光硬化膜表面を乾燥した後、該光硬化膜表面の赤外分光法表面反射(FT−IR ATR)分析を行って、アミノ基に特有な吸収ピークがあることを確認した。このようにして、表面修飾した積層体を得た。
上記方法にて、得られた表面修飾した積層体の表面修飾面の水との接触角を測定した。その測定結果を表3に示した。
[実施例4]
光硬化膜の改質処理において、誘電体バリア放電エキシマランプ(中心波長172nm、半値幅14nm、放射照度10mW/cm2、183nm以下の累積相対強度90%)を備えたチャンバーに、実施例2で得られた光硬化膜を有したシリコンウエハからなる積層体を、ランプとの距離3mmにて、光硬化膜側に光照射されるようセットし、大気圧から真空引きし、真空度13kPa(酸素濃度27,000ppm)で2分間真空紫外光を照射した以外、実施例2と同様に操作を行い、表面を改質処理したシリコンウエハからなる積層体を得た。
上記方法にて、改質処理後の外観および得られたシリコンウエハからなる積層体の光硬化膜面の水との接触角を測定した。改質処理後の外観および接触角(改質前、改質直後および2日後)の測定結果を上記表2に示した。
(積層体の表面修飾)
上記で得られた表面を改質処理したシリコンウエハからなる積層体の光硬化膜面上に、実施例2と同様にして、積層体の光硬化膜面上に表面修飾剤を反応させた。
その後、ガラス容器に入れたイソプロピルアルコール中に、光硬化膜面上に表面修飾剤を反応させた積層体を浸し、45Hzで2分間の超音波処理を行い、光硬化膜表面で反応しなかった余分な表面修飾剤をリンスで除去した。光硬化膜表面を乾燥した後、該光硬化膜表面の赤外分光法表面反射(FT−IR ATR)分析を行って、アミノ基に特有な吸収ピークがあることを確認した。このようにして、表面修飾した積層体を得た。
上記方法にて、得られた表面修飾した積層体の表面修飾面の水との接触角を測定した。その測定結果を表3に示した。
[実施例5]
光硬化膜の改質処理において、誘電体バリア放電エキシマランプ(中心波長172nm、半値幅14nm、放射照度10mW/cm2、183nm以下の積算相対強度90%)を備えたチャンバーに、実施例2で得られた光硬化膜を有したシリコンウエハからなる積層体を、ランプとの距離3mmにて、光硬化膜側に光照射されるようセットし、酸素ガス1200ppmを含有する窒素ガスをチャンバー内に連続的に供給しながら、20分間、真空紫外光を照射した以外は、実施例2と同様に操作を行い、表面を改質処理したシリコンウエハからなる積層体を得た。
上記方法にて、改質処理後の外観および得られたシリコンウエハからなる積層体の光硬化膜面の水との接触角を測定した。改質処理後の外観および接触角(改質前、改質直後および2日後)の測定結果を上記表2に示した。
(積層体の表面修飾)
上記で得られた表面を改質処理したシリコンウエハからなる積層体の光硬化膜面上に、実施例2と同様にして、積層体の光硬化膜面上に表面修飾剤を反応させた。
その後、ガラス容器に入れたイソプロピルアルコール中に、光硬化膜面上に表面修飾剤を反応させた積層体を浸し、45Hzで2分間の超音波処理を行い、光硬化膜表面で反応しなかった余分な表面修飾剤をリンスで除去した。光硬化膜表面を乾燥した後、該光硬化膜表面の赤外分光法表面反射(FT−IR ATR)分析を行って、アミノ基に特有な吸収ピークがあることを確認した。このようにして、表面修飾した積層体を得た。
上記方法にて、得られた表面修飾した積層体の表面修飾面の水との接触角を測定した。その測定結果を表3に示した。
[実施例6]
実施例4と同様に操作を行い、表面を改質処理したシリコンウエハからなる積層体を得た。上記方法にて、改質処理後の外観および得られたシリコンウエハからなる積層体の光硬化膜面の水との接触角を測定した。改質処理後の外観および接触角(改質前、改質直後および2日後)の測定結果を上記表2に示した。
(積層体の表面修飾)
上記で得られた表面を改質処理したシリコンウエハからなる積層体の光硬化膜面上に、
表面修飾剤として、3−アミノプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製、LS3150)0.1gおよび溶剤として、1−メトキシ−2−プロパノール100gからなる混合溶液2mlを滴下し、2000rpm、20秒間でスピンコートし、120℃において2分間乾燥して、表面修飾剤の塗膜がコーティングされたシリコンウエハを得た。上記塗膜がコーティングされたシリコンウエハを、70℃に保ったオーブンに1時間入れ、積層体の光硬化膜面上に表面修飾剤を反応させた。
その後、ガラス容器に入れたイソプロピルアルコール中に、光硬化膜面上に表面修飾剤を反応させた積層体を浸し、45Hzで2分間の超音波処理を行い、光硬化膜表面で反応しなかった余分な表面修飾剤をリンスで除去した。光硬化膜表面を乾燥した後、該光硬化膜表面の赤外分光法表面反射(FT−IR ATR)分析を行って、アミノ基に特有な吸収ピークがあることを確認した。このようにして、表面修飾した積層体を得た。
上記方法にて、得られた表面修飾した積層体の表面修飾面の水との接触角を測定した。その測定結果を表3に示した。
[実施例7]
実施例4と同様に操作を行い、表面を改質処理したシリコンウエハからなる積層体を得た。上記方法にて、改質処理後の外観および得られたシリコンウエハからなる積層体の光硬化膜面の水との接触角を測定した。改質処理後の外観および接触角(改質前、改質直後および2日後)の測定結果を上記表2に示した。
(積層体の表面修飾)
上記で得られた表面を改質処理したシリコンウエハからなる積層体の光硬化膜面上に、表面修飾剤として、(3−メルカプトプロピル)トリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−803)1gおよび溶剤として、1−メトキシ−2−プロパノール100gからなる混合溶液2mlを滴下し、2000rpm、20秒間でスピンコートし、120℃において2分間乾燥して、表面修飾剤の塗膜がコーティングされたシリコンウエハを得た。上記塗膜がコーティングされたシリコンウエハを、70℃に保ったオーブンに1時間入れ、積層体の光硬化膜面上に表面修飾剤を反応させた。
その後、ガラス容器に入れたイソプロピルアルコール中に、光硬化膜面上に表面修飾剤を反応させた積層体を浸し、45Hzで2分間の超音波処理を行い、光硬化膜表面で反応しなかった余分な表面修飾剤をリンスで除去した。光硬化膜表面を乾燥した後、該光硬化膜表面の赤外分光法表面反射(FT−IR ATR)分析を行って、チオール基に特有な吸収ピークがあることを確認した。このようにして、表面修飾した積層体を得た。
上記方法にて、得られた表面修飾した積層体の表面修飾面の水との接触角を測定した。その測定結果を表3に示した。
[実施例8]
(インプリント法による凹凸パターンを形成した光硬化膜の作製)
フッ素を含有するシランカップリング剤(ダイキン工業(株)製、オプツールHD−1100TH)で離型処理を施し、リンス液(ダイキン工業(株)製、オプツールHD−TH)でリンス処理した、径230nm、高さ500nm、ピッチ460nm、および三角配置のピラーパターンが形成された、φ2インチのシリコン製金型上に、実施例2で得られた光硬化性組成物を、3000rpm、30秒間でスピンコートし、120℃において2分間乾燥して、光硬化性組成物の塗膜がコーティングされたシリコン製金型を得た。上記塗膜がコーティングされたシリコン製金型と、10cm×10cmにカットした厚さ125μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡績(株)社製、両面易接着処理PETフィルム、コスモシャインA−4300:基材)とを、ナノインプリント装置(SCIVAX(株)製、X−300)にセットし、300Paまで真空引きした後、上記塗膜がコーティングされたシリコン製金型と、PETフィルムからなる基材とを接触させ、圧力2.0MPaをかけ、LED365nm光源から、光を60秒間照射して、UVナノインプリントを行った。その後、PETフィルムをシリコン製金型から剥離し、表面に凹凸パターンが形成された光硬化膜層を有する積層体を得た。
上記で得られた積層体のパターン面を、AFM((株)島津製作所製、ナノサーチ顕微鏡 SFT−3500、スーパーシャープSIプローブ SSS-NCHR-10)により観察した結果、使用したシリコン製金型のパターンに対応する径230nm、深さ500nm、ピッチ460nmのホールパターンが形成されていることが確認できた。
得られた積層体の光硬化膜(パターン面)とPETフィルム(基材)との密着性を、上記方法にて評価し、その結果を上記表1に示した。得られた積層体の光硬化膜(パターン面)は、周期的に屈折率が変化している2次元のフォトニック結晶構造である。
(光硬化膜の改質処理)
誘電体バリア放電エキシマランプ(中心波長172nm、半値幅14nm、放射照度10mW/cm2、183nm以下の累積相対強度90%)を備えたチャンバーに、上記で得られた積層体を、ランプとの距離3mmにて、光硬化膜(パターン面)側に光照射されるようセットし、大気圧から真空引きし、真空度100Pa(酸素濃度200ppm)で、2分間エキシマランプにより真空紫外光を照射した。
上記方法にて、改質処理後の外観および得られた積層体の光硬化膜面の水との接触角を測定した。改質処理後の外観および接触角(改質前、改質直後および2日後)の測定結果を上記表2に示した。得られた積層体は、表面に前記ホールパターンが形成されているにも関わらず、前記ホールパターンが形成されていない比較例の積層体よりも、改質直後、及び2日後の接触角が低い値となっており、十分に表面が改質されていることが分かった。
(積層体の表面修飾)
上記で得られた表面を改質処理した積層体の光硬化膜面上に、表面修飾剤として、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、LS2480)0.1gおよび溶剤として、1−メトキシ−2−プロパノール100gからなる混合溶液4mlを滴下し、2000rpm、20秒間でスピンコートし、120℃において2分間乾燥して、表面修飾剤の塗膜がコーティングされた積層体を得た。上記塗膜がコーティングされた積層体を、70℃に保ったオーブンに1時間入れ、積層体の光硬化膜面上に表面修飾剤を反応させた。
その後、ガラス容器に入れたイソプロピルアルコール中に、光硬化膜面上に表面修飾剤を反応させた積層体を浸し、45Hzで2分間の超音波処理を行い、光硬化膜表面で反応しなかった余分な表面修飾剤をリンスで除去した。光硬化膜表面を乾燥した後、該光硬化膜表面の赤外分光法表面反射(FT−IR ATR)分析を行って、アミノ基に特有な吸収ピークがあることを確認した。このようにして、表面修飾した積層体を得た。
上記方法にて、得られた表面修飾した積層体の表面修飾面の水との接触角を測定した。その測定結果を表3に示した。
[比較例1]
実施例1の光硬化膜の改質処理において、誘電体バリア放電エキシマランプ(中心波長172nm、半値幅14nm、放射照度10mW/cm2、183nm以下の相対強度90%)の代わりに、185nm又は254nmの紫外光を発生する低圧水銀ランプ(放射照度10mW/cm2、183nm以下の累積相対強度0%)を使用し、実施例1で得られた光硬化膜を有したシリコンウエハからなる積層体を、ランプとの距離3mmにて、積層体の光硬化膜側に光照射されるようセットし、10分間照射した以外、実施例1と同様に操作を行い、表面を改質処理したシリコンウエハからなる積層体を得た。
上記方法にて、改質処理後の外観および得られたシリコンウエハからなる積層体の光硬化膜面の水との接触角を測定した。改質処理後の外観および接触角(改質前、改質直後および2日後)の測定結果を上記表2に示した。積層体の光硬化膜表面の接触角は、経時変化があり、2日後は大きくなった。
[比較例2]
重合性単量体として、ポリエチレングリコールジアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−200)2.5g、エトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−BPE−10)7.5g、フェノキシポリエチレングリコールアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル AMP−10G)5.0g、エトキシ化o−フェニルフェノールアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−LEN−10)5.0g、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業(株)製、NKエステル A−DCP)5.0gを使用した。
光重合開始剤として、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチル−ベンジル)−1−(4−モリホリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン(BASFジャパン(株)製、IRGACURE(登録商標)379 EG)1.0gを使用した。
重合禁止剤として、ハイドロキノンモノメチルエーテル0.0375g、ブチルヒドロキシトルエン0.005gを使用した。
上記の重合性単量体、光重合開始剤、および重合禁止剤を均一に混合することにより、珪素化合物を含有しない光硬化性組成物を得た。
(光硬化膜の作製)
上記で得られた、珪素化合物を含有しない光硬化性組成物を用いたこと以外、実施例1と同様に操作して、シリコンウエハ上に光硬化膜が積層してなる積層体を得た。得られた光硬化膜とシリコンウエハとを含んでなる積層体の密着性を、上記方法にて評価し、その結果を上記表1に示した。
(光硬化膜の改質処理)
さらに、実施例1と同様にして、表面を改質処理した光硬化膜層とシリコンウエハとを含んでなる積層体を得た。
上記方法にて、改質処理後の外観および得られたシリコンウエハからなる積層体の光硬化膜面の水との接触角を測定した。改質処理後の外観および接触角(改質前、改質直後および2日後)の測定結果を上記表2に示した。積層体の光硬化膜表面の接触角は、実施例1と比べ大きかった。
(積層体の表面修飾)
上記で得られた表面を改質処理した積層体の光硬化膜面上に、表面修飾剤として、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、LS2480)0.1gおよび溶剤として、1−メトキシ−2−プロパノール100gからなる混合溶液2mlを滴下し、2000rpm、20秒間でスピンコートし、120℃において2分間乾燥して、表面修飾剤の塗膜がコーティングされた積層体を得た。上記塗膜がコーティングされた積層体を、70℃に保ったオーブンに1時間入れ、積層体の光硬化膜面上に表面修飾剤を反応させた。
その後、ガラス容器に入れたイソプロピルアルコール中に、光硬化膜面上に表面修飾剤を反応させた積層体を浸し、45Hzで2分間の超音波処理を行い、光硬化膜表面で反応しなかった余分な表面修飾剤をリンスで除去した。光硬化膜表面を乾燥した後、該光硬化膜表面の赤外分光法表面反射(FT−IR ATR)分析を行ったが、アミノ基に特有な吸収ピークが確認されなかった。
[比較例3]
(公知のフィルムの改質処理)
誘電体バリア放電エキシマランプ(中心波長172nm、半値幅14nm、放射照度10mW/cm2、183nm以下の積算相対強度90%)を備えたチャンバーに、シクロオレフィンポリマーフィルム(日本ゼオン(株)製、ゼオノアフィルムZF−16、厚み100μm)を、ランプとの距離3mmにて、光照射されるようセットし、大気圧から真空引きし、真空度100Pa(酸素濃度200ppm)で、2分間、エキシマランプにより真空紫外光を照射した。
このようにして、表面を改質処理したシクロオレフィンポリマーフィルムを得た。
上記方法にて、改質処理後の外観および得られたシクロオレフィンポリマーフィルムの水との接触角を測定した。改質処理後の外観および接触角(改質前、改質直後および2日後)の測定結果を表2に示した。
(積層体の表面修飾)
上記で得られた表面を改質処理したシクロオレフィンポリマーフィルムに、表面修飾剤として、3−(2−アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、LS2480)0.1gおよび溶剤として、1−メトキシ−2−プロパノール100gからなる混合溶液2mlを滴下し、2000rpm、20秒間でスピンコートし、120℃において2分間乾燥して、表面修飾剤の塗膜がコーティングされたシクロオレフィンポリマーフィルムを得た。上記塗膜がコーティングされたシクロオレフィンポリマーフィルムを、70℃に保ったオーブンに1時間入れ、シクロオレフィンポリマーフィルム面上に表面修飾剤を反応させた。
その後、ガラス容器に入れたイソプロピルアルコール中に、シクロオレフィンポリマーフィルム面上に表面修飾剤を反応させたシクロオレフィンポリマーフィルムを浸し、45Hzで2分間の超音波処理を行い、シクロオレフィンポリマーフィルム表面で反応しなかった余分な表面修飾剤をリンスで除去した。シクロオレフィンポリマーフィルム表面を乾燥した後、該シクロオレフィンポリマーフィルム表面の赤外分光法表面反射(FT−IR ATR)分析を行って、アミノ基に特有な吸収ピークがわずかにあることを確認した。このようにして、表面修飾した積層体を得た。
上記方法にて、得られた表面修飾した積層体の表面修飾面の水との接触角を測定した。その測定結果を表3に示した。

Claims (15)

  1. 基材層と、この基材層の上に形成された、各種の表面修飾剤を使用する化学修飾によって容易に機能化されるように改質した表面を有する光硬化膜層とを含んでなる表面修飾可能な積層体を製造する方法であって、前記基材層の一方の表面上に、重合性単量体、珪素化合物および光重合開始剤を含有する光硬化性組成物を塗布して塗膜を形成し、該塗膜に光を照射して、前記光硬化性組成物を硬化させることにより前記光硬化膜層を形成し、該光硬化膜層に波長183nm以下の光を含む真空紫外光を照射して、前記光硬化膜層の表面を、各種の表面修飾剤を使用する化学修飾を介して容易に機能化されるように改質することを特徴とする表面修飾可能な積層体の製法。
  2. 光硬化性組成物の珪素化合物が、シロキサン結合を有する珪素化合物であることを特徴とする請求項1に記載の製法。
  3. シロキサン結合を有する珪素化合物が、アルコキシシラン類又はアルコキシシラン類の加水分解物であることを特徴とする請求項2に記載の製法。
  4. 光硬化性組成物が、さらに、ジルコニウムアルコキシド又はチタニウムアルコキシドの加水分解物又はジルコニウムアルコキシド又はチタニウムアルコキシドとアルコキシシラン類との反応生成物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製法。
  5. 波長183nm以下の光を含む真空紫外光は、183nm以下の波長の光が積算相対強度20%以上であることを特徴とする請求項1に記載の製法。
  6. 真空紫外光の照射を、密閉空間内において、酸素濃度0.1〜100,000ppmの雰囲気で行うことを特徴とする請求項1に記載の製法。
  7. 真空紫外光の照射を、解放空間内において、真空紫外光を照射する光源と光硬化膜層との間に窒素を流動させた雰囲気で行うことを特徴とする請求項1に記載の製法。
  8. 真空紫外光を照射する光源と光硬化膜層との距離が5mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の製法。
  9. 真空紫外光の照射を、光露光量が0.01〜100J/cm2となるように行うことを特徴とする請求項1に記載の製法。
  10. 積層体の光硬化膜層が、その表面に凹凸パターンを有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の製法。
  11. 凹凸パターンが、インプリント法により形成されたものであることを特徴とする請求項10に記載の製法。
  12. 凹凸パターンがフォトニック結晶構造であることを特徴とする請求項10に記載の製法。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載の製法によって得られた表面修飾可能な積層体の改質表面に、水酸基と反応し得る官能基を有する化合物を反応させて、前記改質表面を化学修飾することを特徴とする表面修飾された積層体の製法。
  14. 水酸基と反応し得る官能基を有する化合物が、アルコキシシリル基を有する化合物であることを特徴とする請求項13に記載の製法。
  15. アルコキシシリル基を有する化合物が、アルコキシシリル基の他に、カルボキシル基、イミド基、エポキシ基、アミノ基、(メタ)アクリル基、チオール基の少なくとも1つを有する化合物であることを特徴とする請求項14に記載の製法。
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