JP2016050563A - 燃料密度検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】燃料密度検出装置は、内燃機関に設けられた燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を検出する圧力センサのセンサ信号に基づいて、燃料圧力に生じる圧力脈動の脈動周波数または脈動周波数に対応する物理量を示す実特性として圧力脈動の波形を検出する(S404)。予め設定された基準脈動の基準周波数または基準周波数に対応する物理量を示す基準特性は記憶手段に記憶されており、燃料密度検出装置は記憶手段から基準特性として基準脈動の波形を取得する(S406)。燃料密度検出装置は、基準脈動の波形と圧力脈動の波形との位相差を算出し(S408)、燃料圧力または燃料温度と位相差との関係を示す直線を決定するデータを取得すると(S402:Yes)、直線の傾きを算出し(S410)、直線の傾きから燃料密度を検出する(S412)。
【選択図】図6
Description
特許文献1には、燃料噴射弁が燃料を噴射するときに発生する燃料圧力の圧力脈動の周期が燃料密度によって変化することが記載されている。したがって、圧力脈動の圧力の変化を圧力センサで検出し、圧力センサのセンサ信号に基づいて圧力脈動の周波数または周波数に関連する周期を含む物理量を実特性として検出すれば、密度センサを用いずに燃料密度を検出することができる。
脈動検出手段は、内燃機関に設けられた燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を検出する圧力センサのセンサ信号に基づいて、燃料圧力に生じる圧力脈動の脈動周波数または脈動周波数に対応する物理量を実特性として検出し、記憶手段は、予め設定された基準脈動の基準周波数または基準周波数に対応する物理量を基準特性として記憶している。
この構成によれば、圧力センサのセンサ信号にノイズが混入し脈動検出手段が検出する圧力脈動の実特性に誤差が生じても、基準脈動の基準特性と圧力脈動の実特性とのずれ量に基づいて燃料密度を検出するので、実特性の誤差が基準特性と実特性とのずれ量に与える影響は間接的になる。したがって、圧力脈動の実特性だけに基づいて燃料密度を検出する場合に比べ、燃料密度を検出する精度を向上できる。
[1.構成]
図1に示す燃料噴射システム10は、例えば、自動車用の4気筒のディーゼルエンジン(以下、単に「エンジン」ともいう。)に燃料を噴射するためのものである。燃料噴射システム10は、燃料供給ポンプ14と、コモンレール20と、燃料噴射弁30と、電子制御装置(Electronic Control Unit:ECU)40とを備えている。
ECU40は、CPU42、RAM44、ROM46、フラッシュメモリ48等を備えるマイクロコンピュータにて主に構成されている。ECU40は、ROM46またはフラッシュメモリ48に記憶されている制御プログラムをCPU42が実行することにより、圧力センサ32を含む各種センサから取り込んだセンサ信号に基づき、燃料噴射システム10の各種制御を実行する。
ECU40は、燃料噴射弁30に噴射を指令する噴射指令信号のパルス幅と噴射量との相関を示す噴射特性マップを、圧力センサ32が検出する所定の圧力範囲毎にROM46またはフラッシュメモリ48に記憶している。そして、ECU40は、エンジン回転数およびアクセル開度に基づいて燃料噴射弁30の噴射量が決定されると、圧力センサ32が検出した燃料圧力に応じて該当する圧力範囲の噴射特性マップを参照し、決定された噴射量を燃料噴射弁30に指令する噴射指令信号のパルス幅を噴射特性マップから取得する。
次に、燃料噴射弁30に供給される燃料に発生する圧力脈動について説明する。圧力脈動は、燃料噴射弁30からの燃料噴射による燃料圧力の急激な変化により発生する。
燃料噴射による実際の圧力脈動200に対し、図2の点線は基準脈動202を示している。基準脈動202は、基準となる所定の燃料密度の燃料に発生する圧力脈動である。
そこで、燃料圧力または燃料温度と位相差との関係を直線で近似し、使用燃料について直線の傾きを検出すれば、使用燃料の燃料密度を検出できる。直線の傾きは、燃料密度が高くなると小さくなり、燃料密度が低くなると大きくなる。
ECU40が実行する燃料密度検出処理を図6のフローチャートに基づいて説明する。燃料密度検出処理は、1燃焼サイクルに1回実行される。図6において「S」はステップを表わしている。
(1)単段噴射である。
(2)多段噴射の場合、1段目と2段目とのインターバル時間が十分に長い。この場合、1段目の噴射で燃料密度の検出処理を実行する。
(3)減速運転中に噴射量学習用に実行される単段噴射である。
(1)燃料供給ポンプ14の吐出量を制御して燃料圧力の最高圧を通常時よりも低下させる。
(2)エンジンの最大回転数を通常時よりも低下させる。
(1)燃料噴射弁30の噴射期間を通常時よりも長くする。
(2)噴射期間が長くなることに伴い多段噴射の段数を減らす。
[3.効果]
以上説明した上記実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)圧力脈動が発生してから所定時間経過し、基準脈動の波形と圧力脈動の波形との時間軸上のずれが大きくなっている状態で基準脈動と圧力脈動との位相差を検出するので、位相差を高精度に検出できる。これにより、位相差に基づいて燃料密度を高精度に検出できる。
(2)圧力脈動が発生してから所定時間経過後の所定期間において、複数のタイミングについて基準脈動の波形と圧力脈動の波形との位相差の平均を検出するので、圧力センサ32が検出する燃料圧力にノイズが混入しても、ノイズによる誤差を低減できる。これにより、位相差に基づいて燃料密度を高精度に検出できる。
(3)基準脈動の基準特性と圧力脈動の実特性とのずれ量である位相差に基づいて燃料密度を検出するので、機差による位相差のばらつきに影響されずに使用燃料の燃料密度を検出できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されることなく、以下の種々の形態を取り得る。
Claims (10)
- 内燃機関に設けられた燃料噴射弁に供給される燃料の圧力を検出する圧力センサ(32)のセンサ信号に基づいて、燃料圧力に生じる圧力脈動の脈動周波数または前記脈動周波数に対応する物理量を実特性として検出する脈動検出手段(S404)と、
予め設定された基準脈動の基準周波数または前記基準周波数に対応する物理量を基準特性として記憶している記憶手段(46、48)と、
前記記憶手段に記憶されている前記基準特性と前記脈動検出手段が検出する前記実特性とのずれ量に基づいて燃料密度を検出する密度検出手段(S412)と、
を備えることを特徴とする燃料密度検出装置(40)。 - 請求項1に記載の燃料密度検出装置であって、
前記ずれ量として、前記圧力脈動が発生してから所定時間経過後の前記基準脈動と前記圧力脈動との位相差を検出する位相差検出手段(S408)を備え、
前記密度検出手段は、前記位相差検出手段が検出する前記位相差に基づいて前記燃料密度を検出する、
ことを特徴とする燃料密度検出装置。 - 請求項2に記載の燃料密度検出装置であって、
前記位相差検出手段は、前記所定時間経過後の複数のタイミングについて前記基準脈動と前記圧力脈動との複数の位相差の平均値に基づいて前記位相差を検出する、
ことを特徴とする燃料密度検出装置。 - 請求項3に記載の燃料密度検出装置であって、
前記位相差検出手段は、最小二乗法により前記平均値を算出して前記位相差を検出する、
ことを特徴とする燃料密度検出装置。 - 請求項2から4のいずれか一項に記載の燃料密度検出装置であって、
前記記憶手段は、前記基準特性として前記基準脈動の減衰振動の方程式を記憶しており、
前記位相差検出手段は、前記記憶手段に記憶されている前記方程式が示す前記基準脈動の波形と、前記脈動検出手段が前記実特性として検出する前記圧力脈動の波形との前記位相差を検出する、
ことを特徴とする燃料密度検出装置。 - 請求項2から4のいずれか一項に記載の燃料密度検出装置であって、
前記記憶手段は、前記基準特性として前記基準脈動の波形を記憶しており、
前記位相差検出手段は、前記記憶手段に記憶されている前記基準脈動の波形と、前記脈動検出手段が前記実特性として検出する前記圧力脈動の波形との前記位相差を検出する、
ことを特徴とする燃料密度検出装置。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載の燃料密度検出装置であって、
前記記憶手段は、前記燃料圧力および燃料温度の少なくとも一方に対応する前記基準特性を記憶しており、
前記密度検出手段は、前記脈動検出手段が前記実特性を検出するときの前記燃料圧力および前記燃料温度に対応する前記記憶手段に記憶されている前記基準特性と前記実特性との前記ずれ量に基づいて前記燃料密度を検出する、
ことを特徴とする燃料密度検出装置。 - 請求項7に記載の燃料密度検出装置であって、
前記密度検出手段は、前記燃料圧力または前記燃料温度の変化に対応して変化する前記ずれ量の変化特性に基づいて前記燃料密度を検出する、
ことを特徴とする燃料密度検出装置。 - 請求項8に記載の燃料密度検出装置であって、
前記密度検出手段は、前記変化特性を直線で近似し、前記直線の傾きに基づいて前記燃料密度を検出する、
ことを特徴とする燃料密度検出装置。 - 請求項8に記載の燃料密度検出装置であって、
前記密度検出手段は、前記変化特性において前記燃料圧力または前記燃料温度の異なる2点における前記ずれ量の差に基づいて前記燃料密度を検出する、
ことを特徴とする燃料密度検出装置。
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