JP2016052143A - アウターロータ型ブラシレスモータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のブラシレスモータは、シャフト4と、ロータ1Rと、ステータ1Sとを有するブラシレスモータ1であって、シャフト4が挿通されロータ1Rを回転自在に支持する円筒状の含油軸受5と、外周側面にステータ1Sが、内周側面に含油軸受5が固定される筒状の軸受保持部6と、シャフト4の一方側端面に対向して配置され、シャフト4を磁力で引き寄せる吸引用マグネット9と、シャフト4の一方側の端面と吸引用マグネット9との間に配設されるスラスト板10とを備え、軸受保持部6には、吸引用マグネット9が設置される磁性材のマグネットホルダ8が一体に成形され、マグネットホルダ8の吸引用マグネット9が設置される側は、吸引用マグネット9が設置される設置面8cmまたはその近接部を除いて軸受保持部6が形成される材料6jで覆われている。
【選択図】図2
Description
この構造では、シャフトが回転によって軸方向に抜けないように、シャフトの先端部をマグネットで軸方向に引き寄せる方法がとられる。
特許文献1に記載のマグネットホルダは、下記のように固定されている。
しかし、撥油剤により油漏れの問題は解決できたとしても、上述の工数の問題は解決できない。
加えて、マグネットホルダの材料が削減され、製造コストの低減を図れる。
また、吸引用マグネットが設置される設置面またはその近接部を除いて軸受保持部が形成される材料で覆われ、かつ、軸受保持部が形成される材料は、側板および底板の内部側に位置決め用壁面を有して形成される。そのため、吸引用マグネットの位置決め作業がなく吸引用マグネットの組み立てが容易で、吸引用マグネットの取り付け精度が高い。
第6の本発明によれば、吸引用マグネットが設置される設置面には撥油剤が塗布されているので、含油軸受の油の漏出が防止される。
図1(a)は、本発明の実施形態に係るブラシレスモータを用いるファンを示す正面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。
図2は、図1(a)のブラシレスモータを用いるファンをA−A断面で切った要部拡大図である。
ファンFは、外郭がファンケースFcで形成されており、空気流を引き起こす複数の羽根2が中央部に取り付けられている。
これら複数の羽根2を回転駆動するブラシレスモータ1は、アウターロータ型のモータである。
また、羽根体2bの中央部には、ブラシレスモータ1のアウターロータ型のロータ1Rが支持され回転するシャフト4が固定されている。シャフト4の羽根体2bとの結合部には、たとえばローレット加工が施されており、強固に結合される。
含油軸受5は、ブラシレスモータ1の軸受保持部6に圧入で固定されている。軸受保持部6には、ステータ1Sが固定されている。
ステータ1Sは、電磁鋼板、珪素鋼板等の磁性材(強磁性体)の鋼板が積層される固定子コア7aにインシュレータ7iを間に挟んで固定子コイル7cが巻回されて構成される。
図3(a)は、マグネットホルダが内装される軸受保持部材をもつ軸受保持部材アッセンブリを斜め上方から見た斜視図であり、図3(b)は軸受保持部材アッセンブリの縦断面図である。
軸受保持部材アッセンブリ6Aは、軸受保持部6と、軸受保持部6内に一体に成形されるマグネットホルダ8とを有している。
軸受保持部6は、略円板形状の円板部6aと略円筒形状の円筒部6bとを有して形成されている。軸受保持部6は、合成樹脂材料のエンジニアリングプラスチック等で形成されている。軸受保持部6は型成形できるものであれば、その機能が果たせれば材料は適宜選択できる。
マグネットホルダ8は、軸受保持部6と一体にインサート成形されている。
図4(a)はマグネットホルダの斜視図であり、図4(b)はマグネットホルダの正面図であり、図4(c)はマグネットホルダの上面図である。
マグネットホルダ8は、強度、コスト、加工性等の点から鋼板を用いて、浅い深さの略カップ形状にプレス加工で形成されている。
マグネットホルダ8に、磁性材(強磁性体)の鉄合金を用いることで、吸引用マグネット9が自身の磁力により設置される。
マグネットホルダ8内の吸引用マグネット9とシャフト4との間には、スラスト板10が設けられている。
スラスト板10(図2参照)は、シャフト4が吸引用マグネット9に直接接触しないようにするための部品である。スラスト板10は、厚さが薄い円板状に形成されている。
スラスト板10としては、機械的強度、耐磨耗性、成形性をもつ合成樹脂が用いられる。例えば、PEEK(polyether ether ketone)樹脂が好適である。
次に、本実施形態(本発明)の特徴的部分であるマグネットホルダ8を軸受保持部6と一体成型する軸受保持部材アッセンブリ6Aの形成について説明する。
図5〜図7は、軸受保持部材アッセンブリ6Aの形成過程を表わす断面図である。
下金型K2には、マグネットホルダ8の円筒部8aの底板8cの裏面を軸方向に支持する凸形状の凸部K2aが形成されている。この構成により、軸受保持部6のマグネットホルダ8の底板8cの裏側はマグネットホルダ8を下金型K2上に保持するための穴6a(図2)が形成される。
また、上金型K1には、マグネットホルダ8のフランジ部8bの外周部に当接して径方向の位置を規制するための位置決めピンpが複数本立設されている。位置決めピンpは約120度間隔で3本あるのが好ましい。また、位置決めピンpを4本以上として、マグネットホルダ8を径方向に位置決めすることとしてもよい。つまり、3本以上の位置決めピンpを形成する。なお、図5〜図7では、位置決めピンpを模式的に表わしている。
図5〜図7に示すように、上金型K1と下金型K2とには、軸受保持部6の形状が凹形状に形成されている。
そのため、ステータ保持部6sより内側に位置決めピンpがあるというのは、含油軸受5を納める部分に穴が開くことを意味する。そこで、位置決めピンpは上金型K1におけるステータ保持部6sを形成する箇所より外側に配置されている。
そして、図7に示すように、上金型K1と下金型K2との内部に、軸受保持部6を形成する合成樹脂材料の樹脂6jが流し込まれる。マグネットホルダ8のカップ状の円筒部8aの内径は、大径に形成されていることから、吸引用マグネット9の外周部に近接した位置まで樹脂6jが入り込み、上述の円筒状の位置決め壁6iが形成される。さらに、マグネットホルダ8の開口部に設けられるフランジ部8bも軸受保持部6の樹脂6jにて覆われる。
その後、充填される樹脂6jが冷却固化され、上金型K1と下金型K2とが図7の白抜き矢印のように外される。
上述したように、マグネットホルダ8のフランジ部8b外周に当接するように径方向の位置を規制するための位置決めピンpが上金型K1に形成される。結果として、軸受保持部6には位置決めピンp用の穴が残存する。
尚、軸受保持部6はファンケースFCと架橋部で連結しており一体に形成される。
次に、図1に示すファンFの組み立てについて説明する。
図5〜図7の工程を経て作製した軸受保持部材アッセンブリ6Aのマグネットホルダ8の露出面8cm(図3(b)参照)に、円板形状の吸引用マグネット9を載置する。
吸引用マグネット9は自身の磁力によりマグネットホルダ8に吸着される。この際、前記したように、マグネットホルダ8が一体成型される軸受保持部6には、成形時に吸引用マグネット9の外周側面に近接した位置に円筒状の位置決め壁6iが形成されている。そのため、吸引用マグネット9は、軸受保持部材アッセンブリ6Aの露出面8cmに載置するだけで、自身の磁力を用いて、円筒状の位置決め壁6iに沿って、位置決めされ固定される。
その後、軸受保持部材アッセンブリ6A内の軸受保持部6の中心孔6h1内に、含油軸受5を圧入する。
なお、含油軸受5の底部にはシャフトの抜け止め4tが入る。抜け止め4tはばね性を有した切れ目のあるリング(Eリング)であり、シャフト4を押し込むことによってシャフト4下端付近のくびれ(短径の箇所)に装着される。
また、軸受保持部6のステータ保持部6s(図3参照)に、インシュレータ7iを介して固定子コイル7cが巻回された固定子コア7aを圧入または接着で固定する。軸受保持部6bの途中には段差が設けられており、ステータアッセンブリ1Saの固定子コア7aが段差まで嵌入され軸方向が規定される。
なお、上述のファンFの組み立て法は一例を示したものであり、他の方法で組み立てても構わないのは勿論である。
1.マグネットホルダ8は軸受保持部6に一体にインサート成形されるため、マグネットホルダ8を組み付ける狭い部分での作業がなくなり工数が低減できる。これにより、マグネットホルダ8の設置作業性が向上する。
図9(a)は、変形例1のマグネットホルダを示す斜視図であり、図9(b)は、変形例1の図1(b)のA−A断面相当図である。
変形例1のファンF1は、マグネットホルダ18を円板形状としたものである。
これ以外の構成は、実施形態1と同様であるから、同様な構成要素には、実施形態1と同じ符号を付して示し、詳細な説明を省略する。
マグネットホルダ18は、軸受保持部6にインサート成形されるに際し、上金型K1または下金型K2に設けられる位置決めピンpがマグネットホルダ18の外周面18gに当接されて位置決めされる。
また、マグネットホルダ18が小型化されるので、マグネットホルダ18の材料量が削減され、材料費が低減される。
以上のことから、製造コストが削減される。
図10(a)は、変形例2のマグネットホルダを示す斜視図であり、図10(b)は、変形例2の図1(b)のA−A断面相当図である。
変形例2のファンF2は、マグネットホルダ28をフランジ部がないカップ形状としたものである。
変形例2のマグネットホルダ28は、フランジ部をなくし、有底円筒形状としたものである。
マグネットホルダ28は、軸受保持部6にインサート成形されるに際し、上金型K1または下金型K2に設けられる位置決めピンpがマグネットホルダ18の円筒部28aの外壁面28a1または内壁面28a2に当接されて位置決めされる。
また、マグネットホルダ28が小型化されるので、マグネットホルダ18の材料量が削減され、材料費が低減される。以上のことから、製造コストが削減される。
マグネットホルダ28は、変形例1に比較し、マグネットホルダ28自身の強度が向上するとともに、軸受保持部6を形成する樹脂6jのくいつきが強化され、強度が向上する。
1.前記実施形態、変形例2では、マグネットホルダ8、28が有底円筒形状の場合を例示したが、請求の範囲の構成を満たせば、マグネットホルダ8、28は有底の角形でもよいし、曲板と平板とを有する有底形状でもよいし、その形状は任意に選択できる。
1R ロータ
1S ステータ
4 シャフト
5 含油軸受
6 軸受保持部
6h1 中心孔(内周側面)
6i 位置決め壁(位置決め用壁面)
6j 樹脂(材料)
6s ステータ保持部(外周側面)
8、18、28 マグネットホルダ
8a 円筒部(側板)
8b フランジ部
8c 底板
8cm 露出面(設置面)
9 吸引用マグネット
10 スラスト板
Claims (6)
- シャフトと、
前記シャフトと一体に回転するロータと、
前記ロータを回転駆動させるステータとを有するブラシレスモータであって、
前記シャフトが挿通され前記ロータを回転自在に支持する円筒状の含油軸受と、
外周側面に前記ステータが固定され、内周側面に前記含油軸受が固定される筒状の軸受保持部と、
前記シャフトの一方側端面に対向して配置され、前記シャフトを磁力で引き寄せる吸引用マグネットと、
前記シャフトの前記一方側の端面と前記吸引用マグネットとの間に配設されるスラスト板とを備え
前記軸受保持部には、前記吸引用マグネットが設置される磁性材のマグネットホルダが一体に成形され、
前記マグネットホルダの前記吸引用マグネットが設置される側は、前記吸引用マグネットが設置される設置面またはその近接部を除いて前記軸受保持部が形成される材料で覆われている
ことを特徴とするブラシレスモータ。 - 請求項1に記載のブラシレスモータにおいて、
前記軸受保持部は、前記吸引用マグネットの側部に近接して形成され、前記吸引用マグネットの側部を案内して前記吸引用マグネットの位置決めをする位置決め用壁面を有する
ことを特徴とするブラシレスモータ。 - 請求項1または請求項2に記載のブラシレスモータにおいて、
前記マグネットホルダは、側板と前記側板の一方側に連続して形成される底板と前記側板の他方側の開口縁から外方に延在するフランジ部とを有し、
前記軸受保持部が形成される材料は、前記側板および前記底板の内部側に前記位置決め用壁面を有して形成される
ことを特徴とするブラシレスモータ。 - 請求項1または請求項2に記載のブラシレスモータにおいて、
前記マグネットホルダは、側板と前記側板の一方側に連続して形成される底板と前記側板の他方側に形成される開口とを有し、
前記軸受保持部が形成される材料は、前記側板および前記底板の内部側に前記位置決め用壁面を有して形成される
ことを特徴とするブラシレスモータ。 - 請求項1または請求項2に記載のブラシレスモータにおいて、
前記マグネットホルダは、平板状に形成され、
前記軸受保持部が形成される材料は、前記前記マグネットホルダの一方側の延在面に前記位置決め用壁面を有して形成される
ことを特徴とするブラシレスモータ。 - 請求項1から請求項5の何れか一項に記載のブラシレスモータにおいて、
前記吸引用マグネットが設置される設置面には撥油剤が塗布されている
ことを特徴とするブラシレスモータ。
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