JP2016048652A - 非水電解液二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】入力特性に優れる非水電解液二次電池を提供する。【解決手段】非水電解液二次電池は、負極集電体21と、負極集電体21上に形成された負極合材層22とを備える。負極合材層22は、第1結着材1を含有する第1層22aと、第2結着材2を含有する第2層22bとを含む。第1層22aは、第2層22bよりも負極集電体21に近く配置されている。第1結着材1の膨潤度は、第2結着材2の膨潤度よりも高い。【選択図】図6
Description
本発明は非水電解液二次電池に関する。
特開2013−58362号公報(特許文献1)には、負極合材層が、下層部(負極集電体側)において相対的に粒径が小さい結着材を多く含み、上層部(表層側)において相対的に粒径が大きい結着材を多く含む、二次電池が開示されている。
特許文献1によると、先ず、粒径が小さい結着材を含む第1の組成物(ペースト)を負極集電体上に塗工し、さらにその上から粒径が大きい結着材を含む第2の組成物を塗工することにより、乾燥中に結着材が表層に向かって移動し、乾燥後に負極合材層と負極集電体との密着力が低下する不具合(いわゆる「バインダーマイグレーション」)を防止できるとされている。しかしながら、たとえば車載用二次電池に求められる高い入力特性をも考慮に入れるならば、こうした2層負極にもさらに改善の余地が残されている。
電池の入力特性(すなわち「充電受入性」)は、負極合材中での電子の移動のしやすさに影響されている。かかる見地からすれば、抵抗成分たる結着材(典型的には合成ゴム)の減量が有効ともいえる。しかし負極合材において結着材を減量すると、サイクル特性の低下を余儀なくされる。
結着材の減量に伴ってサイクル特性等が低下する要因のひとつに、結着材の膨潤が挙げられる。すなわち結着材が電解液に対して膨潤することにより、その結着力が次第に失われ、負極集電体から負極活物質が剥離したり、あるいは膨潤した結着材が負極集電体を覆ってしまい電子移動を妨げたりするのである。とりわけ膨潤度(電解液に対する膨潤のしやすさ)の高い結着材では、膨潤に伴う結着力の低下が著しく、これを用いた二次電池では諸特性の低下が顕著に現れる。
従来、負極合材の結着材に膨潤度の低い結着材(たとえばSBR等)が用いられてきたのには、こうした背景がある。そしてこれまで膨潤度の低い結着材を用い、その配合比率を調整することにより、諸特性の改善が図られてきた。しかし、前述したように結着材の増減では、入力特性とサイクル特性等とがトレードオフの関係にあり、入力特性の大幅な改善は望めない。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものである。それゆえ本発明の目的は、入力特性に優れる非水電解液二次電池を提供することである。
〔1〕非水電解液二次電池は、負極集電体と、該負極集電体上に形成された負極合材層とを備える。負極合材層は、第1結着材を含有する第1層と、第2結着材を含有する第2層とを含む。第1層は、第2層よりも負極集電体に近く配置されている。第1結着材の膨潤度は、第2結着材の膨潤度よりも高い。
本発明者の研究によれば、膨潤度の低い結着材を含有する負極合材層ではリチウムイオン(Li+)の拡散性(以下「イオン拡散性」とも記す)は良いものの、結着材のLi+の伝導性(以下「イオン伝導性」とも記す)が低いことから、結着材が負極活物質に付着した部分においてLi+の挿入反応が阻害され、入力特性の低下を来している。他方、膨潤度の高い結着材は、膨潤して多量の電解液を保持することから、イオン伝導性を示すことができ、負極活物質に付着してもLi+の挿入反応を阻害し難いという、入力特性に利する側面を有している。その半面、膨潤度の高い結着材は、負極合材層の表層付近に存在していると、膨潤した際に表層の細孔を塞いでしまい、通電時のイオン拡散性を低下させる。とりわけ大電流通電時は、負極合材層の表層における反応が支配的となることから、表層の細孔が閉塞していると、入力特性が低下する。また前述のとおり膨潤度の高い結着材は、結着力に問題がある。
そこで上記の非水電解液二次電池では、膨潤度の高い第1結着材を含有する第1層を下層とし、膨潤度の低い第2結着材を含有する第2層を上層とする、2層構造を採用することにした。
この構成では、第1結着材のイオン伝導性により第1層(下層)において負極活物質の反応性が向上する。また第1層の上には、膨潤度の低い第2結着材を含有する第2層(上層)が形成されていることから、表層の細孔が閉塞し難く、通電時のイオン拡散性も確保される。その結果、イオン伝導性とイオン拡散性とが相俟って入力特性が顕著に向上する。
またこの構成では、第1層(下層)において負極活物質相互間の結着力は低下するものの、この上に形成された第2層(上層)での負極活物質相互間の結着力が強いことから、第2層が第1層の結着力の低下を補い、剥離等の不具合の発生を抑制することもできる。
ここで「結着材の膨潤度[単位:質量%]」は、次の[a]〜[d]の手順に従って測定するものとする
[a]膨潤度の測定は、固体状態で行う。よって結着材が溶媒に分散した状態である場合には、先ず溶媒を揮発させて固体状態の結着材を得る
[b]結着材の質量を測定して初期質量(W0)を得る
[c]結着材と十分な量の電解液とを密閉容器に入れ、60℃で1週間保管する。このとき電解液には[1.1mоl/L LiPF6 EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比)]を用いるものとする
[d]保管後、膨潤した結着材を取り出し、膨潤後質量(W1)を測定する。次式(I):(膨潤度)=(W1−W0)/W0・・・(I)
により膨潤度を算出する。
[a]膨潤度の測定は、固体状態で行う。よって結着材が溶媒に分散した状態である場合には、先ず溶媒を揮発させて固体状態の結着材を得る
[b]結着材の質量を測定して初期質量(W0)を得る
[c]結着材と十分な量の電解液とを密閉容器に入れ、60℃で1週間保管する。このとき電解液には[1.1mоl/L LiPF6 EC:DMC:EMC=3:4:3(体積比)]を用いるものとする
[d]保管後、膨潤した結着材を取り出し、膨潤後質量(W1)を測定する。次式(I):(膨潤度)=(W1−W0)/W0・・・(I)
により膨潤度を算出する。
〔2〕第1結着材の膨潤度は100質量%以上800質量%以下であり、第2結着材の膨潤度は5質量%以上80質量%以下であることが好ましい。入力特性がいっそう高まるからである。
〔3〕負極合材層のうち第2層の占める割合は、30体積%以上70体積%以下が好ましい。イオン伝導性とイオン拡散性とのバランスが向上するからである。
上記によれば、入力特性に優れる非水電解液二次電池が提供される。
以下、本発明の一実施形態(以下「本実施形態」とも記す)について詳細に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
〔非水電解液二次電池〕
図1は、本実施形態に係る非水電解液二次電池の構成の一例を示す概略概念図である。図1を参照して電池100は密閉型電池であり、角形の外装体50を備えている。外装体50は、有底角形のケース52と蓋54とから構成される。外装体50の素材は、たとえばアルミニウム(Al)合金である。ケース52と蓋54とは、たとえばレーザ溶接によって接合されている。蓋54には正極端子70および負極端子72が設けられている。
図1は、本実施形態に係る非水電解液二次電池の構成の一例を示す概略概念図である。図1を参照して電池100は密閉型電池であり、角形の外装体50を備えている。外装体50は、有底角形のケース52と蓋54とから構成される。外装体50の素材は、たとえばアルミニウム(Al)合金である。ケース52と蓋54とは、たとえばレーザ溶接によって接合されている。蓋54には正極端子70および負極端子72が設けられている。
〔電極群〕
図2は図1のII−II線における電池100の概略断面図である。図2を参照して電池100は、電極群80と電解液(図示せず)とを内蔵している。図3は、電極群80の構成の一例を示す概略図である。図3を参照して電極群80は巻回型の電極群である。電極群80を構成する正極10、負極20およびセパレータ40はいずれも長尺帯状のシート部材である。電極群80は、セパレータ40を挟んで正極10と負極20とが対向配置され、各部材の長手方向に沿って巻回されてなる。
図2は図1のII−II線における電池100の概略断面図である。図2を参照して電池100は、電極群80と電解液(図示せず)とを内蔵している。図3は、電極群80の構成の一例を示す概略図である。図3を参照して電極群80は巻回型の電極群である。電極群80を構成する正極10、負極20およびセパレータ40はいずれも長尺帯状のシート部材である。電極群80は、セパレータ40を挟んで正極10と負極20とが対向配置され、各部材の長手方向に沿って巻回されてなる。
正極10および負極20は、幅方向(短手方向)の片側端部に集電体(典型的には金属箔)が露出した露出部EPを有している。電極群80において正極10と負極20とは、それぞれの露出部EPが巻回軸AW上において互いに異なる方向から取り出せるように対向配置されている。再び図2を参照して、電極群80の露出部EPには、正極集電板74および負極集電板76がそれぞれ溶接され、正極端子70および負極端子72から電極群80に至る導電経路が形成される。
電池100は、その周囲を筐体あるいは拘束部材(図示せず)によって拘束した状態で使用することもできる。電極群80の扁平面が圧力を受けるように、電池100を拘束すれば、結着材が膨潤して結着力が低下した際にも、負極合材の剥離等を抑制することができ、サイクル特性が向上する。こうした態様としては、たとえば複数の電池100を連結し、その周囲を拘束した組電池が挙げられる。
〔負極〕
図5は、負極20の構成の一例を示す概略図である。図5を参照して負極20は、長尺帯状の負極集電体21と、その両主面上に形成された長尺帯状の負極合材層22とを含んでいる。図6は、図5のVI−VI線における概略断面図である。図6を参照して負極合材層22は、第1層22aと第2層22bとを含む。第1層22aは、第2層22bよりも負極集電体21に近く配置されている。負極集電体21は、たとえば銅(Cu)箔である。
図5は、負極20の構成の一例を示す概略図である。図5を参照して負極20は、長尺帯状の負極集電体21と、その両主面上に形成された長尺帯状の負極合材層22とを含んでいる。図6は、図5のVI−VI線における概略断面図である。図6を参照して負極合材層22は、第1層22aと第2層22bとを含む。第1層22aは、第2層22bよりも負極集電体21に近く配置されている。負極集電体21は、たとえば銅(Cu)箔である。
第1層22aは、第1結着材1と負極活物質3とを含有し、第2層22bは、第2結着材2と負極活物質3とを含有する。本実施形態では、第1結着材の膨潤度が第2結着材の膨潤度よりも高くなるように、第1結着材および第2結着材が選択される。こうした2層構造は、たとえば、結着材の異なる2種の負極ペーストをそれぞれ作製し、それらを2層塗工が可能なダイコータで負極集電体21の主面上に塗工し、さらにこれを乾燥することにより形成することができる。ペーストの溶媒には、たとえば水を使用することができる。乾燥後、負極合材層22を圧縮して、その厚さおよび合材密度を調整してもよい。
第1結着材には、膨潤度の高い結着材が選択される。そうした結着材としては、たとえばウレタン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。膨潤度は、たとえば樹脂の分子構造、分子量等によっても調整することができる。ここで第1結着材の膨潤度は100質量%以上800質量%以下が好ましい。第1結着材の膨潤度が100質量%未満になると、十分なイオン伝導性が発現しない場合があり、800質量%を超えると結着力に問題を生じる場合もあるからである。第1結着材の膨潤度は、より好ましくは120質量%以上700質量%以下である。
第2結着材には、膨潤度の低い結着材が選択される。そうした結着材としては、たとえばスチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が挙げられる。第2結着材の膨潤度は5質量%以上80質量%以下が好ましい。第2結着材の膨潤度が5質量%未満になると、第2層22b(上層)において負極活物質3の反応性が低下し、所望の入力特性が得られない場合があり、80質量%を超えると第2層22bにおいて細孔の閉塞が懸念されるからである。
負極合材層22のうち第2層22bが占める割合は、30体積%以上70体積%以下が好ましい。かかる範囲でイオン伝導性とイオン拡散性とのバランスが向上するからである。同割合は、より好ましくは40体積%以上60体積%以下である。ここで各層の塗工面積が略同一であれば、同割合は、第1層22aの厚さT1と第2層22bの厚さT2とから、次式(II):(第2層の占有率)=T2/(T1+T2)・・・(II)
により算出することができる。ここで「略同一」とは、対象となる数値の0.97倍以上1.03倍以下の範囲を示すものとする。
により算出することができる。ここで「略同一」とは、対象となる数値の0.97倍以上1.03倍以下の範囲を示すものとする。
負極合材層22のうち第2層22bが占める割合は、たとえば第1層22aおよび第2層22bの単位面積当たりの塗工質量によって調整することができる。各層となるべき負極ペーストのペースト密度が略同一であれば、各層の塗工質量の比は、各層の厚さの比とみなすことができるからである。
負極活物質には、たとえば黒鉛、コークス等を使用することができる。負極合材層22(第1層22aおよび第2層22b)における負極活物質の占める割合は、たとえば90〜99質量%程度である。また負極合材層22は増粘材を含有することもできる。増粘材には、たとえばカルボキシメチルセルロース(CMC)を使用することができる。
〔正極〕
図4は、正極10の構成の一例を示す概略図である。図4を参照して正極10は、長尺帯状の正極集電体11と、その両主面上に形成された長尺帯状の正極合材層12とを含んでいる。正極集電体11は、たとえばAl箔である。正極10は従来公知の方法によって作製することができる。たとえば正極合材を所定の溶媒に分散してなる正極ペーストを、正極集電体11の両主面上に塗工し、これを乾燥することにより正極10を作製することができる。ペーストの溶媒には、たとえばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を使用することができる。乾燥後、正極合材層12を圧縮して、その厚さおよび合材密度を調整してもよい。
図4は、正極10の構成の一例を示す概略図である。図4を参照して正極10は、長尺帯状の正極集電体11と、その両主面上に形成された長尺帯状の正極合材層12とを含んでいる。正極集電体11は、たとえばAl箔である。正極10は従来公知の方法によって作製することができる。たとえば正極合材を所定の溶媒に分散してなる正極ペーストを、正極集電体11の両主面上に塗工し、これを乾燥することにより正極10を作製することができる。ペーストの溶媒には、たとえばN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を使用することができる。乾燥後、正極合材層12を圧縮して、その厚さおよび合材密度を調整してもよい。
正極合材は、正極活物質と導電材と結着材とを含む。正極活物質には、たとえばLiCoO2、LiNiO2、LiNiaCobO2(a+b=1、0<a<1、0<b<1)、LiMnO2、LiMn2O4、LiNiaCobMncO2(a+b+c=1、0<a<1、0<b<1、0<c<1)、LiFePO4等を使用することができる。正極合材における正極活物質の占める割合は、たとえば80〜98質量%程度である。また導電材には、たとえばアセチレンブラック(AB)等を、結着材には、たとえばポリフッ化ビニリデン(PVdF)等を使用することができる。
〔セパレータ〕
セパレータ40はLi+を透過させつつ、正極10と負極20との電気的な接触を防止する。セパレータ40は、機械的な強度と化学的な安定性の観点からポリオレフィン系材料からなる微多孔膜が好ましい。たとえばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の微多孔膜が好適である。
セパレータ40はLi+を透過させつつ、正極10と負極20との電気的な接触を防止する。セパレータ40は、機械的な強度と化学的な安定性の観点からポリオレフィン系材料からなる微多孔膜が好ましい。たとえばポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の微多孔膜が好適である。
またセパレータ40は、複数の微多孔膜が積層されたものであってもよいし、その表面に無機フィラー(たとえばアルミナ粒子等)を含む耐熱層が形成されたものであってもよい。セパレータ40の厚さは、たとえば5〜40μm程度である。セパレータ40の孔径および空孔率は、透気度が所望の値となるように適宜調整すればよい。
〔電解液〕
電解液は、非プロトン性溶媒にLi塩が溶解されてなる。非プロトン性溶媒には、たとえばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、γ−ブチロラクトン(γBL)およびビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類、ならびにジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)およびジエチルカーボネート(DEC)等の鎖状カーボネート類等を使用することができる。これらの非プロトン性溶媒は電気伝導率および電気化学的な安定性の観点から2種以上を併用することが望ましい。特に環状カーボネートと鎖状カーボネートとを混合して使用することが望ましく、その際、環状カーボネートと鎖状カーボネートの体積比は1:9〜5:5程度が好ましい。
電解液は、非プロトン性溶媒にLi塩が溶解されてなる。非プロトン性溶媒には、たとえばエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、γ−ブチロラクトン(γBL)およびビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類、ならびにジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)およびジエチルカーボネート(DEC)等の鎖状カーボネート類等を使用することができる。これらの非プロトン性溶媒は電気伝導率および電気化学的な安定性の観点から2種以上を併用することが望ましい。特に環状カーボネートと鎖状カーボネートとを混合して使用することが望ましく、その際、環状カーボネートと鎖状カーボネートの体積比は1:9〜5:5程度が好ましい。
Li塩には、たとえば、ヘキサフルオロ燐酸リチウム(LiPF6)、テトラフルオロ硼酸リチウム(LiBF4)、過塩素酸リチウム(LiClO4)、ヘキサフロオロ砒酸リチウム(LiAsF6)、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム〔Li(CF3SO2)2N〕、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)等を使用することができる。これらのLi塩についても2種以上を併用してもよい。電解液中におけるLi塩の濃度は、特に限定されないが、入力特性およびサイクル特性等の観点から0.5〜2.0mol/L程度が好ましい。
以上、角形電池を例にとって本実施形態を説明したが、本実施形態はこれに限られず、円筒形電池あるいはラミネート電池(「パウチ形電池」ともいう)等にも適用され得る。また電極群の構成も前述した巻回型に限られず、積層型(「スタック型」ともいう)とすることもできる。
以下、実施例を用いて本実施形態をさらに詳細に説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
〔非水電解液二次電池の作製〕
以下のように電池A1〜A9ならびに電池B1およびB2を作製し、入力特性を評価した。ここでは電池A1〜A9が実施例に相当し、電池B1およびB2が比較例に相当する。
以下のように電池A1〜A9ならびに電池B1およびB2を作製し、入力特性を評価した。ここでは電池A1〜A9が実施例に相当し、電池B1およびB2が比較例に相当する。
〔負極ペーストの作製〕
1.負極ペーストa
負極ペーストaには次の材料を使用した
負極活物質:黒鉛
増粘材:CMC
結着材:SBR(膨潤度が30質量%であるもの)。
1.負極ペーストa
負極ペーストaには次の材料を使用した
負極活物質:黒鉛
増粘材:CMC
結着材:SBR(膨潤度が30質量%であるもの)。
プラネタリミキサを用いて、黒鉛(98質量部)、CMC(1質量部)および水(66質量部)を混練した。その後、水(19質量部)を加えて混合物を希釈し、さらにSBR(1質量部)を加えて混練することにより負極ペーストaを得た。負極ペーストaの固形分比率は54質量%である。
2.負極ペーストb
結着材としてウレタン樹脂(膨潤度が120質量%であるもの)を使用することを除いては、負極ペーストaと同様にして負極ペーストbを得た。
結着材としてウレタン樹脂(膨潤度が120質量%であるもの)を使用することを除いては、負極ペーストaと同様にして負極ペーストbを得た。
3.負極ペーストc
結着材としてウレタン樹脂(膨潤度が400質量%であるもの)を使用することを除いては、負極ペーストaと同様にして負極ペーストcを得た。
結着材としてウレタン樹脂(膨潤度が400質量%であるもの)を使用することを除いては、負極ペーストaと同様にして負極ペーストcを得た。
4.負極ペーストd
結着材としてウレタン樹脂(膨潤度が800質量%であるもの)を使用することを除いては、負極ペーストaと同様にして負極ペーストdを得た。
結着材としてウレタン樹脂(膨潤度が800質量%であるもの)を使用することを除いては、負極ペーストaと同様にして負極ペーストdを得た。
5.負極ペーストe
結着材としてSBR(膨潤度が5質量%であるもの)を使用することを除いては、負極ペーストaと同様にして負極ペーストeを得た。
結着材としてSBR(膨潤度が5質量%であるもの)を使用することを除いては、負極ペーストaと同様にして負極ペーストeを得た。
6.負極ペーストf
結着材としてアクリル樹脂(膨潤度が80質量%であるもの)を使用することを除いては、負極ペーストaと同様にして負極ペーストfを得た。
結着材としてアクリル樹脂(膨潤度が80質量%であるもの)を使用することを除いては、負極ペーストaと同様にして負極ペーストfを得た。
〔電池A1の作製〕
1.負極の作製
負極集電体(Cu箔)の主面上に、負極ペーストaが第2層(上層)、負極ペーストbが第1層(下層)となるように塗工し、これを乾燥することにより負極合材層を得た。このとき、塗工には2層塗工が可能なダイコータを使用し、単位面積当たりの塗工質量が第1層と第2層とで同じになるように塗工した。乾燥後、これを所定の寸法に加工して負極を得た。
1.負極の作製
負極集電体(Cu箔)の主面上に、負極ペーストaが第2層(上層)、負極ペーストbが第1層(下層)となるように塗工し、これを乾燥することにより負極合材層を得た。このとき、塗工には2層塗工が可能なダイコータを使用し、単位面積当たりの塗工質量が第1層と第2層とで同じになるように塗工した。乾燥後、これを所定の寸法に加工して負極を得た。
ここで、今回の実験では各負極ペーストのペースト密度は同じとしている。よって各層が負極合材層において占める割合(体積占有率)は、単位面積当たりの塗工質量の比とみなすことができる。ちなみに電池A1では、第1層(50体積%)、第2層(50体積%)となる。
2.正極の作製
正極ペーストには次の材料を使用した
正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2
導電材:AB
結着材:PVdF。
正極ペーストには次の材料を使用した
正極活物質:LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2
導電材:AB
結着材:PVdF。
これらの材料をプラネタリミキサで溶媒(NMP)とともに混練し、正極ペーストを得た。正極集電体(Al箔)の主面上に、正極ペーストを塗工し、これを乾燥することにより正極合材層を得た。乾燥後、これを所定の寸法に加工して正極を得た。
3.組み立て
セパレータを挟んで正極と負極とが対向するように巻回して電極群を得た。電極群に集電板を取り付け、外装体に挿入した。外装体に所定量の電解液[1.1mоl/L LiPF6 EC:DMC:EMC=3:4:3]を注入し、外装体を密閉して、定格容量が4Ahである電池A1を得た。
セパレータを挟んで正極と負極とが対向するように巻回して電極群を得た。電極群に集電板を取り付け、外装体に挿入した。外装体に所定量の電解液[1.1mоl/L LiPF6 EC:DMC:EMC=3:4:3]を注入し、外装体を密閉して、定格容量が4Ahである電池A1を得た。
4.初期充放電
電池A1に対して、4Aの電流値で4.1Vに達するまで充電を行い、その後4Aの電流値で3.0Vに達するまで放電を行った。
電池A1に対して、4Aの電流値で4.1Vに達するまで充電を行い、その後4Aの電流値で3.0Vに達するまで放電を行った。
〔電池A2〜A5の作製〕
表1に示すように、第1層と第2層とで負極ペーストの組み合わせを変更することを除いては、電池A1と同様にして電池A2〜A5を得た。
表1に示すように、第1層と第2層とで負極ペーストの組み合わせを変更することを除いては、電池A1と同様にして電池A2〜A5を得た。
〔電池A6〜A9の作製〕
第1層および第2層が負極合材層において占める割合が表1に示す値となるように、塗工質量を変更することを除いては、電池A1と同様にして電池A6〜A9を得た。
第1層および第2層が負極合材層において占める割合が表1に示す値となるように、塗工質量を変更することを除いては、電池A1と同様にして電池A6〜A9を得た。
〔電池B1およびB2の作製〕
表1に示すように、電池B1およびB2では、負極ペーストaあるいはbを使用して単層の負極合材層を形成した。このとき負極合材層の厚さは、電池A1における負極合材層の厚さ(第1層と第2層との合計厚さ)と同じとした。それ以外は電池A1と同様にして電池B1およびB2を得た。
表1に示すように、電池B1およびB2では、負極ペーストaあるいはbを使用して単層の負極合材層を形成した。このとき負極合材層の厚さは、電池A1における負極合材層の厚さ(第1層と第2層との合計厚さ)と同じとした。それ以外は電池A1と同様にして電池B1およびB2を得た。
〔入力特性の評価〕
上記で得た各電池を3.7Vまで充電した後、25℃環境下、20Aの電流値で10秒間充電し、このときの分極から抵抗値を求めた。これを「常温抵抗」とする。また同様に各電池を3.7Vまで充電した後、0℃環境下、5Aの電流値で10秒間充電し、このときの分極から抵抗値を求めた。これを「低温抵抗」とする。結果を表1に示す。
上記で得た各電池を3.7Vまで充電した後、25℃環境下、20Aの電流値で10秒間充電し、このときの分極から抵抗値を求めた。これを「常温抵抗」とする。また同様に各電池を3.7Vまで充電した後、0℃環境下、5Aの電流値で10秒間充電し、このときの分極から抵抗値を求めた。これを「低温抵抗」とする。結果を表1に示す。
〔結果と考察〕
1.電池B1およびB2(比較例)
膨潤度の低い結着材を使用し、負極合材層を単層とした電池B1では、低温抵抗が高い結果となった。これは結着材のイオン伝導性の低さを反映した結果と考えられる。
1.電池B1およびB2(比較例)
膨潤度の低い結着材を使用し、負極合材層を単層とした電池B1では、低温抵抗が高い結果となった。これは結着材のイオン伝導性の低さを反映した結果と考えられる。
また膨潤度の高い結着材を使用し、負極合材層を単層とした電池B2では、常温抵抗が高い結果となった。結着材が膨潤して、負極合材層の細孔を狭めてしまい、それによりLi+の拡散が大電流通電に追随できなくなっているものと考えられる。
2.電池A8およびA9(実施例)
膨潤度の高い第1結着材を含有する第1層(10体積%)と、これよりも膨潤度の低い第2結着材を含有する第2層(90体積%)とからなる2層構造とした電池A8では、膨潤度の低い結着材を含有する単層とした電池B1よりも低温抵抗が低下していた。これは第1層においてイオン伝導性が向上したからであると考えらえる。
膨潤度の高い第1結着材を含有する第1層(10体積%)と、これよりも膨潤度の低い第2結着材を含有する第2層(90体積%)とからなる2層構造とした電池A8では、膨潤度の低い結着材を含有する単層とした電池B1よりも低温抵抗が低下していた。これは第1層においてイオン伝導性が向上したからであると考えらえる。
また膨潤度の高い第1結着材を含有する第1層(90体積%)と、これよりも膨潤度の低い第2結着材を含有する第2層(10体積%)とからなる2層構造とした電池A9では、膨潤度の高い結着材を含有する単層とした電池B2よりも常温抵抗が低下していた。これは、第2層において細孔の閉塞が抑制されたからであると考えられる。
この結果から、負極合材層を2層構造とし、さらに膨潤度の高い結着材を含有する層を下層、膨潤度の低い結着材を含有する層を上層とすれば、入力特性に優れる非水電解液二次電池が得られることが分かる。
3.電池A1〜A7(実施例)
負極合材層のうち第2層の占める割合を30体積%以上70体積%以下とした電池A1〜A7では、電池A8およびA9に比し、常温抵抗と低温抵抗とのバランスが改善され、常温抵抗および低温抵抗がいっそう低下した。よって同割合は30体積%以上70体積%以下が好ましいといえる。
負極合材層のうち第2層の占める割合を30体積%以上70体積%以下とした電池A1〜A7では、電池A8およびA9に比し、常温抵抗と低温抵抗とのバランスが改善され、常温抵抗および低温抵抗がいっそう低下した。よって同割合は30体積%以上70体積%以下が好ましいといえる。
以上、本発明の一実施形態および実施例について説明したが、今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 第1結着材、2 第2結着材、3 負極活物質、10 正極、11 正極集電体、12 正極合材層、20 負極、21 負極集電体、22 負極合材層、22a 第1層、22b 第2層、40 セパレータ、50 外装体、52 ケース、54 蓋、70 正極端子、72 負極端子、74 正極集電板、76 負極集電板、80 電極群、100 電池、AW 巻回軸、EP 露出部、T1,T2 厚さ。
Claims (1)
- 負極集電体と、前記負極集電体上に形成された負極合材層とを備え、
前記負極合材層は、第1結着材を含有する第1層と、第2結着材を含有する第2層とを含み、
前記第1層は、前記第2層よりも前記負極集電体に近く配置され、
前記第1結着材の膨潤度は、前記第2結着材の膨潤度よりも高い、非水電解液二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014173645A JP2016048652A (ja) | 2014-08-28 | 2014-08-28 | 非水電解液二次電池 |
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JP2014173645A JP2016048652A (ja) | 2014-08-28 | 2014-08-28 | 非水電解液二次電池 |
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ID=55649445
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JP2014173645A Pending JP2016048652A (ja) | 2014-08-28 | 2014-08-28 | 非水電解液二次電池 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2016048652A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112563453A (zh) * | 2020-12-10 | 2021-03-26 | 珠海冠宇电池股份有限公司 | 一种负极片及包括该负极片的锂离子电池 |
JP2021128843A (ja) * | 2020-02-12 | 2021-09-02 | 株式会社Gsユアサ | 非水電解質蓄電素子 |
WO2023276660A1 (ja) * | 2021-06-28 | 2023-01-05 | 三洋電機株式会社 | 非水電解質二次電池 |
-
2014
- 2014-08-28 JP JP2014173645A patent/JP2016048652A/ja active Pending
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