JP2016049654A - 積層ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 例えば、セラミック積層コンデンサー製造時に好適に使用することのできるポリエステルフィルム基材であり、滑り性や巻き特性が良好であり、表面特性がより平坦に設計された積層ポリエステルフィルムを提供する。
【解決手段】 少なくとも3層以上の積層構造を有する積層ポリエステルフィルムであり、いずれかの最表層のポリエステル層が、平均粒径が0.01〜0.5μmの範囲にある粒子Xを積層ポリエステルフィルム全層に対して0.01〜0.04重量%含み、平均粒径が0.5〜3.0μmの範囲にある粒子Yを積層ポリエステルフィルム全層に対して0.01〜0.14重量%含み、粒子Xの平均粒径が粒子Yの平均粒径よりも小さいことを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
【選択図】 なし

Description

本発明は、例えば、セラミック積層コンデンサー製造時の基材として用いられる離型フィルムの基材として好適に使用することができる積層ポリエステルフィルムに関するものである。
従来、ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートの二軸延伸フィルムは、優れた機械的強度、寸法安定性、平坦性、耐熱性、耐薬品性、光学特性等を有しており、強磁性薄膜テープ、写真フィルム、包装用フィルム、電子部品用フィルム、金属ラミネートフィルム、液晶ディスプレイ用フィルム、太陽電池裏面保護フィルム、タッチパネル式表示装置の透明導電性フィルムのベースフィルム、液晶表示装置に用いられるプリズムシート用のベースフィルム、各種部材の保護用フィルム等の素材として広く用いられている。
また、離型用フィルムは、ポリエステルを基材として、離型性のある樹脂層、例えばシリコーン樹脂やフッ素樹脂などを塗布し形成される。特に、液晶偏光板用離型用、液晶保護フィルム用離型用、フォトレジスト用、多層基盤、セラミックグリーンシート製造用などの各種離型用途として使用されている。
近年、セラミック積層コンデンサーの小型化・大容量化が進むに伴い、グリーンシートの厚さも益々薄膜化する傾向にある。グリーンシートの薄膜化に伴い、グリーンシートの特性に与える支持基材であるポリエステルフィルムの表面特性の影響がより大きくなってきている。
ポリエステルフィルムには、滑り性や巻き特性などを向上させて取り扱いを容易にするために、粒子を適量配合し微細な突起を形成させることが一般的である。しかし、グリーンシートの薄膜化に伴い、従来のポリエステルフィルムでは問題とならなかったような微細な突起であっても、その突起形状がグリーンシートに転写し、グリーンシート製品品質に悪影響を与える可能性がある。例えば、従来ではポリエステルフィルム表面の高さ0.1〜0.3μm程度の突起はグリーンシート製品品質に悪影響を与えなかったが、グリーンシートの薄膜化により、このような高さの突起でもグリーンシート製品品質に悪影響を与えるようになってきている。
粒子を配合しない場合、あるいは粒子の配合量が少ない場合は、フィルム表面は平坦となり、良好なフィルムとなるが、滑り性が不十分となり、フィルムにキズが入りやすくなる。そこで、滑り性や巻き特性を維持しつつ、表面特性をより平坦に設計されたポリエステルフィルムが必要とされる状況にある。
特開2003−291291号公報
本発明は、上記実状に鑑みなされたものであって、その解決課題は、例えば、セラミック積層コンデンサー製造時に好適に使用することのできるポリエステルフィルム基材であり、滑り性や巻き特性が良好であり、表面特性がより平坦に設計された積層ポリエステルフィルムを提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意検討した結果、特定の構成を採用すれば、上記課題を容易に解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は、少なくとも3層以上の積層構造を有する積層ポリエステルフィルムであり、いずれかの最表層のポリエステル層が、平均粒径が0.01〜0.5μmの範囲にある粒子Xを積層ポリエステルフィルム全層に対して0.01〜0.04重量%含み、平均粒径が0.5〜3.0μmの範囲にある粒子Yを積層ポリエステルフィルム全層に対して0.01〜0.14重量%含み、粒子Xの平均粒径が粒子Yの平均粒径よりも小さいことを特徴とする積層ポリエステルフィルムに存する。
本発明によれば、セラミック積層コンデンサー製造時に使用するのに好適なポリエステルフィルム基材であり、表面が平坦かつ高品質に保たれており、薄膜グリーンシートを製造するときに使用されても高品質なグリーンシートを製造することができる積層ポリエステルフィルムを提供することができ、本発明の工業的価値は高い。
本発明でいうポリエステルフィルムとは、いわゆる押出法に従い押出口金から溶融押出されたシートを延伸したフィルムである。
上記のフィルムを構成するポリエステルとは、ジカルボン酸と、ジオールとからあるいはヒドロキシカルボン酸から重縮合によって得られるエステル基を含むポリマーを指す。ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、1、4−シクロヘキサンジカルボン酸等を、ジオールとしては、エチレングリコール、1、4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1、4−シクロヘキサンジメタノール、ポリエチレングリコール等を、ヒドロキシカルボン酸としては、p−ヒドロキシ安息香酸、6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等をそれぞれ例示することができる。
かかるポリマーの代表的なものとして、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンー2、6ナフタレート等が例示される。
本発明のポリエステルフィルムの厚さは、通常10〜250μm、好ましくは25〜188μm、さらに好ましくは25〜125μmである。フィルム厚さが25μm未満では、フィルムの強度、コシの点で好ましくない場合があり、フィルム厚さが250μmより厚い場合は、耐熱性は十分であるが、軽量化および薄肉化が競われている製品設計上では、好ましくない場合がある。
本発明においては、ポリエステルの溶融押出機を2台または3台以上用いて、いわゆる共押出法により少なくとも3層以上の積層フィルムとすることができる。層の構成としては、A原料とB原料を用いたA/B/A構成、さらにC原料を用いたA/B/C構成またはそれ以外の3層以上の構成のフィルムとすることができる。フィルムの設計上、A/B/A構成のフィルムが好ましく、その構成にすることによって、最外層のいずれにも後述する特定の粒子を特定量含有することになり、特性の点でも好ましいものとなる。
本発明のポリエステルフィルムには、滑り性や巻き特性などを向上させて取り扱いを容易にするために、最外層の一方あるいは両方に少なくとも3層以上の積層構造を有する積層ポリエステルフィルムであり、一方の最外層に、平均粒径が0.01〜0.5μmの範囲にある粒子Xを積層ポリエステルフィルム全層に対して0.01〜0.04%重量含み、平均粒径が0.5〜3.0μmの範囲にある粒子Yを積層ポリエステルフィルム全層に対して0.01〜0.14重量%含む必要がある。さらに、粒子Xの平均粒径は、粒子Yの平均粒径よりも小さいことを必須とする。粒子Xの量は、積層ポリエステルフィルム全層に対して、好ましくは0.01〜0.03重量%の範囲である。粒子Yの量は、積層ポリエステルフィルム全層に対して、好ましくは0.01〜0.10重量%の範囲である。粒子の量が多すぎる場合、フィルム表面の突起形状がグリーンシートに転写し、グリーンシート製品品質に悪影響を与える。粒子の量が少なすぎる場合、十分な滑り性や巻き特性が得られない。
本発明で用いる粒子X、Yの種類および組み合わせは、易滑性付与可能な粒子であれば特に限定されるものではなく、具体例としては、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、硫化モリブデン等の無機粒子や、架橋高分子粒子、シュウ酸カルシウム等の有機粒子を挙げることができる。また、耐熱性有機粒子を用いてもよく、具体的な例としては、例えば、熱硬化性尿素樹脂、熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等を挙げることができる。さらに、ポリエステル製造工程中、触媒等の金属化合物の一部を沈殿、微分散させた析出粒子を用いることもできる。
本発明において、ポリエステルに粒子を配合する方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法を採用し得る。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始前の段階でエチレングリコール等に分散させたスラリーとして添加し、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混練押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混練押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
本発明において、ポリエステルフィルムの表面粗さRaは、通常0.005〜0.035μmの範囲であり、好ましくは0.007〜0.025μmの範囲である。Raが大きい場合、フィルム表面の凹凸がグリーンシートに転写し、グリーンシート製品品質に悪影響を与えることがある。Raが小さい場合、フィルムの滑り性が不十分となり、フィルムにキズが入りやすくなる傾向がある。
本発明において、1200μm×900μm範囲内でのポリエステルフィルムの突起の個数は、0.1μm以上の突起が通常800個以下、好ましくは600個以下であり、0.4μm以上の突起が通常30個以下、好ましくは20個以下である。突起の個数が多い場合、その突起形状がグリーンシートに転写し、グリーンシート製品品質に悪影響を与えることがある。
本発明のポリエステルフィルムは、3層以上から構成されているものであり、N層(Nは3以上の自然数)のポリエステルフィルムについて説明する。例えば、A_1/A_2/A_3・・・/A_N−1/A_Nの層構成であれば、A_1層とA_N層の一方方あるいは両方に粒子を含有させることで、ポリエステルフィルムの巻き取り性は向上する。もちろん、A_2層からA_N層に粒子を含有させることは可能だが、フィルム表面の巻き取り性向上には寄与しない。
具体的にN=3の三層のポリエステルフィルムについて説明する。例えば、A/B/Cの層構成であれば、A層とC層の一方あるいは両方に粒子を含有させることが、フィルム表面の巻き取り性向上のため必要である。一方、B層に粒子を含有させることも可能だが、フィルム表面の巻き取り性向上には寄与しない。
層構成をA/B/Aとしても同様のことが言える。すなわち、A層に粒子を含有させることが、フィルム表面の巻き取り性向上のため必要である。一方、B層に粒子を含有させることも可能だが、フィルム表面の巻き取り性向上には寄与しない。
ポリエステルに粒子を添加する方法としては、特に限定されるものではなく、従来公知の方法を採用しうる。例えば、ポリエステルを製造する任意の段階において添加することができるが、好ましくはエステル化の段階、もしくはエステル交換反応終了後、重縮合反応を進めてもよい。また、ベント付き混錬押出機を用い、エチレングリコールまたは水などに分散させた粒子のスラリーとポリエステル原料とをブレンドする方法、または、混錬押出機を用い、乾燥させた粒子とポリエステル原料とをブレンドする方法などによって行われる。
本発明では、必要に応じて上記粒子の他にも添加剤を加えてもよい。このような添加剤としては、例えば、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、染料、顔料、紫外線吸収剤などが挙げられる。
次に本発明におけるポリエステルフィルムの製造例について具体的に説明するが、以下の製造例に何ら限定されるものではない。すなわち、先に述べたポリエステル原料を使用し、ダイから押し出された溶融シートを冷却ロールで冷却固化して未延伸シートを得る方法が好ましい。この場合、シートの平面性を向上させるためシートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ましく、静電印加密着法および/または液体塗布密着法が好ましく採用される。次に得られた未延伸シートは二軸方向に延伸される。その場合、まず、前記の未延伸シートを一方向にロールまたはテンター方式の延伸機により延伸する。延伸温度は、通常90〜140℃、好ましくは95〜120℃であり、延伸倍率は通常2.5〜7倍、好ましくは3.0〜6倍である。次いで、一段目の延伸方向と直交する方向に延伸するが、その場合、延伸温度は通常90〜170℃であり、延伸倍率は通常3.0〜7倍、好ましくは3.5〜6倍である。そして、引き続き180〜270℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、二軸配向フィルムを得る。上記の延伸においては、一方向の延伸を2段階以上で行う方法を採用することもできる。その場合、最終的に二方向の延伸倍率がそれぞれ上記範囲となるように行うのが好ましい。
また、本発明のポリエステルフィルム製造に関しては、同時二軸延伸法を採用することもできる。同時二軸延伸法は、前記の未延伸シートを通常90〜140℃、好ましくは80〜110℃で温度コントロールされた状態で機械方向および幅方向に同時に延伸し配向させる方法であり、延伸倍率としては、面積倍率で4〜50倍、好ましくは7〜35倍、さらに好ましくは10〜25倍である。そして、引き続き、170〜250℃の温度で緊張下または30%以内の弛緩下で熱処理を行い、延伸配向フィルムを得る。上述の延伸方式を採用する同時二軸延伸装置に関しては、スクリュー方式、パンタグラフ方式、リニアー駆動方式等、従来公知の延伸方式を採用することができる。
本発明のポリエステルフィルムには、塗布層を設けても構わない。すなわち、上述のポリエステルフィルムの延伸工程中にフィルム表面を処理する、いわゆる塗布延伸法(インラインコーティング)を施しても構わない。
また、塗布層は、帯電防止剤、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料などを含有していてもよい。
塗布剤の塗布方法としては、リバースロールコーター、グラビアコーター、ロッドコーター、エアドクターコーターまたはこれら以外の塗布装置を使用することができる。
なお、塗布剤のフィルムへの塗布性や接着性を改良するため、塗布前にフィルムに化学処理や放電処理を施してもよい。また、表面特性をさらに改良するため、塗布層形成後に放電処理を施してもよい。
塗布層の厚みは、最終的な乾燥厚さとして、通常0.02〜0.5μm、好ましくは0.03〜0.3μmの範囲である。塗布層の厚さが0.02μm未満の場合は、本発明の効果が十分に発揮されない恐れがある。塗布層の厚さが0.5μmを超える場合は、フィルムが相互に固着しやすくなったり、特にフィルムの高強度化のために塗布処理フィルムを再延伸する場合は、工程中のロールに粘着しやすくなったりする傾向がある。上記の固着の問題は、特にフィルムの両面に同一の塗布層を形成する場合に顕著に現れる。
なお、必要に応じてフィルムの製造後にコートするオフラインコートと呼ばれる方法でコートしてもよい。コーティングの材料としては、オフラインコートの場合は水系および/または溶剤系いずれでもよい。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、この実施例に限定されるものではない。なお、多層成形体の諸物性の測定および評価方法を以下に示す。
(1)ポリエステルの極限粘度(dl/g)
ポリエステルチップを粉砕したサンプルを、フェノール/テトラクロロエタン=50/50(重量比)の混合溶媒中に溶解し、毛細管粘度計を用いて、1.0(g/dl)の濃度の溶液の流下時間、および、溶媒のみの流下時間を測定し、それらの時間比率から、Hugginsの式を用いて、極限粘度を算出した。その際、Huggins定数を0.33と仮定した。
(2)ポリエステルフィルムの表面粗さ評価
(株)小坂研究所のSurfcorder SE3500を使用。測定条件は下記のとおりである。
Cutoff 0.08mm
Filter ガウス
E. Length 2.500mm
S. Length 0.081mm
レべリング 直線(全域)
Start−up Cutoff X 0.5
Data 15625points
Drive Speed 0.1mm/s
(3)ポリエステルフィルムの突起の個数
Bruker社製3次元白色光干渉型顕微鏡 ContourGTにより平坦面の3Dマッピングを実施した。測定範囲1200μm×900μm内における0.1μm、0.4μm以上の突起の個数をそれぞれカウントした。
(4)巻き取り性
ポリエステルフィルム製造時のフィルムロール巻き取り性を以下の評価基準で評価した。
○:巻き取り性は良好
×:フィルムの滑り性は不足し、巻ズレ等発生し、巻き取り性に問題がある
なお、フィルムロールは、製品幅を1370mm、製品巻長さを12600m、使用する巻き芯は6インチのプラスチックコアを用いた。
(5)グリーンシート表面の平坦性評価
ポリエステルフィルムの表面に、硬化型シリコーン樹脂(信越化学工業(株)社製「KS−779H」)100部、硬化剤(信越化学工業(株)社製「CAT−PL−8」1部、メチルエチルケトン/トルエン混合溶媒(混合比率1:1)2200部よりなる離型剤を乾燥後の塗布量が0.1g/m2となるように塗布し、離型フィルムを得た。この離型フィルムの離型面に、チタン酸バリウム(富士チタン工業(株)社製:平均粒径0.7μm)100部、ポリビニルブチラール樹脂(積水化学工業(株)社製「エスレック BM−S」)30部、可塑剤(フタール酸ジオクチル)5部、トルエン/エタノール混合溶媒(混合比率:6:4)200部よりなるセラミックスラリーを塗布し、乾燥後の塗布量が0.5g/m2となるように塗布し、グリーンシートを得た。得られたグリーンシートの表面(測定対象面積:100cm2)を走査型レーザー顕微鏡(レーザーテック(株)社製)による表面観察を行い、以下の判定基準により評価した。
○:グリーンシート表面に深さ0.05μm以上の凹みが1個以下/100cm
△:グリーンシート表面に深さ0.05μm以上の凹みが1個以上5個未満/100cm
×:グリーンシート表面に深さ0.05μm以上の凹みが5個以上/100cm
<ポリエステル(1)の製造法>
テレフタル酸ジメチル100重量部とエチレングリコール60重量部とを出発原料とし、触媒としてテトラブトキシチタネートを加えて反応器にとり、反応開始温度を150℃とし、メタノールの留去とともに徐々に反応温度を上昇させ、3時間後に230℃とした。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物を重縮合槽に移し、4時間重縮合反応を行った。4時間後、実質的にエステル交換反応を終了させた。この反応混合物にエチルアシッドフォスフェートを添加した後、重縮合槽に移し、4時間重縮合反応を行った。すなわち、温度を230℃から徐々に昇温し280℃とした。一方、圧力は常圧より徐々に減じ、最終的には0.3mmHgとした。反応開始後、反応槽の攪拌動力の変化により、極限粘度0.55に相当する時点で反応を停止し、窒素加圧下ポリマーを吐出させ、ポリエステルのチップを得た。極限粘度は0.55であった。得られたポリエステルチップを220℃で固相重合し、極限粘度0.65のポリエステル(1)を得た。
<ポリエステル(2)の製造法>
ポリエステル(1)の製造方法において、エチルアシッドフォスフェート0.04部を添加後、エチレングリコールに分散させた平均粒子径0.7μmの炭酸カルシウム粒子を粒子のポリエステルに対する含有量が2.0重量%となるように添加し、4時間重縮合反応を行い、ポリエステル(2)を得た。
<ポリエステル(3)の製造法>
ポリエステル(2)の製造方法において、添加する粒子種を平均粒子径0.4μmのジビニルベンゼン架橋ポリスチレン粒子とし、ポリエステルに対する含有量を1.0重量%とした以外は、ポリエステル(2)の製造方法と同じ方法でポリエステル(3)を得た。
実施例1:
上記ポリエステル(1)、(2)、(3)をそれぞれ重量比68:17:15の比率で混合したポリエステルをポリエステル層(A)の原料とし、上記ポリエステル(1)をポリエステル層(B)の原料とし、2台の押出機に各々を供給し、各々285℃で溶融した後、A層を最外層(表層)、B層を中間層として、40℃に冷却したキャスティングドラム上に、2種3層(ABA)で、厚み構成比がA:B:A=2:21:2になるように共押出し冷却固化させて無配向シートを得た。次いで、ロール周速差を利用してフィルム温度85℃で縦方向に3.4倍延伸した後、この縦延伸フィルムをテンターに導き、横方向に120℃で4.3倍延伸し、225℃で熱処理を行った後、フィルムをロール上に巻き上げ厚さ25μmの積層ポリエステルフィルムを得た。
実施例2:
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(1)、(2)、(3)をそれぞれ重量比62:17:21の比率で混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。
実施例3:
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(1)、(2)、(3)をそれぞれ重量比55:17:28の比率で混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。
比較例1:
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(1)を用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。
比較例2:
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(1)、(2)をそれぞれ重量比83:17の比率で混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。
比較例3:
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(1)、(2)、(3)をそれぞれ重量比45:17:38の比率で混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。
比較例4:
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(1)、(3)をそれぞれ重量比82:18の比率で混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。
比較例5:
実施例1において、A層の原料としてポリエステル(1)、(2)をそれぞれ重量比53:47の比率で混合したこと以外は、実施例1と同様の方法で、ポリエステルフィルムを得た。
以上、得られた結果をまとめて下記表1および2に示す。
Figure 2016049654

Figure 2016049654
本発明のフィルムは、特にセラミック積層コンデンサー製造時の基材として好適に利用することができる。

Claims (1)

  1. 少なくとも3層以上の積層構造を有する積層ポリエステルフィルムであり、いずれかの最表層のポリエステル層が、平均粒径が0.01〜0.5μmの範囲にある粒子Xを積層ポリエステルフィルム全層に対して0.01〜0.04重量%含み、平均粒径が0.5〜3.0μmの範囲にある粒子Yを積層ポリエステルフィルム全層に対して0.01〜0.14重量%含み、粒子Xの平均粒径が粒子Yの平均粒径よりも小さいことを特徴とする積層ポリエステルフィルム。
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