JP2016049701A - 樹脂の粉及び繊維を再生産する方法、複合体の処理装置、及び、複合体の供給装置。 - Google Patents
樹脂の粉及び繊維を再生産する方法、複合体の処理装置、及び、複合体の供給装置。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】繊維と樹脂の複合体から効率よく繊維及び樹脂の粉を再生産する方法及び装置を提供する。【解決手段】この方法は、前記複合体を弾性体上に貼りつける工程と、前記弾性体上に貼りつけられた前記複合体を、回転運動する部材で打撃する工程と、を含む。この複合体の処理装置は、表面に粘着性を有する弾性体と、前記弾性体上に貼りつけられる繊維及び樹脂の複合体を、回転運動する部材で打撃する打撃部と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、繊維及び樹脂の複合体をリサイクルして、繊維と樹脂の粉とを再生産する方法及び装置に関する。
主要な建築資材であり塩ビ壁紙が大半を占める壁紙は、年間約21万トンが国内で生産され、年間10万トンが廃棄されている。そのうち、高速叩解法によりリサイクルされている物はわずか5000トン/年にすぎず、残りは埋め立てられている。また、リサイクルされているのは壁紙の生産に伴って壁紙工場で排出される廃材のみであり、建物の解体・リフォームに伴う使用済み廃壁紙に至っては殆どリサイクルされていない。
また、タイルカーペットも高価な繊維と塩ビ樹脂との複合体であるが、繊維に関しては、未だに本格的なリサイクルはなされていない。
その他、テント類、防音/防水シートなど、樹脂と繊維とが一体化した他の複合体も未だに殆どリサイクルはなされていない。
このような複合体の本格的なリサイクルのためには、経済的に負担が少なく、質の高い再生技術が望まれている。
複合体を効率よく粉体化する方法として、特許文献1〜6に記載されたような方法が知られている。
しかしながら、本発明者が検討したところ、従来の方法では工程が煩雑であったり高い動力を必要としたりして、複合体の処理効率が十分でない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、複合体から効率よく繊維及び樹脂の粉を再生産する方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明に係る方法は、繊維及び樹脂の複合体から、樹脂の粉及び繊維を再生産する方法である。この方法は、前記複合体を弾性体上に貼りつける工程と、前記弾性体上に貼りつけられた前記複合体を、回転運動する部材で打撃する工程と、を含む。
本発明によれば、複合体が弾性体上に固定された状態で回転運動する打撃部材で打撃されるので、繊維と樹脂との間に大きな応力を与えることができる。したがって、繊維から樹脂を効率よく分離することができると共に、樹脂の粉を得ることができる。
ここで、前記弾性体は表面に粘着性を有する無端ベルト又はロールであることができる。これによれば、弾性体上に連続的に複合体を供給して処理できるので好適である。
また、この方法では、前記無端ベルト又はロールが、表面に両面粘着テープを有することができる。これによれば、粘着性の調節や、粘着性の回復が容易となる。
また、この方法では、前記回転運動する部材が、打解工具、又は、切削工具であることができる。これによれば、複合体の打解又は切削により、分離及び粉体化が好適に行われる。
また、この方法では、前記打撃する工程の前に、前記複合体を弾性体の上で複数の突起を有する型で押圧して前記複合体を変形させる又は穿孔する前処理工程を更に含むことができる。
これによれば、打撃の前に複合体内において、樹脂と繊維との層間剥離や、樹脂内にクラックを形成することができて、後段での打撃による樹脂と繊維との分離及び樹脂の粉体化をより促進できる。
また、前記打撃する工程の前に、前記複合体の樹脂の一部を切削により除去する前処理工程を更に含むこともできる。これにより、複合体に占める樹脂の量が多い場合の打撃負荷を低減できる。
また、前記複合体は、繊維層及び樹脂層を有する積層体を複数有し、前記複数の積層体は重ねられて互いに接着されていることもできる。これによれば、薄い壁紙のような複合体を好適に処理できる。
本発明に係る複合体の処理装置は、表面に粘着性を有する弾性体と、前記弾性体上に貼りつけられる繊維及び樹脂の複合体を、回転運動する部材で打撃する打撃部と、を備える。
また、本発明に係る複合体の供給装置は、表面に粘着性を有する弾性体と、前記弾性体の上に、繊維及び樹脂の複合体を供給する供給部と、を備える。
本発明によれば、複合体から効率よく繊維及び樹脂の粉を再生産する方法及び装置が提供される。
図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
(タイルカーペット)
まず、本実施形態で使用する複合体の一例となるタイルカーペット10について図1を参照して説明する。このタイルカーペット10は、タフト用の基布3と、表面にループ状のパイルを形成するようにこの基布3に対して植栽(タフト)されたパイル糸2と、裏面側に位置する裏打ち層5と、裏打ち層5と基布3の裏面側とを接着する接着層4とを有する複合体である。
(第1実施形態)
(タイルカーペット)
まず、本実施形態で使用する複合体の一例となるタイルカーペット10について図1を参照して説明する。このタイルカーペット10は、タフト用の基布3と、表面にループ状のパイルを形成するようにこの基布3に対して植栽(タフト)されたパイル糸2と、裏面側に位置する裏打ち層5と、裏打ち層5と基布3の裏面側とを接着する接着層4とを有する複合体である。
ここで、樹脂系成分である裏打ち層5及び接着層4を樹脂部8と表記し、繊維系成分であるパイル糸2及び基布3を繊維部7と表記する。
パイル糸2の材料は特に限定されないが、例えば、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維等が挙げられる。
基布3の材料は特に限定されないが、例えば、ポリエステル繊維の織物あるいは不織布等が挙げられる。
裏打ち層5の材料は特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂、ゴム、繊維等が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、塩ビ、充填剤である炭酸カルシウム、及び、可塑剤の混合物等が挙げられる。
接着層4の材料は特に限定されないが、例えば、樹脂、ゴムラテックス等が挙げられる。樹脂としては、塩ビと可塑剤との混合物であるペースト塩ビ等が挙げられる。
例えば、最も市場に流通しているタイルカーペットの諸元は、サイズ500mm×500mm、重量1.25kg、全体厚み6.5mm(裏打ち層1.3〜2.0mm、接着層1.5〜2.0mm、基布及びパイル糸3.0〜4.0mm)の構成となっている。接着層4及び裏打ち層5は塩ビ製、パイル糸2はナイロン(登録商標)製、基布3はポリエステル繊維の織物であることが多い。
(複合体の処理装置)
続いて、このようなタイルカーペット10から、樹脂粉及び前記樹脂粉と分離された状態の繊維と再生産する装置及び方法について説明する。図2は、本発明の1実施形態に係る複合体の処理装置100である。
続いて、このようなタイルカーペット10から、樹脂粉及び前記樹脂粉と分離された状態の繊維と再生産する装置及び方法について説明する。図2は、本発明の1実施形態に係る複合体の処理装置100である。
この処理装置100は、主として、タイルカーペット10のガイド板60、タイルカーペットに前処理を行う前処理部50、タイルカーペット10が貼りつけられる粘着ロール30、及び、粘着ロール30上のタイルカーペット10に打撃を与える打解機(打撃部)20、繊維部7を回収するリール72、及び、樹脂粉7Pを回収する粉回収部80を有する。
ガイド板60は、搬送されるタイルカーペット10の下面を支持するものである。
一対の搬送ロール46A、46Bは、タイルカーペット10を両面側から挟むと共に回転して、タイルカーペット10を前処理部50に搬送する。
前処理部50は、バックアップロール44、凹凸型40、及び、駆動部42を備える。バックアップロール44は、タイルカーペット10の繊維部7と接触し、タイルカーペットの移動に合わせて回転しながらタイルカーペット10を支持する。バックアップロール44は表面側に弾性層44Eを有し、バックアップロールの表面は弾性変形することができる。弾性体の例は天然ゴムや合成ゴムである。バックアップロール44の表面は粘着性を有することができる。
凹凸型40は、バックアップロール44に対して進退可能に支持されている。凹凸型40のバックアップロール44と対向する面には、凹凸面40Aが形成されている。凹凸面40Aの凹凸(複数の突起の深さは2〜4mmとすることができる。凹凸面40Aの凹凸のピッチは1〜2mmとすることができる。凹凸型40の材質の例は、例えば、工具用金属である。
駆動部42は、図3に示すように、凹凸型40をバックアップロール44に向かって移動させて凹凸型40の凹凸面40Aでタイルカーペット10をその樹脂部8側から押圧してタイルカーペット10を変形させる工程と、図2に示すように凹凸型40をバックアップロール44及びタイルカーペット10から離間させてタイルカーペット10の走行を可能とする工程とを周期的に繰り返す。押圧のサイクル数は、1秒間に10〜20サイクルとすることができる。
この押圧工程において、図3に示すように、バックアップロール44が弾性層44Eを有してその表面が弾性変形できることにより、凹凸型40の凹凸面40Aがタイルカーペット10に好適に食い込むことができる。したがって、タイルカーペット10が好適に変形してタイルカーペット10の内部に大きな応力が働き、樹脂部8と繊維部7との層間分離や、樹脂部8内のクラックの形成などが促進され、後段での打撃による樹脂から繊維の分離や樹脂の粉体化を促進できる。このような凹凸型による加工はならし加工とも呼ばれ、繊維を切断することなく、繊維と樹脂との分離を促進できるという効果がある。
図2に戻って、一対の搬送ロール47A,47Bは、前処理部50で処理されたタイルカーペット10を両側から挟むと共に、回転してタイルカーペット10を粘着ロール30に搬送する。
粘着ロール30は、その表面に弾性層30Eを有し、表面が弾性変形できる。具体的には、例えば、粘着ロール30は、図4の(a)に示すように、表面に粘着性を有する弾性層30Eを有することができる。粘着性を有する弾性層30Eの例は、シリコーンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、等である。
また、粘着ロールは、図4の(b)に示すように、弾性を有する弾性層30E、及び、弾性層30Eの表面に設けられた粘着材層30Aを有することもできる。本形態でも、弾性層30Eにより粘着ロール30は表面が弾性変形することができる。弾性層30Eの例は、シリコーンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、発泡ウレタン等である。粘着材層30Aの例は、基材の両面に粘着剤を有する両面粘着テープである。粘着剤の例は、ゴム系粘着剤(天然ゴム、SBR、ブチルゴム)、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤である。両面粘着テープの幅は、例えば、10〜30mmとすることができる。両面粘着テープの厚みは、例えば、0.5〜2mmとすることができる。
上述の各ロールにおいて、弾性層30Eの厚みは5〜50mmとすることができ、10〜50mmとすることができ、10〜40mmとすることもできる。
粘着ロール30の表面の粘着力は特に限定されないが、タイルカーペット10が粘着ロール30の表面に沿って曲面を形成して搬送される程度であればよい。
図2に戻って、本実施形態では、複合体の処理装置100は、粘着ロール30に対してタイルカーペット10を押しつけるプレスロール32を有し、タイルカーペット10の粘着ロール30への接着力を高めることができる。プレスロール32の表面は、粘着ロール30よりも小さい粘着力を有することができるが、粘着力を有さないことが好ましい。
本実施形態では、粘着ロール30には、タイルカーペット10の繊維部7が貼りつけられる。
打解機20は、回転軸21、打解工具としての板(回転運動する部材)24、及び、板支持部22を有する。板支持部22は、図示しないモータによって回転軸21の周りを回転される。回転軸21は、回転運動する板24の先端が、粘着ロール30上に貼りつけられたタイルカーペット10を叩くことができる位置に配置され、粘着ロール30の回転軸31と並行に配置される。本実施形態では、粘着ロール30においてタイルカーペット10が最初に貼りつけられる位置Aから回転軸31の周りに角度θで30〜270°程度回転したところを打撃することができ、角度θは45〜180°とすることが好ましい。板24の先端がタイルカーペット10を打撃する位置において、板24の先端は樹脂部8と繊維部7との界面に到達することが好ましく、粘着ロール30にまで到達することもできる。
板24の回転速度は、板24の先端の周速度が10m/s以上、20m/s以上、30m/s以上であることができる。周速度は60m/s以下、50m/s以下、40m/s以下であることができる。回転軸21を駆動するモータにインバーターを設けて、タイルカーペット10の種類等に応じて、回転速度を変更することもできる。
板24の回転方向は、粘着ロール30の回転軸31周りの回転方向と、打解機20の回転軸21周りの回転方向とが逆向きになるように設定することが好ましい。
粘着ロール30上に貼りつけられたタイルカーペット10が板24で打撃されることにより、タイルカーペット10の樹脂部(樹脂層)8が粉体化されて、樹脂粉7pが形成すると共に、繊維部7を構成するパイル糸2及び基布3から樹脂部8が引き離されて、樹脂成分が除去されたパイル糸2及び基布3が得られる。
図5は、打解機20の一例を表す斜視図である。この打解機20は、回転軸21と、複数の円板状の板支持部22、及び、平板状の複数の板24を備える。
板支持部22は互いに平行に配置され、各板支持部22の中央部に回転軸21が貫通して固定されている。板状の板24は、回転軸21と並行に延びるように配置され、各板支持部22の外周面に固定されている。板24は、回転軸21の周りに等角度で配置されている。ここで、平板状の板24の一の長手側面が、各板支持部22の外周面に固定されており、板24の他の長手側面及びその周辺が回転運動する際に先端部として機能し、タイルカーペット10を打撃することになる。ここで、板24の上記先端部に突起を有することもできる。このような打解機20は、とくにタイルカーペットのような長繊維を有する複合体に好適である。
図6は、打解機20の他の例を表す斜視図である。この打解機20は、回転軸21と、複数の円板状の板支持部22、板支持部22間を回転軸21の方向に貫通する支持ロッド26、及び、各支持ロッド26に対して支持ロッド26の周りに回転可能に設けられた複数の打撃ロッド24を備える。打撃ロッドは、例えば、図6に示す板だけでなく、円柱、角柱であることができる。また、打撃ロッド24は、回転運動する場合の先端部に突起を有することもできる。本形態では、打撃ロッド24の先端部がタイルカーペット10を打撃することになる。ここで、板24の上記先端部に突起を有することもできる。このような打解機は、特に、短繊維を主として有する複合体に好適である。
図2に戻って、打解機20は樹脂粉7Pを捕集するケース25に覆われており、ケース25の出口には、集塵機82及びブロア84をこの順に有するラインL1が接続されている。集塵機82に捕集された樹脂粉は、貯留部85に貯留される。
粘着ロール30の下には、巻き取りリール72が設けられ、繊維部7を構成するパイル糸2及び基布3が巻き取られる。
(方法の説明)
続いて、上述の複合体の処理装置100を用いた、タイルカーペット10から樹脂粉及び繊維を再生産する方法を説明する。
続いて、上述の複合体の処理装置100を用いた、タイルカーペット10から樹脂粉及び繊維を再生産する方法を説明する。
まず、ガイド板60上を通過したタイルカーペット10を、搬送ロール46A、46Bによりバックアップロール44上に供給する。このとき、タイルカーペット10の繊維部7がバックアップロール44に接触し、その結果、後段で繊維部7が粘着ロール30に接触するようにタイルカーペット10の向きを調節する。
バックアップロール44上を移動するタイルカーペット10に対して、前処理部50の凹凸型40で繰り返し押圧工程を行って、タイルカーペット10内で繊維部7と樹脂部8との層間剥離や樹脂部8内でのクラック発生を促進させる。
続いて、前処理がなされたタイルカーペット10を搬送ロール47A,47Bによりプレスロール32及び粘着ロール30間に供給し、タイルカーペット10を粘着ロール30に十分に貼りつける。そして、粘着ロール30に貼りつけられたタイルカーペット10に対して、打解機20による乾式の打解工程を行う。詳しくは、回転運動する打解工具としての板24の先端を、粘着ロール30上に貼りつけられたタイルカーペット10に接触させ、打撃する。タイルカーペット10が表面に弾性を有する粘着ロール30上に貼りつけられているので、板24との接触により、タイルカーペット10が大きく変形できて、繊維部7と樹脂部8との間に大きな内部応力が与えられる。したがって、繊維から樹脂を効率よく分離することができ、また、樹脂粉7Pを得ることができる。
また、本実施形態では、タイルカーペット10を予め細片化する必要が無い点で効率的であり、また、粘着ロール30に固定されたタイルカーペット10を打撃するので、空中に飛散するタイルカーペット片を打撃するのに比べて、打撃に必要な板24の速度も低くできる点で効率的である。また、タイルカーペット10の一端から他端に亘って無駄なく処理できて回収率を高くできる。
さらに、弾性を有する粘着ロール30上でタイルカーペット10を打撃するので、打撃時の音が低くされて、騒音の低減も図られる。
つづいて、ケース25内をブロア84により吸引し、吸引された樹脂粉7PをラインL1を介して集塵機82に捕集し、捕集した粉を貯留部85に貯留する。また、樹脂と分離されたパイル糸2及び基布3を、巻き取りリール72に巻き取る。
なお、本実施形態では、粘着ロール30、及び、粘着ロール30に対してタイルカーペット10を供給する一対の搬送ロール(供給部)47A,47Bが、タイルカーペット10を打解機20に対して供給する複合体の供給装置48として機能する。
(第2実施形態)
続いて、図7を参照して、第2実施形態に係る複合体の処理装置101について説明する。本実施形態に係る複合体の処理装置101が、前述の処理装置100と異なる点は、粘着ロール30に替えて、粘着ベルト130を有している点である。粘着ベルト130は無端ベルトであり、ロール132及びロール134間に掛け渡されている。ロール132、134は、粘着ベルト130を周回運動させる。粘着ベルト130は、第1実施形態と同様に、その表面に粘着性を有する弾性層を有することができ、また、弾性を有する弾性層、及び、弾性層の表面に設けられた粘着材層を有することもできる。両方の場合において、粘着ベルト130の表面は弾性を有する。弾性層の厚みは、20〜30mmとすることができる。弾性層や粘着材層、粘着材の例は、第1実施形態と同様である。ロール134及びロール132の上には、それぞれタイルカーペット10を粘着ベルト130に押し付けて粘着ベルト130への粘着を促進するプレスロール32が設けられている。
本実施形態では、粘着ベルト130に貼りつけられたタイルカーペット10の内、ロール134で支持されている部分を、打解機20の板24で打撃している。もちろん、粘着ベルト130に貼りつけられたタイルカーペット10の内、ロール134で支持されていない部分を打解機20の板24で打撃することもできる。
本実施形態によれば、粘着ロールに替えて、粘着ベルトを有しているので、薄膜状、長尺状、短繊維集合材等の樹脂含有複合体の処理に好適である。
本発明は、上記実施形態に限定されず、様々な変形態様が可能である。
例えば、上記実施形態では、複合体としてタイルカーペットを用いているが、繊維及び樹脂の複合体、すなわち、繊維と、繊維に接着した樹脂と、を有する複合体であればこれに限定されない。例えば、短繊維パルプを主成分とする紙と、この紙を被覆する樹脂層と、を有する壁紙を分離することもできる。短繊維パルプを打解すると、ケース25内には、短繊維パルプと、短繊維パルプから分離された樹脂粉との混合物が得られる。これらは互いに固着していないので、サイクロンなどを用いた乾式又は湿式での分級操作により好適に分離できる。
壁紙以外にも、例えば、繊維シート又は織物などの繊維層(例えば、ガラス繊維シート)を樹脂層でサンドイッチした複合体、あるいは、樹脂を含浸した繊維層を有する複合体、例えば、テントやフレキシブルコンテナ用のターポリンシート、防音シート、防水シート、工事用安全ネットにも適用可能である。
例えば厚みが2mm以下の壁紙など、複合体が薄い場合には、一枚ずつ貼りつけ及び打撃処理することもできるが、あらかじめこれらの複合体を積層して互いに接着して例えば5mm以上の厚みのある複合体を得、これを上記の方法で貼りつけ及び打撃処理することもできる。接着は、樹脂が熱可塑性樹脂であれば追加の接着剤を使用せずに加熱及びプレスにより行うことができる。
また、打解機における回転する部材の形状は、上記の形状に限られず、タイルカーペットを叩いて樹脂の粉体化及び繊維からの樹脂の除去をすることができる形状であれば良く、どのような打解工具でもよい。また、上記実施形態では、打解機でタイルカーペットを打撃しているが、回転運動する刃(バイトなど)を有する切削機でタイルカーペットを打撃して切削を行ってもよい。この場合、繊維と樹脂とが分離される上に、繊維も一部切断されるが、風篩等により繊維と樹脂粉との分離は可能である。また、回転運動する打解工具及び切削工具を有する打撃機でタイルカーペットを打撃することもできる。
また、上記第1実施形態では、前処理部50が凹凸型40を有していたが、凹凸型40に替えて、タイルカーペット10に穿孔する穿孔型を有していても良い。また、打撃の前に前処理をしなくても本発明の実施は可能である。また、第2実施形態において、第1実施形態に記載の前処理部50を有していてもよく、例えば、プレスロール32に替えて前処理部50を採用することができる。
また、タイルカーペット10の樹脂部8が厚い場合などには、打撃の前処理工程として、図8に示すように、樹脂部8の一部を予め切削刃Bで切削して樹脂粉14を得る前処理部を採用することもできる。
また、上述の押圧、穿孔、切削等の前処理は打撃の前に行われる工程であり、タイルカーペット10を粘着ロール/粘着ベルトに貼りつけた後に行って良いが、粘着ロール/粘着ベルトに貼りつける前に行っても良い。
また、上記実施形態では、タイルカーペット10の繊維部7側が粘着ロール30又は粘着ベルト130に貼りつけられているが、樹脂部8側を粘着ロール30に貼りつけても実施は可能である。
また、上記実施形態では、プレスロールによってタイルカーペットを粘着ロール/粘着ベルトに押しつけているが、タイルカーペットと粘着ロール/粘着ベルトとの粘着性が高い場合には、プレスロールが無くても実施可能である。
また、本発明では、繊維から樹脂を十分除去することが可能であるが、繊維から100%の樹脂を除去することは困難である。繊維からさらに樹脂を除去する方法としては、水での洗浄や、樹脂を溶解する溶媒での洗浄などがある。
また、集塵機82は、乾式サイクロンや乾式フィルターのような乾式分離だけでなく、液中サイクロンや液中フィルターのように液中で分離を行っても良い。
続いて、図9を参照して、このような複合体の処理装置を用いたタイルカーペットのリサイクルのフロー図について説明する。
まず、ステップ(a)で廃タイルカーペット500kg(樹脂390kg、繊維110kg)を用意する。続いて、ステップ(b)で、必要に応じて廃タイルカーペットを40〜60℃に加温して加工しやすくする。また、ステップ(b)で、必要に応じて、廃タイルカーペットに付着した塵埃及び/又は裏面付着物を除去する。除去方法の例は、高圧エア吹きつけ、湿式洗浄である。さらに、ステップ(b)で、必要に応じて、タイルカーペットの樹脂部に対して穿孔を行う。
続いて、ステップ(c)において、樹脂層の内の裏打ち層を切削により除去し、ステップ(c1)において裏打ち層を粉体化した粉を得る。例えば、裏打ち層の切削粉は250kg得られる。裏打ち層の粉は、ステップC2で分級により粗大粉を除去(例えば5kg)し、ステップ(c3)に再生塩ビコンパウンド245kgを得る。
一方、廃タイルカーペットから裏打ち層が除去された積層体は、ステップ(d)において250kg得られ、内訳は、パイル糸及びタフト基布110kg、及び、接着用塩ビ樹脂140kgである。
続いて、ステップ(e)において、上記実施形態で説明したようにして、積層体を粘着ロール/粘着ベルトに貼りつけた後、積層体を打解機等で打撃し、これにより、繊維から樹脂を除去すると共に、樹脂粉を得る。ここで、このような処理をされた積層体の模式図を図10に示す。塩ビ製のタイルカーペット10からパイル糸2、タフト要の基布3、及び、樹脂粉7Pを互いに分離した状態で得ることができ、パイル糸2の不要な切断も抑制される。
ここで、樹脂粉が115kg得られ、裏打ち層の粉と合わせて、ステップ(c3)では再生塩ビコンパウンドが360kg得られる。
一方、ステップ(f)において、パイル糸及びタフト基布110kgが得られるが、この繊維は、塩ビ樹脂25kgを含んでいる。
続いて、必要に応じて、ステップ(g)において、洗浄を行うことができる。
例えば、予洗工程では、常温水又は温水によりパイル糸及びタフト基布をもみ洗いし、これにより、20kgの樹脂粉を除去できる。
例えば、予洗工程では、常温水又は温水によりパイル糸及びタフト基布をもみ洗いし、これにより、20kgの樹脂粉を除去できる。
さらに、精密洗浄工程では、溶剤(例えば、N−メチルピロリドン)を含む洗浄液でパイル糸及びタフト用の基布を洗うことができる。洗浄液は、水を含むこともできる。これにより、さらに、5kgの樹脂粉を除去することができ、これにより、パイル糸及びタフト用の基布における樹脂の含有率は0.5重量%以下とすることができる。
7…繊維部(繊維)、7P…樹脂粉、8…樹脂部(樹脂)、10…タイルカーペット(複合体)、30…粘着ロール(弾性体、ロール)、130…粘着ベルト(弾性体、無端ベルト)、30A…粘着材層、20…打解機(打撃部)、24…板(回転運動する部材、打解工具)、40…凹凸型(型)、100…複合体の処理装置、47A,47B…搬送ロール(供給部)、48…複合体の供給装置。
Claims (9)
- 繊維及び樹脂の複合体から樹脂の粉及び繊維を再生産する方法であって、
前記複合体を弾性体上に貼りつける工程と、
前記弾性体上に貼りつけられた前記複合体を、回転運動する部材で打撃する工程と、を含む、方法。 - 前記弾性体は表面に粘着性を有する無端ベルト又はロールである請求項1記載の方法。
- 前記無端ベルト又はロールは、表面に両面粘着テープを有する、請求項2記載の方法。
- 前記回転運動する部材が、打解工具、又は、切削工具である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記打撃する工程の前に、前記複合体を弾性体の上で複数の突起を有する型で押圧して前記複合体を変形させる又は穿孔する前処理工程を更に含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記打撃する工程の前に、前記複合体の樹脂の一部を切削により除去する前処理工程を更に含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記複合体は、繊維層及び樹脂層を有する積層体を複数有し、複数の前記積層体は重ねられて互いに接着されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 表面に粘着性を有する弾性体と、
前記弾性体上に貼りつけられる繊維及び樹脂の複合体を、回転運動する部材で打撃する打撃部と、
を備える、複合体の処理装置。 - 表面に粘着性を有する弾性体と、
前記弾性体の上に、繊維及び樹脂の複合体を供給する供給部と、
を備える、複合体の供給装置。
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JP2014176034A JP2016049701A (ja) | 2014-08-29 | 2014-08-29 | 樹脂の粉及び繊維を再生産する方法、複合体の処理装置、及び、複合体の供給装置。 |
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JP (1) | JP2016049701A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021023889A (ja) * | 2019-08-06 | 2021-02-22 | 株式会社明光商会 | タイルカーペット解体装置、タイルカーペット解体システム、及びタイルカーペット解体方法 |
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2014
- 2014-08-29 JP JP2014176034A patent/JP2016049701A/ja active Pending
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