JP2016045179A - チーズの熟成度指標推定方法、チーズの熟成度指標推定装置、コンピュータが実行可能なプログラム、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、及びプロセスチーズの製造方法 - Google Patents

チーズの熟成度指標推定方法、チーズの熟成度指標推定装置、コンピュータが実行可能なプログラム、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、及びプロセスチーズの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】チーズの熟成度指標を客観的かつ迅速に推定することを目的とする。
【解決手段】測定対象のチーズの熟成度指標を推定するチーズの熟成度指標推定方法であって、所定の励起波長範囲及び所定の蛍光波長範囲で、照射する励起波長及び観測する蛍光波長を段階的に変化させながら、測定対象のチーズの蛍光強度を測定して、前記測定対象のチーズの蛍光指紋情報を取得する蛍光指紋情報取得工程と、前記蛍光指紋情報取得工程で取得した前記蛍光指紋情報に基づいて前記測定対象のチーズの熟成度指標を推定する熟成度指標推定工程と、を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、チーズの熟成度指標推定方法、チーズの熟成度指標推定装置、コンピュータが実行可能なプログラム、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、及びプロセスチーズの製造方法に関する。
チーズは、栄養バランスのとれた嗜好性の高い伝統的な乳の加工品であり、古来より多種類のチーズが世界各地で生産されている。一般にチーズは、加工の方法や材料により、数種類に分類される。日本では、チーズをナチュラルチーズと、プロセスチーズに分類している。ナチュラルチーズは、牛乳等に乳酸菌等を加え酵素で凝固させ、脱水・成形・加塩して、微生物の作用で熟成(脂肪分解、乳酸醗酵)させたものをいう。プロセスチーズは、1種又は複数種のナチュラルチーズを原料にして、粉砕、加熱溶融し、乳化したものをいう。
ナチュラルチーズの品質特性を決める重要な項目として、「熟成の度合い」がある。例えば、複数種類のナチュラルチーズを組み合わせてプロセスチーズを作る場合、ナチュラルチーズの「熟成の度合い」を客観的に計測する手法が必要である。
現在、ナチュラルチーズの「熟成の度合い」は、熟練したグレーダーが五感により、例えば、10点満点で判断している。グレーダーによる判断では、客観性がないことや、グレーダーを育てるために時間・経費が必要などの問題があった。
また、化学分析により、全窒素に対する水溶性窒素の割合を「熟度」として計測する方法や、Rapid visco analyzer(RVA)、電気泳動によるインタクトカゼイン測定などの方法もあるが、いずれも計測に長時間(例えば、数日)を要すると共に、手間がかかるという問題があった。
本出願人はすでに、ナチュラルチーズの代謝物における機器分析によって、当該ナチュラルチーズの熟成品質の予測方法について提供している(特許文献1)。
他方、本出願人による蛍光指紋を使用した判別方法では、測定対象物に対して照射する励起波長、及び、測定対象物を観測する蛍光波長を段階的に変化させながら蛍光強度を測定することにより蛍光指紋を取得し、取得した蛍光指紋を解析することにより、穀粉の品種や種別を判別している(特許文献2)。かかる蛍光指紋を使用した方法では、操作が容易で短時間で測定できること、吸光度に比べ感度が高いこと、非破壊で解析が可能などの長所を有している。
特開2013−7732号公報 特開2010−185719号公報
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、チーズの熟成度指標を客観的かつ迅速に推定することが可能なチーズの熟成度指標推定方法、チーズの熟成度指標推定装置、コンピュータが実行可能なプログラム、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、及びプロセスチーズの製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、測定対象のチーズの熟成度指標を推定するチーズの熟成度指標推定方法であって、所定の励起波長範囲及び所定の蛍光波長範囲で、照射する励起波長及び観測する蛍光波長を段階的に変化させながら、測定対象のチーズの蛍光強度を測定して、前記測定対象のチーズの蛍光指紋情報を取得する蛍光指紋情報取得工程と、前記蛍光指紋情報取得工程で取得した前記蛍光指紋情報に基づいて前記測定対象のチーズの熟成度指標を推定する熟成度指標推定工程と、を含むことを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記熟成度指標推定工程では、チーズの熟成度指標を推定するための推定モデルに前記蛍光指紋情報取得工程で取得した前記蛍光指紋情報を適用して前記測定対象のチーズの熟成度指標を推定することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、さらに、前記蛍光指紋情報取得工程で取得した蛍光指紋情報に対して多変量解析を行うことで前記推定モデルを作成する推定モデル作成工程を含むことが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記推定モデル作成工程では、前記多変量解析としてPLS回帰分析を行って、前記推定モデルとして検量線を作成し、前記熟成度指標推定工程では、前記蛍光指紋情報取得工程で取得した前記蛍光指紋情報を前記検量線に適用して前記測定対象のチーズの熟成度指標を推定することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、さらに、前記蛍光指紋情報に対して、散乱光の除去・2次元データへの展開、中心化、標準化、規格化、微分、ベースライン補正、及び平滑化のうちの1又は複数の処理を行うデータ前処理工程を含むことが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記熟成度指標は、熟度、遊離アミノ酸量、遊離脂肪酸量、及び熟成期間のうちの1又は複数であることが望ましい。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、測定対象のチーズの熟成度指標を推定するチーズの熟成度指標推定装置であって、所定の励起波長範囲及び所定の蛍光波長範囲で、照射する励起波長及び観測する蛍光波長を段階的に変化させながら、測定対象のチーズの蛍光強度を測定して、前記測定対象のチーズの蛍光指紋情報を取得する蛍光指紋情報取得手段と、前記蛍光指紋情報取得工程で取得した前記蛍光指紋情報に基づいて前記測定対象のチーズの熟成度指標を推定する熟成度指標推定手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記熟成度指標推定手段は、チーズの熟成度指標を推定するための推定モデルに前記蛍光指紋情報取得手段で取得した前記蛍光指紋情報を適用して前記測定対象のチーズの熟成度指標を推定することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、さらに、前記蛍光指紋情報取得手段で取得した蛍光指紋情報に対して多変量解析を行うことで前記推定モデルを作成する推定モデル作成手段を備えることが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記推定モデル作成手段は、前記多変量解析としてPLS回帰分析を行って、前記推定モデルとして検量線を作成し、前記熟成度指標推定手段は、前記蛍光指紋情報取得手段で取得した前記蛍光指紋情報を前記検量線に適用して前記測定対象のチーズの熟成度指標を推定することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、さらに、前記蛍光指紋情報に対して、散乱光の除去・2次元データへの展開、中心化、標準化、規格化、微分、ベースライン補正、及び平滑化のうちの1又は複数の処理を行うデータ前処理手段を備えることが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記熟成度指標は、熟度、遊離アミノ酸量、遊離脂肪酸量、及び熟成期間のうちの1又は複数であることが望ましい。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、測定対象のチーズの熟成度指標を推定するチーズの熟成度指標推定装置に搭載されるプログラムであって、所定の励起波長範囲及び所定の蛍光波長範囲で、照射する励起波長及び観測する蛍光波長を段階的に変化させながら、測定対象のチーズの蛍光強度を測定して、前記測定対象のチーズの蛍光指紋情報を取得する蛍光指紋情報取得工程と、前記蛍光指紋情報取得工程で取得した前記蛍光指紋情報に基づいて前記測定対象のチーズの熟成度指標を推定する熟成度指標推定工程と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記熟成度指標推定工程では、チーズの熟成度指標を推定するための推定モデルに前記蛍光指紋情報取得工程で取得した前記蛍光指紋情報を適用して前記測定対象のチーズの熟成度指標を推定することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、さらに、前記蛍光指紋情報取得工程で取得した蛍光指紋情報に対して多変量解析を行うことで前記推定モデルを作成する推定モデル作成工程をコンピュータに実行させることが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記推定モデル作成工程では、前記多変量解析としてPLS回帰分析を行って、前記推定モデルとして検量線を作成し、前記熟成度指標推定工程では、前記蛍光指紋情報取得工程で取得した前記蛍光指紋情報を前記検量線に適用して前記測定対象のチーズの熟成度指標を推定することが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、さらに、前記蛍光指紋情報に対して、中心化、標準化、規格化、微分、ベースライン補正、及び平滑化のうちの1又は複数の処理を行うデータ前処理工程をコンピュータに実行させることが望ましい。
また、本発明の好ましい態様によれば、前記熟成度指標は、熟度、遊離アミノ酸量、遊離脂肪酸量、及び熟成期間のうちの1又は複数であることが望ましい。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ナチュラルチーズであって、本発明のチーズの熟成度指標推定方法により推定される熟成度指標を使用して出荷時期が決定されることを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、プロセスチーズであって、原料となるナチュラルチーズが、本発明のチーズの熟成度指標推定方法により熟成度指標が推定され、前記推定された熟成度指標に基づいて、前記原料となるナチュラルチーズの配合及び/又は前記プロセスチーズの製造条件が決定されることを特徴とする。
また、上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、本発明のチーズの熟成度指標推定方法により熟成度指標が推定されたナチュラルチーズが原料に使用されるプロセスチーズの製造方法であって、前記推定された熟成度指標に基づいて、前記原料となるナチュラルチーズの配合を決定する工程、を含む製造方法を特徴とする。
この発明によれば、所定の励起波長範囲及び所定の蛍光波長範囲で、照射する励起波長及び観測する蛍光波長を段階的に変化させながら、測定対象のチーズの蛍光強度を測定して、前記測定対象のチーズの蛍光指紋情報を取得し、取得した蛍光指紋情報に基づいて測定対象のチーズの熟成度指標を推定しているので、チーズの熟成度指標を客観的かつ迅速に推定することが可能となる。
また、本発明によれば、チーズの熟成度指標を推定するための推定モデルに取得した蛍光指紋情報を適用して測定対象のチーズの熟成度指標を推定しているので、蛍光指紋を測定するだけで、簡単かつ迅速に熟成度指標を推定することが可能となる。
また、本発明によれば、取得した蛍光指紋情報に対して多変量解析を行うことで推定モデルを作成しているので、高精度な推定モデルを作成することが可能となる。
また、本発明によれば、多変量解析としてPLS回帰分析を行って、推定モデルとして検量線を作成し、取得した蛍光指紋情報を検量線に適用して測定対象のチーズの熟成度指標を推定することとしたので、熟成度指標の具体的な数値を高精度に推定することが可能となる。
また、本発明によれば、蛍光指紋情報に対して、データ前処理として、中心化、標準化、規格化、微分、ベースライン補正、及び平滑化のうちの1又は複数の処理を行うこととしたので、熟成度指標の推定精度を向上させることが可能となる。
また、本発明によれば、熟成度指標は、熟度、遊離アミノ酸量、遊離脂肪酸量、及び熟成期間のうちの1又は複数であることとしたので、熟成度指標として、熟度、遊離アミノ酸量、遊離脂肪酸量、及び熟成期間を推定することが可能となる。
また、本発明によれば、温度21〜22℃の条件で蛍光指紋の測定を行うことにより、高精度に蛍光指紋情報を取得することも可能である。
図1は、本発明の概略を説明するための説明図である。 図2は、測定対象物に励起光を照射した場合に、測定対象物から発せられる蛍光を説明するための図である。 図3は、蛍光指紋の一例を3次元データの等高線状のグラフにて示す図である。 図4は、図3の蛍光指紋の一例を平面的に表した俯瞰図である。 図5は、本実施の形態に係るチーズの熟成度指標推定方法を説明するためのフローチャートである。 図6は、測定対象のチーズの準備の一例を説明するための図である。 図7は、蛍光指紋情報に対して行われるデータ前処理の第1段階を説明するための図である。 図8は、蛍光指紋情報に対して行われるデータ前処理の第2段階(中心化)を説明するための図である。 図9は、蛍光指紋情報に対して行われるデータ前処理の第2段階(規格化)を説明するための図である。 図10は、蛍光指紋情報に対して行われるデータ前処理の第2段階(標準化)を説明するための図である。 図11は、チーズの熟成度指標推定装置の一例を示すブロック図である。 図12は、蛍光指紋取得装置の一例を示すブロック図である。 図13は、PLS回帰分析による蛍光指紋と熟度についての解析結果を示しており、データ前処理として散乱光除去及び2次元データ展開のみを行った例を示す図である。 図14は、PLS回帰分析による蛍光指紋と熟度についての解析結果を示しており、データ前処理として散乱光除去及び2次元データ展開を行った後、「中心化」を行った例を示す図である。 図15は、PLS回帰分析による蛍光指紋と熟度についての解析結果を示しており、データ前処理として散乱光除去及び2次元データ展開を行った後、「規格化」を行った例を示す図である。 図16は、PLS回帰分析による蛍光指紋と熟度についての解析結果を示しており、データ前処理として散乱光除去及び2次元データ展開を行った後、「標準化」を行った場合を示す図である。 図17は、蛍光指紋情報に対して主成分分析を行った例を示す図である。 図18は、PLS判別分析によるキャリブレーションデータの判別結果の集計を示す図である。 図19は、PLS判別分析によるバリデーションデータの判別結果の集計を示す図である。 図20は、PLS回帰分析による蛍光指紋と熟成期間についての解析結果を示す図である。 図21は、PLS回帰分析による蛍光指紋と遊離アミノ酸量についての解析結果を示す図である。 図22は、PLS回帰分析による蛍光指紋と遊離脂肪酸(総量)についての解析結果を示す図である。
以下に、本発明に係るチーズの熟成度指標推定方法、チーズの熟成度指標推定装置、コンピュータが実行可能なプログラム、ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、及びプロセスチーズの製造方法の好適な実施の形態の例を、図1〜図22を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
[本発明の概略]
まず、図1を参照して、本発明の概略を説明する。図1は、本発明の概略を説明するための説明図である。チーズは熟成の進行に伴いその内部で、可溶性タンパクの増加、遊離アミノ酸の増加、遊離脂肪酸の増加、水分の減少など、様々な変化が起こる。熟成の進行は、「熟成度指標」で規定することができる。「熟成度指標」には、全窒素に対する水溶性窒素の割合である「熟度」、「遊離アミノ酸量」、「遊離脂肪酸量」、及び「熟成期間」等が含まれる。特に、「熟度」はチーズの製造現場でよく使用されている熟成度指標である。
本発明では、チーズの熟成度指標を客観的かつ迅速に推定するために、測定対象のチーズの蛍光指紋を測定し、測定した蛍光指紋に基づいて、チーズの熟成度指標を推定している。本発明は、蛍光指紋から熟成度指標を推定するための推定モデルを作成する推定モデル作成工程(S1)と、測定対象物の蛍光指紋を測定し、測定した蛍光指紋を推定モデルに適用して熟成度指標を推定する簡易計測工程(S2)とを備える。
推定モデル作成工程(S1)では、チーズの蛍光指紋を測定して、測定した蛍光指紋を多変量解析してチーズの熟成度指標を推定するための推定モデルを作成する。測定した蛍光指紋情報に対しては必要によりデータ前処理を行う。多変量解析には、教師ありの手法及び教師なしの手法がある。教師ありの手法では、化学分析等により熟成度指標が既知のチーズに対して蛍光指紋を測定し、測定した蛍光指紋に対して多変量解析を行うことで推定モデルを作成する。教師なしの手法では、チーズの蛍光指紋を測定し、測定した蛍光指紋に対して多変量解析を行うことで推定モデルを作成する。
蛍光指紋の簡易計測工程(S2)では、熟成度指標を推定したいチーズの蛍光指紋の計測を行って蛍光指紋を取得する。取得した蛍光指紋に対しては、必要によりデータ前処理を行う。取得した蛍光指紋を推定モデルに適用して、熟成度指標を推定する。このように、一旦、推定モデルを作成すると、測定対象物の蛍光指紋を取得するだけで、客観的かつ迅速に熟成度指標を推定することが可能となる。
[蛍光指紋]
図2〜図4を参照し、蛍光指紋について説明する。図2は、測定対象物に励起光を照射した場合に、測定対象物から発せられる蛍光を説明するための図である。図3は、蛍光指紋の一例を3次元データの等高線状のグラフにて示す図である。図4は、図4の蛍光指紋の一例を平面的に表した俯瞰図である。
図2に示すように、測定対象物に励起光(様々な波長の光)を照射し、測定対象物から発せられた蛍光を検出する。「蛍光指紋」とは、図3に示すように、測定対象物に照射する励起波長、測定対象物から発する蛍光波長、測定対象物の蛍光強度の3軸からなる3次元データの等高線状のグラフである。
また、図4に示すように、「蛍光指紋」は、横軸を蛍光波長、縦軸を励起波長として各ポイントの蛍光強度を等高線プロットすることにより平面的に表すことができる。蛍光指紋は、測定対象物に対し蛍光染色等の前処理をせずにキャラクタリゼーションが可能であること、操作が容易で短時間で測定できること、さらに吸光度に比べ感度が高いこと、非破壊で測定が可能であることなどの長所を有することから、食品等の内部構造の分析や、大気中の浮遊物の測定や、染料の原料特定などに利用されている手法である。このように、「蛍光指紋」は、3次元の膨大な情報を有する成分固有の蛍光情報であるため、測定者は、蛍光指紋を利用することで、成分の識別が可能であり、かつ、非破壊での計測が可能である。
[チーズの熟成度指標推定方法]
図5〜図8を参照し、本実施の形態に係るチーズの熟成度指標推定方法について説明する。図5は、本実施の形態に係るチーズの熟成度指標推定方法を説明するためのフローチャートである。
図5に示すように、本実施の形態に係るチーズの熟成度指標推定方法は、チーズの蛍光指紋を多変量解析して、熟成度指標を推定するための推定モデルを作成する推定モデル作成工程と、チーズの蛍光指紋を測定し、測定した蛍光指紋を推定モデルに適用して熟成度指標を推定する熟成度指標推定工程とに大別される。
多変量解析には、(1)教師なし(パターン認識)と、(2)教師ありとがある。(1)教師なしには、主成分分析、クラスター分析等がある。(2)教師ありには、(2−1)判別分析、(2−2)回帰分析等がある。
(2−1)判別分析は、いくつかのグループにデータを分けるものであり、PLS(Partial least squares)判別分析、SIMCA(Soft Independent Modeling of Class Analogy)、SVM(Support Vector Machine)判別分析等がある。例えば、判別分析では、熟成度指標の「熟度」を、「未熟」、「適熟」、「過熟」の3つに分類したり、「未熟」、「完熟」の2つに分類すること等ができる。
(2−2)回帰分析は、特定の数値を推定する回帰式(検量線)を作成するものであり、熟成度指標の数値を推定するのに使用することができる。回帰分析には、PLS回帰分析、主成分回帰分析などがあり、熟成度指標の「熟度率」、「熟成日数」、「遊離アミノ酸量」、「遊離脂肪酸量」などの数値を推定するのに使用することができる。
測定対象のチーズは、例えば、ナチュラルチーズである。なお、本実施形態において、測定対象のチーズはナチュラルチーズに限定されず他のチーズであってもよい。
推定モデル作成工程では、まず、推定モデルを作成するために、測定対象のチーズを準備する(ステップS11)。図6は、測定対象のチーズの準備の一例を説明するための図である。例えば、図6に示すように、測定対象のチーズのブロック(T1)を厚さ10mm程度に切り出し(T2)、中空棒で円柱状に切り抜き(T3)、ミクロトームの刃を用いて、断面が滑らかになるように円柱状のチーズを厚さ1.5mm程度に切り出して円盤状とする(T4)。円盤状のチーズを断面に触れないように石英窓がついた計測セルにセットする(T5)。そして計測セルを計測装置にセットする(T6)。
つぎに、測定対象のチーズに対して蛍光指紋計測を行って蛍光指紋情報を取得する(ステップS13)。例えば、既存の分光蛍光光度計(例えば、日立ハイテクノロジーズ製のF−7000型蛍光分光光度計、日本分光製のFP−8500蛍光分光光度計等)により、好ましくは21−22℃の温度条件で、励起波長(例えば、200〜700nmの計測波長範囲内で5nmのデータ取得間隔ごとのm個の波長)と、蛍光波長(例えば、200〜700nmの計測波長範囲で5nmのデータ取得間隔ごとのn個の波長)の組み合わせを変えながら、合計m×n通りの波長条件で、測定対象物の蛍光強度を取得する。ここで、測定者は、計測回数(例えば、各試料につき3回)を調整してもよい。図7(A)は、測定対象物の蛍光指紋の一例を示す図である。
このように、測定対象物について、照射する励起波長及び観測する蛍光波長の組み合わせが異なるm×n波長条件で蛍光強度を取得し、測定対象物の蛍光指紋情報を取得する。
つぎに、取得した蛍光指紋情報に対して、必要によりデータ前処理を実行する(ステップS14)。以下、図7〜図10を参照して、多変量解析前に蛍光指紋情報に対して行われるデータ前処理について説明する。図7は、蛍光指紋情報に対して行われるデータ前処理の第1段階を説明するための図である。図8〜図10は、蛍光指紋情報に対して行われるデータ前処理の第2段階を説明するための図である。データ前処理は、例えば、1.蛍光指紋の散乱光の除去と2次元データへの展開の第1段階、2.2次元の蛍光指紋情報に対する信号処理演算(例えば、中心化、標準化、規格化、2次微分、ベースライン補正、及び平滑化等)の第2段階の処理がある。
<1.蛍光指紋の散乱光の除去と2次元データへの展開(第1段階の処理)>
図7(A)に示すように、取得された蛍光指紋情報は、合計m×nの波長条件(=励起波長と蛍光波長の組み合わせ)のパラメータからなる高次元の蛍光強度データを含んでおり、更に、蛍光の定義から外れる光学的データ(例えば、励起光の散乱光、その2次光、3次光等:本発明では便宜的にノイズ情報と表記する。)を含んでいる。散乱光は、蛍光波長と励起波長が一致する波長条件で、また散乱光の二次光、三次光はそれぞれ蛍光波長が励起波長の2倍、3倍となる波長条件で現れる。そのため、ノイズ情報を除去するとともに、取得した高次元の蛍光強度データから、目的とする蛍光指紋以外の情報を除去した低次元の蛍光強度データにすることが望ましい。
そこで、図7(B)に示すように、ノイズ情報となる励起光の散乱光及びその2次光、3次光のデータ(例えば、図7(B)の(i)が示すデータ)を削除する。ここで、散乱光・2次光・3次光ともにある程度の幅をもって現れるため、例えば、前後30〜40nmの範囲のデータを除くことにしてもよい。
更に、蛍光波長が励起波長よりも短い範囲のデータ(例えば、図7(B)の(ii)が示すデータ)を除去する。これは、測定対象物が発する蛍光波長は励起波長より長波長であるので、励起波長より長波長の蛍光波長の蛍光強度データのみを解析するための処理である。このように、散乱光及び蛍光波長が励起波長よりも短い範囲のデータを除去して、図7(C)に示すように、チーズの特徴を表す蛍光指紋情報を抽出する。
蛍光指紋情報は、上述したように、励起波長、蛍光波長、蛍光強度からなる3次元データである。多くの解析手法は2次元データを対象に開発されているため、それらを用いるためには3次元データを2次元に展開する必要がある。たとえば、図7(C)に示すように、励起波長200〜700nm、蛍光波長200〜700nm、励起波長蛍光波長ともに5nm間隔で取得した蛍光指紋の場合、励起波長200nmの蛍光スペクトルの後に励起波長205nmの蛍光スペクトル、その後に励起波長210nmの蛍光スペクトル・・・というように蛍光スペクトルを一列につなげていく。このようにして展開した2次元データの一例を図7(D)に示す。図7(D)は、3つの蛍光スペクトルを示しており、X軸は波長条件(励起波長と蛍光波長の組み合わせ)、Y軸は蛍光強度となる。なお、第一段階の処理を行わず、3次元データのまま多変量解析を行うことにしてもよい。
<2.2次元の蛍光指紋情報に対する信号処理演算(第2段階の処理)>
2次元に展開した蛍光指紋情報に対して、中心化(mean centering)、規格化(normalization)、標準化(autoscale)、2次微分(2nd derivative)、ベースライン補正(baseline correction)、平滑化(smoothing)のうちの1つ又は組み合わせて信号処理演算を行う。第2段階のデータ前処理を行うことにより、蛍光スペクトルに含まれている情報の強調、異なるサンプルの蛍光スペクトルの尺度を合わせることができる等の効果がある。
図8は、図7(D)の蛍光指紋情報を中心化した例を示す図である。「中心化」では、波長条件毎に、全サンプルの蛍光強度の平均を求め、平均が「0」となるように蛍光強度から差し引く処理を行う。図9は、図7(D)の蛍光指紋データを規格化した例を示す図である。「規格化」ではサンプルごとに蛍光強度の積分(スペクトルの下の面積)を求め、全てのサンプルで積分が「1」となるようにサンプルごとに係数をかける処理を行う。図10は、図7(D)の蛍光指紋データを標準化した例を示す図である。「標準化」では波長条件毎に、平均が「0」、標準偏差が「1」となるよう、平均を差し引いた後に標準偏差で割る処理を行う。なお、第2段階のデータ前処理を行わずに多変量解析を行ってもよい。
図5に戻り、ステップS15では、データ前処理が行われた蛍光指紋情報(データ前処理を行っていない蛍光指紋情報を使用してもよい)を多変量解析してチーズの熟成度指標を推定するための推定モデルを作成する。なお、多変量解析で教師ありの手法を使用する場合は、測定対象のチーズについて化学分析等により熟成度指標の実測値を取得する(ステップS12)。多変量解析を行う場合には、MATLAB(Mathworks Inc,USA)、Unscrambler(CAMO Software AS,Norway)、JMP(SAS Institute Inc,USA)、Excel(Microsoft Corporation,USA)等の汎用のソフトウェアや独自開発のソフトウェアを使用してもよい。
多変量解析として回帰分析を使用する場合は、例えば、蛍光指紋情報から熟成度指標の数値を推定するための検量線(回帰式)を推定モデルとして作成する。多変量解析として判別分析を使用する場合は、蛍光指紋情報から熟成度指標のどのグループに分類されるかを推定するための推定モデルを作成する。
つぎに、簡易計測工程では、熟成度指標を推定したいチーズ(測定対象物)を準備する(ステップS21)。測定対象のチーズの準備は、ステップS11と同様であるので、詳細な説明は省略する。熟成度指標を推定したいチーズに対して蛍光指紋計測を行って蛍光指紋情報を取得する(ステップS22)。蛍光指紋情報の取得は、ステップS13と同様であるので、詳細な説明は省略する。取得した蛍光指紋情報に対して、必要によりデータ前処理を実行する(ステップS23)。データ前処理は、ステップS14と同様であるので、詳細な説明は省略する。測定した蛍光指紋情報を推定モデルに適用して熟成度指標を推定する(ステップS24)。
[チーズの熟成度指標推定装置]
次に、本発明のチーズの熟成度指標推定装置の構成について図11及び図12を参照し実施形態を例に挙げて説明する。なお、本実施の形態に係るチーズの熟成度指標推定装置は、前述のチーズの熟成度指標推定方法に好適に使用できるものであるが、本実施の形態に係るチーズの熟成度指標推定方法に用いる装置はこれに限定されるものではない。
ここで、図11は、本実施の形態に係るチーズの熟成度指標推定装置の構成の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
図11に示すように、チーズの熟成度指標推定装置20は、少なくとも蛍光指紋取得装置10を備えている。蛍光指紋取得装置10は、蛍光指紋情報を取得する装置であり、分光照明装置11及び分光検出装置12を備えている。また、チーズの熟成度指標推定装置20は、蛍光指紋取得装置10で取得した蛍光指紋情報から、測定対象のチーズ(測定対象物)13の熟成度指標を検知する装置であり、メモリ21、制御部23、計算処理部24を備えており、測定者はキーボード・マウス22により、チーズの熟成度指標推定装置20に測定条件等を入力する。
ここで、図12は、蛍光指紋取得装置10の一例を示すブロック図であり、該構成のうち本発明に関係する部分のみを概念的に示している。
図12に示すように、蛍光指紋取得装置10は、分光照明装置11及び分光検出装置12を備えている。分光照明装置11は、測定対象のチーズ13に、所定の波長の励起光を照射して測定対象のチーズ(測定対象物)13の成分から蛍光を生じさせる装置である。分光照明装置11は、照射する励起波長を任意に変える励起波長可変手段を有する。
分光検出装置12は、所定の蛍光波長において、測定対象のチーズ13の蛍光強度を取得する。分光検出装置12は、測定対象のチーズ13が発した蛍光のうち、特定の蛍光波長を選択的に捕えて、蛍光強度を計測する。分光検出装置12は、観測する蛍光波長を任意に変える蛍光波長可変手段を有する。
ここで、図11に戻り、チーズの熟成度指標推定装置20について説明する。
チーズの熟成度指標推定装置20は、上述のチーズの熟成度指標推定方法を実行するための装置である。図11に示すように、チーズの熟成度指標推定装置20は、メモリ21、制御部23、及び計算処理部24を備えており、キーボード・マウス22、I/Oポート(例えば、USBポート等)26、及びディスプレイ30等が接続されている。
メモリ21は、指紋検出装置124からチーズの熟成度指標推定装置20へ転送され、計算処理部24の蛍光指紋情報取得部24−1により取得された蛍光指紋情報や、計算処理部24の推定モデル作成部24−2で推定モデルを作成する際に使用するチーズの熟成度指標の実測値や作成した推定モデル27等を格納する。推定モデル27を作成する際に使用するチーズの熟成度指標の実測値は、キーボード・マウス22やI/Oポート26から入力することができる。
制御部23は、測定者が入力した励起波長範囲、蛍光波長範囲、波長ピッチで測定対象のチーズの蛍光指紋を取得するように、分光照明装置11が照射する励起波長、及び、分光検出装置12が観測する蛍光波長を調整する指示を行い、また、計算処理部24に処理を行うよう命令する。
蛍光指紋取得装置10から転送された蛍光指紋情報は、チーズの熟成度指標推定装置20のメモリ21に格納される。測定者がキーボード・マウス22を通じて、計算処理部24に対して処理を行うよう命令すると、まず、計算処理部24の蛍光指紋情報取得部24−1が、メモリ21に格納された蛍光指紋情報を抽出する。
計算処理部24の推定モデル作成部24−2は、抽出された蛍光指紋情報に対して、前処理を行った後、多変量解析を行い、推定モデルを作成する。本実施形態において、計算処理部24の推定モデル作成部24−2は、例えば、多変量解析としてPLS回帰分析で作成した検量線を推定モデルとして作成してもよい。
計算処理部24の推定モデル作成部24−2は、多変量解析の結果(推定モデル27)を、メモリ21に格納してもよく、ディスプレイ30上に出力してもよく、また、プリンタ(図示せず)を介して印刷してもよい。
計算処理部24の熟成度指標推定部24−3は、メモリ21に格納された推定モデル27に抽出された蛍光指紋情報を適用して、熟成度指標を推定する。なお、メモリ21には、複数の熟成度指標(「熟度」、「遊離アミノ酸量」、「遊離脂肪酸量」、及び「熟成期間」等)の推定モデル27を格納しておくことで、1回の蛍光指紋の測定で、複数の熟成度指標を同時に推定することが可能となる。
[実施例]
以下、図13〜図22を参照して実施例について説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図13を参照して実施例1を説明する。本実施例1において、測定対象物として日本産のナチュラルチーズを用いた。そして、蛍光指紋情報取得部24−1の処理により日本産のナチュラルチーズの蛍光指紋情報を取得した。そして、推定モデル作成部24−2の処理により、日本産のナチュラルチーズの蛍光指紋情報に対してPLS回帰分析を行うことで、「熟度」を推定するための検量線を作成した。さらに、熟成度指標推定部24−3により、作成した検量線を使用して、日本産のナチュラルチーズの蛍光指紋情報から「熟度」を推定した。
(1−1.測定対象物の準備)
本実施例1において、測定対象物として、日本産のナチュラルチーズについて13種類の「熟度」のものについて、図6に示した方法で厚さ1.5mm程度の円盤状としたものを2組(キャリブレーションデータ用とバリデーションデータ用)準備した。
(1−2.蛍光指紋情報の取得)
続いて、準備した各測定対象物を計測セルに入れ、蛍光指紋取得装置10(日立分光蛍光光度計F−7000)にセットした。そして、蛍光指紋情報取得部24−1の処理により各測定対象物の蛍光指紋情報を取得した。ここで、測定条件は、以下の通りである。
温度:21〜22℃
励起波長:200〜700nm、間隔5nm
(特に、励起波長250〜500nmの範囲に有用な情報が多く含まれる。)
蛍光波長:200〜700nm、間隔5nm
(特に、蛍光波長250〜700nmの範囲に有用な情報が多く含まれる。)
スキャンスピード:30000nm/min
励起側スリット:5nm
蛍光側スリット:5nm
ホトマル電圧:460V
レスポンス:自動
スペクトル補正:ON
計測サンプル数:各種類のチーズにつき、8サンプル
(1−3.蛍光指紋情報に対するデータ前処理)
取得した蛍光指紋情報に対して、データ前処理として散乱光除去及び2次元データ展開のみを行った(図7参照)。
(1−4.推定モデルの作成)
データ前処理を行った蛍光指紋情報に対して、PLS回帰分析を適用して、検量線(推定モデル)を作成した。PLS回帰分析には、13種類の「熟度」のチーズをそれぞれ4サンプルずつ計測したものを適用した。図13は、PLS回帰分析による蛍光指紋と熟度についての解析結果を示しており、データ前処理として散乱光除去及び2次元データ展開のみを行った場合を示す図である。図13において、横軸は、化学分析から得られた「熟度」の実測値[%]、縦軸は、蛍光指紋情報による「熟度」の推定値[%]を示している。キャリブレーションデータは検量線作成のためのデータである。キャリブレーションデータを直線回帰して検量線を作成している。バリデーションデータは精度確認のためのデータである。キャリブレーションデータ群における推定精度は決定係数R=0.83であり、良好な推定精度であることが確認された。
したがって、本実施例1により、PLS回帰分析によりナチュラルチーズの蛍光指紋から「熟度」を高精度に推定可能であることが示された。「熟度」が未知の日本産ナチュラルチーズについて、蛍光指紋を測定し、測定した蛍光指紋情報をこの検量線に適用して「熟度」を推定したところ、1分程度で推定が可能となり、従来に比べて大幅に計測時間を短縮することができた。
[実施例2]
図14を参照して実施例2を説明する。本実施例2は、実施例1においてさらにデータ前処理として中心化を行った後、PLS回帰分析を行った。
(2−1.測定対象物の準備)
実施例1と同様に、測定対象物を準備した。
(2−2.蛍光指紋情報の取得)
実施例1と同様に、蛍光指紋情報を取得した。
(2−3.蛍光指紋情報に対するデータ前処理)
取得した蛍光指紋情報に対して、データ前処理として、散乱光除去及び2次元データ展開を行った後(図7参照)、中心化(図8参照)を行った。
(2−4.推定モデルの作成)
データ前処理を行った蛍光指紋情報に対して、PLS回帰分析を適用して、検量線(推定モデル)を作成した。PLS回帰分析には、13種類の「熟度」のチーズをそれぞれ4サンプルずつ計測したものを適用した。図14は、PLS回帰分析による蛍光指紋と熟度についての解析結果を示しており、データ前処理として散乱光除去及び2次元データ展開を行った後、「中心化」を行った例を示す図である。図14において、キャリブレーション群における推定精度は決定係数R=0.83であり、良好な推定精度であることが確認された。
[実施例3]
図15を参照して実施例3を説明する。本実施例3は、実施例1においてさらにデータ前処理として規格化を行った後、PLS回帰分析を行った。
(3−1.測定対象物の準備)
実施例1と同様に、測定対象物を準備した。
(3−2.蛍光指紋情報の取得)
実施例1と同様に、測定対象物を準備した。
(3−3.蛍光指紋情報に対するデータ前処理)
取得した蛍光指紋情報に対して、データ前処理として散乱光除去及び2次元データ展開を行った後(図7参照)、規格化(図9参照)を行った。
(3−4.推定モデルの作成)
データ前処理を行った蛍光指紋情報に対して、PLS回帰分析を適用して、検量線(推定モデル)を作成した。PLS回帰分析には、13種類の「熟度」のチーズをそれぞれ4サンプルずつ計測したものを適用した。図15は、PLS回帰分析による蛍光指紋と熟度についての解析結果を示しており、データ前処理として散乱光除去及び2次元データ展開を行った後、「規格化」を行った場合を示す図である。図15において、キャリブレーション群における推定精度は決定係数R=0.90であり、データ前処理として「規格化」を行うことにより、推定精度を向上させることが確認された。
[実施例4]
図16を参照して実施例4を説明する。本実施例4は、実施例1においてさらにデータ前処理として標準化を行った後、PLS回帰分析を行った。
(4−1.測定対象物の準備)
実施例1と同様に、測定対象物を準備した。
(4−2.蛍光指紋情報の取得)
実施例1と同様に、蛍光指紋情報を取得した。
(4−3.蛍光指紋情報に対するデータ前処理)
取得した蛍光指紋情報に対して、データ前処理として散乱光除去及び2次元データ展開を行った後(図7参照)、標準化(図10参照)を行った。
(4−4.推定モデルの作成)
データ前処理を行った蛍光指紋情報に対して、PLS回帰分析を適用して、検量線(推定モデル)を作成した。PLS回帰分析には、13種類の「熟度」のチーズをそれぞれ4サンプルずつ計測したものを適用した。図16は、PLS回帰分析による蛍光指紋と熟度についての解析結果を示しており、データ前処理として散乱光除去及び2次元データ展開を行った後、「標準化」を行った場合を示す図である。図15において、キャリブレーション群における推定精度は決定係数R=0.90であり、データ前処理として「標準化」を行うことにより、推定精度を向上させることが確認された。
[実施例5]
図17を参照して実施例5を説明する。本実施例5において、測定対象物として日本産のナチュラルチーズを用いた。そして、蛍光指紋情報取得部24−1の処理により日本産のナチュラルチーズの蛍光指紋情報を取得した。そして、推定モデル作成部24−2の処理により、取得した蛍光指紋情報に対して主成分分析を行うことで、推定モデルを作成した。
(5−1.測定対象物の準備)
本実施例5において、測定対象物として日本産のナチュラルチーズについて、図6に示した方法で厚さ1.5mm程度の円盤状としたものを準備した。
(5−2.蛍光指紋情報の取得)
実施例1と同様に、蛍光指紋情報を取得した。
(5−3.データ前処理)
実施例4と同様に、取得した蛍光指紋情報に対して、データ前処理として散乱光除去及び2次元データ展開を行った後(図7参照)、標準化(図10参照)を行った。
(5−4.推定モデルの作成)
図17は、データ前処理した蛍光指紋情報に対して主成分分析を行った例を示す図である。図17に示すように、まず、多変量のデータを少数の主成分に要約する主成分分析を行い、蛍光指紋情報から求めた第1主成分と蛍光指紋情報から求めた第2主成分を軸とする平面上に各測定対象物を位置づけた主成分得点プロットを作成する。
図17に示す主成分得点プロットにおいて、各測定対象物の相違が視覚的に表現される。具体的には、図17に示す蛍光指紋測定した測定対象物の主成分得点プロットにおいて、熟度が「10.18(図17において、黒丸印のプロット)」、「16.1(図17において、丸印のプロット)」、「16.15(図17において、四角印のプロット)」、「20.62(図17において、△印のプロット)」、「24.68(図17において、×印のプロット)」のナチュラルチーズが分布している。熟度が「10.18」、「16.1」、「16.15」、「20.62」、「24.68」の分布の重心を通る近似直線を引き、この近似直線を「熟度軸」として設定してもよい。熟度軸に示すように、ナチュラルチーズの熟成が進むと、左上から右下に分布が移動する。この主成分分析の結果を利用して推定モデルを作成する。
[実施例6]
本実施例6は、実施例4でPLS回帰分析したものをPLS判別分析した。PLS判別分析では、熟度が「24」以上と、「24」未満の2つのグループに分類した推定モデルを作成した。熟度が「24」以上の場合を「完熟」、熟度が「24」未満の場合を「未熟」としてもよい。図18は、PLS判別分析により得られた推定モデルによるキャリブレーションデータの判別結果の集計を示す図である。図19は、PLS判別分析により得られた推定モデルによるバリデーションデータの判別結果の集計を示す図である。
図18及び図19に示すように、PLS判別分析により得られた推定モデルによる判別結果の集計では、キャリブレーションデータの場合は、誤判定率=6%、バリデーションデータの場合は、誤判定率8%で共に高い精度で推定することができた。「熟度」が未知の日本産ナチュラルチーズについて、蛍光指紋を測定し、測定した蛍光指紋情報をこの推定モデルに適用して、「熟度(完熟又は未熟)」を推定したところ、1分程度で推定が可能となり、従来に比べて大幅に計測時間を短縮することができた。
[実施例7]
図20を参照して実施例7を説明する。本実施例7において、測定対象物として日本産のナチュラルチーズを用いた。そして、蛍光指紋情報取得部24−1の処理により日本産のナチュラルチーズの蛍光指紋情報を取得した。そして、推定モデル作成部24−2の処理により、日本産のナチュラルチーズの蛍光指紋情報に対してPLS回帰分析を行うことで、「熟成期間」を推定するための検量線を作成した。さらに、熟成度指標推定部24−3により、作成した検量線を使用して、日本産のナチュラルチーズの蛍光指紋情報から「熟成期間」を推定した。
(7−1.測定対象物の準備)
本実施例7において、測定対象物として、日本産のナチュラルチーズについて11種類の「熟成期間」のものを、図6に示した方法で厚さ1.5mm程度の円盤状としたものを4サンプルずつ(キャリブレーションデータ用とバリデーションデータ用)準備した。
(7−2.蛍光指紋情報の取得)
実施例1と同様に、蛍光指紋情報を取得した。
(7−3.蛍光指紋情報に対するデータ前処理)
実施例4と同様に、取得した蛍光指紋情報に対して、データ前処理として散乱光除去及び2次元データ展開を行った後(図7参照)、標準化を行った(図10参照)。
(7−4.推定モデルの作成)
データ前処理を行った蛍光指紋情報に対してPLS回帰分析を適用して、検量線(推定モデル)を作成した。PLS回帰分析には、11種類の「熟成期間」のチーズをそれぞれ4サンプルずつ計測したものを適用した。図20は、PLS回帰分析による蛍光指紋と熟成期間についての解析結果を示す図である。図20において、横軸は、実際の「熟成期間」[日]、縦軸は、蛍光指紋による「熟成期間」の推定値[日]を示している。
キャリブレーションデータ群における推定精度は決定係数R=0.96であり、極めて良好な推定精度であることが確認された。したがって、本実施例7により、PLS回帰分析によりナチュラルチーズの蛍光指紋から「熟成期間」を高精度に推定可能であることが示された。「熟成期間」が未知の日本産ナチュラルチーズについて、蛍光指紋を測定し、測定した蛍光指紋をこの検量線に適用して「熟成期間」を推定したところ、1分程度で推定が可能となり、従来に比べて大幅に計測時間を短縮することができた。
[実施例8]
図21を参照して実施例8を説明する。本実施例8において、測定対象物として日本産のナチュラルチーズを用いた。そして、蛍光指紋情報取得部24−1の処理により日本産のナチュラルチーズの蛍光指紋情報を取得した。そして、推定モデル作成部24−2の処理により、日本産のナチュラルチーズの蛍光指紋情報に対してPLS回帰分析を行うことで、「遊離アミノ酸(トリプトファン)量」を推定するための検量線を作成した。さらに、熟成度指標推定部24−3により、作成した検量線を使用して、日本産のナチュラルチーズの蛍光指紋情報から「遊離アミノ酸量」を推定した。
(8−1.測定対象物の準備)
本実施例8において、測定対象物として、日本産のナチュラルチーズについて10種類の「遊離アミノ酸量」のものを、図6に示した方法で厚さ1.5mm程度の円盤状としたものを2組(キャリブレーションデータ用とバリデーションデータ用)準備した。
(8−2.蛍光指紋情報の取得)
実施例1と同様に、蛍光指紋情報を取得した。
(8−3.蛍光指紋情報に対するデータ前処理)
実施例4と同様に、取得した蛍光指紋情報に対して、データ前処理として散乱光除去及び2次元データ展開を行った後(図7参照)、標準化を行った(図10参照)。
(8−4.推定モデルの作成)
データ前処理を行った蛍光指紋情報に対してPLS回帰分析を適用して、検量線(推定モデル)を作成した。PLS回帰分析には、10種類の「遊離アミノ酸量」のサンプルをそれぞれ1回計測したものを適用した。図21は、PLS回帰分析による蛍光指紋と遊離アミノ酸(トリプトファン)量についての解析結果を示す図である。図21において、横軸は、化学分析から得られた「遊離アミノ酸(トリプトファン)量」の実測値[mg/100g]、縦軸は、蛍光指紋による「遊離アミノ酸(トリプトファン)量」の推定値[mg/100g]を示している。
キャリブレーションデータ群における推定精度は決定係数R=0.97であり、極めて良好な推定精度であることが確認された。したがって、本実施例8により、PLS回帰分析によりナチュラルチーズの蛍光指紋から「遊離アミノ酸量」を高精度に推定可能であることが示された。「遊離アミノ酸量」が未知の日本産ナチュラルチーズについて、蛍光指紋を測定し、測定した蛍光指紋をこの検量線に適用して「遊離アミノ酸量」を推定したところ、1分程度で推定が可能となり、従来に比べて大幅に計測時間を短縮することができた。
[実施例9]
図22を参照して実施例9を説明する。本実施例9において、測定対象物として日本産のナチュラルチーズを用いた。そして、蛍光指紋情報取得部24−1の処理により日本産のナチュラルチーズの蛍光指紋情報を取得した。そして、推定モデル作成部24−2の処理により、日本産のナチュラルチーズの蛍光指紋情報に対してPLS回帰分析を行うことで、「遊離脂肪酸(総量)」を推定するための検量線(推定モデル)を作成した。さらに、熟成度指標推定部24−3により、作成した検量線を使用して、日本産のナチュラルチーズの蛍光指紋情報から「遊離脂肪酸(総量)」を推定した。
(9−1.測定対象物の準備)
本実施例9において、測定対象物として、日本産のナチュラルチーズについて13種類の「遊離脂肪酸(総量)」のものを、図6に示した方法で厚さ1.5mm程度の円盤状としたものを2組(キャリブレーションデータ用とバリデーションデータ用)準備した。
(9−2.蛍光指紋情報の取得)
実施例1と同様に、蛍光指紋情報を取得した。
(9−3.蛍光指紋情報に対するデータ前処理)
実施例4と同様に、取得した蛍光指紋情報に対して、データ前処理として散乱光除去及び2次元データ展開を行った後(図7参照)、標準化を行った(図10参照)。
(9−4.推定モデルの作成)
データ前処理を行った蛍光指紋情報に対してPLS回帰分析を適用して、検量線(推定モデル)を作成した。PLS回帰分析には、13種類の「遊離脂肪酸(総量)」のチーズをそれぞれ4サンプルずつ計測したものを適用した。図22は、PLS回帰分析による蛍光指紋と遊離脂肪酸(総量)についての解析結果を示す図である。図22において、横軸は、化学分析から得られた「総遊離脂肪酸量」の実測値[mg/kg]、縦軸は、蛍光指紋による「総遊離脂肪酸」の推定値[mg/kg]を示している。
キャリブレーションデータ群における推定精度は決定係数R=0.97であり、極めて良好な推定精度であることが確認された。したがって、本実施例9により、PLS回帰分析により、ナチュラルチーズの蛍光指紋から「遊離脂肪酸(総量)」を高精度に推定可能であることが示された。「遊離脂肪酸(総量)」が未知の日本産ナチュラルチーズについて蛍光指紋を測定し、測定した蛍光指紋をこの検量線に適用して「遊離脂肪酸(総量)」を推定したところ、1分程度で推定が可能となり、従来に比べて大幅に計測時間を短縮することができた。
[ナチュラルチーズの製造方法]
本発明のチーズの熟成度指標推定方法及びチーズの熟成度指標推定装置を使用してナチュラルチーズを製造することにしてもよい。すなわち、本発明のチーズの熟成度指標推定方法及びチーズの熟成度指標推定装置により推定される熟成度指標を使用して、ナチュラルチーズの出荷時期を決定してもよい。
[プロセスチーズの製造方法]
本発明のチーズの熟成度指標推定方法及びチーズの熟成度指標推定装置を使用してプロセスチーズを製造することにしてもよい。すなわち、原料となるナチュラルチーズの熟成度指標を本発明のチーズの熟成度指標推定方法及びチーズの熟成度指標推定装置により推定し、推定した熟成度指標に基づいて、原料となるナチュラルチーズの配合及び/又はプロセスチーズの製造条件を決定してもよい。
[実施例10]
本実施例10において、本発明の熟成度指標推定方法(実施例1)を使用したプロセスチーズの製造方法を説明する。
(10−1.原料に使用するナチュラルチーズの熟成度指標の推定)
実施例1に基づいて作成した検量線を使用して、製造日が異なる日本産ナチュラルチーズA、B、Cの蛍光指紋情報から「熟度」を推定した。その結果、各ナチュラルチーズの熟度は、それぞれチーズAが6.0%、チーズBが14.0%、チーズCが25.0%であった。
(10−2.プロセスチーズの製造)
熟度を推定したチーズA〜C、及びその他の原料について、チーズAを16%、チーズBを56%、チーズCを8%、添加水を17%、および溶融塩であるクエン酸三ナトリウムを3%の割合で配合し、撹拌しながら加熱乳化した。品温が85℃になった時点でさらに85℃で1分間保持し、直ちにカルトンに充填して、5℃で一晩冷却してプロセスチーズPを製造した。この方法で製造したプロセスチーズPの物性及び風味は、従来法である全窒素に対する水溶性窒素の割合を「熟度」として計測する方法により測定した熟度に基づいて製造したプロセスチーズと同等であることが確認された。
[実施例11]
本実施例11において、本発明の熟成度指標推定方法(実施例1及び実施例2)を使用したプロセスチーズの製造方法を説明する。
(11−1.原料に使用するナチュラルチーズの熟成度指標の推定)
実施例1、実施例2に基づいて作成した検量線を使用して、製造日が異なる日本産ナチュラルチーズD及びEの蛍光指紋情報から「熟度」を推定した。
その結果、各ナチュラルチーズの熟度は、それぞれチーズDが7.5%、チーズEが18.0%であった。
(11−2.プロセスチーズの製造)
熟度を推定したチーズD、チーズE、及びその他の原料について、チーズDを24%、チーズEを56%、添加水を17%、および溶融塩であるクエン酸三ナトリウムを3%の割合で配合し、撹拌しながら加熱乳化した。品温が85℃になった時点でさらに85℃で1分間保持し、直ちにカルトンに充填して、5℃で一晩冷却してプロセスチーズQを製造した。
この方法で製造したプロセスチーズQの物性及び風味は、従来法である全窒素に対する水溶性窒素の割合を「熟度」として計測する方法により測定した熟度に基づいて製造したプロセスチーズと同等であることが確認された。
[他の実施の形態]
さて、これまで本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施の形態にて実施されてよいものである。
また、実施の形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、或いは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
このほか、上記文献中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、チーズの熟成度指標推定装置20に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、チーズの熟成度指標推定装置20の各装置が備える処理機能、特に計算処理部24にて行われる各処理機能については、その全部又は任意の一部を、CPU(Central Processing Unit)及び当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、後述する記録媒体に記録されており、必要に応じてチーズの熟成度指標推定装置20に機械的に読み取られる。すなわち、ROM又はHDなどのメモリ21などは、OS(Operating System)として協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
また、このコンピュータプログラムは、チーズの熟成度指標推定装置20に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部又は一部をダウンロードすることも可能である。
また、本発明に係るプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USBメモリ、SDカード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD−ROM、MO、DVD、及び、Blu−ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
また、「プログラム」とは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードやバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OS(Operating System)に代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施の形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成、読み取り手順、あるいは、読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
メモリ21に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラムやテーブルやデータベースやウェブページ用ファイル等を格納する。
また、チーズの熟成度指標推定装置20は、既知のパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、該情報処理装置に任意の周辺装置を接続して構成してもよい。また、チーズの熟成度指標推定装置20は、該情報処理装置に本発明の方法を実現させるソフトウェア(プログラム、データ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部又は一部を、各種の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
以上説明したように、本実施の形態によれば、所定の励起波長範囲及び所定の蛍光波長範囲で、照射する励起波長及び観測する蛍光波長を段階的に変化させながら、測定対象のチーズの蛍光強度を測定して、前記測定対象のチーズの蛍光指紋情報を取得し、取得した蛍光指紋情報に基づいて測定対象のチーズの熟成度指標を推定しているので、チーズの熟成度指標を客観的かつ迅速に推定することが可能となる。付言すると、本実施の形態では、非破壊、非接触での計測にも関わらず、熟成度指標を正確に推定することができるので、チーズの製造現場における出荷時期の判定や検査などの様々な分野において広く使用することができる、非常に汎用性の高い手法である。
また、本実施の形態によれば、チーズの熟成度指標を推定するための推定モデルに取得した蛍光指紋情報を適用して測定対象のチーズの熟成度指標を推定しているので、蛍光指紋を測定するだけで、簡単かつ迅速に熟成度指標を推定することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、取得した蛍光指紋情報に対して多変量解析を行うことで推定モデルを作成しているので、高精度な推定モデルを作成することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、多変量解析としてPLS回帰分析を行って、推定モデルとして検量線を作成し、取得した蛍光指紋情報を検量線に適用して測定対象のチーズの熟成度指標を推定することとしたので、熟成度指標の具体的な数値を高精度に推定することが可能となる。
また、本発明によれば、蛍光指紋情報に対して、データ前処理として、中心化、標準化、規格化、微分、ベースライン補正、及び平滑化のうちの1又は複数の処理を行うこととしたので、熟成度指標の推定精度を向上させることが可能となる。
また、本発明によれば、熟成度指標は、熟度、遊離アミノ酸量、遊離脂肪酸量、及び熟成期間のうちの1又は複数であることとしたので、熟成度指標として、熟度、遊離アミノ酸量、遊離脂肪酸量、及び熟成期間を推定することが可能となる。例えば、熟度、遊離アミノ酸量、遊離脂肪酸量、及び熟成期間を推定させるための推定モデルをそれぞれ用意しておくことで、1回の蛍光指紋の測定で、熟度、遊離アミノ酸量、遊離脂肪酸量、及び熟成期間を同時に推定することが可能となる。
10 蛍光指紋取得装置
11 分光照明装置
110 光源
112 分光装置
12 分光検出装置
122 分光装置
124 指紋検出装置
13 測定対象物
20 チーズの熟成度指標推定装置
21 メモリ
22 キーボード・マウス
23 制御部
24 計算処理部
24−1 蛍光指紋情報取得部
24−2 推定モデル作成部
24−3 熟成度指標推定部
26 I/Oポート
27 推定モデル
30 ディスプレイ

Claims (21)

  1. 測定対象のチーズの熟成度指標を推定するチーズの熟成度指標推定方法であって、
    所定の励起波長範囲及び所定の蛍光波長範囲で、照射する励起波長及び観測する蛍光波長を段階的に変化させながら、測定対象のチーズの蛍光強度を測定して、前記測定対象のチーズの蛍光指紋情報を取得する蛍光指紋情報取得工程と、
    前記蛍光指紋情報取得工程で取得した前記蛍光指紋情報に基づいて前記測定対象のチーズの熟成度指標を推定する熟成度指標推定工程と、
    を含むことを特徴とするチーズの熟成度指標推定方法。
  2. 前記熟成度指標推定工程では、チーズの熟成度指標を推定するための推定モデルに前記蛍光指紋情報取得工程で取得した前記蛍光指紋情報を適用して前記測定対象のチーズの熟成度指標を推定することを特徴とする請求項1に記載のチーズの熟成度指標推定方法。
  3. さらに、前記蛍光指紋情報取得工程で取得した蛍光指紋情報に対して多変量解析を行うことで前記推定モデルを作成する推定モデル作成工程を含むことを特徴とする請求項2に記載のチーズの熟成度指標推定方法。
  4. 前記推定モデル作成工程では、前記多変量解析としてPLS回帰分析を行って、前記推定モデルとして検量線を作成し、
    前記熟成度指標推定工程では、前記蛍光指紋情報取得工程で取得した前記蛍光指紋情報を前記検量線に適用して前記測定対象のチーズの熟成度指標を推定することを特徴とする請求項2に記載のチーズの熟成度指標推定方法。
  5. さらに、前記蛍光指紋情報に対して、中心化、標準化、規格化、微分、ベースライン補正、及び平滑化のうちの1又は複数の処理を行うデータ前処理工程を含むことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載のチーズの熟成度指標推定方法。
  6. 前記熟成度指標は、熟度、遊離アミノ酸量、遊離脂肪酸量、及び熟成期間のうちの1又は複数であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載のチーズの熟成度指標推定方法。
  7. 測定対象のチーズの熟成度指標を推定するチーズの熟成度指標推定装置であって、
    所定の励起波長範囲及び所定の蛍光波長範囲で、照射する励起波長及び観測する蛍光波長を段階的に変化させながら、測定対象のチーズの蛍光強度を測定して、前記測定対象のチーズの蛍光指紋情報を取得する蛍光指紋情報取得手段と、
    前記蛍光指紋情報取得工程で取得した前記蛍光指紋情報に基づいて前記測定対象のチーズの熟成度指標を推定する熟成度指標推定手段と、
    を備えたことを特徴とするチーズの熟成度指標推定装置。
  8. 前記熟成度指標推定手段は、チーズの熟成度指標を推定するための推定モデルに前記蛍光指紋情報取得手段で取得した前記蛍光指紋情報を適用して前記測定対象のチーズの熟成度指標を推定することを特徴とする請求項7に記載のチーズの熟成度指標推定装置。
  9. さらに、前記蛍光指紋情報取得手段で取得した蛍光指紋情報に対して多変量解析を行うことで前記推定モデルを作成する推定モデル作成手段を備えたことを特徴とする請求項8に記載のチーズの熟成度指標推定装置。
  10. 前記推定モデル作成手段は、前記多変量解析としてPLS回帰分析を行って、前記推定モデルとして検量線を作成し、
    前記熟成度指標推定手段は、前記蛍光指紋情報取得手段で取得した前記蛍光指紋情報を前記検量線に適用して前記測定対象のチーズの熟成度指標を推定することを特徴とする請求項9に記載のチーズの熟成度指標推定装置。
  11. さらに、前記蛍光指紋情報に対して、中心化、標準化、規格化、微分、ベースライン補正、及び平滑化のうちの1又は複数の処理を行うデータ前処理手段を含むことを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれか1つに記載のチーズの熟成度指標推定装置。
  12. 前記熟成度指標は、熟度、遊離アミノ酸量、遊離脂肪酸量、及び熟成期間のうちの1又は複数であることを特徴とする請求項7〜請求項11のいずれか1つに記載のチーズの熟成度指標推定装置。
  13. 測定対象のチーズの熟成度指標を推定するチーズの熟成度指標推定装置に搭載されるプログラムであって、
    所定の励起波長範囲及び所定の蛍光波長範囲で、照射する励起波長及び観測する蛍光波長を段階的に変化させながら、測定対象のチーズの蛍光強度を測定して、前記測定対象のチーズの蛍光指紋情報を取得する蛍光指紋情報取得工程と、
    前記蛍光指紋情報取得工程で取得した前記蛍光指紋情報に基づいて前記測定対象のチーズの熟成度指標を推定する熟成度指標推定工程と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータが実行可能なプログラム。
  14. 前記熟成度指標推定工程では、チーズの熟成度指標を推定するための推定モデルに前記蛍光指紋情報取得工程で取得した前記蛍光指紋情報を適用して前記測定対象のチーズの熟成度指標を推定することを特徴とする請求項13に記載のコンピュータが実行可能なプログラム。
  15. さらに、前記蛍光指紋情報取得工程で取得した蛍光指紋情報に対して多変量解析を行うことで前記推定モデルを作成する推定モデル作成工程をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項14に記載のコンピュータが実行可能なプログラム。
  16. 前記推定モデル作成工程では、前記多変量解析としてPLS回帰分析を行って、前記推定モデルとして検量線を作成し、
    前記熟成度指標推定工程では、前記蛍光指紋情報取得工程で取得した前記蛍光指紋情報を前記検量線に適用して前記測定対象のチーズの熟成度指標を推定することを特徴とする請求項15に記載のコンピュータが実行可能なプログラム。
  17. さらに、前記蛍光指紋情報に対して、中心化、標準化、規格化、微分、ベースライン補正、及び平滑化のうちの1又は複数の処理を行うデータ前処理工程をコンピュータに実行させることを特徴とする請求項13〜請求項16のいずれか1つに記載のコンピュータが実行可能なプログラム。
  18. 前記熟成度指標は、熟度、遊離アミノ酸量、遊離脂肪酸量、及び熟成期間のうちの1又は複数であることを特徴とする請求項13〜請求項17のいずれか1つに記載のコンピュータが実行可能なプログラム。
  19. ナチュラルチーズであって、
    請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載のチーズの熟成度指標推定方法により推定される熟成度指標を使用して出荷時期が決定されたナチュラルチーズ。
  20. プロセスチーズであって、
    原料となるナチュラルチーズが、請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載のチーズの熟成度指標推定方法により熟成度指標が推定され、
    前記推定された熟成度指標に基づいて、前記原料となるナチュラルチーズの配合及び/又は前記プロセスチーズの製造条件が決定されたプロセスチーズ。
  21. 請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載のチーズの熟成度指標推定方法により熟成度指標が推定されたナチュラルチーズが原料に使用されるプロセスチーズの製造方法であって、
    前記推定された熟成度指標に基づいて、前記原料となるナチュラルチーズの配合を決定する工程、を含む製造方法。
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