JP2016047578A - サファイア基板とその研磨方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板の表面に微細なスクラッチの発生が無く、高い平坦度を有し、スレやキズといった外観上の異常がないサファイア基板とその研磨方法を提供する。
【解決手段】サファイア基板の表面を研磨材により片面研磨するサファイア基板の研磨方法において、基板の非研磨面にワックスを塗布し、その厚みが1μm以上となるように被覆した後、基板の非研磨面に水を接触させて研磨ブロックに張り付けることを特徴とするサファイア基板の研磨方法などを提供する。
【選択図】図1
【解決手段】サファイア基板の表面を研磨材により片面研磨するサファイア基板の研磨方法において、基板の非研磨面にワックスを塗布し、その厚みが1μm以上となるように被覆した後、基板の非研磨面に水を接触させて研磨ブロックに張り付けることを特徴とするサファイア基板の研磨方法などを提供する。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体素子等に使用されるサファイア基板とその研磨方法に係り、より詳しくは、基板の表面に微細なスクラッチの発生が無く、高い平坦度を有し、スレやキズといった外観上の異常がないサファイア基板とその研磨方法を提供する。
発光デバイス用の窒化物半導体発光素子を製造する場合、高品質なエピタキシャル膜を成長させることが重要であり、エピタキシャル膜の成長に用いられるサファイア基板についても、加工歪の残留が無く、清浄で欠陥の無い平滑な表面が要求され、鏡面研磨が行われている。
サファイア基板の鏡面研磨には、研磨表面の平坦化のためにCMP(ケミカルメカニカルポリッシュ)技術、すなわち、化学的に表面層を変質させながら研磨剤と研磨布によって被研磨面を機械的に磨く技術が広く採用され(例えば、特許文献1参照)、この技術により、研磨布とサファイア基板の間に、酸化珪素粒子、水を含むCMP研磨剤を供給しながら、上記サファイア基板と研磨定盤を動かしてサファイア基板の片面が研磨される。
従来の研磨方法では、サファイア基板を有機樹脂、合成樹脂のいずれかを有機溶媒で希釈したワックスにてコーティングし、このサファイア基板と研磨ブロックを加熱圧着することで研磨ブロックにサファイア基板を固定し、これを研磨布が装着された研磨定盤にサファイア基板を押し付ける形で設置している(例えば、特許文献2参照)。
従来の研磨方法では、サファイア基板を有機樹脂、合成樹脂のいずれかを有機溶媒で希釈したワックスにてコーティングし、このサファイア基板と研磨ブロックを加熱圧着することで研磨ブロックにサファイア基板を固定し、これを研磨布が装着された研磨定盤にサファイア基板を押し付ける形で設置している(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、この方法では研磨ブロックとサファイア基板との間に異物の噛みこみが発生し、この間に挟み込まれた異物の存在により、貼り付けたサファイア基板の表面が一部盛り上がった状態でポリッシュが行われ、これが原因でサファイア基板の平坦度が悪化していた。
青色発光ダイオードのエピタキシャル用基板として用いられるサファイア基板においては、歩留まりを向上させるために基板の平坦度が一層良好なものが求められ、基板表面の全体平坦度GBIRだけでなく局所平坦度SBIRが高いサファイア基板の製造が求められる。
サファイア基板の平坦度を表す全体平坦度GBIRは、サファイア基板の裏面を完全に吸着したと仮定した場合におけるサファイア基板の裏面を基準としており、基板表面全体の最大高さと最小高さとの差で算出される。また、局所平坦度SBIRは、サファイア基板の裏面を完全に吸着したと仮定した場合におけるサファイア基板の裏面を基準としており、サファイア基板の表面をサイズ15mm×15mmの格子状の領域に分割した場合において、これら各格子状の領域にてそれぞれ最大高さと最小高さとの差を求めた中の最大値として定められる。
サファイア基板の平坦度を表す全体平坦度GBIRは、サファイア基板の裏面を完全に吸着したと仮定した場合におけるサファイア基板の裏面を基準としており、基板表面全体の最大高さと最小高さとの差で算出される。また、局所平坦度SBIRは、サファイア基板の裏面を完全に吸着したと仮定した場合におけるサファイア基板の裏面を基準としており、サファイア基板の表面をサイズ15mm×15mmの格子状の領域に分割した場合において、これら各格子状の領域にてそれぞれ最大高さと最小高さとの差を求めた中の最大値として定められる。
圧電性酸化物の単結晶基板において、高平坦度等の優れた加工精度が再現性よく得られる研磨方法として、水等の液体を介して基板を研磨用プレートに直接保持させ、この状態で片面研磨により鏡面研磨加工を行う方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかし、サファイア基板の場合、水の表面張力のみでサファイア基板を保持すると、テンプレートに保持した基板の研磨加工中に基板が回転し、その非研磨面と研磨用ブロック同士が擦れ合い、それに伴い基板の裏面に微細なキズ、スレが発生してしまい、外検査上の不良が発生してしまうという問題があった。
しかし、サファイア基板の場合、水の表面張力のみでサファイア基板を保持すると、テンプレートに保持した基板の研磨加工中に基板が回転し、その非研磨面と研磨用ブロック同士が擦れ合い、それに伴い基板の裏面に微細なキズ、スレが発生してしまい、外検査上の不良が発生してしまうという問題があった。
本発明の目的は、従来技術の問題点に鑑み、基板の表面に微細なスクラッチの発生が無く、高い平坦度を有し、スレやキズといった外観上の異常がないサファイア基板とその研磨方法を提供することにある。
本発明者らは、半導体装置の製造用サファイア基板の研磨方法における上記問題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、サファイア基板をあらかじめ有機樹脂あるいは合成樹脂を有機溶媒で希釈したワックスで特定の厚さにコーティングし、ワックスによる研磨ブロックへの接着を行わず、水の表面張力のみを用いて基板の接着を行うことで、水を介して基板を研磨用プレートに直接保持させると、ゴミの噛みこみが避けられ、全体平坦度GBIR、局所平坦度SBIRを向上させることができ、さらに、水の表面張力を用いて固定することで、非研磨面とブロック間のスレを防止し、非研磨面の微細なキズの発生が起こらなくなる事を見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、サファイア基板の表面を研磨材により片面研磨するサファイア基板の研磨方法において、基板の非研磨面にワックスを塗布し、その厚みが1μm以上となるように被覆した後、基板の非研磨面に水を接触させて研磨ブロックに張り付けることを特徴とするサファイア基板の研磨方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、基板に塗布されるワックスの厚みが、3μm以下であることを特徴とするサファイア基板の研磨方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、研磨材は、酸化珪素粒子の濃度が30〜60重量%に調整されたコロイダルシリカを含むスラリーであることを特徴とするサファイア基板の研磨方法が提供される。
さらに、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、基板の厚みが、1500μm以下であることを特徴とするサファイア基板の研磨方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、研磨材は、酸化珪素粒子の濃度が30〜60重量%に調整されたコロイダルシリカを含むスラリーであることを特徴とするサファイア基板の研磨方法が提供される。
さらに、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、基板の厚みが、1500μm以下であることを特徴とするサファイア基板の研磨方法が提供される。
一方、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明のサファイア基板の研磨方法により得られ、基板の平坦度が高く基板非研磨面に微細なスレ、キズが無いことを特徴とするサファイア基板が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、基板の全体平坦度GBIR(基板全体の最大高さと最小高さの差)が15μm以下で、かつ、基板表面を15mm×15mm角の領域に分割したときの基板の局所平坦度SBIR(各分割サイトにおける最大高さと最小高さの差の値の中での最大値)が2μm以下であることを特徴とするサファイア基板が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、基板の全体平坦度GBIR(基板全体の最大高さと最小高さの差)が15μm以下で、かつ、基板表面を15mm×15mm角の領域に分割したときの基板の局所平坦度SBIR(各分割サイトにおける最大高さと最小高さの差の値の中での最大値)が2μm以下であることを特徴とするサファイア基板が提供される。
本発明のサファイア基板の研磨方法は、サファイア基板の非研磨面に有機樹脂、合成樹脂のいずれかを有機溶媒で希釈したワックスをコーティングするので、サファイア基板の非研磨面とブロックとの間で発生する擦れを防止し、研磨終了後の基板非研磨面の微細なスレ、ムラの発生を防ぐことができ、また、サファイア基板を水の表面張力のみで研磨ブロックに接着させるので、平坦度が高いサファイア基板を生産性よく製造することができる。
また、これにより得られるサファイア基板は、全体平坦度GBIR(基板全体の最大高さと最小高さの差)が15μm以下、基板の15mm×15mm角の領域における局所平坦度SBIR(最大高さと最小高さの差)が2μm以下である高い平坦度を有し、表面に微細なスクラッチの発生が無いので、青色発光ダイオードのエピタキシャル用基板として有用である。
また、これにより得られるサファイア基板は、全体平坦度GBIR(基板全体の最大高さと最小高さの差)が15μm以下、基板の15mm×15mm角の領域における局所平坦度SBIR(最大高さと最小高さの差)が2μm以下である高い平坦度を有し、表面に微細なスクラッチの発生が無いので、青色発光ダイオードのエピタキシャル用基板として有用である。
本発明のサファイア基板とその研磨方法について、図面を用いて詳細に説明する。
本発明は、サファイア基板の表面を研磨材により片面研磨するサファイア基板の研磨方法において、基板の非研磨面にワックスを塗布し、その厚みが1μm以上となるように被覆した後、基板の非研磨面に水を接触させて研磨ブロックに張り付けることを特徴とする。
本発明は、サファイア基板の表面を研磨材により片面研磨するサファイア基板の研磨方法において、基板の非研磨面にワックスを塗布し、その厚みが1μm以上となるように被覆した後、基板の非研磨面に水を接触させて研磨ブロックに張り付けることを特徴とする。
1.研磨方法
本発明のサファイア基板の研磨方法では、(1)基板(ウエハ)の非研磨面にワックスを特定の厚みでコーティングし、次に、基板の非研磨面に水を接触させて基板を研磨ブロックに張り付けてから、(2)基板に研磨剤スラリーを接触させながら、研磨布により研磨する。
本発明のサファイア基板の研磨方法では、(1)基板(ウエハ)の非研磨面にワックスを特定の厚みでコーティングし、次に、基板の非研磨面に水を接触させて基板を研磨ブロックに張り付けてから、(2)基板に研磨剤スラリーを接触させながら、研磨布により研磨する。
本発明では、研磨装置として、図1に示すような研磨布(研磨パッド)3が装着された略円板状の研磨定盤と略円板状の研磨ブロック2を着脱可能に有する一般的な片面研磨装置が使用できる。なお、図示しないが、研磨後のウエハを速やかに洗浄するためのノズルが設けられている。
研磨される基板の厚みは、特に制限されないが、厚いほどエピタキシャル成長させる時の反り変化が少なくなるので凹度も小さくでき、エピタキシャル成長時の基板面内温度分布のバラツキが少なくなり好ましいが、基板コストの増大を招くため1500μm以下とすることが好ましい。
一方、基板厚みが薄すぎると、エピタキシャル成長時の反り変化が大きくなるので凹度も大きくせざるを得ず、エピタキシャル成長時の基板表面内の温度バラツキが発生しやすく、窒化物半導体層の組成が影響を受けやすく、得られた膜から製造される発光素子の波長バラツキや電気特性のバラツキが大きくなり、安定的に、かつ収率良く良好な発光素子を得ることが困難になってくる。従って、サファイア基板の厚みは300〜1500μmとすることが好ましい。600〜1500μmとすることがより好ましく、1000〜1500μmとすることが特に好ましい。
一方、基板厚みが薄すぎると、エピタキシャル成長時の反り変化が大きくなるので凹度も大きくせざるを得ず、エピタキシャル成長時の基板表面内の温度バラツキが発生しやすく、窒化物半導体層の組成が影響を受けやすく、得られた膜から製造される発光素子の波長バラツキや電気特性のバラツキが大きくなり、安定的に、かつ収率良く良好な発光素子を得ることが困難になってくる。従って、サファイア基板の厚みは300〜1500μmとすることが好ましい。600〜1500μmとすることがより好ましく、1000〜1500μmとすることが特に好ましい。
(1)表面貼り付け工程
この工程では、将来主面とするウエハの表面を変形させないように、まず、ワックスにてサファイア基板の非研磨面をコーティングする。ワックスの種類は高分子量の合成樹脂、天然樹脂どちらでもよく、有機溶剤にて希釈して使用できる。
この工程では、将来主面とするウエハの表面を変形させないように、まず、ワックスにてサファイア基板の非研磨面をコーティングする。ワックスの種類は高分子量の合成樹脂、天然樹脂どちらでもよく、有機溶剤にて希釈して使用できる。
サファイア基板の非研磨面へのワックス塗布は、非研磨面とブロック間でワックスが保護膜となりスレを防止できるように、厚さ1μm以上とする。また、塗布厚みが増えるとワックスの使用量が増加し無駄になるので、コストの面から厚みは5μm以下であることが好ましい。基板に塗布されるワックスの厚みは、3μm以下であることがより好ましい。
セラミック製の研磨ブロックには、あらかじめ基板形状と同じ大きさの円形にくり抜いたポケット形状を有する樹脂製の研磨用プレートを接着しておく。研磨される基板のサイズは特に制限されず、3インチ程度の小型のものから6インチ以上のような大型のものまで研磨できる。
そして、水で濡らしたサファイア基板を研磨用プレートのポケットにはめ込み、水の表面張力によって基板の保持を行う。図1では5枚のウエハが示されているが、枚数は限定されず、3〜6枚とすることができる。
そして、水で濡らしたサファイア基板を研磨用プレートのポケットにはめ込み、水の表面張力によって基板の保持を行う。図1では5枚のウエハが示されているが、枚数は限定されず、3〜6枚とすることができる。
(2)裏面研磨工程
次に、裏面研磨工程では、研磨布が装着された研磨定盤にサファイア基板の裏面を押し付け、研磨布(研磨パッド)と研磨剤スラリーを用いてメカノケミカル研磨し鏡面とする。
次に、裏面研磨工程では、研磨布が装着された研磨定盤にサファイア基板の裏面を押し付け、研磨布(研磨パッド)と研磨剤スラリーを用いてメカノケミカル研磨し鏡面とする。
すなわち、研磨布とサファイア基板の間に、酸化珪素粒子、水を含むCMP研磨剤を供給しながら、上記サファイア基板と研磨定盤を動かしてサファイア基板の片面を研磨する。
上記研磨布(研磨パッド)には、例えば、ポリウレタン系人工皮革、ポリウレタン系のスエード調の不織布などを用いることができる。
上記研磨布(研磨パッド)には、例えば、ポリウレタン系人工皮革、ポリウレタン系のスエード調の不織布などを用いることができる。
また、研磨剤は、酸化珪素粒子の濃度が30〜60重量%に調整されたコロイダルシリカを含むスラリーであると好ましい。シリカの含有量が30重量%未満の場合、鏡面研磨後のサファイア基板にピットが発生し、このサファイア基板上に良好なエピタキシャル膜を成長させることが困難になり、他方、シリカの含有量が60重量%を超えた場合、研磨中にコロイダルシリカが凝集し、この凝集に起因してサファイア基板表面にスクラッチが生じてこのスクラッチがエピタキシャル膜に伝播することがある。このため、シリカの含有量は35〜50重量%に調整されることがより好ましく、40〜50重量%であることが特に好ましい。
また、シリカの平均粒径は、10〜100nmであることが望ましい。平均粒径が10nm未満であると、研磨処理されたサファイア基板を用いて得られるエピタキシャル膜の品質は問題無いが、サファイア基板の研磨加工速度が極端に遅くなる場合があり、また、平均粒径が100nmを超えると、研磨処理後のサファイア基板表面に凹凸が形成され、この凹凸がエピタキシャル膜に伝播する場合がある。このため、シリカの平均粒径は20〜80nmであることがより好ましい。
上記の準備が整ったところで、研磨用プレート4を研磨定盤上に、研磨する面を研磨パッド2に接するようにセットし、次いで、トップリング(回転シャフト)5を研磨用プレート4直上からゆっくり降ろして研磨用プレート4に接触させ、研磨剤スラリー供給管6から研磨剤スラリーを研磨パッド2上に滴下・供給しながら徐々に加圧し、ゆっくりと回転させた後に、規定回転速度を維持しながら所定の圧力を加え、鏡面研磨加工を行う。図2では、研磨パッドの上方から研磨剤を研磨パッド2上に滴下するための研磨剤スラリー供給管6を配置しているが、研磨パッドの下方から研磨剤を噴出するように供給管を配置してもよい。
研磨条件は、装置の種類や研磨の程度にもよるために規定しにくいが、例えば研磨布(研磨パッド)が装着された研磨定盤の回転数を30〜80rpmとするとともに、研磨荷重を100〜200kPa、研磨剤(スラリー)の供給量を5〜24L/minとし、所望の平坦度となるまで0.5〜5時間連続して研磨を行うようにする。
2.研磨されたサファイア基板
研磨終了後は、トップリング(回転シャフト)5を上昇させ、同時に研磨プレート3に貼り付けられたウエハ1にウエハ洗浄液を供給して、ウエハ1に付着した研磨剤を洗い流す。洗浄後、研磨プレート3を取り外して、乾燥し、ウエハ1を剥ぎ取り、ケースに収容する。
研磨終了後は、トップリング(回転シャフト)5を上昇させ、同時に研磨プレート3に貼り付けられたウエハ1にウエハ洗浄液を供給して、ウエハ1に付着した研磨剤を洗い流す。洗浄後、研磨プレート3を取り外して、乾燥し、ウエハ1を剥ぎ取り、ケースに収容する。
本発明によって得られるサファイア基板は、平坦度が高く、目視による外観検査と、AFM(原子間顕微鏡)を用いた観察によって、非研磨面に微細なキズ、スレの発生がないものである。キズ、スレの発生は、目視による外観検査と、AFM(原子間顕微鏡)を用いた観察によって、確認する。
このサファイア基板は、全体平坦度GBIR(基板全体の最大高さと最小高さの差)が15μm以下、基板の15mm×15mm角の領域における局所平坦度SBIR(最大高さと最小高さの差)が2μm以下と高い平坦度を有している。全体平坦度GBIRは10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。また、局所平坦度SBIRは1.5μm以下が好ましい。
このサファイア基板は、全体平坦度GBIR(基板全体の最大高さと最小高さの差)が15μm以下、基板の15mm×15mm角の領域における局所平坦度SBIR(最大高さと最小高さの差)が2μm以下と高い平坦度を有している。全体平坦度GBIRは10μm以下が好ましく、5μm以下がより好ましい。また、局所平坦度SBIRは1.5μm以下が好ましい。
以下、本発明をより具体的な実施例に基づき詳細に説明するが、本発明は実施例によって何ら限定されるものではない。
なお、サファイア基板の平坦度は、下記の要領で測定し、キズ、スレの有無を評価した。
(平坦度)研磨後のサファイア基板はNIDEC社製のFT‐900を用いて、研磨面の平坦度を測定した。
(キズ、スレ)研磨後のサファイア基板は目視により外観検査と、AFM(原子間顕微鏡)を用いた観察を行い、キズ、スレの有無を確認した。
(平坦度)研磨後のサファイア基板はNIDEC社製のFT‐900を用いて、研磨面の平坦度を測定した。
(キズ、スレ)研磨後のサファイア基板は目視により外観検査と、AFM(原子間顕微鏡)を用いた観察を行い、キズ、スレの有無を確認した。
(実施例1)
直径6インチ、厚み1300μm、結晶表面がc面であるサファイア基板を合成樹脂を主成分とするワックスでコーティングし、これを研磨装置のセラミックブロックに水の表面張力のみで貼り付けた。サファイア基板表面のワックス塗布厚みは3μmであった。
そして、CMP研磨剤(スラリー)を用いてサファイア基板の研磨を行い、研磨面の平坦度を測定した。研磨剤として酸化珪素粒子の濃度が50重量%に調整されたコロイダルシリカを使用した。
尚、研磨条件は、研磨布(研磨パッド)が装着された研磨定盤の回転数:60rpm、研磨荷重:140kPa、研磨剤(スラリー)の供給量:12L/minで、上記研磨布(研磨パッド)には不織布製のものを用い、3時間連続で研磨を行った。
研磨後のサファイア基板は、NIDEC社製のFT‐900を用いて研磨面の平坦度を測定した。測定の結果、加工したサファイア基板の研磨表面のGBIR(全体的平坦度)は、15μm以下、SBIR(局所的平坦度)は2μmであり、上述の条件を満たした平坦度の基板を得ることができた。
研磨後のサファイア基板の非研磨面に対し、目視による外観検査と原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)を用いた観察を行ったところ、研磨の前後で変化は無く、微細なキズ、スレは確認されず外観検査上の問題は発生しないことが確認された。平坦度の測定結果および外観検査結果を表1に示す。
直径6インチ、厚み1300μm、結晶表面がc面であるサファイア基板を合成樹脂を主成分とするワックスでコーティングし、これを研磨装置のセラミックブロックに水の表面張力のみで貼り付けた。サファイア基板表面のワックス塗布厚みは3μmであった。
そして、CMP研磨剤(スラリー)を用いてサファイア基板の研磨を行い、研磨面の平坦度を測定した。研磨剤として酸化珪素粒子の濃度が50重量%に調整されたコロイダルシリカを使用した。
尚、研磨条件は、研磨布(研磨パッド)が装着された研磨定盤の回転数:60rpm、研磨荷重:140kPa、研磨剤(スラリー)の供給量:12L/minで、上記研磨布(研磨パッド)には不織布製のものを用い、3時間連続で研磨を行った。
研磨後のサファイア基板は、NIDEC社製のFT‐900を用いて研磨面の平坦度を測定した。測定の結果、加工したサファイア基板の研磨表面のGBIR(全体的平坦度)は、15μm以下、SBIR(局所的平坦度)は2μmであり、上述の条件を満たした平坦度の基板を得ることができた。
研磨後のサファイア基板の非研磨面に対し、目視による外観検査と原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)を用いた観察を行ったところ、研磨の前後で変化は無く、微細なキズ、スレは確認されず外観検査上の問題は発生しないことが確認された。平坦度の測定結果および外観検査結果を表1に示す。
(実施例2、3)
サファイア基板の非研磨面のワックスの塗布厚みを、実施例2では1.5μmとし、また実施例3では1.0μmにした以外は実施例1と同様にした。平坦度の測定結果および外観検査結果を表1に示す。
サファイア基板の非研磨面のワックスの塗布厚みを、実施例2では1.5μmとし、また実施例3では1.0μmにした以外は実施例1と同様にした。平坦度の測定結果および外観検査結果を表1に示す。
(比較例1)
サファイア基板の非研磨面にワックスを塗布しなかったこと以外は、実施例1と同様にした。平坦度の測定結果および外観検査結果を表1に示す。
サファイア基板の非研磨面にワックスを塗布しなかったこと以外は、実施例1と同様にした。平坦度の測定結果および外観検査結果を表1に示す。
(比較例2)
サファイア基板の非研磨面のワックスの塗布厚みを0.8μmにした以外は、実施例1と同様にした。平坦度の測定結果および外観検査結果を表1に示す。
サファイア基板の非研磨面のワックスの塗布厚みを0.8μmにした以外は、実施例1と同様にした。平坦度の測定結果および外観検査結果を表1に示す。
(比較例3)
基板を貼り付ける際に、水を使わずにセラミックブロックへ加熱圧着した以外は、実施例1と同様にした。平坦度の測定結果および外観検査結果を表1に示す。
基板を貼り付ける際に、水を使わずにセラミックブロックへ加熱圧着した以外は、実施例1と同様にした。平坦度の測定結果および外観検査結果を表1に示す。
「評価」
上記結果から明らかなように、本発明の研磨方法による実施例1〜3で得られた本発明のサファイア基板は、平坦度が高く、非研磨面に微細なキズ、スレの発生がないものである。
また、この基板は全体平坦度GBIR(基板全体の最大高さと最小高さの差)が15μm以下、基板の15mm×15mm角の領域における局所平坦度SBIR(最大高さと最小高さの差)が2μm以下と、高い平坦度を有していることが分かる。
上記結果から明らかなように、本発明の研磨方法による実施例1〜3で得られた本発明のサファイア基板は、平坦度が高く、非研磨面に微細なキズ、スレの発生がないものである。
また、この基板は全体平坦度GBIR(基板全体の最大高さと最小高さの差)が15μm以下、基板の15mm×15mm角の領域における局所平坦度SBIR(最大高さと最小高さの差)が2μm以下と、高い平坦度を有していることが分かる。
これに対して、従来の方法で基板にワックスを塗布しなかった比較例1では、キズ、スレが発生した。また、ワックスを塗布したが厚みが足らなかった比較例2はスレが発生し、従来の方法で基板をワックスで接着した比較例3では、キズ、スレの発生はなかったが、平坦度が低かった。
本発明のサファイア基板の研磨方法によれば、平坦度が良好で、かつ外観上の異常がないサファイア基板を得ることができ、このサファイア基板は、発光ダイオードのエピタキシャル用基板として好適に使用できる。
1 基板(ウエハ)
2 研磨ブロック
3 研磨用プレート
4 研磨パッド
5 トップリング
6 研磨剤供給管
2 研磨ブロック
3 研磨用プレート
4 研磨パッド
5 トップリング
6 研磨剤供給管
Claims (6)
- サファイア基板の表面を研磨材により片面研磨するサファイア基板の研磨方法において、基板の非研磨面にワックスを塗布し、その厚みが1μm以上となるように被覆した後、基板の非研磨面に水を接触させて研磨ブロックに張り付けることを特徴とするサファイア基板の研磨方法。
- 基板に塗布されるワックスの厚みが、3μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のサファイア基板の研磨方法。
- 研磨材は、酸化珪素粒子の濃度が30〜60重量%に調整されたコロイダルシリカを含むスラリーであることを特徴とする請求項1に記載のサファイア基板の研磨方法。
- 基板の厚みが、1500μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のサファイア基板の研磨方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のサファイア基板の研磨方法により得られ、基板の平坦度が高く基板非研磨面に微細なスレ、キズが無いことを特徴とするサファイア基板。
- 基板の全体平坦度GBIR(基板全体の最大高さと最小高さの差)が15μm以下で、かつ、基板表面を15mm×15mm角の領域に分割したときの基板の局所平坦度SBIR(各分割サイトにおける最大高さと最小高さの差の値の中での最大値)が2μm以下であることを特徴とする請求項5に記載のサファイア基板。
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JP2014173486A JP2016047578A (ja) | 2014-08-28 | 2014-08-28 | サファイア基板とその研磨方法 |
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JP2020099962A (ja) * | 2018-12-21 | 2020-07-02 | 住友金属鉱山株式会社 | 単結晶基板の研磨方法 |
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