JPH11173967A - 液体粘度測定方法及び液体粘度測定装置 - Google Patents

液体粘度測定方法及び液体粘度測定装置

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JPH11173967A
JPH11173967A JP34342597A JP34342597A JPH11173967A JP H11173967 A JPH11173967 A JP H11173967A JP 34342597 A JP34342597 A JP 34342597A JP 34342597 A JP34342597 A JP 34342597A JP H11173967 A JPH11173967 A JP H11173967A
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JP
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viscosity
liquid
vibrator
phase difference
vibration sensor
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Application number
JP34342597A
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English (en)
Inventor
Hajime Suzuki
一 鈴木
Masaki Moronuki
正樹 諸貫
Koji Henmi
浩二 逸見
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Riken Corp
Original Assignee
Riken Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 広範囲に温度が変化する液体の粘度を長期間
連続的にかつ正確に測定する。 【解決手段】 振動子(3)及び振動センサ(4)を取
り付けた振動体(2)を液体中に浸漬し、振動子(3)
に振動電圧を印加して振動体(2)を共振周波数
(f1)で振動させ、振動体(2)が共振周波数(f1
で振動するときの振動子(3)と振動センサ(4)との
位相差(P1)を検出して、振動子(3)と振動センサ
(4)との位相差(P1)と予め測定した粘度(η)と
の関係により液体の粘度(η)を測定する。液体中に浸
漬した状態で、振動体(2)の振動子(3)に振動電圧
を印加して振動体(2)を共振周波数(f1)で振動さ
せ、振動子(3)と振動センサ(4)との位相差
(P1)を測定する。位相差(P1)と液体の粘度(η)
との間には一定の関係が存在するから、位相差(P1
から液体の粘度(η)を算出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体の粘度を検出
する粘度測定技術、特に、良好な温度特性と長期にわた
る安定性を有し、広い温度範囲での液体粘度の長期間連
続測定に利用できる粘度測定方法及び装置に関連する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジン、ガソリンエンジン
等の燃料油や潤滑油の粘度測定方法、及びその他の液体
の粘度測定のために、従来より、回転式、カップ式、落
球式、機械振動式等各種の方式を用いる液体粘度測定装
置が開発されてきた。しかしながら、粘度測定装置の多
くは、計測部が大型でかつ数100mlの被検液体を必
要とし、据置型の測定値表示部も大型であった。他面、
昨今、多くの分野で測定システムの自動化が進み、様々
な場所での多様な物性値を測定するセンサ素子が開発さ
れ、小型、軽量、安価な液体の粘度計測センサ素子の需
要が高まりつつある。
【0003】圧電材料を用いる超音波振動子、弾性表面
波素子等を小型の粘度センサに応用して共振周波数を検
出する方式の粘度センサを得ることができるが、空気中
での粘度センサ自体の周波数温度特性が液体中での測定
周波数にも影響を及ぼす不具合があった。その結果、広
い温度範囲にわたり粘度を測定する場合には、粘度セン
サの温度特性を補正する手段が別途必要になった。更
に、周波数温度特性の個体差も大きい事から、粘度セン
サ毎の個別の補正が必要になる等の問題も抱えていた。
【0004】他面、水晶振動子を用い周波数温度特性が
良好な従来の小型の粘度センサ素子は、例えば、特開昭
64−47932号公報及び特開昭64−47934公
報により知られているが、良好な温度特性を実現するた
めには、振動子の切り出し角度にコスト高の要因となる
高度に正確なカットアングルが要求される。また、一般
に、小さい検出面積に対し相対的に大きな検出感度で設
計される小型のセンサ素子の多くは、検出面に僅かな汚
れが付着しても測定精度に影響を受け易い欠点があっ
た。従って、粘度の測定前には、センサの検出面を洗浄
すると共に、標準粘度液によって出力値を補正する必要
があった。また、長期間の連続的な粘度の測定で、セン
サの検出面が汚れてしまう場合には、出力値が変化して
しまうという不具合があった。
【0005】また、水晶振動子を用いた粘度センサで
は、温度特性が良好な出力としては共振先鋭度Qがあ
り、この出力から液体の粘度を測定する方法も考えられ
る。しかし、共振先鋭度Qの測定では、先の共振周波数
f測定の場合と同様に汚れの影響が無視できない。例え
ば、長期の連続使用では、被検液体の粘度・密度が同じ
でもセンサに堆積した付着物(汚れ)の増加によって共
振先鋭度Qの出力は低下して、液体の粘度を正確に検出
することができない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】最近開発された水晶振
動子、圧電振動子、表面弾性波素子等を用いたを用いた
小型の液体性状センサのセンサ素子をディーゼルエンジ
ン、ガソリンエンジン等の内燃機関及び産業機器のイン
ライン内部に設置する場合には、以下の未解決の問題が
存在する。
【0007】第一に、液体性状センサは、自己の持つ周
波数温度特性が粘度を測定する共振周波数fに影響する
欠点を有する。例えば、音叉は一般に、自己の周波数温
度特性を少なくするため、エルコロイ合金、Niスパン
C等の恒弾性材料を用いて作製されるが、完全に0温度
係数を持つ音叉を量産することは不可能であり、空気中
で、0〜100℃の温度範囲では、周波数が数Hzから
数10Hz変化することが多い。このような音叉を粘度
センサとして液体中に浸漬し、液体の温度を変化させる
場合には、液体の温度変化に伴う液体の粘度・密度の変
化による周波数変化分に加えて、温度変化自体による周
波数の変化分も加わって、周波数変化がセンサ出力とし
て取り出される。従って、広い温度範囲での粘度測定に
は、液体の温度変化による周波数変化分を取り除いて評
価を行う必要、即ち、個々のセンサが有する周波数温度
特性に適合して別途出力を補正する必要がある。
【0008】第二に、粘度を測定する分野では、低温か
ら高温まで広い温度範囲にわたって粘度センサが作動す
る必要がある。センサ素子には固有の温度特性があり、
比較的良好な周波数温度特性を有する水晶振動子を製造
する場合、特殊なカットアングルで水晶を切り出す工程
が必要となる。水晶の切り出し工程は高価で熟練を要す
るため、容易かつ安価にセンサ素子を製造することがで
きなかた。
【0009】第三に、小型のセンサ素子は自己の表面積
に対して高感度であり、センサを長期間液体中に浸漬し
て連続的に測定するとき、センサ素子に汚れが付着し
て、汚れ付着物の影響も過敏に受けやすく、このため長
期間連続して使用するときは、センサ出力が経時的に変
化する欠陥があった。一般に、高感度の粘度センサは、
検出面での汚れ付着物による大きな影響を受けるため、
定期的にセンサを洗浄する必要があり、コストアップを
招来していた。
【0010】そこで、本発明は、液体の粘度を正確に測
定できる液体粘度測定方法及び液体粘度測定装置を提供
することを目的とする。また、本発明は、広い温度範囲
でかつ長時間にわたり連続測定できる液体粘度測定方法
及び液体粘度測定装置を提供することを目的とする。更
に、本発明は、空気中での温度特性が良好でかつ液体中
で汚れ付着物等の異物による影響を受けにくい液体粘度
測定方法及び液体粘度測定装置を提供することを目的と
する。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による液体粘度測
定方法は、振動子(3)及び振動センサ(4)を取り付
けた振動体(2)を液体中に浸漬する過程と、振動子
(3)に振動電圧を印加して振動体(2)を共振周波数
(f1)で振動させる過程と、振動体(2)が共振周波
数(f1)で振動するときの振動子(3)と振動センサ
(4)との位相差(P1)を検出する過程と、振動子
(3)と振動センサ(4)との位相差(P1)と予め測
定した粘度(η)との関係により液体の粘度(η)を測
定する過程とを含む。
【0012】液体中に浸漬した状態で、振動体(2)の
振動子(3)に振動電圧を印加して振動体(2)を共振
周波数(f1)で振動させ、振動子(3)と振動センサ
(4)との位相差(P1)を測定する。位相差(P1)と
液体の粘度(η)との間には一定の関係が存在するか
ら、位相差(P1)から液体の粘度(η)を算出するこ
とができる。
【0013】本発明の実施の形態では、振動子(3)に
振動電圧を印加するとき、入力信号を(VI)、振動セ
ンサ(4)の出力信号を(V0)とすると、電圧ゲイン
(G)は下式: G=20log10(V0/VI) で表され、共振周波数(f1)で、電圧ゲイン(G)の
ピークゲイン(G1)が得られる。位相差をP1、液体の
粘度をη、液体の密度をρ、a、b、k及びαを定数と
すると、位相差P1と液体の粘度ηとの間に下記の関
係: P1 =kηaρb+α が存在する。
【0014】本発明による液体粘度測定装置は、一対の
カンチレバー部(2a、2b)を有しかつ液体中に浸漬
される音叉型振動体(2)と、音叉型振動体(2)の一
方のカンチレバー部(2a)に取り付けられた振動子
(3)と、振動子(3)に振動電圧を印加する発振器
(5)と、音叉型振動体(2)の他方のカンチレバー部
(2b)に取り付けられた振動センサ(4)と、液体の
粘度(η)を測定する粘度演算装置(6)とを備えてい
る。粘度演算装置(6)は、振動子(3)に振動電圧を
印加することにより音叉型振動体(2)を共振周波数
(f1)で振動させ、音叉型振動体(2)が共振周波数
(f1)で振動するときの振動子(3)と振動センサ
(4)との位相差(P1)を検出し、振動子(3)と振
動センサ(4)との位相差(P1)と予め測定した粘度
(η)との関係により液体の粘度(η)を測定する。
【0015】空気中で温度が変化しても位相差(P1
は約90度で一定であり、フラットな温度特性を有す
る。従って、液体中に浸漬した音叉型振動体(2)の温
度が変化しても位相差(P1)の変化は非常に少なく、
広範囲に変化する温度の液体中でも実質的に液体の粘度
及び密度の変化のみに依存する出力を振動センサ(4)
から得ることができる。更に、位相差(P1)を測定す
るとき、長期間連続して使用しても、汚れ等の異物の付
着による振動センサ(4)の出力の経時変化が極めて小
さいことが実験上判明した。
【0016】振動子(3)及び振動センサ(4)は、チ
タン酸ジルコニウム酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)、
チタン酸バリウム(TiBaO3)、複合ペロブスカイ
ト(A(B1,BH)O3−PZT)、チタン酸鉛(Pb
TiO3)等のバルク圧電体、酸化亜鉛(ZnO)、窒
化アルミニウム(AlN)等の薄膜圧電体又はポリフッ
化ビニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデンとトリフ
ルオロエチレンの共重合体等の有機物圧電体のいずれか
である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明による液体粘度測定方法及
び液体粘度測定装置の実施の形態を図1〜図7について
以下に説明する。
【0018】図1は本発明による液体粘度測定装置とし
ての音叉型粘度センサ1の斜視図を示す。音叉型粘度セ
ンサ1は、一対のカンチレバー部2a、2bを有する音
叉型振動体2と、音叉型振動体2の一方のカンチレバー
部2aに固定された振動子3と、音叉型振動体2の他方
のカンチレバー部2bに固定された振動センサ4とを備
えている。音叉型振動体2は、温度変化に対してよりフ
ラットな周波数位相差特性を得るために、エリンバー合
金、エルコロイ合金、NiスパンC等の恒弾性材料によ
って作製することが望ましい。発振器5から発振パルス
が印加される振動子3は、音叉型振動体2を共振周波数
1で振動させる圧電振動子であり、振動センサ4は音
叉型振動体2の振動を検出する振動センサであり、粘度
演算装置6に接続される。粘度演算装置6は、振動子3
に振動電圧を印加して音叉型振動体2を共振周波数f1
で振動させ、音叉型振動体2が共振周波数f1で振動す
るときの振動子3と振動センサ4との位相差P1を検出
し、振動子3と振動センサ4との位相差P1と予め測定
した粘度ηとの関係により液体の粘度ηを測定する。振
動子3、振動センサ4は、チタン酸ジルコニウム酸鉛
(Pb(Zr,Ti)O3)、チタン酸バリウム(Ti
BaO3)、複合ペロブスカイト(A(B1,BH)O3
PZT)、チタン酸鉛(PbTiO3)等のバルク圧電
体、酸化亜鉛(ZnO)、窒化アルミニウム(AlN)
等の薄膜圧電体又はポリフッ化ビニリデン(PVD
F)、フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンの共重
合体等の有機物圧電体のいずれかである。
【0019】音叉型粘度センサ1の使用の際に、音叉型
振動体2を液体中に浸漬し、発振器から振動子3に入力
するパルス信号は、電気振動から機械振動に変換され
て、音叉型振動体2に機械振動を発生させる。音叉型振
動体2の機械振動は、振動センサによって電気振動に変
換されて出力信号として取り出される。液体の粘度は、
振動子3の入力信号の位相と振動センサの出力信号の位
相との位相差P1に基づいて検出される。音叉型振動体
2の共振周波数f1のパルス信号が振動子3に入力され
ると、ここで電気振動から変換された機械振動は音叉型
振動体2内でより大きな機械振動に増幅され、この機械
振動に対応する電気信号を振動センサから取り出すこと
ができる。この場合、本発明による位相差検知方式の粘
度感度は、軽油等の低粘度液体の測定に充分でありなが
ら、共振周波数fを検知する方式や、共振先鋭度Qを検
知する方式、さらには水晶振動子を用いる場合等に比べ
ると、汚れ等による経時変化が小さく、改善されたセン
サの作製が可能となる。
【0020】図2は、20℃の空気中で一定範囲の周波
数(Hz)で音叉型振動体2を振動させたときの電圧ゲ
インと位相差の特性を音叉型粘度センサ1の入出力比特
性として示すグラフである。電圧ゲインG(dB/デシ
ベル)は、振動子3への入力信号をVI(ボルト)、振
動センサ4の出力信号をV0(ボルト)とすると、下式
で表される。 G=20log10(V0/VI) 電圧ゲインGは低周波側から共振周波数f1に近づくに
つれて増加し、共振周波数f1で最大値となった後に減
少する。また、共振周波数f1での電圧ゲインGのピー
ク値をピークゲインG1とし、ピークゲインG1から3d
B下がった位置での周波数幅(バンド幅)をΔfとする
と、共振特性の共振先鋭度Qは、Q=f1/Δfにより
求められる。
【0021】次に、周波数の変化に対する位相差P
1(度)は、共振周波数f1より低周波側では約180度
の位相差であるが、高周波側では約0度の位相差とな
る。音叉型粘度センサ1を液体中に浸漬して振動させた
ときの共振周波数f1での位相差Pは、液体の粘度及
び密度に依存して変化する。図3は、軽油、灯油、トリ
クロロエチレン、イソプロピルアルコール、フロリナー
トの中に音叉型粘度センサ1で測定した場合での位相差
を示す。図3では、位相差P1は、粘度ηのa乗と
密度ρのb乗との積に比例して変化することが明らかで
ある。即ち、a、b、k及びαを定数とすると、 P1=kηaρb+α ξ=ηaρb で表される。粘度η、密度ρの指数a、bは、最も相関
が良くなる条件から数値解析により求められる。位相差
1はξに対して直線的比例関係にあるから、密度ρが
既知のとき、位相差P1の測定結果より液体の粘度ηを
計算することができる。
【0022】周辺空気の温度を変化させながら温度と共
に共振周波数f1及び共振周波数f1での入出力位相差P
1を測定して、音叉型粘度センサ1の位相差の温度特性
を測定した。図4は、温度変化に対する5個の試料の位
相差の測定データを示すが、個々の位相差の測定値では
多少ばらつきはあるものの、0〜85℃の温度変化に対
してほぼ一定の(フラットな)位相差P1を示す。
【0023】また、被検液体としての軽油中に音叉型粘
度センサ1を浸漬し、軽油中で長期間連続して音叉型粘
度センサ1を駆動しながら軽油の温度を0〜80度で変
化させて共振周波数f1及び位相差P1の経時変化量を駆
動前後で測定した。軽油の粘度及び密度は温度の変化に
よって大きく変化するため、対応して共振周波数f1
位相差P1が変化する。これより共振周波数f1及び位相
差P1の粘度・密度感度特性が求められる。ここで、経
時変化量の評価に際しては、まず音叉型粘度センサ1を
軽油中に浸漬し、軽油温度を約−10℃から約85℃の
範囲内で変化させ、共振周波数f1及び位相差P1を測定
し、その後、音叉型粘度センサ1を軽油中に浸漬した状
態で4時間を1温度サイクルとする−10〜85℃の温
度サイクルを200時間連続して加え、その後再度軽油
中の音叉型粘度センサ1の共振周波数f1及び位相差P1
を上記と同様に軽油温度−10〜85℃で測定して、両
者の差から共振周波数f1、位相差P1の経時変化量を評
価した。
【0024】図5は200時間の温度サイクル試験を実
施するサイクル前及びサイクル後で軽油の温度変化に対
する音叉型粘度センサ1の位相差P1の変化をそれぞれ
白丸及び黒丸で示す。両者共に軽油の温度上昇に伴って
位相差が増加する傾向を示しているが、これは、軽油の
粘度及び密度が温度の上昇と共に減少することによる変
化である。そして、図5に示される更に重要な実験結果
は、温度サイクル前後では位相差P1の経時変化は実質
的に観測されていない事である。また、軽油の温度変化
に対する共振周波数f1及び共振先鋭度Qも同時に測定
した。図6及び図7に共振周波数f1及び共振先鋭度Q
の経時変化の結果を示すが、ここに見られるように、共
振周波数f1及び共振先鋭度Qは、経時変化によって測
定値が明らかに低下する現象が認められる。このよう
に、共振周波数f1及び共振先鋭度Qの測定結果との比
較からも位相差P1の測定値の安定性を理解できよう。
【0025】本発明の実施の形態では、下記の作用効果
が得られる。 [1] 空気中で音叉型粘度センサ1の温度が変化して
も、位相差P1は約90度で一定であり、フラットで良
好な温度特性を有する。 [2] 音叉型粘度センサ1を液体中に浸漬して、液体
の温度を広範囲に変化させた場合でも、実質的に液体の
粘度・密度のみに依存する出力が振動センサ4から得ら
れる。 [3] 長期間連続して使用しても、共振周波数f及び
共振先鋭度Qに比べて、位相差P1は被検液体からの汚
れによる出力の経時変化が非常に小さい。 [4] 低周波振動子を用いることができるため、感度
が過大にならず、適度な感度の粘度センサが得られる。 [5] 温度に対する補正をせずに広い温度範囲で粘度
を測定できる。
【0026】本発明の実施の形態は前記の例に限定され
ず、変更が可能である。例えば、音叉型振動体を使用す
る代わりに、カンチレバー(片持ち梁)型等他の形状に
形成することができる。
【0027】
【発明の効果】本発明では、広範囲に温度が変化する液
体中で長期間正確な液体の粘度を検出することができ
る。従って、長期間連続的に使用される車載用エンジン
又はプラント内で粘度を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による液体粘度測定装置の斜視図
【図2】 本発明による液体粘度測定装置の周波数変化
に対するゲイン及び位相差の変化を示すグラフ
【図3】 液体の粘度、密度及び共振周波数での位相差
との関係を示すグラフ
【図4】 液体粘度測定装置の位相差の温度特性を示す
グラフ
【図5】 液体粘度測定装置の200時間の連続使用前
後での位相差の変化を示すグラフ
【図6】 液体粘度測定装置の200時間の連続使用前
後での周波数の変化を示すグラフ
【図7】 液体粘度測定装置の200時間の連続使用前
後での共振先鋭度Q値の変化を示すグラフ
【符号の説明】
1・・音叉型粘度センサ(液体粘度測定装置)、 2・
・音叉型振動体、 3・・振動子、 4・・振動セン
サ、 5・・発振器、 6・・粘度演算装置、

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動子及び振動センサを取り付けた振動
    体を液体中に浸漬する過程と、 振動子に振動電圧を印加して振動体を共振周波数
    (f1)で振動させる過程と、 振動体が共振周波数(f1)で振動するときの振動子と
    振動センサとの位相差(P1)を検出する過程と、 振動子と振動センサとの位相差(P1)と予め測定した
    粘度(η)との関係により液体の粘度(η)を測定する
    過程とを含むことを特徴とする液体粘度測定方法。
  2. 【請求項2】 振動子に振動電圧を印加するとき、入力
    信号を(VI)、振動センサの出力信号を(V0)とする
    と、電圧ゲイン(G)は下式: G=20log10(V0/VI) で表され、共振周波数(f1)での電圧ゲイン(G)の
    ピークゲイン(G1)が得られる請求項1に記載の液体
    粘度測定方法。
  3. 【請求項3】 位相差をP1、液体の粘度をη、液体の
    密度をρ、a、b、k及びαを定数とすると、位相差P
    1と液体の粘度ηとの間に下記の関係: P1=kηaρb+α が存在する請求項1に記載の液体粘度測定方法。
  4. 【請求項4】 一対のカンチレバー部を有しかつ液体中
    に浸漬される音叉型振動体と、 音叉型振動体の一方のカンチレバー部に取り付けられた
    振動子と、 振動子に振動電圧を印加する発振器と、 音叉型振動体の他方のカンチレバー部に取り付けられた
    振動センサと、 液体の粘度(η)を測定する粘度演算装置を備え、 粘度演算装置は、振動子に振動電圧を印加することによ
    り音叉型振動体を共振周波数(f1)で振動させ、音叉
    型振動体が共振周波数(f1)で振動するときの振動子
    と振動センサとの位相差(P1)を検出し、振動子と振
    動センサとの位相差(P1)と予め測定した粘度(η)
    との関係により液体の粘度(η)を測定することを特徴
    とする液体粘度測定装置。
  5. 【請求項5】 振動子に振動電圧を印加するとき、入力
    信号を(VI)、振動センサの出力信号を(V0)とする
    と、電圧ゲイン(G)は下式: G=20log10(V0/VI) で表され、共振周波数(f1)での電圧ゲイン(G)の
    ピークゲイン(G1)が得られる請求項4に記載の液体
    粘度測定装置。
  6. 【請求項6】 位相差をP1、液体の粘度をη、液体の
    密度をρ、a、b、k及びαを定数とすると、位相差P
    1と液体の粘度ηとの間に下記の関係: P1=kηaρb+α が存在する請求項4に記載の液体粘度測定装置。
  7. 【請求項7】 振動子及び振動センサは、チタン酸ジル
    コニウム酸鉛(Pb(Zr,Ti)O3)、チタン酸バ
    リウム(TiBaO3)、複合ペロブスカイト(A
    (B1,BH)O3−PZT)、チタン酸鉛(PbTi
    3)等のバルク圧電体、酸化亜鉛(ZnO)、窒化ア
    ルミニウム(AlN)等の薄膜圧電体又はポリフッ化ビ
    ニリデン(PVDF)、フッ化ビニリデンとトリフルオ
    ロエチレンの共重合体等の有機物圧電体のいずれかであ
    る請求項4に記載の液体粘度測定装置。
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