JP2016047882A - 解氷及び他の用途に用いるための組成物及びその利用 - Google Patents

解氷及び他の用途に用いるための組成物及びその利用 Download PDF

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昌嗣 渕田
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昌嗣 渕田
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Shingo Imura
新吾 井村
千紗子 近藤
Chisako Kondo
千紗子 近藤
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Abstract

【課題】車両やガラスに付着する霜、雪及び氷などの解氷能力及び再凍結防止能を維持しつつ、同時に洗浄性能を付与する実用的用途を備える組成物を提供する。【解決手段】酢酸塩を利用し、アルコール類の組成を変更し、さらにグリコール類に替えてアルキルグリコールモノアルキルエーテル類に変更することによる、水と、アルコール類と、アルキレングリコールモノアルキルテール類と、1種又は2種以上の酢酸塩と、を含む、解氷及び洗浄用途に用いるための組成物。【選択図】なし

Description

本明細書は、解氷及び他の用途に用いる組成物及びその利用に関する。
従来より、冬期等において、自動車などの車両やその他のガラスなどの表面に付着する霜、雪及び氷などを溶解する解氷剤が用いられている。この種の解氷剤は、解氷後のガラス面等のギラツキ防止及び再凍結防止のために、メタノール、エタノール、IPAなどのアルコール類とエチレングリコールやプロピレングリコールなどのグリコール類を混合しているものが一般的である(例えば、特許文献1)。
特開2000−328047号公報
しかしながら、こうした有機溶媒を含んでいても再凍結を効果的に防止することは相当困難であった。
また、こうした製品は、解氷剤の使用時期である冬期のみしか使用しない季節商品であって通年使用品でないために、販売者にとって使用時期が過ぎると商品として陳列できない。また、再凍結防止のために加えられている有機溶媒は、消防法別表の第4類危険物に分類される第1石油類、第2石油類、アルコール類等に分類される引火性液体がほとんどであった。したがって、販売者においては消防法上の規制から保管が困難であり、結果として販売者はメーカー等販売元に返品せざるをえず、メーカーとしてもその保管コストを負担せざるを得なかった。さらに、ユーザーにとっても次シーズンまで使用する機会がないため、保管しなければならないという不都合があった。
本明細書は、上記不都合の少なくとも1つに鑑み、より実用的であって、解氷剤のほかの実用的用途を備える組成物を提供する。
本発明者らは、解氷剤に兼用させるべき、冬期に限定されない実用的な用途について種々検討したところ、ガラス等の洗浄用途に着目した。そして、水性媒体による組成であってしかも解氷能力及び再凍結防止能力を維持しつつ、同時に洗浄用途を意図した性能を付与することついて種々検討した。その結果、酢酸塩を利用し、アルコール類の組成を変更し、さらにグリコール類に替えてアルキルグリコールモノアルキルエーテル類の組成を変更することで、より優れた解氷用途に加えて新たに洗浄用途を両立できるという知見を得た。本明細書によれば、以下の手段が提供される。
(1) 水と、アルコール類と、アルキレングリコールモノアルキルテール類と、1種又は2種以上の酢酸塩と、を含む、解氷及び洗浄用途に用いるための組成物。
(2) 前記酢酸塩は、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸リチウム及び酢酸アンモニウムからなる群から選択される、(1)に記載の組成物。
(3) 前記酢酸塩は、酢酸カリウムである、(2)に記載の組成物。
(4) 前記アルキレングリコールモノアルキルエーテル類は、エチレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル及び3−メトキシ−1−ブタノールからなる群から選択される1種又は2種以上である、(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物。
(5) 前記アルコール類は、メタノール、エタノール、1−プロパノール及び2−プロパノールからなる群から選択される1種又は2種以上である、(1)〜(4)のいずれかに記載の組成物。
(6)前記アルコール類は、メタノール、エタノール及び1−プロパノールである、(5)に記載の組成物。
(7) 前記アルコール類は、前記組成物の全質量の60%未満である、(1)〜(6)のいずれかに記載の組成物。
(8) 引火点が60質量%エタノール水溶液につき同条件で測定した引火点よりも高い、(1)〜(7)のいずれかに記載の組成物。
(9) さらに、界面活性剤を含む、(1)〜(8)のいずれかに記載の組成物。
(10) 前記界面活性剤は、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選択される、(9)に記載の組成物。
(11) さらに、油膜除去用途に用いるための、(1)〜(10)のいずれかに記載の組成物。
(12) さらに、エアゾール剤又はトリガー剤である、(1)〜(11)のいずれかに記載の組成物。
(13) ウインドウォッシャー液である、(1)〜(11)のいずれかに記載の組成物。
本明細書の開示は、解氷及び洗浄用途に用いるための組成物及びその利用に関する。本開示の組成物によれば、より優れた解氷用途に加えて新たに洗浄用途を両立することができて、通年を通じて使用できるとともに安全性も向上した。このため、使用者、販売者及び製造者のいずれにおいてもより有用性の高い組成物を適用できる。以下、本組成物に関し、詳細に説明する。
(解氷及び洗浄用途に用いるための組成物)
本組成物は、水と、1種又は2種以上の酢酸塩と、アルコール類と、アルキレングリコールモノアルキルテール類と、を含むことができる。
(水)
水は、酢酸塩の溶解性のほか、洗浄性(拭き取り性含む。)のために用いられる。水の配合量は、酢酸塩、アルコール類及びアルキレングリコールモノアルキルエーテル類等の他成分の関係によっても異なるが、好ましくは、25質量%以上65質量%以下の範囲で、組成物の使用形態(エアゾール剤かトリガー剤かなど)等によって適宜設定される。これらの範囲で好ましくは、30質量%以上60質量%以下である。例えば、エアゾール用には、好ましくは30質量%以上45質量%以下であり、より好ましくは30質量%以上40質量%以下である。また、例えば、トリガー用としては、好ましくは50質量%以上70質量%以下であり、より好ましくは55質量%以上65質量%以下である。
(酢酸塩)
酢酸塩は、本組成物において、洗浄用途を妨げない範囲で解氷及び再凍結防止を意図して使用することができる。酢酸塩としては、特に限定しないで、各種の酢酸塩を使用することができる。例えば、酢酸塩としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属と酢酸との塩を用いることができる。典型的には、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム及び酢酸リチウム等が挙げられる。解氷性や、本組成物への適合性等の観点から、好ましくは酢酸ナトリウム及び酢酸カリウムである。より好ましくは酢酸カリウムである。
酢酸塩の配合量は特に限定しないが、例えば、1質量%以上15質量%以下とすることができる。この範囲であると、良好な解氷性及び再凍結防止性を得ることができる。より好ましくは2質量%以上10質量%以下である。さらに好ましくは2質量%以上8質量%以下である。また、酢酸塩の匂いやぬめり感を考慮すると、一層好ましくは2質量%以上6質量%以下である。より一層好ましくは2質量%以上5質量%以下である。エアゾール剤及びトリガー剤についてもこうした好適範囲が適用されうる。
(アルコール類)
アルコール類としては、主として解氷用途のために用いられる。アルコール類は、炭素数が1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキルアルコール類をいう。典型的には、1価のアルコールである。なかでも、メタノール、エタノール、1−プロパノール(n−プロピルアルコール)及び2−プロパノール(イソプロピルアルコール)等を適宜用いることができる。好ましくは、少なくともメタノール及びエタノールを用いる。これらのアルコールは、解氷能力が良好であるからであり、また洗浄用途に用いる場合の拭き取り性能に支障がないからである。また、さらに好ましくは、これらに加えて、必要に応じて1−プロパノールを用いる。1−プロパノールは、沸点が約97℃と高いため、本組成物を非引火物に適合させるのに好適であるからである。また、併せて拭き取り性能に支障がないからである。
アルコール類の配合量は、特に限定しないが、酢酸塩との組合せによって取得される解氷能力及び再凍結防止能力のほか、本組成物の使用形態(エアゾール等か否か)にも応じて適宜決定されることができる。好ましくは、アルコール類全体として、25質量%以上60質量%未満である。例えば、エアゾール用途には、アルコール類として45質量%以上65質量%以下であることが好ましく、より好ましくは50質量%以上60質量%未満であり、さらに好ましくは50質量%以上55質量%以下である。また、トリガー用途には、アルコール類として、30質量%以上40質量%以下である。
また、アルコール類のうち、解氷性能の観点からメタノール及びエタノールを用いることが好ましい。これらの合計量は、25質量%以上50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは30質量%以上45質量%以下である。
また、アルコール類のうち、解氷性能のほか、沸点の観点から1−プロパノールを用いることが好ましい。1−プロパノールの配合量は、解氷能力や再凍結防止能力等を考慮して適宜決定されるが、さらに、本組成物の沸点を考慮して配合量が決定されうる。1−プロパノールは、好ましくは2質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上16質量%以下であり、さらに好ましくは4質量%以上16質量%以下であり、一層好ましくは8質量%以上12質量%以下である。
2−プロパノールも必要に応じて使用されるが、2−プロパノールは、本組成物への沸点の影響から使用を回避することが好ましい。ただし、2−プロパノールは、本組成物の引火点が60質量%エタノール水溶液につき同条件で試験した場合の引火点を超えない範囲で、例えば、好ましくは8質量%以下、より好ましくは6質量%以下、さらに好ましくは4質量%以下、一層好ましくは2質量%以下で用いることできる。
(アルキレングリコールモノアルキルテール類)
アルキレングリコールモノアルキルエーテル類は、炭素鎖が2以上4以下の直鎖アルキレン鎖のグリコールであって、一方のOH基の水素原子が炭素数1〜3の直鎖又は分枝アルキル基で置換された1種又は2種以上である。こうしたアルキレングリコールモノアルキルエーテル類は、いずれも洗浄能力を意図して含まれている。水との相溶性も備えるとともに、油脂への相溶性を有しているため、油膜、昆虫、ワックスなどの油脂汚れに効果的であるほか、良好な拭き取り性を備えている。
こうしたアルキレングリコールモノアルキルエーテル類としては、適宜選択して水との相溶性や油脂に対する洗浄性を確認することで必要に応じて適宜選択することができる。特に限定されないが、例えば、エチレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル及び3−メトキシ−1−ブタノールからなる群から選択される1種又は2種以上とすることができる。これらのアルキレングリコールモノアルキルエーテルは、エチレングリコール、プロピレングリコール及び1,3−ブチレングリコールなどのグリコール類と比較して、シリコーン樹脂による油膜、昆虫等に由来する汚れ、カルナウバワックス等のワックス汚れに対する洗浄性が良好である。ワックスや昆虫に由来する汚れを考慮すると、好ましくは、エチレングリコールイソプロピルエーテル及びプロピレングリコールモノメチルエーテルが好ましく、ワックス汚れを考慮すると、より好ましくは、エチレングリコールイソプロピルエーテルである。
アルキレングリコールモノアルキルエーテル類の配合量は特に限定しないが、0.1質量%以上10質量%以下程度とすることができる。洗浄性はアルキレングリコールモノアルキルエーテル類が多いほど良好であるが、拭き取り性を考慮すると1質量%以上6質量%以下程度が好ましい。より好ましくは3質量%以上6質量%程度である。
(界面活性剤)
本組成物は、洗浄用途を意図して、さらに、界面活性剤を含むことができる。界面活性剤は、洗浄性能や本組成物への適合性を考慮して公知の各種界面活性剤から適宜選択される。例えば、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤及びアニオン界面活性剤が挙げられる。好ましくは、両性界面活性剤及びアニオン界面活性剤が挙げられる。非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルが挙げられ、両性活性剤としては、例えば、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油アルキルベタイン等が挙げられる。また、アニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩等が挙げられる。
(引火点)
本組成物は、その引火点が60質量%エタノール水溶液につき同条件で測定した引火点よりも高いことが好ましい。ここで引火点とは、JIS K2265に基づき。タグ密閉式引火点試験器を用いてタグ密閉法(JIS K2265−1)で測定する温度である。本組成物の引火点は、60質量%エタノール水溶液と同条件で試験した場合におけるその引火点よりも高いことが好ましい。こうした引火性に調製するには、水の配合量、アルコール類、中でもメタノールとエタノールとの配合量と、1−プロパノールの配合量とに影響される。既述したように、メタノールとエタノールとの総配合量は、25質量%以上50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは30質量%以上45質量%以下である。また、1−プロパノールの配合量は好ましくは2質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは2質量%以上16質量%以下であり、さらに好ましくは4質量%以上16質量%以下であり、一層好ましくは8質量%以上12質量%以下である。さらにアルコール類の総量は、60質量%未満であることが好ましい。
(用途)
本組成物は、解氷用途のほか、上記したように、洗浄用途に用いることができる。洗浄用途としては、油膜除去用途、昆虫汚れ除去用途及びワックス汚れ除去用途の各種の洗浄用途に用いることができる。
本組成物は、必要に応じて、公知のエアゾール用の噴射剤を用いてエアゾール剤とすることができる。例えば、エアゾール剤としての本組成物は、以下の組成を採ることができる。
水:35質量%以上45質量%以下
アルコール類:メタノール、エタノール及び1−プロパノールを用い、その総量が50質量%以上55質量%以下、特に、1−プロパノールが8質量%以上12質量%以下
アルキレングリコールモノメチルアルキルエーテル類:エチレングリコールモノイソプロピルエーテルを2.5質量%以上5質量%以下
酢酸塩:酢酸カリウムを4質量%以上5質量%以下
さらに、本組成物は、ウインドウォッシャー液とすることができる。ウインドウォッシャー液としての本組成物は、例えば、以下の組成を採ることができる。
水:55質量%以上65質量%以下
アルコール類:メタノール、エタノールを用い、その総量が30質量%以上40質量%以下
アルキレングリコールモノメチルアルキルエーテル類:エチレングリコールモノイソプロピルエーテルを1.5質量%以上2.5質量%以下
酢酸塩:酢酸カリウムを2質量%以上4質量%以下
本組成物は、以上説明した成分を適宜混合して製造することができる。当業者であれば、本組成物をエアゾール剤、トリガー剤、ウインドウォッシャー液等の各種形態とすることができる。なお、トリガー剤とは、噴射剤を伴わずに液体を吐出ないし噴出させる機構を伴う剤の形態である。また、ウィンドウォッシャー液として使用する場合、当該液を予め、ガラス面に塗布して拭き伸ばしておくことで凍結を防止することができる。
以下、本開示を具現化した実施例について説明するが、以下の実施例は、本開示を説明するためのものであって本開示を限定するものではない。なお、以下の実施例において質量%を%として表示するものとする。
本実施例では、酢酸塩と再凍結防止性能とについて検討した。以下の表1に示す組成で酢酸カリウムの配合量を異ならせた試料1A〜1Hを作製し、その再凍結防止性能を評価した。また、各試料につき、熟練した評価者による官能検査によって匂いや手で触った際のぬめりも評価した。なお、再凍結防止性能は、以下のように評価した。
<再凍結防止性能>
−15℃条件下で24時間保持したガラス板に試料を塗布して2時間に保持し、外観を確認する。その後、室温に取り出した直後の外観を確認し、さらに1時間保持後の状況を確認する。すべてにおいて透明であるとき○とし、くもりや凍結が見られるものは×とし、これらの中間であるときには△とした。結果も併せて表1に示す。
Figure 2016047882
表1に示すように、再凍結防止性能は1%以上15%以下の範囲で良好であった。また、2%以上の範囲では、一層再凍結防止性能は良好であった。また、濃度が6%以上であると、酢酸臭やぬめりが現れ、8%以上で顕著になった。したがって、酢酸臭等を考慮すると6%以下が好ましく、より好ましくは5%以下であることがわかった。
なお、酢酸カリウムに替えてギ酸ナトリウムについては、アルコールへの溶解性が低く、ギ酸ナトリウムを完全に溶解した組成物を調製しえなかった。
本実施例では、1−プロパノールの使用について評価した。以下の表2に示す組成で1−プロパノールの配合量を異ならせた試料2A〜2Fを調製し、以下の項目について評価した。結果を表2に併せて示す。なお、空欄は、未試験である。
(1)解氷性能
解氷性能は、−15℃条件下に24時間試料およびシャーレを保持する。氷は、2日前から重量が近いものやひびがないものを用意する。各試料を25mlシャーレに取り出し、−15℃条件下に1時間置いた後に、氷を置き、1時間後の氷の重量を測定する。
(2)再凍結防止性能
再凍結防止性能は、実施例1と同様に評価した。
(3)ガラスの拭き取り性能
ガラスの拭き取り性については、試料を浸したウエス布10cm×10cmを2つに折たたみガラス板の真ん中を拭き取る。拭き取った円内が透明であれば○、拭き残しやムラがあれば×とする。
(4)非危険物割合
非危険物割合については、可燃性液体量<60%、引火点及び燃焼点が60%エタノール水溶液より高いときに非危険物(○)とし、そうでない場合は×とした。なお、引火点は、JIS K2265−1タグ密閉法にて測定した。燃焼点は、タグ開放式引火点測定器を用いて消防法危険物第4類の燃焼点測定試験により測定した。
(5)引火点(℃)
引火点については、JIS K2265−1タグ密閉法にて測定した。60%エタノール水溶液と同条件で試験を行い。60%エタノール水溶液の引火点を超えないときは不適合とした。
(6)匂い
匂いについては、試験者10人に塗布作業をしてもらい匂いが不快に感じたら×、気にならない程度なら○とした。
Figure 2016047882
表2に示すように、1−プロパノールは、4%から16%の範囲で良好な解氷性能と再凍結防止性能があることがわかった。また、引火点の上昇に貢献することもわかった。2−プロパノールと併用した場合には、2−プロパノールの量によっては、引火点の低下を引き起こす場合もあることがわかった。
以上のことから、アルコール類としては、メタノール及びエタノールの他に、引火点を考慮すると、1−プロパノールを好ましく用いうることがわかった。
本実施例では、アルキレングリコールモノアルキルエーテル類の適用について評価した。また、併せて、グリコール類についても評価した。以下に示す表3に示す組成で、試料3A〜3Fを調製し、撥水ガラス面2種、虫汚れ様ガラス面1種及びワックス汚れガラス面1種に対する再凍結防止性能及び洗浄性能を評価した。なお、洗浄性能の評価に用いた撥水ガラス面は、70mm×150mmのガラス片に対して、アミノ変性シリコーン樹脂1gを布にとり均一に塗り伸ばしたもの及び同様のガラス片にジメチコン1gを布にとり均一に塗り伸ばしたものとし、虫汚れ様ガラス面は、同様のガラス片にロジン+キャンデリラ樹脂計1gを布にとり均一に塗り伸ばしたものとし、ワックス汚れガラス面は、同様のガラス片にカルナバワックス1gを布にとり均一に塗り伸ばしたものとした。また、洗浄性能は、洗浄結果が良好なものから◎、○、△及び×とした。結果を表3に併せて示す。
Figure 2016047882
表3に示すように、エチレングリコールイソプロピルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの3種のアルキレングリコールモノアルキルエーテルは、いずれのガラス面に対しても良好な洗浄性能と再凍結防止性能を示した。これに対して、グリコール類は、再凍結防止性能は良好であるものの、洗浄性についていずれも問題があった。
また、エチレングリコールイソプロピルエーテルの配合量について、表4に示す通りの試料3G〜3Lを調製して、洗浄性能と拭き取り作業性能とを良好なものから○、△及び×として評価した。なお、拭き取り作業性能は、実施例2と同様に評価した。結果を併せて表4に示す。
Figure 2016047882
表4に示すように、このエーテルについては、0.1%から10%において少なくとも部分的に良好な洗浄性能を示し、1%以上であればおおよそ良好な洗浄性能を示し、さらに、3%では一層良好であり、濃度が高まるにつれて良好な洗浄性能を示した。これに対して、拭き取り作業能については、1%以上6%以下の範囲で良好な性能を示す一方、それ以外では、汚れ伸びや液伸びがあって必ずしも良好ではなかった。
以上のことから、エチレングリコールイソプロピルエーテル、3−メトキシ−1−ブタノール及びプロピレングリコールモノメチルエーテルの3種のアルキレングリコールモノアルキルエーテルはいずれも本組成物において好適であること及びその配合量は、拭き取り作業性能等を考慮すると1%〜6%程度が好ましいことがわかった。
本実施例では、本組成物に適用する界面活性剤について評価した。以下の表に示す組成で試料4A〜4Fを調製し、界面活性剤の相溶性について、良好なものから○、△及び×として評価した。結果を併せて表5に示す。
Figure 2016047882
表5に示すように、両性界面活性剤及び非イオン界面活性剤で良好な相溶性を示したが、アニオン界面活性剤では、相溶しない場合があった。以上のことから、界面活性剤としては、好ましくは、両性界面活性剤及び非イオン界面活性剤を用いることが好ましいことがわかった。
本実施例では、トリガー製品について検討した。以下の表6の組成に従い試料を調製し、再凍結防止性能、拭き取り作業性能、非危険物割合、引火点及び匂いについて良好なものから○、△及び×として評価した。結果を6に併せて示す。
Figure 2016047882
表6に示すように、トリガー形態にあっては、酢酸カリウムを2〜3%とすることが好ましいことがわかった。

Claims (13)

  1. 水と、アルコール類と、アルキレングリコールモノアルキルテール類と、1種又は2種以上の酢酸塩と、を含む、解氷及び洗浄用途に用いるための組成物。
  2. 前記酢酸塩は、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸リチウム及び酢酸アンモニウムからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記酢酸塩は、酢酸カリウムである、請求項2に記載の組成物。
  4. 前記アルキレングリコールモノアルキルエーテル類は、エチレングリコールイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル及び3−メトキシ−1−ブタノールからなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. 前記アルコール類は、メタノール、エタノール、1−プロパノール及び2−プロパノールからなる群から選択される1種又は2種以上である、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
  6. 前記アルコール類は、メタノール、エタノール及び1−プロパノールである、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記アルコール類は、前記組成物の全質量の60%未満である、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
  8. 引火点が、60質量%エタノール水溶液につき同条件で測定した引火点よりも高い、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
  9. さらに、界面活性剤を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
  10. 前記界面活性剤は、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤及び両性界面活性剤から選択される、請求項9に記載の組成物。
  11. さらに、油膜除去用途に用いるための、請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
  12. さらに、エアゾール剤又はトリガー剤である、請求項1〜11のいずれかに記載の組成物。
  13. ウインドウォッシャー液である、請求項1〜11のいずれかに記載の組成物。
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