JP2016048665A - イオン照射装置及びイオン照射装置のクリーニング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】イオンビームを偏向させてパーキングさせるイオン照射装置において、当該パーキングに起因するコンタミネーションを低減する。【解決手段】イオン源2から引き出されたイオンビームIBをワークWに照射するイオン照射装置100であって、イオンビームIBを、ワークWに照射される照射軌道L1から偏向させて、ワークWに照射させないパーキング軌道L2とするイオンビームパーキング機構7と、パーキング軌道L2とされたイオンビームIBによってスパッタリングされた粒子が堆積する堆積部位Xの周囲にプラズマを発生させて、堆積部位Xに堆積した粒子を除去するクリーニング機構8とを備える。【選択図】図1
Description
本発明は、イオン照射装置及び当該イオン照射装置のクリーニング方法に関するものである。
従来のイオン注入装置では、イオン源と、このイオン源からイオンビームを引き出す引出電極との間に生じる放電(グリッチ)が問題となっている。このグリッチにより、イオン源から引き出されるイオンビームが短時間に急激に減少してしまい、所望のイオンビームをウエハに照射することができなくなってしまう。特に、近年のウエハの大口径化に伴いイオンビーム電流が増大化されており、前記グリッチの問題がより一層顕著となっている。
このグリッチに対する処置としては、特許文献1に示すように、イオンビームを質量分析する質量分析磁石装置と、所望のイオンを含むイオンビームを通過させる質量分析スリットとの間に偏向装置を設けたものがある。このイオン注入装置は、グリッチ発生時に、偏向装置によりイオンビームを偏向させて、当該イオンビームを質量分析スリットの上流側の面に当てることにより、パーキングさせてウエハに照射しないように構成している。
しかしながら、上記のように、偏向装置によりイオンビームを偏向させて、質量分析スリットの上流側の面にイオンビームを当てると、イオンビームが当たった部分がスパッタリングされて粒子が飛び散り、その周辺部分に堆積してしまう。
グリッチ回復後にイオンビームの偏向を戻し、通常のイオン注入処理を開始すると、分析スリットを通過するイオンビームが堆積物をスパッタリングして、スパッタリングされて生じた不純物がウエハに注入されてしまい、クロスコンタミネーションが生じてしまう。
そこで、本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、イオンビームを偏向させてワークに照射させないパーキング機能を有するイオン照射装置において、パーキングされたイオンビームにより生じる粒子の堆積物によるクロスコンタミネーションを防止することをその主たる課題とするものである。
すなわち本発明に係るイオン照射装置は、イオン源から引き出されたイオンビームをワークに照射するイオン照射装置であって、前記イオンビームを、前記ワークに照射される照射軌道から偏向させて、前記ワークに照射させないパーキング軌道にするイオンビームパーキング機構と、前記パーキング軌道とされたイオンビームによってスパッタリングされた粒子が堆積する堆積部位の周囲にプラズマを発生させて、前記堆積部位に堆積した粒子を除去するクリーニング機構とを備えることを特徴とする。ここで、堆積部位とは、引出電極からワークの間において、照射軌道にあるイオンビームを取り囲む部分であって、パーキング軌道にあるイオンビームが照射されない部分であり、且つ、パーキング軌道にあるイオンビームによってスパッタリングされた粒子が堆積する部分である。
このようなイオン照射装置であれば、クリーニング機構が、堆積部位の周囲にプラズマを発生させて、当該堆積部位に堆積した粒子を除去するので、照射軌道にあるイオンビームが堆積した粒子をスパッタリングして生じる不純物を低減することができる。これにより、パーキング軌道にあるイオンビームにより生じる粒子の堆積物によるクロスコンタミネーションを防止することができる。
前記クリーニング機構の具体的な実施の態様としては、前記クリーニング機構が、前記堆積部位に対向して設けられる放電電極と、前記堆積部位及び前記放電電極の間に電圧を印加して放電させる放電用電源と、前記堆積部位及び前記放電電極の間にプラズマ化するクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部と、前記プラズマにより除去された除去物を前記堆積部位が位置する空間から排出する除去物排出部とを備えることが望ましい。
ここで、プラズマにより除去された除去物を除去排出部により外部に排出しているので、堆積部位から除去された除去物が空間内に留まることを防ぎ、クロスコンタミネーションを防止することができる。
ここで、プラズマにより除去された除去物を除去排出部により外部に排出しているので、堆積部位から除去された除去物が空間内に留まることを防ぎ、クロスコンタミネーションを防止することができる。
前記放電電極が、前記堆積部位に対向する対向位置及び前記堆積部位に対向しない退避位置の間で移動可能に構成されていることが望ましい。
このように放電電極が対向位置及び退避位置の間で移動可能とすることで、対向位置にある放電電極が照射軌道にあるイオンビームを遮る構成の場合には、放電電極を退避位置に移動させることで、照射軌道にあるイオンビームを遮らないようにすることができる。
このように放電電極が対向位置及び退避位置の間で移動可能とすることで、対向位置にある放電電極が照射軌道にあるイオンビームを遮る構成の場合には、放電電極を退避位置に移動させることで、照射軌道にあるイオンビームを遮らないようにすることができる。
前記イオンビームパーキング機構の具体的な実施の態様としては、前記イオンビームパーキング機構が、前記イオンビームを挟んで配置された偏向電極と、前記偏向電極に偏向電圧を印加する偏向用電源と、前記偏向電極よりもイオンビーム下流側に設けられたマスクとを備え、前記マスクが、前記照射軌道にあるイオンビームが通過するスリットと、前記パーキング軌道にあるイオンビームを遮る遮断部とを有することが望ましい。
これならば、スリットを有するマスクに対してイオンビームがスリットを通過しない程度に偏向させればよいので、照射軌道とパーキング軌道との切り替えを簡単かつ瞬時に行うことができる。
これならば、スリットを有するマスクに対してイオンビームがスリットを通過しない程度に偏向させればよいので、照射軌道とパーキング軌道との切り替えを簡単かつ瞬時に行うことができる。
イオン照射装置が、前記イオンビームの質量分析を行う分析電磁石と、前記分析電磁石を通過したイオンビームのうち、所望のイオンを含むイオンビームを通過させる分析スリットとを備え、前記偏向電極が、前記分析電磁石及び前記分析スリットの間に設けられており、前記マスクが、前記分析スリットであることが望ましい。
これならば、既存の構成部品を用いてマスクを形成することができる。
これならば、既存の構成部品を用いてマスクを形成することができる。
前記マスクが、前記イオンビームを整形する整形マスクであることが望ましい。
これならば、既存の構成部品を用いてマスクを形成することができる。
これならば、既存の構成部品を用いてマスクを形成することができる。
イオンビームパーキング機構によるイオンビームのパーキング時間(偏向時間)と、堆積部位への堆積量とは相関しているので、前記イオンビームパーキング機構による偏向時間を積算する偏向時間積算部を備え、前記偏向時間積算部により得られた積算偏向時間に基づいて、前記クリーニング機構が、前記堆積部位をクリーニングすることが望ましい。
これならば、積算偏向時間に基づいてクリーニング機構が堆積部位のクリーニングを開始するので、適切なタイミングで堆積部位のクリーニングを行うことができる。
これならば、積算偏向時間に基づいてクリーニング機構が堆積部位のクリーニングを開始するので、適切なタイミングで堆積部位のクリーニングを行うことができる。
また、前記堆積部位に堆積した膜厚を測定する膜厚計を備え、前記膜厚計により得られた膜厚に基づいて、前記クリーニング機構が、前記堆積部位をクリーニングすることが望ましい。
これならば、堆積部位に堆積した膜厚に基づいてクリーニング機構が堆積部位のクリーニングを開始するので、積算偏向時間よりも一層適切なタイミングで堆積部位のクリーニングを行うことができる。
これならば、堆積部位に堆積した膜厚に基づいてクリーニング機構が堆積部位のクリーニングを開始するので、積算偏向時間よりも一層適切なタイミングで堆積部位のクリーニングを行うことができる。
前記クリーニング機構による前記堆積部位のクリーニング時に、前記ワークを前記イオンビームが照射される照射位置から退避させることが望ましい。
これならば、クリーニング時に堆積部位から飛散した粒子やプラズマがウエハに届きにくくなり、クロスコンタミネーションを防止することができる。
これならば、クリーニング時に堆積部位から飛散した粒子やプラズマがウエハに届きにくくなり、クロスコンタミネーションを防止することができる。
また、本発明に係るイオン照射装置のクリーニング方法は、イオン源から引き出されたイオンビームをワークに照射するものであり、前記イオンビームを、前記ワークに照射される照射軌道から偏向させて、前記ワークに照射させないパーキング軌道とするイオンビームパーキング機構と、前記パーキング軌道とされたイオンビームによってスパッタリングされた粒子が堆積する堆積部位の周囲にプラズマを発生させて、前記堆積部位に堆積した粒子を除去するクリーニング機構とを備えるイオン照射装置のクリーニング方法であって、前記イオンビームパーキング機構による前記イオンビームの積算偏向時間を偏向時間積算計により積算し、当該偏向時間積算計により得られた積算偏向時間をトリガーとして、前記クリーニング機構により前記堆積部位のクリーニングを開始することを特徴とする。
さらに、本発明に係るイオン照射装置のクリーニング方法は、イオン源から引き出されたイオンビームをワークに照射するものであり、前記イオンビームを、前記ワークに照射される照射軌道から偏向させて、前記ワークに照射させないパーキング軌道とするイオンビームパーキング機構と、前記パーキング軌道とされたイオンビームによってスパッタリングされた粒子が堆積する堆積部位の周囲にプラズマを発生させて、前記堆積部位に堆積した粒子を除去するクリーニング機構とを備えるイオン照射装置のクリーニング方法であって、前記堆積部位に堆積した膜厚を膜厚計により測定し、当該膜厚計により得られた膜厚をトリガーとして、前記クリーニング機構により前記堆積部位のクリーニングを開始することを特徴とする。
このように構成した本発明によれば、イオンビームを偏向させてワークに照射させないパーキング機能を有するイオン照射装置において、パーキングされたイオンビームにより生じる粒子の堆積物によるクロスコンタミネーションを防止することができる。
以下に、本発明に係るイオン照射装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るイオン照射装置100は、ワークであるウエハWに対して所望のイオンを照射するイオン照射装置であり、図1に示すように、イオン源2と、当該イオン源2からイオンビームIBを引き出す引出電極3と、イオンビームIBの質量分析を行う分析電磁石4と、当該分析電磁石4を通過したイオンビームIBのうち、所望のイオンを含むイオンビームIBを通過させる分析スリット5と、当該分析スリット5を通過したイオンビームIBが照射されるウエハWを保持するプラテン(ウエハ保持機構)6とを備えている。なお、このイオン照射装置100は、ウエハWに対してスポットビームを照射するもの、当該スポットビームをスキャンしたスキャンビームを照射するもの、照射方向に直交する断面が所定方向の延びた帯状のリボンビームを照射するもの、スポットビームを所定方向に掃引しながら、ウエハをスキャンするメカニカルスキャンタイプのもの、前記リボンビームを照射しながら、ウエハをスキャンするもの等が考えられる。
ここで、イオン源2からプラテン6までのイオンビームIBの経路は、真空チャンバにより囲まれており、イオン注入時は真空に保たれている。この真空チャンバは、複数に分割されており、本実施形態では、例えば、イオン源2及び引出電極3を収容するイオン源収容室と、分析電磁石4及び分析スリットを収容する質量分析系収容室と、プラテンを収容するプラテン収容室とに区画されている。なお、各収容室の間には、図示しないゲートバルブが設けられていることもあり、当該ゲートバルブの開閉により各収容室を仕切ることができる。
また、このイオン照射装置100は、イオンビームIBの発生を止めることなく、ウエハWへのイオンビームIBの照射を一時中断させるイオンビームパーキング機構7を備えている。
このイオンビームパーキング機構7は、イオンビームIBを、ウエハWに照射される照射軌道L1から偏向させて、ウエハWに照射させないパーキング軌道L2にするものである。具体的にイオンビームパーキング機構7は、イオンビームIBを挟んで配置された偏向電極71と、偏向電極71に偏向電圧を印加する偏向用電源72と、偏向電極71よりもイオンビーム下流側に設けられたマスク73とを備えている。
本実施形態の偏向電極71は、分析電磁石4と分析スリット5との間に設けられている。
また、マスク73は、照射軌道L1にあるイオンビームIBが通過するスリット73Sと、パーキング軌道L2にあるイオンビームIBを遮る遮断部73Bとを有する。本実施形態のマスク73は、分析スリット5により構成されている。つまり、分析スリット5のスリット5Sが、マスク73のスリット73Sとなり、分析スリット5のスリット5Sの周囲に形成された平面部51が遮断部73Bとなる。
このように構成したイオンビームパーキング機構7は、イオン源2及び引出電極3の間に放電(グリッチ)が発生したことが検知された場合に、偏向用電源72が偏向電極71に所定の偏向電圧を印加して、分析電磁石4を通過したイオンビームIBを偏向させて、分析スリット5の平板部51(遮断部73B)に当てる(図2参照)。これにより、イオンビームパーキング機構7は、グリッチ発生時から所定期間の間、イオンビームIBをパーキング軌道L2にして、イオンビームIBがウエハWに照射されないパーキング状態とする。
なお、放電(グリッチ)の発生は、引出電極3に電圧を印加する引出用電源31の出力電圧をモニターして、当該出力電圧が所定値以下となった場合に検出することができる。その他、ファラデーカップ(不図示)により得られたイオンビーム電流値がゼロ又は所定値以下となった場合に検知することができる。
しかして本実施形態のイオン照射装置100は、パーキング軌道L2とされたイオンビームIBによってスパッタリングされた粒子が堆積する堆積部位Xの周囲にプラズマを発生させて、堆積部位Xに堆積した粒子を除去するクリーニング機構8を備えている。
具体的にクリーニング機構8は、堆積部位Xに対向して設けられる放電電極81と、堆積部位X及び放電電極81の間に電圧を印加して放電させる放電用電源82と、堆積部位X及び放電電極81の間にプラズマ化するクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部83と、プラズマにより除去された除去物を堆積部位Xが位置する空間から排出する除去物排出部84とを備える。
本実施形態の堆積部位Xは、図2に示すように、分析スリット5(具体的には平板部51)の上流側の表面において、パーキング軌道L2とされたイオンビームIBが当たらない部分であってパーキング軌道L2とされたイオンビームIBによりスパッタリングされた粒子が堆積する部分である。つまり、分析スリット5の上流側の表面において、パーキング軌道L2とされたイオンビームIBが当たる部分以外の部分である。
放電電極81は、前記堆積部位Xとなる分析スリット5の上流側の表面に対向して設けられる。具体的に放電電極81は、前記堆積部位Xを含む分析スリット5の上流側の表面の全体に対向して設けられる。また、放電電極81は、分析スリット収容室を形成するチャンバ部分VC1に対して電気的に絶縁された状態で設けられている。なお、前記チャンバ部分VC1は分析スリット5と等電位である。さらに、放電電極81は、図示しない放電電極移動機構により、分析スリット5に対向する対向位置Pと、分析スリット5に対向せず、当該分析スリット5から退避した退避位置Qとの間で移動可能に設けられている。
なお、本実施形態の対向位置Pは、イオンビームIBの照射軌道L1及びパーキング軌道L2を遮るように前記分析スリット5に対向する位置である。つまり、イオンビームIBが発生している場合には、対向位置Pにある放電電極81の上流側の表面にイオンビームIBが当たることになる。また、本実施形態の退避位置Qは、照射軌道L1にあるイオンビームIBを遮らないように分析スリット5から退避した位置である。さらに、本実施形態の放電電極移動機構は、放電電極81を前記イオンビームIBの軌道に実質的に垂直な方向に移動させるものである。
クリーニングガス供給部83は、分析スリット収容室を形成するチャンバ部分VC1に接続されたクリーニングガス供給管831と、当該クリーニングガス供給管831上に設けられた電磁弁等の開閉弁832とを備えている。なお、クリーニングガス供給管831には、例えばアルゴンガス等のクリーニングガスが充填されたガスボンベ等のガス供給源833が接続されている。
このクリーニングガス供給管831は、分析スリット収容室を形成するチャンバ部分VC1において、偏向電極71及び分析スリット5の間に接続されている。つまり、分析スリット収容室を形成するチャンバ部分VC1に形成されたクリーニングガス供給口831hは、偏向電極71及び分析スリット5の間に位置して、当該偏向電極71及び分析スリット5の間にクリーニングガスを供給する。これにより、堆積部位Xと放電電極81との間にプラズマが発生する。
除去物排出部84は、分析スリット収容室を形成するチャンバ部分VC1に形成された排出口841hと、当該排出口841hに接続された電磁弁等の開閉弁842と、当該開閉弁の下流側に設けられた真空ポンプ843とを備えている。
この排出口841hは、分析スリット収容室を形成するチャンバ部分VC1において、偏向電極71及び分析スリット5の間に位置して、当該偏向電極71及び分析スリット5の間から優先的にガス及び不純物を排出する。
本実施形態では、前記クリーニング機構8を用いたクリーニングの開始トリガーとして、偏向時間積算部9を用いている。
偏向時間積算部9は、イオンビームパーキング機構7によるイオンビームIBの偏向時間を積算する積算計であり、具体的には、偏向用電源72が偏向電圧を偏向電極71に印加した時間、つまり偏向用電源72の出力ON時間を積算するものである。この偏向時間積算部9は、偏向用電源72から電源ON信号を取得することにより、偏向時間を積算するものである。なお、偏向時間積算部9は、偏向用電源72を制御する制御機器が当該電源72とは別に設けられている場合には、当該制御機器から電源ON信号を取得するようにしても良い。また、偏向時間積算部9の機能を偏向用電源72又は当該電源72とは別に設けられた制御機器に持たせても良い。
そして、偏向時間積算部9により得られた積算偏向時間が所定時間に達したことをトリガーとして、クリーニング機構8がクリーニングを開始する。
次に、このように構成したイオン照射装置100のクリーニング動作について説明する。
偏向時間積算部9により得られた積算偏向時間が所定時間に達した場合に、先ず、イオン照射装置100の制御機器10が、放電電極移動機構を制御して、放電電極81を退避位置Qから対向位置Pに移動させるとともに、クリーニングガス供給部83の開閉弁832を開放させることにより、クリーニングガス供給口831hからクリーニングガスを真空チャンバ内に導入する。これにより、少なくとも放電電極81及び堆積部位Xである分析スリット5の間の空間は、クリーニングガスにより充満される。なお、この状態において、イオンビームIBは、イオンビームパーキング機構7によりパーキング軌道L2とされている。
そして、制御機器10が、放電用電源82を制御して、放電電極81と堆積部位Xである分析スリット5との間にグロー放電を生じさせるための電圧を印加する。放電電極81と分析スリット5との間のグロー放電により、クリーニングガスがプラズマ化して、分析スリット5上に堆積した堆積物がスパッタリングされて除去される。
グロー放電を開始してから所定時間経過後、制御機器10は、放電用電源82を制御して、放電電極81と分析スリット5との間の電圧印加を停止し、放電電極移動機構を制御して、放電電極81を退避位置Qに移動させる。また、制御機器10は、クリーニングガス供給部83の開閉弁832を閉じて、クリーニングガスの供給を停止する。なお、この状態において、イオンビームIBは、イオンビームパーキング機構7によりパーキング軌道L2とされたままである。
その後、制御機器10は、真空ポンプ843が動作した状態で、開閉弁843を開放して、堆積部位Xである分析スリット5から除去された堆積物を排出口841hを介して外部に排出する。
このようなクリーニングの終了後、制御機器10が、イオンビームパーキング機構7の偏向用電源72を制御して、偏向電極71への電圧印加を停止して、イオンビームIBを照射軌道として、ウエハWに対するイオン注入処理を開始する。
なお、上記のクリーニング動作では、イオンビームIBはパーキング軌道L2の状態のまま維持されていたが、クリーニングの開始時にイオンビームIBの発生を停止して、クリーニングの終了後にイオンビームIBを発生させるようにしても良い。
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態に係るイオン照射装置100によれば、クリーニング機構8により、パーキング軌道L2にあるイオンビームIBにより生じる粒子が堆積する堆積部位Xとの間でプラズマを発生させて、当該堆積部位Xに堆積した粒子を除去するので、照射軌道L1にあるイオンビームIBが堆積した粒子をスパッタリングして生じる不純物を低減することができる。これにより、パーキング軌道L2にあるイオンビームIBにより生じる粒子の堆積物によるクロスコンタミネーションを防止することができる。
このように構成した本実施形態に係るイオン照射装置100によれば、クリーニング機構8により、パーキング軌道L2にあるイオンビームIBにより生じる粒子が堆積する堆積部位Xとの間でプラズマを発生させて、当該堆積部位Xに堆積した粒子を除去するので、照射軌道L1にあるイオンビームIBが堆積した粒子をスパッタリングして生じる不純物を低減することができる。これにより、パーキング軌道L2にあるイオンビームIBにより生じる粒子の堆積物によるクロスコンタミネーションを防止することができる。
また、イオンビームパーキング機構7のマスク73を分析スリット5により構成しているので、既存の構成部品を用いてマスク73を形成することができる。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、前記実施形態では、イオンビームパーキング機構7のマスク73が分析スリット5であったが、分析スリット5に限られず、引出電極3及びウエハWの間において、イオンビームIBの経路上に位置し、且つ、パーキング軌道とされたイオンビームIBが当たる部材であれば良い。例えば、分析スリットとウエハとの間に設けられ、イオンビームIBを整形する整形マスクを、イオンビームパーキング機構のマスクとしても良い。
また、マスクは、引出電極3及びウエハWの間において、イオンビームIBの経路上に位置し、且つ、パーキング軌道とされたイオンビームIBが当たる部材であれば、スリットを有さない構成であっても良い。
さらに、堆積部位Xは、パーキング軌道とされたイオンビームIBにより生じる粒子が堆積する部分であれば、マスクである分析スリットに限られず、例えば、真空チャンバの内部に配置されたその他の構成部品や、真空チャンバの内面であっても良い。
その上、クリーニング機構8のクリーニングの開始トリガーとしては、前記実施形態の他に、グリッチ測定計又は膜厚計を用いたものも考えられる。
グリッチ測定計は、引出電極3及び引出用電源31の間に設けて、グリッチ時間又はグリッチ回数を積算するものである。そして、このグリッチ測定計により得られた積算時間又は積算回数が所定値を超えた場合に、クリーニング機構8により堆積部位Xのクリーニングを行うようにする。
膜厚計は、例えば水晶振動子センサであり、堆積部位に設けて、堆積した粒子の膜厚を測定するものである。そして、この膜厚計により得られた膜厚が所定値を超えた場合に、クリーニング機構8により堆積部位Xのクリーニングを行うようにする。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
100・・・イオン照射装置
IB ・・・イオンビーム
2 ・・・イオン源
3 ・・・引出電極
31 ・・・引出用電源
4 ・・・分析電磁石
5 ・・・分析スリット
7 ・・・イオンビームパーキング機構
L1 ・・・照射軌道
L2 ・・・パーキング軌道
71 ・・・偏向電極
72 ・・・偏向用電源
73 ・・・マスク
73S・・・スリット
73B・・・遮断部
X ・・・堆積部位
8 ・・・クリーニング機構
81 ・・・放電電極
P ・・・対向位置
Q ・・・退避位置
82 ・・・放電用電源
83 ・・・クリーニングガス供給部
84 ・・・除去物排出部
9 ・・・偏向時間積算部
IB ・・・イオンビーム
2 ・・・イオン源
3 ・・・引出電極
31 ・・・引出用電源
4 ・・・分析電磁石
5 ・・・分析スリット
7 ・・・イオンビームパーキング機構
L1 ・・・照射軌道
L2 ・・・パーキング軌道
71 ・・・偏向電極
72 ・・・偏向用電源
73 ・・・マスク
73S・・・スリット
73B・・・遮断部
X ・・・堆積部位
8 ・・・クリーニング機構
81 ・・・放電電極
P ・・・対向位置
Q ・・・退避位置
82 ・・・放電用電源
83 ・・・クリーニングガス供給部
84 ・・・除去物排出部
9 ・・・偏向時間積算部
Claims (11)
- イオン源から引き出されたイオンビームをワークに照射するイオン照射装置であって、
前記イオンビームを、前記ワークに照射される照射軌道から偏向させて、前記ワークに照射させないパーキング軌道にするイオンビームパーキング機構と、
前記パーキング軌道とされたイオンビームによってスパッタリングされた粒子が堆積する堆積部位の周囲にプラズマを発生させて、前記堆積部位に堆積した粒子を除去するクリーニング機構とを備えるイオン照射装置。 - 前記クリーニング機構が、
前記堆積部位に対向して設けられる放電電極と、
前記堆積部位及び前記放電電極の間に電圧を印加して放電させる放電用電源と、
前記堆積部位及び前記放電電極の間にプラズマ化するクリーニングガスを供給するクリーニングガス供給部と、
前記プラズマにより除去された除去物を前記堆積部位が位置する空間から排出する除去物排出部とを備える請求項1記載のイオン照射装置。 - 前記放電電極が、前記堆積部位に対向する対向位置及び前記堆積部位に対向しない退避位置の間で移動可能に構成されている請求項2記載のイオン照射装置。
- 前記イオンビームパーキング機構が、
前記イオンビームを挟んで配置された偏向電極と、
前記偏向電極に偏向電圧を印加する偏向用電源と、
前記偏向電極よりもイオンビーム下流側に設けられたマスクとを備え、
前記マスクが、
前記照射軌道にあるイオンビームが通過するスリットと、
前記パーキング軌道にあるイオンビームを遮る遮断部とを有する請求項1記載のイオン照射装置。 - 前記イオンビームの質量分析を行う分析電磁石と、
前記分析電磁石を通過したイオンビームのうち、所望のイオンを含むイオンビームを通過させる分析スリットとを備え、
前記偏向電極が、前記分析電磁石及び前記分析スリットの間に設けられており、
前記マスクが、前記分析スリットである請求項4記載のイオン照射装置。 - 前記マスクが、前記イオンビームを整形する整形マスクである請求項4記載のイオン照射装置。
- 前記イオンビームパーキング機構による偏向時間を積算する偏向時間積算部を備え、
前記偏向時間積算部により得られた積算偏向時間に基づいて、前記クリーニング機構が、前記堆積部位をクリーニングする請求項1記載のイオン照射装置。 - 前記堆積部位に堆積した膜厚を測定する膜厚計を備え、
前記膜厚計により得られた膜厚に基づいて、前記クリーニング機構が、前記堆積部位をクリーニングする請求項1記載のイオン照射装置。 - 前記クリーニング機構による前記堆積部位のクリーニング時に、前記ワークを前記イオンビームが照射される照射位置から退避させる請求項1記載のイオン照射装置。
- イオン源から引き出されたイオンビームをワークに照射するものであり、前記イオンビームを、前記ワークに照射される照射軌道から偏向させて、前記ワークに照射させないパーキング軌道とするイオンビームパーキング機構と、前記パーキング軌道とされたイオンビームによってスパッタリングされた粒子が堆積する堆積部位の周囲にプラズマを発生させて、前記堆積部位に堆積した粒子を除去するクリーニング機構とを備えるイオン照射装置のクリーニング方法であって、
前記イオンビームパーキング機構による前記イオンビームの積算偏向時間を偏向時間積算計により積算し、当該偏向時間積算計により得られた積算偏向時間をトリガーとして、前記クリーニング機構により前記堆積部位のクリーニングを開始するイオン照射装置のクリーニング方法。 - イオン源から引き出されたイオンビームをワークに照射するものであり、前記イオンビームを、前記ワークに照射される照射軌道から偏向させて、前記ワークに照射させないパーキング軌道とするイオンビームパーキング機構と、前記パーキング軌道とされたイオンビームによってスパッタリングされた粒子が堆積する堆積部位の周囲にプラズマを発生させて、前記堆積部位に堆積した粒子を除去するクリーニング機構とを備えるイオン照射装置のクリーニング方法であって、
前記堆積部位に堆積した膜厚を膜厚計により測定し、当該膜厚計により得られた膜厚をトリガーとして、前記クリーニング機構により前記堆積部位のクリーニングを開始するイオン照射装置のクリーニング方法。
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JP2018029052A (ja) * | 2016-08-16 | 2018-02-22 | エフ イー アイ カンパニFei Company | プラズマクリーナで使用される磁石 |
KR20210029072A (ko) | 2019-09-05 | 2021-03-15 | 닛신 이온기기 가부시기가이샤 | 이온빔 조사 장치의 클리닝 방법 |
JP2021532348A (ja) * | 2018-07-26 | 2021-11-25 | バリアン・セミコンダクター・エクイップメント・アソシエイツ・インコーポレイテッド | グリッチを検出するためのシステム及び方法 |
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2014
- 2014-08-28 JP JP2014174016A patent/JP2016048665A/ja active Pending
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