JP2016047088A - 超音波内視鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリンダ及びピストンを備える吸引操作手段を三つの状態に切り替える可能でありながら、ピストンに設けたOリングがシリンダの開口部と干渉しないようにし、さらにシリンダを一部材によって構成可能にした超音波内視鏡を提供する。【解決手段】第一ピストン50は、吸引管路第一閉位置に位置したときに吸引管路26、28の他端開口と吸引源接続管路30の一端開口との間の連通を遮断し、吸引管路開位置に位置するときに吸引管路の他端開口と吸引源接続管路の一端開口とを連通させ、吸引管路第二閉位置に位置するときに吸引管路の他端開口と吸引源接続管路の一端開口との間の連通を遮断し、第二ピストン65は、バルーン吸引管路閉位置に位置するときに第二OリングOR2をシリンダ35の内周面に接触させ、バルーン吸引管路開位置に位置するときに第二Oリングをシリンダの内周面から離間させる。【選択図】図7

Description

本発明は超音波内視鏡に関する。
特許文献1は超音波内視鏡の従来例である。
この超音波内視鏡は、操作部と、操作部から延び可撓性を有する挿入部と、操作部から挿入部とは異なる方向に延びるユニバーサルチューブと、ユニバーサルチューブの端部に設けたコネクタ部と、挿入部の先端部の表面に設けた超音波プローブと、を備えている。挿入部の先端部には超音波プローブを被覆する態様で弾性材料性のバルーンを着脱可能である。
挿入部の先端部にバルーンを被せた状態で、挿入部の先端部に形成した注水口から該先端部の表面とバルーン内面との間に脱気水を注入するとバルーンが膨らむ。このようにして膨らませたバルーンを被検者の体腔壁等に接触させた上で超音波プローブから超音波を発信すれば、超音波診断を行うことができる。
さらに当該超音波内視鏡の操作部及び挿入部の内部には、一端が挿入部の先端部表面において開口し他端が操作部内で開口する吸引管路と、一端が挿入部の表面の超音波プローブ近傍において開口し他端が操作部内で開口する、吸引管路とは独立した管路であるバルーン吸引管路と、が設けてある。さらに操作部、ユニバーサルチューブ、及びコネクタ部の内部には、コネクタ部に形成した一端に吸引源を接続可能でありかつ他端が操作部内において開口する吸引源接続管路が設けてある。また操作部には吸引管路、バルーン吸引管路、及び吸引源接続管路を利用した吸引動作を可能又は不能にする吸引操作手段が設けてある。
この吸引操作手段は、シリンダと、シリンダに対してスライド自在に設けたピストンと、を備えている。
シリンダは、バルーン吸引管路の他端開口、吸引管路の他端開口、及び吸引源接続管路の他端開口と連通している。一方、ピストンはシリンダに対して、初期位置である閉位置と、閉位置から一段押し込まれた位置である吸引管路開位置と、吸引管路開位置からさらに押し込まれた位置であるバルーン吸引管路開位置とに相対移動(スライド)可能である。
さらにピストンの外周面に形成した環状凹部には、シリンダの内周面と摺接可能に装着した複数のOリングが設けてある。これらのOリングは、ピストンが閉位置と吸引管路開位置の間に位置するときは、バルーン吸引管路の他端開口と吸引源接続管路の他端開口との連通を遮断し、ピストンがバルーン吸引管路開位置に位置するときは、バルーン吸引管路の他端開口と吸引源接続管路の他端開口とを連通させる。さらに一部のOリングは、ピストンが所定の位置に位置するときに、バルーン吸引管路の他端開口より吸引源接続管路の一端開口と反対側に位置しながらシリンダの内周面に接触することにより、操作部の外側空間と吸引源接続管路の一端開口との間の連通を遮断する。
さらに吸引操作手段のシリンダには、ピストンが上記閉位置に位置するときに、操作部の外側空間と吸引源接続管路の一端開口との間を連通させる溝からなる連通路が設けてある。
吸引源接続管路の一端に吸引源を接続すると、吸引源で発生した吸引力が吸引源接続管路に及ぶ。
このときピストンをシリンダに対して閉位置に位置させると、操作部の外側空間の外気が連通路及び吸引源接続管路を介して吸引源によって吸引される。
この状態でピストンを一段押し込むことにより吸引管路開位置に移動させると、負圧源で発生した吸引力が吸引源接続管路及び吸引管路を介して吸引管路の一端開口(挿入部の先端部表面に形成した開口)に及ぶので、吸引管路の一端開口から被検者の体液等を吸引可能になる。
ピストンをさらに押し込むことによりバルーン吸引管路開位置に移動させると、バルーン吸引管路と吸引源接続管路がシリンダの内部空間を介して互いに連通する。その結果、負圧源の吸引力が吸引源接続管路及びバルーン吸引管路を介してバルーン吸引管路の一端開口(挿入部の表面に形成した開口)に及び、挿入部の先端部の表面とバルーン内面との間に注入された脱気水が吸引源の吸引力によって吸引され、バルーンが縮んで先端部(超音波プローブ)の表面に密着する。そのため術者は超音波内視鏡の挿入部を被検者の体腔から円滑に引き抜くことが可能である。
特開2014−97231号公報 特開2006−525号公報
特許文献1の超音波内視鏡は一つのピストンを閉位置、吸引管路開位置、及びバルーン吸引管路開位置の各位置へスライドさせることにより上記各動作を行う。
しかし一つのピストンを上記三つの位置へ移動させる必要があるので、ピストンの移動量は必然的に大きくなる。そのためピストンに設けた複数のOリングのシリンダに対する移動量も大きくなる。その結果、一部のOリングはピストンが上記三つの位置の間を移動する際に、バルーン吸引管路の他端開口(シリンダに形成した開口)を通過することになる。
しかしOリングがバルーン吸引管路の他端開口を通過するとき、バルーン吸引管路の他端開口の周縁部とOリングが干渉し、Oリングがバルーン吸引管路の他端開口の周縁部によって削られてしまうおそれがある。仮にOリングが削られてしまうと、例えばピストンが吸引管路開位置に位置するときにバルーン吸引管路の他端開口と吸引源接続管路の他端開口が連通してしまう。すると負圧源で発生した吸引力の一部がバルーン吸引管路に及ぶことになるので、吸引管路に及ぶ吸引力の大きさが小さくなり、その結果、吸引管路の一端開口から被検者の体液等を吸引するのが難しくなってしまう。
さらに仮にシリンダの内周面に溝からなる連通路を形成すると、この溝とピストンの間に常に隙間が形成されることになるため、シリンダとピストンを利用して空気の流れを制御するのが不可能になる。
そのため特許文献1では、シリンダを内周側と外周側に位置する二部材により構成し、内周側シリンダの外周面と外周側シリンダの内周面の間に溝からなる連通路を形成している。
しかしこのようにシリンダを二部材によって構成した場合に、この二部材を完全に同軸(平行)にするのは極めて難しい。そのためシリンダによってピストンを直進案内するのが容易でなくなるおそれがある。
本発明は、シリンダ及びピストンを備える吸引操作手段を三つの状態に切り替える可能でありながら、ピストンに設けたOリングがシリンダの開口部と干渉しないようにし、さらにシリンダを一部材によって構成可能にした超音波内視鏡を提供することを目的とする。
本発明の超音波内視鏡は、操作部から延びる挿入部の先端部の表面に設けた、該先端部に着脱可能に装着したバルーンによって覆われる超音波プローブと、上記操作部及び上記挿入部の内部に配設した、一端が上記挿入部の表面において開口する吸引管路と、上記操作部及び上記挿入部の内部に配設しかつ一端が上記先端部の表面の上記バルーンによって覆われる部位において開口する、上記吸引管路とは独立した管路であるバルーン吸引管路と、一端が上記操作部内に位置し他端が吸引源に接続する吸引源接続管路と、上記操作部内に設けた、上記バルーン吸引管路の他端開口、上記吸引管路の他端開口、及び上記吸引源接続管路の一端開口と接続するシリンダと、該シリンダ内に設けた、吸引管路第一閉位置と、吸引管路開位置と、吸引管路第二閉位置とにスライド可能な第一ピストンと、該第一ピストンを自身の内周側空間に配置した、バルーン吸引管路閉位置と、バルーン吸引管路開位置と、の間を上記第一ピストンとは独立してスライド可能な筒状をなす第二ピストンと、上記第二ピストンの外周面に設けた、該第二ピストンの位置に拘わらず上記バルーン吸引管路の他端開口より上記吸引源接続管路の一端開口と反対側に位置しながら上記シリンダの内周面に接触することにより、上記シリンダと上記第二ピストンの間から上記操作部の外側空間の外気が上記吸引源接続管路の上記一端開口側へ流れるのを規制する第一Oリングと、上記第二ピストンの外周面に設けた、該第二ピストンの位置に拘わらず上記バルーン吸引管路の他端開口より上記吸引源接続管路の一端開口側に位置する第二Oリングと、上記第一ピストン及び上記第二ピストンに設けた、上記第一ピストンと上記第二ピストンが上記吸引管路第一閉位置と上記バルーン吸引管路閉位置にそれぞれ位置するときに、上記操作部の外側空間と上記吸引源接続管路の上記一端開口との間を連通させる連通路と、を備え、上記第一ピストンは、上記吸引管路第一閉位置に位置したときに、上記吸引管路の上記他端開口と上記吸引源接続管路の上記一端開口との間の連通を遮断し、上記吸引管路開位置に位置するときに、上記吸引管路の上記他端開口と上記吸引源接続管路の上記一端開口とを連通させ、上記吸引管路第二閉位置に位置するときに、上記吸引管路の上記他端開口と上記吸引源接続管路の上記一端開口との間の連通を遮断し、上記第二ピストンは、上記バルーン吸引管路閉位置に位置するときに、上記第二Oリングを上記シリンダの内周面に接触させながら上記バルーン吸引管路の上記他端開口と上記吸引源接続管路の上記一端開口との間の連通を遮断し、上記バルーン吸引管路開位置に位置するときに、上記第二Oリングを上記シリンダの内周面から離間させながら上記バルーン吸引管路の上記他端開口と上記吸引源接続管路の上記一端開口とを連通させることを特徴としている。
上記シリンダに対してスライド可能であり、上記第一ピストンと上記第二ピストンを上記吸引管路第一閉位置と上記バルーン吸引管路閉位置に位置させる初期位置と、上記第一ピストンと上記第二ピストンを上記吸引管路開位置と上記バルーン吸引管路閉位置に位置させる第一押込位置と、上記第一ピストンと上記第二ピストンを上記吸引管路第二閉位置と上記バルーン吸引管路開位置に位置させる第二押込位置と、に移動可能な操作部材を備えてもよい。
さらに上記操作部材の上記第二押込位置が、上記第一押込位置を挟んで上記初期位置と反対側の位置であり、上記第一ピストンと一緒にスライドする上記操作部材と上記第二ピストン又は上記第二ピストンに対する固定部材との間に設けた、上記操作部材を上記初期位置に向けて付勢する第一付勢手段と、上記第二ピストンを上記バルーン吸引管路閉位置に向けて付勢しかつ上記第一付勢手段より付勢力が大きい第二付勢手段と、を備えてもよい。
上記連通路が、上記第一ピストンに形成した、上記操作部の外側空間の外気を吸引する入口側開口及び該外気を上記吸引源接続管路の上記一端開口側に排気する出口側開口を有する内部管路を備えてもよい。
上記第一ピストンの外周面に設けた、上記第一ピストンの位置に拘わらず上記バルーン吸引管路の他端開口より上記吸引管路の他端開口側に位置しながら上記シリンダの内周面に接触することにより、上記バルーン吸引管路の上記他端開口と上記吸引管路の上記他端開口との間の連通を遮断する第三Oリングを備えてもよい。
本発明の超音波内視鏡は、第一ピストンと第二ピストンをそれぞれ独立してスライドさせることにより、シリンダ、第一ピストン、及び第二ピストンを備える吸引操作手段を三つの状態(吸引不能状態、吸引管路を介した吸引が可能な状態、バルーン吸引管路を介した吸引が可能な状態)に切り替え可能としている。
そのため(第一ピストン及び)第二ピストンのシリンダに対する移動量を小さくすることが可能である。即ち、第二ピストンの位置に拘わらず第一Oリングを、バルーン吸引管路の他端開口より吸引源接続管路の一端開口と反対側に位置させること、及び、第二ピストンの位置に拘わらず第二Oリングを、バルーン吸引管路の他端開口より吸引源接続管路の一端開口側に位置させることが可能になる。従って、第二ピストンに設けた第一Oリングと第二Oリングがシリンダの開口部の周縁部(バルーン吸引管路の他端開口)と干渉して削れられるおそれがない。そのため例えば第一ピストンと第二ピストンをそれぞれ吸引管路開位置とバルーン吸引管路閉位置に移動させたとき、負圧源で発生した吸引力の殆どが吸引管路に及ぶことになるので、吸引管路の一端開口から被検者の体液等を確実に吸引できる。
さらに第一ピストンと第二ピストンが吸引管路第一閉位置とバルーン吸引管路閉位置にそれぞれ位置するときに、操作部の外側空間と吸引源接続管路の一端開口との間を連通させるための連通路を、シリンダではなく第一ピストン及び第二ピストンに設けている。
そのためシリンダを二部材によって構成する必要がない(一部材によって構成できる)ので、シリンダによって第一ピストン及び第二ピストンを直進案内するのが容易である。
本発明を適用した超音波内視鏡の一実施形態を示す外観図である。 吸引操作手段のシリンダを省略して示す分解斜視図である。 吸引操作手段の斜視図であり、(a)は操作ボタンが初期位置に位置するときの図、(b)は操作ボタンが第一押込位置に位置するときの図、(c)は操作ボタンが第二押込位置に位置するときの図である。 吸引操作手段の側面図であり、(a)は操作ボタンが初期位置に位置するときの図、(b)は操作ボタンが第一押込位置に位置するときの図、(c)は操作ボタンが第二押込位置に位置するときの図である。 (a−1)は操作ボタンが初期位置に位置するときの吸引操作手段の縦断側面図であり、(a−2)は(a−1)から周方向に90°ずれた位置で切断した図である。 (b−1)は操作ボタンが第一押込位置に位置するときの図であり、(b−2)は(b−1)から周方向に90°ずれた位置で切断した図である。 (c−1)は操作ボタンが第二押込位置に位置するときの図であり、(c−2)は(c−1)から周方向に90°ずれた位置で切断した図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。
図1に示す超音波内視鏡10は、操作部11と、操作部11から延びる挿入部12と、共に操作部11から挿入部12とは異なる方向に延びるユニバーサルチューブ13及び超音波画像伝送用チューブ14と、ユニバーサルチューブ13の端部に設けたコネクタ部13aと、超音波画像伝送用チューブ14の端部に設けたコネクタ部14aと、を備えている。コネクタ部13aはプロセッサ(画像処理装置兼光源装置。図示略)に対して接続可能であり、コネクタ部14aは超音波診断装置(図示略)に対して接続可能である。超音波診断装置及びプロセッサは共にCRTモニタ(図示略)に接続している。
挿入部12には、操作部11に設けた湾曲操作レバー15の回転操作に応じて上下方向及び左右方向に湾曲する湾曲部17が形成してあり、湾曲部17より基端側の部分は施術者の直接的な操作によって屈曲する可撓管部18となっている。
挿入部12における湾曲部17より先端側の部分は硬質樹脂製の先端硬質部19(先端部)となっている。先端硬質部19の後半部には、挿入部12の軸線に対する直交面に対して傾斜する傾斜面20が形成してあり、この傾斜面20には対物レンズや照明レンズ等(図示略)が設けてある。先端硬質部19の前半部の表面(図1では下面)には傾斜面20の直前に位置する超音波プローブ23が形成してある。
図1に示すように操作部11の前端部には、可撓性を有する穿刺針(図示略)を挿入するための処置具挿入口突起11aが突設してあり、処置具挿入口突起11aの端部開口にはキャップ11bが着脱可能に取り付けてある。挿入部12の内部には処置具挿入口突起11aから先端硬質部19側に向かって延びかつ可撓性を有する処置具挿通兼吸引管26(図1参照。吸引管路)が配設してある。処置具挿通兼吸引管26の前端は傾斜面20において開口している。処置具挿入口突起11aから処置具挿通兼吸引管26に挿入した穿刺針は、処置具挿通兼吸引管26の前端開口(傾斜面20)から外側に突出可能である。
操作部11及び挿入部12の内部には可撓性を有する吸引管28(吸引管路)が配設してある。吸引管28の前端は処置具挿通兼吸引管26と連通しており、吸引管28の後端は操作部11の内部空間において開口している。
さらに操作部11及び挿入部12の内部には、処置具挿通兼吸引管26及び吸引管28とは独立した可撓性を有する管路であるバルーン吸引管29(バルーン吸引管路)が配設してある。バルーン吸引管29の前端はバルーン(図示略)によって覆われる先端硬質部19の側面において開口するバルーン吸引開口29aとなっており、バルーン吸引管29の後端は操作部11の内部空間において開口している。
さらにユニバーサルチューブ13及びコネクタ部13aの内部には可撓性を有する共通吸引管30(吸引源接続管路)が配設してある。共通吸引管30の後端はコネクタ部13aに設けた接続口金31と連通しており、共通吸引管30の前端は操作部11の内部空間において開口している。
続いて操作部11に設けた吸引操作手段33について説明する。
吸引操作手段33は、吸引管28及びバルーン吸引管29の後端開口、並びに共通吸引管30の前端開口と接続するシリンダ35を備えている。
両端が開口するシリンダ35は、操作部11(の外形を構成する部材)に形成した貫通孔に固定状態で嵌合している。シリンダ35の外側端部(図2−図7では上端部)は操作部11の外側に突出している。
シリンダ35の内径は複数段階で変化している。シリンダ35の内側端部(図5−図7の下端部)の内周面は最も径が細い最小径部36により構成してあり、シリンダ35の長手方向の中間部には最小径部36より大径の中間径部37により構成してある。さらにシリンダ35の外側端部(図5−図7の上端部)の内周面は最も径が大きい最大径部38により構成してある。図5−図7に示すように吸引管28の後端開口は、シリンダ35の最小径部36の端部開口に接続している。またバルーン吸引管29の後端開口は、シリンダ35の中間径部37と最大径部38の間の部位に穿設した吸引管接続孔39に接続している。共通吸引管30の前端開口は、シリンダ35の最小径部36と中間径部37の間の部位に形成した開口に接続している。中間径部37はシリンダ35の共通吸引管路30との接続部(シリンダ35に形成した開口)とバルーン吸引管接続孔39の間に位置している。
操作部11の外面にはシリンダ35と同軸をなす円筒状の円筒状支持部材42が固定してあり、円筒状支持部材42の内周面がシリンダ35の外側端部の外周面と接触している。図5−図7に示すように、円筒状支持部材42の端面はシリンダ35の外側端部の端面と同じ位置に位置している。
円筒状支持部材42には第一カバー筒45が取り付けてある。第一カバー筒45は円筒状支持部材42と同軸かつ円筒状支持部材42より大径の筒状部材であり、その操作部11側の端部が円筒状支持部材42に対して固定状態で取り付けてある。
第一カバー筒45の内周面には、第一カバー筒45と同軸かつ第一カバー筒45より小径の筒状部材である円筒状補強部材43が固定してある。円筒状補強部材43の操作部11側端部には、内周側に向かって突出する環状フランジからなりかつシリンダ35及び円筒状支持部材42の端面によって支持されたリテーナ44が突設してある。
シリンダ35及び第一カバー筒45(円筒状補強部材43)の内部には第一ピストン50及び第二ピストン65がスライド自在かつ相対回転不能に配設してある。
第一ピストン50はシリンダ35の軸線方向に沿って延びる部材である。第一ピストン50は、その内側端部(図2−図7の下端部)を構成する第三リング支持部51と、第三リング支持部51に連なりかつ第三リング支持部51より小径の小径くびれ部53(連通路)と、小径くびれ部53に連なりかつ小径くびれ部53より大径の中間大径部54と、中間大径部54に連なりかつ中間大径部54及び小径くびれ部53より小径の中間小径部58と、第一ピストン50の外側端部を構成しかつ中間小径部58より小径の円柱形状をなす先端接続部60と、を一体的に備えている。第三リング支持部51の外周面には環状のリング取付溝52が凹設してある。リング取付溝52には、弾性材料からなる第三OリングOR3が自由状態から拡径方向に弾性変形した状態で嵌合してある。中間大径部54の外周面の周方向に180°離れた二カ所には、互いに平行な平面からなる流路形成用平面55(連通路)が形成してある。中間大径部54の中間小径部58側の端部は、中間大径部54の中で最も径が大きくかつ断面形状が円形をなす環状摺接部56により構成してある。中間小径部58には、中間小径部58をその径方向に貫通する外気案内孔59(連通路)(内部管路)(入口側開口)が形成してある。さらに第三リング支持部51、小径くびれ部53、及び中間大径部54の内部には、その一端が第三リング支持部51の内側端面(図5−図7では下端面)において開口しかつその他端が中間大径部54の流路形成用平面55とは別の側面において開口する断面略L字形の内部流路61が形成してある。さらに中間大径部54の内部には、その一端が外気案内孔59の内側端部(図2−図7では下端部)と連通しかつその他端が両方の流路形成用平面55において開口する一対の外気連通用流路62(連通路)(内部管路)(出口側開口)が形成してある。
第三OリングOR3と一体化した第一ピストン50は、シリンダ35の内部にシリンダ35の軸線に沿ってスライド自在として配設してある。即ち、第三OリングOR3が最小径部36の外側端部近傍に接触する吸引管路第一閉位置(図5の位置)と、第三OリングOR3が最小径部36の中央部近傍に接触する吸引管路開位置(図6の位置)と、第三OリングOR3が最小径部36の内側端部近傍に接触する吸引管路第二閉位置(図7の位置)とに移動可能である。第一ピストン50が吸引管路第一閉位置と吸引管路第二閉位置に位置するとき、内部流路61の側面開口が共通吸引管路30の前端開口と対向しないので吸引管28と共通吸引管路30は非連通状態となる。一方、第一ピストン50が吸引管路開位置に位置するときは、内部流路61の側面開口が共通吸引管路30の前端開口と対向するので吸引管28と共通吸引管路30が連通状態となる。さらに第一ピストン50がいずれの位置に位置するときも、第三OリングOR3がリング取付溝52の底面(第三リング支持部51の外周面)及び最小径部36の内周面に接触するので、第三リング支持部51の外周面と最小径部36の間を通って空気が流れることはない。
第二ピストン65はシリンダ35の軸線方向に沿って延びかつ両端が開口する筒状部材である。第二ピストン65は、その内側端部(図2−図7では下端部)を構成する第二リング支持部66と、第二リング支持部66に連なりかつ第二リング支持部66より小径の中間くびれ部68と、中間くびれ部68に連なりかつ中間くびれ部68及び第二リング支持部66より大径の第一リング支持部69と、第二ピストン65の外側端部を構成しかつ第一リング支持部69に連なる端部円筒部71と、を一体的に備えている。第二リング支持部66の外周面には環状のリング取付溝67が凹設してある。リング取付溝67には、弾性材料からなる第二OリングOR2が自由状態から拡径方向に弾性変形した状態で嵌合してある。第一リング支持部69の外周面には環状のリング取付溝70が凹設してある。リング取付溝70には、弾性材料からなる第一OリングOR1が自由状態から拡径方向に弾性変形した状態で嵌合してある。さらに端部円筒部71には、端部円筒部71の外周側空間と第二ピストン65(端部円筒部71)の内周側空間とを連通させるための複数の流路用貫通孔72が穿設してある。図5−図7に示すように第二ピストン65を軸線方向に貫通する貫通孔の内周面は、第二ピストン65の軸線方向位置によってその内径が異なる。即ち、当該貫通孔の中で最も内側端部側に位置する部位は第一ピストン摺接孔74(連通路)により構成してある。また当該貫通孔の中間部には第一ピストン摺接孔74より小径の内部Oリング摺接孔75が形成してある。
第一OリングOR1及び第二OリングOR2と一体化した第二ピストン65は、その貫通孔に第一ピストン50を挿入した状態で、シリンダ35の内部にシリンダ35の軸線に沿ってスライド自在として配設してある。第二ピストン65をシリンダ35の内部に配設すると、図5−図7に示すように第一ピストン50の中間大径部54が第一ピストン摺接孔74の内部に位置する。そして第一ピストン摺接孔74と一対の流路形成用平面55の間には常に一対の隙間が形成される。さらに環状摺接部56(の外周面)が第一ピストン摺接孔74(の内周面)に対して、極めて小さい嵌合公差によって互いに摺動可能に嵌合(すきま嵌め)する。仮に環状摺接部56と第一ピストン摺接孔74の嵌合公差がゼロの場合は、第一ピストン50がスライド不能になってしまう。その一方で、環状摺接部56と第一ピストン摺接孔74の嵌合公差が大きすぎる場合は第一ピストン50の軸が傾いてしまう。仮に第一ピストン50の軸の傾きが大きくなると、第三リング支持部51(の一部)と最小径部36(の一部)の間に隙間が形成されかつ第三OリングOR3と最小径部36の接触状態が不安定になるので、第三リング支持部51及び第三OリングOR3の外周面と最小径部36との間を空気が流れてしまうおそれがある。しかし本実施形態では環状摺接部56と第一ピストン摺接孔74を極めて小さい嵌合公差ですきま嵌めしているので、これらの問題が発生するのを防止可能である。
第二ピストン65は、第一OリングOR1がシリンダ35の最大径部38に接触しかつ第二OリングOR2がシリンダ35の中間径部37に接触するバルーン吸引管路閉位置(図5及び図6の位置)と、第一OリングOR1がシリンダ35の最大径部38に接触しかつ第二OリングOR2がシリンダ35の最小径部36と中間径部37の間の部位と非接触状態で対向するバルーン吸引管路開位置(図7の位置)と、に移動可能である。第二ピストン65がいずれのスライド位置に位置するときも、第一OリングOR1はバルーン吸引管接続孔39より外側端部側(図5−図7では上側)に位置しかつ第二OリングOR2はバルーン吸引管接続孔39より内側端部側(図5−図7では下側)に位置する。第二ピストン65がバルーン吸引管路閉位置に位置するとき、第二OリングOR2が(シリンダ35の共通吸引管路30との接続部とバルーン吸引管接続孔39の間に位置する)中間径部37に接触するので、バルーン吸引管29の後端開口と共通吸引管路30の前端開口は非連通状態となる。一方、第二ピストン65がバルーン吸引管路開位置に位置するときは、第二OリングOR2が中間径部37から吸引管28側に離れてシリンダ35の内周面と中間くびれ部68の間に形成された環状空間がバルーン吸引管29の後端開口及び共通吸引管路30の前端開口と対向するので、バルーン吸引管29と共通吸引管路30が連通状態となる。
図5及び図6に示すように、第二ピストン65がバルーン吸引管路閉位置に位置するとき第一リング支持部69が円筒状補強部材43の内側端部に対して吸引管28側から当接するので、第二ピストン65はバルーン吸引管路閉位置から外側(バルーン吸引管路開位置と反対側)へスライド不能となる。さらにこのとき、第一ピストン50の環状摺接部56が第二ピストン65の第一ピストン摺接孔74の外側端部に形成したストッパ74aに当接するので、第一ピストン50は吸引管路第一閉位置から外側(吸引管路第二閉位置と反対側)へスライド不能となる。
さらに第二ピストン65がいずれの位置に位置するときも、第一OリングOR1がリング取付溝70の底面(第一リング支持部69の外周面)及び最大径部38の内周面に接触するので、第一リング支持部69の外周面と最大径部38の間を通って空気が流れることはない。
第二ピストン65の端部円筒部71には、シリンダ35の軸線を中心とする筒状体である第二ピストン固定部材77が、端部円筒部71と同軸状態で固定してある。第二ピストン固定部材77は外周側に向かって突出する環状フランジであるリテーナ78を備えている。さらに円筒状補強部材43のリテーナ44と第二ピストン固定部材77のリテーナ78との間には、第二ピストン固定部材77を外側(吸引管28と反対側)に向けて付勢する第二圧縮コイルスプリングCS2(第二付勢手段)が縮設してある。そのため第二ピストン65及び第二ピストン固定部材77に対して第二圧縮コイルスプリングCS2以外の外力を及ぼさないとき、第二ピストン65は第二圧縮コイルスプリングCS2の付勢力によってバルーン吸引管路閉位置に位置する。
第二ピストン固定部材77には、シリンダ35の軸線を中心とする筒状体である第二カバー筒80(固定部材)が固定してある。第二カバー筒80は、その内周面から内周側に向かって突出する環状フランジであるリテーナ81を具備している。第二カバー筒80は、そのリテーナ81をリテーナ78に対して固定することにより第二ピストン固定部材77に対して取り付けてある。図5−図7に示すように、第二カバー筒80の内側端部は第一カバー筒45及び円筒状補強部材43の内周側に位置しており、第二カバー筒80の外周面と第一カバー筒45及び円筒状補強部材43の内周面の間には環状の隙間が形成してある。
第一ピストン50の先端接続部60には、第一ピストン50と同軸をなす可動軸部材83の内側端部(図2−図7の下端部)が固定してある。
可動軸部材83の外側端部近傍には、シリンダ35と同軸をなす筒状部材であるリテーナ部材85(操作部材)が固定してある。さらにリテーナ部材85と第二カバー筒80のリテーナ81との間には、リテーナ部材85を外側(吸引管28と反対側)に向けて付勢する第一圧縮コイルスプリングCS1(第一付勢手段)が縮設してある。第一圧縮コイルスプリングCS1の付勢力(バネ力)は第二圧縮コイルスプリングCS2より小さい。そのため第一ピストン50、可動軸部材83、及びリテーナ部材85に対して第一圧縮コイルスプリングCS1以外の外力を及ぼさないとき、第一ピストン50は吸引管路第一閉位置に位置する。
さらに可動軸部材83の外周面の内側端部近傍に形成した環状溝には内部OリングORAが固定してある。第一ピストン50が吸引管路第一閉位置に位置するとき内部OリングORAは第二ピストン65の内周面から離間し(図5参照)、第一ピストン50が吸引管路開位置及び吸引管路第二閉位置に位置するとき内部OリングORAは内部Oリング摺接孔75の内周面に接触する(図6及び図7参照)。そのため第一ピストン50が吸引管路開位置及び吸引管路第二閉位置に位置するとき、内部OリングORAと内部Oリング摺接孔75によって、第二ピストン65の内部空間において内部OリングORAと内部Oリング摺接孔75の内周面の間を空気が流れることはない。
可動軸部材83の外側端部は、リテーナ部材85の外側端部に形成した凹部86内に位置している。
シリンダ35と同軸の筒状部材である操作ボタン88(操作部材)の中央部には、吸引管28側に向かって延びる(凹む)筒状部である嵌合部89が形成してあり、嵌合部89の底面には貫通孔が形成してある。操作ボタン88は、その貫通孔に可動軸部材83の外側端部を嵌合しかつ嵌合部89をリテーナ部材85の凹部86に嵌合した状態でリテーナ部材85に装着してある。
そして可動軸部材83の外側端部に形成した雄ネジ84に対して嵌合部89の内周側空間に挿入した筒状形状をなすナット91を螺合し、このナット91とリテーナ部材85との間で操作ボタン88の嵌合部89を挟み込むことにより、操作ボタン88を可動軸部材83の先端部に固定してある。
さらに操作ボタン88の嵌合部89には、ナット91を覆うためのキャップ92が嵌合してある。
以上説明したシリンダ35、円筒状支持部材42、円筒状補強部材43、第一カバー筒45、第一ピストン50、第二ピストン65、第二ピストン固定部材77、第二カバー筒80、可動軸部材83、リテーナ部材85、操作ボタン88、ナット91、キャップ92、第一圧縮コイルスプリングCS1、第二圧縮コイルスプリングCS2、第一OリングOR1、第二OリングOR2、第三OリングOR3、及び内部OリングORAが吸引操作手段33の構成要素である。
続いて以上構成の超音波内視鏡10の使用要領及び動作について説明する。
挿入部12の先端硬質部19(超音波プローブ23)に、処置具挿通兼吸引管26の前端開口を避けながら弾性材料製(例えばシリコンゴム製)のバルーン(図示略)を被せて、超音波内視鏡10のコネクタ部13aに設けた接続口金31に対して負圧源(図示略)を接続する。そして挿入部12を被検者の体腔に挿入した後に、先端硬質部19に形成した注水口(図示略)から先端硬質部19(超音波プローブ23)の表面とバルーンの内面との間に脱気水を注入してバルーンを膨らませる。このようにして膨らませたバルーンを体腔壁に接触させた上で超音波プローブ23から超音波を発信するとCRTモニタに超音波画像が表示される。
操作ボタン88に対して第一圧縮コイルスプリングCS1及び第二圧縮コイルスプリングCS2以外の外力を及ぼさないとき、操作ボタン88は第一圧縮コイルスプリングCS1及び第二圧縮コイルスプリングCS2の付勢力によって図3(a)、図4(a)、及び図5に示す初期位置に位置し、第一ピストン50と第二ピストン65がそれぞれ吸引管路第一閉位置とバルーン吸引管路閉位置に位置する。即ち、内部流路61の側面開口が共通吸引管路30の前端開口と対向しないので吸引管28と共通吸引管路30は非連通状態となり、さらに第二OリングOR2が中間径部37に接触するので、バルーン吸引管29の後端開口と共通吸引管路30の前端開口は非連通状態となる。
このとき第一OリングOR1がリング取付溝70の底面及び最大径部38の内周面に接触しているものの(第一リング支持部69の外周面と最大径部38の間の空気の流れが遮断されているものの)、超音波内視鏡10の周囲の外気(空気)が、第二カバー筒80の外周面と第一カバー筒45及び円筒状補強部材43の内周面の間に形成された環状の隙間、第二ピストン65の流路用貫通孔72、第一ピストン50の外気案内孔59、外気連通用流路62、流路形成用平面55と第一ピストン摺接孔74の間に形成された一対の隙間、シリンダ35の内周面と小径くびれ部53の間の環状空間、並びに共通吸引管30を介して負圧源によって吸引される。
操作ボタン88を第一圧縮コイルスプリングCS1及び第二圧縮コイルスプリングCS2の付勢力に抗して一段階操作部11の内部空間側へ押し込むと、第一圧縮コイルスプリングCS1を圧縮方向に弾性変形させながら(可動軸部材83、リテーナ部材85、操作ボタン88と一体化した)第一ピストン50が吸引管路開位置へ移動し、リテーナ部材85が第二ピストン固定部材77に当接する(図6参照)。このときの操作ボタン88の位置が図3(b)、図4(b)、及び図6に示す第一押込位置である。このとき第一圧縮コイルスプリングCS1よりも付勢力(バネ力)が大きい第二圧縮コイルスプリングCS2は圧縮方向に弾性変形しない。そのため第二ピストン65はバルーン吸引管路閉位置に位置し続ける。
すると第一ピストン50の内部流路61の側面開口が共通吸引管路30の前端開口と対向するので吸引管28と共通吸引管路30が連通状態となり、負圧源が発生した吸引力が共通吸引管30、シリンダ35の内部空間、吸引管28、及び処置具挿通兼吸引管26を介して処置具挿通兼吸引管26の前端開口に及ぶ。そのため処置具挿通兼吸引管26の前端開口から被検者の体液等を吸引可能になる。
操作ボタン88に加えていた上記外力を消失させると第一圧縮コイルスプリングCS1の付勢力によって操作ボタン88は初期位置に移動復帰する。
また超音波内視鏡10による内視鏡術が終了した後に操作ボタン88を第一圧縮コイルスプリングCS1及び第二圧縮コイルスプリングCS2の付勢力に抗して第一押込位置よりもさらに一段階奥側の第二押込位置(図3(c)、図4(c)、及び図7参照)まで押し込むと、リテーナ部材85が第二ピストン固定部材77に当接することにより、バルーン吸引管路閉位置に位置していた第二ピストン65が第二圧縮コイルスプリングCS2を圧縮方向に弾性変形させながらバルーン吸引管路開位置へ移動する。さらに第二ピストン65のバルーン吸引管路開位置への移動に伴って、(可動軸部材83及びリテーナ部材85等と一体化した)第一ピストン50が吸引管路第二閉位置まで移動する。
すると図7に示すように、シリンダ35の内周面と中間くびれ部68の間に形成された環状空間がバルーン吸引管29の後端開口及び共通吸引管路30の前端開口と対向し、さらに第二OリングOR2が中間径部37から離間して最小径部36と中間径部37の間の部位と非接触状態で対向するので、バルーン吸引管29と共通吸引管路30が連通状態となる。その一方で内部流路61の側面開口が共通吸引管路30の前端開口と再び対向しなくなるので吸引管28と共通吸引管路30は非連通状態となる。
その結果、負圧源の吸引力が共通吸引管30、シリンダ35の内部空間(中間くびれ部68とシリンダ35の間の環状空間)、バルーン吸引管接続孔39、及びバルーン吸引管29を介してバルーン吸引開口29aに及び、先端硬質部19の表面とバルーンの内面の間に注入した上記脱気水が吸引源の吸引力によって吸引されるので、バルーンが縮んで先端硬質部19(超音波プローブ23)の表面に密着する。そのため術者は超音波内視鏡10の挿入部12を被検者の体腔から円滑に引き抜くことが可能である。
操作ボタン88に加えていた上記外力を消失させると第一圧縮コイルスプリングCS1及び第二圧縮コイルスプリングCS2の付勢力によって、操作ボタン88は初期位置へ移動復帰する。
以上説明したように本実施形態では、第一ピストン50と第二ピストン65をそれぞれ独立してスライドさせることにより、吸引操作手段33を三つの状態(吸引不能状態、吸引管28を介した吸引が可能な状態、バルーン吸引管29を介した吸引が可能な状態)に切り替え可能としている。それ故、(第一ピストン50及び)第二ピストン65のシリンダ35に対する移動量を小さくすることが可能である。
そのため、第二ピストン65に設けた第一OリングOR1と第二OリングOR2のシリンダ35に対する移動量を小さくすることが可能である。即ち、操作ボタン88の位置に拘わらず、第一OリングOR1をバルーン吸引管接続孔39より外側端部側(図5−図7では上側)に位置させかつ第二OリングOR2をバルーン吸引管接続孔39より内側端部側(図5−図7では下側)に位置させることが可能である。
従って、第二ピストン65に設けた第一OリングOR1と第二OリングOR2がシリンダ35のバルーン吸引管接続孔39の周縁部と干渉して削れられるおそれがない。そのため例えば操作ボタン88を第一押込位置に移動させたとき(第一ピストン50と第二ピストン65がそれぞれ吸引管路開位置とバルーン吸引管路閉位置に位置するとき)、第二OリングOR2と中間径部37によって、バルーン吸引管29の後端開口と共通吸引管路30の前端開口は非連通状態となり(さらに内部OリングORAと内部Oリング摺接孔75によって第二ピストン65の内部空間において内部OリングORAと内部Oリング摺接孔75の内周面の間を空気が流れること、即ち、超音波内視鏡10の周囲の外気(空気)が第一ピストン50の外気案内孔59側に流れることが規制されるので)、負圧源で発生した吸引力の殆どが吸引管28に及ぶことになる。そのため吸引管28と連通する処置具挿通兼吸引管26の前端開口から被検者の体液等を確実に吸引できる。
さらに操作ボタン88が初期位置に位置するときに、操作部11の外側空間と共通吸引管の前端開口との間を連通させるための連通路(小径くびれ部53、流路形成用平面55、外気案内孔59、外気連通用流路62、第一ピストン摺接孔74)を、シリンダ35ではなく第一ピストン50及び第二ピストン65に設けている。
そのためシリンダ35を二部材によって構成する必要がない(一部材によって構成できる)ので、シリンダ35によって第一ピストン50及び第二ピストン65を直進案内するのが容易である。
以上、上記実施形態を利用して本発明を説明したが、本発明は様々な変形を施しながら実施可能である。
例えば、第二ピストン固定部材77を省略して、第一圧縮コイルスプリングCS1の内側端部を第二ピストン65によって受けても良い。
第一圧縮コイルスプリングCS1及び第二圧縮コイルスプリングCS2とは異なる構造の付勢手段によって、第一付勢手段と第二付勢手段を構成してもよい。
超音波内視鏡10は斜視型内視鏡であるが、斜視型ではない超音波内視鏡(但し、挿入部の先端部に被せたバルーンを避けた位置に処置具挿通兼吸引管の前端開口を形成する)に本発明を適用してもよい。
10 超音波内視鏡
11 操作部
11a 処置具挿入口突起
11b キャップ
12 挿入部
13 ユニバーサルチューブ
13a コネクタ部
14 超音波画像伝送用チューブ
14a コネクタ部
15 湾曲操作レバー
17 湾曲部
18 可撓管部
19 先端硬質部(先端部)
20 傾斜面
23 超音波プローブ
26 処置具挿通兼吸引管(吸引管路)
28 吸引管(吸引管路)
29 バルーン吸引管(バルーン吸引管路)
29a バルーン吸引開口
30 共通吸引管(吸引源接続管路)
31 接続口金
33 吸引操作手段
35 シリンダ
36 最小径部
37 中間径部
38 最大径部
39 バルーン吸引管接続孔(バルーン吸引管路)
42 円筒状支持部材
43 円筒状補強部材
44 リテーナ
45 第一カバー筒
50 第一ピストン
51 第三リング支持部
52 リング取付溝
53 小径くびれ部(連通路)
54 中間大径部
55 流路形成用平面(連通路)
56 環状摺接部
58 中間小径部
59 外気案内孔(連通路)(内部管路)(入口側開口)
60 先端接続部
61 内部流路
62 外気連通用流路(連通路)(内部管路)(出口側開口)
65 第二ピストン
66 第二リング支持部
67 リング取付溝
68 中間くびれ部
69 第一リング支持部
70 リング取付溝
71 端部円筒部
72 流路用貫通孔
74 第一ピストン摺接孔(連通路)
74a ストッパ
75 内部Oリング摺接孔
77 第二ピストン固定部材
78 リテーナ
80 第二カバー筒(固定部材)
81 リテーナ
83 可動軸部材
84 雄ネジ
85 リテーナ部材(操作部材)
86 凹部
88 操作ボタン(操作部材)
89 嵌合部
91 ナット
92 キャップ
CS1 第一圧縮コイルスプリング(第一付勢手段)
CS2 第二圧縮コイルスプリング(第二付勢手段)
OR1 第一Oリング
OR2 第二Oリング
OR3 第三Oリング
ORA 内部Oリング

Claims (5)

  1. 操作部から延びる挿入部の先端部の表面に設けた、該先端部に着脱可能に装着したバルーンによって覆われる超音波プローブと、
    上記操作部及び上記挿入部の内部に配設した、一端が上記挿入部の表面において開口する吸引管路と、
    上記操作部及び上記挿入部の内部に配設しかつ一端が上記先端部の表面の上記バルーンによって覆われる部位において開口する、上記吸引管路とは独立した管路であるバルーン吸引管路と、
    一端が上記操作部内に位置し他端が吸引源に接続する吸引源接続管路と、
    上記操作部内に設けた、上記バルーン吸引管路の他端開口、上記吸引管路の他端開口、及び上記吸引源接続管路の一端開口と接続するシリンダと、
    該シリンダ内に設けた、吸引管路第一閉位置と、吸引管路開位置と、吸引管路第二閉位置とにスライド可能な第一ピストンと、
    該第一ピストンを自身の内周側空間に配置した、バルーン吸引管路閉位置と、バルーン吸引管路開位置と、の間を上記第一ピストンとは独立してスライド可能な筒状をなす第二ピストンと、
    上記第二ピストンの外周面に設けた、該第二ピストンの位置に拘わらず上記バルーン吸引管路の他端開口より上記吸引源接続管路の一端開口と反対側に位置しながら上記シリンダの内周面に接触することにより、上記シリンダと上記第二ピストンの間から上記操作部の外側空間の外気が上記吸引源接続管路の上記一端開口側へ流れるのを規制する第一Oリングと、
    上記第二ピストンの外周面に設けた、該第二ピストンの位置に拘わらず上記バルーン吸引管路の他端開口より上記吸引源接続管路の一端開口側に位置する第二Oリングと、
    上記第一ピストン及び上記第二ピストンに設けた、上記第一ピストンと上記第二ピストンが上記吸引管路第一閉位置と上記バルーン吸引管路閉位置にそれぞれ位置するときに、上記操作部の外側空間と上記吸引源接続管路の上記一端開口との間を連通させる連通路と、
    を備え、
    上記第一ピストンは、
    上記吸引管路第一閉位置に位置したときに、上記吸引管路の上記他端開口と上記吸引源接続管路の上記一端開口との間の連通を遮断し、
    上記吸引管路開位置に位置するときに、上記吸引管路の上記他端開口と上記吸引源接続管路の上記一端開口とを連通させ、
    上記吸引管路第二閉位置に位置するときに、上記吸引管路の上記他端開口と上記吸引源接続管路の上記一端開口との間の連通を遮断し、
    上記第二ピストンは、
    上記バルーン吸引管路閉位置に位置するときに、上記第二Oリングを上記シリンダの内周面に接触させながら上記バルーン吸引管路の上記他端開口と上記吸引源接続管路の上記一端開口との間の連通を遮断し、
    上記バルーン吸引管路開位置に位置するときに、上記第二Oリングを上記シリンダの内周面から離間させながら上記バルーン吸引管路の上記他端開口と上記吸引源接続管路の上記一端開口とを連通させることを特徴とする超音波内視鏡。
  2. 請求項1記載の超音波内視鏡において、
    上記シリンダに対してスライド可能であり、上記第一ピストンと上記第二ピストンを上記吸引管路第一閉位置と上記バルーン吸引管路閉位置に位置させる初期位置と、上記第一ピストンと上記第二ピストンを上記吸引管路開位置と上記バルーン吸引管路閉位置に位置させる第一押込位置と、上記第一ピストンと上記第二ピストンを上記吸引管路第二閉位置と上記バルーン吸引管路開位置に位置させる第二押込位置と、に移動可能な操作部材を備える超音波内視鏡。
  3. 請求項2記載の超音波内視鏡において、
    上記操作部材の上記第二押込位置が、上記第一押込位置を挟んで上記初期位置と反対側の位置であり、
    上記第一ピストンと一緒にスライドする上記操作部材と上記第二ピストン又は上記第二ピストンに対する固定部材との間に設けた、上記操作部材を上記初期位置に向けて付勢する第一付勢手段と、
    上記第二ピストンを上記バルーン吸引管路閉位置に向けて付勢しかつ上記第一付勢手段より付勢力が大きい第二付勢手段と、
    を備える超音波内視鏡。
  4. 請求項1から3のいずれか1項記載の超音波内視鏡において、
    上記連通路が、
    上記第一ピストンに形成した、上記操作部の外側空間の外気を吸引する入口側開口及び該外気を上記吸引源接続管路の上記一端開口側に排気する出口側開口を有する内部管路を備える超音波内視鏡。
  5. 請求項1から4のいずれか1項記載の超音波内視鏡において、
    上記第一ピストンの外周面に設けた、上記第一ピストンの位置に拘わらず上記バルーン吸引管路の他端開口より上記吸引管路の他端開口側に位置しながら上記シリンダの内周面に接触することにより、上記バルーン吸引管路の上記他端開口と上記吸引管路の上記他端開口との間の連通を遮断する第三Oリングを備える超音波内視鏡。
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