JP2016050635A - 流体機器及び流体制御機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量でありながら十分な強度を確保できる流体機器及び流体制御装置を提供する。
【解決手段】流体機器10は、コア材料31が空隙33を設けて立体配置された立体構造部35と、立体構造部35内に形成された内部流路13と、を備え、外表面及び内部流路13の内表面には、立体構造部35の空隙を流体密に閉塞する閉塞部37が設けられている。流体制御装置は、流体機器10を複数接続して構成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、内部流路を備えた継手、バルブ、レギュレータその他の流体コンポーネントとして用いられる流体機器と、この流体機器を用いた流体制御装置と、に関する。
複数の開口間を内部流路により連通する流体機器としては、例えば特許文献1に記載された集積弁用下部ブロックが知られている。
このブロックはU字配管が筐体に支持された構造を有する。使用時には、上面に配置されたU字配管の開口に流体制御機器を接続し、他の流体機器や配管とともにベース部材上に集積配置される。このようなブロックでは、筐体の溝等に筐体とは別に作製したU字配管を支持させることで製造を容易にし、製作コストの低減や製作時間の短縮が図られている。
特開2006−22926号公報
しかしながら、従来の流体機器では、筐体はU字配管を支持するだけでなく、流体制御機器を固定して支持し、さらに筐体をベース部材や他の流体機器に固定することが必要であるため、十分な強度を有する筐体が要求される。
そのため、U字配管に比べて筐体を格段に厚肉に形成しなければならず、その結果、流体機器が重いという問題点があり、例えば多数の流体機器を用いて集積化した装置を構成する場合には、重量が嵩みやすかった。
そこで、本発明は、軽量でありながら、十分な強度を確保できる流体機器及び流体制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は次の特徴的手段を講じる。
[1] コア材料が空隙を設けて立体配置された立体構造部と、前記立体構造部内に形成された内部流路と、を備え、
外表面及び前記内部流路の内表面には、前記立体構造部の空隙を流体密に閉塞する閉塞部が設けられている、流体機器。
[2] 前記閉塞部が前記コア材料に一体に設けられている、前記[1]に記載の流体機器。
[3] 前記閉塞部は前記内部流路とその開口部とを形成する流路壁部を有し、前記流路壁部が前記内部流路を流動する流体の圧力に耐えうる、前記[1]又は[2]に記載の流体機器。
[4] 前記閉塞部が他の部材との接合部を有し、前記接合部が前記他の部材からの荷重を支持する、前記[1]乃至[3]の何れかに記載の流体機器。
[5] 前記閉塞部は前記立体構造部を被覆する外壁部を有し、前記流路壁部は前記外壁部より高強度に形成されている、前記[3]又は[4]に記載の流体機器。
[6] 前記流体機器は継手、マスフローコントローラ、レギュレータ又はバルブの何れかである、前記[1]乃至[5]の何れかに記載の流体機器。
[7] 前記[1]乃至[6]の何れかに記載の一以上の流体機器が接続されて構成された、流体制御装置。
本発明によれば、コア材料が空隙を設けて立体配置された立体構造部内に、内部流路が形成されているので、内部流路を備えた流体機器を十分な強度を確保しつつ軽量に構成できる。外表面及び内部流路の内表面に閉塞部が設けられることで、立体構造部の空隙が流体密に閉塞されているので、空隙を有する立体構造部を用いていても、内部流路を流動する流体が立体構造部の空隙に侵入したり空隙から雰囲気中へガスが放出されたりするようなことを確実に防止できる。そのため、軽量であっても十分な強度を確保できる流体機器及び流体制御装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る流体機器としての継手を示す斜視図である。 図1の継手の一部を断面で示した斜視図である。 (a)は図1の継手により複数の流体機器を接続した状態を示す拡大断面図であり、(b)は接合部付近の断面図である。 (a)は図3(a)のA部拡大図であり、(b)は図3(a)のB部拡大図である。 本発明の第1実施形態に係る流体機器を用いた集積化ガスシステムの一例を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る流体制御装置を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態の流体制御装置に組み込まれる流体機器としてのバルブを示す部分断面図である。
以下、本発明の実施形態について図を用いて詳細に説明する。
[第1実施形態]
本発明の実施形態に係る流体機器は、流路を形成するための部品であり、例えば継手、バルブ、レギュレータ、マスフローコントローラその他の流体コンポーネントである。第1実施形態では、バルブ本体、レギュレータ本体、マスフローコントローラ本体などの本体部をはじめ他の流体機器を接続するために使用される継手を例にとって説明する。
図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態に係る流体機器10は、例えば図1及び図2に示すような継手である。流体機器10としての継手は略直方体形状のブロック状に形成されており、上面側にバルブ本体(図示せず)が接合され、下面側に他の部材、例えば図3(a)や図5に示すベース部材21に固定されるように構成されている。なお、ベース部材21は図3(a)や図5に示すようなプレート状に限らず、レール状であってもよい。流体機器10の外表面には、バルブ本体と流体密に接続可能な接続用開口部11が複数設けられており、接続用開口部11間が内部流路13により連通している。複数の接続用開口部11は同じ面に形成されており、内部流路13が図示のように略V字状や略U字状に形成されている。外表面には、バルブ本体を固定するための被固定部15が設けられ、さらに他の部材として、例えば図3や図5に示すベース部材21に固定するための固定部17が設けられている。
図3及び図5に示すように、流体機器10は固定部17を利用してベース部材21に固定され、被固定部15を利用して接続用開口部11毎に異なるバルブ本体23が接続されることで、バルブ本体23が連結されたバルブ25が構成されている。
流体機器10は、コア材料31に空隙33が設けられて立体配置された立体構造部35を備えており、内部流路13が立体構造部35の内部に形成されている。立体構造部35の構造や材質等は、流体機器10の用途に応じて適宜選択される。図2は立体構造部35の断面を示すので、図3(a)に示すような断面形状となるが、図2では図示を省略している。
立体構造部35としては、例えばコア材料31が規則的に立体配置されたハニカム構造、ラチス構造その他の立体構造を有するものであってもよく、コア材料31に不規則に空隙33が設けられた多孔質構造を有するものなどであってもよい。さらには、繊維状又は片状のコア材料31が多数不規則に集合して互いに連結された構造を有するものであってもよい。このような立体構造部35は各種の樹脂や金属などを用いて形成されることができる。図3に示す形態では立体構造部35がハニカム構造を有している。
図3に示すように、立体構造部35の外表面と内部流路13の内表面とには、立体構造部35の空隙33を流体密に閉塞する閉塞部37が設けられている。閉塞部37はコア材料31に一体に接合されている。閉塞部37は、内部流路13及び接続用開口部11に形成される流路壁部37aと、他の部材との接合部分に形成される接合部37bと、立体構造部35の外表面に形成される平滑に被覆する外壁部37cと、を有している。
図3(a)及び図4(a)に示すように、流路壁部37aは流体との接触面を構成しており、立体構造部35に形成された孔を塞いで設けられており、立体構造部35の空隙33を流体密に閉塞している。流路壁部37aは、立体構造部35の上部に形成された凹部39の表面にも設けられており、立体構造部35の空隙33を流体密に閉塞することで、接続用開口部11が形成されている。接続用開口部11には、バルブ本体23を流体密に接続するシール材が配置されている。
流路壁部37aは、立体構造部35と同一の材料からなるものであっても、他の材料からなるものであってもよい。流路壁部37aは内部流路13内を流れる流体の圧力を支持することができるよう、硬化されて高密度に形成されており、好ましくは肉厚に形成されている。
接合部37bは、図3(b)に示す固定部17や、図2に示す被固定部15などに形成されている。接合部37bは、流路壁部37aと同一の材料からなるものであっても、他の材料からなるものであってもよい。立体構造部35の空隙33を閉塞して補強することで、他の部材からの荷重を支持する可能な強度とすることが望ましい。接合部37bは、接合する他の部材の大きさや接合方法等に適した強度とするのがよい。この接合部37bは、固定部17の圧縮方向の荷重に対する耐力を確保できる程度の強度としており、固定部15ではバルブ本体など他の部材をネジ等により螺合させたときの締結力が確保できる程度の強度としている。各接合部37bは、流路壁部37aと同一の材料又は他の材料により、流路壁部37aと同等の厚み又はそれ以上の厚みに形成され、硬化されて肉厚で高密度としている。
図3(a)及び図4(b)に示すように、外壁部37cは、立体構造部35の外表面を平滑に被覆するように形成されている。外壁部37cは、流路壁部37a又は接合部37bと同一の材料からなるものであっても、他の材料からなるものであってもよく、流体機器10の外表面に露出される部位に形成されて立体構造部35の空隙35を閉塞できればよい。外壁部37cは流路壁部37a及び接合部37bに比べて強度が要求されず、硬化する部分を薄くしてもよい。空隙35を外壁部37cにより閉塞することで、流体機器10が配置される雰囲気中に、各種ガスを放出し難くすることができる。
このような流体機器10は、種々の方法により製造することができる。例えば、内部流路13を形成するための孔を設けた立体構造部35を予め作製しておき、この立体構造部35の各部に閉塞部37を形成してもよい。また、3Dプリント技術により閉塞部37と立体構造部35とを同時に成形することで作製してもよい。各部の材料や厚みを異ならせる場合には、各部において供給する材料や熱量を適宜変更すればよい。
このような流体機器10を、他の流体機器とともに多数用いて流体制御装置を構成することができる。第1実施形態では、流体機器10がブロック継手の例であるため、例えば図5に示すように、各種の流体機器等の装置要素41をそれぞれ流体機器10の接続用開口部11に接続するとともに、各流体機器10をベース部材21に固定し、供給側から排出側まで連続した所定経路を構成すればよい。図5に示す流体制御装置50は、半導体製造装置において各種のガスを供給するために用いる集積化ガスシステムの例である。
以上のような流体機器10によれば、コア材料31に空隙33が設けられて立体配置された立体構造部35とし、この内部に内部流路13が形成されているので、内部流路13を備えた流体機器10を十分な強度を確保しつつ軽量に構成できる。特に、外表面及び内部流路13の内表面には閉塞部37が設けられて、立体構造部35の空隙33が流体密に閉塞されているため、空隙33を有する立体構造部35を用いていても、内部流路13を流動する流体や流体機器10の周囲の異物が、立体構造部35の空隙33に侵入したり、空隙33から周囲の雰囲気中へ放出されたりすることを確実に防止できる。
そのため、半導体の製造に使用される流体を流動させたり制御したりするための流体機器10や流体制御装置に使用しても、クリーンルーム内の雰囲気レベルを低下させるようなおそれがない。さらに、航空関係や宇宙関係などの閉鎖系での使用や、高度な真空雰囲気下における使用も可能である。
さらに、流体機器10を、小型軽量でありながら、各圧力に耐える十分な強度を確保することができ、流体機器10を用いて多数の流体制御機器や配管等の流体機器を接続して集積化すれば、流体制御装置の軽量化を図ることができる。
流体機器10では、閉塞部37により立体構造部35の外面も被覆されているので、外部から他の流体や微粒子等の異物が内部流路13に侵入するようなことも確実に防止することができ、精密な流体制御装置にも使用することができる。
[第2実施形態]
図6及び図7は本発明の第2実施形態に係る流体制御装置及び流体機器を示している。図6に示す流体制御装置50は、図7に示す流体機器10が他の流体機器とともに多数使用されて互いに接続されることで、半導体製造装置において各種のガスを供給する装置として構成されている。
図7の流体機器10はバルブであり、2つの内部流路13が立体構造部35に設けられたボディー部43と、ボディー部43の接合部としての中間ネジ部44に螺合して装着された開閉ハンドル45と、ボディー部43の中間ネジ部44内に配置されるダイヤフラム部47と、を備えている。
ボディー部43は、形状は異なるものの第1実施形態の継手と同様に構成されている。即ち、コア材料31に、空隙33が設けられて立体配置された立体構造部35と、立体構造部35内に形成された2つの内部流路13と、を備えている。そして立体構造部35の外表面及び2つの内部流路13の内表面には閉塞部37が設けられている。なお、ボディー部43の一部はスリーブ46になっており、スリーブ46の先端がガスケットなどのシール材と接合し、ナット48を締め付けることによりシール材を押し潰す構造となっている。
ボディー部43では、各内部流路13の一端側は中間ネジ部44において開口し、内部流路13間がダイヤフラム部47により開閉可能となっている。各内部流路13の他端側は、ボディー部43の左右両端に設けられた接合部としてのガスケット接続部49において開口している。ボディー部43でも、接合部としての中間ネジ部44及びガスケット接続部49が閉塞部37により構成されており、これらに開閉ハンドル45を螺合させたりシール材を押し潰したりする際、負荷される荷重を支持可能な強度に形成されている。
このような流体機器10であっても、第1実施形態の流体機器10及び流体制御装置50と同様の作用効果を得ることができる。そして流体機器10を用いて他の流体機器と接続することにより、図6に示すような流体制御装置50を形成できる。
なお、本発明の実施形態は本発明の範囲内において適宜変更可能である。
流体機器10の形状は任意である。第1実施形態では2個の接続用開口部11を同一の面側に設けてV字状の1本の内部流路13を設けたが、3個以上の接続用開口部11を設けて複数の内部流路13を設けたり、内部で分岐した内部流路13を設けたりしてもよい。複数の接続用開口部11を互いに異なる面側に設けてもよく、各接続用開口部11間を直線状又は曲線状の内部流路13で連通させることも可能である。1個の接続用開口11から内部流路13が設けられたものであってもよい。第1実施形態では、集積化し易いという理由で流体機器10を略直方体形状に設けたが、その形状についても何ら限定されるものではない。
第1実施形態では、流体機器10の複数の接続用開口部11に複数のバルブ本体23をそれぞれ接続したが、流体機器10の各接続用開口部11に接続する部材は何ら限定されるものではなく、各種の流体機器や配管部材等を接続することが可能である。各接続用開口部11の形状、位置、大きさなどは、流体機器10の用途や接続する部材等に応じて適宜設定可能である。
本発明の実施形態に係る流体機器で流す流体は特に制限はなく、気体であっても液体であってもよい。この実施形態の流体機器では、例えばアンモニア等の腐食性ガス、水素、窒素などの気体を流動させるものである。
なお、本明細書において、「コア材料が空隙を設けて立体配置された立体構造部」とは、コア材料で構成された壁部によって空隙が設けられるように立体配置された構造体からなる部分を意味しており、その代表的なものとしては、ハニカム構造で構成されているが、壁部により形成された各セルの形状は同一形状である必要はない。
10:流体機器
11:接続用開口部
13:内部流路
15:被固定部
17:固定部
21:ベース部材
23:バルブ本体
25:バルブ
31:コア材料
33:空隙
35:立体構造部
37:閉塞部
37a:流路壁部
37b:接合部
37c:外壁部
39:凹部
41:装置要素
50:流体制御装置

Claims (7)

  1. コア材料が空隙を設けて立体配置された立体構造部と、前記立体構造部内に形成された内部流路と、を備え、
    外表面及び前記内部流路の内表面には、前記立体構造部の空隙を流体密に閉塞する閉塞部が設けられている、流体機器。
  2. 前記閉塞部が前記コア材料に一体に設けられている、請求項1に記載の流体機器。
  3. 前記閉塞部は前記内部流路とその開口部とを形成する流路壁部を有し、前記流路壁部が前記内部流路を流動する流体の圧力に耐える、請求項1又は2に記載の流体機器。
  4. 前記閉塞部が他の部材との接合部を有し、前記接合部が前記他の部材からの荷重を支持する、請求項1乃至3の何れかに記載の流体機器。
  5. 前記閉塞部は前記立体構造部を被覆する外壁部を有し、前記流路壁部は前記外壁部より高強度に形成されている、請求項3又は4に記載の流体機器。
  6. 前記流体機器は継手、マスフローコントローラ、レギュレータ又はバルブの何れかである、請求項1乃至5の何れかに記載の流体機器。
  7. 請求項1乃至6の何れかに記載の一以上の流体機器が接続されて構成された、流体制御装置。
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