JPH11183353A - 液体粘度測定方法、液体粘度測定装置、エンジン燃料噴射制御方法及びエンジン燃料噴射制御装置 - Google Patents

液体粘度測定方法、液体粘度測定装置、エンジン燃料噴射制御方法及びエンジン燃料噴射制御装置

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JPH11183353A
JPH11183353A JP34877297A JP34877297A JPH11183353A JP H11183353 A JPH11183353 A JP H11183353A JP 34877297 A JP34877297 A JP 34877297A JP 34877297 A JP34877297 A JP 34877297A JP H11183353 A JPH11183353 A JP H11183353A
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viscosity
fuel
liquid
density
vibrator
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JP34877297A
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Masaki Moronuki
正樹 諸貫
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Riken Corp
Original Assignee
Riken Corp
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Publication date
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続的かつ高精度に燃料粘度を計測する方法
及び装置を提供し、これらの方法及び装置をエンジン燃
料噴射制御に適用する。 【解決手段】 被測定液体内に振動片(22)を浸漬し
て、振動片(22)に取り付けた振動子(20)に振動
電圧を印加して振動片(22)に機械的振動を与えると
共に、振動片(22)に取り付けた振動センサ(21)
から電気出力を取り出す。次に、振動子(20)に印加
した振動電圧の共振周波数(f0)から被測定液体の密度
(ρ)を検出し、振動センサ(21)の電気出力から被
測定液体の密度(ρ)と粘度(η)との積(ξ)を求
め、得られた被測定液体の密度(ρ)と粘度(η)との
積(ξ)と密度(ρ)とから被測定液体の粘度(η)を
求める。被測定液体内に振動片(22)を浸漬した状態
で振動子(20)に振動電圧を印加して振動子(20)
を共振周波数(f0)で振動させると、振動センサ(2
2)から被測定液体の粘度に対応する電気出力を取り出
すことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、連続的かつ高精
度で液体の粘度を測定できる方法及び装置並びにこれら
の方法及び装置を利用して適性量の燃料を適性なタイミ
ングでエンジンに供給できる方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料液体の温度、密度及び粘度によりエ
ンジンに供給される燃料液体の量が相違するため、燃料
液体を供給するエンジン、特にディーゼルエンジンを搭
載した自動車の走行性能が異なることは公知である。ま
た、エンジンの性能は季節及び使用地域によって変化す
る燃料の粘度の影響を受ける。即ち、燃料液体の粘度が
高いと、エンジンに供給される液体燃料の量が比較的減
少してエンジンの出力が低下し、逆に燃料液体の粘度が
低いと、エンジンに供給される液体燃料の量が比較的増
大してエンジンの出力が必要以上に増加する。しかしな
がら、従来のエンジンでは、燃料の温度、密度及び粘度
の変化に対応して燃料供給量及び噴射時期を制御できな
いため、燃料の温度、密度及び粘度の変化に対応する適
切な動力性能でエンジンを駆動することはできなかっ
た。
【0003】特に、ディーゼルエンジンの排出ガスの規
制強化に伴い、最近では燃料消費率を低下する要求が高
まり、より最適な燃焼制御を実現するため、従来の機械
式に代わって電子式の燃料噴射装置が開発されている。
電子式燃料噴射装置では、アクセル位置、エンジン回転
数、エンジン上死点位置(TDC)、吸入空気量(吸気
圧)、過給圧、燃料流量、吸入空気・冷却水・燃料の各
温度、コントロールスリーブ位置(燃料噴射量)、SO
I(噴射開始)及び車速が燃料噴射量の最適制御に必要
な入力パラメータである。エンジン回転数、スタータス
イッチの情報に加えて冷却水の温度情報を利用してコー
ルドスタート時の噴射量増量を補正してエンジンの始動
性を改善することができる。また、燃料温度の情報を用
いて液体燃料の密度変化を補正することができる。液体
燃料の噴射量は、コントロールスリーブの設定位置によ
り決定されるプランジャの圧送ストロークに依存する。
コントロールスリーブの設定位置は電子ガバナのガバナ
シャフトの回転角度により与えられ、ガバナシャフトの
回転角度はコントロールスリーブの位置センサにより検
出され、液体燃料の噴射量はフィードバック制御され
る。
【0004】図11は従来の電子式燃料噴射制御装置の
ブロック図を示す。エンジンの回転数を検出する回転数
センサ101及び燃料の温度を検出する温度センサ10
2が燃料噴射ポンプ100に取り付けられる。また、ア
クセルの開度を検出するアクセルセンサ103、エンジ
ンの吸入空気量を検出するエアフローセンサ104、エ
ンジンへの吸入空気の温度を検出する吸気温度センサ1
05、冷却水の温度を検出する水温センサ106、エン
ジンの回転数を検出する回転数センサ101及び燃料温
度を検出する温度センサ102からの情報は燃料制御回
路107に入力され、データ処理された後、最適な燃料
噴射量及び噴射時期が決定される。
【0005】図12に示す従来の燃料噴射量の決定手順
では、通常走行時にエンジン回転数を検出する回転数セ
ンサ101とアクセル踏み込み量を検出するアクセルセ
ンサ103との出力に基づいて基本的な燃料噴射量Q0
を算出する。また、水温センサ106の出力から冷却水
の温度が低い時、エンジン回転数を一定に保つように、
基本噴射量Q0に対して燃料噴射量を制御してアイドリ
ング補正による補正値Qiを加えてQ0+Qiを得る。冷却
水の温度が低い場合以外に、バッテリ電圧の降下時、エ
アコン運転時等の負荷変動が発生する場合にエンジンの
回転数を一定に保持する場合も同様である。
【0006】また、エアフローセンサ104及び吸気温
度センサ105の出力から吸入空気量を算出し、回転数
センサ101からのエンジン回転数の情報と併せて最大
噴射量Qmaxを算出する。最大噴射量Qmaxは、エンジン
の最大トルクを確保するため、エンジン回転数及び吸入
空気量から計算されかつ通常走行時のエンジン回転数に
対応する最大噴射可能量であるが、通常走行時に、スモ
ーク発生を防止し、エンジンの保全を行うため、最大噴
射量Qmaxはいかなる走行状態でも最大噴射量を越えな
い。
【0007】次に基本噴射量Q0にアイドリング補正量
iを加えたQ0+Qiと最大噴射量Qmaxを比較して、小
さい方を選択する。その後、温度センサ102の出力か
ら燃料密度を算出して燃料密度を補正する。即ち、燃料
温度が高く、燃料密度が低い時には噴射量を増量し、逆
に燃料温度が低く、燃料密度が高い時には噴射量を減量
する。
【0008】また、始動時にはスタータスイッチ、エン
ジン回転数及び冷却水温の情報から適正噴射量を決定
し、低温時には噴射量を増量する。
【0009】このように電子制御化された燃料噴射装置
では燃料温度センサ102により検知した燃料温度によ
り燃料の密度の変化に対して噴射量の変動を補正して
も、燃料の動粘度の変化によって噴射量が変動しても燃
料噴射量を補正できない。
【0010】また、図13に示す噴射時期の決定手順で
は、図12に示す決定手順により算出された目標噴射量
と回転数センサ101からのエンジン回転数によりエン
ジンクランク角度に対しての進角値を算出する。これに
より走行中に変動するエンジンの負荷に応じて燃料噴射
時期(タイミング)を最適な状態に制御する。エンジン
回転数と進角値との関係はロードタイマ特性と呼ばれ、
通常走行時とエンジン始動時では別々の特性が設定され
る。進角値を算出した後、燃料制御回路107は始動時
か否かを決定する。始動時でないとき、走行時と判断し
て、ロードタイマ特性により算出された進角値に対して
水温センサ106からの情報により補正を行い、更にエ
アフローセンサ104、吸気温度センサ105による補
正を行い、噴射時期を計算する。燃料の動粘度の変化に
よって噴射時期が変動しても補正は行わない。始動時も
同様にロードタイマ特性により算出された進角値に対し
て水温センサ106からの情報により補正を行い、更に
エアフローセンサ104、吸気音とセンサ105による
補正を行い、噴射時期を算出するが、補正値は通常走行
時とは異なる。
【0011】他面、燃料の比重、誘電率、粘度から燃料
性状を検出する方法が試みられている。特開昭61−5
6939号公報に開示された連続的に燃料粘度を測定す
る機械的なタービン式回転粘度測定装置を図14及び図
15に示す。このタービン式回転粘度測定装置は、ベア
リング201a、201bとにより支持され、かつ互い
に逆方向に回転する一対のタービン203と、タービン
203に固着された平坦な円板202と、2つのタービ
ン203の相対的回転速度を測定するための一対のセン
サ204から構成される。流体は入口205から測定室
206に入り、出口207より流出する。タービン20
3に取り付けられた2枚の円板202は隙間208を介
して平行に配置され、逆方向に回転する。隙間208に
流体が存在するとせん断力が作用する。せん断力τは流
体の粘度μと2つの円板間202の速度勾配(du/d
y)の積となる。従って、流体の粘度μが変化すると、
せん断力τが変化し、2つの円板202間で変化する相
対速度を回転数センサ204により検出する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】高粘度の2号軽油に対
応してエンジン出力を最適に調整し、スモークが発生し
ないように調整したエンジンに低粘度の特3号軽油を供
給した場合には、燃料粘度の減少により燃料流量も減少
するため、スモークは出ないが、エンジン出力は低下す
る。逆に低粘度の特3号軽油に対応するように調整した
エンジンに高粘度の2号軽油を供給すると、燃料流量は
増加し過剰となるため、エンジン出力は上昇するが、ス
モーク限界を越える問題を生じる。
【0013】従来、通常走行時の燃料噴射ポンプの最大
噴射量はエンジン特性に併せて最大トルクを確保するた
め、回転数センサ101、エアフローセンサ104から
の情報により、エンジン回転数に応じて予めマップに値
が設定されている。しかしながら、マップに設定された
この値はある一定の動粘度ν(=μ/ρ)を基準として
調整されるため、実際には変化する動粘度に対して最適
な燃料噴射量が得られない欠点があった。
【0014】燃料噴射量に与える動粘度の影響により燃
料温度が上昇するとエンジンへの燃料供給量が減少する
ため、エンジン出力は低下することが知られている。燃
料温度の上昇による噴射量の減少は、燃料温度を計測し
て適正な噴射量に補正することが可能である。図16
は、郭、田井、河口、古林「燃料性状と燃料噴射ポンプ
の燃料流量特性」第6回内燃機関シンポジウム講演論文
集に記載された燃料の動粘度と燃料流量との関係を示す
グラフである。図16から明らかなように、同一運転条
件で燃料の動粘度を変化させると、動粘度の増加に伴っ
て約10%燃料流量が増加する。しかしながら、従来で
は、動粘度の変化に対して燃料噴射量を補正することは
できなかった。
【0015】また、プランジャにより圧送されノズルか
ら噴射される燃料は、圧送開始から実際の燃料噴射まで
にタイムラグがあり、噴射遅れが発生する。この噴射遅
れは圧力波の伝播速度に起因し、圧力波の伝播速度であ
る音速が低下すると噴射遅れが増大することが知られて
いる。燃料の音速は図10に示すように動粘度との相関
があり、動粘度の変化が噴射時期(タイミング)に影響
を与えている。動粘度が低下すると音速も低下するた
め、噴射遅れは増大する。従来では、音速の変化に対応
して発生する噴射遅れに起因する噴射時期の変動を補正
することは困難であったが、音速の変化に影響を与える
動粘度を検知することができなかった。
【0016】噴射ポンプに装着されて粘度を測定するタ
ービン式回転粘度測定装置が特開昭61−56939号
公報に開示されているが、このタービン式回転粘度測定
装置は形状が大きい欠点がある。また、平坦な円板が固
着され互いに逆方向に回転する2つのタービンにより流
体にせん断力を発生させるため、燃料流路に取り付ける
必要があり、一定流速を越える速度で流れる燃料でなけ
れば、十分な精度で測定できない欠点があった。
【0017】更に、タービンの形状が複雑で加工が困難
であり、またベアリングで支持する可動部を含むため、
タービンに固着された2つの円板の間隔を長期にわたっ
て一定に保つことが困難で測定に誤差を生じやすい難点
もあった。
【0018】そこで本発明の目的は、連続的かつ高精度
に燃料粘度を計測可能な液体粘度測定方法及び装置並び
にこれらの方法及び装置を使用するエンジン燃料噴射制
御方法及び装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明による液体粘度
測定方法は、被測定液体内に振動片(22)を浸漬する
過程と、振動片(22)に取り付けた振動子(20)に
振動電圧を印加して振動片(22)に機械的振動を与え
ると共に、振動片(22)に取り付けた振動センサ(2
1)から電気出力を取り出す過程と、振動子(20)に
印加した振動電圧の共振周波数(f0)から被測定液体の
密度(ρ)を検出する過程と、振動センサ(21)の電
気出力から被測定液体の密度(ρ)と粘度(η)との積
(ξ)を求める過程と、得られた被測定液体の密度
(ρ)と粘度(η)との積(ξ)と密度(ρ)とから被
測定液体の粘度(η)を求める過程とを含む。
【0020】被測定液体内に振動片(22)を浸漬した
状態で振動子(20)に振動電圧を印加して振動子(2
0)を共振周波数(f0)で振動させると、振動センサ
(22)から被測定液体の粘度に対応する電気出力を取
り出すことができる。また、振動子(20)に印加した
振動電圧の共振周波数(f0)と被測定液体の密度(ρ)
との間には一定の相関関係が存在するから、共振周波数
(f0)から被測定液体の密度(ρ)を検出することがで
きる。更に、振動センサ(21)の電気出力と被測定液
体の密度(ρ)と粘度(η)との積(ξ)との間に一定
の相関関係が存在するから、振動センサ(21)の電気
出力から被測定液体の密度(ρ)と粘度(η)との積
(ξ)を求めることができ、得られた被測定液体の密度
(ρ)と粘度(η)との積(ξ)と密度(ρ)とから被
測定液体の粘度(η)を求めることができる。
【0021】この発明の実施の形態では、振動センサ
(21)から取り出す電気出力は、振動センサ(21)
から得られる出力電圧(Vo)、入出力電圧比(Vi/
o)、機械的品質係数(機械的品質係数−Quality fact
or)(Q)又は振動子(20)に印加される振動電圧と
振動センサ(21)の出力電圧との位相差(ω0)のいず
れかである。
【0022】この発明による液体粘度測定装置(1)
は、被測定液体内に浸漬される振動片(22)、振動片
(22)に機械的振動を与える振動子(20)及び振動
片(22)の振動状態に対応する電気出力を発生する振
動センサ(21)とを有する発振装置(13)と、発振
装置(13)の振動子(20)に振動電圧を印加する発
振器(31)と、振動子(20)に印加される振動電圧
の共振周波数(f0)を検出する周波数測定回路(23)
と、周波数測定回路(23)で検出した共振周波数(f
0)から被測定液体の密度(ρ)を検出する密度演算回路
(24)と、振動センサ(21)の電気出力を測定する
電気出力測定回路(25)と、電気出力測定回路(2
5)から被測定液体の密度(ρ)と粘度(η)との積
(ξ)を演算する積値演算回路(26)と、密度演算回
路(24)と積値演算回路(26)との出力から被測定
液体の粘度(η)を演算する粘度演算回路(27)とを
備えている。
【0023】この発明の実施の形態では、振動子(2
0)及び振動センサ(21)は圧電体であり、振動片
(22)は音叉型振動片である。電気出力測定回路(2
5)は、振動センサ(21)の電気出力から出力電圧
(Vo)を測定する出力電圧測定回路、入出力電圧比(V
i/Vo)を測定する入出力電圧比測定回路、機械的品質係
数(Q)を測定するQ測定回路又は振動子(20)に印
加される振動電圧と振動センサ(21)の出力電圧との
位相差(ω0)を検出する位相差測定回路のいずれかによ
り構成される。振動子及び振動センサは、結晶振動子若
しくはセラミック振動子等の圧電型振動子又は金属磁歪
振動子若しくはフェライト振動子等の磁歪型振動子であ
り、振動片は音叉型振動片である。振動子及び振動セン
サは、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,Ti)
3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、複合ペロブス
カイト(A(B1,BH)O3-PZT)、チタン酸鉛(Pb
TiO3)、ナイオベイト(PbNb26)等の圧電セラ
ミックス、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(A
lN)等の薄膜圧電体、ポリフッ化ビニリデン(PVD
F)、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンの共重
合体等の有機圧電高分子材料チタン酸ジルコン酸鉛(P
ZT)、チタン酸バリウム、酸化亜鉛薄膜のいずれかか
ら選択される圧電体である。
【0024】この発明によるエンジン燃料噴射制御方法
は、燃料液体内に振動片(22)を浸漬する過程と、振
動片(22)に取り付けた振動子(20)に振動電圧を
印加して振動片(22)に機械的振動を与えると共に、
振動片(22)に取り付けた振動センサ(21)から電
気出力を取り出す過程と、振動子(20)に印加した振
動電圧の共振周波数(f0)から燃料液体の密度(ρ)を
検出する過程と、振動センサ(21)の電気出力から燃
料液体の密度(ρ)と粘度(η)との積(ξ)を求める
過程と、得られた燃料液体の密度(ρ)と粘度(η)と
の積(ξ)と密度(ρ)とから燃料液体の粘度(η)を
求める過程と、密度(ρ)と粘度(η)とから燃料液体
の動粘度(ν)を算出する過程と、動粘度(ν)に基づ
いて基本噴射量を目標噴射量に補正する過程とを含む。
【0025】動粘度(ν)に基づいて基本噴射量を目標
噴射量に補正するので、燃料噴射量を最適値に制御する
ことができる。
【0026】この発明によるエンジン燃料噴射制御装置
(2)は、燃料液体内に浸漬される振動片(22)、振
動片(22)に機械的振動を与える振動子(20)及び
振動片(22)の振動状態に対応する電気出力を発生す
る振動センサ(21)とを有する発振装置(13)と、
発振装置(13)の振動子(20)に振動電圧を印加す
る発振器(31)と、振動子(20)に印加される振動
電圧の共振周波数(f0)を検出する周波数測定回路(2
3)と、周波数測定回路(23)で検出した共振周波数
(f0)から燃料液体の密度(ρ)を検出する密度演算回
路(24)と、振動センサ(21)の電気出力を測定す
る電気出力測定回路(25)と、電気出力測定回路(2
5)から燃料液体の密度(ρ)と粘度(η)との積
(ξ)を演算する積値演算回路(26)と、密度演算回
路(24)と積値演算回路(26)との出力から燃料液
体の粘度(η)を演算する粘度演算回路(27)と、ア
クセル開度を検出するアクセルセンサ(14)と、エン
ジン回転数を検出する回転数センサ(11)と、エンジ
ンの吸入空気量を検出するエアフローセンサ(15)
と、燃料の温度を検出する温度センサ(12)と、アク
セルセンサ(14)、回転数センサ(11)、エアフロ
ーセンサ(15)、温度センサ(12)、密度演算回路
(24)及び粘度演算回路(27)に接続された燃料制
御回路(18)とを備えている。燃料制御回路(18)
は密度演算回路(24)の出力により燃料密度(ρ)
と、粘度演算回路(27)の出力による燃料粘度(η)
から燃料の動粘度(ν)を算出すると共に、アクセルセ
ンサ(14)、回転数センサ(11)及びエアフローセ
ンサ(15)の信号から燃料の基本噴射量を演算し、か
つ燃料の動粘度(ν)から算出した基本噴射量を目標噴
射量に補正すると共に目標噴射時期を調整して、燃料の
粘度(η)の変動に対応して燃料を供給することができ
る。これらのセンサの信号に加えて、吸気温度センサ
(12)又は水温センサ(17)の信号を加味して目標
噴射量及び目標噴射時期を調整してもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明による液体粘度測定方法、
液体粘度測定装置、エンジン燃料噴射制御方法及びエン
ジン燃料噴射制御装置の実施の形態を図1〜図9につい
て説明する。
【0028】図1に示すように、この発明による液体粘
度測定装置1は、電極により構成される入力端子20a
を有する発振装置13と、発振装置13の入力端子20
aに振動電圧を印加する発振器31と、発振装置13の
入力端子20aに印加される振動電圧の共振周波数f0
を検出する周波数測定回路23と、周波数測定回路23
で検出した共振周波数f0から燃料液体の密度ρを検出
する密度演算回路24と、発信装置13の電極により構
成される出力端子21aからの電気出力を測定する電気
出力測定回路25と、電気出力測定回路25から燃料液
体の密度ρと粘度ηとの積ξを演算する積値演算回路2
6と、密度演算回路24と積値演算回路26との出力か
ら燃料液体の粘度ηを演算する粘度演算回路27とを備
えている。発振器31は、パルス発生装置又は交流電源
が使用される。
【0029】図2に示すように、発振装置13は、被測
定液体としての燃料液体内に浸漬される音叉型の振動片
22と、振動片22の一方のカンチレバー部22aに機
械的振動を与える振動子20と、振動片22の他方のカ
ンチレバー部22bの振動状態に対応する電気出力を発
生する振動センサ21とを有する。振動子20は発振器
31に接続された入力端子21aを有し、振動センサ2
1は電気出力測定回路25に接続された出力端子21a
とを備えている。振動子20及び振動センサ21は、結
晶振動子若しくはセラミック振動子等の圧電型振動子又
は金属磁歪振動子若しくはフェライト振動子等の磁歪型
振動子を使用することができる。振動子20と振動セン
サ21は同一の構成を有する素子を使用してもよい。ま
た、振動センサ21は振動片22の振動に対応して電気
抵抗値が変化する金属抵抗ひずみゲージ又は半導体ひず
みゲージ等のひずみゲージを使用してもよい。振動子2
0と振動センサ21とを同一構造の圧電体で構成する場
合、圧電体は、チタン酸ジルコン酸鉛(Pb(Zr,T
i)O3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)、複合ペロ
ブスカイト(A(B1,BH)O3-PZT)、チタン酸鉛
(PbTiO3)、ナイオベイト(PbNb26)等の圧
電セラミックス、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウ
ム(AlN)等の薄膜圧電体、ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレ
ンの共重合体等の有機圧電高分子材料チタン酸ジルコン
酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム、酸化亜鉛薄膜のい
ずれかから選択される。
【0030】図1に示す液体粘度測定装置1を使用する
際に、まず燃料液体内に振動片22を浸漬して、振動片
22に取り付けた振動子20に発振器31から振動電圧
を印加して振動子20を振動させる。周波数測定回路2
3によって振動片22の共振周波数f0を測定するが、
振動子20に印加した振動電圧の共振周波数f0(Hz)
と燃料液体の密度ρとの間には一定の相関関係が存在す
るから、密度演算回路24は測定した共振周波数f0
ら燃料液体の密度ρを検出する。即ち、共振周波数f
0(Hz)と燃料液体の密度ρ(g/cm3)との間に
は、密度ρの0.8乗が共振周波数f0と直線的に比例す
る関係があるから、k1及びα1を定数とすると、下式に
示すように、 f=−k1ρ0.81 となる。従って、この関係を予め測定すれば、密度演算
回路24により振動子20に印加した振動電圧の共振周
波数f0から燃料液体の密度ρを算出することができ
る。
【0031】また、燃料液体内に振動片22を浸漬した
状態で振動子20に振動電圧を印加して振動子20を共
振周波数f0で振動させると、振動センサ22から燃料
液体の粘度に対応する電気出力を取り出して、電気出力
測定回路25により電気出力を測定する。振動センサ2
1の電気出力と燃料液体の密度ρと粘度ηとの積ξとの
間に一定の相関関係が存在する。例えば、振動センサ2
1の電気出力を出力電圧Voとすると、燃料液体の密度
ρと粘度ηとの積ξとこれらの出力電圧Voとの間にそ
れぞれ直線的比例関係がある。k2、α2を定数とする
と、下式に示す関係がある。 Vo=k2ξ+α2 従って、積値演算回路26は、電気出力測定回路25に
より測定した電気出力から燃料液体の密度ρと粘度ηと
の積ξを演算する。続いて、粘度演算回路27は、密度
演算回路24から得られた密度ρと積値演算回路26か
ら得られた積ξから燃料液体の粘度ηを演算することが
できる。
【0032】図3は図1に示す回路を変形して、振動セ
ンサ21と発振器31との間に出力電圧測定部32を接
続すると共に、電気出力測定回路25により入出力電圧
比(Vi/Vo)、機械的品質係数Q又は振動子20に印加
される振動電圧と振動センサ21の出力電圧との位相差
ω0を測定することができる。振動センサ21の電気出
力を、入力端子20aへの入力電圧Viと出力端子Vo
の入出力電圧比(Vi/Vo)、機械的品質係数(機械的品
質係数−Quality factor)Q又は振動子20に印加され
る振動電圧と振動センサ21の出力電圧との位相差ω0
とすると、これらの入出力電圧比(Vi/Vo)、機械的品
質係数Q又は振動子20に印加される振動電圧と振動セ
ンサ21の出力電圧との位相差ω0の各々と、燃料液体
の密度ρと粘度ηとの積ξと間にそれぞれ直線的比例関
係がある。即ち、k3、α3、k4、α4、k5、α5を定数とす
ると下式に示す関係がある。 (Vi/Vo)=k3ξ+α3 Q=k4ξ+α4 ω0=k5ξ+α5 従って、電気出力測定回路25は、振動センサ21の電
気出力から入出力電圧比(Vi/Vo)、機械的品質係数Q
又は振動子20に印加される振動電圧と振動センサ21
の出力電圧との位相差ω0を検出し、積値演算回路26
において燃料液体の密度ρと粘度ηとの積ξを求めた
後、粘度演算回路27において、密度演算回路24から
得られた燃料液体の密度ρと、積値演算回路26から得
られた積ξと燃料液体の粘度ηを求めることができる。
【0033】図4に示すように、この発明によるエンジ
ン燃料噴射制御装置2は、燃料制御回路18と、アクセ
ル開度を検出するアクセルセンサ14と、エンジンの吸
入空気量を検出するエアフローセンサ15と、エンジン
への吸気の温度を測定する吸気温度センサ16と、ラジ
エータの水温を検出する水温センサ17と、エンジンの
回転数を検出する回転数センサ11と、燃料の温度を検
出する温度センサ12と、発振装置13と、燃料噴射ポ
ンプ10とを備えている。アクセルセンサ14、エアフ
ローセンサ15、吸気温度センサ16、水温センサ1
7、回転数センサ11、温度センサ12、発振装置13
はそれぞれ燃料制御回路18の各入力端子に接続され、
燃料制御回路18の出力端子は燃料噴射ポンプ10の入
力端子に接続される。回転数センサ11、温度センサ1
2及び発振装置13は噴射ポンプ10に装着される。図
示しないが、燃料制御回路18内には、周波数測定回路
23、密度演算回路24、電気出力測定回路25、積値
演算回路26及び粘度演算回路27が設けられている。
燃料制御回路18は密度演算回路24の出力により燃料
密度ρを算出すると共に、粘度演算回路27の出力によ
る燃料粘度ηから燃料の動粘度νを算出する。動粘度
ν、粘度η及び密度ρには次式の関係がある。 ν= η/ρ また、燃料制御回路18は、アクセルセンサ14、回転
数センサ11及びエアフローセンサ15の信号から燃料
の基本噴射量を演算しかつ燃料の動粘度νから算出した
基本噴射量を目標噴射量に補正すると共に目標噴射時期
を調整して、燃料の粘度ηの変動に対応して燃料を供給
することができる。これらのセンサの信号に加えて、吸
気温度センサ12又は水温センサ17の信号を加味して
目標噴射量及び目標噴射時期を調整してもよい。
【0034】図5は、図4に示す本発明による液体粘度
測定装置1の燃料制御回路18の詳細なブロック図を示
す。燃料制御回路18は、発振装置13に接続された燃
料密度検出回路18a及び密度粘度積検出手段18b
と、燃料密度検出回路18a及び密度粘度積検出手段1
8bの出力を受信する粘度演算回路18cと、エアフロ
ーセンサ15及び吸気温度センサ16に接続された吸入
空気量算出回路18dと、水温センサ17、アクセルセ
ンサ14、回転センサ11、吸入空気量算出回路18
d、温度センサ12及び粘度演算回路18cからの出力
を受信して燃料噴射ポンプ10に制御信号を付与するポ
ンプ制御回路18eとを備えている。密度検出回路18
aは、周波数測定回路23及び密度演算回路24により
構成される。密度粘度積検出回路18bは、電気出力測
定回路25及び積値演算回路26により構成される。粘
度演算回路18cは粘度演算回路27に対応する。
【0035】この発明によるエンジン燃料噴射制御方法
を実施する際は、まず燃料液体内に発振装置13の振動
片22を浸漬し、振動片22に取り付けた振動子20に
振動電圧を印加して振動片22に機械的振動を与えると
共に、振動片22に取り付けた振動センサ21から電気
出力を取り出す。次に、密度検出回路18aによって発
信装置13の振動子20に印加した振動電圧の共振周波
数f0から燃料液体の密度ρを検出する。その後、密度
粘度積検出回路18bにより振動センサ21の電気出力
から燃料液体の密度ρと粘度ηとの積ξを求める。密度
検出回路18aから得られた燃料液体の密度ρと密度粘
度積検出回路18bから得られた密度ρと粘度ηとの積
ξとから燃料液体の粘度ηを求める。続いて、ポンプ制
御回路18e内で密度ρと粘度ηとから燃料液体の動粘
度νを算出して、動粘度νに基づいて基本噴射量を目標
噴射量に補正する。動粘度νに基づいて基本噴射量を目
標噴射量に補正するので、燃料噴射量を最適値に制御す
ることができる。
【0036】この発明では、最適な燃料噴射量は図6に
示すフローチャートに従って決定される。まず、エンジ
ンの回転数を検出する回転数センサ11とアクセルの開
度を検出するアクセルセンサ14の各出力から、燃料制
御回路18は基本噴射量Q0を算出し、冷却水の温度を
検出する水温センサ17の出力値より基本噴射量Q0
ついてアイドリング特性の補正値Qiを加えて補正噴射
量Q0+Qiを得る。また燃料制御回路18はエンジンの
吸気口に流入する空気量を測定するエアフローセンサ1
5及び吸気口に流入する空気の温度を測定する吸気温度
センサ16の出力により吸入空気量を算出し、エンジン
の回転数を検出する回転数センサ11からのエンジン回
転数の情報と併せて最大噴射量Qmaxを算出する。最大
噴射量Qmaxは通常走行時のエンジン回転数に対応した
最大噴射可能量であり、いかなる場合もこれを越えな
い。
【0037】補正噴射量Q0+Qiと最大噴射量Qmaxを比
較して、小さい方を選択する。次に、燃料の温度を検出
する温度センサ12の出力値より燃料温度補正を行う。
次に、発振装置13の出力から燃料密度ρを算出し、そ
の値を用いて燃料密度ρの補正を行う。次に発振装置1
3の出力から燃料粘度ηを算出し、別に算出した密度ρ
の値を用いて燃料の動粘度νを算出する。算出した動粘
度νから燃料動粘度νの補正を行う。
【0038】燃料温度が高く、燃料動粘度νが低いと
き、目標噴射量に対して実際の噴射量は減少するため、
噴射量を制御する燃料噴射ポンプ10のプランジャスト
ロークを目標値よりも大きくなるように補正して、燃料
噴射量を増加させる。逆に、燃料温度が低く、燃料動粘
度νが高いとき、プランジャストロークを目標値に対し
て小さく補正して、噴射量を減少させる。また、最適な
噴射時期は図7に示すフローチャートにより決定され
る。
【0039】図6に示す手順により算出した目標噴射量
と回転数センサ11からのエンジン回転数によりクラン
ク角度に対しての進角値を算出する。これにより走行中
に変動するエンジン負荷に応じて燃料噴射時期(タイミ
ング)を最適な状態に制御することができる。このよう
なエンジン回転数と進角値との関係はロードタイマ特性
と呼ばれ、進角値を算出した後、燃料制御回路18は始
動時か否かを判断し、通常走行時と始動時とを個別の特
性から基本噴射時期を決定する。
【0040】始動時でないと判断したとき、通常走行時
と判断し、ロードタイマ特性により算出した進角値に対
して水温センサ17の出力により冷却水温補正を行い、
更にエアフローセンサ15、吸気温度センサ16の出力
により吸気圧、吸気温補正を行う。その後、温度センサ
12の出力から燃料温度を算出し燃料温度補正を行う。
次に発振装置13の出力から燃料粘度ηを算出し、別に
算出した密度ρの値を用いて燃料の動粘度νを算出す
る。算出した動粘度νから燃料動粘度ν補正を行い、目
標噴射時期を決定する。
【0041】図7に示すように液体中に浸漬した液体粘
度測定装置1の出力から算出した密度ρと粘度ηの値か
ら上式により動粘度νを算出できる。得られた動粘度ν
から燃料噴射量、噴射時期を補正することができる。
【0042】燃料動粘度νの減少に伴い音速も低下し、
噴射遅れが増大するため、燃料噴射ポンプ10のタイミ
ングコントロールバルブのデューティ比を補正し、噴射
時期を早めるように補正する。逆に燃料液体の動粘度ν
が増加すると、図10に示すように音速も増加し、噴射
遅れは小さくなって補正量は小さい。
【0043】燃料制御回路18が始動時と判断したと
き、前記と同様に、ロードタイマ特性により算出した進
角値に対して水温センサ17の出力により冷却水温補正
を行い、更にエアフローセンサ15、吸気温度センサ1
6の出力により吸気圧力及び吸気温度の補正を行う。そ
の後、温度センサ12の出力から燃料温度を算出し燃料
温度の補正を行う。次に発振装置13の出力から燃料粘
度ηを算出し、別に算出した密度ρの値を用いて燃料の
動粘度νを算出する。算出した動粘度νから燃料動粘度
νの補正を行い、目標噴射時期を決定する。始動時と判
断したときは、通常走行時と判断したときとは異なる補
正量が与えられる。
【0044】図8は本発明による燃料噴射制御方法の第
2の実施の形態を示す。図8では、図4に示す箇所と同
一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。燃料
タンク19に設置した発振装置13の出力は燃料制御回
路18に送出され、燃料噴射量及び噴射時期共に前記実
施例と同様の制御を行う。
【0045】図9に示すように、燃料の動粘度νは体積
弾性係数Eと相関がある。体積弾性係数Eは圧力伝搬速
度である音速aとE=ρa2の関係があるので、図10
に示すように動粘度νは音速とも相関がある。燃料噴射
ポンプ10には燃料の噴射量及び噴射時期が重要であ
り、これらに影響を与える体積弾性係数E、音速aと直
接的な相関のある物理量である動粘度νを検知すること
により、従来の制御では困難であった高精度な燃料噴射
制御が可能になる。
【0046】本発明の実施態様は前記実施の形態に限定
されず、変更が可能である。例えば、前記実施の形態で
は独立して個別に装着した発振装置13と温度センサ1
2とを一体化して構成してもよい。更に本発明はディー
ゼル機関を含む種々のエンジンばかりでなく、ボイラー
等の燃料粘度ηを検出し、最適供給量、噴射時期を制御
する場合にも適用できる。また、エンジンの燃料以外の
他の液体にも本発明を適用することが可能である。振動
子22は音叉型のほかに、カンチレバー(片持ち梁)型
等他の形状に形成することができる。
【0047】
【発明の効果】この発明では、連続的かつ高精度に燃料
動粘度を計測できる液体粘度測定方法及び装置が得ら
れ、しかも液体粘度測定装置を小型に製造することがで
きる。また、これらの液体粘度測定方法及び装置をエン
ジン燃料噴射制御方法及びエンジン燃料噴射制御装置に
適用した場合、燃料の動粘度の変化に対応して燃料噴射
量及び噴射時期を補正して、エンジン出力の改善又はス
モーク量の低減の効果を期待することができる。液体の
粘度の測定の際に、被測定流体が静止状態又は流動状態
の係わらず液体の粘性を測定できるため、所望の測定場
所を選択できる利点があり、機械的な可動部が無いため
耐久性に優れ、信頼性も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による液体粘度測定装置の電気回路
【図2】 図1に示す液体粘度測定装置に使用する発振
装置の斜視図
【図3】 この発明による液体粘度測定装置の他の実施
の形態を示す電気回路図
【図4】 図1に示す液体粘度測定装置を使用するエン
ジン制御装置ブロック図
【図5】 図1に示す液体粘度測定装置を使用する燃料
噴射ポンプの制御ブロック図
【図6】 図1に示す液体粘度測定装置を使用して燃料
噴射量を決定するフローチャート
【図7】 図1に示す液体粘度測定装置を使用して噴射
時期を決定するフローチャート
【図8】 本発明の別の実施の形態を示すエンジン制御
装置ブロック図
【図9】 燃料動粘度と体積弾性係数との関係を示すグ
ラフ
【図10】 燃料動粘度と音速との関係を示すグラフ
【図11】 従来の燃料噴射制御装置のブロック図
【図12】 燃料噴射量決定のための従来のフローチャ
ート
【図13】 燃料噴射時期決定のための従来のフローチ
ャート
【図14】 従来の粘度測定装置の断面図
【図15】 図14のI−I線に沿う断面図
【図16】 燃料動粘度による燃料流量変化を示すグラ
【符号の説明】
1・・液体粘度測定装置、 2・・エンジン燃料噴射制
御装置、 10・・燃料噴射ポンプ、 11・・回転数
センサ、 12・・温度センサ、 13・・発振装置、
13a・密度演算回路、 13b・・密度粘度積検出
手段、 13c・・粘度演算回路、 14・・アクセル
センサ、 15・・エアフローセンサ、15a・・吸入
空気量算出手段、 16・・吸気温度センサ、 17・
・水温センサ、 18・・燃料制御回路、 20・・振
動子、 21・・振動センサ、22・・振動片、 23
・・周波数測定回路、 24・・密度演算回路、 25
・・電気出力測定回路、 26・・積値演算回路、 2
7・・粘度演算回路、31・・発振器、 32・・出力
電圧計測部、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/22 G01N 33/22 B

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定液体内に振動片を浸漬する過程
    と、振動片に取り付けた振動子に振動電圧を印加して振
    動片に機械的振動を与えると共に、振動片に取り付けた
    振動センサから電気出力を取り出す過程と、振動子に印
    加した振動電圧の共振周波数(f0)から被測定液体の密
    度(ρ)を検出する過程と、振動センサの電気出力から
    被測定液体の密度(ρ)と粘度(η)との積(ξ)を求
    める過程と、得られた被測定液体の密度(ρ)と粘度
    (η)との積(ξ)と密度(ρ)とから被測定液体の粘
    度(η)を求める過程とを含むことを特徴とする液体粘
    度測定方法。
  2. 【請求項2】 振動センサから取り出す電気出力は、振
    動センサから得られる出力電圧(Vo)、入出力電圧比
    (Vi/Vo)、機械的品質係数(Q)又は振動子に印加さ
    れる振動電圧と振動センサの出力電圧との位相差(ω0)
    のいずれかである請求項1に記載の液体粘度測定方法。
  3. 【請求項3】 被測定液体内に浸漬される振動片、振動
    片に機械的振動を与える振動子及び振動片の振動状態に
    対応する電気出力を発生する振動センサとを有する発振
    装置と、発振装置の振動子に振動電圧を印加する発振器
    と、振動子に印加される振動電圧の共振周波数(f0)を
    検出する周波数測定回路と、周波数測定回路で検出した
    共振周波数(f0)から被測定液体の密度(ρ)を検出す
    る密度演算回路と、振動センサの電気出力を測定する電
    気出力測定回路と、電気出力測定回路から被測定液体の
    密度(ρ)と粘度(η)との積(ξ)を演算する積値演
    算回路と、密度演算回路と積値演算回路との出力から被
    測定液体の粘度(η)を演算する粘度演算回路とを備え
    たことを特徴とする液体粘度測定装置。
  4. 【請求項4】 振動子及び振動センサは、結晶振動子若
    しくはセラミック振動子等の圧電型振動子又は金属磁歪
    振動子若しくはフェライト振動子等の磁歪型振動子であ
    り、振動片は音叉型振動片である請求項3に記載の液体
    粘度測定装置。
  5. 【請求項5】 電気出力測定回路は、振動センサの電気
    出力から出力電圧(Vo)を測定する出力電圧測定回路、
    入出力電圧比(Vi/Vo)を測定する入出力電圧比測定回
    路、機械的品質係数(Q)を測定するQ測定回路又は振
    動子に印加される振動電圧と振動センサの出力電圧との
    位相差(ω0)を検出する位相差測定回路のいずれかによ
    り構成される請求項3に記載の液体粘度測定装置。
  6. 【請求項6】 振動子及び振動センサは、チタン酸ジル
    コン酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)、チタン酸バリウム
    (BaTiO3)、複合ペロブスカイト(A(B1,BH)O
    3-PZT)、チタン酸鉛(PbTiO3)、ナイオベイト
    (PbNb26)等の圧電セラミックス、酸化亜鉛(Z
    nO)、窒化アルミニウム(AlN)等の薄膜圧電体、
    ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデン
    とトリフルオロエチレンの共重合体等の有機圧電高分子
    材料チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウ
    ム、酸化亜鉛薄膜のいずれかから選択される圧電体であ
    る請求項3に記載の液体粘度測定装置。
  7. 【請求項7】 燃料液体内に振動片を浸漬する過程と、
    振動片に取り付けた振動子に振動電圧を印加して振動片
    に機械的振動を与えると共に、振動片に取り付けた振動
    センサから電気出力を取り出す過程と、振動子に印加し
    た振動電圧の共振周波数(f0)から燃料液体の密度
    (ρ)を検出する過程と、振動センサの電気出力から燃
    料液体の密度(ρ)と粘度(η)との積(ξ)を求める
    過程と、得られた燃料液体の密度(ρ)と粘度(η)と
    の積(ξ)と密度(ρ)とから燃料液体の粘度(η)を
    求める過程と、密度(ρ)と粘度(η)とから燃料液体
    の動粘度(ν)を算出する過程と、動粘度(ν)に基づ
    いて基本噴射量を目標噴射量に補正する過程とを含むこ
    とを特徴とするエンジン燃料噴射制御方法。
  8. 【請求項8】 振動センサから取り出す電気出力は、振
    動センサから得られる出力電圧(Vo)、入出力電圧比
    (Vi/Vo)、機械的品質係数(Q)又は振動子に印加さ
    れる振動電圧と振動センサの出力電圧との位相差(ω0)
    のいずれかである請求項7に記載のエンジン燃料噴射制
    御方法。
  9. 【請求項9】 燃料液体内に浸漬される振動片、振動片
    に機械的振動を与える振動子及び振動片の振動状態に対
    応する電気出力を発生する振動センサとを有する発振装
    置と、発振装置の振動子に振動電圧を印加する発振器
    と、振動子に印加される振動電圧の共振周波数(f0)を
    検出する周波数測定回路と、周波数測定回路で検出した
    共振周波数(f0)から燃料液体の密度(ρ)を検出する
    密度演算回路と、振動センサの電気出力を測定する電気
    出力測定回路と、電気出力測定回路から燃料液体の密度
    (ρ)と粘度(η)との積(ξ)を演算する積値演算回
    路と、密度演算回路と積値演算回路との出力から燃料液
    体の粘度(η)を演算する粘度演算回路と、アクセル開
    度を検出するアクセルセンサと、エンジン回転数を検出
    する回転数センサと、エンジンの吸入空気量を検出する
    エアフローセンサと、燃料の温度を検出する温度センサ
    と、アクセルセンサ、回転数センサ、エアフローセン
    サ、温度センサ、密度演算回路及び粘度演算回路に接続
    された燃料制御回路とを備え、 燃料制御回路は密度演算回路の出力により燃料密度
    (ρ)と、粘度演算回路の出力による燃料粘度(η)か
    ら燃料の動粘度(ν)を算出すると共に、アクセルセン
    サ、回転数センサ及びエアフローセンサの信号から燃料
    の基本噴射量を演算し、かつ燃料の動粘度(ν)から算
    出した基本噴射量を目標噴射量に補正することを特徴と
    するエンジン燃料噴射制御装置。
  10. 【請求項10】 振動子及び振動センサは圧電体であ
    り、振動片は音叉型振動片である請求項9に記載のエン
    ジン燃料噴射制御装置。
  11. 【請求項11】 電気出力測定回路は、振動センサの電
    気出力から出力電圧(Vo)を測定する出力電圧測定回
    路、入出力電圧比(Vi/Vo)を測定する入出力電圧比測
    定回路、機械的品質係数(Q)を測定するQ測定回路又
    は振動子に印加される振動電圧と振動センサの出力電圧
    との位相差(ω0)を検出する位相差測定回路のいずれか
    により構成される請求項9に記載のエンジン燃料噴射制
    御装置。
  12. 【請求項12】 圧電体は、チタン酸ジルコン酸鉛(P
    b(Zr,Ti)O3)、チタン酸バリウム(BaTiO
    3)、複合ペロブスカイト(A(B1,BH)O3-PZT)、
    チタン酸鉛(PbTiO3)、ナイオベイト(PbNb2
    6)等の圧電セラミックス、酸化亜鉛(ZnO)、窒化
    アルミニウム(AlN)等の薄膜圧電体、ポリフッ化ビ
    ニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデンとトリフルオ
    ロエチレンの共重合体等の有機圧電高分子材料チタン酸
    ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸バリウム、酸化亜鉛
    薄膜のいずれかから選択される請求項9に記載のエンジ
    ン燃料噴射制御装置。
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JP2016050563A (ja) * 2014-09-02 2016-04-11 株式会社デンソー 燃料密度検出装置

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