JP2016049933A - 走行支援システム、走行支援方法及びコンピュータプログラム - Google Patents

走行支援システム、走行支援方法及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】前方車両との車間距離を大きく空けることなく車両から前方の視認対象物を視認可能な走行支援システム、走行支援方法及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】車両の進行方向前方に視認対象物である信号機の設置された分岐点がある場合に、車両において信号機を視認する視点に対する信号機の相対位置を取得するとともに、車両と信号機との間にある前方車両の車幅を取得し、取得した信号機の相対位置と前方車両の車幅とに基づいて、車両の視点から前方車両の右方又は左方に信号機を視認する為の前方車両との車間距離を算出し、算出された車間距離に基づいて車両の走行の支援を行うように構成する。
【選択図】図12

Description

本発明は、車両の走行を支援する走行支援システム、走行支援方法及びコンピュータプログラムに関する。
一般的に、道路を走行する際において、前方車両が車高の高いトラックやバスなどであった場合に、該前方車両の前方の様子が運転者から視認できない状況がある。従って、前方に信号機、道路標識(特に方面を案内する案内標識)、踏切の警報機等の視認対象物が存在する場合には、それらの存在に気付かない場合や気付くのが遅れることが考えられる。その結果、信号機が赤の状態で交差点に進入したり、右左折する交差点を間違えたり、急ブレーキをかける等の事態が生じる場合があった。
また、近年では車両の走行形態として、ユーザの運転操作に基づいて走行する手動走行以外に、ユーザの運転操作によらず車両が予め設定された経路に沿って自動的に走行を行う自動運転制御による走行について新たに提案されている。自動運転制御では、例えば、車両の現在位置、車両が走行する車線、周辺の他車両の位置、上述の視認対象物をカメラやセンサを用いて随時検出し、予め設定された経路に沿って走行するようにステアリング、駆動源、ブレーキ等の車両制御が自動で行われる。ここで、自動運転制御による走行はユーザの運転に係る負担を軽減できるメリットがあるが、上記と同様の理由で前方車両が壁となって視認対象物を検出できない状況では、自動運転制御で走行を行わせることが困難となる問題もあった。
そこで、例えば特開2013−184664号公報には、上記問題を解消する技術の一つとして、車両の進行方向前方に信号機があって、且つその信号機の手前で前方車両が停止している場合において、信号機の高さや前方車両の車高に基づいて信号機を視認する為に必要な前方車両との車間距離を算出することが記載されている。そして、前方車両との車間距離が算出された距離となるように車両を制御することが記載されている。
特開2013−184664号公報(第16−18頁、図5)
しかしながら、上記特許文献1の記載の技術では、前方車両との車間距離を非常に大きく空ける必要があった。例えば、図14に示すように自車両101の視点(運転者の目の位置やカメラのレンズ位置)の高さh1が1mで、前方車両102の車高h2が3mで、視認対象物である信号機103の高さh3が5mで、信号機103から前方車両102までの距離L1が40mで、前方車両102の全長L2が12mで、自車両101の視点から自車両101の先端までの距離L3が2mと仮定すると、信号機103を視認する為に必要な前方車両102との車間距離L4は約54mとなる。
このような大きな車間距離は、走行する車両の数が多い場合において特に以下の問題が生じる。先ず、前方車両との間に他車両が割り込み易く、他車両が割り込む度に車間距離を再度調整する必要が生じる。また、車間距離を空けるためには減速する必要があり、交通流を悪くする原因となる。また、交差点では前方車両との間で車間距離を大きく空けることによって信号機の手前に単位距離当たりに停車する車両の数が少なくなり、信号が青に変わった後の交差点でのスムーズな車両の走行が妨げられる虞がある。また、信号機から遠く離れた車両では信号機の状況が把握し難くなる問題も生じる。
本発明は前記従来における問題点を解消するためになされたものであり、前方車両との車間距離を大きく空けることなく車両から前方の視認対象物を視認可能となり、また、車両の交通を妨げることがない走行支援システム、走行支援方法及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため本発明に係る走行支援システム(1)は、車両(52)の進行方向前方に設置された視認対象物(53)について、前記車両において前記視認対象物を視認する視点に対する相対位置を取得する対象物位置取得手段(41)と、前記車両と前記視認対象物との間にある前方車両(55)の車幅を取得する前方車両車幅取得手段(41)と、前記視認対象物の相対位置と前記前方車両の車幅とに基づいて、前記車両の視点から前記前方車両の右方又は左方に前記視認対象物を視認する為の前記前方車両との車間距離を算出する側方車間算出手段(41)と、前記側方車間算出手段により算出された車間距離である側方車間距離に基づいて前記車両の走行の支援を行う走行支援手段(41)と、を有することを特徴とする。
尚、「視認対象物」とは、道路上に設置され、運転者や撮像装置が運転中に視認する構造物であり、例えば、信号機、道路標識(特に方面を案内する案内標識)、踏切の警報機、看板等がある。
また、本発明に係る走行支援方法は、対象物位置取得手段(41)が、車両(52)の進行方向前方に設置された視認対象物(53)について、前記車両において前記視認対象物を視認する視点に対する相対位置を取得するステップと、前方車両車幅取得手段(41)が、前記車両と前記視認対象物との間にある前方車両(55)の車幅を取得するステップと、側方車間算出手段(41)が、前記視認対象物の相対位置と前記前方車両の車幅とに基づいて、前記車両の視点から前記前方車両の右方又は左方に前記視認対象物を視認する為の前記前方車両との車間距離を算出するステップと、走行支援手段(41)が、前記側方車間算出手段により算出された車間距離である側方車間距離に基づいて前記車両の走行の支援を行うステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、車両の進行方向前方に設置された視認対象物について、前記車両において前記視認対象物を視認する視点に対する相対位置を取得する対象物位置取得手段(41)と、前記車両と前記視認対象物との間にある前方車両(55)の車幅を取得する前方車両車幅取得手段(41)と、前記視認対象物の相対位置と前記前方車両の車幅とに基づいて、前記車両の視点から前記前方車両の右方又は左方に前記視認対象物を視認する為の前記前方車両との車間距離を算出する側方車間算出手段(41)と、前記側方車間算出手段により算出された車間距離である側方車間距離に基づいて前記車両の走行の支援を行う走行支援手段(41)と、して機能させることを特徴とする。
前記構成を有する本発明に係る走行支援システム、走行支援方法及びコンピュータプログラムによれば、前方車両越しの左右方向の視認も考慮することによって従来に比べて前方車両との車間距離を必要以上に大きく空けることなく車両から前方の視認対象物を視認可能となる。また、交通流を悪くする虞もない。更に、特に視認対象物が交差点に設置された信号機である場合には、従来の車間距離を調整する技術と比較して信号機の手前に単位距離当たりに停車する車両の数が少なくなる問題も無いので、交差点における車両の交通を妨げることがなく、交差点で停車する各車両から信号機を確実に視認させることが可能となる。
本実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示したブロック図である。 本実施形態に係る走行支援処理プログラムのフローチャートである。 視認限界点を説明した図である。 本実施形態に係る視認推奨位置算出処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。 視認推奨位置の算出条件の一例を示した図である。 視認推奨位置の算出条件の一例を示した図である。 視認推奨位置の算出条件の一例を示した図である。 視認推奨位置を説明した図である。 本実施形態に係る上下方向に基づく推奨車間距離算出処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。 上方車間距離の算出方法について説明した図である。 本実施形態に係る左右方向に基づく推奨車間距離算出処理のサブ処理プログラムのフローチャートである。 側方車間距離の算出方法について説明した図である。 信号機の設置位置による側方車間距離の差異について説明した図である。 従来技術の問題点について説明した図である。
以下、本発明に係る走行支援システムを、ナビゲーション装置に具体化した一実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。先ず、本実施形態に係るナビゲーション装置1の概略構成について図1を用いて説明する。図1は本実施形態に係るナビゲーション装置1を示したブロック図である。
図1に示すように本実施形態に係るナビゲーション装置1は、ナビゲーション装置1が搭載された車両の現在位置を検出する現在位置検出部11と、各種のデータが記録されたデータ記録部12と、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーションECU13と、ユーザからの操作を受け付ける操作部14と、ユーザに対して車両周辺の地図やナビゲーション装置1で設定されている案内経路(車両の走行予定経路)に関する情報等を表示する液晶ディスプレイ15と、経路案内に関する音声ガイダンスを出力するスピーカ16と、記憶媒体であるDVDを読み取るDVDドライブ17と、プローブセンタやVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System)センタ等の情報センタとの間で通信を行う通信モジュール18と、から構成されている。また、ナビゲーション装置1はCAN等の車載ネットワークを介して、ナビゲーション装置1の搭載された車両に対して設置された車外カメラ19や各種センサが接続されている。更に、ナビゲーション装置1の搭載された車両に対する各種制御を行う車両制御ECU20とも双方向通信可能に接続されている。また、自動運転開始ボタン等の車両に搭載された各種操作ボタン21についても接続されている。
以下に、ナビゲーション装置1を構成する各構成要素について順に説明する。
現在位置検出部11は、GPS22、車速センサ23、ステアリングセンサ24、ジャイロセンサ25等からなり、現在の車両の位置、方位、車両の走行速度、現在時刻等を検出することが可能となっている。ここで、特に車速センサ23は、車両の移動距離や車速を検出する為のセンサであり、車両の駆動輪の回転に応じてパルスを発生させ、パルス信号をナビゲーションECU13に出力する。そして、ナビゲーションECU13は発生するパルスを計数することにより駆動輪の回転速度や移動距離を算出する。尚、上記4種類のセンサをナビゲーション装置1が全て備える必要はなく、これらの内の1又は複数種類のセンサのみをナビゲーション装置1が備える構成としても良い。
また、データ記録部12は、外部記憶装置及び記録媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記録された地図情報DB31や所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバである記録ヘッド(図示せず)とを備えている。尚、データ記録部12をハードディスクの代わりにフラッシュメモリやメモリーカードやCDやDVD等の光ディスクにより構成しても良い。また、地図情報DB31は外部のサーバに格納させ、ナビゲーション装置1が通信により取得する構成としても良い。
ここで、地図情報DB31は、例えば、道路(リンク)に関するリンクデータ33、ノード点に関するノードデータ34、経路の探索や変更に係る処理に用いられる探索データ35、視認対象物に関する視認対象物データ36、施設に関する施設データ、地図を表示するための地図表示データ、各交差点に関する交差点データ、地点を検索するための検索データ等が記憶された記憶手段である。
また、リンクデータ33としては、道路を構成する各リンクに関してリンクの属する道路の幅員、勾(こう)配、カント、バンク、路面の状態、合流区間、道路構造、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切り等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路等を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道のほか、高速自動車国道、都市高速道路、自動車専用道路、一般有料道路、有料橋等の有料道路を表すデータがそれぞれ記録される。
また、ノードデータ34としては、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等も含む)や各道路に曲率半径等に応じて所定の距離毎に設定されたノード点の座標(位置)、ノードが交差点に対応するノードであるか等を表すノード属性、ノードに接続するリンクのリンク番号のリストである接続リンク番号リスト、ノードにリンクを介して隣接するノードのノード番号のリストである隣接ノード番号リスト、各ノード点の高さ(高度)、信号機の設置の有無等に関するデータ等が記録される。
また、探索データ35としては、出発地(例えば車両の現在位置)から設定された目的地までの経路を探索する経路探索処理に使用される各種データについて記録されている。具体的には、交差点に対する経路として適正の程度を数値化したコスト(以下、交差点コストという)や道路を構成するリンクに対する経路として適正の程度を数値化したコスト(以下、リンクコストという)等の探索コストを算出する為に使用するコスト算出データが記憶されている。
また、視認対象物データ36としては、視認対象物の設置された位置座標や高さに関する情報が記憶される。ここで、視認対象物とは道路上に設置され、運転者や車外カメラ19が走行中に視認する構造物であり、例えば、信号機、道路標識(特に方面を案内する案内標識)、踏切の警報機、看板等がある。
一方、ナビゲーションECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)13は、ナビゲーション装置1の全体の制御を行う電子制御ユニットであり、演算装置及び制御装置としてのCPU41、並びにCPU41が各種の演算処理を行うにあたってワーキングメモリとして使用されるとともに、経路が探索されたときの経路データ等が記憶されるRAM42、制御用のプログラムのほか、後述の走行支援処理プログラム(図2参照)等が記録されたROM43、ROM43から読み出したプログラムを記憶するフラッシュメモリ44等の内部記憶装置を備えている。尚、ナビゲーションECU13は、処理アルゴリズムとしての各種手段を構成する。例えば、対象物位置取得手段は、車両の進行方向前方に設置された視認対象物について、車両において視認対象物を視認する視点に対する相対位置を取得する。前方車両車幅取得手段は、車両と視認対象物との間にある前方車両の車幅を取得する。側方車間算出手段は、側方視認対象物の相対位置と前方車両の車幅とに基づいて、車両の視点から前方車両の右方又は左方に視認対象物を視認する為の前方車両との車間距離を算出する。走行支援手段は、側方車間算出手段により算出された車間距離である側方車間距離に基づいて車両の走行の支援を行う。
操作部14は、走行開始地点としての出発地及び走行終了地点としての目的地を入力する際等に操作され、各種のキー、ボタン等の複数の操作スイッチ(図示せず)から構成される。そして、ナビゲーションECU13は、各スイッチの押下等により出力されるスイッチ信号に基づき、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部14は液晶ディスプレイ15の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。また、マイクと音声認識装置によって構成することもできる。
また、液晶ディスプレイ15には、道路を含む地図画像、交通情報、操作案内、操作メニュー、キーの案内、案内経路(走行予定経路)に沿った案内情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組等が表示される。また、本実施形態では、視認対象物(信号機、踏切の警報器等)が検出できない等の理由によって自動運転制御が実施できないと判定された場合には、自動運転制御から手動運転への引き継ぎをユーザに促す案内についても出力される。尚、液晶ディスプレイ15の代わりに、HUDやHMDを用いても良い。
ここで、車両の走行形態としては、ユーザの運転操作に基づいて走行する手動運転走行に加えて、ユーザの運転操作によらず車両が予め設定された経路に沿って自動的に走行を行う自動運転制御による走行が可能である。尚、自動運転制御では、例えば、車両の現在位置、車両が走行する車線、周辺の他車両の位置を随時検出し、車両制御ECU20によって予め設定された経路に沿って走行するようにステアリング、駆動源、ブレーキ等の車両制御が自動で行われる。尚、自動運転制御の詳細については既に公知であるので説明は省略する。また、自動運転制御は全ての道路区間に対して行っても良いし、特定の道路区間(例えば境界にゲート(有人無人、有料無料は問わない)が設けられた高速道路)を車両が走行する間のみ行う構成としても良い。以下の説明では車両の自動運転制御が行われる自動運転区間は、一般道や高速道路を含む全ての道路区間とし、車両が道路上を走行する間において基本的に上記自動運転制御が行われるとして説明する。但し、車両が自動運転区間を走行する場合には必ず自動運転制御が行われるのではなく、ユーザにより自動運転制御を行うことが選択され、且つ自動運転制御で走行を行わせることが可能と判定された状況でのみ行われる。即ち、自動運転区間は、車両に対して手動運転に加えて自動運転制御を行うことが許可された区間である。
上記自動運転制御による走行は、ユーザの運転に係る負担を軽減できるメリットがあるが、道路状況や周辺環境によっては自動運転制御で走行を行わせることが難しい状況がある。例えば、所定距離以内での車線変更や合流が必要となる区間や、区画線が消えている又はカメラで認識できない程度まで薄くなっている区間を走行する場合、信号機や踏切の警報器等の視認対象物が検出できない場合等である。従って、本実施形態に係るナビゲーション装置1では、自動運転区間を走行する場合において、車外カメラ19や外部サーバから取得した情報を考慮して自動運転制御が実施できるか否かを判定し、自動運転制御が実施できないと判定された場合には、自動運転制御から手動運転への切り替えを自動で行ったり、自動運転制御から手動運転への引き継ぎをユーザに促す案内を行う。
また、スピーカ16は、ナビゲーションECU13からの指示に基づいて案内経路に沿った走行を案内する音声ガイダンスや、交通情報の案内を出力する。また、本実施形態では、視認対象物(信号機、踏切の警報器等)が検出できない等の理由によって自動運転制御が実施できないと判定された場合には、自動運転制御から手動運転への引き継ぎをユーザに促す音声についても出力される。
また、DVDドライブ17は、DVDやCD等の記録媒体に記録されたデータを読み取り可能なドライブである。そして、読み取ったデータに基づいて音楽や映像の再生、地図情報DB31の更新等が行われる。尚、DVDドライブ17に替えてメモリーカードを読み書きする為のカードスロットを設けても良い。
また、通信モジュール18は、交通情報センタ、例えば、VICSセンタやプローブセンタ等から送信された交通情報、プローブ情報、天候情報等を受信する為の通信装置であり、例えば携帯電話機やDCMが該当する。また、車車間で通信を行う車車間通信装置や路側機との間で通信を行う路車間通信装置も含む。
また、車外カメラ19は、例えばCCD等の固体撮像素子を用いたカメラにより構成された撮像装置であり、車両のルームミラーの裏側に取り付けられるとともに光軸方向を車両の進行方向前方に向けて設置される。そして、車外カメラ19は、車両が自動運転区間を走行する場合において、車両の進行方向前方を撮像する。また、車両制御ECU20は撮像された撮像画像に対して画像処理を行うことによって、車両が走行する道路に描かれた区画線や周辺の他車両や視認対象物等を検出し、検出結果に基づいて車両の自動運転制御を行う。尚、車外カメラ19は車両前方以外に後方や側方に配置するように構成しても良い。また、他車両を検出する手段としてはカメラの代わりにミリ波レーダ等のセンサや車車間通信や路車間通信を用いても良い。
また、車両制御ECU20は、ナビゲーション装置1が搭載された車両の制御を行う電子制御ユニットである。また、車両制御ECU20にはステアリング、ブレーキ、アクセル等の車両の各駆動部と接続されており、本実施形態では特に車両が自動運転区間を走行する場合において各駆動部を制御することにより車両の自動運転制御を実施する。また、ナビゲーションECU13は、車両の走行予定経路(案内経路)が決定された時点で、CANを介して車両制御ECU20に対して自動運転制御に関する指示信号を送信する。そして、車両制御ECU20は受信した指示信号に応じて走行開始後の自動運転制御を実施する。尚、指示信号の内容は、走行予定経路(案内経路)を特定する情報と、走行予定経路に含まれる自動運転区間に対して、車両に対して行われる自動運転制御の制御内容(例えば、直進、右へ車線変更、合流等)を設定した情報である。
続いて、上記構成を有する本実施形態に係るナビゲーション装置1においてCPU41が実行する走行支援処理プログラムについて図2に基づき説明する。図2は本実施形態に係る走行支援処理プログラムのフローチャートである。ここで、走行支援処理プログラムは、車両の走行予定経路(案内経路)が決定された後において所定間隔(例えば100ms間隔)で実行され、自動運転制御による走行の支援を行うプログラムである。尚、走行予定経路は、例えば走行開始時においてユーザが目的地を設定することにより、公知のダイクストラ法を用いた経路探索処理が実行され、複数の候補の内からユーザの操作により決定される。また、以下の図2、図4、図9、図11にフローチャートで示されるプログラムは、ナビゲーション装置1が備えているRAM42やROM43に記憶されており、CPU41により実行される。
先ず、走行支援処理プログラムでは先ずステップ(以下、Sと略記する)1において、CPU41は、車両における自動運転制御が実行中であるか否かを判定する。
ここで、自動運転制御は、車両が自動運転区間を走行する場合であって、ユーザにより自動運転制御を行うことが選択され、且つ自動運転制御で走行を行わせることが可能と判定された状況でのみ実施される。尚、本実施形態では自動運転区間は一般道や高速道路を含む全ての道路区間とする。また、ユーザにより自動運転制御を行うことが選択されたか否かは、例えば自動運転開始ボタンが押下されたか否かにより判断する。ここで、自動運転開始ボタンは、インストルメントパネル等に配置され、ユーザが自動運転制御と手動運転との切り替えを希望する際に押下される。具体的には、自動運転区間を車両が手動運転により走行する状態で押下されると自動運転制御が開始され、一方で自動運転制御の実行中に押下されると自動運転区間の走行中であっても自動運転制御は終了し、手動運転へと切り替わる。また、自動運転制御で走行を行わせることができないと判定される状況としては、例えば所定距離以内での車線変更や合流が必要となる区間や、区画線が消えている又はカメラで認識できない程度まで薄くなっている区間を走行する場合、後述のように信号機や踏切の警報器等の視認対象物が検出できない場合等がある。
そして、車両における自動運転制御が実行中であると判定された場合(S1:YES)には、S2へと移行する。それに対して、車両における自動運転制御が実行中でないと判定された場合(S1:NO)、即ち手動運転により走行中である場合には、当該走行支援処理プログラムを終了する。
S2においてCPU41は、車両の現在位置を現在位置検出部11の検出結果に基づいて取得する。尚、車両の現在位置を地図データ上で特定するマップマッチング処理についても行う。更に、車両の現在位置は、高精度ロケーション技術を用いて詳細に特定することが望ましい。ここで、高精度ロケーション技術とは、車両後方のカメラから取り込んだ白線や路面ペイント情報を画像認識により検出し、更に、白線や路面ペイント情報を予め記憶した地図情報DBと照合することにより、走行車線や高精度な車両位置を検出可能にする技術である。尚、高精度ロケーション技術の詳細については既に公知であるので省略する。
次に、S3においてCPU41は、前記S2で取得した車両の現在位置と地図情報DB31に記憶された地図情報に基づいて、車両の進行方向前方(例えば1km以内)にある分岐点に視認対象物である信号機が設置されているか否か判定する。尚、以下の説明では視認対象物として特に信号機を例に挙げて説明するが、信号機以外の道路標識(特に方面を案内する案内標識)、踏切の警報機、看板等を対象としても良い。
そして、車両の進行方向前方にある分岐点に視認対象物である信号機が設置されていると判定された場合(S3:YES)には、S4へと移行する。それに対して、車両の進行方向前方に分岐点がない、又は分岐点はあるが視認対象物である信号機が設置されていないと判定された場合(S3:NO)には、当該走行支援処理プログラムを終了する。その後、車両では継続して自動運転制御による走行が実施される。
S4においてCPU41は、車両の進行方向前方にある分岐点及び信号機に関する情報、自車両に関する情報、自車両の周辺環境をそれぞれ取得する。具体的には、以下の情報を取得する。
(1)自車両から進行方向前方にある分岐点までの距離。
(2)自車両から分岐点に設けられた停止線までの距離(停止線がない場合には分岐点への進入開始地点から所定距離(例えば1m)手前に停止線があると仮定する)。
(3)複数車線から構成される道路である場合には自車両が走行する車線位置。
(4)信号機の設置位置(信号機が分岐点に対して2か所以上に設置されている場合には、各信号機について取得)。
(5)自車両から信号機までの間(自車両の走行する車線以外の車線も含む)に位置する他車両の有無。
尚、上記(1)〜(5)の情報は、地図情報DB31から情報を読み出したり、車外カメラ19やその他の各種センサの検出結果を取得したり、VICSセンタやプローブセンタ等の外部サーバと通信を行うことによって取得する。
その後、S5においてCPU41は、車外カメラ19によって車両の進行方向前方にある信号機が視認できているか否かを判定する。具体的には、車外カメラ19で撮像された撮像画像に対して画像認識処理を行った結果、信号機が検出できた場合には、車外カメラ19によって車両の進行方向前方にある信号機が視認できていると判定する。
そして、車外カメラ19によって車両の進行方向前方にある信号機が視認できていると判定された場合(S5:YES)には、当該走行支援処理プログラムを終了する。その後、車両では車外カメラ19で撮像した撮像画像に対して画像認識処理を行い信号機の点灯状況を検出し、検出した信号機の点灯状況に応じて自動運転制御による走行が継続して実施される。
一方、車外カメラ19によって車両の進行方向前方にある信号機が視認できていないと判定された場合(S5:NO)には、S6へと移行する。
S6においてCPU41は、車両の進行方向前方にある分岐点に対する視認限界点を算出する。ここで、視認限界点は分岐点に設けられた停止線(停止線がない場合には分岐点への進入開始地点から所定距離手前に停止線があると仮定する)に閾値以下の減速度で車両が停止できる最も停止線に近い減速開始地点となる。
従って、図3に示すように分岐点51へ走行する車両52が視認限界点に到達するまでに車外カメラ19によって信号機53を視認できれば、仮に信号機53が赤であっても停止線54に車両52が停車できることとなる。一方、車両52が視認限界点を通過後に初めて車外カメラ19によって信号機53が赤であることを検出しても停止線54に車両52が停車できない。即ち、視認限界点は少なくとも当該地点に到達するまでに車外カメラ19によって信号機を視認しなければ、自動運転制御を継続することができない地点である。尚、閾値は車両や乗員に負担の生じない減速度の上限値とする。そして、減速開始点は現在の車両の車速によって異なる位置に算出され、例えば車両の車速が60km/hである場合には停止線から40m手前の地点となる。
次に、S7においてCPU41は、後述の視認推奨位置算出処理(図4)を実行する。ここで、視認推奨位置算出処理は、車両の進行方向前方にある信号機を前記S6で算出された視認限界点に到達した際に車外カメラ19によって視認する為の車両の位置(以下、視認推奨位置という)を算出する処理である。
続いて、S8においてCPU41は、前記S7において視認推奨位置が算出できたか否か判定する。
そして、前記S7において視認推奨位置が算出できたと判定された場合(S8:YES)には、CANを介して車両制御ECU20に対して算出された視認推奨位置を送信する(S9)。尚、視認推奨位置は、前方車両からの車間距離に加えて、車両が走行すべき車線や車線内の走行位置(中央、右寄り等)についても特定する。その後、車両制御ECU20は車両が視認限界点に到達する際に送信された視認推奨位置に車両が位置するように車両の加減速、車線変更、車線内の走行位置の変更を行う。尚、車線変更や車線内の走行位置の変更は車両制御ECU20が行わずにユーザに操作を促す案内を行い、ユーザの手動運転で行わせる構成としても良い。その結果、車外カメラ19は少なくとも視認限界点に車両が到達した際には信号機を視認可能となるので、視認可能となった信号機の点灯状況に応じて自動運転制御による走行を継続して実施することが可能となる。
一方、前記S7において視認推奨位置が算出できなかったと判定された場合(S8:NO)、即ちどのように車両の位置を移動させても視認限界点に到達するまでに車両の進行方向前方にある信号機を車外カメラ19によって視認することができないと判定された場合には、S10へと移行する。
S10においてCPU41は、手動運転への引き継ぎをユーザに促す案内を液晶ディスプレイ15やスピーカ16を用いて行う。例えば、「信号が検出できません。ご自分で確認して走行してください。」との音声を出力する。その後、車両制御ECU20は、案内を受けたユーザが自動運転開始ボタンを押下したり、ハンドル、アクセル、ブレーキ等を所定量以上操作することを条件として自動運転制御から手動運転へと車両の走行態様を切り替える。尚、ユーザの操作を介することなく手動運転への切り替えを自動的に行っても良い。また、分岐点を通過した後には自動的に自動運転制御に復帰させる構成としても良いし、ユーザが自動運転制御の開始操作をするまでは手動運転を行う構成としても良い。
次に、前記S7において実行される視認推奨位置算出処理のサブ処理プログラムについて図4を用いて説明する。
先ず、S21においてCPU41は、視認推奨位置の算出条件として、図5に示すように車両が現在走行する車線を継続して走行し、且つ車線内の中心位置を車両が走行すると仮定する。
次に、S22においてCPU41は、前記S21で設定された算出条件で車両が走行すると仮定して、後述の上下方向に基づく推奨車間距離算出処理(図9)を実行する。ここで、上下方向に基づく推奨車間距離算出処理は、車両の進行方向前方にある信号機を視認限界点に到達した際に車外カメラ19によって視認する為に必要な前方車両との車間距離(上方車間距離)を算出する処理である。特に、S22では信号機を前方車両越しに上方に視認する為の最短の車間距離を算出する。尚、現在走行する車線に前方車両が存在しない場合には上方車間距離は“0m”とする。
続いて、S23においてCPU41は、前記S21で設定された算出条件で車両が走行すると仮定して、後述の左右方向に基づく推奨車間距離算出処理(図11)を実行する。ここで、左右方向に基づく推奨車間距離算出処理は、車両の進行方向前方にある信号機を視認限界点に到達した際に車外カメラ19によって視認する為に必要な前方車両との車間距離(側方車間距離)を算出する処理である。特に、S23では信号機を前方車両越しに右方又は左方に視認する為の最短の車間距離を算出する。尚、現在走行する車線に前方車両が存在しない場合には側方車間距離は“0m”とする。
その後、S24においてCPU41は、前記S22で算出された上方車間距離と前記S23で算出された側方車間距離の内、短い方の距離を推奨車間距離として選択する。
次に、S25においてCPU41は、前記S24で選択された推奨車間距離が閾値以上であるか否か判定する。ここで、前記S25で判定基準となる閾値は、交通流を悪化させることなく前方車両との間で確保可能な車間距離の上限値とし、例えば車両の現在の車速で3秒間に進む距離とする。
そして、前記S24で選択された推奨車間距離が閾値以上であると判定された場合(S25:YES)には、現在の算出条件では適切な視認推奨位置が算出できないと認定し、S26へと移行する。それに対して、前記S24で選択された推奨車間距離が閾値未満であると判定された場合(S25:NO)には、現在の算出条件で適切な視認推奨位置が算出できると認定し、S36へと移行する。
S26においてCPU41は、視認推奨位置の算出条件を変更し、図6に示すように車両が現在走行する車線を継続して走行し、且つ車線内での車両の位置を信号機寄りに移動して走行すると仮定する。具体的には、信号機側の区画線から所定距離α(例えば15cm)離れた位置を走行すると仮定する。尚、信号機が複数ある場合には車両から左右方向(進行方向と交差する方向)に最も離れた位置にある信号機、即ち前方車両が存在しても最も見え易い位置にある信号機を対象とする。例えば、対向車線に信号機がある場合には対向車線にある信号機となる。
次に、S27においてCPU41は、前記S26で変更された算出条件で車両が走行すると仮定して、後述の左右方向に基づく推奨車間距離算出処理(図11)を実行する。ここで、左右方向に基づく推奨車間距離算出処理は、車両の進行方向前方にある信号機を視認限界点に到達した際に車外カメラ19によって視認する為に必要な前方車両との車間距離(側方車間距離)を算出する処理である。特に、S27では信号機を前方車両越しに右方又は左方に視認する為の最短の車間距離を算出する。
その後、S28においてCPU41は、前記S27で算出された側方車間距離を推奨車間距離として選択する。
次に、S29においてCPU41は、前記S28で選択された推奨車間距離が閾値以上であるか否か判定する。詳細についてはS25と同様であるので省略する。
そして、前記S28で選択された推奨車間距離が閾値以上であると判定された場合(S29:YES)には、現在の算出条件では適切な視認推奨位置が算出できないと認定し、S30へと移行する。それに対して、前記S28で選択された推奨車間距離が閾値未満であると判定された場合(S29:NO)には、現在の算出条件で適切な視認推奨位置が算出できると認定し、S36へと移行する。
S30においてCPU41は、車両の分岐点での進行方向(直進、右折、左折)と同方向に進行方向が区分され、且つ車両が現在走行する車線に隣接する車線があるか否か判定する。
そして、車両の分岐点での進行方向(直進、右折、左折)と同方向に進行方向が区分され、且つ車両が現在走行する車線に隣接する車線があると判定された場合(S30:YES)には、S31へと移行する。それに対して、車両の分岐点での進行方向(直進、右折、左折)と同方向に進行方向が区分され、且つ車両が現在走行する車線に隣接する車線がないと判定された場合(S30:NO)には、どのように車両の位置を移動させても視認限界点に到達するまでに車両の進行方向前方にある信号機を車外カメラ19によって視認することができないと認定し、S37へと移行する。
S31においてCPU41は、視認推奨位置の算出条件を変更し、図7に示すように車両が現在走行する車線から車両の分岐点での進行方向(直進、右折、左折)と同方向に進行方向が区分され、且つ車両が現在走行する車線に隣接する車線に車線変更し、且つ車線内の中心位置を車両が走行すると仮定する。
尚、条件を満たす車線が複数ある場合には、先ず前方車両が存在しない車線を最優先で車線変更の対象とし、前方車両が存在しない車線がない場合には信号機寄りの車線を車線変更の対象とする。また、信号機が複数ある場合には車両から左右方向(進行方向と交差する方向)に最も離れた位置にある信号機、即ち前方車両が存在しても最も見え易い位置にある信号機を対象とする。例えば、対向車線に信号機がある場合には対向車線にある信号機となる。
次に、S32においてCPU41は、前記S31で変更された算出条件で車両が走行すると仮定して、後述の上下方向に基づく推奨車間距離算出処理(図9)を実行する。ここで、上下方向に基づく推奨車間距離算出処理は、車両の進行方向前方にある信号機を視認限界点に到達した際に車外カメラ19によって視認する為に必要な前方車両との車間距離(上方車間距離)を算出する処理である。特に、S32では信号機を前方車両越しに上方に視認する為の最短の車間距離を算出する。尚、現在走行する車線に前方車両が存在しない場合には上方車間距離は“0m”とする。
続いて、S33においてCPU41は、前記S31で変更された算出条件で車両が走行すると仮定して、後述の左右方向に基づく推奨車間距離算出処理(図11)を実行する。ここで、左右方向に基づく推奨車間距離算出処理は、車両の進行方向前方にある信号機を視認限界点に到達した際に車外カメラ19によって視認する為に必要な前方車両との車間距離(側方車間距離)を算出する処理である。特に、S33では信号機を前方車両越しに右方又は左方に視認する為の最短の車間距離を算出する。尚、現在走行する車線に前方車両が存在しない場合には側方車間距離は“0m”とする。
その後、S34においてCPU41は、前記S32で算出された上方車間距離と前記S33で算出された側方車間距離の内、短い方の距離を推奨車間距離として選択する。
次に、S35においてCPU41は、前記S34で選択された推奨車間距離が閾値以上であるか否か判定する。詳細についてはS25と同様であるので省略する。
そして、前記S34で選択された推奨車間距離が閾値以上であると判定された場合(S35:YES)には、どのように車両の位置を移動させても視認限界点に到達するまでに車両の進行方向前方にある信号機を車外カメラ19によって視認することができないと認定し、S37へと移行する。それに対して、前記S34で選択された推奨車間距離が閾値未満であると判定された場合(S35:NO)には、現在の算出条件で適切な視認推奨位置が算出できると認定し、S36へと移行する。
S36においてCPU41は、前記S21、S26、S31のいずれかで設定されている算出条件と、算出された推奨車間距離に基づいて視認推奨位置を特定する。ここで、視認推奨位置は、車両の進行方向前方にある信号機を視認限界点に到達した際に車外カメラ19によって視認する為の車両の位置である。具体的には、算出条件として設定された車線と車線内の走行位置にあって、前方車両から推奨車間距離だけ離れた位置となる。例えば、前記S26で設定された算出条件で算出された推奨車間距離βが閾値未満であると判定された場合(S29:NO)には、図8に示すように車両が現在走行する車線内の信号機寄りの位置(信号機側の区画線からα離れた位置)であり、前方車両55から推奨車間距離βだけ離れた位置が視認推奨位置として特定される。その後、S8へと移行する。
一方、S37においてCPU41は、どのように車両の位置を移動させても視認限界点に到達するまでに車両の進行方向前方にある信号機を車外カメラ19によって視認することができないことから視認推奨位置については特定せず、S8へと移行する。
次に、前記S22、S32において実行される上下方向に基づく推奨車間距離算出処理のサブ処理プログラムについて図9を用いて説明する。
先ず、S41においてCPU41は、図10に示すように上方車間距離を算出するために必要な各種情報を取得する。
(1)自車両52の視点(車外カメラ19のレンズ位置)から自車両52の先端までの距離D1。
(2)自車両52の視点の高さH1。
(3)自車両52が走行すると算出条件で仮定されている車線に位置する前方車両55の高さH2。
(4)分岐点の停止線54から前記S6で算出された視認限界点までの進行方向に沿った距離D2(停止線がない場合には分岐点への進入開始地点から所定距離(例えば1m)手前に停止線があると仮定する)。
尚、上記(1)〜(4)の情報は、予めフラッシュメモリ44等に記憶されている情報を読み出したり、地図情報DB31から情報を読み出したり、車外カメラ19やその他の各種センサの検出結果を取得したり、VICSセンタやプローブセンタ等の外部サーバと通信を行うことによって取得する。
次に、S42においてCPU41は、上方車間距離の初期値として無限大を設定する。尚、現在の上方車間距離の値はRAM42等に格納される。
以降のS43〜S46の処理は、車両の進行方向前方にある分岐点に設置され、車両の進行方向から視認対象となる全ての信号機(進入側、退出側、車両の走行車線側、対向車線側のいずれに設置されているかは問わない)を対象として実行し、全ての信号機を対象として実行した後にS23又はS33へと移行する。
S43においてCPU41は、図10に示すように処理対象となる信号機53の高さH3と、分岐点の停止線54(停止線がない場合には分岐点への進入開始地点から所定距離(例えば1m)手前に停止線があると仮定する)から処理対象となる信号機53までの進行方向に沿った距離D3を取得する。
尚、上記情報は、地図情報DB31から情報を読み出したり、車外カメラ19やその他の各種センサの検出結果を取得したり、VICSセンタやプローブセンタ等の外部サーバと通信を行うことによって取得する。
次に、S44においてCPU41は、処理対象となる信号機を視認限界点に到達した際に車外カメラ19によって前方車両の上方に視認する為に必要な前方車両との車間距離X1(必要車間距離)を算出する。具体的には、以下の式(1)により算出される。
X1=(H2−H1)×(D1+D2+D3)÷(H3−H1)−D1・・・(1)
その後、S45においてCPU41は、RAM42から現在の上方車間距離の値を読み出し、前記S44で算出された必要車間距離X1が現在の上方車間距離の値よりも小さいか否か判定する。
そして、前記S44で算出された必要車間距離X1が現在の上方車間距離の値よりも小さいと判定された場合(S45:YES)には、前記S44で算出された必要車間距離X1を新たな上方車間距離として設定し、RAM42に再度格納する。
一方、前記S44で算出された必要車間距離X1が現在の上方車間距離の値以上であると判定された場合(S45:NO)には、上方車間距離を更新せずに処理を終了する。その後、処理対象となる信号機を変更してS43以降の処理を再度実行する。
そして、上記S43〜S46の処理を、車両の進行方向前方にある分岐点に設置され、車両の進行方向から視認対象となる全ての信号機を対象として繰り返し実行した結果、車両の進行方向前方にある分岐点に設置されたいずれかの信号機を視認限界点で前方車両の上方に視認することが可能な条件を満たす最も短い前方車両との車間距離が、上方車間距離として算出される。
次に、前記S23、S27、S33において実行される左右方向に基づく推奨車間距離算出処理のサブ処理プログラムについて図11を用いて説明する。
先ず、S51においてCPU41は、図12に示すように側方車間距離を算出するために必要な各種情報を取得する。
(1)自車両52の視点(車外カメラ19のレンズ位置)から自車両52の先端までの距離D1。
(2)自車両52が走行すると算出条件で仮定されている車線の中心から、同じく算出条件で仮定されている車線内の車両の走行位置に応じた視点までの進行方向の交差方向に沿った距離W1。
(3)自車両52が走行すると算出条件で仮定されている車線に位置する前方車両55の車幅W2。
(4)分岐点の停止線54から前記S6で算出された視認限界点までの進行方向に沿った距離D2(停止線がない場合には分岐点への進入開始地点から所定距離(例えば1m)手前に停止線があると仮定する)。
尚、上記(1)〜(4)の情報は、予めフラッシュメモリ44等に記憶されている情報を読み出したり、地図情報DB31から情報を読み出したり、車外カメラ19やその他の各種センサの検出結果を取得したり、VICSセンタやプローブセンタ等の外部サーバと通信を行うことによって取得する。
次に、S52においてCPU41は、側方車間距離の初期値として無限大を設定する。尚、現在の側方車間距離の値はRAM42等に格納される。
以降のS53〜S56の処理は、車両の進行方向前方にある分岐点に設置され、車両の進行方向から視認対象となる全ての信号機(進入側、退出側、車両の走行車線側、対向車線側のいずれに設置されているかは問わない)を対象として実行し、全ての信号機を対象として実行した後にS24、S28、又はS34へと移行する。
S53においてCPU41は、図12に示すように自車両52が走行すると算出条件で仮定されている車線の中心から処理対象となる信号機53までの進行方向の交差方向に沿った距離W3と、分岐点の停止線54(停止線がない場合には分岐点への進入開始地点から所定距離(例えば1m)手前に停止線があると仮定する)から処理対象となる信号機53までの進行方向に沿った距離D3を取得する。
尚、上記情報は、地図情報DB31から情報を読み出したり、車外カメラ19やその他の各種センサの検出結果を取得したり、VICSセンタやプローブセンタ等の外部サーバと通信を行うことによって取得する。
次に、S54においてCPU41は、処理対象となる信号機を視認限界点に到達した際に車外カメラ19によって前方車両の右方又は左方に視認する為に必要な前方車両との車間距離X2(必要車間距離)を算出する。具体的には、以下の式(2)により算出される。
X2=(W2/2−W1)×(D1+D2+D3)÷(W3−W1)−D1・・・(2)
尚、上記式(2)により算出される必要車間距離X2は、処理対象となる信号機が自車両の進行方向に交差する方向に沿って離れた位置にある(W3が大きい)ほど短くなる。従って、例えば図13に示すように自車両52の対向車線側に設置されている信号機53を対象として算出される必要車間距離X2は、自車両52が走行する車線側に設置されている信号機60を対象として算出される必要車間距離X2に比べてより短い距離となる。
その後、S55においてCPU41は、RAM42から現在の側方車間距離の値を読み出し、前記S54で算出された必要車間距離X2が現在の側方車間距離の値よりも小さいか否か判定する。
そして、前記S54で算出された必要車間距離X2が現在の側方車間距離の値よりも小さいと判定された場合(S55:YES)には、前記S54で算出された必要車間距離X2を新たな側方車間距離として設定し、RAM42に再度格納する。
一方、前記S54で算出された必要車間距離X2が現在の側方車間距離の値以上であると判定された場合(S55:NO)には、側方車間距離を更新せずに処理を終了する。その後、処理対象となる信号機を変更してS53以降の処理を再度実行する。
そして、上記S53〜S56の処理を、車両の進行方向前方にある分岐点に設置され、車両の進行方向から視認対象となる全ての信号機を対象として繰り返し実行した結果、車両の進行方向前方にある分岐点に設置されたいずれかの信号機を視認限界点で前方車両の右方又は左方に視認することが可能な条件を満たす最も短い前方車両との車間距離が、側方車間距離として算出される。尚、特に信号機が車両の進行方向に交差する方向に沿って離れた位置(例えば図12に示すように対向車線側)に設置されている場合には、上述したように必要車間距離X2が短く算出されるので、信号機を前方車両越しに右方又は左方で視認する為の側方車間距離は、前方車両越しに上方で視認する為の上方車間距離よりも基本的に短い距離となる。従って、上方車間距離のみを考慮する場合と比較して推奨車間距離が短くなり、前方車両との車間距離を必要以上に大きく空けることを防止できる。
以上詳細に説明した通り、本実施形態に係るナビゲーション装置1、ナビゲーション装置1による運転支援方法及びナビゲーション装置1で実行されるコンピュータプログラムでは、車両の進行方向前方に視認対象物である信号機の設置された分岐点がある場合に、車両において信号機を視認する視点に対する信号機の相対位置を取得するとともに(S51、S53)、車両と信号機との間にある前方車両の車幅を取得し(S51)、取得した信号機の相対位置と前方車両の車幅とに基づいて、車両の視点から前方車両の右方又は左方に信号機を視認する為の前方車両との車間距離を算出し(S56)、算出された車間距離に基づいて車両の走行の支援を行う(S9、S10)ので、前方車両越しの左右方向の視認も考慮することによって従来に比べて前方車両との車間距離を必要以上に大きく空けることなく車両から前方の信号機を視認可能となる。また、交通流を悪くする虞もない。更に、従来の車間距離を調整する技術と比較して信号機の手前に単位距離当たりに停車する車両の数が少なくなる問題も無いので、交差点における車両の交通を妨げることがなく、交差点で停車する各車両から信号機を確実に視認させることが可能となる。
尚、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
例えば、本実施形態では、視認対象物として車両の進行方向前方の分岐点に設置された信号機を例に挙げて説明しているが、道路標識(特に方面を案内する案内標識)、踏切の警報機、看板等を視認対象物としても良い。
また、本実施形態では、自動運転制御による走行中に車外カメラ19による視認対象物の視認を行う為の車両の走行支援を行う構成としているが、手動運転による走行中に運転者による視認対象物の視認を行う為の車両の走行支援を行う構成としても良い。その場合には、視認対象物を視認する視点は車外カメラ19ではなく運転者であるユーザの眼の位置となる。また、S9では視認推奨位置を案内したり、視認推奨位置へと車両を移動させる為に必要な車両操作(減速、車線変更、車線内の走行位置の変更)を案内するように構成する。
また、本実施形態では、走行支援処理プログラム(図2)をナビゲーション装置1が実行する構成としているが、車両制御ECU20が実行する構成としても良い。その場合には、車両制御ECU20は車両の現在位置や地図情報等をナビゲーション装置1から取得する構成とする。
また、本実施形態では、車両の操作のうち、車両の挙動に関する操作である、アクセル操作、ブレーキ操作及びハンドル操作の全てを車両制御ECU20が制御することをユーザの運転操作によらずに自動的に走行を行う為の自動運転制御として説明してきた。しかし、自動運転制御を、車両の操作のうち、車両の挙動に関する操作である、アクセル操作、ブレーキ操作及びハンドル操作の少なくとも一の操作を車両制御ECU20が制御することとしても良い。一方、ユーザの運転操作による手動運転とは車両の操作のうち、車両の挙動に関する操作である、アクセル操作、ブレーキ操作及びハンドル操作の全てをユーザが行うこととして説明する。
また、本発明はナビゲーション装置以外に、ユーザへの走行案内機能を有する装置に対して適用することが可能である。例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等(以下、携帯端末等という)に適用することも可能である。また、サーバと携帯端末等から構成されるシステムに対しても適用することが可能となる。その場合には、上述した走行支援処理プログラム(図2)の各ステップは、サーバと携帯端末等のいずれが実施する構成としても良い。但し、本発明を携帯端末等に適用する場合には、自動運転制御が実行可能な車両と携帯端末等が通信可能に接続(有線無線は問わない)される必要がある。
また、本発明に係る走行支援システムを具体化した実施例について上記に説明したが、走行支援システムは以下の構成を有することも可能であり、その場合には以下の効果を奏する。
例えば、第1の構成は以下のとおりである。
車両の進行方向前方に設置された視認対象物について、前記車両において前記視認対象物を視認する視点に対する相対位置を取得する対象物位置取得手段と、前記車両と前記視認対象物との間にある前方車両の車幅を取得する前方車両車幅取得手段と、前記視認対象物の相対位置と前記前方車両の車幅とに基づいて、前記車両の視点から前記前方車両の右方又は左方に前記視認対象物を視認する為の前記前方車両との車間距離を算出する側方車間算出手段と、前記側方車間算出手段により算出された車間距離である側方車間距離に基づいて前記車両の走行の支援を行う走行支援手段と、を有することを特徴とする。
上記構成を有する走行支援システムによれば、前方車両越しの左右方向の視認も考慮することによって従来に比べて前方車両との車間距離を必要以上に大きく空けることなく車両から前方の視認対象物を視認可能となる。また、交通流を悪くする虞もない。更に、特に視認対象物が交差点に設置された信号機である場合には、従来の車間距離を調整する技術と比較して信号機の手前に単位距離当たりに停車する車両の数が少なくなる問題も無いので、交差点における車両の交通を妨げることがなく、交差点で停車する各車両から信号機を確実に視認させることが可能となる。
また、第2の構成は以下のとおりである。
前記視認対象物は分岐点に設置された信号機であって、前記分岐点に設けられた停止線に閾値以下の減速度で前記車両が停止できる最も停止線に近い減速開始地点を視認限界点として特定する視認限界点特定手段を有し、前記側方車間算出手段は、前記視認限界点に到達した前記車両の視点から前記前方車両の右方又は左方に前記視認対象物を視認する為の前記前方車両との車間距離を算出し、前記走行支援手段は、前記車両が前記視認限界点に到達する際に前記前方車両との車間距離が前記側方車間距離となるように前記車両の走行の支援を行うことを特徴とする。
上記構成を有する走行支援システムによれば、閾値以下の減速度で停止線に車両が停止できる位置に車両が到達するまでに、車両の視点から前方の信号機を視認させることが可能となる。従って、車両に対して急停止等の負担のかかる車両制御が行われることを防止できる。
また、第3の構成は以下のとおりである。
前記車両と前記視認対象物との間にある前方車両の高さを取得する前方車両全高取得手段と、前記視認対象物の相対位置と前記視認対象物の高さとに基づいて、前記車両の視点から前記前方車両の上方に前記視認対象物を視認する為の前記前方車両との車間距離を算出する上方車間算出手段と、を有し、前記走行支援手段は、前記側方車間距離又は前記上方車間算出手段により算出された車間距離である上方車間距離に基づいて前記車両の走行の支援を行うことを特徴とする。
上記構成を有する走行支援システムによれば、前方車両越しの左右方向に加えて上方に視認対象物を視認する為の車間距離についても算出するので、車両の視点から前方の視認対象物を視認可能とする為のより正確な車間距離を算出することが可能となる。
また、第4の構成は以下のとおりである。
前記視認対象物は分岐点に設置された信号機であって、前記分岐点に設けられた停止線に閾値以下の減速度で前記車両が停止できる最も停止線に近い減速開始地点を視認限界点として特定する視認限界点特定手段を有し、前記側方車間算出手段は、前記視認限界点に到達した前記車両の視点から前記前方車両の右方又は左方に前記視認対象物を視認する為の前記前方車両との車間距離を算出し、前記上方車間算出手段は、前記視認限界点に到達した前記車両の視点から前記前方車両の上方に前記視認対象物を視認する為の前記前方車両との車間距離を算出し、前記走行支援手段は、前記車両が前記視認限界点に到達する際に前記前方車両との車間距離が前記側方車間距離又は前記上方車間距離となるように前記車両の走行の支援を行うことを特徴とする。
上記構成を有する走行支援システムによれば、閾値以下の減速度で停止線に車両が停止できる位置に車両が到達するまでに、車両の視点から前方の信号機を視認させることが可能となる。従って、車両に対して急停止等の負担のかかる車両制御が行われることを防止できる。
また、第5の構成は以下のとおりである。
前記側方車間距離と前記前方車間距離とを比較する車間距離比較手段を有し、前記走行支援手段は、前記側方車間距離と前記前方車間距離の内、距離の短い方の車間距離に基づいて前記車両の走行の支援を行うことを特徴とする。
上記構成を有する走行支援システムによれば、前方車両越しの左右方向に加えて上方に視認対象物を視認する為の車間距離についても算出し、距離が短い方の車間距離に基づいて走行の支援を行うので、車両から前方の視認対象物を視認可能とする為の最も短い車間距離を正確に特定でき、特定された車間距離に基づいてより適切な走行支援を行うことが可能となる。
また、第6の構成は以下のとおりである。
前記側方車間距離と前記前方車間距離の内、前記距離の短い方の車間距離が閾値以上であるか否か判定する距離判定手段を有し、前記側方車間算出手段は、前記距離判定手段によって前記距離の短い方の車間距離が閾値以上であると判定された場合に、前記車両の位置を前記車両の走行車線内で前記視認対象物側に移動すると仮定し、移動後の前記車両の位置に基づいて前記側方車間距離を再度算出することを特徴とする。
上記構成を有する走行支援システムによれば、現在の走行条件では車両から前方の視認対象物を視認可能とする為の車間距離が長く、交通流を悪化させる虞のある場合には、車両の位置を走行車線内で移動させることによって、車両から前方の視認対象物を視認可能とする為の車間距離をより短く算出することが可能となる。
また、第7の構成は以下のとおりである。
前記側方車間算出手段によって再度算出された前記側方車間距離が閾値以上であるか否か判定する再距離判定手段を有し、前記上方車間算出手段は、前記再距離判定手段によって前記側方車間距離が閾値以上であると判定された場合に、前記車両の位置を前記視認対象物側の他の車線に移動すると仮定し、移動後の前記車両の位置に基づいて前記上方車間距離を再度算出し、前記側方車間算出手段は、前記再距離判定手段によって前記側方車間距離が閾値以上であると判定された場合に、前記車両の位置を前記視認対象物側の他の車線に移動すると仮定し、移動後の前記車両の位置に基づいて前記側方車間距離を再度算出することを特徴とする。
上記構成を有する走行支援システムによれば、車線内の車両の走行位置を変更した後の走行条件であっても車両から前方の視認対象物を視認可能とする為の車間距離が長く、交通流を悪化させる虞のある場合には、車両の走行する車線を変更することによって、車両から前方の視認対象物を視認可能とする為の車間距離をより短く算出することが可能となる。
また、第8の構成は以下のとおりである。
前記車両は、車両周辺を撮像する撮像装置を備えるとともに前記撮像装置により撮像された撮像画像に基づいて前記車両の自動運転制御を実施し、前記車両の視点は、前記撮像装置の視点であることを特徴とする。
上記構成を有する走行支援システムによれば、自動運転区間を自動運転制御により走行している場合において、撮像装置から視認対象物を適切に視認させることができるので、自動運転制御に必要な情報を検出でき、自動運転制御が中断されることなく自動運転制御による走行を継続して行わせることが可能となる。
また、第9の構成は以下のとおりである。
前記走行支援手段は、前記車両が自動運転制御による走行を実施している場合であって、前記側方車間距離と前記前方車間距離の内、前記距離の短い方の車間距離が閾値未満であると判定された場合に、前記前方車両との車間距離が前記側方車間距離又は前記上方車間距離となるように前記車両を制御することを特徴とする。
上記構成を有する走行支援システムによれば、自動運転区間を自動運転制御により走行している場合において、車両を制御して前方車両との車間距離を調整することにより、撮像装置から視認対象物を適切に視認させることができる。従って、自動運転制御が中断されることなく自動運転制御による走行を継続して行わせることが可能となる。
また、第10の構成は以下のとおりである。
前記走行支援手段は、前記車両が自動運転制御による走行を実施している場合であって、前記側方車間距離と前記前方車間距離の内、前記距離の短い方の車間距離が閾値未満であると判定され、且つ前記側方車間距離が、前記車両の位置を前記車両の走行車線内で前記視認対象物側に移動する又は前記視認対象物側の他の車線に移動すると仮定して算出されている場合には、仮定された位置に車両が移動するように前記車両を制御することを特徴とする。
上記構成を有する走行支援システムによれば、自動運転区間を自動運転制御により走行している場合において、車両を制御して車線変更や車線内の車両の位置の移動を行うことにより、撮像装置から視認対象物を適切に視認させることができる。従って、自動運転制御が中断されることなく自動運転制御による走行を継続して行わせることが可能となる。
また、第11の構成は以下のとおりである。
前記走行支援手段は、前記車両が自動運転制御による走行を実施している場合であって、前記側方車間距離と前記前方車間距離の内、前記距離の短い方の車間距離が閾値以上であると判定された場合に、自動運転制御による走行から運転者の運転操作による手動運転へと前記車両の走行態様を切り替えることを特徴とする。
上記構成を有する走行支援システムによれば、自動運転区間を自動運転制御により走行する際において、撮像装置により視認対象物が視認できないことから自動運転制御が実施できない状況となる場合に、自動運転制御を中止するので、自動運転制御による走行と手動運転による走行を状況に合わせて適切なタイミングで切り替えることが可能となる。
1 ナビゲーション装置
13 ナビゲーションECU
15 液晶ディスプレイ
41 CPU
42 RAM
43 ROM
51 分岐点
52 自車両
53 信号機
54 停止線
55 前方車両

Claims (13)

  1. 車両の進行方向前方に設置された視認対象物について、前記車両において前記視認対象物を視認する視点に対する相対位置を取得する対象物位置取得手段と、
    前記車両と前記視認対象物との間にある前方車両の車幅を取得する前方車両車幅取得手段と、
    前記視認対象物の相対位置と前記前方車両の車幅とに基づいて、前記車両の視点から前記前方車両の右方又は左方に前記視認対象物を視認する為の前記前方車両との車間距離を算出する側方車間算出手段と、
    前記側方車間算出手段により算出された車間距離である側方車間距離に基づいて前記車両の走行の支援を行う走行支援手段と、を有することを特徴とする走行支援システム。
  2. 前記視認対象物は分岐点に設置された信号機であって、
    前記分岐点に設けられた停止線に閾値以下の減速度で前記車両が停止できる最も停止線に近い減速開始地点を視認限界点として特定する視認限界点特定手段を有し、
    前記側方車間算出手段は、前記視認限界点に到達した前記車両の視点から前記前方車両の右方又は左方に前記視認対象物を視認する為の前記前方車両との車間距離を算出し、
    前記走行支援手段は、前記車両が前記視認限界点に到達する際に前記前方車両との車間距離が前記側方車間距離となるように前記車両の走行の支援を行うことを特徴とする請求項1に記載の走行支援システム。
  3. 前記車両と前記視認対象物との間にある前方車両の高さを取得する前方車両全高取得手段と、
    前記視認対象物の相対位置と前記視認対象物の高さとに基づいて、前記車両の視点から前記前方車両の上方に前記視認対象物を視認する為の前記前方車両との車間距離を算出する上方車間算出手段と、を有し、
    前記走行支援手段は、前記側方車間距離又は前記上方車間算出手段により算出された車間距離である上方車間距離に基づいて前記車両の走行の支援を行うことを特徴とする請求項1に記載の走行支援システム。
  4. 前記視認対象物は分岐点に設置された信号機であって、
    前記分岐点に設けられた停止線に閾値以下の減速度で前記車両が停止できる最も停止線に近い減速開始地点を視認限界点として特定する視認限界点特定手段を有し、
    前記側方車間算出手段は、前記視認限界点に到達した前記車両の視点から前記前方車両の右方又は左方に前記視認対象物を視認する為の前記前方車両との車間距離を算出し、
    前記上方車間算出手段は、前記視認限界点に到達した前記車両の視点から前記前方車両の上方に前記視認対象物を視認する為の前記前方車両との車間距離を算出し、
    前記走行支援手段は、前記車両が前記視認限界点に到達する際に前記前方車両との車間距離が前記側方車間距離又は前記上方車間距離となるように前記車両の走行の支援を行うことを特徴とする請求項3に記載の走行支援システム。
  5. 前記側方車間距離と前記前方車間距離とを比較する車間距離比較手段を有し、
    前記走行支援手段は、前記側方車間距離と前記前方車間距離の内、距離の短い方の車間距離に基づいて前記車両の走行の支援を行うことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の走行支援システム。
  6. 前記側方車間距離と前記前方車間距離の内、前記距離の短い方の車間距離が閾値以上であるか否か判定する距離判定手段を有し、
    前記側方車間算出手段は、前記距離判定手段によって前記距離の短い方の車間距離が閾値以上であると判定された場合に、前記車両の位置を前記車両の走行車線内で前記視認対象物側に移動すると仮定し、移動後の前記車両の位置に基づいて前記側方車間距離を再度算出することを特徴とする請求項5に記載の走行支援システム。
  7. 前記側方車間算出手段によって再度算出された前記側方車間距離が閾値以上であるか否か判定する再距離判定手段を有し、
    前記上方車間算出手段は、前記再距離判定手段によって前記側方車間距離が閾値以上であると判定された場合に、前記車両の位置を前記視認対象物側の他の車線に移動すると仮定し、移動後の前記車両の位置に基づいて前記上方車間距離を再度算出し、
    前記側方車間算出手段は、前記再距離判定手段によって前記側方車間距離が閾値以上であると判定された場合に、前記車両の位置を前記視認対象物側の他の車線に移動すると仮定し、移動後の前記車両の位置に基づいて前記側方車間距離を再度算出することを特徴とする請求項6に記載の走行支援システム。
  8. 前記車両は、車両周辺を撮像する撮像装置を備えるとともに前記撮像装置により撮像された撮像画像に基づいて前記車両の自動運転制御を実施し、
    前記車両の視点は、前記撮像装置の視点であることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれかに記載の走行支援システム。
  9. 前記走行支援手段は、
    前記車両が自動運転制御による走行を実施している場合であって、
    前記側方車間距離と前記前方車間距離の内、前記距離の短い方の車間距離が閾値未満であると判定された場合に、前記前方車両との車間距離が前記側方車間距離又は前記上方車間距離となるように前記車両を制御することを特徴とする請求項8に記載の走行支援システム。
  10. 前記走行支援手段は、
    前記車両が自動運転制御による走行を実施している場合であって、
    前記側方車間距離と前記前方車間距離の内、前記距離の短い方の車間距離が閾値未満であると判定され、且つ前記側方車間距離が、前記車両の位置を前記車両の走行車線内で前記視認対象物側に移動する又は前記視認対象物側の他の車線に移動すると仮定して算出されている場合には、仮定された位置に車両が移動するように前記車両を制御することを特徴とする請求項9に記載の走行支援システム。
  11. 前記走行支援手段は、
    前記車両が自動運転制御による走行を実施している場合であって、
    前記側方車間距離と前記前方車間距離の内、前記距離の短い方の車間距離が閾値以上であると判定された場合に、自動運転制御による走行から運転者の運転操作による手動運転へと前記車両の走行態様を切り替えることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれかに記載の走行支援システム。
  12. 対象物位置取得手段が、車両の進行方向前方に設置された視認対象物について、前記車両において前記視認対象物を視認する視点に対する相対位置を取得するステップと、
    前方車両車幅取得手段が、前記車両と前記視認対象物との間にある前方車両の車幅を取得するステップと、
    側方車間算出手段が、前記視認対象物の相対位置と前記前方車両の車幅とに基づいて、前記車両の視点から前記前方車両の右方又は左方に前記視認対象物を視認する為の前記前方車両との車間距離を算出するステップと、
    走行支援手段が、前記側方車間算出手段により算出された車間距離である側方車間距離に基づいて前記車両の走行の支援を行うステップと、を有することを特徴とする走行支援方法。
  13. コンピュータを、
    車両の進行方向前方に設置された視認対象物について、前記車両において前記視認対象物を視認する視点に対する相対位置を取得する対象物位置取得手段と、
    前記車両と前記視認対象物との間にある前方車両の車幅を取得する前方車両車幅取得手段と、
    前記視認対象物の相対位置と前記前方車両の車幅とに基づいて、前記車両の視点から前記前方車両の右方又は左方に前記視認対象物を視認する為の前記前方車両との車間距離を算出する側方車間算出手段と、
    前記側方車間算出手段により算出された車間距離である側方車間距離に基づいて前記車両の走行の支援を行う走行支援手段と、
    して機能させる為のコンピュータプログラム。
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