JP2016052163A - 太陽電池モジュールの設置構造及び太陽電池モジュール設置架台 - Google Patents

太陽電池モジュールの設置構造及び太陽電池モジュール設置架台 Download PDF

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Abstract

【課題】太陽電池モジュールの設置作業をより簡単に実施可能な太陽電池モジュールの設置構造、並びに、太陽電池モジュール設置架台を提供する。【解決手段】並列に配置した架台2の上に太陽電池モジュール1を固定する。このとき、架台2にフレーム挿入部を設け、フレーム挿入部は、フレームの少なくとも一部を挿入可能な挿通孔又は切欠溝を備えた構造とする。そして、太陽電池モジュール1の一端側を一方の架台2に形成したフレーム挿入部に挿入し、太陽電池モジュール1の一端側の移動が規制された状態とする。【選択図】図18

Description

本発明は、太陽電池モジュールを設置するための太陽電池モジュールの設置構造に関するものであり、そのような設置構造で使用される太陽電池モジュール設置架台に関するものである。
屋外の土地に架台を設置し、この架台上に太陽電池モジュールを固定することで形成される太陽光発電システムが知られている。この種の太陽光発電システムでは、複数の架台を所定の間隔を空けて並列させると共に、互いに平行となるように配している。そして、並列する架台の高さを異ならせ、架台間に跨るように太陽電池モジュールを固定している。このことにより、太陽電池モジュールが傾斜した状態で固定されることとなる。
ここで、太陽電池モジュールを架台に固定するときには、一般的に、太陽電池モジュールのフレーム部分と架台とを接触させ、ボルト・ナット等の締結部材を介して一体に固定している。
しかしながら、このような固定構造では、太陽電池モジュールを固定していくと、すでに固定した太陽電池モジュールが新たな太陽電池モジュールを固定する際に邪魔になってしまう場合がある。すなわち、ボルトを挿通する締結位置の周辺に十分なスペースが確保できず、作業者が無理な姿勢でボルトの締め付けを行う必要が生じてしまったり、離れた位置からボルトを締め付ける必要が生じてしまう。
このような場合、作業者が作業をする際にボルトや工具を誤って太陽電池パネルの上に落としてしまい、太陽電池パネルが破損してしまうおそれがある。また、作業時において、作業者が太陽電池パネルに手をついてしまったり、太陽電池パネルの表面を誤って触ってしまうことで、太陽電池パネルの表面に汚れが付着してしまう可能性がある。
そこで、太陽電池モジュールの設置作業をより簡易化するという観点から、複数の太陽電池モジュールを敷き詰めて固定していく際、ねじやボルト等によって締結させる部分を可能な限り少なくしたいという要求があった。
そこで、ねじやボルト等による締結部分を低減可能な太陽電池モジュールの設置構造として、特許文献1に開示された構造がある。
特許文献1では、高さの異なる2つの架台を跨ぐように、長尺状の支持体が固定されている。この2つの架台には、複数の支持体が固定されており、所定の間隔を空けて並列した状態となっている。すなわち、複数の支持体のそれぞれは、架台の並列方向と直交する方向で所定の間隔を空けて配されており、それぞれ傾斜した状態となっている。そして、2つの支持体の上に1つの太陽電池モジュールが固定された状態となっている。
ここで、支持体の上面には、略L字型の鉤状部が設けられている。この鉤状部は、上面に対して垂直上方に突出する基端側部分と、この基端側部分の突出端から上面に対して平行な方向に突出する先端側部分によって形成されている。そして、この先端側部分は、支持体の傾斜方向の上側に向かって延びた状態となっている。
また、太陽電池モジュールのフレームには、その裏面側に、支持体の鉤状部を挿入可能な切欠部が形成されている。
これらのことから、太陽電池モジュールの裏面側に形成された切欠部に支持体の鉤状部を挿入し、太陽電池モジュールを支持体の傾斜方向に沿って下側にスライド移動させると、鉤状部と切欠部が係合した状態となる。このことにより、太陽電池モジュールは、支持体の傾斜方向の上側に向かう移動を除いた他方向への移動が規制され、支持体に固定された状態となる。つまり、太陽電池モジュールは、鉤状部と切欠部の係合によって取り外し方向以外への移動が規制され、支持体に固定された状態となる。
このように、特許文献1に開示された構造によると、太陽電池モジュールをスライド移動させるだけで支持体上に固定させることが可能となる。つまり、ねじやボルトを締め付けたりすることなく太陽電池モジュールを固定できるので、太陽電池モジュールの設置作業を簡易化できる。
特開2010−27979号公報
しかしながら、特許文献1の構造では、太陽電池モジュールを支持体の上に移動させ、太陽電池モジュールのフレームに形成した複数の切欠部と、支持体に形成された複数の鉤状部の位置を合わせる必要がある。すなわち、太陽電池モジュールをスライド移動させる前に、複数の鉤状部を複数の切欠部のそれぞれに挿入させる必要があり、複数の切欠部をそれぞれ別の鉤状部の上方に位置するように位置合わせする必要がある。
この位置合わせ作業は、太陽電池モジュールの設置作業を実施する上で大変手間である。その上、1つの太陽電池モジュールを設置する際に、二人以上の作業者が必要となってしまうという問題もある。すなわち、太陽電池モジュールの位置及び姿勢を微調整する必要があり、一般的な大きさの太陽電池モジュールであれば、二人以上で持ち上げる必要が生じてしまう。このことから、太陽電池モジュールの設置作業時に確保しなければならない作業者の数が増えてしまい、それに伴って施工費用が嵩んでしまう。
このように、特許文献1の構造には、太陽電池モジュールの設置作業を簡易化するという観点から改善の余地があり、より簡単に設置作業を実施可能な構造が望まれていた。
そこで本発明は、設置作業をより簡単に実施可能な太陽電池モジュールの設置構造、並びに、太陽電池モジュール設置架台を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、架台の上に太陽電池モジュールを固定する太陽電池モジュールの設置構造であって、前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、当該太陽電池パネルの周縁部に装着可能なフレームとを有し、前記架台には、フレーム挿入部が形成され、当該フレーム挿入部は、前記フレームの少なくとも一部を挿入可能な挿通孔又は切欠溝を備え、前記フレームが前記フレーム挿入部に挿入され、前記フレームが前記フレーム挿入部と係合した状態では、前記太陽電池モジュールの一端側が係合解除方向に対して直交する方向であり、互いに直交する2方向への移動を規制されることを特徴とする太陽電池モジュールの設置構造である。
本発明の太陽電池モジュールの設置構造では、太陽電池モジュールの一端側を架台の挿通孔又は切欠溝に挿通するだけで、ねじ止め等を必要とすることなく、この一端側の移動を規制することができる。つまり、太陽電池モジュールの一端側を固定するとき、ねじ止め等を必要としない構造となっている。
このことから、挿通孔や切欠溝の周囲に作業者がねじ止め作業をするための広い空間が確保できない場合でも、作業者が無理な姿勢で作業したりする必要がない。つまり、作業者が太陽電池モジュールの他端側を把持し、離れた位置から太陽電池モジュールの一端側を挿通孔又は切欠溝に挿通することで、作業者が挿通孔や切欠溝の周囲に立つことなく太陽電池モジュールを取り付けることができる。言い換えると、作業者が無理な姿勢で作業をしなくてもよいので、取付作業の簡易化を図ることができる。
請求項2に記載の発明は、前記架台は、天板部と、当該天板部の一端から下方に延びる立壁部とを有しており、前記天板部又は前記立壁部のいずれか一方に、又は、双方に跨って前記フレーム挿入部が形成されており、前記フレームが前記フレーム挿入部に挿入され、前記フレームが前記フレーム挿入部と係合した状態では、前記太陽電池モジュールの一端側が係合解除方向とは異なる方向への移動が規制され、且つ、前記太陽電池モジュールが前記一端側を支点に回動可能な状態となることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールの設置構造である。
かかる構成では、太陽電池モジュールのフレームを挿通孔又は切欠溝に挿入すると、太陽電池モジュールの一端側の移動が規制された状態となり、且つ、太陽電池モジュールが挿入された一端側を支点として回動可能となる。
このことから、作業者は、他端側を把持して太陽電池モジュールの一端側を挿通孔又は切欠溝に挿通し、その後に太陽電池モジュールを回動させるだけで、太陽電池モジュールの位置合わせが可能となる。したがって、煩雑な位置合わせを必要とすることがなく太陽電池モジュールを固定可能となり、取付作業の簡易化を図ることができる。
また、太陽電池モジュールを支持する架台が、天板部と、天板部の一端から下方に延びる立壁部とを有する構成となっている。そして、この天板部又は立壁部にフレーム挿入部が形成されている。このように架台を比較的簡単な構造とすることで、比較的簡単かつ安価に製造可能となる。
請求項3に記載の発明は、前記フレームは、少なくとも一部が外部に露出する金属部分を有し、前記架台は、突起部を有するものであって、前記突起部は、前記挿通孔又は前記切欠溝の内側に向かって突出しており、前記フレームを前記挿通孔又は前記切欠溝に挿入したとき、前記突起部と前記金属部分が接触することを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池モジュールの設置構造である。
かかる構成では、太陽電池モジュールのフレームを挿通孔又は切欠溝に挿通したとき、フレームの一部である外部に露出した金属部分と架台とが接触することとなる。このことにより、無駄に配線等を引き延ばしたりすることなく、太陽電池モジュールをアースすることが可能となる。
請求項4に記載の発明は、前記フレームが前記フレーム挿入部と係合した状態では、前記太陽電池モジュールは前記一端側を支点に回動可能な状態となるものであり、前記金属部分は表面処理が施されており、膜によって覆われたものであって、前記フレームの前記挿通孔又は前記切欠溝への挿入に伴って前記フレームと前記突起部が接触し、前記太陽電池モジュールの回動に伴って前記フレームの表面が前記突起によって擦られ、前記膜が剥離して前記金属部分の一部が外部に露出することを特徴とする請求項3に記載の太陽電池モジュールの設置構造である。
かかる構成では、太陽電池モジュールを回動させることで、フレームの表面が突起部によって削られ、金属部分の一部が外部に露出する。そして、そのまま突起部が露出した金属部分と接触した状態となる。
つまり、フレームの表面を削る作業といった金属部分の一部を外部に露出させるための作業を別途実施することなく、太陽電池モジュールをアースすることができる。言い換えると、太陽電池モジュールを架台に取り付けるための作業を実施するだけで、太陽電池モジュールをアースすることができる。このことから、太陽電池モジュールを設置する際の作業を簡易化することが可能となる。
そこで本発明に関連する発明は、架台の上に太陽電池モジュールを固定する太陽電池モジュールの設置構造であって、前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、当該太陽電池パネルの周縁部に装着可能なフレームとを有し、前記フレームは、金属部分を有し、当該金属部分は表面処理によって形成された膜に覆われるものであって前記架台には、フレーム挿入部と突起部が形成され、前記フレーム挿入部は、前記フレームの少なくとも一部を挿入可能な挿通孔又は切欠溝を備え、前記フレームが前記フレーム挿入部に挿入され、前記フレームが前記フレーム挿入部と係合した状態では、前記太陽電池モジュールの一端側の移動が規制されると共に、前記太陽電池モジュールが前記一端側を支点に回動可能な状態となり、前記太陽電池モジュールの回動に伴って前記フレームの表面が前記突起によって擦られ、前記膜が剥離して前記金属部分の一部が外部に露出することを特徴とする太陽電池モジュールの設置構造である。
この関連発明においても、太陽電池モジュールを架台に取り付けるための作業を実施するだけで、太陽電池モジュールをアースすることができる。すなわち、太陽電池モジュールを設置する際の作業を簡易化することが可能となる。
請求項5に記載の発明は、前記フレーム挿入部は、前記架台に形成された前記挿通孔又は前記切欠溝と、前記架台に取り付けられた補助部材によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の太陽電池モジュールの設置構造である。
本発明のフレーム挿入部は、挿通孔又は切欠溝から形成されるものだけでなく、挿通孔又は切欠溝と補助部材によって形成されてもよい。かかる構成によると、挿通孔又は切欠溝の開口形状の自由度が向上し、架台の製造を簡易化できる。
請求項6に記載の発明は、前記架台の上端部と前記太陽電池パネルの下端部が1mm以上の間隔を空けて離間していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の太陽電池モジュールの設置構造である。
かかる構成によると、太陽電池パネルの表面を流れる雨水や、この雨水と共に流れる太陽電池モジュール上に堆積した埃やゴミ等を、架台と太陽電池パネルの間に形成される隙間から下方に流すことが可能となる。
すなわち、太陽電池モジュールや架台の上に水や埃、ゴミ等が堆積することなく、このことに起因して発生する不具合や出力低下を防止可能となっている。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載の太陽電池モジュールの設置構造において太陽電池モジュールを支持する架台であって、天板部と、当該天板部の一端から下方に延びる立壁部とを有しており、前記天板部又は前記立壁部のいずれか一方に、又は、双方に跨ってフレーム挿入部が形成されており、前記フレーム挿入部は、前記太陽電池モジュールのフレームの少なくとも一部を挿入可能な挿通孔又は切欠溝であることを特徴とする太陽電池モジュール設置架台である。
本発明の太陽電池モジュール設置架台においても、上記したように、取付作業の簡易化を図ることが可能であると共に、架台を比較的簡単な構造とすることができる。
本発明によると、太陽電池モジュールの設置作業をより簡単に実施することができる。
本発明の実施形態に係る太陽電池モジュールの設置構造により、複数の太陽電池モジュールを平面状に敷き詰めて固定した様子を示す斜視図である。 図1の太陽電池モジュールを示す斜視図である。 図1の架台を示す斜視図であり、前方側からみた状態を示す。 図1の架台を示す斜視図であり、後方側からみた状態を示す。 図1の支持部材を示す斜視図である。 図1の架台に必要に応じて取り付けられる後端固定部材を示す斜視図である。 図6の後端固定部材の本体部を示す斜視図である。 図6の後端固定部材の押え部を示す斜視図である。 図8の押え部を示す平面図である。 図1の架台に必要に応じて取り付けられる補助部材を示す斜視図である。 図9の補助部材を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る太陽電池モジュールの設置構造を構築していく様子を示す斜視図であり、土台部上に架台を固定した様子を示す。 架台に後端固定部材の本体部を固定する様子を示す斜視図である。 図12に続いて、複数の架台に支持体を取り付ける様子を示す斜視図である。 図14に続いて、架台に太陽電池モジュールの一端側を挿入する様子を示す斜視図である。 図15で示す工程において、太陽電池モジュールの一端側が挿入されるモジュール固定溝の近傍を拡大して示す説明図であり、(a)は太陽電池モジュールが架台に近接していく様子を示し、(b)は太陽電池モジュールがモジュール固定溝に挿入された様子を示す。 太陽電池モジュールが挿入された架台を後方側からみた状態を示す断面図である。 図15に続いて、太陽電池モジュールの姿勢を変更する様子を示す側面図であり、(a)は太陽電池モジュールの一端側を架台と係合させた様子を示し、(b)は(a)で示される状態から太陽電池モジュールを回動させた後の状態を示す。 図18(b)で示される状態を後方側からみた様子を示す斜視図であり、後方側に位置する架台の近傍を拡大して示す。 図18(b)に続いて、後端固定部材の本体部に押え部を取り付ける様子を示す説明図であり、(a)は押え部を本体部に近づけていく様子を示し、(b)は本体部の上に押え部を載置した状態を示す。 図20(b)に続いて、押え部をスライド移動させる様子を示す説明図である。 後方側に位置する架台に補助部材を取り付ける様子を示す説明図である。 図22に続いて、架台上に設置した補助部材に締結要素を挿通する様子を示す斜視図である。 前端に位置する太陽電池モジュールの固定後に、前方から2列目の太陽電池モジュールを固定する様子を示す説明図である。 図24のA部分を拡大して示す正面図である。 図3で示す架台とは異なる架台を示す斜視図であり、長手方向における一端側を拡大して示す。 図3、図26で示す架台とは異なる架台を示す斜視図であり、長手方向における一端側を拡大して示す。 図3、図26、図27で示す架台とは異なる架台を示す斜視図であり、長手方向における一端側を拡大して示す。 図10とは異なる補助部材を示す斜視図である。 図29で示す補助部材を示す平面図である。 図29で示す補助部材を後方からみた様子を示す斜視図である。 図29で示す補助部材を前方の架台に取り付ける様子を示す図であり、(a)は取付け前の状態を後方からみた斜視図であり、(b)は取付け後の状態を後方からみた斜視図である。 図32(b)を拡大して示す説明図である。 図33における補助部材の周辺部分を示す図であり、(a)は平面図であり、(b)は背面図である。 図29で示す補助部材を後方の架台に取り付ける様子を示す斜視図であり、後方からみた状態を示す。 図29で示す補助部材を後方の架台に取り付けた様子を示す斜視図であり、後方からみた状態を示す。 図36で示す後方の架台とその近傍を異なる方向からみた状態を示す斜視図である。 図3、図26、図27、図28で示す架台とは異なる架台を示す斜視図であり、長手方向における一端側を拡大して示す。 図2とは異なる太陽電池モジュールを示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において、特に断りがない限り、上下左右前後の位置関係は、図1で示される通常の設置位置を基準に説明する。
本実施形態の太陽電池モジュール1の設置構造では、図1で示されるように、複数の太陽電池モジュール1が行列状に平面的な広がりをもって設置されている。それぞれの太陽電池モジュール1は、複数の架台2によって支持され、設置面より所定の高さだけ離れた位置に固定されている。そして、その後端側が高位置となるように傾斜した状態となっている。
また本実施形態の太陽電池モジュール1の設置構造では、複数の架台2が前後方向及び左右方向において列状に配された状態となっている。すなわち、前後方向に所定の間隔を空けて並列する架台2の列が複数列形成されている。そして、それぞれの架台2は、支持部材4が取り付けられた状態で設置されるものであり、必要に応じて後端固定部材5と補助部材6(図1では図示を省略する)をさらに取り付けるものとなっている。
太陽電池モジュール1は、図2で示されるように、太陽電池パネル7と、太陽電池パネル7を支持するためのフレーム8を備えている。そして、太陽電池パネル7にフレーム8が一体に取り付けられている。
太陽電池パネル7は、集積型太陽電池であり、略長方形平板状に形成されている。この太陽電池パネル7には、例えば、ガラス基板に導電膜や半導体膜を積層して形成されるような所謂薄膜型と称される太陽電池を採用してもよく、また、カバーガラスと背面ガラスの間に結晶シリコンを封入して形成されるような所謂結晶型と称される太陽電池を採用してもよい。
フレーム8は、ステンレススチールやアルミニウム等の金属又は合金によって形成される部材であり、これらの金属又は合金を賦形した後、メッキ加工、塗装等の表面処理を施して形成されるものである。
このフレーム8は、直立した長方形平板状の立壁部30と、立壁部30の上端に形成されるフレーム挟持部31と、立壁部30の下端に形成される土台板部32と、補強板部33を備えており、これらが一体となって形成されている。
フレーム挟持部31は、立壁部30の上側に形成される断面形状が略「コ」字状で延びる部分であり、立壁部30の上端を内側に折り曲げて形成される上側板部31aと、この上側板部31aの下方に位置する下側板部31bとを備えている。
上側板部31aは、略長方形平板状の部分であり、立壁部30の内側面から内側に突出した状態となっている。
下側板部31bは、略長方形平板状の部分であり、上側板部31aから下側に離れた位置において、立壁部30の内側面から内側に突出した状態となっている。
つまり、上側板部31aと下側板部31bは、上下方向で所定の間隔を空けて互いに平行となるように設けられている。このことから、下側板部31bの上面は、上側板部31aの下面と所定の間隔を空けて対向した状態となっている。
土台板部32は、略長方形平板状の部分であり、立壁部30の下端部分において、立壁部30の内側面から内側に突出した状態となっている。ここで、土台板部32の突出端は、上側板部31a及び下側板部31bの突出端よりもさらに内側に位置している。つまり、土台板部32の幅及び突出量は、上側板部31a及び下側板部31bの幅及び突出量よりも大きくなっている。
補強板部33は、上側に位置する上方傾斜板部33aと下側に位置する下方立板部33bとが一体になって形成される部分である。
上方傾斜板部33aは、内側に向かうにつれて下り勾配となるように傾斜した部分である。この上方傾斜板部33aの上端部分は、リブ部35を介して下側板部31bと連続した状態となっている。そして、上方傾斜板部33aの下端部分は、下方立板部33bの上端と連続した状態となっている。
下方立板部33bは、上方傾斜板部33aの下端から垂下される壁状の部分であり、その下端部分が土台板部32の上面と連続した状態となっている。このとき、下方立板部33bの下端部分と土台板部32の上面とは、略垂直に交わった状態となっている。
なお、略垂直とは、プラスマイナス5度以内の誤差を含むものとする。
つまり、補強板部33は、下側板部31bの下側であり立壁部30の内側となる部分と、土台板部32の上面との間を連結する部分であり、このような構造とすることで、フレーム8の強度向上を図っている。
ここで、フレーム8には、下側板部31bと立壁部30が交わる部分の近傍と、補強板部33と土台板部32が交わる部分の近傍にそれぞれリブ部35が形成されている。
より具体的には、上側に位置するリブ部35は、下側板部31bの下側に隣接する部分であり、且つ、立壁部30の内側に隣接する部分に形成されている。そして、下側に位置するリブ部35は、補強板部33の側面のうちで立壁部30側に位置する側面に近接する部分であり、且つ、土台板部32の上側に隣接する部分に形成されている。
そして、いずれのリブ部35も断面形状が略「C」字状で延びる部分となっている。言い換えると、リブ部35は、屈曲して延びる2つの突起状の部分を有しており、それら突起状の部分の内側が円弧状に延びる面となっている。
具体的には、上側のリブ部35は、立壁部30の内側から内側に突出する突起状の部分と、上方傾斜板部33a内側から内側に突出する突起状の部分を有している。そして、2つの突起状の部分の先端部分同士が近づくように、それぞれが屈曲して延びている。
同様に、下側のリブ部35は、下方立板部33bの内側から立壁部30側に突出する突起状の部分と、土台板部32の上面から上方に突出する突起状の部分を有している。これらは、それぞれの突起状の部分の先端部分同士が近接するように突出し、それぞれの先端部分の間に隙間が形成されている。
ここで、本実施形態の太陽電池モジュール1では、図2で示されるように、太陽電池パネル7の四辺のうち、対向する2つの辺にのみフレーム8を取り付けている。すなわち、他の2辺にはフレーム8が取り付けられておらず、縁端が外部に露出した状態となっている。
架台2は、図3、図4で示されるように、鋼板等の金属板を加工して形成される長尺状の部材であって、側面視した形状が略「コ」字状となっている。すなわち、この架台2は、ドリル等の加工工具や、タレットパンチ機、シャーリングマシン等の加工機等を用いて板状部材に孔(後述するモジュール固定溝13となる部分)を形成し、その後に、この孔を形成した板状部材をベンディングプレス機等で折り曲げることで、製造している。
つまり、この架台2では、最も下側に位置する下板部10と、下板部10の後端を上方に折り曲げて形成される立板部11(立壁部)と、立板部11の上端を前方に折り曲げて形成される上板部12(天板部)とが一体に連続している。そして、図4で示されるように、上板部12と立板部11に跨るように、モジュール固定溝13(フレーム挿入部)と第1支持体固定溝14が設けられている。加えて、第1支持体固定溝14の前方に第2支持体固定溝15が設けられている。
下板部10は、略長方形平板状の部分であり、図3で示されるように、下板部10そのものを上下方向(厚さ方向)に貫通する支柱取付孔18が複数設けられている。
支柱取付孔18は、複数設けられており(本実施形態では3つ)、架台2及び下板部10の長手方向で所定の間隔を空けて並列している。
立板部11は、直立した略長方形平板状の部分であり、下板部10の一端から略垂直上方に突出している。すなわち、この立板部11は、設置面の広がり方向に対して直立した状態となっている。
上板部12は、略長方形平板状の部分であり、詳細には、立板部11の上端から側方に突出する上板部本体12aと、上板部本体12aの突出端を下方に折り曲げて形成される垂下片部12bを有している。言い換えると、垂下片部12bは、上板部本体12aと一体に形成されており、上板部本体12aの突出端から下方に突出している。
上板部本体12aには、上板部本体12aそのものを上下方向(厚さ方向)に貫通する第1部材取付孔19と、第2部材取付孔20がいずれも複数設けられている。
第1部材取付孔19は、モジュール固定溝13に隣接する位置に形成されており、より詳細には、モジュール固定溝13の前端よりもやや前方の位置(垂下片部12bよりの位置)に形成されている。
ここで、上板部本体12aには、長手方向の片側端部からやや中心よりの位置と、長手方向の他方端部からやや中心よりの位置のそれぞれに、モジュール固定溝13の一部が形成されている。すなわち、2つのモジュール固定溝13は、上板部本体12aの長手方向で間隔を空けて配されている。
したがって、2つのモジュール固定溝13のそれぞれと隣接する位置に別途形成される2つの第1部材取付孔19もまた、上板部本体12aの長手方向で間隔を空けて配されている。
第2部材取付孔20は、第1支持体固定溝14に隣接する位置であって、第1支持体固定溝14の外側(架台2の長手方向における端部側)に形成されている。この第2部材取付孔20は、上板部本体12aの幅方向における中心近傍に形成されている。
ここで、上板部本体12aでは、2つの第1支持体固定溝14が所定の間隔を空けて並列して群を形成している。そして、上板部本体12aには、上板部本体12aの長手方向の片側端部よりの位置に1つの群が形成されており、他方端部よりの位置に他の1つの群が形成されている。つまり、上板部本体12aには、2つの第1支持体固定溝14からなる群が2箇所に形成された状態となっている。言い換えると、複数の第1支持体固定溝14からなる群が複数個所に形成されている。
そして、それぞれ群の外側に、それぞれ別の第2部材取付孔20が形成されている。
詳細に説明すると、上板部本体12aの長手方向の片側端部よりの位置に2つの第1支持体固定溝14が位置し、他方端部よりの位置に2つの第1支持体固定溝14が位置している。それぞれの位置では、2つの第1支持体固定溝14が間隔を空けて並列しており、外側(上板部本体12aの長手方向における端部側)に位置する第1支持体固定溝14よりもさらに外側の位置に、第2部材取付孔20が位置している。この第2部材取付孔20は、第1支持体固定溝14の前端よりも前方であり、第2支持体固定溝15の後端よりも後方に位置している。
モジュール固定溝13は、図4で示されるように、上板部本体12aを厚さ方向(上下方向)に貫通して延びる上側部13aと、立板部11を厚さ方向(前後方向)に貫通して延びる下側部13bを有する溝である。
上側部13aは、平面視における開口形状が略長方形状であり、上板部本体12aの後端から前方に向かって延びる部分である。すなわち、上側部13aは、上板部本体12aに形成され、前後方向に沿って延びる部分となっている。
下側部13bは、背面視における開口形状が略「L」字状であり、立板部11の上端から下方に延びる縦長部分23と、この縦長部分23と交わる方向に延びる横長部分24から形成されている。
縦長部分23は、背面視した開口形状が略縦長長方形状の部分であり、上下方向に沿って延びる部分である。
横長部分24は、背面視した開口形状が略横長長方形状の部分であり、左右方向に沿って延びる部分である。すなわち、この横長部分24は、縦長部分23と直交して延びる部分であり、縦長部分23の下端と連続して直線状に延びている。
具体的に説明すると、本実施形態の架台2には、2つのモジュール固定溝13が設けられており、長手方向で間隔を空けて配されている。このとき、一方のモジュール固定溝13では、横長部分24が縦長部分23の右下部分から右側に向かって延びており、他方のモジュール固定溝13では、横長部分24が縦長部分23の左下部分から左側に向かって延びている。このため、一方の横長部分24は、立板部11(架台2)の長手方向における片側端部側から中心側へ向かう方向に延びており、他方の横長部分24は、他方端部側から中心側へ向かう方向に延びている。つまり、2つのモジュール固定溝13では、一方の横長部分24と他方の横長部分24とが互いに近づく方向に延びている。
すなわち、縦長部分23の左右方向の両端部のうち、立板部11の長手方向の中心よりに位置する端部には、横長部分24が連続した状態となっている。そして、この横長部分24は、そのまま縦長部分23から離れる方向に延びた状態となっている。
ここで、上側部13aの後端部分と下側部13bの上端部分とは、立板部11と上板部12が交わる角部分で連続した状態となっている。つまり、モジュール固定溝13は、立板部11と上板部12を跨いで延びる部分を有する溝となっている。
このことから、モジュール固定溝13は、直交する2つの面の一方に形成された部分と、他方に形成された部分とが連続して1つの溝を形成している。言い換えると、なす角が180度よりも小さくなるように交わる2つの面のそれぞれに形成された部分が連続し、1つの溝を形成している。
より具体的には、モジュール固定溝13のうち、上側部13aと縦長部分23によって形成される部分が、立板部11と上板部12を跨いで延びる部分となっている。この部分では、前後方向に延びる部分と上下方向に延びる部分とが連続しており、これらのいずれもが左右方向を幅方向とするものであって、同幅で延びている。そして、縦長部分23と連続する横長部分24は、上側部13a及び縦長部分23の幅方向に沿って延びる部分となっている。
つまり、モジュール固定溝13は、互いに直交する3方向(前後、上下、左右)のうち、1つの方向に沿って延びる部分と、他の2つから選択される1つの方向に沿って延びる部分と、残った1つの方向に沿って延びる部分とが連続して形成される溝となっている。
第1支持体固定溝14もまた、上板部本体12aを厚さ方向に貫通して延びる上側部14aと、立板部11を厚さ方向に貫通して延びる下側部14bを有している。この上側部14aの平面視における開口形状と、下側部14bの平面視における開口形状は、いずれも略長方形状となっている。
ここで、上側部14aは、前後方向に沿って延びる溝であり、下側部14bは、上下方向に沿って延びる溝となっている。これらは、いずれも左右方向を幅方向としており、その溝幅が同一となっている。
そして、上側部14aの後端部分と下側部14bの上端部分とは、立板部11と上板部12が交わる角部分で連続した状態となっている。つまり、第1支持体固定溝14は、立板部11と上板部12を跨いで延びる溝であり、直交する2つの面の一方に形成された部分と、他方に形成された部分とが連続して1つの溝を形成している。言い換えると、なす角が180度よりも小さくなるように交わる2つの面のそれぞれに形成された部分が連続し、1つの溝を形成している。
第2支持体固定溝15は、図3で示されるように、第1支持体固定溝14のそれぞれの前方に形成されている。すなわち、第2支持体固定溝15は、第1支持体固定溝14と同数形成され、それぞれが第1支持体固定溝14の前方に離れた位置に形成されている。
また、この第2支持体固定溝15は、上板部本体12aと垂下片部12bに跨って延びている。すなわち、第2支持体固定溝15もまた第1支持体固定溝14と同じく、平板状の部分と、それと連続する直立板状の部分に跨って形成されている。
そして、第2支持体固定溝15は、上板部本体12aを厚さ方向に貫通して延びる上側部15aと、垂下片部12bを厚さ方向に貫通して延びる下側部15bを有している。ここで、第2支持体固定溝15の下側部15bの垂直方向(上下方向)の長さは、第1支持体固定溝14の下側部14bの垂直方向の長さよりも短くなっている。このことにより、架台2に支持部材4と太陽電池モジュール1を取り付けるとき、支持部材4と太陽電池モジュール1を同じ(略同じ)傾斜角度で取り付けることが可能となる(詳しくは後述する)。
なお、この上側部15aの平面視における開口形状と、下側部15bの平面視における開口形状は、いずれも略長方形状となっている。そして、第2支持体固定溝15と第1支持体固定溝14は、上側部14a,15aの長さが等しく、下側部14b,15bの長さが相違している。言い換えると、第2支持体固定溝15と第1支持体固定溝14は、一部のみが異なる形状となっている。
支持部材4は、図5で示されるように、断面形状が略「コ」字状で延びる長尺状の部材であり、より詳細には、開放側が下方を向いた略「コ」字状の部分となっている。
すなわち、この支持部材4は、略長方形平板状の天板部4aと、天板部4aの幅方向における一端と他端のそれぞれを下方に折り曲げて形成される2つの垂下板部4bとを有している。2つの垂下板部4bは、いずれも直立した略長方形平板状の部分であり、支持部材4(天板部4a)の幅方向で離間対向している。そして、2つの垂下板部4bのいずれも、天板部4aと略垂直に交わった状態となっている。
後端固定部材5は、図6で示されるように、本体部40と押え部41によって形成されている。
本体部40は、図7で示されるように、板状の部材を折り曲げて形成される部材であり、前後方向の一方端から他方端に向かって、第1平板部45、第1立板部46、第2平板部47、第2立板部48、第3平板部49、第3立板部50、第4平板部51、第4立板部52が連続した状態となっている。
より具体的に説明すると、前後方向の片側端部に立設された第1平板部45と、この第1平板部45の後端を上方に折り曲げて形成される第1立板部46により、第2平板部47を高位置に支持する脚部が形成されている。
第2平板部47は、本体部40のうちで最も高位置となる部分に位置しており、その上面には、保護部材55が取り付けられている。この保護部材55は、ゴム等の弾性体で形成された略長方形平板状の部材であり、その下面が第2平板部47の上面と密着した状態となっている。つまり、保護部材55は、第2平板部47の上面を覆うように取付けられている。
そして、第2平板部47の後端が下方に折り曲げられて第2立板部48が形成され、さらに、この第2立板部48の下端が後方に折り曲げられて第3平板部49が形成されている。
第3平板部49の上面は、他の平板部(第1平板部45、第2平板部47、第4平板部51)の上面よりも面積が広くなっており、前後方向に長くなっている。
そして、第3平板部49の上面のうち、前端よりの部分(第2立板部48よりの部分)には固定用孔56が設けられている。
固定用孔56は、第3平板部49を厚さ方向(図7における上下方向)に貫通する貫通孔である。第3平板部49には、3つの固定用孔56が設けられており、第3平板部49の長手方向(図7における左右方向)で所定の間隔を空けて並列している。
より詳細には、第3平板部49の長手方向における中心近傍に1つの固定用孔56が形成されており、この固定用孔56よりも片側端部よりの位置と、他方側端部よりの位置のそれぞれに固定用孔56が1つずつ形成されている。
第3平板部49の後側に位置する部分は、その外形が階段状となっており、第3平板部49の後端部分を下方に折り曲げて形成される第3立板部50と、第3立板部50の下端部分を後方に折り曲げて形成される第4平板部51と、第4平板部51の後端部分を下方に折り曲げて形成される第4立板部52が段状に屈曲して連続している。
なお、本体部40では、第1平板部45と第4平板部51の高さが略同一となっており、これらの下面が略同一の高さとなっている。そして、第1平板部45、第4平板部51よりも高位置に第3平板部49が位置しており、第3平板部49よりもさらに高位置に第2平板部47が位置した状態となっている。
押え部41は、図8で示されるように、長方形平板状の底板部60と、底板部60から略垂直上方に立ち上げられた高壁部61及び低壁部62と、高壁部61の上端を前方に折り曲げて形成される上側平板部63と、低壁部62の上端を前方に折り曲げて形成される下側平板部64を有している。
高壁部61は、直立した略長方形平板状の部分であり、底板部60の前端側を上方に折り曲げて形成されている。すなわち、高壁部61は、底板部60と略垂直に交わる部分となっている。
低壁部62は、直立した略長方形平板状の部分であり、底板部60の後端側を上方に折り曲げて形成されている。すなわち、低壁部62もまた、底板部60と略垂直に交わる部分となっている。
ここで、高壁部61と低壁部62は、前後方向(底板部60の幅方向)で離間対向しており、高壁部61の上端が低壁部62の上端よりも高位置となっている。このことから、上側平板部63もまた、下側平板部64よりも高位置に配されている。
そして、底板部60には、図9で示されるように、ねじ挿通孔67と、ボルト挿通孔68とが設けられており、いずれも底板部60を貫通する貫通孔となっている。
ねじ挿通孔67は、平面視した開口面の形状が略虫眼鏡状となる貫通孔であり、平面視した開口面の形状が略円形となる頭部挿通部67aと、開口面が横長に延びた軸部挿通部67bが連続して形成されている。
なお、底板部60には、2つのねじ挿通孔67が設けられており、底板部60の長手方向(図9の左右方向)で所定の間隔を空けて並列している。
軸部挿通部67bの開口面は、長手方向の一端側が頭部挿通部67aの開口面と連続し、他端側の部分が半円状となっている。言い換えると、平面視した軸部挿通部67bの開口面の形状は、片側端が半円形となる略横長長方形状となっている。
ここで、軸部挿通部67bの開口面は、頭部挿通部67aの開口面の縁端の一部と連続しており、その幅は、頭部挿通部67aの開口面の直径よりも短くなっている。すなわち、軸部挿通部67bは、頭部挿通部67aの縁端から外側に向かって細長く延びた部分となっている。
ボルト挿通孔68は、底板部60の長手方向(図9の左右方向)における中心近傍に形成され、平面視した開口面の形状が略四角形状となった孔である。より詳細には、この平面視した開口面の形状は、底板部60の長手方向に沿って延びる略横長長方形状となっている。
ここで、ボルト挿通孔68の開口の幅は、底板部60の幅と略同一の長さとなっている。つまり、ボルト挿通孔68は、底板部60の前端から後端(図9の下端から上端)に至る幅方向の全域に亘って広がる孔となっている。
なお、このボルト挿通孔68は、2つのねじ挿通孔67の間に位置している。すなわち、底板部60では、ボルト挿通孔68と2つのねじ挿通孔67が所定の間隔を空けて並列しており、底板部60の長手方向における片側端部側から他方端部側に向かって、1つ目のねじ挿通孔67、ボルト挿通孔68、2つ目のねじ挿通孔67の順に並列している。
言い換えると、底板部60の長手方向の中心近傍に形成されるボルト挿通孔68より、片側端部側に離れた位置に一方のねじ挿通孔67が形成され、他方端部側に離れた位置に他方のねじ挿通孔67が形成されている。
補助部材6は、図10、図11で示されるように、略長方形平板状の本体板部73と、この本体板部73の前端部分と連続する2つの前方掛止片74と、前方立板部75を備えている。
本体板部73は、図10で示されるように、平面視した形状が略横長長方形状であり、左右方向に細長く延びた形状となっている。そして、本体板部73の長手方向の中心近傍には、取付用孔80が形成されている。この取付用孔80は、本体板部73を厚さ方向に貫通する孔であり、本体板部73の上面から下面に至るまで延びる貫通孔となっている。
前方掛止片74は、本体板部73の前端から前方上側に向かって延びる基端側部分74aと、基端側部分74aの上端から前方に向かって延びる長板部分74bを備えている。
基端側部分74aは、本体板部73の前端側の部分を上側に折り曲げて形成される部分であり、本体板部73から斜め上方に突出し、突出端が本体板部73の前方上側に位置する状態となっている。すなわち、基端側部分74aは、本体板部73に対して傾斜した状態となっている。
長板部分74bは、前後方向に長く延びた略長方形平板状の部分であり、本体板部73の前方上側に位置している。すなわち、長板部分74bは、本体板部73よりも高位置に形成される部分であり、その下面の高さが本体板部73の上面の高さと略同一となっている。
前方立板部75は、側面視した形状が略「L」字状となる部分であり、本体板部73の前端から前方に突出する基端板部75aと、基端板部75aの前端から略垂直上方に突出する立上板部75bを備えている。
基端板部75aは、略長方形平板状の部分であり、その上面は、本体板部73の上面と同一平面となっている
立上板部75bは、直立した略長方形平板状の部分である。この立上板部75bは、基端板部75aの前端側の部分を上方に折り曲げて形成される部分であり、基端板部75aと略垂直に交わった状態となっている。
ここで、図11で示されるように、本体板部73の前端のうち、本体板部73の長手方向における片側端部側に前方掛止片74が形成されており、他方端部側にもう1つの前方掛止片74が形成されている。すなわち、2つの前方掛止片74が本体板部73の長手方向で所定の間隔を空けて並列した状態となっている。
そして、本体板部73の前端のうち、本体板部73の長手方向における中心近傍に、前方立板部75が形成されている。すなわち、前方立板部75は、2つの前方掛止片74の間に位置しており、前方立板部75とそれぞれの前方掛止片74との間には、間隔が形成されている。
また、前方立板部75の前端部分は、2つの前方掛止片74の前端部分よりも後方に位置している。すなわち、2つの前方掛止片74は、前方立板部75よりも前方に突出している。
続いて、太陽電池モジュール1の設置構造を構築する構築方法につき、詳細に説明する。
まず、図12で示されるように、太陽電池モジュール1の固定に先立って、架台2を設置する工程を実施する。本実施形態では、地面(設置面)に設置した土台部85に対して架台2を固定する。
なお、架台2は、前後方向に所定の間隔を空けて並列するように固定されている。このとき、架台2間の距離は、太陽電池モジュール1の長さ(設置時における傾斜方向の長さ)と設置角度から、設置時における太陽電池モジュール1の前後方向の長さを算出し、算出した値を基準に決定される。より詳細には、太陽電池モジュール1の前後方向の長さをX1とし、架台2に固定する他部材の幅と施工に必要な幅をX2とすると、架台2間の距離は、X1+X2となる。
このとき、土台部85に固定された各架台2は、同じ高さに固定されている。言い換えると、各架台2の上面の高さは同一となっている。
土台部85は、コンクリートブロック等の基礎構造体86と支柱87を備えており、支柱87が基礎構造体86から上方に突出した状態となっている。すなわち、土台部85では、支柱87が直立した姿勢を維持することとなり、上下方向(鉛直方向)に沿ってのびている。
そして、架台2の支柱取付孔18にボルト等の締結部材を挿通し、架台2を土台部85の上方に固定した状態としておく。このとき、架台2は、支柱87に直接固定してもよく、他部材を間に介して間接的に固定してもよい。
ここで、架台2のうち、後方側に位置する架台2には、予め本体部40を固定しておく。すなわち、架台2のうち、太陽電池モジュール1の高位置となる端部を支持する架台2には、本体部40を固定した状態としておく。
具体的には、図13で示されるように、上板部本体12aの上面のうち、前端側に位置する部分に本体部40の第1平板部45を載置する。
このとき、第4平板部51の下方であって第4立板部52の前方側に、上板部本体12aと立板部11が交わる角部分が位置した状態となっている、すなわち、本体部40の後端側に位置する段状の部分、言い換えると、第4平板部51と第4立板部52によって形成される段状の部分を、架台2の上側後端に形成される角部分に掛止させた状態とする。
また、本体部40の固定用孔56と、架台2の第2部材取付孔20にボルト90を固定し、これらを一体に固定する。
このとき、本体部40の3つの固定用孔56のうち、左右方向(第3平板部49の長手方向)の中心に位置する固定用孔56にボルト90を挿通する。そして、他の2つの固定用孔56にはねじ91を挿通しておく。
なお、ねじ91を挿通させる際、固定用孔56の上端側開口の上側に、頭部と軸部の一部を維持させた状態とする。つまり、頭部の下面が第3平板部49の上面から上方に離れた位置となるよう、ねじ91を挿通しておく。
架台2を設置する工程に続いて、架台2に支持部材4を固定する工程を実施する。
すなわち、図14で示されるように、支持部材4の長手方向における一端側を前方に位置する架台2の第1支持体固定溝14に嵌入し、他端側を後方に位置する他の架台2の第2支持体固定溝15に嵌入する。
より詳細に説明すると、支持部材4の一端側では、2つの垂下板部4bの下端側の部分をそれぞれ別の第1支持体固定溝14に嵌入する。言い換えると、間隔を空けて並列する2つの垂下板部4bのそれぞれが第1支持体固定溝14と嵌合した状態となる。
同様に、支持部材4の他端側では、2つの垂下板部4bの下端側の部分をそれぞれ別の第2支持体固定溝15に嵌入する。言い換えると、間隔を空けて並列する2つの垂下板部4bのそれぞれが第2支持体固定溝15と嵌合した状態となる。
つまり、支持部材4は、前側に位置する架台2の上側後方に位置する部分と、後側に位置する架台2の上側前方に位置する部分によって支持された状態となる。
ここで、上記したように、第2支持体固定溝15の下側部15bの垂直方向(上下方向)の長さは、第1支持体固定溝14の下側部14bの垂直方向の長さよりも短くなっている(図3、図4等参照)。換言すると、第1支持体固定溝14の下端は、第2支持体固定溝15の下端よりも低位置となっている。このため、第1支持体固定溝14と嵌入された支持部材4の一端側は、第2支持体固定溝15と嵌入された他端側よりも低位置となる。すなわち、図15で示されるように、前方(図15における左側)に位置する支持部材4の一端側が、後方(図15における右側)に位置する他端側よりも低位置となり、支持部材4が傾斜した姿勢で支持された状態となる。そして、支持部材4の上面は、後方に向かって上り勾配となるように傾斜した状態となる。
架台2に支持部材4を固定する工程に続いて、太陽電池モジュール1を固定する工程を実施する。
図15、図16(a)で示されるように、前後方向で離間して配置される架台2のうち、前方に位置する架台2の後方側から太陽電池モジュール1を近接させる。そして、図16(b)で示されるように、架台2のモジュール固定溝13に太陽電池モジュール1のフレーム8を挿入する。
より詳細には、モジュール固定溝13の横長部分24からフレーム8の土台板部32の一部が挿入され、縦長部分23からフレーム8の立壁部30、土台板部32の一部、補強板部33が挿入される。そして、フレーム8の下端側の部分がモジュール固定溝13に嵌り込んだ状態となる。すなわち、フレーム8の下端側の一部は、下板部10、立板部11、上板部12で囲まれた空間に配された状態となる。
図16では片側のフレームのみを図示して他方の図示を省略したが、他方のフレーム8の下端部分(図2参照)もまた、別のモジュール固定溝13(図3、図4参照)に挿入された状態となる。つまり、2つのフレーム8のそれぞれの下端部分が、異なる2つのモジュール固定溝13に挿入された状態となる。
この状態では、フレーム8は、架台2に対して上下方向、左右方向、前方向への移動が規制された状態となる。すなわち、フレーム8をこれらの方向へ移動しようとすると、フレーム8が上板部12の下面や、モジュール固定溝13の開口縁に当接してその移動が妨げられる状態となる。言い換えると、フレーム8は、取り外し方向(後側に向かう方向)を除いた他方向への移動が制限された状態となる。
ここで、図17で示されるように、モジュール固定溝13の横長部分24の高さL(図17の上下方向の長さ)は、フレーム8の土台板部32の厚さよりも大きくなっている。
また、モジュール固定溝13の縦長部分23の幅L2(図17の左右方向の長さ)は、フレーム8のうちで、立壁部30と補強板部33が並列している部分の最大幅よりも大きくなっている。言い換えると、縦長部分23の幅L2は、フレーム8の下端側の部分のうち、土台板部32に対して立設された部分の最大幅、すなわち、立壁部30の外側面から下方立板部33bの外側面までの距離よりも大きくなっている。
より具体的には、モジュール固定溝13の縁部分と土台板部32の間であって、土台板部32の上方側と下方側のいずれか一方又は双方には、1mm以上3mm以下となる隙間が常時形成される構造となっている。そして、立壁部30の外側と下方立板部33b外側のいずれか一方又は双方にも、1mm以上3mm以下となる隙間が常時形成される構造となっている。言い換えると、土台板部32から上方に延びた部分では、幅方向(左右方向)における端部のいずれか一方又は双方の外側に、1mm以上3mm以下となる隙間が常時形成されることとなる。
このことから、フレーム8は、移動が制限された方向であっても数ミリ程度の移動が可能となっている。つまり、フレーム8は、各方向への移動が制限されてはいるものの、姿勢変更程度のわずかな移動は可能な状態となっている。
すなわち、本実施形態では、図18で示されるように、架台2の後方上側(図18で右方上側)からモジュール固定溝13にフレーム8の前端側を挿通し、太陽電池モジュール1の後端部分(図18で右端部分)を下方に移動させることが可能となっている。つまり、フレーム8の前端側であり、モジュール固定溝13に挿通した部分を支点として回動可能となっている。
以上のように、本実施形態では、モジュール固定溝13の溝幅をフレーム8各部の幅又は厚さよりもやや大きくしている。このことにより、フレーム8をモジュール固定溝13に対して挿通し易くすると共に、前端下部をモジュール固定溝13に挿通した後にフレーム8を回動可能としている。
本実施形態では、フレーム8の前端下方側をモジュール固定溝13に挿入した状態で太陽電池モジュール1を回動させ、図18(b)で示されるように、太陽電池モジュール1の後端部分を架台2及び本体部40の上に載置する。
このとき、太陽電池モジュール1は後方に向かって上り勾配となるように傾斜した状態となっている。そして、支持部材4がフレーム8の間であって太陽電池パネル7の下方側に位置した状態となっている(図1等参照)。
ここで、上記したように、支持部材4は、傾斜した姿勢で支持された状態となっている(図18等参照)。そして、支持部材4の上面が太陽電池パネル7の下面と接触した状態となっている。すなわち、支持部材4の上面の傾斜角度と、太陽電池パネル7(太陽電池モジュール1)の傾斜角度とが略同一の角度となっている。このことにより、太陽電池パネル7が支持部材4によって下方から支持されることとなる。
そして、太陽電池モジュール1の後端部分を架台2及び本体部40の上に載置された際には、図19で示されるように、太陽電池パネル7の後端部分が本体部40の保護部材55の上に載置され、フレーム8が架台2の上板部12の上面に載置された状態となる。
この状態において、図20で示されるように、本体部40の上方から押え部41を近接させ、押え部41の底板部60を第3平板部49の前端側に載置する。すなわち、底板部60の下面と、第3平板部49の上面の前端側部分を密着させた状態とする。
ここで、第3平板部49の前端側の部分には、上記したように、ボルト90とねじ91とが取り付けられている(図13参照)。そこで、押え部41を第3平板部49の上に載置するとき、図21で示されるように、ボルト90を押え部41のボルト挿通孔68に挿通し、ねじ91をねじ挿通孔67の頭部挿通部67aに挿通した状態として、底板部60の下面と第3平板部49の上面を密着させる。
そして、この状態から押え部41をスライド移動させることにより、ねじ91の軸部(図21では図示しない)が軸部挿通部67bに挿通された状態となる。つまり、ねじ91の軸部が押え部41に対して相対的に移動することとなり、ねじ91の軸部が頭部挿通部67aに挿通された状態から、軸部挿通部67bに挿通された状態へと移行する。このことにより、押え部41は、前後方向及び左右方向の一方への移動が規制された状態となる。つまり、押え部41が本体部40に対してがたつくことなく取り付けられた状態となる。
なお、付言すると、ボルト挿通孔68の開口面積は、ボルト90の頭部の平面視における投影面積よりも大きくなっている。そして、ねじ91が頭部挿通部67aに挿通されたとき、ボルト90の頭部は、ボルト挿通孔68の長手方向及び幅方向の中心近傍に位置することとなる。このことから、押え部41をスライド移動させたとき、ボルト90の頭部がこのスライド移動を妨げることがない。
そして、ねじ91の軸部が軸部挿通部67bに嵌り込んだ状態で、必要に応じてねじ91を締め付ける。すなわち、押え部41をより強固に固定したい場合に、ねじ91の締め付けを行う。このことにより、押え部41は、前後方向及び左右方向への移動が規制された状態となり、より強固に固定された状態となる。
以上のように、本実施形態の太陽電池モジュール1の設置構造を構築する構築方法には、架台2を設置する工程と、架台2に支持部材4を固定する工程と、太陽電池モジュール1を固定する工程とが含まれている。
そして、架台2に支持部材4を固定する工程では、ねじ止めを必要とせず、太陽電池モジュール1を固定する工程では、必要に応じてねじ91を締め付けるだけの簡単な作業で取り付けが可能となっている。つまり、太陽電池モジュール1の前端側を固定する際にねじ止めを必要とせず、太陽電池モジュール1の後端側を固定する際にも、ねじとねじ孔の位置を合わせたりする作業を必要とせずに太陽電池モジュール1を固定可能となっている。このことにより、太陽電池モジュール1の設置作業の簡易化を図ることができる。
より詳細に説明すると、本実施形態の太陽電池モジュール1の設置構造では、作業者が太陽電池モジュール1の後端側を把持し、太陽電池モジュール1の前端側を前方に離れた位置に設置された架台2のモジュール固定溝13に挿入することが可能となる。
ここで、上記したように、太陽電池モジュール1の前端側をモジュール固定溝13に挿入すると、太陽電池モジュール1の前端側は、架台2に対して上下方向、左右方向、前方向への移動が規制された状態となる。すなわち、ねじ止め作業等を実施することなく、太陽電池モジュール1の前端側を架台2に拘束した状態とすることができる。
このことから、本実施形態によると、太陽電池モジュール1を前端側を固定するとき、前方に位置する架台2の傍まで移動してねじ止め作業等を実施する必要がない。
ところで、本実施形態では、行列状に設置される太陽電池モジュール1のうちで、前側に位置するものから架台2の上に固定していくことを想定している。このため、太陽電池モジュール1を架台2の上に固定するとき、これから固定しようとする太陽電池モジュール1の設置予定位置の前方に、すでに固定した太陽電池モジュール1が位置している場合がある。つまり、本実施形態では、これから太陽電池モジュール1の設置予定位置のうち、前方に位置する領域の周辺に他部材が位置することとなる。言い換えると、太陽電池モジュール1の設置予定位置のうち、前方に位置する領域の周辺は、作業用の広い空間が確保し難くなる。
ここで、本実施形態では、上記したように、作業者が前方に位置する架台2の傍まで移動することなく、太陽電池モジュール1の前端側を架台2に固定することができる。このため、前端側を架台2の周辺、すなわち、太陽電池モジュール1の設置予定位置のうちで前方に位置する領域の周辺に広い空間が確保できない場合であっても、作業者が狭い空間で取り付け作業を行う必要がない。つまり、作業者が無理な姿勢で作業をしたりする必要がなく、誤って太陽電池パネル7に手をついてしまったり、太陽電池パネル7の上に工具等を落としてしまうことがない。このことから、太陽電池モジュール1の固定作業の簡易化を図ることができる。
また、太陽電池モジュール1の前端側を固定するとき、ねじ止め作業等をすることがなく、フレーム8の端部をモジュール固定溝13に挿入するという簡単な作業で、太陽電池モジュール1の前端側の固定が可能となる。このことからも、太陽電池モジュール1の固定作業の簡易化を促進できる。
なお、太陽電池モジュール1をさらに強固に取り付けるため、太陽電池モジュール1を固定する工程に続いて架台2に補助部材6を取り付ける工程を実施してもよい。
具体的に説明すると、フレーム8の後端側の部分が後方側の架台2に載置された状態(図18(b)参照)では、図22で示されるように、後方側の架台2のモジュール固定溝13の前方に、フレーム8の後端側の部分が位置した状態となる。言い換えると、架台2の上板部12の前方側であり、モジュール固定溝13の前方に位置する部分に、フレーム8の後端側の部分が載置された状態となる。この状態において、後方側の架台2に対してフレーム8の後方側から補助部材6を取り付ける。
すなわち、図23で示されるように、架台2の第2部材取付孔20と、補助部材6の取付用孔80を重ね合わせて連通孔を形成し、ボルト等の締結部材をこの連通孔に挿通することにより、架台2に補助部材6を一体に固定する。
このとき、補助部材6の前方立板部75と前方掛止片74の間に、フレーム8の立壁部30と補強板部33とが位置した状態となっている。つまり、前方立板部75と前方掛止片74の間には、フレーム8のうちで鉛直方向に延びた部分が位置した状態となっている。言い換えると、立壁部30の外側に隣接する位置に前方立板部75が位置しており、補強板部33の内側に隣接する位置に前方掛止片74が位置している。
さらに、フレーム8の土台板部32(図22等参照)の上側に前方掛止片74が位置しており、前方掛止片74によって土台板部32が架台2の上面に押し付けられた状態となっている。言い換えると、前方掛止片74の長板部分74bの下面と、架台2の上板部12の上面の間に土台板部32が位置し、これらによって土台板部32が挟まれた状態となっている。
このように補助部材6を固定すると、フレーム8、延いては、太陽電池モジュール1の上下方向及び左右方向への意図しない移動をより確実に阻止することができる。すなわち、太陽電池モジュール1が移動しようとしても、補助部材6や架台2にフレーム8が当接し、その移動を阻止する構造となっている。
ここで、補助部材6の後端部分は、モジュール固定溝13の前端よりも前方に位置している。すなわち、補助部材6とモジュール固定溝13の開口とが重ならない構造となっている。このことから、このモジュール固定溝13に対し、後方側に取り付ける太陽電池モジュール1のフレーム8を挿入しようとしたとき、補助部材6がフレーム8の挿入を妨げない。
このように太陽電池モジュール1を架台2に対して固定していくことにより、図24で示されるように、最も前方に位置する架台2と、この架台2の後方に位置する第2列目の架台2に対して太陽電池モジュール1が固定された状態となる。
本実施形態では、図25で示されるように、太陽電池モジュール1が固定された状態において、太陽電池モジュール1の前端側を支持する架台2の上面から、支持された太陽電池モジュール1の太陽電池パネル7の下面までの距離L3が0.1mm以上であり、フレーム8の高さL4(上下方向の長さ)より小さくなっている。すなわち、架台2の上面から太陽電池パネル7の下面のうちで最も低い部分までの鉛直方向における距離L3が0.1mm以上であり、フレーム8の高さL4以下となっている。このように、太陽電池パネル7は、架台2の上面から上側に距離L3だけ離れた位置に固定されている。
ここで、上記したように、太陽電池モジュール1のフレーム8は対向する2辺にのみ装着されており(図2等参照)、この2辺は、架台2の長手方向(左右方向)に直交する方向(前後方向)に延びる2辺となっている。このため、太陽電池モジュール1のうち、最下部となる前端側に位置する辺にはフレーム8が装着されていない状態となっている。
このことから、太陽電池パネル7の表面を流れる雨水等は、太陽電池パネル7の下端まで流れた後、太陽電池パネル7と架台2の間に形成された隙間から架台2の下方へ流れることとなる。言い換えると、太陽電池パネル7と架台2が上下方向で距離L3だけ離間配置されることで形成される隙間から、下方へ流れることとなる。そして、太陽電池パネル7と架台2の間の隙間(空間)に浸入した雨水等は、この隙間と連続する位置に形成された立板部11の後端面(壁面)を伝って下方へ流れ、地表に落下することとなる。
つまり、本実施形態では、太陽電池パネル7の下端部分にフレーム8を装着しない構造とし、太陽電池パネル7下端部分と架台2の間に隙間を形成することで、雨水等が太陽電池モジュール1や架台2の上に滞留し難い構造としている。
このことにより、経年使用により太陽電池パネル7の上に堆積されるゴミや埃が雨水と共に架台2の下方へと流れ、太陽電池パネル7の下端部分に滞留してしまうことがない。すなわち、雨水やゴミ、埃等が太陽電池パネル7の上に滞留することで発電力が低下するといった不具合や、ホットスポットが形成されてしまうといった不具合の発生を防止可能となっている。
以下同様に、第2列目の架台2と第3列目の架台2に対して太陽電池モジュール1を固定し、その後に、第3列目の架台2と第4列目の架台2(図示しない)に対して太陽電池モジュール1を固定するといった具合に、前方から順に太陽電池モジュール1を固定していく。
つまり、複数列の架台2のうちで第n列目に属する架台2と第n+1列目に属する架台2であり、前後方向で所定の間隔を空けて並列する2つの架台2が組となっている。そして、この組となる架台2のうち、前方側に位置する組から順に太陽電池モジュール1が固定されていく。
このことにより、図1で示されるように、複数の架台2の上に複数の太陽電池モジュール1が行列状に並列して配された状態となる。
上記した実施形態では、平面視における開口形状が略長方形状となる上側部13aと、背面視における開口形状が略「L」字状となる下側部13bが連続して形成されるモジュール固定溝13の例を示した。しかしながら、架台2に形成されるモジュール固定溝の形状はこれに限るものではない。
例えば、図26で示されるように、上側部95aの開口縁に平面視した形状が略三角形状となる爪部98(突起部)を形成したモジュール固定溝95(フレーム挿入部)であってもよい。
このモジュール固定溝95の上側部95aは、上板部112(天板部)の後端側を切り欠いて形成される部分であり、上板部112の後端から前方に向かって延びている。そのため、上側部95aの前端には、上板部112の上面と略垂直に交わる面が形成されることとなる。そして、このモジュール固定溝95では、この面の一部を後方に突出させることにより、爪部98を形成している。
爪部98は、上側部95aの開口縁の前端部分であり、上側部95aの幅方向(左右方向)における端部近傍に1つずつ形成されている。言い換えると、2つの爪部98が上側部95aの幅方向で所定の間隔を空けて並列した状態となっている。
そして、いずれの爪部98も上側部95aの前端面から後方に突出し、後向きに尖った形状となっている。
このようなモジュール固定溝95に対し、太陽電池モジュール1の一部であるフレーム8の前端下部を挿通し、太陽電池モジュール1を回動させると、フレーム8が爪部98によって引っかかれることとなる。
具体的に説明すると、フレーム8の前端下部をモジュール固定溝95に挿通し、太陽電池モジュール1を回動させると、爪部98の先端部分がフレーム8に当接した状態でフレーム8が移動することとなる。すなわち、2つの爪部98がそれぞれ立壁部30と補強板部33に当接した状態で、フレーム8が移動することとなる。
そして、爪部98がフレーム8に当接した状態で、爪部98がフレーム8に対して相対的に移動すると、フレーム8の表面が爪部98の先端部分で強く擦られることとなる。この爪部98によって強く擦られた部分は、メッキや塗装等が剥げ落ちて引っ掻き傷が形成されることとなる。そして、この爪部98の先端部分と、フレーム8の塗装等が剥げ落ちた部分(内部の金属体が外部に露出した部分)が接触した状態となる。このことにより、太陽電池パネル7を保持するフレーム8が架台102と導通された状態となり、架台102の上に固定した太陽電池モジュール1をアースすることが可能となる。
なお、上記では、上側部95aの幅方向における両端部それぞれの近傍に爪部98を1つずつ設けた例を示したが、爪部98はいずれか一方の端部付近にのみ形成してもよい。すなわち、1又は複数の爪部98を設けてもよい。フレーム8の金属体が露出した部分といずれかの爪部98が接触していればよい。
また、図27で示されるように、平面視における開口形状が略「L」字状となる上側部213aと、背面視における開口形状が略長方形状となる下側部213bが連続して形成されるモジュール固定溝213(フレーム挿入部)であってもよい。
上側部213aは、前後方向に延びる縦長部分220と、後端側に位置する横長部分221とが一体となって形成されている。そして、縦長部分220及び横長部分221の左右方向における片側端部(図27では左端部)は、左右方向における位置が同位置となっている。対して、左右方向における他方端部(図27では右端部)は、左右方向における位置が異なる位置となっている。すなわち、横長部分221の他方端部は、縦長部分220の他方端部よりも片側端部から遠い位置にある。このように、横長部分221は、縦長部分220よりも左右方向の長さが長くなっている。
そして、架台202の上方後端に形成される角部分では、上側部213aの後端部分と、下側部213bの上端部分とが連続した状態となっている。すなわち、上側部213aの横長部分221における左右方向の長さと、下側部213bの左右方向の長さ(幅方向の長さ)とは、同一の長さとなっている。
このような構成によると、モジュール固定溝213の後端側がより広く開口した状態となる。このため、太陽電池モジュール1の前端側をモジュール固定溝213に挿通する際に、作業が容易となる。すなわち、作業者が太陽電池モジュール1の後端側を把持しつつ、太陽電池モジュール1の前端側をモジュール固定溝213に挿通する際に、この挿通作業がやり易いという利点がある。
また、図28で示されるように、平面視における開口形状が略長方形状となる上側部313aと、背面視における開口形状が略長方形状となる下側部313bが連続して形成されるモジュール固定溝313(フレーム挿入部)であってもよい。
ここで、モジュール固定溝313をこのような形状とすると、架台302の製造作業を簡易化できる反面、単にフレーム8の端部を挿入しただけでは、フレーム8の上方側への移動を規制することができない。そこで、このようなモジュール固定溝313を形成した場合、モジュール固定溝313の近傍に補助部材306を固定し、フレーム8の上方側の移動を規制する構造としている。つまり、本発明のフレーム挿入部は、モジュール固定溝13だけで構成されていてもよく、モジュール固定溝313と補助部材306によって構成されてもよい。
このことにつき、以下で詳細に説明する。
補助部材306は、図29、図30で示されるように、略長方形平板状の中央板部373と、この中央板部373の前端部分と連続する第1前方掛止片374、第2前方掛止片375、前方遮蔽板376と、中央板部373の後端部分と連続する後方掛止片377、後方遮蔽板378を有する構造となっている。
中央板部373は、図30で示されるように、平面視した形状が横長長方形状であり、その長手方向の中心近傍に取付用孔380が形成されている。この取付用孔380は、中央板部373を厚さ方向に貫通する孔であり、中央板部373の上面から下面に至るまで延びる貫通孔となっている。
第1前方掛止片374と第2前方掛止片375は、図29、図30で示されるように、いずれも中央板部373の前端の一部と連続しており、一方が左右方向(長手方向)の片側端部側の部分と連続し、他方が他方端部側の部分と連続している。つまり、第1前方掛止片374と第2前方掛止片375は、中央板部373(補助部材306)の幅方向で所定の間隔を空けて並列した状態となっている。
第1前方掛止片374と第2前方掛止片375は、図29で示されるように、いずれも山なりに延びた部分となっている。すなわち、第1前方掛止片374と第2前方掛止片375のそれぞれは、中央板部373と連続する基端側部分374a,375aと、基端側部分374a,375aの上端を前方に折り曲げて形成される長板部分374b,375bと、長板部分374b,375bの前端を下方に折り曲げて形成される先端部分374c,375cを備えている。言い換えると、第1前方掛止片374と第2前方掛止片375は、いずれも側面視した形状が略「コ」字状となる部分であり、より詳細には、開放側が下方を向いた略「コ」字状の部分となっている。
基端側部分374a,375aは、中央板部373の前端側の部分を上方に折り曲げて形成される部分であり、直立した略長方形平板状の部分となっている。詳細には、この基端側部分374a,375aは、中央板部373に対して略垂直となるように立設されている。
長板部分374b,375bは、第1前方掛止片374又は第2前方掛止片375で最も高位置となる部分であり、その平面視した形状は、前後方向に長く延びた略長方形状となっている。この長板部分374b,375bは、長手方向の両端部のうちの一方で基端側部分374a,375aと、他方で先端部分374c,375cとそれぞれ連続しており、これらとは略垂直に交わった状態となっている。
ここで、第1前方掛止片374と第2前方掛止片375は、幅方向(図29の左右方向)の長さが異なっており、一方の第1前方掛止片374の幅が他方の第2前方掛止片375の幅よりも広くなっている。そして、幅広である第1前方掛止片374の先端部分374cと、幅瀬間である第2前方掛止片375の先端部分375cとが異なる形状となっている。
第1前方掛止片374の先端部分374cは、正面視した全体形状が略五角形状であって、正面視した下端側部分の形状が下向きの三角形状となっている。より詳細には、下端の幅方向の中心部分を頂点とした下向きの三角形状となっており、下端側に向かうにつれて幅方向の長さが短くなっている。すなわち、先端部分374cの下端側の部分が略三角板状となっており、先端部分374cの下端が下向きに尖った形状となっている。
第2前方掛止片375の先端部分375cは、正面視した形状が略縦長長方形状となっており、上下方向に延びている。すなわち、この先端部分375cは、直立した姿勢の略長方形平板状の部分となっている。したがって、この先端部分375cの下面は、平らかな面となっている。
前方遮蔽板376は、直立した略長方形平板状の部分である。この前方遮蔽板376は、中央板部373の前側に位置する部分を上方に折り曲げて形成された部分であり、中央板部373と連続した状態となっている。より詳細には、中央板部373の前端であり、左右方向(長手方向)における中心側の部分と連続している。
このように、前方遮蔽板376は、中央板部373に対して略垂直となるように立設された部分であり、第1前方掛止片374と第2前方掛止片375の間に位置している。
後方掛止片377は、図29、図30で示されるように、第1前方掛止片374の後端側に位置しており、後方側に延びている(図30では上端側に位置して上方側に延びている)。すなわち、後方掛止片377は、中央板部373の後端であり、且つ、左右方向の片側端部側の部分と連続している。
このことから、図30で示されるように、第1前方掛止片374と後方掛止片377が間に中央板部373の一部を介して前後方向(図30では上下方向)で連続しており、これらは平面視したときに前後方向に沿って直線状に延びた状態となっている。
この後方掛止片377は、側面視した形状が略「L」字状となる部分である。すなわち、後方掛止片377は、図31で示されるように、中央板部373と連続する基端側部分377aと、基端側部分377aの後端(図31では前端)を下方に折り曲げて形成される先端側部分377bを備えている。
基端側部分377aは、前後方向に長く延びた略長方形平板状の部分であり、その天面が中央板部373の天面と段差なく連続した状態となっている。つまり、基端側部分377aの天面と中央板部373の天面とが同一平面となっている。
先端側部分377bは、直立した略長方形平板状の部分であり、その下面は、平らかな面となっている。
後方遮蔽板378は、直立した略長方形平板状の部分であり、中央板部373の後端(図31では前端)であり、且つ、左右方向(長手方向)の中心側の部分を上方に折り曲げて形成されている。すなわち、後方遮蔽板378は、中央板部373の後端のうち、左右方向の中心部分と連続した状態となっている。この後方遮蔽板378は、中央板部373に対して略垂直となるように立設された部分であり、後方掛止片377の側方に位置している。
ここで、図30、図31で示されるように、前方遮蔽板376と後方遮蔽板378は、いずれも中央板部373の左右方向(長手方向)の中心側に形成されており、前後方向で離間対向した状態となっている。そして、前方遮蔽板376は、後方遮蔽板378よりも鉛直方向に長く延びており、前方遮蔽板376の上端は、後方遮蔽板378の上端よりも高位置に配されている。つまり、前方遮蔽板376は、後方遮蔽板378よりも高い立壁状の部分となっている。
続いて、この補助部材306の架台302への取り付けについて詳細に説明する。
まず、上記した架台2を設置する工程において、最も前端側に位置する架台302に予め補助部材306を取り付けておく。
すなわち、図32で示されるように、モジュール固定溝313の前端よりも前方に形成した第2部材取付孔20と、補助部材306の取付用孔380を重ね合わせ、これらにボルト等の締結要素を挿通して一体に固定する。
このとき、図33で示されるように、中央板部373の後端部分は、上側部313aの前端よりも前方に位置している。そして、後方掛止片377とモジュール固定溝313の開口が重なった状態となっている。
より詳細に説明すると、後方掛止片377の基端側部分377aが上側部313aの上方に位置しており、基端側部分377aと、上側部313aの開口面の一部とが上下方向で重なった状態となっている。
より詳細には、図34(a)で示されるように、上側部313aの開口面のうちで左右方向における片側端部よりの部分であり、且つ、前端側に位置する部分と、基端側部分377aとが重なった状態となっている。
このように、上側部313aの開口面は、一部が基端側部分377aによって覆われた状態となっており、基端側部分377aによって覆われていない部分の平面視における形状が略「L」字状となっている。
後方掛止片377の先端側部分377bは、図33で示されるように、基端側部分377aの後端から下方に向かって突出している。このことから、先端側部分377bの先端部分が上側部313aの開口面から架台2の内側に入り込んだ状態となっている。つまり、先端側部分377bは、上側部313aの開口面と交わる直立板体であり、その一部が下板部10、立板部311(立壁部)、上板部312(天板部)で囲まれた空間に入り込んだ状態となっている。
このことから、先端側部分377bは、立板部311に形成された下側部313bの開口面よりも前方側に位置した状態となる。言い換えると、先端側部分377bと、下側部313bの開口面とが前後方向で重なった状態となっている。
すなわち、図34(b)で示されるように、先端側部分377bの下端部は、下側部313bの下端部よりも上方に位置した状態となっている。そして、下側部313bの開口面のうちで左右方向における片側端部よりの部分であり、且つ、上端側に位置する部分と、先端側部分377bとが重なった状態となっている。
このように、下側部313bの開口面は、一部が先端側部分377bと前後方向において重なった状態となっており、先端側部分377bと重なっていない部分の背面視における形状が略「L」字状となっている。
このように、補助部材306が取り付けられた状態において、フレーム8の前端側をモジュール固定溝313に挿通するとフレーム8は、架台302に対して上下方向、左右方向、前方向への移動が規制された状態となる。
すなわち、フレーム8をこれらの方向へ移動しようとすると、フレーム8が後方掛止片377や、モジュール固定溝313の縁部分に当接してその移動が妨げられる状態となる。言い換えると、フレーム8は、取り外し方向(後側に向かう方向)を除いた他方向への移動が制限された状態となる。
このことから、上記した場合と同様に、フレーム8の前端側をモジュール固定溝313に挿通し、この挿通した部分を支点として太陽電池モジュール1を回動させることが可能となる。
続いて、フレーム8の後端側を支持する架台302に補助部材306を取り付ける工程、すなわち、上記した補助部材6に替わって、本実施形態の補助部材306を取り付ける工程について説明する。
図35、図36で示されるように、架台302のモジュール固定溝313の前方にフレーム8の後端側を載置させた状態で、補助部材306を取り付ける。すなわち、上記した場合と同じく、第2部材取付孔20と、補助部材306の取付用孔380(図32等参照)とを重ね合わせ、これらにボルト等の締結要素を挿通して一体に固定する。
このとき、補助部材306の第1前方掛止片374と第2前方掛止片375の間に、フレーム8の立壁部30と補強板部33とが位置した状態となっている。つまり、第1前方掛止片374と第2前方掛止片375の間には、フレーム8のうちで鉛直方向に延びた部分が位置した状態となっている。
そして、立壁部30、補強板部33、土台板部32で囲まれた空間の後端開口350(図35参照)が、前方遮蔽板376によって閉塞された状態となっている(図36参照)。すなわち、フレーム8の下端側後方に前方遮蔽板376が隣接しており、フレーム8の後端面の一部と前方遮蔽板376の前面の一部とが接触した状態となっている。このことにより、フレーム8の後端に形成される後端開口350の開口面を前方遮蔽板376が塞いだ状態となっている。
さらに、図37で示されるように、第1前方掛止片374が土台板部32の上方に位置しており、その先端部分374cの下端が土台板部32に接触した状態となっている。
ここで、先端部分374cの下端は、上記したように、下向きに尖った形状となっている。すなわち、先端部分374cの尖った部分が土台板部32に接触した状態となっている。
このように補助部材306を固定すると、フレーム8、延いては、太陽電池モジュール1の上下方向及び左右方向への意図しない移動をより確実に阻止することができる。
すなわち、フレーム8の鉛直方向に延びた部分を第1前方掛止片374と第2前方掛止片375の間に位置させることで、左右方向への意図しない移動を阻止可能となる。そして、フレーム8の土台板部32の上方に第1前方掛止片374を位置させ、土台板部32を第1前方掛止片374と架台302の上面の間に位置させることで、上下方向への意図しない移動を阻止可能となる。
また、後端開口350を前方遮蔽板376で閉塞することにより、立壁部30、補強板部33、土台板部32で囲まれた空間への雨水等の浸入を防止することができる。
そして、先端部分374cの下端を下向きに尖った形状とし、先端部分374cを土台板部32の上面に接触させる構造とすることで、架台302の上に固定した太陽電池モジュール1をアースすることが可能となる。
具体的に説明すると、補助部材306の位置合わせ等をする際に、先端部分374cが土台板部32に上方から接触した状態で、補助部材306を前後方向又は左右方向に移動させることがある。このとき、土台板部32の表面は、先端部分374cの下端によって強く擦られることとなる。
土台板部32の強く擦られた部分は、メッキや塗装等が剥げ落ちて引っ掻き傷が形成されることとなる。そして、先端部分374cの下端は、このメッキや塗装等が剥げ落ちた部分と接触した状態となる。このことにより、太陽電池パネル7を保持するフレーム8が補助部材306を介して架台302と導通された状態となり、太陽電池モジュール1をアースすることが可能となる。
上記した実施形態では、架台2を土台部85の上側に固定する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。架台2(架台202,架台302)は、折板屋根や陸屋根といった建屋の屋根上に取り付けてもよい。つまり、本発明の架台は、直接又は取り付け用の部材等を介して間接的に、屋根上に取り付けてもよい。
上記した各実施形態では、モジュール固定溝95の開口縁に尖った部分を形成して爪部98とした例と、補助部材306の第1前方掛止片374の先端部分374cを尖らせて爪部98のように機能させた例を示した。しかしながら、本発明はこれに限るものではない。
架台のうちでモジュール固定溝を形成していない部分に、モジュール固定溝側に向かって尖った部分を形成し、爪部として機能させてもよい。また、尖った部分を形成した別部材を架台に一体に固定してもよい。さらには、補助部材306のうち、後方掛止片377における先端側部分377bの下端を尖らせ、爪部として機能させてもよい。すなわち、この先端側部分377bの下端が、下方に位置するフレーム8の土台板部32と常時接触する構成としてもよい。
上記した実施形態では、後端固定部材5の本体部40において、第1平板部45の下端部を上方側へ折り曲げて第1立板部46を形成し、第2平板部47を支持する脚部を形成した。そして、本体部40を取り付けるとき、第1平板部45の下面が架台2の上面と接触する構造とした。しかしながら、本発明はこれに限るものではない。
例えば、第1立板部46を形成せず、第2平板部47の下端面を架台2の上面に直接接触させる構成であってもよい。
上記した実施形態では、長尺状の架台2にモジュール固定溝13を直接形成した例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、図38で示されるように、長尺状に延びる架台本体402aに対し、モジュール固定溝13を形成した小型屈曲板部402bを一体に固定して形成される架台402であってもよい。つまり、本発明の架台は、1つの板状部材から形成されてもよく、複数の部材を一体に固定して形成されていてもよい。
上記した実施形態のフレーム8は、下側部分の断面形状が略「L」字状で延びる形状としたが本発明はこれに限るものではない。例えば、下端に位置する平板状の部分(土台板部32)や、この平板状の部分から上方に延びる部分(立壁部30、補強板部33)に突起を形成してもよい。すなわち、フレームをフレーム挿入部に挿入したとき、形成した突起がモジュール固定溝に引っ掛ることにより、フレームの移動が規制されるものであってよい。
なお、この突起は、水平に張り出す突起でもよく、湾曲して延びる部分を有する突起でもよく、折曲して延びる部分を有する突起であってもよい。
上記した実施形態では、太陽電池モジュール1の前端側を架台2のモジュール固定溝13に挿入し、後端側を架台2の上面に載置している。このことにより、太陽電池モジュール1の前端側が後端側よりも低い位置に配置され、太陽電池モジュール1が傾斜した状態で固定されることとなる。
このような構造によると、モジュール固定溝13の上下方向の長さを変更することにより、太陽電池モジュール1の傾斜角度を変更することができる。つまり、モジュール固定溝の下端の位置をより低位置とすることにより、太陽電池モジュール1をより急角度に傾斜した状態で配置することができる。
上記した実施形態では、押え部41の上側平板部63と、本体部40の第2平板部47の間に形成される空間(図6参照)に、太陽電池モジュール1の後端側を配置する例を示した(図20参照)。すなわち、押え部41と本体部40で太陽電池パネル7の後端側を挟持し、太陽電池モジュール1の位置ずれ等を防止する構造について説明した。しかしながら、本発明はこれに限るものではない。
上側平板部63は、必ずしも太陽電池パネル7の上面と接触する必要はなく、太陽電池パネル7の上方に離れた位置に配されていてもよい。このような構成でも、太陽電池モジュール1の後端側の上方への移動を規制することが可能となる。
ここで、後端固定部材5には、上側平板部63と第2平板部47の間だけでなく、下側平板部64と第3平板部49の間にもまた、空間が形成されている。
そこで、後端固定部材5の後方側に太陽電池モジュール1を固定するとき、この太陽電池モジュール1の前端側を下側平板部64と第3平板部49の間に形成される空間に位置させてもよい。すなわち、太陽電池モジュール1の前端側をモジュール固定溝13に挿通するとき、太陽電池パネル7の前端部分を下側平板部64と第3平板部49の間に挿通してもよい。
上記した実施形態では、架台2のモジュール固定溝13に太陽電池モジュール1(フレーム8)の下端側の一部を挿入する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、太陽電池モジュール1の前端側を全てモジュール固定溝に挿通する構成であってもよい。すなわち、太陽電池モジュール1の前端側のうち、下方側に位置する部分だけでなく、上方側に位置する部分を含む全ての部分をモジュール固定溝に挿通してもよい。
上記した実施形態では、それぞれ切欠溝状の上側部13aと下側部13bが一体に連続して形成されるモジュール固定溝13の例を示したが、本発明のフレーム挿入部は、これに限るものではない。例えば、立板部11に貫通孔を設け、フレーム挿入部として機能させてもよい。すなわち、フレーム挿入部は、切欠溝であってもよく孔であってもよい。
上記した実施形態では、太陽電池パネル7の前端とフレーム8の前端の前後方向における位置が同一となる太陽電池モジュール1の例を示した。すなわち、太陽電池パネル7の前端面とフレーム8の前端面とが同一面上に位置する例を示したが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、太陽電池パネル7の前端とフレーム8の前端は、前後方向において異なる位置に配されていてもよく、図39で示されるように、太陽電池パネル7の前端がフレーム8の前端よりも後方に位置してもよい。この場合、太陽電池パネル7を支持する際の安定性向上という観点から、フレーム8の前端から太陽電池パネル7の前端までの距離L5は5mm以下であることが好ましい。すなわち、太陽電池パネル7の前端とフレーム8の前端が前後方向で大きく離れていない状態であることが好ましい。
1 太陽電池モジュール
2,102,202,302,402 架台
6,306 補助部材
7 太陽電池パネル
8 フレーム
11,311 立板部(立壁部)
12,112,312 上板部(天板部)
13,95,213,313 モジュール固定溝(フレーム挿入部)
98 爪部(突起部)

Claims (7)

  1. 架台の上に太陽電池モジュールを固定する太陽電池モジュールの設置構造であって、
    前記太陽電池モジュールは、太陽電池パネルと、当該太陽電池パネルの周縁部に装着可能なフレームとを有し、
    前記架台には、フレーム挿入部が形成され、当該フレーム挿入部は、前記フレームの少なくとも一部を挿入可能な挿通孔又は切欠溝を備え、
    前記フレームが前記フレーム挿入部に挿入され、前記フレームが前記フレーム挿入部と係合した状態では、前記太陽電池モジュールの一端側が係合解除方向に対して直交する方向であり、互いに直交する2方向への移動を規制されることを特徴とする太陽電池モジュールの設置構造。
  2. 前記架台は、天板部と、当該天板部の一端から下方に延びる立壁部とを有しており、
    前記天板部又は前記立壁部のいずれか一方に、又は、双方に跨って前記フレーム挿入部が形成されており、
    前記フレームが前記フレーム挿入部に挿入され、前記フレームが前記フレーム挿入部と係合した状態では、前記太陽電池モジュールの一端側が係合解除方向とは異なる方向への移動が規制され、且つ、前記太陽電池モジュールは前記一端側を支点に回動可能な状態となることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュールの設置構造。
  3. 前記フレームは、少なくとも一部が外部に露出する金属部分を有し、
    前記架台は、突起部を有するものであって、
    前記突起部は、前記挿通孔又は前記切欠溝の内側に向かって突出しており、前記フレームを前記挿通孔又は前記切欠溝に挿入したとき、前記突起部と前記金属部分が接触することを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池モジュールの設置構造。
  4. 前記フレームが前記フレーム挿入部と係合した状態では、前記太陽電池モジュールは前記一端側を支点に回動可能な状態となるものであり、
    前記金属部分は表面処理が施されており、膜によって覆われたものであって、
    前記フレームの前記挿通孔又は前記切欠溝への挿入に伴って前記フレームと前記突起部が接触し、前記太陽電池モジュールの回動に伴って前記フレームの表面が前記突起によって擦られ、前記膜が剥離して前記金属部分の一部が外部に露出することを特徴とする請求項3に記載の太陽電池モジュールの設置構造。
  5. 前記フレーム挿入部は、前記架台に形成された前記挿通孔又は前記切欠溝と、前記架台に取り付けられた補助部材によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の太陽電池モジュールの設置構造。
  6. 前記架台の上端部と前記太陽電池パネルの下端部が1mm以上の間隔を空けて離間していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の太陽電池モジュールの設置構造。
  7. 請求項1乃至6のいずれかに記載の太陽電池モジュールの設置構造において太陽電池モジュールを支持する架台であって、
    天板部と、当該天板部の一端から下方に延びる立壁部とを有しており、
    前記天板部又は前記立壁部のいずれか一方に、又は、双方に跨ってフレーム挿入部が形成されており、前記フレーム挿入部は、前記太陽電池モジュールのフレームの少なくとも一部を挿入可能な挿通孔又は切欠溝であることを特徴とする太陽電池モジュール設置架台。
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