JP2016052451A - 胸腔鏡下手術における臓側胸膜穿刺不要の術前経皮的マーキング器具 - Google Patents

胸腔鏡下手術における臓側胸膜穿刺不要の術前経皮的マーキング器具 Download PDF

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Abstract

【課題】胸腔鏡下手術による肺野末梢部小型病変の部分切除に先立ち、CTガイド下で病変部を経皮的にマーキングするさい、臓側胸膜穿刺を不要にすることで、穿刺に伴う空気塞栓等の合併症を回避することができ、病変部の局在診断を確実に、かつ、安全に行うことのできる経皮的マーキング器具を提供すること。【解決手段】内外二重針よりなるイントロデューサ針と、該イントロデューサ針の外針を通して挿入可能な穿刺針と、イントロデューサ針の外針に挿通され色素剤供給通路となるカテーテルと、該カテーテルに着脱自在に接続される色素剤含浸可能なマーカースタンプにより基本構成され、必要に応じて、カテーテル誘導のためのガイドワイヤー、前記イントロデューサ針の刺入位置の指標及び位置固定手段となる指標シート、イントロデューサ—針の体表穿刺位置からのずれを防止するプロテクター、経皮的な創部に装着される開創手段をセットとして備えても良い。【選択図】図1

Description

本発明は、胸腔鏡下手術における病変部位の同定を、安全かつ簡便に遂行し得ることを目的とした術前経皮的マーキング器具に関する。
CT検診の導入や画像診断技術の進歩、普及などにより、肺野末梢部小型病変の発見が増加している。しかし、病変が肺野末梢部に存在することや小型病変であることから従来の経気管支生検や経皮的生検では確定診断が困難な場合が多く、確定診断のため手術による生検が行われるが、開胸肺生検では侵襲が大きくなることから、多くは胸腔鏡下手術による生検が選択される。しかし、胸腔鏡下では触診等による同定が著しく制限されることにより術中の局在診断が困難になることがあり、このような確定診断や局在診断が困難な症例に対しては、あらかじめ手術前にCTガイド下で病変部分近傍にマーカーを留置し、該マーカーを指標として胸腔鏡下に病変を含む肺部分切除を行ない、肺末梢小型病変の確定診断を行う手法が行われている。
このようなCTガイド下でのマーカー器具としては、例えば、図15のような、経皮的に肺に穿刺されるガイド針81と、該ガイド針81の内腔先端部分に装填される金属フックワイヤー(マーカー)91と、該マーカー91に接続されガイド針の針基82を越えて外方に延設されるナイロン糸92、及び、ガイド針の針基82と係合し、マーカー91をガイド針81の先端から押し出すプッシャー83より構成される器具が従来から用いられている。また、マーカーとしては前記金属フックワイヤー91の他に、色素や造影剤を、穿刺針を通して病変部に注入することも行われている。尚、図15は理解を容易にするため、ガイド針81(プッシャー83を含む)とフックワイヤー91及びナイロン糸92を別に描いているが、フックワイヤー91及びナイロン糸92は予めガイド針81の内腔にセットされている。
前記従来のマーカー器具で、フックワイヤー91をCTガイド下に病変部に留置する手技を次に示す。
1.CTガイド下で病変部近傍にアプローチできる最適な穿刺ルートを決定し、胸膜直上までガイド針81を穿刺し、再度CT画像で病変との位置関係を確認する。
2.病変部の近傍(1cm以内)を目標として穿刺を行ない(穿刺する深さはガイド針81に装着されているメルクマール84で調整する)、ガイド針81先端部が目的部位に刺入されていることをCT画像上で確認する。
3.マーカー91を留置する際には、ガイド針81が動かないように針基82を固定し、プッシャー83を右回り(時計回り)に回し、ロック機構831を解除した後、プッシャー83を針基82のスリット821に沿って前進させ、装填されているマーカー91を病変部に押出す。
4.マーカー91の留置位置をCT画像上で確認し、プッシャー83を押した状態のまま、ガイド針81を抜去する。(この結果、マーカー91は病変部に留置され、マーカー91に接続されたナイロン糸92は臓器表面から胸腔内を経て胸壁を穿通し、体表に露出する。)
5.マーカー91が目的部位に留置されていることをCT画像上で確認し、ナイロン糸92を必要な長さに切りマーカー留置の手技を終了する。
6.胸腔鏡下による肺部分切除手術は、目的部位の臓器表面より出ているナイロン糸92を標識として手技を行ない、マーカー91と病変部から充分なマージンを取り、病変部と共にマーカー91及びナイロン糸92を切除、回収する。
前記の器具によると、術中の局在診断を必要とせず、術前にCT画像により確認されている病変部位を適切に切除することができ、しかも、診断率も高値を示すとされている。しかし、マーカーの病変部への留置のさい臓側胸膜を穿刺せざるえないことにより生じる気胸、血胸、肺内出血、空気塞栓などの様々な合併症が報告されており、とりわけ、0.015%の率で発生している空気塞栓症は、一旦生じると重篤な障害となる可能性があり、この発生を無くす手技が求められている。そして、この問題はマーカーとして前記ワイヤーではなく色素等を注入する手段を用いても、臓側胸膜への穿刺が伴うことは同じで、合併症のリスクを改善するものとなっていない。
また、前記フックワイヤー91のマーカー器具を肺表面から浅い位置に留置すると、マーカーが逸脱してしまう場合があるといった報告もされている。
そこで本発明は、臓側胸膜穿刺を不要とすることで、術前に施すCTガイド下での経皮的なマーキングにおいて、臓側胸膜への穿刺に伴う様々な合併症、中でも空気塞栓の発症を回避することができ、胸腔鏡下手術時の末梢小型肺病変部の局在診断を確実に、かつ、安全に行うことのできる臓側胸膜穿刺不要の術前経皮的マーキング器具を提供することを課題とした。
本発明の胸腔鏡下手術における臓側胸膜穿刺不要の術前経皮的マーキング器具は、内外二重針よりなるイントロデューサ針と、該イントロデューサ針の外針に挿入し、該外針より先端が所定の長さ突出するよう調整された穿刺針と、該イントロデューサ針の外針に挿通されて、色素剤供給通路となるカテーテルと、該カテーテルの先端部に着脱自在に接続される色素剤含浸可能なマーカースタンプとにより構成される。
前記のマーキング器具には、次の構成要素を付加しても良い。
・前記カテーテルの内腔に挿入されるガイドワイヤー。
・前記イントロデューサ針の体表刺入位置の指標となると共に、該イントロデューサ針の穿刺位置固定のために体表に貼付される指標シート。
・前記イントロデューサ針の穿刺深度の指標となるイントロデューサ針外筒に摺動可能に設けるメルクマール。
・前記イントロデューサ―針の体表穿刺位置からのずれを防止するため、該イントロデューサ針の周囲を囲うプロテクター。
また、前記マーカースタンプは、色素剤含浸可能な樹脂系スポンジあるいは綿球よりなるスタンプ部と、該スタンプ部を収容するハウジング、及び、スタンプ部への色素剤供給ルートとなるカテーテルテル接続部よりなることが好ましい。
更に、前記イントロデューサ針による経皮的な穿刺孔とは別に設ける経皮的な創部に装着される開創手段をセットとして備えても良く、該創部への開創手段は、体表から胸腔内に創部と接触して配置され開創を維持する筒状の弾性シートと、該弾性シートの両端部に対向して設ける一対の弾性リングを含んで構成されるものであることが好ましい。
(作用)
前記手段によると、胸腔鏡下での肺部分切除手術に先立ち、末梢小型病変部に局在診断のためのマーキング(色素のスタンプ)を施す手技として次のような手法をとることができる。
1.CT下で病変部を確認し、病変部の延長線上の壁側胸膜手前までイントロデューサ針を穿刺し、内針を抜去する。
2.イントロデューサ針外針を留置した状態で手術室に移動し、胸腔ポートを留置した後胸腔鏡下で観察しながら外針に穿刺針を挿入し、壁側胸膜を穿破して先端を胸腔内に位置させる。
3.穿刺針を抜去し、代わって外針にカテーテルを挿入して胸腔内まで導入したのち、予め穿刺部近傍に取り付けて置く胸腔ポート(開創手段)からカテーテル先端を一旦体外に出す。
4.体外でカテーテル先端にマーカースタンプを接続し、胸腔内に戻し、病変部とイントロデューサ針の軸の延長線上に位置させる。
5.カテーテルの注入口から色素液を注入しマーカースタンプに含浸させて、病変延長上の肺表面(臓側胸膜表面)にスタンプする。
6.マーカースタンプ付近を詮索し、病変部を発見したら切除する。
前記手技を採ることにより、肺部分切除のためのCTガイド下での末梢小型病変部のマーカー設定のさいに、臓側胸膜を穿刺しないため、また、肺に異物を留置しないため、空気塞栓などの合併症を排除することができる。
また、ガイドワイヤーを用いると、カテーテルのイントロデューサ針を通じての胸腔内への挿入、あるいは、別に設ける胸腔ポートへの導入のさい、ガイドワイヤーに沿っての導入となるためスムーズな誘導ができる。
また、イントロデューサ―針の穿刺のさいに、指標シートを体表に貼付して置くと、CT下での穿刺位置の指標とすることができると共に、穿刺部分が固定されることでイントロデューサ―針の位置ずれを防止することができ、結果、マーキング位置を正確なものとすることができる。
更に、前記メルクマールを用いると、イントロデューサ―針の穿刺深さの指標となることから、予め穿刺深さを設定しておくことで、誤って肺膜を穿破することがない。
加えて、穿刺後にイントロデューサ針の周囲にプロテクターを配すると、該イントロデューサ針への意図しない接触等による位置ずれを防止することができる。
更に、マーカースタンプがカテーテルに着脱自在で、かつ、カテーテルから色素剤を供給されて含浸できるものであることで前記手法による施術ができる。
そして、前記手法でカテーテルへのマーカースタンプ取付けのさいに必須となる、イントロデューサ針の穿刺孔とは別に設ける、経皮的な創部に装着される開創手段をセットとして備えると、胸腔鏡下手術を前提とする本施術のためのセットとして好ましい構成とすることができる。
前記手段及び作用により、CTガイド下における末梢小型肺病変部に対する経皮的なマーキングのさい、臓側胸膜への穿刺を必要としないため、該穿刺に伴う様々な合併症、中でも重篤となる空気塞栓の発症を回避することができる。また、ワイヤーマーカー等の留置も必要ないことからマーカーの脱落等の懸念がなく、胸腔鏡下手術による末梢小型肺病変部の局在診断を安全に行うことのできる臓側胸膜穿刺不要の術前経皮的マーキング器具を提供することができる。
本発明の実施の形態の胸腔鏡下手術における臓側胸膜穿刺不要の術前経皮的マーキング器具のうち、必須構成要素となるセットを示す構成図。 前記構成要素に必要に応じてセットされるオプション部材(指標シート、ガイドワイヤー)を示す構成図。 前記構成要素に必要に応じてセットされるオプション部材(プロテクターカップ、開創手段)を示す構成図。 前記形態のイントロデューサ針の詳細を示す構成図。 前記形態のマーカースタンプの詳細を示す構成図。 前記形態の開創手段の詳細を示す構成図。 本形態の器具によるマーカー設定手段を示す説明図。(イントロデューサ針穿刺段階) 本形態の器具によるマーカー設定手段を示す説明図。(イントロデューサ針内針抜去段階) 本形態の器具よるマーカー設定手段を示す説明図。(壁側胸膜穿破段階) 本形態の器具によるマーカー設定手段を示す説明図。(胸腔へのカテーテル導入段階) 本形態の器具によるマーカー設定手段を示す説明図。(開創手段へのカテーテルの誘導段階) 本形態の器具によるマーカー設定手段を示す説明図。(カテーテルへのマーカースタンプ取付け段階) 本形態の器具によるマーカー設定手段を示す説明図。(マーカースタンプの胸腔内への導入段階) 本形態の器具によるマーカー設定手段を示す説明図。(色素スタンプ押印段階) 従来のフックワイヤーのマーカー器具を示す構成図。
以下、本発明の胸腔鏡下手術における臓側胸膜穿刺不要の術前経皮的マーキング器具の実施の形態につき図面を参考に詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の構成図で、本発明に必須の構成要素を示しており、図2、図3は、必要に応じて使用される要素で、図2のAが指標シート、Bがガイドワイヤー、図3のAがプロテクターカップ、Bが開創手段を示している。
本例の器具は、胸腔鏡観察下による肺部分切除に先立ち、術前にCTガイド下に末梢小型肺病変部(切除位置)を特定するため、経皮的に色素剤を肺表面にスタンプ(マーキング)するために用いられる。
本器具は、CT観察下で、経皮的に体表71から穿刺して病変部延長線上の胸腔75手前まで刺入される内外二重針からなるイントロデューサ針1と、該イントロデューサ―針1の外針11に挿入され、胸腔鏡観察下で、壁側胸膜72を穿破して胸腔内75に刺入する穿刺針2と、該穿刺針2を抜去したのち、前記イントロデューサ針1の外針11を通して胸腔内75に導入される色素剤の供給ルートとなるカテーテル3と、該カテーテル3の先端331に着脱自在に取り付けられ、肺表面の所望位置に色素剤をスタンプするマーカースタンプ4とにより基本構成され、本器具では、更に、イントロデューサ針1穿刺の前に穿刺部分の体表に貼付する穿刺位置の指標及び固定のための指標シート51、イントロデューサ針1の体表への穿刺後、該穿刺位置からの位置ずれを防止するためにイントロデューサ針1周囲全体を覆って保護するプロテクターカップ53、及び、前記胸腔内75に導入したカテーテル先端331にマーカースタンプ4を取り付けるため、カテーテル先端331を一時体外に取り出すための開創手段6(胸腔ポートのひとつとして設定)を備えて構成した。尚、本構成に前記カテーテル3を開創手段6まで誘導するためのガイドワイヤー52を備えても良い。
次に各部の構成に付き詳細に説明する。図4は本発明のイントロデューサ針でAが外針、Bが内針を示している。
イントロデューサ針1は内外二重針により構成され、外針11は、金属パイプあるいは硬質な樹脂チューブ(本例においては、ステンレスパイプ)よりなる針管111と、把持部となる外針基112、及び、該針管111の軸方向に摺動可能で、かつ、任意の位置で固定可能な針管111の刺入深さを調整し、また、過穿刺を防止するためのメルクマール115からなり、針管先端112は穿刺のさい、臓側胸膜の穿破及び損傷を防止するため面取が施され、本例においては、表面に穿刺深さの指標として10mm間隔の目盛り113が設定されている。内針12は、金属棒状体(本例においては、ステンレス棒)よりなるスタイレット121と、把持部となる内針基123からなり、スタイレット先端122は穿刺の直進性に優れる三角錐として形成した。また、該イントロデューサ針1のサイズは特定するものではないが、外針11の長さは体表71から壁側胸膜72手前までの穿刺を考慮して50mm程度とし、外径はカテーテル3等の挿入などが考慮され1.6mm程度に形成した。そして、外針11内腔に内針12を挿入し、外針基112と内針基123のテーパーを嵌合したさい、外針先端121からスタイレット先端122の刃先部分が突出する長さに設定され構成される。
穿刺針2は、体表71に穿刺されたイントロデューサ針1の内針12を抜去した後、留置された外針11内腔に挿入して、胸腔鏡観察下に臓側胸膜73を穿刺しないように壁側胸膜72を穿破してカテーテル3の胸腔内75への通路を開けるための(壁側)胸膜穿刺針で、金属あるいは硬質樹脂(本例においては、ステンレスパイプ)よりなる穿刺針管21と把持部となる穿刺針基22から構成し、穿刺針管先端21は鋭利な刃先が形成される。尚、サイズはイントロデューサ針1の外針11に挿入したさい先端が所定の長さ(本例においては約20mm)突出する長さに設定されている。
カテーテル3は、壁側胸膜72を穿破した穿刺針2をイントロデューサ針1の外針11から抜去した後、該外針11内腔から挿入し、穿刺針2が穿破した通孔を通して胸腔内75に導入して、更に、別に設ける胸腔ポートから先端311を一時体外部に取り出し、後記するマーカースタンプ4を接続して用いられるもので、該マーカースタンプ4への色素剤注入通路となる。そして、本カテーテルは、可撓性を備えた比較的硬質な樹脂チューブ(本例においては、フッ素樹脂チューブ)よりなるカテーテル本体31と、色素剤注入口となるテーパー部を備えたカテーテル基32からなり、前記外針11の内腔に挿入可能で、外針11から胸腔ポートまで導入されるサイズとして、外径、約0.7mm、長さ、約350mmとして形成した。
図5は、本形態のマーカースタンプで、Aが全体構成図の正面及び側面図、Bが分解図を示している。
マーカースタンプ4は、前記カテーテル先端311に通路を連通して着脱自在に接続され、病変部74とイントロデューサ針1の軸の延長上の臓側肺膜73表面に色素剤を押印するためのスタンプで、色素剤を含浸可能なスタンプ部本体となるスポンジ42と、該スポンジ42を収容するハウジング41、及び、カテーテル先端311と内腔を連通して接続されるスポンジ42への色素剤供給通路となる接続パイプ43より構成される。
スポンジ42は、本例においては円筒状に形成した発泡ポリエチレン樹脂よりなるスポンジを用いているが、ポリウレタンなど他の樹脂や、綿、ガーゼなどを円筒状あるいは球状に形成するなど、人体に毒性が無く、色素剤を含浸、塗付可能なものであればどのようなものでも良い。
ハウジング41は、スポンジ42を押し潰す態様で内部に収容するもので、中心部に前記スポンジ41のスタンプ部421を突出させるための開孔部413を設けたハウジング本体411と、該ハウジング本体411と共にスポンジ41を挟んで押し潰す締め付けリング412とにより、全体として円筒状に形成される。すなわち、前記ハウジング本体411にスポンジ42をセットし、締め付けリング412を締め付けてスポンジ42を圧縮することで、該スポンジ42の一部がハウジング本体411の開孔部413から押し出され突出してスタンプ部421が形成される。そして、該スタンプ部421により臓側肺膜73表面へのマーキングが行われる。
接続パイプ43は、カテーテル3の内腔に挿入され接続される金属あるいは硬質樹脂のパイプ(本例においては、ステンレスパイプ)で、前記の通りカテーテル3との接続部となると共にスポンジ41への色素剤供給通路の一部となる。尚、ハウジング41のサイズは胸腔ポートからの挿入、取り出しや胸腔内75での取り回しを考慮して直径及び高さ10mmとし、開孔部413は直径4mmに形成した。
以下、本形態の器具に必要に応じてセットされる構成要素に付いて説明する。
指標シート51は、体表71へのイントロデューサ針1穿刺に先立ち、該穿刺予定部を含む体表に貼付され、CT観察下での穿刺位置の指標、及び、穿刺針を固定して置くための補強シートとして機能し、CT画像により描出可能で針穿刺可能な柔軟な樹脂(本例においては、シリコーン樹脂)により、表面に縦横10mm間隔の凸部あるいは凹部として形成される格子状の目盛り511を設けて形成される。尚、本例においては、80mm×60mmの長方形で、厚さ2mmのシートとして形成され、また、指標シート51は、全体としてCTに対して描出可能であることは当然として、格子状の目盛り511も描出可能なものとして形成される。
プロテクターカップ53は、イントロデューサ針1の穿刺後、手術室への移動の際などに、針への不慮の接触等による該穿刺位置からの位置ずれを確実に防止するために、イントロデューサ針1周囲全体を覆って保護するための保護具で、透明、あるいは、半透明の樹脂によりなり、イントロデューサ針1の周囲及び上部を覆うようなカップ形状に形成されて、テープ等で体表に固定して使用される。
図6は、本形態の開創手段で、Aが正面図、Bが底面図を示している。
開創手段6は、前記マーカースタンプ4が無理なく挿入可能な開口部を設定できれば、どのような胸腔ポートでも良く、必ずしも本器具にセットとして組み込まれる必要は無いが、本器具を使用するにあたっては、別部材としても、カテーテル先端311の取り出しとマーカースタンプ4の接続のために必須の構成となる。
本例の開創手段6は、体表71に配置される上リング61と、該上リング61に対向して胸腔内75に配置される弾性を備える下リング62と、体表71から胸腔内75に切開創に接触して配置される弾性シート63より構成し、上リング61、及び、下リング62は切開創より大きく形成され両リング間に切開創を挟んで固定される。また、少なくとも下リング62は弾性を有し、押し潰すことにより細径化して切開創より胸腔内75に挿入可能で、かつ、自己復元力により胸腔内75で元のリング形状に戻るものとして形成される。一方、弾性シート63は伸縮性、及び、柔軟性を備えた円筒状の樹脂シート(本例においては、シリコーン樹脂シート)よりなり両端部を拡張して、前記上リング61、下リング62に接続して形成され、該上リング61、下リング62と協働して切開創を開創維持している。
尚、本形態では使用しないが、穿刺針2による壁側胸膜72穿刺の後、カテーテル3挿入に先立ち、該穿刺針2の内腔に挿入して用いるガイドワイヤー52を備えても良い。該ガイドワイヤー52を、胸腔内75を経て開創手段6まで適用しておくと、カテーテル3を導入するさいに一層容易に開創手段6まで誘導することが期待できる。
図7から図14は、本形態のマーキング器具により臓側肺膜表面にマーカースタンプを施す手段を示している。
1.イントロデューサ針1の穿刺予定位置を含む部位の体表に指標シート51をテープ等で貼付して固定する。
2.安静呼気位でCT撮影し、該CTガイド下で指標シート51を指標とするなどにより病変部近傍にアプローチできる最適な穿刺ルート(穿刺ポイント、穿刺角度、穿刺深さ)を決定する。
3.設定した穿刺深さにメルクマール115をセットし、イントロデューサ―針1を設定した刺入ポイントから病変部の延長線上の壁側胸膜72直上まで穿刺する。(穿刺のさい胸膜穿刺しないように注意する)(図7)
4.再度CT撮影して針先端位置と病変74との位置関係を確認後、イントロデューサ針1の内針12を抜去し、留置した外針11全体を覆うようにプロテクターキャップ53を体表に取り付ける。(図8)(以上、CTガイド下による手技)
前記イントロデューサ針設定後、手術室に移動する。(以下、胸腔鏡下手術)
5.肺を脱気した状態で、手術に必要な数の胸腔ポート(開創手段6を含む)を留置し、プロテクターキャップ53を外し、胸腔鏡観察下で留置されたイントロデューサ針の外針11を通して穿刺針2を挿入し、壁側胸膜72を穿破し刃先を胸腔内75に位置させる。(図9)
6.脱気を維持した状態で、穿刺針2を抜去し、代わりにカテーテル3を、該穿刺針2が穿破した穿孔を利用して、イントロデューサ針外針11を通して胸腔内に導入する。(図10)
7.胸腔鏡観察下で、鉗子等によりカテーテル先端311を予め設置した開創手段6のポートに誘導し一時体外に取り出す。(図11)
8.体外に取り出されたカテーテル先端311にマーカースタンプ4の接続パイプ43を差し込んで接続する。(図12)
9.マーカースタンプ4を接続した状態でカテーテル3を胸腔内75に引き戻し、マーカースタンプ4のスタンプ部421をイントロデューサ針外針11の軸の延長線上に位置させる。(図13)
10.カテーテル基32から色素剤(ピオクタニンブルー染色液)を注入し、マーカースタンプ4のスポンジ42に含浸させ、肺を膨張させて段階2.の安静呼気位と同じ状態とすることで、病変74とイントロデューサ針外針11の軸の延長線上の臓側肺膜73表面に色素剤がスタンプされる。(図14)
尚、十分に染色されない場合は、カテーテル3を肺膜表面に押し付けてスタンプを追加する。
前記のようにスタンプされた色素沈着部位を中心に胸腔鏡による観察、ソラシックコットン等を使用した触診により病変部の局在診断を行い、引き続いて肺部分切除が行われる。
本形態の器具によると、CTガイド下、及び、胸腔鏡観察下における末梢小型肺病変部への経皮的なマーキングのさい、臓側胸膜への穿刺を必要としないため、該穿刺に伴う様々な合併症、中でも重篤となる空気塞栓の発症を回避することができ、結果、胸腔鏡下手術での末梢小型肺病変部の局在診断を安全に行うことができる。
1. イントロデューサ針
11. 外針
111.針管
113.目盛り
114.外針基
12. 内針
121.スタイレット
123.内針基
2. 穿刺針
21. 穿刺針針管
22. 穿刺針基
3. 色素剤供給通路
31. カテーテル
32. カテーテル基
4. マーカースタンプ
41. ハウジング
411.ハウジング本体
412.締め付けキャップ
42. スタンプスポンジ
421.突出部(スタンプ部)
43. 接続パイプ
51. 指標シート
52. ガイドワイヤー
53. プロテクターカップ
6. 開創手段(胸腔ポート)
61. 上リング
62. 下リング
63. 弾性シート
64. ポート開口部
71. 体表
72. 壁側胸膜
73. 臓側胸膜
74. 病変
75. 胸腔

Claims (8)

  1. 経皮的に体表に穿刺される内外二重針よりなるイントロデューサ針と、
    該イントロデューサ針の外針に挿入され、該外針先端より所定の長さ突出するように設定された穿刺針と、
    該穿刺針を抜去した後、前記イントロデューサ針の外針に挿入され、色素剤供給通路となるカテーテルと、
    該カテーテルの先端部に着脱自在に接続される色素剤含浸可能なマーカースタンプとからなることを特徴とする胸腔鏡下手術における臓側胸膜穿刺不要の術前経皮的マーキング器具。
  2. 前記カテーテルの内腔に挿入可能なガイドワイヤーを備える請求項1の胸腔鏡下手術における臓側胸膜穿刺不要の術前経皮的マーキング器具。
  3. 前記イントロデューサ針の体表穿刺位置の指標になると共に、該イントロデューサ針の穿刺位置を固定するための体表に貼付される指標シートを備える請求項1乃至2のいずれかの胸腔鏡下手術における臓側胸膜穿刺不要の術前経皮的マーキング器具。
  4. 前記イントロデューサ針の穿刺深度の指標となるメルクマールを備える請求項1乃至3のいずれかの胸腔鏡下手術における臓側胸膜穿刺不要の術前経皮的マーキング器具。
  5. 前記イントロデューサ針の体表穿刺位置からの位置ずれを防止するため、該イントロデューサ針の周囲を囲うプロテクターを備える請求項1乃至4のいずれかの胸腔鏡下手術における臓側胸膜穿刺不要の術前経皮的マーキング器具。
  6. 前記マーカースタンプは、色素剤含浸可能な樹脂系スポンジあるいは綿球よりなるスタンプ部と、該スタンプ部を収容するハウジング、及び、スタンプ部への色素剤供給ルートとなるカテーテルテル接続部よりなる請求項1乃至5のいずれかの胸腔鏡下手術における臓側胸膜穿刺不要の術前経皮的マーキング器具。
  7. 前記イントロデューサ針による経皮的な穿刺孔とは別に設ける経皮的な創部へ取り付ける開創手段を備える請求項1乃至6のいずれかの胸腔鏡下手術における臓側胸膜穿刺不要の術前経皮的マーキング器具。
  8. 前記創部への開創手段は、体表から胸腔内に創部と接触して開創を維持する筒状の弾性シートと、該弾性シートの両端部に対向して設ける一対の弾性リングを含んで形成される請求項7の胸腔鏡下手術における臓側胸膜穿刺不要の術前経皮的マーキング器具。
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